画像形成装置
【課題】画像形成装置のユニットを装置本体から手間をかけずに着脱でき、ユニットおよび装置全体の構造をともに簡素化する。
【解決手段】本画像形成装置1では、中間転写ベルト11のトナーを除去する第2の回収装置17が、ハウジング5に着脱可能なユニット32を有する。ユニット32は、可動部としての第1のローラ18の移動機構22を有する。この移動機構22を駆動するソレノイド23と、連結部材24とが、ハウジング5に取り付けられている。移動機構22の第1のレバー26に係合孔26aが形成され、連結部材24の係合突起24gが、相対移動を規制されない状態で、係合して、移動機構22を駆動できるようにされている。連結部材24の薄肉部24iを弾性曲げ変形させて、連結部材24がユニット32の着脱に邪魔にならないようにしている。
【解決手段】本画像形成装置1では、中間転写ベルト11のトナーを除去する第2の回収装置17が、ハウジング5に着脱可能なユニット32を有する。ユニット32は、可動部としての第1のローラ18の移動機構22を有する。この移動機構22を駆動するソレノイド23と、連結部材24とが、ハウジング5に取り付けられている。移動機構22の第1のレバー26に係合孔26aが形成され、連結部材24の係合突起24gが、相対移動を規制されない状態で、係合して、移動機構22を駆動できるようにされている。連結部材24の薄肉部24iを弾性曲げ変形させて、連結部材24がユニット32の着脱に邪魔にならないようにしている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置は、例えば、感光体ドラムからトナーを除去するためのクリーニング装置を有している。このクリーニング装置は、感光体ドラムに摺接してトナーを除去するブレードと、ブレードを移動させるためのソレノイドとを有している。ソレノイドは、連結部材を介してブレードを駆動し、ブレードを、感光体ドラムに接する位置および感光体ドラムから離れた位置に移動させるようにしている(例えば、特許文献1,2参照)。
【特許文献1】特許第2751299号公報
【特許文献2】実公平7−38924号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、特許文献1,2では、画像形成装置からクリーニング装置を着脱することは、何ら考慮されていない。従って、例えばメンテナンスに手間がかかる。
そこで、ソレノイドおよびブレードを含むクリーニング装置全体をユニットとして一体的に着脱することが考えられる。しかし、このユニットが、ソレノイドを含むので、当該ユニットの構造が複雑化してしまう。また、例えば、ユニットを交換しようとしたときに、消耗品でないソレノイドも交換することになり、不経済である。
【0004】
また、クリーニング装置を、ブレードを含むユニットと、ソレノイドとで構成することが考えられる。この場合、ソレノイドを固定部材としての装置本体に設け、この装置本体からユニットを着脱するようにし、ソレノイドとブレードとの連結を解除できるようにすることが考えられる。しかし、ソレノイドとブレードとを連結するための構造が複雑化し、画像形成装置全体としても構造が複雑化する。また、連結操作が必要で、着脱に手間がかかる。
【0005】
また、クリーニング装置に限らず、同様の課題がある。
そこで、本発明の目的は、着脱に手間がかからず、ユニットおよび装置全体の構造をともに簡素化できる画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の画像形成装置は、装置本体と、装置本体に着脱可能なユニットと、ユニットに設けられた可動部と、装置本体に設けられ可動部を駆動する駆動部と、駆動部および可動部を連結する連結部材と、駆動部および可動部の一方に設けられた第1の係合部と、連結部材に設けられて第1の係合部に係合する第2の係合部と、装置本体に対してユニットを組み付けまたは取り外すときに連結部材を屈曲変形させるために、連結部材に設けられた弾性曲げ変形可能な屈曲可能部と、を備え、装置本体にユニットが組み付けられるときには、第2の係合部が、第1の係合部に対して所定の組立方向に相対移動するのに伴って、第1の係合部に係合するようにされ、装置本体にユニットが組み付けられた状態で駆動部が可動部を駆動するときには、第2の係合部は、第1の係合部に対する上記所定の組立方向についての相対移動を規制されていない状態で第1の係合部に係合していることを特徴とする。
【0007】
本発明によれば、駆動部を装置本体に設けることにより、ユニットに設ける場合に比べて、ユニットの構造を簡素化できる。従って、交換可能で安価なユニットを実現できる。しかも、第1の係合部と第2の係合部との相対移動を規制するための構造や部品を簡素化したり、廃止したりできるので、画像形成装置全体としての構造を簡素化できる。また、ユニットを着脱するときに、第1および第2の係合部の相対移動を規制したり規制を解除したりする操作が不要であり、また、連結部材を屈曲させて着脱の邪魔にならないようにすることも可能である。その結果、ユニットの着脱に手間がかからずにすむ。
【0008】
また、本発明において、上記ユニットは、装置本体に対して所定の取り外し方向に沿って移動させることにより取り外し可能であり、上記連結部材は、ユニットが装置本体に取り付けられた状態でユニットの上記所定の取り外し方向側に配置された部分を含む場合がある。この場合、ユニットを着脱するときに、ユニットの上記所定の取り外し方向側に配置された部分が邪魔になることが想定されるが、上述のように連結部材を屈曲させることで、邪魔にならないようにできる。
【0009】
また、本発明において、上記屈曲可能部は、薄肉部を含む場合がある。この場合、連結部材を大きな変形量で軽い力で容易に屈曲することができる。また、薄肉部で確実に屈曲させることができるので、屈曲させたときの形状がユニットの着脱に邪魔にならない形状になるような連結部材を実現できる。
また、本発明において、上記連結部材の近傍には、連結部材に当接可能な近接部材が設けられていて、この近接部材と連結部材とが当接することにより、第1の係合部と第2の係合部との係合解除が阻止される場合がある。この場合、上述のように第1および第2の係合部の相対移動を規制しないことによる構造簡素化等の効果を得つつ、第1および第2の係合部の係合解除を近接部材により確実に防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下では、この発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。本実施形態では、画像形成装置がカラープリンタである場合に則して説明する。なお、本発明は、例えば、プリンタ、複写機、ファクシミリ等の画像形成装置に適用することができる。また、この画像形成装置としては、カラー画像を形成するものの他、モノクロ画像を形成するものであってもよい。
【0011】
図1は、本発明の実施形態の画像形成装置の概略構成を示す正面視での模式図である。図1を参照する。
画像形成装置1は、入力部から与えられる画像データに基づきトナー像を形成し所定の転写材としての用紙に転写する装置本体としての画像形成部2と、この画像形成部2により転写されたトナー像を用紙に加熱定着させる定着部3と、画像形成部2に用紙を供給しこの用紙を搬送する用紙搬送部4と、これら各部2,3,4を支持する固定部材であり装置本体としてのハウジング5とを有している。
【0012】
画像形成部2は、入力部から与えられる画像データに基づきこの画像データに応じた所定のビーム光を得るための光学部6と、光学部6からのビーム光に応じた静電潜像を形成するための円柱形状をなす像担持体としての感光体ドラム7と、高電圧を印加されることにより感光体ドラム7を帯電させるメインチャージャ8(帯電チャージャ)と、感光体ドラム7に形成された静電潜像をトナーにより顕像化する現像装置9と、感光体ドラム7の表面を清掃しトナーを回収するための第1の回収装置10とを有している。
【0013】
また、画像形成部2は、感光体ドラム7上のトナー像が転写されることによりトナー像が形成される像担持体であり中間転写体としての中間転写ベルト11と、この中間転写ベルト11を内側から支持するテンションローラ12と、中間転写ベルト11を内側から支持するガイドローラ13と、中間転写ベルト11を内側から支持しつつ感光体ドラム7から中間転写ベルト11にトナー像を転写する一次転写ローラ14と、中間転写ベルト11を内側から支持しつつ駆動し当該中間転写ベルト11上のトナー像を用紙に転写するための二次転写対向ローラ15と、中間転写ベルト11に形成されたトナー像を用紙に転写する二次転写ローラ16と、中間転写ベルト11の表面からトナーを回収するための第2の回収装置17とを有している。
【0014】
