画像形成装置、画像形成装置の制御方法、及びプログラム
【課題】 カラー画像形成モードの場合とモノクロ画像形成モードの切替を行うことはできるが、画像データと特殊な記録剤を用いたフォーム画像とを合成する際に、適切に画像形成モードの切替を行うことができるものではなかっ。
【解決手段】 フォーム画像と合成する画像形成が指示されると、そのフォーム画像のページ数を取得し(S31)、その取得したページ数の合成画像を形成するまでは、合成対象の画像の各ページに前記フォーム画像の対応するページ画像を合成し、当該合成対象の画像用の記録剤と前記フォーム画像用の記録剤とを使用する画像形成モードで画像を形成し(S34)、その取得したページ数の合成画像を形成した後は、合成対象の画像用の記録剤だけを使用する画像形成モードで画像を形成する(S36)。
【解決手段】 フォーム画像と合成する画像形成が指示されると、そのフォーム画像のページ数を取得し(S31)、その取得したページ数の合成画像を形成するまでは、合成対象の画像の各ページに前記フォーム画像の対応するページ画像を合成し、当該合成対象の画像用の記録剤と前記フォーム画像用の記録剤とを使用する画像形成モードで画像を形成し(S34)、その取得したページ数の合成画像を形成した後は、合成対象の画像用の記録剤だけを使用する画像形成モードで画像を形成する(S36)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、画像形成装置の制御方法、及びプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、C(シアン),M(マゼンタ),Y(イエロー),Bk(黒)4色の記録剤を用いて画像を現像する現像器を有する画像形成装置がある。このような画像形成装置は、カラー文書の画像形成のみに利用されるわけではなく、モノクロ文書の画像形成にも利用される。また、カラーページとモノクロページとが混在する文書の画像形成にも利用される。
【0003】
このような画像形成装置にて、カラーページとモノクロページが混在した文書を画像形成する場合、モノクロの画像形成時にも、画像形成に使用しないC、M、Y、特殊トナーの各ユニットを稼動させておくような機構を持つものが存在する。
【0004】
しかしながら、このように、使用しないユニットを稼動させておく場合、トナーの消費やユニットの磨耗などが発生し、ユニットの寿命を必要以上に短くする原因となる。そこで、トナーの消費やユニットの磨耗を低減するために、カラーの画像形成モードと、モノクロの画像形成モードとを切り替えるようにした画像形成装置がある。具体的に、モノクロページを画像形成する際には、Bk以外のC、M、Yの現像器を静電搬送ベルトから離間させ、Bk以外のユニットの稼動を停止するような制御を行っているものが存在する。これにより、C、M、Yの各ユニットの寿命が短くならないようにすることができる。
【0005】
しかしながら、例えばモノクロ画像形成モードからカラー画像形成モードへ移行させる際、或いはその逆の移行を行う際には、現像器の退避や復帰等の動作が必要となる。このため、これら画像形成モードの移行が発生すると連続して画像形成することができず、画像形成モードの切替に時間を要することになる。例えば、ページ毎に、モノクロ画像データをモノクロ画像形成モードで画像形成し、カラー画像データをカラー画像形成モードで画像形成すると、画像形成モードの切替が多発してしまうことがある。特に、モノクロ画像データとカラー画像データが交互に並んだ文書である場合にこのような切替が多発してしまう。
【0006】
そこで、例えば、カラーページとモノクロページが混在する文書の画像形成を行う場合、蓄積手段に蓄積された、これから画像形成する画像データに基づいて画像形成モードの切り替えを行うか否かを判定する提案がなされている。(特許文献1)。
【0007】
具体的には、カラー画像形成モードでの動作中、蓄積手段に蓄積されたページの画像データがモノクロ画像である場合に、次のように制御する。そのモノクロ画像をそのままカラー画像形成モードで画像形成する場合と、モノクロ画像形成モードに切り替えて画像形成する場合との画像形成時間を比較する。そして、カラー画像形成モードで画像形成した方が画像形成時間が短い場合と判定すると、そのままカラー画像形成モードで画像形成する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平11−34438号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、従来の方法は、カラー画像形成モードの場合とモノクロ画像形成モードの切替を行うことはできるが、画像データと特殊な記録剤を用いたフォーム画像とを合成する際に、適切に画像形成モードの切替を行うことができるものではなかった。
【0010】
例えば、入力された画像形成対象の画像データのページ数と比べて、特殊な記録剤を用いたフォーム画像のページ数が少ない場合がある。その場合に、フォーム画像を合成した画像の画像形成が終わっても、5色のユニット(現像剤や、感光ドラム等)を用いた画像形成モードで稼動すると、特殊な記録剤に対応するユニットを使用しないにも拘わらず、稼動しておく必要があった。その場合、トナーの消費やユニットの磨耗が発生してしまう。
【0011】
本発明は、上記の従来の課題を解決するためになされたものである。
【0012】
本願発明の特徴は、画像データと特殊な記録剤を用いたフォーム画像とを合成する場合であっても、画像形成のためのユニットの寿命の低下の防止と画像形成処理のスループットの向上を両立させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するために本発明の一態様に係る画像形成制御装置は以下のような構成を備える。即ち、
画像データを入力する入力手段と、
フォーム画像を記憶する記憶手段と、
前記入力手段によって入力された画像データと、前記記憶手段に記憶されたフォーム画像と合成する合成手段と、
前記合成手段によって合成された画像を、前記画像データの形成に用いる記録剤と前記フォーム画像の形成に用いる記録剤とを用いて形成させる画像形成手段と、
前記記憶手段に記憶された前記フォーム画像のページ数を取得する取得手段と、
前記取得手段によって取得されたフォーム画像のページ数に対応する画像の形成が終了したか否かを判定する判定手段とを備え、
前記画像形成手段は、互いにページ数の異なる前記画像データと前記フォーム画像とを前記合成手段によってページごとに合成して画像形成する場合に、前記判定手段によって前記フォーム画像のページ数に対応する画像の形成が終了したと判定されるまで、前記画像データの形成に用いる記録剤と前記フォーム画像の形成に用いる記録剤とを使用して画像を形成させ、前記判定手段によって前記フォーム画像のページ数に対応する画像の形成が終了したと判定された場合に、前記フォーム画像の形成に用いる記録剤を用いずに前記画像データの形成に用いる記録剤を用いて画像を形成させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、画像データと特殊な記録剤を用いたフォーム画像とを合成する場合であっても、画像形成のためのユニットの寿命の低下の防止と画像形成処理のスループットの向上を両立させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】実施形態に係る複合機での画像処理の流れを説明するフロー図。
【図2】本実施形態に係る複合機の構成を示す図。
【図3】コントローラの機能ブロック図とハードウェア構成のブロック図。
【図4】コントローラのPDL処理部の機能ブロック図。
【図5】コントローラの透明フォーム画像処理部の機能ブロック図。
【図6】コントローラの画像処理部の機能ブロック図。
【図7】PDL処理部の動作を示すフローチャート。
【図8】透明フォーム画像処理部の動作を示すフローチャート。
【図9】画像処理部の動作を示すフローチャート。
【図10】本実施形態に係るフォーム画像の一例を示す図。
【図11】PCの画面に表示されるプリンタドライバ画面の一例を示す図。
【図12】原稿画像とフォーム画像のページ数の違いによる印刷動作を説明する図。
【図13】フォーム画像或いは原稿画像に白紙が混在している場合の動作を示す図。
【図14】本実施形態に係るフォーム画像との合成処理を説明する図。
【図15】本実施形態に係る複合機おける画像形成処理を説明するフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を詳しく説明する。尚、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る本発明を限定するものでなく、また本実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが本発明の解決手段に必須のものとは限らない。尚、本実施形態では、画像形成装置として透明トナーを使用する複合機の場合で説明する。
【0017】
図1は、本発明の実施形態に係る複合機(画像形成制御装置)での画像処理の流れを説明するフロー図である。
【0018】
