説明

画像形成装置、走査ビームのピッチずれ補正方法、コンピュータプログラム、及び記録媒体

【課題】パターン濃度を検出することによりピッチずれを検出し、その検出量からビームピッチを調整し、常にピッチのあった高品質な画像を提供する。
【解決手段】複数のビームをポリゴンミラーで偏向走査し、光書き込みを行って画像を形成する画像形成装置において、前記複数のビームによりビームピッチ補正のためのパターン対を形成し(S101−S103)、前記パターン対の濃度とパターン対の濃度差を算出し、算出された濃度差から複数のビームの副走査方向のピッチ間隔補正量を算出し(S104−S107)、算出されたピッチ間隔補正量に基づいて前記複数のビームの副走査方向のピッチを補正する(S108−S109)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ、これらの機能を複合して有するデジタル複合機などの画像形成装置、特に複数色のトナー像の重ね合わせによりカラー画像を形成するフルカラー画像形成装置、この画像形成装置に用いられるレーザ書込光学系の走査ビームピッチずれ補正方法、この補正方法をコンピュータで実行するためのコンピュータプログラム、及びこのプログラムがコンピュータによって実行可能に記録された記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置として所謂電子写真方式で画像を形成するカラー画像形成装置が広く知られている。この種の画像形成装置では、画像データに応じて変調する半導体レーザから出射された光ビームをポリゴンミラー等の走査手段で光走査して感光体表面を露光し、感光体表面に形成された潜像をトナーで現像して可視像化し、給紙部から給紙された記録紙に可視化したトナー像を転写し、転写された未定着画像を定着装置で定着して永久画像を得るようになっている。
【0003】
一方、昨今では、高速化と高解像度の要望から、複数の感光体ドラムを含む画像形成部を転写体の搬送方向に沿って並置し、各色の画像形成部で形成したトナー像を重ね合わせてカラー画像を得るタンデム方式のカラー画像形成装置が多くなっている。さらに、この方式の画像形成装置では、各色の感光体ドラムに対し複数のレーザ光源によって書き込むマルチレーザ方式の光走査装置が主流となってきている。このようなマルチビームレーザ方式の光走査を使用した画像形成装置では、装置の小型化、高画質化、及び高速化を図ろうとすると、レーザビームのビーム間の距離がさらに狭まる傾向にあり、走査線の幅も狭く、ビームピッチも短くなり、走査線同士の位置決め条件はより厳しくなってきている。これに対応するために、走査ビームの位置ずれ補正制御がより重要になっている。
【0004】
このような走査ビームの位置ずれ補正制御技術として例えば特許文献1及び2に記載された発明が公知である。このうち、特許文献1には、複数個の半導体レーザと該半導体レーザからの光ビームを各々略平行光束にするコリメートレンズと該コリメートレンズにより略平行光束となった複数の光ビームを重ね合わせて出射するビーム合成手段とにより構成される光源部と、該光源部から射出される各光束を感光体上に副走査方向に分離した複数の光スポットとして集光する光学系と、前記感光体上に集光される複数の光スポットを主走査方向に走査する手段とを備え、これら複数の光スポットにより前記感光体を同時に走査することにより該感光体上に画像の形成を行う画像形成装置において、前記感光体上に集光される複数の光スポットの副走査方向のピッチを設定するピッチ設定手段と、前記ピッチを可変するピッチ可変手段と、前記光源部の温度を検出する温度検出手段とを備え、前記温度検出手段の検出値に応じてピッチ設定値を変化させることを特徴とする発明が記載されている。
【0005】
また、特許文献2には、光源から放射されたレーザビームを、偏向走査手段により主走査方向に偏向走査し、走査結像光学系により該レーザビームを像担持体上に光スポットとして集光させ、前記像担持体上に形成された潜像を顕像化する現像手段を有する画像形成装置において、前記レーザビームの走査状態を検出するためのレーザビーム検出手段と、トナーパターンを検出するためのトナーパターン検出手段と、前記レーザビームの走査状態を補正するための補正手段を有し、前記レーザビーム検出手段と前記トナーパターン検出手段の検出値に基づいて前記補正手段を制御することを特徴とする発明が記載されている。
【特許文献1】特開2000−62244号公報
【特許文献2】特開2006−137132号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、特許文献1では、光書込系の光源部の温度変化による感光体上の光スポット間隔の変化を補正し、常時光スポットの間隔を一定に保つことにより画質の劣化を防止するように構成され、温度検出値と補正係数を対応させた補正データを記録保持している。しかし、温度検出値と補正係数を実機に保持しているが、更新することができなかったため、保持した関係から外れたときはピッチずれが生じ、生成する画像が劣化することがあった。
【0007】
また、特許文献2では、レーザビーム検出手段とトナーパターン検出手段の検出値に基づいて補正手段を制御するようになっている。実際には、ピッチずれ補正手段に液晶偏向素子を用い、パターンのエッジを直接観察してずれ量を算出するように構成されており、パターン濃度は、特に考慮されていない。
【0008】
さらに、昨今では、粉砕トナーから重合トナーへ作像プロセスが移行し、トナーによる画像の再現性が良くなってきたため、ピッチずれによる画像のむらが以前の画像形成装置よりも目立つようになっている。
【0009】
そこで、本発明が解決すべき課題は、パターンのエッジを直接観察するというようなコストのかかる方法ではなく、パターン濃度を検出するという比較的簡単な手法でピッチずれを検出し、その検出量からビームピッチを調整し、常にピッチのあった高品質な画像を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記課題を解決するため、第1の手段は、複数のビームを回転多面体で偏向走査し、光書き込みにより像担持体上に潜像を形成し、潜像を顕像化して記録媒体上に画像を形成する画像形成装置において、前記複数のビームによりビームピッチ補正のためのパターン対を形成するパターン形成手段と、前記パターン対の濃度を検出するパターン濃度検出手段と、前記パターン濃度検出手段で検出された前記濃度から前記パターン対の濃度差を算出する濃度差算出手段と、前記算出された濃度差から前記複数のビームの副走査方向のピッチ間隔補正量を算出するピッチ間隔補正量算出手段と、前記ピッチ間隔補正量に基づいて前記複数のビームの副走査方向のピッチを補正するピッチ補正手段と、を備えていることを特徴とする。