中間転写ベルト11は、耐熱性を有する樹脂材料により形成された無端状のベルトからなる。中間転写ベルト11は、上述した4つのローラ12,13,14,15に巻き掛けられている。中間転写ベルト11における一対のローラ13,14の間の部分が、感光体ドラム7の外周に接触している。また、二次転写対向ローラ15と対向して、中間転写ベルト11の外側に、二次転写ローラ16が配置されている。二次転写対向ローラ15および二次転写ローラ16は、互いに平行に配置され、中間転写ベルト11と二次転写ローラ16との間に用紙が通されるようになっている。
【0015】
二次転写ローラ16は、移動可能とされ、中間転写ベルト11との間に用紙を通すために二次転写対向ローラ15に近接した位置と、トナー像を重ね合わせるために二次転写対向ローラ15との間に所定量の隙間を開けて二次転写対向ローラ15から離隔した位置とに変位できる。第2の回収装置17も、二次転写ローラ16と同様に、移動可能とされている。第2の回収装置17については、後で詳しく説明する。
【0016】
画像形成部2では、感光体ドラム7が所定の回転方向(矢印M1)に回転し、これとともに、二次転写対向ローラ15が図示しない駆動源としての電動モータにより駆動されることにより、中間転写ベルト11が所定の方向(矢印M2)に移動する。4つの色、例えばイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのトナー像が、感光体ドラム7上に順次形成され、中間転写ベルト11にそれぞれ転写される。4つの色のトナー像は、中間転写ベルト11上に互いに重ね合わされて、フルカラーのトナー像が形成される。
【0017】
トナー像が重ね合わされる間、第2の回収装置17および二次転写ローラ16は、中間転写ベルト11から離隔した位置に位置している。トナー像の重ね合わせが終了すると、第2の回収装置17および二次転写ローラ16は、中間転写ベルト11に近接する位置に移動する。中間転写ベルト11上のトナー像が用紙に転写される。また、中間転写ベルト11上に残ったトナーは、第2の回収装置17により回収される。
【0018】
第2の回収装置17は、二次転写対向ローラ15と対向し、二次転写ローラ16よりも中間転写ベルト11の移動方向の下流側となる中間転写ベルト11の外側に配置されている。第2の回収装置17は、中間転写ベルト11に接触可能なトナーを除去する除去部材としての第1のローラ18と、この第1のローラ18に接触する第2のローラ19と、この第2のローラ19に接触し第2のローラ19からトナーを掻き落とすブレード20と、回収されたトナーを収容する容器としてのケース21とを有している。
【0019】
本実施形態では、第2の回収装置17をメンテナンスし易いように、後述するユニット32を装置本体としてのハウジング5から着脱できるようにしている。
ケース21は、一方向に長い箱形状をなしていて、第1および第2のローラ18,19と、ブレード20とを支持している。第1および第2のローラ18,19は、その中心軸線に沿って長く延びている。ブレード20は、長尺の板材である。ケース21、第1のローラ18、第2のローラ19、およびブレード20の長手方向は、互いに平行に配置されている。また、第1のローラ18の中心軸線は、二次転写対向ローラ15の回転中心軸線に平行に配置されている。
【0020】
第1のローラ18は、トナーを回収するための第1の位置(図1参照)と、トナー像を重ね合わせるための第2の位置(図2参照)とに移動可能である。第1の位置では、第1のローラ18が中間転写ベルト11の外側面に接していて、中間転写ベルト11上にあるトナーを回収することができる。また、第2の位置では、第1のローラ18が中間転写ベルト11の外側面から離隔していて、トナーを除去しないようになっている。
【0021】
図2は、図1に示す第2の回収装置17の正面図である。図3は、図1に示す第2の回収装置17の要部の平面図である。図2と図3を参照する。
本実施形態では、第2の回収装置17は、第1のローラ18を第1および第2の位置に移動させるための可動部としての移動機構22と、この移動機構22を駆動する駆動部としてのソレノイド23と、以下の連結部材24とを有している。連結部材24は、ソレノイド23により移動機構22を駆動することにより、第1のローラ18を移動させることができるように、ソレノイド23および移動機構22を互いに連結している。
【0022】
図4は、図3に示す第2の回収装置17の要部を斜め上方から見たときの斜視図である。図5は、図3に示す第2の回収装置17の要部を斜め下方から見たときの斜視図である。図6は、図3に示す第2の回収装置17の要部の分解斜視図であり、主に移動機構と連結部材24とを示す。図7は、図3に示す第2の回収装置17の要部の分解斜視図であり、主にソレノイド23と連結部材24とを示す。図8Aおよび図8Bは、図3に示す第2の回収装置17の要部の模式図であり、図8Aにソレノイド23が非通電状態の場合を示し、図8Bに通電状態の場合を示す。以下、各図を適宜参照する。
【0023】
図2および図3を参照して、ソレノイド23は、コイルを含むソレノイド本体23aと、このソレノイド本体23aに対して進退する出力軸23bとを有している。出力軸23bは、その軸線に沿って所定距離を直線移動自在に支持されている。出力軸23bの移動方向(矢印M3参照)が、ケース21の長手方向(矢印B1参照)に直角に交差する方向に平行になるように配置されている。出力軸23bは、非通電時にはソレノイド本体23a内に内蔵されたばね(図示せず)の付勢力により第1の位置に移動するようになっている。また、通電時にはコイルの磁力が、ばねの付勢力に抗して作用し、出力軸23bは第2の位置に移動するようになっている。第2の位置では、ソレノイド本体23aからの出力軸23bの突出量が相対的に小さく、第1の位置では、ソレノイド本体23aからの出力軸23bの突出量が相対的に大きくなっている。
【0024】
連結部材24は、樹脂部材により形成された長尺の板状部材である。連結部材24の長手方向が、ソレノイド23の出力軸23bの移動方向に平行に配置されている。連結部材24は、その長手方向の一端に設けられてソレノイド23の出力軸23bに連結ピン25を介して連結される第1の連結部24aを有している。第1の連結部24aとソレノイド23の出力軸23bとは、連結ピン25の軸線の回りに回動自在に連結されている。
【0025】
また、連結部材24は、長手方向の他端に設けられた第2の連結部24bを有している。第2の連結部24bは、移動機構22の第1のレバー26の延設端に連結されている。第2の連結部24bと、第1のレバー26とは、上述の連結ピン25の軸線と平行な所定の軸線の回りに回動自在に連結されている。
図4および図5を参照して、移動機構22は、連結部材24により駆動されて支軸27の中心軸線の回りに回動する上述の第1のレバー26と、第1のレバー26と一体的に回動する第2のレバー28と、第2のレバー28により一方の向きに押圧されて回動する第3のレバー29と、第3のレバー29を他方の向きに付勢する付勢部材30と、第3のレバー29と一体的に回動する揺動アーム31とを有している。
【0026】
図5および図6を参照して、揺動アーム31は、第1のローラ18および第2のローラ19の両端を回動自在に支持している。揺動アーム31に第3のレバー29が一体に形成されている。揺動アーム31および第3のレバー29は、第2のローラ19の中心軸線の回りに回動自在に支持されている。また、第2のローラ19と、支軸27とは、互いに平行に配置されている。揺動アーム31の一部を除いた移動機構22のこれら各部26〜31は、ケース21の長手方向の一方の端部に支持されている。
【0027】
付勢部材30は、ねじりコイルばねからなり、その一端が揺動アーム31に係止され、他端がケース21に係止されている。付勢部材30の弾性復元力により、揺動アーム31を一方の回転方向(矢印M4参照)へ向けて付勢している。一方の回転方向は、第1のローラ18が中間転写ベルト11から離隔する向きである。
図8Aと図8Bを参照して、移動機構22では、第1のレバー26は、基端部が支軸27に固定され、支軸27からその径方向に所定距離離隔した延設端が連結部材24に連結されている。連結部材24が直線移動すると、第1のレバー26が、支軸27の中心軸線の回りに所定角度で揺動する。これに伴い、第2のレバー28も、第1のレバー26と一体的に揺動する。第2のレバー28の先端が、第3のレバー29の先端に係合するように配置されていて、第2のレバー28の揺動にともなって、付勢部材30の付勢力に抗しつつ、第3のレバー29が押圧付勢される。
【0028】
図8Aを参照して、ソレノイド本体23aのコイルに通電していない状態では、その出力軸23bが第1の位置に移動し、連結部材24を介して、第1のレバー26および第2のレバー28が揺動する。これとともに、第3のレバー29および揺動アーム31が付勢部材30の付勢力を受けて一方の回転方向M4に揺動し、第1のローラ18が中間転写ベルト11から離隔する。
【0029】
