説明

画像形成ユニット及び画像形成装置

【課題】 1つの攪拌部により供給ローラ周辺のトナーの凝集を防止し、該供給ローラへ安定した量のトナーを供給し得る画像形成ユニット及び該画像形成ユニットを有する画像形成装置を提供する。
【解決手段】
像担持体上に形成された静電潜像に現像剤を付着させて該静電潜像を現像する現像剤担持体と、現像剤担持体に現像剤を供給する現像剤供給部とを備える画像形成ユニットであって、現像剤供給部の傍に配設され、該現像剤供給部の近傍の現像剤を攪拌するための板部材と、該板部材の一端を保持して回転可能に支持される回転軸とを有する攪拌部と、攪拌部の板部材を回転軸を中心として円弧状に往復して揺動させるためのリンク機構とを備え、リンク機構は、現像剤を攪拌するために回転駆動される回転部材と、該回転部材と回転軸とにリンク連結され、板部を円弧状に往復させて揺動すべく該回転部材の回転量に対応させて回転軸を一定円弧角で往復回転させるレバー組合体とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、装置に着脱可能に設けられた画像形成ユニットと、該画像形成ユニットを有する画像形成装置とに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1に開示されているような画像形成装置が有する画像形成ユニットは、感光ドラム上の静電潜像にトナーを付着させるべく、該ドラムと当接して配設された現像ローラと、該現像ローラと当接して配設されトナータンクからのトナーを供給する供給ローラと、該供給ローラの表面にトナーを供給すると共にトナーの凝集を防止する攪拌部等から構成される。これら各部材は、上記画像形成装置が有する駆動装置によって駆動され回転する。このとき、上記攪拌部は、供給ローラへトナーを供給すべく、該供給ローラ表面と接触、又は近接した位置で中央部を中心として一方向に回転する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−172842号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記攪拌部では、中央部を中心として回転運動が行われるので、該部材の1/2の長さ寸法を半径とする小さい範囲でしかトナーを攪拌することができなかった。従って、上記画像形成ユニットでは、上記小さな範囲を除く広範囲の領域においてトナーの凝集が発生し、供給ローラへの供給量が減少してしまうことがある。このため、上記画像形成装置では、供給ローラから現像ローラへのトナー供給量が減少することから、かすれ印刷が生じ易く、印刷品質が低下することが問題となっていた。
【0005】
上記問題を解決すべく、広範囲でトナーを攪拌するために、供給ローラの周囲に上記攪拌部を複数個配設することがある。しかし、複数個の攪拌部を画像形成ユニット内に配設するには、空間的な制限が生じ、かつコストがかかり過ぎるという問題があった。
【0006】
以上の問題点に鑑み、本発明の目的は、1つの攪拌部により供給ローラ周辺のトナーの凝集を防止し、該供給ローラへ安定した量のトナーを供給し得る画像形成ユニット及び該画像形成ユニットを有する画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、以上の点を解決するために、次の構成を採用する。
<構成1>
本発明の画像形成ユニットは、像担持体上に形成された静電潜像に現像剤を付着させて該静電潜像を現像する現像剤担持体と、現像剤担持体に現像剤を供給する現像剤供給部とを備える画像形成ユニットであって、現像剤供給部の傍に配設され、該現像剤供給部の近傍の現像剤を攪拌するための板部材と、該板部材の一端を保持して回転可能に支持される回転軸とを有する攪拌部と、攪拌部の板部材を回転軸を中心として円弧状に往復して揺動させるためのリンク機構とを備え、リンク機構は、現像剤を攪拌するために回転駆動される回転部材と、該回転部材と回転軸とにリンク連結され、板部を円弧状に往復させて揺動すべく該回転部材の回転量に対応させて回転軸を一定円弧角で往復回転させるレバー組合体とを含む、ことを特徴とする。
【0008】
<構成2>
本発明の画像形成装置は、構成1に記載された画像形成ユニットを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、現像剤供給部の傍に配設され、現像材供給部の近傍の現像剤を攪拌するための板部材と、該板部材の一端を保持して回転可能に支持される回転軸とを有する攪拌部と、該板部材を該回転軸を中心として円弧状に往復して揺動させるためのリンク機構を備える。これにより、本発明では、攪拌部が上記往復運動を行うため攪拌領域を大きく取れるので、攪拌部を複数個配設せずとも1つの攪拌部で現像剤供給部の近傍の広範囲の領域の現像剤像を揺動することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明に係る実施例1の画像形成ユニット200の構成を示す図である。
【図2】本発明に係る実施例1の画像形成装置100の構成を示す図である。
【図3】本発明に係る実施例1の攪拌部26の構成を示す図である。
【図4】本発明に係る実施例1の攪拌部26を揺動するためのリンク機構を示す斜視図である。
【図5】本発明に係る実施例1の攪拌部26の動作を説明するための図(その1)である。
