説明

画像形成装置

【課題】トナー回収容器に貯留されるトナーの山を崩してトナーの偏在を解消することで、その容器の実質的な容量を増加させることができる。
【解決手段】このユニット10は、ドラムユニット3の感光体ドラムを回転駆動するドラム駆動ユニット2のDCモータ22と、この感光体ドラムの表面からクリーニング装置により除去された未転写のトナーを回収するトナー回収容器4とを有し、DCモータ22が発生する振動を、このDCモータ22と感光体ドラムとの間に介装された大口径ギア21を支持するプレート24の突起部6を介して、前記クリーニング装置とトナー回収容器4との接続部36aに伝達するように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリンタ、複写機、ファクシミリ装置、それらの機能を併せ持つ複合機などの画像形成装置に関し、詳しくはその廃トナー回収に関するものである。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置は、所定の画像情報に基づく強弱を備えた光信号を回転している像担持体としての感光体ドラムの周面に照射し、これによって形成された静電潜像にトナーを供給してトナー像を形成し、このトナー像を被転写体としての例えば用紙に転写するようになっている。このような画像形成装置においては、用紙への転写処理後の感光体ドラムの周面に未転写のトナーが残留している。このトナーを感光体ドラムの周面から除去して清浄化し、つぎの転写処理に備えるためのクリーニング装置が設けられるとともに、このクリーニング装置で除去されたトナーを回収してトナー回収容器に貯留する廃トナー回収装置が設けられている。
【0003】
しかし、従来の廃トナー回収装置においては、図6(a)に示すように、トナー回収容器4に貯留されるトナー40は粉体であるため、容器本体41内でトナー入口42の直下を頂点とする山状に堆積して、トナー回収容器4の実質的な貯留容量を大幅に減少させるといった問題があった。
【0004】
かかる問題を解決する廃トナー回収装置として、例えば特許文献1に記載されたものが公知となっている。この特許文献1記載のものは、トナー回収容器を画像形成装置の外装カバーの開閉動作に連動するように当該画像形成装置に装着され、特に外装カバーが開放されたときにトナー回収容器がスプリングの付勢力に抗して一旦装置本体内から引き出された後に外装カバーとの係止状態が解除され、スプリングの付勢力によって装置本体の所定のフレーム等に叩きつけられるようになっている。外装カバーは、画像形成装置の所定のメンテナンスの度に開閉されるため、メンテナンスの都度トナー回収容器がフレームに叩きつけられ、このときの衝撃によってトナー回収容器内で形成されたトナーの山状の堆積物が崩され、これによってトナー回収容器内のトナーの偏在が解消され、そのトナー回収容器の実質的な貯留容量が増加する。
【特許文献1】特開2004−126156号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の廃トナー回収装置においては、トナー回収容器内のトナーの偏在解消は、トナーの補充を含むメンテナンス作業時の外装カバーの開放周期に依存しているため、メンテナンスが長時間に亘って行われないため外装カバーが開閉されなかった場合など、トナー回収容器内にトナーの偏在を解消させることができなくなるといった問題があった。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、トナー回収容器内のトナーの偏在を防止して常に確実に最大の貯留容量を確保することのできる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、モータと、このモータで回転駆動される感光体ドラムと、この感光体ドラムの表面から未転写のトナーを除去するクリーニング部と、このクリーニング部で除去されたトナーを回収するトナー回収容器とを有する画像形成装置であって、前記モータの回転駆動時に発生する振動を、前記トナー回収容器に伝達する振動伝達機構を設けたことを特徴とするものである。
【0008】