図8Bを参照して、ソレノイド本体23aのコイルに通電すると、その出力軸23bが第2の位置に位置する。連結部材24を介して、第1のレバー26および第2のレバー28が揺動する。第2のレバー28は、第3のレバー29を押圧付勢し、付勢部材30の付勢に抗して、揺動アーム31を他方の回転方向M5に回動させる。その結果、第1のローラ18が中間転写ベルト11に当接する。
【0030】
図4および図5を参照して、また、本実施形態では、第2の回収装置17は、装置本体としてのハウジング5(図3参照)に対して着脱可能なユニット32を有している。このユニット32は、メンテナンスするときに、新品に交換されるものである。
ユニット32は、第2の回収装置17を構成する上述の各部のうちで、連結部材24からソレノイド23側にある部分を除いた残りの部分である。具体的には、ユニット32は、第1のローラ18と、第2のローラ19と、ブレード20と、ケース21と、第1のレバー26と、支軸27と、第2のレバー28と、揺動アーム31とを有している。これらの各部が一体的に、ハウジング5に対して着脱される。
【0031】
図2および図3を参照して、ユニット32は、ハウジング5に対して所定の取り外し方向B1に沿って移動させることにより、取り外すことができる。上述の所定の取り外し方向B1は、ユニット32のケース21の長手方向に平行な方向である。また、ユニット32は、ハウジング5に対して所定の取り付け方向(上述の所定の取り外し方向B1とは逆向きの方向に相当する。)に沿って移動させることにより、ハウジング5に取り付けることができる。例えば、ケース21がハウジング5にねじ止め固定される。
【0032】
ハウジング5に取り付けられた状態では、ユニット32は、所定の取り外し方向B1側の端部に、移動機構22を有している。また、ソレノイド23は、装置本体としてのハウジング5に固定状態で取り付けられていて、取り外し方向B1側にあるユニット32の端部、例えば移動機構22に隣接して配置されている。また、連結部材24は、ソレノイド23に取り付けられているとともに、ユニット32の移動機構22の第1のレバー26に取り付けられている。連結部材24は、所定の取り外し方向B1側にあるユニット32の端部に近接して配置されていて、取り外し方向B1から見たときに、ユニット32と重なるように配置されている。
【0033】
本実施形態では、連結部材24は、ソレノイド23および移動機構22との連結を解除できるようにされている。また、連結部材24は、屈曲形状に弾性変形できるようにされている。これらにより、ユニット32を取り外すときに、連結部材24が邪魔にならないようにしている。
図3および図7を参照して、連結部材24の第1の連結部24aは、ソレノイド23の出力軸23bに連結されている。出力軸23bには、係合溝23cと、係合孔23dとが形成されている。係合溝23cは、径方向に貫通し、出力軸23bの軸端に開放されている。係合孔23dは係合溝23cを横切り、出力軸23bの径方向に出力軸23bを貫通している。第1の連結部24aは、第2の係合部としての係合孔24cを有している。係合孔24cは、連結部材24を板厚方向に貫通している。第1の連結部24aが、出力軸23bの係合溝23cに嵌まった状態で、第1の係合部としての連結ピン25が、出力軸23bの係合孔23dと第1の連結部24aの係合孔24cとを挿通している。
【0034】
また、第1の連結部24aの係合孔24cは、連結部材24の一方の端縁に開放されている。係合孔24cは、奥部にあって連結ピン25が嵌まる嵌合部24dと、この嵌合部24dよりも開放側に配置されて開口幅が狭くなるように互いに対向して突出した一対の突起24eとを有している。また、係合孔24cに隣接して、係合孔24cと平行に延びる溝24fが形成されている。溝24fと係合孔24cとの間にある部分が連結ピン25により押されて弾力的に撓むことにより、係合孔24cの突起24e間の間隔が拡がり、連結ピン25が突起24eを乗り越えて通ることができるようになっている。
【0035】
図2および図6を参照して、連結部材24の第2の連結部24bは、ユニット32を取り外すときに、第1のレバー26との連結を解除できるようになっている。すなわち、第1のレバー26は、その揺動端に形成された第1の係合部としての円形の係合孔26aを有している。一方、第2の連結部24bは、第2の係合部としての係合突起24gを有している。この係合突起24gは、係合孔26aの周縁部に係合している。これにより、連結部材24と第1のレバー26とが、係合突起24gの中心軸線の回りに回動自在に、互いに連結されている。
【0036】
係合突起24gは、柱形状をなし所定高さで突出している。より具体的には、係合突起24gは、二面幅を形成する部分円柱形状であり、外周面が、円筒面の一部からなる動力伝達面としての一対の凸湾曲面と、二面幅を形成する逃げ部としての一対の平坦面とを有している。凸湾曲面が係合孔26aの内周にがたつきなく嵌合し、平坦面は係合孔26aに隙間を開けて嵌合している。なお、係合突起24gの形状は、円柱形状であってもよい。
【0037】
図3を参照して、係合孔26aは所定深さL1で貫通している。この係合孔26aの深さL1よりも、係合突起24gの長さL2が所定長L3で長くされている。この所定長L3(係合孔26aからの係合突起24gの最大突出量に相当する。)は、係合突起24gと係合孔26aとの相対移動を規制しない状態であっても、不用意に係合突起24gが抜けないような長さ、例えば、(長さL3≧長さL1)の関係を満たすように設定されている。
【0038】
本実施形態では、連結部材24と第1のレバー26との連結が不用意に解除されることがないように、係合突起24gから離隔した連結部材24の部分としての中間部の移動を規制するようにしている。
図2および図3を参照して、ハウジング5にユニット32が取り付けられた状態では、連結部材24の長手方向中間部の近傍には、当該連結部材24に対向する近接部材としての対向部33が配置されている。この対向部33は、ユニット32のケース21に一体に形成されていて、係合突起24gおよび係合孔26aの係合解除を阻止するように連結部材24の長手方向中間部の所定部24hに当接可能な近接部材として機能する。
【0039】
ユニット32の取り外し方向B1について、対向部33は、第1のレバー26よりも、反取り外し側に配置されている。取り外し方向B1について、対向部33と第1のレバー26との間には、所定量の間隔が開けられていて、この間に、連結部材24が配置されている。これにより、連結部材24の端部にある第2の連結部24bが、第1のレバー26により、取り外し方向B1側への移動を規制され、連結部材24の所定部24hが、対向部33により、反取り外し方向側への移動を規制されている。
【0040】
また、対向部33と第1のレバー26との間隔は、連結部材24の板厚よりも大きくされている。間隔と板厚との寸法差L4は、係合孔26aからの係合突起24gの最大突出量L3よりも小さくされている。
また、本実施形態では、連結部材24は、長手方向の中間部に設けられた屈曲可能部としての薄肉部24iと、第2の連結部24bに隣接した弾性曲げ変形可能な曲げ変形可能部24jとを有している。
【0041】
曲げ変形可能部24jは、長手方向について第2の連結部24bと所定部24hとの間の部分であり、弾性撓み量が所定量以上で得られるように、手で弾性曲げ変形できるような肉厚で形成されている。上述の所定量は、最大突出量L3と等しいか、この長さL3よりも長く設定されている。曲げ変形可能部24jを所定量で曲げることにより、連結部材24が対向部33と第1のレバー26の間に配置された状態で、係合突起24gを係合孔26aから離脱させて、連結部材24と第1のレバー26との連結を解除できる。
【0042】
薄肉部24iは、ハウジング5に対してユニット32を組み付けまたは取り外すときに、連結部材24を屈曲変形させるための弾性曲げ変形可能な屈曲可能部として機能する。薄肉部24iは、上述の所定部24hに隣接して第1の連結部24a寄りに配置され、連結部材24の一方の主面から窪んで、長手方向に所定長で最も薄肉に形成されている。連結部材24の一方の主面が凹湾曲するように、連結部材24に曲げ力を作用させると、薄肉部24iが弾性曲げ変形して、連結部材24を屈曲させることができる。
【0043】
図9は、図3に示す第2の回収装置17の要部の平面図であり、ユニット32を取り外すときの途中の状態を示す。図10は、図3に示す第2の回収装置17の要部の正面図であり、ユニット32を取り外すときの図9に続く途中の状態を示す。図11は、図3に示す第2の回収装置17の要部の平面図であり、ユニット32を取り外すときの図10に続く途中の状態を示す。
【0044】
