説明

画像形成装置の用紙給紙方法

【課題】紙詰まりなどの動作不良が発生するのを抑制するとともに、部品点数が増加するのを抑制することが可能な画像形成装置の用紙給紙方法を提供する。
【解決手段】この熱転写プリンタ(画像形成装)の用紙給紙方法は、印画の後、頭出しセンサ8(センサ)によりインクリボン2eの識別部2jが検知されるまでの印画方向への用紙30の搬送に要したステッピングモータ12のステップ数mを検知するとともに、予め設定されたステップ数Yおよびステップ数Pと、頭出しセンサ8によるインクリボン2eの識別部2jの検知に基づくステッピングモータ12のステップ数mとに基づいて、ステップ数(P+m−Y)分だけ用紙30を給紙開始位置から印字ヘッド下挿入位置まで第1給紙経路にそって給紙方向に搬送する第1給紙ステップを備える。また、ステッピングモータ12をステップ数Yだけ回転させることにより、用紙30を印字ヘッド下挿入位置から用紙頭出し位置まで第2給紙経路に沿って給紙方向に搬送する第2給紙ステップを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、画像形成装置の用紙給紙方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、インクジェット記録装置などの画像形成装置において、用紙給紙方法が種々提案されている(例えば、特許文献1および特許文献2参照)。
【0003】
上記特許文献1には、プリンタの外部から見やすい位置に設けられた仮の印字開始位置と、用紙の給紙開始位置とを手動で合わせた状態から、仮の印字開始位置と、印字ヘッドとプラテンとが対向する位置にある真の印字開始位置との間の距離と、予め設定されている用紙の1頁長とを比較および計算することによって、プリンタカバーを開けることなく、用紙の印字開始位置を真の印字開始位置に合わせることが可能な用紙の頭出し機能付プリンタが開示されている。
【0004】
また、上記特許文献2には、異なる厚さの用紙に対して一定品位の印字記録を行うために、記録ヘッド(印字ヘッド)を所定の回動中心回りに回動させて記録ヘッドと用紙との間の距離を調整する機構を備えたインクジェット記録装置において、先端検知レバーにより検知された用紙の給紙開始位置から、回動された記録ヘッドと用紙との間の距離に応じて決められた用紙の搬送量分、用紙を搬送することによって、用紙の厚さに関わらず用紙の印字開始位置を一定とすることが可能なインクジェット記録装置の給紙方法が開示されている。
【0005】
また、従来、画像形成装置の一例として、熱転写プリンタが知られている。図16は、従来の一例による熱転写プリンタの全体構成を示した斜視図である。図17は、図16に示した従来の熱転写プリンタからインクリボンカートリッジを省略した状態を示した斜視図である。図18は、図16に示した従来の熱転写プリンタのステッピングモータおよび各ギアを示した正面図である。図19は、図16に示した従来の熱転写プリンタのインクリボンの平面図である。図21〜図30は、図16に示した従来の熱転写プリンタを示した図である。まず、図16〜図19および図21を参照して、従来の熱転写プリンタの構造について説明する。
【0006】
従来の熱転写プリンタは、図16〜図19および図21に示すように、金属製のシャーシ101と、インクリボンカートリッジ102と、巻取リール103と、金属製の送りローラ104(図21参照)と、所定の押圧力で送りローラ104を押圧する金属製の押さえローラ105(図17および図21参照)と、押さえローラ軸受106(図17参照)と、軸受支持板107(図17参照)と、リボン頭出しセンサ108(図21参照)と、印字を行うための印字ヘッド109と、印字ヘッド109に対向するように配置されたプラテンローラ110(図21参照)と、モータブラケット111と、ステッピングモータ112と、ゴム製の給紙ローラ113と、給紙ローラギア114と、ゴム製の排紙ローラ115と、排紙ローラギア116と、揺動可能な揺動ギア117と、揺動ギア118aおよび118bが連動する揺動ギア部118と、送りローラギア119と、複数の中間ギア120〜124(図18参照)とを備えている。
【0007】
また、図16および図17に示すように、シャーシ101は、一方側面101aと、他方側面101bと、底面101cとを有している。また、シャーシ101の一方側面101aには、上記したモータブラケット111が取り付けられている。また、シャーシ101の他方側面101bには、インクリボンカートリッジ102を挿入するための挿入孔1
01dが設けられている。また、図16および図21に示すように、インクリボンカートリッジ102は、巻取部102aと、供給部102bとを有している。また、図21に示すように、インクリボンカートリッジ102の巻取部102aの内部には、巻取ボビン102cが回転可能に配置されている。また、インクリボンカートリッジ102の供給部102bの内部には、供給ボビン102dが回転可能に配置されている。また、巻取ボビン102cおよび供給ボビン102dには、インクリボン102eが巻き付けられている。このインクリボン102eは、図19に示すように、Y色(イエロー)印画フィルム102f、M色(マゼンダ)印画フィルム102g、C(シアン)色印画フィルム102h、およびOPフィルム102iとを有する。また、各フィルム102f〜102iの間には、識別部102jが設けられている。
【0008】
