説明

画像形成装置及び画像形成装置に着脱可能なユニット

【課題】例えば、画像形成装置を長期にわたって使用した場合であっても、記録紙の判別精度を維持可能な画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置は、記録媒体の種類を検知するためのセンサと、像担持体に画像を形成する画像形成部と、像担持体に形成された画像が一次転写される中間転写体とを含む。また、画像形成装置は、中間転写体に形成された画像を記録媒体に二次転写する二次転写部と、画像が二次転写された記録媒体を加熱及び加圧して、記録媒体に画像を定着させる定着部と、コントローラを含む。コントローラは、センサで検知した記録媒体の種類に応じて定着部における定着条件を設定する。中間転写体とセンサとが中間転写体ユニットとして構成される。中間転写体ユニットは、画像形成装置の本体に着脱可能である。中間転写体ユニットはセンサによって記録媒体を判別するために使用される情報を記憶する記憶部を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置及び画像形成装置に着脱可能なユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
複写機、レーザープリンタ等の画像形成装置は、記録紙の種類に応じて画像形成条件を変更することが望ましい。記録紙には様様な種類のものがあり、普通紙、光沢紙、ラフ紙、厚紙、薄紙、OHT(Overhead transparency)等がある。これらの種類に応じて画像形成条件を設定して記録紙に形成される画像の質を安定化することが望ましい。例えば、画像形成装置本体に設けられた操作パネル等から記録紙のサイズや種類(以下、紙種ともいう)がユーザによって設定され、その設定に応じて定着処理条件(例えば、定着温度や定着装置を通過する記録紙の搬送速度)が制御される。
【0003】
記録紙の種類をユーザが入力する手間を省くため、画像形成装置の内部に記録紙を判別するためのセンサを設けることも提案されている(特許文献1)。これによれば、記録紙の表面画像をCMOSセンサによって撮像することで記録紙の種類を判別し、画像形成条件(例えば、現像条件、転写条件あるいは定着条件)を可変制御している。
【0004】
さらに、記録紙を判別するセンサに対向する位置に発光源を設け、記録紙からの透過光を検出することで記録紙の厚みを判別する装置も提案されている(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−182518号公報
【特許文献2】特開2001−139189号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記の技術は、画像形成が繰り返しされることによって、LEDやセンサの表面に紙粉やトナー等が付着してしまうと、種類や厚みの誤判別が発生してしまうという問題も含んでいる。この問題を解決するために、補正板を用いて反射型光学センサの出力補正(キャリブレーションとも言う)を行うことで、付着した紙粉やトナーの影響を緩和する方法も考えられる。
【0007】
しかし、画像形成装置を長期間にわたって使用する場合や大量にプリント(画像形成)を行う場合においては、反射型光学センサのLEDやセンサの表面に紙粉やトナーが付着して汚れが一定レベルを超えてしまう可能性が高くなる。つまり、センサの出力の補正を行っても判別精度が劣化してしまうことが想定される。例えば、画像形成速度が速い(単位時間当たりの画像形成枚数が多い)高速の装置では、長期間にわたって大量に画像形成を行う可能性が高い。しかも、高速の装置では記録紙が数多く搬送される。よって、紙粉がLEDやセンサの表面に付着してしまう可能性が高くなる。
【0008】
また、反射型光学センサの表面の紙紛やトナーをユーザによって除去(清掃)できるように構成することも考えられる。しかし、その場合はユーザが紙紛やトナーを除去する手間が発生する。また、反射型光学センサをユーザがアクセスできるような構成にする必要があり装置の大型化につながるおそれがある。
【0009】
そこで、本発明は、このような課題および他の課題のうち、少なくとも1つを解決することを目的とする。例えば、画像形成装置を長期にわたって使用した場合であっても、記録紙の判別精度を維持可能な画像形成装置を提供することを目的とする。なお、他の課題については明細書の全体を通して理解できよう。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る画像形成装置は、記録媒体の種類を検知するためのセンサと、像担持体に画像を形成する画像形成部と、像担持体に形成された画像が一次転写される中間転写体と、中間転写体に形成された画像を記録媒体に二次転写する二次転写部と、画像が二次転写された記録媒体を加熱及び加圧して、記録媒体に画像を定着させる定着部と、センサで検知した記録媒体の種類に応じて定着部における定着条件を設定するコントローラとを有する。中間転写体とセンサとが中間転写体ユニットとして構成される。中間転写体ユニットは、画像形成装置の本体に着脱可能である。中間転写体ユニットはセンサによって記録媒体を判別するために使用される情報を記憶する記憶部を有する。
【0011】
また、本発明に係るユニットは、画像形成装置に着脱可能なユニットである。ユニットは、像担持体に形成された画像が一次転写される中間転写体と、記録媒体の種類を検知するためのセンサと、センサによって記録媒体を判別するための情報を記憶する記憶部とを有する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、画像形成装置を長期間にわたって使用する場合や大量に画像形成を行う場合でも記録紙の判別精度を維持できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】実施形態に係る画像形成装置の一例を示す概略構成図である。
【図2】実施形態に係る記録紙判別センサの一例を示す図である。
【図3】センサ制御部の内部構成の一例を示すブロック図である。