図3および図9を参照して、ユニット32を取り外すときには、先ず、連結部材24の曲げ変形可能部24jを弾性曲げ変形させつつ、係合孔26aに対して係合突起24gをその軸方向に相対移動させる。係合突起24gの先端が係合孔26aから外れると、連結部材24を連結ピン25の回りに回動させて、取り外し方向B1からみたときに、連結部材24の第2の連結部24bを第1のレバー26に重ならないように配置する(図10参照)。この状態で、連結部材24の薄肉部24iを曲げることができる。曲げることにより、連結部材24の第2の連結部24bを取り外し方向B1側へ移動させることができる。図11に示すように連結部材24が略直角に曲がると、連結部材24は、取り外し方向B1から見たときに、ユニット32と重ならないように配置されている。従って、ユニット32が取り外し方向B1へ移動するときに、連結部材24が、ユニット32の移動に邪魔になることはない。
【0045】
図9,図10,図11を参照して、ユニット32を取り付けるときには、取り外しの手順と逆の手順で作業する。すなわち、連結部材24が、ソレノイド23に連結された状態で、薄肉部24iを曲げて、屈曲状態とされる。この状態で、ユニット32をハウジング5に対して取り付け方向に移動させて、所定位置に取り付けて、ユニット32をハウジング5に固定用のねじで固定する。連結部材24の屈曲状の弾性変形をもとに戻し、真直に延ばすように弾性変形させて、第1のレバー26と対向部33との間に配置する。連結部材24の所定部24hを弾性曲げ変形させて、この状態で、係合突起24gを係合孔26aに芯合わせして配置する。連結部材24の所定部24hへの曲げ力を解除すると、連結部材24が真直になる。これとともに、係合突起24gを係合孔26aに嵌合させ、係合突起24gをその基端部まで係合孔26aに嵌め入れる。
【0046】
図3を参照して、ハウジング5にユニット32が組み付けられて、駆動部としてのソレノイド23により可動部としての第1のレバー26が駆動されるときには、第2の係合部としての係合突起24gは、所定の組立方向A1についての相対移動を規制されていない状態で、第1の係合部としての係合孔26aに係合している。
このように本発明の実施形態によれば、駆動部としてのソレノイド23を装置本体としてのハウジング5に設けることにより、ユニット32に設ける場合に比べて、ユニット32の構造を簡素化できる。従って、交換可能で安価なユニット32を実現できる。しかも、第1の係合部としての係合孔26aと第2の係合部としての係合突起24gとの相対移動を規制しないことにより、規制するための構造や部品を簡素化したり、廃止したりできるので、画像形成装置全体としての構造を簡素化できる。また、ユニット32を着脱するときに、係合孔26aと係合突起24gとの相対移動を規制したり規制を解除したりする操作が不要であり、また、屈曲可能部としての薄肉部24iで連結部材24を屈曲させて着脱の邪魔にならないようにすることも可能である。その結果、ユニット32の着脱に手間がかからずにすむ。
【0047】
また、本実施形態では、連結部材24は、ユニット32がハウジング5に取り付けられた状態でユニット32の上記所定の取り外し方向B1側に配置される部分(この部分は、具体的には上述の所定部24hおよび曲げ変形可能部24jが相当する。)を含む。この場合、ユニット32を着脱するときに、上述の部分24h,24jが邪魔になることが想定されるが、連結部材24を屈曲させることで、邪魔にならないようにできる。
【0048】
屈曲可能部としての薄肉部24iを含み、より好ましくは、連結部材24は樹脂部材を含むことにより、連結部材24を大きな変形量で軽い力で容易に屈曲することができる。また、薄肉部24iで確実に屈曲させることができるので、屈曲させたときの形状がユニット32の着脱に邪魔にならない形状になるような連結部材24を実現できる。
また、上述の近接部材としての対向部33を設けることにより、第1および第2の係合部の相対移動を直接に規制しないことによる構造簡素化等の効果を得つつ、第1および第2の係合部の係合解除を対向部33により確実に防止することができる。
【0049】
また、本実施形態について、以下のような変形例を考えることができる。以下の説明では、上述の実施形態と異なる点を中心に説明し、同様の構成については同じ符号を付して説明を省略する。
例えば、第2の連結部24bにおいて、第1の係合部として係合孔(図示せず)を形成し、第2の係合部として係合突起(図示せず)を設けてもよい。
【0050】
また、上述の実施形態では、連結部材24は、ソレノイド23との連結を解除しないようにしていたが、これには限定されない。例えば、連結部材24は、ソレノイド23との連結および第1のレバー26との連結をともに解除してもよいし、ソレノイド23との連結のみを解除し、第1のレバー26との連結を維持して、連結部材24をユニット32と一体的に着脱するようにしてもよい。このような場合には、第1の連結部24aにおいては、連結ピン25が第1の係合部に相当し、係合孔24cが第2の係合部に相当する。
【0051】
要は、画像形成装置が、駆動部および可動部の一方に設けられた第1の係合部と、連結部材24に設けられていて、駆動部および可動部の上記一方および連結部材24を互いに連結するために、第1の係合部と係合する第2の係合部とを有していればよい。また、装置本体にユニット32が組み付けられるときには、第2の係合部が、第1の係合部に対して所定の組立方向A1に相対移動するのに伴って、第2の係合部は第1の係合部に係合するようにされ、装置本体にユニット32が組み付けられて駆動部により可動部が駆動されるときには、第2の係合部は、上記所定の組立方向A1についての相対移動を規制されていない状態で、第1の係合部に係合していればよい。これにより、上述の実施形態と同様に、構造を簡素化でき、手間をかけずに連結できる効果を得ることができる。
【0052】
また、ユニットとしては、第2の回収装置17のユニット32以外の画像形成装置1のユニットであってもよい。その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の実施形態の画像形成装置の概略構成を示す正面視での模式図である。
【図2】図1に示す第2の回収装置の正面図である。
【図3】図1に示す第2の回収装置の要部の平面図である。
【図4】図3に示す第2の回収装置の要部を斜め上方から見たときの斜視図である。
【図5】図3に示す第2の回収装置の要部を斜め下方から見たときの斜視図である。
【図6】図3に示す移動機構と連結部材との分解斜視図である。
【図7】図3に示すソレノイドと連結部材との分解斜視図である。
【図8】図3に示す第2の回収装置の要部の模式図であり、図8Aにトナーを回収しない状態を示し、図8Bにトナーを回収する状態を示す。
【図9】図3に示す第2の回収装置の要部の平面図であり、ユニット取り外しの途中状態を示す。
【図10】図3に示す第2の回収装置の要部の正面図であり、ユニット取り外しの図9に続く途中の状態を示す。
【図11】図3に示す第2の回収装置の要部の平面図であり、ユニット取り外しの図10に続く途中の状態を示す。
【符号の説明】
【0054】
1…画像形成装置
5…ハウジング(装置本体)
23…ソレノイド(駆動部)
24…連結部材
24g…係合突起(第2の係合部)
24h…所定部(ユニットの所定の取り外し方向側に配置された部分)
24i…薄肉部(屈曲可能部)
24j…変形可能部(ユニットの所定の取り外し方向側に配置された部分)
26…第1のレバー(可動部)
26a…係合孔(第1の係合部)
32…ユニット
33…対向部(近接部材)
A1…所定の組立方向
B1…所定の取り外し方向
【技術分野】
【0001】
この発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置は、例えば、感光体ドラムからトナーを除去するためのクリーニング装置を有している。このクリーニング装置は、感光体ドラムに摺接してトナーを除去するブレードと、ブレードを移動させるためのソレノイドとを有している。ソレノイドは、連結部材を介してブレードを駆動し、ブレードを、感光体ドラムに接する位置および感光体ドラムから離れた位置に移動させるようにしている(例えば、特許文献1,2参照)。
【特許文献1】特許第2751299号公報
【特許文献2】実公平7−38924号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、特許文献1,2では、画像形成装置からクリーニング装置を着脱することは、何ら考慮されていない。従って、例えばメンテナンスに手間がかかる。
そこで、ソレノイドおよびブレードを含むクリーニング装置全体をユニットとして一体的に着脱することが考えられる。しかし、このユニットが、ソレノイドを含むので、当該ユニットの構造が複雑化してしまう。また、例えば、ユニットを交換しようとしたときに、消耗品でないソレノイドも交換することになり、不経済である。
【0004】
また、クリーニング装置を、ブレードを含むユニットと、ソレノイドとで構成することが考えられる。この場合、ソレノイドを固定部材としての装置本体に設け、この装置本体からユニットを着脱するようにし、ソレノイドとブレードとの連結を解除できるようにすることが考えられる。しかし、ソレノイドとブレードとを連結するための構造が複雑化し、画像形成装置全体としても構造が複雑化する。また、連結操作が必要で、着脱に手間がかかる。
