説明

画像処理装置

【課題】多様な言語で利用可能で、パスワード入力可能な記号群が切換えられてもパスワード入力時のトラブルを防止できる画像処理装置を提供する。
【解決手段】画像処理装置52は、複数の記号群を選択可能で、選択された記号群に含まれる記号に利用者の入力を制限させる操作パネル102と、操作パネル102によって入力された記号の列を用いて利用者認証する認証部146と、選択された記号群が切換えられたことに応答して、認証部146による認証に必要な認証情報を操作パネル102から入力できなくなった利用者にその旨を通知するCPU120とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置に関し、特に、当該画像処理装置に入力可能な記号群が利用者によって変更された場合であっても使い勝手の良い画像処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、様々な会社において国際化が進んでおり、あるオフィス内に属する者が、異なる言語を母国語とする場合がある。
【0003】
そうしたオフィスの国際化に伴って、画像処理装置の表示装置に表示される文章等を、様々な言語で表示することが望ましい。
【0004】
特許文献1は、複数の言語で表示可能な表示装置を備えたプリンタのための技術を開示している。特許文献1に記載のプリンタでは、利用者は、複数の言語のいずれかを選択することが可能である。そのプリンタは、選択された言語で、表示装置に文章及び単語等を表示する。通常、そのような言語の変更は、装置の管理者が行なうことが想定される。
【0005】
ところで、現在、画像処理装置でもセキュリティ確保の要求が高まっている。
【0006】
そのような画像処理装置に記憶される画像には、その画像処理装置が設置されているオフィス内での機密文書が含まれる場合がある。そのような場合、ある利用者がその画像処理装置を操作し始める場合に、その利用者が正当な利用者であるか否かを認証することが必要となる。なぜなら、そのような認証を行なわなければ、悪意のある利用者が機密文書を印刷して、外部に持ち出すことが想定されるからである。
【0007】
そのために、利用開始の際に、パスワード入力によって利用者認証を行なう画像処理装置が普及している。画像処理装置は、パスワード認証が成功した利用者に対して、その利用者に応じた権限での利用を許可する。
【0008】
ところで、現在、画像処理装置には、表示一体型のタッチパネルを持ち、タッチパネルに表示される、ソフトウェアキーボードと称されるユーザインタフェース(以下、UIと呼ぶ。)を用いてユーザ入力を受けるものがある。
【0009】
ソフトウェアキーボードとは、タッチパネル等に表示される複数キーの画像配列を利用したUIである。ソフトウェアキーボードの各キーには、文字及び記号等が表示される。以下、そのようなソフトウェアキーボードのキーの画像を、「ソフトウェアキー」と呼ぶ。利用者が、ソフトウェアキーが表示された箇所を押下することによって、画像処理装置の制御装置はそのキーに対応した情報を受取り、印刷等の動作を行なう。上記したように、使用者の使用する言語が異なる場合、特許文献1の技術とあいまって、各個人が不自由を感じずに使用できるという効果がある。
【特許文献1】特開2002‐7024号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
印刷済画像を記憶しておき、利用者にファイリング処理させるための機能が設けられた画像処理装置が普及している。ファイリング機能とともに、記憶した画像の一覧を表示して利用者に選択させ、利用者によって選択された画像を印刷したり、他のファクシミリ装置にFAX送信したりする機能も設けられている場合がある。
【0011】
特許文献1に記載のプリンタ等の画像処理装置を国際化が進んだオフィスに設置して、当該画像処理装置にパスワード認証を行なわせるのであれば、各利用者に対して、当該利用者の言語に対応した文字をソフトウェアキーに表示して、パスワード入力させることが考えられる。
【0012】
しかし、その方法を採用すると、以下に述べる問題が発生する。
【0013】
画像処理装置に設定されている言語が、ロシア語から英語に切換えられたものとする。すると、ロシア語のアルファベットでパスワードを設定している利用者が画像処理装置にログインする場合、パスワードを入力することができない場合がある。なぜなら、ロシア語のアルファベットには、英語にはない文字が存在するからである。
【0014】
そのような場合、パスワードを変更する必要が生ずる。しかし、パスワードを変更するためには、そもそも変更前のパスワードでログインする必要があり、言語を変更する権限を持たない利用者は画像処理装置を全く使用できなくなってしまう。こうした場合には、パスワードの再設定を画像処理装置の管理者に依頼すれば良い。しかし、利用開始の度にそのような依頼を行なうことは、利用者にとっても管理者にとっても煩わしいことである。
【0015】
したがって、本発明の目的は、多様な言語で利用可能で、パスワード入力可能な記号群が切換ったとしてもパスワード入力時のトラブルを防止できる画像処理装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明に係る画像処理装置は、複数の記号群を選択可能で、選択された記号群に含まれる記号に制限して利用者に入力させるための入力手段と、入力手段によって入力される記号列からなる認証情報を用いて利用者を認証するための第1の認証手段と、選択された記号群が切換えられたことに応答して、入力手段から入力できなくなった認証情報の管理者に、その旨を通知するための通知手段とを含む。
【0017】
入力手段で利用可能な記号群が切換えられると、認証情報を入力できなくなる利用者が発生する可能性がある。しかし本発明によれば、そのような場合には利用者に対してその旨が通知されるので、利用者は認証情報が入力できるように適切な処理をとることができる。使用時に、認証情報が入力できず画像処理装置が使用できない、という事態が発生することを防止できる。
【0018】
好ましくは、通知手段は、電子メールで通知を行なうことを特徴とする。
【0019】
通常、電子メールは利用者が最も利用する頻度の高い情報端末装置で確認できる。したがって通知を電子メールで行なうことにより、認証情報が入力できなくなっていることを利用者に確実に通知することができる。
【0020】
さらに好ましくは、複数の記号群は言語により区別された文字群である。通知手段は、利用者の認証情報が、入力手段において、選択された記号群に含まれる文字のみからなるか否かにしたがって、入力手段で入力可能か否かを判定する。
【0021】
管理者は、入力手段で入力できなくなった認証情報を使用する利用者でもよいし、画像処理装置の管理者でもよい。
【0022】
利用者に通知すれば、その利用者が適切な対処をすることが期待できる。また画像処理装置の管理者に通知すれば、利用者に何か問題が生じる前に、システムを適切に設定したり、関係する利用者に対して明確に認証情報の変更を依頼したりすることが確実に行なえる。
【0023】
より好ましくは、画像処理装置は、通知を行なった後、一定期間を経過しても認証情報が変更されない利用者に対して、再通知を行なうための再通知手段をさらに含む。
【0024】
通知後、一定期間を経過しても認証情報が変更されないときに、再通知が行なわれるので、確実に利用者に認証情報の変更をさせることができる。
【0025】
画像処理装置は、通知を行なった後、一定期間を経過しても認証情報が変更されない利用者の認証情報を、入力手段で入力可能な記号からなる認証情報に強制的に再設定するための強制再設定手段をさらに含んでもよい。
【0026】
一定期間を経過しても認証情報が変更されない利用者については、強制的に新たな認証情報に再設定すれば、少なくとも認証情報が入力できないために画像処理装置が利用できない、という事態の発生を防止できる。再設定された認証情報を各利用者に通知すれば、利用者がその認証情報すぐ知ることができるため、さらに好ましい。
【0027】
好ましくは、画像処理装置は、通知を行なった後、一定期間を経過しても認証情報が変更されない利用者について、認証情報を再設定するよう、画像処理装置の管理者に要求する電子メールを送信するための手段をさらに含む。
【0028】
画像処理装置の管理者に通知することで、その利用者の認証情報を強制的に変更したり、その利用者に直接話をして認証情報を変えさせたりすることができ、効果的に新たな認証情報への変更を行なうことができる。
【0029】
好ましくは、画像処理装置は、ウェブサーバと、ウェブサーバを経由して認証情報変更のためのウェブページの送信要求を受信したことに応答して、認証情報変更のためのウェブページを送信要求の送信元に返信するための手段とをさらに含む。認証情報変更のためのウェブページは、利用者の識別情報と、利用者の認証情報と、再設定後の新認証情報とをウェブサーバに返信可能な構成とされている。画像処理装置はさらに、利用者の識別情報と認証情報とを記憶するための利用者情報記憶手段と、認証情報変更のためのウェブページからの返信を受信したことに応答して、当該返信に含まれる新認証情報が、入力手段で入力可能か否かを判定するための判定手段と、判定手段により新認証情報が入力手段で入力可能と判定されたことに応答して、返信に含まれる利用者の識別情報と認証情報とにしたがって特定される利用者の、利用者情報記憶手段に記憶される認証情報を、返信に含まれる新認証情報で更新するための更新手段とを含む。
【0030】
ウェブサーバ経由で他の端末装置から認証情報をこの画像処理装置に送信する場合、上記した入力手段は用いない。そのため、認証情報として使用できる記号は制限されず、どこからでもこの画像処理装置での認証を行なうことができる。そのため、ウェブサーバ経由でいつでも正しい認証情報を再設定することができる。
【0031】
より好ましくは、画像処理装置はさらに、判定手段により新認証情報が入力手段で入力可能でないと判定されたことに応答して、返信を送信してきた端末に、新認証情報が利用できないことを示すウェブページを送信するための手段を含む。
【0032】
新認証情報が、入力手段で入力できないものである場合には、そのままではその利用者は画像処理装置で入力手段を用いた認証を実行できない。新認証情報がそのようなものである場合には、別の適切な認証情報の入力を求める必要がある。新認証情報が利用できないことを示すウェブページを送信することで、利用者は新認証情報が不適切なものであることを直ちに確認することができ、不適切な認証情報を設定することが防止できる。
