説明

画像形成装置

【課題】 簡単な構成で、シートのたるみをなくし、しわの発生やシートが定着ローラに巻き込まれることを防止する。さらに、これに加えて、連続ウェブの一方の面に転写したトナー像の所定位置に対して、このウェブの他方の面に転写するトナー像の転写位置のずれを抑えることができることを課題とする。
【解決手段】 制御手段700は、検知手段600の検知結果により、記録媒体Pの物理的変化量を判定し、この判定結果に基づき、定着手段300での記録媒体Pの繰り出し速度を制御することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一方の面または両面に転写したトナー像を一括して定着する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
シートの両面にトナーを転写する構成として、特許文献1のようなものが開示されている。この構成は、〔0041〕および〔図7〕に開示されているように、印刷ユニットと中間転写ベルト36とを組み合わせた第1の印刷ステーション4と、第1の印刷ステーション4とは左右対称な構成の第2の印刷ステーション41とからなる。第1の印刷ステーション4と第2の印刷ステーション(裏面印刷ステーション)41とは、線対称的に並行に配置されている。
【0003】
このような構成において、記録用紙3は印刷ステーション4と裏面印刷ステーション41の間を垂直に上方へ搬送し、印刷ステーション4の上部において再転写手段38で中間転写ベルト36に形成されたフルカラー画像244が記録用紙3の一方の面(表面)に転写される。
【0004】
次いで、記録用紙3は折り返しロール34により搬送方向をかえ、裏面印刷ステーション41の上部において第2の再転写手段381により、第2の中間転写ベルト361に形成された第2のフルカラー画像245を記録用紙3の他方の面(裏面)に転写される。
【特許文献1】特開2002−268320号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、記録用紙3に転写されたトナー像を定着すると、記録用紙3に含まれている水分が蒸発し、記録用紙3が収縮する。この収縮により、記録用紙3の面にトナー画像を転写する位置がずれてしまうおそれがある。また、記録用紙3の一方の面(表面)の転写位置がずれると、記録用紙3の他方の面(裏面)の転写位置もずれてしまう。
記録用紙3の所定の転写位置にトナー画像を一致させることは難しい。
【0006】
特に、記録用紙3が、長尺シートの出力を実施する場合、または連続紙のような連続ウェブにより出力する場合、特に記録用紙3の出力が高速である場合には、転写位置の位置ズレが顕著に発生しやすくなる問題がある。また、記録用紙3の両面の所定の転写位置にトナー画像を転写することは難しい。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明は、請求項1においては、搬送手段により記録媒体を繰り出して、記録媒体の一方の面または両面にトナー像を転写する1つ以上の転写手段と、記録媒体上に転写されたトナー像を定着する定着手段と、搬送手段と定着手段間を移動する記録媒体を検知する検知手段と、定着手段による記録媒体の繰り出し速度を制御する制御手段とを有し、制御手段は、検知手段の検知結果により、記録媒体の物理的変化量を判定し、この判定結果に基づき、定着手段での記録媒体の繰り出し速度を制御することを特徴とする。
【0008】
また、請求項2においては、搬送手段は、記録媒体を挟持して回転する一対のローラであることを特徴とする。請求項3において、検知手段は、各転写手段の間、または最後の転写手段の転写位置から定着手段の間に設けられていることを特徴とする。
【0009】
さらに、請求項4において、記録媒体は大判若しくは長尺シートまたは連続ウェブであり、搬送手段と定着手段との間にある記録媒体に一定のテンションを与える付勢手段が設けられ、検知手段は前記付勢手段のテンション力を検知することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
上記構成により、本発明によれば、高速で、連続ウェブに一方の面または両面に出力する場合であっても、簡単な構成で、記録媒体の片面または両面の転写位置のずれを抑えることができる。さらに、これに加えて、シートのたるみをなくし、しわの発生やシートが定着ローラに巻き込まれることを防止する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の形態を、図1を参照として説明する。先ず、本発明の画像形成装置は、各トナー担持体により、連続ウェブ(以下単に、記録媒体という。)の表裏両面に表、裏の順でカラー画像を転写し、次いでこれら未定着のカラー画像を表裏一括して定着する構成よりなる。