また、巻取リール103は、インクリボンカートリッジ102の巻取部102aの内部に配置された巻取ボビン102cに係合することによって、巻取ボビン102cに巻き付けられたインクリボン102eを巻き取る機能を有する。また、図18に示すように、巻取リール103のギア103aは、揺動ギア117が揺動することによって噛合するように配置されている。
【0009】
また、送りローラ104は、図18に示すように、送りローラギア119に挿入される送りローラギア挿入部104aを有する。また、送りローラ104は、シャーシ101に取り付けられた図示しない送りローラ軸受に回転可能に支持されている。また、図17に示すように、押さえローラ105は、押さえローラ軸受106により回転可能に支持されている。この押さえローラ軸受106は、軸受支持板107に取り付けられている。この軸受支持板107は、シャーシ101の両側面の内側に設けられている。また、軸受支持板107は、押さえローラ105を送りローラ104に対して押圧するように配置されている。
【0010】
また、リボン頭出しセンサ108は、図21に示すように、シャーシ101の底面101cに取り付けられている。このリボン頭出しセンサ108は、インクリボン102eの識別部102j(図19参照)を検知する機能を有する。また、印字ヘッド109は、支持軸109aと、ヘッド部109bと、ヘッド部109bに取り付けられる樹脂製のヘッドカバー109cとを含む。また、図17に示すように、印字ヘッド109は、シャーシ101の両側面の内側に、支持軸109aを中心として回動可能に取り付けられている。また、プラテンローラ110は、シャーシ101の両側面に取り付けられた図示しないプラテンローラ軸受に回転可能に支持されている。
【0011】
また、図18に示すように、モータブラケット111に取り付けられたステッピングモータ112の軸部には、モータギア112aが取り付けられている。また、ステッピングモータ112は、巻取リール103のギア103aと、給紙ローラギア114と、排紙ローラギア116と、送りローラギア119とを駆動させるための駆動源としての機能を有する。
【0012】
次に、図18および図21を参照して、従来の熱転写プリンタの用紙130の送り動作およびインクリボン102eの巻取動作について説明する。排紙時(印画時)には、図18に示すように、ステッピングモータ112が駆動するのに伴ってステッピングモータ112に取り付けられたモータギア112aが図18の矢印B2方向に回転し、中間ギア120および121を介して、送りローラギア119が、図18の矢印D2方向に回転する。これにより、送りローラ104が図18および図21の矢印D2方向に回転するとともに用紙130を印画方向(図21の矢印S2方向)に搬送する。この時、揺動可能な揺動ギア117は、巻取リール103のギア103aに噛合し、巻取リール103のギア103aを、図18および図21の矢印F2方向に回転させる。これにより、巻取リール10
3に係合する巻取ボビン102cも図18および図21の矢印F2方向に回転することによって、巻取ボビン102cおよび供給ボビン102dに巻き付けられたインクリボン102eが巻き取られる。
【0013】
給紙時には、まず、図18に示すように、ステッピングモータ112が駆動するのに伴って、ステッピングモータ112に取り付けられたモータギア112aが図18の矢印C2方向に回転し、中間ギア120および121を介して、送りローラギア119が図18の矢印E2方向に回転する。これにより、送りローラ104が、図18および図21の矢印E2方向に回転するとともに用紙130を給紙方向(図21の矢印T2方向)に搬送する。この時、揺動可能な揺動ギア117は、巻取リール103のギア103aに噛合しておらず、巻取リール103のギア103aは回転しない。これにより、給紙時には、巻取ボビン102cおよび供給ボビン102dに巻き付けられたインクリボン102eは巻き取られない。
【0014】
図20は、図16に示した従来の熱転写プリンタの用紙給紙方法を説明するためのフローチャートである。次に、図20〜図30を参照して、従来の熱転写プリンタの用紙給紙方法について説明する。なお、図21〜図25には、巻取ボビン102cによるインクリボン102eの巻き径が小さい場合の用紙給紙方法が示されており、図26〜図30には、巻取ボビン102cによるインクリボン102eの巻き径が大きい場合の用紙給紙方法が示されている。まず、図20のフローチャートに示すように、インクリボン102eのY色印画フィルム102fによる印画を開始する。この場合、まず、ステップS101において、ステッピングモータ112をステップ数P(定数)分回転させる。これにより、送りローラ104がステップ数P(定数)分回転することにより用紙130がステップ数P(定数)分印画方向(図21および図26の矢印S2方向)に搬送されるとともに、用紙130にY色(イエロー)の印画が行われる。そして、ステップS102において、第1給紙経路形成位置まで印字ヘッド109を上方に移動する。このとき、用紙130は、図21および図26に示す印字終了位置140に位置する。その後、ステップS103において、ステッピングモータ112を回転することによりインクリボン102eの頭出しを行うとともに用紙130を図22および図27に示す給紙開始位置151および152に搬送する。このとき、ステップS104において、リボン頭出しセンサ108がインクリボン102eの識別部102jを検知することによりON状態になったか否かが判断される。そして、ステップS104において、リボン頭出しセンサ108がON状態になったと判断された場合には、次のステップS105に進み、リボン頭出しセンサ108がON状態になっていない場合には、この判断が繰り返される。