【図6】本発明に係る実施例1の攪拌部26の動作を説明するための図(その2)である。
【図7】本発明に係る実施例1の攪拌部26の動作を説明するための図(その3)である。
【図8】本発明に係る実施例1の攪拌部26の動作を説明するための図(その4)である。
【図9】本発明に係る実施例1の攪拌部26の点A付近におけるトナーの動きを示す図である。
【図10】本発明に係る実施例1の攪拌部26の角加速度とクランクギヤ40の回転角度との関係を示す図である。
【図11】本発明に係る実施例2の攪拌部26aの構成を示す図である。
【図12】本発明に係る実施例2の攪拌部26aの動作を示す図である。
【図13】本発明に係る実施例3の攪拌部26bの構成を示す図である。
【図14】本発明に係る実施例3の攪拌部26bの動作を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態を、図を用いて詳細に説明する。ここでは、本発明の画像形成装置を電子写真方式のカラープリンタに適用した場合を例に、説明を行う。また、本発明の画像形成ユニットが上記カラープリンタ内に備えられた場合を例に、説明を行う。
【実施例1】
【0012】
<実施例1の構成>
図2は、本発明に係る実施例1の画像形成装置100の構成を示す図である。
図2を用いて、本発明に係る実施例1の画像形成装置100の構成について説明する。
画像形成装置100の下部には、図2に示すように、印刷媒体1が積載保持されている給紙カセット2が着脱可能に装着されている。本実施例では、画像形成装置100は、1つの給紙カセットを有する構成となっているが、本発明はこれに限らず、複数の給紙カセットを有する構成にも適用可能である。
【0013】
給紙カセット2の繰り出し側には、該カセット内に積載されている印刷媒体1を、上から1枚ずつ順に繰り出すための給紙ローラ3が配設されている。
給紙ローラ3は、給紙カセット2に積載された最上位の印刷媒体1に当接するように配設されており、図示しない制御部の制御に基づき回転すると、該回転に基づいて印刷媒体1を該カセット内から繰り出す。給紙ローラ3により繰り出された印刷媒体1は、搬送経路に給紙される。
【0014】
給紙ローラ3の前方には図示しない給紙センサが配されている。この給紙センサは、給紙ローラ3により給紙カセット2から印刷媒体1が給紙されたことを検知するために用いるセンサであり、該媒体の先端を検知すると、上記制御部へ検知信号を出力する。
【0015】
レジストローラ対4は、上記制御部の制御に基づき回転を行い、給紙ローラ3により搬送された印刷媒体1を転写ベルト51へ搬送する。
【0016】
レジストローラ対4の前方には図示しない入口センサが配されている。このセンサは、レジストローラ対4を回転駆動させるタイミングを検知するために用いるセンサであり、印刷媒体1の先端を検知すると、上記制御部へ検知信号を出力する。
【0017】
レジストローラ対4の後方には、図示しない書き出しセンサが配されている。この書き出しセンサは、図2に示す各画像形成ユニット200K〜200Yの各感光ドラム上に形成された各色のトナー像を印刷媒体1上に形成するために、各感光ドラム上のトナー像の開始位置と、印刷媒体1の各色のトナー像の書き出し位置とを合わせるために用いるセンサであり、レジストローラ対4から搬送された印刷媒体1の先端を検知すると、上記制御部へ検知信号を出力する。
【0018】
図1は、本発明に係る実施例1の画像形成ユニット200の構成を示す図である。
ここで、本実施例では、各画像形成ユニット200K〜200Yの内、いずれか1つの画像形成ユニットを画像形成ユニット200として定義する。
画像形成ユニット200Kは、ブラック(K)色のトナー像を形成するための機構であり、図1に示すように、ブラック色のトナー21を収容するトナー貯蔵部22と、該貯蔵部内のトナーを攪拌するための貯蔵部用攪拌部23と、供給口24と、該供給口24を介して該貯蔵部から供給されたトナー21を一時的に貯蔵するための現像剤格納領域としてのトナーホッパー25と、該ホッパー内のトナーを攪拌するための攪拌部26と、帯電ローラ27と、供給ローラ28と、現像ローラ29と、層形成ブレード30と、露光器31と、像担持体としての感光ドラム32と、クリーニングブレード33と、廃トナー搬送部材34とから構成される。
画像形成ユニット200Kは、上記制御部の制御に基づいて回転する感光ドラム32上にブラック(K)色のトナー像を形成する。
【0019】
画像形成ユニット200Cは、シアン(C)色のトナー像を形成するための機構であり、トナー貯蔵部がシアン色のトナーを収容することと、感光ドラム上にシアン色のトナー像を形成することとを除き、画像形成ユニット200Kの構成と同じである。
【0020】
画像形成ユニット200Mは、マゼンタ(M)色のトナー像を形成するための機構であり、トナー貯蔵部がマゼンタ色のトナーを収容することと、感光ドラム上にマゼンタ色のトナー像を形成することとを除き、画像形成ユニット200Kの構成と同じである。
【0021】
画像形成ユニット200Yは、イエロー(Y)色のトナー像を形成するための機構であり、トナー貯蔵部がイエロー色のトナーを収容することと、感光ドラム上にイエロー色のトナー像を形成することとを除き、画像形成ユニット200Kの構成と同じである。
【0022】
帯電ローラ27は、感光ドラム32の表面を帯電するための機構であり、該ドラムが回転すると、上記制御部の制御に基づき図示しない電源部から電源を供給され、該ドラムの表面を帯電させる。