【図4】実施形態に係る記録紙判別方法の一例を示すフローチャートである。
【図5】中間転写体ユニットの一例を示す斜視図である。
【図6】センサ制御部の内部構成の一例を示すブロック図である。
【図7】中間転写体ユニットに搭載されたメモリ608のメモリマップの一例を示す図である。
【図8】センサ制御部の内部構成の一例を示すブロック図である。
【図9】実施形態に係る記録紙判別方法の一例を示すフローチャートである。
【図10】実施形態に係る記録紙判別のための閾値を示す図である。
【図11】実施形態に係る記録紙判別のための閾値と抵抗値との関係を示す図である。
【図12】センサ制御部の内部構成の一例を示すブロック図である。
【図13】記録紙判別センサの受光部の感度調整の回路図である。
【図14】実施形態に係る記録紙判別のための閾値を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に本発明の一実施形態を示す。以下で説明される個別の実施形態は、本発明の上位概念、中位概念および下位概念など種々の概念を理解するために役立つであろう。また、本発明の技術的範囲は、特許請求の範囲によって確定されるのであって、以下の個別の実施形態によって限定されるわけではない。
【0015】
[実施形態1]
図1は、実施形態に係る画像形成装置の一例を示す概略構成図である。この画像形成装置は、中間転写体を採用したカラーレーザビームプリンタである。なお図1のような方式のカラーレーザビームプリンタをタンデム方式のプリンタとも言う。なお、画像形成装置は、例えば、印刷装置、プリンタ、複写機、複合機、ファクシミリとして実現されてもよい。画像形成方式は、例えば、電子写真方式、静電記録方式、磁気記録方式、インクジェット方式、昇華方式、オフセット印刷方式であってもよい。
【0016】
図1に示すように、画像形成装置本体100は、記録紙101を給送ローラ102で給送して、中間転写体103に向けて搬送する。像担持体である感光ドラム104は、図示しない駆動モータの動力によって所定の速度で図の矢印方向に回転駆動され、その回転過程で1次帯電器105によって一様に帯電処理される。
【0017】
画像形成部の一部であるレーザビームスキャナ106は、画像信号に対応して変調されたビデオ信号に応じてレーザの光量を制御しながら出力して、レーザを感光ドラムに照射する。これにより、感光ドラム104上に静電潜像が形成される。現像器107は、静電潜像に現像剤である粉体のトナーを付着させてトナー像(現像剤像)を形成する。感光ドラム104上に形成されたトナー像は、感光ドラム104と接触して回転する中間転写体103上に一次転写される。その後、中間転写体103の回転と同期をとって適切なタイミングで搬送されてきた記録紙101を、転写バイアスを印加された二次転写ローラ108が中間転写体103に圧接する。二次転写ローラ108は二次転写部の主要機構である。これにより、トナー像が記録紙101上に二次転写される。
【0018】
廃トナークリーニングユニット109は、感光ドラム上に残留したトナーを除去する。廃トナー容器110は、廃トナークリーニングユニット109によって回収された廃トナーを収納する。
【0019】
感光ドラム104、1次帯電器105、レーザビームスキャナ106、現像器107、廃トナークリーニングユニット109、廃トナー容器110は、使用されるトナーの色数分、用意される。例えば、ブラック、イエロー、マゼンタ、シアンの4色のトナーが使用される場合、これらは、4色分用意される。図1のBkがブラック用、Yがイエロー用、Mがマゼンタ用、Cがシアン用の感光ドラムである。各色用の感光ドラム、1次帯電器、レーザビームスキャナ、現像器、廃トナークリーニングユニット、廃トナー容器は構成が同一である。廃トナー容器は、トナーを回収する回収部の一例である。
【0020】
定着部の一例である定着器111は、定着ヒータ112を内蔵した定着ローラ113と、定着ローラ113に圧接するための加圧ローラ114を備えている。定着器111が記録紙101を加熱及び加圧することによりトナー像が定着され、画像形成物として機外へ排出される。記録紙は、例えば、記録材、記録媒体、用紙、シート、転写材、転写紙などと呼ばれることもある。
【0021】
商用電源115に接続された電源装置116は、交流から直流への整流作用をもち、画像形成プロセスで消費される電力を各部へ供給する。
【0022】
記録紙判別センサ117は、記録紙の種類などを判別するために使用される電気素子の一例である。本発明では、記録紙判別センサ117が、中間転写体103を主体とする消耗品ユニットに取り付けられていることを特徴としている。この消耗品ユニットは、装置の使用によって劣化する消耗部材を含むユニットであって、画像形成装置本体100に対して着脱可能であり、画像形成装置本体が使用される間に交換が必要なユニットである。記録紙判別センサ117は、消耗品ユニットに取り付けられているため、消耗品ユニットともに交換される。
【0023】
そして消耗品ユニットが画像形成装置本体に装着された状態で、記録紙判別センサ117が記録紙を搬送する搬送路120の近傍に配置される。つまり、消耗品ユニットの本体に対する固定位置と記録紙の搬送路120との位置関係に基づいて記録紙判別センサ117を消耗品ユニットに設ける位置を決定する。
【0024】
透過光用のLED118は、記録紙の厚みや坪量を測定するために使用される。すなわち、透過光用のLED118は、電気部品(例:記録紙判別センサ117)に対して記録紙、拡散板(後述する)を挟んだ対向側に設けられ、記録紙の厚み若しくは坪量を検知するために使用される発光手段の一例である。透過光用のLED118も記録紙判別センサ117の一部と考えてもよい。119はユーザが各種設定を行うことのできる操作パネルである。
【0025】