【0005】
また、クリーニング装置に限らず、同様の課題がある。
そこで、本発明の目的は、着脱に手間がかからず、ユニットおよび装置全体の構造をともに簡素化できる画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の画像形成装置は、装置本体と、装置本体に着脱可能なユニットと、ユニットに設けられた可動部と、装置本体に設けられ可動部を駆動する駆動部と、駆動部および可動部を連結する連結部材と、駆動部および可動部の一方に設けられた第1の係合部と、連結部材に設けられて第1の係合部に係合する第2の係合部と、装置本体に対してユニットを組み付けまたは取り外すときに連結部材を屈曲変形させるために、連結部材に設けられた弾性曲げ変形可能な屈曲可能部と、を備え、装置本体にユニットが組み付けられるときには、第2の係合部が、第1の係合部に対して所定の組立方向に相対移動するのに伴って、第1の係合部に係合するようにされ、装置本体にユニットが組み付けられた状態で駆動部が可動部を駆動するときには、第2の係合部は、第1の係合部に対する上記所定の組立方向についての相対移動を規制されていない状態で第1の係合部に係合していることを特徴とする。
【0007】
本発明によれば、駆動部を装置本体に設けることにより、ユニットに設ける場合に比べて、ユニットの構造を簡素化できる。従って、交換可能で安価なユニットを実現できる。しかも、第1の係合部と第2の係合部との相対移動を規制するための構造や部品を簡素化したり、廃止したりできるので、画像形成装置全体としての構造を簡素化できる。また、ユニットを着脱するときに、第1および第2の係合部の相対移動を規制したり規制を解除したりする操作が不要であり、また、連結部材を屈曲させて着脱の邪魔にならないようにすることも可能である。その結果、ユニットの着脱に手間がかからずにすむ。
【0008】
また、本発明において、上記ユニットは、装置本体に対して所定の取り外し方向に沿って移動させることにより取り外し可能であり、上記連結部材は、ユニットが装置本体に取り付けられた状態でユニットの上記所定の取り外し方向側に配置された部分を含む場合がある。この場合、ユニットを着脱するときに、ユニットの上記所定の取り外し方向側に配置された部分が邪魔になることが想定されるが、上述のように連結部材を屈曲させることで、邪魔にならないようにできる。
【0009】
また、本発明において、上記屈曲可能部は、薄肉部を含む場合がある。この場合、連結部材を大きな変形量で軽い力で容易に屈曲することができる。また、薄肉部で確実に屈曲させることができるので、屈曲させたときの形状がユニットの着脱に邪魔にならない形状になるような連結部材を実現できる。
また、本発明において、上記連結部材の近傍には、連結部材に当接可能な近接部材が設けられていて、この近接部材と連結部材とが当接することにより、第1の係合部と第2の係合部との係合解除が阻止される場合がある。この場合、上述のように第1および第2の係合部の相対移動を規制しないことによる構造簡素化等の効果を得つつ、第1および第2の係合部の係合解除を近接部材により確実に防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下では、この発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。本実施形態では、画像形成装置がカラープリンタである場合に則して説明する。なお、本発明は、例えば、プリンタ、複写機、ファクシミリ等の画像形成装置に適用することができる。また、この画像形成装置としては、カラー画像を形成するものの他、モノクロ画像を形成するものであってもよい。
【0011】
図1は、本発明の実施形態の画像形成装置の概略構成を示す正面視での模式図である。図1を参照する。
画像形成装置1は、入力部から与えられる画像データに基づきトナー像を形成し所定の転写材としての用紙に転写する装置本体としての画像形成部2と、この画像形成部2により転写されたトナー像を用紙に加熱定着させる定着部3と、画像形成部2に用紙を供給しこの用紙を搬送する用紙搬送部4と、これら各部2,3,4を支持する固定部材であり装置本体としてのハウジング5とを有している。
【0012】
画像形成部2は、入力部から与えられる画像データに基づきこの画像データに応じた所定のビーム光を得るための光学部6と、光学部6からのビーム光に応じた静電潜像を形成するための円柱形状をなす像担持体としての感光体ドラム7と、高電圧を印加されることにより感光体ドラム7を帯電させるメインチャージャ8(帯電チャージャ)と、感光体ドラム7に形成された静電潜像をトナーにより顕像化する現像装置9と、感光体ドラム7の表面を清掃しトナーを回収するための第1の回収装置10とを有している。
【0013】
また、画像形成部2は、感光体ドラム7上のトナー像が転写されることによりトナー像が形成される像担持体であり中間転写体としての中間転写ベルト11と、この中間転写ベルト11を内側から支持するテンションローラ12と、中間転写ベルト11を内側から支持するガイドローラ13と、中間転写ベルト11を内側から支持しつつ感光体ドラム7から中間転写ベルト11にトナー像を転写する一次転写ローラ14と、中間転写ベルト11を内側から支持しつつ駆動し当該中間転写ベルト11上のトナー像を用紙に転写するための二次転写対向ローラ15と、中間転写ベルト11に形成されたトナー像を用紙に転写する二次転写ローラ16と、中間転写ベルト11の表面からトナーを回収するための第2の回収装置17とを有している。
【0014】
中間転写ベルト11は、耐熱性を有する樹脂材料により形成された無端状のベルトからなる。中間転写ベルト11は、上述した4つのローラ12,13,14,15に巻き掛けられている。中間転写ベルト11における一対のローラ13,14の間の部分が、感光体ドラム7の外周に接触している。また、二次転写対向ローラ15と対向して、中間転写ベルト11の外側に、二次転写ローラ16が配置されている。二次転写対向ローラ15および二次転写ローラ16は、互いに平行に配置され、中間転写ベルト11と二次転写ローラ16との間に用紙が通されるようになっている。
【0015】
二次転写ローラ16は、移動可能とされ、中間転写ベルト11との間に用紙を通すために二次転写対向ローラ15に近接した位置と、トナー像を重ね合わせるために二次転写対向ローラ15との間に所定量の隙間を開けて二次転写対向ローラ15から離隔した位置とに変位できる。第2の回収装置17も、二次転写ローラ16と同様に、移動可能とされている。第2の回収装置17については、後で詳しく説明する。
【0016】
画像形成部2では、感光体ドラム7が所定の回転方向(矢印M1)に回転し、これとともに、二次転写対向ローラ15が図示しない駆動源としての電動モータにより駆動されることにより、中間転写ベルト11が所定の方向(矢印M2)に移動する。4つの色、例えばイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのトナー像が、感光体ドラム7上に順次形成され、中間転写ベルト11にそれぞれ転写される。4つの色のトナー像は、中間転写ベルト11上に互いに重ね合わされて、フルカラーのトナー像が形成される。
【0017】
トナー像が重ね合わされる間、第2の回収装置17および二次転写ローラ16は、中間転写ベルト11から離隔した位置に位置している。トナー像の重ね合わせが終了すると、第2の回収装置17および二次転写ローラ16は、中間転写ベルト11に近接する位置に移動する。中間転写ベルト11上のトナー像が用紙に転写される。また、中間転写ベルト11上に残ったトナーは、第2の回収装置17により回収される。
【0018】
第2の回収装置17は、二次転写対向ローラ15と対向し、二次転写ローラ16よりも中間転写ベルト11の移動方向の下流側となる中間転写ベルト11の外側に配置されている。第2の回収装置17は、中間転写ベルト11に接触可能なトナーを除去する除去部材としての第1のローラ18と、この第1のローラ18に接触する第2のローラ19と、この第2のローラ19に接触し第2のローラ19からトナーを掻き落とすブレード20と、回収されたトナーを収容する容器としてのケース21とを有している。
【0019】
本実施形態では、第2の回収装置17をメンテナンスし易いように、後述するユニット32を装置本体としてのハウジング5から着脱できるようにしている。
ケース21は、一方向に長い箱形状をなしていて、第1および第2のローラ18,19と、ブレード20とを支持している。第1および第2のローラ18,19は、その中心軸線に沿って長く延びている。ブレード20は、長尺の板材である。ケース21、第1のローラ18、第2のローラ19、およびブレード20の長手方向は、互いに平行に配置されている。また、第1のローラ18の中心軸線は、二次転写対向ローラ15の回転中心軸線に平行に配置されている。