【0023】
露光器31は、LED(Light Emitting Diode)アレイを配列して成り、上記制御部の制御により帯電する感光ドラム32の表面に図示しない画像メモリに記憶された画像データに基づいた静電潜像を形成する。
【0024】
感光ドラム32が回転すると、トナー貯蔵部22内に配設された貯蔵部用攪拌部23は、回転する。貯蔵部用攪拌部23が回転すると、トナー貯蔵部22に収容されたトナー21は、該部材により攪拌される。ここで、感光ドラム32の図示しないシャフトに接続された図示しないギヤと、貯蔵部用攪拌部23の回転軸に取付けられた図示しないギヤは、アイドルギヤを介して噛み合うように配設されている。
【0025】
同様に、感光ドラム32が回転すると、トナーホッパー25内に配設された攪拌部26は、図1に示すように、回転軸を中心として円弧を描きながら点Aから点Cまで揺動し、その後、点Cから点Aまで揺動する、即ち、図中の矢印aのように円弧状の往復運動を行う。この攪拌部26の構成及び揺動するための構成については、後で詳細に説明を行う。
攪拌部26が上記揺動(円弧状の往復運動)を繰り返すと、トナーホッパー25内のトナー21は、該部材により攪拌される。
攪拌部26により攪拌されたトナー21は、凝集することなく、供給ローラ28の表面に供給される。
【0026】
供給ローラ28の表面に供給されたトナー21は、上記制御部の制御に基づき回転する現像ローラ29の表面に付着し、その後、層形成ブレード30により均一の厚さに形成され、感光ドラム32上の静電潜像に現像される。これにより、感光ドラム32の表面には、静電潜像に応じたブラック色の現像剤像であるトナー像が形成される。
ここで、現像ローラ29は、感光ドラム32(像担持体)上に形成された静電潜像にトナー(現像剤)を付着させて該静電潜像を現像する現像剤担持体である。
そして、供給ローラ28は、現像ローラ29(現像剤担持体)に現像剤を供給する現像剤供給部材である。
【0027】
同様に、画像形成ユニット200C、200M、200Yにおける画像形成処理により、各画像形成ユニットが有する各感光ドラムの表面には、静電潜像に応じたシアン色、マゼンタ色、イエロー色の各トナー像が形成される。
【0028】
各画像形成ユニット200K〜200Yの各感光ドラムと対向する位置には、図2に示すように画像転写部5が配されている。この画像転写部5は、各感光ドラム上に形成された各色のトナー像を印刷媒体1上に転写するための機構であり、図2に示すように、転写ベルト51、ベルト駆動ローラ52、従動ローラ53、該転写ベルト51を介して各感光ドラムと対向して配設される各転写ローラ54K、54C、54M、54Yとから構成されている。
この転写ベルト51は、無端ベルトであり、図2に示すように、ベルト駆動ローラ52及び従動ローラ53に巻き掛けられ張架される。そして、転写ベルト51は、外周面上部を各感光ドラムの表面に当接した状態で、ベルト駆動ローラ52の駆動により回転走行し、該各ユニットに印刷媒体1を搬送する。
【0029】
各画像形成ユニット200K〜200Yと、画像転写部5は、上記制御部の制御により、同期して駆動される。即ち、上記転写ベルト51上に静電吸着され、該ベルトの回転走行に伴い搬送される印刷媒体1は、先ず、画像形成ユニット200Kが有する感光ドラム32と転写ローラ54Kとの間に搬送される。その際、転写ローラ54Kには上記制御部の制御により転写電圧が印加され、感光ドラム32の表面に形成されたブラック(K)色のトナー像が、印刷媒体1の表面に転写される。ブラック色のトナー像が転写された印刷媒体1は、その後、順次各画像形成ユニット200C〜200Yの各感光ドラム及び各転写ローラ54C〜54Y間に搬送され、シアン色、マゼンタ色、イエロー色のトナー像が順次、転写される。
全色のトナー像が転写された印刷媒体1は、転写ベルト51の走行に伴い、更に画像定着部6へと搬送される。
【0030】
画像定着部6は、印刷媒体1上に転写されたトナー像を該媒体に定着させるための機構であり、定着ローラ61と、定着ベルト62と、加熱ローラ63と、加圧ローラ64とから構成される。
定着ベルト62は、無端状に形成され、図2に示すように、定着ローラ61及び加熱ローラ63に巻き掛けられ張架される。
【0031】
加熱ローラ63は、ローラ内に該加熱ローラ63を加熱するための図示しないヒータを有する。
加圧ローラ64は、定着ベルト62を介して定着ローラ61と圧接して配設されている。
これら定着ローラ61、加熱ローラ63、加圧ローラ64は、上記制御部の制御に基づき同期して回転し、定着ベルト62と加圧ローラ64との間に印刷媒体1を通すことで、トナー像が加熱、圧着される。
定着処理された印刷媒体1は、排出部7へと搬送される。
【0032】
画像定着部6の下流側には、図示しない排出センサが配設されている。
この排出センサは、排出部7へ向けて印刷媒体1が搬送されていることを検知するために用いるセンサであり、該媒体の先端を検知すると、上記制御部へ検知信号を出力する。
【0033】
排出部7は、図2に示すように、排出ローラ71と、排出ローラ72と、排出口73とを有し、印刷媒体1を装置外の排出スタッカ8に排出するために用いられる。
排出ローラ71及び排出ローラ72により搬送される印刷媒体1は、排出口73から装置外に排出され、排出スタッカ8に収容される。