ところで、従来は、感光体ドラムを含むドラムユニットと、モータを含むドラム駆動ユニットとが別に存在しており、駆動の連結を両者のカップリングを介して行う機構が採用され、通常は、装置本体に装着されたドラム駆動ユニットのジョイント部に向かって、装置本体横からドラムユニットが装着されるような配置となっている。
【0009】
しかし、そのような配置では、ドラム駆動ユニットは、装置の操作側とは反対側に配置され、トナー回収容器は装置の操作側に配置されていたため、前記モータの回転駆動時に発生する振動を、前記トナー回収容器に伝達する振動伝達機構を設けようとすると、その構成が非常に複雑なものとなってしまう。
【0010】
また、かかる配置では、ドラムユニットのドラム軸とドラム駆動ユニットの大口径ギアとの軸合わせが困難であり、大口径ギアとモータピニオンのピッチ間がずれやすく、画質の低下や騒音の発生を招くおそれがある。
【0011】
そこで、請求項2記載の発明のように、装置本体の操作側からその反対側にかけて横架される前記感光体ドラムおよび前記クリーニング部に対して、前記装置本体の操作側に前記モータおよび前記トナー回収容器が配置されるように、該モータを前記感光体ドラムおよび前記クリーニング部とユニット化するとともに、前記トナー回収容器を前記クリーニング部に着脱自在に接続することが好ましい。
【0012】
しかし、そのように配置すると、画質の低下や騒音の発生を招くおそれがなくなるものの、モータの回転駆動時の振動が少なくなり、トナー回収容器にその振動が伝達しにくくなってしまう。そこで、請求項3記載の発明のように、前記振動伝達機構として、前記モータを前記トナー回収容器に実質的に当接可能とすることが好ましい。
【0013】
具体的には、モータを直接トナー回収容器に当接させて、そのモータで発生する振動を利用することの他、さらにモータと感光体ドラムとの間に介装されるギア(大口径ギア)で発生する振動をも積極的に利用することが考えられる。そこで、請求項4記載の発明のように、前記モータからの回転駆動力を前記感光体ドラムに伝達するギアを備え、前記振動伝達機構は、前記ギアの支持板を前記トナー回収容器に当接させたものであることが好ましい。
【0014】
さらに、トナー回収容器内に案内されたトナーは、クリーニング部と前記トナー回収容器との接続部の直下を頂点とする山状に堆積するため、その山を崩してトナーの偏在を解消するには、当該接続部付近を振動させるのが効果的である。そこで、請求項5記載の発明のように、前記振動伝達機構は、前記支持板の少なくとも一部を前記クリーニング部と前記トナー回収容器との接続部に向けて突出させ、その突出部を前記接続部に当接させたものであることが好ましい。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、前記モータの回転駆動時に発生する振動を、前記トナー回収容器に伝達する振動伝達機構が設けられたので、メンテナンス作業時の外装カバーの開放周期などに依存することなく、トナー回収容器に貯留されるトナーの山を崩してその容器内にトナーの偏在を解消させ、トナー回収容器の実質的な容量を増加させることができる。したがって、常に確実にトナー回収容器の最大の貯留容量を確保することができる。
【0016】
請求項2記載の発明によれば、装置本体の操作側からその反対側にかけて横架される前記感光体ドラムおよび前記クリーニング部に対して、前記装置本体の操作側に前記モータおよび前記トナー回収容器が配置されるように、該モータが前記感光体ドラムおよび前記クリーニング部とユニット化されるとともに、前記トナー回収容器が前記クリーニング部に着脱自在に接続されるので、前記トナー回収容器に伝達する振動伝達機構の構成が非常に簡単なものとなる。また、かかる配置では、前記感光体ドラムを含むドラムユニットのドラムギアと、前記モータを含むドラム駆動ユニットの大口径ギアの軸合わせが不要となり、大口径ギアとモータピニオンのピッチ間のずれによる、画質の低下や騒音の発生を招くおそれがなくなる。
【0017】
請求項3記載の発明によれば、前記振動伝達機構として、前記モータを前記トナー回収容器に実質的に当接可能とされるので、前記モータの回転駆動時に発生する振動が大きい場合はもちろんのこと、たとえ上記のような配置による静音化に伴い前記モータの回転駆動時に発生する振動が小さくなっていたとしても、その振動をトナー回収容器に確実に伝達することができるようになる。
【0018】
