説明

画像形成ユニット及び画像形成装置

【課題】画像を形成している間に、画像形成ユニット本体がねじれるのを防止することができ、画像品位を向上させることができるようにする。
【解決手段】画像形成ユニット本体と、画像形成ユニット本体に対して着脱自在に配設された現像剤収納容器とを有する。画像形成ユニット本体は、前記現像剤収納容器を収容するための収容部62fに第1の係止部及び第1の規制要素を備え、前記現像剤収納容器は、前記第1の係止部と係止させられる第2の係止部、及び第1の規制要素と嵌合する第2の規制要素を備える。前記画像形成ユニット本体は第1の係止部及び第1の規制要素を備え、前記現像剤収納容器は第2の係止部及び第2の規制要素を備えるので、画像形成ユニットがねじれるのを防止することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成ユニット及び画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、プリンタ、複写機、ファクシミリ装置、複合機等の画像形成装置、例えば、電子写真プロセスを用いるプリンタにおいては、メンテナンス性を向上させるために、感光体ドラム、帯電ローラ、現像ローラ、クリーニング装置等を一体にして画像形成ユニット(プロセスカートリッジ)を形成し、該画像形成ユニットをプリンタの本体、すなわち、装置本体に着脱自在に配設するようにしている。
【0003】
特に、カラーのプリンタにおいて、トナーは、プリンタの大きさによる搭載量が限られたり、限られたスペースに複数色のトナーが必要であったりすることから、トナーカートリッジにトナーが収容された状態で、画像形成ユニットの本体、すなわち、画像形成ユニット本体にトナーカートリッジが着脱自在に配設され、トナーの消費に合わせてトナーカートリッジが交換される。なお、トナーカートリッジは長手方向における端部に画像形成ユニット本体との係合部を備え、画像形成ユニット本体に対して位置決めされる。
【0004】
ところで、前記カラーのプリンタにおいては、高精細で色ずれのない画像を形成する必要性が高い。高精細で色ずれのない画像を形成しようとすると、印刷動作に関わる各部品の寸法精度及び各部品の組立精度は当然必要になるが、特に、着脱動作が行われる各画像形成ユニット間の取付精度を高くする必要がある(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2004−170790号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記従来のプリンタにおいて、トナーカートリッジは画像形成ユニット本体に対して位置決めされるので、トナーカートリッジと画像形成ユニット本体との相対的な位置は変わらないが、画像の形成、すなわち、印刷動作によって画像形成ユニット本体内の感光体ドラム、現像ローラ等の回転体が回転することにより、画像形成ユニット本体がねじれてしまう。したがって、画像品位が低下してしまう。
【0006】
本発明は、前記従来のプリンタの問題点を解決して、画像を形成している間に、画像形成ユニット本体がねじれるのを防止することができ、画像品位を向上させることができる画像形成ユニット及び画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そのために、本発明の画像形成ユニットにおいては、画像形成ユニット本体と、該画像形成ユニット本体に対して着脱自在に配設された現像剤収納容器とを有する。
【0008】
そして、前記画像形成ユニット本体は、前記現像剤収納容器を収容するための収容部に第1の係止部及び第1の規制要素を備え、前記現像剤収納容器は、前記第1の係止部と係止させられる第2の係止部、及び第1の規制要素と嵌合する第2の規制要素を備える。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、画像形成ユニットにおいては、画像形成ユニット本体と、該画像形成ユニット本体に対して着脱自在に配設された現像剤収納容器とを有する。
【0010】
そして、前記画像形成ユニット本体は、前記現像剤収納容器を収容するための収容部に第1の係止部及び第1の規制要素を備え、前記現像剤収納容器は、前記第1の係止部と係止させられる第2の係止部、及び第1の規制要素と嵌合する第2の規制要素を備える。
【0011】
この場合、前記画像形成ユニット本体は、前記現像剤収納容器を収容するための収容部に第1の係止部及び第1の規制要素を備え、前記現像剤収納容器は、前記第1の係止部と係止させられる第2の係止部、及び第1の規制要素と嵌合する第2の規制要素を備えるので、画像形成ユニットがねじれるのを防止することができる。したがって、左右に形成される画像に差が生じることがなくなり、画像形成ユニットの負荷トルクが増加したり、当て込み量、隙間量等の設定寸法が変化したりするのを防止することができるので、画像品位を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。この場合、画像形成装置としてのプリンタについて説明する。
【0013】
図2は本発明の第1の実施の形態におけるプリンタの概念図である。
【0014】
図に示されるように、プリンタの本体、すなわち、装置本体の下部に媒体としての図示されない用紙を収容する媒体収容部としての給紙カセット11が配設され、該給紙カセット11の前端に隣接させて、用紙を1枚ずつ分離させて給紙する給紙機構が配設される。該給紙機構は、給紙ローラ12a、12b及び分離ローラ13を備え、給紙機構によって給紙された用紙は、上部に配設された搬送ローラ部14に送られ、更に搬送ローラ部15に送られ、その後、第1の転写部材としての、かつ、搬送部材としての転写ベルト17が走行させられるのに伴って、該転写ベルト17によって搬送され、ブラック、イエロー、マゼンタ及びシアンの各色の現像剤像としてのトナー像を形成する複数の画像形成部としての画像形成ユニット16Bk、16Y、16M、16Cと、第2の転写部材としての転写ローラ51Bk、51Y、51M、51Cとの間を通過する。前記転写ベルト17、転写ローラ51Bk、51Y、51M、51C等によって転写ユニットが構成される。
【0015】
前記転写ローラ51Bk、51Y、51M、51Cは、各画像形成ユニット16Bk、16Y、16M、16Cにおいて、像担持体としての感光体ドラム52Bk、52Y、52M、52Cによって形成された各色のトナー像を、前記用紙に順次重ねて転写し、カラーのトナー像を形成する。