【0011】
第2の手段は、第1の手段において、前記複数のビームが2ビームであって、前記濃度差算出手段は、前記複数のビームをビーム1、ビーム2としたとき、ビーム1、ビーム2の順に描画した第1のテストパターンと、ビーム2とビーム1の順に描画した第2のテストパターンからなる前記パターン対の濃度差を算出することを特徴とする。
【0012】
第3の手段は、第1又は第2の手段において、前記パターン対のそれぞれが複数のパターンからなることを特徴とする。
【0013】
第4の手段は、第1ないし第3のいずれかの手段において、前記パターン対は、前記像担持体上に前記潜像形成手段によって形成された潜像が前記像担持体上で顕像化された顕像であることを特徴とする。
【0014】
第5の手段は、第1ないし第3のいずれかの手段において、前記パターン対は、前記像担持体上に前記潜像形成手段によって形成された潜像が顕像化され、無端ベルト状の中間転写体上に転写された顕像であることを特徴とする。
【0015】
第6の手段は、第1ないし第3のいずれかの手段において、前記パターン対は、前記像担持体上に前記潜像形成手段によって形成された潜像が顕像化され、前記記録媒体を搬送する無端ベルト状の搬送体上に転写された顕像であることを特徴とする。
【0016】
第7の手段は、第1又は第2の手段において、前記ピッチ補正手段の設定値とパターン濃度差の関係を予め取得して記憶手段に記憶し、前記濃度検出手段によって任意の設定値でパターン濃度差の計測を行ったとき、前記ピッチ間隔量算出手段は前記記憶手段に保存されている前記ピッチ補正手段の設定値とパターン濃度差の関係から、副走査方向のピッチ間隔を算出することを特徴とする。
【0017】
第8の手段は、第7の手段において、前記記憶手段に記憶される前記ピッチ補正手段の設定値とパターン濃度差の関係は、自機の画像形成の過程で取得されたものであることを特徴とする。
【0018】
第9の手段は、第1又は第2の手段において、前記ピッチ補正手段の設定値とパターン濃度差の関係は、前記ピッチ補正手段の設定値を少しずつ変更しながら前記濃度差算出手段によってパターン濃度差を取得し、得られたパターン濃度のデータから近似式を算出し、前記ピッチ補正手段の設定値と前記パターン濃度差の関係を得ることを特徴とする。
【0019】
第10の手段は、第9の手段において、前記近似式は前記パターン濃度差0付近のデータは除外したデータから算出されることを特徴とする。
【0020】
第11の手段は、第7ないし第10のいずれかの手段において、前記ピッチ補正手段の設定値と前記パターン濃度差の関係を任意のタイミングで自動取得する手段を備えていることを特徴とする。
【0021】
第12の手段は、第11の手段において、前記任意のタイミングが主電源をONしたタイミングであること特徴とする。
【0022】
第13の手段は、第11の手段において、予め設定されたタイミングで機内温度を計測して記憶手段に記憶し、前記任意のタイミングが、前記記憶した温度Tから予め設定されたΔTの温度変化が生じたタイミングであることを特徴とする。
【0023】
第14の手段は、第11の手段において、前記任意のタイミングが、画像形成枚数が予め設定された枚数を超えたタイミングであることを特徴とする。
【0024】
第15の手段は、第3ないし第5のいずれかの手段において、前記ピッチ補正手段の設定値と前記パターン濃度差の関係をユーザ又はサービスマンの指示により取得する指示手段を備えていることを特徴とする。
【0025】
第16の手段は、第1ないし第15のいずれかの手段において、前記ピッチ補正手段が、前記複数のビームを出射する出射口が並設された出射手段と、前記並設された出射口の回転対称中心を中心として前記出射手段を回転可能に支持する支持手段と、前記支持手段を前記中心に関して回転駆動する駆動手段と、を備えていることを特徴とする。
【0026】
第17の手段は、複数のビームを回転多面体で偏向走査し、光書き込みにより像担持体上に潜像を形成し、潜像を顕像化して記録媒体上に画像を形成する画像形成手段を有し、前記ビームのピッチずれを補正する走査ビームのピッチずれ補正方法において、前記複数のビームによりビームピッチ補正のためのパターン対を形成し、形成された前記パターン対の濃度を検出し、検出された前記濃度から前記パターン対の濃度差を算出し、前記算出された濃度差から前記複数のビームの副走査方向のピッチ間隔補正量を算出し、算出された前記ピッチ間隔補正量に基づいて前記複数のビームの副走査方向のピッチを補正することを特徴とする。
【0027】
第18の手段は、第17の手段において、前記複数のビームが2ビームであって、前記複数のビームをビーム1、ビーム2としたとき、ビーム1、ビーム2の順に描画した第1のテストパターンと、ビーム2とビーム1の順に描画した第2のテストパターンからなる前記パターン対の濃度差を算出することを特徴とする。
【0028】
第19の手段は、複数のビームを回転多面体で偏向走査し、光書き込みにより像担持体上に潜像を形成し、潜像を顕像化して記録媒体上に画像を形成する際、前記ビームのピッチずれをコンピュータによって補正するためのコンピュータプログラムにおいて、前記複数のビームによりビームピッチ補正のためのパターン対を形成する手順と、形成された前記パターン対の濃度を検出する手順と、検出された前記濃度から前記パターン対の濃度差を算出する手順と、前記算出された濃度差から前記複数のビームの副走査方向のピッチ間隔補正量を算出する手順と、算出された前記ピッチ間隔補正量に基づいて前記複数のビームの副走査方向のピッチを補正する手順と、を備えていることを特徴とする。
【0029】
第20の手段は、第19の手段に係るコンピュータプログラムが、コンピュータによって読み取られ、実行可能に記録媒体に記録されていることを特徴とする。
【0030】