【0033】
さらに好ましくは、画像処理装置はさらに、ウェブサーバを経由して利用者の識別情報及び認証情報を受信したことに応答して、当該識別情報に対応する利用者を認証するためのウェブ認証手段を含む。
【0034】
ウェブ認証手段によって、入力手段を使用しなくても他の端末装置からウェブサーバ経由でこの画像処理装置で認証を行なえる。他の端末装置では、入力可能な文字に特に制限はないので、いつでもこの画像処理装置にログインして必要な処理を行なえる。
【0035】
認証情報変更のためのウェブページはさらに、ウェブ認証手段を用いた認証のみを用いるか否かを示すウェブ認証フラグをウェブサーバに返信可能な構成とされていてもよい。利用者情報記憶手段はさらに、利用者がウェブ認証手段のみを利用した認証によりログインするか否かを示すウェブログインフラグを記憶し、更新手段は、判定手段により新認証情報が入力手段で入力可能と判定されたことに応答して、返信に含まれる利用者の識別情報と認証情報とにしたがって特定される利用者の、利用者情報記憶手段に記憶される認証情報及びウェブログインフラグを、返信に含まれる新認証情報及びウェブ認証フラグにしたがって更新するための手段を含む。
【0036】
ウェブ認証手段を用いた認証のみを使用する場合、入力手段を使用した認証をする必要はない。入力手段により入力可能な記号群が切換えられたときに、新認証情報を変更するのと同時にウェブログインフラグを更新することが可能なため、わざわざウェブログインフラグを更新するためだけの処理をする必要はなく、便利である。
【0037】
好ましくは、更新するための手段は、ウェブ認証フラグが、ウェブ認証手段を用いた認証のみを用いることを示すときには、利用者情報記憶手段の識別情報は更新しない。
【0038】
ウェブ認証手段を用いた認証のみを使用する場合、入力手段により入力可能な記号群が切換えられても影響はない。そのため、識別情報を変更する必要もない。利用者に不要な処理を行なわせることを回避できる。
【0039】
より好ましくは、通知手段は、入力手段から入力できなくなった認証情報を持つ利用者であっても、ウェブログインフラグによってウェブ認証のみを使用することが示されているときには、認証情報が入力手段では入力できなくなったことの通知を停止する。
【0040】
ウェブ認証手段を用いた認証のみを使用する場合、入力手段により入力可能な記号群が切換えられても影響はない。そのため、識別情報を変更する必要もない。利用者に対して不要な通知を行なうことを防止できる。
【0041】
好ましくは、画像処理装置は、ウェブサーバを経由して、ウェブ認証手段による認証が成功した利用者から、当該利用者に関する利用者情報の確認要求を受けたことに応答して、利用者情報記憶手段から、当該利用者の利用者情報を読出し、利用者情報の確認画面を表示するための文書を生成し確認要求の送信元端末に返信するための手段をさらに含む。
【0042】
利用者情報をウェブサーバ経由で確認できるので、利用者は自分の現在の状況をいつでも確認することができ、必要であれば、適宜、設定を変更することができる。
【発明の効果】
【0043】
以上のとおり、本発明に係る画像処理装置によれば、入力手段で利用可能な記号群が切換えられ、認証情報を入力できなくなる利用者が発生する可能性がある場合には、利用者に対してその旨が通知される。利用者は認証情報が入力できるように適切な処理をとることができる。使用時に、認証情報が入力できず画像処理装置が使用できない、という事態が発生することを防止できる。さらに、一定期間経過しても認証情報が変更されない場合には、再通知をしたり、強制的な再設定をしたり、画像処理装置の管理者に通知したりされる。そのため、認証情報の変更忘れを防止することができる。
【0044】
その結果、多様な言語で利用可能で、パスワードとして入力可能な記号群が切換えられたとしてもパスワード入力時のトラブルを防止できる画像処理装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0045】
以下の実施の形態では、同一の部品には同一の参照番号を付してある。それらの機能及び名称も同一である。したがって、それらについての詳細な説明は繰返さない。
【0046】
[ネットワーク環境]
図1は、本発明の実施の形態に係る画像処理装置52を含むネットワークシステム50の全体構成を示す模式図である。図1を参照して、ネットワークシステム50は、LAN(Local Area Network)56に接続されており、ファクシミリ、複写機、プリンタとして機能する電子写真方式のMFPである画像処理装置52と、LAN56を介して、画像処理装置52に接続されているPC(Personal Computer)等の端末装置54A〜54D等とを含む。
【0047】
以後、端末装置54A〜54D等を、単に端末装置54と呼ぶことがある。
【0048】
本実施の形態に係る画像処理装置52はMFPであるため、複数の動作モードで動作可能である。すなわち、画像処理装置52は、原稿読取装置を用いて原稿の画像を読取って記録用紙に印刷するコピーモードと、複数の画像の電子データを利用者にファイリング処理させるドキュメントファイリングモード等とのうちの、任意のモードで動作可能である。
【0049】
図2は、端末装置54の内部構成を示すブロック図である。図2を参照して、端末装置54は、LAN56を介して画像処理装置52及びその他の外部の装置等とデータの送受信を行なうための通信部78と、ディスプレイ80と、利用者によって操作される、キーボード及びマウス等からなる操作部82とを含む。
【0050】
端末装置54はさらに、プログラム等を記憶するためのROM(Read Only Memory)74と、通電が遮断された場合であってもプログラム及びデータ等を記憶可能な不揮発性記憶装置であるHDD(Hard Disk Drive)72と、プログラムを実行する際の記憶領域を提供するためのRAM(Random Access Memory)76とを含む。
【0051】
端末装置54はさらに、通信部78、ディスプレイ80、操作部82、ROM74、HDD72、及びRAM76に接続されたバス84と、バス84に接続された、プログラムを実行することで種々の機能を実現するためのCPU(Central Processing Unit)70とを含む。
【0052】
CPU70は、制御プログラムを実行することにより端末装置54の全体の制御を司る。なお、通信部78、ディスプレイ80、操作部82、ROM74、HDD72、及びRAM76に対する制御は、CPU70が所定のプログラムを実行することにより行なわれる。
【0053】
図3は、本実施の形態に係る画像処理装置52の外観構成を示す図である。図4は、画像処理装置52の機能ブロック図である。
【0054】
図3及び図4を参照して、画像処理装置52は、原稿画像を読取り、RGB(R:Red、G:Green、B:Blue)アナログ画像信号を出力するための原稿読取部100と、原稿読取部100の下側に設置され、画像を記録紙上に形成するための印刷部108と、原稿読取部100の前方に設置された、表示部104及び操作部106からなる操作パネル102とを含む。
【0055】
図4を参照して、画像処理装置52はさらに、LAN56を介して端末装置54等とデータの送受信を行なうための通信部130と、利用者が画像処理装置52の利用を開始する際にパスワード認証処理を行なうための認証部146と、端末装置からのHTTP(HyperText Transfer Protocol)通信による要求に応じて、各利用者のパスワードの設定を管理するためのWebサーバ部132と、図示しないUSB(Universal Serial Bus)メモリ等のように不揮発性の記憶装置であるフラッシュメモリから情報を読取るためのフラッシュメモリインタフェース126と、プログラム及び画像データ等を記憶するためのROM124と、通電が遮断された場合であってもプログラム及びデータ等を記憶可能な不揮発性記憶領域であるHDD122と、プログラムを実行する際の記憶領域を提供するためのRAM128とを含む。
【0056】
画像処理装置52はさらに、原稿読取部100、印刷部108、操作パネル102、通信部130、認証部146、パスワード設定部132、フラッシュメモリインタフェース126、ROM124、HDD122、及びRAM128に接続されるバス134と、バス134に接続された、種々のプログラムを実行することにより画像処理装置としての一般的機能を実現するためのCPU120とを含む。
【0057】
原稿読取部100、印刷部108、操作パネル102、通信部130、認証部146、パスワード設定部132、フラッシュメモリインタフェース126、ROM124、HDD122、及びRAM128に対する制御は、CPU120が所定のプログラムを実行することにより行なわれる。
【0058】
[パスワード入力方式]
本実施の形態では、操作パネル102は、利用者が画像処理装置52にログインする際に、パスワード入力画面を表示する。パスワード入力画面には、各々、ある記号群の記号をその表面に記した複数のソフトウェアキーが配置されて表示される。操作パネル102は、利用者の指示に応答して、パスワード入力画面においてソフトウェアキーの表面に記す記号を異なる記号群に切換えることが可能である。
【0059】
例えば、本実施の形態では、操作パネル102は、英語、ロシア語、及びフランス語等でそれぞれ使用される文字及び数字からなるソフトウェアキー群を切換えて表示することが可能である。
【0060】
図5(A)は、操作パネル102に表示されるパスワード入力画面170の一例を示す図である。図5(A)を参照して、画面170には、ソフトウェアキー群176と、ソフトウェアキー群176のソフトウェアキーにより入力された文字記号列を表示するためのテキストボックス174と、確定ボタン172とが表示されている。
【0061】
図5(A)に示すソフトウェアキー群176は、英語の小文字のアルファベット、0〜9の数字、並びに「{」、「@」、及び「>」等の特殊記号が表示された複数のソフトウェアキーを含む。
【0062】
図5(B)は、パスワード入力画面の一例を示す図である。図5(B)を参照して、パスワード入力画面180は、図5(A)に示す画面170とほぼ同様であるが、ソフトウェアキー群176に代えて、ロシア語のアルファベットと、数字と、特殊記号とが表示された複数のソフトウェアキーを含むソフトウェアキー群182を表示する点において異なる。