画像データ入力部101は、合成対象の画像データを入力する。本実施形態では、この入力される画像データはイメージスキャナで読み取った画像データや、ページ記述言語(以下、PDL)を解釈して生成した画像データがページ単位で蓄積され、画素単位で入力されることを想定している。色変換部102は、RGBの画像データを画素単位で印刷する色空間であるC,M,Y,Bkの画像データに変換する。こうして生成されたC,M,Y,Bkの画像データは、階調補正部103で正規の階調特性が得られるような階調補正が施される。中間調処理部104は、その画像データに対して、例えばディザ処理などの画像形成のための疑似中間調処理を施す。
【0019】
合成ページ読出し部105は、特殊トナー用フォーム画像としてHDD313(図3)に格納されているフォーム画像データの対応するページの画像を読み出す。透明トナー画像生成部106は、合成ページ読出し部105で読み出された画像データを基に、透明トナーで印刷する画像パターンをビットマップ形式で生成する。こうして生成された画像パターンは、ライン遅延部110により1ライン遅延され、マスク処理部111でマスク処理が施された後、画像形成部112へ送られる。画像形成部112は、CMYBkのフルカラーの画像データと透明トナーの画像パターンとを合成した合成画像データを生成してプリンタ部202(図2)に出力する。ここで合成対象の画像データは、カラートナー等の合成対象の画像用トナー(記録剤)を用いて印刷され、フォーム画像はフォーム画像用トナー(透明トナー)を使用して像形成される。
【0020】
図2は、本実施形態に係る複合機の構成を示す図である。
【0021】
イメージスキャナ部201は、原稿を読み取って、その原稿の画像を表すディジタル画像信号を生成する。プリンタ部202は、イメージスキャナ部201で読み取られた原稿の画像に対応した画像データを入力して用紙にフルカラーで印刷する。
【0022】
次にイメージスキャナ部201の構成を説明する。鏡面圧板200は、原稿台ガラス(プラテン)203上の原稿204を押圧して固定する。この原稿204は、ランプ205で照射され、その反射光はミラー206〜208を介してレンズ209に導かれ、3ラインの固体撮像素子(CCD)210に結像される。これによりフルカラー情報としてのレッド(R),グリーン(G),ブルー(B)の3つの画像信号が得られコントローラ(信号処理部)211に送られる。尚、ここでランプ205、ミラー206は速度vで、ミラー207,208は速度v/2でCCDの電気的走査(主走査)方向に対して垂直方向に移動することによって、原稿204の全面を走査(副走査)する。ここで原稿204は、主走査及び副走査ともに600dpi(ドット/インチ)の解像度で読み取られる。こうして読み取られた原稿画像の画像データは、原稿の1ページ単位でコントローラ211のデータ蓄積手段に蓄積される。またコントローラ211には、PDLデータが入力されることも考えられる。こうしてコントローラ211に入力された画像データは、画像データ入力部101に入力される。そして、内部に蓄積された画像信号を画素単位で電気的に処理し、マゼンタ(M),シアン(C),イエロ(Y),ブラック(Bk)の各成分に分解してプリンタ部202に送る。またコントローラ211には、合成ページ読み出し部105、透明トナー画像生成部106、ライン遅延部110、マスク処理部111及び画像形成部112が含まれている。
【0023】
次にプリンタ部202の構成を説明する。
【0024】
コントローラ211から出力されたCMYBk及びCL(透明トナー用画像データ)の画像データがレーザドライバ212に送られる。レーザドライバ212は、送られてきた画像データに従って半導体レーザ213を変調駆動する。これにより半導体レーザ213から発光されたレーザ光は、ポリゴンミラー214、f−θレンズ215、ミラー216を介して感光ドラム217上を走査して、その画像データに応じた静電潜像を形成する。尚、ここで形成される画像の解像度は、原稿の読み取り時と同様に、主走査及び副走査ともに600dpiである。回転現像器218は、マゼンタ現像部219、シアン現像部220、イエロー現像部221、ブラック現像部222、クリア(透明)現像部223を有している。この回転現像器218は、5つの現像部が交互に感光ドラム217に接し、感光ドラム217に形成された静電現像を各色のトナー(記録剤)で現像する。転写ドラム224は、用紙カセット225或いは226より供給される用紙を巻き付け、感光ドラム217上で現像された像を用紙に転写する。
【0025】
この様にして、M,C,Y,Bk及びクリア(透明)の5色が順次転写された用紙は、定着ユニット227を通過してトナーが用紙に定着され、その後に、その用紙は装置外に排紙される。尚、プリンタ部202は、後述の印刷制御部306からの指示に従って画像形成モードを切り替えて画像形成動作を行う。
【0026】
次にコントローラ211について説明する。
【0027】
図3(A)は、本実施形態に係るコントローラ211の機能構成を示す機能ブロック図、図3(B)は、コントローラ211のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0028】
図3(A)に示すように、コントローラ211は、PDL処理部301、UI部302、属性データ解析部303、画像処理部304、記憶部305、印刷制御部306、透明フォーム画像処理部307を有している。PDL処理部301は、PDLデータを入力して解析しレンダリングする。UI部302は、この複合機のユーザインターフェースを司る。属性データ解析部303は、PDL処理部301からの属性データを受信して、その属性を解析する。画像処理部304は、原稿の画像データと、記憶部305に記憶されたフォーム画像との合成を行って印刷制御部306に出力する。印刷制御部306は、プリンタ部202に出力する画像データを生成して印刷制御を実行する。透明フォーム画像処理部307は、フォーム画像のグレースケール化や2値化処理を実行する。これら各部の構成及び動作は以下に詳しく説明する。
【0029】
図3(B)において、CPU310は、ROM312に記憶されているプログラムに従って、図3(A)に示す各部の機能に対応する制御処理を実行している。RAM311は、CPU310がプログラム実行する際、各種データを一時的に保存するためのワークエリアとして使用される。HDD313は、上述した透明トナー用画像データ等を記憶する大容量の記憶装置で、図3(A)の記憶部305に相当している。I/O314は、コントローラ211のCPU310と外部との間でデータの入出力を制御する入出力制御部である。
【0030】
図4は、コントローラ211のPDL処理部301の機能ブロック図である。
【0031】
受信部401はPDLデータを受取って入力する。PDL解析部402は、入力したPDLデータを解析する。中間言語展開部403は、PDLデータから中間言語を生成してレンダリング処理を行う。印刷設定生成部404、プリンタ部202における印刷モードの設定を行う。圧縮処理部405は、レンダリングした画像データを圧縮する。送信部406は、レンダリングした画像データを画像処理部304等に出力する。
【0032】
図5は、実施形態に係るコントローラ211の透明フォーム画像処理部307の機能ブロック図である。
【0033】
解凍部501、グレースケール化処理部502、2値化処理部503、送信部504を有している。
【0034】
図6は、コントローラ211の画像処理部304の機能ブロック図である。
【0035】
解凍部601、透明フォーム受信部602、色処理部603、透明トナー処理部604、画像形成処理部605、送信部606を有している。透明トナー処理部604は、透明トナーによる印刷時に、フォーム画像を出力する。またコントローラ211の記憶部305には、透明トナーで印刷する画像データがフォーム画像として登録されている。
【0036】
次に上述した各部の動作をフローチャートを参照して説明する。尚、以下の説明では、圧縮、解凍に関しては、JPEGのような公知の技術を使用するものとする。
【0037】
この画像形成装置に接続されている情報処理装置(PC:不図示)が、そのドライバUI画面から透明フォーム画像の登録を指示する。これによりPCは、透明フォーム画像データをPDLデータで、この複合機に送信する。これによりPDL処理部301は、PCから送信された透明フォーム画像データを受信部401で受信する。
【0038】
図7は、実施形態に係るPDL処理部301の動作を示すフローチャートである。この処理を実行するプログラムはROM312に記憶されており、CPU310の制御の下に実行される。
【0039】
まずS1で、PDL解析部402は、外部のPC(情報処理装置)から受信したPDLデータを解析して中間データを生成する。次にS2に進み、S1で解析したPDLデータが、フォーム画像として登録するフォーム画像であるかどうかを判定する。PDLデータが、フォーム画像として登録するフォーム画像であるか否かは、外部のPCによって設定されている。ここで登録用のフォーム画像であると判定するとS3に進み、その画像データに、フォーム画像として登録することを示すフォーム属性を設定する。一方、S2で登録用のフォーム画像でないと判定するとS3をスキップしてS4に進む。S3をスキップしたときは、通常の画像属性データが設定される。S4では、中間言語展開部403が、S1で生成された中間データをレンダリングして画像データを生成する。次にS5に進み、圧縮処理部405が、その画像データを圧縮して圧縮データを生成する。次にS6に進み、送信部406により、設定した属性データを属性データ解析部303に送信する。また圧縮データを透明フォーム画像処理部307の解凍部501に送信する。