【0016】
続いて、用紙は、定着装置としての定着器18に送られ、該定着器18においてカラーのトナー像が用紙に定着させられ、カラー画像が形成される。そして、定着器18から排出された用紙は、搬送ローラ部19によって搬送された後、排出搬送ローラ部20によって装置本体外に排出される。
【0017】
前記感光体ドラム52Bk、52Y、52M、52Cの表面を露光して静電潜像を形成するために露光装置としての各LEDヘッド21Bk、21Y、21M、21Cが、各画像形成ユニット16Bk、16Y、16M、16Cに隣接させて、かつ、感光体ドラム52Bk、52Y、52M、52Cと対向させて配設される。
【0018】
前記各画像形成ユニット16Bk、16Y、16M、16Cは、装置本体に対して着脱自在に配設され、そのために、装置本体の上部に本体カバー23が開閉自在に配設される。なお、前記各LEDヘッド21Bk、21Y、21M、21Cは本体カバー23によって保持される。
【0019】
次に、画像形成ユニット16Bk、16Y、16M、16Cについて説明する。なお、該画像形成ユニット16Bk、16Y、16M、16Cは、いずれも構造が同じであるので、画像形成ユニット16Bkについて説明し、画像形成ユニット16Y、16M、16Cについては説明を省略する。
【0020】
図3は本発明の第1の実施の形態における画像形成ユニットの断面図である。
【0021】
前記画像形成ユニット16Bkは、感光体ドラム52Bk、該感光体ドラム52Bkの表面を一様に、かつ、均一に帯電させる帯電部材としての帯電ローラ45、現像剤としてのトナーを保持する現像剤担持体としての現像ローラ46、該現像ローラ46にトナーを供給する現像剤供給部材としてのトナー供給ローラ47、前記現像ローラ46上に供給されたトナーを均一に薄層化する現像剤規制部材としての現像ブレード48、及び転写後に感光体ドラム52Bkに残留したトナーを除去するクリーニング装置としてのクリーニングブレード49を備える。
【0022】
前記感光体ドラム52Bkは、アルミニウム等から成る導電性基層、及び有機感光体から成る表層によって形成され、帯電ローラ45は、導電性の金属シャフトにエピクロルヒドリンゴム等の半導電性のロール状のゴムを被覆することによって形成され、現像ローラ46は、導電性の金属シャフトにシリコーン等の半導電性のゴムを被覆して形成され、トナー供給ローラ47は、導電性の金属シャフトに、トナーの搬送性を向上させるために、混練時に、発泡剤を添加して形成されたゴムを被覆して形成される。
【0023】
前記帯電ローラ45、現像ローラ46及びクリーニングブレード49は前記感光体ドラム52Bkと接触させて配設され、前記トナー供給ローラ47及び現像ブレード48は現像ローラ46と接触させて配設される。また、図示されない現像ローラ46用の電源、トナー供給ローラ47用の電源及び現像ブレード48用の電源がそれぞれ前記現像ローラ46、トナー供給ローラ47及び現像ブレード48と接続され、現像ローラ46、トナー供給ローラ47及び現像ブレード48にバイアス電圧を印加する。
【0024】
ところで、前記画像形成ユニット16Bkの本体、すなわち、画像形成ユニット本体に対して、トナーを収容した現像剤収納容器としての図示されないトナーカートリッジが着脱自在に配設される。前記画像形成ユニット本体は外筐27を備え、該外筐27は、図示されない側部筐体、第1のケースとしての下部筐体28、第2のケースとしての上部筐体29、及び第3のケースとしてのカバー62を備える。前記感光体ドラム52Bk及び帯電ローラ45は、軸方向における両端において、前記下部筐体28の図示されない側部筐体によって回転自在に支持される。また、前記現像ローラ46、トナー供給ローラ47及び現像ブレード48によって現像器が構成され、同様に軸方向における両端において、前記側部筐体によって支持される。
【0025】
また、前記画像形成ユニット16Bk(図2)と隣接させてLEDヘッド21Bkが配設され、該LEDヘッド21Bkによって放射された光が、感光体ドラム52Bkの回転方向(画像を形成する際の回転方向)における帯電ローラ45より下流側で、かつ、現像ローラ46より上流側において感光体ドラム52Bkの表面に照射されるように、前記上部筐体29に露光用の開口30が形成される。
【0026】
前記構成のプリンタにおいて、印刷時に、現像ローラ46及びトナー供給ローラ47は、現像剤供給用の駆動部としての図示されない駆動モータによっていずれも時計回りに回転させられ、トナー供給ローラ47によって現像ローラ46にトナーが供給される。そして、現像ローラ46に供給されたトナーは、現像ローラ46の回転に伴って現像ローラ46と現像ブレード48との接触部に送られ、現像ブレード48によって余剰のトナーが掻き落とされ、薄層化され、その後、現像ローラ46の回転に伴って感光体ドラム52Bkに送られる。
【0027】
一方、該感光体ドラム52Bkは、画像形成用の駆動部としての図示されないドラムモータを駆動することによって、所定の方向(図3において時計回り)に回転させられ、感光体ドラム52Bkの回転に伴って、該感光体ドラム52Bkの表面は、帯電ローラ45によって一様に、かつ、均一に帯電させられ、LEDヘッド21Bk(図2)によって露光されて静電潜像が形成され、該静電潜像に前記現像ローラ46上のトナーが静電的に付着させられてトナー像が形成される。
【0028】
次に、前記画像形成ユニット16Bkの比較例について説明する。
【0029】
図4は比較例における画像形成ユニットの分解斜視図、図5は比較例における画像形成ユニットの左側面部、図6は比較例における画像形成ユニットの右側面部、図7は比較例におけるレバーの非ロック状態を示す図、図8は比較例におけるレバーのロック状態を示す図である。
【0030】
図に示されるように、画像形成ユニット16Bkにおいては、画像形成ユニット本体の両端(用紙の搬送方向に向かって右端及び左端)に、一対の支持部材としての側部筐体60、61が配設され、該側部筐体60、61によって感光体ドラム52Bk、現像ローラ46、トナー供給ローラ47等の主要部材が所定のニップ量を確保した状態で回転自在、又は所定の位置に固定されて保持される。前記側部筐体60、61には、画像形成ユニット16Bkの外方に突出させて、装置本体との位置決めを行うための2対の突起部60a、60b、61a、61bが形成される。また、前記側部筐体60、61間に架設させて筐体としてのカバー62が配設され、該カバー62に、トナーをトナーカートリッジ26から画像形成ユニット本体内に供給するための開口部62cが形成される。そして、前記カバー62の両端の壁にはトナーカートリッジ26を画像形成ユニット本体に固定するための突起部62a、62bが内方に向けて一体に形成される。