図2は、実施形態に係る記録紙判別センサの一例を示す図である。記録紙判別センサ117は、図2に示すように、第一の発光手段の一例である反射光用のLED201、第一の受光手段の一例であるフォトトランジスタ203、第二の受光手段の一例であるフォトトランジスタ202を有している。さらに、第二の発光手段の一例である透過光用のLED118を有する構成としても良い。本実施形態では、少なくとも反射光用のLED201、フォトトランジスタ202、203を有している。透過光用のLED118は画像形成装置の本体側に設けられている。図2によれば、透過光用のLED118は、記録紙判別センサ117に対して記録媒体の搬送路120(図1)を挟んだ対向側に設けられている。なお、反射光用のLED201や透過光用のLED118は、記録紙に光を照射するための発光素子の一例である。また、フォトトランジスタ202、203は、記録紙からの光を受光する受光素子の一例である。
【0026】
反射光用のLED201を光源とする光は、照射用のスリット205を介して記録紙搬送ガイド206上の記録紙101の表面に対し照射される。また、記録紙搬送ガイド206には、記録紙101の裏面側から光を照射するための窓を設けてある。そして、窓の部分に光を拡散させる拡散板211が設けられている。この拡散板211は反射光用のLED201からの光の一部を反射することができ、かつ、透過光用のLED118からの光の一部を透過することができる。拡散板211としては例えば白色のプラスチック製の板を用いることができる。
【0027】
記録紙101からの反射光は、受光用の第1スリット207、第2スリット208を介して集光され、しそれぞれフォトトランジスタ202、203により受光される。フォトトランジスタ202の乱反射成分の出力とフォトトランジスタ203の正反射成分の出力を検出することによって、記録紙101の光沢度が決定される。
【0028】
透過光用のLED118を光源とする光は、光を集光させるためにある集光ガイド210を通って記録紙101の裏面へ照射される。記録紙101からの透過光は、第1スリット207、第2スリット208を介してフォトトランジスタ202、203により受光される。これによって記録紙101からの透過光量を検出する。
【0029】
本実施形態では、反射光用のLED201は、LED光が記録紙101表面に対し、図2に示すように所定の角度をもって光を照射(すなわち記録紙に対して斜め方向から光を照射)するよう配置されている。また、本実施形態では、透過光用のLED118は、図2のようにフォトトランジスタ202の真下の位置に配置されている。
【0030】
図3は、センサ制御部の内部構成の一例を示すブロック図である。すでに説明した個所には、同一の参照符号を付している。中間転写体ユニット300は、上述した中間転写体103を中心とした消耗品ユニットである。エンジンコントローラ301は、画像形成装置本体100に搭載された制御部である。とりわけ、エンジンコントローラ301は、センサで検知した記録媒体の種類に応じて定着部における定着条件を設定する。
【0031】
エンジンコントローラ301には、次のような制御部が搭載されている。発光素子駆動部304は、反射光用のLED201及び透過光用のLED118を駆動する。メイン制御部305は、例えば、発光素子駆動部を制御する。メイン制御部305には、各種制御を実行するために、例えば、CPU、ROM、RAMなどが備えられている。なお、エンジンコントローラ301やメイン制御部305は、センサの検知結果である記録媒体に種類に応じて画像形成条件を設定するコントローラの一例である。
【0032】
信号処理部306は、フォトトランジスタ202,203からの各出力値を16bitの分解能でA/D変換するなど、出力値(出力信号)に対して処理を施す。例えば、信号処理部306は、出力値から記録紙の光沢度を示す(正反射出力/乱反射出力)値、記録紙の光透過性を示す(紙有り状態での拡散透過出力/紙無し状態での拡散透過出力)値を求める。なお、拡散透過出力とはLED118から拡散板、記録紙を透過した光をフォトトランジスタ202で受光することで出力される値である。また、比較部307は、信号処理部306で行われた結果を基にあらかじめメモリ308等の記憶素子に格納されている設定値と比較演算する演算部である。
【0033】
メモリ308は、例えば、EEPROMのような不揮発メモリである。メモリ308は、記録紙を判別するために使用する設定値などを格納している。例えば、メモリ308は、設定値として、工場出荷時などに基準板(または基準紙)を用いて取得された正反射光量から算出された発光光量値LSR、乱反射光量から算出された発光光量値LDRを格納している。このLSRとLDRの値に基づいて発光素子駆動部304が発光部としてのLED201を駆動する電圧を調整して発光光量が調整される。つまり、このLSRとLDRとは受光部であるフォトトランジスタ202、203の受光感度のばらつきと発光部としてのLED201の発光光量のバラツキを調整するために用いられる。
【0034】
中間転写体ユニット300には、発光素子や受光素子からなる記録紙判別センサに加え、中間転写体ユニットの新品検知のためのヒューズ抵抗309を備えている。メイン制御部305は、ヒューズ抵抗309が溶断されていなければ、新品の中間転写体ユニット300が本体に装着されている判定する。一方、ヒューズ抵抗309が溶断されていれば、一度、画像形成装置に装着されて使用が開始されたユニット(使用済みのユニット)であると判定される。なお、ヒューズ抵抗309が溶断されていなければ、エンジンコントローラ301が備えるヒューズ抵抗溶断回路(図示略)が、ヒューズ抵抗309を溶断する。これにより、中間転写体ユニット300は、新品状態から使用開始状態へと変更される。
【0035】
図4は、実施形態に係る記録紙判別方法の一例を示すフローチャートである。ここでは、記録紙判別センサ117により取得された光沢度を示す(正反射出力(光量)/乱反射出力(光量))値によって、記録紙の種類を、OHT、普通紙、グロス紙・グロスフィルムの何れかであるかを判別する。これらは、種類の例示にすぎない。本実施形態では、反射光用のLED201の発光光量を2段階に切り替えるものとする。
【0036】
