画像形成装置及び現像装置
【課題】本発明は、軸部を中心として回転する複数の現像部を有する交換可能な現像装置を画像形成装置本体に対して装着した際に、回転する複数の現像部を画像形成装置本体の予め定められた位置に停止させることを目的とする。
【解決手段】本発明の画像形成装置は、画像形成装置本体と、画像形成装置本体に対して着脱自在に設けられ、回転軸14Aを中心として回転可能に設けられた複数の現像器と、画像形成装置本体側に設けられるロック部材260と、複数の現像器側に設けられるとともに、ロック部材260と掛かり合うことで回転する複数の現像器の回転を停止させ、いずれかの現像器を画像形成装置本体に対して予め定めた位置に配置する回転円板220とを備える。
【解決手段】本発明の画像形成装置は、画像形成装置本体と、画像形成装置本体に対して着脱自在に設けられ、回転軸14Aを中心として回転可能に設けられた複数の現像器と、画像形成装置本体側に設けられるロック部材260と、複数の現像器側に設けられるとともに、ロック部材260と掛かり合うことで回転する複数の現像器の回転を停止させ、いずれかの現像器を画像形成装置本体に対して予め定めた位置に配置する回転円板220とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置及び現像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
公報記載の従来技術として、現像手段と現像剤収容容器とが一体化されて画像形成装置本体から着脱可能なプロセスカートリッジを複数個備えるとともに、該複数のプロセスカートリッジを支持し、前記静電潜像担持体に対向して該静電潜像担持体上の静電潜像を現像する位置に各プロセスカートリッジを順次回転移動させて現像を行うロータリー式の現像装置を有するカラー画像形成装置において、前記プロセスカートリッジの着脱時に複数のプロセスカートリッジを支持する回転体にブレーキを掛けるブレーキユニット(ブレーキ機構)を、前記回転体を回転させるために該回転体の側板に設けられた歯車と、該歯車を回転駆動するための歯車列と、該歯車列の1つの歯車に接離可能に弾性的に押し付けられているブレーキ用歯車とで構成するカラー画像形成装置が存在する(特許文献1)。
また、公報記載の従来技術として、プロセスカートリッジを構成する感光体ユニットの感光体の収容方向先端部を感光体ユニット受け部に載置した状態で、取っ手部材の装着方向への回動操作に連動して支持板上を摺動部材が摺動し、これにより本体部筐体に設けられた位置決め孔に貫入した位置決めピンを支持板に固定して、感光体ユニットおよび中間転写体を本体部筐体に対し位置決めすると同時に感光体ユニットを中間転写体ユニットに対して位置決めする画像形成装置が存在する(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−15502号公報
【特許文献2】特開2005−37634号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、軸部を中心として回転する複数の現像部を有する交換可能な現像装置を画像形成装置本体に対して装着した際に、回転する複数の現像部を画像形成装置本体の予め定められた位置に停止させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1記載の発明は、画像形成装置本体と、前記画像形成装置本体に対して着脱自在に設けられ、軸部を中心として回転可能に設けられた複数の現像部と、前記画像形成装置本体側に設けられる規制部と、前記複数の現像部側に設けられるとともに、前記規制部と掛かり合うことで回転する当該複数の現像部の回転を停止させ、当該複数の現像部のいずれかの現像部を前記画像形成装置本体に対して予め定めた位置に配置する被規制部とを備えることを特徴とする画像形成装置である。
請求項2記載の発明は、前記複数の現像部は、当該複数の現像部を一体として前記画像形成装置本体に対して着脱自在に設けられることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置である。
請求項3記載の発明は、前記画像形成装置本体は、回転可能に配置され外周面に画像を保持する像保持体を有し、前記規制部は、前記複数の現像部のいずれかの現像部を前記画像形成装置本体に設けられた前記像保持体に対して予め定めた位置に配置することを特徴とする請求項1または2記載の画像形成装置である。
【0006】
請求項4記載の発明は、前記複数の現像部に設けられ、前記画像形成装置本体側から駆動力を受けることに応じて弾性変形し、当該弾性変形が復元することに伴い当該複数の現像部を回転させる回転部をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至3記載の画像形成装置である。
請求項5記載の発明は、前記画像形成装置本体は、前記複数の現像部が前記軸部を中心として回転する駆動力を供給する駆動源を有することを特徴とする請求項1乃至4記載の画像形成装置である。
請求項6記載の発明は、画像形成装置本体に対して着脱自在に設けられ、軸部を中心として回転可能に設けられた複数の現像部と、画像形成装置本体側に設けられる規制部に対して掛かり合うことで、回転する前記複数の現像部の回転を停止させ、当該複数の現像部のいずれかの現像部を当該画像形成装置本体に対して予め定めた位置に配置する被規制部とを備えることを特徴とする現像装置である。
【発明の効果】
【0007】
請求項1記載の発明によれば、軸部を中心として回転する複数の現像部を有する交換可能な現像装置を画像形成装置本体に対して装着した際に、回転する複数の現像部を画像形成装置本体の予め定められた位置に停止させることができる。
請求項2記載の発明によれば、本構成を有しない場合と比較して、画像形成装置本体に対する複数の現像部の位置決めをより容易に行うことができる。
請求項3記載の発明によれば、本構成を有しない場合と比較して、現像部によって現像される画像の画質不良を抑制することができる。
【0008】
請求項4記載の発明によれば、本構成を有しない場合と比較して、より簡易な構成によって、複数の現像部を回転させることができる。
請求項5記載の発明によれば、本構成を有しない場合と比較して、より簡易な構成によって複数の現像部を構成することができる。
請求項6記載の発明によれば、軸部を中心として回転する複数の現像部を有する交換可能な現像装置を画像形成装置本体に対して装着した際に、回転する複数の現像部を画像形成装置本体の予め定められた位置に停止させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本実施の形態に係る画像形成装置を示す概略構成図である。
【図2】現像装置周辺の駆動系の概略構成図である。
【図3】現像装置の斜視図である。
【図4】伝達機構の分解斜視図である。
【図5】リアプレートの概略構成図である。
【図6】ポジションプレートの分解斜視図である。
【図7】回転円板の概略構成図である。
【図8】押上部材の概略構成図である。
【図9】トーションスプリングの概略構成図である。
【図10】ギアプレートの概略構成図である。
【図11】ロック部材の概略構成図である。
【図12】伝達機構の概略構成図である。
【図13】4色画像の形成動作における伝達機構の切り替え動作を示すタイミングチャートである。
【図14】第2の状態における伝達機構の概略構成図である。
【図15】第3の状態における伝達機構の概略構成図である。
【図16】第4の状態における伝達機構の概略構成図である。
【図17】第5の状態における伝達機構の概略構成図である。
【図18】第6の状態における伝達機構の概略構成図である。
【図19】伝達機構200の分解斜視図である。
【図20】伝達機構200の正面図である。
【図21−1】伝達機構200の動作を説明する図である。
【図21−2】伝達機構200の動作を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して、本実施の形態について詳細に説明する。
<画像形成装置1の全体構成>
まず、図1を参照して、本実施の形態が適用される画像形成装置1の各構成を説明する。ここで、図1は、本実施の形態が適用される画像形成装置1を示す概略構成図である。
【0011】
画像形成装置1は、トナー像が形成される画像形成部10、用紙Sを供給し搬送する用紙供給部40、供給された用紙Sを保持するとともに保持した用紙S上に画像形成部10で形成したトナー像を転写する転写装置20を有している。また、画像形成装置1は、転写装置20から開放された用紙S上のトナー像を定着する定着装置30、画像形成装置1の全体を制御する制御部50を有している。ここで、画像形成装置1の各構成部材は、筺体2の内部に収容されており、この筺体2の上部には定着装置30から排出された用紙Sを積載する排紙積載部3が設けられている。
【0012】
<各部材の構成>
まず、画像形成部10は、感光体ドラム11を有する。さらに、画像形成部10は、感光体ドラム11を帯電させる帯電装置12、帯電された感光体ドラム11を露光する露光装置13、現像剤を用いて現像を行う現像装置14、感光体ドラム11上に残った現像剤を清掃する清掃装置15を含む。以下で各部材について説明をする。
【0013】
像保持体の一例である感光体ドラム11は、その表面に負の帯電極性を有する感光層11Aを備えるとともに、矢印A方向に回転するように取り付けられる。そして、帯電装置12、露光装置13、現像装置14、清掃装置15は、感光体ドラム11の周囲に、矢印A方向に沿ってこの順番に設置されている。ここで、感光体ドラム11の外径は、例えば30mmとなっている。
【0014】
帯電装置12は、本実施の形態においては接触ローラ型の放電装置であり、感光体ドラム11とともに回転しながら感光体ドラム11を帯電させるよう構成される。
露光装置13は、感光体ドラム11の帯電表面に照射することで、静電潜像を形成するよう構成され、本実施の形態においては複数配置されたLED(図示せず)を含む。
【0015】
現像装置14は、筺体2に対して着脱可能に備えられている。また、現像装置14は、所謂ロータリ現像器14Rを有する。詳細は後述するが、このロータリ現像器14Rは、回転軸(軸部)14Aと、回転軸14Aの周囲に設置されたイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の現像器(現像部)14Y、14M、14C、14Kとを備え回転軸14Aを中心として矢印C方向に回転する。
さらに、ロータリ現像器14Rは、感光体ドラム11と対向する位置(現像位置)において、現像器14Y、14M、14C、14Kのいずれかが停止するようになっている。
なお、多色画像ではなく単色画像のみを形成する場合には、現像装置14を単色の現像器のみ(例えば黒(K)の現像器14Kのみ)を有する現像装置と交換してもよい。
【0016】
そして、現像装置14は、露光装置13によって形成された感光体ドラム11上の静電潜像を、トナーを用いて現像する。なお、現像装置14の外径は、例えば100mmとなっている。
これらの現像器14Y、14M、14C、14Kには、トナーのみからなる1成分現像剤が収容されている。ここで、本実施の形態においては、1成分現像剤を用いたが、トナー及びキャリアを含む2成分現像剤であってもよい。
【0017】
清掃装置15は、感光体ドラム11の表面に残った現像剤や現像剤以外の付着物を除去する。本実施の形態の清掃装置15は、ブレード方式のクリーナである。
【0018】
次に、転写装置20を説明する。転写装置20は、感光体ドラム11上のトナー像を用紙Sに転写する転写ドラム21を有する。また、転写装置20は、転写ドラム21上で用紙Sの先端部を把持する先端グリッパ23、転写ドラム21上で用紙Sの後端部を保持する後端グリッパ27を有する。さらに、転写装置20は、用紙Sが通過することを検知する用紙検知センサ25を含む。
この転写装置20は、筺体2に対して着脱可能に備えられている。ここで、本実施の形態における転写装置20は、用紙Sの先端部及び後端部を固定して転写ドラム21の周囲を回転させる構成であるが、これに限定されない。例えば、多色画像ではなく、単色画像のみを形成する場合には、転写ドラム21を、用紙Sを固定することなく転写バイアスを印加するロール(所謂転写ロール)と交換してもよい。
【0019】
転写ドラム21は、感光体ドラム11に対向し、かつ回転軸21Dを中心に回転可能に配置される。また、転写ドラム21は、ドラム形状の基部21Aと、この基部21Aの外周面に形成された弾性層21Bとを備えている。より具体的には、弾性層21Bは、用紙Sの搬送方向先端である弾性層先端21BLから、用紙Sの搬送方向後端である弾性層後端21BTまで、ドラム形状の基部21Aの外周に沿って延伸している。一方で、弾性層21Bは、基部21Aの外周面の一部を、基部21Aの軸方向に沿って覆わないようになっており(弾性層後端21BTと弾性層先端21BLとの間)、この部位は、基部21Aが露出した露出部21Cとなっている。
【0020】
転写ドラム21は、弾性層21Bが弾性変形することにより感光体ドラム11とニップ部を形成する状態で、感光体ドラム11の回転と同期して矢印B方向に回転するように設けられている。また、転写ドラム21の露出部21Cは、感光体ドラム11と接触しない。さらに、転写ドラム21の外径は、感光体ドラム11の外径よりも大きい。
基部21Aは、高圧電源(図示せず)からトナーとは逆極性の電圧から成る転写バイアスが印加される。感光体ドラム11上でトナー像を構成するトナーが、転写部位Trにおいて弾性層21B上の用紙Sに転写される構成である。
【0021】
用紙検知センサ25は、転写ドラム21の外周面に対向して配置されており、転写ドラム21に巻きつけられて搬送される用紙Sの通過を検知する。さらに、用紙検知センサ25は、転写ドラム21に設けられたマーク(図示せず)を検知することで、回転する転写ドラム21の位相も測定する。
定着装置30は、加熱源(図示せず)を有し回転可能に配置される加熱ロール31と、この加熱ロール31に圧接される加圧ロール32とを有している。
【0022】
用紙供給部40は、転写ドラム21の下方に備えられ用紙Sを内部に収容する用紙収容部41、取出しロール42に備えられ収容された用紙のサイズを検知する用紙サイズセンサ(図示せず)を備える。また、用紙供給部40は、用紙収容部41から用紙Sを取り出す取出しロール42、密着した用紙Sを分離する捌きロール43、用紙Sを搬送する搬送ロール44を備える。
【0023】
制御部50は、ユーザから指示を受けたユーザ・インターフェイス(図示せず)によって信号が入力される。また、制御部50には、画像形成装置1の内部または外部に設けられた画像出力指示部(図示せず)から画像信号が入力される。さらに、制御部50には、用紙検知センサ25から送られてくる用紙Sの通過の信号及び感光体ドラム11の位相信号が入力される。
【0024】
そして、制御部50は、次の各部に制御信号を出力するようになっている。すなわち、制御部50は、感光体ドラム11を回転駆動する感光体駆動部(図2の感光体ドラム駆動モータM2、感光体ドラムギアG2、後述)、帯電装置12、露光装置13に制御信号を出力する。また、制御部50は、感光体ドラム11と対向する位置である現像位置に配置された現像器14Y、14M、14C、14Kに供給する現像バイアスを設定する現像バイアス設定部(図示せず)に制御信号を出力する。
さらに、制御部50は、転写ドラム21を回転駆動する転写ドラム駆動部(図2の転写ドラム駆動モータM1及び転写ドラムギアG1参照)に制御信号を出力する。さらにまた、後端グリッパ27を回転駆動する後端グリッパ駆動部(図示せず)、転写ドラム21に供給する転写バイアスを設定する転写バイアス設定部(図示せず)、先端グリッパ23、後端グリッパ27、用紙供給部40、及び定着装置30に、制御信号を出力するようになっている。
【0025】
ここで、画像形成装置1は、用紙Sを用紙収容部41から転写部位Trへ供給するための供給経路51を備えている。また、画像形成装置1は、定着装置30を介してトナー像が転写された用紙Sを排紙積載部3に排出するための排出経路52を備えている。
さらに、本実施の形態では、転写ドラム21に向けて供給されてくる用紙Sが、先端グリッパ23及び後端グリッパ27によって転写ドラム21に巻き付けられた状態で回転することになる。このとき用紙Sが通る経路を回転経路53と称する。
【0026】
<駆動系>
さて、図2を参照して、現像装置14等の駆動系について説明をする。ここで、図2は、現像装置14周辺の駆動系の概略構成図である。
まず、本実施の形態における現像装置14は、現像装置14を駆動するための専用の駆動モータを有さない。本実施の形態における現像装置14は、転写ドラム21を駆動する転写ドラム駆動モータ(駆動源)M1、及び感光体ドラム11を回転させる感光体ドラム駆動モータM2によって駆動される。以下でこの構成について詳細に説明する。
【0027】
図2に示すように、転写装置20は、転写ドラム21を駆動する転写ドラム駆動モータM1を有する。また、転写装置20は、転写装置20の回転軸21Dと一体として設けられるとともに、転写ドラム駆動モータM1の駆動を受けて回転軸21Dを回転させる転写ドラムギアG1を有する。
感光体ドラム11は、感光体ドラム11を駆動する感光体ドラム駆動モータM2を有する。また、感光体ドラム11は、感光体ドラム11と同軸であってかつ感光体ドラム11と一体として設けられるとともに、感光体ドラム駆動モータM2の駆動を受けて感光体ドラム11を回転させる感光体ドラムギアG2を有する。
【0028】
一方で、現像装置14は、回転軸14Aと一体として設けられるとともに、ロータリ現像器14Rを回転させる現像装置ギアG3を有する。また、ロータリ現像器14Rに設けられた現像器14Y、14M、14C、14K(図1参照)は、各々の現像器14Y、14M、14C、14Kのそれぞれに設けられた現像ロール等を回転駆動させる現像器ギアG4Y、G4M、G4C、G4Kをそれぞれ有する。
【0029】
ここで、回転軸14Aを中心としてロータリ現像器14Rを回転させる現像装置ギアG3は、仲介ギアG5、G6を介して転写ドラム駆動モータM1の駆動を受けて回転するよう構成される。また、各現像器14Y、14M、14C、14K(図1参照)をそれぞれ回転させる現像器ギアG4Y、G4M、G4C、G4Kは、感光体ドラム11と対向する位置に配置され現像を行う際に、感光体ドラムギアG2を介して感光体ドラム駆動モータM2の駆動を受けて回転するように構成される。
【0030】
<現像装置14>
次に、図1、図2及び図3を参照しながら、現像装置14の詳細な構造について説明する。ここで、図3は、現像装置14の斜視図である。
まず、現像装置14は、上述のようにロータリ現像器14R、現像装置ギアG3、及びギアG4Y、G4M、G4C、G4K(図2参照)を有する。また、現像装置14は、ロータリ現像器14Rを回転可能に支持する枠体90を有する。さらにまた、現像装置14は、転写ドラム駆動モータM1の駆動をロータリ現像器14Rに伝達するとともにこの駆動の伝達を切断する伝達機構100を有する。
【0031】
ロータリ現像器14Rは、回転軸14Aと、回転軸14Aの周囲に設置されたイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の現像器14Y、14M、14C、14K(図1参照)とを備えている。また、ロータリ現像器14Rは、回転軸14Aに固定して取り付けられ、各現像器14Y、14M、14C、14Kを保持するとともにロータリ現像器14Rと一体的に回転する現像ラック80を有する。このロータリ現像器14Rは、現像器14Y、14M、14C、14Kが回転軸14Aを中心として矢印C方向に回転する。
ここで、図3に示すように、現像ラック80は、各現像器14Y、14M、14C、14Kを長手方向の外側から挟むように保持する保持板61、63と、この保持板61、63の間を接続し補強する補強部材(図示せず)とを有する。
【0032】
枠体90は、各現像器14Y、14M、14C、14Kを保持する現像ラック80を、各現像器14Y、14M、14C、14Kの長手方向の外側から挟むように保持するフロントプレート91及びリアプレート93と、このフロントプレート91及びリアプレート93とを接続するボトムプレート95とを有する。なお、上述のように現像装置14は、筺体2に対して着脱可能なものであるが、ここでは便宜上、現像装置14が筺体2に装着された状態を基準とし、図1における画像形成装置1のフロント側(図1の紙面手前側に配置される側)、及びリア側(図1の紙面奥側に配置される側)に対応付けて、フロント及びリアという表現を用いて構成を説明する。
【0033】
枠体90によって、現像装置14は画像形成装置1内に固定される。本実施の形態では、枠体90は、取り外しが容易となるように画像形成装置1に対して現像装置14を固定する着脱機構を有する。また、上述では説明を省略したが、画像形成装置1側にも現像装置14を固定する着脱機構を有する。これらの着脱機構は、それぞれ例えば画像形成装置1側に設けられたフックやピン(図示せず)が設けられ、現像装置14側にフックやピンを受けるボトムプレート95が設けられることによって構成される。
伝達機構100の構成については、後述する。
【0034】
ここで、図1及び図3に示すように、各現像器14Y、14M、14C、14Kは、各現像器14Y、14M、14C、14Kの回転中心軸が回転軸14Aに沿うように設けられている。そして、現像器14Y、14M、14C、14Kは、この順番で回転軸14Aの周囲に設けられている。
現像ラック80は、回転軸14Aに対して固定されており、かつ回転軸14A及び各現像器14Y、14M、14C、14Kとともに回転可能に設けられている。
また、枠体90は、回転軸14Aを回転可能に支持するとともに、画像形成装置1の筺体2に対して固定されている。ここで、枠体90は、フロントプレート91は画像形成装置1のフロント側(図3の紙面左手前側)、リアプレート93は画像形成装置1のリア側(図3の紙面右奥側)となるようにそれぞれ配置される。
【0035】
<伝達機構100>
次に、図1乃至図4を参照しながら、伝達機構100について説明をする。ここで、図4は、伝達機構100の分解斜視図である。
図3に示すように、伝達機構100は、現像装置14の一方の側(図3の紙面右奥側)に設けられる。具体的には、伝達機構100は、現像ラック80の保持板63と、枠体90のリアプレート93との間に配置される。また、伝達機構100は、中央部を回転軸14Aが貫通するように設けられる。
【0036】
ここで、伝達機構100は、回転軸14Aとともに一体的に回転し、現像器14Y、14M、14C、14Kを予め定めた位置に配置するポジションプレート110を有する。また、伝達機構100は、仲介ギアG5、G6(図2参照)を介して転写ドラム駆動モータM1の駆動を受けて回転し、ポジションプレート110と掛かり合うことによりポジションプレート110を回転させるギアプレート150を有する。さらにまた、伝達機構100は、回転軸14Aとともに回転するポジションプレート110を停止させるロック部材(規制部)160を有する。さらにまた、伝達機構100は、ポジションプレート110と掛かり合うことにより、ギアプレート150の駆動をポジションプレート110へ伝達することを維持するとともにこの駆動の伝達を切断するガイドリブ170を有する。以下でそれぞれについて説明をする。