【0031】
前記トナーカートリッジ26は、トナーを排出する図示されない排出口、トナーを収納し、一方の端部が開放された箱状の筐体26a、外部に配設されたレバー26b、該レバー26bと連動して回動させられ、前記排出口を開閉する図示されないシャッタ等を備え、前記トナーカートリッジ26の側面には、前記カバー62に形成された突起部62a、62bを嵌合させるための嵌合部26c、26dが形成される。
【0032】
このように、画像形成ユニット本体に対してトナーカートリッジ26は、前記突起部62a、62bと嵌合部26c、26dとが嵌合した状態で装着され、その後、図7及び8に示されるように、前記レバー26bを回動させることによって画像形成ユニット本体に固定される。
【0033】
そして、装置本体に配設された一対の静止壁24、25にそれぞれ2対の溝24a、24b、25a、25bが形成され、該溝24a、24b、25a、25bに前記突起部60a、60b、61a、61bを嵌合させることによって、画像形成ユニット16Bkを装置本体の所定の位置に装着することができる。
【0034】
前記画像形成ユニット16Bkを装置本体に装着した後、本体カバー23(図2)を閉じると、該本体カバー23に配設された図示されない付勢部材が、画像形成ユニット16Bkを下方に向けて押し付け、印刷動作中における画像形成ユニット16Bkの位置ずれを防止する。このような構成によって、装置本体に固定された画像形成ユニット16Bkは、一方の端部において、図示されないモータから伝達される回転を駆動ギヤ31を介して受け、印刷動作を行う。
【0035】
ところで、画像形成ユニット16Bk内には、感光体ドラム52Bk、帯電ローラ45、現像ローラ46、トナー供給ローラ47等の複数本の回転体(ローラ)が、各回転軸を平行にして、かつ、他の回転体と1箇所又は2箇所で接触しながら配設され、各回転体の両端が側部筐体60、61によって支持される。また、該側部筐体60、61は、下部筐体28(図3)及び上部筐体29(図3)によって連結される。そして、前記回転体は、外筐27(図3)によって包囲されるが、該外筐27は、樹脂製の板材によって形成され、前記下部筐体28及び上部筐体29は、各回転体を避けるような板状の形状を有するので、いずれも、ねじりに対する強度は小さい。
【0036】
その結果、印刷動作時に回転体が回転する際に発生する回転体同士の接触部の摩擦抵抗によって、画像形成ユニット16Bkにねじれが生じ、左右に形成される画像に差が生じてしまう。また、画像形成ユニット16Bkの負荷トルクが増加したり、当て込み量、隙間量等の設定寸法が変化したりして、画像品位が低下してしまう。
【0037】
そこで、外筐27の内周面に、内方に向けて補強リブを形成することが考えられるが、その場合、補強リブと回転体類とが干渉してしまう。また、外方に向けて補強リブを形成することが考えられるが、その場合、画像形成ユニット16Bkの寸法が大きくなってしまう。
【0038】
さらに、装置本体と画像形成ユニット16Bkとの係合部における寸法差を小さくすることによって、画像形成ユニット16Bkにねじれが発生するのを防止することが考えられるが、係合部における寸法差を小さくすると、画像形成ユニット16Bk側の突起が装置本体側に引っ掛かり、装置本体に対して着脱する際、画像形成ユニット16Bkのアップ/ダウン操作時に、装置本体に対して画像形成ユニット16Bkを正規の位置にセットすることができず、画像品位が低下してしまう。
【0039】
そこで、前記画像形成ユニット16Bkとトナーカートリッジ26との嵌合部によって、画像形成ユニット16Bkにねじれが発生するのを防止するようにしている。
【0040】
図1は本発明の第1の実施の形態における画像形成ユニットの分解斜視図、図9は本発明の第1の実施の形態におけるトナーカートリッジの要部を示す第1の斜視図、図10は本発明の第1の実施の形態におけるトナーカートリッジの要部を示す第2の斜視図、図11は本発明の第1の実施の形態における画像形成ユニット本体の要部を示す第1の斜視図、図12は本発明の第1の実施の形態における画像形成ユニット本体の要部を示す第2の斜視図、図13は本発明の第1の実施の形態における規制溝部材の構造を示す第1の分解斜視図、図14は本発明の第1の実施の形態における規制溝部材の構造を示す第2の分解斜視図、図15は本発明の第1の実施の形態におけるカバーの固定手順を示す図、図16は本発明の第1の実施の形態における規制突起の他の例を示す図である。
【0041】
図に示されるように、画像形成ユニット16Bkの外筐27(図3)は両端に支持部材としての側部筐体60、61を備え、該側部筐体60、61は、前記各回転体を回転自在に支持するとともに、クリーニングブレード49等を支持する。また、前記側部筐体60、61間に保持された部品を囲う形状でカバー62が配設される。
【0042】
該カバー62にはトナーカートリッジ26を収容するための収容部62fが形成され、該収容部62fにおける前記回転体の軸方向の両端部を構成する側壁m1、m2の内周面に、トナーカートリッジ26が装着された際に、トナーカートリッジ26を固定するための第1の係止部としての固定凸部62d、62eがカバー62と一体に、所定の角度で傾斜させて形成される。
【0043】
また、図13及び14に示されるように、前記固定凸部62d、62eの近傍には前記カバー62を貫通し、前記側部筐体60、61と一体に、第1の規制要素としての規制溝部材60c、61cが形成される。該規制溝部材60c、61cには、所定の角度で傾斜させられた溝60k、61kが形成され、該各溝60k、61kは、いずれも、側面j1、j2及び底面j3によって形成される。なお、側面j1、j2によって規制面が構成される。
【0044】
一方、トナーカートリッジ26は、一方の端部が開放された箱状の筐体26a、及び該筐体26aの開放部を閉鎖するためのキャップ26eを備えた箱状のケースによって形成され、内部にトナーが収容され、前記筐体26aの中央下部に配設されたトナー排出口26iからトナーを画像形成ユニット本体内に供給するようになっている。そして、前記トナーカートリッジ26の外部端面に配設されたレバー26bと連動してトナー排出口26iを開閉する図示されないシャッタによってトナー排出口26iの開閉動作が行われる。
【0045】