ステップS401で、発光素子駆動部304は、反射光用のLED201を光量A1で発光させる。その際、透過光用のLED118は消灯している。ステップS402で、フォトトランジスタ203は、正反射光を受光し、フォトトランジスタ202が乱反射光を受光する。ステップS403で、信号処理部306は、各フォトトランジスタからの出力値を信号処理し、記録紙の光沢度を示す値Pa1(正反射出力(光量)/乱反射出力(光量))値を算出する。
【0037】
ステップS404で、比較部307は、あらかじめメモリ308に格納されている光沢度判別用の閾値Ta1を、メイン制御部305を通じて取得し、光沢度を示す値Pa1と比較演算する。Ta1<Pa1であれば、ステップS405に進む。ステップS405で、メイン制御部305は、記録紙の種類をOHTであると判別し、OHT用の画像形成条件を設定する。
【0038】
一方で、Ta1>Pa1であれば、ステップS406に進み、メイン制御部305は、反射光用のLED201が光量A2(>A1)で発光するよう、発光素子駆動部304に指示を送出する。この指示に応じて、発光素子駆動部304は、光量A2(>A1)で発光するよう反射光用のLED201を駆動する。
【0039】
ステップS407で、フォトトランジスタ203は正反射光を受光し、フォトトランジスタ202が乱反射光を受光する。ステップS408で、信号処理部306は、各フォトトランジスタからの出力値を信号処理し、記録紙の光沢度を示す値Pa2(正反射光量/乱反射光量)を算出する。
【0040】
ステップS409で、比較部307は、メモリ308から読み出した設定値としての光沢度判別用の閾値Ta2と、光沢度を示す値Pa2を比較演算する。Ta2≧Pa2であれば、ステップS410に進む。ステップS410で、メイン制御部305は、記録紙の種類を普通紙であると判別し、普通紙用の画像形成条件を設定する。
【0041】
一方、Ta2≧Pa2が満たされなければ、ステップS411に進む。ステップS411で、メイン制御部305は、記録紙の種類をグロス紙・グロスフィルム紙であると判別し、画像形成条件を設定する。
【0042】
ここで閾値としてTa1とTa2の2種類を設定しているのは、まずTa1でOHTか否かを判定してから、Ta2を用いて普通紙かグロス紙・グロスフィルム否かを判別するためである。
【0043】
次に、紙粉やトナーの汚れによる記録紙判別センサの出力劣化補正方法(キャリブレーション)について説明する。なお、紙粉やトナーによって記録紙判別センサの出力が劣化する理由は、紙粉やトナーが図2におけるスリット205、207、208からセンサ内部に入り込んで発光及び受光される光の強度が弱まるからである。
【0044】
まず、中間転写体ユニットが新品時において、LEDから補正部材(例えば基準板等)に向けて出射された光の正反射光をフォトトランジスタ203が受光し、乱反射光をフォトトランジスタ202が受光する。ここで、フォトトランジスタ203で受光した出力値をCIA、フォトトランジスタ202で受光した出力値をCIBとする。
【0045】
なお、工場出荷時から装置本体に中間転写体ユニットを組み込む場合には、工場出荷時にこの動作が実行される。
【0046】
このときの正反射光量の出力値CIAと乱反射光量の出力値CIBをそれぞれ、初期出力値としてメモリ308にあらかじめ記憶させておく。この工程は、LEDやフォトトランジスタが紙粉やトナーによって汚れていない状態(もしくは、画像形成装置の使用初期の状態など)に実行されば良いため、ユーザが画像形成装置を初めて使用する際に実行されてもよい。画像形成装置を始めて使用する場合には、例えば、上記の拡散板211に光を照射して正反射光と乱反射光の出力値を用いることができる。
【0047】
ここで一例を説明する。プリントジョブを画像形成装置が受信し、記録紙が記録紙判別センサ117まで給紙される前に、メイン制御部305は、上記と同様な手順で各LEDを発光させて補正部材としての拡散板211からの反射光をフォトトランジスタ203、202で受光する。なお、拡散板を設けない場合は、補正部材としての拡散板や基準板を、図2において、記録紙搬送ガイド206に設けられた穴を塞ぐような位置に一時的に配置すればよい。
【0048】
ここで、補正部材としての拡散板から受光した正反射光についての出力値をCPAとし、乱反射光についての出力値をCPBとする。拡散板からの現在の出力値であるこれらCPA、CPBの各値を、メモリ308に一次的に記憶する。初期に記憶しておいたCIAとCIB、プリント開始時に測定したCPA・CPBの値から、メイン制御部305は、補正係数a、bを求める。
【0049】
なお、CPA及びCPBの測定はプリントを開始するタイミングで毎回実行しても良いし、毎回実行せずに所定枚数プリントする毎(例:100枚プリントする毎)に実行するようにしても良い。
【0050】
a = CPA / CIA (a<0)
b = CPB / CIB (b<0)
次に、プリント時に記録紙が記録紙判別センサ117を通過する際に、メイン制御部305は、反射光用のLED201を発光させる。記録紙からの正反射光をフォトトランジスタ203が受光し、乱反射光をフォトトランジスタ202が受光する。このときの出力値をそれぞれPSA、PSBとする。信号処理部306は、メモリ308から補正係数a、bを読み出し、各出力値PSAとPSBを以下のように補正係数で補正してPCA、PCBを得る。
【0051】
PCA = PSA / a
PCB = PSB / b
このように記録紙判別センサ117の出力値を補正する。しかし、このような補正を行っても画像形成装置が長期にわたって使用された場合や大量に画像形成が行われた場合には、発光素子や受光素子の表面に紙紛やトナーが付着して光量が大幅に低下してしまうことが考えられる。つまり、上記のような補正を行っても、記録紙の判別精度を維持できないケースが想定される。
【0052】
図5は、中間転写体ユニットの一例を示す斜視図である。中間転写体ユニットは、中間転写ベルトなどの中間転写体103、残留トナークリーナ501、残留トナーボックス502、ベルト駆動ローラ503、従動ローラ504、二次転写ローラ108を備えている。二次転写ローラ108は、二次転写ローラ108とともにペアをなしている。
【0053】