【0040】
図8は、実施形態に係る透明フォーム画像処理部307の動作を示すフローチャートである。この処理を実行するプログラムはROM312に記憶されており、CPU310の制御の下に実行される。
【0041】
まずS11で、解凍部501は、受信した圧縮データを解凍する。次にS12に進み、グレースケール化処理部502が、その解凍された画像データをグレースケールのデータに変換する。この変換の方法の例として、RGBで入力された場合には、YUV信号に変換し、Y信号のみをグレースケール信号として使用するケースを挙げるが、この限りではない。次にS13に進み、2値化処理部503は、グレースケールに変換された画像信号を2値画像データに変換する。この変換の方法の例として、閾値を設定し、その閾値よりグレースケール信号値が大きい場合には「1」、小さい場合には「0」として2値画像データを生成する。次にS14に進み、送信部504は、記憶部305に2値画像データをHDD313に送信して記憶する。これにより記憶部305は、その2値画像データを受信しフォーム画像として保存する。
【0042】
図9は、本実施形態に係る画像処理部304の動作を示すフローチャートである。この処理を実行するプログラムはROM312に記憶されており、CPU310の制御の下に実行される。
【0043】
先ずS21で、受信した画像データを解凍部601により解凍する。次にS22に進み、原稿画像データ(外部装置から受信した画像データまたはスキャナで読み取った画像データ)に合成する透明フォームのページ画像データとして、該当する合成ページ画像を抽出する。次にS23に進み、透明フォーム受信部602は、そのフォーム画像を記憶部305から受信する。そしてS24に進み、色処理部603は、画像データに対して、RGB画像データの場合にはCMYBk変換し、演算処理等により濃度の調整を行う。またCMYBk画像データの場合には、演算処理等により濃度の調整を行う。次にS25に進み、透明トナー処理部604は、フォーム画像、即ち2値画像の「1」が立っている個所に対して通常の印刷処理を行い、透明トナー量を決定し、2値画像が「0」の個所では何もせず、透明トナーを含む画像データを生成する。次にS26に進み、画像形成処理部605が、各版(CMYBBkと透明)各々に、この画像形成装置に設定されているガンマ補正処理を行って画像形成のための画像処理を行う。この画像処理の方法はスクリーンや誤差拡散によるものである。そしてS27に進み、送信部606が、その画像処理が施された画像データを印刷制御部306に送信する。
【0044】
これによりコントローラ211の印刷制御部306は、フォーム画像のカラーモード及び原稿画像のカラーモードから画像形成モードを選択し、プリンタ部202に各種動作モードや紙種などの各種設定を通知して、画像データを送信し印刷する。
【0045】
図10は、本実施形態に係るフォーム画像の一例を示す図、図11は、本実施形態に係るPCの画面に表示されるプリンタドライバ画面の一例を示す図である。
【0046】
図10のフォーム画像1001は2値画像データであり、1002は、画素データ「1」である領域を示し、この領域には透明トナーによる像形成が行われ、透明トナーによる視覚効果が施される領域を示している。
【0047】
図11において、PCの画面1101には、透明フォーム画像のリスト1102と、プレビュー表示画面1103、キャンセルボタン1106、印刷ボタン1105が表示されている。いま例えば透明フォーム画像「aaa」1104がカーソルを用いて選択されると、この透明フォーム画像1104の最初のページの画像がプレビュー表示画面1103に表示される。この状態で印刷ボタン1105が指示されると、選択された透明フォーム画像1104を使用した印刷が実施される。またキャンセルボタン1106が指示されると、この印刷設定の操作がキャンセルされる。
【0048】
次に、透明トナーを使用した印刷処理を説明する。前述したように、フォーム画像は記憶部305に登録されている。ユーザは、図11に示す画面で、原稿画像に合成したいフォーム画像を選択して、合成印刷を行うように指示できる。即ち、PCのプリンタドライバは、透明フォーム画像を使用した印刷が指示されると、PCの画面上に図11に示す画面を表示する。ここでプリンタドライバUIは、多数保存されている透明フォーム画像から印刷時に使用する透明フォーム画像が選択されると、画面に先頭ページ画像のプレビュー表示画面1103を表示する。そして印刷ボタン1105の印刷指示に伴って、PCは、このプリンタドライバで生成したPDLデータを、この複合機に送信する。
【0049】
PDL処理部301内の受信部401は、PCから、印刷すべき画像のPDLデータを受信する。このときのPDL処理部301の処理のフローは、図7に示す透明フォーム画像の登録時とほぼ同じである。図7のフローチャートと異なる点は、S3がスキップされる点である。
【0050】
図12(A)(B)は、原稿画像のページ数とフォーム画像のページ数の違いによる印刷動作を説明する図である。フォーム画像を合成して印刷する場合、フォーム画像のページと、原稿画像のページとが一対一に対応付けられて合成され、印刷される。
【0051】
図12(A)は、カラーモードと画像形成モードを説明した図である。
【0052】
1202は白地の原稿にモノクロで数字「1」が書かれた原稿或いは数字「1」が印刷されたページを示す。1203は黒単色の原稿或いは印刷されたページを示す。1204はカラー原稿或いはフルカラー印刷されたページを示す。1205はフルカラー画像に、透明トナーなどの特殊色のトナーで数字「1」が印刷されたページを示す。1206は、モノクロ画像に、透明トナーなどの特殊色で数字「2」が印刷されたページを示す。1205,1206は、透明トナーなどの特殊色トナーを合成して印刷する5色画像形成モードを示す。1207は白紙原稿、または画像形成されずに出力されたページ、または印刷動作をせずに用紙のみ通紙する画像形成モードを示す。尚、ここでは、モノクロと特殊色トナーとを合成して像形成する場合には、イエロー、マゼンタ、シアンの現像器などのユニットも動作する5色モードで画像形成する構成を例にして説明する。
【0053】
図12(B)は、透明フォーム画像として登録されたページ数と、その透明フォーム画像と合成印刷される原稿文書中に含まれるページ数の関係を説明する図である。
【0054】
1209は、フォーム画像に含まれるページのイメージを示す。1210は、原稿文書に含まれるページのイメージを示している。1211は、透明フォーム画像と原稿文書とを合成して印刷される印刷結果のイメージを示す。1212は、フォーム画像に含まれるページ数と、原稿文書のページ数とが同じ場合を示す。ここでは、モノクロの数字がそれぞれ書かれている3ページの透明フォーム画像と、カラー、モノクロ、カラーの順番で並んだ3ページの原稿画像が合成される。これにより、1ページ目と3ページ目のカラー画像に透明トナーによるフォーム画像が合成され、2ページ目のモノクロに透明トナーによるフォーム画像がそれぞれ合成された3ページの印刷結果が得られる。
【0055】
1213は、フォーム画像に含まれるページ数よりも、原稿文書に含まれるページ数が多い場合を示す。ここでは、モノクロ数字がそれぞれ書かれている2ページのフォーム画像と、カラー、モノクロ、カラーの順番で並んだ3ページの原稿画像が合成される。この場合は、1ページ目のカラーに透明トナーによるフォーム画像が、2ページ目のモノクロに透明トナーによるフォーム画像が合成され、3ページ目のカラー画像がそのまま印刷される。
【0056】
1214は、フォーム画像に含まれるページ数が、原稿文書に含まれるページ数よりも多い場合を示す。ここでは、モノクロ数字がそれぞれ書かれている3ページのフォーム画像と、カラー、モノクロの順番で並んだ2ページの原稿画像が合成される。この場合は、1ページ目のカラーに透明トナーによるフォーム画像が、2ページ目のモノクロに透明トナーによるフォーム画像が合成された2ページの印刷結果が得られる。
【0057】
次に、フォーム画像或いは原稿画像に白紙ページが混在している場合の動作を図13を用いて説明する。
【0058】
1302は、原稿文書に白紙ページが含まれる場合の例を示す。ここでは原稿画像が白紙の場合は、フォーム画像は合成されないものとする。ここでモノクロ数字がそれぞれ書かれている3ページのフォーム画像と、カラー、白紙、カラーの順番で並んだ3ページの原稿画像が合成される。このとき、1ページ目と3ページ目のカラーの原稿には透明トナーによるフォーム画像が合成されるが、2ページ目の白紙の原稿はそのままとなり、合計3ページの印刷結果が得られる。
【0059】
次に1303は、フォーム画像に白紙のページが含まれる場合を示す。ここでは、モノクロ数字がそれぞれ書かれていて、2ページ目が白紙である3ページのフォーム画像と、フルカラーの3ページの原稿画像が合成される。この場合は、1ページ目と3ページ目のカラーの原稿に透明トナーによるフォーム画像が合成され、2ページ目の原稿は、原稿のままである合計3ページの印刷結果が得られる。