また、図15に示されるように、前記カバー62は、カバー62内に形成された第1の係止要素としての穴62g、62hと、側部筐体60、61と一体に形成された第2の係止要素としての円形状の突起部60d、61dとが嵌合することによって位置が決まり、その状態で上方から固定要素としてのねじ63a、63bによって固定される。
【0046】
前記トナーカートリッジ26の側面には、画像形成ユニット16Bkに装着した際に、前記固定凸部62d、62eと係止させられる第2の係止部としての凹形状の固定部26j、26kがそれぞれレバー26b及びキャップ26eと一体に形成される。
【0047】
また、前記固定凸部62d、62eの近傍には、トナーカートリッジ26の端面から外方に突出して延び、前記規制溝部材60c、61cと装着時に嵌合し、側部筐体60、61の回動を規制する第2の規制要素としての円柱形状の規制突起26g、26hがそれぞれ前記キャップ26e及び筐体26aと一体に形成される。なお、前記規制突起26g、26hの外径(幅)は溝60k、61kの幅よりわずかに小さく設定される。
【0048】
この場合、引っ掛かりがなく滑らかに嵌合を行うことができ、部品製造上においてもコストが上昇することなく製造することができるようにするために、例えば、前記溝60k、61kの幅を6.0〔mm〕以上、かつ、6.05〔mm〕以下とし、規制突起26g、26hの外径を5.93〔mm〕以上、かつ、5.98〔mm〕以下とし、0.02〔mm〕以上、かつ、0.12〔mm〕以下の隙間を形成するのが好ましい。
【0049】
なお、隙間が0.02〔mm〕未満の場合は、画像形成ユニット本体に対するトナーカートリッジ26の着脱を円滑に行うことができない。特に、規制突起26g、26h、規制溝部材60c、61c等にトナーが付着したときは、画像形成ユニット本体に対してトナーカートリッジ26を着脱することができなくなってしまう。
【0050】
一方、隙間が0.12〔mm〕より大きい場合は、規制溝部材60c、61cに対して前記溝60k、61kががたついてしまうので、画像形成ユニット16Bkにねじれが発生するのを防止することができない。
【0051】
なお、前記規制突起26g、26hは、トナーカートリッジ26が構造上比較的高い剛性を有する場合、前記筐体26a及びキャップ26eと一体に形成されるが、トナーカートリッジ26が構造上低い剛性を有する場合は、図16に示されるように、一方の突起端面から他方の突起端面までの長さを有し、断面が円形の形状を有する金属製のシャフト35を配設し、トナーカートリッジ26の側部を貫通させ、両端において、トナーカートリッジ26の側面から突出した部分p1、p2を規制突起として使用することができる。
【0052】
次に、画像形成ユニット16Bkにねじれが発生するメカニズムについて説明する。
【0053】
図17は本発明の第1の実施の形態における画像形成ユニットの要部を示す斜視図、図18は本発明の第1の実施の形態におけるねじれが発生するメカニズムを説明する第1の図、図19は第1の実施の形態におけるねじれが発生するメカニズムを説明する第2の図、図20は第1の実施の形態におけるねじれが発生するメカニズムを説明する第3の図である。
【0054】
図17に示されるように、側部筐体60、61間には、感光体ドラム52Bk、現像ローラ46及びトナー供給ローラ47が架設され、そのために、前記側部筐体60、61に、感光体ドラム52Bkを支持するための軸支持穴60f、61fが形成され、現像ローラ46を支持するためのベアリングb1、b3が配設され、トナー供給ローラ47を支持するためのベアリングb2、b4が配設される。
【0055】
ところで、図18に示されるように、画像形成ユニット16Bkの一端(用紙の搬送方向に向かって右側の端部)には、感光体ドラム52Bk、現像ローラ46、トナー供給ローラ47等の回転体を回転させるためのギヤ列が配設され、装置本体には、画像形成ユニット16Bk用の駆動ギヤ32が配設され、図19に示されるように、駆動ギヤ32と前記ギヤ列のうちのギヤ33とが噛合させられる。
【0056】
前記駆動ギヤ32を介してギヤ33に回転が伝達されると、画像形成ユニット16Bkの動作が開始され、図19に示されるように、画像形成ユニット16Bkの一端側において、画像形成ユニット16Bk自体の駆動負荷が、感光体ドラム52Bkのギヤ33に加わるので、感光体ドラム52Bkが反時計方向に回転しようとすると、画像形成ユニット16Bk自体が矢印A方向(反時計回り方向)に回転しようとする。
【0057】
また、画像形成ユニット16Bkの他端側においては、現像ローラ46及びトナー供給ローラ47が同じ方向(時計回り方向)に接触しながら、かつ、周速度を異ならせて回転させられる。したがって、そのとき生じる摩擦抵抗によって、図20に示されるように、画像形成ユニット16Bk自体が矢印B方向(時計回り方向)に回転しようとする。その結果、画像形成ユニット16Bkがねじれようとする。
【0058】
ところで、ねじれは感光体ドラム52Bkの回転軸を中心に発生する。したがって、感光体ドラム52Bkの回転軸を中心とする円周方向に対して垂直な方向に延びる規制面によってねじれが発生するのを規制するのが有効であり、発生する力をすべて規制することができる。
【0059】
なお、円周方向に対して規制面の成す角度が90〔°〕より小さくなると、規制面に加わる力が分散され、規制面に平行な方向の成分が発生する。その結果、側部筐体60、61又は規制突起26g、26hに位置ずれが発生してしまう。
【0060】
本実施の形態においては、ねじれの原因となる感光体ドラム52Bk、現像ローラ46、トナー供給ローラ47等の回転体を支持する側部筐体60、61に、トナーカートリッジ26の規制突起26g、26hと係止させられる規制溝部材60c、61cが形成されるので、側部筐体60、61に加わる力を規制し、画像形成ユニット16Bkにねじれが発生するのを防止することができる。
【0061】
次に、前記規制溝部材60c、61cによる規制が行われる角度、すなわち、規制角度としての溝角度について説明する。
【0062】
図21は本発明の第1の実施の形態における溝角度の第1の例を示す図、図22は本発明の第1の実施の形態における溝角度の第2の例を示す図、図23は本発明の第1の実施の形態における溝角度の第3の例を示す図である。
【0063】
図において、26hは規制突起、sh1は感光体ドラム52Bkの回転軸、61c、61c′、61c″は規制溝部材である。回転軸sh1と規制突起26hとを結ぶ線X1と、規制溝部材61c、61c′、61c″の規制突起26hを挟む側面j1、j2とが成す角度を溝角度aとする。