【0034】
尚、転写された後、感光ドラム32の表面に残留する転写残トナーは、クリーニングブレード33により掻き取られる。
上記掻き取られた転写残トナーは、廃トナー搬送部材34により画像形成ユニット200Kの外部に備えられた図示しない廃トナー収容室に搬送される。
同様に、各感光ドラムに残留する転写残トナーは、各ユニットが有するクリーニングブレードにより掻き取られる。そして、上記掻き取られた各色の転写残トナーは、各ユニットが有する廃トナー搬送部材により各ユニットの外部に備えられた各廃トナー収容室に搬送される。
【0035】
次に、本発明に係る攪拌部26の構成について、詳細に説明する。
図3は、本発明に係る実施例1の攪拌部26の構成を示す図である。
図4は、本発明に係る実施例1の攪拌部26を揺動するためのリンク機構を示す斜視図である。
攪拌部26は、トナーホッパー25内に配設され、図3に示すように、トナーを攪拌する板状の長尺の攪拌プレート261と、該プレートの長さ方向に沿った一端に一体形成され回転軸262が挿入されている筒体263とから構成される。
回転軸262の一端には、図3に示すように、断面略半円状に形成された所定長さ寸法のグリップ部264が形成されている。
【0036】
攪拌部26のグリップ部264は、図4に示すように、リンク機構を構成するレバー組合体の一部であるレバー37の一端371に形成された半円径の嵌合穴3711に嵌入されている。従って、攪拌部26の回転軸262は、レバー37に対し回転不能に連結される。
レバー37の他端372は、図4に示すように、レバーポスト38に回転可能に嵌合されている。
このレバーポスト38には、更に、レバー組合体の一部であるレバー39の一端391が回転可能に嵌合されている。
レバー39の他端392は、クランクギヤ40の一方の面である側面401に突設されているクランクポスト41に回転可能に嵌合されている。
【0037】
クランクギヤ40は、図4に示すように、サイドフレーム35に軸支されている回転軸43に取付けられており、アイドルギヤ42を介して供給ローラ28のシャフト281に取り付けられたギヤ282と噛み合う構成になっており、該供給ローラ28の回転に伴い回転を開始する。
このクランクギヤ40の側面401には、回転軸43の中心から距離L1(図5参照)の位置にクランクポスト41の中心が位置するように該ポストが設けられる。
回転軸43を中心としてクランクギヤ40が回転すると、クランクポスト41は、回転軸43からL1の距離を半径とする円軌跡を描くべく移動を開始する(図5〜8参照)。
尚、攪拌部26の回転軸262は、両側のサイドフレーム35に回転可能に貫挿され支持されている。
また、クランクギヤ40と、レバー39と、レバー37と、グリップ部264とにより、リンク機構が形成されている。
【0038】
ところで、感光ドラム32のシャフト321の両端は、図示しないベアリングを介して両サイドフレーム35(図では一方のみが示されている。)に回転可能に支持されている。
そして、感光ドラム32のシャフト321の一端には、サイドフレーム35の外側でギヤ322が取り付けられている。
感光ドラム32は、このギヤ322が図示しないドラム駆動モータの駆動力を受けることで回転する。
【0039】
また、現像ローラ29のシャフト291の両端も同様にサイドフレーム35に回転可能に支持されている。
そして、現像ローラ29のシャフト291の一端には、サイドフレーム35の外側で大小のギヤ292、293が取り付けられている。
大径のギヤ292は、感光ドラム32のギヤ322と噛み合う構成になっている。
これにより、現像ローラ29は、感光ドラム32の回転の基づき回転を開始する。
小径のギヤ293には、アイドルギヤ36が噛み合っている。
【0040】
アイドルギヤ36は、供給ローラ28のシャフト281の一端に取り付けられているギヤ282に噛み合う構成になっている。
【0041】
そして、供給ローラ28のギヤ282は、クランクギヤ40を回転するためのアイドルギヤ42と噛み合っている。
これにより、感光ドラム32を駆動することで、現像ローラ29、供給ローラ28及びクランクギヤ40が回転を開始する。
【0042】
<実施例1の動作>
図5は、本発明に係る実施例1の攪拌部26の動作を説明するための図(その1)である。図6は、本発明に係る実施例1の攪拌部26の動作を説明するための図(その2)である。図7は、本発明に係る実施例1の攪拌部26の動作を説明するための図(その3)である。図8は、本発明に係る実施例1の攪拌部26の動作を説明するための図(その4)である。
次に、本発明の実施例1の攪拌部26の動作について、図5〜図8を用いて説明する。
【0043】
画像形成ユニット200では、上記制御部により電源部からの電源が図4に示す感光ドラム32に供給されると、該ドラムが回転を開始する。
感光ドラム32が回転すると、図4に示すように、該ドラムのギヤ322と噛み合っている現像ローラ29の大径のギヤ292が回転する。
【0044】
大径のギヤ292が回転すると、現像ローラ29が回転するので、該ローラのもう一つのギヤである小径のギヤ293も回転する。
小径のギヤ293が回転すると、該ギヤと噛みあっているアイドルギヤ36が回転する。
アイドルギヤ36が回転すると、該ギヤと噛み合っている供給ローラ28のギヤ282が回転する。
ギヤ282が回転すると、該ギヤと噛み合っているアイドルギヤ42が回転する。
