説明

画像処理装置

【課題】 複数の二次元コードが埋め込まれている原稿を複写する場合に、埋め込まれた情報に反することなく動作可能な画像処理装置を提供する。
【解決手段】 原稿をスキャンする画像読み取り手段と、読み取った画像に二次元コードが埋め込まれているかどうか検出する検出手段と、抽出した二次元コードを復号する復号手段と、復号した結果からセキュリティ情報を受信する受信手段と、スキャンした原稿内にいくつセキュリティ情報が含まれていたかを数えるカウント手段と、複数のセキュリティ結果が得られた際に、それぞれのセキュリティ情報を比較する手段と、維持するべきセキュリティ情報を選択する手段とを持ち、必要なセキュリティレベルを維持してコピーを実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入力画像を解析して、当該画像に埋め込まれている電子データを抽出することが出来る画像処理装置及び画像処理方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
オフィスのIT化の促進に伴い、セキュリティに関する関心が高まってきている。例えば、企業が保持している顧客情報の漏洩事件が度々発生するなど、組織の機密情報や個人のプライバシーが脅かされており、大きな社会問題になっている。
【0003】
これらの問題に対処するために、機密情報へのアクセス権限やファイヤウォールに関し装置を設けるなどのITメカニズムを導入することにより、前述した情報の漏洩を防ぐ対策が行われている。
【0004】
扱われる情報が電子化された情報であれば、上記のようなITメカニズムを用いた対策を講じることができるが、画像形成装置などで紙媒体に印刷され、電子化された情報ではなくなってしまうと、ITメカニズムを回避する事が可能となってしまう。この様に、紙に印字された情報の持ち出しを確認・禁止する事は、電子化された機密情報の漏洩を防止するよりもはるかに困難であり、セキュリティの維持を難しくしている。
【0005】
この課題に対処するために、従来様々な情報漏洩の対策が検討されている。この対策の一例として、既知の電子透かしや二次元バーコードなどの情報埋め込み技術を用いて、印刷時、紙媒体に情報を画像として付加し、コピーを禁止する複写制限情報を埋め込むシステムが提案されている。
【0006】
このシステムでは、画像処理装置で複写を実行する際に、読み取った原稿から前述した複写制限情報を抽出する事によってコピーの可否情報を受け、それによってコピーの継続や中止を制御することが可能となる。
【0007】
従来から紙に電子情報を保持させる方法として、電子情報を二次元コードなどの符号化した画像として埋め込んで印字する技術が一般的であり、更に電子情報が埋め込まれた紙をスキャンして、符号化された画像を読み取りデコードして電子情報を抽出する技術も一般的である。
【0008】
これらの二次元コードを活用した技術は、セキュリティ目的で複合機に使用されており、各社独自のアルゴリズムを開発して符号化・復号化している二次元コードの場合、メーカーが異なる画像処理装置ではデータを抽出する事が出来ない。そこで、各社共通の符号化技術として、QRコードを用いる事が考えられている。
【0009】
従来、このセキュリティ付加情報の埋め込みは、原稿に既にセキュリティが埋め込まれているか否かに関わらず、実行可能であった。
【0010】
この従来例に拠れば、各社独自のアルゴリズムで生成した二次元コードでセキュリティ情報を埋め込まれている原稿に、QRコードでセキュリティ情報を付加して印字が行われる事になる。
【0011】
ここで、QRコードや各社独自の二次元コードとして符号化されるセキュリティ情報には、
原稿を印字した日時
印刷ジョブを送信したユーザ名
印字したドキュメント名
原稿を印字した複合機情報
などの情報だけでなく、
複写可・不可・
パスワード入力による複写許可
の情報が埋め込まれていることが想定されている。
【0012】
つまり、ある原稿内に、独自アルゴリズムで生成されたコードによるセキュリティ情報と、QRコードによるセキュリティ情報が同時に存在する事になる。
【特許文献1】特開2003−280469号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
上記背景より、ユーザは異なるセキュリティ情報を埋め込んだ二次元コードが複数同時に印字された原稿をスキャンすることが考えられる。これらの二次元コードにはそれぞれ当該原稿に対する複写許可、複写禁止などのアクセス制限に関する情報が埋め込まれているものとする。これらの二次元コードから情報抽出を行い、それぞれのコードに別の情報が埋め込まれていた場合、例えば一つ目のコードには複写禁止、二つ目のコードには複写許可の情報が埋め込まれていた場合について考える。この場合、どちらの情報に従って画像処理装置が動作すればよいかが明確となっていないという問題があった。