【0037】
なお、本実施の形態においては、ガイドリブ170は、リアプレート93におけるポジションプレート110と対向する側の面93aにリアプレート93と一体として設けられている。以下の説明においては、伝達機構100はリアプレート93を含む構成として説明する。
また、現像装置ギアG3は、ギアプレート150におけるポジションプレート110と対向する側とは反対の面に設けられている(図10参照、後述)。以下の説明においては、伝達機構100は現像装置ギアG3を含む構成として説明する。
【0038】
<リアプレート93>
まず、図5を参照しながら、リアプレート93について説明をする。ここで、図5は、リアプレート93の概略構成図である。より詳細には図5(A)はリアプレート93を現像装置14におけるフロント側からみた斜視図であり、図5(B)はリアプレート93の正面図である。
リアプレート93は、上述のようにガイドリブ170を備えている。このガイドリブ170は、ポジションプレート110と対向する側の面93aに突出して設けられ、かつ回転軸14Aの円周方向に沿っている。このガイドリブ170は、面93aから突出する方向(矢印E方向に沿う方向)において特定の高さ(後述)である。
【0039】
また、ガイドリブ170は、現像装置14に設けられる現像器14Y、14M、14C、14Kと同数設けられている。図示の例においてガイドリブ170は、回転軸14A(図4参照)の周方向において90度毎に、4つ設けられている。
さらに、各ガイドリブ170は、周方向における端部であって、ロータリ現像器14R(図1参照)が回転する方向である矢印C方向後端側の端部に傾斜部171を有している。この傾斜部171は、リアプレート93の面93aに対して傾斜している。ここで、傾斜部171が設けられた側と反対の端部であり、かつトーションスプリング140を掛ける(詳細は後述)掛け部173は、傾斜していない。なお、図示の例では掛け部173は、リアプレート93の面93aとほぼ直交する面を有する。
さらにまた、リアプレート93は、面の中央部に回転軸14Aを挿入する貫通孔94を有する。
【0040】
<ポジションプレート110>
次に、図4及び図6を参照しながら、ポジションプレート110について説明をする。ここで、図6は、ポジションプレート110の分解斜視図である。
図4に示すように、ポジションプレート110は、回転軸14Aとともに一体的に回転する回転円板120を有する。また、ポジションプレート110は、回転円板120の面上に設けられトーションスプリング140(後述)を回転円板120の面から押し上げる押上部材130を有する。さらにまた、ポジションプレート110は、回転円板120の面上に設けられ姿勢が変化することにより転写ドラム駆動モータM1(図2参照)からの駆動を受けるトーションスプリング140を有する。
図6に示す例においては、画像形成装置1のリア側からフロント側に向けて(矢印E参照)、回転円板120、押上部材130、トーションスプリング140の順で配置されていれる。以下でそれぞれについて説明をする。
【0041】
<回転円板120>
図7を参照しながら、回転円板120について説明をする。ここで、図7は、回転円板120の概略構成図である。より詳細には図7(A)は回転円板120を現像装置14におけるフロント側からみた斜視図であり、図7(B)は回転円板120の正面図である。
回転円板120は、円形の金属板である。この回転円板120は、面の中央部に回転軸14Aを挿入する貫通孔121を有する。また、回転円板120は、回転円板120のフロント側面(図1の紙面手前側に配置される面)120aにおける貫通孔121の周囲から、回転軸14Aに沿う方向(矢印E参照)に突出して設けられた凸部123を有する。
【0042】
さらに、被規制部の一例である回転円板120は、回転円板120の外周にロック部材160(図4参照)と掛かり合う突起125を有する。この突起125は、回転円板120の外周において、回転中心から遠ざかる方向に延びるように形成されている。また、本実施の形態において、突起125は、現像装置14に設けられる現像器14Y、14M、14C、14Kと同数設けられている。また、突起125は、上述のガイドリブ170と同数設けられている。図示の例において突起125は、回転軸14Aの周方向において90度毎に4つ設けられている。
なお、本実施の形態においては、突起125として説明したがこれに限定されない。ロック部材160(図4参照)と掛かり合う構成であればよく、例えば、回転円板120の外周に設けられた切り欠きや、回転円板120の面上に設けられた凸部であってもよい。
【0043】
<押上部材130>
次に、図8を参照しながら、押上部材130について説明をする。ここで、図8は、押上部材130の概略構成図である。より詳細には図8(A)は押上部材130を現像装置14におけるフロント側からみた斜視図であり、図8(B)は押上部材130の正面図である。
押上部材130は、回転円板120と同軸に設けられる円弧状の板部材である。この押上部材130は、矢印E方向に沿う方向において特定の厚さを有する。
この押上部材130は、トーションスプリング140の腕部147(図9参照)をギアプレート150側に寄せた状態で保持する面である保持面130aを有する。図示の例においては、保持面130aは、押上部材130におけるフロント側(図1の紙面手前側に配置される面)に配置される平面である。したがって、この保持面130aは、回転円板120の面から特定の高さとなる。
【0044】
また、押上部材130の回転方向(矢印C参照)の先端は、リア側に向けて傾斜している傾斜部133が形成されている。この傾斜部133は、傾斜部133との相対的な位置関係において矢印C(図8参照)とは反対の方向に進むトーションスプリング140の腕部147(図9参照)を回転円板120の面から押し上げる。
【0045】
<トーションスプリング140>
次に、図9を参照しながら、トーションスプリング(捩じりばね)140について説明をする。ここで、図9は、トーションスプリング140の概略構成図である。より詳細には図9(A)はトーションスプリング140を現像装置14におけるフロント側からみた斜視図であり、図9(B)はトーションスプリング140の正面図であり、図9(C)はトーションスプリング140の側面図である。
回転部の一例であるトーションスプリング140は、金属製のワイヤからなる。トーションスプリング140は、円形状に複数回巻かれた巻付部145を有する。また、このトーションスプリング140の一端は腕部147として巻付部145から延び、他端は固定部149として巻付部145から延びている。
【0046】
ここで、腕部147の先端は固定されていない自由端141であるのに対して、固定部149の先端は、回転円板120(図4参照)に対して固定されている固定端143である。なお、図示の例では、固定端143は、押上部材130上に固定されている。
また、図9(C)に示すように、側面からみるとトーションスプリング140の腕部147は、巻付部145から回転円板120側(矢印Eの上流側)に傾いて延びる。更に説明すると、トーションスプリング140の自由端141は、腕部147の根元よりも、回転円板120側(矢印Eの上流側)となる。
【0047】
なお、トーションスプリング140の自由端141が、巻付部145を中心とした円周方向に移動することにより、トーションスプリング140は開放された状態と絞られた状態(図9(B)の破線参照)との間で変化する。また、図9(B)の破線で示されるように、捩じりモーメントを受けてトーションスプリング140が絞られた状態においては、トーションスプリング140は弾性エネルギ(付勢力)を蓄積している状態である。いわばトーションスプリング140のねじれ角としてエネルギを蓄積している状態である。
【0048】
<ギアプレート150>
次に、図10を参照しながら、ギアプレート150について説明をする。ここで、図10は、ギアプレート150の概略構成図である。より詳細には、図10(A)はギアプレート150を現像装置14におけるフロント側からみた斜視図であり、図10(B)は図10(A)の裏面側からみたギアプレート150の斜視図であり、図10(C)はギアプレート150の正面図である。
【0049】
ギアプレート150は、樹脂製の円盤状の部材である。ギアプレート150は、面の中央部に回転軸14Aを挿入する貫通孔151を有する。
図10(A)に示すように、ギアプレート150における画像形成装置1のフロント側面(図1の紙面手前側に配置される面)150aには、転写ドラム駆動モータM1(図2参照)からの駆動を受けて回転する現像装置ギアG3がギアプレート150と同軸で固定されている。
また、図10(B)に示すように、ギアプレート150における画像形成装置1のリア側面(図1の紙面奥側に配置される面)150bには、リア側面150bから突出する爪部153を有する。この爪部153は、回転軸14Aの周方向でほぼ等間隔に8つ設けられている。ここで、爪部153は、上述のガイドリブ170の数(すなわち突起125の数)よりも多く設けられている。本実施の形態においては、爪部153は、ガイドリブ170(あるいは突起125)の倍の数設けられている。
【0050】
<ロック部材160>
次に、図11を参照しながら、ロック部材160について説明をする。ここで、図11は、ロック部材160の概略構成図である。
本実施の形態において、ロック部材160は筺体2(図1参照)によって支持軸163を揺動可能(矢印F参照)に支持されている。更に説明すると、上述のように現像装置14は、画像形成装置1に対して着脱可能に配置される。この現像装置14が画像形成装置1から外された際、ロック部材160は、画像形成装置1側(画像形成装置本体側)に残された状態となる。
【0051】
ロック部材160は、板状の金属部材である。そして、一方の端部に、回転円板120の突起125と掛かり合う突起受け部161を有する。
さて、上記では説明を省略したが、転写ドラム21(図1参照)には、転写ドラム21とともに回転するカム(図示せず)が設けられている。そして、この転写ドラム21に設けられたカム(図示せず)によって押されるカムフォロア(図示せず)が、ロック部材160の突起受け部161が設けられた側とは支持軸163を挟んで反対の端部に設けられている。
【0052】
そして、転写ドラム21が一回転する毎に、カム(図示せず)がカムフォロア(図示せず)を押す。このことにより、ロック部材160が揺動し、ロック部材160の一方の端部に設けられた突起受け部161が移動する。そして、突起受け部161と掛かり合う回転円板120の突起125が解放される。
なお、ロック部材160を揺動させる構成はこれに限定されるものではない。例えば、ソレノイドやモータ等によって揺動させる構成であってもよい。
【0053】
<伝達機構100の構造>
次に、図4及び図12を参照しながら、伝達機構100の構造について説明をする。ここで、図12は、伝達機構100の概略構成図である。より詳細には図12(A)は伝達機構100の正面図であり、図12(B)は図12(A)中の矢印XIIBからみた伝達機構100の断面図である。図12(A)及び(B)においては、ギアプレート150の現像装置ギアG3は省略している。さらに、図12(A)においては、ギアプレート150の背後に隠れる部分も実線で示している。
【0054】
まず、伝達機構100は、上述のように、リアプレート93、ポジションプレート110、ギアプレート150、ロック部材160を有する。そして、リアプレート93の貫通孔94(図5参照)、ポジションプレート110における回転円板120の貫通孔121(図7参照)、ギアプレート150の貫通孔151(図10参照)には、ロータリ現像器14Rの回転軸14Aが挿入されている。
図12(B)に示すように、ポジションプレート110における回転円板120は、回転軸14Aとともに回転するよう回転軸14Aに固定されている。一方、リアプレート93及びギアプレート150は、回転軸14Aに固定されることなく設けられている。
【0055】
ここで、図12(A)に示すように、ポジションプレート110の外周にリアプレート93のガイドリブ170が設けられる。なお、ガイドリブ170は、回転円板120に設けられた突起125と接触することがない位置であって、かつトーションスプリング140の腕部147が届く位置に設けられる。
【0056】
また、図12(A)に示すように、ロック部材160は、ポジションプレート110の外周であって、リアプレート93に設けられた2つのガイドリブ170の間に配置されている。また、ロック部材160は、ロック部材160のカムフォロア(図示せず)が転写ドラム21に設けられたカム(図示せず)の移動経路上に位置するよう、配置される。
このロック部材160は、支持軸163(図11参照)を中心に揺動する(図11の矢印F参照)ように設けられている。付言すると、ロック部材160が揺動することで、ロック部材160の突起受け部161は、回転円板120に設けられた突起125の移動経路に対して進退する。そのため、回転円板120の突起125の位置によっては、回転円板120の回転を妨げるように、突起125がロック部材160の突起受け部161に当たる。なお、ロック部材160の突起受け部161は、例えば回転円板120の径方向に移動することや、回転円板120の接線方向に移動することによって、突起125の移動経路に対して進退する構成であってもよい。
【0057】
さらに、このロック部材160の突起受け部161が、回転円板120に設けられた突起125と掛かり合う状態においては、回転軸14Aを介して回転円板120とともに回転するロータリ現像器14Rも停止する。そして、この停止したロータリ現像器14Rにおいては、ロータリ現像器14Rが有する現像器14Y、14M、14C、14Kのいずれかが、感光体ドラム11と対向する位置である現像位置に配置されている。
さらにまた、ロック部材160の突起受け部161が、回転円板120に設けられた突起125と掛かり合う状態から、この突起125を解放し、再び突起125と掛かり合う状態となる間に、ロータリ現像器14Rは90度回転する。
【0058】
さて、トーションスプリング140の腕部147が、ギアプレート150の爪部153と接触する場合は、転写ドラム駆動モータM1(図2参照)からの駆動が、トーションスプリング140、回転円板120、及び回転軸14Aを介して、ロータリ現像器14Rへ伝達される。トーションスプリング140の腕部147が、ギアプレート150の爪部153と接触しない場合は、転写ドラム駆動モータM1(図2参照)からの駆動が、ロータリ現像器14Rへ伝達されない。
【0059】
また、トーションスプリング140の巻付部145は、回転円板120に設けられている凸部123の周囲に巻きつけられ、回転軸14Aと同軸に設けられている。トーションスプリング140の固定端143は、上述のように回転円板120に設けられた押上部材130に固定されている。トーションスプリング140の自由端141は、回転軸14Aに対して回転円板120に設けられた突起125の移動経路よりも外側に延びており、ガイドリブ170と接触し得る。
【0060】
ここで、図12(B)に示すように、トーションスプリング140の自由端141は、腕部147の根元よりも、回転円板120側(矢印Eの上流側)となる。
【0061】
<伝達機構100の働き>
次に、図1、図12、図14乃至図18を参照しながら、伝達機構100の働きについて説明をする。ここでは、伝達機構100がロータリ現像器14Rを90度回転させる動作を、第1の状態から第6の状態までに分ける(詳細は後述)とともに、そのうちのいくつかを用いて説明をする。また、ここでは伝達機構100の働きを、トーションスプリング140の働きと、回転円板120の働きとに着目して説明する。なお、図12に示される伝達機構100は第1の状態である。また、図14乃至図18は、それぞれ第2の状態乃至第6の状態における伝達機構100の概略構成図である。
【0062】
<トーションスプリング140の働き>
図12に示す第1の状態におけるトーションスプリング140の働きについて説明をする。ここでは、トーションスプリング140の状態、及びトーションスプリング140に働く力に分けて説明をする。
まず、トーションスプリング140の状態について説明する。
図12に示すトーションスプリング140は弾性エネルギを蓄積して絞られた状態である。付言すると、このトーションスプリング140の腕部147は矢印C方向とは反対に回転しようとしているとともに、トーションスプリング140の固定端143は矢印C方向に回転しようとしている状態である。
また、図12(B)に示すように、トーションスプリング140の自由端141は、矢印E方向におけるリアプレート93からの高さが低い位置にある。これは、トーションスプリング140の腕部147が、巻付部145から回転円板120側に傾いて延びるためである。さらに、トーションスプリング140の腕部147は、リアプレート93からの高さが低い位置にあるため、ギアプレート150の爪部153と接触していない。
【0063】
次に、トーションスプリング140に働く力について説明をする。
図12(A)に示すように、回転軸14Aの周方向において、トーションスプリング140の腕部147は、ガイドリブ170の掛け部173から、矢印C方向に力を受けている。また、トーションスプリング140の腕部147は、ギアプレート150の爪部153とは接していないためギアプレート150の爪部153から力を受けていない。さらに、回転軸14Aの周方向において、トーションスプリング140の固定端143は、押上部材130から矢印C方向とは逆向きの力を受ける。この押上部材130からの力は、回転を停止している回転円板120に固定されている押上部材130から受ける反力である。このことにより、トーションスプリング140は、絞られて停止した状態となる。
一方、図12(B)に示すように、回転軸14Aに沿う方向において、トーションスプリング140の腕部147は、押上部材130の傾斜部133及びガイドリブ170から力を受けていない。
【0064】
次に、図15に示す第3の状態におけるトーションスプリング140の働きについて説明をする。
まず、トーションスプリング140の状態について説明する。
図15に示すトーションスプリング140は絞られた状態ではなく開放された状態である。さらに、図15(B)に示すように、トーションスプリング140の自由端141は、矢印E方向におけるリアプレート93からの高さが高い位置にある。これは、トーションスプリング140の腕部147が、押上部材130の傾斜部133から矢印E方向に押される力を受けているためである。また、トーションスプリング140の腕部147は、矢印E方向におけるリアプレート93からの高さが高い位置にあるため、腕部147がギアプレート150の爪部153と接している。
なお、上述の押上部材130における特定の高さとは、押上部材130がトーションスプリング140の腕部147を矢印E方向に押すことにより、腕部147をギアプレート150の爪部153と接触させ得る高さのことを言う。
【0065】
次に、トーションスプリング140に働く力について説明をする。
図15(A)に示すように、回転軸14Aの周方向において、トーションスプリング140の腕部147は、ガイドリブ170の掛け部173から力を受けていない。また、トーションスプリング140の腕部147は、ギアプレート150の爪部153から矢印C方向に力を受けている。さらに、トーションスプリング140の固定端143は、押上部材130から力を受けていない。このことにより、トーションスプリング140は、回転軸14Aの周囲を回転している状態となる。
一方、図15(B)に示すように、回転軸14Aに沿う方向において、トーションスプリング140の腕部147は、押上部材130の傾斜部133から矢印E方向に押される力を受けている。なお、トーションスプリング140の腕部147は、ガイドリブ170から力を受けていない。
【0066】
次に、図17に示す第5の状態におけるトーションスプリング140の働きについて説明をする。
まず、トーションスプリング140の状態について説明する。
図17に示すトーションスプリング140は絞られた状態ではなく開放された状態である。さらに、図17(B)に示すように、トーションスプリング140の自由端141は、矢印E方向におけるリアプレート93からの高さが高い位置にある。これは、トーションスプリング140の腕部147が、ガイドリブ170から矢印E方向に押される力を受けているためである。また、トーションスプリング140の腕部147は、自由端141が矢印E方向におけるリアプレート93からの高さが高い位置にあるため、ギアプレート150の爪部153と接している。
なお、上述のガイドリブ170における特定の高さとは、ガイドリブ170がトーションスプリング140の腕部147を矢印E方向に押すことにより、腕部147をギアプレート150の爪部153と接触させ得る高さのことを言う。
【0067】
次に、トーションスプリング140に働く力について説明をする。
図17(A)に示すように、回転軸14Aの周方向において、トーションスプリング140の腕部147は、ガイドリブ170の掛け部173から、力を受けていない。また、トーションスプリング140の腕部147は、ギアプレート150の爪部153から矢印C方向に力を受けている。さらに、トーションスプリング140の固定端143は、回転軸14Aの周方向において、押上部材130から矢印C方向とは逆向きの力を受ける。この押上部材130からの力は、回転を停止している回転円板120に固定されている押上部材130から受ける反力である。
付言すると、トーションスプリング140は、固定端143が押上部材130から矢印C方向とは逆向きの力を受け、かつトーションスプリング140の腕部147が爪部153から矢印C方向に力を受けているため、絞られる方向に力を受けている状態である。
【0068】
一方、図17(B)に示すように、回転軸14Aに沿う方向において、トーションスプリング140の腕部147は、押上部材130の傾斜部133から力を受けていない。一方、トーションスプリング140の腕部147は、ガイドリブ170から矢印E方向に押される力を受けている。
【0069】
<回転円板120の働き>
図12に示す第1の状態における回転円板120の働きについて説明をする。ここでは、ロック部材160の状態、及び回転円板120に働く力に分けて説明をする。
まず、ロック部材160の状態について説明する。
図12に示すロック部材160は、オンの状態である。すなわち、ロック部材160の突起受け部161が、回転円板120に設けられた突起125の移動経路に対して、進入した状態である。
【0070】
次に、回転円板120に働く力について説明をする。
回転円板120のフロント側面120aは、トーションスプリング140の固定端143が固定された押上部材130から矢印C方向に力を受ける。この押上部材130から受ける力は、絞られた状態であるトーションスプリング140の弾性力により押上部材130に設けられた固定端143を矢印C方向に回転させようとする力によるものである。
また、回転円板120の突起125は、ロック部材160の突起受け部161と接することにより矢印C方向とは逆向きの力を受ける。
そして、これらの力により回転円板120は、回転軸14Aの周囲を回転することなく停止している。