【0064】
図21において、規制溝部材61c′の溝61kの側面j1、j2は垂直方向に形成され、溝角度aは鋭角になる。また、図22において、規制溝部材61cの溝61kの側面j1、j2は、前記線X1と平行に形成され、溝角度aは0〔°〕になる。そして、図23において、規制溝部材61c″の溝61kの側面j1、j2は、線X1に対して直角に形成され、溝角度aは90〔°〕になる。
【0065】
前記溝角度aが鋭角にされるのが好ましく、0〔°〕に近いほどねじれが発生するのを防止することができる。すなわち、感光体ドラム52Bkの回転軸sh1を中心にした側部筐体60、61の回転による位置ずれによって画像形成ユニット16Bkのねじれが発生する。したがって、前記規制突起26hが形成される位置において、感光体ドラム52Bkの回転軸sh1を中心とする円周上における円周方向に対して直角の方向に形成された側面j1、j2によって、規制突起26hを両側から挟み、移動しないように規制するのが最も効果的である。
【0066】
溝角度aが90〔°〕になると、規制面は規制突起26hの移動方向と平行にされるので、規制が働かなくなってしまう。
【0067】
なお、画像形成ユニット本体に対してトナーカートリッジ26を着脱したり、固定したりするために、並びに画像形成ユニット16Bkの装着及び固定のために、前記固定凸部62d、62e及び固定部26j、26kの各当接面と、規制溝部材61cの側面j1、j2とは平行に、かつ、垂直方向に対して同じ角度で形成される。
【0068】
次に、前記構成の画像形成ユニット16Bkの動作について説明する。
【0069】
図24は本発明の第1の実施の形態における画像形成ユニットの左側面図、図25は本発明の第1の実施の形態における画像形成ユニットの右側面図である。
【0070】
前記画像形成ユニット本体にトナーカートリッジ26を装着する場合、図に示されるように、トナーカートリッジ26を、カバー62内に挿入し、トナーカートリッジ26の規制突起26g、26hとカバー62内の規制溝部材60c、61cとを嵌合させ、レバー26bを回動させると、前記画像形成ユニット本体にトナーカートリッジ26を固定することができる。
【0071】
この状態において、印刷動作が行われると、前述されたように、画像形成ユニット16Bkはねじれようとするが、トナーカートリッジ26の剛性によって支持された規制突起26g、26hに画像形成ユニット本体の規制溝部材60c、61cが接触するので、ねじれが発生するのを防止する。
【0072】
このように、本実施の形態においては、トナーカートリッジ26に規制突起26g、26hが配設され、画像形成ユニット本体に溝角度aが鋭角になるように規制溝部材60c、61cが形成されるので、画像形成ユニット16Bkがねじれるのを防止することができる。したがって、左右に形成される画像に差が生じることがなくなり、画像形成ユニット16Bkの負荷トルクが増加したり、当て込み量、隙間量等の設定寸法が変化したりするのを防止することができるので、画像品位を向上させることができる。
【0073】
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与し、同じ構造を有することによる発明の効果については同実施の形態の効果を援用する。
【0074】
図26は本発明の第2の実施の形態における画像形成ユニットの分解斜視図、図27は本発明の第2の実施の形態におけるトナーカートリッジの要部を示す第1の斜視図、図28は本発明の第2の実施の形態におけるトナーカートリッジの要部を示す第2の斜視図、図29は本発明の第2の実施の形態における画像形成ユニット本体の要部を示す第1の斜視図、図30は本発明の第2の実施の形態における画像形成ユニット本体の要部を示す第2の斜視図、図31は本発明の第2の実施の形態における規制突起と規制溝との嵌合部を示す図、図32は本発明の第2の実施の形態における規制突起の他の例を示す図である。
【0075】
この場合、画像形成ユニット16Bkの収容部62fにおいて、カバー62の両端部側壁の内側には、前記第1の実施の形態と同じ形状を有する第1の係止部としての固定凸部62i、62jが、垂直方向に形成される。また、該固定凸部62i、62jの近傍には、カバー62を貫通して、前記側部筐体60、61と一体に、第1の規制要素としての規制溝部材60e、61eが形成され、該各規制溝部材60e、61eに溝60k、61kが形成される。各溝60k、61kは、いずれも、側面j1、j2及び底面j3によって形成される。なお、側面j1、j2によって規制面が構成される。
【0076】
一方、トナーカートリッジ26の側面には、画像形成ユニット本体に装着した際に、前記固定凸部62i、62jに嵌合する第2の係止部としての凹形状の固定部26n、26oが、それぞれレバー26b及びキャップ26eと一体に形成される。また、前記固定部26n、26oの近傍には、水平方向寸法B(図31)より垂直方向寸法Cが大きくされた角柱形状を有する第2の規制要素としての規制突起26l、26mが、トナーカートリッジ26の側面から突出させて、かつ、筐体26a及びキャップ26eと一体に形成される。
【0077】
なお、規制突起26l、26mの水平方向寸法Bは溝60k、61kの幅よりわずかに小さく、垂直方向寸法Cは溝60k、61kの溝深さより小さくされる。
【0078】
前記規制溝部材60e、61e及び規制突起26l、26mによって嵌合部が構成され、規制溝部材60e、61eに規制突起26l、26mを嵌合させることによって、規制突起26l、26mの垂直方向の側面を、規制溝部材60e、61eの溝60k、61kの側面j1、j2によって規制する。
【0079】
なお、規制溝部材60e、61eに規制突起26l、26mを引っ掛かりがなく滑らかに嵌合させることができるように、また、部品製造上においてもコストが高くなることがないように、規制突起26l、26mの水平方向寸法Bは4.93〔mm〕以上、かつ、4.98〔mm〕以下にされ、溝60k、61kの幅は5.0〔mm〕以上、かつ、5.05〔mm〕以下にされ、0.02〔mm〕以上、かつ、0.12〔mm〕以下の隙間が形成される。前記隙間が0.02〔mm〕未満の場合は、画像形成ユニット本体に対するトナーカートリッジ26の着脱を円滑に行うことができない。特に、規制突起26l、26m又は規制溝部材60e、61eにトナーが付着すると、画像形成ユニット本体に対するトナーカートリッジ26の着脱を行うことができなくなる。一方、隙間が0.12〔mm〕より大きい場合は、規制溝部材60e、61eに対して規制突起26l、26mががたついてしまうので、画像形成ユニット16Bkのねじれを防止することができない。
