説明

画像形成装置

【課題】
高速印字に十分対応できる性能をもった定着器を備えた画像形成装置を提供することにある。
【解決手段】
画像形成装置筐体の下方に、記録媒体を格納する用紙カセットを配置し、前記用紙カセットの上方に、トナー画像を記録媒体に転写する転写部と前記記録媒体に転写されたトナー画像を定着する定着部とを配置し、前記転写部は中間転写ベルトを張架する複数のベルト張架ローラのひとつと対向して設置し、前記中間転写ベルトの上方に、複数の感光体ドラムを水平方向に配置し、前記定着部は複数の定着ベルト張架ローラに張架された定着ベルトを有し、前記定着ベルトを前記複数の感光体ドラムの配列と概ね同一方向に記録媒体搬送経路に沿って配置し、前記定着ベルトによりトナー画像を定着された記録媒体を前記筐体内の外面に沿って上方に排紙させる構成とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真技術を用いたカラー画像を形成する複写機、プリンタ、ファックスなどの画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式では、感光体上に画像データに対応した静電潜像を形成し、帯電した粒子であるトナーを静電潜像の電位パターンに対応させて感光体上に付着させることで潜像をトナー画像として可視化し、このトナー画像を用紙などの記録媒体に転写して用紙上に画像を形成する。このプロセスでカラー画像を形成する場合は、複数色のトナー、例えばイエロー、マゼンタ、シアン等の色トナーを重ね合わせて画像を形成しなくてはならない。
【0003】
カラー画像を形成する画像形成装置では、この各色のトナーを重ね合わせる方法に様々な特徴がある。カラー画像の形成方法は、大きく分けて2種類が提案されている。1つは、1つの感光体に各色のトナーを繰り返し現像してカラー画像を形成する繰り返し現像方
式、もう一つは、複数個の感光体で各色のトナーを同時に現像してカラー画像を形成する同時現像方式である。以下に各カラー画像形成方法について詳しく説明する。
【0004】
繰り返し現像方式は、1つの感光体を用いてカラー画像を形成する方式である。この方式の例には、感光体上色重ね方式、転写ドラム方式、中間転写体方式の3つがある。
【0005】
その中でも高画質の画像を記録可能な方式である中間転写体方式は、特許文献1に記載の通り、感光体の周りに各々異なる色トナーを現像する複数個の現像器と中間転写体を配置し、感光体上に形成したトナー画像を中間転写体上に転写し、これを各色毎に繰り返して複数の色トナーを中間転写体上で重ね合わせた後、中間転写体上のトナー画像を用紙に転写してカラー画像を出力する方式である。
【0006】
また、同時現像方式には、特許文献2、特許文献3に記載のような複数の感光体を備え、各感光体で同時にトナー画像を形成し、用紙の搬送に対応させてトナー画像を転写し、カラー画像を形成するタンデム方式と呼ばれるカラー画像形成方法に代表される方式がある。
【0007】
【特許文献1】特開平8−137179号公報
【特許文献2】特開平10−186894号公報
【特許文献3】特開平10−260593号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
オフィス環境のカラー化、デジタル化に伴い、カラー画像を用紙などの記録媒体に印字するという要求が高まっている。これらの要求を満たすカラー画像形成装置には、設置面積が小さくオフィスに設置できるというコンパクト性、及び写真などを出力できる高画質、普通紙以外にもOHPや厚紙等の様々な記録媒体に印字できる多種多様な用紙対応性、さらには大量の事務文書を短時間で印字する高速性という4つの性能が必要である。
【0009】
中でも、それ自信がオフィス向けの前提条件であるコンパクト性、並びにパソコンやネットワークの進歩に裏付けられたカラー画像処理・伝送技術の高速化からくる印字の高速性という2つの要求は、これからのカラー画像形成装置には欠くことのできない重要な性能となってきている。
【0010】
この高速化を容易にする構成として、先に述べたタンデム方式がある。タンデム方式では、各色のトナー画像をほぼ同時に形成するため、モノクロプリンタと同等の速度でカラー画像を形成可能である。しかしながら、各感光体で独立に画像が形成されるため、各色のトナー画像を重ね合わせることが非常に難しい。各色のトナー画像の位置あわせは、各感光体、露光器のピッチや平行度などの配置精度に影響され、これらが精度良く配置されていない場合には、各色のトナー画像のずれによる色相の変化や、画像が2重に見える等の画像品位を大きく低下させる不具合が発生する。さらに、ユーザが消耗品である感光体を交換時に脱着することによっても、これらの配置精度は大きく低下してしまう。このため、タンデム方式においては、高画質記録の観点で、各色トナー画像の位置あわせが重要な課題となっている。
【0011】
本発明の目的は、小型かつ高速、高画質記録が可能である画像形成装置を提供することにある。
【0012】
また、メンテナンス性に優れた画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、複数の感光体と、各々の前記感光体上に静電潜像を形成する複数の露光器と、各々の前記感光体上にトナー画像を形成する複数の現像機と、前記トナー画像を重ね合せてカラートナー画像を形成するための中間転写体と、前記カラートナー画像を記録媒体に転写するための転写部と、前記記録媒体上の前記カラートナー画像を定着する定着器とを有し、前記複数の感光体は、一体ユニットの構成とした。
【0014】
また、感光体ユニットを一列に配列された複数の感光体と、各々の前記感光体上を一様に帯電させる複数の帯電器と、各々の前記感光体上をクリーニングする複数の感光体クリーナとを有し、前記複数の感光体と、前記複数の帯電器と、前記複数の感光体クリーナを1つのユニット構成とする。
【0015】
このように複数の感光体を用いて印刷するので、感光体を1つしか使わない時に比べ、高速印字が可能となる。また複数の感光体を一体型ユニットとすることで、感光体の交換時の着脱による各感光体の配置ずれが生じる心配がなく、印刷時の画像ずれがなく高画質記録が可能であると共に、メンテナンスが容易になる。
【0016】
また、縦方向一列に配列された複数の感光体と、前記複数の感光体の一方側に配置された複数の現像機及び複数の露光器と、前記複数の感光体の他方側に配置された中間転写体と、前記複数の感光体下方に配置された用紙カセットとを有し、前記複数の現像機と、前記複数の露光器は、前記複数の感光体の配列方向に対して垂直方向に配置され、且つ前記複数の現像機と、前記複数の露光器は、前記複数の感光体の配列方向に交互に配置された構成とした。
【0017】
このような配置構成とする事で、複数の感光体を用いる場合でも、高速印字が可能で、小型な画像形成装置が提供できる。
【0018】
さらに露光器を画像形成装置の筐体側に固定させて配置することで、設計的な露光のずれがなく、安定な露光が可能で、高画質な画像記録が可能である画像形成装置を提供できる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、トナーの付着している記録媒体を十分に加熱することができるため、トナーを確実に定着可能な定着器を備えた小型の画像形成装置が提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下図面を用いて説明する。
【0021】
(実施例1)図1は、本発明の第1の実施例である画像形成装置の概略断面を示したものであり、小型且つ高速印字、同時に高画質な画像記録が可能な画像形成装置を提供できるものである。
【0022】
