画像形成装置、プログラム、及び記録媒体
【課題】画質調整のための画像処理を、異なる装置間で分けて行う場合においても、良好な画像を出力することのできる画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置は、他の画像形成装置にてファイル保存された画像データが送受信部50等より入力されると、関連情報検出部64にて、画像データに施されている前段画像処理の内容を特定し得る、出力先の画像形成装置の機種名等の関連情報が付加されていないかを検出する。そして、画像変換処理選択部65は、付加されている関連情報より、後段画像処理と適合させるための画像変換処理を選択し、前段画像処理部40が選択された変換画像処理を実施し、その後、ハードディスク51に格納する。
【解決手段】画像形成装置は、他の画像形成装置にてファイル保存された画像データが送受信部50等より入力されると、関連情報検出部64にて、画像データに施されている前段画像処理の内容を特定し得る、出力先の画像形成装置の機種名等の関連情報が付加されていないかを検出する。そして、画像変換処理選択部65は、付加されている関連情報より、後段画像処理と適合させるための画像変換処理を選択し、前段画像処理部40が選択された変換画像処理を実施し、その後、ハードディスク51に格納する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像データを記憶装置に記憶して保存するファイリング機能を有する画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
デジタル複合機等の画像形成装置においては、スキャン機能を用いて読み取った画像を、記録紙に印字出力するコピー機能だけでなく、読み取った画像データを画像形成装置が備えるハードディスク等の記憶装置に記憶しておく画像ファイリング機能を有するものもある。
【0003】
このような画像ファイリング機能を利用することで、読み取った画像を、他の画像形成装置に送信して出力させたり、メールに添付して送信したり(スキャンtoメール機能)、FAX送信したり(スキャンtoFAX機能)たりといった、種々の対応ができる。
【0004】
また、画像形成装置には、通信携帯端末や、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ等の画像入力装置からの画像データを受け入れる通信インターフェイスを備え、該通信インターフェイスを介して入力された画像データを、上記記憶装置に記憶することができるものもある。
【0005】
ところで、従来から画像形成装置においては、良好な画像を印字出力できるように、入力された画像データに対して一連の画像処理を施すようになっている。コピー機能のみを有する画像形成装置の場合、このような一連の画像処理を分けることなく一貫して行う。これに対し、上記した画像ファイリング機能を備えた画像形成装置においては、前段画像処理と後段画像処理との2段階に分けて行うようになっている。記憶装置には、前段画像処理まで施したものを格納する。
【0006】
前段画像処理には、シェーディング補正やγ補正等の画像処理が含まれる。画像データの種々ある使い方に合わせて、その後、種々図対応させ易い状態にまで画像処理される。
【0007】
一方、後段画像処理(後段の画像処理)には、色補正や、黒生成/下色除去処理等の画像処理が含まれ、自身の備える画像形成部にて良好に印字出力できるような処理は、後段画像処理として実施される。
【0008】
画像形成装置においては、前段画像処理と後段画像処理とが実施されることで、入力画像データの画像が良好な状態で印字出力されることとなる。
【0009】
特許文献1には、画像データを送信する画像形成装置と受信する画像形成装置の能力の組み合わせによって生じる印刷設定の制限を無くす内容が示されている。これによれば、送信先の画像形成装置が、画像編集機能や電子ソート機能をもたない場合、送信元の画像形成装置において、画像編集やページ順変更を行ってから画像データを出力する。これにより、たとえ送信先の画像形成装置が2in1機能を具備しなくとも2in1画像を出力させることができ、また、電子ソート機能を具備しなくとも、ソート処理された印刷物を出力させることができる。
【特許文献1】特開2005−144970号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、上記従来の画像形成装置においては、以下のような問題がある。
【0011】
即ち、画像ファイリング機能にて記憶装置に記憶された画像データ(ファイル保存された画像データ)を、他の画像形成装置に出力して(移動させて)印字出力させたり、FAX送信したりした場合に、出力元の画像形成装置で行った前段画像処理と、出力先の画像形成装置で行った後段画像処理とが適合せず、画質が劣化するといった問題が発生する。
【0012】
このような問題は、前段画像処理を標準化し、全ての画像形成装置において同じ画像処理が行われるようにすることで解決できる。しかしながら、高性能機種と低価格機種とに、同等の前段画像処理部を備えさせておくことは、コスト面から考えて現実的ではない。そのため、画像形成装置の機種の違いによって、前段画像処理の内容が異なるのが現状である。
【0013】
上記した特許文献1には、画質調整のための画像処理を完了した画像データに対して、画像編集やページ順変更等のさらなる処理を実施するにあたり、出力元の画像形成装置と出力先の画像形成装置とで処理を分けて行うことが記載されているに過ぎず、画質調整のための画像処理を、異なる装置間で分けて行う点については何ら記載されておらず、上記問題を解決し得るものではない。
【0014】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、画質調整のための画像処理を、異なる画像形成装置間で分けて行う場合においても、良好な画像を出力することのできる画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明に係る第1の画像形成装置は、上記課題を解決するために、入力された画像データを適切な画質にて出力するために行う一連の画像処理を、前段画像処理と後段画像処理とに分けて行い、入力された画像データを記憶部に格納する画像ファイリング機能においては、前段画像処理までが施された画像データを記憶部に格納する画像形成装置において、前段画像処理までが施された画像データを取り込む入力部と、前記入力部より入力された画像データに対し、当該画像データに付加されている、出力先の画像形成装置にて出力元の画像形成装置の前段画像処理の内容を特定させ得る関連情報をもとに、当該画像形成装置にて実施される後段画像処理と適合するように画像変換処理を実施する画像変換手段とを備えることを特徴としている。
【0016】
上記構成によれば、入力部より入力さされた前段画像処理までが施された画像データに対し、画像変換手段が、当該画像データに付加されている、出力先の画像形成装置にて出力元の画像形成装置の前段画像処理の内容を特定させ得る関連情報をもとに、当該画像形成装置にて実施される後段画像処理と適合するように画像変換処理を実施する。
【0017】
これにより、画像データに対して、前段画像処理を施した画像形成装置と、後段画像処理を施した画像形成装置とが異なっていたとしても、画質調整された良好な出力画像を出力させることができる。
【0018】
上記関連情報としては、例えば、出力元の画像形成装置の機種情報、或いは出力元の画像形成装置が備える前段画像処理を行う画像処理部のモジュール情報がある。
【0019】
本発明に係る第2の画像形成装置は、上記課題を解決するために、入力された画像データを適切な画質にて出力するために行う一連の画像処理を、前段画像処理と後段画像処理とに分けて行い、入力された画像データを記憶部に格納する画像ファイリング機能においては、前段画像処理までが施された画像データを記憶部に格納する画像形成装置において、前記記憶部に記憶された画像データを外部へ出力する出力部と、前記記憶部に記憶される画像データに対し、出力先の画像形成装置にて出力元の画像形成装置の前段画像処理の内容を特定させ得る関連情報を付加する関連情報付加手段とを備えることを特徴としている。
【0020】
上記構成では、関連情報付加手段が、記憶部に記憶される画像データに対し、出力先の画像形成装置にて出力元の画像形成装置の前段画像処理の内容を特定させ得る関連情報を付加する。つまり、前段画像処理が施された画像データは、前段画像処理の内容を特定し得る関連情報と共に記憶部に格納されることとなる。
【0021】
したがって、出力先の画像形成装置が、例えば前記した本発明に係る第1の画像形成装置であれば、画像データに付加されている関連情報より、出力先の画像形成装置にて施されている前段画像処理の内容を特定して、後段画像処理部にて実施される後段画像処理と適合するように画像変換処理を実施することができる。
【0022】
これにより、画像データに対して、前段画像処理を施した画像形成装置と、後段画像処理を施した画像形成装置とが異なっていたとしても、画質調整された良好な出力画像を出力させることができる。
【0023】
本発明に係る第3の画像形成装置は、上記課題を解決するために、入力された画像データを適切な画質にて出力するために行う一連の画像処理を、前段画像処理と後段画像処理とに分けて行い、入力された画像データを記憶部に格納する画像ファイリング機能においては、前段画像処理までが施された画像データを記憶部に格納する画像形成装置において、前記記憶部に記憶された画像データを外部へ出力する出力部と、前記出力部より出力される画像データに対し、出力先の画像形成装置の前段画像処理の内容を元に、出力先の画像形成装置にて実施される後段画像処理と適合するように画像変換処理を実施する画像変換手段とを備えることを特徴としている。
【0024】
上記構成によれば、画像変換手段が、出力部より出力される画像データに対し、出力先の画像形成装置の前段画像処理の内容を元に、出力先の画像形成装置にて実施される後段画像処理と適合するように画像変換処理を実施する。
【0025】
これにより、画像データに対して、前段画像処理を施した画像形成装置と、後段画像処理を施した画像形成装置とが異なっていたとしても、画質調整された良好な出力画像を出力させることができる。
【0026】
また、本発明に係る第1、第3の画像形成装置においては、さらに、前記画像変換手段は、前段画像処理を施す画像処理部を用いて画像変換処理を実施する構成とすることもできる。
【0027】
画像変換処理を実施するために、画像処理部を別途設けることは可能であるが、画像処理部を別途に設けるので、コスト高が否めない。また、後段画像処理を施す画像処理部を用いて行うことも可能ではあるが、前段画像処理を施す画像処理部にて実施するよりも、必要なデータ数も増え、開発コストも高くなる。前段画像処理を施す画像処理部にて実施することで、最も効率良く処理を実施できる。
【0028】
本発明の第1の画像形成装置においては、さらに、画像ファイリング機能においては、画像入力装置或いは情報処理装置からの画像データも記憶部に格納可能になっており、
前記画像変換手段は、画像入力装置或いは情報処理装置から入力される画像データに対しても、当該画像データに付加されている、画像入力装置或いは情報処理装置において施された画像処理の内容を出力先の画像形成装置にて特定させ得る関連情報をもとに、後段画像処理と適合するように画像変換処理を実施する構成である。
【0029】
上記構成によれば、他の画像形成装置より入力された画像データだけでなく、通信携帯端末や、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ等の画像入力装置からの画像データを画像形成する場合にも、画像変換手段が、画像データに付加されている当該画像データに施されている画像処理の内容を示す関連情報をもとに、後段画像処理と適合するように補足の画像変換処理を実施するようになっている。
【0030】
したがって、他の画像形成装置より入力される画像データだけでなく、画像入力装置より入力された画像データについても、画質調整された良好な出力画像を出力させることができる。
【0031】
本発明に係る画像入力装置は、上記課題を解決するために、取り込んだ画像に対し、画像処理を実施したのち、出力部より画像形成装置へ出力する画像入力装置において、前記出力部より出力される画像データに対して、施されている画像処理の内容を出力先の画像形成装置にて特定させ得る関連情報を付加する関連情報付加手段を備えることを特徴としている。
【0032】
上記構成によれば、画像入力装置においても、関連情報付加手段が、画像データに対し画像処理の内容を出力先の画像形成装置にて特定させ得る関連情報を付加するようになっている。
【0033】
したがって、上記した本発明に係る第1の画像形成装置を出力先とすることで、画質調整された良好な出力画像を出力させることができる。
【0034】
さらに、上記画像形成装置における上記関連情報付加手段、画像変換手段は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを、上記各手段として動作させるプログラム、及びそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に含まれる。
【発明の効果】
【0035】
以上のように、本発明は、入力された画像データを適切な画質にて出力するために行う一連の画像処理を、前段画像処理と後段画像処理とに分けて行い、入力された画像データを記憶部に格納する画像ファイリング機能においては、前段画像処理までが施された画像データを記憶部に格納する画像形成装置において、前段画像処理を行う画像形成装置と後段画像処理を行う画像形成装置が異なるような状況になる場合には、前段画像処理の内容を示す関連情報を画像データに付加し、出力先の後段画像処理を行う画像形成装置で、後段画像処理と適合するように画像変換処理を実施する、或いは、出力元の画像形成装置において、出力先の画像形成装置の後段画像処理と適合するように、予め画像変換処理を実施してから出力するというものである。
【0036】
これにより、画像データに対して、前段画像処理を施した画像形成装置と、後段画像処理を施した画像形成装置とが異なっていたとしても、画質調整された良好な出力画像を出力させることができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
〔実施の形態1〕
本発明の実施の一形態について、図1ないし図11に基づいて説明すると以下の通りである。
【0038】
まず、図2を用いて、本実施の形態に係る画像形成装置の概略構成について説明する。図2は、本実施形態に係る画像形成装置Aの概略構成を示す縦断面図である。
【0039】
画像形成装置Aは、デジタルカラー複合機であり、外部(例えばパーソナルコンピュータ等の端末機器)から伝達された画像データに応じて、所定のシート(記録用紙)に対して多色(フルカラー)画像や単色(モノクロ)画像を形成するものである。そして、図示するように、画像形成装置Aは、露光ユニット1、現像装置2(2a〜2d)、像担持体としての感光体ドラム3(3a〜3d)、帯電器5(5a〜5d)、クリーナユニット4(4a〜4d)、中間転写ベルトユニット8、定着装置12、用紙搬送路S、給紙カセット10、排紙トレイ15等を備えて構成されている。