【0014】
そこで、本発明の目的は、複数の二次元コードが埋め込まれている原稿を複写する場合に、埋め込まれた情報に反することなく動作可能な画像処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上述した課題を解決するために、本発明の画像処理装置は、原稿をスキャンする画像読み取り手段と、読み取った画像に二次元コードが埋め込まれているかどうか検出する検出手段と、抽出した二次元コードを復号する復号手段と、復号した結果からセキュリティ情報を受信する受信手段と、スキャンした原稿内にいくつセキュリティ情報が含まれていたかを数えるカウント手段と、複数のセキュリティ結果が得られた際に、それぞれのセキュリティ情報を比較する手段と、維持するべきセキュリティ情報を選択する手段とを持ち、必要なセキュリティレベルを維持してコピーを実行することを特徴とする。
【0016】
本発明の画像処理装置は、それぞれのセキュリティ条件で厳しさ・易しさのランクをつけ、そのランク情報を格納しておく記憶手段を持ち、スキャンした原稿内にセキュリティ情報が複数存在した時に、ランク情報を参照して、セキュリティ情報を比較することを特徴とする。
【0017】
本発明の画像処理装置は、スピード優先モードが設定されている時には、前述の検出手段でQRコードのみを検出し、QRコードから得たセキュリティ情報に従ってコピーを実行することを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によって、画像処理装置は複数の異なる処理方法を埋め込まれた原稿をスキャンした時に、適切なセキュリティを保ったコピー処理を実行する事が可能となり、セキュリティを確保したシステムを提供する事が出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
ここで、図面を参照しながら、本発明の内容を詳細に説明していく。なお、ここで示す構成は一例であり、図示の構成に限定されるものではない。
【実施例1】
【0020】
図1は、本発明の実施例1に係るシステムのハードウェア構成を示す図である。画像処理装置100は、中央演算装置(以下、CPU)101、タッチパネルディスプレイ102、スキャナ103、プリンタ106、メモリ104、補助記憶装置105によって構成され、それぞれは内部バス107で接続されている。
【0021】
CPU101は、メモリ104に展開されたプログラムの実行や、様々な装置の制御を行う。
【0022】
タッチパネルディスプレイ102は、ディスプレイでユーザに対する情報の提供を行うと共に、ユーザのキー入力を受け付ける。
【0023】
スキャナ103は、現行の画像を光源で照射し、反射画像をレンズで固体撮像素子上に結像する。固体撮像素子は、所定の解像度(例えば600dpi)及び所定の濃度レベル(例えば8ビット)の画像読み取り信号を生成し、画像読み取り信号からラスターデータよりなる画像データを構成する。
【0024】
プリンタ106は、メモリ104上に展開された電子画像データを記録紙に印刷する。
【0025】
メモリ104は、CPU101が実行するプログラムの展開場所であり、また、プログラムで使用するデータを保持することが出来る。
【0026】
補助記憶装置105は、ハードディスクドライブなどの大容量記憶装置で構成され、メモリ104上に展開できなかった情報を保存する。また、画像処理装置100で実行するアプリケーションプログラムを保持する。
【0027】
以下の説明において、スキャン画像からの情報抽出処理は、画像処理装置100により行われる。画像処理装置100は、各情報抽出方式を用いて、スキャナ103が読み取った画像から情報を抽出する。ここで、画像処理装置100は、図1に示すように内部にCPU101やメモリ104を有しており、さらにCPU101はメモリ104内部に格納されているプログラムを実行したり、保持しているデータを読み出したりすることによって、以下に例示する処理を実行するものである。
【0028】
次に、本実施形態で利用する情報埋め込み方式に対応する情報抽出方式について説明する。
【0029】
情報埋め込み方式には、図2に示すように(a)反復埋め込み方式と(b)単純埋め込み方式の2種類がある。これらの情報埋め込み方式に対応する情報抽出方式について、以下に説明する。
【0030】
(a)反復埋め込み方式
反復埋め込み方式として、二次元コードとしてドットを印刷してある原稿から埋め込まれた情報を抽出する例を示す。
【0031】