請求項4記載の発明によれば、前記モータからの回転駆動力を前記感光体ドラムに伝達するギアを備え、前記振動伝達機構は、前記ギアの支持板を前記トナー回収容器に当接させたものであるので、モータで発生する振動を利用することに加えて、さらにモータと感光体ドラムとの間に介装されるギアで発生する振動をも積極的に利用することにより、両振動を、前記トナー回収容器に確実に伝達することができる。
【0019】
請求項5記載の発明によれば、前記振動伝達機構は、前記支持板の少なくとも一部を前記クリーニング部と前記トナー回収容器との接続部に向けて突出させ、その突出部を前記接続部に当接させたものであるので、モータの回転駆動時に発生する振動を、クリーニング部とトナー回収容器との接続部に伝達することにより、そのトナー回収容器内において前記接続部の直下を頂点として山状に堆積するトナーを崩して、そのトナーの偏在を効果的に解消することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
図1は本発明の一実施形態に係るプリンタ1の全体構成を示す断面図である。同図に示すように、このプリンタ(画像形成装置の一例)1は、箱状のプリンタ本体101内において、帯電装置102で図中のA方向に回転する感光体ドラム103の周面が一様に帯電され、外部から入力されたプリントデータに基づくレーザ光BがLSU等の露光部104によってその感光体ドラム103の周面に照射されて静電潜像が形成され、感光体ドラム103の周面に形成された静電潜像に現像装置105からトナーが供給されることによってその感光体ドラム103の周面にトナー像が形成されるようになっている。
【0021】
一方、用紙Pが給紙装置200から感光体ドラム103に向けて搬送路300で搬送され、転写ローラ106により感光体ドラム103表面のトナー像が用紙Pの表面に転写されるようになっている。転写後の感光体ドラム103に残留したトナーは、クリーニング装置107によって除去され、その後の感光体ドラム103の残留電荷は除電装置(図略)によって除去されるようになっている。
【0022】
クリーニング装置(クリーニング部)107は、用紙への画像の転写が終了した後、感光体ドラム103の表面に残留している未転写のトナーを清掃するものである。このクリーニング装置107には、開口が感光体ドラム103の周面に対向するように形成された所定のケーシング内に、感光体ドラム103と平行なブラシ軸まわりに順方向(感光体ドラム103の回転方向と逆方向)に回転するファーブラシと、感光体ドラム103の回転方向におけるファーブラシの下流側(ファーブラシより上位)に先端が感光体ドラム103の周面と摺接するように設けられたブレードと、このブレードによって除去されファーブラシによって回収されたトナーを詳しくは後述するユニット10のトナー回収容器4(図2参照。)に運び出すスクリューフィーダとが装着されている。
【0023】
そして、転写ローラ106で感光体ドラム103からの未定着トナー像が転写された用紙Pは定着ローラユニット108に搬送され、ここでトナー像が定着された用紙Pは、そのまま(或いは、図略のスイッチバック部で反転されて両面プリントされた後に)、搬送ローラ対109および排出ローラ対110を順に経由して排紙トレイ111に排出されるようになっている。上記帯電装置102、感光体ドラム103、露光部104、現像装置105、転写ローラ106、クリーニング装置107等により、通常の電子写真方式の技術を用いて用紙Pへのプリント処理を行う画像形成部100が構成される。
【0024】
給紙装置200は、プリンタ本体101の下部に形成された上下二段のカセット収容部にそれぞれ着脱自在に収容される給紙カセット210,220を備えている。給紙カセット210,220は、それぞれ用紙Pの収納カセットとして、リフト板211,221上に複数の用紙Pを積層させた状態で収納できるものであり、この給紙カセット210,220から用紙Pを取り出すためのピックアップローラ212,222と、このピックアップローラ212,222で取り出された用紙Pを1枚ずつ搬送路300に送り出す(捌く)ための給紙ローラ対213,223とを備えている。
【0025】