【0071】
図14に示す第2の状態における回転円板120の働きについて説明をする。
図14に示すロック部材160は、オフの状態である。すなわち、ロック部材160の突起受け部161が、回転円板120に設けられた突起125の移動経路に対して、退避した状態である。
【0072】
次に、回転円板120に働く力について説明をする。
回転円板120のフロント側面120aは、トーションスプリング140の固定端143が固定された押上部材130から矢印C方向に力を受ける。この押上部材130から受ける力は、絞られた状態から開放された状態へと変化しつつあるトーションスプリング140が弾性力により押上部材130に設けられた固定端143を矢印C方向に回転させようとする力によるものである。
また、回転円板120の突起125は、ロック部材160の突起受け部161から力を受けていない。
そして、これらの力により回転円板120は、回転軸14Aの周囲を回転している。
【0073】
図16に示す第4の状態における回転円板120の働きについて説明をする。
図16に示すロック部材160は、オンの状態である。すなわち、ロック部材160の突起受け部161が、回転円板120に設けられた突起125の移動経路に対して、進入した状態である。
【0074】
次に、回転円板120に働く力について説明をする。
回転円板120のフロント側面120aは、トーションスプリング140の固定端143が固定された押上部材130から矢印C方向に力を受ける。この押上部材130から受ける力は、トーションスプリング140の腕部147がギアプレート150の爪部153により矢印C方向に回転させる力を受けることにともない、トーションスプリング140の固定端143が矢印C方向に回転する力を受けるためである。
また、回転円板120の突起125は、ロック部材160の突起受け部161から力を受けていない。これは、上述のようにロック部材160の突起受け部161が、回転円板120の突起125の移動経路に対して進入した状態であるが、回転円板120の突起125と接触はしていないためである。
そして、回転駆動力をトーションスプリング140を介して受けることにより、回転円板120は、回転軸14Aの周囲を回転している。
【0075】
<画像形成装置1の動作>
次に、図1及び図2を参照しながら、画像形成装置1の全体の動作について説明する。 なお、ここでは画像形成装置1によって1枚の用紙Sに複数色の画像形成を行う場合を説明する。
【0076】
まず原稿読み取り装置(図示せず)によって読み取られた原稿の色材反射光像や、パーソナルコンピュータ(図示せず)等によって形成された色材画像データは、例えばR(赤)、G(緑)、B(青)の各データとして、画像信号処理装置(図示せず)に入力され、予め定められた画像処理が施される。画像処理が施された画像データは、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の4色の色材階調データに変換され、露光装置13に出力される。
【0077】
画像形成動作の開始に伴い、感光体ドラム11及び転写ドラム21は同期して回転を開始する。このとき先端グリッパ23は転写ドラム21とともに回転するのに対して、後端グリッパ27は、転写ドラム21とともに回転することなく待機位置に静止している(周速度がゼロである)。
【0078】
そして、回転する感光体ドラム11の感光層11Aが帯電装置12により帯電された後、露光装置13により画像情報に応じた一色目(たとえばイエロー)の静電潜像が形成される。また、転写ドラム21が回転を開始するのに伴い、用紙検知センサ25が転写ドラム21の位相の測定を行う。測定された位相は、制御部50へと送られる。
【0079】
一方、現像装置14では、感光体ドラム11上に形成される静電潜像に対応する色成分トナーを有する現像装置(例えばイエローの場合にはイエローの現像器14Y)が、感光体ドラム11との対向位置に配置されるよう予め回転させられ、停止している。
そして、例えば現像器14Yにより感光体ドラム11上の静電潜像が現像され、感光体ドラム11上にトナー像が形成される。そして、このトナー像(ここではイエローのトナー像)は、感光体ドラム11の回転に伴って転写装置20と対向する転写部位Trに向かって送られていく。
【0080】
また、記録画像形成動作の開始に対応して、用紙Sの供給も行われる。具体的には、取出しロール42により用紙収容部41から取り出された用紙Sを、捌きロール43を経て、搬送ロール44を用いて供給経路51に送り出す。そして、用紙Sが転写ドラム21に供給される位置(供給位置)に先端グリッパ23が到達するのに合わせて、用紙Sが到達するように搬送を制御する。
【0081】
そして、供給位置において先端グリッパ23が開いた状態から閉じた状態へと移行する。これに伴って、用紙Sの搬送方向先端が先端グリッパ23によって把持される。なお、このとき後端グリッパ27は、転写ドラム21の外周であって、待機位置に静止している。そして、用紙Sを把持した先端グリッパ23は、静止した後端グリッパ27と転写ドラム21の回転中心との間を通過する。
【0082】
後端グリッパ27と弾性層21Bとの間を通過した先端グリッパ23は、用紙Sを把持したまま転写部位Trを通過する。先端グリッパ23によって把持されて転写部位Trを通過した用紙Sは、先端グリッパ23に把持されたまま転写ドラム21に巻きついた状態となって回転経路53(図1参照)を搬送される。
そして、露光装置13により画像情報に応じた一色目(たとえばイエロー)の静電潜像が形成された後に、用紙検知センサ25によって用紙Sの搬送方向後端が通過したことが検知される。そして、この用紙検知センサ25からの信号を受けた制御部50が、後端グリッパ27へと指示を出す。指示を受けた後端グリッパ27は、開いた状態から閉じた状態へと移行する。
【0083】
さて、閉じた後端グリッパ27は、転写ドラム21と同期して回転を開始する。言い換えると、用紙Sは、搬送方向の先端を先端グリッパ23によって把持され、かつ後端を後端グリッパ27によって保持されながら転写ドラム21とともに回転する。感光体ドラム11上に形成された一色目(例えばイエロー)のトナー像は、感光体ドラム11と転写ドラム21とが対向する転写部位Trにおいて、転写ドラム21上の用紙Sに転写される。なお、転写後に感光体ドラム11上に残ったトナーは、清掃装置15(図1参照)によって除去される。
【0084】
そして、二色目から、最終色(例えば黒)前の潜像形成(例えばマゼンタ、シアン)、現像及び転写が、上述した手順に従って同様に繰り返される。ただし、各色のトナー像を形成するに際しては、現像装置14が回転動作を行い、対応する現像器14M、14Cが停止位置に配置される。
その間、用紙Sは、先端グリッパ23及び後端グリッパ27によって転写ドラム21に巻きつけられた状態で回転搬送され、転写部位Trを通過するたびに二色目以降のトナー像が重ねあわされるようにして順次転写される。その結果、例えばフルカラーの画像形成を行う場合には、黒(K)を除く、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)各色のトナー像が転写ドラム21上の用紙Sに多重転写される。
【0085】
そして、最終色が転写される場合には、最終色(例えば黒)前の転写の場合と異なり、転写部位Trにおいて、先端グリッパ23が閉じた状態から開いた状態へと移行する。このことにより先端グリッパ23による把持が解除され、フルカラーの画像が形成された用紙Sは、弾性層21Bと感光体ドラム11とのニップにより、用紙Sの搬送方向先端が転写ドラム21から剥離され排出経路52へと進入する。
【0086】
その後、用紙Sが搬送されるに従い、用紙Sの搬送方向後端を保持する後端グリッパ27が閉じた状態から開いた状態へと移行する。なお、この後端グリッパ27が閉じた状態から開いた状態へと移行するときは、露光装置13により画像情報に応じた最終色(例えば黒)の静電潜像はすでに形成された後である。そして、開いた状態の後端グリッパ27は、待機位置にて停止する。
【0087】
そして、後端グリッパ27による保持が解除された用紙Sの搬送方向後端は、転写ドラム21から剥離され排出経路52へと進入する。排出経路52へと進入した用紙Sは、定着装置30に送られる。そして、定着装置30の加熱ロール31及び加圧ロール32によって、用紙Sのトナー像が定着される。
定着終了後の用紙Sは、搬送ロール44によって画像形成装置1の機外に排出され、排紙積載部3に積載される。
【0088】
<伝達機構100作動のタイミング>
次に、図1及び図13を参照しながら、伝達機構100が作動するタイミングについて説明をする。ここで、図13は、4色画像の形成動作における伝達機構100の切り替え動作を示すタイミングチャートである。
【0089】
図13に示すように、本実施の形態において、画像形成装置1が画像形成を行う際、現像装置14の各現像器14Y、14M、14C、14K(図1参照)によって現像動作が行われる。
ここで、現像器14Y、14M、14C、14Kの各々の現像動作が終了した際、次の色の現像サイクルのため、現像器14Y、14M、14C、14Kの移動動作(切り替え動作)が行われる。この現像器14Y、14M、14C、14Kの切り替え動作は、伝達機構100によってロータリ現像器14R(図1参照)が回転される(図1の矢印C参照)ことによって行われる。以下で、伝達機構100の切り替え動作のタイミングを詳細に説明する。
【0090】
まず、画像形成装置1の画像形成動作が開始される前の状態において、伝達機構100はオフの状態(トーションスプリング140の自由端141が回転軸14Aの周囲で回転していない状態)である。また、このとき伝達機構100のロック部材160は、オンの状態(突起受け部161が突起125の移動経路に対して進入した状態)である。さらに、現像位置には、一色目(ここではイエロー(Y)として説明する)に対応する現像器14Yが配置されている。
そして、画像形成装置1の画像形成動作の開始に伴い、露光装置13によりイエロー(Y)の静電潜像が形成される。そして、現像器14Yによる現像が開始された後に、転写装置20による転写が行われる。
【0091】
イエロー(Y)の転写が終了した後に、伝達機構100のロック部材160がオンからオフ(突起受け部161が突起125の移動経路に対して退避した状態)となる(符号13a参照)。ロック部材160がオフとなることに伴い伝達機構100はオン(トーションスプリング140の自由端141が回転軸14Aの周囲で回転している状態)となる(符号13b参照)。そして、伝達機構100が、回転軸14A(図1参照)を中心としてロータリ現像器14Rを回転させる(図1の矢印C参照)。この回転により、二色目(ここではマゼンタとして説明する)に対応する現像器14Mが現像位置に配置される。
一方、ロック部材160は、オフとなって予め定められた時間が経過した後に、再びオンとなる。そして、ロック部材160が再びオンとなった後に、伝達機構100がオフとなる。この伝達機構100がオフとなった後に、次のマゼンタ(M)の露光が開始される(符号13c参照)。
【0092】
ここで、本実施の形態においては、伝達機構100による現像器14Y、14M、14C、14Kの切り替え動作は、現像器14Y、14M、14C、14Kが現像を行っていない間に行われる。より詳細には、伝達機構100による現像器14Y、14M、14C、14Kの切り替え動作は、現像器14Y、14M、14C、14Kのいずれか(例えば現像器14Y)が現像することによりトナー像を形成し、このトナー像が転写装置20によって転写が行われた後に開始される。そして、伝達機構100による現像器14Y、14M、14C、14Kの切り替え動作は、露光装置13により次の静電潜像(例えばマゼンタの静電潜像)が形成され始める前に終了する。このことにより、伝達機構100の切り替え動作に伴い、画像形成部10や転写装置20等に振動や衝撃等が生じることで画像品質に影響を与えることが抑制される。
【0093】
<伝達機構100の動作>
次に、図1、図12、図14乃至図18を参照しながら、伝達機構100の動作について説明をする。ここで、ロータリ現像器14Rに設けられる現像器14Y、14M、14C、14Kは、ある現像器(例えば現像器14Y)から周方向において隣接する他の現像器(例えば現像器14M)に切り替わることに伴い回転軸14Aを中心として90度回転する。この回転軸14Aを中心として90度回転することを4回繰り返すことにより、ロータリ現像器14Rは、回転軸14Aを中心として360度回転する。
【0094】
(a)第1の状態
図1及び図12を参照しながら、第1の状態の伝達機構100を説明する。
第1の状態においては、伝達機構100は動作を停止しており、ロータリ現像器14Rは回転を停止した状態である。また、現像装置14に設けられた現像器14Y、14M、14C、14Kのいずれかが、現像位置に配置されている。ここでは、現像器14Yが現像位置に配置されているとして説明する。
【0095】
ここで、転写ドラム駆動モータM1から仲介ギアG5、G6を介して現像装置ギアG3に駆動力が伝達されている(図2参照)。このことにより、ギアプレート150は、図12(A)の矢印C方向に回転している。なお、後述する第2の状態乃至第6の状態のいずれにおいても、ギアプレート150は転写ドラム駆動モータM1の駆動を受けて矢印C方向への回転を継続している状態である。
【0096】
第1の状態においては、ロック部材160は、オンの状態であり、ロック部材160の突起受け部161が、回転円板120に設けられた突起125の移動経路に対して、進入した状態である。
また、回転円板120の突起125が、ロック部材160の突起受け部161と接することにより、ポジションプレート110は回転を停止されている。なお、回転円板120は、絞られた状態であるトーションスプリング140の弾性力により矢印C方向に回転させようとする力を受けている。
【0097】
ここで、図12(B)に示すように、トーションスプリング140の腕部147は、矢印E方向におけるリアプレート93からの高さが低い位置にあるため、ギアプレート150の爪部153とは接していない。したがって、ギアプレート150の爪部153が回転軸14Aの周囲で回転する際に、トーションスプリング140の腕部147を押すことはない。第1の状態において、ギアプレート150は、いわば空転している状態である。
【0098】
(b)第2の状態
図1及び図14を参照しながら、第2の状態の伝達機構100を説明する。
第2の状態においては、回転軸14Aの周囲に設けられた現像器14Y、14M、14C、14K(図1参照)が回転を開始する。
【0099】
第2の状態において、ロック部材160が、オンからオフとなり、ロック部材160の突起受け部161が、突起125の移動経路に対して退避した状態となる。そして、絞られた状態であったトーションスプリング140が開放された状態へと変化することにともない、回転円板120が矢印C方向に回転される。そして、回転円板120とともに回転する回転軸14Aを介して現像器14Y、14M、14C、14K(図1参照)が回転される。
【0100】
ここで、トーションスプリング140の腕部147におけるガイドリブ170の掛け部173と接する部分を支点として、トーションスプリング140の固定端143が矢印C方向に回転することに伴い、固定端143と腕部147との相対位置が変化する。そして、トーションスプリング140の腕部147は、押上部材130に設けられた傾斜部133と接触し、傾斜部133に沿って移動する。このことにより、トーションスプリング140の腕部147は、傾斜部133によってリア側からフロント側に向かう方向に押され、ギアプレート150側に移動する(矢印E参照)。
なお、図14に示す状態では、まだ、トーションスプリング140の腕部147は、ギアプレート150に設けられた爪部153とは接触していない。したがって、第2の状態におけるギアプレート150は空転を継続している状態である。
【0101】
(c)第3の状態
図1及び図15を参照しながら、第3の状態の伝達機構100を説明する。
第3の状態においては、回転軸14Aの周囲に設けられた現像器14Y、14M、14C、14K(図1参照)が回転を継続している状態である。
【0102】
第3の状態において、ロック部材160はオフの状態を継続している。また、トーションスプリング140の固定端143と腕部147との相対位置がさらに変化する(トーションスプリング140がさらに開放される)。そして、トーションスプリング140の腕部147は、押上部材130の傾斜部133によって、リア側からフロント側に向かう方向(矢印E参照)にさらに押される。その結果トーションスプリング140の腕部147は、矢印E方向におけるリアプレート93からの高さが高い位置に配置される。
【0103】
そして、回転してきたギアプレート150の爪部153がトーションスプリング140の腕部147と接触し、この腕部147を矢印C方向に押す状態となる。さらに説明すると、ギアプレート150の爪部153がトーションスプリング140の腕部147を押すことにより、転写ドラム駆動モータM1(図2参照)の駆動が、ギアプレート150を介してトーションスプリング140に伝達される状態である。
【0104】
(d)第4の状態
図1及び図16を参照しながら、第4の状態の伝達機構100を説明する。
第4の状態においては、回転軸14Aの周囲に設けられた現像器14Y、14M、14C、14K(図1参照)が回転を継続している状態である。
【0105】
第4の状態において、ロック部材160がオフからオンとなり、ロック部材160の突起受け部161が、ポジションプレート110に設けられた突起125の移動経路に対して、進入した状態となる。ここで、第4の状態においては、ロック部材160の突起受け部161とポジションプレート110の突起125とは接触していない状態である。すなわちロック部材160が回転円板120をロックする前の状態である。
【0106】
また、トーションスプリング140が回転軸14Aの周囲を回転することにともない、トーションスプリング140の自由端141は、ガイドリブ170の傾斜部171を通過し、ガイドリブ170に乗り上げた状態となる(図16(B)参照)。このことにより、トーションスプリング140の自由端141は、矢印E方向におけるリアプレート93からの高さが高い位置に維持される。したがって、トーションスプリング140の腕部147は、ギアプレート150の爪部153に押される(矢印C参照)状態を維持する。
【0107】
(e)第5の状態
図1及び図17を参照しながら、第5の状態の伝達機構100を説明する。
第5の状態においては、回転軸14Aの周囲に設けられた現像器14Y、14M、14C、14K(図1参照)が停止する。第5の状態においては、現像器14Mが現像位置に配置されている。付言すると、図17に示す第5の状態は、図12に示す第1の状態を基準として、ポジションプレート110が、図17(A)における矢印C方向に90度回転した状態である。
【0108】
第5の状態において、ロック部材160はオンの状態を継続する。そして、ポジションプレート110の突起125が回転してくることにより、ロック部材160の突起受け部161は突起125と接触する状態となる。このことにより、ロック部材160の突起受け部161が、ポジションプレート110の回転を停止させる(ロック部材160が回転円板120をロックしている)。
ここで、第5の状態において、ロック部材160の突起受け部161が接触するのは、第1の状態においてロック部材160の突起受け部161が接触していた突起125と周方向において隣り合う突起125である。
【0109】
そして、ポジションプレート110が回転を停止することにともない、ポジションプレート110に接続されているトーションスプリング140の固定端143も、回転を停止する。一方で、トーションスプリング140の腕部147は、ギアプレート150に設けられた爪部153に押される(矢印C参照)状態を継続する。
このことにより、トーションスプリング140の自由端141と固定端143との相対位置が変化する。更に説明すると、第5の状態において、トーションスプリング140は姿勢が変化し始め(付勢力の蓄積開始)、開放された状態から絞られた状態となる。
【0110】
(f)第6の状態
図1及び図18を参照しながら、第6の状態の伝達機構100を説明する。
第6の状態においては、伝達機構100の動作が停止した状態である。
【0111】
第6の状態において、ロック部材160はオンの状態を継続する。そして、ロック部材160の突起受け部161は、ポジションプレート110と接触し回転を停止させている状態である。
【0112】
また、第6の状態において、ガイドリブ170に乗り上げて矢印C方向に回転するトーションスプリング140の腕部147が、ガイドリブ170を通過し掛け部173に掛かる状態となる。言い替えると、トーションスプリング140の腕部147が、ガイドリブ170によって、リア側からフロント側に向かう方向(矢印E参照)に押されない状態となる。このことにより、トーションスプリング140の自由端141は、フロント側からリア側に向かう方向(矢印D参照)に移動し、矢印E方向におけるリアプレート93からの高さが低い位置となる。なお、このトーションスプリング140の自由端141の移動は、上述のように側面からみるとトーションスプリング140の腕部147が、巻付部145から回転円板120側に傾いて延びることによるものである(図9(C)参照)。
【0113】
トーションスプリング140の自由端141がフロント側からリア側に向かう方向に移動する(矢印D参照)ことにより、トーションスプリング140の腕部147は、ギアプレート150に設けられた爪部153と接触しない位置となる。このことにより、ギアプレート150の爪部153は、トーションスプリング140の腕部147を押さなくなる(付勢力の蓄積終了)。したがって、ギアプレート150は空転する状態となる。
【0114】
さて、上述のように、本実施の形態の伝達機構100は、ロック部材160のオンとオフとを切り換えることにより、メカニカル機構によるシーケンスで現像器14Y、14M、14C、14K(図1参照)の切り替え動作が行われる。付言すると、本実施の形態の伝達機構100は、現像器14Y、14M、14C、14Kの切り替え動作のために電気的制御回路等が必要ない。また、現像器14Y、14M、14C、14Kの切り替えの際に駆動する電気的な駆動源を必要としない。
【0115】
<変形例>
次に、図19及び図20を参照しながら、上述の伝達機構100の変形例である伝達機構200について説明をする。ここで、図19は、伝達機構200の分解斜視図である。また、図20は、伝達機構200の正面図である。なお、図20においては、ギアG30の背後に隠れる部分も実線で示している。
ここで、伝達機構200は、回転軸14Aとともに一体的に回転し、現像器14Y、14M、14C、14K(図1参照)を予め定めた位置に配置するポジションプレート210を有する。また、伝達機構200は、回転軸14Aの周囲を回転するとともにポジションプレート210と掛かり合うことによりポジションプレート210を回転させる駆動力を供給するギアG30を有する。さらに、伝達機構200は、回転軸14Aとともに回転するポジションプレート210を停止させるロック部材(規制部)260を有する。さらにまた、伝達機構200は、ギアG30へ駆動力を供給するギア駆動部M3(図20参照)を有する。