【0015】
この印字終了位置140から給紙開始位置151および152まで用紙130を搬送する際、インクリボン102eの巻き終り時(図26参照)では、巻取ボビン102cに巻き付いたインクリボン102eの巻き径が大きくなっているため、巻き径が小さい巻き始め時(図21参照)に比べて、同等のインクリボン102eを巻き取るために巻取リール103が回転する回数は減少する。このため、図26に示した巻き径が大きい場合には、図21に示した巻き径が小さい場合に比べて、巻取リール103に同期して回転する送りローラ104の回転する回数も減少するので、図26に示した巻き径が大きい場合には、図21に示した巻き径が小さい場合に比べて、印字終了位置140から給紙開始位置152まで用紙130が搬送される距離が短くなる。これにより、図22および図27に示すように、巻き径が小さい巻き始め時の用紙130の給紙開始位置151と、巻き径が大きい巻き終り時の用紙130の給紙開始位置152とでは、ばらつきが生じる。
【0016】
次に、ステップS105において、第1給紙ステップとして、図22および図27に示した給紙開始位置151および152から、それぞれ、図23および図28に示す印字ヘッド下挿入位置161および162まで送りローラ104を給紙方向(図23および図2
8の矢印T2方向)へステッピングモータ112のステップ数Z(定数)分回転させる。さらに、ステップS106において、図24および図29に示すように、第2給紙経路形成位置まで印字ヘッド109を下方に移動する。その後、ステップS107において、リボン頭出し時のリボン頭出しセンサONまでに動作したステッピングモータ112のステップ数m(変数)を検知するとともに、用紙頭出し位置まで送りローラを給紙方向(図25および図30の矢印T2方向)へステッピングモータ112のステップ数(P+m−Z)分回転する。これにより、用紙130は、図25および図30に示した用紙頭出し位置171および172まで搬送される。その結果、次のインクリボン102eのM色(マゼンダ)印画フィルム102gによる印画を行う準備が完了する。
【特許文献1】特開平5−208529号公報
【特許文献2】特開平7−117296号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
図16〜図30に示した従来の熱転写プリンタでは、インクリボン102eの巻き径が小さい場合(巻き始め時)と巻き径が大きい場合(巻き終り時)とでは、図22および図27に示したように、インクリボン102eの巻き径の違いに起因して、巻き始め時の給紙開始位置151と巻き終り時の給紙開始位置152とにばらつきが生じる。そのため、送りローラ104を給紙方向(図23および図28の矢印T2方向)にステッピングモータ112のステップ数Z(定数)分回転させて、用紙130を給紙開始位置151および152から、それぞれ、印字ヘッド下挿入位置161および162まで搬送した場合に、図23および図28に示したように、印字ヘッド下挿入位置161と印字ヘッド下挿入位置162とに、ばらつきが生じるという不都合があった。この場合、図24に示すように、印字ヘッド109をプラテンローラ109側に移動することによって、第2給紙経路を形成する場合に、印字ヘッド109と用紙130とが適切に接触しない場合がある。その場合には、紙詰まりなどの動作不良が発生する場合があるという問題点があった。
【0018】
また、上記特許文献1に開示された用紙の頭出し機能付プリンタでは、用紙の給紙開始位置にばらつきがある場合には、プリンタの外部から見やすい位置に設けられた仮の印字開始位置と給紙開始位置とを手動で合わせるため、仮の印字開始と給紙開始位置とがずれやすいという不都合がある。このため、用紙を仮の印字開始位置から真の印字開始位置まで搬送したとき、用紙と印字ヘッドとが不適切な位置で接触することに起因して紙詰まりなどの動作不良が発生する場合があるという問題点がある。
【0019】
また、上記特許文献2に開示されたインクジェット記録装置では、給紙開始位置を先端検知レバーにより規制しているため、先端検知レバーの分、部品点数が増加するという問題点がある。
【0020】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、紙詰まりなどの動作不良が発生するのを抑制するとともに、部品点数が増加するのを抑制することが可能な画像形成装置の用紙給紙方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0021】
この発明の第1の局面における画像形成装置の用紙給紙方法は、ステッピングモータを予め設定されたステップ数P分だけ回転させることにより、用紙を印画方向に搬送しながら印画を行うステップと、印字ヘッドをプラテンローラから離間させることによって、第1給紙経路を形成するステップと、印画の後、インクリボンの識別部がセンサにより検知されるまで、用紙およびインクリボンを印画方向へ搬送することによりインクリボンの頭出しを行うとともに、用紙を給紙開始位置に搬送するステップとを備えた画像形成装置の