搬送路300は、第1搬送路301、第2搬送路302、第3搬送路303及び第4搬送路304からなり、第1搬送路301は、用紙Pへのプリント処理を行う時に、給紙カセット210からピックアップローラ212で取り出された用紙Pを、給紙ローラ対213、搬送ローラ対214及びレジストローラ対215を介して、感光体ドラム103に送り出すものである。第2搬送路302は、給紙カセット220からピックアップローラ222で取り出された用紙Pを、給紙ローラ対223及び搬送ローラ対224を介して前記第1搬送路301に送り出すものである。第3搬送路303は、前記第1搬送路301から送り出された用紙Pを、感光体ドラム103から定着ローラユニット108に向けて送り出すものである。第4搬送路304は、前記第3搬送路303から送り出された用紙Pを定着ローラユニット108から搬送ローラ対109を介して排出ローラ対110に向けて送り出すものである。
【0026】
図2はドラムユニット3、ドラム駆動ユニット2およびトナー回収容器4を一体化したユニット10を示す外観斜視図、図3はその要部拡大図、図4(a)(b)(c)はドラムユニット2、ドラム駆動ユニット3およびトナー回収容器4のそれぞれを示す外観斜視図、図5は周囲を含む図4(b)のX−X線断面図である。
【0027】
図2および図3に示すように、本実施形態のユニット10は、前記プリンタ本体101の操作側からその反対側にかけて横架される感光体ドラム103とクリーニング装置107とを含むドラムユニット3と、プリンタ本体101の操作側に配置されるDCモータ(モータ)22を含むドラム駆動ユニット2と、このドラム駆動ユニット2の下側に配置されるトナー回収容器4とをさらに一体化したものである。
【0028】
このうちのドラム駆動ユニット2は、図4(b),図5に示すように、大口径ギア21と、DCモータ22と、ピニオンギア22aと、シャフト23と、プレート24,25とを備えている。プレート24,25は、いずれも略四角形状の薄板を適宜箇所で穴開けし或いは切り欠いたものであり、両プレート24,25間を大口径ギア21等を挟み込むことのできる間隔となるように、プレート25から延設された適当数の部材25a,25a,・・・でもって両プレート24,25間を相互に固定している。このうちのプレート25には、シャフト23がかしめられ、図4(a)のドラムユニット3から突出しているドラム軸32を受けるように中空状になっている。
【0029】
また、図4(b)のプレート24の左下側は一部切り起こされて長方形状の突起部6を形成している。この突起部6の先端は、図5に示すように、トナー回収容器4の容器本体41の天井部のトナー入口42付近に当接可能な位置にまで延設されている。これにより、突起部6は前記クリーニング装置107のスクリューフィーダを含むトナー搬送路36と、トナー回収容器4との接続部36a(前記トナー入口42付近に位置する。図2及び図3参照。)に当接されて、DCモータ22の回転駆動時に発生する振動をトナー回収容器4に伝達する振動伝達機構を構成するようになる。
【0030】
大口径ギア21は、シャフト23に挿入され、このシャフト23回りに回転自在となっている。大口径ギア21のボスには、図略のラチェット歯が切られることによりカップリング21aが形成されており、このカップリング21aが、図4(a)のドラムユニット3に設置されているカップリング31と連結可能となっている。一方、プレート25の裏側には、DCモータ22が取り付けられており、そのピニオンギア22aと噛合する大口径ギア21に動力を伝達可能となっている。これにより、大口径ギア21と、DCモータ22のピッチは、一定間隔となり、歯車精度を向上させていくと、より滑らかな回転が得られるようになっている。
【0031】
ドラムユニット3は、図4(a)に示すように、前記感光体ドラム103を構成するカップリング31、ドラム軸32、ドラムギア33、ドラム素管34およびギアユニット35と、前記クリーニング装置107を構成するトナー搬送路36とを備えており、図4(b)のドラム駆動ユニット2のDCモータ22から大口径ギア21に伝達された回転駆動力は、そのカップリング21aに連結されたドラムユニット3側のカップリング31にさらに伝達される。ドラムギア33の内壁にカップリング31が嵌合されてドラム素管34に前記回転駆動力が伝達される。カップリング31は、後方より図略のコイルバネで付勢されている。ドラムユニット3からはドラム軸32が突出しており、前記ドラム駆動ユニット2のプレート25にかしめられた中空のシャフト23に挿入されるようになっている。これにより、前記感光体ドラム103の位置決めがなされる。ドラム素管34は、その素管に固定されたドラムギア33を介してドラム軸32に接続されている。ドラムギア33は、ドラム駆動ユニット2のDCモータ21の回転駆動力を、さらにクリーニング装置107のスクリューフィーダに伝達するものである。