【0116】
なお、ロック部材260及びギア駆動部M3は、画像形成装置1側である筺体2(図1参照)によって支持されている。更に説明すると、上述のように現像装置14は、画像形成装置1に対して着脱可能に配置される。この現像装置14が画像形成装置1から外された際、ロック部材260及びギア駆動部M3は、画像形成装置1側に残された状態となる。
以下でそれぞれについて説明をする。
【0117】
<ポジションプレート210>
図19に示すように、ポジションプレート210は、回転軸14Aとともに一体的に回転する回転円板220を有する。なお、上述のように回転軸14Aはロータリ現像器14R(図1参照)と接続されており、回転円板220が回転することに伴い、ロータリ現像器14R(図1参照)も回転するように構成されている。
また、ポジションプレート210は、回転円板220と掛かり合い回転円板220を回転させる移動ピン230を有する。さらにまた、ポジションプレート210は、移動ピン230と接続され回転円板220が回転するための駆動力を移動ピン230を介して供給するコイルばね240を有する。
なお、この変形例においては、回転円板220のフロント側(図1の紙面手前側)に、移動ピン230及びコイルばね240が配置されている。
【0118】
<回転円板220>
まず、回転円板220について説明をする。被規制部の一例である回転円板220は、回転軸14Aに固定され回転軸14Aとともに回転する円形の金属板である。この回転円板220は、面の中央部に回転軸14Aを挿入する貫通孔221を有する。
また、回転円板220は、回転円板220の外周に、ロック部材260と掛かり合う突起225を有する。この突起225は、回転円板220の外周において、回転中心から遠ざかる方向に延びるように構成されている。また、この突起225は、回転軸14Aの周方向において90度毎に4つ設けられている。ここで、本実施の形態において、突起225は、現像装置14に設けられる現像器14Y、14M、14C、14Kの数と同数設けられている。
【0119】
また、回転円板220は、回転円板220におけるギアG30側のギア側面(図1の紙面手前側に配置される面)220aから突出して設けられるピン案内部227を有する。
ここで、このピン案内部227は、移動ピン230を掛けることで移動ピン230を受けるピン受け部229を有する。ピン受け部229は、回転軸14Aの周方向において90度毎に4つ設けられている。ピン受け部229は、現像装置14に設けられる現像器14Y、14M、14C、14K(図1参照)と同数設けられている。
それぞれのピン受け部229の間は、ピン受け部229に受けられた移動ピン230を隣り合う移動ピン受け部229まで案内する面である外周側面227cが、ピン受け部229と連続して形成されている。
更に説明すると、図19に示す例においては、外周側面227cの一部を、回転円板220の回転中心から遠ざかる向きに突出させる(あるいは凹ませる)ことによりピン受け部229が形成されている。
【0120】
<移動ピン230>
移動ピン230は、円柱状の部材である。この移動ピン230は、一方の端部230aがギアG30と接し、他方の端部230bが回転円板220と接するように配置される。また、移動ピン230は、一方の端部230aと他方の端部230bとの間に位置する本体側面230cとを有する。
【0121】
<コイルばね240>
回転部の一例であるコイルばね240は、一方の端部243がリアプレート93に設けられた固定ピン270に接続され、他方の端部245が移動ピン230に接続されて配置される。
この変形例においてはコイルばね240を用いるが、例えばゴム等の他の弾性部材を用いてもよい。
【0122】
<ギアG30>
ギアG30は、ギア駆動部M3(図20参照)と接続され、ギア駆動部M3の駆動を受け回転軸14Aを中心に回転するように構成されている。このギアG30は、面の中央部に回転軸14Aを挿入する貫通孔251を有する。ここで、ギアG30は、回転軸14Aに対して固定されることなく、回転軸14Aの周囲を回転自在に配置される。さらに説明すると、ギアG30は、回転軸14Aの回転方向(矢印C参照)に対する順方向および逆方向(矢印H参照)の両方向に回転するよう構成されている。
【0123】
また、図19に示すように、ギアG30は、回転円板220と向き合う面G30bに形成された凹部であるピン溝253を有する。このピン溝253は、移動ピン230が挿入されるとともに、挿入された移動ピン230がピン溝253内でギアG30の径方向に変位可能な寸法で形成されている。さらに説明をすると、このピン溝253は、ギアG30が回転することにともにない、ピン溝253に挿入された移動ピン230を回転円板220のギア側面220a上で移動させるように構成されている。
なお、このギアG30は、上述の実施の形態とは異なり、転写ドラム駆動モータM1とは接続されておらず、転写ドラム駆動モータM1から駆動を受けない。さらに説明すると、ギアG30は、感光体ドラム駆動モータM2と接続されておらず、感光体ドラム駆動モータM2から駆動を受けない。
【0124】
<ロック部材260>
ロック部材260は、板状の金属部材である。そして、一方の端部に、回転円板220の突起225と掛かり合う突起受け部261を有する。
また、突起受け部261が設けられた側とは反対の端部に、転写ドラム21(図1参照)に設けられているカム(図示せず)によって押圧されるカムフォロア(図示せず)が設けられている。さらに、ロック部材260は、中央部に支持軸263を有する。この支持軸263は、画像形成装置1側である筺体2(図1参照)によって支持されている。なお、ロック部材260は、この支持軸263を中心に揺動するよう(矢印F参照)に構成されている。そして、転写ドラム21が一回転する毎に、転写ドラム21に設けられたカム(図示せず)が、ロック部材260に設けられたカムフォロア(図示せず)を押圧する。このことにより、支持軸263を中心としてロック部材260が揺動することで先端の突起受け部261が移動し、突起受け部261と掛かり合う回転円板220の突起が解放されるように構成されている。
【0125】
<ギア駆動部M3>
駆動源の一例であるギア駆動部M3は、ギア列(不図示)を介してギアG30に接続される。このギア駆動部M3は、例えばステッピングモータからなる。
このギア駆動部M3は、上述のように、画像形成装置1側である筺体2(図1参照)によって支持されているが、これに限定するものではない。例えば、画像形成装置1側に配置された着脱可能な装置や部材(例えば、転写ドラム21)によって支持されてもよい。あるいは、ギア駆動部M3は、現像装置14側(例えば枠体90)に支持されてもよい。
【0126】
<伝達機構200の構造>
次に、図19及び図20を参照しながら、伝達機構200の構造について説明をする。
【0127】
まず、図19に示すように、伝達機構200は、上述のように、リアプレート93、ポジションプレート210、ギアG30、ロック部材260、ギア駆動部M3を有する。そして、リアプレート93の貫通孔94、ポジションプレート210における回転円板220の貫通孔221、及びギアG30の貫通孔251には、ロータリ現像器14R(図1参照)の回転軸14Aが挿入されている。ここで、ポジションプレート210における回転円板220は、回転軸14Aとともに回転するよう回転軸14Aに固定されている。一方、リアプレート93及びギアG30は、回転軸14Aに固定されることなく設けられている。
【0128】
また、図20に示すように、ポジションプレート210の外側にリアプレート93の固定ピン270が設けられる。なお、固定ピン270は、回転円板220に設けられた突起225と接触することがない位置に配置される。
【0129】
ロック部材260は、支持軸263を中心に揺動する(図19の矢印F参照)ように設けられている。付言すると、ロック部材260が揺動することで、ロック部材260の突起受け部261は、回転円板220の面と交差する向きに移動する。このことによりロック部材260の突起受け部261は、回転円板220に設けられた突起225の移動経路に対して進退するよう構成されている。なお、ロック部材260の突起受け部261は、例えば回転円板220の径方向に移動することや、回転円板220の接線方向に移動することによって、突起225の移動経路に対して進退する構成であってもよい。
【0130】
ポジションプレート210における移動ピン230は、円柱の両端がギアG30と回転円板220とによって挟まれて配置されている。
この移動ピン230の一方の端部230aは、ギアG30と掛かり合うようギアG30のピン溝253に挿入されている。
【0131】
一方、移動ピン230の他方の端部230bは、回転円板220のギア側面220aと接触して配置されている。ここで、移動ピン230の他方の端部230bは、回転円板220のギア側面220aに対して固定されておらず、上述のように回転円板220のギア側面220a上を移動するように構成されている。
更に説明すると、移動ピン230の本体側面230cは、ピン案内部227の外周側面227cと接触するように配置されている。このことにより、移動ピン230は、ピン案内部227の外周側面227cに沿って移動する。
【0132】
さて、ポジションプレート210におけるコイルばね240は、一方の端部243がリアプレート93に設けられた固定ピン270に固定され、他方の端部245が移動ピン230に固定されている。ここで、ギアG30あるいは回転円板220が回転軸14Aの周囲を回転することに伴い(詳細は後述)、固定ピン270と移動ピン230との距離が変動する。そして、固定ピン270と移動ピン230との距離が変化することに伴い、コイルばね240が伸縮する。
なお、ギアG30は、ギア駆動部M3(図19参照)から駆動を受ける際には回転軸14Aの回転方向の逆方向(図19の矢印H参照)に回転する。
【0133】
<伝達機構200の動作>
次に、図1及び図21を参照しながら、伝達機構200の動作について説明をする。ここでは、伝達機構200がロータリ現像器14Rを90度回転させる動作を、第1の状態から第4の状態までのそれぞれの段階に分けて説明をする。なお、図21−1及び図21−2は、伝達機構200の動作を説明する図である。より詳細には、図21−1及び図21−2の(A)乃至(D)は、それぞれ第1の状態乃至第4の状態における伝達機構200の概略構成図である。
【0134】
(a)第1の状態
図1及び図21(A)を参照しながら、第1の状態の伝達機構200を説明する。
まず、第1の状態においては、伝達機構200は動作を停止しており、ロータリ現像器14Rは回転を停止している状態である。また、第1の状態においては、現像装置14に設けられた現像器14Y、14M、14C、14K(図1参照)のいずれかが、現像位置に配置されている状態である。ここでは、現像器14Yが現像位置に配置されているとして説明する。
さらに、ギア駆動部M3(図20参照)は駆動しておらず、ギア駆動部M3に接続されるギアG30は回転を停止している。
【0135】
第1の状態においてロック部材260は、オンの状態である。ここで、ロック部材260がオンの状態とは、ロック部材260が回転円板220をロックしている状態である。
具体的には、ロック部材260の突起受け部261が、回転円板220の突起225の移動経路に対して進入し、突起225の移動を妨げる状態である。このことにより、ロック部材260の突起受け部261が、ポジションプレート210の回転を停止させる。付言すると、このとき突起受け部261は、ポジションプレート210から矢印C方向に回転しようとする力を受けている。
【0136】
このポジションプレート210が回転しようとする力は、コイルばね240により加えられている。まず、第1の状態において、コイルばね240は、伸長した状態(弾性エネルギを蓄積している状態)で配置されている。
また、このコイルばね240は、一方の端部243が回転しないリアプレート93に設けられている固定ピン270に固定され、他方の端部245が回転円板220のピン受け部229に掛かる移動ピン230に固定されている状態である。
さらに、移動ピン受け部229は、移動ピン230が固定ピン270側に移動しようとすることを妨げる状態である。
このことにより移動ピン230がコイルばね240により固定ピン270側に引き寄せられる向きに力を受ける。この移動ピン230から移動ピン受け部229が力を受け、移動ピン受け部229が設けられた回転円板220を回転する力を加えている。
【0137】
(b)第2の状態
図1及び図21(B)を参照しながら、第2の状態の伝達機構200を説明する。
第2の状態においては、回転軸14A及び回転軸14Aの周囲に設けられた現像器14Y、14M、14C、14K(図1参照)が回転軸14Aとともに回転を開始する。
【0138】
詳細に説明をすると、まず第2の状態において、ロック部材260が、オンからオフとなる。ここで、ロック部材260がオフの状態とは、ロック部材260が回転円板220に対するロックを解放している状態である。
具体的には、転写ドラム21(図1参照)に設けられているカム(図示せず)によって、ロック部材260に設けられたカムフォロア(図示せず)が押圧され、ロック部材260が揺動する。このことにより、ロック部材260の突起受け部261が、回転円板220の突起225の移動経路に対して退避した状態となる。
そして、ロック部材260の突起受け部261によってロックされていたポジションプレート210が、回転を開始する。
【0139】
すなわち、第1の状態で伸長した状態であったコイルばね240において、移動ピン230に固定される他方の端部245が、固定ピン270に固定される一方の端部243側に弾性力により引き寄せられる(弾性エネルギを解放する)。このことにより、コイルばね240は、移動ピン230及びピン受け部229を介して、回転円板220を回転軸14Aの回転方向(矢印C参照)に回転させる。
この回転円板220の回転により、回転円板220が固定された回転軸14Aを介して、現像器14Y、14M、14C、14K(図1参照)が回転される。また、移動ピン230がコイルばね240によって引き寄せられることに伴い、内部に移動ピン230が挿入されたピン溝253を介して、ギアG30が回転軸14Aの回転方向(矢印C参照)に回転させられる。
【0140】
(c)第3の状態
図1及び図21(C)を参照しながら、第3の状態の伝達機構200を説明する。
第3の状態においては、回転軸14A及び回転軸14Aの周囲に設けられた現像器14Y、14M、14C、14K(図1参照)は回転を停止する。このとき現像器14Mが、現像位置に配置されている。付言すると、第3の状態は、回転円板220が、図21(A)に示す第1の状態から、90度反時計方向に回転した状態である。
【0141】
第3の状態において、ロック部材260は再びオンの状態となる。具体的には、転写ドラム21(図1参照)のカム(図示せず)により、ロック部材260に設けられたカムフォロア(図示せず)が押圧されることが終了し、ロック部材260が揺動する。そして、ロック部材260の突起受け部261が、回転円板220の突起225の移動経路に対して進入し、ロック部材260の突起受け部261が回転円板220の突起225と接触する。このことにより、ロック部材260は回転円板220の回転を停止させる(ロックする)。ここで、第3の状態において、ロック部材260の突起受け部261が接触するのは、第1の状態においてロック部材260の突起受け部261が接触していた突起225と周方向において隣り合う突起225である。
そして、コイルばね240は、移動ピン230に固定される他方の端部245が、固定ピン270に固定される一方の端部243に側に引き寄せられ縮んだ状態となる。
【0142】
(d)第4の状態
図1及び図21(D)を参照しながら、第4の状態の伝達機構200を説明する。
第4の状態においては、回転軸14A及び回転軸14Aの周囲に設けられた現像器14Y、14M、14C、14K(図1参照)は停止している。
【0143】
まず、第4の状態において、回転円板220は回転することなく静止している。
一方で、第4の状態においては、ギア駆動部M3(図20参照)が駆動する。このことにより、ギアG30が回転軸14Aの回転方向とは反対の方向(矢印H参照)に回転する。
なお、上述のようにギアG30は回転軸14Aに対して固定されていない。したがって、ギア駆動部M3の駆動を受けてギアG30が回転した際、回転軸14Aは静止した状態を維持する。
【0144】
ギアG30が回転軸14Aの回転方向とは反対の方向(矢印H参照)に回転することに伴い、ギアG30のピン溝253に配置された移動ピン230が、ピン案内部227の外周側面227cに沿って回転円板220の面上を移動する。
より詳細には、移動ピン230は、第1の状態乃至第3の状態までの間移動ピン230を受けていたピン受け部229から外れ、ピン案内部227の外周側面227cに沿って回転軸14Aの回転方向とは反対の方向(矢印H参照)に移動する。そして、第1の状態乃至第3の状態までの間移動ピン230を受けていたピン受け部229と、周方向において隣り合うピン受け部229に受けられる。なお、上述のように挿入された移動ピン230がピン溝253内でギアG30の径方向に変位可能な寸法で形成されている。このことにより、移動ピン230は、外周側面227cから回転円板220の回転中心から遠ざかる向きに突出させて形成された部分を超えて、ピン受け部229への移動が可能となる。
この移動ピン230の移動に伴い、移動ピン230が固定ピン270から引き離されるため、移動ピン230と固定ピン270とを接続するコイルばね240は伸長する。
【0145】
そして、移動ピン230が、隣り合うピン受け部229に受けられた後に、ギア駆動部M3が停止する。この状態は、上記第1の状態と同様の状態となる。
【0146】
さて、本実施の形態において、ロータリ現像器14Rを有する現像装置14が、画像形成装置1側からの着脱及び交換されることが可能となる。このことにより、画像形成装置1付き部品の簡素化、またはユーザの操作性向上を行うことが可能となる。
【0147】
ここで、現像装置14を着脱することに伴い、画像形成装置1に対する現像装置14の位置が変化することもあり得る。一方で、上述のようにロック部材260は、画像形成装置1側である筺体2(図1参照)によって支持されており、現像装置14を着脱した場合であっても、ロック部材260の位置は画像形成装置1に対して変化しない。
更に説明すると、ロック部材260の位置は変化しないため、現像装置14に設けられた回転円板220の突起225と掛かり合う突起受け部261の位置も変化しない。
【0148】
このことにより、現像装置14に設けられたロータリ現像器14Rの位置決め精度が向上する。さらに説明すると、例えばロータリ現像器14Rに設けられた現像器14Y、14M、14C、14K(図1参照)を現像位置に配置する精度が向上する。よって、現像装置14を着脱することに伴い、感光体ドラム11(図1参照)に現像されるトナー像の画質が劣化することが抑制される。
【0149】
さらに、ギア駆動部M3が画像形成装置1側である筺体2(図1参照)によって支持されていることにより、現像装置14の小型化/簡素化を実現することができる。
さらにまた、上述のように現像器14Y、14M、14C、14K(図1参照)の現像位置への位置決め及び切り替えを、ギア駆動部M3を除き、メカニカル機構として行う。そして、このメカニカル機構を現像装置14に備えることにより、現像器14Y、14M、14C、14K(図1参照)の現像位置への位置決め及び切り替えに際し、他のユニットの作用を受けない。したがって、現像位置への位置決めを行うための介在部品が減少することによる、位置精度の向上がなされる。また、ギア駆動部M3を除き、エレキ部材を用いた制御手段が不要であり、現像装置14の小型化/簡素化を実現することができる。
【0150】
更に説明すると、現像器14Y、14M、14C、14K(図1参照)の切り替えをトーションスプリング140又はコイルばね240の弾性エネルギの蓄積/解放といった簡素なメカニカル機構で行い、ギア駆動部M3を除きエレキ部品やその制御機能設けることなく装置の小型化/簡素化/低コスト化を実現することができる。
【0151】
さて、上述の説明では、図19に示す矢印Eに沿って、リアプレート93、ポジションプレート210、ギアG30の順で配置されるとしたが、これに限定されない。例えば、図19に示す矢印Eに沿って、リアプレート93、ギアG30、ポジションプレート210の順で配置されてもよい。この場合、ギアG30とポジションプレート210との間に、固定ピン270、コイルばね240が設けられ、ギアG30側のポジションプレート210の面にピン案内部227が配置されるように構成される。
【符号の説明】
【0152】
1…画像形成装置、2…筺体、10…画像形成部、11…感光体ドラム、12…帯電装置、13…露光装置、14…現像装置、14A…回転軸、20…転写装置、21…転写ドラム、23…先端グリッパ、27…後端グリッパ、30…定着装置、40…用紙供給部、50…制御部、51…供給経路、52…排出経路、93…リアプレート、200…伝達機構、210…ポジションプレート、220…回転円板、230…移動ピン、240…コイルばね、260…ロック部材、G30…ギア、S…用紙
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置及び現像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
公報記載の従来技術として、現像手段と現像剤収容容器とが一体化されて画像形成装置本体から着脱可能なプロセスカートリッジを複数個備えるとともに、該複数のプロセスカートリッジを支持し、前記静電潜像担持体に対向して該静電潜像担持体上の静電潜像を現像する位置に各プロセスカートリッジを順次回転移動させて現像を行うロータリー式の現像装置を有するカラー画像形成装置において、前記プロセスカートリッジの着脱時に複数のプロセスカートリッジを支持する回転体にブレーキを掛けるブレーキユニット(ブレーキ機構)を、前記回転体を回転させるために該回転体の側板に設けられた歯車と、該歯車を回転駆動するための歯車列と、該歯車列の1つの歯車に接離可能に弾性的に押し付けられているブレーキ用歯車とで構成するカラー画像形成装置が存在する(特許文献1)。
また、公報記載の従来技術として、プロセスカートリッジを構成する感光体ユニットの感光体の収容方向先端部を感光体ユニット受け部に載置した状態で、取っ手部材の装着方向への回動操作に連動して支持板上を摺動部材が摺動し、これにより本体部筐体に設けられた位置決め孔に貫入した位置決めピンを支持板に固定して、感光体ユニットおよび中間転写体を本体部筐体に対し位置決めすると同時に感光体ユニットを中間転写体ユニットに対して位置決めする画像形成装置が存在する(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−15502号公報