【0040】
画像形成装置Aにおいて扱われる画像データは、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色を用いたカラー画像に応じたものである。従って、現像装置2(2a〜2d)、感光体ドラム3(3a〜3d)、帯電器5(5a〜5d)、クリーナユニット4(4a〜4d)は、各色に応じた4種類の潜像を形成するようにそれぞれ4個ずつ設けられている。図2では、それぞれaがブラックに、bがシアンに、cがマゼンタに、dがイエローに設定され、4つの画像ステーション(画像形成部)を構成している。
【0041】
感光体ドラム3は、画像形成装置Aの上部に配置(装着)され、露光ユニット1からのレーザ光の照射によって画像データに応じた静電潜像が形成される。帯電器5は、感光体ドラム3の表面(感光体層)を所定の電位に均一に帯電させるための帯電手段であり、図2に示すように、接触タイプのローラ型やブラシ型の帯電器のほか、チャージャー型の帯電器が用いられることもある。
【0042】
露光ユニット1は、帯電された感光体ドラム3を、入力された画像データに応じて露光することにより、感光体ドラム3表面に、画像データに応じた静電潜像を形成するものである。露光ユニット1は、色毎に設けられる。図2には、レーザ照射部と複数枚の反射ミラーよりなるレーザスキャニングユニット(LSU)よりなる露光ユニット1を例示しているが、発光素子をアレイ状に並べた例えばELやLED書込みヘッドを用いる手法もある。
【0043】
現像装置2はそれぞれの感光体ドラム3上に形成された静電潜像を各色(K、C、M、Y)のトナー(現像剤)により顕像化するものである。クリーナユニット4は、現像・画像転写後における感光体ドラム3上の表面に残留したトナーを、除去・回収するものである。
【0044】
感光体ドラム3の上方に配置されている中間転写ベルトユニット8は、中間転写ベルト7、中間転写ベルト駆動ローラ71、中間転写ベルトテンション機構73、中間転写ベルト従動ローラ72、1次転写ローラとしての中間転写ローラ6(6a〜6d)、および中間転写ベルトクリーニングユニット9を備えている。
【0045】
中間転写ベルト駆動ローラ71、中間転写ベルトテンション機構73、中間転写ローラ6、中間転写ベルト従動ローラ72は、中間転写ベルト7が架け渡され、中間転写ベルト駆動ローラ71の回転駆動に伴って中間転写ベルト7を矢印B方向に走行させるものである。
【0046】
中間転写ベルト7は、それぞれの感光体ドラム3に接触可能に設けられている。そして、感光体ドラム3に形成された各色のトナー像を中間転写ベルト7に順次重ねて転写することによって、中間転写ベルト7上にカラーのトナー像(多色トナーの合成像)が形成されるようになっている。
【0047】
感光体ドラム3から中間転写ベルト7へのトナー像の転写は、中間転写ベルト7の裏側(内面側)に接触している中間転写ローラ6によって行われる。つまり、中間転写ローラ6には、トナー像を転写するために高電圧の転写バイアス(トナーの帯電極性(−)とは逆極性(+)の高電圧)が印加されている。図2に示すローラ形状のもの以外に、ブラシなども用いることが可能である。
【0048】
上述のように各感光体ドラム3a〜3d上で各色相に応じて顕像化されたトナー像は中間転写ベルト7上で積層され、装置に入力された画像データに応じた画像となる。このように、積層された画像(多色トナーの合成像)は、中間転写ベルト7の走行によって、後述の用紙と中間転写ベルト7との接触位置に配置される転写ユニットを構成する転写ローラ11によって用紙上に転写される。
【0049】
また、感光体ドラム3との接触により中間転写ベルト7に付着したトナー、若しくは、転写ローラ11によって用紙上に転写が行われず中間転写ベルト7上に残存したトナーは、次工程でトナーの混色を発生させる原因となるために、中間転写ベルトクリーニングユニット9によって除去・回収される。
【0050】
給紙カセット10は、画像形成に使用するシート(記録用紙)を収容しておくためのカセットであり、画像形成装置Aの最下部、つまり露光ユニット1の下側に設けられている。画像形成装置Aの上部に設けられている排紙トレイ15は、印刷済みのシートをフェイスダウンで載置するためのトレイである。画像形成装置Aの本体に突出して設けられているのは、手差しトレイ20である。
【0051】
そして、画像形成装置Aには、給紙カセット10、或いは手差しトレイ20のシートを転写ローラ11や定着装置12を経由させて排紙トレイ15に送るための用紙搬送路Sが設けられている。この用紙搬送路Sは、給紙カセット10の排紙部から排紙トレイ15に向けて略鉛直方向に延びている。さらに、給紙カセット10から排紙トレイ15までの用紙搬送路Sには、ピックアップローラ16(16−1),レジストローラ14、転写ローラ11、定着装置12、シートを搬送する搬送ローラ25(25−1,25−2,25−3)等が配設されている。
【0052】
搬送ローラ25は、シートの搬送を促進・補助するための小型のローラであり、用紙搬送路Sに沿って複数設けられている。ピックアップローラ16は、給紙カセット10の端部に備えられ、給紙カセット10から、シートを1枚ずつ用紙搬送路Sに供給する呼び込みローラである。
【0053】
また、レジストローラ14は、用紙搬送路Sを搬送されているシートを一旦保持するものである。そして、中間転写ベルト7上のトナー像の先端とシートの先端を合わせるタイミングでシートを転写部(転写ローラ11と中間転写ベルト駆動ローラ71との間のニップ部)に搬送する機能を有している。
【0054】
定着装置12は、ヒートローラ31,加圧ローラ32等を備えており、これらヒートロ
ーラ31及び加圧ローラ32は、シートを挟んで回転するようになっている。また、ヒートローラ31は、図示しない温度検出器からの信号に基づいて制御部によって所定の定着温度となるように設定されており、加圧ローラ32とともにシートを熱圧着することにより、シートに転写された多色トナー像を溶融・混合・圧接し、シートに対して熱定着させる機能を有している。
【0055】
なお、多色トナー像の定着後のシートは、搬送ローラ25…によって用紙搬送路Sを搬送され、多色トナー像を下側に向けて排紙トレイ15上に排出されるようになっている。
【0056】
次に、図3を用いて、画像形成装置Aに搭載されているカラー画像情報の画像処理系の構成および機能を説明する。
【0057】
図3は、画像形成装置Aに含まれている画像処理系のブロック構成図である。
【0058】
上記画像処理系は、カラーCCD39、前段画像処理部40、後段画像処理部41、ハードディスク装置もしくはRAM(ランダムアクセスメモリ)等から構成される画像メモリ43、画像データ出力部42、中央処理装置(CPU)44、画像編集部45、第1、第2の入力インターフェイス部46,47、JPEG圧縮部48、JPEG伸張部49、送受信部50、ハードディスク51、USB機器接続部52等から構成されている。
【0059】
カラーCCD39は、3ラインのカラーCCDであり、白黒原稿あるいはカラー原稿画像を読み取り、RGBの色成分に色分解したラインデータを出力する。
【0060】
前段画像処理部40は、シェーディング補正回路40b、ライン合わせ部40c、センサ色補正部40d、MTF補正部40e、γ補正部40fなどから成る。
【0061】
シェーディング補正部40bは、カラーCCD39にて読み取られたラインデータのライン画像レベルを補正する。ライン合わせ部40cは、ラインバッファなどからなり、3ラインのカラーCCD39にて読み取られた画像ラインデータのずれを補正する。センサ色補正部40dは、カラーCCD39から出力される各色のラインデータの色データを補正する。MTF補正部40eは、各画素の信号の変化にめりはりを持たせるよう補正する。γ補正部40fは、画像の明暗を補正して視感度補正を行う。
【0062】
なお、詳細については後述するが、中央処理装置(CPU)44は、他の画像形成装置にて前段画像処理が施された画像データを、送受信部50を介して受け入れ、自身の備えるハードディスク51に格納する(画像ファイリングする)場合、この前段画像処理部40を用いて、画像変換処理(ファイル変換処理)を実施するようになっている。
【0063】
後段画像処理部41は、モノクロデータ生成部41a、入力処理部41b、領域分離部41c、黒生成部41d、色補正回路41e、ズーム処理回路41f、空間フィルタ41g、中間調処理部41hなどから成る。
【0064】
モノクロデータ生成部41aは、前段画像処理部40から入力されるカラー画像信号であるRGB信号よりモノクロデータを生成する。入力処理部41bは、RGB信号を、Y、M、Cの各画像ステーション(画像形成部)に対応したYMC信号に変換し、またクロック変換する。領域分離部41cは、入力された画像データが文字部なのか網点写真なのか印画紙写真なのかをそれぞれを分離する。黒生成部41dは、入力処理部41aから出力されるYMC信号に基づいて下色除去処理を行い、Kの画像ステーション(画像形成部)に対応したK信号を生成する(黒生成)。
【0065】
色補正回路41eは、各色変換テーブルに基づいてカラー画像信号の各色を調整する。ズーム処理回路41f及び空間フィルタ41gは、設定されている倍率に基づいて入力された画像情報を倍率変換する。中間調処理部41hは、多値誤差拡散や多値ディザなどの階調性を表現する。
【0066】
後段画像処理部41の中間調処理部41hより出力される、中間調処理された各色画像データは、画像データ出力部42へ送られる前に、画像メモリ43に一旦貯えられる。
【0067】
画像メモリ43は、後段画像処理部41からシリアル出力される8ビット4色(32ビット)の画像データを順次受け取り、バッファに一時的に貯えながら32ビットのデータから8ビット4色の画像データに変換して色毎の画像データとして記憶管理する4基のハードディスク(回転記憶媒体)43a,43b,43c,43dからなる。
【0068】
また、半導体メモリよりなる遅延バッファメモリ43eを備えており、各色画像データを一旦記憶させ、時間をずらして、各LSUに画像データを送るようになっている。これにより、各画像ステーションの位置が異なることによる色ずれを、送りタイミングの調整にて防ぐことができる。さらに、画像メモリ43には、複数の画像の合成を行うための画像合成メモリ(図示せず)も含まれている。
【0069】
画像データ出力部42は、中間調処理部41hからの各色画像データに基づいてパルス幅変調を行うレーザコントロールユニット42a、レーザコントロールユニット42aから出力される各色の画像信号に応じたパルス幅変調信号に基づいてレーザ記録を行う各色のLSU42b,42c,42d,42eからなる。
【0070】
中央処理装置(CPU)44は、カラーCCD39、前段画像処理部40、後段画像処理部41、画像メモリ43、画像データ出力部42、画像編集部45、第1、第2の入力インターフェイス部46,47、JPEG圧縮部48、JPEG伸張部49、送受信部50、ハードディスク51を、USB機器接続部52等を、所定のシーケンスに基づいてコントロールするものである。
【0071】
また、一旦画像メモリ43に記憶された画像データに対して、所定の画像編集を施すためのものであり、画像データの編集作業は、画像合成用メモリを用いて行われる。
【0072】
第1入力インターフェイス部46は、通信携帯端末や、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ等の画像入力装置にて撮像された画像データ(RGB信号)を受け入れるための通信インターフェイス手段である。
【0073】
第2入力インターフェイス部47は、外部の情報処理装置により作成された画像データを入力するプリンタインタフェースであり、またFAX受信した画像データを受け入れるための白黒またはカラーFAXインターフェイスである。
【0074】
第2入力インターフェイス部47から入力される画像データは、すでにCMYK信号であるので、一旦、中間調処理41hを施して画像メモリ43のハードディスク43b,43c,43d,43eに記憶管理されることとなる。
【0075】
一方、第1入力インターフェイス部46から入力される画像データは、RGB信号であるので、後段画像処理部41に入力して色空間補正などを行うことで画像形成装置Aの画像形成ステーションで取扱うことのできるデータレベルに変換された後、ハードディスク43b,43c,43d,43eに記憶管理されることとなる。
【0076】
また、本画像形成装置Aにおいては、第1入力インターフェイス部46から入力される画像データに対しても、後述するJPEG圧縮部48にて圧縮させたのち、ハードディスク51に格納すること(画像ファイリング)ができるようになっている。
【0077】
JPEG圧縮部48は、前段画像処理部40から出力されるRGB信号の画像データを、必要に応じてJPEG圧縮してJPEGコードに変換するものであり、JPEG圧縮された画像データは、ハードディスク51に送られる。
【0078】
ハードディスク51は、画像ファイリング機能に用いられるファイル保存用の記憶部であり、JPEG圧縮された画像データを記憶するものである。
【0079】
送受信部(出力部)50は、ネットワークを介して、ファイル保存用のハードディスク51に記憶されたファイル保存された画像データを、他の画像形成装置へ送信することを可能にするものである。また、送受信部50は、他の画像形成装置にてファイル保存された画像データを、ネットワークを介して受信して、ハードディスク51に記憶することを可能にするものでもある。
【0080】
USB機器接続部(出力部)52は、USBメモリとハードディスク51との接続を可能とするものである。これにより、ファイル保存された、ハードディスク51内の画像データを、USBメモリを介して他の画像形成装置へ出力させたり、USBメモリを介して他の画像形成装置にてファイル保存された画像データを、自身のハードディスク51に記憶させたりすることができる。
【0081】
そして、本実施の形態においては、他の画像形成装置より、送受信部50、或いはUSB機器接続部52を介して受け入れた画像データに対しては、画像変換処理が可能であれば、前段画像処理部40にて、後段画像処理に適合するように画像変換処理を行ったのち、ハードディスク51に記憶させるようになっている。
【0082】
JPEG伸張部49は、JPEG圧縮されている画像データを伸張してRGB信号に変換するものである。
【0083】
なお、送受信部50或いはUSB機器接続部52を介して他の画像形成装置より入力され、ハードディスク51に記憶された画像データも、画像データ出力部42にて画像出力させる場合は、JPEG伸張部49にてRGB信号に変換された後、一旦、後段画像処理部41に入力して色空間補正などを行うことで画像形成装置Aの画像形成ステーションで取扱うことのできるデータレベルに変換してハードディスク43b,43c,43d,43eに記憶管理されることとなる。