用紙給紙方法において、印画の後、センサによりインクリボンの識別部が検知されるまでの印画方向への用紙の搬送に要したステッピングモータのステップ数mを検知するとともに、予め設定されたステップ数Yおよびステップ数Pと、センサによるインクリボンの識別部の検知に基づくステッピングモータのステップ数mとに基づいて、ステップ数(P+m−Y)分だけ、用紙を給紙開始位置から印字ヘッドの下部近傍の位置まで第1給紙経路に沿って給紙方向に搬送する第1給紙ステップと、第1給紙ステップ後に、印字ヘッドをプラテンローラ側に移動することによって、第2給紙経路を形成するステップと、ステッピングモータを予め設定されたステップ数Y分だけ回転させることにより、用紙を印字ヘッドの下部近傍の位置から用紙頭出し位置まで第2給紙経路に沿って給紙方向に搬送する第2給紙ステップとを備える。
【0022】
この第1の局面による画像形成装置の用紙給紙方法では、上記のように、ステッピングモータに予め設定されたステップ数Y(定数)およびステップ数P(定数)と、センサによるインクリボンの識別部の検知に基づくステッピングモータのステップ数m(変数)とに基づいて、ステップ数(P+m−Y)分だけ、用紙を給紙開始位置から印字ヘッドの下部近傍の位置まで給紙方向に搬送することによって、給紙開始位置にばらつきがある場合でも、常に、用紙を印字ヘッドの下部近傍の同じ位置に搬送することができる。これにより、印字ヘッドの下部近傍への用紙搬送後に第2給紙経路を形成するために印字ヘッドを下方に移動させた場合に、印字ヘッドと用紙とを常に同じ位置で接触させることができる。その結果、印字ヘッドと用紙とが接触しないか、または、不適切な位置で接触することに起因して、紙詰まりなどの動作不良が発生するのを抑制することができるとともに、用紙位置のばらつきを規制する部材を別途設ける必要がないので、部品点数が増加するのを抑制することができる。また、センサによるインクリボンの識別部の検知に基づくステッピングモータのステップ数m(変数)に応じて、ステップ数(P+m−Y)分、用紙を給紙開始位置から印字ヘッドの下部近傍の位置まで給紙方向に搬送することによって、ステッピングモータのステップ数m(変数)と、予め設定されたステップ数P(定数)およびステップ数Y(定数)とにより、用紙を印字ヘッドの下部近傍の位置まで搬送する距離に対応するステッピングモータのステップ数を容易に算出することができる。また、第1給紙ステップ後に、印字ヘッドをプラテンローラ側に移動することにより、第2給紙経路を形成することによって、第1給紙ステップにより常に印字ヘッドの下部近傍の同じ位置に用紙が搬送された状態で、第2給紙経路を形成することができるので、第2給紙経路の形成時に印字ヘッドと用紙とを容易に同じ位置で接触させることができる。
【0023】
この発明の第2の局面における画像形成装置の用紙給紙方法は、印画範囲分、印画方向へ用紙およびインクリボンを搬送しながら印字ヘッドにより印画を行うステップと、印画の後、インクリボンの識別部がセンサにより検知されるまで、用紙およびインクリボンを印画方向へ搬送することにより、インクリボンの頭出しを行うとともに、用紙を給紙開始位置に搬送するステップと、センサによりインクリボンの識別部が検知されるまでの用紙の搬送距離に応じた距離分だけ、用紙を給紙開始位置から印字ヘッドの下部近傍の位置まで給紙方向に搬送する第1給紙ステップと、その後、用紙を、印字ヘッドの下部近傍の位置から用紙頭出し位置まで給紙方向へ予め設定された所定量搬送する第2給紙ステップとを備える。
【0024】
この第2の局面による画像形成装置の用紙給紙方法では、上記のように、センサによりインクリボンの識別部が検知されるまでの用紙の搬送距離に応じた距離分だけ、給紙開始位置から印字ヘッドの下部近傍の位置まで、用紙を給紙方向に搬送することによって、給紙開始位置にばらつきがある場合でも、常に、用紙を印字ヘッドの下部近傍の同じ位置に搬送することができる。これにより、印字ヘッドの下部近傍への用紙搬送後に給紙経路を形成するために印字ヘッドを下方に移動させた場合に、印字ヘッドと用紙とを常に同じ位置で接触させることができる。その結果、印字ヘッドと用紙とが接触しないか、または、
不適切な位置で接触することに起因して、紙詰まりなどの動作不良が発生するのを抑制することができるとともに、用紙位置のばらつきを規制する部材を別途設ける必要がないので、部品点数が増加するのを抑制することができる。
【0025】
上記第2の局面による画像形成装置の用紙給紙方法において、好ましくは、第1給紙ステップは、センサによりインクリボンの識別部が検知されるまでの印画方向への用紙の搬送に要したステッピングモータのステップ数mを検知するステップと、ステッピングモータのステップ数mに応じた距離分だけ、用紙を給紙開始位置から印字ヘッドの下部近傍の位置まで給紙方向に搬送するステップとを含む。このように構成すれば、ステッピングモータのステップ数m(変数)に基づいて、用紙を印字ヘッドの下部近傍の位置まで搬送する距離に対応するステッピングモータのステップ数を容易に算出することができる。
【0026】
上記第2の局面による画像形成装置の用紙給紙方法において、好ましくは、印画を行うステップは、ステッピングモータを予め設定されたステップ数P分だけ回転させることにより、用紙を印画方向に搬送しながら印画を行うステップを含み、第2給紙ステップは、ステッピングモータを予め設定されたステップ数Y分だけ回転させることにより用紙頭出し位置まで用紙を給紙方向に搬送するステップを含み、第1給紙ステップは、センサによるインクリボンの識別部の検知に基づくステッピングモータのステップ数m、予め設定されたステップ数Pおよびステップ数Yに基づいて、ステップ数(P+m−Y)分だけ用紙を給紙開始位置から印字ヘッドの下部近傍の位置まで給紙方向に搬送するステップを含む。このように構成すれば、ステッピングモータのステップ数m(変数)と、予め設定されたステップ数P(定数)およびステップ数Y(定数)とにより、用紙を印字ヘッドの下部近傍の位置まで搬送する距離に対応するステッピングモータのステップ数をより容易に算出することができる。