【0012】
図1に本発明の画像形成装置の概略を示す。画像形成装置は、搬送手段100と画像形成部200と付勢手段500と定着手段300と検知手段600と制御手段700とからなる。
【0013】
搬送手段100は、記録媒体Pを画像形成部200に繰り出すものであり、記録媒体Pを挟持して回転する回転体からなる。なお、この実施の形態では、ローラ対が開示されている。以下、搬送手段100を搬送ローラ対とよぶ。搬送ローラ対100は、記録媒体Pを繰り出し中に記録媒体Pがずれたり、滑ったりしないように、一定の接触圧をもった状態で記録媒体Pを挟持している。
【0014】
さらに、搬送手段100と画像形成部200との間には補助搬送ローラ110が設けられている。補助搬送ローラ110は、後に述べる付勢手段500と協働して、搬送手段100から定着手段300を移動する記録媒体Pに一定の張力を与えるものである。
【0015】
また、補助搬送ローラ110は、後に述べる第1の画像形成部210の転写位置から解除する(記録媒体Pの表面にカラートナー(トナー)像を転写しない)場合には、記録媒体Pが一定の張力を保った状態で第1の画像形成部210から離間するように配置されている。
【0016】
画像形成部200は、カラー画像を形成するものであり、大別して、記録媒体Pの表面(図で見て下面)にカラー画像を形成するための第1の画像形成部210、並びに記録媒体Pの裏面(図で見て上面)にカラー画像を形成する第2の画像形成部220からなる。
【0017】
図示のように第1の画像形成部210と第2の画像形成部220とはほぼ左右対称の構成をなしており、第1の画像形成部210が、中間転写ベルト230に対して、下から順に、ブラック(BK)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の画像を形成され、中間転写ベルト230の頂上部(第1支持手段251)においてそこに形成されたカラー画像を記録媒体Pの表面に転写する。さらに、第2の画像形成部220は中間転写ベルト240に対して、上から順にブラック(BK)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の画像が形成され、中間転写ベルトの下端において記録媒体Pの裏面に画像が転写される。なお、この実施の形態において、画像の形成は、上から順にブラック(BK)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)となっているが、これに限定されることはなくイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(BK)としてもよい。
【0018】
各色のトナー像を形成する感光ドラムBK1、C1、M1、Y1並びにBK2、C2、M2、Y2は、使用するトナーの色(Y、M、C、BK)並びに帯電、転写等の各種の設定値が異なることを除いては、物理的にはほぼ同じ構成よりなる。このため以下においては第1の画像形成部210の黒色トナー用の感光体BK1への黒色画像の形成について、その周囲に配置された画像形成機器について説明するが、その他の感光ドラムBK1、M1、C1、Y2、M2、C2、BK2の周囲にも同様な画像形成機器が配置されている。
【0019】
感光ドラムY1はOPC感光体、アモルファスシリコン感光体等の周知の感光体をアルミニウム等の円筒基体の表面に設けた構成よりなり、図1で見て、作動時には時計方向に所定の速度で回転する。感光ドラムY1の周囲に作動順に、感光ドラムY1上の残留電荷を除去するイレーサランプ211、感光ドラムY1の表面を特定極性に一様に帯電するコロナ帯電器212、帯電された感光ドラムY1の表面に黒色信号に応じたデジタル光信号を投射することにより所望の情報に基づいた静電潜像を形成するためのLED露光装置213、感光ドラムY1の表面に形成された静電潜像を黒色トナーにより現像する現像装置214、中間転写ベルト230の背面側からトナーと逆極性の帯電を行うことにより感光ドラムY1上に形成されたトナー像を中間転写ベルト230の表面に転写する転写ローラ215(または転写コロナ放電器)、転写後に感光ドラムY1表面上に残留するトナー粉体を除去するためのクリーナー216を有する。
【0020】
感光ドラムC1、M1、BK1についても、感光ドラムY1と同様に上記したイレーサランプ211、コロナ帯電器212、露光装置213、現像装置214、転写ローラ215、クリーナー216がそれぞれ設けられているが、それぞれが形成するトナー像の色が異なり、感光ドラムY1についてはC1についてはシアン、M1についてはマゼンタ、BK1については黒のそれぞれの色に対応した色画像信号に基づく露光と、対応する色のトナーが用いられている。