筐体200の中央部には、カラー画像形成に必要なイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色のトナーに対応した4つの感光体1a、1b、1c、1dを縦に並べて配置し、各々が各軸を回転可能として支持体にて連結し、一体の感光体ユニット22構成として設けている。さらに、縦に並べて配置した複数の感光体1a、1b、1c、1dに接触するように中間転写ベルト2を4つのベルト張架ローラ10a、10b、10c、10dにより複数の感光体の配列方向にほぼ水平に縦に長く張って配置している。その時、中間転写ベルト2を介して各感光体1a、1b、1c、1dに対向した位置に感光体からのトナー像をベルト上に転写するための転写補助ローラ9a、9b、9c、9dを設けた。そして縦に並べて配置した各感光体1a、1b、1c、1dにおいて、中間転写ベルト2が配置された側とは反対側に、各感光体1a、1b、1c、1dの表面を露光し静電潜像を形成する露光器4a、4b、4c、4dと、その静電潜像をトナーで可視化する現像機5a、5b、5c、5dを縦方向に交互に積層して配置している。尚、各露光器4a、4b、4c、4dと各現像機5a、5b、5c、5dとの間は、少しの隙間があっても良いし、何か他の部材が介在していても良いが、装置を小型化するためにも、できるだけその間は、小さい間隔とする。
【0023】
また、各感光体1a、1b、1c、1dは、図1では左回りに回転している。いわゆる中間転写ベルト2と接触している位置では、上方から下方へ回転している。このように感光体が回転すれば、他の印写プロセスの配置及び中間転写ベルト2の回転方向が決定する。この場合、中間転写ベルト2は、感光体と接触する位置で感光体と同様に上方から下方へ回転移動する。
【0024】
また、中間転写ベルト2の外周には、各色画像の変位を検出する画像センサ11、トナーの帯電性を整えるトナー帯電器12、中間転写ベルト2上のトナー画像を記録媒体の用紙に転写する転写器13、用紙を中間転写ベルト2から剥離する用紙除電器14、中間転写ベルト2上のトナーをクリーニングする中間転写ベルトクリーナ15を設けている。この中間転写ベルトクリーナ15にてクリーニングされた排トナーを回収するベルト排トナー回収部52を設けている。さらに、用紙の搬送経路上には、用紙カセット16、給紙機構17、分離パット87、レジストローラ18、定着器19を配置している。
【0025】
次に図3に感光体の周辺部の構成の拡大図を示す。以下感光体1aの周辺について説明するが、他の感光体1b、1c、1dも同様である。
【0026】
各感光体1aの周りには、感光体1aを帯電する帯電器3a、先程説明した露光器4a、現像機5a、中間転写ベルト2、感光体1a表面を除電するイレーズランプ8a、残留トナーをクリーニングする感光体クリーナ6a、感光体クリーナ6aでクリーニングされた排トナーを回収する排トナー回収部7a、中間転写ベルト2において、現像機5aによって感光体1a上に形成されるトナー像を中間転写ベルト2上に転写するのを補助する転写補助ローラ9aを設けている。
【0027】
本実施例では、トナーを中間転写ベルト2に転写した後で感光体1a上に残ったトナーや、中間転写ベルト2上のトナー画像が逆転写して付着したトナーを除去するために感光体クリーナ6a、6b、6c、6dを設けている。
【0028】
感光体1aにトナーが残留していると露光量のむらや現像機5aのトナーの混色が発生するため、これらのトナーを確実に除去することが必要である。よって、感光体クリーナ6a、6b、6c、6dにクリーニングブレードを用いて感光体をクリーニングしても良い。クリーニングブレードは、ゴム等で形成された弾性ブレードを感光体に直接接触させてトナーを掻き取るため、クリーニングを確実に行うことができる。さらに、ブレードのみの簡単な構成であるため、クリーナ構成を小型にできるとともにコスト低減が可能である。
【0029】
感光体クリーナ6a、6b、6c、6dで掻き落としたトナーは、感光体1a、1b、1c、1d下方に配置した排トナー回収部7a、7b、7c、7dへ、重力を利用して排出している。排トナー回収部7a、7b、7c、7dは、スパイラル形状のローラを用い、これを回転させることでトナーを搬送している。排トナー回収部7a、7b、7c、7dで回収したトナーは、最終的に装置内に配置されている排トナー排出経路102(図2参照)を通って排トナーケース等に搬送し、一括して捨てるようにしている。
【0030】
また、感光体1a、1b、1c、1d表面の電位を安定化させるために帯電前に予め感光体表面の電位を減衰させるのが有効である。また、感応体表面の電位を下げると、感光体とトナーの静電的な結びつきが弱まり、感光体上に残留したトナーのクリーニングを確実に行うことができる。さらに感光体1a、1b、1c、1dをそれぞれ除電するイレーズランプ8a、8b、8c、8dを設けている。イレーズランプ8a、8b、8c、8dは、LEDアレイであり、光照射によって感光体表面を除電する。
【0031】
次に各感光体1a、1bの位置関係と、画像の位置を図4を用いて説明する。図4(a)は、感光体1a、1bが正規の位置にある場合、図4(b)は、感光体1bがずれて配置されたときの場合、図4(c)は、感光体1a、1bで形成された画像20、21を重ねる場合を示す。
【0032】
本発明の画像形成装置は、写真などの高解像度、高品位の画像を出力することが要求される。高画質記録を実現するためには、微小ドットを正確に印字させることや、べた画像の均一性を向上させること等が必要であるが、各色のトナー画像のずれが、画像のだぶり
や色相のずれを引き起こして画像品位を大きく低下させるため、各色の画像の位置合わせを正確に行うことが必要である。
【0033】
各色トナー画像の位置合わせは、各感光体の配置位置、及び露光器の配置位置が重要である。
【0034】
最初に、中間転写ベルト2回転方向最上流部に位置する第1の感光体1a上に露光器4aにて露光が開始される。感光体1aの直下にある第2の感光体1bでの画像露光は、中間転写ベルト2上に感光体1aで形成された画像20と感光体1bで形成された画像21を重ねるため、感光体1aへの露光器4bにての画像露光の開始時間より、静電潜像が露光位置から中間転写ベルト2との接触部に移動する時間と中間転写ベルト2表面が感光体1a、1b間を通過する時間だけ遅らせて行う。従って、各色の画像位置合わせでは、各感光体上の露光位置から中間転写ベルト2への接触位置までの距離、各感光体間1a、1bの間隔、並びに、感光体及び中間転写ベルトの表面速度が重要である。この時、図4(b)のように、感光体1bが所定の位置よりずれて配置されていると、画像20、21先端は、そのずれに対応してずれてしまう。このため、各感光体及び露光器の配置位置精度は高い精度が要求される。
【0035】
しかしながら、感光体は印字に伴い表面の摩耗や感光特性の劣化が起こるため、交換が必要である。さらに、ビジネス環境で使われる画像形成装置では、消耗品の交換をユーザ自身で行うことが要求されている。この様な容易に交換可能な構成は、逆に感光体の配置精度を低下させる要因となり、精度を高く配置することが難しいのが現状である。
【0036】
各感光体を別々のユニットにして、別個に交換する構成とする場合、各色画像の位置合わせで重要な各感光体の配置精度は、各感光体がバラバラのユニットであることと、それらが別々に交換されることによって、低くなってしまう。
【0037】
そこで、図1の実施例では、各色のトナー画像が形成される複数個の感光体1a、1b、1c、1dを感光体ユニット22というユニット内に固定配置し、感光体ユニット22全体を交換する構成とした。
【0038】
本実施例では、各感光体1a、1b、1c、1dと、帯電器3a、3b、3c、3dと、感光体クリーナ6a、6b、6c、6dと、排トナー回収部7a、7b、7c、7dとを一体ユニットとして感光体ユニット22を構成して設けている。尚、イレーズランプ8a、8b、8c、8dは、感光体ユニット22内に配置しても良いし、外に設けても良い。
【0039】
また、図4(c)のように感光体ユニット22そのものが規定位置からずれて配置されると、図4(a)から図4(c)のように感光体がずれて配置される。しかしながら、感光体がユニット化されているため、感光体1a、1bのずれ量は、等しい。このため、感光体1a、1bで形成された画像20、21は、規定の位置からずれて中間転写ベルト2上に転写されるが、画像20、21ともにずれ量は同じであり、最終的に画像は正確に重なる。この時、各色を重ねた画像の先端位置のずれは、記録媒体の給紙、転写時に画像先端と用紙先端を合わせる合わせ精度より十分小さく、現実的に問題にならない。このように、各感光体1a、1b、1c、1dを感光体ユニット22というユニット内に固定配置し、感光体ユニット22を交換可能な構成とすることで、各色画像の位置合わせが正確に行え、高画質記録が可能な画像形成装置を実現することができる。
【0040】