【0045】
アイドルギヤ42が回転すると、該ギヤと噛み合っているクランクギヤ40が回転軸43を中心として回転を開始する。
クランクギヤ40が回転すると、クランクポスト41は、回転軸43からL1の距離を半径とする円軌跡を描くべく移動を開始する。
【0046】
クランクギヤ40の回転開始時には、攪拌部26は、図7(a)及び(b)に示すように攪拌プレート261が図面の右斜め方向に位置し、即ち該プレートの先端が図1の点Aの位置にある(図1は図示しないサイドフレーム側からの断面図である。)。
このときのクランクギヤ40のクランク角度(クランクギヤ40の回転角)を0度と定義する。
そして、クランクギヤ40は、アイドルギヤ42の回転に基づき、図中の矢印方向(時計回り)に回転を開始する。
【0047】
クランクギヤ40が時計回りに回転すると、クランクポスト41に嵌合されているレバー39は、図7(a)及び(b)に示すように、右方向から下方向に移動する。
レバー39が右方向から下方向に移動すると、レバーポスト38に嵌合されているレバー37の他端372も右方向から下方向に移動する。
このとき、レバー37の一端371は、該一端371に形成された半円径の嵌合穴3711を中心として時計方向に回転する。
従って、嵌合穴3711に嵌合された攪拌部26のグリップ部264も、時計方向に回転する。
これにより、攪拌部26の攪拌プレート261は筒体263を中心として円弧を描きながら回動(図1の点Aから点Bの方向に向って回動)する。
【0048】
図7(a)及び(b)に示される位置にあるクランクギヤ40が矢印方向に90度回転すると、図8(a)及び(b)に示すように攪拌プレート261が図1の点Bの位置まで回動する。
【0049】
クランクギヤ40が更に時計回りに回転すると、クランクポスト41に嵌合されているレバー39は、図9(a)及び(b)に示すように、下方向から左上方向に移動する。
レバー39が左上方向に移動すると、レバーポスト38に嵌合されているレバー37の他端372も下方向から左上方向に移動する。
このとき、レバー37の一端371は、該一端371に形成された半円径の嵌合穴3711を中心として時計方向に回転する。
従って、嵌合穴3711に嵌合された攪拌部26のグリップ部264も、時計方向に回転する。
これにより、攪拌プレート261は筒体263を中心として円弧を描きながら更に回動(図1の点Bから点Cの方向に向って回動)する。
【0050】
クランクギヤ40が矢印方向に回転開始位置から180度回転すると、攪拌プレート261が図1の点Cの位置まで回動する。
【0051】
クランクギヤ40が更に時計回りに回転すると、レバー39は、図10(a)及び(b)に示すように、他端392が上動し、一端391が下動する。
レバー39がこのように移動すると、レバーポスト38に嵌合されているレバー37の他端372は反時計方向に下動する。
このとき、レバー37の一端371は、該一端371に形成された半円径の嵌合穴3711を中心として反時計方向に回転する。
これにより、攪拌プレート261は筒体263を中心として円弧を描きながら反時計方向に回動(図1の点Cから点Dの方向に向って回動)する。
【0052】
クランクギヤ40が矢印方向に回転開始位置から270度回転すると、攪拌プレート261が図1の点Dの位置まで回動する。
【0053】
クランクギヤ40が更に時計回りに回転すると、レバー39は、その一端391が下動する。
レバー39が下動すると、レバーポスト38に嵌合されているレバー37の他端372は反時計方向に更に回動する。
これにより、攪拌プレート261は筒体263を中心として円弧を描きながら反時計方向に回動(図1の点Dから点Aの方向に向って回動)する。
クランクギヤ40が360度回転すると、攪拌プレート261は再び図1の点Aの位置まで回動する。
攪拌プレート261が円弧を描く往復運動を繰り返すことにより、トナーホッパー25内の供給ローラ28付近のトナーが攪拌される。
【0054】
図9は、本発明に係る実施例1の攪拌部26の点A付近におけるトナーの動きを示す図である。
図10は、本発明に係る実施例1の攪拌部26の角加速度とクランクギヤ40の回転角度(回転位置)との関係を示す図である。
次に、攪拌部26の角加速度に基づくトナーの動きについて、図9及び図10を用いて詳細に説明を行う。
ここで、図9中の点A及び点Cは、攪拌部26の揺動時における攪拌プレート261が円弧を描く軌跡の最上位置である。
攪拌プレート261の角加速度は、図10に示すように、攪拌プレート261が図9における点Aから点B方向(b方向)に円弧を描きながら揺動を開始した際に大きくなる。
このため、攪拌プレート261が上記揺動を開始した際に、一瞬だけ図9に示すように攪拌プレート261の下流側にトナーの無い空間50が発生する。
ここで、図10に示された角加速度a(°/sec)と、角加速度−a(°/sec)のa及び−aは、開始点と反転位置を示している。
【0055】
上記トナーの無い空間50には負圧が発生するので、トナー21がc方向より該空間に入り込む。
このように、攪拌部26の鉛直上方のトナー21が崩れて空間50に入り込むことでトナーホッパー25内のトナー21は大きく攪拌される。
このとき同時に攪拌プレート261の上流側にあるトナー21は、d方向に移動し、供給ローラ28へ供給される。