【0060】
1304は、フォーム画像と原稿文書の双方に白紙ページが含まれる場合の例を示す。ここでは、フォーム画像の1ページ目と3ページ目がそれぞれモノクロ数字を含み、2ページ目が白紙である3。原稿は、1ページ目がカラー、2ページ目が白紙からなる2ページの原稿画像である。この場合は、原稿画像の1ページ目のカラーに透明トナーによるフォーム画像が合成され、2ページ目の白紙ページは白紙のままとなる。
【0061】
次に、本発明の実施形態に係る合成動作を説明する。
【0062】
図14は、本実施形態に係るフォーム画像との合成処理を説明する図である。ここでは、6ページのフォーム画像と、10ページの原稿文書とを合成する場合で説明する。
【0063】
1402は、数字が書かれた6ページからなるフォーム画像を示している。1403は、1ページ目がカラー、2ページがモノクロ、3〜4ページ目がカラー、5ページ目がモノクロ、6ページ目がカラー、7〜10ページがモノクロからなる10ページの原稿画像データを示している。1404は、原稿画像1403にフォーム画像1402を合成したイメージを示す。ここでは原稿画像の1〜6ページには、特殊色(透明トナー)のフォーム画像が合成され、原稿画像の残り4ページは、そのモノクロ単色で印刷されている。
【0064】
1405は、原稿画像の10ページが全て5色画像形成モードで印刷した場合のイメージであり、横軸は経過時間に対応している。この場合、印刷ページは全て5色画像形成モードで印刷されるため、各ページの印刷に要する時間は同じであり、画像形成モードの切り替えに要した時間は「0」である。1406は、本実施形態に係る画像形成切り替え方法で動作した場合の画像形成モードのイメージであり、横軸は経過時間に対応している。この場合、原稿画像の1〜6ページは5色画像形成モードで印刷され、残り4ページがモノクロ画像形成モードで印刷される。
【0065】
ここで、原稿画像の6ページ目で5色画像形成モードからモノクロ画像形成モードに切り替わるため、モードの切り替えに時間がかかる。しかしモノクロ画像形成モードでは、1ページ当たりの印刷時間が短くて済む。このため、10ページの原稿画像を全て5色画像形成モードで印刷するよりも、印刷時間を短縮できることになる。
【0066】
また、画像形成モードを切り替えるタイミングを、記憶されたフォーム画像のページ数に従って取得できる。そのため、原稿画像のデータが受信したPDLデータである場合は、解析及び展開及び蓄積し終え、蓄積された原稿画像のデータから切り替えタイミングを算出するまで待たずとも、画像形成モードを切り替えるタイミングを適切に決定することができる。また、原稿画像のデータがスキャナで読み取った画像データである場合は、蓄積し終え、蓄積された原稿画像のデータから切り替えタイミングを算出するまで待たずとも、画像形成モードを切り替えるタイミングを適切に決定することができる。
【0067】
次に、本実施形態に係る複合機おける画像形成モードの切替処理を説明する。
【0068】
図15は、本実施形態に係る複合機おける画像形成処理を説明するフローチャートで、この処理を実行するプログラムはROM312に記憶されており、CPU310の制御の下に実行される。
【0069】
この処理は、ユーザがPCから図11に示すUI画面からフォーム画像と原稿画像とを合成して印刷するジョブを投入することにより開始される。
【0070】
CPU310は、画像データ入力部101によって入力された画像データを記憶部305に記憶し、画像形成に必要な画像処理を施した後、画像形成動作を開始する。
【0071】
先ずS51で、CPU310は、合成するように指示された、記憶部305のフォーム画像の最終ページ番号を取得する。CPU310は、この最終ページ番号によって、使用するフォーム画像が何ページあるかを識別する。
【0072】
次にS52に進み、CPU310は、合成対象のフォーム画像のページ数を計数するためのカレントページをRAM311上に設け、カレントページにS51で取得した最終ページ番号をセットする。
【0073】
次にS53に進み、CPU310は、カレントページの値が「0」かどうかを判定する。「0」でないときはS54に進んでCPU310は画像形成部112に画像形成を行わせる。そしてS55に進み、CPU310は、カレントページの値から1を減算してS56に進む。S56では、CPU310は、原稿画像の全てを印刷したかどうかを判断し、そうでないときはS53に進む。S56で原稿画像の全てを印刷すると処理を終了する。
【0074】
一方、S53でCPU310はカレントページの値が「0」になったと判断するとS57に進み、印刷制御部306は、次ページの画像形成前に5色画像形成モードを終了する。CPU310は、画像形成部112にエンジン停止信号を送信し、一度画像形成動作を停止させる。そしてS58に進み、CPU310は、4色の通常の画像形成モードをセットする。それによって、5色の現像器を用いて画像を形成する画像形成モードから、CLトナー用の現像器を転写ドラム224と切り離して、4色の現像器を用いて画像を形成する画像形成モードに切り替える。
【0075】
次に、CPU310は、S59に進んで4色の現像器を用いて画像形成を行う。そしてS60に進み、原稿画像の画像形成処理を終了したかどうかを調べ、そうでないときはS59に進んで、以降の画像形成を実行する。
【0076】
なお、入力された原稿の画像データが白黒画像であり、単色で画像形成を行っていた場合には、S58では、単色の通常の画像形成モードをセットする。それによって、KトナーとCLトナーの2色の現像器を用いて画像を形成する画像形成モードから、CLトナー用の現像器を転写ドラム224と切り離して、Kトナー単色の現像器を用いて画像を形成する画像形成モードに切り替える。
【0077】
なお、フォーム画像の最後のページが白紙のページである場合には、S52で、フォームの最終ページから、フォーム画像の最後の白紙のページ数を減算した値をカレントページにセットすればよい。
【0078】
また、上述した実施形態では、フォーム画像が連続する原稿データに合成される場合で説明し、そのような場合にフォーム画像のページ数を取得して、取得されたページ数に従って、画像形成モードを切り替えるタイミングを決定する制御例を説明した。しかしながら、本願発明はこれに限るものではなく、フォーム画像が原稿データの特定のページに合成されるように指定されて登録されていてもよい。そのような場合、CPU301は、予め記憶されたフォーム画像データに従って、何ページ目にフォーム画像を合成するかを特定する。そして、CPU301は、特定された情報に従って、スループットを上げるために何ページ目を画像形成する前に画像形成モードの切り替えを実行するかを決定し、決定されたタイミングで画像形成モードを切り替えるようにしてもよい。
【0079】
(その他の実施例)
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、画像形成装置の制御方法、及びプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、C(シアン),M(マゼンタ),Y(イエロー),Bk(黒)4色の記録剤を用いて画像を現像する現像器を有する画像形成装置がある。このような画像形成装置は、カラー文書の画像形成のみに利用されるわけではなく、モノクロ文書の画像形成にも利用される。また、カラーページとモノクロページとが混在する文書の画像形成にも利用される。
【0003】
このような画像形成装置にて、カラーページとモノクロページが混在した文書を画像形成する場合、モノクロの画像形成時にも、画像形成に使用しないC、M、Y、特殊トナーの各ユニットを稼動させておくような機構を持つものが存在する。
【0004】
しかしながら、このように、使用しないユニットを稼動させておく場合、トナーの消費やユニットの磨耗などが発生し、ユニットの寿命を必要以上に短くする原因となる。そこで、トナーの消費やユニットの磨耗を低減するために、カラーの画像形成モードと、モノクロの画像形成モードとを切り替えるようにした画像形成装置がある。具体的に、モノクロページを画像形成する際には、Bk以外のC、M、Yの現像器を静電搬送ベルトから離間させ、Bk以外のユニットの稼動を停止するような制御を行っているものが存在する。これにより、C、M、Yの各ユニットの寿命が短くならないようにすることができる。
【0005】
しかしながら、例えばモノクロ画像形成モードからカラー画像形成モードへ移行させる際、或いはその逆の移行を行う際には、現像器の退避や復帰等の動作が必要となる。このため、これら画像形成モードの移行が発生すると連続して画像形成することができず、画像形成モードの切替に時間を要することになる。例えば、ページ毎に、モノクロ画像データをモノクロ画像形成モードで画像形成し、カラー画像データをカラー画像形成モードで画像形成すると、画像形成モードの切替が多発してしまうことがある。特に、モノクロ画像データとカラー画像データが交互に並んだ文書である場合にこのような切替が多発してしまう。
【0006】
そこで、例えば、カラーページとモノクロページが混在する文書の画像形成を行う場合、蓄積手段に蓄積された、これから画像形成する画像データに基づいて画像形成モードの切り替えを行うか否かを判定する提案がなされている。(特許文献1)。
【0007】