また、各色画像のトナーの位置合わせについては、各感光体1a、1b、1c、1dを露光する露光器4a、4b、4c、4dの配置精度も重要である。例えば、各感光体を露光する露光器が、本体上部カバーの様な開閉可能な部材に取り付けられている場合、これらの部材の開閉時に各露光器の配置位置がずれる可能性が高く、画像位置ずれが発生しやすい。
【0041】
従って、本実施例の画像形成装置では、各露光器4a、4b、4c、4dを本体筐体200に固定配置することによって、各露光器4a、4b、4c、4dの配置位置は正確かつ変動をなくすことができる。
【0042】
しかしながら、より高精細の画像記録に対応して、解像度を高くする場合は、各色画像の位置合わせを極めて高精度で行わなくてはならないため、本構成でも不十分な場合がある。
【0043】
このような場合として、本実施例では、各色画像の位置合わせを正確に行うために消耗品を交換した時もしくは、何らかの不具合で各色画像のずれが大きい場合に、サンプルパターンを印字し、これを基にユーザもしくは操作員が画像の書き出し位置を調整できる機
構を設けて、常に高画質記録を可能としている。
【0044】
さらに、各色画像の位置合わせを正確に行う方法として、上記をより発展させて、各色画像の位置を検出し、画像のずれ量に応じて書き出しのタイミングや位置を制御する機構も適用できる。この画像位置ずれ制御部は、各画像(例えば、イエロ、マゼンタ、シアン、ブラックの4色画像)の位置を検出する画像センサ11、画像センサ11の検出結果を基に、実際に印字する画像がどの程度ずれるか判断するずれ算出部と、ずれ算出部の結果を基に各画像に対する画像補正を行う画像補正部とにより構成されている。画像の位置は、予め各色の画像ずれの測定が容易なパターン、例えば、画像位置検出パターンを中間転写ベルト2上に印字し、画像が検出された時間等を測定することによって、正確に測定することが可能である。この、画像位置検出パターンは、装置を立ち上げ時、印字中などのある決められたタイミングで用紙間などの非画像領域に印字する。
【0045】
ここで、画像センサ11の一実施例について説明する。画像センサ11は、中間転写ベルト2上に配置し、中間転写ベルト2上の各色画像の位置を検出する。画像センサ11内には、発光部と受光部が設けられ、発光部から発した光を中間転写ベルト2表面に当て、その反射光を受光部で受光する構成としている。中間転写ベルト2上にトナーがある場合と無い場合とでは反射される光の強度が異なるため、この差を検出して、トナーの有り無しを検出する。このとき、トナー画像の位置検出精度を高くするためには、発光部からでる光のスポット径を、画像位置ずれの許容値より小さくすることが必要である。本実施例では、各色の画像の位置ずれを100μm以下としているので、発光部から出される光のスポット径は、100μm以下にしている。発光部には、レーザダイオードや、LED等を用いることができる。画像センサとしては、上記の光を用いたものの他に、帯電した粒子であるトナーの電位を計る電位計を用いることも可能である。
【0046】
また、各色トナー画像のずれは、各色画像の平行な上下左右方向のずれ、画像の角度ずれ、画像の上下左右の伸び縮みがある。本実施例では、図20の様に、画像位置ずれを検出する画像センサ11を中間転写ベルト2の右側と左側に計2つ配置し、複数個の画像セ
ンサ11で測定を行うことで、画像の詳細な位置を測定している。画像センサ11で検出した結果、予想していた位置より各画像がずれている場合は、露光の書き出しタイミングや各プロセスの位置にずれが生じているからである。この結果を基に、ずれ算出部で各画像がどの様にずれているか、どの程度ずれているかを判断する。ずれ算出部では、各画像パターンの先端位置のみならず、後端位置、及びその左右等の位置測定結果から、各画像
の位置並びに角度ずれ、画像の伸び縮みを判断する。例えば、くさび型のような文字パターンの各ラインを測定すると、先端の位置、角度ずれなどを知ることが可能である。
【0047】
この結果を基に、実際に印字する画像の書き出し位置のx、y座標、画像の角度、画像の長さを調整するのが画像補正部である。画像補正部で各色画像を回転させたり伸び縮させる場合は、印字する画像全体をメモリ上に格納し、画像処理を行う方法が適用できる。
【0048】
画像センサ11は、中間転写ベルト2のトナーが付着している面と対向位置に配置されるため、中間転写ベルト2からの飛散トナーで汚れる場合があり、これは、検出精度を低下させる要因となる。これを防ぐため、画像センサ11をクリーニングする機構を設けることも可能である。また、画像位置を測定しないときは、画像センサ11の発光・受光部を覆い隠すカバーをかける構成も、センサの汚れ防止に有効である。
【0049】
また、センサの受光部が検出する光は、トナーの付着量に対応してレベルが変化するため、中間転写ベルト2上のトナーの付着量を検出することができる。そこで、先に述べたようなトナー付着量に対応して露光強度や露光時間、現像バイアスなどをコントロールする制御機構を設けて画質向上を図る場合は、トナー付着量を測定するセンサとして他の実施例の画像センサ11を用いることもできる。
【0050】
次に上記した感光体ユニット22の一実施例の詳細を図2に示す。図2(a)、図2(b)に感光体ユニットの側面図を示し、図2(c)に感光体ユニットの平面図、図2(d)、図2(a)とは反対側の側面図を示す。
【0051】
図2(b)に示す感光体ユニット22は、上述した通り、複数の感光体1a、1b、1c、1dと、その各感光体1a、1b、1c、1d上をクリーニングする感光体クリーナ6a、6b、6c、6dと、各感光体クリーナ6a、6b、6c、6dにてクリーニングされた排トナーを回収する排トナー回収部7a、7b、7c、7dと、各感光体1a、1b、1c、1d上を一様に帯電する帯電器3a、3b、3c、3dとを設けている。
【0052】
感光体ユニット22は、図2(c)のように少なくとも各感光体1a、1b、1c、1dは、2つの支持体110a、110bによって支持するように配置し、筐体200側には、この支持体110a、110bを保持する保持体を設けている。いわゆる各感光体1a、1b、1c、1dを一体のユニットとして構成している。また、製造時に精度調整を行うことで、各感光体1a、1b、1c、1dの間隔、平行度を高精度に配置できるとともに、その精度を保つことが可能である。さらに、ユーザが感光体を交換する場合でも、各感光体1a、1b、1c、1dが一体構成されている感光体ユニット22として交換するため、各感光体間の間隔や平行度も安定にできる。また、本構成では、各感光体1a、1b、1c、1dが感光体ユニット22として交換、脱着するため、感光体ユニット22の配置位置は規定位置より変位する可能性があるが、感光体ユニット22内の各感光体1a、1b、1c、1dは、規定の間隔を保つとともに、平行であるので、感光体の配置位置がずれる
事無く、画像の位置合わせが容易となる。いわゆる各感光体相互間の上下左右の距離がずれたりすることがなく、容易に感光体を交換することができ、メンテナンス性が向上する。
【0053】
また、複数の感光体1a、1b、1c、1dに関係する帯電器3a、3b、3c、3d等の周辺機器も複数の感光体と一緒に一体ユニットとすることにより、メンテナンス性を落さず、更に安定した高画質、高精細な画像記録が可能となる。
【0054】
次に複数の感光体1a、1b、1c、1dの駆動方法について説明する(図2(c)(d)参照)。感光体の駆動は、各感光体1a、1b、1c、1dを同回転速度にする方法と、異なった回転速度にする方法が適用できる。各感光体1a、1b、1c、1dの直径のばらつきを小さくすることができる場合は、各感光体を同じ回転速度で駆動する方法を用いる。
【0055】
各感光体1a、1b、1c、1dは、支持体110a、110bと連結するために各軸を回転駆動する感光体駆動ギヤ100を設け、本体側(感光体ユニット外側、筐体200側)から一つのギヤでこれらの感光体1a、1b、1c、1dを駆動する。それと同時に排トナー回収部7a、7b、7c、7dを駆動する排トナー回収部駆動ギヤ101とを設けている。さらに、感光体駆動ギヤ100が配置されている側とは反対側、いわゆる支持体110a側に排トナーを排出する排トナー排出経路102を設けている。
【0056】
また、各感光体1a、1b、1c、1dを駆動するギヤの連結を本体側に配置し、本体側から4つのギヤで各感光体1a、1b、1c、1dを駆動することも可能である。この場合、各感光体1a、1b、1c、1dを駆動する感光体駆動ギヤ100は、感光体ユニット22が上方に着脱されることを想定して、本体ギヤと感光体駆動ギヤ100が感光体ユニット22の着脱時に干渉しないように、少しずつずらして段違いで配置する。