なお、後述の実施形態では、複数のビームはLDユニット3から出射されるレーザビームに、回転多面体はポリゴンミラー31に、記録媒体は転写紙に、画像形成手段はポリゴンミラー31、fθレンズ32に、感光体14,14Y,14M,14C,14Kに、帯電装置17Y,17M,17C,17K、現像装置18Y,18M,18C,18K、中間転写ベルト13、一次転写装置15Y,15M,15C,15K、及び二次転写装置21に、パターン形成手段は制御部1、LDユニット3、ポリゴンミラー31、fθレンズ32、感光体14、及び現像装置18に、パターン濃度検出手段は拡散光センサ151、A/D変換器6及び制御部1に、濃度差検出手段及びピッチ間隔補正量算出手段は制御部1に、ピッチ補正手段は符号4に、出射口はLD1,LD2のレーザの出射口に、出射手段はLD、LD1、LD2に、支持手段は回転軸3j及びLDユニットフレーム3bに、駆動手段はステッピングモータ3hに、第1のテストパターンはパターン1(P1)に、第2のテストパターンはパターン2(P2)に、中間転写体は中間転写ベルト13に、搬送体は図示しない搬送ベルトに、記憶手段はメモリ8に、指示手段は操作ボタン9に対応し、ΔTの温度変化はサーミスタ7によって検出され、画像形成枚数はページカウンタ10によってカウントされる。
【発明の効果】
【0031】
本発明によれば、複数のパターンのパターン濃度を検出することによりピッチずれを検出し、その検出量からビームピッチを調整し、常にピッチのあった高品質な画像を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0033】
図1は、本発明の実施形態に係る画像形成装置の光走査装置部分の制御構成を示す図である。同図において、光走査装置の制御構成は、制御部1を中心に、コントローラ2、LD(レーザダイオード)ユニット3、ピッチ補正手段(ピッチ補正部)4、パターン濃度センサ5、A/D変換器6、サーミスタ7、メモリ8、操作ボタン9、及びページカウンタ10から基本的に構成されている。制御部1はCPUあるいはその周辺ASICからなる。制御部1ではコントローラ2からデータを受けて、LDユニット3のLDドライバへ複数ライン毎、かつある一定のタイミング毎に画像データを変調して送信している。LDユニット3はLDドライバとLDとからなる。なお、図1では、操作ボタンは単にボタンと表示している。
【0034】
LDドライバは送信された画像形成信号(変調信号)通りにLDを駆動する。LDにより照射される光ビームはポリゴンモータにより駆動される回転多面体としてのポリゴンミラー31によって偏向され、ここではコリメータレンズ3a、図示しない折り返しミラー等を経由し、fθレンズ32にて等角速度走査を等速度走査に変換し、像担持体である感光体(感光体ベルト)14上に潜像を形成する。LDユニット3は図3で詳細に記載しているピッチ補正手段4と接続されている。
【0035】
コントローラ2には操作ボタン9とページカウンタ10が接続され、制御部1にはサーミスタ7及びメモリ8が接続されている。また、操作ボタン9は操作入力によりSP(サービスプログラム)あるいはUP(ユーザプログラム)から実行できるもので、図示しない操作部の操作パネルに設けられている。この操作ボタン9から制御部1へピッチ補正を実行する命令が発行される。ページカウンタ10は画像形成枚数をカウントする。サーミスタ7は機内温度を検出する。なお、サーミスタ7はコリメータレンズ3aの温度あるいはその近傍の温度を検出できるような位置に配置することが望ましい。
【0036】
図1では、光ビームとしてLDを用いる構成について図示している。光ビームの発生手段としては、LD、LDアレイ、VCSELその他光ビームを発生する手段であれば何でも良い。なお、VCSELとはVertical Cavity Surface Emitting LASER(垂直共振器面発光レーザ)の略称であり、複数のレーザ光を発光する。
【0037】
パターン濃度検出センサ5は感光体14上に形成されたパターンの濃度を検出するセンサで反射型の光センサが使用される。このセンサからのセンサ出力はA/D変換器6によってA/D変換され、制御部1に入力される。
【0038】
図2は本実施形態に係る間接転写方式のタンデム型の画像形成装置の全体構成を概略的に示す図である。同図において、駆動ローラ11と従動ローラ12間には、無端状の中間転写ベルト13が掛け渡されている。中間転写ベルト13は、ポリイミドなどの合成樹脂で構成されている。
【0039】
この中間転写ベルト13の上方には、該中間転写ベルト13の搬送方向に沿って、上流側からイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の4つの感光体ドラム14Y、14M、14C、14Kが配設されている。中間転写ベルト13は、図2において時計回りに回転する。
【0040】
各感光体ドラム14Y、14M、14C、14Kの下部には中間転写ベルト13を挟んで一次転写装置15Y、15M、15C、15Kが設けられている。各感光体ドラム14Y、14M、14C、14Kの周囲には、それぞれ、感光体ドラム14Y、14M、14C、14Kを除電する除電装置16Y、16M、16C、16K、感光体ドラム14Y、14M、14C、14Kを帯電する帯電装置17Y、17M、17C、17K、感光体ドラム14Y、14M、14C、14K上の潜像を現像する現像装置18Y、18M、18C、18K、一次転写装置によって中間転写ベルト13に転写された後に残ったトナー像を清掃するクリーニング装置19Y、19M、19C、19Kが配置されている。クリーニング装置としては、クリーニングブレード、クリーニングブラシ等が使用される。
【0041】
中間転写ベルト13の下方には、二次転写ローラ対21が配設されている。この二次転写ローラ対21は、中間転写ベルト13上に形成されたトナー像を記録媒体である転写紙に転写する二次転写装置を構成する。中間転写ベルトは支持ローラ22により支持されている。この支持ローラ22と二次転写ローラ対21との間には、トナー画像を転写紙に転写した後に、中間転写ベルト13上に残留する残留トナーを除去するクリーニング装置23が設けられている。転写紙に転写されたトナー画像は、定着装置25により、転写紙に定着される。
【0042】