具体的には、カラー画像形成モードでの動作中、蓄積手段に蓄積されたページの画像データがモノクロ画像である場合に、次のように制御する。そのモノクロ画像をそのままカラー画像形成モードで画像形成する場合と、モノクロ画像形成モードに切り替えて画像形成する場合との画像形成時間を比較する。そして、カラー画像形成モードで画像形成した方が画像形成時間が短い場合と判定すると、そのままカラー画像形成モードで画像形成する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平11−34438号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、従来の方法は、カラー画像形成モードの場合とモノクロ画像形成モードの切替を行うことはできるが、画像データと特殊な記録剤を用いたフォーム画像とを合成する際に、適切に画像形成モードの切替を行うことができるものではなかった。
【0010】
例えば、入力された画像形成対象の画像データのページ数と比べて、特殊な記録剤を用いたフォーム画像のページ数が少ない場合がある。その場合に、フォーム画像を合成した画像の画像形成が終わっても、5色のユニット(現像剤や、感光ドラム等)を用いた画像形成モードで稼動すると、特殊な記録剤に対応するユニットを使用しないにも拘わらず、稼動しておく必要があった。その場合、トナーの消費やユニットの磨耗が発生してしまう。
【0011】
本発明は、上記の従来の課題を解決するためになされたものである。
【0012】
本願発明の特徴は、画像データと特殊な記録剤を用いたフォーム画像とを合成する場合であっても、画像形成のためのユニットの寿命の低下の防止と画像形成処理のスループットの向上を両立させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するために本発明の一態様に係る画像形成制御装置は以下のような構成を備える。即ち、
画像データを入力する入力手段と、
フォーム画像を記憶する記憶手段と、
前記入力手段によって入力された画像データと、前記記憶手段に記憶されたフォーム画像と合成する合成手段と、
前記合成手段によって合成された画像を、前記画像データの形成に用いる記録剤と前記フォーム画像の形成に用いる記録剤とを用いて形成させる画像形成手段と、
前記記憶手段に記憶された前記フォーム画像のページ数を取得する取得手段と、
前記取得手段によって取得されたフォーム画像のページ数に対応する画像の形成が終了したか否かを判定する判定手段とを備え、
前記画像形成手段は、互いにページ数の異なる前記画像データと前記フォーム画像とを前記合成手段によってページごとに合成して画像形成する場合に、前記判定手段によって前記フォーム画像のページ数に対応する画像の形成が終了したと判定されるまで、前記画像データの形成に用いる記録剤と前記フォーム画像の形成に用いる記録剤とを使用して画像を形成させ、前記判定手段によって前記フォーム画像のページ数に対応する画像の形成が終了したと判定された場合に、前記フォーム画像の形成に用いる記録剤を用いずに前記画像データの形成に用いる記録剤を用いて画像を形成させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、画像データと特殊な記録剤を用いたフォーム画像とを合成する場合であっても、画像形成のためのユニットの寿命の低下の防止と画像形成処理のスループットの向上を両立させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】実施形態に係る複合機での画像処理の流れを説明するフロー図。
【図2】本実施形態に係る複合機の構成を示す図。
【図3】コントローラの機能ブロック図とハードウェア構成のブロック図。
【図4】コントローラのPDL処理部の機能ブロック図。
【図5】コントローラの透明フォーム画像処理部の機能ブロック図。
【図6】コントローラの画像処理部の機能ブロック図。
【図7】PDL処理部の動作を示すフローチャート。
【図8】透明フォーム画像処理部の動作を示すフローチャート。
【図9】画像処理部の動作を示すフローチャート。
【図10】本実施形態に係るフォーム画像の一例を示す図。
【図11】PCの画面に表示されるプリンタドライバ画面の一例を示す図。
【図12】原稿画像とフォーム画像のページ数の違いによる印刷動作を説明する図。
【図13】フォーム画像或いは原稿画像に白紙が混在している場合の動作を示す図。
【図14】本実施形態に係るフォーム画像との合成処理を説明する図。
【図15】本実施形態に係る複合機おける画像形成処理を説明するフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を詳しく説明する。尚、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る本発明を限定するものでなく、また本実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが本発明の解決手段に必須のものとは限らない。尚、本実施形態では、画像形成装置として透明トナーを使用する複合機の場合で説明する。
【0017】
図1は、本発明の実施形態に係る複合機(画像形成制御装置)での画像処理の流れを説明するフロー図である。
【0018】
画像データ入力部101は、合成対象の画像データを入力する。本実施形態では、この入力される画像データはイメージスキャナで読み取った画像データや、ページ記述言語(以下、PDL)を解釈して生成した画像データがページ単位で蓄積され、画素単位で入力されることを想定している。色変換部102は、RGBの画像データを画素単位で印刷する色空間であるC,M,Y,Bkの画像データに変換する。こうして生成されたC,M,Y,Bkの画像データは、階調補正部103で正規の階調特性が得られるような階調補正が施される。中間調処理部104は、その画像データに対して、例えばディザ処理などの画像形成のための疑似中間調処理を施す。
【0019】
合成ページ読出し部105は、特殊トナー用フォーム画像としてHDD313(図3)に格納されているフォーム画像データの対応するページの画像を読み出す。透明トナー画像生成部106は、合成ページ読出し部105で読み出された画像データを基に、透明トナーで印刷する画像パターンをビットマップ形式で生成する。こうして生成された画像パターンは、ライン遅延部110により1ライン遅延され、マスク処理部111でマスク処理が施された後、画像形成部112へ送られる。画像形成部112は、CMYBkのフルカラーの画像データと透明トナーの画像パターンとを合成した合成画像データを生成してプリンタ部202(図2)に出力する。ここで合成対象の画像データは、カラートナー等の合成対象の画像用トナー(記録剤)を用いて印刷され、フォーム画像はフォーム画像用トナー(透明トナー)を使用して像形成される。
【0020】
図2は、本実施形態に係る複合機の構成を示す図である。
【0021】
イメージスキャナ部201は、原稿を読み取って、その原稿の画像を表すディジタル画像信号を生成する。プリンタ部202は、イメージスキャナ部201で読み取られた原稿の画像に対応した画像データを入力して用紙にフルカラーで印刷する。
【0022】
次にイメージスキャナ部201の構成を説明する。鏡面圧板200は、原稿台ガラス(プラテン)203上の原稿204を押圧して固定する。この原稿204は、ランプ205で照射され、その反射光はミラー206〜208を介してレンズ209に導かれ、3ラインの固体撮像素子(CCD)210に結像される。これによりフルカラー情報としてのレッド(R),グリーン(G),ブルー(B)の3つの画像信号が得られコントローラ(信号処理部)211に送られる。尚、ここでランプ205、ミラー206は速度vで、ミラー207,208は速度v/2でCCDの電気的走査(主走査)方向に対して垂直方向に移動することによって、原稿204の全面を走査(副走査)する。ここで原稿204は、主走査及び副走査ともに600dpi(ドット/インチ)の解像度で読み取られる。こうして読み取られた原稿画像の画像データは、原稿の1ページ単位でコントローラ211のデータ蓄積手段に蓄積される。またコントローラ211には、PDLデータが入力されることも考えられる。こうしてコントローラ211に入力された画像データは、画像データ入力部101に入力される。そして、内部に蓄積された画像信号を画素単位で電気的に処理し、マゼンタ(M),シアン(C),イエロ(Y),ブラック(Bk)の各成分に分解してプリンタ部202に送る。またコントローラ211には、合成ページ読み出し部105、透明トナー画像生成部106、ライン遅延部110、マスク処理部111及び画像形成部112が含まれている。
【0023】
次にプリンタ部202の構成を説明する。
【0024】