【0021】
各中間転写ベルト(230、240)は誘電性表面(トナー像担持体面)を有する幅広のエンドレスベルトよりなり、支持手段(250、260)により支持され、画像形成時には反時計方向に各感光ドラムBK1、C1、M1、Y1の周速と同速度で移動する。
【0022】
この移動に伴い、中間転写ベルト230の表面に、感光ドラムBK1に形成された黒色のトナー像が、次いで感光ドラムC1、M1、Y1のそれぞれに形成されたシアン色トナー像、マゼンタ色のトナー像、イエロー色のトナー像が順に転写されて積層されてフルカラートナー画像またはマルチカラートナー画像が形成される。
【0023】
支持手段(250、260)は、図1に示すように、第1支持手段(251、261)と第2支持手段(252、262)とからなり、上下に間隔を隔てて設けられている。第1支持手段(251、261)はローラからなる。第2支持手段(252、262)は、第1支持手段(251、261)と向かい合う頂部ローラ(253、263)と、中間転写ベルト(230、240)に一定のテンションをかけるための二つの補助ローラ(254、255)(264、265)とからなる。なお、各ローラの表面は、中間転写ベルト(230、240)の接触部分ですべりが生じないように、ブラストメッシュ加工が施されている。
【0024】
第1の画像形成部210側の転写手段270および第2の画像形成部220の転写手段280は、図示しないバイアス電源に連結されており、画像形成時に所定の転写バイアスが印加される転写装置(転写帯電器) と剥離装置(除電帯電器)を含む。
【0025】
さらに、第2の画像形成部220側の転写装置(転写帯電器)および剥離装置(除電帯電器)は、コロナワイヤとコロナワイヤを覆うコロナハウス281からなる。コロナワイヤは、コロナハウス281の内側に、適数本、図の例では1本張架され、コロナワイヤおよびコロナハウス281は、中間転写ベルト240の幅方向に延びている。コロナハウス281は、アース接地されており、中間転写ベルト240に対向して配置されている。
【0026】
なお、この実施の形態において、転写手段(270、280)は、転写装置(転写帯電器)と剥離装置(除電帯電器)としているが、これに限定されることはなく転写ローラであっても良い。
【0027】
第1の画像形成部210側の転写手段230および第2の画像形成部220側の転写手段240は、トナー担持面から離れる方向に退避させる接離手段400(410、420)が設けられている。接離手段400(410、420)は、各々記録媒体Pの表裏面にフルカラートナー画像またはマルチカラートナー画像を転写する転写位置からこれら転写手段400(410、420)を各々独立してまたは連動して若しくは同期解除するものである。この構成により、記録媒体Pの一方の面または記録媒体Pの両面のいずれかを選択して、記録媒体Pに画像を出力することができる。
【0028】
第1の画像形成部210側の接離手段410は、転写手段270および各案内ローラ411を枠体412に取り付け、所定の範囲(矢印方向A)で揺動するように、その枠体412を図示しない装置のフレームに軸支されている。
【0029】
図1に示すように、各案内ローラ411は、転写手段270を転写位置にセットした時に、頂部ローラ253側に僅かに食い込む(中間転写ベルト230の内側)ように配置されている。この配置により、各案内ローラ411は、移動する記録媒体Pの表面を中間転写ベルト230側に接するように作用させて、中間転写ベルト230と転写手段270との転写部位の幅を広くして転写効率を高めることができる。さらに、装置の作動中に、記録媒体Pにテンションを与えて転写部位での記録媒体Pのたるみをなくすことができる。
【0030】
第2の画像形成部220側の接離手段420は枠体422とガイドローラ421と図示しない位置決手段とからなる。枠体422にはコロナハウス281が取り付けられている。ガイドローラ421は、第1の画像形成部210から移動してきた記録媒体Pを第2の画像形成部220の転写部位に案内するものである。位置決手段は、コロナハウス281を転写位置にセット/解除するものである。
【0031】
ガイドローラ421はコロナハウス281の移動に追従するように構成されている。具体的には、図1に示すように、位置決手段(図示せず)によりコロナハウス281を転写位置にセットした場合には、頂部ローラより若干高くなるように、ガイドローラ421が配置される。また、位置決手段により、コロナハウス281を転写位置から解除した場合には、ガイドローラ421が矢印B方向側に押し下がって、第2のトナー担持面(転写ベルト240)に記録媒体Pが当接しないように配置される。