【0080】
また、規制突起26l、26mの下面と規制溝部材60e、61eの底面j3との間にも隙間が形成される。該隙間の寸法は、前記側部筐体60、61、トナーカートリッジ26等の製造法に従って、一般公差内での寸法のばらつきを考慮して設定される。通常、10〔mm〕以下の寸法の成形品を成形した場合、一般公差は±0.2〔mm〕とされる。したがって、規制突起26l、26m及び規制溝部材60e、61eの二つの部品間で干渉を起こさないようにするために、0.4〔mm〕を超える隙間を形成するのが好ましい。
【0081】
なお、規制突起26l、26mの形状は角柱形状にする必要はなく、水平方向寸法より長い距離を置いて、溝60k、61kの側面j1、j2と点、線、面等で接触する二つ以上の規制部を有する形状にすることができる。例えば、図32においては、本体h1の上端及び下端において、円形の形状を有する規制部h2、h3を膨出させることによって規制突起を形成することができる。
【0082】
また、本実施の形態においては、規制突起26l、26m及び溝60k、61kは、画像形成ユニット本体に対してトナーカートリッジ26を着脱する方向、すなわち、垂直方向に形成されるが、画像形成ユニット本体に対してトナーカートリッジ26を着脱するのに支障がない範囲で、任意の角度だけ傾けて形成することができる。
【0083】
次に、前記構成の画像形成ユニット16Bkの動作について説明する。
【0084】
図33は本発明の第2の実施の形態における画像形成ユニットの左側面図、図34は本発明の第2の実施の形態における画像形成ユニットの右側面図、図35は本発明の第2の実施の形態における規制溝の構造を示す第1の分解斜視図、図36は本発明の第2の実施の形態における規制溝の構造を示す第2の分解斜視図、図37は本発明の第2の実施の形態における規制突起と規制溝との嵌合部の動作を示す図である。
【0085】
前記画像形成ユニット本体にトナーカートリッジ26を装着する場合、図に示されるように、トナーカートリッジ26を、カバー62内に挿入し、トナーカートリッジ26の規制突起26l、26mをカバー62内の規制溝部材60e、61eに嵌合させ、レバー26bを回動させると、前記画像形成ユニット本体にトナーカートリッジ26を固定することができる。
【0086】
ここで、嵌合部においては、規制突起26l、26mの側面が溝60k、61kの側面j1、j2と接触するので、規制突起26l、26mが側面j1、j2に対して直角の方向に移動するのが制限されるとともに、規制突起26l、26mの回動も規制される。
【0087】
すなわち、図37に示されるように、側部筐体60が矢印方向に回動しようとしても、垂直方向に距離Lだけ離れた二つの点q1、q2が接触するので、規制突起26lの回動が規制される。前記距離Lが長いほど、側部筐体60のねじれは規制される。なお、接触状態は、垂直方向寸法C、及び規制突起26l、26mと溝60k、61kとの隙間によって1〜2点で変化する。
【0088】
この状態において、印刷動作が行われると、前述されたように、画像形成ユニット16Bkはねじれようとするが、トナーカートリッジ26の剛性によって支持された規制突起26l、26mに画像形成ユニット本体の規制溝部材60e、61eが接触するので、ねじれが発生するのを防止する。
【0089】
このように、本実施の形態においては、トナーカートリッジ26の両側面から規制突起26l、26mが突出させて形成され、画像形成ユニット16Bk内の側部筐体60、61に規制溝部材60e、61eが形成されるので、画像形成ユニット16Bkがねじれるのを防止することができる。したがって、左右に形成される画像に差が生じることがなくなり、画像形成ユニット16Bkの負荷トルクが増加したり、当て込み量、隙間量等の設定寸法が変化したりするのを防止することができるので、画像品位を向上させることができる。
【0090】
また、前記規制突起26l、26mの対向する二つの側面と溝60k、61kの側面j1、j2とが、二つの点q1、q2で接触するので、規制突起26l、26m及び側面j1、j2の角度(傾き)による規制力の差はなく、角度を自由に設定することができる。
【0091】
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。なお、前記第1、第2の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与し、同じ構造を有することによる発明の効果については同実施の形態の効果を援用する。
【0092】
図38は本発明の第3の実施の形態における画像形成ユニットの分解斜視図、図39は本発明の第3の実施の形態における規制溝の構造を示す第1の分解斜視図、図40は本発明の第3の実施の形態における規制溝の構造を示す第2の分解斜視図、図41は本発明の第3の実施の形態におけるトナーカートリッジの要部を示す第1の斜視図、図42は本発明の第3の実施の形態におけるトナーカートリッジの要部を示す第2の斜視図、図43は本発明の第3の実施の形態における画像形成ユニット本体の要部を示す第1の斜視図、図44は本発明の第3の実施の形態における画像形成ユニット本体の要部を示す第2の斜視図である。
【0093】
この場合、画像形成ユニット16Bkの収容部62fにおいて、カバー62の両端部側壁の内側には、前記第2の実施の形態と同じ位置に、同じ形状を有する第1の係止部としての固定凸部62i、62jが垂直方向に形成される。また、図39及び40に示されるように、該固定凸部62i、62jの近傍には、カバー62を貫通し、固定凸部62i、62jを挟んで水平方向に並ぶ2対の第1の規制要素としての規制溝部材60g、60h、61g、61hが側部筐体60、61と一体に形成される。
【0094】
一方、トナーカートリッジ26の側面には、画像形成ユニット本体に装着した際に、前記固定凸部62i、62jに嵌合する第2の係止部としての凹形状の固定部26n、26oが、それぞれレバー26b及びキャップ26eと一体に形成される。また、前記固定部26n、26oの近傍には、円柱形状を有する第2の規制要素としての規制突起26p、26q、26r、26sが、トナーカートリッジ26の側面から突出させて、かつ、筐体26a及びキャップ26eと一体に形成される。
【0095】