コントローラ211から出力されたCMYBk及びCL(透明トナー用画像データ)の画像データがレーザドライバ212に送られる。レーザドライバ212は、送られてきた画像データに従って半導体レーザ213を変調駆動する。これにより半導体レーザ213から発光されたレーザ光は、ポリゴンミラー214、f−θレンズ215、ミラー216を介して感光ドラム217上を走査して、その画像データに応じた静電潜像を形成する。尚、ここで形成される画像の解像度は、原稿の読み取り時と同様に、主走査及び副走査ともに600dpiである。回転現像器218は、マゼンタ現像部219、シアン現像部220、イエロー現像部221、ブラック現像部222、クリア(透明)現像部223を有している。この回転現像器218は、5つの現像部が交互に感光ドラム217に接し、感光ドラム217に形成された静電現像を各色のトナー(記録剤)で現像する。転写ドラム224は、用紙カセット225或いは226より供給される用紙を巻き付け、感光ドラム217上で現像された像を用紙に転写する。
【0025】
この様にして、M,C,Y,Bk及びクリア(透明)の5色が順次転写された用紙は、定着ユニット227を通過してトナーが用紙に定着され、その後に、その用紙は装置外に排紙される。尚、プリンタ部202は、後述の印刷制御部306からの指示に従って画像形成モードを切り替えて画像形成動作を行う。
【0026】
次にコントローラ211について説明する。
【0027】
図3(A)は、本実施形態に係るコントローラ211の機能構成を示す機能ブロック図、図3(B)は、コントローラ211のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0028】
図3(A)に示すように、コントローラ211は、PDL処理部301、UI部302、属性データ解析部303、画像処理部304、記憶部305、印刷制御部306、透明フォーム画像処理部307を有している。PDL処理部301は、PDLデータを入力して解析しレンダリングする。UI部302は、この複合機のユーザインターフェースを司る。属性データ解析部303は、PDL処理部301からの属性データを受信して、その属性を解析する。画像処理部304は、原稿の画像データと、記憶部305に記憶されたフォーム画像との合成を行って印刷制御部306に出力する。印刷制御部306は、プリンタ部202に出力する画像データを生成して印刷制御を実行する。透明フォーム画像処理部307は、フォーム画像のグレースケール化や2値化処理を実行する。これら各部の構成及び動作は以下に詳しく説明する。
【0029】
図3(B)において、CPU310は、ROM312に記憶されているプログラムに従って、図3(A)に示す各部の機能に対応する制御処理を実行している。RAM311は、CPU310がプログラム実行する際、各種データを一時的に保存するためのワークエリアとして使用される。HDD313は、上述した透明トナー用画像データ等を記憶する大容量の記憶装置で、図3(A)の記憶部305に相当している。I/O314は、コントローラ211のCPU310と外部との間でデータの入出力を制御する入出力制御部である。
【0030】
図4は、コントローラ211のPDL処理部301の機能ブロック図である。
【0031】
受信部401はPDLデータを受取って入力する。PDL解析部402は、入力したPDLデータを解析する。中間言語展開部403は、PDLデータから中間言語を生成してレンダリング処理を行う。印刷設定生成部404、プリンタ部202における印刷モードの設定を行う。圧縮処理部405は、レンダリングした画像データを圧縮する。送信部406は、レンダリングした画像データを画像処理部304等に出力する。
【0032】
図5は、実施形態に係るコントローラ211の透明フォーム画像処理部307の機能ブロック図である。
【0033】
解凍部501、グレースケール化処理部502、2値化処理部503、送信部504を有している。
【0034】
図6は、コントローラ211の画像処理部304の機能ブロック図である。
【0035】
解凍部601、透明フォーム受信部602、色処理部603、透明トナー処理部604、画像形成処理部605、送信部606を有している。透明トナー処理部604は、透明トナーによる印刷時に、フォーム画像を出力する。またコントローラ211の記憶部305には、透明トナーで印刷する画像データがフォーム画像として登録されている。
【0036】
次に上述した各部の動作をフローチャートを参照して説明する。尚、以下の説明では、圧縮、解凍に関しては、JPEGのような公知の技術を使用するものとする。
【0037】
この画像形成装置に接続されている情報処理装置(PC:不図示)が、そのドライバUI画面から透明フォーム画像の登録を指示する。これによりPCは、透明フォーム画像データをPDLデータで、この複合機に送信する。これによりPDL処理部301は、PCから送信された透明フォーム画像データを受信部401で受信する。
【0038】
図7は、実施形態に係るPDL処理部301の動作を示すフローチャートである。この処理を実行するプログラムはROM312に記憶されており、CPU310の制御の下に実行される。
【0039】
まずS1で、PDL解析部402は、外部のPC(情報処理装置)から受信したPDLデータを解析して中間データを生成する。次にS2に進み、S1で解析したPDLデータが、フォーム画像として登録するフォーム画像であるかどうかを判定する。PDLデータが、フォーム画像として登録するフォーム画像であるか否かは、外部のPCによって設定されている。ここで登録用のフォーム画像であると判定するとS3に進み、その画像データに、フォーム画像として登録することを示すフォーム属性を設定する。一方、S2で登録用のフォーム画像でないと判定するとS3をスキップしてS4に進む。S3をスキップしたときは、通常の画像属性データが設定される。S4では、中間言語展開部403が、S1で生成された中間データをレンダリングして画像データを生成する。次にS5に進み、圧縮処理部405が、その画像データを圧縮して圧縮データを生成する。次にS6に進み、送信部406により、設定した属性データを属性データ解析部303に送信する。また圧縮データを透明フォーム画像処理部307の解凍部501に送信する。
【0040】
図8は、実施形態に係る透明フォーム画像処理部307の動作を示すフローチャートである。この処理を実行するプログラムはROM312に記憶されており、CPU310の制御の下に実行される。
【0041】
まずS11で、解凍部501は、受信した圧縮データを解凍する。次にS12に進み、グレースケール化処理部502が、その解凍された画像データをグレースケールのデータに変換する。この変換の方法の例として、RGBで入力された場合には、YUV信号に変換し、Y信号のみをグレースケール信号として使用するケースを挙げるが、この限りではない。次にS13に進み、2値化処理部503は、グレースケールに変換された画像信号を2値画像データに変換する。この変換の方法の例として、閾値を設定し、その閾値よりグレースケール信号値が大きい場合には「1」、小さい場合には「0」として2値画像データを生成する。次にS14に進み、送信部504は、記憶部305に2値画像データをHDD313に送信して記憶する。これにより記憶部305は、その2値画像データを受信しフォーム画像として保存する。
【0042】
図9は、本実施形態に係る画像処理部304の動作を示すフローチャートである。この処理を実行するプログラムはROM312に記憶されており、CPU310の制御の下に実行される。
【0043】
先ずS21で、受信した画像データを解凍部601により解凍する。次にS22に進み、原稿画像データ(外部装置から受信した画像データまたはスキャナで読み取った画像データ)に合成する透明フォームのページ画像データとして、該当する合成ページ画像を抽出する。次にS23に進み、透明フォーム受信部602は、そのフォーム画像を記憶部305から受信する。そしてS24に進み、色処理部603は、画像データに対して、RGB画像データの場合にはCMYBk変換し、演算処理等により濃度の調整を行う。またCMYBk画像データの場合には、演算処理等により濃度の調整を行う。次にS25に進み、透明トナー処理部604は、フォーム画像、即ち2値画像の「1」が立っている個所に対して通常の印刷処理を行い、透明トナー量を決定し、2値画像が「0」の個所では何もせず、透明トナーを含む画像データを生成する。次にS26に進み、画像形成処理部605が、各版(CMYBBkと透明)各々に、この画像形成装置に設定されているガンマ補正処理を行って画像形成のための画像処理を行う。この画像処理の方法はスクリーンや誤差拡散によるものである。そしてS27に進み、送信部606が、その画像処理が施された画像データを印刷制御部306に送信する。
【0044】
これによりコントローラ211の印刷制御部306は、フォーム画像のカラーモード及び原稿画像のカラーモードから画像形成モードを選択し、プリンタ部202に各種動作モードや紙種などの各種設定を通知して、画像データを送信し印刷する。
【0045】
図10は、本実施形態に係るフォーム画像の一例を示す図、図11は、本実施形態に係るPCの画面に表示されるプリンタドライバ画面の一例を示す図である。
【0046】
図10のフォーム画像1001は2値画像データであり、1002は、画素データ「1」である領域を示し、この領域には透明トナーによる像形成が行われ、透明トナーによる視覚効果が施される領域を示している。
【0047】
図11において、PCの画面1101には、透明フォーム画像のリスト1102と、プレビュー表示画面1103、キャンセルボタン1106、印刷ボタン1105が表示されている。いま例えば透明フォーム画像「aaa」1104がカーソルを用いて選択されると、この透明フォーム画像1104の最初のページの画像がプレビュー表示画面1103に表示される。この状態で印刷ボタン1105が指示されると、選択された透明フォーム画像1104を使用した印刷が実施される。またキャンセルボタン1106が指示されると、この印刷設定の操作がキャンセルされる。