【0084】
次に、図4を用いて、カラーCCD39にて読み取った画像データを、ハードディスク51に格納する画像ファイリング機能の手順を説明する。
【0085】
図4に、前段画像処理部40における、RGB信号をJPEG圧縮するまでの各工程を簡略化して示す。図4に示すように、カラーCCD39から出力されたRGB信号は、前段画像処理部40を経て、JPEG圧縮部48に送られる。
【0086】
前段画像処理部40は、アナログ信号をデジタル信号に変換するA/D(アナログ/デジタル)変換部40a(図3では省略)、シェーディング補正部40b、及び前述のライン合わせ部40c、センサ色補正部40d、MTF補正部40e、γ補正部40fなどから成る入力処理部40gを備えている。
【0087】
カラーCCD39では、原稿から反射してきた光を、RGBに色分解された電気信号(RGBアナログ信号)に変換して出力する。カラーCCD39より出力されたカラー画像信号(RGBアナログ信号)は、A/D変換部40aにてデジタル信号に変換され、シェーディング補正部40bにて、カラーCCD39の照明系、結像系、撮像系で生じる各種の歪みが取り除かれたのち、入力処理部40gにて、RGB信号のそれぞれに対して、ライアン合わせや、センサ色補正、MTF補正、γ補正などの処理が施される。前段画像処理部40で実施されるこれらの画像処理を、前段画像処理と称する。
【0088】
JPEG圧縮部48は、前段画像処理部4より送り込まれる前段画像処理が施されたRGB画像データを、予め設定されている量子化テーブル、サンプリング比を用いて符号化するものである。JPEG圧縮部48は、ページ単位にヘッダ情報を生成して、RGB画像データを、符号化データと合わせてJPEGコードとして出力する。
【0089】
図5に、JPEG圧縮部48の構成を示す。図5を用いて、JPEG圧縮部48の動作を説明する。なお、ここで施される処理はすべて標準的に定められたJPEG圧縮アルゴリズムに基づくものである。
【0090】
前段画像処理部40から引き渡されたRGB信号は、RGBtoYCbCr変換部48aにて輝度情報を表すY信号と色相情報を表すCb、Cr信号に変換される。次に、YCbCr信号はサンプリング部48bに引き渡され、所定のサンプリング比(例えば、4:4:4)に応じて色相信号の画素情報を間引く処理が施される。
【0091】
サンプリング部48bから出力されたYCbCr信号は、DCT(Discrete Cosine Transform)変換部48cに入力され、ブロック単位にDCT変換が施されて64段階の周波数成分に分解される。なお、ブロックの左上隅のデータがDC成分、残りの63個のデータがAC成分である。
【0092】
周波数成分に分解されたYCbCr信号は、量子化部48dに入力され、所定の量子化テーブルを用いてブロック単位に量子化処理が施される。なお、量子化テーブルは輝度信号用と色相信号用との2種類のテーブルを指定することができ、各テーブルは64個の整数値で表される。
【0093】
量子化されたYCbCr信号は、ハフマン符号化部48eに入力され、一列に並べ直されたのち、所定のハフマン符号テーブルに基づいて符号化処理が施される。なお、符号テーブルの値は特に制限するものではなく、一般的に広く用いられている値を用いるものとする。
【0094】
ハフマン符号化部から出力された符号データはヘッダー情報生成部48fに入力される。ここではページ単位にヘッダー情報が生成され、符号データの先頭にヘッダー情報が付加されることにより、JPEG画像の規格に準拠した形式のJPEGコードが出力される。なお、ヘッダー情報には画像の幅・高さや、圧縮時に用いた量子化テーブル、ハフマン符号化テーブル、サンプリング比などの情報が規定のマーカー記号で区分けされ記述される。
【0095】
なお、ここでの符号化処理には、標準的に定められたJPEG圧縮アルゴリズムが用いられ、付加されるヘッダー情報は標準的に定められたデータ形式のものである(標準的なヘッダー情報とは:画像の幅・高さ、量子化テーブル、ハフマン符号化テーブル、サンプリング比などが規定のマーカー記号で区分けされて順に記述されているものをいう)。
【0096】
このように圧縮処理が行われることで得られたJPEGコードは、インターフェイス46を介して、パーソナルコンピュータなどへ転送される。なお、本実施形態では、画像データの圧縮方法としてJPEG方式を用いているが、他の圧縮方法を用いても良い。
【0097】
なお、図4では、カラーCCD39にて読み取られた画像データが、JPEG圧縮部48を経てハードディスク51に格納されるまでの工程を例示しているが、ハードディスク51には、第1入力インターフェイス部46を介して入力される画像入力装置にて撮像された画像データ(RGB信号)や、パソコンから送信される画像ファイルの画像データ(RGB信号)を、JPEG圧縮部48を経て、格納することもできる(画像ファイリング)。
【0098】
次に、図6を用いて、ハードディスク51に記憶されている画像データを読み出して、後段画像処理部41にて後段画像処理を実施する手順を説明する。図6では、後段画像処理部41に含まれる、モノクロデータ生成部41aや入力処理部41b、ズーム処理41f等の記載を省略している。
【0099】
JPEG圧縮部48から出力されたJPEGコードは、ハードディスク51に引き渡される。そして一旦ハードディスク51に保存され、ファイル保存画像データとして管理される。
【0100】
画像形成装置A自身が備える画像データ出力部42にて画像出力する動作が指示された場合は、ハードディスクからJPEGコードが引き出され、JPEG伸張部49に引き渡される。
【0101】
JPEG伸張部49では、JPEGコードのヘッダ情報を解読して符号コードを復号化する処理などが施され、RGB信号の画像データに伸張される。なお、ここで施される処理はすべて標準的に定められたJPEG伸張アルゴリズムに基づくものである。
【0102】
圧縮が解かれた画像データは、後段画像処理部41における色補正部41eと領域分離部41cに送られる。色補正部41eでは、RGB信号の補色であるCMY(C:シアン・M:マゼンタ・Y:イエロー)信号が生成されると共に色再現性を高める処理が施される。そして黒生成/下色除去部41dにてCMYK(K:黒)4色信号に変換されたのち、空間フィルタ部41gにてCMYK信号に対して強調処理や平滑化処理がなされ、中間調生成部41hにて画像を出力するための階調再現処理がなされる。
【0103】
一方、領域分離処理部41cにおいては、入力画像データの各画素がどのような種類の領域に属するか、たとえば黒文字/色文字/網点などいずれの領域に属する画素であるのか判定を下す処理が施される。領域分離処理部41cより出力された領域分離信号はそれぞれ黒生成/下色除去部41d、空間フィルタ部41g、中間調生成部41hに引き渡され、各種領域に応じた適切な処理の切替えが行われる。
【0104】
そして、中間調処理部41hから出力されたCMYK信号は、画像メモリ43に一旦格納された後、前記した4つの画像形成ステーション(画像形成部)よりなる画像データ出力部42へ、しかるべきタイミングにて引き渡され、最終的な出力画像が形成される。なお、最終的な出力画像が形成される装置は、電子写真方式のプリンタやインクジェット方式プリンタ等の画像を再現する装置である。
【0105】
このように、前段画像処理と後段画像処理とを、同一の画像形成装置Aにおいて実施することで、前段画像処理と後段画像処理とが適合し、良好な画質調整が可能となる。
【0106】
しかしながら、課題の項で説明したように、画像ファイリング機能にてハードディスク51に格納した画像データを、送受信部50より他の画像形成装置に送信して出力させたり(FAX送信したり)逆に、他の画像形成装置のハードディスクに格納されていた画像データを、送受信部50にて受信して、画像データ出力部42より印字出力することもある。
【0107】
このような場合、前段画像処理を施した画像形成装置と、後段画像処理を施す画像形成装置とが異なるため、前段画像処理と後段画像処理とが適合せず、画質が劣化するといった問題が生じる。
【0108】
これについては、第1入力インターフェイス部46より入力される画像データに対しても同様であり、後述するJPEG圧縮部48にて圧縮させて、ハードディスク51に格納するにあたり、必ずしも後段画像処理部41にて実施される段画像処理に適合する形になっているとは限らない。この場合も、既に施されている画像処理と後段画像処理とが適合せず、画質が劣化するといった問題が生じる。
【0109】
本実施形態の画像形成装置Aでは、このような問題に鑑み、以下の手段を講じている。
【0110】
図1(a)に、画像ファイリング機能にて、ハードディスク51に、カラーCCD39にて読み取った画像データを格納する処理部の構成を示す。
【0111】
図1(a)に示すように、前段画像処理部40とJPEG圧縮部48との間に、関連情報付加部63が備えられている。関連情報付加部63は、当該画像形成装置Aが備える前段画像処理部40が実施した前段画像処理の内容を、出力先の画像形成装置にて特定させ得る関連情報を付加するものである。
【0112】
関連情報付加部63が付加する関連情報としては、例えば、画像形成装置Aの機種名、或いは、前段画像処理部40を構成するASICのモジュール情報等である。関連情報付加部63は、図7に示すように、画像データの上部に付されるヘッダ情報内に関連情報を付加する。図7の例では、動作ジョブ、原稿台選択、カラーモード‥等のユーザ設定情報と共に、関連情報として、機種情報:機種名が付されている。
【0113】
JPEG圧縮部48では、このような関連情報が付加された画像データを、JPEG圧縮し、圧縮された画像データは、ハードディスク51に格納される。
【0114】
このように、本実施形態の画像形成装置Aでは、画像ファイリング機能が選択されている場合、カラーCCD39にて読み取られ、前段画像処理部40を経て、JPEG圧縮されてハードディスク51に格納される画像データには、前段画像処理部40が実施した前段画像処理の内容を、出力先の画像形成装置が特定することができるように、関連情報(例えば画像形成装置Aの機種名)が付加される。
【0115】
したがって、出力先の画像形成装置においては、この関連情報より、ファイル保存された画像データに施されている前段画像処理の内容を特定し、自身の備える後段画像処理部にて実施される後段画像処理と適合するように、画像変換処理を実施することで、画質調整された良好な出力画像を出力することができる。
【0116】
なお、図1(a)では、前段画像処理部40から出力された画像データを、ハードディスク51に格納する前に、関連情報を付加するようになっているが、ハードディスク51に格納された画像データを、送受信部50、或いはUSB機器接続部52より出力する場合に、関連情報を付加するようにしてもよい。
【0117】
一方、図1(b)に、画像形成装置Aが、送受信部50或いはUSB機器接続部52を介して、他の画像形成装置より、JPEG圧縮された画像データを受け取り、画像ファイリング機能にて、これをハードディスク51に格納する処理部の構成を示す。
【0118】
図1(b)に示すように、送受信部50或いはUSB機器接続部52より受け付けた圧縮された画像データに、関連情報が付加されているか否かを検出する関連情報検出部64に送られる。関連情報検出部64は、関連情報が付加されている場合は、関連情報を、画像変換処理選択部65に送ると共に、画像データをJPEG伸張部49に送る。画像変換処理選択部65は、出力元の画像形成装置の備える前段画像処理部の処理内容をもとに、適切な画像変換処理を選択する。
【0119】
画像変換処理選択部65が選択する、適切な画像変換処理とは、出力元の前段画像処理部による前段画像処理と、出力先(入力側)である当該画像形成装置Aが備える後段画像処理部41の後段画像処理との間の過不足を埋めるような処理であり、出力元による前段画像処理が実施された画像データを、当該画像形成装置A自身が備える前段画像処理部41にて前段画像処理が施されたものと同等にできる画像処理である。
【0120】
そして、本実施形態の画像形成装置Aにおいては、画像変換処理選択部65にて選択された画像変換処理を、中央処理装置44の制御の下、前段画像処理部40が実施するようになっている。前段画像処理部40にて、画像変換処理を実施させるにあたり、JPEG伸張部49が圧縮を解き、画像変換処理が施されたのち、再度、JPEG圧縮部48が圧縮し、これがハードディスク51に格納されることとなる。
【0121】
これにより、出力元の画像形成装置の前段画像処理と、当該画像形成装置Aの後段画像処理とが適合せず、そのまま、後段画像処理のみ施して出力した場合には、画質が劣化するといった場合でも、画質調整が的確になされた良質の画像を印字出力させることができる。
【0122】
なお、関連情報検出部64は、関連情報が付加されていない場合、或いはたとえ付加されていたとしても、画像変換処理選択部65にて適切な画像変換処理を選択できない場合、つまり、機種名は確認できても、対応する画像変換処理が設定されていない場合は、従来どおり、画像データをそのままハードディスク51に送り格納する。
【0123】
図8に、画像形成装置A(機種A)から、機種Bの画像形成装置へ出力した画像データに対する画像変換処理を示す。機種Bの画像形成装置も、上記画像形成装置Aと同様の、関連情報が付加されているか否かを検出し、付加されている場合は、出力元の画像形成装置の前段画像処理の内容を特定し、画像変換処理を選択し、前段画像処理部にて実施させる機能を有する。
【0124】
図面の左右に示すように、機種A、機種Bにおいては、入力された画像データに対し、前段画像処理を実施し、これをJPEG圧縮してハードディスクに格納する。ハードディスクに格納された画像データを印字出力する場合は、ハードディスクより画像ファイルを読み出し、JPEG伸張した後、後段画像処理を実施する。
【0125】
そして、図面中央部に示すように、機種Aの画像形成装置から、機種Bの画像形成装置へと出力された画像ファイルについては、ハードディスクに格納する前に、画像変換処理を実施する。つまり、機種Bの画像形成装置においては、受信した画像データをJPEG伸張し、機種Bの前段画像処理部にて画像変換処理を実施し、その後、JPEG圧縮してハードディスクに格納する。
【0126】
図9に、本実施形態の画像形成装置Aが備える画像変換処理選択部65が、出力元の画像形成装置より出力されてきた画像データのヘッダに付されている機種名より、適切な画像変換処理を選択する方法を示す。
【0127】
図9に示すように、画像形成装置Aは、機種B、C,Dの3種類の画像形成装置に対して、動作ジョブ(コピー、PUSH,FAX)、原稿台選択(OC,SPF)、カラーモード(フルカラー、グレー、モノクロ)の3つのユーザ設定情報の組み合わせにより、適切な画像変換処理を、テーブル表より選択する。
【0128】
例えば、画像データのヘッダ情報より、出力元の画像形成装置が機種Bであり、ユーザ設定情報が、動作ジョブ「コピー」、原稿台選択「SPF」、カラーモード「フルカラー」であれば、テーブル番号「4」の画像変換処理を前段画像処理部において実施する。