反復埋め込み方式では、原稿全体に二次元コードを印字するため、できるだけ可視性の低い埋め込み方法が望まれる。本実施例では、図3に示すように原稿に引かれた仮想グリッド302の交差点付近にドット301を印刷し、交差点からのドット301の変位により情報を埋め込む二次元コードを例にあげる。
【0032】
図4は、反復埋め込み方式により、入力画像中に埋め込まれている二次元コードを抽出する処理の流れを示すフローチャートである。
【0033】
ステップS401で画像処理装置は、スキャナが読み取った画像を入力画像として、入力画像を走査して画像中に含まれるドットを検出する。
【0034】
ステップS402で画像処理装置は、検出したすべてのドットの絶対座標、粒形サイズおよび濃度等のドット情報を算出する。
【0035】
ステップS403で画像処理装置は、情報が埋め込まれたドットのみを検出するために、算出したドット情報に基づき、検出したドットから埋め込み情報に関わる情報ドット以外のドットを削減するハーフトーン除去処理を行う。
【0036】
ステップS404で画像処理装置は、グリッドを再現するために、検出した情報ドットと近隣のドットとの距離を計測し、グリッド間隔を算出する。また、画像処理装置は、すべての情報ドットに対して近隣の情報ドットまでの角度を測定し、グリッドの回転角度も算出する。画像処理装置は、グリッド間隔、回転角度を求めたあと、グリッドの交差点に対する情報ドットの相対的位置を計測する。
【0037】
ステップS405で画像処理装置は、各データ領域の位置とサイズを算出するために、反復されて埋め込まれているデータ領域の繰り返しサイズを決定する。
【0038】
ステップS406で画像処理装置は、繰り返し埋め込まれたデータ領域にある情報ドットの位置とサイズを算出し、ステップS407で埋め込まれたデータを抽出する。
【0039】
最後に、ステップS408で画像処理装置は、抽出したデータにエラー訂正処理を行い、埋め込まれたデータを取得する。
【0040】
以上は、本実施形態で示す反復埋め込み方式に対する情報抽出方式の一例である。本発明はこの方式に限るものではなく、他の反復埋め込み方式に対応した情報抽出方式を用いてもよい。
【0041】
(b)単純埋め込み方式
単純埋め込み方式の抽出方法として、二次元コードとしてよく使用されているQRコードの情報抽出方式を例として示す。
【0042】
図5は、単純埋め込み方式により、入力画像中に埋め込まれている二次元コードを抽出するフローチャートである。
【0043】
ステップS501で画像処理装置100は、スキャナが読み取った画像を入力画像として、入力画像を走査して画像中に含まれるQRコードの位置を検出する。QRコードの位置検出は、QRコードの四隅のうち、三隅に配置される同一の切り出しシンボルのパターン検知を利用して行う。
【0044】
ステップS502で画像処理装置100は、切り出しシンボルに隣接する形式情報を復元し、シンボルに適用されている誤り訂正レベル及びマスクパターンを取得する。
【0045】
ステップS503で画像処理装置100は、取得したマスクパターンを利用して、符号化領域ビットパターンをXOR演算することによって、マスク処理を解除する。
【0046】
ステップS504で画像処理装置100は、モデルに対応する配置規則に従いシンボルキャラクタを読み取り、メッセージのデータ及び誤り訂正コードを復元する。
【0047】
画像処理装置100は、復元されたデータに対して、復元した誤り訂正コードを適用し、復元されたデータに誤りがあるかどうかを判定し(ステップS505)、誤りがある場合はステップS506でその誤りを訂正する。
【0048】
ステップS507で画像処理装置100は、誤り訂正されたデータに対して誤り検出符号を適用して、当該データに誤りがないか否かを判定し、誤りがない場合は抽出データの複合が成功したと判断し(ステップS508)、当該データを出力する。一方、誤りがある場合には抽出データの復号が失敗したと判断し(ステップS509)、当該データを破棄して処理を終了する。
【0049】
以上は、本実施形態で示す単純埋め込み方式に対する情報抽出方式の一例である。本発明はこの方式に限るものではなく、他の単純埋め込み方式に対応した情報抽出方式を用いてもよい。
【0050】
ここで、本実施形態の示す原稿とは、単純埋め込み方式の二次元コード及び反復埋め込み方式の二次元コードそれぞれ一種類ずつが、スキャンした原稿内に存在した場合についての一例である。
【0051】
但し、本発明はこのような原稿に限るものではなく、二次元コードが複数存在する原稿であればよく、例えば同じ埋め込み方式の二次元コードが複数存在する原稿であってもよい。
【0052】
次に、二次元コードから抽出した情報を比較する手段について、説明する。画像処理装置100は、前述した二次元コードによって抽出した情報を比較手段に入力し、入力された情報が一致しているか否かを判別する。
【0053】