【0048】
次に、透明トナーを使用した印刷処理を説明する。前述したように、フォーム画像は記憶部305に登録されている。ユーザは、図11に示す画面で、原稿画像に合成したいフォーム画像を選択して、合成印刷を行うように指示できる。即ち、PCのプリンタドライバは、透明フォーム画像を使用した印刷が指示されると、PCの画面上に図11に示す画面を表示する。ここでプリンタドライバUIは、多数保存されている透明フォーム画像から印刷時に使用する透明フォーム画像が選択されると、画面に先頭ページ画像のプレビュー表示画面1103を表示する。そして印刷ボタン1105の印刷指示に伴って、PCは、このプリンタドライバで生成したPDLデータを、この複合機に送信する。
【0049】
PDL処理部301内の受信部401は、PCから、印刷すべき画像のPDLデータを受信する。このときのPDL処理部301の処理のフローは、図7に示す透明フォーム画像の登録時とほぼ同じである。図7のフローチャートと異なる点は、S3がスキップされる点である。
【0050】
図12(A)(B)は、原稿画像のページ数とフォーム画像のページ数の違いによる印刷動作を説明する図である。フォーム画像を合成して印刷する場合、フォーム画像のページと、原稿画像のページとが一対一に対応付けられて合成され、印刷される。
【0051】
図12(A)は、カラーモードと画像形成モードを説明した図である。
【0052】
1202は白地の原稿にモノクロで数字「1」が書かれた原稿或いは数字「1」が印刷されたページを示す。1203は黒単色の原稿或いは印刷されたページを示す。1204はカラー原稿或いはフルカラー印刷されたページを示す。1205はフルカラー画像に、透明トナーなどの特殊色のトナーで数字「1」が印刷されたページを示す。1206は、モノクロ画像に、透明トナーなどの特殊色で数字「2」が印刷されたページを示す。1205,1206は、透明トナーなどの特殊色トナーを合成して印刷する5色画像形成モードを示す。1207は白紙原稿、または画像形成されずに出力されたページ、または印刷動作をせずに用紙のみ通紙する画像形成モードを示す。尚、ここでは、モノクロと特殊色トナーとを合成して像形成する場合には、イエロー、マゼンタ、シアンの現像器などのユニットも動作する5色モードで画像形成する構成を例にして説明する。
【0053】
図12(B)は、透明フォーム画像として登録されたページ数と、その透明フォーム画像と合成印刷される原稿文書中に含まれるページ数の関係を説明する図である。
【0054】
1209は、フォーム画像に含まれるページのイメージを示す。1210は、原稿文書に含まれるページのイメージを示している。1211は、透明フォーム画像と原稿文書とを合成して印刷される印刷結果のイメージを示す。1212は、フォーム画像に含まれるページ数と、原稿文書のページ数とが同じ場合を示す。ここでは、モノクロの数字がそれぞれ書かれている3ページの透明フォーム画像と、カラー、モノクロ、カラーの順番で並んだ3ページの原稿画像が合成される。これにより、1ページ目と3ページ目のカラー画像に透明トナーによるフォーム画像が合成され、2ページ目のモノクロに透明トナーによるフォーム画像がそれぞれ合成された3ページの印刷結果が得られる。
【0055】
1213は、フォーム画像に含まれるページ数よりも、原稿文書に含まれるページ数が多い場合を示す。ここでは、モノクロ数字がそれぞれ書かれている2ページのフォーム画像と、カラー、モノクロ、カラーの順番で並んだ3ページの原稿画像が合成される。この場合は、1ページ目のカラーに透明トナーによるフォーム画像が、2ページ目のモノクロに透明トナーによるフォーム画像が合成され、3ページ目のカラー画像がそのまま印刷される。
【0056】
1214は、フォーム画像に含まれるページ数が、原稿文書に含まれるページ数よりも多い場合を示す。ここでは、モノクロ数字がそれぞれ書かれている3ページのフォーム画像と、カラー、モノクロの順番で並んだ2ページの原稿画像が合成される。この場合は、1ページ目のカラーに透明トナーによるフォーム画像が、2ページ目のモノクロに透明トナーによるフォーム画像が合成された2ページの印刷結果が得られる。
【0057】
次に、フォーム画像或いは原稿画像に白紙ページが混在している場合の動作を図13を用いて説明する。
【0058】
1302は、原稿文書に白紙ページが含まれる場合の例を示す。ここでは原稿画像が白紙の場合は、フォーム画像は合成されないものとする。ここでモノクロ数字がそれぞれ書かれている3ページのフォーム画像と、カラー、白紙、カラーの順番で並んだ3ページの原稿画像が合成される。このとき、1ページ目と3ページ目のカラーの原稿には透明トナーによるフォーム画像が合成されるが、2ページ目の白紙の原稿はそのままとなり、合計3ページの印刷結果が得られる。
【0059】
次に1303は、フォーム画像に白紙のページが含まれる場合を示す。ここでは、モノクロ数字がそれぞれ書かれていて、2ページ目が白紙である3ページのフォーム画像と、フルカラーの3ページの原稿画像が合成される。この場合は、1ページ目と3ページ目のカラーの原稿に透明トナーによるフォーム画像が合成され、2ページ目の原稿は、原稿のままである合計3ページの印刷結果が得られる。
【0060】
1304は、フォーム画像と原稿文書の双方に白紙ページが含まれる場合の例を示す。ここでは、フォーム画像の1ページ目と3ページ目がそれぞれモノクロ数字を含み、2ページ目が白紙である3。原稿は、1ページ目がカラー、2ページ目が白紙からなる2ページの原稿画像である。この場合は、原稿画像の1ページ目のカラーに透明トナーによるフォーム画像が合成され、2ページ目の白紙ページは白紙のままとなる。
【0061】
次に、本発明の実施形態に係る合成動作を説明する。
【0062】
図14は、本実施形態に係るフォーム画像との合成処理を説明する図である。ここでは、6ページのフォーム画像と、10ページの原稿文書とを合成する場合で説明する。
【0063】
1402は、数字が書かれた6ページからなるフォーム画像を示している。1403は、1ページ目がカラー、2ページがモノクロ、3〜4ページ目がカラー、5ページ目がモノクロ、6ページ目がカラー、7〜10ページがモノクロからなる10ページの原稿画像データを示している。1404は、原稿画像1403にフォーム画像1402を合成したイメージを示す。ここでは原稿画像の1〜6ページには、特殊色(透明トナー)のフォーム画像が合成され、原稿画像の残り4ページは、そのモノクロ単色で印刷されている。
【0064】
1405は、原稿画像の10ページが全て5色画像形成モードで印刷した場合のイメージであり、横軸は経過時間に対応している。この場合、印刷ページは全て5色画像形成モードで印刷されるため、各ページの印刷に要する時間は同じであり、画像形成モードの切り替えに要した時間は「0」である。1406は、本実施形態に係る画像形成切り替え方法で動作した場合の画像形成モードのイメージであり、横軸は経過時間に対応している。この場合、原稿画像の1〜6ページは5色画像形成モードで印刷され、残り4ページがモノクロ画像形成モードで印刷される。
【0065】
ここで、原稿画像の6ページ目で5色画像形成モードからモノクロ画像形成モードに切り替わるため、モードの切り替えに時間がかかる。しかしモノクロ画像形成モードでは、1ページ当たりの印刷時間が短くて済む。このため、10ページの原稿画像を全て5色画像形成モードで印刷するよりも、印刷時間を短縮できることになる。
【0066】
また、画像形成モードを切り替えるタイミングを、記憶されたフォーム画像のページ数に従って取得できる。そのため、原稿画像のデータが受信したPDLデータである場合は、解析及び展開及び蓄積し終え、蓄積された原稿画像のデータから切り替えタイミングを算出するまで待たずとも、画像形成モードを切り替えるタイミングを適切に決定することができる。また、原稿画像のデータがスキャナで読み取った画像データである場合は、蓄積し終え、蓄積された原稿画像のデータから切り替えタイミングを算出するまで待たずとも、画像形成モードを切り替えるタイミングを適切に決定することができる。
【0067】
次に、本実施形態に係る複合機おける画像形成モードの切替処理を説明する。
【0068】
図15は、本実施形態に係る複合機おける画像形成処理を説明するフローチャートで、この処理を実行するプログラムはROM312に記憶されており、CPU310の制御の下に実行される。
【0069】
この処理は、ユーザがPCから図11に示すUI画面からフォーム画像と原稿画像とを合成して印刷するジョブを投入することにより開始される。
【0070】
CPU310は、画像データ入力部101によって入力された画像データを記憶部305に記憶し、画像形成に必要な画像処理を施した後、画像形成動作を開始する。
【0071】
先ずS51で、CPU310は、合成するように指示された、記憶部305のフォーム画像の最終ページ番号を取得する。CPU310は、この最終ページ番号によって、使用するフォーム画像が何ページあるかを識別する。
【0072】