これは、攪拌プレート261が図9における点Cから点D方向に円弧を描きながら該部材が揺動を開始する場合でも同じである。このように、攪拌プレート261が揺動する範囲である点A〜点C以外の領域においてもトナーが攪拌される。
尚、図9に示す点B及び点Dは、図10に示すように角加速度が0になる位置である。
【0056】
攪拌部26の攪拌プレート261は、図9に示すように、供給ローラ28の表面と近接しながらも非接触で該部材の揺動により円弧状の軌跡を描く。
ここで、攪拌部26の攪拌プレート261の先端と、供給ローラ28の表面とが1番近接する距離は、0.5〜5mmに設定されている。
【0057】
<実施例1の効果>
本発明の実施例1の攪拌部26は、攪拌プレート261の先端が図1における点Aから点Cまでの円弧を描きながら往復運動を行うため攪拌領域を大きく取れ、従って、複数個配設せずとも1つの部材でトナーホッパー25内の供給ローラ28近傍の広範囲の領域のトナー21を攪拌することが可能である。
また、攪拌部26は、攪拌プレート261の先端が上記円弧を描きながら往復運動を行うため、該円弧の最上点(点A又は点C)から下方向(点B又は点Dの方向)に下動する際に該部材の下流側にトナーの無い空間50が発生し、該空間に該部材の上方向に位置するトナーが流れ込むので、該部材の揺動領域以外でもトナー21を攪拌することができる。
このため、攪拌部26を用いることにより、該部材の揺動時の回転負荷を抑えながら、
攪拌されない領域を大幅に減少することが可能となる。
よって、1つの攪拌部26により供給ローラ28周辺のトナーを攪拌して凝集を防止し、該ローラへ安定した量のトナーを供給することができるので、かすれ印字などの印字不良を大幅に減少することができる。
更に、1つの攪拌部26のみを配設するので、従来の攪拌部を複数個配設する構成と比べ、コストを低減することが可能である。
【実施例2】
【0058】
<実施例2の構成>
従来の画像形成装置の画像形成ユニットでは、該装置を高温多湿の環境で用いた場合、該ユニットのホッパー内でトナーの凝集が発生し易くなり、従って供給ローラへのトナーの供給量が減少してしまう。これにより、上記画像形成装置では、供給ローラへのトナーの供給量不足によりかすれ印字などの印字不良が発生していた。
【0059】
実施例2の画像形成装置の画像形成ユニット200aでは、従来の画像形成ユニットにおける上記問題を解決すべく、実施例1の画像形成ユニット200に対し、攪拌部26に供給ローラ28の表面と当接する薄膜部材265と、該薄膜部材265を攪拌プレート261に固定するための固定部材266を追加した構成にし、該薄膜部材265を供給ローラ28の表面に当接させ、該ローラの表面に直接トナー21を供給可能な構成にしたものである。
尚、実施例2の画像形成装置の画像形成ユニット200aを除くその他の構成は、実施例1の画像形成装置100の画像形成ユニット200を除くその他の構成と同じである。
【0060】
図11は、本発明に係る実施例2の攪拌部26aの構成を示す図である。
攪拌部26aは、図11に示すように、実施例1の攪拌部26に対し、該部材の攪拌プレート261の一方の面に長尺の固定部材266を用いて薄膜部材265の一端を固定した構成から成る。
薄膜部材265は、PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム、PP(ポリプロピレン)フィルム等の弾性体で構成され、該部材の厚さは「0.1〜0.2mm」である。
そして、薄膜部材265は、固定部材266と攪拌プレート261とに挟まれた部分(一端)が接着剤又は熱溶着により接着されることにより該プレートに固定される。
また、薄膜部材265は、先端の供給ローラ28の表面への接触時において、該先端の該ローラの表面に対する撓み量が「1〜5mm」になるように長さを調整されて攪拌プレート261に固定される。
尚、攪拌部26aのその他の構成は、実施例1の攪拌部26の構成と同じである。
更に、画像形成ユニット200aの攪拌部26aを除くその他の構成は、実施例1の画像形成ユニット200の攪拌部26を除くその他の構成と同じである。
【0061】
<実施例2の動作>
図12は、本発明に係る実施例2の攪拌部26aの動作を示す図である。
次に、実施例2の攪拌部26aの動作と、該部材の動作に基づくトナー21の動きについて、図12を用いて詳細に説明を行う。
画像形成ユニット200aにおける攪拌部26aが揺動を開始するまでの動作は、実施例1の画像形成ユニット200における攪拌部26が揺動を開始するまでの動作と同じである。
【0062】
攪拌部26aの角加速度は、実施例1の攪拌部26の角加速度と同様に、攪拌プレート261が図12における点Aから点B方向に円弧を描きながら該部材が揺動を開始した際に大きくなる。
このため、攪拌部26aが上記揺動を開始した際に、一瞬だけ図12に示すように攪拌プレート261の下流側にトナーの無い空間50が発生する。
【0063】
上記トナーの無い空間50には負圧が発生するので、トナー21がc方向より該空間に入り込む。
このように、攪拌部26aの鉛直上方のトナー21が崩れて空間50に入り込むことでトナーホッパー25内のトナー21は大きく攪拌される。
このとき同時に攪拌部26aの攪拌プレート261の上流側になるトナー21は、d方向に移動する。
【0064】
上記d方向にトナー21が移動時において、攪拌部26aの薄膜部材265は、供給ローラ28の表面に対し撓みながら接触し、該移動されたトナー21を供給ローラ28の表面へ直接供給する。