【0129】
なお、本実施形態では、関連情報を付加するものとして関連情報付加部63を設けたが、画像データのヘッダ情報に従前より含まれている何らかの情報にて、出力元の画像形成装置にて施されている前段画像処理の内容を特定できるのであれば、それをそのまま利用すればよい。
【0130】
次に、図10を用いて、画像形成装置Aにおける、画像ファイリング機能にて画像データを記憶し、出力する処理手順を説明する。図10は、原稿画像をスキャナ(カラーCCD39)にて読み取り、ファイリング機能によって画像データとしハードディスク51に記憶させ、他の画像形成装置に出力する場合の動作手順を示したフローチャートである。
【0131】
利用者により、画像ファイリング機能による原稿画像の保存(ファイル保存)が選択されると(S1)、原稿台(OC)、または、原稿自動搬送(SPF)に載置された読み取り原稿をスキャナで読み取り(S2)、図3で示すシェーディング補正、ガンマ処理などの前段画像処理が行われる(S4)。そして、前段画像処理が行われた当該画像形成装置Aの機種名や前段画像処理に用いられたASIC等の情報を、関連情報として画像データに付加、または関連付けを行い(S4)、画像データを圧縮したのち(S5)、ハードディスク51に保存する(S6)。
【0132】
その後、利用者の操作により、ハードディスク51に記憶されたファイル保存した画像データの出力が指定されると(S7)、選択された画像データは、関連情報と共に、送受信部50より、ネットワークを介して他の画像形成装置に出力される、或いは、USB機器接続部52を介して、USBメモリなどの記憶媒体に出力される(S8)。
【0133】
このように、前段画像処理までが施された、ファイル保存の画像データを出力する際に、前段画像処理の内容を出力先の画像形成装置にて特定することのできる関連情報を付加することにより、記憶された画像データが他の画像形成装置に移動された場合であっても、前段画像処理の処理内容を特定し、後段画像処理と適合するように画像変換処理を実施することで、解像度の高い画像データであっても再現性の良い画像出力が可能となる。
【0134】
次に、図11を用いて、図10で出力された、ファイル保存の画像データを入力させる側の画像形成装置の手順について説明を行う。
【0135】
出力先(入力側)の画像形成装置においては、送受信部やUSB機器接続部より、他の画像形成装置にて前段画像処理が施された、ファイル保存の画像データが入力されると(S10)、その画像ファイルの画像データに関連情報が付加されているか否かを検出する(S11)。関連情報が付加されている場合には、その情報から、当該画像データに施されている前段画像処理の内容を特定し、入力側の画像形成装置に適合するような画像変換処理を選択する(S12)。次いで、入力された画像データを伸張した後(S13)、前段画像処理部を用いて画像データの画像変換処理を行う(S14)。
【0136】
入力側の画像形成装置に適合するよう変換された画像データは、圧縮された後(S15)、ハードディスクに保存される。
【0137】
この後、利用者によって、入力側の画像形成装置において、印刷指示がなされると、後段画像処理を施した後に、印刷の処理が行われる。
【0138】
このように、他の機種の画像形成装置から入力された、他の機種にてファイル保存がなされた画像データであっても、入力側の機種に適合した前段画像処理を画像変換処理にて補足して、後段画像処理と適合させることができるので、再現性の良い画像出力が可能となる。
【0139】
また、本画像形成装置Aでは、第1入力インターフェイスより入力される画像入力装置からの画像データや、情報処理装置から送信される画像ファイルの画像データに対しても、ハードディスク51に格納する場合、或いはそのまま印字出力する場合に、画像データに付されている機種情報等から、当該画像データに既に施されている画像処理の内容を特定し、後段画像処理と適合するよう画像変換処理を実施してから、ハードディスク51に格納したり、印字出力するように構成されている。
【0140】
〔実施の形態2〕
本発明の他の実施形態について説明すれば、以下の通りである。
【0141】
なお、説明の便宜上、実施の形態1で用いた部材と同じ機能を有する部材には同じ符号を付して説明を省略する。
【0142】
実施の形態1の説明では、前段画像処理までが施された画像データを入力する側の画像形成装置が、出力自身の備える後段画像処理部による後段画像処理に適合するように、画像変換処理を実施するようになっている。
【0143】
これに対し、本実施形態の画像形成装置では、出力元の画像形成装置が、出力先(入力側)の画像形成装置の機種名等の関連情報をもとに、出力前に変換画像処理を行うものである。
【0144】
図12に示すように、ハードディスク51内にファイル保存されている画像データの出力が指示されると、出力先情報取得部66が出力先の機種情報など、出力先の画像形成装置における前段画像処理の内容を特定し得る情報を取得する。そして、画像変換処理選択部65が、出力先の備える後段画像処理部による後段画像処理と適合するように、画像変換処理を選択して、自身の備える前段画像処理部40にて画像変換処理を実施したのち、送受信部50、或いはUSB機器接続部52より出力する。
【0145】
出力先情報取得部66は、例えば、送受信部50より出力される場合は、出力先の画像形成装置のアドレス情報に、出力先の画像形成装置の機種情報を予め関連付けておくことで、出力先のアドレス情報より、出力先の画像形成装置の機種を特定することができる。
【0146】
また、USB機器接続部52よい画像データが取り出される場合は、出力先の画像形成装置の機種名などの、画像変換処理選択部65が画像変換処理を選択できる何らかの情報を、画面等を用いてユーザより入力させるようにしてもよい。
【0147】
画像変換処理選択部65は、実施の形態1と同様、出力先(入力側)の画像形成装置の後段画像処理と適合するように、すなわち、出力先の画像形成装置が備える前段画像処理部にて前段画像処理が施された場合と同等の処理状態となるように、必要な画像変換処理を選択する。
【0148】
なお、この場合も、出力先の画像形成装置の機種を特定できない場合や、選択できる画像変換処理が存在しない場合(対応できない場合)は、ハードディスク51から読み出された画像データは、JPEG伸張部49、前段画像処理部40、JPEG圧縮部48を通過することなく、そのまま送受信部50、或いはUSB機器接続部52へと送られる。
【0149】
次に、図13を用いて、本実施形態の画像形成装置における、ファイリング機能によってハードディスク51に格納した画像データを、他の画像形成装置に出力する場合の動作手順を示したフローチャートである。
【0150】
出力元の画像形成装置においては、送受信部50や、USB接続機器部52を介して、他の画像形成装置へと、前段画像処理まで施した、ファイル保存した画像データの出力が指示されると(S31)、出力先の機種情報等を取得をこころみ(S32)、所得できた場合は、その情報から、入力側の画像形成装置に適合するような画像変換処理を選択する(S33)。次いで、ハードディスク51から読み出した画像データを伸張した後(S34)、前段画像処理部40を用いて画像データの画像変換処理を行う(S35)。
【0151】
このようにして、入力側の画像形成装置に適合するよう変換された画像データは、圧縮された後(S36)、送受信部50或いはUSB機器接続部52より出力される(S37)。
【0152】
このように、前段画像処理までが施された画像データを他の画像形成装置へと出力する際に、出力先の画像形成装置の後段画像処理と適合するように予め画像変換処理を実施することで、前段画像処理を前段画像処理を施した画像形成装置と、後段画像処理を施した画像形成装置とが異なっていたとしても、画質調整された良好な出力画像を出力させることができる。
【0153】
最後に、上記した第1、第2の実施形態における画像形成装置の各ブロック、特に関連情報付加部63、関連情報検出部64、画像変換処理選択部65は、ハードウェアロジックによって構成してもよいし、次のようにCPUを用いてソフトウェアによって実現してもよい。
【0154】
すなわち、画像形成装置は、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU(central processing unit)、上記プログラムを記憶したROM(read only memory)、上記プログラムを展開するRAM(random access memory)、上記プログラムおよび各種データを記憶するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアである画像形成装置A、画像形成装置Bの制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、上記画像形成装置に供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
【0155】
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
【0156】
また、画像形成装置を通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークとしては、特に限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
【図面の簡単な説明】
【0157】
【図1】本発明の実施形態を示すものであり、(a)は、画像ファイリングした画像データを外部へ出力する出力処理部の構成を示し、(b)は、他の画像形成装置にて画像ファリングされていた画像データを入力する入力処理部の構成を示すブロック図である。
【図2】上記画像形成装置の要部構成を示す縦断面図である。
【図3】上記画像形成装置におけるカラー画像情報の画像処理系の構成およびその機能を説明するブロック図である。
【図4】上記画像形成装置における、カラーCCDにて読み取った画像データを、ハードディスクに記憶させる画像ファイリング機能の手順を示す説明図である。
【図5】上記画像形成装置におけるJPEG圧縮部の構成を示す説明図である。
【図6】上記画像形成装置における、ハードディスクに記憶されている画像データを、後段画像処理して印字出力する手順を示す説明図である。
【図7】上記画像形成装置から、外部へ出力される画像ファイリングした画像データのヘッダ情報の内容を示す説明図である。
【図8】2台の画像形成装置における、画像データをファイリングし、印字出力するまでの処理手順と、2台の画像形成装置間で、ファイリングした画像データを移動させた場合の処理手順を示す説明図である。
【図9】上記画像形成装置が、外部より入力された、ファイル保存された画像データのヘッダ情報に付されている機種名から、適切な画像変換処理を選択する手法を示す説明図である。
【図10】上記画像形成装置における、ファイル保存された画像データを、外部に出力する際の処理手順を示すフローチャートである。
【図11】上記画像形成装置における、ファイル保存された画像データを、外部より受け入れる際の処理手順を示すフローチャートである。
【図12】本発明のその他の実施形態を示すものであり、他の画像形成装置にファイル保存した画像データを出力する出力処理部の構成を示すブロック図である。
【図13】上記画像形成装置における、ファイル保存された画像データを、外部に出力する際の処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0158】
A 画像形成装置
40 前段画像処理部
41 後段画像処理部
50 送受信部(入力部、出力部)
51 ハードディスク(記憶部)
52 USB機器接続部(入力部、出力部)
63 関連情報付加部
64 関連情報検出部
65 画像変換処理選択部
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像データを記憶装置に記憶して保存するファイリング機能を有する画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
デジタル複合機等の画像形成装置においては、スキャン機能を用いて読み取った画像を、記録紙に印字出力するコピー機能だけでなく、読み取った画像データを画像形成装置が備えるハードディスク等の記憶装置に記憶しておく画像ファイリング機能を有するものもある。
【0003】
このような画像ファイリング機能を利用することで、読み取った画像を、他の画像形成装置に送信して出力させたり、メールに添付して送信したり(スキャンtoメール機能)、FAX送信したり(スキャンtoFAX機能)たりといった、種々の対応ができる。
【0004】
また、画像形成装置には、通信携帯端末や、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ等の画像入力装置からの画像データを受け入れる通信インターフェイスを備え、該通信インターフェイスを介して入力された画像データを、上記記憶装置に記憶することができるものもある。
【0005】
ところで、従来から画像形成装置においては、良好な画像を印字出力できるように、入力された画像データに対して一連の画像処理を施すようになっている。コピー機能のみを有する画像形成装置の場合、このような一連の画像処理を分けることなく一貫して行う。これに対し、上記した画像ファイリング機能を備えた画像形成装置においては、前段画像処理と後段画像処理との2段階に分けて行うようになっている。記憶装置には、前段画像処理まで施したものを格納する。
【0006】
前段画像処理には、シェーディング補正やγ補正等の画像処理が含まれる。画像データの種々ある使い方に合わせて、その後、種々図対応させ易い状態にまで画像処理される。
【0007】
一方、後段画像処理(後段の画像処理)には、色補正や、黒生成/下色除去処理等の画像処理が含まれ、自身の備える画像形成部にて良好に印字出力できるような処理は、後段画像処理として実施される。
【0008】
画像形成装置においては、前段画像処理と後段画像処理とが実施されることで、入力画像データの画像が良好な状態で印字出力されることとなる。
【0009】
特許文献1には、画像データを送信する画像形成装置と受信する画像形成装置の能力の組み合わせによって生じる印刷設定の制限を無くす内容が示されている。これによれば、送信先の画像形成装置が、画像編集機能や電子ソート機能をもたない場合、送信元の画像形成装置において、画像編集やページ順変更を行ってから画像データを出力する。これにより、たとえ送信先の画像形成装置が2in1機能を具備しなくとも2in1画像を出力させることができ、また、電子ソート機能を具備しなくとも、ソート処理された印刷物を出力させることができる。
【特許文献1】特開2005−144970号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、上記従来の画像形成装置においては、以下のような問題がある。
【0011】