感光体ドラム14Y、14M、14C、14Kの上方には、光ビーム走査装置30が配置されている。光ビーム走査装置30によって、感光体ドラム14Y、14M、14C、14K上にイエロー・マゼンタ・シアン・ブラックの単色の潜像が形成される。光ビームを照射する光源としては前述のものが挙げられる。これら潜像は、現像装置18Y、18M、18C、18Kによって顕像化される。これらの単色画像が順次中間転写ベルト13上に転写され、重ね合わせられることによって、カラー画像が形成される。中間転写ベルト13上に形成されたカラー画像は、二次転写ローラ対21において、転写紙に転写され、定着装置25において転写紙上に定着される。これらの構成は従来から公知であるので、詳細な構成や説明は省略する。
【0043】
このタンデム方式は色ずれを発生させやすいため、中間転写ベルト、搬送ベルトといった中間媒体上に決まったテストパターンを転写し、位置合わせセンサで読み取って書込制御部へフィードバックして各色間の位置を合わせる制御を行う。図2では、駆動ローラ11の下流側直後の中間転写ベルト13に対向した位置に位置合わせセンサ150が配置されている。なお、位置合わせセンサ151の前記位置に限らず、中間転写ベルト13上で最終段の一次転写装置15Kから中間転写ベルトのクリーニング装置23までの間であればどこでも良い。また、本実施形態では、中間転写ベルト13に対向した位置に設けられているが、位置ずれが検出できる部材であれば、感光体上でも良く、中間転写ベルトを持たず、搬送ベルトを持つ機種であれば、搬送ベルトに対向する位置に設置しても良い。
【0044】
なお、図2では間接転写方式のタンデム型のフルカラー画像形成装置を例示しているが、直接転写方式のタンデム型のフルカラー画像形成装置、1ドラム方式(リボルバー方式)のフルカラー画像形成装置であっても、モノクロ機であっても複数のLDを使用し、LD間のピッチずれが生じるような画像形成装置であれば、本発明は適用される。
【0045】
図3は位置合わせセンサ151の一例を示す図である。本実施形態では、位置合わせセンサ151として拡散光センサ方式を採用している。拡散光センサ方式を採用した位置合わせセンサ151は、LD、LEDあるいはランプで構成された光源151aと、この光源151aからの光を位置合わせパターン150に照射し、反射光を受けない位置に配置され、拡散光を受ける拡散光センサ151bとからなる。拡散光センサ151bはフォトダイオード(PD)あるいはフォトトランジスタなどが使用される。この位置合わせに使用されるセンサ自体は公知であるので、詳細な説明は省略する。
【0046】
図4ないし図6はピッチ補正手段とビームの状態を示す図である。
図4(a)において、LDユニット3はLDがLDユニットフレーム3bに固定され、LDユニットフレーム3bの突出部3cが書き込みユニットのステー3dにピン3eによって連結されている。また、がたつきを防止するためにバネ3gが挿入されている。LDユニットフレーム3bは図示しないミラー及びレンズ類を収めたハウジングに回転可能に取り付けられている。LDは第1及び第2のレーザダイオード(以下、LD1,LD2と称す)を備え、LD1,2の発光中心を結ぶ線3fの中央部が回転中心Oとなっている。LD1,2はホルダ3jに固定され、このホルダの中心が回転中心Oとなり、ホルダ自体が回転軸として機能している。図5(a)には回転軸3jとして図示している。
【0047】
なお、LD1、LD2が請求項にいう出射手段に相当し、LD1,LD2の図示しないレーザ出射口が請求項にいう出射口に相当し、図を参照すると、LD1およびLD2の中心(出射口の中心に相当)が前記線3fに沿って並設されていることが分かる。
【0048】
ピン3eは一端が前述のようにLDユニットフレーム3bの突出部3cに連結され、他端はステッピングモータ3hの回転軸に連結され、ステッピングモータ3hにより回転駆動される。そして、ピン3eの回転によりステー3dと突出部3e間の距離を変え、LDユニットフレーム3bを、前記回転中心Oを中心として時計方向及び反時計方向に回転させることができる。ステッピングモータ3hは、回転量を正確に制御することができることから、この実施形態では、ステッピングモータを使用している。なお、ピン3eによる前記ステー3dと突出部3e間の距離を変更する機構は、種々のバリエーションがあるので、ここではそれらのバリエーションについては特に説明しない。ただ、機構的にモータを駆動して、前記距離が変更できる機構であれば良い。
【0049】
図4はLD1とLD2との間にずれがない状態を示している。概略的ではあるが、図4(a)における回転中心Oを通り、LD1とLD2の共通接線3iが図4(b)に示したLD1のビームB1とLD2のビームB2の境界線に対応する。この状態が、複数のLD1,LD2の間でずれがない状態である。
【0050】
図4(a)の状態からステッピングモータ3hをCW(時計方向)に回転させると、図5(a)に示すようにピン3eが延び、LDユニットフレーム3bが回転中心Oを中心としてCW(時計方向)に回転する。これにより、LD1及びLD2が前記線2iから離れる。その結果、図5(b)に示すようにLD1及びLD2の走査ラインのライン間のピッチが広がる。
【0051】
一方、図4(a)の状態からステッピングモータ3hをCCW(反時計方向)に回転させると、図6(a)に示すようにピン3eが縮み、LDユニットフレーム3bが回転中心Oを中心としてCCW(反時計方向)に回転する。これにより、LD1及びLD2が前記線2iに近接する。その結果、図6(b)に示すようにLD1及びLD2の走査ラインのライン間のピッチが狭まる。
【0052】
なお、ピッチは600dpiの書き込み密度のものでは、42.3μmであり、1200dpiのものではその半分となる。
【0053】
そこで、補正する場合には、ライン間のピッチが広くなっていれば、狭くなる方向に、狭くなっていれば、広くなる方向にステッピングモータ3hを回転させ、図4(b)のような状態にすれば良い。
【0054】
図7は、形成するピッチずれ検出パターンと予想される検出濃度を示す図である。図中の網点を施した丸は書き込まれる1つのドットを示している。ピッチずれ検出パターンは本実施形態のような間接転写方式のタンデム型画像形成装置では中間転写ベルト13上に、直接転写方式のタンデム型画像形成装置では、記録紙を搬送し、直接転写させる搬送ベルト上に形成する。
【0055】