【0032】
トナー回収容器4は、図4(c)に示すように、容器本体41と、その天井部に形成されたトナー入口42とを備えており、容器本体41は、略直方体の一部を、前記ドラム駆動ユニット2のDCモータ22との干渉を回避するように凹めた形状となっている。また、トナー入口42は、例えば丸孔状であって、そこに前記トナー搬送路36の接続部36aから下方に突出させた先端部37(図3参照。)を挿入した状態で、当該接続部36aに設けられた図略の係止機構により、その接続部36aにトナー回収容器4が着脱自在に接続されている。
【0033】
そして、図2および図3に示すように、ドラム駆動ユニット2を右からビス等によってドラムユニット3に固定する。これにより、ドラム駆動ユニット2と、ドラムユニット3とが一体化されたユニット10となるので、両者間の位置関係が崩れることがなくなり、大口径ギア21の円滑な噛合が可能となり、静音化と高画質化がなされるようになる。
【0034】
また、トナー回収容器4のトナー入口42とトナー搬送路36との接続部36aには、前記プレート24の突起部6が当接される。このようにして、DCモータ22や大口径ギア21の振動がトナー回収容器4に積極的に伝達されるようになり、前記接続部36aの先端部37から排出されたトナーがトナー回収容器4内に均一に滞留するようになる。これにより、トナー回収容器4の容量が実質的に増大するようになっている。
【0035】
そして、このドラム駆動ユニット2、ドラムユニット3およびトナー回収容器4が一体化されたユニット10が図2中の右側(操作側)から左側(その反対側)に向けて図1のプリンタ本体101内に挿入される。フレーム24に取り付けられた中継基盤5にモータコネクタ26が挿入されることにより、DCモータ22への電源供給が行われるようになる。
【0036】
以下、主に本ユニット10におけるトナー回収動作を説明する。図6はトナー回収容器4内のトナーの貯留状態を示す図で、(a)は従来例での状態、(b)は本実施形態での状態をそれぞれ示している。
【0037】
図2および図3において、図示しない制御部からのプリント指示がないため、本ユニット10のドラム駆動ユニット2のDCモータ22が回転していない時には、ドラムユニット3のトナー搬送路36の内のスクリューフィーダも回転しないので、トナーがトナー回収容器4に回収されることはない。したがって、このときには、そのトナー搬送路36の接続部36aに接続されるトナー回収容器4内には、トナーが入ってこない。
【0038】
一方、前記制御部からのプリント指示があり、ドラム駆動ユニット2のDCモータ22が回転する時には、ドラムギア33を介してドラムユニット3のトナー搬送路36内のスクリューフィーダも回転し、それで運び出されるトナーがトナー回収容器4に回収されるため、そのトナー搬送路36の接続部36aに接続されたトナー回収容器4内にトナーが入ってくる。このとき、従来のように、振動伝達機構がないものとすると、図6(a)に示すように、トナー40はトナー回収容器4の容器本体41内でトナー入口42の真下を頂点とする山状に堆積する。
【0039】
しかし、本実施形態のユニット10では、図6(b)に示すように、ドラム駆動ユニット2のDCモータ22や大口径ギア21の振動が、前記振動伝達機構としての突起部6を介してトナー回収容器4とドラムユニット3のトナー搬送路36との接続部36aに伝達され、この接続部36aの先端部37から排出されたトナー40がトナー回収容器4の容器本体41内に均一に滞留するようになる。
【0040】
以上のように、本実施形態のユニット10によれば、ドラム駆動ユニット2のDCモータ22の回転駆動時に発生する振動を、トナー回収容器4に伝達する振動伝達機構が設けられたので、メンテナンス作業時の外装カバーの開放周期などに依存することなく、トナー回収容器4に貯留されるトナーの山を崩してその容器4内にトナーの偏在を解消させ、トナー回収容器4の実質的な容量を増加させることができる。したがって、常に確実にトナー回収容器4の最大の貯留容量を確保することができる。