即ち、画像ファイリング機能にて記憶装置に記憶された画像データ(ファイル保存された画像データ)を、他の画像形成装置に出力して(移動させて)印字出力させたり、FAX送信したりした場合に、出力元の画像形成装置で行った前段画像処理と、出力先の画像形成装置で行った後段画像処理とが適合せず、画質が劣化するといった問題が発生する。
【0012】
このような問題は、前段画像処理を標準化し、全ての画像形成装置において同じ画像処理が行われるようにすることで解決できる。しかしながら、高性能機種と低価格機種とに、同等の前段画像処理部を備えさせておくことは、コスト面から考えて現実的ではない。そのため、画像形成装置の機種の違いによって、前段画像処理の内容が異なるのが現状である。
【0013】
上記した特許文献1には、画質調整のための画像処理を完了した画像データに対して、画像編集やページ順変更等のさらなる処理を実施するにあたり、出力元の画像形成装置と出力先の画像形成装置とで処理を分けて行うことが記載されているに過ぎず、画質調整のための画像処理を、異なる装置間で分けて行う点については何ら記載されておらず、上記問題を解決し得るものではない。
【0014】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、画質調整のための画像処理を、異なる画像形成装置間で分けて行う場合においても、良好な画像を出力することのできる画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明に係る第1の画像形成装置は、上記課題を解決するために、入力された画像データを適切な画質にて出力するために行う一連の画像処理を、前段画像処理と後段画像処理とに分けて行い、入力された画像データを記憶部に格納する画像ファイリング機能においては、前段画像処理までが施された画像データを記憶部に格納する画像形成装置において、前段画像処理までが施された画像データを取り込む入力部と、前記入力部より入力された画像データに対し、当該画像データに付加されている、出力先の画像形成装置にて出力元の画像形成装置の前段画像処理の内容を特定させ得る関連情報をもとに、当該画像形成装置にて実施される後段画像処理と適合するように画像変換処理を実施する画像変換手段とを備えることを特徴としている。
【0016】
上記構成によれば、入力部より入力さされた前段画像処理までが施された画像データに対し、画像変換手段が、当該画像データに付加されている、出力先の画像形成装置にて出力元の画像形成装置の前段画像処理の内容を特定させ得る関連情報をもとに、当該画像形成装置にて実施される後段画像処理と適合するように画像変換処理を実施する。
【0017】
これにより、画像データに対して、前段画像処理を施した画像形成装置と、後段画像処理を施した画像形成装置とが異なっていたとしても、画質調整された良好な出力画像を出力させることができる。
【0018】
上記関連情報としては、例えば、出力元の画像形成装置の機種情報、或いは出力元の画像形成装置が備える前段画像処理を行う画像処理部のモジュール情報がある。
【0019】
本発明に係る第2の画像形成装置は、上記課題を解決するために、入力された画像データを適切な画質にて出力するために行う一連の画像処理を、前段画像処理と後段画像処理とに分けて行い、入力された画像データを記憶部に格納する画像ファイリング機能においては、前段画像処理までが施された画像データを記憶部に格納する画像形成装置において、前記記憶部に記憶された画像データを外部へ出力する出力部と、前記記憶部に記憶される画像データに対し、出力先の画像形成装置にて出力元の画像形成装置の前段画像処理の内容を特定させ得る関連情報を付加する関連情報付加手段とを備えることを特徴としている。
【0020】
上記構成では、関連情報付加手段が、記憶部に記憶される画像データに対し、出力先の画像形成装置にて出力元の画像形成装置の前段画像処理の内容を特定させ得る関連情報を付加する。つまり、前段画像処理が施された画像データは、前段画像処理の内容を特定し得る関連情報と共に記憶部に格納されることとなる。
【0021】
したがって、出力先の画像形成装置が、例えば前記した本発明に係る第1の画像形成装置であれば、画像データに付加されている関連情報より、出力先の画像形成装置にて施されている前段画像処理の内容を特定して、後段画像処理部にて実施される後段画像処理と適合するように画像変換処理を実施することができる。
【0022】
これにより、画像データに対して、前段画像処理を施した画像形成装置と、後段画像処理を施した画像形成装置とが異なっていたとしても、画質調整された良好な出力画像を出力させることができる。
【0023】
本発明に係る第3の画像形成装置は、上記課題を解決するために、入力された画像データを適切な画質にて出力するために行う一連の画像処理を、前段画像処理と後段画像処理とに分けて行い、入力された画像データを記憶部に格納する画像ファイリング機能においては、前段画像処理までが施された画像データを記憶部に格納する画像形成装置において、前記記憶部に記憶された画像データを外部へ出力する出力部と、前記出力部より出力される画像データに対し、出力先の画像形成装置の前段画像処理の内容を元に、出力先の画像形成装置にて実施される後段画像処理と適合するように画像変換処理を実施する画像変換手段とを備えることを特徴としている。
【0024】
上記構成によれば、画像変換手段が、出力部より出力される画像データに対し、出力先の画像形成装置の前段画像処理の内容を元に、出力先の画像形成装置にて実施される後段画像処理と適合するように画像変換処理を実施する。
【0025】
これにより、画像データに対して、前段画像処理を施した画像形成装置と、後段画像処理を施した画像形成装置とが異なっていたとしても、画質調整された良好な出力画像を出力させることができる。
【0026】
また、本発明に係る第1、第3の画像形成装置においては、さらに、前記画像変換手段は、前段画像処理を施す画像処理部を用いて画像変換処理を実施する構成とすることもできる。
【0027】
画像変換処理を実施するために、画像処理部を別途設けることは可能であるが、画像処理部を別途に設けるので、コスト高が否めない。また、後段画像処理を施す画像処理部を用いて行うことも可能ではあるが、前段画像処理を施す画像処理部にて実施するよりも、必要なデータ数も増え、開発コストも高くなる。前段画像処理を施す画像処理部にて実施することで、最も効率良く処理を実施できる。
【0028】
本発明の第1の画像形成装置においては、さらに、画像ファイリング機能においては、画像入力装置或いは情報処理装置からの画像データも記憶部に格納可能になっており、
前記画像変換手段は、画像入力装置或いは情報処理装置から入力される画像データに対しても、当該画像データに付加されている、画像入力装置或いは情報処理装置において施された画像処理の内容を出力先の画像形成装置にて特定させ得る関連情報をもとに、後段画像処理と適合するように画像変換処理を実施する構成である。
【0029】
上記構成によれば、他の画像形成装置より入力された画像データだけでなく、通信携帯端末や、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ等の画像入力装置からの画像データを画像形成する場合にも、画像変換手段が、画像データに付加されている当該画像データに施されている画像処理の内容を示す関連情報をもとに、後段画像処理と適合するように補足の画像変換処理を実施するようになっている。
【0030】
したがって、他の画像形成装置より入力される画像データだけでなく、画像入力装置より入力された画像データについても、画質調整された良好な出力画像を出力させることができる。
【0031】
本発明に係る画像入力装置は、上記課題を解決するために、取り込んだ画像に対し、画像処理を実施したのち、出力部より画像形成装置へ出力する画像入力装置において、前記出力部より出力される画像データに対して、施されている画像処理の内容を出力先の画像形成装置にて特定させ得る関連情報を付加する関連情報付加手段を備えることを特徴としている。
【0032】
上記構成によれば、画像入力装置においても、関連情報付加手段が、画像データに対し画像処理の内容を出力先の画像形成装置にて特定させ得る関連情報を付加するようになっている。
【0033】
したがって、上記した本発明に係る第1の画像形成装置を出力先とすることで、画質調整された良好な出力画像を出力させることができる。
【0034】
さらに、上記画像形成装置における上記関連情報付加手段、画像変換手段は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを、上記各手段として動作させるプログラム、及びそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に含まれる。
【発明の効果】
【0035】
以上のように、本発明は、入力された画像データを適切な画質にて出力するために行う一連の画像処理を、前段画像処理と後段画像処理とに分けて行い、入力された画像データを記憶部に格納する画像ファイリング機能においては、前段画像処理までが施された画像データを記憶部に格納する画像形成装置において、前段画像処理を行う画像形成装置と後段画像処理を行う画像形成装置が異なるような状況になる場合には、前段画像処理の内容を示す関連情報を画像データに付加し、出力先の後段画像処理を行う画像形成装置で、後段画像処理と適合するように画像変換処理を実施する、或いは、出力元の画像形成装置において、出力先の画像形成装置の後段画像処理と適合するように、予め画像変換処理を実施してから出力するというものである。
【0036】
これにより、画像データに対して、前段画像処理を施した画像形成装置と、後段画像処理を施した画像形成装置とが異なっていたとしても、画質調整された良好な出力画像を出力させることができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
〔実施の形態1〕
本発明の実施の一形態について、図1ないし図11に基づいて説明すると以下の通りである。
【0038】
まず、図2を用いて、本実施の形態に係る画像形成装置の概略構成について説明する。図2は、本実施形態に係る画像形成装置Aの概略構成を示す縦断面図である。
【0039】
画像形成装置Aは、デジタルカラー複合機であり、外部(例えばパーソナルコンピュータ等の端末機器)から伝達された画像データに応じて、所定のシート(記録用紙)に対して多色(フルカラー)画像や単色(モノクロ)画像を形成するものである。そして、図示するように、画像形成装置Aは、露光ユニット1、現像装置2(2a〜2d)、像担持体としての感光体ドラム3(3a〜3d)、帯電器5(5a〜5d)、クリーナユニット4(4a〜4d)、中間転写ベルトユニット8、定着装置12、用紙搬送路S、給紙カセット10、排紙トレイ15等を備えて構成されている。
【0040】
画像形成装置Aにおいて扱われる画像データは、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色を用いたカラー画像に応じたものである。従って、現像装置2(2a〜2d)、感光体ドラム3(3a〜3d)、帯電器5(5a〜5d)、クリーナユニット4(4a〜4d)は、各色に応じた4種類の潜像を形成するようにそれぞれ4個ずつ設けられている。図2では、それぞれaがブラックに、bがシアンに、cがマゼンタに、dがイエローに設定され、4つの画像ステーション(画像形成部)を構成している。
【0041】
感光体ドラム3は、画像形成装置Aの上部に配置(装着)され、露光ユニット1からのレーザ光の照射によって画像データに応じた静電潜像が形成される。帯電器5は、感光体ドラム3の表面(感光体層)を所定の電位に均一に帯電させるための帯電手段であり、図2に示すように、接触タイプのローラ型やブラシ型の帯電器のほか、チャージャー型の帯電器が用いられることもある。
【0042】
露光ユニット1は、帯電された感光体ドラム3を、入力された画像データに応じて露光することにより、感光体ドラム3表面に、画像データに応じた静電潜像を形成するものである。露光ユニット1は、色毎に設けられる。図2には、レーザ照射部と複数枚の反射ミラーよりなるレーザスキャニングユニット(LSU)よりなる露光ユニット1を例示しているが、発光素子をアレイ状に並べた例えばELやLED書込みヘッドを用いる手法もある。
【0043】
現像装置2はそれぞれの感光体ドラム3上に形成された静電潜像を各色(K、C、M、Y)のトナー(現像剤)により顕像化するものである。クリーナユニット4は、現像・画像転写後における感光体ドラム3上の表面に残留したトナーを、除去・回収するものである。
【0044】
感光体ドラム3の上方に配置されている中間転写ベルトユニット8は、中間転写ベルト7、中間転写ベルト駆動ローラ71、中間転写ベルトテンション機構73、中間転写ベルト従動ローラ72、1次転写ローラとしての中間転写ローラ6(6a〜6d)、および中間転写ベルトクリーニングユニット9を備えている。
【0045】
中間転写ベルト駆動ローラ71、中間転写ベルトテンション機構73、中間転写ローラ6、中間転写ベルト従動ローラ72は、中間転写ベルト7が架け渡され、中間転写ベルト駆動ローラ71の回転駆動に伴って中間転写ベルト7を矢印B方向に走行させるものである。
【0046】
中間転写ベルト7は、それぞれの感光体ドラム3に接触可能に設けられている。そして、感光体ドラム3に形成された各色のトナー像を中間転写ベルト7に順次重ねて転写することによって、中間転写ベルト7上にカラーのトナー像(多色トナーの合成像)が形成されるようになっている。
【0047】
感光体ドラム3から中間転写ベルト7へのトナー像の転写は、中間転写ベルト7の裏側(内面側)に接触している中間転写ローラ6によって行われる。つまり、中間転写ローラ6には、トナー像を転写するために高電圧の転写バイアス(トナーの帯電極性(−)とは逆極性(+)の高電圧)が印加されている。図2に示すローラ形状のもの以外に、ブラシなども用いることが可能である。
【0048】
上述のように各感光体ドラム3a〜3d上で各色相に応じて顕像化されたトナー像は中間転写ベルト7上で積層され、装置に入力された画像データに応じた画像となる。このように、積層された画像(多色トナーの合成像)は、中間転写ベルト7の走行によって、後述の用紙と中間転写ベルト7との接触位置に配置される転写ユニットを構成する転写ローラ11によって用紙上に転写される。
【0049】
また、感光体ドラム3との接触により中間転写ベルト7に付着したトナー、若しくは、転写ローラ11によって用紙上に転写が行われず中間転写ベルト7上に残存したトナーは、次工程でトナーの混色を発生させる原因となるために、中間転写ベルトクリーニングユニット9によって除去・回収される。
【0050】
給紙カセット10は、画像形成に使用するシート(記録用紙)を収容しておくためのカセットであり、画像形成装置Aの最下部、つまり露光ユニット1の下側に設けられている。画像形成装置Aの上部に設けられている排紙トレイ15は、印刷済みのシートをフェイスダウンで載置するためのトレイである。画像形成装置Aの本体に突出して設けられているのは、手差しトレイ20である。
【0051】