本実施形態におけるパターンは、隣接する2ラインずつ作成と非作成を繰り返すことを特徴としている。すなわち、まず、2ライン作像すると、次の2ラインは作像せず、その次の2ラインを作像する、という動作を繰り返してパターンを形成する。その際、パターン1とパターン2の2種のパターンを組みあわせて形成する。パターン1は、最初のラインと次のラインについてLD1とLD2を点灯し、パターン2は2番目のラインと3番目のラインについてLD2とLD1を点灯するパターンである。図7では(a)、(c)、(e)がLD1、LD2を点灯するパターン1のパターンであり、図7では(b)、(d)、(f)のパターンがLD2、LD1を点灯するパターン2のパターンである。図中に示した点線はドットの中心を示す。
【0056】
図7では、(a)がパターン1、ピッチずれ無しの状態、(b)がパターン2、ピッチずれ無しの状態、(c)がパターン1、LD1とLD2のピッチが離れている状態、(d)がパターン2、LD1とLD2のピッチが離れている状態、(e)がパターン1、LD1とLD2のピッチが近接している状態、(f)がパターン2、LD1とLD2のピッチが近接している状態、がそれぞれ示されている。
【0057】
図7(c)及び(d)は前述のようにそれぞれパターン1と2のLD1とLD2のピッチが離れているときのテストパターンである。同図から分かるようにパターン1では(c)のようにLD1とLD2のピッチが離れているのでトナーが多く消費され濃度が濃くなる。これに対し、パターン2では(c)とは反対に(d)のようにLD2とLD1が近接するため、ドットがまとまって濃度が薄くなる。
【0058】
図7(e)及び(f)はそれぞれパターン1と2のLD1とLD2のピッチが近接しているときのテストパターンである。同図から分かるようにパターン1では(e) のようにLD1とLD2のピッチが近接しているのでドットがまとまって濃度が薄くなり、パターン2では(e)とは反対に(f)のようにLD2とLD1が離れるため、濃度が濃くなる。
【0059】
まとめると以下の表のようになる。
【0060】
表1 ピッチずれ検出パターンと検出される濃度の関係
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
正常状態 ピッチが離れている ピッチが近接している
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
パターン1 図7(a) 図7(c) 図7(e)
濃度 ふつう 濃い 薄い
パターン2 図7(b) 図7(d) 図7(f)
濃度 ふつう 薄い 濃い
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
図8は中間転写ベルト13上に形成されるピッチずれ検出パターンを示す図である。ピッチずれ検出パターンはスタートパッチSPの後(搬送方向上流側)にパターン1(P1)とパターン2(P2)のパターンが形成される。パターン1(P1)は図7に示したように前記LD1,LD2の2ラインを書き込むパターン、パターン2(P2)はLD2,LD1の2ラインを書き込むパターンであり、これらのパターンが図6において右側に図示されているように複数まとめて書き込まれる。なお、パターン1(P1)及びパターン2(P2)の組を複数回計測しても良く、データを平均化させても良い。さらに、異常値を除去するようなアルゴリズムを導入し、精度を上げるようにすることもできる。
【0061】
図9は検出するパターンの濃度レベルと検出結果を示す図であり、ピッチが合っていないときの濃度レベルの差を示している。図7では、パターン1(P1)の濃度レベルがa、パターン2(P2)の濃度レベルがbで示され、a>bとなっている。そこで、パターン1(P1)とパターン2(P2)の濃度差をcとすると、
c=a−b
となる。この濃度差cが
c>0
であれば(cが正の値のとき)、ピッチが離れていることを示し、
c<0
であれば(cが負の値のとき) ピッチが近接していることを示す。
【0062】
図10は検出するパターンの時間に対する濃度レベルの変化を示す図である。図10の検出結果は、濃度が高いほど電圧レベルが高く出力されるタイプの拡散光センサ151bによるものであり、図7(e)及び(f)を順番に検出した結果である。Vgは地肌レベルを示し、パターンが出力されていなくとも一定のレベルが出力される。パターン1(P1)のサンプリング結果をV1、パターン2(P2)のサンプリング結果をV2とする。位置合わせセンサ151の検出出力は図1に示すパターン濃度検出センサ5と同様にA/D変換器6に入力され、A/D変換器6でパターンの信号強度(濃度レベル)を電圧で検出し、検出結果を制御部1に送る。
【0063】
制御部1では、図10に示すように複数回濃度レベルをサンプリングし、複数データを平均化し、濃度レベルを決定する。この決定された濃度レベルが前記V1であり、V2である。また、異常値(測定ミスなどの理由により)を検出した際には、その値を外して制御を行うようなことをしても良い。
【0064】
このように検出した結果、濃度レベルが
V1=V2
となれば、あるいは前記等式が成立したとき、ビームピッチが合っているということを示している。なお、このパターン1及び2の形成、サンプリング、拡散光センサ151bの出力から濃度検出、及びビームピッチの検出は制御部1のCPUによって実行される。CPUは図示しないROMに格納されたプログラムを読み出し、RAMをワークエリアとして使用しながら前記プログラムに従った制御を実行する。
【0065】
図11は、検出するパターンの濃度レベルと補正方法の一例を示す図である。同図はピッチ補正手段4で使用されているステッピングモータ3hの設定値と図9で説明したパターン濃度差の関係を示す図である。○印はピッチ補正手段の設定値(モータのステップ設定値)0のときパターン濃度差が0になることを示している。図11において、「この位置で計測」の位置で画像形成装置が動作しているとして、ピッチ補正手段4の設定値(モータのステップ設定値)を徐々に変えながらパターン濃度差をプロットすると△印のような関係を得た。
【0066】
この測定結果から例えば最小二乗法のような近似法を用いてピッチ補正手段4の設定値(モータのステップ設定値)とパターン濃度差との関係を得ることができる。近似式(図ではグラフ)とパターン濃度差が0になるモータステップ設定値CV1に設定すれば、パターン濃度差がなくなる、すなわちピッチが合うことが分かる。なお、図11では、ステッピングモータ3hのCW(時計方向)回転を正(+)にとっている。