これは、攪拌部26aの攪拌プレート261が図12における点Cから点D方向に円弧を描きながら該部材が揺動を開始する場合でも同じである。
【0065】
<実施例2の効果>
本発明の実施例2の攪拌部26aは、供給ローラ28の表面と接触する薄膜部材265を有することにより該ローラの表面に直接トナー21を供給するので、実施例1の攪拌部26と比べ、確実に該供給ローラ28の表面に安定した量のトナー21を供給することができる。
よって、本発明の実施例2の攪拌部26aを有する画像形成ユニット200aを備えた画像形成装置は、実施例1の画像形成装置100と比べ、よりかすれ印字などの印字不良を大幅に減少することが可能となる。
【実施例3】
【0066】
<実施例3の構成>
従来の画像形成装置の画像形成ユニットでは、トナー貯蔵部とトナーホッパーとを結ぶ供給口を小さく形成する場合が多い。このように供給口を小さく形成する理由としては、ユーザがトナー貯蔵部(トナーカートリッジ)を該ユニットから着脱時に、トナーにより手が汚れるのを低減すべく考慮しているためである。
上記画像形成ユニットのように供給口を小さく形成すると、該供給口においてトナーの凝集が発生し易くなり、従って供給ローラへのトナー供給量が減少してしまう。これにより、上記画像形成装置では、供給ローラへのトナーの供給量不足によりかすれ印字などの印字不良が発生していた。
【0067】
実施例3の画像形成装置の画像形成ユニット200bでは、従来の画像形成ユニットにおける上記問題を解決すべく、実施例1の画像形成ユニット200に対し、攪拌部26に供給ローラ28の表面と当接する薄膜部材265(実施例2の画像形成ユニット200aの薄膜部材265と同じ)と、供給口24に当接する第二薄膜部材267とを共に攪拌プレート261に固定するための固定部材268とを追加する構成にし、第二薄膜部材267を供給口24の側壁に当接させ、該供給口24の側壁にトナーが固着することを防止可能な構成にしたものである。
尚、実施例3の画像形成装置の画像形成ユニット200bを除くその他の構成は、実施例1の画像形成装置100の画像形成ユニット200を除くその他の構成と同じである。
【0068】
図13は、本発明に係る実施例3の攪拌部26bの構成を示す図である。
攪拌部26bは、図13に示すように、実施例1の攪拌部26に対し、該部材の攪拌プレート261の一方の面に長尺の固定部材268を用いて薄膜部材265及び第二薄膜部材267の各一端を固定した構成から成る。
薄膜部材265及び第二薄膜部材267は、PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム、PP(ポリプロピレン)フィルム等の弾性体で構成され、各部材の厚さは「0.1〜0.2mm」である。
そして、薄膜部材265及び第二薄膜部材267は、固定部材268と攪拌プレート261とに挟まれた部分(一端)が接着剤又は熱溶着により接着されることにより該プレートに固定される。
また、薄膜部材265は、該部材の先端の供給ローラ28の表面への接触時において、該先端の該ローラの表面に対する撓み量が「1〜5mm」になるように長さを調整されて攪拌プレート261に固定される。
尚、攪拌部26bのその他の構成は、実施例1の攪拌部26の構成と同じである。
更に、画像形成ユニット200bの攪拌部26bを除くその他の構成は、実施例1の画像形成ユニット200の攪拌部26を除くその他の構成と同じである。
【0069】
第二薄膜部材267は、攪拌部26bの揺動に基づき供給口24の側壁に当接し(図14参照)、該供給口24に固着するトナー21があった場合、該トナーを該側壁から落とすことができる。これにより、第二薄膜部材267は、供給口24にトナー21が固着することを防止することが可能である。
【0070】
<実施例3の動作>
図14は、本発明に係る実施例3の攪拌部26bの動作を示す図である。
次に、実施例3の攪拌部26bの動作と、該部材の動作に基づくトナー21の動きについて、図14を用いて詳細に説明を行う。
画像形成ユニット200bにおける攪拌部26bが揺動を開始するまでの動作は、実施例1の画像形成ユニット200における攪拌部26が揺動を開始するまでの動作と同じである。
【0071】
攪拌部26bが往復運動を行い揺動すると、第二薄膜部材267も図14に示すように、供給口24内を矢印e方向に(図において左右に)揺動を開始する。
第二薄膜部材267が上記左右に揺動すると、供給口24の側壁にトナー21が固着していた場合には、該トナーは、該側壁から落ち、トナーホッパー25内に供給される。
このとき、第二薄膜部材267により、上記側壁に固着していたトナー21は、トナーホッパー25内に円滑に(自然に)供給される。
【0072】
攪拌部26bの角加速度は、実施例1の攪拌部26の角加速度と同様に、攪拌プレート261が図14における点Aから点B方向に円弧を描きながら該部材が揺動を開始した際に大きくなる。
このため、攪拌部26bが上記揺動を開始した際に、一瞬だけ図14に示すように攪拌プレート261の下流側にトナーの無い空間50が発生する。
【0073】
上記トナーの無い空間50には負圧が発生するので、トナー21がc方向より該空間に入り込む。
このように、攪拌部26bの鉛直上方のトナー21が崩れて空間50に入り込むことでトナーホッパー25内のトナー21は攪拌される。