【0057】
また、各感光体1a、1b、1c、1dの連結は、上記のようなギヤを用いなくてもベルトで連結することも可能である。
【0058】
複数の感光体1a、1b、1c、1dの直径ばらつきが大きい場合は、各感光体1a、1b、1c、1dを同回転数で駆動すると各感光体間に周速差が生じ、画像の位置ずれや滑りが発生する。これらの周速差は、各感光体1a、1b、1c、1dを独立に駆動する方法で低減可能である。各感光体1a、1b、1c、1dにそれぞれ駆動するモータを設け、感光体1a、1b、1c、1dの直径のばらつき等に起因する各感光体1a、1b、1c、1dの周速差を補正することによって、画像の位置合わせ精度を寄り高めることが可能となり、高画質化に有効である。また、このとき、各感光体1a、1b、1c、1d間で中間転写ベルト2をたわまないようにするため、中間転写ベルト2の移動方向下流の感光体1dを上流の感光体1aより早く駆動してもよい。
【0059】
現像機5a、5b、5c、5dや感光体クリーナ6a、6b、6c、6dの摩擦負荷を小さくできる場合は、感光体1a、1b、1c、1dに特に駆動力を与える必要はなく、中間転写ベルト2に従動駆動することも可能である。この場合は、中間転写ベルト2の速度にそれぞれの感光体1a、1b、1c、1dの周速を合致させることができるため、各色トナーの位置合わせを容易に行うことができる。このとき、中間転写ベルト2の駆動力を感光体1a、1b、1c、1dに確実に伝達するため、中間転写ベルト2表面に摩擦係数を高める部材、例えば、中間転写ベルト2もしくは感光体1の非印字領域にゴムなどの高摩擦材を設けることも可能である。
【0060】
先にも述べたように、中間転写ベルト2は、感光体1a、1b、1c、1dと接触しているベルト面にたわみを発生させないために、感光体を引っ張る位置、即ち、感光体1dの下方に配置しているベルト張架ローラ10bを駆動している。このベルト張架ローラ
10bは、ベルトとローラが滑らないようにローラ表面にゴムなどの摩擦層を設けている。さらに、感光体1a、1b、1c、1dの周速と中間転写ベルト2の速度を若干変えて中間転写ベルト2の速度を早くすることにより、先に述べたベルトのたわみの発生を押さえることができる。中間転写ベルト2の駆動方法は、ベルトにテンションを与える方法によって、以下のような構成を用いることも可能である。中間転写ベルト2の感光体配列面のたわみは、中間転写ベルト2の回転負荷となる部材、本実施例では、転写器13(図1参照)と中間転写ベルトクリーナ15の接触する中間転写ベルト2の感光体側の面でベルトにテンションを与えることでも低減することが可能である。このため、中間転写ベルト2のテンションをベルト張架ローラ10aや10b、または、感光体側に設けられた別部材を用いて与えることで、ベルトの駆動をベルト張架ローラ10a、10c、10dにて駆動してもよい。例えば、ベルト張架ローラ10bによってベルトにテンションを与え、ベルト張架ローラ10aを駆動する場合でも、各感光体が配置されるベルト面は、常に張られるため、たわみが発生しない。
【0061】
さらに、中間転写ベルトクリーナ15の接触負荷を低減することができれば、中間転写ベルト2を感光体の従動駆動とすることも可能である。この場合も、先に述べた感光体1a、1b、1c、1dを中間転写ベルト2に従動させると同様、両者の表面速度が合致するため、各色画像の位置合わせが容易である。
【0062】
上記感光体1a、1b、1c、1dや中間転写ベルト2の回転速度を可変する場合は、それらの駆動はパルスモータやサーボモータなどの回転数制御が可能なモータを用いる。
【0063】
次にその他の主要な各プロセスの駆動方法について説明する。
【0064】
本実施例では、帯電器3a、3b、3c、3d、として図1、図2に示した帯電ローラを用いているが、帯電ローラの駆動は、感光体周りの構成を簡略化するため、感光体1a、1b、1c、1dに従動駆動するように構成している。しかしながら、寿命を延ばす目
的で帯電ローラに大径のものを用いた場合や、トナーの付着を押さえる目的で帯電ローラ表面に高潤滑性の表面層を形成するなどして感光体と十分な摩擦力を得ることができない場合は、感光体他の駆動機構から動力を与えて駆動する構成としても良い。
【0065】
また現像器5a、5b、5c、5dは、図5に示す通り、各々が着脱可能なユニットとして構成されているため、個々の現像器5a、5b、5c、5dに別々に動力が伝達される。本実施例では、現像器駆動モータの動力を本体側で4つに分岐し、各現像器を駆動している。また、各現像器を各感光体で駆動することも可能である。
【0066】
また図11に示す通り、非磁性一成分現像方式を用いた画像形成装置では、現像ローラ37の回転速度を変えることでトナーの付着量をコントロールすることができるため、各色の付着量を調整する目的で、各現像器5a、5b、5c、5dを別モータで駆動し、各色の現像器5a、5b、5c、5dの回転数に差を持たせることも可能である。
【0067】
図1の実施例では、転写器13に転写ローラを用いている。この転写ローラは、機構を簡便化するため中間転写ベルト2に従動させている。転写ローラが中間転写ベルト2に大きな回転負荷を与える場合は、駆動することも可能である。
【0068】
次に本実施例の画像形成装置の印字シーケンスの一実施例を図1、図3を用いて説明する。
【0069】
最初にコントローラ(不図示)へプリント命令が送られると、中間転写ベルト2の駆動と、感光体1a、1b、1c、1dの駆動と帯電を開始する。引き続き、中間転写ベルト2に接触している感光体1aを露光器4aで画像露光して感光体1a上に静電潜像を形成し、静電潜像を現像器5aで現像してトナー画像を感光体1a上に形成するとともに、中間転写ベルト2上へトナー画像を転写する。ほぼ同時に直下にある感光体1bでも、画像露光を行い、現像機5bにてトナー画像の形成を行う。この感光体1bの露光開始は、感光体1bに形成するトナー画像が、先に感光体1aで形成された画像と中間転写ベルト2上にて正確に重なるようにタイミングを調整している。このプロセスで中間転写ベルト2
上に2色のトナー画像を重ねた画像が形成される。同様に、3色目、4色目の感光体1c、1dで露光、現像、転写を行い、中間転写ベルト2上で各色トナー画像を重ねたフルカラー画像を形成する。中間転写ベルト2上のフルカラー画像は、転写器13によって用紙カセット16から給紙され、搬送されてきた用紙等の記録媒体に転写し、定着器19で定着し、筐体200上方から排紙する。尚、本実施例では、高画質なフルカラー画像を記録
するために4色のトナーを用いてフルカラー画像を記録しているが、イエロー、マゼンタ、シアンの3色のトナーでもフルカラー画像を記録可能であり、感光体、現像機等の印写プロセスは、3つでも良い。
【0070】
電子写真方式を用いたカラー画像形成装置は、異なった色のトナーを重ね合わせてカラー画像を形成するが、本実施例の画像形成装置では、用いるトナー、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックに対応した4つの感光体を用い、ほぼ同時に画像を形成する同時印字方式を採用している。
【0071】
さらに、図1に記載の本実施例の画像形成装置の感光体及び中間転写体とを含む配置関係について以下に説明する。特にベルト状の中間転写体について以下に示す。
【0072】
本実施例の画像形成装置は、各感光体1a、1b、1c、1d上で形成された各色トナー画像をベルト状の中間転写体上に重ねた後、一括して最終記録媒体である用紙等に転写するために、感光体ユニット22と定着器19を同一直線上に配置する必要がない。図1の画像形成装置では、感光体ユニット22と定着器19の間に中間転写ベルト2を配置している。これによって、感光体配列方向に細長い装置構成を改善でき、省スペース化が図れる。
【0073】
さらに、中間転写ベルト2のベルト全体の断面積を小さくするように張架することによって、装置全体を小型化できる。また、各感光体1をそれぞれ露光、現像する露光器4a、4b、4c、4dと、現像器5a、5b、5c、5dを縦方向に積層配置している。このため、これらの部材が大きくなると、装置の大きさ、特に高さが大きくなる。本実施例では、露光器4a、4b、4c、4dと現像器5a、5b、5c、5dの高さ方向の長さを水平方向の長さより小さくすることで装置全体を小型化している。