【特許文献2】特開2005−37634号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、軸部を中心として回転する複数の現像部を有する交換可能な現像装置を画像形成装置本体に対して装着した際に、回転する複数の現像部を画像形成装置本体の予め定められた位置に停止させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1記載の発明は、画像形成装置本体と、前記画像形成装置本体に対して着脱自在に設けられ、軸部を中心として回転可能に設けられた複数の現像部と、前記画像形成装置本体側に設けられる規制部と、前記複数の現像部側に設けられるとともに、前記規制部と掛かり合うことで回転する当該複数の現像部の回転を停止させ、当該複数の現像部のいずれかの現像部を前記画像形成装置本体に対して予め定めた位置に配置する被規制部とを備えることを特徴とする画像形成装置である。
請求項2記載の発明は、前記複数の現像部は、当該複数の現像部を一体として前記画像形成装置本体に対して着脱自在に設けられることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置である。
請求項3記載の発明は、前記画像形成装置本体は、回転可能に配置され外周面に画像を保持する像保持体を有し、前記規制部は、前記複数の現像部のいずれかの現像部を前記画像形成装置本体に設けられた前記像保持体に対して予め定めた位置に配置することを特徴とする請求項1または2記載の画像形成装置である。
【0006】
請求項4記載の発明は、前記複数の現像部に設けられ、前記画像形成装置本体側から駆動力を受けることに応じて弾性変形し、当該弾性変形が復元することに伴い当該複数の現像部を回転させる回転部をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至3記載の画像形成装置である。
請求項5記載の発明は、前記画像形成装置本体は、前記複数の現像部が前記軸部を中心として回転する駆動力を供給する駆動源を有することを特徴とする請求項1乃至4記載の画像形成装置である。
請求項6記載の発明は、画像形成装置本体に対して着脱自在に設けられ、軸部を中心として回転可能に設けられた複数の現像部と、画像形成装置本体側に設けられる規制部に対して掛かり合うことで、回転する前記複数の現像部の回転を停止させ、当該複数の現像部のいずれかの現像部を当該画像形成装置本体に対して予め定めた位置に配置する被規制部とを備えることを特徴とする現像装置である。
【発明の効果】
【0007】
請求項1記載の発明によれば、軸部を中心として回転する複数の現像部を有する交換可能な現像装置を画像形成装置本体に対して装着した際に、回転する複数の現像部を画像形成装置本体の予め定められた位置に停止させることができる。
請求項2記載の発明によれば、本構成を有しない場合と比較して、画像形成装置本体に対する複数の現像部の位置決めをより容易に行うことができる。
請求項3記載の発明によれば、本構成を有しない場合と比較して、現像部によって現像される画像の画質不良を抑制することができる。
【0008】
請求項4記載の発明によれば、本構成を有しない場合と比較して、より簡易な構成によって、複数の現像部を回転させることができる。
請求項5記載の発明によれば、本構成を有しない場合と比較して、より簡易な構成によって複数の現像部を構成することができる。
請求項6記載の発明によれば、軸部を中心として回転する複数の現像部を有する交換可能な現像装置を画像形成装置本体に対して装着した際に、回転する複数の現像部を画像形成装置本体の予め定められた位置に停止させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本実施の形態に係る画像形成装置を示す概略構成図である。
【図2】現像装置周辺の駆動系の概略構成図である。
【図3】現像装置の斜視図である。
【図4】伝達機構の分解斜視図である。
【図5】リアプレートの概略構成図である。
【図6】ポジションプレートの分解斜視図である。
【図7】回転円板の概略構成図である。
【図8】押上部材の概略構成図である。
【図9】トーションスプリングの概略構成図である。
【図10】ギアプレートの概略構成図である。
【図11】ロック部材の概略構成図である。
【図12】伝達機構の概略構成図である。
【図13】4色画像の形成動作における伝達機構の切り替え動作を示すタイミングチャートである。
【図14】第2の状態における伝達機構の概略構成図である。
【図15】第3の状態における伝達機構の概略構成図である。
【図16】第4の状態における伝達機構の概略構成図である。
【図17】第5の状態における伝達機構の概略構成図である。
【図18】第6の状態における伝達機構の概略構成図である。
【図19】伝達機構200の分解斜視図である。
【図20】伝達機構200の正面図である。
【図21−1】伝達機構200の動作を説明する図である。
【図21−2】伝達機構200の動作を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して、本実施の形態について詳細に説明する。
<画像形成装置1の全体構成>
まず、図1を参照して、本実施の形態が適用される画像形成装置1の各構成を説明する。ここで、図1は、本実施の形態が適用される画像形成装置1を示す概略構成図である。
【0011】
画像形成装置1は、トナー像が形成される画像形成部10、用紙Sを供給し搬送する用紙供給部40、供給された用紙Sを保持するとともに保持した用紙S上に画像形成部10で形成したトナー像を転写する転写装置20を有している。また、画像形成装置1は、転写装置20から開放された用紙S上のトナー像を定着する定着装置30、画像形成装置1の全体を制御する制御部50を有している。ここで、画像形成装置1の各構成部材は、筺体2の内部に収容されており、この筺体2の上部には定着装置30から排出された用紙Sを積載する排紙積載部3が設けられている。
【0012】
<各部材の構成>
まず、画像形成部10は、感光体ドラム11を有する。さらに、画像形成部10は、感光体ドラム11を帯電させる帯電装置12、帯電された感光体ドラム11を露光する露光装置13、現像剤を用いて現像を行う現像装置14、感光体ドラム11上に残った現像剤を清掃する清掃装置15を含む。以下で各部材について説明をする。
【0013】
像保持体の一例である感光体ドラム11は、その表面に負の帯電極性を有する感光層11Aを備えるとともに、矢印A方向に回転するように取り付けられる。そして、帯電装置12、露光装置13、現像装置14、清掃装置15は、感光体ドラム11の周囲に、矢印A方向に沿ってこの順番に設置されている。ここで、感光体ドラム11の外径は、例えば30mmとなっている。
【0014】
帯電装置12は、本実施の形態においては接触ローラ型の放電装置であり、感光体ドラム11とともに回転しながら感光体ドラム11を帯電させるよう構成される。
露光装置13は、感光体ドラム11の帯電表面に照射することで、静電潜像を形成するよう構成され、本実施の形態においては複数配置されたLED(図示せず)を含む。
【0015】
現像装置14は、筺体2に対して着脱可能に備えられている。また、現像装置14は、所謂ロータリ現像器14Rを有する。詳細は後述するが、このロータリ現像器14Rは、回転軸(軸部)14Aと、回転軸14Aの周囲に設置されたイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の現像器(現像部)14Y、14M、14C、14Kとを備え回転軸14Aを中心として矢印C方向に回転する。
さらに、ロータリ現像器14Rは、感光体ドラム11と対向する位置(現像位置)において、現像器14Y、14M、14C、14Kのいずれかが停止するようになっている。
なお、多色画像ではなく単色画像のみを形成する場合には、現像装置14を単色の現像器のみ(例えば黒(K)の現像器14Kのみ)を有する現像装置と交換してもよい。
【0016】
そして、現像装置14は、露光装置13によって形成された感光体ドラム11上の静電潜像を、トナーを用いて現像する。なお、現像装置14の外径は、例えば100mmとなっている。
これらの現像器14Y、14M、14C、14Kには、トナーのみからなる1成分現像剤が収容されている。ここで、本実施の形態においては、1成分現像剤を用いたが、トナー及びキャリアを含む2成分現像剤であってもよい。
【0017】
清掃装置15は、感光体ドラム11の表面に残った現像剤や現像剤以外の付着物を除去する。本実施の形態の清掃装置15は、ブレード方式のクリーナである。
【0018】
次に、転写装置20を説明する。転写装置20は、感光体ドラム11上のトナー像を用紙Sに転写する転写ドラム21を有する。また、転写装置20は、転写ドラム21上で用紙Sの先端部を把持する先端グリッパ23、転写ドラム21上で用紙Sの後端部を保持する後端グリッパ27を有する。さらに、転写装置20は、用紙Sが通過することを検知する用紙検知センサ25を含む。
この転写装置20は、筺体2に対して着脱可能に備えられている。ここで、本実施の形態における転写装置20は、用紙Sの先端部及び後端部を固定して転写ドラム21の周囲を回転させる構成であるが、これに限定されない。例えば、多色画像ではなく、単色画像のみを形成する場合には、転写ドラム21を、用紙Sを固定することなく転写バイアスを印加するロール(所謂転写ロール)と交換してもよい。
【0019】
転写ドラム21は、感光体ドラム11に対向し、かつ回転軸21Dを中心に回転可能に配置される。また、転写ドラム21は、ドラム形状の基部21Aと、この基部21Aの外周面に形成された弾性層21Bとを備えている。より具体的には、弾性層21Bは、用紙Sの搬送方向先端である弾性層先端21BLから、用紙Sの搬送方向後端である弾性層後端21BTまで、ドラム形状の基部21Aの外周に沿って延伸している。一方で、弾性層21Bは、基部21Aの外周面の一部を、基部21Aの軸方向に沿って覆わないようになっており(弾性層後端21BTと弾性層先端21BLとの間)、この部位は、基部21Aが露出した露出部21Cとなっている。
【0020】
転写ドラム21は、弾性層21Bが弾性変形することにより感光体ドラム11とニップ部を形成する状態で、感光体ドラム11の回転と同期して矢印B方向に回転するように設けられている。また、転写ドラム21の露出部21Cは、感光体ドラム11と接触しない。さらに、転写ドラム21の外径は、感光体ドラム11の外径よりも大きい。
基部21Aは、高圧電源(図示せず)からトナーとは逆極性の電圧から成る転写バイアスが印加される。感光体ドラム11上でトナー像を構成するトナーが、転写部位Trにおいて弾性層21B上の用紙Sに転写される構成である。
【0021】
用紙検知センサ25は、転写ドラム21の外周面に対向して配置されており、転写ドラム21に巻きつけられて搬送される用紙Sの通過を検知する。さらに、用紙検知センサ25は、転写ドラム21に設けられたマーク(図示せず)を検知することで、回転する転写ドラム21の位相も測定する。
定着装置30は、加熱源(図示せず)を有し回転可能に配置される加熱ロール31と、この加熱ロール31に圧接される加圧ロール32とを有している。
【0022】
用紙供給部40は、転写ドラム21の下方に備えられ用紙Sを内部に収容する用紙収容部41、取出しロール42に備えられ収容された用紙のサイズを検知する用紙サイズセンサ(図示せず)を備える。また、用紙供給部40は、用紙収容部41から用紙Sを取り出す取出しロール42、密着した用紙Sを分離する捌きロール43、用紙Sを搬送する搬送ロール44を備える。
【0023】
制御部50は、ユーザから指示を受けたユーザ・インターフェイス(図示せず)によって信号が入力される。また、制御部50には、画像形成装置1の内部または外部に設けられた画像出力指示部(図示せず)から画像信号が入力される。さらに、制御部50には、用紙検知センサ25から送られてくる用紙Sの通過の信号及び感光体ドラム11の位相信号が入力される。
【0024】
そして、制御部50は、次の各部に制御信号を出力するようになっている。すなわち、制御部50は、感光体ドラム11を回転駆動する感光体駆動部(図2の感光体ドラム駆動モータM2、感光体ドラムギアG2、後述)、帯電装置12、露光装置13に制御信号を出力する。また、制御部50は、感光体ドラム11と対向する位置である現像位置に配置された現像器14Y、14M、14C、14Kに供給する現像バイアスを設定する現像バイアス設定部(図示せず)に制御信号を出力する。
さらに、制御部50は、転写ドラム21を回転駆動する転写ドラム駆動部(図2の転写ドラム駆動モータM1及び転写ドラムギアG1参照)に制御信号を出力する。さらにまた、後端グリッパ27を回転駆動する後端グリッパ駆動部(図示せず)、転写ドラム21に供給する転写バイアスを設定する転写バイアス設定部(図示せず)、先端グリッパ23、後端グリッパ27、用紙供給部40、及び定着装置30に、制御信号を出力するようになっている。
【0025】
ここで、画像形成装置1は、用紙Sを用紙収容部41から転写部位Trへ供給するための供給経路51を備えている。また、画像形成装置1は、定着装置30を介してトナー像が転写された用紙Sを排紙積載部3に排出するための排出経路52を備えている。
さらに、本実施の形態では、転写ドラム21に向けて供給されてくる用紙Sが、先端グリッパ23及び後端グリッパ27によって転写ドラム21に巻き付けられた状態で回転することになる。このとき用紙Sが通る経路を回転経路53と称する。
【0026】
<駆動系>
さて、図2を参照して、現像装置14等の駆動系について説明をする。ここで、図2は、現像装置14周辺の駆動系の概略構成図である。
まず、本実施の形態における現像装置14は、現像装置14を駆動するための専用の駆動モータを有さない。本実施の形態における現像装置14は、転写ドラム21を駆動する転写ドラム駆動モータ(駆動源)M1、及び感光体ドラム11を回転させる感光体ドラム駆動モータM2によって駆動される。以下でこの構成について詳細に説明する。
【0027】
図2に示すように、転写装置20は、転写ドラム21を駆動する転写ドラム駆動モータM1を有する。また、転写装置20は、転写装置20の回転軸21Dと一体として設けられるとともに、転写ドラム駆動モータM1の駆動を受けて回転軸21Dを回転させる転写ドラムギアG1を有する。
感光体ドラム11は、感光体ドラム11を駆動する感光体ドラム駆動モータM2を有する。また、感光体ドラム11は、感光体ドラム11と同軸であってかつ感光体ドラム11と一体として設けられるとともに、感光体ドラム駆動モータM2の駆動を受けて感光体ドラム11を回転させる感光体ドラムギアG2を有する。
【0028】
一方で、現像装置14は、回転軸14Aと一体として設けられるとともに、ロータリ現像器14Rを回転させる現像装置ギアG3を有する。また、ロータリ現像器14Rに設けられた現像器14Y、14M、14C、14K(図1参照)は、各々の現像器14Y、14M、14C、14Kのそれぞれに設けられた現像ロール等を回転駆動させる現像器ギアG4Y、G4M、G4C、G4Kをそれぞれ有する。
【0029】
ここで、回転軸14Aを中心としてロータリ現像器14Rを回転させる現像装置ギアG3は、仲介ギアG5、G6を介して転写ドラム駆動モータM1の駆動を受けて回転するよう構成される。また、各現像器14Y、14M、14C、14K(図1参照)をそれぞれ回転させる現像器ギアG4Y、G4M、G4C、G4Kは、感光体ドラム11と対向する位置に配置され現像を行う際に、感光体ドラムギアG2を介して感光体ドラム駆動モータM2の駆動を受けて回転するように構成される。
【0030】
<現像装置14>
次に、図1、図2及び図3を参照しながら、現像装置14の詳細な構造について説明する。ここで、図3は、現像装置14の斜視図である。
まず、現像装置14は、上述のようにロータリ現像器14R、現像装置ギアG3、及びギアG4Y、G4M、G4C、G4K(図2参照)を有する。また、現像装置14は、ロータリ現像器14Rを回転可能に支持する枠体90を有する。さらにまた、現像装置14は、転写ドラム駆動モータM1の駆動をロータリ現像器14Rに伝達するとともにこの駆動の伝達を切断する伝達機構100を有する。
【0031】
ロータリ現像器14Rは、回転軸14Aと、回転軸14Aの周囲に設置されたイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の現像器14Y、14M、14C、14K(図1参照)とを備えている。また、ロータリ現像器14Rは、回転軸14Aに固定して取り付けられ、各現像器14Y、14M、14C、14Kを保持するとともにロータリ現像器14Rと一体的に回転する現像ラック80を有する。このロータリ現像器14Rは、現像器14Y、14M、14C、14Kが回転軸14Aを中心として矢印C方向に回転する。
ここで、図3に示すように、現像ラック80は、各現像器14Y、14M、14C、14Kを長手方向の外側から挟むように保持する保持板61、63と、この保持板61、63の間を接続し補強する補強部材(図示せず)とを有する。
【0032】
枠体90は、各現像器14Y、14M、14C、14Kを保持する現像ラック80を、各現像器14Y、14M、14C、14Kの長手方向の外側から挟むように保持するフロントプレート91及びリアプレート93と、このフロントプレート91及びリアプレート93とを接続するボトムプレート95とを有する。なお、上述のように現像装置14は、筺体2に対して着脱可能なものであるが、ここでは便宜上、現像装置14が筺体2に装着された状態を基準とし、図1における画像形成装置1のフロント側(図1の紙面手前側に配置される側)、及びリア側(図1の紙面奥側に配置される側)に対応付けて、フロント及びリアという表現を用いて構成を説明する。
【0033】
枠体90によって、現像装置14は画像形成装置1内に固定される。本実施の形態では、枠体90は、取り外しが容易となるように画像形成装置1に対して現像装置14を固定する着脱機構を有する。また、上述では説明を省略したが、画像形成装置1側にも現像装置14を固定する着脱機構を有する。これらの着脱機構は、それぞれ例えば画像形成装置1側に設けられたフックやピン(図示せず)が設けられ、現像装置14側にフックやピンを受けるボトムプレート95が設けられることによって構成される。
伝達機構100の構成については、後述する。
【0034】
ここで、図1及び図3に示すように、各現像器14Y、14M、14C、14Kは、各現像器14Y、14M、14C、14Kの回転中心軸が回転軸14Aに沿うように設けられている。そして、現像器14Y、14M、14C、14Kは、この順番で回転軸14Aの周囲に設けられている。
現像ラック80は、回転軸14Aに対して固定されており、かつ回転軸14A及び各現像器14Y、14M、14C、14Kとともに回転可能に設けられている。
また、枠体90は、回転軸14Aを回転可能に支持するとともに、画像形成装置1の筺体2に対して固定されている。ここで、枠体90は、フロントプレート91は画像形成装置1のフロント側(図3の紙面左手前側)、リアプレート93は画像形成装置1のリア側(図3の紙面右奥側)となるようにそれぞれ配置される。
【0035】
<伝達機構100>
次に、図1乃至図4を参照しながら、伝達機構100について説明をする。ここで、図4は、伝達機構100の分解斜視図である。
図3に示すように、伝達機構100は、現像装置14の一方の側(図3の紙面右奥側)に設けられる。具体的には、伝達機構100は、現像ラック80の保持板63と、枠体90のリアプレート93との間に配置される。また、伝達機構100は、中央部を回転軸14Aが貫通するように設けられる。
【0036】
ここで、伝達機構100は、回転軸14Aとともに一体的に回転し、現像器14Y、14M、14C、14Kを予め定めた位置に配置するポジションプレート110を有する。また、伝達機構100は、仲介ギアG5、G6(図2参照)を介して転写ドラム駆動モータM1の駆動を受けて回転し、ポジションプレート110と掛かり合うことによりポジションプレート110を回転させるギアプレート150を有する。さらにまた、伝達機構100は、回転軸14Aとともに回転するポジションプレート110を停止させるロック部材(規制部)160を有する。さらにまた、伝達機構100は、ポジションプレート110と掛かり合うことにより、ギアプレート150の駆動をポジションプレート110へ伝達することを維持するとともにこの駆動の伝達を切断するガイドリブ170を有する。以下でそれぞれについて説明をする。
【0037】
なお、本実施の形態においては、ガイドリブ170は、リアプレート93におけるポジションプレート110と対向する側の面93aにリアプレート93と一体として設けられている。以下の説明においては、伝達機構100はリアプレート93を含む構成として説明する。
また、現像装置ギアG3は、ギアプレート150におけるポジションプレート110と対向する側とは反対の面に設けられている(図10参照、後述)。以下の説明においては、伝達機構100は現像装置ギアG3を含む構成として説明する。
【0038】
<リアプレート93>
まず、図5を参照しながら、リアプレート93について説明をする。ここで、図5は、リアプレート93の概略構成図である。より詳細には図5(A)はリアプレート93を現像装置14におけるフロント側からみた斜視図であり、図5(B)はリアプレート93の正面図である。
リアプレート93は、上述のようにガイドリブ170を備えている。このガイドリブ170は、ポジションプレート110と対向する側の面93aに突出して設けられ、かつ回転軸14Aの円周方向に沿っている。このガイドリブ170は、面93aから突出する方向(矢印E方向に沿う方向)において特定の高さ(後述)である。
【0039】
また、ガイドリブ170は、現像装置14に設けられる現像器14Y、14M、14C、14Kと同数設けられている。図示の例においてガイドリブ170は、回転軸14A(図4参照)の周方向において90度毎に、4つ設けられている。
さらに、各ガイドリブ170は、周方向における端部であって、ロータリ現像器14R(図1参照)が回転する方向である矢印C方向後端側の端部に傾斜部171を有している。この傾斜部171は、リアプレート93の面93aに対して傾斜している。ここで、傾斜部171が設けられた側と反対の端部であり、かつトーションスプリング140を掛ける(詳細は後述)掛け部173は、傾斜していない。なお、図示の例では掛け部173は、リアプレート93の面93aとほぼ直交する面を有する。
さらにまた、リアプレート93は、面の中央部に回転軸14Aを挿入する貫通孔94を有する。
【0040】
<ポジションプレート110>
次に、図4及び図6を参照しながら、ポジションプレート110について説明をする。ここで、図6は、ポジションプレート110の分解斜視図である。
図4に示すように、ポジションプレート110は、回転軸14Aとともに一体的に回転する回転円板120を有する。また、ポジションプレート110は、回転円板120の面上に設けられトーションスプリング140(後述)を回転円板120の面から押し上げる押上部材130を有する。さらにまた、ポジションプレート110は、回転円板120の面上に設けられ姿勢が変化することにより転写ドラム駆動モータM1(図2参照)からの駆動を受けるトーションスプリング140を有する。
図6に示す例においては、画像形成装置1のリア側からフロント側に向けて(矢印E参照)、回転円板120、押上部材130、トーションスプリング140の順で配置されていれる。以下でそれぞれについて説明をする。
【0041】
<回転円板120>