ここで、入力される情報は2種類であっても、それ以上であっても構わない。また、比較する対象となる情報は、複写可能かどうかの情報のみで、それ以外の情報は比較しないか、比較したとしても画像処理装置100の動作には影響を及ぼさない。
【0054】
比較手段で比較した結果が同一だった場合、そのセキュリティ条件を満たす状態でのコピーを実行する。
【0055】
例えば、第一の二次元コードと第二の二次元コードにコピー禁止の情報が埋め込まれていた場合、抽出された二つの情報を比較して、「コピー禁止」という同一の情報が埋め込まれていたと判断し、画像処理装置100はコピー動作をキャンセルする。
【0056】
次に複数の二次元コードが同一紙面上に印刷されている原稿をコピーする時の動作について説明する。
【0057】
ここでは、複数の二次元コードが印刷されている原稿を複写しようとした際の課題を説明する。以降の説明では、スキャン時に初めに検出される二次元コードを第一の二次元コード、次に検出される二次元コードを第二の二次元コードと呼ぶ。
【0058】
【表1】

【0059】
表1は、第一の二次元コードと第二の二次元コードから抽出した情報の組み合わせである。抽出条件における○は複写許可を示し、×は複写禁止を示す。また、△は条件付き許可を示し、ユーザがタッチパネルディスプレイ102からパスワードなどの入力を行い、入力されたパスワードが抽出した情報内に含まれるパスワードだった場合のみ複写を許可するものである。
【0060】
この表からわかるように、二つの二次元コードに含まれる情報が一致していた場合は動作可能だが、一致していなかった場合はどのように動作していいかが判断できなかった(表中斜線部分)。
【0061】
ここで、表1では二種類の二次元コードが抽出された場合について、説明を行っているが、本発明は二種類に二次元コードを限定するものではなく、二種類以上の複数の二次元コードが埋め込まれた原稿をコピーする場合の動作について説明するものである。
【0062】
図6は、実施例1における画像処理装置100のフローチャートである。また、図8は、実施例1における画像処理装置100のソフトウェア構成のブロック図である。
【0063】
複数の二次元コードが存在する原稿をコピーする時、ユーザはコピーボタンを押下する(ステップS601)。画像処理装置100はコピーボタンを押下された場合、まず原稿内に二次元コードが検出できるかどうかを二次元コード検出手段803で検出し、判断する(ステップS602)。
【0064】
二次元コード検出手段803で二次元コードが検出された場合は、ステップS603に進み、二次元コード復号手段804で検出されたコードを復号する。そして更に、別のコードが原稿内に検出できるかを再度ステップS602に戻って判断する。画像処理装置100は別のコードが検出できなくなるまでコード検出を行い、コードの検出が出来なくなったら次のステップに進む。
【0065】
画像処理装置100は、セキュリティ情報受信手段805で、前述の通り復号された結果からセキュリティ情報が受信できたかを判断する。セキュリティに関する情報を受信しなかった場合は、ステップS610に進み、コピーを実行する。
【0066】
セキュリティ情報があった場合、ステップS605に進み、セキュリティ情報カウント手段806で複数のセキュリティ情報が復号されているかどうかを判断する。
【0067】
唯一のセキュリティ結果しか復号されていなかった場合、ステップS608に進み、セキュリティ情報選択手段808で唯一の復号されたセキュリティ結果を選択してコピーを実行する。複数の復号結果があった場合は、セキュリティ情報比較手段807で復号結果を比較し(ステップS606)、ステップS607に進む。
【0068】
ステップS607では、ステップS606で比較した結果が同じだったかどうかを判断する。比較した結果が同じだった場合は、ステップS608に進み、復号した結果を今回の動作のセキュリティとして選択する。
【0069】
比較した結果が違っていた場合には、ステップS609に進み、セキュリティ情報選択手段808は、復号された複数のセキュリティ情報から最も厳しい条件を選択する。ここで、セキュリティ条件の厳しさ・易しさのランクは、事前に画像処理装置100に対して管理者が設定をしておくものとする。このランクは、セキュリティランク情報記憶手段809に格納されており、セキュリティ情報選択手段808はセキュリティ情報記憶手段809の情報を参照することで、最も厳しい条件を選択することが出来る。
【0070】
画像処理装置100は、最後にステップS610へと進み、ステップS608もしくはステップS609で選択されたセキュリティ条件に従って、またはステップSでセキュリティに関する復号信号がなかった場合はそのまま、コピーを実行する。
【0071】