【0074】
さらに本実施例では、感光体1a、1b、1c、1dをほぼ縦方向一直線上に配置するとともに中間転写ベルト2を感光体1a、1b、1c、1dの配列方向に概ね水平に長く張る構成にしている。中間転写ベルト2の感光体側の面を平面にすることによって、各感
光体1a、1b、1c、1dで形成されたトナー画像を重ねる際に重要なベルトの走行を安定にすることができると同時に、各感光体1a、1b、1c、1d周りのプロセス部品を同形状化して共通化することで部品コストを下げるとともに、印写条件の調整が簡便に行うことができる。
【0075】
上述した通り、本実施例では、各感光体1a、1b、1c、1dを備えた感光体ユニット22を縦に配列し、感光体ユニット22、中間転写ベルト2、定着器19を横方向(重力方向に垂直な方向)に並べて配置している。上記配置構成とすることにより、転写器13、定着器19を装置外面に近い位置に配置して、用紙の搬送経路を本体外面に沿って配置できる。このため、用紙ジャムが発生して用紙が本体内に残留した場合でも、筐体200の背面(転写器配置側)を開けて用紙の除去を容易に行うことができる。例えば、記録媒体を各感光体と転写ベルトの間を通過させて搬送する場合、用紙ジャム発生時に装置内部に残留した記録媒体の除去は、各感光体や転写ベルトを取り外してから行う必要があり、極めて複雑な手順が必要となってしまう。
【0076】
次に、本実施例の画像形成装置の感光体ユニット22と現像機5a、5b、5c、5dを含む各プロセスの交換方法および、筐体各部の開放構造の一実施例について図5を用いて説明する。
【0077】
上述したように感光体は印字に伴い表面の摩耗や劣化等が起こるため、交換が必要である。さらに、現像機も、トナーの消費に伴い交換する必要がある。優れたメンテナンス性を実現するためには、これらの感光体や現像機などの消耗品が、容易に交換できることが重要である。
【0078】
本実施例では、感光体1a、1b、1c、1dが一体化された感光体ユニット22を感光体1a、1b、1c、1dの配列方向、即ち縦方向に着脱可能な構成としている。図1の実施例では、縦方向に長い感光体ユニット22を本体筐体に固定している露光器4a、4b、4c、4dと中間転写ベルト2の間に配置しているが、上記の構成とすることにより、交換は容易である。
【0079】
さらに、本実施例の画像形成装置では、各色の現像機5a、5b、5c、5dそれぞれを感光体ユニット22の配置方向(縦方向または縦方向から少し傾いた斜め方向)に対して垂直方向に、感光体ユニット22に沿って配置するとともに横方向、すなわち感光体ユニット22の配置方向に対して垂直方向にスライドさせて着脱する構成としている。本実施例では、本体筐体200に固定している各露光器4a、4b、4c、4dの間にそれぞれ現像機5a、5b、5c、5dを配置し、交互に感光体ユニット22に沿って配置している。このような構成とすることにより、交換は容易となると共に消耗品を交換する交換者の負担が減る。また帯電器3a、3b、3c、3d、感光体クリーナ6a、6b、6c、6dは、印字に伴うトナーの付着等により汚れるため、交換可能としている。本実施例の画像形成装置では、図2で示す通り、感光体ユニット22内に配置し、感光体ユニット22と同時に交換されるようになっている。このとき、帯電器3a、3b、3c、3dや感光体クリーナ6a、6b、6c、6d自体も感光体ユニット22から脱着が容易なようにユニットとして構成しても良い。
【0080】
感光体1a、1b、1c、1dは、感光体ユニット22内に固定配置しているため、各感光体は感光体ユニット22の交換時に全てが交換される。しかしながら、先に述べたような各感光体1a、1b、1c、1dと中間転写ベルト2を離接させる機構を用いて、印字に必要なトナーの感光体のみを用いて印字を行う構成とした場合は、各感光体毎に摩耗や劣化の程度が異なる。この時、各感光体を同時に交換する構成では、感光体ユニット22の交換が最も使われた感光体で決まってしまうため、他の印字の少ない感光体が無駄になってしまう。この時は、感光体ユニット22から各感光体を着脱可能な構成とし、印字枚数に対応して各感光体を交換してもよい。
【0081】
また、各色トナー画像の位置合わせを正確に行うために、各露光器4a、4b、4c、4dは、直接筐体200に固定している。本実施例の画像形成装置に適用可能な他の構成として、露光器固定部材などを用いて各露光器を固定して、4つの露光器4a、4b、4c、4dを固定配置した露光ユニットを本体筐体200に固定する方法もある。露光器4a、4b、4c、4dは、特に消耗品として交換するわけではないが、本体と脱着可能な構成とすることで、装置の調整を容易に行うことが可能となる。
【0082】
また、イレーズランプ8a、8b、8c、8dは、本体筐体に固定配置もしくは感光体ユニット22内に配置することができる。
【0083】
本実施例では、中間転写ベルト2の寿命は、本体寿命と同じくしているため、筐体200にベルト張架ローラ10a、10b、10c、10dを固定配置する構成としている。しかしながら、ユーザの誤操作等で傷つきや破断などが発生し、交換が必要となる場合もある。このため、中間転写ベルト2をユニット化して交換可能構成とすることも可能である。
【0084】
中間転写ベルトクリーナ15は、本実施例の画像形成装置では無交換のため、本体筐体に固定配置されている。無論、中間転写ベルトクリーナ15を交換可能なユニット構成とすることもでき、先に述べた中間転写ベルトユニット内に中間転写ベルトクリーナ15を配置し、中間転写ベルト2と同時交換構成とすることができる。
【0085】
転写器13は、トナーや紙粉等の付着によって汚れるが、この汚れが転写性能に大きな影響を与える場合は、転写器13を交換可能な構成とすることもできる。
【0086】
定着器19は、高温であるとともに様々な種類の記録媒体が通紙されるため、定着性能を高く維持することが難しい。このため、本実施例の画像形成装置では、定着器19を交換可能なユニットとして構成している。もちろん、定着性能を高めるためにシリコンなどのオイルを塗布するオイル塗布機構83(図16参照)を用いている場合や、定着ローラ表面をクリーニングするクリーニング機構84を設けている場合では、それぞれをまた別のユニットとして定着器19に配置し、交換することも可能である。
【0087】
更に、複数個の感光体1a、1b、1c、1d上に形成されたトナー画像は、精度良く位置合わせる事が必要であり、図1の画像形成装置では、各プロセスの軸方向両端から側板で挟み込む構成を適用している。このような構成とすることで、感光体ユニット22、露光器4a、4b、4c、4d、中間転写ベルト2を張架するベルト張架ローラ等の配置位置は、側板によって正確に位置決めすることができる。
【0088】
従って、各プロセスを交換する場合は、図5において上下方向、もしくは左右方向にプロセスを脱着させる構成としている。
【0089】
筐体200上面には、開閉可能なトップカバーを設け、感光体ユニット22と定着器19はこのカバーを解放して縦方向上方へ引き出して交換する。さらに、図6本体右側には、現像器5a、5b、5c、5dを交換するための開閉可能なカバーを設けている。現像器5a、5b、5c、5dは、現像ロールを感光体と接触させなくてはならないため、感光体1a、1b、1c、1d側に荷重を加える必要がある。本実施例の画像形成装置では、現像機5a、5b、5c、5dを交換するときに開くカバーに現像機押しつけ部材を取り付け、扉を閉めると現像機を適切な荷重で押し込む構成にしている。
【0090】
図6本体左側には、本体内に残留した記録媒体を除去するための扉を設けている。本実施例では用紙の搬送経路が本体外面に沿って極度に曲がることのない概ね垂直に配置されているため、記録媒体の用紙が折り曲がることがないので、厚紙等の多種多様な用紙に適用可能であると共に記録媒体の除去は容易に行うことができる。
【0091】
また、用紙を補給する用紙カセット16は、本体右側から抜き差しできるようになっている。
【0092】
図5の一実施例では、各プロセスを側板で挟み込む構成を示しているが、例えば本構成でいう側板、すなわち記録媒体の排紙方向に対して側板に開口部を設け、そこから各プロセスユニットを交換する構成を適用することも可能である。この場合は、感光体ユニット22や現像機5a、5b、5c、5d等は、それぞれ回転軸の軸方向に着脱する。