図7を参照しながら、回転円板120について説明をする。ここで、図7は、回転円板120の概略構成図である。より詳細には図7(A)は回転円板120を現像装置14におけるフロント側からみた斜視図であり、図7(B)は回転円板120の正面図である。
回転円板120は、円形の金属板である。この回転円板120は、面の中央部に回転軸14Aを挿入する貫通孔121を有する。また、回転円板120は、回転円板120のフロント側面(図1の紙面手前側に配置される面)120aにおける貫通孔121の周囲から、回転軸14Aに沿う方向(矢印E参照)に突出して設けられた凸部123を有する。
【0042】
さらに、被規制部の一例である回転円板120は、回転円板120の外周にロック部材160(図4参照)と掛かり合う突起125を有する。この突起125は、回転円板120の外周において、回転中心から遠ざかる方向に延びるように形成されている。また、本実施の形態において、突起125は、現像装置14に設けられる現像器14Y、14M、14C、14Kと同数設けられている。また、突起125は、上述のガイドリブ170と同数設けられている。図示の例において突起125は、回転軸14Aの周方向において90度毎に4つ設けられている。
なお、本実施の形態においては、突起125として説明したがこれに限定されない。ロック部材160(図4参照)と掛かり合う構成であればよく、例えば、回転円板120の外周に設けられた切り欠きや、回転円板120の面上に設けられた凸部であってもよい。
【0043】
<押上部材130>
次に、図8を参照しながら、押上部材130について説明をする。ここで、図8は、押上部材130の概略構成図である。より詳細には図8(A)は押上部材130を現像装置14におけるフロント側からみた斜視図であり、図8(B)は押上部材130の正面図である。
押上部材130は、回転円板120と同軸に設けられる円弧状の板部材である。この押上部材130は、矢印E方向に沿う方向において特定の厚さを有する。
この押上部材130は、トーションスプリング140の腕部147(図9参照)をギアプレート150側に寄せた状態で保持する面である保持面130aを有する。図示の例においては、保持面130aは、押上部材130におけるフロント側(図1の紙面手前側に配置される面)に配置される平面である。したがって、この保持面130aは、回転円板120の面から特定の高さとなる。
【0044】
また、押上部材130の回転方向(矢印C参照)の先端は、リア側に向けて傾斜している傾斜部133が形成されている。この傾斜部133は、傾斜部133との相対的な位置関係において矢印C(図8参照)とは反対の方向に進むトーションスプリング140の腕部147(図9参照)を回転円板120の面から押し上げる。
【0045】
<トーションスプリング140>
次に、図9を参照しながら、トーションスプリング(捩じりばね)140について説明をする。ここで、図9は、トーションスプリング140の概略構成図である。より詳細には図9(A)はトーションスプリング140を現像装置14におけるフロント側からみた斜視図であり、図9(B)はトーションスプリング140の正面図であり、図9(C)はトーションスプリング140の側面図である。
回転部の一例であるトーションスプリング140は、金属製のワイヤからなる。トーションスプリング140は、円形状に複数回巻かれた巻付部145を有する。また、このトーションスプリング140の一端は腕部147として巻付部145から延び、他端は固定部149として巻付部145から延びている。
【0046】
ここで、腕部147の先端は固定されていない自由端141であるのに対して、固定部149の先端は、回転円板120(図4参照)に対して固定されている固定端143である。なお、図示の例では、固定端143は、押上部材130上に固定されている。
また、図9(C)に示すように、側面からみるとトーションスプリング140の腕部147は、巻付部145から回転円板120側(矢印Eの上流側)に傾いて延びる。更に説明すると、トーションスプリング140の自由端141は、腕部147の根元よりも、回転円板120側(矢印Eの上流側)となる。
【0047】
なお、トーションスプリング140の自由端141が、巻付部145を中心とした円周方向に移動することにより、トーションスプリング140は開放された状態と絞られた状態(図9(B)の破線参照)との間で変化する。また、図9(B)の破線で示されるように、捩じりモーメントを受けてトーションスプリング140が絞られた状態においては、トーションスプリング140は弾性エネルギ(付勢力)を蓄積している状態である。いわばトーションスプリング140のねじれ角としてエネルギを蓄積している状態である。
【0048】
<ギアプレート150>
次に、図10を参照しながら、ギアプレート150について説明をする。ここで、図10は、ギアプレート150の概略構成図である。より詳細には、図10(A)はギアプレート150を現像装置14におけるフロント側からみた斜視図であり、図10(B)は図10(A)の裏面側からみたギアプレート150の斜視図であり、図10(C)はギアプレート150の正面図である。
【0049】
ギアプレート150は、樹脂製の円盤状の部材である。ギアプレート150は、面の中央部に回転軸14Aを挿入する貫通孔151を有する。
図10(A)に示すように、ギアプレート150における画像形成装置1のフロント側面(図1の紙面手前側に配置される面)150aには、転写ドラム駆動モータM1(図2参照)からの駆動を受けて回転する現像装置ギアG3がギアプレート150と同軸で固定されている。
また、図10(B)に示すように、ギアプレート150における画像形成装置1のリア側面(図1の紙面奥側に配置される面)150bには、リア側面150bから突出する爪部153を有する。この爪部153は、回転軸14Aの周方向でほぼ等間隔に8つ設けられている。ここで、爪部153は、上述のガイドリブ170の数(すなわち突起125の数)よりも多く設けられている。本実施の形態においては、爪部153は、ガイドリブ170(あるいは突起125)の倍の数設けられている。
【0050】
<ロック部材160>
次に、図11を参照しながら、ロック部材160について説明をする。ここで、図11は、ロック部材160の概略構成図である。
本実施の形態において、ロック部材160は筺体2(図1参照)によって支持軸163を揺動可能(矢印F参照)に支持されている。更に説明すると、上述のように現像装置14は、画像形成装置1に対して着脱可能に配置される。この現像装置14が画像形成装置1から外された際、ロック部材160は、画像形成装置1側(画像形成装置本体側)に残された状態となる。
【0051】
ロック部材160は、板状の金属部材である。そして、一方の端部に、回転円板120の突起125と掛かり合う突起受け部161を有する。
さて、上記では説明を省略したが、転写ドラム21(図1参照)には、転写ドラム21とともに回転するカム(図示せず)が設けられている。そして、この転写ドラム21に設けられたカム(図示せず)によって押されるカムフォロア(図示せず)が、ロック部材160の突起受け部161が設けられた側とは支持軸163を挟んで反対の端部に設けられている。
【0052】
そして、転写ドラム21が一回転する毎に、カム(図示せず)がカムフォロア(図示せず)を押す。このことにより、ロック部材160が揺動し、ロック部材160の一方の端部に設けられた突起受け部161が移動する。そして、突起受け部161と掛かり合う回転円板120の突起125が解放される。
なお、ロック部材160を揺動させる構成はこれに限定されるものではない。例えば、ソレノイドやモータ等によって揺動させる構成であってもよい。
【0053】
<伝達機構100の構造>
次に、図4及び図12を参照しながら、伝達機構100の構造について説明をする。ここで、図12は、伝達機構100の概略構成図である。より詳細には図12(A)は伝達機構100の正面図であり、図12(B)は図12(A)中の矢印XIIBからみた伝達機構100の断面図である。図12(A)及び(B)においては、ギアプレート150の現像装置ギアG3は省略している。さらに、図12(A)においては、ギアプレート150の背後に隠れる部分も実線で示している。
【0054】
まず、伝達機構100は、上述のように、リアプレート93、ポジションプレート110、ギアプレート150、ロック部材160を有する。そして、リアプレート93の貫通孔94(図5参照)、ポジションプレート110における回転円板120の貫通孔121(図7参照)、ギアプレート150の貫通孔151(図10参照)には、ロータリ現像器14Rの回転軸14Aが挿入されている。
図12(B)に示すように、ポジションプレート110における回転円板120は、回転軸14Aとともに回転するよう回転軸14Aに固定されている。一方、リアプレート93及びギアプレート150は、回転軸14Aに固定されることなく設けられている。
【0055】
ここで、図12(A)に示すように、ポジションプレート110の外周にリアプレート93のガイドリブ170が設けられる。なお、ガイドリブ170は、回転円板120に設けられた突起125と接触することがない位置であって、かつトーションスプリング140の腕部147が届く位置に設けられる。
【0056】
また、図12(A)に示すように、ロック部材160は、ポジションプレート110の外周であって、リアプレート93に設けられた2つのガイドリブ170の間に配置されている。また、ロック部材160は、ロック部材160のカムフォロア(図示せず)が転写ドラム21に設けられたカム(図示せず)の移動経路上に位置するよう、配置される。
このロック部材160は、支持軸163(図11参照)を中心に揺動する(図11の矢印F参照)ように設けられている。付言すると、ロック部材160が揺動することで、ロック部材160の突起受け部161は、回転円板120に設けられた突起125の移動経路に対して進退する。そのため、回転円板120の突起125の位置によっては、回転円板120の回転を妨げるように、突起125がロック部材160の突起受け部161に当たる。なお、ロック部材160の突起受け部161は、例えば回転円板120の径方向に移動することや、回転円板120の接線方向に移動することによって、突起125の移動経路に対して進退する構成であってもよい。
【0057】
さらに、このロック部材160の突起受け部161が、回転円板120に設けられた突起125と掛かり合う状態においては、回転軸14Aを介して回転円板120とともに回転するロータリ現像器14Rも停止する。そして、この停止したロータリ現像器14Rにおいては、ロータリ現像器14Rが有する現像器14Y、14M、14C、14Kのいずれかが、感光体ドラム11と対向する位置である現像位置に配置されている。
さらにまた、ロック部材160の突起受け部161が、回転円板120に設けられた突起125と掛かり合う状態から、この突起125を解放し、再び突起125と掛かり合う状態となる間に、ロータリ現像器14Rは90度回転する。
【0058】
さて、トーションスプリング140の腕部147が、ギアプレート150の爪部153と接触する場合は、転写ドラム駆動モータM1(図2参照)からの駆動が、トーションスプリング140、回転円板120、及び回転軸14Aを介して、ロータリ現像器14Rへ伝達される。トーションスプリング140の腕部147が、ギアプレート150の爪部153と接触しない場合は、転写ドラム駆動モータM1(図2参照)からの駆動が、ロータリ現像器14Rへ伝達されない。
【0059】
また、トーションスプリング140の巻付部145は、回転円板120に設けられている凸部123の周囲に巻きつけられ、回転軸14Aと同軸に設けられている。トーションスプリング140の固定端143は、上述のように回転円板120に設けられた押上部材130に固定されている。トーションスプリング140の自由端141は、回転軸14Aに対して回転円板120に設けられた突起125の移動経路よりも外側に延びており、ガイドリブ170と接触し得る。
【0060】
ここで、図12(B)に示すように、トーションスプリング140の自由端141は、腕部147の根元よりも、回転円板120側(矢印Eの上流側)となる。
【0061】
<伝達機構100の働き>
次に、図1、図12、図14乃至図18を参照しながら、伝達機構100の働きについて説明をする。ここでは、伝達機構100がロータリ現像器14Rを90度回転させる動作を、第1の状態から第6の状態までに分ける(詳細は後述)とともに、そのうちのいくつかを用いて説明をする。また、ここでは伝達機構100の働きを、トーションスプリング140の働きと、回転円板120の働きとに着目して説明する。なお、図12に示される伝達機構100は第1の状態である。また、図14乃至図18は、それぞれ第2の状態乃至第6の状態における伝達機構100の概略構成図である。
【0062】
<トーションスプリング140の働き>
図12に示す第1の状態におけるトーションスプリング140の働きについて説明をする。ここでは、トーションスプリング140の状態、及びトーションスプリング140に働く力に分けて説明をする。
まず、トーションスプリング140の状態について説明する。
図12に示すトーションスプリング140は弾性エネルギを蓄積して絞られた状態である。付言すると、このトーションスプリング140の腕部147は矢印C方向とは反対に回転しようとしているとともに、トーションスプリング140の固定端143は矢印C方向に回転しようとしている状態である。
また、図12(B)に示すように、トーションスプリング140の自由端141は、矢印E方向におけるリアプレート93からの高さが低い位置にある。これは、トーションスプリング140の腕部147が、巻付部145から回転円板120側に傾いて延びるためである。さらに、トーションスプリング140の腕部147は、リアプレート93からの高さが低い位置にあるため、ギアプレート150の爪部153と接触していない。
【0063】
次に、トーションスプリング140に働く力について説明をする。
図12(A)に示すように、回転軸14Aの周方向において、トーションスプリング140の腕部147は、ガイドリブ170の掛け部173から、矢印C方向に力を受けている。また、トーションスプリング140の腕部147は、ギアプレート150の爪部153とは接していないためギアプレート150の爪部153から力を受けていない。さらに、回転軸14Aの周方向において、トーションスプリング140の固定端143は、押上部材130から矢印C方向とは逆向きの力を受ける。この押上部材130からの力は、回転を停止している回転円板120に固定されている押上部材130から受ける反力である。このことにより、トーションスプリング140は、絞られて停止した状態となる。
一方、図12(B)に示すように、回転軸14Aに沿う方向において、トーションスプリング140の腕部147は、押上部材130の傾斜部133及びガイドリブ170から力を受けていない。
【0064】
次に、図15に示す第3の状態におけるトーションスプリング140の働きについて説明をする。
まず、トーションスプリング140の状態について説明する。
図15に示すトーションスプリング140は絞られた状態ではなく開放された状態である。さらに、図15(B)に示すように、トーションスプリング140の自由端141は、矢印E方向におけるリアプレート93からの高さが高い位置にある。これは、トーションスプリング140の腕部147が、押上部材130の傾斜部133から矢印E方向に押される力を受けているためである。また、トーションスプリング140の腕部147は、矢印E方向におけるリアプレート93からの高さが高い位置にあるため、腕部147がギアプレート150の爪部153と接している。
なお、上述の押上部材130における特定の高さとは、押上部材130がトーションスプリング140の腕部147を矢印E方向に押すことにより、腕部147をギアプレート150の爪部153と接触させ得る高さのことを言う。
【0065】
次に、トーションスプリング140に働く力について説明をする。
図15(A)に示すように、回転軸14Aの周方向において、トーションスプリング140の腕部147は、ガイドリブ170の掛け部173から力を受けていない。また、トーションスプリング140の腕部147は、ギアプレート150の爪部153から矢印C方向に力を受けている。さらに、トーションスプリング140の固定端143は、押上部材130から力を受けていない。このことにより、トーションスプリング140は、回転軸14Aの周囲を回転している状態となる。
一方、図15(B)に示すように、回転軸14Aに沿う方向において、トーションスプリング140の腕部147は、押上部材130の傾斜部133から矢印E方向に押される力を受けている。なお、トーションスプリング140の腕部147は、ガイドリブ170から力を受けていない。
【0066】
次に、図17に示す第5の状態におけるトーションスプリング140の働きについて説明をする。
まず、トーションスプリング140の状態について説明する。
図17に示すトーションスプリング140は絞られた状態ではなく開放された状態である。さらに、図17(B)に示すように、トーションスプリング140の自由端141は、矢印E方向におけるリアプレート93からの高さが高い位置にある。これは、トーションスプリング140の腕部147が、ガイドリブ170から矢印E方向に押される力を受けているためである。また、トーションスプリング140の腕部147は、自由端141が矢印E方向におけるリアプレート93からの高さが高い位置にあるため、ギアプレート150の爪部153と接している。
なお、上述のガイドリブ170における特定の高さとは、ガイドリブ170がトーションスプリング140の腕部147を矢印E方向に押すことにより、腕部147をギアプレート150の爪部153と接触させ得る高さのことを言う。
【0067】
次に、トーションスプリング140に働く力について説明をする。
図17(A)に示すように、回転軸14Aの周方向において、トーションスプリング140の腕部147は、ガイドリブ170の掛け部173から、力を受けていない。また、トーションスプリング140の腕部147は、ギアプレート150の爪部153から矢印C方向に力を受けている。さらに、トーションスプリング140の固定端143は、回転軸14Aの周方向において、押上部材130から矢印C方向とは逆向きの力を受ける。この押上部材130からの力は、回転を停止している回転円板120に固定されている押上部材130から受ける反力である。
付言すると、トーションスプリング140は、固定端143が押上部材130から矢印C方向とは逆向きの力を受け、かつトーションスプリング140の腕部147が爪部153から矢印C方向に力を受けているため、絞られる方向に力を受けている状態である。
【0068】
一方、図17(B)に示すように、回転軸14Aに沿う方向において、トーションスプリング140の腕部147は、押上部材130の傾斜部133から力を受けていない。一方、トーションスプリング140の腕部147は、ガイドリブ170から矢印E方向に押される力を受けている。
【0069】
<回転円板120の働き>
図12に示す第1の状態における回転円板120の働きについて説明をする。ここでは、ロック部材160の状態、及び回転円板120に働く力に分けて説明をする。
まず、ロック部材160の状態について説明する。
図12に示すロック部材160は、オンの状態である。すなわち、ロック部材160の突起受け部161が、回転円板120に設けられた突起125の移動経路に対して、進入した状態である。
【0070】
次に、回転円板120に働く力について説明をする。
回転円板120のフロント側面120aは、トーションスプリング140の固定端143が固定された押上部材130から矢印C方向に力を受ける。この押上部材130から受ける力は、絞られた状態であるトーションスプリング140の弾性力により押上部材130に設けられた固定端143を矢印C方向に回転させようとする力によるものである。
また、回転円板120の突起125は、ロック部材160の突起受け部161と接することにより矢印C方向とは逆向きの力を受ける。
そして、これらの力により回転円板120は、回転軸14Aの周囲を回転することなく停止している。
【0071】
図14に示す第2の状態における回転円板120の働きについて説明をする。
図14に示すロック部材160は、オフの状態である。すなわち、ロック部材160の突起受け部161が、回転円板120に設けられた突起125の移動経路に対して、退避した状態である。
【0072】
次に、回転円板120に働く力について説明をする。
回転円板120のフロント側面120aは、トーションスプリング140の固定端143が固定された押上部材130から矢印C方向に力を受ける。この押上部材130から受ける力は、絞られた状態から開放された状態へと変化しつつあるトーションスプリング140が弾性力により押上部材130に設けられた固定端143を矢印C方向に回転させようとする力によるものである。
また、回転円板120の突起125は、ロック部材160の突起受け部161から力を受けていない。
そして、これらの力により回転円板120は、回転軸14Aの周囲を回転している。
【0073】
図16に示す第4の状態における回転円板120の働きについて説明をする。
図16に示すロック部材160は、オンの状態である。すなわち、ロック部材160の突起受け部161が、回転円板120に設けられた突起125の移動経路に対して、進入した状態である。
【0074】
次に、回転円板120に働く力について説明をする。
回転円板120のフロント側面120aは、トーションスプリング140の固定端143が固定された押上部材130から矢印C方向に力を受ける。この押上部材130から受ける力は、トーションスプリング140の腕部147がギアプレート150の爪部153により矢印C方向に回転させる力を受けることにともない、トーションスプリング140の固定端143が矢印C方向に回転する力を受けるためである。
また、回転円板120の突起125は、ロック部材160の突起受け部161から力を受けていない。これは、上述のようにロック部材160の突起受け部161が、回転円板120の突起125の移動経路に対して進入した状態であるが、回転円板120の突起125と接触はしていないためである。
そして、回転駆動力をトーションスプリング140を介して受けることにより、回転円板120は、回転軸14Aの周囲を回転している。
【0075】
<画像形成装置1の動作>
次に、図1及び図2を参照しながら、画像形成装置1の全体の動作について説明する。 なお、ここでは画像形成装置1によって1枚の用紙Sに複数色の画像形成を行う場合を説明する。
【0076】
まず原稿読み取り装置(図示せず)によって読み取られた原稿の色材反射光像や、パーソナルコンピュータ(図示せず)等によって形成された色材画像データは、例えばR(赤)、G(緑)、B(青)の各データとして、画像信号処理装置(図示せず)に入力され、予め定められた画像処理が施される。画像処理が施された画像データは、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の4色の色材階調データに変換され、露光装置13に出力される。
【0077】
画像形成動作の開始に伴い、感光体ドラム11及び転写ドラム21は同期して回転を開始する。このとき先端グリッパ23は転写ドラム21とともに回転するのに対して、後端グリッパ27は、転写ドラム21とともに回転することなく待機位置に静止している(周速度がゼロである)。