【0027】
上記第2の局面による画像形成装置の用紙給紙方法において、好ましくは、第1給紙ステップに先立って、印字ヘッドをプラテンローラから離間させることによって、第1給紙経路を形成するステップと、第1給紙ステップ後に、印字ヘッドをプラテンローラ側に移動することによって、第2給紙経路を形成するステップとをさらに備える。このように構成すれば、第1給紙ステップにより常に、印字ヘッドの下部近傍の同じ位置に用紙が搬送された状態で、第2給紙経路を形成することができるので、第2給紙経路の形成時に印字ヘッドと用紙とを容易に同じ位置で接触させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
【0029】
図1は、本発明の一実施形態による熱転写プリンタの全体構成を示した斜視図である。図2は、図1に示した本発明の一実施形態による熱転写プリンタからインクリボンカートリッジを省略した状態を示した斜視図である。図3は、図1に示した本発明の一実施形態による熱転写プリンタのステッピングモータおよび各ギアを示した正面図である。図4は、図1に示した本発明の一実施形態による熱転写プリンタのインクリボンの平面図である。図6〜図15は、図1に示した本発明の一実施形態による熱転写プリンタを示した図である。まず、図1〜図4および図6を参照して、本発明の一実施形態による熱転写プリンタの構造について説明する。なお、本実施形態では、画像形成装置の一例である熱転写プリンタに本発明を適用した場合について説明する。
【0030】
本発明の一実施形態による熱転写プリンタは、図1〜図3および図6に示すように、金属製のシャーシ1と、インクリボンカートリッジ2と、巻取リール3と、金属製の送りローラ4(図6参照)と、所定の押圧力で送りローラ4を押圧する金属製の押さえローラ5(図2および図6参照)と、押さえローラ軸受6(図2参照)と、軸受支持板7(図2参
照)と、リボン頭出しセンサ8(図6参照)と、印字を行うための印字ヘッド9と、印字ヘッド9に対向するように配置されたプラテンローラ10(図6参照)と、モータブラケット11と、ステッピングモータ12と、ゴム製の給紙ローラ13と、給紙ローラギア14と、ゴム製の排紙ローラ15と、排紙ローラギア16と、揺動可能な揺動ギア17と、揺動ギア18aおよび18bが連動する揺動ギア部18と、送りローラギア19と、複数の中間ギア20〜24(図3参照)とを備えている。なお、リボン頭出しセンサ8は、本発明の「センサ」の一例である。
【0031】
また、図1および図2に示すように、シャーシ1は、一方側面1aと、他方側面1bと、底面1cとを有している。また、シャーシ1の一方側面1aには、上記したモータブラケット11が取り付けられている。また、シャーシ1の他方側面1bには、インクリボンカートリッジ2を挿入するための挿入孔1dが設けられている。また、図1および図6に示すように、インクリボンカートリッジ2は、巻取部2aと、供給部2bとを有している。また、図6に示すように、インクリボンカートリッジ2の巻取部2aの内部には、巻取ボビン2cが回転可能に配置されている。また、インクリボンカートリッジ2の供給部2bの内部には、供給ボビン2dが回転可能に配置されている。また、巻取ボビン2cおよび供給ボビン2dには、インクリボン2eが巻き付けられている。このインクリボン2eは、図4に示すように、Y色(イエロー)印画フィルム2f、M色(マゼンダ)印画フィルム2g、C色(シアン)印画フィルム2h、およびOPフィルム2iとを有する。また、各フィルム2f〜2iの間には、識別部2jが設けられている。また、このインクリボン2eは、用紙40枚分印画可能である。
【0032】
また、巻取リール3は、インクリボンカートリッジ2の巻取部2aの内部に配置された巻取ボビン2cに係合することによって、巻取ボビン2cに巻き付けられたインクリボン2eを巻き取る機能を有する。また、図3に示すように、巻取リール3のギア3aは、揺動ギア17が揺動することによって噛合するように配置されている。
【0033】
また、送りローラ4は、図3に示すように、送りローラギア19に挿入される送りローラギア挿入部4aを有する。また、送りローラ4は、シャーシ1に取り付けられた図示しない送りローラ軸受に回転可能に支持されている。また、図2に示すように、押さえローラ5は、押さえローラ軸受6により回転可能に支持されている。この押さえローラ軸受6は、軸受支持板7に取り付けられている。この軸受支持板7は、シャーシ1の両側面の内側に設けられている。また、軸受支持板7は、押さえローラ5を送りローラ4に対して押圧するように配置されている。
【0034】
また、リボン頭出しセンサ8は、図6に示すように、シャーシ1の底面1cに取り付けられている。このリボン頭出しセンサ8は、インクリボン2eの識別部2j(図4参照)を検知する機能を有する。また、印字ヘッド9は、支持軸9aと、ヘッド部9bと、ヘッド部9bに取り付けられる樹脂製のヘッドカバー9cとを含む。また、図2に示すように、印字ヘッド9は、シャーシ1の両側面の内側に、支持軸9aを中心として回動可能に取り付けられている。また、プラテンローラ10は、シャーシ1の両側面に取り付けられた図示しないプラテンローラ軸受に回転可能に支持されている。