前記規制突起26p、26rは、トナーカートリッジ26の側面の下端における前側の端部から垂直方向における下方に向けて延び、トナーカートリッジ26を画像形成ユニット本体に装着するときに、外周面が規制溝部材60g、61gの溝60k、61kと嵌合させられる。また、前記規制突起26q、26sは、トナーカートリッジ26の側面の下端における後側の端部から水平方向における上方に向けて延び、トナーカートリッジ26を画像形成ユニット本体に装着するときに、外周面が規制溝部材60h、61hの溝60k、61kと嵌合させられる。なお、各溝60k、61kは、側面j1、j2及び底面j3を備える。
【0096】
前記規制突起26p、26rは、外径が溝60k、61kの幅よりわずかに小さく、垂直方向の長さは溝60k、61kの溝深さより十分に小さくされる。一方、規制突起26q、26sは、外径が溝60k、61kの幅よりわずかに小さく、水平方向の長さが溝60k、61kの長さに十分にわたるように設定される。
【0097】
前記規制溝部材60g、60h、61g、61h及び規制突起26p、26q、26r、26sによって嵌合部が構成され、規制突起26p、26q、26r、26sを規制溝部材60g、60h、61g、61hに嵌合させることによって、規制突起26p、26q、26r、26sの側面を溝60k、61kの側面j1、j2に接触させて規制する。
【0098】
なお、規制溝部材60g、60h、61g、61hに規制突起26p、26q、26r、26sを引っ掛かりがなく滑らかに嵌合させることができるように、また、部品製造上においてもコストが高くなることがないように、規制突起26p、26q、26r、26sの外径は5.93〔mm〕以上、かつ、5.98〔mm〕以下にされ、溝60k、61kの幅は6.0〔mm〕以上、かつ、6.05〔mm〕以下にされ、0.02〔mm〕以上、かつ、0.12〔mm〕以下の隙間が形成される。前記隙間が0.02〔mm〕未満の場合は、画像形成ユニット本体に対するトナーカートリッジ26の着脱を円滑に行うことができない。特に、規制突起26p、26q、26r、26s又は規制溝部材60g、60h、61g、61hにトナーが付着すると、画像形成ユニット本体に対するトナーカートリッジ26の着脱を行うことができなくなる。一方、隙間が0.12〔mm〕より大きい場合は、規制溝部材60g、60h、61g、61hに対して規制突起26p、26q、26r、26sががたついてしまうので、画像形成ユニット16Bkのねじれを防止することができない。
【0099】
次に、前記構成の画像形成ユニット16Bkの動作について説明する。
【0100】
図45は本発明の第3の実施の形態における画像形成ユニットの斜視図、図46は本発明の第3の実施の形態における画像形成ユニットの側面図、図47は本発明の第3の実施の形態における画像形成ユニットの平面図である。
【0101】
前記画像形成ユニット本体にトナーカートリッジ26を装着する場合、図に示されるように、トナーカートリッジ26を、カバー62内に挿入し、トナーカートリッジ26の規制突起26p、26q、26r、26sをカバー62内の規制溝部材60g、60h、61g、61hに嵌合させ、レバー26bを回動させると、前記画像形成ユニット本体にトナーカートリッジ26を固定することができる。
【0102】
ここで、規制突起26p、26rと規制溝部材60g、61gとの嵌合部においては、規制突起26p、26rの側面が溝60k、61kの側面j1、j2と接触するので、規制突起26p、26rが側面j1、j2に対して直角の方向に移動するのが制限されるとともに、規制突起26p、26rの回動も規制される。
【0103】
なお、規制突起26p、26rと規制溝部材60g、61gとの嵌合部においては、規制突起26p、26rの軸が感光体ドラム52Bkの回転軸に対して直角の方向(矢印D方向)に傾いたり、位置ずれをしたりするのを規制し、感光体ドラム52Bkの回転軸に対して平行な方向(矢印E方向)に傾いたり、位置ずれをしたり、規制突起26p、26rの軸を中心として回転(矢印F方向に回転)したりするのは規制しない。また、前記規制突起26p、26rは、側部筐体60、61が感光体ドラム52Bkの回転軸を中心として回動するのも規制する。
【0104】
一方、規制突起26q、26sと規制溝部材60h、61hとの嵌合部においては、規制突起26q、26sの軸が傾くのを、すなわち、感光体ドラム52Bkの回転軸に対して平行で、水平方向の面内で回転(矢印G方向に回転)するのを規制する。
【0105】
なお、規制突起26q、26sは、側部筐体60、61が感光体ドラム52Bkの回転軸を中心として回動するのも規制するが、感光体ドラム52Bkの回転方向に対する溝60k、61kの角度が大きいので、規制する力は小さい。
【0106】
本実施の形態においては、規制突起26p、26r及び溝60k、61kは、画像形成ユニット本体に対してトナーカートリッジ26を着脱する方向、すなわち、垂直方向に形成されるが、画像形成ユニット本体に対してトナーカートリッジ26を着脱するのに支障がない範囲で、任意の角度だけ傾けて形成することができる。
【0107】
このように、本実施の形態においては、トナーカートリッジ26の両側面から規制突起26p、26q、26r、26sが突出させて形成され、画像形成ユニット16Bk内の側部筐体60、61に規制溝部材60g、61h、60g、61hが形成されるので、画像形成ユニット16Bkがねじれるのを防止することができる。したがって、左右に形成される画像に差が生じることがなくなり、画像形成ユニット16Bkの負荷トルクが増加したり、当て込み量、隙間量等の設定寸法が変化したりするのを防止することができるので、画像品位を向上させることができる。
【0108】
前記各実施の形態においては、画像形成装置としてのプリンタに適用した例について説明したが、本発明を、装置本体に対して画像形成ユニットが着脱自在に配設され、画像形成ユニット本体に対してトナーカートリッジが着脱自在に配設された複写機、プリンタ、ファクシミリ装置、MFP等に適用することができる。
【0109】
なお、本発明は前記各実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0110】
【図1】本発明の第1の実施の形態における画像形成ユニットの分解斜視図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態におけるプリンタの概念図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態における画像形成ユニットの断面図である。
【図4】比較例における画像形成ユニットの分解斜視図である。