【0020】
第1のローラ18は、トナーを回収するための第1の位置(図1参照)と、トナー像を重ね合わせるための第2の位置(図2参照)とに移動可能である。第1の位置では、第1のローラ18が中間転写ベルト11の外側面に接していて、中間転写ベルト11上にあるトナーを回収することができる。また、第2の位置では、第1のローラ18が中間転写ベルト11の外側面から離隔していて、トナーを除去しないようになっている。
【0021】
図2は、図1に示す第2の回収装置17の正面図である。図3は、図1に示す第2の回収装置17の要部の平面図である。図2と図3を参照する。
本実施形態では、第2の回収装置17は、第1のローラ18を第1および第2の位置に移動させるための可動部としての移動機構22と、この移動機構22を駆動する駆動部としてのソレノイド23と、以下の連結部材24とを有している。連結部材24は、ソレノイド23により移動機構22を駆動することにより、第1のローラ18を移動させることができるように、ソレノイド23および移動機構22を互いに連結している。
【0022】
図4は、図3に示す第2の回収装置17の要部を斜め上方から見たときの斜視図である。図5は、図3に示す第2の回収装置17の要部を斜め下方から見たときの斜視図である。図6は、図3に示す第2の回収装置17の要部の分解斜視図であり、主に移動機構と連結部材24とを示す。図7は、図3に示す第2の回収装置17の要部の分解斜視図であり、主にソレノイド23と連結部材24とを示す。図8Aおよび図8Bは、図3に示す第2の回収装置17の要部の模式図であり、図8Aにソレノイド23が非通電状態の場合を示し、図8Bに通電状態の場合を示す。以下、各図を適宜参照する。
【0023】
図2および図3を参照して、ソレノイド23は、コイルを含むソレノイド本体23aと、このソレノイド本体23aに対して進退する出力軸23bとを有している。出力軸23bは、その軸線に沿って所定距離を直線移動自在に支持されている。出力軸23bの移動方向(矢印M3参照)が、ケース21の長手方向(矢印B1参照)に直角に交差する方向に平行になるように配置されている。出力軸23bは、非通電時にはソレノイド本体23a内に内蔵されたばね(図示せず)の付勢力により第1の位置に移動するようになっている。また、通電時にはコイルの磁力が、ばねの付勢力に抗して作用し、出力軸23bは第2の位置に移動するようになっている。第2の位置では、ソレノイド本体23aからの出力軸23bの突出量が相対的に小さく、第1の位置では、ソレノイド本体23aからの出力軸23bの突出量が相対的に大きくなっている。
【0024】
連結部材24は、樹脂部材により形成された長尺の板状部材である。連結部材24の長手方向が、ソレノイド23の出力軸23bの移動方向に平行に配置されている。連結部材24は、その長手方向の一端に設けられてソレノイド23の出力軸23bに連結ピン25を介して連結される第1の連結部24aを有している。第1の連結部24aとソレノイド23の出力軸23bとは、連結ピン25の軸線の回りに回動自在に連結されている。
【0025】
また、連結部材24は、長手方向の他端に設けられた第2の連結部24bを有している。第2の連結部24bは、移動機構22の第1のレバー26の延設端に連結されている。第2の連結部24bと、第1のレバー26とは、上述の連結ピン25の軸線と平行な所定の軸線の回りに回動自在に連結されている。
図4および図5を参照して、移動機構22は、連結部材24により駆動されて支軸27の中心軸線の回りに回動する上述の第1のレバー26と、第1のレバー26と一体的に回動する第2のレバー28と、第2のレバー28により一方の向きに押圧されて回動する第3のレバー29と、第3のレバー29を他方の向きに付勢する付勢部材30と、第3のレバー29と一体的に回動する揺動アーム31とを有している。
【0026】
図5および図6を参照して、揺動アーム31は、第1のローラ18および第2のローラ19の両端を回動自在に支持している。揺動アーム31に第3のレバー29が一体に形成されている。揺動アーム31および第3のレバー29は、第2のローラ19の中心軸線の回りに回動自在に支持されている。また、第2のローラ19と、支軸27とは、互いに平行に配置されている。揺動アーム31の一部を除いた移動機構22のこれら各部26〜31は、ケース21の長手方向の一方の端部に支持されている。
【0027】
付勢部材30は、ねじりコイルばねからなり、その一端が揺動アーム31に係止され、他端がケース21に係止されている。付勢部材30の弾性復元力により、揺動アーム31を一方の回転方向(矢印M4参照)へ向けて付勢している。一方の回転方向は、第1のローラ18が中間転写ベルト11から離隔する向きである。
図8Aと図8Bを参照して、移動機構22では、第1のレバー26は、基端部が支軸27に固定され、支軸27からその径方向に所定距離離隔した延設端が連結部材24に連結されている。連結部材24が直線移動すると、第1のレバー26が、支軸27の中心軸線の回りに所定角度で揺動する。これに伴い、第2のレバー28も、第1のレバー26と一体的に揺動する。第2のレバー28の先端が、第3のレバー29の先端に係合するように配置されていて、第2のレバー28の揺動にともなって、付勢部材30の付勢力に抗しつつ、第3のレバー29が押圧付勢される。
【0028】
図8Aを参照して、ソレノイド本体23aのコイルに通電していない状態では、その出力軸23bが第1の位置に移動し、連結部材24を介して、第1のレバー26および第2のレバー28が揺動する。これとともに、第3のレバー29および揺動アーム31が付勢部材30の付勢力を受けて一方の回転方向M4に揺動し、第1のローラ18が中間転写ベルト11から離隔する。
【0029】
図8Bを参照して、ソレノイド本体23aのコイルに通電すると、その出力軸23bが第2の位置に位置する。連結部材24を介して、第1のレバー26および第2のレバー28が揺動する。第2のレバー28は、第3のレバー29を押圧付勢し、付勢部材30の付勢に抗して、揺動アーム31を他方の回転方向M5に回動させる。その結果、第1のローラ18が中間転写ベルト11に当接する。
【0030】
図4および図5を参照して、また、本実施形態では、第2の回収装置17は、装置本体としてのハウジング5(図3参照)に対して着脱可能なユニット32を有している。このユニット32は、メンテナンスするときに、新品に交換されるものである。
ユニット32は、第2の回収装置17を構成する上述の各部のうちで、連結部材24からソレノイド23側にある部分を除いた残りの部分である。具体的には、ユニット32は、第1のローラ18と、第2のローラ19と、ブレード20と、ケース21と、第1のレバー26と、支軸27と、第2のレバー28と、揺動アーム31とを有している。これらの各部が一体的に、ハウジング5に対して着脱される。
【0031】
図2および図3を参照して、ユニット32は、ハウジング5に対して所定の取り外し方向B1に沿って移動させることにより、取り外すことができる。上述の所定の取り外し方向B1は、ユニット32のケース21の長手方向に平行な方向である。また、ユニット32は、ハウジング5に対して所定の取り付け方向(上述の所定の取り外し方向B1とは逆向きの方向に相当する。)に沿って移動させることにより、ハウジング5に取り付けることができる。例えば、ケース21がハウジング5にねじ止め固定される。
【0032】
ハウジング5に取り付けられた状態では、ユニット32は、所定の取り外し方向B1側の端部に、移動機構22を有している。また、ソレノイド23は、装置本体としてのハウジング5に固定状態で取り付けられていて、取り外し方向B1側にあるユニット32の端部、例えば移動機構22に隣接して配置されている。また、連結部材24は、ソレノイド23に取り付けられているとともに、ユニット32の移動機構22の第1のレバー26に取り付けられている。連結部材24は、所定の取り外し方向B1側にあるユニット32の端部に近接して配置されていて、取り外し方向B1から見たときに、ユニット32と重なるように配置されている。
【0033】
本実施形態では、連結部材24は、ソレノイド23および移動機構22との連結を解除できるようにされている。また、連結部材24は、屈曲形状に弾性変形できるようにされている。これらにより、ユニット32を取り外すときに、連結部材24が邪魔にならないようにしている。
図3および図7を参照して、連結部材24の第1の連結部24aは、ソレノイド23の出力軸23bに連結されている。出力軸23bには、係合溝23cと、係合孔23dとが形成されている。係合溝23cは、径方向に貫通し、出力軸23bの軸端に開放されている。係合孔23dは係合溝23cを横切り、出力軸23bの径方向に出力軸23bを貫通している。第1の連結部24aは、第2の係合部としての係合孔24cを有している。係合孔24cは、連結部材24を板厚方向に貫通している。第1の連結部24aが、出力軸23bの係合溝23cに嵌まった状態で、第1の係合部としての連結ピン25が、出力軸23bの係合孔23dと第1の連結部24aの係合孔24cとを挿通している。