【0035】
また、図3に示すように、モータブラケット11に取り付けられたステッピングモータ12の軸部には、モータギア12aが取り付けられている。また、ステッピングモータ12は、巻取リール3のギア3aと、給紙ローラギア14と、排紙ローラギア16と、送りローラギア19とを駆動させるための駆動源としての機能を有する。
【0036】
次に、図3および図6を参照して、本発明の一実施形態による熱転写プリンタの用紙30の送り動作およびインクリボン2eの巻取動作について説明する。排紙時(印画時)に
は、まず、図3に示すように、ステッピングモータ12が駆動するのに伴ってステッピングモータ12に取り付けられたモータギア12aが図3の矢印B1方向に回転し、中間ギア20および21を介して、送りローラギア19が図3の矢印D1方向に回転する。これにより、送りローラ4が、図3および図6の矢印D1方向に回転するとともに用紙30を印画方向(図6の矢印S1方向)に搬送する。この時、揺動可能な揺動ギア17は、巻取リール3のギア3aに噛合し、巻取リール3のギア3aを、図3および図6の矢印F1方向に回転させる。これにより、巻取リール3に係合する巻取ボビン2cも図3および図6の矢印F1方向に回転することによって、巻取ボビン2cに巻き付けられたインクリボン2eが巻き取られる。
【0037】
給紙時には、まず、図3に示すように、ステッピングモータ12が駆動するのに伴って、ステッピングモータ12に取り付けられたモータギア12aが図3の矢印C1方向に回転し、中間ギア20および21を介して、送りローラギア19が図3の矢印E1方向に回転する。これにより、送りローラ4が、図3および図6の矢印E1方向に回転するとともに用紙30を給紙方向(図6の矢印T1方向)に搬送する。この時、揺動可能な揺動ギア17は、巻取リール3のギア3aに噛合しておらず、巻取リール3のギア3aは回転しない。これにより、給紙時には、巻取ボビン2cおよび供給ボビン2dに巻き付けられたインクリボン2eは巻き取られない。
【0038】
図5は、図1に示した本発明の一実施形態による熱転写プリンタの用紙給紙方法を説明するためのフローチャートである。次に、図5〜図15を参照して、本発明の一実施形態による熱転写プリンタの用紙給紙方法について説明する。なお、図6〜図10には、巻取ボビン2cによるインクリボン2eの巻き径が小さい場合の用紙給紙方法が示されており、図11〜図15には、巻取ボビン2cによるインクリボン2eの巻き径が大きい場合の用紙給紙方法が示されている。まず、図5のフローチャートに示すように、インクリボン2eのY色印画フィルム2fによる印画を開始する。この場合、まず、ステップS1において、ステッピングモータ12をステップP(定数)分回転させる。これにより、送りローラ4がステップ数P(定数)分回転することにより用紙30がステップ数P(定数)分印画方向(図6および図11の矢印S1方向)に搬送されるとともに、用紙30にY色(イエロー)の印画が行われる。そして、ステップS2において、第1給紙経路形成位置まで印字ヘッド9を上方に移動する。このとき、用紙30は、図6および図11に示す印字終了位置40に位置する。その後、ステップS3において、ステッピングモータ12を回転することによりインクリボン2eの頭出しを行うとともに用紙30を図7および図12に示す給紙開始位置51および52に搬送する。このとき、ステップS4において、リボン頭出しセンサ8がインクリボン2eの識別部2jを検知することによりON状態になったか否かがを判断される。そして、ステップS4において、リボン頭出しセンサ8がON状態になったと判断された場合には、次のステップS5に進み、リボン頭出しセンサ8がON状態になっていない場合には、この判断が繰り返される。
【0039】
この印字終了位置40から給紙開始位置51および52まで用紙30を搬送する際、インクリボン2eの巻き終り時(図11参照)では、巻取ボビン2cに巻き付いたインクリボン2eの巻き径が大きくなっているため、巻き径が小さい巻き始め時(図6参照)に比べて、同等のインクリボン2eを巻き取るために巻取リール3が回転する回数は減少する。このため、図11に示した巻き径が大きい場合には、図6に示した巻き径が小さい場合に比べて、巻取リール3に同期して回転する送りローラ4の回転する回数も減少するので、図11に示した巻き径が大きい場合には、図6に示した巻き径が小さい場合に比べて、印字終了位置40から給紙開始位置52まで用紙30が搬送される距離が短くなる。これにより、図7および図12に示すように、巻き径が小さい巻き始め時の用紙30の給紙開始位置51と、巻き径が大きい巻き終り時の用紙30の給紙開始位置52とでは、ばらつきが生じる。
【0040】