次にS52に進み、CPU310は、合成対象のフォーム画像のページ数を計数するためのカレントページをRAM311上に設け、カレントページにS51で取得した最終ページ番号をセットする。
【0073】
次にS53に進み、CPU310は、カレントページの値が「0」かどうかを判定する。「0」でないときはS54に進んでCPU310は画像形成部112に画像形成を行わせる。そしてS55に進み、CPU310は、カレントページの値から1を減算してS56に進む。S56では、CPU310は、原稿画像の全てを印刷したかどうかを判断し、そうでないときはS53に進む。S56で原稿画像の全てを印刷すると処理を終了する。
【0074】
一方、S53でCPU310はカレントページの値が「0」になったと判断するとS57に進み、印刷制御部306は、次ページの画像形成前に5色画像形成モードを終了する。CPU310は、画像形成部112にエンジン停止信号を送信し、一度画像形成動作を停止させる。そしてS58に進み、CPU310は、4色の通常の画像形成モードをセットする。それによって、5色の現像器を用いて画像を形成する画像形成モードから、CLトナー用の現像器を転写ドラム224と切り離して、4色の現像器を用いて画像を形成する画像形成モードに切り替える。
【0075】
次に、CPU310は、S59に進んで4色の現像器を用いて画像形成を行う。そしてS60に進み、原稿画像の画像形成処理を終了したかどうかを調べ、そうでないときはS59に進んで、以降の画像形成を実行する。
【0076】
なお、入力された原稿の画像データが白黒画像であり、単色で画像形成を行っていた場合には、S58では、単色の通常の画像形成モードをセットする。それによって、KトナーとCLトナーの2色の現像器を用いて画像を形成する画像形成モードから、CLトナー用の現像器を転写ドラム224と切り離して、Kトナー単色の現像器を用いて画像を形成する画像形成モードに切り替える。
【0077】
なお、フォーム画像の最後のページが白紙のページである場合には、S52で、フォームの最終ページから、フォーム画像の最後の白紙のページ数を減算した値をカレントページにセットすればよい。
【0078】
また、上述した実施形態では、フォーム画像が連続する原稿データに合成される場合で説明し、そのような場合にフォーム画像のページ数を取得して、取得されたページ数に従って、画像形成モードを切り替えるタイミングを決定する制御例を説明した。しかしながら、本願発明はこれに限るものではなく、フォーム画像が原稿データの特定のページに合成されるように指定されて登録されていてもよい。そのような場合、CPU301は、予め記憶されたフォーム画像データに従って、何ページ目にフォーム画像を合成するかを特定する。そして、CPU301は、特定された情報に従って、スループットを上げるために何ページ目を画像形成する前に画像形成モードの切り替えを実行するかを決定し、決定されたタイミングで画像形成モードを切り替えるようにしてもよい。
【0079】
(その他の実施例)
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像データを入力する入力手段と、
フォーム画像を記憶する記憶手段と、
前記入力手段によって入力された画像データと、前記記憶手段に記憶されたフォーム画像と合成する合成手段と、
前記合成手段によって合成された画像を、前記画像データの形成に用いる記録剤と前記フォーム画像の形成に用いる記録剤とを用いて形成させる画像形成手段と、
前記記憶手段に記憶された前記フォーム画像のページ数を取得する取得手段と、
前記取得手段によって取得されたフォーム画像のページ数に対応する画像の形成が終了したか否かを判定する判定手段とを備え、
前記画像形成手段は、互いにページ数の異なる前記画像データと前記フォーム画像とを前記合成手段によってページごとに合成して画像形成する場合に、前記判定手段によって前記フォーム画像のページ数に対応する画像の形成が終了したと判定されるまで、前記画像データの形成に用いる記録剤と前記フォーム画像の形成に用いる記録剤とを使用して画像を形成させ、前記判定手段によって前記フォーム画像のページ数に対応する画像の形成が終了したと判定された場合に、前記フォーム画像の形成に用いる記録剤を用いずに前記画像データの形成に用いる記録剤を用いて画像を形成させることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記フォーム画像を記録する記録剤は、透明トナーであることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
画像データを入力する入力工程と、
フォーム画像を記憶部に記憶する記憶工程と、
前記入力工程で入力された画像データと、前記記憶工程で記憶されたフォーム画像と合成する合成工程と、
前記合成工程で合成された画像を、前記画像データの形成に用いる記録剤と前記フォーム画像の形成に用いる記録剤を用いて画像形成部により形成させる画像形成工程と、
前記記憶工程で記憶されたフォーム画像のページ数を取得する取得工程と、
前記取得工程で取得されたフォーム画像のページ数に対応する画像の形成が終了したか否かを判定する判定工程とを備え、
前記画像形成工程では、互いにページ数の異なる前記画像データと前記フォーム画像とを前記合成工程でページごとに合成して形成する場合に、前記判定工程で前記フォーム画像のページ数に対応する画像の形成が終了したと判定されるまで、前記画像データの形成に用いる記録剤と前記フォーム画像の形成に用いる記録剤とを使用して前記画像形成部に画像を形成させ、前記判定工程で前記フォーム画像のページ数に対応する画像の形成が終了したと判定された場合に、前記フォーム画像の形成に用いる記録剤を用いずに前記画像データの形成に用いる記録剤を用いて画像を形成させることを特徴とする画像形成装置の制御方法。
【請求項4】
請求項3に記載された画像形成装置の制御方法を、コンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項1】
画像データを入力する入力手段と、
フォーム画像を記憶する記憶手段と、
前記入力手段によって入力された画像データと、前記記憶手段に記憶されたフォーム画像と合成する合成手段と、
前記合成手段によって合成された画像を、前記画像データの形成に用いる記録剤と前記フォーム画像の形成に用いる記録剤とを用いて形成させる画像形成手段と、
前記記憶手段に記憶された前記フォーム画像のページ数を取得する取得手段と、
前記取得手段によって取得されたフォーム画像のページ数に対応する画像の形成が終了したか否かを判定する判定手段とを備え、
前記画像形成手段は、互いにページ数の異なる前記画像データと前記フォーム画像とを前記合成手段によってページごとに合成して画像形成する場合に、前記判定手段によって前記フォーム画像のページ数に対応する画像の形成が終了したと判定されるまで、前記画像データの形成に用いる記録剤と前記フォーム画像の形成に用いる記録剤とを使用して画像を形成させ、前記判定手段によって前記フォーム画像のページ数に対応する画像の形成が終了したと判定された場合に、前記フォーム画像の形成に用いる記録剤を用いずに前記画像データの形成に用いる記録剤を用いて画像を形成させることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記フォーム画像を記録する記録剤は、透明トナーであることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
画像データを入力する入力工程と、
フォーム画像を記憶部に記憶する記憶工程と、
前記入力工程で入力された画像データと、前記記憶工程で記憶されたフォーム画像と合成する合成工程と、
前記合成工程で合成された画像を、前記画像データの形成に用いる記録剤と前記フォーム画像の形成に用いる記録剤を用いて画像形成部により形成させる画像形成工程と、
前記記憶工程で記憶されたフォーム画像のページ数を取得する取得工程と、
前記取得工程で取得されたフォーム画像のページ数に対応する画像の形成が終了したか否かを判定する判定工程とを備え、
前記画像形成工程では、互いにページ数の異なる前記画像データと前記フォーム画像とを前記合成工程でページごとに合成して形成する場合に、前記判定工程で前記フォーム画像のページ数に対応する画像の形成が終了したと判定されるまで、前記画像データの形成に用いる記録剤と前記フォーム画像の形成に用いる記録剤とを使用して前記画像形成部に画像を形成させ、前記判定工程で前記フォーム画像のページ数に対応する画像の形成が終了したと判定された場合に、前記フォーム画像の形成に用いる記録剤を用いずに前記画像データの形成に用いる記録剤を用いて画像を形成させることを特徴とする画像形成装置の制御方法。
【請求項4】
請求項3に記載された画像形成装置の制御方法を、コンピュータに実行させるためのプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2011−124805(P2011−124805A)
【公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−280954(P2009−280954)
【出願日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]