【0078】
そして、回転する感光体ドラム11の感光層11Aが帯電装置12により帯電された後、露光装置13により画像情報に応じた一色目(たとえばイエロー)の静電潜像が形成される。また、転写ドラム21が回転を開始するのに伴い、用紙検知センサ25が転写ドラム21の位相の測定を行う。測定された位相は、制御部50へと送られる。
【0079】
一方、現像装置14では、感光体ドラム11上に形成される静電潜像に対応する色成分トナーを有する現像装置(例えばイエローの場合にはイエローの現像器14Y)が、感光体ドラム11との対向位置に配置されるよう予め回転させられ、停止している。
そして、例えば現像器14Yにより感光体ドラム11上の静電潜像が現像され、感光体ドラム11上にトナー像が形成される。そして、このトナー像(ここではイエローのトナー像)は、感光体ドラム11の回転に伴って転写装置20と対向する転写部位Trに向かって送られていく。
【0080】
また、記録画像形成動作の開始に対応して、用紙Sの供給も行われる。具体的には、取出しロール42により用紙収容部41から取り出された用紙Sを、捌きロール43を経て、搬送ロール44を用いて供給経路51に送り出す。そして、用紙Sが転写ドラム21に供給される位置(供給位置)に先端グリッパ23が到達するのに合わせて、用紙Sが到達するように搬送を制御する。
【0081】
そして、供給位置において先端グリッパ23が開いた状態から閉じた状態へと移行する。これに伴って、用紙Sの搬送方向先端が先端グリッパ23によって把持される。なお、このとき後端グリッパ27は、転写ドラム21の外周であって、待機位置に静止している。そして、用紙Sを把持した先端グリッパ23は、静止した後端グリッパ27と転写ドラム21の回転中心との間を通過する。
【0082】
後端グリッパ27と弾性層21Bとの間を通過した先端グリッパ23は、用紙Sを把持したまま転写部位Trを通過する。先端グリッパ23によって把持されて転写部位Trを通過した用紙Sは、先端グリッパ23に把持されたまま転写ドラム21に巻きついた状態となって回転経路53(図1参照)を搬送される。
そして、露光装置13により画像情報に応じた一色目(たとえばイエロー)の静電潜像が形成された後に、用紙検知センサ25によって用紙Sの搬送方向後端が通過したことが検知される。そして、この用紙検知センサ25からの信号を受けた制御部50が、後端グリッパ27へと指示を出す。指示を受けた後端グリッパ27は、開いた状態から閉じた状態へと移行する。
【0083】
さて、閉じた後端グリッパ27は、転写ドラム21と同期して回転を開始する。言い換えると、用紙Sは、搬送方向の先端を先端グリッパ23によって把持され、かつ後端を後端グリッパ27によって保持されながら転写ドラム21とともに回転する。感光体ドラム11上に形成された一色目(例えばイエロー)のトナー像は、感光体ドラム11と転写ドラム21とが対向する転写部位Trにおいて、転写ドラム21上の用紙Sに転写される。なお、転写後に感光体ドラム11上に残ったトナーは、清掃装置15(図1参照)によって除去される。
【0084】
そして、二色目から、最終色(例えば黒)前の潜像形成(例えばマゼンタ、シアン)、現像及び転写が、上述した手順に従って同様に繰り返される。ただし、各色のトナー像を形成するに際しては、現像装置14が回転動作を行い、対応する現像器14M、14Cが停止位置に配置される。
その間、用紙Sは、先端グリッパ23及び後端グリッパ27によって転写ドラム21に巻きつけられた状態で回転搬送され、転写部位Trを通過するたびに二色目以降のトナー像が重ねあわされるようにして順次転写される。その結果、例えばフルカラーの画像形成を行う場合には、黒(K)を除く、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)各色のトナー像が転写ドラム21上の用紙Sに多重転写される。
【0085】
そして、最終色が転写される場合には、最終色(例えば黒)前の転写の場合と異なり、転写部位Trにおいて、先端グリッパ23が閉じた状態から開いた状態へと移行する。このことにより先端グリッパ23による把持が解除され、フルカラーの画像が形成された用紙Sは、弾性層21Bと感光体ドラム11とのニップにより、用紙Sの搬送方向先端が転写ドラム21から剥離され排出経路52へと進入する。
【0086】
その後、用紙Sが搬送されるに従い、用紙Sの搬送方向後端を保持する後端グリッパ27が閉じた状態から開いた状態へと移行する。なお、この後端グリッパ27が閉じた状態から開いた状態へと移行するときは、露光装置13により画像情報に応じた最終色(例えば黒)の静電潜像はすでに形成された後である。そして、開いた状態の後端グリッパ27は、待機位置にて停止する。
【0087】
そして、後端グリッパ27による保持が解除された用紙Sの搬送方向後端は、転写ドラム21から剥離され排出経路52へと進入する。排出経路52へと進入した用紙Sは、定着装置30に送られる。そして、定着装置30の加熱ロール31及び加圧ロール32によって、用紙Sのトナー像が定着される。
定着終了後の用紙Sは、搬送ロール44によって画像形成装置1の機外に排出され、排紙積載部3に積載される。
【0088】
<伝達機構100作動のタイミング>
次に、図1及び図13を参照しながら、伝達機構100が作動するタイミングについて説明をする。ここで、図13は、4色画像の形成動作における伝達機構100の切り替え動作を示すタイミングチャートである。
【0089】
図13に示すように、本実施の形態において、画像形成装置1が画像形成を行う際、現像装置14の各現像器14Y、14M、14C、14K(図1参照)によって現像動作が行われる。
ここで、現像器14Y、14M、14C、14Kの各々の現像動作が終了した際、次の色の現像サイクルのため、現像器14Y、14M、14C、14Kの移動動作(切り替え動作)が行われる。この現像器14Y、14M、14C、14Kの切り替え動作は、伝達機構100によってロータリ現像器14R(図1参照)が回転される(図1の矢印C参照)ことによって行われる。以下で、伝達機構100の切り替え動作のタイミングを詳細に説明する。
【0090】
まず、画像形成装置1の画像形成動作が開始される前の状態において、伝達機構100はオフの状態(トーションスプリング140の自由端141が回転軸14Aの周囲で回転していない状態)である。また、このとき伝達機構100のロック部材160は、オンの状態(突起受け部161が突起125の移動経路に対して進入した状態)である。さらに、現像位置には、一色目(ここではイエロー(Y)として説明する)に対応する現像器14Yが配置されている。
そして、画像形成装置1の画像形成動作の開始に伴い、露光装置13によりイエロー(Y)の静電潜像が形成される。そして、現像器14Yによる現像が開始された後に、転写装置20による転写が行われる。
【0091】
イエロー(Y)の転写が終了した後に、伝達機構100のロック部材160がオンからオフ(突起受け部161が突起125の移動経路に対して退避した状態)となる(符号13a参照)。ロック部材160がオフとなることに伴い伝達機構100はオン(トーションスプリング140の自由端141が回転軸14Aの周囲で回転している状態)となる(符号13b参照)。そして、伝達機構100が、回転軸14A(図1参照)を中心としてロータリ現像器14Rを回転させる(図1の矢印C参照)。この回転により、二色目(ここではマゼンタとして説明する)に対応する現像器14Mが現像位置に配置される。
一方、ロック部材160は、オフとなって予め定められた時間が経過した後に、再びオンとなる。そして、ロック部材160が再びオンとなった後に、伝達機構100がオフとなる。この伝達機構100がオフとなった後に、次のマゼンタ(M)の露光が開始される(符号13c参照)。
【0092】
ここで、本実施の形態においては、伝達機構100による現像器14Y、14M、14C、14Kの切り替え動作は、現像器14Y、14M、14C、14Kが現像を行っていない間に行われる。より詳細には、伝達機構100による現像器14Y、14M、14C、14Kの切り替え動作は、現像器14Y、14M、14C、14Kのいずれか(例えば現像器14Y)が現像することによりトナー像を形成し、このトナー像が転写装置20によって転写が行われた後に開始される。そして、伝達機構100による現像器14Y、14M、14C、14Kの切り替え動作は、露光装置13により次の静電潜像(例えばマゼンタの静電潜像)が形成され始める前に終了する。このことにより、伝達機構100の切り替え動作に伴い、画像形成部10や転写装置20等に振動や衝撃等が生じることで画像品質に影響を与えることが抑制される。
【0093】
<伝達機構100の動作>
次に、図1、図12、図14乃至図18を参照しながら、伝達機構100の動作について説明をする。ここで、ロータリ現像器14Rに設けられる現像器14Y、14M、14C、14Kは、ある現像器(例えば現像器14Y)から周方向において隣接する他の現像器(例えば現像器14M)に切り替わることに伴い回転軸14Aを中心として90度回転する。この回転軸14Aを中心として90度回転することを4回繰り返すことにより、ロータリ現像器14Rは、回転軸14Aを中心として360度回転する。
【0094】
(a)第1の状態
図1及び図12を参照しながら、第1の状態の伝達機構100を説明する。
第1の状態においては、伝達機構100は動作を停止しており、ロータリ現像器14Rは回転を停止した状態である。また、現像装置14に設けられた現像器14Y、14M、14C、14Kのいずれかが、現像位置に配置されている。ここでは、現像器14Yが現像位置に配置されているとして説明する。
【0095】
ここで、転写ドラム駆動モータM1から仲介ギアG5、G6を介して現像装置ギアG3に駆動力が伝達されている(図2参照)。このことにより、ギアプレート150は、図12(A)の矢印C方向に回転している。なお、後述する第2の状態乃至第6の状態のいずれにおいても、ギアプレート150は転写ドラム駆動モータM1の駆動を受けて矢印C方向への回転を継続している状態である。
【0096】
第1の状態においては、ロック部材160は、オンの状態であり、ロック部材160の突起受け部161が、回転円板120に設けられた突起125の移動経路に対して、進入した状態である。
また、回転円板120の突起125が、ロック部材160の突起受け部161と接することにより、ポジションプレート110は回転を停止されている。なお、回転円板120は、絞られた状態であるトーションスプリング140の弾性力により矢印C方向に回転させようとする力を受けている。
【0097】
ここで、図12(B)に示すように、トーションスプリング140の腕部147は、矢印E方向におけるリアプレート93からの高さが低い位置にあるため、ギアプレート150の爪部153とは接していない。したがって、ギアプレート150の爪部153が回転軸14Aの周囲で回転する際に、トーションスプリング140の腕部147を押すことはない。第1の状態において、ギアプレート150は、いわば空転している状態である。
【0098】
(b)第2の状態
図1及び図14を参照しながら、第2の状態の伝達機構100を説明する。
第2の状態においては、回転軸14Aの周囲に設けられた現像器14Y、14M、14C、14K(図1参照)が回転を開始する。
【0099】
第2の状態において、ロック部材160が、オンからオフとなり、ロック部材160の突起受け部161が、突起125の移動経路に対して退避した状態となる。そして、絞られた状態であったトーションスプリング140が開放された状態へと変化することにともない、回転円板120が矢印C方向に回転される。そして、回転円板120とともに回転する回転軸14Aを介して現像器14Y、14M、14C、14K(図1参照)が回転される。
【0100】
ここで、トーションスプリング140の腕部147におけるガイドリブ170の掛け部173と接する部分を支点として、トーションスプリング140の固定端143が矢印C方向に回転することに伴い、固定端143と腕部147との相対位置が変化する。そして、トーションスプリング140の腕部147は、押上部材130に設けられた傾斜部133と接触し、傾斜部133に沿って移動する。このことにより、トーションスプリング140の腕部147は、傾斜部133によってリア側からフロント側に向かう方向に押され、ギアプレート150側に移動する(矢印E参照)。
なお、図14に示す状態では、まだ、トーションスプリング140の腕部147は、ギアプレート150に設けられた爪部153とは接触していない。したがって、第2の状態におけるギアプレート150は空転を継続している状態である。
【0101】
(c)第3の状態
図1及び図15を参照しながら、第3の状態の伝達機構100を説明する。
第3の状態においては、回転軸14Aの周囲に設けられた現像器14Y、14M、14C、14K(図1参照)が回転を継続している状態である。
【0102】
第3の状態において、ロック部材160はオフの状態を継続している。また、トーションスプリング140の固定端143と腕部147との相対位置がさらに変化する(トーションスプリング140がさらに開放される)。そして、トーションスプリング140の腕部147は、押上部材130の傾斜部133によって、リア側からフロント側に向かう方向(矢印E参照)にさらに押される。その結果トーションスプリング140の腕部147は、矢印E方向におけるリアプレート93からの高さが高い位置に配置される。
【0103】
そして、回転してきたギアプレート150の爪部153がトーションスプリング140の腕部147と接触し、この腕部147を矢印C方向に押す状態となる。さらに説明すると、ギアプレート150の爪部153がトーションスプリング140の腕部147を押すことにより、転写ドラム駆動モータM1(図2参照)の駆動が、ギアプレート150を介してトーションスプリング140に伝達される状態である。
【0104】
(d)第4の状態
図1及び図16を参照しながら、第4の状態の伝達機構100を説明する。
第4の状態においては、回転軸14Aの周囲に設けられた現像器14Y、14M、14C、14K(図1参照)が回転を継続している状態である。
【0105】
第4の状態において、ロック部材160がオフからオンとなり、ロック部材160の突起受け部161が、ポジションプレート110に設けられた突起125の移動経路に対して、進入した状態となる。ここで、第4の状態においては、ロック部材160の突起受け部161とポジションプレート110の突起125とは接触していない状態である。すなわちロック部材160が回転円板120をロックする前の状態である。
【0106】
また、トーションスプリング140が回転軸14Aの周囲を回転することにともない、トーションスプリング140の自由端141は、ガイドリブ170の傾斜部171を通過し、ガイドリブ170に乗り上げた状態となる(図16(B)参照)。このことにより、トーションスプリング140の自由端141は、矢印E方向におけるリアプレート93からの高さが高い位置に維持される。したがって、トーションスプリング140の腕部147は、ギアプレート150の爪部153に押される(矢印C参照)状態を維持する。
【0107】
(e)第5の状態
図1及び図17を参照しながら、第5の状態の伝達機構100を説明する。
第5の状態においては、回転軸14Aの周囲に設けられた現像器14Y、14M、14C、14K(図1参照)が停止する。第5の状態においては、現像器14Mが現像位置に配置されている。付言すると、図17に示す第5の状態は、図12に示す第1の状態を基準として、ポジションプレート110が、図17(A)における矢印C方向に90度回転した状態である。
【0108】
第5の状態において、ロック部材160はオンの状態を継続する。そして、ポジションプレート110の突起125が回転してくることにより、ロック部材160の突起受け部161は突起125と接触する状態となる。このことにより、ロック部材160の突起受け部161が、ポジションプレート110の回転を停止させる(ロック部材160が回転円板120をロックしている)。
ここで、第5の状態において、ロック部材160の突起受け部161が接触するのは、第1の状態においてロック部材160の突起受け部161が接触していた突起125と周方向において隣り合う突起125である。
【0109】
そして、ポジションプレート110が回転を停止することにともない、ポジションプレート110に接続されているトーションスプリング140の固定端143も、回転を停止する。一方で、トーションスプリング140の腕部147は、ギアプレート150に設けられた爪部153に押される(矢印C参照)状態を継続する。
このことにより、トーションスプリング140の自由端141と固定端143との相対位置が変化する。更に説明すると、第5の状態において、トーションスプリング140は姿勢が変化し始め(付勢力の蓄積開始)、開放された状態から絞られた状態となる。
【0110】
(f)第6の状態
図1及び図18を参照しながら、第6の状態の伝達機構100を説明する。
第6の状態においては、伝達機構100の動作が停止した状態である。
【0111】
第6の状態において、ロック部材160はオンの状態を継続する。そして、ロック部材160の突起受け部161は、ポジションプレート110と接触し回転を停止させている状態である。
【0112】
また、第6の状態において、ガイドリブ170に乗り上げて矢印C方向に回転するトーションスプリング140の腕部147が、ガイドリブ170を通過し掛け部173に掛かる状態となる。言い替えると、トーションスプリング140の腕部147が、ガイドリブ170によって、リア側からフロント側に向かう方向(矢印E参照)に押されない状態となる。このことにより、トーションスプリング140の自由端141は、フロント側からリア側に向かう方向(矢印D参照)に移動し、矢印E方向におけるリアプレート93からの高さが低い位置となる。なお、このトーションスプリング140の自由端141の移動は、上述のように側面からみるとトーションスプリング140の腕部147が、巻付部145から回転円板120側に傾いて延びることによるものである(図9(C)参照)。
【0113】
トーションスプリング140の自由端141がフロント側からリア側に向かう方向に移動する(矢印D参照)ことにより、トーションスプリング140の腕部147は、ギアプレート150に設けられた爪部153と接触しない位置となる。このことにより、ギアプレート150の爪部153は、トーションスプリング140の腕部147を押さなくなる(付勢力の蓄積終了)。したがって、ギアプレート150は空転する状態となる。
【0114】
さて、上述のように、本実施の形態の伝達機構100は、ロック部材160のオンとオフとを切り換えることにより、メカニカル機構によるシーケンスで現像器14Y、14M、14C、14K(図1参照)の切り替え動作が行われる。付言すると、本実施の形態の伝達機構100は、現像器14Y、14M、14C、14Kの切り替え動作のために電気的制御回路等が必要ない。また、現像器14Y、14M、14C、14Kの切り替えの際に駆動する電気的な駆動源を必要としない。
【0115】
<変形例>
次に、図19及び図20を参照しながら、上述の伝達機構100の変形例である伝達機構200について説明をする。ここで、図19は、伝達機構200の分解斜視図である。また、図20は、伝達機構200の正面図である。なお、図20においては、ギアG30の背後に隠れる部分も実線で示している。
ここで、伝達機構200は、回転軸14Aとともに一体的に回転し、現像器14Y、14M、14C、14K(図1参照)を予め定めた位置に配置するポジションプレート210を有する。また、伝達機構200は、回転軸14Aの周囲を回転するとともにポジションプレート210と掛かり合うことによりポジションプレート210を回転させる駆動力を供給するギアG30を有する。さらに、伝達機構200は、回転軸14Aとともに回転するポジションプレート210を停止させるロック部材(規制部)260を有する。さらにまた、伝達機構200は、ギアG30へ駆動力を供給するギア駆動部M3(図20参照)を有する。
【0116】
なお、ロック部材260及びギア駆動部M3は、画像形成装置1側である筺体2(図1参照)によって支持されている。更に説明すると、上述のように現像装置14は、画像形成装置1に対して着脱可能に配置される。この現像装置14が画像形成装置1から外された際、ロック部材260及びギア駆動部M3は、画像形成装置1側に残された状態となる。
以下でそれぞれについて説明をする。
【0117】
<ポジションプレート210>
図19に示すように、ポジションプレート210は、回転軸14Aとともに一体的に回転する回転円板220を有する。なお、上述のように回転軸14Aはロータリ現像器14R(図1参照)と接続されており、回転円板220が回転することに伴い、ロータリ現像器14R(図1参照)も回転するように構成されている。
また、ポジションプレート210は、回転円板220と掛かり合い回転円板220を回転させる移動ピン230を有する。さらにまた、ポジションプレート210は、移動ピン230と接続され回転円板220が回転するための駆動力を移動ピン230を介して供給するコイルばね240を有する。
なお、この変形例においては、回転円板220のフロント側(図1の紙面手前側)に、移動ピン230及びコイルばね240が配置されている。
【0118】
<回転円板220>
まず、回転円板220について説明をする。被規制部の一例である回転円板220は、回転軸14Aに固定され回転軸14Aとともに回転する円形の金属板である。この回転円板220は、面の中央部に回転軸14Aを挿入する貫通孔221を有する。
また、回転円板220は、回転円板220の外周に、ロック部材260と掛かり合う突起225を有する。この突起225は、回転円板220の外周において、回転中心から遠ざかる方向に延びるように構成されている。また、この突起225は、回転軸14Aの周方向において90度毎に4つ設けられている。ここで、本実施の形態において、突起225は、現像装置14に設けられる現像器14Y、14M、14C、14Kの数と同数設けられている。
【0119】
また、回転円板220は、回転円板220におけるギアG30側のギア側面(図1の紙面手前側に配置される面)220aから突出して設けられるピン案内部227を有する。
ここで、このピン案内部227は、移動ピン230を掛けることで移動ピン230を受けるピン受け部229を有する。ピン受け部229は、回転軸14Aの周方向において90度毎に4つ設けられている。ピン受け部229は、現像装置14に設けられる現像器14Y、14M、14C、14K(図1参照)と同数設けられている。
それぞれのピン受け部229の間は、ピン受け部229に受けられた移動ピン230を隣り合う移動ピン受け部229まで案内する面である外周側面227cが、ピン受け部229と連続して形成されている。
更に説明すると、図19に示す例においては、外周側面227cの一部を、回転円板220の回転中心から遠ざかる向きに突出させる(あるいは凹ませる)ことによりピン受け部229が形成されている。
【0120】
<移動ピン230>
移動ピン230は、円柱状の部材である。この移動ピン230は、一方の端部230aがギアG30と接し、他方の端部230bが回転円板220と接するように配置される。また、移動ピン230は、一方の端部230aと他方の端部230bとの間に位置する本体側面230cとを有する。