【0063】
パスワード入力画面が操作パネル102に表示されている場合、利用者は、操作パネル102上に表示されているソフトウェアキーに表示された文字記号のみを入力することが可能である。
【0064】
図5(A)の例では、英語のアルファベット、数字、及び特殊記号のみしか表示されていないので、利用者は、それらの文字以外の記号を入力することはできない。図5(B)の例では、利用者は、ロシア語、数字、及び特殊記号のみしか入力することができない。
【0065】
利用者は、パスワード入力画面においてパスワードの入力を終えると、確定ボタン172を押下する。ただし、パスワード入力画面が表示される前に、利用者は、既にユーザIDの入力を終えているものとする。
【0066】
なお、利用者は、端末装置54等から画像処理装置52内のWebサーバにアクセスして、画像処理装置52にログインすることが可能である。その場合、画像処理装置52のWebサーバは、端末装置54に対してパスワード入力を要求する。具体的には、画像処理装置52のWebサーバは、端末装置54からのアクセスを検知すると、ユーザID及びパスワードを入力させるパスワード入力画面のためのWebページを送信する。端末装置54の利用者が、パスワード入力画面においてユーザID及びパスワードを入力した後、端末装置54は、入力されたユーザID及びパスワードを画像処理装置52に送信する。
【0067】
[認証部146の構成]
認証部146は、操作パネル102上のパスワード入力画面において確定ボタン172が押下されるか、又は通信部130が端末装置54からユーザID及びパスワードを受信した場合に、パスワード認証処理を実行する。認証部146は、認証が成功した場合、画像処理装置52の利用を許可する。
【0068】
端末装置54の利用者は、画像処理装置52の利用が許可された場合、画像処理装置52のHDD122に記憶されている画像データをディスプレイ80で参照したりすることが可能となる。
【0069】
[CPU120によって実行されるプログラムの概要]
以下、本実施の形態において、CPU120によって実行される主要なプログラムの概要について説明する。CPU120は、「表示仕様変更後通知処理」及び「パスワード変更処理」のためのプログラムを実行する。
【0070】
(表示仕様変更後通知処理の概要)
以下、表示仕様変更後通知処理の概要について説明する。表示仕様変更後通知処理では、パスワード入力画面のソフトウェアキーに表示される記号群が切換えられた場合、パスワードを入力することが不可能となった利用者に対して、その旨を電子メールで通知する。以下、その通知を受けた利用者のことを、変更対象利用者と呼ぶ。
【0071】
例えば、ロシア語のアルファベットのみでパスワードを設定している利用者がいた場合、管理者がパスワード入力画面のソフトウェアキーの表示を英語のアルファベットのみの表示に切換えたとする。その場合、ロシア語のアルファベットからなるパスワードを入力することができなくなる。表示仕様変更後通知処理では、そうしたパスワードが設定されている利用者に、その旨の通知を行なう。
【0072】
(パスワード変更処理の概要)
以下、パスワード変更処理の概要について説明する。パスワード変更処理では、表示仕様変更後、通知処理により通知を受けたにも関わらず、予め定められた期間内にパスワードを変更しない利用者に対して、現在のパスワード入力画面のソフトウェアキーに表示される記号群でパスワード入力可能となるように、パスワードを強制的に変更する処理を実行する。
【0073】
本実施の形態では、パスワード変更処理を実行するために、予め以下のようなパラメータを定める。すなわち、変更対象利用者のパスワードを強制的に設定するか否かを示す「自動設定フラグ」、自動設定フラグにより変更対象利用者のパスワードを強制的に設定することが示されている場合に、パスワードの強制変更を管理者に行なわせるか否かを示す「管理者通知フラグ」、及び、上記した予め定められた期間の日数を示す「待機日数」である。
【0074】
自動設定フラグは、「手動設定」(OFF)及び「自動設定」(ON)のいずれかの値を取るものとする。本実施の形態では、自動設定フラグが「手動設定」である場合、表示仕様変更後通知処理により通知を受けた後、パスワードを変更しないまま待機日数を過ぎた利用者が存在する場合、パスワードを強制的に変更するのではなく、パスワードの変更を手動で行なうよう利用者に催促する通知を行なう。自動設定フラグが「自動設定」の場合、パスワード変更処理は、変更対象利用者のためにパスワードを強制的に変更するための処理を行なう。
【0075】
管理者通知フラグは、「通知」(ON)及び「非通知」(OFF)のいずれかの値を取る。自動設定フラグが「自動設定」であり、かつ管理者通知フラグが「通知」の場合、パスワード変更処理では、変更対象利用者のためのパスワード変更を管理者に行なわせる。自動設定フラグが「自動設定」であり、かつ管理者通知フラグが「非通知」の場合、パスワード変更処理では、変更対象利用者のための新規のパスワードを自動的に変更して登録する処理を行なう。
【0076】
なお、管理者は、自動設定フラグ、管理者通知フラグ、及び待機日数の値を自由に設定することが可能である。
【0077】
[HDD122の構成]
HDD122は、ユーザID、パスワード及びメールアドレス等のように、画像処理装置52の利用者のための各種情報を記憶するための利用者情報記憶部136と、パスワード入力画面においてソフトウェアキーの表面に表示される複数の記号群、及び、それら記号群とソフトウェアキー及び入力される文字符号との対応関係を記憶するための表示仕様記憶部138とを含む。
【0078】
HDD122はさらに、上記した管理者通知フラグ、待機日数、及び自動設定フラグの値をそれぞれ記憶するための管理者通知フラグ記憶部140、待機日数記憶部142、及び自動設定フラグ記憶部144を含む。
【0079】
図6は、利用者情報記憶部136の構成を示す図である。図6を参照して、利用者情報記憶部136は、各利用者に対して、ユーザIDと、当該利用者によって予め定められたパスワードと、当該利用者が端末装置からのみ画像処理装置52にログインし、画像処理装置52に直接ログインすることはしないという意思表示をしたことを示すWebログインフラグと、現在のパスワードが操作パネル102上でログイン可能であるか否かを示すパスワード利用不可フラグと、最後にパスワードが変更された日時を示す変更日時と、この利用者が管理者であるか否かを示す管理者フラグと、パスワード利用不可フラグの値がログイン不能であることを示す値に切換った最新の日時を示す利用不可日時を記憶する。
【0080】
Webログインフラグには「通常ログイン」(OFF)及び「Webログイン」(ON)のいずれかが記憶される。Webログインフラグが「通常ログイン」の場合、その利用者が、画像処理装置52の操作パネル102及び端末装置の両方から画像処理装置52にログインする意思表示をしたことを意味する。Webログインフラグが「Webログイン」の場合、その利用者は、端末装置からのみ画像処理装置52にログインし、画像処理装置52の操作パネル102を操作して画像処理装置52にログインしない意思表示を、画像処理装置52に対して行なったことを意味する。
【0081】
Webログインフラグを設けるのは、以下の理由による。端末装置から画像処理装置52にログインする場合、端末装置で利用可能な文字は全て利用者がパスワードとして入力できる。そのため、画像処理装置52のパスワード入力画面のソフトウェアキーがどのような記号群に設定されていたとしても、画像処理装置52にログイン可能であるからである。本実施の形態では、パスワード入力画面で利用可能な文字記号群が変更され、パスワード入力不可となる利用者であっても、端末装置からのみログインする利用者を、変更対象利用者ではないものとみなす。
【0082】
パスワード利用不可フラグには「利用可」(OFF)及び「利用不可」(ON)のいずれかが記憶される。パスワード利用不可フラグが「利用可」の場合、現在のパスワード入力画面のソフトウェアキーに対応する記号群で、認証が成功するパスワードを入力することができることを示す。パスワード利用不可フラグが「利用不可」の場合、現在の言語の設定では、パスワードを入力することができないことを示す。
【0083】
管理者フラグには、「一般」(OFF)及び「管理」(ON)のいずれかが記憶される。管理者フラグが「一般」の場合、その利用者が、一般の利用者であることを示し、管理者フラグが「管理」の場合、その利用者が管理者であることを示す。なお、本実施の形態において、管理者は、1人だけであるものとする。したがって、利用者情報記憶部136において、管理者フラグが「管理」である利用者のためのレコードは1つだけである。
【0084】
図7は、表示仕様記憶部138の構成を示す図である。図7を参照して、表示仕様記憶部138は、各記号群に対して、当該記号群の名称である表示仕様名と、当該記号群に属する記号を列挙した記号群の要素と、操作パネル102のパスワード入力画面上に現在どの記号群が表示されているか否かを示す設定フラグとを含む。図示していないが、各文字記号にどのような内部コードが割当てられるかについての情報も記憶されている。
【0085】
設定フラグは、「既設定」(OFF)及び「非設定」(ON)のいずれかの値を取る。設定フラグが「既設定」のとき、その記号群が選択されていることを示す。すなわち、操作パネル102のパスワード入力画面のソフトウェアキー上には、その記号群に属する全ての記号が表示される。設定フラグが「既設定」である記号群は1つだけであるものとする。その記号群以外の設定フラグは、全て「非設定」である。
【0086】
画像処理装置52の管理者は、操作パネル102を操作することによって、設定フラグが「既設定」である記号群を自由に切換えることが可能であるが、一般の利用者はそのような操作はできない。
【0087】
なお、各記号群に対して、どのような記号の組合せが記憶されていても良く、図7に示す記号群だけに限定されない。
【0088】