そして、画像形成装置Aには、給紙カセット10、或いは手差しトレイ20のシートを転写ローラ11や定着装置12を経由させて排紙トレイ15に送るための用紙搬送路Sが設けられている。この用紙搬送路Sは、給紙カセット10の排紙部から排紙トレイ15に向けて略鉛直方向に延びている。さらに、給紙カセット10から排紙トレイ15までの用紙搬送路Sには、ピックアップローラ16(16−1),レジストローラ14、転写ローラ11、定着装置12、シートを搬送する搬送ローラ25(25−1,25−2,25−3)等が配設されている。
【0052】
搬送ローラ25は、シートの搬送を促進・補助するための小型のローラであり、用紙搬送路Sに沿って複数設けられている。ピックアップローラ16は、給紙カセット10の端部に備えられ、給紙カセット10から、シートを1枚ずつ用紙搬送路Sに供給する呼び込みローラである。
【0053】
また、レジストローラ14は、用紙搬送路Sを搬送されているシートを一旦保持するものである。そして、中間転写ベルト7上のトナー像の先端とシートの先端を合わせるタイミングでシートを転写部(転写ローラ11と中間転写ベルト駆動ローラ71との間のニップ部)に搬送する機能を有している。
【0054】
定着装置12は、ヒートローラ31,加圧ローラ32等を備えており、これらヒートロ
ーラ31及び加圧ローラ32は、シートを挟んで回転するようになっている。また、ヒートローラ31は、図示しない温度検出器からの信号に基づいて制御部によって所定の定着温度となるように設定されており、加圧ローラ32とともにシートを熱圧着することにより、シートに転写された多色トナー像を溶融・混合・圧接し、シートに対して熱定着させる機能を有している。
【0055】
なお、多色トナー像の定着後のシートは、搬送ローラ25…によって用紙搬送路Sを搬送され、多色トナー像を下側に向けて排紙トレイ15上に排出されるようになっている。
【0056】
次に、図3を用いて、画像形成装置Aに搭載されているカラー画像情報の画像処理系の構成および機能を説明する。
【0057】
図3は、画像形成装置Aに含まれている画像処理系のブロック構成図である。
【0058】
上記画像処理系は、カラーCCD39、前段画像処理部40、後段画像処理部41、ハードディスク装置もしくはRAM(ランダムアクセスメモリ)等から構成される画像メモリ43、画像データ出力部42、中央処理装置(CPU)44、画像編集部45、第1、第2の入力インターフェイス部46,47、JPEG圧縮部48、JPEG伸張部49、送受信部50、ハードディスク51、USB機器接続部52等から構成されている。
【0059】
カラーCCD39は、3ラインのカラーCCDであり、白黒原稿あるいはカラー原稿画像を読み取り、RGBの色成分に色分解したラインデータを出力する。
【0060】
前段画像処理部40は、シェーディング補正回路40b、ライン合わせ部40c、センサ色補正部40d、MTF補正部40e、γ補正部40fなどから成る。
【0061】
シェーディング補正部40bは、カラーCCD39にて読み取られたラインデータのライン画像レベルを補正する。ライン合わせ部40cは、ラインバッファなどからなり、3ラインのカラーCCD39にて読み取られた画像ラインデータのずれを補正する。センサ色補正部40dは、カラーCCD39から出力される各色のラインデータの色データを補正する。MTF補正部40eは、各画素の信号の変化にめりはりを持たせるよう補正する。γ補正部40fは、画像の明暗を補正して視感度補正を行う。
【0062】
なお、詳細については後述するが、中央処理装置(CPU)44は、他の画像形成装置にて前段画像処理が施された画像データを、送受信部50を介して受け入れ、自身の備えるハードディスク51に格納する(画像ファイリングする)場合、この前段画像処理部40を用いて、画像変換処理(ファイル変換処理)を実施するようになっている。
【0063】
後段画像処理部41は、モノクロデータ生成部41a、入力処理部41b、領域分離部41c、黒生成部41d、色補正回路41e、ズーム処理回路41f、空間フィルタ41g、中間調処理部41hなどから成る。
【0064】
モノクロデータ生成部41aは、前段画像処理部40から入力されるカラー画像信号であるRGB信号よりモノクロデータを生成する。入力処理部41bは、RGB信号を、Y、M、Cの各画像ステーション(画像形成部)に対応したYMC信号に変換し、またクロック変換する。領域分離部41cは、入力された画像データが文字部なのか網点写真なのか印画紙写真なのかをそれぞれを分離する。黒生成部41dは、入力処理部41aから出力されるYMC信号に基づいて下色除去処理を行い、Kの画像ステーション(画像形成部)に対応したK信号を生成する(黒生成)。
【0065】
色補正回路41eは、各色変換テーブルに基づいてカラー画像信号の各色を調整する。ズーム処理回路41f及び空間フィルタ41gは、設定されている倍率に基づいて入力された画像情報を倍率変換する。中間調処理部41hは、多値誤差拡散や多値ディザなどの階調性を表現する。
【0066】
後段画像処理部41の中間調処理部41hより出力される、中間調処理された各色画像データは、画像データ出力部42へ送られる前に、画像メモリ43に一旦貯えられる。
【0067】
画像メモリ43は、後段画像処理部41からシリアル出力される8ビット4色(32ビット)の画像データを順次受け取り、バッファに一時的に貯えながら32ビットのデータから8ビット4色の画像データに変換して色毎の画像データとして記憶管理する4基のハードディスク(回転記憶媒体)43a,43b,43c,43dからなる。
【0068】
また、半導体メモリよりなる遅延バッファメモリ43eを備えており、各色画像データを一旦記憶させ、時間をずらして、各LSUに画像データを送るようになっている。これにより、各画像ステーションの位置が異なることによる色ずれを、送りタイミングの調整にて防ぐことができる。さらに、画像メモリ43には、複数の画像の合成を行うための画像合成メモリ(図示せず)も含まれている。
【0069】
画像データ出力部42は、中間調処理部41hからの各色画像データに基づいてパルス幅変調を行うレーザコントロールユニット42a、レーザコントロールユニット42aから出力される各色の画像信号に応じたパルス幅変調信号に基づいてレーザ記録を行う各色のLSU42b,42c,42d,42eからなる。
【0070】
中央処理装置(CPU)44は、カラーCCD39、前段画像処理部40、後段画像処理部41、画像メモリ43、画像データ出力部42、画像編集部45、第1、第2の入力インターフェイス部46,47、JPEG圧縮部48、JPEG伸張部49、送受信部50、ハードディスク51を、USB機器接続部52等を、所定のシーケンスに基づいてコントロールするものである。
【0071】
また、一旦画像メモリ43に記憶された画像データに対して、所定の画像編集を施すためのものであり、画像データの編集作業は、画像合成用メモリを用いて行われる。
【0072】
第1入力インターフェイス部46は、通信携帯端末や、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ等の画像入力装置にて撮像された画像データ(RGB信号)を受け入れるための通信インターフェイス手段である。
【0073】
第2入力インターフェイス部47は、外部の情報処理装置により作成された画像データを入力するプリンタインタフェースであり、またFAX受信した画像データを受け入れるための白黒またはカラーFAXインターフェイスである。
【0074】
第2入力インターフェイス部47から入力される画像データは、すでにCMYK信号であるので、一旦、中間調処理41hを施して画像メモリ43のハードディスク43b,43c,43d,43eに記憶管理されることとなる。
【0075】
一方、第1入力インターフェイス部46から入力される画像データは、RGB信号であるので、後段画像処理部41に入力して色空間補正などを行うことで画像形成装置Aの画像形成ステーションで取扱うことのできるデータレベルに変換された後、ハードディスク43b,43c,43d,43eに記憶管理されることとなる。
【0076】
また、本画像形成装置Aにおいては、第1入力インターフェイス部46から入力される画像データに対しても、後述するJPEG圧縮部48にて圧縮させたのち、ハードディスク51に格納すること(画像ファイリング)ができるようになっている。
【0077】
JPEG圧縮部48は、前段画像処理部40から出力されるRGB信号の画像データを、必要に応じてJPEG圧縮してJPEGコードに変換するものであり、JPEG圧縮された画像データは、ハードディスク51に送られる。
【0078】
ハードディスク51は、画像ファイリング機能に用いられるファイル保存用の記憶部であり、JPEG圧縮された画像データを記憶するものである。
【0079】
送受信部(出力部)50は、ネットワークを介して、ファイル保存用のハードディスク51に記憶されたファイル保存された画像データを、他の画像形成装置へ送信することを可能にするものである。また、送受信部50は、他の画像形成装置にてファイル保存された画像データを、ネットワークを介して受信して、ハードディスク51に記憶することを可能にするものでもある。
【0080】
USB機器接続部(出力部)52は、USBメモリとハードディスク51との接続を可能とするものである。これにより、ファイル保存された、ハードディスク51内の画像データを、USBメモリを介して他の画像形成装置へ出力させたり、USBメモリを介して他の画像形成装置にてファイル保存された画像データを、自身のハードディスク51に記憶させたりすることができる。
【0081】
そして、本実施の形態においては、他の画像形成装置より、送受信部50、或いはUSB機器接続部52を介して受け入れた画像データに対しては、画像変換処理が可能であれば、前段画像処理部40にて、後段画像処理に適合するように画像変換処理を行ったのち、ハードディスク51に記憶させるようになっている。
【0082】
JPEG伸張部49は、JPEG圧縮されている画像データを伸張してRGB信号に変換するものである。
【0083】
なお、送受信部50或いはUSB機器接続部52を介して他の画像形成装置より入力され、ハードディスク51に記憶された画像データも、画像データ出力部42にて画像出力させる場合は、JPEG伸張部49にてRGB信号に変換された後、一旦、後段画像処理部41に入力して色空間補正などを行うことで画像形成装置Aの画像形成ステーションで取扱うことのできるデータレベルに変換してハードディスク43b,43c,43d,43eに記憶管理されることとなる。
【0084】
次に、図4を用いて、カラーCCD39にて読み取った画像データを、ハードディスク51に格納する画像ファイリング機能の手順を説明する。
【0085】
図4に、前段画像処理部40における、RGB信号をJPEG圧縮するまでの各工程を簡略化して示す。図4に示すように、カラーCCD39から出力されたRGB信号は、前段画像処理部40を経て、JPEG圧縮部48に送られる。
【0086】
前段画像処理部40は、アナログ信号をデジタル信号に変換するA/D(アナログ/デジタル)変換部40a(図3では省略)、シェーディング補正部40b、及び前述のライン合わせ部40c、センサ色補正部40d、MTF補正部40e、γ補正部40fなどから成る入力処理部40gを備えている。
【0087】
カラーCCD39では、原稿から反射してきた光を、RGBに色分解された電気信号(RGBアナログ信号)に変換して出力する。カラーCCD39より出力されたカラー画像信号(RGBアナログ信号)は、A/D変換部40aにてデジタル信号に変換され、シェーディング補正部40bにて、カラーCCD39の照明系、結像系、撮像系で生じる各種の歪みが取り除かれたのち、入力処理部40gにて、RGB信号のそれぞれに対して、ライアン合わせや、センサ色補正、MTF補正、γ補正などの処理が施される。前段画像処理部40で実施されるこれらの画像処理を、前段画像処理と称する。
【0088】
JPEG圧縮部48は、前段画像処理部4より送り込まれる前段画像処理が施されたRGB画像データを、予め設定されている量子化テーブル、サンプリング比を用いて符号化するものである。JPEG圧縮部48は、ページ単位にヘッダ情報を生成して、RGB画像データを、符号化データと合わせてJPEGコードとして出力する。
【0089】
図5に、JPEG圧縮部48の構成を示す。図5を用いて、JPEG圧縮部48の動作を説明する。なお、ここで施される処理はすべて標準的に定められたJPEG圧縮アルゴリズムに基づくものである。
【0090】
前段画像処理部40から引き渡されたRGB信号は、RGBtoYCbCr変換部48aにて輝度情報を表すY信号と色相情報を表すCb、Cr信号に変換される。次に、YCbCr信号はサンプリング部48bに引き渡され、所定のサンプリング比(例えば、4:4:4)に応じて色相信号の画素情報を間引く処理が施される。
【0091】
サンプリング部48bから出力されたYCbCr信号は、DCT(Discrete Cosine Transform)変換部48cに入力され、ブロック単位にDCT変換が施されて64段階の周波数成分に分解される。なお、ブロックの左上隅のデータがDC成分、残りの63個のデータがAC成分である。
【0092】
周波数成分に分解されたYCbCr信号は、量子化部48dに入力され、所定の量子化テーブルを用いてブロック単位に量子化処理が施される。なお、量子化テーブルは輝度信号用と色相信号用との2種類のテーブルを指定することができ、各テーブルは64個の整数値で表される。
【0093】
量子化されたYCbCr信号は、ハフマン符号化部48eに入力され、一列に並べ直されたのち、所定のハフマン符号テーブルに基づいて符号化処理が施される。なお、符号テーブルの値は特に制限するものではなく、一般的に広く用いられている値を用いるものとする。
【0094】
ハフマン符号化部から出力された符号データはヘッダー情報生成部48fに入力される。ここではページ単位にヘッダー情報が生成され、符号データの先頭にヘッダー情報が付加されることにより、JPEG画像の規格に準拠した形式のJPEGコードが出力される。なお、ヘッダー情報には画像の幅・高さや、圧縮時に用いた量子化テーブル、ハフマン符号化テーブル、サンプリング比などの情報が規定のマーカー記号で区分けされ記述される。
【0095】
なお、ここでの符号化処理には、標準的に定められたJPEG圧縮アルゴリズムが用いられ、付加されるヘッダー情報は標準的に定められたデータ形式のものである(標準的なヘッダー情報とは:画像の幅・高さ、量子化テーブル、ハフマン符号化テーブル、サンプリング比などが規定のマーカー記号で区分けされて順に記述されているものをいう)。
【0096】
このように圧縮処理が行われることで得られたJPEGコードは、インターフェイス46を介して、パーソナルコンピュータなどへ転送される。なお、本実施形態では、画像データの圧縮方法としてJPEG方式を用いているが、他の圧縮方法を用いても良い。
【0097】