次に、ステップS5において、第1給紙ステップとして、インクリボン2eの頭出し時のインクリボン頭出しセンサONまでに動作したステッピングモータ12のステップ数m(変数)を検知するとともに、給紙開始位置51および52から、それぞれ、図8および図13に示す印字ヘッド下挿入位置61および62まで送りローラ4を給紙方向(図8および図13の矢印T1方向)へステッピングモータ12のステップ数(P+m−Y)分回転させる。さらに、ステップS6において、図9および図14に示すように、第2給紙経路形成位置まで印字ヘッド9を下方に移動する。その後、ステップS7において、第2給紙ステップとして、印字ヘッド下挿入位置61および62から図10および図15に示す用紙頭出し位置71および72まで送りローラを給紙方向(図9および図14の矢印T1方向)へステッピングモータ12のステップ数Y(定数)分回転させる。これにより、用紙30は、図10および図15に示した用紙頭出し位置71および72まで搬送される。その結果、次のインクリボン2eのM色(マゼンダ)印画フィルム2gによる印画を行う準備が完了する。
【0041】
本実施形態では、上記のように、ステッピングモータ12に予め設定されたステップ数Y(定数)およびステップ数P(定数)と、リボン頭出しセンサ8によるインクリボン2eの識別部2jの検知に基づくステッピングモータ12のステップ数m(変数)とに応じて、ステップ数(P+m−Y)分だけ、用紙30を給紙開始位置から印字ヘッド下挿入位置まで給紙方向に搬送することによって、給紙開始位置にばらつきがある場合でも、常に、用紙30を同じ印字ヘッド下挿入位置に搬送することができる。これにより、印字ヘッド下挿入位置への用紙搬送後に第2給紙経路を形成するために印字ヘッド9のヘッド部9bを下方に移動させた場合に、印字ヘッド9のヘッド部9bに取り付けられているヘッドカバー8cと用紙30とを常に同じ位置で接触させることができる。その結果、印字ヘッド9のヘッド部9bと用紙30とが接触しないか、または、不適切な位置で接触することに起因して、紙詰まりなどの動作不良が発生するのを抑制することができるとともに、用紙位置のばらつきを規制する部材を別途設ける必要がないので、部品点数が増加するのを抑制することができる。
【0042】
また、本実施形態では、頭出しセンサ8によるインクリボン2eの識別部2jの検知に基づくステッピングモータ12のステップ数mに応じて、ステップ数(P+m−Y)分、用紙を給紙開始位置から印字ヘッド9のヘッド部9bの下部近傍の位置まで給紙方向に搬送することによって、ステッピングモータ12のステップ数m(変数)と、予め設定されたステップ数P(定数)およびステップY(定数)とにより、用紙30を印字ヘッド下挿入位置まで搬送する距離に対応するステッピングモータ12のステップ数を容易に算出することができる。
【0043】
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0044】
たとえば、上記実施形態では、画像形成装置の一例として熱転写プリンタを示したが、本発明はこれに限らず、画像形成装置であれば、熱転写プリンタ以外の他の画像形成装置にも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の一実施形態による熱転写プリンタの全体構成を示した斜視図である。
【図2】図1に示した本発明の一実施形態による熱転写プリンタからインクリボンカートリッジを省略した状態を示した斜視図である。
【図3】図1に示した本発明の一実施形態による熱転写プリンタのステッピングモータおよび各ギアを示した正面図である。
【図4】図1に示した本発明の一実施形態による熱転写プリンタのインクリボンの平面図である。
【図5】図1に示した本発明の一実施形態による熱転写プリンタの用紙給紙方法を説明するためのフローチャートである。
【図6】図1に示した本発明の一実施形態による熱転写プリンタの用紙給紙方法を説明するための断面図である。
【図7】図1に示した本発明の一実施形態による熱転写プリンタの用紙給紙方法を説明するための断面図である。
【図8】図1に示した本発明の一実施形態による熱転写プリンタの用紙給紙方法を説明するための断面図である。
【図9】図1に示した本発明の一実施形態による熱転写プリンタの用紙給紙方法を説明するための断面図である。
【図10】図1に示した本発明の一実施形態による熱転写プリンタの用紙給紙方法を説明するための断面図である。
【図11】図1に示した本発明の一実施形態による熱転写プリンタの用紙給紙方法を説明するための断面図である。
【図12】図1に示した本発明の一実施形態による熱転写プリンタの用紙給紙方法を説明するための断面図である。
【図13】図1に示した本発明の一実施形態による熱転写プリンタの用紙給紙方法を説明するための断面図である。
【図14】図1に示した本発明の一実施形態による熱転写プリンタの用紙給紙方法を説明するための断面図である。
【図15】図1に示した本発明の一実施形態による熱転写プリンタの用紙給紙方法を説明するための断面図である。
【図16】従来の一例による熱転写プリンタの全体構成を示した斜視図である。
【図17】図16に示した従来の熱転写プリンタからインクリボンカートリッジを省略した状態を示した斜視図である。
【図18】図16に示した従来の熱転写プリンタのステッピングモータおよび各ギアを示した正面図である。
【図19】図16に示した従来の熱転写プリンタのインクリボンの平面図である。
【図20】図16に示した従来の熱転写プリンタの用紙給紙方法を説明するためのフローチャートである。
【図21】図16に示した従来の熱転写プリンタの用紙給紙方法を説明するための断面図である。
【図22】図16に示した従来の熱転写プリンタの用紙給紙方法を説明するための断面図である。
【図23】図16に示した従来の熱転写プリンタの用紙給紙方法を説明するための断面図である。
【図24】図16に示した従来の熱転写プリンタの用紙給紙方法を説明するための断面図である。