このとき同時に攪拌部26bの攪拌プレート261の上流側になるトナー21は、d方向に移動する。
【0074】
上記d方向にトナー21が移動時において、攪拌部26bの薄膜部材265は、供給ローラ28の表面に対し撓みながら接触し、該移動されたトナー21を供給ローラ28の表面へ直接供給する。
これは、攪拌部26bの攪拌プレート261が図14における点Cから点D方向に円弧を描きながら該部材が揺動を開始する場合でも同じである。
【0075】
<実施例3の効果>
本発明の実施例3の攪拌部26bは、供給口24の側壁と接触する第二薄膜部材267を有することにより、該側壁に固着するトナー塊が大きくならないうちに、該塊を落とすことができる。
ここで、従来の供給口が小さい構成の画像形成ユニットでは、該供給口の側壁に固着したトナー塊は、該塊が大きくなり、その重さによりトナーホッパー内に自由落下することにより該側壁から落ちていた。これにより、従来の上記画像形成ユニットでは、供給口の側壁にトナー塊が固着して供給ローラへのトナー供給量が減少したり、該トナー塊が自由落下することにより供給ローラへのトナー供給量が供給過多になったりと、トナー供給量が安定しなかった。
【0076】
従って、実施例3の攪拌部26bは、第二薄膜部材267を有することにより、従来の画像形成ユニット、実施例1の攪拌部26、実施例2の攪拌部26aと比べ、供給ローラ28の表面に安定した量のトナー21を供給することができる。
よって、本発明の実施例3の攪拌部26bを有する画像形成ユニット200bを備えた画像形成装置は、従来の画像形成装置、実施例1の画像形成装置100、実施例2の画像形成装置と比べ、よりかすれ印字などの印字不良を大幅に減少することが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0077】
前記した実施例では、本発明の画像形成装置を電子写真方式のカラープリンタとして説明したが、これに限る必要はなく、例えばモノクロプリンタ、複写機、ファクシミリ、複合機(MFP)等に適用可能である。
【符号の説明】
【0078】
100 画像形成装置
200 画像形成ユニット
26 攪拌部
261 攪拌プレート
262 回転軸
263 筒体
264 グリップ部
265 薄膜部材
266 固定部材
267 第二薄膜部材
268 固定部材
28 供給ローラ
29 現像ローラ
32 感光ドラム
37 レバー
39 レバー
40 クランクギヤ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
像担持体上に形成された静電潜像に現像剤を付着させて該静電潜像を現像する現像剤担持体と、前記現像剤担持体に現像剤を供給する現像剤供給部とを備える画像形成ユニットであって、
前記現像剤供給部の傍に配設され、該現像剤供給部の近傍の現像剤を攪拌するための板部材と、該板部材の一端を保持して回転可能に支持される回転軸とを有する攪拌部と、
前記攪拌部の板部材を前記回転軸を中心として円弧状に往復して揺動させるためのリンク機構とを備え、
前記リンク機構は、
前記現像剤を攪拌するために回転駆動される回転部材と、
該回転部材と前記回転軸とにリンク連結され、前記板部を円弧状に往復させて揺動すべく該回転部材の回転量に対応させて前記回転軸を一定円弧角で往復回転させるレバー組合体とを含む、ことを特徴とする画像形成ユニット。
【請求項2】
前記回転部材は、前記現像剤供給部の回転に基づき回転駆動されることを特徴とする請求項1に記載の画像形成ユニット。
【請求項3】
前記板部材が前記往復運動により該部材の先端が前記現像剤供給部の表面と近接した場合、該先端と該表面との距離は、0.5mm以上であり、かつ5mm以下であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成ユニット。
【請求項4】
前記板部材は、該部材の先端に弾性体を有し、
前記板部材が前記往復運動により該部材の先端が前記現像剤供給部の表面に近接すると、前記弾性体は、撓みながら該表面と接触することを特徴とする請求項1に記載の画像形成ユニット。
【請求項5】
前記弾性体の前記現像剤供給部の表面との接触時の撓み量は、1mm以上であり、かつ5mm以下であることを特徴とする請求項4に記載の画像形成ユニット。
【請求項6】
前記現像剤を貯蔵する貯蔵容器から該現像剤を前記現像剤供給部へ供給する供給口を備え、
前記板部材は、該部材の他端に第二の弾性体を有し
前記板部材が前記往復運動すると、前記第二の弾性体は、前記供給口との接触を繰り返しながら往復して揺動されることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の画像形成ユニット。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか1項に記載された画像形成ユニットを備えることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−88403(P2012−88403A)
【公開日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−232945(P2010−232945)
【出願日】平成22年10月15日(2010.10.15)
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【Fターム(参考)】