【0093】
次に、各プロセスの詳細構成について説明する。
【0094】
図1の画像形成装置は、先にも述べたように、カラー印字時の印刷速度を現状のモノクロプリンタと同等とするため、感光体や中間転写ベルト、記録媒体の移動速度であるプロセス速度を100mm/s(100mm/秒)、としている。プロセス速度を100mm/sとすると、A4サイズ用紙を縦、および横に通紙する場合にそれぞれ、用紙間の隙間を考慮しても約16PPM、約24PPMの印字速度を得られ、現状のモノクロプリンタと同等の印刷速度を確保可能である。
【0095】
図1の画像形成装置で用いる感光体1a、1b、1c、1dは、それぞれ同径のドラム形状の感光体であり、アルミニウムの円筒素管表面に有機感光層を設けた構成としている。無論、感光体としては、アモルファスシリコン感光体のような無機感光体を用いることも可能である。感光体1a、1b、1c、1dをドラム形状の剛体とすることで、各色感光体上で形成されたトナー画像の位置合わせで重要な感光体表面速度を安定させることができる。さらに、同径のドラムを用いることで、部品コストを低減できる。
【0096】
次に感光体1a、1b、1c、1dの直径について説明する。感光体の直径は、できるだけ小さいほうが装置全体を小型化できる。しかしながら、感光体表面の電位は、光を照射されてから減衰するまでにある程度長い応答時間が必要である。応答時間は、感光体の感度によって変わるが、現状低価格で提供される有機感光体の応答時間は、0.1〜0.2秒程度である。このため、感光体上の露光器の光が当たる露光点と、現像機が感光体を現像する現像点の距離は、図1の画像形成装置では、プロセス速度が100ミリメートル/sであるため、露光点と現像点を10mm〜20mm程度必要である。この応答速度と感光体周りの帯電器、感光体クリーナ等のプロセスの配置を考慮して感光体の直径を検討した結果、現状では40mm以上必要であることがわかった。感光体を40mm以下にすると、露光点と現像点間の距離を確保できず、感光体の応答が追いつかない。この結果から、本実施例では感光体の直径を40mmとした。勿論、感光体の感度が向上した場合は、それ以下の径、例えば直径30mm程度の感光体を用いることも可能である。また、より高速印刷を行うことが重要な場合は、感光体の直径を大きくすることも必要である。
【0097】
さらに、ベルト形状の感光体を用いることも可能である。感光体をベルト形状とすると、ベルトの寄りを押さえなくてはならないことと、ドラム形状の感光体より構成が複雑であるという問題があるが、ベルトの張架方法で感光体の配置スペースを小さくすることができるとともに、感光体周りの各プロセスの配置裕度が増すため、感光体周りもより小型化することができる。
【0098】
また、本実施例で用いている帯電器3a、3b、3c、3dは、バイアス電圧を印加した帯電ローラを用いて感光体1を帯電している。帯電ローラは、帯電ローラ金属軸上に帯電ローラ弾性層を形成し、その上に帯電ローラ表面層を形成している。帯電ローラを用い
て感光体をムラ無く帯電するためには、帯電ローラと感光体との接触を確実にする必要がある。このため、帯電ローラは、帯電ローラ金属軸の表面をソリッドゴムやスポンジゴム等のゴム材により形成される帯電ローラ弾性層で覆った構成するとともに、安定したニップが形成できるように感光体と適切な荷重で接触させている。さらに、帯電ローラ弾性層のゴム材を導電性もしくは半導電性とすることで、帯電ローラ金属軸に印加したバイアス電圧を効果的に感光体へ加え、帯電を確実に行っている。この帯電ローラの表面には、帯電ローラ弾性層のゴム材に含まれる可塑剤がトナーや感光体を変質させるのを防止するために、また、帯電ローラ23の長寿命化、トナー離形性向上、等の目的で表面にフッ素樹脂等の帯電ローラ表面層を設けている。
【0099】
図1の画像形成装置の帯電器3a、3b、3c、3dの帯電ローラは、直径5mmの帯電ローラ金属軸に厚さ2mmのウレタンスポンジゴムの帯電ローラ弾性層を設け、さらにその表面にフッ素樹脂のチューブである帯電ローラ表面層を設けている。このため、帯電ローラとしての直径は約9mmで非常に小径であるが、帯電ローラ弾性層25にスポンジゴムを用いているため、感光体との接触性は良好である。この様な小径の帯電ローラを用いることで、感光体周りのプロセスの配置に裕度を持たせることができる。また、これら帯電ローラ弾性層、表面層の抵抗値は、約10kΩcmと低抵抗にしているため、低い電圧で感光体を帯電できる。さらに、本実施例の画像形成装置では、帯電器3の他の構成としてコロナ帯電器を用いることも可能である。
【0100】
コロナ帯電器は、開口部を設けたシールドケース内にコロナワイヤを配置し、ワイヤに高電圧を印加してコロナ放電を発生させ、開口部より放電電荷を感光体に照射し、感光体1を帯電する帯電器である。感光体の帯電電位を安定化させる目的で、開口部に規定電圧を加えたグリッドを設けたものを用いることもできる。コロナ帯電器では、ワイヤとシールドケースの距離が狭いと火花放電が発生し放電が不安定となるため、ワイヤとシールドケースの間を狭くすることができない。従って、帯電器全体の大きさとしては、先に述べた帯電ローラより大型になる傾向がある。しかしながら、コロナ帯電器は、感光体と直接接触せずに帯電可能であるため、帯電器の長寿命化を図ることが可能であり、長寿命化の方が重要である場合は、コロナ帯電器を用いることもできる。
【0101】
図6は、本実施例の画像形成装置の露光器4aの一実施例を示している。他の露光器4b、4c、4dも同様である。
【0102】
オフィスでは、近年のコンピュータの進歩によって、テキスト文書のみならず写真画像も扱われるようになってきた。これに対応するため、図1の画像形成装置は、印字密度(解像度)を600dpi (ドット/インチ)としている。電子写真方式の画像形成装置において高品位写真画像記録を可能とするためには、少なくとも300dpi以上必要であり、600dpiの印字密度を有する本実施例の画像形成装置は、十分対応可能である。
【0103】
本実施例では、半導体レーザ27とポリゴンミラー28、ポリゴンモータ29、fθレンズ30で構成されるレーザ露光装置を用いている。
【0104】
図6のレーザ露光器は、半導体レーザ27のレーザ光をポリゴンミラー28で反射スキャニングし、Fθレンズ30で非露光対象である感光体までの光路差による焦点距離の差及び、ポリゴンミラー28の単位回転角度当たりの走査面での移動距離の変動を補正する。記録画像幅のレーザースキャニング幅を確保するために、ポリゴンミラー28から感光体までの間に長い光路長が必要である。ポリゴンミラー28の走査角度を小さくすると、Fθレンズ30による補正量が少ないため、走査方向で安定した露光量が得ることができるとともに、ポリゴンミラー28の面数を増やせるため、高速印字も可能となる。しかし、走査角度が小さいとポリゴンミラー28から感光体までの距離が長く必要でありレーザ露光器全体の寸法が大きくなる。本実施例では、モノクロプリンタ並の印字速度を確保するため、モノクロプリンタで一般的に用いられる6面のポリゴンミラーを用いている。
【0105】
ポリゴンミラー28を回転させるポリゴンモータ29は、安定回転させるために、ポリゴンミラー28を重力方向に対して水平に回転させるように配置するのが望ましい。この時、露光器の高さは、ポリゴンミラー28を回転させるポリゴンモータ29の高さと、レーザ走査面より上方にあるfθレンズ30のスペースを加えた高さより小さくすることができない。図1の画像形成装置では、プロセス速度が100mm/sであるため、600dpiの印字密度を得るために、6面のポリゴンミラー28を1秒間に約24000回転させなくてはならない。現状、この回転数で回転するポリゴンモータ29が必要とする高さは、20mm程度であり、また、fθレンズ30の高さも製造の安定性確保のため、10mm程度高さが必要である。従って、現状のレーザ露光装置の高さとしては、約30mmが限界である。本実施例のレーザ露光器は、ポリゴンミラー28を水平回転させるとともに、レーザ露光器全体の高さを最小とするため、図6のように、ポリゴンミラー28で反射したレーザ光をfθレンズ30に通した後で折り返しミラー31で反射し、レーザ露光器の斜め上方に配置されている感光体1aを露光する構成としている。