中間転写体103は、ベルト駆動ローラ503、従動ローラ504、二次転写ローラ108に張架されており、図示した矢印の方向へ回転駆動される。感光ドラム104から中間転写体103へ一次転写されたトナー像は、二次転写ローラ108で記録紙101へと二次転写される。二次転写ローラ108は、上述した二次転写ローラ108と対を成している。中間転写体103の周上において二次転写ローラ108とその下流側の一次転写部との間には、中間転写体103に残留した残留トナーを掻き取るための残留トナークリーナ501が設けられている。残留トナークリーナ501によって掻き取られた残留トナーは、残留トナーボックス502に回収される。なお、残留トナークリーナ501から残留トナーボックス502へのトナー回収機構については周知の構成であるため説明を省略する。
【0054】
中間転写体103は消耗部材であって、長期間の使用によってベルト表面が劣化して、形成するトナー画像に画像不良が生じてしまうことがある。また、画像形成装置を長期にわたって使用した場合や大量に画像形成を行った場合には、残留トナーボックス502内が回収したトナーで一杯になってしまうことがある。そのため、中間転写体ユニット300を交換する必要がある。
【0055】
図5が示すように、記録紙判別センサ117は、中間転写体ユニット300に備え付けられている。消耗品ユニットである中間転写体ユニット300は新しいユニットに交換されるため、それに伴って、記録紙判別センサ117も一緒に交換されることになる。つまり、紙粉やトナーによって判別精度が劣化する可能性のある記録紙判別センサ117が新しいものと交換されることになる。よって、発光素子や受光素子の表面に紙紛やトナーが付着して光量が大幅に低下してしまい、補正を行っても、記録紙の判別精度を維持できないケースの発生が抑制される。すなわち、本体の使用開始から製品寿命まで記録紙判別センサ117の判別精度を十分に維持することが可能となる。
また、上述したように、消耗品ユニットとしての中間転写体ユニット300が装置本体に装着された状態で記録紙判別センサ117が画像形成装置の搬送路120の近傍に位置される。本例では、記録紙判別センサ117と搬送路120に搬送される記録紙との距離が約5mm程度になるように設定している。この距離はセンサの感度や性能などによって適宜決定すればよい。
【0056】
なお、中間転写体ユニット300が交換されると、中間転写体ユニット300に備えられた新品検知のためのヒューズ抵抗309によって、メイン制御部305は、新品であるか否かを検知する。新品の中間転写体ユニット300が検知されるか、操作パネル119から新品であることが設定されると、メイン制御部305は、初期出力値CIA、CIBの値を再度取得してメモリ308に記憶しなおす。
【0057】
本実施形態によれば、画像形成装置本体の製品寿命よりも短いサイクルで交換が必要な消耗品ユニットに、記録紙の種類を判別するために使用される電気素子を設けた。この電気素子は、消耗品ユニットに取り付けられていることで消耗品ユニットともに交換される。よって、製品寿命の長い画像形成装置であっても使用開始から製品寿命まで記録紙の判別精度を維持できる。
【0058】
特に電気素子または電子部品が、発光素子や受光素子により構成されている場合、紙粉やトナーの影響を受けやすいため、本実施形態は特に有効に作用しよう。
【0059】
[実施形態2]
本実施形態においては、実施形態1と同様の部分の説明は省略し、異なる部分を中心に説明する。本実施形態では、記録紙の種類を判別するために使用される情報を記憶した記憶素子も消耗品ユニットに備える構成について説明する。
【0060】
図6は、センサ制御部の内部構成の一例を示すブロック図である。すでに説明した個所には、同一の参照符号を付している。図3と比較すると、記憶部の一例であるメモリ308に代えて、メモリ608が採用されている。しかも、メモリ608は、中間転写体ユニット300に搭載されている。メモリ608は、EEPROMのような不揮発メモリにより構成可能である。メモリ608は、メモリ308と同様に、記録紙判別センサからの出力補正等に使用される設定値を記憶している。設定値は、上述したように、例えば、工場出荷時などに取得された発光光量値LSR、LDR、初期出力値CIA、CIB及び光沢度判別閾値Ta1、Ta2などである。
【0061】
一般的に、記録紙判別センサ117が使用する反射光用のLED201には、取り付け位置にバラツキがある。また、記録紙判別センサ117の中間転写体ユニット300への取り付け位置にもバラツキが生じてしまう。このようなバラツキが存在すると、光沢度を示す値Pa1、Pa2にも、中間転写体ユニットごとにバラツキが生じる。そのため、記録紙を判別するための光沢度判別閾値Ta1、Ta2が、固体によらず一定値であると、バラツキの大きなユニットによっては、記録紙判別精度が低下してしまうおそれがある。
【0062】
そこで、工場出荷時に中間転写体ユニットごとのバラツキに応じて、設定値である光沢度判別用の閾値Ta1、Ta2を調整し、中間転写体ユニット300に搭載されている不揮発性のメモリ608にあらかじめ記憶させておく。これにより、記録紙判別精度を向上させることができる。
【0063】
なお、上述した補正係数a、bについてもメモリ608に記憶しておけば、中間転写体ユニット300が交換されても、記録紙判別センサの出力劣化を精度よく補正できる。それにより、記録紙の判別精度も好適に維持できよう。
【0064】
図7は、中間転写体ユニットに搭載されたメモリ608のメモリマップの一例を示す図である。メモリ608には、発光光量値LSR、LDR、初期出力値CIA、CIB及び光沢度判別閾値Ta1、Ta2などが格納されている。これらの値が、メモリ308の代わりにメモリ608からメイン制御部305によって読み出され、記録紙の判別に使用される。具体的な調整方法や判別方法は、実施形態1で説明したとおりである。
【0065】
本実施形態によれば、記録紙の種類を判別するために使用される情報を記憶した記憶素子を消耗品ユニットに備えることで、記録紙の判別精度を実施形態1と同様に維持できる。とりわけ、発光光量値LSR、LDR、初期出力値CIA、CIB及び光沢度判別閾値Ta1、Ta2など、固体ごとの情報をメモリ608に格納しておくことで、記録紙判別センサの固体ごとのバラツキが記録紙の判別に考慮される。よって、実施形態2は、実施形態1よりも記録紙判別精度を向上させることができる可能性がある。