【0034】
また、第1の連結部24aの係合孔24cは、連結部材24の一方の端縁に開放されている。係合孔24cは、奥部にあって連結ピン25が嵌まる嵌合部24dと、この嵌合部24dよりも開放側に配置されて開口幅が狭くなるように互いに対向して突出した一対の突起24eとを有している。また、係合孔24cに隣接して、係合孔24cと平行に延びる溝24fが形成されている。溝24fと係合孔24cとの間にある部分が連結ピン25により押されて弾力的に撓むことにより、係合孔24cの突起24e間の間隔が拡がり、連結ピン25が突起24eを乗り越えて通ることができるようになっている。
【0035】
図2および図6を参照して、連結部材24の第2の連結部24bは、ユニット32を取り外すときに、第1のレバー26との連結を解除できるようになっている。すなわち、第1のレバー26は、その揺動端に形成された第1の係合部としての円形の係合孔26aを有している。一方、第2の連結部24bは、第2の係合部としての係合突起24gを有している。この係合突起24gは、係合孔26aの周縁部に係合している。これにより、連結部材24と第1のレバー26とが、係合突起24gの中心軸線の回りに回動自在に、互いに連結されている。
【0036】
係合突起24gは、柱形状をなし所定高さで突出している。より具体的には、係合突起24gは、二面幅を形成する部分円柱形状であり、外周面が、円筒面の一部からなる動力伝達面としての一対の凸湾曲面と、二面幅を形成する逃げ部としての一対の平坦面とを有している。凸湾曲面が係合孔26aの内周にがたつきなく嵌合し、平坦面は係合孔26aに隙間を開けて嵌合している。なお、係合突起24gの形状は、円柱形状であってもよい。
【0037】
図3を参照して、係合孔26aは所定深さL1で貫通している。この係合孔26aの深さL1よりも、係合突起24gの長さL2が所定長L3で長くされている。この所定長L3(係合孔26aからの係合突起24gの最大突出量に相当する。)は、係合突起24gと係合孔26aとの相対移動を規制しない状態であっても、不用意に係合突起24gが抜けないような長さ、例えば、(長さL3≧長さL1)の関係を満たすように設定されている。
【0038】
本実施形態では、連結部材24と第1のレバー26との連結が不用意に解除されることがないように、係合突起24gから離隔した連結部材24の部分としての中間部の移動を規制するようにしている。
図2および図3を参照して、ハウジング5にユニット32が取り付けられた状態では、連結部材24の長手方向中間部の近傍には、当該連結部材24に対向する近接部材としての対向部33が配置されている。この対向部33は、ユニット32のケース21に一体に形成されていて、係合突起24gおよび係合孔26aの係合解除を阻止するように連結部材24の長手方向中間部の所定部24hに当接可能な近接部材として機能する。
【0039】
ユニット32の取り外し方向B1について、対向部33は、第1のレバー26よりも、反取り外し側に配置されている。取り外し方向B1について、対向部33と第1のレバー26との間には、所定量の間隔が開けられていて、この間に、連結部材24が配置されている。これにより、連結部材24の端部にある第2の連結部24bが、第1のレバー26により、取り外し方向B1側への移動を規制され、連結部材24の所定部24hが、対向部33により、反取り外し方向側への移動を規制されている。
【0040】
また、対向部33と第1のレバー26との間隔は、連結部材24の板厚よりも大きくされている。間隔と板厚との寸法差L4は、係合孔26aからの係合突起24gの最大突出量L3よりも小さくされている。
また、本実施形態では、連結部材24は、長手方向の中間部に設けられた屈曲可能部としての薄肉部24iと、第2の連結部24bに隣接した弾性曲げ変形可能な曲げ変形可能部24jとを有している。
【0041】
曲げ変形可能部24jは、長手方向について第2の連結部24bと所定部24hとの間の部分であり、弾性撓み量が所定量以上で得られるように、手で弾性曲げ変形できるような肉厚で形成されている。上述の所定量は、最大突出量L3と等しいか、この長さL3よりも長く設定されている。曲げ変形可能部24jを所定量で曲げることにより、連結部材24が対向部33と第1のレバー26の間に配置された状態で、係合突起24gを係合孔26aから離脱させて、連結部材24と第1のレバー26との連結を解除できる。
【0042】
薄肉部24iは、ハウジング5に対してユニット32を組み付けまたは取り外すときに、連結部材24を屈曲変形させるための弾性曲げ変形可能な屈曲可能部として機能する。薄肉部24iは、上述の所定部24hに隣接して第1の連結部24a寄りに配置され、連結部材24の一方の主面から窪んで、長手方向に所定長で最も薄肉に形成されている。連結部材24の一方の主面が凹湾曲するように、連結部材24に曲げ力を作用させると、薄肉部24iが弾性曲げ変形して、連結部材24を屈曲させることができる。
【0043】
図9は、図3に示す第2の回収装置17の要部の平面図であり、ユニット32を取り外すときの途中の状態を示す。図10は、図3に示す第2の回収装置17の要部の正面図であり、ユニット32を取り外すときの図9に続く途中の状態を示す。図11は、図3に示す第2の回収装置17の要部の平面図であり、ユニット32を取り外すときの図10に続く途中の状態を示す。
【0044】
図3および図9を参照して、ユニット32を取り外すときには、先ず、連結部材24の曲げ変形可能部24jを弾性曲げ変形させつつ、係合孔26aに対して係合突起24gをその軸方向に相対移動させる。係合突起24gの先端が係合孔26aから外れると、連結部材24を連結ピン25の回りに回動させて、取り外し方向B1からみたときに、連結部材24の第2の連結部24bを第1のレバー26に重ならないように配置する(図10参照)。この状態で、連結部材24の薄肉部24iを曲げることができる。曲げることにより、連結部材24の第2の連結部24bを取り外し方向B1側へ移動させることができる。図11に示すように連結部材24が略直角に曲がると、連結部材24は、取り外し方向B1から見たときに、ユニット32と重ならないように配置されている。従って、ユニット32が取り外し方向B1へ移動するときに、連結部材24が、ユニット32の移動に邪魔になることはない。
【0045】
図9,図10,図11を参照して、ユニット32を取り付けるときには、取り外しの手順と逆の手順で作業する。すなわち、連結部材24が、ソレノイド23に連結された状態で、薄肉部24iを曲げて、屈曲状態とされる。この状態で、ユニット32をハウジング5に対して取り付け方向に移動させて、所定位置に取り付けて、ユニット32をハウジング5に固定用のねじで固定する。連結部材24の屈曲状の弾性変形をもとに戻し、真直に延ばすように弾性変形させて、第1のレバー26と対向部33との間に配置する。連結部材24の所定部24hを弾性曲げ変形させて、この状態で、係合突起24gを係合孔26aに芯合わせして配置する。連結部材24の所定部24hへの曲げ力を解除すると、連結部材24が真直になる。これとともに、係合突起24gを係合孔26aに嵌合させ、係合突起24gをその基端部まで係合孔26aに嵌め入れる。
【0046】
図3を参照して、ハウジング5にユニット32が組み付けられて、駆動部としてのソレノイド23により可動部としての第1のレバー26が駆動されるときには、第2の係合部としての係合突起24gは、所定の組立方向A1についての相対移動を規制されていない状態で、第1の係合部としての係合孔26aに係合している。
このように本発明の実施形態によれば、駆動部としてのソレノイド23を装置本体としてのハウジング5に設けることにより、ユニット32に設ける場合に比べて、ユニット32の構造を簡素化できる。従って、交換可能で安価なユニット32を実現できる。しかも、第1の係合部としての係合孔26aと第2の係合部としての係合突起24gとの相対移動を規制しないことにより、規制するための構造や部品を簡素化したり、廃止したりできるので、画像形成装置全体としての構造を簡素化できる。また、ユニット32を着脱するときに、係合孔26aと係合突起24gとの相対移動を規制したり規制を解除したりする操作が不要であり、また、屈曲可能部としての薄肉部24iで連結部材24を屈曲させて着脱の邪魔にならないようにすることも可能である。その結果、ユニット32の着脱に手間がかからずにすむ。
【0047】
また、本実施形態では、連結部材24は、ユニット32がハウジング5に取り付けられた状態でユニット32の上記所定の取り外し方向B1側に配置される部分(この部分は、具体的には上述の所定部24hおよび曲げ変形可能部24jが相当する。)を含む。この場合、ユニット32を着脱するときに、上述の部分24h,24jが邪魔になることが想定されるが、連結部材24を屈曲させることで、邪魔にならないようにできる。