【0106】
さらに、図6の構成では、露光器上部や下部が平らであるため、各露光器間に配置される現像器の交換も容易である。
【0107】
図6の露光器は、この様に露光器の高さができるだけ小さくなる構造とした結果、露光器の高さを30mm程度にすることができた。
【0108】
先にも述べたように、より印字速度を高速化するため、ポリゴンミラー28の面数を増やす場合や、より大きな用紙サイズに対応するために印字幅を広くする場合は、光路長を長くする必要がある。この時、レーザ露光器内部の折り返しミラー31を光路長が長く取れるように配置する必要がある。図7は、光路長を長くするために、露光器下方を凸形状とし、折り返しミラー31の一部を配置したレーザ露光器の例を示す。露光器4a、4b、4c、4dの下方を凸構造としているため、図6のレーザ露光器より光路長を長く確保することができるが、露光器の高さは図6の構成より高い。図1の画像形成装置において、図7の様なレーザ露光器を用いる場合は、この凸形状となる部分を露光器4a、4b、4c、4dの感光体1a、1b、1c、1d側に配置する、即ち折り返しミラー31を露光器4a、4b、4c、4dの感光体1a、1b、1c、1d側に配置するとともに、露光器4a、4b、4c、4dの上下に配置する現像機5a、5b、5c、5dの形状を露光器4a、4b、4c、4dの凸形状に合わせて凹凸を設けることによって、装置内スペースの有効活用が可能である。これによって、装置全体の大きさは、若干大きくなるが、現像機5a、5b、5c、5dの外形を変える、即ち現像機を大きくすることで、現像器5a、5b、5c、5d内のトナー格納容量を増加させることができるとともに、露光器4a、4b、4c、4dの凸部を感光体1a、1b、1c、1d側に設けているため、現像器5a、5b、5c、5dの交換は図5の場合と同様に容易である。
【0109】
また、装置全体の大きさを小さくするには、露光器の高さを小さくすることが有効である。露光器4a、4b、4c、4dの高さは、ポリゴンモータ29の高さと、fθレンズ30の大きさを確保するスペースの高さで決まる。これらの内で、ポリゴンモータ29
は、安定回転をさせるために軸受け等の機構を軸方向に設ける必要があり、薄型化は難しい。図8の実施例は、このポリゴンミラー28、ポリゴンモータ29を本体内側方に配置する、即ちポリゴンミラー28、ポリゴンモータ29を点線で示される現像器5a(b、c、d)と積層される部分の外部に設けた構成を示している。本構成では、現像器5と積層される部分では露光器4a(b、c、d)内にfθレンズ30とレーザ光を反射するミラー31のみを配置しているため、高さを小さくすることができる。この様な光学系を構成するためには、fθレンズ30の構造を工夫する必要があるが、装置の小型化には有効である。また、fθレンズ30と折り返しミラー31の代わりに、fθ特性を有するfθミラーを用いることも可能である。
【0110】
異なる複数個のレーザ露光装置を用いて画像を形成しそれを重ねて最終画像を形成する場合には、ポリゴンミラー、fθレンズ、折り返しミラーの歪みや変形を極力なくすことが必要である。しかしながら、この様な光学部品は、精度を上げると大幅に高くなるため、現実的には、各部品の歪みや変形等、形状の誤差を持ち、各露光器で露光される画像にそれぞれ違った歪みが発生することになる。このため、本実施例の画像形成装置では、予め同じ様な歪みや変形を持つ部品を組み合わせて4つの露光器を構成し、本体に組み込むようにしている。この様な部品の組み合わせを行うことで、各露光器の画像の歪みが同じくなり、画像のずれを押さえることができる。この様な部品の組み合わせを行なう場合は、fθレンズの位置を調整する機構等、光学部品の位置を調整する機構を設けても良い。さらに、露光器の他の実施例として、以下のようなものも利用可能である。
【0111】
図9は、本実施例の画像形成装置の露光器4a、4b、4c、4dにLEDアレイ32を適用した一実施例である。LEDアレイの露光器は、画像幅の印字ドットと同数のLEDを並べて感光体を露光するため、先に述べたレーザ露光装置のような長い光路は必要なく、露光器を小型にできる。さらに、各ドットに対応したLEDを独立に発光させるため、高速化が容易である。LEDアレイ露光器は、直線上に必要な個数配置されたLEDアレイ32と、それらを駆動するドライバ回路33、LEDアレイ32より発光した光を感光体上に結像するレンズ34より構成されている。600dpiの印字密度で露光するために必要なLEDの個数は、1インチ当たり600個、即ち、1cm当たり230〜240個であり、A4を縦に通紙する場合は、必要な印字幅が21cm以上必要であるため約5400〜6000個、A4を横に通紙する場合は、印字幅が30cm以上必要であるため7000〜9000個である。これらのLEDアレイ32及びドライバ回路33は、半導体プロセスを用いて作成している。
【0112】
LEDアレイ露光器では大量のLEDをそれぞれ独立に駆動する必要があるため、露光器外部にドライバ回路を設けることは配線等が複雑となり実用的でない。このため、本実施例の画像形成装置では、LEDアレイ32を形成した同じチップ上にドライバ回路33も形成し、外部とのインターフェースが容易な構成としてある。このチップ上には、各LEDの発光輝度を均一化するために、各LEDの発光輝度のばらつきを補正する回路や、階調出力を可能とする回路を設けることも可能である。これらのLEDアレイ32及びドライバ回路33等は、量産性、歩留まり向上の観点から数百〜数千個単位でチップ化され、チップを数個〜数十個組み合わせることにより、印字幅を確保している。このとき、各LEDチップ間のアライメントが正確でないと、各チップ間で画像の濃淡が生じ、またアライメントが各感光体を露光するLEDアレイ露光器毎に異なると、各色のトナー画像を正確に合わせることができない。このため、各チップ間のアライメントは、1ドット以下(600dpiでは42μm以下)にする必要がある。
【0113】
本実施例ではレンズ34は、LEDが発光した光を感光体1上に結像するために配置されているもので、ロッドレンズアレイを用いている。
【0114】
図10は、LEDアレイ露光器を露光器4aとして感光体1aに配置した図である。他の露光器、感光体も同様。
【0115】
本実施例の画像形成装置では、感光体1a周りのプロセスが感光体1aの中心から下方部分に集中して配置しているため、露光器4a本体を感光体から離して配置すると、感光体周りの各プロセスの配置裕度を大きくすることができる。これを可能とするには、LEDアレイ露光器のレンズ長を長くする、例えば、図1の画像形成装置では10〜30mm程度にすることや、レンズの焦点距離を長くする、例えば図1の画像形成装置では10〜50mmにすることが有効である。
【0116】
露光器の他の実施例としては、長焦点のレンズを用い、折り返しミラー31を設けて感光体を露光する構成のような場合がある。この構成では、LEDアレイ露光器を感光体1aから離れた位置に配置しているため、感光体周りのプロセス配置に裕度を持たせることができる。
【0117】
図11は、本実施例に適用した現像機5a、5b、5c、5dの断面図を示したものである。
【0118】
現像機5a(5b、5c、5d)は、感光体1a(1b、1c、1d)表面の潜像を現像する現像部35とトナーを格納するトナー格納部36で構成される。現像部35は、印字に伴い性能が低下し、さらにトナー格納部36もトナーが消費されるため、印字枚数に応じて交換が必要である。本実施例では、現像部35とトナー格納部36を一体構成として同時に交換することによって、消耗品交換の頻度を減らしていると共に、生産コストを低減させている。
【0119】
さらに、本実施例の現像機5aでは、現像部35とトナー格納部36を水平に配置することによって、現像機5aの高さを小さくし、装置全体を小型化している。
【0120】
本実施例の現像機5aの現像部35は、非磁性一成分接触現像方式を用いている。非磁性一成分現像方式は、現像ローラ37上に付着したトナーをブレード形状の部材を用いて摩擦し、トナー薄層を形成するとともにトナーを規定の帯電量に帯電する。さらに、このトナー薄層を感光体1aに直接接触して付着させることによって、感光体1a上の静電潜像を現像する方式であり、キャリアを使用しない方式である。
【0121】