【0066】
本実施形態では、メモリ608を中間転写体ユニットに搭載する例を示したが、もちろん、本体の製品寿命よりも短いサイクルで交換される他の消耗品ユニットに搭載されてもよい。また、メモリ608は、EEPROMだけでなく、フラッシュ・メモリなど電気的に記憶内容を消去および書き込みすることができる記憶素子であればよい。
【0067】
[実施形態3]
実施形態3は、実施形態2の変形例である。すなわち、メモリ608に代えて、記憶素子として機能する可変抵抗器が採用されている。すなわち、可変抵抗器の抵抗値によって、記録紙の種類を判別するために使用される情報を表現することに特徴がある。以下で、上述の実施形態と共通する説明については省略し、異なる部分を中心に説明する。
【0068】
図8は、センサ制御部の内部構成の一例を示すブロック図である。すでに説明した個所には、同一の参照符号を付している。図6と比較すると、メモリ608に代えて、3つの可変抵抗器808、809及び809が採用されている。
【0069】
これらの可変抵抗器には、工場出荷時等に取得された各種の情報(実施形態1、2で説明したメモリ308や608に記憶されている値)が、抵抗値して保持されている。例えば、メイン制御部305は、抵抗値(実際には電圧値)をA/D変換して読み取り、読み取った値を比較部307、信号処理部306又は発光素子駆動部304などに渡す(出力する)。
【0070】
本実施形態では、例えば記録紙の種類を判別するための閾値を可変抵抗器で設定可能な構成を説明する。
【0071】
具体的には1つの可変抵抗器808の抵抗値を変えることによって4つのパターンの設定を可能にしている。図10と図11を用いて可変抵抗器を用いて設定される4つのパターンの設定値(閾値)を説明する。
【0072】
図10は、普通紙、厚紙、グロス紙(グロスフィルム)を判別するための閾値(実施形態1,2におけるTa2)を示している。この閾値は光沢度を示す値である正反射出力と乱反射出力との比で設定される。本実施形態では回転抵抗器の抵抗値を0Vから1.5Vの値に設定している。
【0073】
図11は、可変抵抗器808の抵抗値(1つの可変抵抗器の抵抗値を設定する)によって4つのパターンの設定値(閾値:図10の1,2,3,4)を設定する例を示している。抵抗値は0Vから1.5Vに設定されて光沢度を示す値と透過性を示す値との組み合わせからなる4つの設定値(閾値)を設定している。この設定値は、例えば、受光部としてのフォトトランジスタ202、203の受光感度のばらつき応じた設定値となっている。工場出荷時等に1つの可変抵抗器の抵抗値を調整して0Vから1.5Vのうちの適切な値に設定する。
【0074】
なお、図10における可変抵抗器809はOHTか否かを判別するための閾値を設定するためのものである(実施形態1,2におけるTa1に対応する)。
【0075】
また、図10における可変抵抗器810は発光部としてのLED201の光量を設定するためのものである(実施形態1,2における発光光量値LSRもしくはLDRに対応する)。
【0076】
図9は、実施形態に係る記録紙判別方法の一例を示すフローチャートである。すでに説明した個所には、同一の参照符号を付すことで、説明を簡潔にする。
【0077】
ステップS901で、メイン制御部305は、光沢度の判別用の閾値を設定した可変抵抗器から抵抗値に対応する電圧値をA/D変換を行って読み込む。ステップS902で、メイン制御部305は、不図示の不揮発メモリに記憶されているテーブルを参照して、読み込んだ電圧値に対応する光沢度判別閾値Ta1、Ta2を決定し、それを比較部に設定する。
【0078】
なお、上記の図11で示されている1〜4の閾値は閾値Ta2を示している。閾値Ta2と同様にTa1も可変抵抗器の抵抗値に応じて設定する。
【0079】
その後は、実施形態1で説明したとおりである。なお、発光光量値LSR、LDR及び初期出力値CIA、CIBについても、同様に、対応する可変抵抗器を設けて設定することができる。また、可変抵抗器から読み取った電圧値から、メイン制御部305が、テーブルを参照して決定してもよい。また、補正係数a,bについても、同様に、対応する可変抵抗器に抵抗値としてあらかじめ記憶させておいてもよい。
【0080】
このように、記憶素子は、メモリだけでなく、可変抵抗器によって実現されてもよい。もちろん、実施形態3において、実施形態2と同様の効果が奏される。
【0081】
本実施形態において可変抵抗器を3つ用いた例を説明したが、設定するパラメータの数に応じて可変抵抗器を3つ以外にすることもできる。
【0082】
以上、本実施形態によれば、EEPROM等の記憶素子の代わりに可変抵抗器を用いて設定値を記憶させておき、簡易な構成で記録紙の判別精度を実施形態1、2と同様に維持できる。
【0083】
[実施形態4]
実施形態4は、実施形態3の変形例である。本実施形態でも実施形態3と同様に、記憶素子として機能する可変抵抗器が採用されている。そして、更に可変抵抗器を用いて記録紙判別センサの受光部の感度を調整可能にしている点が特長である。以下で、上述の実施形態と共通する説明については省略し、異なる部分を中心に説明する。
【0084】
図12は、センサ制御部の内部構成の一例を示すブロック図である。すでに説明した個所には、同一の参照符号を付している。図8と比較すると、3つの可変抵抗器808、809及び809が採用されている点は共通するが、2つの可変抵抗器809,810の抵抗値に基づいて受光部の感度が調整されるようになっている点が異なる。
【0085】
図12において、可変抵抗器809の抵抗値によって受光部(フォトトランジスタ202)の受光感度が設定され、可変抵抗器810の抵抗値によって受光部(フォトトランジスタ203)の受光感度が設定される。なお、受光感度の設定とは、発光部であるLED201(またはLED118)から、ある一定の光量で発光した場合に受光部としてのフォトトランジスタ202,203で所定量以上の光量値を受信(出力)できるように抵抗値を設定することである。