以上が、複数のセキュリティ情報が埋め込まれた原稿をコピーしようとしたときの画像処理装置100の処理フローチャートである。
【0072】
以上の実施例1によって、ユーザが複数のコードによってセキュリティ情報が埋め込まれた原稿をコピーする時、好適なセキュリティ情報をコードから得てコピーを実行することが可能となる。
【実施例2】
【0073】
次に、実施例2としてスピード優先の設定がされていた場合の画像処理装置100の動作フローについて説明する。図7は、スピード優先設定がされていた時の、画像処理装置100のフローチャートである。
【0074】
ここで、実施例2におけるソフトウェアは実施例1で述べた通りの動作をする為、実施例2での説明は割愛する。
【0075】
ユーザがコピーを実行するためにコピーボタンを押下した時(ステップS701)、画像処理装置100はステップS711でスピード優先設定がされているかどうかを判断する。ここで、スピード優先設定とは、コピーを出来るだけ早く出力する為の設定で、この設定がされている時はQRコードで埋め込まれたセキュリティ設定にのみ従って動作するものである。
【0076】
スピード優先設定がされていた場合、ステップS712でスキャンした画像内にQRコードがあるかを検出し、ステップS713で検出できたかどうかを判別する。ステップS713で判別したQRコードは、ステップS714で復号をする。
【0077】
ここで、このフローチャートではスキャンした画像内にQRコードが1つだけある場合を示しているが、複数のQRコードが検出された場合には、ステップS713とステップS714を繰り返し実行し、全部のQRコードを復号することとする。
【0078】
次に、ステップS715では、前のステップS714で復号した結果にセキュリティに関する復号結果が得られたかを判断する。
【0079】
セキュリティに関する情報とは、
複写可・不可・
パスワード入力による複写許可
などの情報を指す。
【0080】
これらの情報が得られたら、画像処理装置100はこの復号結果に含まれるセキュリティレベルを維持して、コピー動作を実行する。具体的には、QRコードにコピー禁止の情報が埋め込まれていたら、コピー動作をキャンセルする。
【0081】
また、パスワード入力によりコピーを許可する情報が埋め込まれていたら、パスワード入力を促す画面をタッチパネルディスプレイ102に表示させ、そこに入力されたパスワードが合致するか、コピーを許可する情報が埋め込まれていたら、そのままコピー動作を実行する(ステップS710)。
【0082】
スピード優先設定がされていた場合でも、ステップS713でQRコードが検出できなかった場合やステップS715でセキュリティに関する復号結果が得られなかった場合は、通常どおりコピー動作を実行する。
【0083】
ステップS711でスピード優先設定がされていなかった場合は、画像処理装置100は実施例1と同様、ステップS702からステップS709までのフローチャートで処理を実行する。
【0084】
以上の実施例2によって、ユーザがスピードを優先したい時でも好適なセキュリティ情報をQRコードから得て実行することが可能となる。
【0085】
本発明の画像処理装置は、図1に示した画像処理装置に限定されるものではなく、専用の画像処理装置、汎用コンピュータ等の種々の手段を採用し得る。汎用コンピュータが画像処理の各ステップを実行する為のプログラムは、汎用コンピュータに内蔵されたROMや、汎用コンピュータが読み取り得る記録媒体から読み込まれ、あるいはネットワークを通じてサーバ等から読み込まれる。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【図1】本発明の実施例に係る、画像処理装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図2】反復埋め込み方式と、単純埋め込み方式を用いて、二次元コードが埋め込まれた原稿を示す図である。
【図3】反復埋め込み方式による情報埋め込みの一例を示す図である。
【図4】反復埋め込み方式により、入力画像内に埋め込まれている二次元コードを抽出する時の、画像処理装置の処理の流れを示すフローチャートである。
【図5】単純埋め込み方式により、入力画像内に埋め込まれている二次元コードを抽出する時の、画像処理装置の処理の流れを示すフローチャートである。
【図6】実施例1における、画像処理装置の処理の流れを示すフローチャートである。
【図7】実施例2における、画像処理装置の処理の流れを示すフローチャートである。
【図8】本発明の実施例に係る、画像処理装置のソフトウェア構成を示すブロック図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿をスキャンしてコピー実行を指示するユーザインタフェースと、