図8は、管理者が画像処理装置52にログインした場合に、自動設定フラグ、管理者通知フラグ、待機日数、及び当該管理者の情報を設定するための、操作パネル102又は端末のモニタに表示される設定画面200の一例を示す図である。図8を参照して、設定画面200は、当該管理者のユーザIDを表示する表示領域202と、管理者のパスワード及びメールアドレスをそれぞれ入力するためのテキストボックス204及び206と、自動設定フラグの値を定めるためのチェックボックス210と、自動設定フラグが「自動設定」の場合に、変更対象利用者のためのパスワード変更を画像処理装置52が自動的に行なうか又は管理者が行なうかを設定するためのラジオボタン212と、待機日数を入力するためのテキストボックス214と、現在、画像処理装置52で利用できる記号群の一覧を表示するためのリンク208と、確定キー216とを含む。
【0089】
チェックボックス210にチェックが入っている場合、確定キー216が押下された後、自動設定フラグには「自動設定」が設定され、チェックが入っていない場合、自動設定フラグには「手動設定」が設定される。
【0090】
ラジオボタン212では、管理者は、自動設定及び管理者通知のいずれかを選択することが可能である。ラジオボタン212において、自動設定が選択されている場合に確定キー216が押下されると、管理者通知フラグには「非通知」が設定され、管理者通知が選択されていると、管理者通知フラグには「通知」が設定される。
【0091】
管理者が確定キー216を押下すると、テキストボックス204、206、及び214、チェックボックス210、並びにラジオボタン212に入力された内容で、利用者情報記憶部136、自動設定フラグ記憶部144、管理者通知フラグ記憶部140、及び待機日数記憶部142が更新される。
【0092】
図9は、管理者がリンク208を押下した場合に、操作パネル102又はモニタ上において設定画面200とは異なる表示領域に表示される入力可能文字一覧画面230の例を示す図である。図9を参照して、入力可能文字一覧画面230には、現在、表示仕様記憶部138の設定フラグが「既設定」である記号群をその表面に表示したソフトウェアキー群232が表示される。管理者が設定画面200において、自身のパスワードを変更したい場合、入力可能文字一覧画面230を参照することによって、適切なパスワードを設定することが可能となる。
【0093】
[画像処理装置52のソフトウェア構成]
図10〜図12、及び図14〜図16は、画像処理装置52で実行されるプログラムの制御構造を示すフローチャートである。
【0094】
図10は、画像処理装置52が起動されたときに、CPU120によって実行される表示仕様変更後通知処理のプログラムの制御構造を示すフローチャートである。図10を参照して、このプログラムは、利用者の指示によって、画像処理装置52で使用される言語が切換えられるまで待機するステップ250と、ステップ250において使用言語が切換えられた場合に、利用者情報記憶部136から全ての利用者のユーザID及びパスワードを読出してRAM128に記憶するステップ252と、ステップ252の後、ステップ252においてRAM128に記憶した全ての利用者に対して、現在の使用言語で入力可能なパスワードか否かを判定する入力可否判定処理を実行するステップ256とを含む。ステップ256の詳細な処理については後述する。
【0095】
このプログラムはさらに、ステップ256の後、入力可否判定処理の結果、パスワードを入力不可能である利用者が存在するか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップ258と、ステップ258において、パスワードを入力不可能な利用者が存在すると判定された場合に、それら利用者のうちでWebログインフラグが「Webログイン」である利用者を処理対象から除するステップ260と、ステップ260において、Webログインフラグが「Webログイン」でないと判定された者に対してパスワードの入力ができなくなった旨を示すパスワード変更依頼の電子メールを送信し、利用者情報記憶部136におけるその者のパスワード利用不可フラグを「利用不可」に更新して、利用不可日時を現在の時刻で更新し、制御をステップ250に戻すステップ262とを含む。なお、ステップ258において、パスワードを入力不可能である利用者が存在しないと判定された場合、制御はステップ250に戻る。ステップ260において、Webログインフラグが「Webログイン」であると判定された利用者については何も処理は行なわれない。
【0096】
図17は、ステップ262において送信されるパスワード変更依頼の電子メールの例を示す図である。図17を参照して、その電子メール400は、画像処理装置52で使用される表示言語が変わり、パスワード入力ができなくなったこと、及びパスワード変更を求める文章402と、パスワードを再設定するためにアクセスすべきURL404とを含む。URL404は、Webページにアクセスするためのものである。利用者が、URL404をマウスでクリックすると、画像処理装置52の当該URLにより指定されるWebページへのアクセスが発生する。画像処理装置52は、当該要求信号を受信すると、図20(A)に示すパスワード設定画面420のためのWebページを端末装置54に送信する。パスワード設定画面420の詳細については後述する。
【0097】
図11は、図10に示すステップ256において実行される入力可否判定処理の詳細なフローである。図11を参照して、このルーチンは、RAM128に記憶されている利用者のパスワードを取得するステップ280と、ステップ280の後、表示仕様記憶部138から現在の入力可能文字群を取得するステップ282と、ステップ282の後、ステップ280において取得した全利用者のパスワードの各々に対して、当該パスワードを構成する全ての文字が、ステップ282において取得した文字群に含まれるか否かを判定するステップ284と、ステップ284の後、パスワードを構成する文字の中に、ステップ282において取得した利用可能な文字群に含まれないものがあるとき、その利用者のパスワード入力が不可能であると判定して、このルーチンを終了するステップ286とを含む。
【0098】
図12は、予め定められた時間間隔(例えば、1日)で、CPU120によって実行されるパスワード変更処理のプログラムの制御構造を示すフローチャートである。図12を参照して、このプログラムは、起動後、利用者情報記憶部136において、パスワード利用不可フラグの値が「利用不可」である全ての利用者の各々に対して、以下の処理を実行するステップ300を含む。
【0099】
ステップ300の処理は、当該利用者に対して、利用者情報記憶部136の利用不可日時と現在の日時との差が待機日数より大きいか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップ302を含む。なお、ステップ302において、利用不可日時と現在の日時との差が待機日数以下であると判定された場合、処理は次の利用者へ進む。
【0100】
ステップ300の処理はさらに、ステップ302において、利用不可日時と現在の日時との差が待機日数より大きいと判定された場合に、自動設定フラグの値が「自動設定」であるか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップ304と、ステップ304において自動設定フラグが「手動設定」の場合に、当該利用者にパスワードの変更を催促する旨を示す電子メールを送信して、処理を次の利用者に進めるステップ306とを含む。
【0101】
ステップ300の処理はさらに、ステップ304において自動設定フラグが「自動設定」の場合に、管理者通知フラグが「通知」であるか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップ308と、ステップ308において、管理者通知フラグが「通知」の場合に、当該利用者のためのパスワードのリセットを依頼する電子メールを管理者に送信して、処理を次の利用者に進めるステップ310とを含む。
【0102】
図18は、ステップ310において送信されるパスワードのリセットを依頼する電子メール406の例を示す図である。図18を参照して、その電子メール406は、画像処理装置52で使用される表示言語が変わり、当該利用者がパスワード入力できなくなったこと、パスワード入力不可となってから一定期間が過ぎても当該利用者はパスワードを変更しなかったので管理者にパスワード変更を求めることを示す文章408と、当該利用者のパスワードを再設定するためにアクセスすべきURL410とを含む。
【0103】
管理者が、URL410をマウスクリックすると、画像処理装置52の当該URLにより指定されるWebページへのアクセスが発生する。画像処理装置52は、当該要求信号を受信すると、図21に示すパスワードリセット画面510のためのWebページを送信する。パスワードリセット画面510の詳細については後述する。
【0104】
再び図12を参照して、ステップ300の処理はさらに、ステップ308において管理者通知フラグが「非通知」の場合に、現在、画像処理装置52で使用される言語の文字群から、当該利用者のパスワードをランダムに生成して、生成したパスワードを利用者情報記憶部136に記憶するステップ312と、ステップ312の後、パスワードを変更した旨を示す電子メールを当該利用者及び管理者の両方に送信して、処理を次の利用者に進めるステップ314とを含む。
【0105】
図19(A)は、ステップ314において当該利用者の端末装置54に送信される電子メール412の例を示す図である。図19(A)を参照して、電子メール412は、画像処理装置52で使用される表示言語が変わり、当該利用者がパスワード入力できなくなったこと、パスワード入力不可となってから一定期間が過ぎたので、パスワードを変更した旨を示す文章414と、新規に設定されたパスワードを表示する表示領域416とを含む。
【0106】
図19(B)は、ステップ314において管理者の端末装置54に送信された電子メール418の例を示す図である。図19(B)を参照して、電子メール418は、図19(A)に示す文章414と同じ趣旨の内容を示す文章413と、当該利用者のために新規に設定されたパスワードを表示する表示領域415とを含む。
【0107】
図13は、Webサーバ部132によって実行されるパスワードを管理する処理の状態遷移を示す図である。図13を参照して、待機状態320では、Webサーバ部132は、端末装置54から、HTTP通信による要求を待機する。ここで、図17に示すパスワード変更依頼の電子メール400において、利用者が、URL404をマウスクリックして、当該URLにより指定されるWebページを要求したものとする。矢印321に示されるように、Webサーバ部132は、当該要求を受信すると、図20(A)に示すパスワード設定画面420のためのWebページを端末装置54に送信し、端末装置54からのパスワード設定の要求があるまで待機する状態322に遷移する。