【0086】
図13に受光部であるフォトトランジスタ202、203の受光感度を調整する回路図を示す。可変抵抗器809がフォトトランジスタ202に接続され、可変抵抗器810がフォトトランジスタ203に接続される。夫々の可変抵抗器の抵抗値を変更することで受光感度が調整可能である。また、抵抗器811はLED201の駆動電流を制限するための抵抗である。
工場出荷時等に、可変抵抗器809と810の抵抗値を調整して受光部であるフォトトランジスタ202,203の感度を調整しておく。なお可変抵抗器808の抵抗値は実施形態3と同様に閾値の設定に用いられる。
【0087】
さらに、可変抵抗器809と810を画像形成装置のメイン制御部305で読み取って得られた出力電圧を、記録紙を判別するための記録紙の光沢度を示す値、記録紙の光透過性を示す値の計算に使用することができる。そして計算した値を元に記録紙の判別を行う。
【0088】
なお、上記では図11に示されるように記録紙の透過性を示す値(閾値)である正透過出力と拡散透過出力との比は固定になっているが、この透過性を示す値を可変抵抗器の抵抗値に応じて設定することもできる。この場合は光沢度を示す値(閾値)と透過性を示す値(閾値)とのいくつかの組み合わせで閾値を設定することができる。
【0089】
例えば図14で示すように透過性を示す値として2種類(図の5と6)設定するようにして光沢度を示す値との組み合わせで複数のパターンの閾値を設定することができる。この場合は可変抵抗器の抵抗値を例えば0V〜3.0Vに設定して設定する電圧値の幅を広げて組み合わせを多くすることで対応可能である。
【0090】
さらに、上記の可変抵抗器808の抵抗値によって中間転写ユニットの有無を判断することも可能である。実施形態1では新品検知ヒューズを用いて中間転写体ユニットの有無を検知(判断)していた。しかし、このようなヒューズを用いなくてもよい。例えば、可変抵抗器の抵抗値の値が閾値設定の範囲外、つまり、最大抵抗値(上記では1.5Vや3.0V)よりも大きい抵抗値である場合に、中間転写体ユニットが無いと判断できる。逆に閾値設定の範囲内であれば中間転写体ユニットが有ると判断できる。また中間転写体ユニットの有無判断のタイミングとしては、電源オン時または画像形成装置のドアが閉じられた時など、中間転写体ユニットが交換される可能性のあるタイミングに設定される。
【0091】
[他の実施形態]
上述した実施形態では、透過光用のLED118についての出力補正(キャリブレーション動作については説明しなかったが、上述した実施形態と同様に出力補正を行うことができる。つまり、所定のタイミングで、LED118を発光させてフォトトランジスタ202,203からの各出力値をメモリ308やメモリ608に記憶させておくことができる。所定のタイミングは、例えば、出荷時の工程やプリントジョブを画像形成装置が受信して記録紙が記録紙判別センサ117まで給紙される前のタイミングである。
【0092】
また、上述した実施形態では、透過光用のLED118については画像形成装置本体100に備え付けられているものとして説明した。しかし、本発明はこれに限定されることはない。すなわち、透過光用のLED118も紙粉やトナーで汚れてしまう画像形成装置においては、中間転写体ユニット300や、それとは異なる他の消耗品ユニットに搭載してもよい。これにより、記録紙の種類のうち、厚みや坪量に関しても、使用開始から製品寿命まで別精度を維持できるようになろう。
【0093】
また、上述した実施形態の記録紙判別センサ117は、1つの発光素子と2つの受光素子とを備えているが、本発明はこれにのみ限定されるわけではない。すなわち、記録紙判別センサ117を、CMOSセンサやCCDセンサなどにより構成してもよい。なお、CMOSセンサやCCDセンサを用いる場合は2次元の画像を読み取ってデータを処理して記録紙の表面性を判別することができる。
【0094】
上述した実施形態では、記録紙判別センサ117を中間転写体ユニット300に搭載する例を説明した。しかし、本発明はこれにのみ限定されることはない。すなわち、画像形成装置本体の製品寿命よりも短いサイクルで交換される他の消耗品ユニットに記録紙判別センサ117等が搭載されてもよい。
本発明が適用可能な消耗品ユニットとしては、上記の中間転写体ユニットの他に、感光体または現像装置を有するカートリッジ、記録紙を吸着しながら搬送する静電吸着ベルトユニット等がある。これらのユニットが装置本体に装着された状態で、ユニットに設けられた記録紙判別センサの位置が記録紙の搬送路に近接する位置になるように配置される。言い換えれば、記録紙判別センサの位置が記録紙の搬送路に近接する位置に配置可能であれば、上記以外のユニットにも適用可能である。
【0095】
上述した実施形態では、反射光用のLED201と、フォトトランジスタ202、203とも中間転写体ユニット300に取り付けられていた。しかし、必ずしも両者が中間転写体ユニット300に取り付けられている必要はない。すなわち、記録紙に光を照射するための発光素子と、記録紙からの光を受光する受光素子との少なくとも一方が消耗品ユニットに取り付けられていれば、従来技術よりも判別精度を維持できるようになるからである。
【符号の説明】
【0096】
100画像形成装置
101記録紙
102給送ローラ
103中間転写体
104感光ドラム
105一次帯電器
106レーザビームスキャナ
107現像器
108二次転写ローラ
109廃トナークリーニングユニット
110廃トナー容器
111定着器
112定着ヒータ
113定着ローラ
114加圧ローラ
115商用電源
116電源装置
117記録紙判別センサ
118透過光用LED
119操作パネル
201反射光用LED
202フォトトランジスタ
203フォトトランジスタ
204透過光用LED
304発光素子駆動部
305メイン制御部
306信号処理部
307比較部
308メモリ
309新品検知ヒューズ
608メモリ
808可変抵抗器
809可変抵抗器
810可変抵抗器
811LED電流制限抵抗