【0121】
<コイルばね240>
回転部の一例であるコイルばね240は、一方の端部243がリアプレート93に設けられた固定ピン270に接続され、他方の端部245が移動ピン230に接続されて配置される。
この変形例においてはコイルばね240を用いるが、例えばゴム等の他の弾性部材を用いてもよい。
【0122】
<ギアG30>
ギアG30は、ギア駆動部M3(図20参照)と接続され、ギア駆動部M3の駆動を受け回転軸14Aを中心に回転するように構成されている。このギアG30は、面の中央部に回転軸14Aを挿入する貫通孔251を有する。ここで、ギアG30は、回転軸14Aに対して固定されることなく、回転軸14Aの周囲を回転自在に配置される。さらに説明すると、ギアG30は、回転軸14Aの回転方向(矢印C参照)に対する順方向および逆方向(矢印H参照)の両方向に回転するよう構成されている。
【0123】
また、図19に示すように、ギアG30は、回転円板220と向き合う面G30bに形成された凹部であるピン溝253を有する。このピン溝253は、移動ピン230が挿入されるとともに、挿入された移動ピン230がピン溝253内でギアG30の径方向に変位可能な寸法で形成されている。さらに説明をすると、このピン溝253は、ギアG30が回転することにともにない、ピン溝253に挿入された移動ピン230を回転円板220のギア側面220a上で移動させるように構成されている。
なお、このギアG30は、上述の実施の形態とは異なり、転写ドラム駆動モータM1とは接続されておらず、転写ドラム駆動モータM1から駆動を受けない。さらに説明すると、ギアG30は、感光体ドラム駆動モータM2と接続されておらず、感光体ドラム駆動モータM2から駆動を受けない。
【0124】
<ロック部材260>
ロック部材260は、板状の金属部材である。そして、一方の端部に、回転円板220の突起225と掛かり合う突起受け部261を有する。
また、突起受け部261が設けられた側とは反対の端部に、転写ドラム21(図1参照)に設けられているカム(図示せず)によって押圧されるカムフォロア(図示せず)が設けられている。さらに、ロック部材260は、中央部に支持軸263を有する。この支持軸263は、画像形成装置1側である筺体2(図1参照)によって支持されている。なお、ロック部材260は、この支持軸263を中心に揺動するよう(矢印F参照)に構成されている。そして、転写ドラム21が一回転する毎に、転写ドラム21に設けられたカム(図示せず)が、ロック部材260に設けられたカムフォロア(図示せず)を押圧する。このことにより、支持軸263を中心としてロック部材260が揺動することで先端の突起受け部261が移動し、突起受け部261と掛かり合う回転円板220の突起が解放されるように構成されている。
【0125】
<ギア駆動部M3>
駆動源の一例であるギア駆動部M3は、ギア列(不図示)を介してギアG30に接続される。このギア駆動部M3は、例えばステッピングモータからなる。
このギア駆動部M3は、上述のように、画像形成装置1側である筺体2(図1参照)によって支持されているが、これに限定するものではない。例えば、画像形成装置1側に配置された着脱可能な装置や部材(例えば、転写ドラム21)によって支持されてもよい。あるいは、ギア駆動部M3は、現像装置14側(例えば枠体90)に支持されてもよい。
【0126】
<伝達機構200の構造>
次に、図19及び図20を参照しながら、伝達機構200の構造について説明をする。
【0127】
まず、図19に示すように、伝達機構200は、上述のように、リアプレート93、ポジションプレート210、ギアG30、ロック部材260、ギア駆動部M3を有する。そして、リアプレート93の貫通孔94、ポジションプレート210における回転円板220の貫通孔221、及びギアG30の貫通孔251には、ロータリ現像器14R(図1参照)の回転軸14Aが挿入されている。ここで、ポジションプレート210における回転円板220は、回転軸14Aとともに回転するよう回転軸14Aに固定されている。一方、リアプレート93及びギアG30は、回転軸14Aに固定されることなく設けられている。
【0128】
また、図20に示すように、ポジションプレート210の外側にリアプレート93の固定ピン270が設けられる。なお、固定ピン270は、回転円板220に設けられた突起225と接触することがない位置に配置される。
【0129】
ロック部材260は、支持軸263を中心に揺動する(図19の矢印F参照)ように設けられている。付言すると、ロック部材260が揺動することで、ロック部材260の突起受け部261は、回転円板220の面と交差する向きに移動する。このことによりロック部材260の突起受け部261は、回転円板220に設けられた突起225の移動経路に対して進退するよう構成されている。なお、ロック部材260の突起受け部261は、例えば回転円板220の径方向に移動することや、回転円板220の接線方向に移動することによって、突起225の移動経路に対して進退する構成であってもよい。
【0130】
ポジションプレート210における移動ピン230は、円柱の両端がギアG30と回転円板220とによって挟まれて配置されている。
この移動ピン230の一方の端部230aは、ギアG30と掛かり合うようギアG30のピン溝253に挿入されている。
【0131】
一方、移動ピン230の他方の端部230bは、回転円板220のギア側面220aと接触して配置されている。ここで、移動ピン230の他方の端部230bは、回転円板220のギア側面220aに対して固定されておらず、上述のように回転円板220のギア側面220a上を移動するように構成されている。
更に説明すると、移動ピン230の本体側面230cは、ピン案内部227の外周側面227cと接触するように配置されている。このことにより、移動ピン230は、ピン案内部227の外周側面227cに沿って移動する。
【0132】
さて、ポジションプレート210におけるコイルばね240は、一方の端部243がリアプレート93に設けられた固定ピン270に固定され、他方の端部245が移動ピン230に固定されている。ここで、ギアG30あるいは回転円板220が回転軸14Aの周囲を回転することに伴い(詳細は後述)、固定ピン270と移動ピン230との距離が変動する。そして、固定ピン270と移動ピン230との距離が変化することに伴い、コイルばね240が伸縮する。
なお、ギアG30は、ギア駆動部M3(図19参照)から駆動を受ける際には回転軸14Aの回転方向の逆方向(図19の矢印H参照)に回転する。
【0133】
<伝達機構200の動作>
次に、図1及び図21を参照しながら、伝達機構200の動作について説明をする。ここでは、伝達機構200がロータリ現像器14Rを90度回転させる動作を、第1の状態から第4の状態までのそれぞれの段階に分けて説明をする。なお、図21−1及び図21−2は、伝達機構200の動作を説明する図である。より詳細には、図21−1及び図21−2の(A)乃至(D)は、それぞれ第1の状態乃至第4の状態における伝達機構200の概略構成図である。
【0134】
(a)第1の状態
図1及び図21(A)を参照しながら、第1の状態の伝達機構200を説明する。
まず、第1の状態においては、伝達機構200は動作を停止しており、ロータリ現像器14Rは回転を停止している状態である。また、第1の状態においては、現像装置14に設けられた現像器14Y、14M、14C、14K(図1参照)のいずれかが、現像位置に配置されている状態である。ここでは、現像器14Yが現像位置に配置されているとして説明する。
さらに、ギア駆動部M3(図20参照)は駆動しておらず、ギア駆動部M3に接続されるギアG30は回転を停止している。
【0135】
第1の状態においてロック部材260は、オンの状態である。ここで、ロック部材260がオンの状態とは、ロック部材260が回転円板220をロックしている状態である。
具体的には、ロック部材260の突起受け部261が、回転円板220の突起225の移動経路に対して進入し、突起225の移動を妨げる状態である。このことにより、ロック部材260の突起受け部261が、ポジションプレート210の回転を停止させる。付言すると、このとき突起受け部261は、ポジションプレート210から矢印C方向に回転しようとする力を受けている。
【0136】
このポジションプレート210が回転しようとする力は、コイルばね240により加えられている。まず、第1の状態において、コイルばね240は、伸長した状態(弾性エネルギを蓄積している状態)で配置されている。
また、このコイルばね240は、一方の端部243が回転しないリアプレート93に設けられている固定ピン270に固定され、他方の端部245が回転円板220のピン受け部229に掛かる移動ピン230に固定されている状態である。
さらに、移動ピン受け部229は、移動ピン230が固定ピン270側に移動しようとすることを妨げる状態である。
このことにより移動ピン230がコイルばね240により固定ピン270側に引き寄せられる向きに力を受ける。この移動ピン230から移動ピン受け部229が力を受け、移動ピン受け部229が設けられた回転円板220を回転する力を加えている。
【0137】
(b)第2の状態
図1及び図21(B)を参照しながら、第2の状態の伝達機構200を説明する。
第2の状態においては、回転軸14A及び回転軸14Aの周囲に設けられた現像器14Y、14M、14C、14K(図1参照)が回転軸14Aとともに回転を開始する。
【0138】
詳細に説明をすると、まず第2の状態において、ロック部材260が、オンからオフとなる。ここで、ロック部材260がオフの状態とは、ロック部材260が回転円板220に対するロックを解放している状態である。
具体的には、転写ドラム21(図1参照)に設けられているカム(図示せず)によって、ロック部材260に設けられたカムフォロア(図示せず)が押圧され、ロック部材260が揺動する。このことにより、ロック部材260の突起受け部261が、回転円板220の突起225の移動経路に対して退避した状態となる。
そして、ロック部材260の突起受け部261によってロックされていたポジションプレート210が、回転を開始する。
【0139】
すなわち、第1の状態で伸長した状態であったコイルばね240において、移動ピン230に固定される他方の端部245が、固定ピン270に固定される一方の端部243側に弾性力により引き寄せられる(弾性エネルギを解放する)。このことにより、コイルばね240は、移動ピン230及びピン受け部229を介して、回転円板220を回転軸14Aの回転方向(矢印C参照)に回転させる。
この回転円板220の回転により、回転円板220が固定された回転軸14Aを介して、現像器14Y、14M、14C、14K(図1参照)が回転される。また、移動ピン230がコイルばね240によって引き寄せられることに伴い、内部に移動ピン230が挿入されたピン溝253を介して、ギアG30が回転軸14Aの回転方向(矢印C参照)に回転させられる。
【0140】
(c)第3の状態
図1及び図21(C)を参照しながら、第3の状態の伝達機構200を説明する。
第3の状態においては、回転軸14A及び回転軸14Aの周囲に設けられた現像器14Y、14M、14C、14K(図1参照)は回転を停止する。このとき現像器14Mが、現像位置に配置されている。付言すると、第3の状態は、回転円板220が、図21(A)に示す第1の状態から、90度反時計方向に回転した状態である。
【0141】
第3の状態において、ロック部材260は再びオンの状態となる。具体的には、転写ドラム21(図1参照)のカム(図示せず)により、ロック部材260に設けられたカムフォロア(図示せず)が押圧されることが終了し、ロック部材260が揺動する。そして、ロック部材260の突起受け部261が、回転円板220の突起225の移動経路に対して進入し、ロック部材260の突起受け部261が回転円板220の突起225と接触する。このことにより、ロック部材260は回転円板220の回転を停止させる(ロックする)。ここで、第3の状態において、ロック部材260の突起受け部261が接触するのは、第1の状態においてロック部材260の突起受け部261が接触していた突起225と周方向において隣り合う突起225である。
そして、コイルばね240は、移動ピン230に固定される他方の端部245が、固定ピン270に固定される一方の端部243に側に引き寄せられ縮んだ状態となる。
【0142】
(d)第4の状態
図1及び図21(D)を参照しながら、第4の状態の伝達機構200を説明する。
第4の状態においては、回転軸14A及び回転軸14Aの周囲に設けられた現像器14Y、14M、14C、14K(図1参照)は停止している。
【0143】
まず、第4の状態において、回転円板220は回転することなく静止している。
一方で、第4の状態においては、ギア駆動部M3(図20参照)が駆動する。このことにより、ギアG30が回転軸14Aの回転方向とは反対の方向(矢印H参照)に回転する。
なお、上述のようにギアG30は回転軸14Aに対して固定されていない。したがって、ギア駆動部M3の駆動を受けてギアG30が回転した際、回転軸14Aは静止した状態を維持する。
【0144】
ギアG30が回転軸14Aの回転方向とは反対の方向(矢印H参照)に回転することに伴い、ギアG30のピン溝253に配置された移動ピン230が、ピン案内部227の外周側面227cに沿って回転円板220の面上を移動する。
より詳細には、移動ピン230は、第1の状態乃至第3の状態までの間移動ピン230を受けていたピン受け部229から外れ、ピン案内部227の外周側面227cに沿って回転軸14Aの回転方向とは反対の方向(矢印H参照)に移動する。そして、第1の状態乃至第3の状態までの間移動ピン230を受けていたピン受け部229と、周方向において隣り合うピン受け部229に受けられる。なお、上述のように挿入された移動ピン230がピン溝253内でギアG30の径方向に変位可能な寸法で形成されている。このことにより、移動ピン230は、外周側面227cから回転円板220の回転中心から遠ざかる向きに突出させて形成された部分を超えて、ピン受け部229への移動が可能となる。
この移動ピン230の移動に伴い、移動ピン230が固定ピン270から引き離されるため、移動ピン230と固定ピン270とを接続するコイルばね240は伸長する。
【0145】
そして、移動ピン230が、隣り合うピン受け部229に受けられた後に、ギア駆動部M3が停止する。この状態は、上記第1の状態と同様の状態となる。
【0146】
さて、本実施の形態において、ロータリ現像器14Rを有する現像装置14が、画像形成装置1側からの着脱及び交換されることが可能となる。このことにより、画像形成装置1付き部品の簡素化、またはユーザの操作性向上を行うことが可能となる。
【0147】
ここで、現像装置14を着脱することに伴い、画像形成装置1に対する現像装置14の位置が変化することもあり得る。一方で、上述のようにロック部材260は、画像形成装置1側である筺体2(図1参照)によって支持されており、現像装置14を着脱した場合であっても、ロック部材260の位置は画像形成装置1に対して変化しない。
更に説明すると、ロック部材260の位置は変化しないため、現像装置14に設けられた回転円板220の突起225と掛かり合う突起受け部261の位置も変化しない。
【0148】
このことにより、現像装置14に設けられたロータリ現像器14Rの位置決め精度が向上する。さらに説明すると、例えばロータリ現像器14Rに設けられた現像器14Y、14M、14C、14K(図1参照)を現像位置に配置する精度が向上する。よって、現像装置14を着脱することに伴い、感光体ドラム11(図1参照)に現像されるトナー像の画質が劣化することが抑制される。
【0149】
さらに、ギア駆動部M3が画像形成装置1側である筺体2(図1参照)によって支持されていることにより、現像装置14の小型化/簡素化を実現することができる。
さらにまた、上述のように現像器14Y、14M、14C、14K(図1参照)の現像位置への位置決め及び切り替えを、ギア駆動部M3を除き、メカニカル機構として行う。そして、このメカニカル機構を現像装置14に備えることにより、現像器14Y、14M、14C、14K(図1参照)の現像位置への位置決め及び切り替えに際し、他のユニットの作用を受けない。したがって、現像位置への位置決めを行うための介在部品が減少することによる、位置精度の向上がなされる。また、ギア駆動部M3を除き、エレキ部材を用いた制御手段が不要であり、現像装置14の小型化/簡素化を実現することができる。
【0150】
更に説明すると、現像器14Y、14M、14C、14K(図1参照)の切り替えをトーションスプリング140又はコイルばね240の弾性エネルギの蓄積/解放といった簡素なメカニカル機構で行い、ギア駆動部M3を除きエレキ部品やその制御機能設けることなく装置の小型化/簡素化/低コスト化を実現することができる。
【0151】
さて、上述の説明では、図19に示す矢印Eに沿って、リアプレート93、ポジションプレート210、ギアG30の順で配置されるとしたが、これに限定されない。例えば、図19に示す矢印Eに沿って、リアプレート93、ギアG30、ポジションプレート210の順で配置されてもよい。この場合、ギアG30とポジションプレート210との間に、固定ピン270、コイルばね240が設けられ、ギアG30側のポジションプレート210の面にピン案内部227が配置されるように構成される。
【符号の説明】
【0152】
1…画像形成装置、2…筺体、10…画像形成部、11…感光体ドラム、12…帯電装置、13…露光装置、14…現像装置、14A…回転軸、20…転写装置、21…転写ドラム、23…先端グリッパ、27…後端グリッパ、30…定着装置、40…用紙供給部、50…制御部、51…供給経路、52…排出経路、93…リアプレート、200…伝達機構、210…ポジションプレート、220…回転円板、230…移動ピン、240…コイルばね、260…ロック部材、G30…ギア、S…用紙
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置本体と、
前記画像形成装置本体に対して着脱自在に設けられ、軸部を中心として回転可能に設けられた複数の現像部と、
前記画像形成装置本体側に設けられる規制部と、
前記複数の現像部側に設けられるとともに、前記規制部と掛かり合うことで回転する当該複数の現像部の回転を停止させ、当該複数の現像部のいずれかの現像部を前記画像形成装置本体に対して予め定めた位置に配置する被規制部と
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記複数の現像部は、当該複数の現像部を一体として前記画像形成装置本体に対して着脱自在に設けられることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記画像形成装置本体は、回転可能に配置され外周面に画像を保持する像保持体を有し、
前記規制部は、前記複数の現像部のいずれかの現像部を前記画像形成装置本体に設けられた前記像保持体に対して予め定めた位置に配置することを特徴とする請求項1または2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記複数の現像部に設けられ、前記画像形成装置本体側から駆動力を受けることに応じて弾性変形し、当該弾性変形が復元することに伴い当該複数の現像部を回転させる回転部をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至3記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記画像形成装置本体は、前記複数の現像部が前記軸部を中心として回転する駆動力を供給する駆動源を有することを特徴とする請求項1乃至4記載の画像形成装置。
【請求項6】
画像形成装置本体に対して着脱自在に設けられ、軸部を中心として回転可能に設けられた複数の現像部と、
画像形成装置本体側に設けられる規制部に対して掛かり合うことで、回転する前記複数の現像部の回転を停止させ、当該複数の現像部のいずれかの現像部を当該画像形成装置本体に対して予め定めた位置に配置する被規制部と
を備えることを特徴とする現像装置。
【請求項1】
画像形成装置本体と、
前記画像形成装置本体に対して着脱自在に設けられ、軸部を中心として回転可能に設けられた複数の現像部と、
前記画像形成装置本体側に設けられる規制部と、
前記複数の現像部側に設けられるとともに、前記規制部と掛かり合うことで回転する当該複数の現像部の回転を停止させ、当該複数の現像部のいずれかの現像部を前記画像形成装置本体に対して予め定めた位置に配置する被規制部と
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記複数の現像部は、当該複数の現像部を一体として前記画像形成装置本体に対して着脱自在に設けられることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記画像形成装置本体は、回転可能に配置され外周面に画像を保持する像保持体を有し、
前記規制部は、前記複数の現像部のいずれかの現像部を前記画像形成装置本体に設けられた前記像保持体に対して予め定めた位置に配置することを特徴とする請求項1または2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記複数の現像部に設けられ、前記画像形成装置本体側から駆動力を受けることに応じて弾性変形し、当該弾性変形が復元することに伴い当該複数の現像部を回転させる回転部をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至3記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記画像形成装置本体は、前記複数の現像部が前記軸部を中心として回転する駆動力を供給する駆動源を有することを特徴とする請求項1乃至4記載の画像形成装置。
【請求項6】
画像形成装置本体に対して着脱自在に設けられ、軸部を中心として回転可能に設けられた複数の現像部と、
画像形成装置本体側に設けられる規制部に対して掛かり合うことで、回転する前記複数の現像部の回転を停止させ、当該複数の現像部のいずれかの現像部を当該画像形成装置本体に対して予め定めた位置に配置する被規制部と
を備えることを特徴とする現像装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21−1】
【図21−2】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21−1】
【図21−2】
【公開番号】特開2012−173637(P2012−173637A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−37480(P2011−37480)
【出願日】平成23年2月23日(2011.2.23)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年2月23日(2011.2.23)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]