【0067】
図12は近似直線の作成方法を示す図である。パターン濃度差を検出するとき、パターン濃度差0付近ではデータの精度が出ず、近似式を算出した際に誤差が大きくなりやすいため、パターン濃度差0付近のデータは除外して近似式を算出する。この方が精度の良いピッチ補正手段4の設定値(モータのステップ設定値)とパターン濃度差の関係が取得できる。すなわち、モータのステップをCW(時計方向)に対して負の方向と正の方向に振ってパターン濃度差を検出し、グラフ化する。このとき、ステッピングモータ3hの回転量が小さい領域の検出データは無視し、直線近似を行う。
【0068】
図13は検出するパターンの濃度レベルと補正方法の一例を示す図である。ピッチ補正手段4の設定値(モータのステップ設定値)とパターン濃度差の関係が例えば図11の△印のプロットで示される特性として既に得られているとき、「この位置で計測」という位置でパターン濃度差を計測すれば、ピッチ補正手段の設定値をどちらの方向にどれだけ設定すれば良いか分かる。この例では、CW方向にCV2ステップだけ補正すれば良い。この関係は、プログラム中に書き込んでおいても良いし、不揮発メモリ中に保存しておいても良い。あるいは、工場で得られた値を保存しておいても良く、実機のステッピングモータを少しずつ動かしながらパターン濃度差を計測しても良い。いずれにしてもパターン濃度差が0である直線に対して、前記△印をプロットして得られ、あるいは△印に基づいて直線近似により求められた特性との交点の横軸の値、ここでは、ステッピングモータ3hの回転量が補正量となる。
【0069】
なお、制御部1は前記ピッチ補正手段4の設定値(図11ないし図13の横軸の値)と前記パターン濃度差の関係(図11ないし図13の縦軸の値)は任意のタイミング、例えば、主電源をONしたタイミング、サーミスタ7によって機内温度を計測してメモリ8に記憶し、メモリ8に記憶した温度TからΔTだけ温度が変化したタイミング、ページカウンタ10によってカウントされていた画像形成枚数が予め設定された枚数を超えたタイミングのいずれかで前記ピッチ補正手段4の設定値と前記パターン濃度差の関係(図11における△印で示す関係)を取得するように動作する。また、このタイミングでピッチずれ補正を行うように設定することもできる。
【0070】
また、画像形成装置の操作パネルの操作ボタン9の指示に基づいて取得するように設定することもできる。この場合、操作ボタン9はユーザ若しくはサービスマンが操作する。この場合も、前記取得動作に伴ってピッチずれ補正を行うように設定することもできる。
【0071】
図14はピッチずれ補正の制御手順を示すフローチャートである。
図14において、ピッチ補正制御が開始されると、ピッチ補正手段4の補正量を初期値に合わせ(ステップS101)、ステッピングモータ3hを規定の位置から順に動作させながら(ステップS102)、パターン1(P1)及びパターン2(P2)をそれぞれ中間転写ベルト13上に形成し、拡散光センサ151bによってパターン濃度を測定する(ステップS103)。測定された濃度データからパターン1(P1)とパターン2(P2)の濃度差、すなわち、パターン濃度差(Vdiff)を
Vdiff=V1−V2 ・・・(1)
により検出し、検出した値を不揮発メモリに記憶する(ステップS104)。
【0072】
次いで、補正量をカウントアップし(ステップS105)、規定のカウントまでカウントアップするまでステップS102からステップS105の処理を繰り返す(ステップS106)。そして、規定の補正量までカウントアップした時点で、図15に示すようにステッピングモータ3hのステップ数とパターン濃度差の関係を得る。ここでは、横軸にモータのステップ数及びビームピッチの補正量が撮られ、縦軸にパターン濃度差(Vdiff)(mV)がとられている。この△印のプロットから直線近似を行い、近似式を生成する(ステップS107)。ここでは、
Vdiff=200×ステップ数
としている。この図15からパターン濃度差(Vdiff)を0とすると、補正量はモータのステップ数で+4、ビームピッチ補正量で20μmであるとして求められる(ステップS108)。すなわち、ここで、補正量「+」はピッチを広げる方向であることを示し、補正量「−」はビームピッチを狭める方向であることを示す。また、ステッピングモータ3hの1ステップは補正量に直すと5μmである。
【0073】
図16は、ピッチずれ補正を実施するときの処理手順を示すフローチャートである。ピッチずれ補正を行う場合には、まず、パターン1(P1)、パターン2(P2)を中間転写ベルト13上に形成し、拡散光センサ151bによってそれぞれのパターン濃度V1,V2を測定する(ステップS201)。次いで、パターン1,パターン2の濃度データからパターン濃度差Vdiffを前記式(1)から算出し、メモリに保存する(ステップS202)。
【0074】
その後、表2に示したパターン濃度差とモータステップ数との関係から、あるいは記憶されている近似式などのモータのステップ数とパターン濃度差の関係を示すデータからステッピングモータ3hの補正ステップ数を求める(ステップS203)。そして、求められたモータステップ数に基づいてステッピングモータ3hを駆動し、ビームピッチを補正する(ステップS204)。実際には、例えば、Vdiff=−400(mV)と濃度レベル差を検出した際には、ビームピッチを−10μm、すなわち ステップを−2だけ動作させれば良い。
【0075】
表2 パターン濃度差とモータのステップ数の関係
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
パターン濃度差 モータステップ数 ビームピッチ補正量
Vdiff(mV) (step) (um)
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
1000 5 25
800 4 20
600 3 15
400 2 10
200 1 5
0 0 0
−200 −1 −5
−400 −2 −10
−600 −3 −15
−800 −4 −20
−1000 −5 −25
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