【0108】
図20(A)は、端末装置54に送信されたパスワード設定画面420のWebページの例を示す図である。図20(A)を参照して、パスワード設定画面420は、現在、画像処理装置52で使用可能な言語名を示す表示領域434と、ユーザIDを利用者に入力させるためのテキストボックス422と、今後、端末装置からのみログインするか否かを決定させるためのチェックボックス424と、現在のパスワード及び新規パスワードを利用者にそれぞれ入力させるためのテキストボックス426及び428と、図9に示す入力可能文字一覧画面230を表示するためのリンク430と、確定ボタン432とを含む。
【0109】
Webページが送信された際、テキストボックス422、426、及び428には何も入力されておらず、チェックボックス424にはチェックが入っていない。
【0110】
利用者が、今後、端末装置からのみ画像処理装置52にログインする場合は、チェックボックス424にチェックを入れる。
【0111】
チェックボックス424にチェックが入っている場合、テキストボックス428は、編集が不可能となり、チェックが入っていない場合、編集が可能となる。
【0112】
利用者がリンク430をマウスでクリックした場合、端末装置54は、入力可能文字一覧画面230のためのWebページの送信を要求する一覧送信要求を画像処理装置52に送信する。
【0113】
再び図13を参照して、Webサーバ部132は、矢印325に示すように、一覧送信要求を受信すると、状態326に遷移し、入力可能文字一覧画面230を端末装置54に送信する。Webサーバ部132は、入力可能文字一覧画面230を送信した後、状態326から状態322に戻る。端末装置54のディスプレイ80には、入力可能文字一覧画面230が表示される。端末装置54の利用者は、入力可能文字一覧画面230を確認することによって、適切なパスワードを入力することができる。
【0114】
再び図20(A)を参照して、利用者が、テキストボックス422等に必要な情報を入力して確定ボタン432を押下すると、端末装置54は、パスワード設定画面420に入力された内容で、当該利用者の設定の変更を要求する変更要求を画像処理装置52に送信する。
【0115】
Webサーバ部132は、上記した変更要求を受信すると、矢印323に示すように、状態324に遷移し、パスワード設定画面420に入力された内容が妥当であるか否かをチェックする。
【0116】
図14は、Webサーバ部132が、状態324に遷移したときに実行するプログラムの制御構造を示すフローチャートである。図14を参照して、このプログラムは、ユーザIDを入力するためのテキストボックス422が空白であるか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップ344と、ステップ344においてユーザIDが空白でない場合に、現在のパスワードを入力するためのテキストボックス426が空白であるか否かを判定して、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップ346と、ステップ346において現在のパスワードが空白でない場合に、テキストボックス422及び426にそれぞれ入力されたユーザID及び現在のパスワードに一致するレコードが利用者情報記憶部136に存在するか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップ348と、ステップ348においてレコードが存在する場合に、新規のパスワードを入力するためのテキストボックス428が空白であるか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップ350と、ステップ350において新規のパスワードが空白である場合に、チェックボックス424にチェックが入っているか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップ352とを含む。なお、図20(B)に示すパスワード設定画面440の確定ボタン432が押下された場合に、このプログラムが実行されたときには、ステップ352では、チェックが入っていないと判定する。
【0117】
このプログラムはさらに、ステップ344においてユーザIDが空白である場合、ステップ346において現在のパスワードが空白である場合、ステップ348において、テキストボックス422及び426にそれぞれ入力されたユーザID及び現在のパスワードに一致するレコードが利用者情報記憶部136に存在しない場合、又は、ステップ352においてチェックボックス424にチェックが入っていない場合に実行され、エラー画面のためのWebページを、端末装置54に送信して、このプログラムを終了するステップ362を含む。
【0118】
このプログラムはさらに、ステップ352においてチェックが入っていると判定された場合に、利用者情報記憶部136において、当該利用者のWebログインフラグを「Webログイン」で更新するステップ354とを含む。
【0119】
このプログラムはさらに、ステップ350において新規のパスワードが入力されている場合に実行され、チェックボックス424にチェックが入っているか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップ356と、ステップ356においてチェックボックス424にチェックが入っていない場合に実行され、入力された新パスワードが、現在の使用言語で入力可能なパスワードか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップ358と、ステップ356においてチェックが入っている場合、又はステップ358において、新パスワードが現在の使用言語で入力可能であると判定された場合に実行され、利用者情報記憶部136において、パスワード設定画面420に入力された内容で、当該利用者のレコードを更新するステップ360とを含む。なお、ステップ358において、新パスワードが現在の使用言語で入力不可能であると判定された場合、制御はステップ362に進む。
【0120】
このプログラムはさらに、ステップ354の後、又はステップ360の後に実行され、更新が完了した旨を示すWebページを端末装置54に送信して、このプログラムを終了するステップ364を含む。
【0121】
再び図13を参照して、Webサーバ部132は、図14に示すステップ362でエラー画面を送信した場合、矢印327に示すように、状態324から状態322に遷移する。Webサーバ部132は、図14に示すプログラムにおいて、入力チェックの結果がOKであれば(図14に示すステップ352においてYES、又はステップ358においてYES)、矢印329に示すように、状態324から状態328に遷移して、利用者情報記憶部136において当該利用者のレコードを更新する処理(図14に示すステップ354又はステップ360)を実行する。Webサーバ部132は、状態328の後、待機状態320に戻る。
【0122】
Webサーバ部132が待機状態320である場合に、管理者が新規の利用者を登録するためのWebページを端末装置から要求したものとする。Webサーバ部132は、矢印333に示されるように、当該要求を受信すると、図20(C)に示すユーザ登録画面460のためのWebページを管理者に送信して、管理者からのユーザ登録のための要求があるまで待機する状態330に遷移する。
【0123】
図20(C)は、ユーザ登録画面460の構成を示す図である。図20(C)を参照して、ユーザ登録画面460は、ユーザIDを入力するためのテキストボックス462と、パスワードを入力するためのテキストボックス464と、図9に示す入力可能文字一覧画面230を表示するためのリンク466と、今後、新規に登録される利用者が端末装置からのみログインするか否かを決定するためのチェックボックス468と、利用者のメールアドレスを入力するためのテキストボックス470と、確定ボタン472とを含む。
【0124】
利用者がリンク466をマウスでクリックした場合、端末装置54は、入力可能文字一覧画面230のためのWebページの送信を要求する一覧送信要求を画像処理装置52に送信する。
【0125】
再び図13を参照して、Webサーバ部132は、一覧送信要求を受信すると、矢印335に示すように状態326に遷移し、入力可能文字一覧画面230を端末装置54に送信する。Webサーバ部132は、入力可能文字一覧画面230を送信した後、状態326から状態330に戻る。端末装置54のディスプレイ80には、入力可能文字一覧画面230が表示される。管理者は、入力可能文字一覧画面230を確認することによって、適切なパスワードを入力することができる。
【0126】
再び図20(C)を参照して、管理者がテキストボックス462等に情報を入力して確定ボタン472を押下すると、端末装置54は、ユーザ登録画面460に入力された内容で、利用者の情報を追加する追加要求を画像処理装置52に送信する。
【0127】
Webサーバ部132は、当該要求を受信すると、矢印337に示すように、状態332に遷移し、ユーザ登録画面460に入力された内容が妥当であるか否かをチェックする。
【0128】
図15は、Webサーバ部132が、状態332に遷移した場合に実行するプログラムの制御構造を示すフローチャートである。図15を参照して、このプログラムは、ユーザIDを入力するためのテキストボックス462が空白であるか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップ366と、ステップ366においてユーザIDが空白でない場合に、パスワードを入力するためのテキストボックス464が空白であるか否かを判定して、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップ368と、ステップ368においてパスワードが空白でない場合に、テキストボックス462及び464にそれぞれ入力されたユーザID及びパスワードに一致するレコードが利用者情報記憶部136に存在するか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップ370と、ステップ370においてレコードが存在しない場合に、チェックボックス468にチェックが入っているか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップ372と、ステップ372においてチェックボックス468にチェックが入っていない場合に実行され、入力されたパスワードが、現在の使用言語で入力可能なパスワードか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップ374とを含む。