なお、図4では、カラーCCD39にて読み取られた画像データが、JPEG圧縮部48を経てハードディスク51に格納されるまでの工程を例示しているが、ハードディスク51には、第1入力インターフェイス部46を介して入力される画像入力装置にて撮像された画像データ(RGB信号)や、パソコンから送信される画像ファイルの画像データ(RGB信号)を、JPEG圧縮部48を経て、格納することもできる(画像ファイリング)。
【0098】
次に、図6を用いて、ハードディスク51に記憶されている画像データを読み出して、後段画像処理部41にて後段画像処理を実施する手順を説明する。図6では、後段画像処理部41に含まれる、モノクロデータ生成部41aや入力処理部41b、ズーム処理41f等の記載を省略している。
【0099】
JPEG圧縮部48から出力されたJPEGコードは、ハードディスク51に引き渡される。そして一旦ハードディスク51に保存され、ファイル保存画像データとして管理される。
【0100】
画像形成装置A自身が備える画像データ出力部42にて画像出力する動作が指示された場合は、ハードディスクからJPEGコードが引き出され、JPEG伸張部49に引き渡される。
【0101】
JPEG伸張部49では、JPEGコードのヘッダ情報を解読して符号コードを復号化する処理などが施され、RGB信号の画像データに伸張される。なお、ここで施される処理はすべて標準的に定められたJPEG伸張アルゴリズムに基づくものである。
【0102】
圧縮が解かれた画像データは、後段画像処理部41における色補正部41eと領域分離部41cに送られる。色補正部41eでは、RGB信号の補色であるCMY(C:シアン・M:マゼンタ・Y:イエロー)信号が生成されると共に色再現性を高める処理が施される。そして黒生成/下色除去部41dにてCMYK(K:黒)4色信号に変換されたのち、空間フィルタ部41gにてCMYK信号に対して強調処理や平滑化処理がなされ、中間調生成部41hにて画像を出力するための階調再現処理がなされる。
【0103】
一方、領域分離処理部41cにおいては、入力画像データの各画素がどのような種類の領域に属するか、たとえば黒文字/色文字/網点などいずれの領域に属する画素であるのか判定を下す処理が施される。領域分離処理部41cより出力された領域分離信号はそれぞれ黒生成/下色除去部41d、空間フィルタ部41g、中間調生成部41hに引き渡され、各種領域に応じた適切な処理の切替えが行われる。
【0104】
そして、中間調処理部41hから出力されたCMYK信号は、画像メモリ43に一旦格納された後、前記した4つの画像形成ステーション(画像形成部)よりなる画像データ出力部42へ、しかるべきタイミングにて引き渡され、最終的な出力画像が形成される。なお、最終的な出力画像が形成される装置は、電子写真方式のプリンタやインクジェット方式プリンタ等の画像を再現する装置である。
【0105】
このように、前段画像処理と後段画像処理とを、同一の画像形成装置Aにおいて実施することで、前段画像処理と後段画像処理とが適合し、良好な画質調整が可能となる。
【0106】
しかしながら、課題の項で説明したように、画像ファイリング機能にてハードディスク51に格納した画像データを、送受信部50より他の画像形成装置に送信して出力させたり(FAX送信したり)逆に、他の画像形成装置のハードディスクに格納されていた画像データを、送受信部50にて受信して、画像データ出力部42より印字出力することもある。
【0107】
このような場合、前段画像処理を施した画像形成装置と、後段画像処理を施す画像形成装置とが異なるため、前段画像処理と後段画像処理とが適合せず、画質が劣化するといった問題が生じる。
【0108】
これについては、第1入力インターフェイス部46より入力される画像データに対しても同様であり、後述するJPEG圧縮部48にて圧縮させて、ハードディスク51に格納するにあたり、必ずしも後段画像処理部41にて実施される段画像処理に適合する形になっているとは限らない。この場合も、既に施されている画像処理と後段画像処理とが適合せず、画質が劣化するといった問題が生じる。
【0109】
本実施形態の画像形成装置Aでは、このような問題に鑑み、以下の手段を講じている。
【0110】
図1(a)に、画像ファイリング機能にて、ハードディスク51に、カラーCCD39にて読み取った画像データを格納する処理部の構成を示す。
【0111】
図1(a)に示すように、前段画像処理部40とJPEG圧縮部48との間に、関連情報付加部63が備えられている。関連情報付加部63は、当該画像形成装置Aが備える前段画像処理部40が実施した前段画像処理の内容を、出力先の画像形成装置にて特定させ得る関連情報を付加するものである。
【0112】
関連情報付加部63が付加する関連情報としては、例えば、画像形成装置Aの機種名、或いは、前段画像処理部40を構成するASICのモジュール情報等である。関連情報付加部63は、図7に示すように、画像データの上部に付されるヘッダ情報内に関連情報を付加する。図7の例では、動作ジョブ、原稿台選択、カラーモード‥等のユーザ設定情報と共に、関連情報として、機種情報:機種名が付されている。
【0113】
JPEG圧縮部48では、このような関連情報が付加された画像データを、JPEG圧縮し、圧縮された画像データは、ハードディスク51に格納される。
【0114】
このように、本実施形態の画像形成装置Aでは、画像ファイリング機能が選択されている場合、カラーCCD39にて読み取られ、前段画像処理部40を経て、JPEG圧縮されてハードディスク51に格納される画像データには、前段画像処理部40が実施した前段画像処理の内容を、出力先の画像形成装置が特定することができるように、関連情報(例えば画像形成装置Aの機種名)が付加される。
【0115】
したがって、出力先の画像形成装置においては、この関連情報より、ファイル保存された画像データに施されている前段画像処理の内容を特定し、自身の備える後段画像処理部にて実施される後段画像処理と適合するように、画像変換処理を実施することで、画質調整された良好な出力画像を出力することができる。
【0116】
なお、図1(a)では、前段画像処理部40から出力された画像データを、ハードディスク51に格納する前に、関連情報を付加するようになっているが、ハードディスク51に格納された画像データを、送受信部50、或いはUSB機器接続部52より出力する場合に、関連情報を付加するようにしてもよい。
【0117】
一方、図1(b)に、画像形成装置Aが、送受信部50或いはUSB機器接続部52を介して、他の画像形成装置より、JPEG圧縮された画像データを受け取り、画像ファイリング機能にて、これをハードディスク51に格納する処理部の構成を示す。
【0118】
図1(b)に示すように、送受信部50或いはUSB機器接続部52より受け付けた圧縮された画像データに、関連情報が付加されているか否かを検出する関連情報検出部64に送られる。関連情報検出部64は、関連情報が付加されている場合は、関連情報を、画像変換処理選択部65に送ると共に、画像データをJPEG伸張部49に送る。画像変換処理選択部65は、出力元の画像形成装置の備える前段画像処理部の処理内容をもとに、適切な画像変換処理を選択する。
【0119】
画像変換処理選択部65が選択する、適切な画像変換処理とは、出力元の前段画像処理部による前段画像処理と、出力先(入力側)である当該画像形成装置Aが備える後段画像処理部41の後段画像処理との間の過不足を埋めるような処理であり、出力元による前段画像処理が実施された画像データを、当該画像形成装置A自身が備える前段画像処理部41にて前段画像処理が施されたものと同等にできる画像処理である。
【0120】
そして、本実施形態の画像形成装置Aにおいては、画像変換処理選択部65にて選択された画像変換処理を、中央処理装置44の制御の下、前段画像処理部40が実施するようになっている。前段画像処理部40にて、画像変換処理を実施させるにあたり、JPEG伸張部49が圧縮を解き、画像変換処理が施されたのち、再度、JPEG圧縮部48が圧縮し、これがハードディスク51に格納されることとなる。
【0121】
これにより、出力元の画像形成装置の前段画像処理と、当該画像形成装置Aの後段画像処理とが適合せず、そのまま、後段画像処理のみ施して出力した場合には、画質が劣化するといった場合でも、画質調整が的確になされた良質の画像を印字出力させることができる。
【0122】
なお、関連情報検出部64は、関連情報が付加されていない場合、或いはたとえ付加されていたとしても、画像変換処理選択部65にて適切な画像変換処理を選択できない場合、つまり、機種名は確認できても、対応する画像変換処理が設定されていない場合は、従来どおり、画像データをそのままハードディスク51に送り格納する。
【0123】
図8に、画像形成装置A(機種A)から、機種Bの画像形成装置へ出力した画像データに対する画像変換処理を示す。機種Bの画像形成装置も、上記画像形成装置Aと同様の、関連情報が付加されているか否かを検出し、付加されている場合は、出力元の画像形成装置の前段画像処理の内容を特定し、画像変換処理を選択し、前段画像処理部にて実施させる機能を有する。
【0124】
図面の左右に示すように、機種A、機種Bにおいては、入力された画像データに対し、前段画像処理を実施し、これをJPEG圧縮してハードディスクに格納する。ハードディスクに格納された画像データを印字出力する場合は、ハードディスクより画像ファイルを読み出し、JPEG伸張した後、後段画像処理を実施する。
【0125】
そして、図面中央部に示すように、機種Aの画像形成装置から、機種Bの画像形成装置へと出力された画像ファイルについては、ハードディスクに格納する前に、画像変換処理を実施する。つまり、機種Bの画像形成装置においては、受信した画像データをJPEG伸張し、機種Bの前段画像処理部にて画像変換処理を実施し、その後、JPEG圧縮してハードディスクに格納する。
【0126】
図9に、本実施形態の画像形成装置Aが備える画像変換処理選択部65が、出力元の画像形成装置より出力されてきた画像データのヘッダに付されている機種名より、適切な画像変換処理を選択する方法を示す。
【0127】
図9に示すように、画像形成装置Aは、機種B、C,Dの3種類の画像形成装置に対して、動作ジョブ(コピー、PUSH,FAX)、原稿台選択(OC,SPF)、カラーモード(フルカラー、グレー、モノクロ)の3つのユーザ設定情報の組み合わせにより、適切な画像変換処理を、テーブル表より選択する。
【0128】
例えば、画像データのヘッダ情報より、出力元の画像形成装置が機種Bであり、ユーザ設定情報が、動作ジョブ「コピー」、原稿台選択「SPF」、カラーモード「フルカラー」であれば、テーブル番号「4」の画像変換処理を前段画像処理部において実施する。
【0129】
なお、本実施形態では、関連情報を付加するものとして関連情報付加部63を設けたが、画像データのヘッダ情報に従前より含まれている何らかの情報にて、出力元の画像形成装置にて施されている前段画像処理の内容を特定できるのであれば、それをそのまま利用すればよい。
【0130】
次に、図10を用いて、画像形成装置Aにおける、画像ファイリング機能にて画像データを記憶し、出力する処理手順を説明する。図10は、原稿画像をスキャナ(カラーCCD39)にて読み取り、ファイリング機能によって画像データとしハードディスク51に記憶させ、他の画像形成装置に出力する場合の動作手順を示したフローチャートである。
【0131】
利用者により、画像ファイリング機能による原稿画像の保存(ファイル保存)が選択されると(S1)、原稿台(OC)、または、原稿自動搬送(SPF)に載置された読み取り原稿をスキャナで読み取り(S2)、図3で示すシェーディング補正、ガンマ処理などの前段画像処理が行われる(S4)。そして、前段画像処理が行われた当該画像形成装置Aの機種名や前段画像処理に用いられたASIC等の情報を、関連情報として画像データに付加、または関連付けを行い(S4)、画像データを圧縮したのち(S5)、ハードディスク51に保存する(S6)。
【0132】
その後、利用者の操作により、ハードディスク51に記憶されたファイル保存した画像データの出力が指定されると(S7)、選択された画像データは、関連情報と共に、送受信部50より、ネットワークを介して他の画像形成装置に出力される、或いは、USB機器接続部52を介して、USBメモリなどの記憶媒体に出力される(S8)。
【0133】
このように、前段画像処理までが施された、ファイル保存の画像データを出力する際に、前段画像処理の内容を出力先の画像形成装置にて特定することのできる関連情報を付加することにより、記憶された画像データが他の画像形成装置に移動された場合であっても、前段画像処理の処理内容を特定し、後段画像処理と適合するように画像変換処理を実施することで、解像度の高い画像データであっても再現性の良い画像出力が可能となる。
【0134】
次に、図11を用いて、図10で出力された、ファイル保存の画像データを入力させる側の画像形成装置の手順について説明を行う。
【0135】
出力先(入力側)の画像形成装置においては、送受信部やUSB機器接続部より、他の画像形成装置にて前段画像処理が施された、ファイル保存の画像データが入力されると(S10)、その画像ファイルの画像データに関連情報が付加されているか否かを検出する(S11)。関連情報が付加されている場合には、その情報から、当該画像データに施されている前段画像処理の内容を特定し、入力側の画像形成装置に適合するような画像変換処理を選択する(S12)。次いで、入力された画像データを伸張した後(S13)、前段画像処理部を用いて画像データの画像変換処理を行う(S14)。
【0136】
入力側の画像形成装置に適合するよう変換された画像データは、圧縮された後(S15)、ハードディスクに保存される。
【0137】
この後、利用者によって、入力側の画像形成装置において、印刷指示がなされると、後段画像処理を施した後に、印刷の処理が行われる。
【0138】
このように、他の機種の画像形成装置から入力された、他の機種にてファイル保存がなされた画像データであっても、入力側の機種に適合した前段画像処理を画像変換処理にて補足して、後段画像処理と適合させることができるので、再現性の良い画像出力が可能となる。
【0139】
また、本画像形成装置Aでは、第1入力インターフェイスより入力される画像入力装置からの画像データや、情報処理装置から送信される画像ファイルの画像データに対しても、ハードディスク51に格納する場合、或いはそのまま印字出力する場合に、画像データに付されている機種情報等から、当該画像データに既に施されている画像処理の内容を特定し、後段画像処理と適合するよう画像変換処理を実施してから、ハードディスク51に格納したり、印字出力するように構成されている。
【0140】
〔実施の形態2〕
本発明の他の実施形態について説明すれば、以下の通りである。
【0141】
なお、説明の便宜上、実施の形態1で用いた部材と同じ機能を有する部材には同じ符号を付して説明を省略する。
【0142】
実施の形態1の説明では、前段画像処理までが施された画像データを入力する側の画像形成装置が、出力自身の備える後段画像処理部による後段画像処理に適合するように、画像変換処理を実施するようになっている。
【0143】
これに対し、本実施形態の画像形成装置では、出力元の画像形成装置が、出力先(入力側)の画像形成装置の機種名等の関連情報をもとに、出力前に変換画像処理を行うものである。