なお、本実施形態では、ピッチ変更手段4としてステッピングモータ3hを使用した例を示しているが、ステッピングモータに代えて公知の液晶偏光素子をピッチ偏光手段として使用することもできる。
【0076】
以上のように本実施形態によれば、
1)パターン対のパターン濃度を検出することによりピッチずれを検出し、その検出量からピッチずれを補正してビーム間距離を調整し、常にビームピッチのあったビーム走査が可能となるので、高品質な画像を提供することができる。
2)第1及び第2のテストパターンからなるパターン対のトナー濃度を検出し、両者の濃度差に基づいてビームピッチのずれを検出するので、従来からのトナー濃度センサの使用が可能であり、低コストでピッチずれ補正が可能となる。
3)パターン対の形成に際し、第1ラインを形成するLD1と第2ラインを形成するLD2の組と、第2ラインを形成するLD2と第3ラインを形成するLD1の組を使用するだけなので、特殊なパターンを形成することなく、ピッチずれ補正が可能となる。
4)自機の画像形成プロセスの過程で取得したステッピングモータのステップ数の設定値とパターン濃度差の関係に基づいてピッチ間隔を補正するので、各装置毎に精度の良いピッチずれ補正が可能となる。
5)LD1とLD2を保持したLDユニットフレーム3bの回転中心Oを中心としてLDユニットフレーム3bを回転させてピッチ間隔を調整することができるので、調整動作が容易である。
6)トナーによる画像の再現性が良好な重合トナーの作像プロセスを使用した画像形成装置においても、ピッチずれによる画像のむらを容易に解消することができる。
等の効果を奏する。
【0077】
なお、本発明は本実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された技術思想に含まれる技術的事項の全てが対象となることはいうまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】本発明の実施形態に係る画像形成装置の光走査装置部分の制御構成を示す図である。
【図2】本発明の実施形態に係る間接転写方式のタンデム型の画像形成装置の全体構成を概略的に示す図である。
【図3】位置合わせセンサの一例を示す図である。
【図4】ピッチ補正手段とビームの状態(その1)を示す図である。
【図5】ピッチ補正手段とビームの状態(その2)を示す図である。
【図6】ピッチ補正手段とビームの状態(その3)を示す図である。
【図7】形成するピッチずれ検出パターンと予想される検出濃度を示す図である。
【図8】中間転写ベルト上に形成されるピッチずれ検出パターンを示す図である。
【図9】検出するパターンの濃度レベルと検出結果を示す図である。
【図10】検出するパターンの時間に対する濃度レベルの変化を示す図である。
【図11】検出するパターンの濃度レベルと補正方法の一例を示す図である。
【図12】近似直線の作成方法を示す図である。
【図13】検出するパターンの濃度レベルと補正方法の一例を示す図である。
【図14】ピッチずれ補正の制御手順を示すフローチャートである。
【図15】ステッピングモータのステップ数とパターン濃度差の関係を示す図である。
【図16】ピッチずれ補正を実施するときの処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0079】
1 制御部
2 コントローラ
3 LDユニット
3a コリメータレンズ
4 ピッチ補正手段(ピッチ補正部)
5 パターン濃度検出センサ
6 A/D変換器
7 サーミスタ
8 メモリ
9 操作ボタン
10 ページカウンタ
13 中間転写ベルト
14,14Y,14M,14C,14K 感光体
17Y,17M,17C,17K 帯電装置
18Y,18M,18C,18K 現像装置
15Y,15M,15C,15K 一次転写装置
21 二次転写装置
31 ポリゴンミラー
32 fθレンズ
151 拡散光センサ
LD レーザダイオード
LD1 第1のレーザダイオード
LD2 第2のレーザダイオード
P1 パターン1
P2 パターン2

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のビームを回転多面体で偏向走査し、光書き込みにより像担持体上に潜像を形成し、潜像を顕像化して記録媒体上に画像を形成する画像形成装置において、
前記複数のビームによりビームピッチ補正のためのパターン対を形成するパターン形成手段と、
前記パターン対の濃度を検出するパターン濃度検出手段と、
前記パターン濃度検出手段で検出された前記濃度から前記パターン対の濃度差を算出する濃度差算出手段と、
前記算出された濃度差から前記複数のビームの副走査方向のピッチ間隔補正量を算出するピッチ間隔補正量算出手段と、
前記ピッチ間隔補正量に基づいて前記複数のビームの副走査方向のピッチを補正するピッチ補正手段と、
を備えていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1記載の画像形成装置において、
前記複数のビームが2ビームであって、
前記濃度差算出手段は、前記複数のビームをビーム1、ビーム2としたとき、ビーム1、ビーム2の順に描画した第1のテストパターンと、ビーム2とビーム1の順に描画した第2のテストパターンからなる前記パターン対の濃度差を算出することを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項1又は2記載の画像形成装置において、
前記パターン対のそれぞれが複数のパターンからなることを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
前記パターン対は、前記像担持体上に形成された潜像が前記像担持体上で顕像化された顕像であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項1ないし3のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
前記パターン対は、前記像担持体上に形成された潜像が顕像化され、無端ベルト状の中間転写体上に転写された顕像であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項1ないし3のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