【0129】
このプログラムはさらに、ステップ366においてユーザIDが空白である場合、ステップ368においてパスワードが空白である場合、ステップ370においてレコードが利用者情報記憶部136に存在する場合、又は、ステップ374において、パスワードが、現在の使用言語で入力可能でないと判定された場合に実行され、エラー画面のためのWebページを端末装置54に送信して、このプログラムを終了するステップ378を含む。
【0130】
このプログラムはさらに、ステップ372においてチェックが入っていると判定された場合、又はステップ374において、パスワードが現在の使用言語で入力可能であると判定された場合に実行され、ユーザ登録画面460に入力された内容で、利用者情報記憶部136にレコードを追加するステップ376と、ステップ376の後、レコードの追加が完了した旨を示すWebページを管理者に送信して、このプログラムを終了するステップ380とを含む。
【0131】
再び図13を参照して、Webサーバ部132は、図15に示すステップ378でエラー画面を送信した場合、矢印339に示すように、状態332から状態330に遷移する。Webサーバ部132は、図15に示すプログラムにおいて、入力チェックの結果がOKであれば(図15に示すステップ372においてYES、又はステップ374においてYES)、矢印341に示すように、状態332から状態334に遷移し、新規の利用者のレコードを追加する処理(図15に示すステップ376)を実行する。Webサーバ部132は、状態334の後、待機状態320に戻る。
【0132】
Webサーバ部132が待機状態320であるとき、図18に示すパスワードリセット依頼の電子メール406において、管理者は、URL410をマウスクリックして、当該URLにより指定されるWebページを要求したものとする。Webサーバ部132は、当該要求を受信すると、矢印316に示されるように、図21に示すパスワードリセット画面510のWebページを管理者の端末装置54に送信して、管理者の端末装置54からのパスワードをリセットするための要求があるまで待機する状態336に遷移する。
【0133】
図21は、パスワードリセット画面510の構成を示す図である。図21を参照して、パスワードリセット画面510には、現在、画像処理装置52で使用可能な言語の名前を示す表示領域512と、変更対象利用者のユーザIDを表示する表示領域514と、その利用者のための新規のパスワードを入力するためのテキストボックス516と、管理者がパスワードを設定するか、又は画像処理装置52にパスワードを自動的に設定させるかを指示するためのチェックボックス518と、図9に示す入力可能文字一覧画面230を表示するためのリンク520と、確定ボタン522とを含む。
【0134】
Webページが送信された際、表示領域514には、変更対象利用者のユーザIDが予め表示されている。テキストボックス516には何も入力されておらず、チェックボックス518にはチェックが入っていない。チェックボックス518にチェックが入っている場合、テキストボックス516は編集可能となり、チェックボックス518にチェックが入っていない場合、テキストボックス516は編集不可となる。
【0135】
管理者がリンク520をマウスでクリックした場合、端末装置54は、入力可能文字一覧画面230のためのWebページの送信を要求する一覧送信要求を画像処理装置52に送信する。
【0136】
再び図13を参照して、Webサーバ部132は、一覧送信要求を受信すると、矢印318に示すように状態338に遷移し、入力可能文字一覧画面230を端末装置54に送信する。Webサーバ部132は、入力可能文字一覧画面230を送信した後、状態338から状態336に遷移する。管理者の端末装置54のディスプレイ80には、入力可能文字一覧画面230が表示される。管理者は、入力可能文字一覧画面230を確認することによって、適切なパスワードを入力することができる。
【0137】
再び図21を参照して、管理者がパスワードリセット画面510に必要な情報を入力して確定ボタン522を押下すると、端末装置54は、パスワードリセット画面510に入力された内容で、当該変更対象利用者のパスワードの変更を要求する変更要求を画像処理装置52に送信する。
【0138】
Webサーバ部132は、当該要求を受信すると、矢印317に示すように、状態340に遷移し、パスワードリセット画面510に入力された内容が妥当であるか否かをチェックする。
【0139】
図16は、Webサーバ部132が、状態340に遷移した場合に実行するプログラムの制御構造を示すフローチャートである。図16を参照して、このプログラムは、ユーザIDを入力するための表示領域514が空白であるか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップ382と、ステップ382においてユーザIDが空白でない場合に、そのユーザIDのレコードが利用者情報記憶部136に存在するか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップ384と、ステップ384においてそのユーザIDのレコードが存在すると判定された場合に、チェックボックス518にチェックが入っているか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップ386と、ステップ386においてチェックが入っていないと判定された場合に、パスワードを入力するためのテキストボックス516が空白であるか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップ390と、ステップ390においてパスワードが空白でない場合に、入力されたパスワードが、現在の使用言語で入力可能なパスワードか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップ394とを含む。
【0140】
このプログラムはさらに、ステップ382においてユーザIDが空白である場合、ステップ384において、表示領域514に入力されたユーザIDのレコードが利用者情報記憶部136に存在しない場合、ステップ390においてパスワードが空白である場合、又は、ステップ394において、パスワードが、現在の使用言語で入力可能でないと判定された場合に実行され、エラー画面のためのWebページを、管理者の端末装置54に送信して、このプログラムを終了するステップ398を含む。
【0141】
このプログラムはさらに、ステップ386において、チェックが入っていると判定された場合には、現在、画像処理装置52で使用される言語の文字群から、当該利用者のパスワードをランダムに生成するステップ388と、ステップ388の後、利用者情報記憶部136において、変更対象利用者のパスワードを、ステップ388で生成したパスワードで更新し、パスワードを変更した旨を示す電子メールを変更対象利用者の端末装置54に送信するステップ385とを含む。
【0142】
このプログラムはさらに、ステップ394において、入力されたパスワードが、現在、画像処理装置52において使用可能であると判定された場合に実行され、利用者情報記憶部136において、変更対象利用者のパスワードを更新し、パスワードを変更した旨を示す電子メールを変更対象利用者の端末装置54に送信するステップ396と、ステップ385の後、又は、ステップ396の後に実行され、管理者の端末装置54に、パスワードの更新が完了した旨を示すWebページを送信して、このプログラムを終了するステップ383とを含む。
【0143】
再び図13を参照して、Webサーバ部132は、図16に示すステップ398でエラー画面を送信した場合、矢印319に示すように、状態340から状態336に遷移する。Webサーバ部132は、図16に示すプログラムにおいて、入力チェックの結果がOKであれば(図16に示すステップ386においてYES、又はステップ394においてYES)、矢印331に示すように、状態340から状態342に遷移し、利用者情報記憶部136において変更対象利用者のレコードを更新する処理(図16に示すステップ385又はステップ396)を実行する。Webサーバ部132は、状態342の後、待機状態320に戻る。
【0144】
なお、Webサーバ部132は、矢印321に示すように、状態320から状態322に遷移するとき、図20(A)に示すパスワード設定画面420の代わりに、図20(B)に示すパスワード設定画面440を端末装置54に送信しても良い。
【0145】
図20(B)は、端末装置54に送信されたパスワード設定画面440のWebページの例を示す図である。図20(B)を参照して、パスワード設定画面440は、パスワード設定画面420とほぼ同様であるが、チェックボックス424がない点と、テキストボックス428に代えて、新規のパスワードを入力させるための、常に編集可能なテキストボックス428を含む点において異なる。
【0146】
[動作]
図1〜図21を参照して、上記した構成を持つ本実施の形態に係る画像処理装置52を含むネットワークシステム50は、以下のように動作する。
【0147】
なお、これに先立ち、利用者情報記憶部136及び表示仕様記憶部138には、それぞれ図6に示すデータ及び図7に示すデータが記憶されているものとする。自動設定フラグ記憶部144及び管理者通知フラグ記憶部140には、それぞれ「手動設定」及び「非通知」が記憶されているものとする。
【0148】
管理者が、画像処理装置52で使用される言語を切換えたものとする。その場合、図10に示すステップ250の判定結果がYESとなる。
【0149】
画像処理装置52は、利用者情報記憶部136に登録されている全ての利用者のパスワードに対して入力可否判定処理を実行する(図10に示すステップ252及び256)。
【0150】
ステップ256の後、パスワード入力が不可能である利用者が存在しない場合(図10に示すステップ258においてNO)、画像処理装置52は、何の処理も行なわない。
【0151】