【図5】比較例における画像形成ユニットの左側面部である。
【図6】比較例における画像形成ユニットの右側面部である。
【図7】比較例におけるレバーの非ロック状態を示す図である。
【図8】比較例におけるレバーのロック状態を示す図である。
【図9】本発明の第1の実施の形態におけるトナーカートリッジの要部を示す第1の斜視図である。
【図10】本発明の第1の実施の形態におけるトナーカートリッジの要部を示す第2の斜視図である。
【図11】本発明の第1の実施の形態における画像形成ユニット本体の要部を示す第1の斜視図である。
【図12】本発明の第1の実施の形態における画像形成ユニット本体の要部を示す第2の斜視図である。
【図13】本発明の第1の実施の形態における規制溝部材の構造を示す第1の分解斜視図である。
【図14】本発明の第1の実施の形態における規制溝部材の構造を示す第2の分解斜視図である。
【図15】本発明の第1の実施の形態におけるカバーの固定手順を示す図である。
【図16】本発明の第1の実施の形態における規制突起の他の例を示す図である。
【図17】本発明の第1の実施の形態における画像形成ユニットの要部を示す斜視図である。
【図18】本発明の第1の実施の形態におけるねじれが発生するメカニズムを説明する第1の図である。
【図19】第1の実施の形態におけるねじれが発生するメカニズムを説明する第2の図である。
【図20】第1の実施の形態におけるねじれが発生するメカニズムを説明する第3の図である。
【図21】本発明の第1の実施の形態における溝角度の第1の例を示す図である。
【図22】本発明の第1の実施の形態における溝角度の第2の例を示す図である。
【図23】本発明の第1の実施の形態における溝角度の第3の例を示す図である。
【図24】本発明の第1の実施の形態における画像形成ユニットの左側面図である。
【図25】本発明の第1の実施の形態における画像形成ユニットの右側面図である。
【図26】本発明の第2の実施の形態における画像形成ユニットの分解斜視図である。
【図27】本発明の第2の実施の形態におけるトナーカートリッジの要部を示す第1の斜視図である。
【図28】本発明の第2の実施の形態におけるトナーカートリッジの要部を示す第2の斜視図である。
【図29】本発明の第2の実施の形態における画像形成ユニット本体の要部を示す第1の斜視図である。
【図30】本発明の第2の実施の形態における画像形成ユニット本体の要部を示す第2の斜視図である。
【図31】本発明の第2の実施の形態における規制突起と規制溝との嵌合部を示す図である。
【図32】本発明の第2の実施の形態における規制突起の他の例を示す図である。
【図33】本発明の第2の実施の形態における画像形成ユニットの左側面図である。
【図34】本発明の第2の実施の形態における画像形成ユニットの右側面図である。
【図35】本発明の第2の実施の形態における規制溝の構造を示す第1の分解斜視図である。
【図36】本発明の第2の実施の形態における規制溝の構造を示す第2の分解斜視図である。
【図37】本発明の第2の実施の形態における規制突起と規制溝との嵌合部の動作を示す図である。
【図38】本発明の第3の実施の形態における画像形成ユニットの分解斜視図である。
【図39】本発明の第3の実施の形態における規制溝の構造を示す第1の分解斜視図である。
【図40】本発明の第3の実施の形態における規制溝の構造を示す第2の分解斜視図である。
【図41】本発明の第3の実施の形態におけるトナーカートリッジの要部を示す第1の斜視図である。
【図42】本発明の第3の実施の形態におけるトナーカートリッジの要部を示す第2の斜視図である。
【図43】本発明の第3の実施の形態における画像形成ユニット本体の要部を示す第1の斜視図である。
【図44】本発明の第3の実施の形態における画像形成ユニット本体の要部を示す第2の斜視図である。
【図45】本発明の第3の実施の形態における画像形成ユニットの斜視図である。
【図46】本発明の第3の実施の形態における画像形成ユニットの側面図である。
【図47】本発明の第3の実施の形態における画像形成ユニットの平面図である。
【符号の説明】
【0111】
16Bk、16Y、16M、16C 画像形成ユニット
26 トナーカートリッジ
26g、26h、26l、26m、26p、26q、26r、26s 規制突起
26j、26k、26n、26o 固定部
60c、60e、60g、60h、61c、61c′、61c″61e、61g、61h 規制溝部材
62d 62e 62i 62j 固定凸部
62f 収容部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)画像形成ユニット本体と、
(b)該画像形成ユニット本体に対して着脱自在に配設された現像剤収納容器とを有するとともに、
(c)前記画像形成ユニット本体は、前記現像剤収納容器を収容するための収容部に第1の係止部及び第1の規制要素を備え、
(d)前記現像剤収納容器は、前記第1の係止部と係止させられる第2の係止部、及び第1の規制要素と嵌合する第2の規制要素を備えることを特徴とする画像形成ユニット。
【請求項2】
(a)前記画像形成ユニット本体は両端に側部筐体を備え、
(b)前記第1、第2の規制要素は、側部筐体の回動を規制する請求項1に記載の画像形成ユニット。
【請求項3】
(a)前記第1の規制要素は溝を備えた規制溝部材であり、
(b)前記第2の規制要素は前記溝と嵌合する規制突起である請求項1に記載の画像形成ユニット。
【請求項4】
前記溝及び規制突起は所定の角度で傾斜させられる請求項3に記載の画像形成ユニット。
【請求項5】
前記第1、第2の規制要素は、前記第1、第2の係止部を挟んで2対配設される請求項1に記載の画像形成ユニット。
【請求項6】
像担持体の回転軸と規制突起とを結ぶ線と、前記溝の側面とが成す角度が鋭角にされる請求項3に記載の画像形成ユニット。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の画像形成ユニットが搭載された画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【公開番号】特開2008−216580(P2008−216580A)
【公開日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−53125(P2007−53125)
【出願日】平成19年3月2日(2007.3.2)
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【Fターム(参考)】