【0032】
付勢手段500は、搬送手段100と定着手段300との間を移動する記録媒体Pに適宜のテンションを与えて、記録媒体Pのたるみをなくすものであり、第1の画像形成部210と第2の画像形成部220との間に設けられている。
【0033】
付勢手段500はアーム部510とフレーム部520とからなる。アーム部510の一端側には当接ローラ530が設けられている。一方、アーム部510の他端はフレーム部520に取り付けられている。アーム部510間の上面には検知片540が設けられている。なお、アーム部510は、フレーム部520に対し、取り付け角度を変えることができるようにしても良い。
【0034】
フレーム部520は、先に述べたようにアーム部510の他端を支持するものであり、図示しない装置のフレームに取り付けられている。フレーム部520は、先に述べたように装置(図示せず)のフレームに取り付けられる側板521と、側板521の上面を覆い、側板521間を橋渡す天板522と、側板521間に軸支された固定ローラ523とからなる。
【0035】
固定ローラ523は、補助搬送ローラ110と協動して、記録媒体Pを一定の張力を持った状態で搬送ローラ対100と定着手段300間を移動させるものである。さらに、フレーム部520の天板522には、検知手段600が設けられている。
【0036】
検知手段600は、記録媒体Pが搬送手段100から定着手段300の間を移動する時に、特に、定着によって生じた記録媒体Pの物理的変化を検知するものである。検知手段600は、アーム部510の上面に設けられた検知片540に接続されている。この実施の形態において、検知手段600はひずみセンサであり、検知片540を介してフレーム部520のひずみを検知している。検知手段600の検知結果は、後に述べる制御手段700に送られる。
【0037】
制御手段700は、検知手段600の検知結果により、記録媒体Pの物理的変化を検出して、定着手段300の記録媒体Pの繰り出し速度を制御するものである。
【0038】
定着手段300は、表裏両面または一方の面に未定着のカラートナー(トナー)像を担持した記録媒体Pを定着するものである。この例では図に示すように、定着手段300は2つの定着ローラ310を有し、記録媒体Pに対し片面定着または両面一括定着できる構成となっている。
【0039】
定着ローラ310は熱伝導率の良い、例えばアルミニウム製の円筒管の外周にシリコンゴム等の弾性層を0.8〜10mm程度の厚さに被覆し、更にその表面にはテフロン(登録商標)被膜が形成されている。
【0040】
定着ローラ310の弾性層の外周には、定着ローラ310表面の温度を検知するサーミスタ等の温度センサ(図示せず)が設けられており、このセンサからの信号を受けて図示しない制御手段700により加熱手段をオンオフ制御して定着ローラ310の温度を所定の温度範囲内に維持すべくしている。
【0041】
さらに、2つの定着ローラ310は互いに圧接するように配置されており、駆動手段によりそれぞれ矢印AおよびBの方向に回転するようになっている。かかる定着ローラ310の回転は、ほぼ同じ速度とされている。定着ローラ310の円筒管内にはそれぞれ赤外線ランプ(またはハロゲンランプ)等の加熱手段が設けられている。
【0042】
次に、本発明の作用について説明する。なお、この実施の形態では、記録媒体Pの両面に一括定着したもので説明する。先ず、定着手段300で定着中の記憶媒体は、加熱で記録媒体Pに含まれる水分が失われ、定着前の記録媒体P部位に比べ僅かに収縮してしまう。特に、この収縮は、記憶媒体に担持しているトナーの量(印字率)によって影響を受けやすく、担持しているトナーの量が多い(高印字率)であるほど、定着手段300より上流側の記録媒体Pの収縮率は高くなりやすい。
【0043】
これにともない、定着前の記録媒体P部位が定着手段300側に、僅かに、引っ張られようとする。この時、搬送ローラ対100および定着手段300(定着ローラ対)は、各々一定の接触圧をもった状態で、一定の速度で記録媒体Pを繰り出している。
【0044】
この結果、記録媒体Pは、一定の速度を保とうとするため、定着による収縮分だけ、搬送ローラ対100から定着手段300までの移動距離が短くなるように作用しようとする。この作用は記録媒体Pを上方に持ち上げようとする力である。この実施の形態では、僅かに、記録媒体Pの表面に当接する付勢手段500の当接ローラ530が浮き上がろうとする力である。
【0045】