ステップ256の後、パスワード入力が不可能である利用者が存在するが、それらの利用者は端末装置からのみログインすると設定されている場合(図10に示すステップ258においてYES、かつステップ260においてYES)、画像処理装置52は、何の処理も行なわない。
【0152】
ステップ256の後、パスワード入力が不可能である利用者が存在し、それらの利用者が端末装置からのみログインすると設定されていない場合(図10に示すステップ258においてYES、かつステップ260においてNO)、画像処理装置52は、その変更対象利用者に対して、現在、画像処理装置52の使用言語でパスワード入力が不可能である旨を示す電子メール400を送信する。画像処理装置52は、同時に、利用者情報記憶部136において、それらの利用者がパスワード入力不可能となったこととその時刻とを記憶しておく(パスワード利用不可フラグを「利用不可」に更新し、かつ利用不可日時を現在の時刻で更新する。図10に示すステップ262)。
【0153】
変更対象利用者は、端末装置54でその電子メール400を確認する。変更対象利用者は、パスワードを変更するために電子メール400のURL404をマウスクリックする。端末装置54は、パスワード設定画面420の送信を要求する要求信号を画像処理装置52に送信する。
【0154】
画像処理装置52のWebサーバ部132は、その要求を受信すると、パスワード設定画面420のWebページを端末装置54に送信する。
【0155】
端末装置54は、そのWebページを受信する。利用者は、リンク430をマウスクリックすると、画像処理装置52は、入力可能文字一覧画面230のためのWebページを送信する。その利用者は、入力可能文字一覧画面230を見ることによって、現在、画像処理装置52で使用可能な文字群を確認することができる。
【0156】
その利用者が、パスワード設定画面420にユーザID等を入力して、確定ボタン432をマウスクリックすると、端末装置54は、パスワードの変更を要求する変更要求信号を画像処理装置52に送信する。
【0157】
画像処理装置52のWebサーバ部132は、その要求を受信すると、パスワード設定画面420に入力された情報が妥当であるか否かをチェックする。
【0158】
Webサーバ部132は、入力された情報に誤りがある場合は(図14に示すステップ344においてYES、ステップ346においてYES、ステップ348においてNO、ステップ352においてNO、ステップ358においてNO)、エラー画面のためのWebページを端末装置54に送信する(図14に示すステップ362)。その利用者は、そのエラー画面を確認した後、パスワード設定画面420に、各種情報を入力する作業を再度行なう。
【0159】
Webサーバ部132は、入力された情報に誤りがない場合は(図14に示すステップ352においてYES、ステップ356においてYES、又はステップ358においてYES)、利用者情報記憶部136において、その変更対象利用者のレコードを更新する処理を行ない(図14に示すステップ354、又はステップ360)、更新が完了した旨を示すWebページをその利用者の端末装置54に送信する(図14に示すステップ364)。
【0160】
画像処理装置52は、以上に述べた動作を行なうのと同時に、予め定められた時間間隔(1日)で、全ての変更対象利用者に対して、以下に述べるパスワード変更処理を実行する(図12に示すステップ300)。
【0161】
図12に示すステップ262の処理により、パスワード入力が不可能になった旨の電子メールを受信してから一定期間が経過してもパスワード変更をしていない者が存在しない場合(図12に示すステップ302においてNO)、画像処理装置52は何の処理も行なわない。
【0162】
パスワード入力が不可能になった旨の電子メールを受信してから一定期間が経過してもパスワード変更していない利用者がおり(図12に示すステップ302においてYES)、かつ、自動設定フラグが「手動設定」である場合(図12に示すステップ304においてNO)、画像処理装置52は、その者に、パスワードの変更を催促する旨を示す電子メールを送信する(図12に示すステップ306)。
【0163】
パスワード入力が不可能になった旨の電子メールを受信してから一定期間が経過してもパスワード変更していない利用者がおり(図12に示すステップ302においてYES)、かつ、自動設定フラグ及び管理者設定フラグの値がそれぞれ「自動設定」及び「非通知」である場合、画像処理装置52は、当該利用者のパスワードを自動で生成して登録し(図12に示すステップ312)、パスワードを変更した旨を示す電子メールを当該利用者及び管理者の両方に送信する(図12に示すステップ314)。
【0164】
パスワード入力が不可能になった旨の電子メールを受信してから一定期間が経過してもパスワード変更していない利用者がおり(図12に示すステップ302においてYES)、かつ、自動設定フラグ及び管理者設定フラグの値がそれぞれ「自動設定」及び「通知」である場合、画像処理装置52は、当該変更対象利用者のためのパスワードの変更を管理者に催促する旨を示すパスワードリセット依頼の電子メールを管理者の端末装置54に送信する(図12に示すステップ310)。
【0165】
管理者は、その電子メール406の確認後、URL410をマウスクリックすると、画像処理装置52は、パスワードリセット画面510のWebページを管理者に送信する。
【0166】
管理者は、パスワードリセット画面510に各種情報を入力する。管理者は、確定ボタン522をマウスクリックする。管理者の端末装置54は、管理者によって画面510に入力された内容で、変更対象利用者のパスワードを変更する変更要求を画像処理装置52に送信する。
【0167】
画像処理装置52は、その要求を受信すると、入力された情報が妥当であるか否かをチェックする。画像処理装置52は、入力された情報に誤りがある場合は、(図16に示すステップ382においてYES、ステップ384においてNO、ステップ390においてYES、又はステップ394においてNO)、エラー画面のためのWebページを管理者の端末装置54に送信する(図16に示すステップ398)。管理者はそのエラー画面を確認後、再度、パスワードリセット画面510に、各種情報を入力する作業を行なう。
【0168】
Webサーバ部132は、入力された情報に誤りがない場合は(図16に示すステップ386においてYES、又はステップ394においてYES)、利用者情報記憶部136において、その変更対象利用者のレコードを更新する処理を行ない、更新が完了した旨を示す電子メールを変更対象利用者に送信する(図16に示すステップ385、又はステップ396)。画像処理装置52は、更新が完了した旨を示すWebページを管理者の端末装置54に送信する(図16に示すステップ383)。
【0169】
以下、管理者が新規の利用者を登録する場合の動作について述べる。
【0170】
管理者は、端末装置54から、新規の利用者を登録するためのWebページを要求する要求信号を画像処理装置52に送信したものとする。
【0171】
画像処理装置52のWebサーバ部132は、その要求を受信すると、ユーザ登録画面460のWebページを管理者の端末装置54に送信する。
【0172】
管理者の端末装置54は、そのWebページを受信する。管理者は、リンク466をマウスクリックすると、画像処理装置52は、入力可能文字一覧画面230のためのWebページを送信する。管理者は、入力可能文字一覧画面230を見ることによって、現在、画像処理装置52で使用可能な文字群を確認することができる。
【0173】
管理者が、ユーザ登録画面460にユーザID等を入力して、確定ボタン472をマウスクリックすると、端末装置54は、変更対象利用者のパスワードの変更を要求する変更要求信号を画像処理装置52に送信する。
【0174】
画像処理装置52のWebサーバ部132は、その要求を受信すると、ユーザ登録画面460に入力された情報が妥当であるか否かをチェックする。
【0175】
Webサーバ部132は、入力された情報に誤りがある場合は(図15に示すステップ366においてYES、ステップ368においてYES、ステップ370においてYES、又はステップ374においてNO)、エラー画面のためのWebページを管理者の端末装置54に送信する(図15に示すステップ378)。管理者はそのエラー画面を確認後、再度、ユーザ登録画面460に、各種情報を入力する作業を行なう。
【0176】
Webサーバ部132は、入力された情報に誤りがない場合は(図15に示すステップ372においてYES、又はステップ374においてYES)、利用者情報記憶部136に新規の利用者のレコードを追加する処理を行ない(図15に示すステップ376)、更新が完了した旨を示すWebページを管理者の端末装置54に送信する(図15に示すステップ380)。
【0177】
[本実施の形態の効果]
以上の説明から明らかなように、本実施の形態に係る画像処理装置52では、パスワード入力画面のソフトウェアキーに表示される記号群が切換った場合、切換った後の記号群でパスワードの入力が不可能となった利用者にその旨を通知する。通知を受けた利用者は、現在設定してあるパスワードで入力不可能であることを認識することができ、その後画像処理装置52の利用を開始する際にどのように行動すれば良いかをその通知を受けた際に判断することができる。変更対象利用者は、パスワード入力画面において、現在、入力可能な記号で、パスワードを再設定すれば良いと判断することが可能である。
【0178】
また、本実施の形態に係る画像処理装置52は、その通知後、予め定められた日数を経過しても、変更対象利用者がパスワードを変更しなかった場合、再度、同じ趣旨の通知を行なう。さらに、そのような場合において、変更対象利用者のパスワードを管理者が設定するか、又は、画像処理装置52が自動的に再設定する。そうすることによって、変更対象利用者に対して、パスワードの変更し忘れを防止することができる。
【0179】
利用者が、端末装置54上でパスワードの再設定を行なっているとき、端末装置54上では、入力可能文字一覧画面230を表示することが可能である。したがって、利用者は、パスワード入力画面において、現在入力可能な文字を確認しながらパスワードの再設定をすることができる。
【0180】
[変形例]