前記パターン対は、前記像担持体上に形成された潜像が顕像化され、前記記録媒体を搬送する無端ベルト状の搬送体上に転写された顕像であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
請求項1又は2記載の画像形成装置において、
前記ピッチ補正手段が補正する際に使用する設定値とパターン濃度差の関係を予め取得して記憶手段に記憶し、
前記濃度検出手段によって任意の設定値でパターン濃度差の計測を行ったとき、前記ピッチ間隔量算出手段は前記記憶手段に保存されている前記ピッチ補正手段の設定値とパターン濃度差の関係から、副走査方向のピッチ間隔を算出することを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
請求項7記載の画像形成装置において、
前記記憶手段に記憶される前記ピッチ補正手段の設定値とパターン濃度差の関係は、自機の画像形成の過程で取得されたものであることを特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
請求項1又は2記載の画像形成装置において、
前記ピッチ補正手段の設定値とパターン濃度差の関係は、前記ピッチ補正手段の設定値を少しずつ変更しながら前記濃度差算出手段によってパターン濃度差を取得し、得られたパターン濃度のデータから近似式を算出し、前記ピッチ補正手段の設定値と前記パターン濃度差の関係を得ることを特徴とする画像形成装置。
【請求項10】
請求項9記載の画像形成装置において、
前記近似式は前記パターン濃度差0付近のデータを除外したデータから算出されることを特徴とする画像形成装置。
【請求項11】
請求項7ないし10のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
前記ピッチ補正手段の設定値と前記パターン濃度差の関係を任意のタイミングで自動取得する手段を備えていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項12】
請求項11記載の画像形成装置において、
前記任意のタイミングが、主電源をONしたタイミングであること特徴とする画像形成装置。
【請求項13】
請求項11記載の画像形成装置において、
予め設定されたタイミングで機内温度を計測して記憶手段に記憶し、
前記任意のタイミングが、前記記憶した温度TからΔTだけ温度が変化したタイミングであることを特徴とする画像形成装置。
【請求項14】
請求項11記載の画像形成装置において、
前記任意のタイミングが、画像形成枚数が予め設定された枚数を超えたタイミングであることを特徴とする画像形成装置。
【請求項15】
請求項3ないし5のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
前記ピッチ補正手段の設定値と前記パターン濃度差の関係をユーザ又はサービスマンの指示により取得する指示手段を備えていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項16】
請求項1ないし15のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
前記ピッチ補正手段が、
前記複数のビームを出射する出射口が並設された出射手段と、
前記並設された出射口の回転対称中心を中心として前記出射手段を回転可能に支持する支持手段と、
前記支持手段を前記中心に関して回転駆動する駆動手段と、
を備えていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項17】
複数のビームを回転多面体で偏向走査し、光書き込みにより像担持体上に潜像を形成し、潜像を顕像化して記録媒体上に画像を形成する画像形成手段を有し、前記ビームのピッチずれを補正する走査ビームのピッチずれ補正方法において、
前記複数のビームによりビームピッチ補正のためのパターン対を形成し、
形成された前記パターン対の濃度を検出し、
検出された前記濃度から前記パターン対の濃度差を算出し、
前記算出された濃度差から前記複数のビームの副走査方向のピッチ間隔補正量を算出し、
算出された前記ピッチ間隔補正量に基づいて前記複数のビームの副走査方向のピッチを補正すること
を特徴とする走査ビームのピッチずれ補正方法。
【請求項18】
請求項17記載の走査ビームのピッチずれ補正方法において、
前記複数のビームが2ビームであって、前記複数のビームをビーム1、ビーム2としたとき、ビーム1、ビーム2の順に描画した第1のテストパターンと、ビーム2とビーム1の順に描画した第2のテストパターンからなる前記パターン対の濃度差を算出することを特徴とする走査ビームのピッチずれ補正方法。
【請求項19】
複数のビームを回転多面体で偏向走査し、光書き込みにより像担持体上に潜像を形成し、潜像を顕像化して記録媒体上に画像を形成する際、前記ビームのピッチずれをコンピュータによって補正するためのコンピュータプログラムにおいて、
前記複数のビームによりビームピッチ補正のためのパターン対を形成する手順と、
形成された前記パターン対の濃度を検出する手順と、
検出された前記濃度から前記パターン対の濃度差を算出する手順と、
前記算出された濃度差から前記複数のビームの副走査方向のピッチ間隔補正量を算出する手順と、
算出された前記ピッチ間隔補正量に基づいて前記複数のビームの副走査方向のピッチを補正する手順と、
を備えていることを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項20】
請求項19記載のコンピュータプログラムが、コンピュータによって読み取られ、実行可能に記録されていることを特徴とする記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2010−39114(P2010−39114A)
【公開日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−200805(P2008−200805)
【出願日】平成20年8月4日(2008.8.4)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】