【0048】
屈曲可能部としての薄肉部24iを含み、より好ましくは、連結部材24は樹脂部材を含むことにより、連結部材24を大きな変形量で軽い力で容易に屈曲することができる。また、薄肉部24iで確実に屈曲させることができるので、屈曲させたときの形状がユニット32の着脱に邪魔にならない形状になるような連結部材24を実現できる。
また、上述の近接部材としての対向部33を設けることにより、第1および第2の係合部の相対移動を直接に規制しないことによる構造簡素化等の効果を得つつ、第1および第2の係合部の係合解除を対向部33により確実に防止することができる。
【0049】
また、本実施形態について、以下のような変形例を考えることができる。以下の説明では、上述の実施形態と異なる点を中心に説明し、同様の構成については同じ符号を付して説明を省略する。
例えば、第2の連結部24bにおいて、第1の係合部として係合孔(図示せず)を形成し、第2の係合部として係合突起(図示せず)を設けてもよい。
【0050】
また、上述の実施形態では、連結部材24は、ソレノイド23との連結を解除しないようにしていたが、これには限定されない。例えば、連結部材24は、ソレノイド23との連結および第1のレバー26との連結をともに解除してもよいし、ソレノイド23との連結のみを解除し、第1のレバー26との連結を維持して、連結部材24をユニット32と一体的に着脱するようにしてもよい。このような場合には、第1の連結部24aにおいては、連結ピン25が第1の係合部に相当し、係合孔24cが第2の係合部に相当する。
【0051】
要は、画像形成装置が、駆動部および可動部の一方に設けられた第1の係合部と、連結部材24に設けられていて、駆動部および可動部の上記一方および連結部材24を互いに連結するために、第1の係合部と係合する第2の係合部とを有していればよい。また、装置本体にユニット32が組み付けられるときには、第2の係合部が、第1の係合部に対して所定の組立方向A1に相対移動するのに伴って、第2の係合部は第1の係合部に係合するようにされ、装置本体にユニット32が組み付けられて駆動部により可動部が駆動されるときには、第2の係合部は、上記所定の組立方向A1についての相対移動を規制されていない状態で、第1の係合部に係合していればよい。これにより、上述の実施形態と同様に、構造を簡素化でき、手間をかけずに連結できる効果を得ることができる。
【0052】
また、ユニットとしては、第2の回収装置17のユニット32以外の画像形成装置1のユニットであってもよい。その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の実施形態の画像形成装置の概略構成を示す正面視での模式図である。
【図2】図1に示す第2の回収装置の正面図である。
【図3】図1に示す第2の回収装置の要部の平面図である。
【図4】図3に示す第2の回収装置の要部を斜め上方から見たときの斜視図である。
【図5】図3に示す第2の回収装置の要部を斜め下方から見たときの斜視図である。
【図6】図3に示す移動機構と連結部材との分解斜視図である。
【図7】図3に示すソレノイドと連結部材との分解斜視図である。
【図8】図3に示す第2の回収装置の要部の模式図であり、図8Aにトナーを回収しない状態を示し、図8Bにトナーを回収する状態を示す。
【図9】図3に示す第2の回収装置の要部の平面図であり、ユニット取り外しの途中状態を示す。
【図10】図3に示す第2の回収装置の要部の正面図であり、ユニット取り外しの図9に続く途中の状態を示す。
【図11】図3に示す第2の回収装置の要部の平面図であり、ユニット取り外しの図10に続く途中の状態を示す。
【符号の説明】
【0054】
1…画像形成装置
5…ハウジング(装置本体)
23…ソレノイド(駆動部)
24…連結部材
24g…係合突起(第2の係合部)
24h…所定部(ユニットの所定の取り外し方向側に配置された部分)
24i…薄肉部(屈曲可能部)
24j…変形可能部(ユニットの所定の取り外し方向側に配置された部分)
26…第1のレバー(可動部)
26a…係合孔(第1の係合部)
32…ユニット
33…対向部(近接部材)
A1…所定の組立方向
B1…所定の取り外し方向
【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置本体と、
装置本体に着脱可能なユニットと、
ユニットに設けられた可動部と、
装置本体に設けられ可動部を駆動する駆動部と、
駆動部および可動部を連結する連結部材と、
駆動部および可動部の一方に設けられた第1の係合部と、
連結部材に設けられて第1の係合部に係合する第2の係合部と、
装置本体に対してユニットを組み付けまたは取り外すときに連結部材を屈曲変形させるために、連結部材に設けられた弾性曲げ変形可能な屈曲可能部と、を備え、
装置本体にユニットが組み付けられるときには、第2の係合部が、第1の係合部に対して所定の組立方向に相対移動するのに伴って、第1の係合部に係合するようにされ、
装置本体にユニットが組み付けられた状態で駆動部が可動部を駆動するときには、第2の係合部は、第1の係合部に対する上記所定の組立方向についての相対移動を規制されていない状態で第1の係合部に係合していることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1記載の画像形成装置において、
上記ユニットは、装置本体に対して所定の取り外し方向に沿って移動させることにより取り外し可能であり、
上記連結部材は、ユニットが装置本体に取り付けられた状態でユニットの上記所定の取り外し方向側に配置された部分を含むことを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の画像形成装置において、
上記屈曲可能部は、薄肉部を含むことを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
上記連結部材の近傍には、連結部材に当接可能な近接部材が設けられていて、この近接部材と連結部材とが当接することにより、第1の係合部と第2の係合部との係合解除が阻止されることを特徴とする画像形成装置。
【請求項1】
装置本体と、
装置本体に着脱可能なユニットと、
ユニットに設けられた可動部と、
装置本体に設けられ可動部を駆動する駆動部と、
駆動部および可動部を連結する連結部材と、
駆動部および可動部の一方に設けられた第1の係合部と、
連結部材に設けられて第1の係合部に係合する第2の係合部と、
装置本体に対してユニットを組み付けまたは取り外すときに連結部材を屈曲変形させるために、連結部材に設けられた弾性曲げ変形可能な屈曲可能部と、を備え、
装置本体にユニットが組み付けられるときには、第2の係合部が、第1の係合部に対して所定の組立方向に相対移動するのに伴って、第1の係合部に係合するようにされ、
装置本体にユニットが組み付けられた状態で駆動部が可動部を駆動するときには、第2の係合部は、第1の係合部に対する上記所定の組立方向についての相対移動を規制されていない状態で第1の係合部に係合していることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1記載の画像形成装置において、
上記ユニットは、装置本体に対して所定の取り外し方向に沿って移動させることにより取り外し可能であり、
上記連結部材は、ユニットが装置本体に取り付けられた状態でユニットの上記所定の取り外し方向側に配置された部分を含むことを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の画像形成装置において、
上記屈曲可能部は、薄肉部を含むことを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
上記連結部材の近傍には、連結部材に当接可能な近接部材が設けられていて、この近接部材と連結部材とが当接することにより、第1の係合部と第2の係合部との係合解除が阻止されることを特徴とする画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2007−148130(P2007−148130A)
【公開日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−344222(P2005−344222)
【出願日】平成17年11月29日(2005.11.29)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年11月29日(2005.11.29)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】
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