上記した実施の形態では、画像処理装置52の利用者は、パスワードを入力する際に、操作パネル102に表示されたソフトウェアキーを押下することによって、画像処理装置52に記号を入力していた。しかし、本発明はそのような実施の形態には限定されない。操作パネル102の他に、画像処理装置52に、複数のハードウェアキーを設置した操作装置を設置して、記号を入力するようにしても良い。その場合、複数のハードウェアキーの各々には、表示内容が書換え可能な表示部を設置する。複数のハードウェアキーの各々に設置される表示部には、あらゆる記号を表示することが可能であるようにする。利用者が、パスワードを入力する際にあるハードウェアキーを押下したとき、そのハードウェアキーの上の表示部に表示されている記号を、画像処理装置52に入力するようにしても良い。
【0181】
また、操作パネル102にソフトウェアキーを表示して、画像処理装置52に別途マウスを接続し、ソフトウェアキー上にマウスカーソルを移動させてマウスクリックすることによって記号を入力するようにしても良い。その場合、ソフトウェアキーを表示するための装置は、タッチパネルでなくても良く、画像の表示のみを行なう表示装置であっても良い。
【0182】
上記した実施の形態では、画像処理装置52は、端末装置54に通知を行なう場合、電子メール又はWebページを送信していた。しかし、本発明はそのような実施の形態には限定されず、通知のためのプロトコルはどのようなものでも良い。
【0183】
今回開示された実施の形態は単に例示であって、本発明が上記した実施の形態のみに制限されるわけではない。本発明の範囲は、発明の詳細な説明の記載を参酌した上で、特許請求の範囲の各請求項によって示され、そこに記載された文言と均等の意味及び範囲内での全ての変更を含む。
【図面の簡単な説明】
【0184】
【図1】本発明の実施の形態に係る画像処理装置52を含むネットワークシステム50の全体構造を示す図である。
【図2】図1に示す端末装置54A等のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図3】本実施の形態に係る画像処理装置52の外観を示す斜視図である。
【図4】本実施の形態に係る画像処理装置52のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図5】操作パネル102に表示されるパスワード入力画面の構成を示す図である。
【図6】図4に示す利用者情報記憶部136の構成を示す図である。
【図7】図4に示す表示仕様記憶部138の構成を示す図である。
【図8】操作パネル102に表示される設定変更画面の構成を示す図である。
【図9】操作パネル102に表示される入力可能文字一覧画面の構成を示す図である。
【図10】CPU120によって実行されるプログラムの制御構造を示すフローチャートである。
【図11】図10に示すステップ256の詳細なフローである。
【図12】CPU120によって実行されるプログラムの制御構造を示すフローチャートである。
【図13】Webサーバ部132によって実行されるパスワードを管理する処理の状態遷移図である。
【図14】Webサーバ部132が、図13に示す状態324に遷移したときに実行するプログラムの制御構造を示すフローチャートである。
【図15】Webサーバ部132が、図13に示す状態332に遷移したときに実行するプログラムの制御構造を示すフローチャートである。
【図16】Webサーバ部132が、図13に示す状態340に遷移したときに実行するプログラムの制御構造を示すフローチャートである。
【図17】パスワード変更依頼の電子メールの例を示す図である。
【図18】パスワードリセット依頼の電子メールの例を示す図である。
【図19】端末装置54に送信される電子メールの例を示す図である。
【図20】端末装置54に送信されるWebページの例を示す図である。
【図21】パスワードリセット画面の構成を示す図である。
【符号の説明】
【0185】
50 ネットワークシステム
52 画像処理装置
54(54A,54B,54C,54D) 端末装置
100 原稿読取部
102 操作パネル
104 表示部
106 操作部
108 印刷部
120 CPU
122 HDD
124 ROM
126 フラッシュメモリインタフェース
128 RAM
130 通信部
132 Webサーバ部
136 利用者情報記憶部
138 表示仕様記憶部
140 管理者通知フラグ記憶部
142 待機日数記憶部
144 自動設定フラグ記憶部
146 認証部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の記号群を選択可能で、選択された記号群に含まれる記号に制限して利用者に入力させるための入力手段と、
前記入力手段によって入力される記号列からなる認証情報を用いて利用者を認証するための認証手段と、
選択された記号群が切換えられたことに応答して、前記入力手段から入力できなくなった認証情報の管理者に、その旨を通知するための通知手段とを含む、画像処理装置。
【請求項2】
前記通知手段は、電子メールで通知を行なうことを特徴とする、請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記複数の記号群は言語により区別された文字群であり、
前記通知手段は、利用者の認証情報が、前記入力手段において、選択された記号群に含まれる文字のみからなるか否かにしたがって、前記入力手段で入力可能か否かを判定する、請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記管理者は、前記入力手段で入力できなくなった認証情報を使用する利用者である、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記管理者は、前記画像処理装置の管理者である、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記通知を行なった後、一定期間を経過しても認証情報が変更されない利用者に対して、再通知を行なうための再通知手段をさらに含む、請求項4に記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記通知を行なった後、一定期間を経過しても認証情報が変更されない利用者の認証情報を、前記入力手段で入力可能な記号からなる認証情報に強制的に再設定するための強制再設定手段をさらに含む、請求項4に記載の画像処理装置。
【請求項8】
前記通知を行なった後、一定期間を経過しても認証情報が変更されない利用者について、認証情報を再設定するよう、前記画像処理装置の管理者に要求する電子メールを送信するための手段をさらに含む、請求項4に記載の画像処理装置。
【請求項9】
ウェブサーバと、
前記ウェブサーバを経由して認証情報変更のためのウェブページの送信要求を受信したことに応答して、認証情報変更のためのウェブページを前記送信要求の送信元に返信するための手段とをさらに含み、
前記認証情報変更のためのウェブページは、利用者の識別情報と、利用者の認証情報と、再設定後の新認証情報とを前記ウェブサーバに返信可能な構成とされており、
前記画像処理装置はさらに、
利用者の識別情報と認証情報とを記憶するための利用者情報記憶手段と、
前記認証情報変更のためのウェブページからの返信を受信したことに応答して、当該返信に含まれる新認証情報が、前記入力手段で入力可能か否かを判定するための判定手段と、
前記判定手段により前記新認証情報が前記入力手段で入力可能と判定されたことに応答して、前記返信に含まれる利用者の識別情報と認証情報とにしたがって特定される利用者の、前記利用者情報記憶手段に記憶される認証情報を、前記返信に含まれる新認証情報で更新するための更新手段とを含む、請求項2〜請求項4、及び請求項6〜請求項8のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項10】
さらに、前記判定手段により前記新認証情報が前記入力手段で入力可能でないと判定されたことに応答して、前記返信を送信してきた端末に、新認証情報が利用できないことを示すウェブページを送信するための手段を含む、請求項9に記載の画像処理装置。
【請求項11】
さらに、前記ウェブサーバを経由して利用者の識別情報及び認証情報を受信したことに応答して、当該識別情報に対応する利用者を認証するためのウェブ認証手段を含む、請求項9又は請求項10に記載の画像処理装置。
【請求項12】
前記認証情報変更のためのウェブページはさらに、前記ウェブ認証手段を用いた認証のみを用いるか否かを示すウェブ認証フラグを前記ウェブサーバに返信可能な構成とされており、
前記利用者情報記憶手段はさらに、利用者が前記ウェブ認証手段のみを利用した認証によりログインするか否かを示すウェブログインフラグを記憶し、
前記更新手段は、前記判定手段により前記新認証情報が前記入力手段で入力可能と判定されたことに応答して、前記返信に含まれる利用者の識別情報と認証情報とにしたがって特定される利用者の、前記利用者情報記憶手段に記憶される認証情報及びウェブログインフラグを、前記返信に含まれる新認証情報及びウェブ認証フラグにしたがって更新するための手段を含む、請求項11に記載の画像処理装置。
【請求項13】
前記更新するための手段は、前記ウェブ認証フラグが、前記ウェブ認証手段を用いた認証のみを用いることを示すときには、前記利用者情報記憶手段の識別情報は更新しない、請求項12に記載の画像処理装置。
【請求項14】
前記通知手段は、前記入力手段から入力できなくなった認証情報を持つ利用者であっても、前記ウェブログインフラグによって前記ウェブ認証のみを使用することが示されているときには、認証情報が前記入力手段では入力できなくなったことの通知を停止する、請求項12又は請求項13に記載の画像処理装置。
【請求項15】
前記ウェブサーバを経由して、前記ウェブ認証手段による認証が成功した利用者から、当該利用者に関する利用者情報の確認要求を受けたことに応答して、前記利用者情報記憶手段から、当該利用者の両者情報を読出し、利用者情報の確認画面を表示するための文書を生成し前記確認要求の送信元端末に返信するための手段をさらに含む、請求項9〜請求項14のいずれかに記載の画像処理装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2010−128813(P2010−128813A)
【公開日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−303077(P2008−303077)
【出願日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】