原稿をスキャンして取り込む画像読み取り手段と、
前記画像読み取り手段から読み取られた入力画像に含まれる二次元コードを検出する検出手段と、
前記検出手段で検出された二次元コードを復号する復号手段と、
前記復号手段で復号した情報の中にセキュリティに関する情報があったらその情報を受信するセキュリティ情報受信手段と、
前記セキュリティ情報受信手段で受信したセキュリティ情報を数えるカウント手段と、
前記カウント手段で複数のセキュリティ情報がカウントされていたら、それらの情報を比較する比較手段と、
前記比較手段で比較した結果が同じであったかどうかを判断する比較結果判断手段と、
比較結果が同じであった場合、復号した結果を選択する選択手段とをもち、
前記選択手段で選択したセキュリティ条件を維持してコピーを実行することを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記検出手段は、
スキャンした画像内に二次元コードが検出できなくなるまで繰り返し二次元コードの検出を行い、
前記復号手段で検出した二次元コードを復号する事を特徴とした、請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記セキュリティ情報受信手段は、
復号した情報の中にセキュリティに関する情報がなかった場合、
そのままコピーを実行することを特徴とした、請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記セキュリティ情報カウント手段は、
前記セキュリティ情報受信手段で受信したセキュリティ情報が唯一であった場合、
その唯一のセキュリティ情報を前記選択手段で選択して、コピーを実行することを特徴とした、請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記比較結果判断手段は、比較した結果が異なっていた場合、
予めユーザが設定してある、セキュリティ情報のランク付けに従い、
より厳しい条件を選択してコピーを実行することを特徴とした、請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項6】
原稿をスキャンしてコピー実行を指示するユーザインタフェースと、
原稿をスキャンして取り込む画像読み取り手段と、
スピード優先設定がされているかを判断するスピード優先判断手段と、
前記画像読み取り手段から読み取られた入力画像に含まれるQRコードを検出する検出手段と、
前記検出手段でQRコードが検出出来たかを判断する、検出結果判断手段と、
前記検出手段で検出されたQRコードを復号する復号手段と、
前記復号手段で復号した情報の中にセキュリティに関する情報があったらその情報を受信するセキュリティ情報受信手段と、
復号した結果を選択する選択手段とをもち、
前記選択手段で選択したセキュリティ条件を維持してコピーを実行することを特徴とする画像処理装置。
【請求項7】
前記検出結果判断手段は、
読み取られた入力画像にQRコードが含まれなかった場合は、
そのままコピーを実行することを特徴とする請求項6に記載の画像処理装置。
【請求項8】
前記セキュリティ情報受信手段は、
前記復号手段で復号した情報の中にセキュリティ情報が含まれなかった場合は、
そのままコピーを実行することを特徴とする請求項6に記載の画像処理装置。
【請求項9】
前記スピード優先判断手段は、
スピード優先設定がされていなかった場合は画像読み取り手段から読み取られた入力画像に含まれる二次元コードを検出する検出手段と、
前記検出手段で検出された二次元コードを復号する復号手段と、
前記復号手段で復号した情報の中にセキュリティに関する情報があったらその情報を受信するセキュリティ情報受信手段と、
前記セキュリティ情報受信手段で受信したセキュリティ情報を数えるカウント手段と、
前記カウント手段で複数のセキュリティ情報がカウントされていたら、それらの情報を比較する比較手段と、
前記比較手段で比較した結果が同じであったかどうかを判断する比較結果判断手段と、
比較結果が同じであった場合、復号した結果を選択する選択手段とをもち、
前記選択手段で選択したセキュリティ条件を維持してコピーを実行することを特徴とする請求項6に記載の画像処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−171596(P2010−171596A)
【公開日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−10979(P2009−10979)
【出願日】平成21年1月21日(2009.1.21)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】