【図25】図16に示した従来の熱転写プリンタの用紙給紙方法を説明するための断面図である。
【図26】図16に示した従来の熱転写プリンタの用紙給紙方法を説明するための断面図である。
【図27】図16に示した従来の熱転写プリンタの用紙給紙方法を説明するための断面図である。
【図28】図16に示した従来の熱転写プリンタの用紙給紙方法を説明するための断面図である。
【図29】図16に示した従来の熱転写プリンタの用紙給紙方法を説明するための断面図である。
【図30】図16に示した従来の熱転写プリンタの用紙給紙方法を説明するための断面図である。
【符号の説明】
【0046】
2e インクリボン
2j 識別部
8 リボン頭出しセンサ(センサ)
9 印字ヘッド
10 プラテンローラ
12 ステッピングモータ
30 用紙
51、52 給紙開始位置
71、72 用紙頭出し位置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステッピングモータを予め設定されたステップ数P分だけ回転させることにより、用紙を印画方向に搬送しながら印画を行うステップと、印字ヘッドをプラテンローラから離間させることによって、第1給紙経路を形成するステップと、前記印画の後、インクリボンの識別部がセンサにより検知されるまで、前記用紙および前記インクリボンを前記印画方向へ搬送することにより前記インクリボンの頭出しを行うとともに、前記用紙を給紙開始位置に搬送するステップとを備えた画像形成装置の用紙給紙方法において、
前記印画の後、前記センサにより前記インクリボンの識別部が検知されるまでの前記印画方向への前記用紙の搬送に要した前記ステッピングモータのステップ数mを検知するとともに、予め設定されたステップ数Yおよび前記ステップ数Pと、前記センサによる前記インクリボンの識別部の検知に基づく前記ステッピングモータのステップ数mとに基づいて、ステップ数(P+m−Y)分だけ、前記用紙を前記給紙開始位置から前記印字ヘッドの下部近傍の位置まで前記第1給紙経路に沿って給紙方向に搬送する第1給紙ステップと、
前記第1給紙ステップ後に、前記印字ヘッドを前記プラテンローラ側に移動することによって、第2給紙経路を形成するステップと、
前記ステッピングモータを前記予め設定されたステップ数Y分だけ回転させることにより、前記用紙を前記印字ヘッドの下部近傍の位置から前記用紙頭出し位置まで前記第2給紙経路に沿って前記給紙方向に搬送する第2給紙ステップとを備えた、画像形成装置の用紙給紙方法。
【請求項2】
印画範囲分、印画方向へ用紙およびインクリボンを搬送しながら印字ヘッドにより印画を行うステップと、
前記印画の後、前記インクリボンの識別部がセンサにより検知されるまで、前記用紙および前記インクリボンを前記印画方向へ搬送することにより、前記インクリボンの頭出しを行うとともに、前記用紙を給紙開始位置に搬送するステップと、
前記センサにより前記インクリボンの識別部が検知されるまでの前記用紙の搬送距離に応じた距離分だけ、前記用紙を前記給紙開始位置から前記印字ヘッドの下部近傍の位置まで給紙方向に搬送する第1給紙ステップと、
その後、前記用紙を、前記印字ヘッドの下部近傍の位置から用紙頭出し位置まで前記給紙方向へ予め設定された所定量搬送する第2給紙ステップとを備えた、画像形成装置の用紙給紙方法。
【請求項3】
前記第1給紙ステップは、
前記センサにより前記インクリボンの識別部が検知されるまでの前記印画方向への前記用紙の搬送に要したステッピングモータのステップ数mを検知するステップと、
前記ステッピングモータのステップ数mに応じた距離分だけ、前記用紙を前記給紙開始位置から前記印字ヘッドの下部近傍の位置まで前記給紙方向に搬送するステップとを含む、請求項2に記載の画像形成装置の用紙給紙方法。
【請求項4】
前記印画を行うステップは、
前記ステッピングモータを予め設定されたステップ数P分だけ回転させることにより、前記用紙を印画方向に搬送しながら印画を行うステップを含み、
前記第2給紙ステップは、
前記ステッピングモータを予め設定されたステップ数Y分だけ回転させることにより前記用紙頭出し位置まで前記用紙を給紙方向に搬送するステップを含み、
前記第1給紙ステップは、
前記センサによる前記インクリボンの識別部の検知に基づく前記ステッピングモータのステップ数m、前記予め設定されたステップ数Pおよびステップ数Yに基づいて、ステッ
プ数(P+m−Y)分だけ前記用紙を前記給紙開始位置から前記印字ヘッドの下部近傍の位置まで前記給紙方向に搬送するステップを含む、請求項3に記載の画像形成装置の用紙給紙方法。
【請求項5】
前記第1給紙ステップに先立って、前記印字ヘッドをプラテンローラから離間させることによって、第1給紙経路を形成するステップと、
前記第1給紙ステップ後に、前記印字ヘッドを前記プラテンローラ側に移動することによって、第2給紙経路を形成するステップとをさらに備える、請求項2〜4のいずれか1項に記載の画像形成装置の用紙給紙方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【公開番号】特開2006−96431(P2006−96431A)
【公開日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−281232(P2004−281232)
【出願日】平成16年9月28日(2004.9.28)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】