この浮力が作用しようとすると同時に、アーム部510の他端を中心として上方に撓もうとする。仮に、アーム部510が撓むと、その撓み分だけ、検知片540が所定位置から動く。検知手段600は、この検知片540の動きを検知する。
【0046】
検知手段600による検知結果は制御手段700に送られる。制御手段700は、検知結果に基づき、定着によって生じた記録媒体Pの物理的変化を検出する。制御手段700は、検出結果に基づいて、定着ローラ310の回転を僅かに遅くする。
【0047】
定着による収縮分だけ、定着ローラ310の回転を僅かに遅くすると、定着手段300での記録媒体Pの繰り出し速度が遅くなるため、僅かに、記録媒体Pにたるみが発生する。記録媒体Pにたるみが発生すると、搬送ローラ対100から定着手段300までの移動距離が正規の長さに徐々に復帰する。
【0048】
これにともない、記録媒体Pの表面に当接する当接ローラ530は浮き上がった状態からもとの位置に戻り、アーム部510はもとの位置に復帰する。さらに、検知片540が元の位置に復帰する。検知手段600が元の位置に復帰したことを検知すると、予め設定された一定の張力と一定の速度をもって記録媒体Pを繰り出すこと(もとの状態に復帰)ができるように、再び、制御手段700は定着ローラ310の回転を速くする。
【0049】
このように、定着による記録媒体Pの物理的変化量を検出して、この検出結果に応じて、定着手段300の記録媒体Pの繰り出し速度を制御することにより、記録媒体Pに担持されたカラートナー(トナー)像のずれを抑えることができる。特に、検知手段600にひずみセンサを適用することにより、僅かなアーム部510の撓みを検知することができ、記録媒体Pが連続ウェブであったり、記録媒体Pの繰り出しが高速であったりする場合には有効である。
【0050】
なお、この実施の形態において、検知手段600はひずみセンサを適用しているがこれに限定されるものではない。例えば、図2に示すように、検知手段600を位置センサとし、さらに、アーム部510の他端をフレーム部520に回転自在に支持させる構成にする。
【0051】
この構成により、定着による記録媒体Pの物理的変化を、アームの振れを検知に基づいて、定着ローラ310対の回転を制御して、記録媒体Pに担持されたカラートナー(トナー)像のずれを抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明の画像形成装置の概略図。
【図2】本発明の画像形成装置の他の実施例の要部概略図。
【符号の説明】
【0053】
100 搬送手段
200 画像形成部
270 第1の転写手段
280 第2の転写手段
300 定着手段
600 検知手段
700 制御手段
P 記録媒体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送手段により記録媒体を繰り出して、前記記録媒体の一方の面または両面にトナー像を転写する1つ以上の転写手段と、前記記録媒体上に転写されたトナー像を定着する定着手段と、前記搬送手段と前記定着手段間を移動する前記記録媒体を検知する検知手段と、前記定着手段による前記記録媒体の繰り出し速度を制御する制御手段とを有し、
前記制御手段は、前記検知手段の検知結果により、前記記録媒体の物理的変化量を判定し、この判定結果に基づき、前記定着手段での前記記録媒体の繰り出し速度を制御することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記搬送手段は、前記記録媒体を挟持して回転するローラ対であることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記検知手段は、各前記転写手段の間、または最後の前記転写手段の転写位置から前記定着手段の間に設けられていることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記記録媒体は大判若しくは長者シートまたは連続ウェブであり、
前記搬送手段と前記定着手段との間にある前記記録媒体に一定のテンションを与える付勢手段が設けられ、
前記検知手段は前記付勢手段のテンション力を検知することを特徴とする請求項1、2または3記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2006−153999(P2006−153999A)
【公開日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−341065(P2004−341065)
【出願日】平成16年11月25日(2004.11.25)
【出願人】(000165136)桂川電機株式会社 (66)
【Fターム(参考)】