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置であって、
記録媒体の種類を検知するためのセンサと、
像担持体に画像を形成する画像形成部と、
前記像担持体に形成された画像が一次転写される中間転写体と、
前記中間転写体に一次転写された画像を前記記録媒体に二次転写する二次転写部と、
前記画像が二次転写された記録媒体を加熱及び加圧して、該記録媒体に該画像を定着させる定着部と、
前記センサで検知した記録媒体の種類に応じて前記定着部における定着条件を設定するコントローラと
を有し、
前記中間転写体と前記センサとが中間転写体ユニットとして構成され、前記画像形成装置の本体に着脱可能であって、
前記中間転写体ユニットは、前記センサによって記録媒体を判別するために使用される情報を記憶する記憶部を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記センサは、
前記記録媒体に光を照射するための発光部と、
前記記録媒体からの光を受光する受光部と
を含むことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記コントローラは、前記記憶部に記憶されている前記情報を使用して、前記センサによって記録媒体を判別するための閾値を設定することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記記憶部は、前記情報を抵抗値として保持する抵抗器を含み、
前記コントローラは、前記センサによって記録媒体を判別するための閾値を前記抵抗値に応じて設定することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記センサは、
前記記録媒体に光を照射するための発光部と、
前記記録媒体からの光を受光する受光部と
を含み、
前記記憶部は、抵抗値を設定可能な抵抗器を含み、
前記抵抗値に応じて、前記受光部の受光感度または前記発光部の発光光量を設定することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記センサに対して記録媒体の搬送路を挟んだ対向側に設けられ、記録媒体の厚み又は坪量を検知するために使用される発光部をさらに含み、
前記発光部は、前記画像形成装置の本体に備えられていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項7】
画像形成装置に着脱可能なユニットであって、
像担持体に形成された画像が一次転写される中間転写体と、
前記中間転写体から前記画像が二次転写されることになっている記録媒体の種類を検知するためのセンサと、
前記センサによって前記記録媒体を判別するための情報を記憶する記憶部と
を有することを特徴とするユニット。
【請求項8】
前記センサは、
前記記録媒体に光を照射するための発光部と、
前記記録媒体からの光を受光する受光部と
を含むことを特徴とする請求項7に記載のユニット。
【請求項9】
前記記憶部は、前記センサによって記録媒体を判別するための閾値に関わる情報を記憶するメモリを含み、
前記メモリに記憶されている前記情報を使用して、前記画像形成装置のコントローラが記録媒体を判別するための閾値を設定することを特徴とする請求項7に記載のユニット。
【請求項10】
前記記憶部は、前記情報を抵抗値として保持する抵抗器を含み、
前記画像形成装置のコントローラが記録媒体を判別するための閾値は前記抵抗値に応じて設定されることを特徴とする請求項7に記載のユニット。
【請求項11】
前記センサは、
前記記録媒体に光を照射するための発光部と、
前記記録媒体からの光を受光する受光部とを含み、
前記記憶部は、抵抗値を設定可能な抵抗器を含み、
前記受光部の受光感度または前記発光部の発光光量は前記抵抗値に応じて設定されることを特徴とする請求項7に記載のユニット。
【請求項12】
さらに、前記中間転写体に残留した現像剤を回収する回収部を有することを特徴とする請求項7に記載のユニット。
【請求項13】
画像形成装置であって
画像を形成する画像形成部と、
記録媒体の種類を検知するためのセンサと、
前記センサの検知結果に応じて前記画像形成部の画像形成条件を設定するコントローラと、
を有し、
前記記録媒体に画像を形成するための消耗部材と、前記センサと、前記センサによって記録媒体を判別するために使用される情報を記憶する記憶部とを有するユニットが前記画像形成装置に着脱可能であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項14】
さらに、前記記録媒体を搬送する搬送路を有し、
前記ユニットが前記画像形成装置に装着された状態で、前記センサが前記搬送路の近傍に配置されることを特徴とする請求項13に記載の画像形成装置。
【請求項15】
前記消耗部材は、前記記録媒体に画像を転写するための中間転写体を含むことを特徴とする請求項13に記載の画像形成装置。
【請求項16】
画像形成装置に着脱可能なユニットであって、
記録媒体に画像を形成するための消耗部材と、
センサと、
前記センサによって記録媒体を判別するために使用される情報を記憶する記憶部と
を有することを特徴とするユニット。
【請求項17】
前記消耗部材は、前記記録媒体に画像を転写するための中間転写体を含むことを特徴とする請求項16に記載のユニット。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate


【公開番号】特開2012−238027(P2012−238027A)
【公開日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−180650(P2012−180650)
【出願日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【分割の表示】特願2008−56627(P2008−56627)の分割
【原出願日】平成20年3月6日(2008.3.6)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】