【0041】
なお、上記実施形態では、トナー回収容器4をクリーニング装置107のトナー搬送路36の接続部36aに係止させることで、該トナー回収容器4を支持しているが、適当な支持部材を別途設け、その支持部材にDCモータ22からの振動を伝達するようにしてもよい。ただし、トナー回収容器4内に山状に滞留するトナーを効率的に崩すためには、トナー回収容器4のトナー入口42付近に前記DCモータ22からの振動を伝達することが好ましい。
【0042】
また、上記実施形態では、プリンタ1について説明したが、その他の画像形成装置(複写機等)に本発明を適用できることはもちろんである。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の一実施形態に係るプリンタの全体構成を示す断面図である。
【図2】ドラムユニット、ドラム駆動ユニットおよびトナー回収容器を一体化したユニットを示す外観斜視図である。
【図3】図2の要部拡大図である。
【図4】(a)(b)(c)は、ドラムユニット、ドラム駆動ユニットおよびトナー回収容器のそれぞれを示す外観斜視図である。
【図5】周囲を含む図4(b)のX−X線断面図である。
【図6】トナー回収容器内のトナーの貯留状態を示す図で、(a)は従来例での状態、(b)は本実施形態での状態をそれぞれ示している。
【符号の説明】
【0044】
1 プリンタ(画像形成装置の一例)
10 ユニット
2 ドラム駆動ユニット
21 大口径ギア
22 DCモータ(モータ)
24,25 プレート
3 ドラムユニット
36 トナー搬送路
36a 接続部
37 先端部
4 トナー回収容器
41 容器本体
42 トナー入口
6 突起部(振動伝達機構)
100 画像形成部
101 プリンタ本体
103 感光体ドラム
107 クリーニング装置(クリーニング部)
200 給紙装置
300 搬送路
P 用紙

【特許請求の範囲】
【請求項1】
モータと、このモータで回転駆動される感光体ドラムと、この感光体ドラムの表面から未転写のトナーを除去するクリーニング部と、このクリーニング部で除去されたトナーを回収するトナー回収容器とを有する画像形成装置であって、
前記モータの回転駆動時に発生する振動を、前記トナー回収容器に伝達する振動伝達機構を設けたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
装置本体の操作側からその反対側にかけて横架される前記感光体ドラムおよび前記クリーニング部に対して、前記装置本体の操作側に前記モータおよび前記トナー回収容器が配置されるように、該モータを前記感光体ドラムおよび前記クリーニング部とユニット化するとともに、前記トナー回収容器を前記クリーニング部に着脱自在に接続したことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記振動伝達機構として、前記モータを前記トナー回収容器に実質的に当接可能としたことを特徴とする請求項1又は2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記モータからの回転駆動力を前記感光体ドラムに伝達するギアを備え、前記振動伝達機構は、前記ギアの支持板を前記トナー回収容器に当接させたものであることを特徴とする請求項3記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記振動伝達機構は、前記支持板の少なくとも一部を前記クリーニング部と前記トナー回収容器との接続部に向けて突出させ、その突出部を前記接続部に当接させたものであることを特徴とする請求項4記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−121880(P2007−121880A)
【公開日】平成19年5月17日(2007.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−316687(P2005−316687)
【出願日】平成17年10月31日(2005.10.31)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】