【0144】
図12に示すように、ハードディスク51内にファイル保存されている画像データの出力が指示されると、出力先情報取得部66が出力先の機種情報など、出力先の画像形成装置における前段画像処理の内容を特定し得る情報を取得する。そして、画像変換処理選択部65が、出力先の備える後段画像処理部による後段画像処理と適合するように、画像変換処理を選択して、自身の備える前段画像処理部40にて画像変換処理を実施したのち、送受信部50、或いはUSB機器接続部52より出力する。
【0145】
出力先情報取得部66は、例えば、送受信部50より出力される場合は、出力先の画像形成装置のアドレス情報に、出力先の画像形成装置の機種情報を予め関連付けておくことで、出力先のアドレス情報より、出力先の画像形成装置の機種を特定することができる。
【0146】
また、USB機器接続部52よい画像データが取り出される場合は、出力先の画像形成装置の機種名などの、画像変換処理選択部65が画像変換処理を選択できる何らかの情報を、画面等を用いてユーザより入力させるようにしてもよい。
【0147】
画像変換処理選択部65は、実施の形態1と同様、出力先(入力側)の画像形成装置の後段画像処理と適合するように、すなわち、出力先の画像形成装置が備える前段画像処理部にて前段画像処理が施された場合と同等の処理状態となるように、必要な画像変換処理を選択する。
【0148】
なお、この場合も、出力先の画像形成装置の機種を特定できない場合や、選択できる画像変換処理が存在しない場合(対応できない場合)は、ハードディスク51から読み出された画像データは、JPEG伸張部49、前段画像処理部40、JPEG圧縮部48を通過することなく、そのまま送受信部50、或いはUSB機器接続部52へと送られる。
【0149】
次に、図13を用いて、本実施形態の画像形成装置における、ファイリング機能によってハードディスク51に格納した画像データを、他の画像形成装置に出力する場合の動作手順を示したフローチャートである。
【0150】
出力元の画像形成装置においては、送受信部50や、USB接続機器部52を介して、他の画像形成装置へと、前段画像処理まで施した、ファイル保存した画像データの出力が指示されると(S31)、出力先の機種情報等を取得をこころみ(S32)、所得できた場合は、その情報から、入力側の画像形成装置に適合するような画像変換処理を選択する(S33)。次いで、ハードディスク51から読み出した画像データを伸張した後(S34)、前段画像処理部40を用いて画像データの画像変換処理を行う(S35)。
【0151】
このようにして、入力側の画像形成装置に適合するよう変換された画像データは、圧縮された後(S36)、送受信部50或いはUSB機器接続部52より出力される(S37)。
【0152】
このように、前段画像処理までが施された画像データを他の画像形成装置へと出力する際に、出力先の画像形成装置の後段画像処理と適合するように予め画像変換処理を実施することで、前段画像処理を前段画像処理を施した画像形成装置と、後段画像処理を施した画像形成装置とが異なっていたとしても、画質調整された良好な出力画像を出力させることができる。
【0153】
最後に、上記した第1、第2の実施形態における画像形成装置の各ブロック、特に関連情報付加部63、関連情報検出部64、画像変換処理選択部65は、ハードウェアロジックによって構成してもよいし、次のようにCPUを用いてソフトウェアによって実現してもよい。
【0154】
すなわち、画像形成装置は、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU(central processing unit)、上記プログラムを記憶したROM(read only memory)、上記プログラムを展開するRAM(random access memory)、上記プログラムおよび各種データを記憶するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアである画像形成装置A、画像形成装置Bの制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、上記画像形成装置に供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
【0155】
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
【0156】
また、画像形成装置を通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークとしては、特に限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
【図面の簡単な説明】
【0157】
【図1】本発明の実施形態を示すものであり、(a)は、画像ファイリングした画像データを外部へ出力する出力処理部の構成を示し、(b)は、他の画像形成装置にて画像ファリングされていた画像データを入力する入力処理部の構成を示すブロック図である。
【図2】上記画像形成装置の要部構成を示す縦断面図である。
【図3】上記画像形成装置におけるカラー画像情報の画像処理系の構成およびその機能を説明するブロック図である。
【図4】上記画像形成装置における、カラーCCDにて読み取った画像データを、ハードディスクに記憶させる画像ファイリング機能の手順を示す説明図である。
【図5】上記画像形成装置におけるJPEG圧縮部の構成を示す説明図である。
【図6】上記画像形成装置における、ハードディスクに記憶されている画像データを、後段画像処理して印字出力する手順を示す説明図である。
【図7】上記画像形成装置から、外部へ出力される画像ファイリングした画像データのヘッダ情報の内容を示す説明図である。
【図8】2台の画像形成装置における、画像データをファイリングし、印字出力するまでの処理手順と、2台の画像形成装置間で、ファイリングした画像データを移動させた場合の処理手順を示す説明図である。
【図9】上記画像形成装置が、外部より入力された、ファイル保存された画像データのヘッダ情報に付されている機種名から、適切な画像変換処理を選択する手法を示す説明図である。
【図10】上記画像形成装置における、ファイル保存された画像データを、外部に出力する際の処理手順を示すフローチャートである。
【図11】上記画像形成装置における、ファイル保存された画像データを、外部より受け入れる際の処理手順を示すフローチャートである。
【図12】本発明のその他の実施形態を示すものであり、他の画像形成装置にファイル保存した画像データを出力する出力処理部の構成を示すブロック図である。
【図13】上記画像形成装置における、ファイル保存された画像データを、外部に出力する際の処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0158】
A 画像形成装置
40 前段画像処理部
41 後段画像処理部
50 送受信部(入力部、出力部)
51 ハードディスク(記憶部)
52 USB機器接続部(入力部、出力部)
63 関連情報付加部
64 関連情報検出部
65 画像変換処理選択部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力された画像データを適切な画質にて出力するために行う一連の画像処理を、前段画像処理と後段画像処理とに分けて行い、入力された画像データを記憶部に格納する画像ファイリング機能においては、前段画像処理までが施された画像データを記憶部に格納する画像形成装置において、
前段画像処理までが施された画像データを取り込む入力部と、
前記入力部より入力された画像データに対し、当該画像データに付加されている、出力先の画像形成装置にて出力元の画像形成装置の前段画像処理の内容を特定させ得る関連情報をもとに、当該画像形成装置にて実施される後段画像処理と適合するように画像変換処理を実施する画像変換手段とを備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
入力された画像データを適切な画質にて出力するために行う一連の画像処理を、前段画像処理と後段画像処理とに分けて行い、入力された画像データを記憶部に格納する画像ファイリング機能においては、前段画像処理までが施された画像データを記憶部に格納する画像形成装置において、
前記記憶部に記憶された画像データを外部へ出力する出力部と、
前記記憶部に記憶される画像データに対し、出力先の画像形成装置にて出力元の画像形成装置の前段画像処理の内容を特定させ得る関連情報を付加する関連情報付加手段とを備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
入力された画像データを適切な画質にて出力するために行う一連の画像処理を、前段画像処理と後段画像処理とに分けて行い、入力された画像データを記憶部に格納する画像ファイリング機能においては、前段画像処理までが施された画像データを記憶部に格納する画像形成装置において、
前記記憶部に記憶された画像データを外部へ出力する出力部と、
前記出力部より出力される画像データに対し、出力先の画像形成装置の前段画像処理の内容を元に、出力先の画像形成装置にて実施される後段画像処理と適合するように画像変換処理を実施する画像変換手段とを備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
前記画像変換手段は、前段画像処理を施す画像処理部を用いて画像変換処理を実施することを特徴とする請求項1又は3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記関連情報は、出力元の画像形成装置の機種情報、或いは出力元の画像形成装置が備える前段画像処理を行う画像処理部のモジュール情報であることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項6】
画像ファイリング機能においては、画像入力装置或いは情報処理装置からの画像データも記憶部に格納可能になっており、
前記画像変換手段は、画像入力装置或いは情報処理装置から入力される画像データに対しても、当該画像データに付加されている、画像入力装置或いは情報処理装置において施された画像処理の内容を出力先の画像形成装置にて特定させ得る関連情報をもとに、後段画像処理と適合するように画像変換処理を実施することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか1項に記載の画像形成装置の各手段としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
【請求項8】
請求項9に記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項1】
入力された画像データを適切な画質にて出力するために行う一連の画像処理を、前段画像処理と後段画像処理とに分けて行い、入力された画像データを記憶部に格納する画像ファイリング機能においては、前段画像処理までが施された画像データを記憶部に格納する画像形成装置において、
前段画像処理までが施された画像データを取り込む入力部と、
前記入力部より入力された画像データに対し、当該画像データに付加されている、出力先の画像形成装置にて出力元の画像形成装置の前段画像処理の内容を特定させ得る関連情報をもとに、当該画像形成装置にて実施される後段画像処理と適合するように画像変換処理を実施する画像変換手段とを備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
入力された画像データを適切な画質にて出力するために行う一連の画像処理を、前段画像処理と後段画像処理とに分けて行い、入力された画像データを記憶部に格納する画像ファイリング機能においては、前段画像処理までが施された画像データを記憶部に格納する画像形成装置において、
前記記憶部に記憶された画像データを外部へ出力する出力部と、
前記記憶部に記憶される画像データに対し、出力先の画像形成装置にて出力元の画像形成装置の前段画像処理の内容を特定させ得る関連情報を付加する関連情報付加手段とを備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
入力された画像データを適切な画質にて出力するために行う一連の画像処理を、前段画像処理と後段画像処理とに分けて行い、入力された画像データを記憶部に格納する画像ファイリング機能においては、前段画像処理までが施された画像データを記憶部に格納する画像形成装置において、
前記記憶部に記憶された画像データを外部へ出力する出力部と、
前記出力部より出力される画像データに対し、出力先の画像形成装置の前段画像処理の内容を元に、出力先の画像形成装置にて実施される後段画像処理と適合するように画像変換処理を実施する画像変換手段とを備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
前記画像変換手段は、前段画像処理を施す画像処理部を用いて画像変換処理を実施することを特徴とする請求項1又は3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記関連情報は、出力元の画像形成装置の機種情報、或いは出力元の画像形成装置が備える前段画像処理を行う画像処理部のモジュール情報であることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項6】
画像ファイリング機能においては、画像入力装置或いは情報処理装置からの画像データも記憶部に格納可能になっており、
前記画像変換手段は、画像入力装置或いは情報処理装置から入力される画像データに対しても、当該画像データに付加されている、画像入力装置或いは情報処理装置において施された画像処理の内容を出力先の画像形成装置にて特定させ得る関連情報をもとに、後段画像処理と適合するように画像変換処理を実施することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか1項に記載の画像形成装置の各手段としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
【請求項8】
請求項9に記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2010−11355(P2010−11355A)
【公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−171218(P2008−171218)
【出願日】平成20年6月30日(2008.6.30)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年6月30日(2008.6.30)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
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