このように、現像ローラ37表面に形成したトナー薄層を感光体1aに直接接触させて現像するために、静電潜像はシャープに現像され高画質記録が可能であるとともに、トナーの帯電や層厚の適正化を現像ローラ37とブレードといった簡便な部材を用いて行っているため、現像部35の小型化とともに価格を低減できる。
【0122】
現像部35は、現像ローラ37、トナー規制ブレード38、リセットローラ39、トナー付着ブレード40、掻き出しパドル41、トナー送りパドル42で構成している。
【0123】
現像ローラ37は、剛体でドラム形状の感光体1aと確実に接触させるために、金属軸の周りをゴムなどの弾性体で覆ったローラを用いるとともに、トナーを安定搬送するために、現像ロール37表面を、適切な粗さで粗面化している。現像ローラ37表面のトナーを感光体1a上に現像するために、現像ローラ37にはバイアス電圧を印加している。現像ローラ37は、感光体1a表面にトナーを充分に供給するため、その表面を感光体の表面の移動方向と同方向に回転させる、本実施例では、感光体と対向する位置で現像ローラ37は、下方から上方へ回転するとともに、現像ローラ37の周速を、感光体表面速度より速い速度で回転させている。トナーを帯電させると共に、現像ローラ37表面に規定層厚のトナー薄層を形成するトナー規制ブレード38は、現像ローラ37下方に配置している。トナーの帯電と層圧規制は、トナー規制ブレード38の接触圧が重要であるが、本実施例の画像形成装置では、これを安定かつ均一にするために、金属の薄板を用いている。さらに、トナー規制ブレード38は、現像ローラ37の回転に伴ってトナーがトナー規制ブレード38と現像ローラ37の接触部で滞留しないように、トナー規制ブレード38を現像ローラ37の回転方向に対してカウンターで接触させている。このとき、現像ローラ表面に付着しているトナーを掻き取りすぎないように、トナー規制ブレード38先端を直接現像ローラ37に接触させずに、トナー規制ブレード38の平面部を接触させている。リセットローラ39は、現像ローラ37表面の現像されずに残ったトナーを一度除去すると共に、現像ローラ37表面に新たなトナーを付着させるものであり、現像ローラ37と同じ方向に回転させて、掻き取りと供給を同時に行う。本実施例では、現像ローラ37との接触、並びにトナーの掻き取りと付着を確実にするために、金属軸の表面をスポンジで覆ったローラを用いている。トナー付着ブレード40は、リセットローラ39で現像ローラ37に付着させたトナーが、重力で現像ローラ37表面から落下しないように設けられている。掻き出しパドル41は、トナー規制ブレード38で掻き落とされたトナーがブレード付近で滞留し、凝集、固着しないようにするために設けているもので、反時計回りに回転し、トナー規制ブレード38で掻き落とされたトナーを、トナー格納部36方向に排出する。
【0124】
トナー送りパドル42は、トナー格納室36内のトナーをリセットローラ39まで供給するために設けている。リセットローラ39は、現像部の上部に配置しているため、この部分にトナーを供給するためには、重力に逆らってトナーをリセットローラ39まで搬送する必要がある。トナー送りパドル42は、トナー格納室内のトナーをリセットローラ39部に掻き上げ、リセットローラ39に供給する。トナー送りパドル42でトナーをリセットローラ39に掻き上げる時には、トナー掻き出しパドル41をトナー送りパドル42に接触するように両者の回転を同期させることで、トナー掻き上げ動作を確実に行っている。
【0125】
トナー格納部36は、図11に示すようにトナー格納室43とトナー供給パドル44から構成されている。
【0126】
トナー格納室43は、印字枚数によって決められたトナーを格納する部分である。トナー供給パドル44は、トナー格納室43内に1本以上配置され、回転してトナーを現像部35に供給する。
【0127】
図1の画像形成装置に適用した図11の現像機5a、5b、5c、5dでは、上記の様に現像部とトナー格納部36を水平に配置したため、現像機5a、5b、5c、5dの高さhは、40mm程度である。
【0128】
図11の現像機5aは、現像部35とトナー格納部36を一体構造としているが、現像部35の長寿命化ができる場合は、これらを別部材、現像部35、トナー格納部36をトナーホッパ45として構成することも可能である。この時、現像器を本体に残して、トナーホッパ45のみを交換することとなるが、図1の画像形成装置は、トナーホッパ45が現像機5aより本体外面に近い位置に配置することができるため、交換は容易である。
【0129】
このような現像部35とトナーホッパ45とが分離可能な現像機の一実施例を図12に示す。図12の現像機5aは、2成分現像方式と呼ばれる現像方式を用いており、現像部35とトナーホッパ45で構成され、現像機5aの高さを低くするため、これらを図11と同様に水平に配置している。2成分現像方式は、トナーと磁性粉であるキャリアを混ぜ合わせてトナーを帯電させるとともに、キャリアにトナーを付着させた現像剤を磁力などを用いて、感光体表面に搬送し、現像する方式である。
【0130】
図12の現像部35は、現像ロール内のマグネットローラ46、現像剤規制ブレード47、現像剤送りパドル48、攪拌パドル49、トナー濃度センサ50より構成されている。
【0131】
マグネットローラ46は、スリーブ内部に磁力を与えたローラを設けたもので、スリーブを回転させることで現像剤を搬送するとともに、感光体近傍で現像剤による磁気ブラシを形成し、感光体上の静電潜像を現像する。現像剤送りパドル47は、現像剤をマグネットローラ46に供給するために設けている。現像剤規制ブレード48は、マグネットローラ46表面に付着する現像剤の量を適切にするために設けてあり、ブレード形状の部材を用いて余分な現像剤を規制している。攪拌パドルは49現像剤中のトナーとキャリアを攪拌し、トナーを帯電させるとともに、よく混合させることによって画質を安定化させるために設けられている。トナー濃度センサ50は、現像在中に含まれるトナーの量を測るために設けているものであり、磁力センサを用いて、現像剤の嵩密度を測定してトナー濃度を検出する。
【0132】
トナーホッパ45は、トナー格納室43とトナー供給パドル44とトナー供給ローラ51より構成されている。トナー格納室43は、図11の例と同様に、印字枚数で決められた量のトナーを格納する部分である。トナー供給パドル44は、トナーをトナー供給ローラへ送るために設けられている。トナー供給ローラ51は、トナーを現像部35に供給するために設けられている。
【0133】
図12の現像機は、攪拌パドル49で攪拌した現像剤を、現像剤送りパドル48によってマグネットローラ46表面に送り、マグネットローラ46がこれを搬送するとともに、その表面に形成したトナーとキャリアからなる磁気ブラシで現像する。そして現像剤は再び攪拌パドル49に還流され、攪拌される。
【0134】
さらに、現像剤中のトナー濃度の低下をトナー濃度センサ50が検出すると、トナーホッパ45よりトナーが現像部35に送られ、攪拌パドル49でキャリアと混合するとともに、帯電を行う。
【0135】
2成分現像方式は、非磁性一成分現像方式に比べ、トナーとキャリアを攪拌させる機構や、トナーの濃度を測定するセンサが必要であるため、現像器が大型化、複雑化するという欠点があるが、感光体へのトナーの現像を磁力でマグネットローラ表面に形成する磁気ブラシで行うため、感光体と現像器の接触負荷が小さく、感光体、現像器の回転トルクを低くすることができる。このため、各色トナー画像の位置合わせで重要な感光体の回転を安定させやすく、画像の位置合わせの観点から、図12の現像器を用いることも可能である。
【0136】
この様に、図1の画像形成装置は、例えば、露光器4a、4b、4c、4dの高さを30mm程度、現像器5a、5b、5c、5dの高さを40mm程度とすることによって、各感光体の間隔は70〜75mmとなる。これらのプロセスを4色分重ねた高さは、280〜300mm程度であるため、これに用紙カセットや本体上面パネル分等の高さを加えた本体の高さは、大きくても500mm程度である。これは、オフィスで問題なく受け入れられる高さである。
【0137】
次に本実施例の画像形成装置で用いられる中間転写ベルト2の構成を図1を用いて説明する。
【0138】
本実施例の中間転写体ベルト2は、中間転写ベルト2を4本のローラであるベルト張架ローラ10a、10b、10c、10dで張架し、中間転写ベルト2内部の空間に、感光体1a、1b、1c、1dと中間転写ベルト2を接触させる転写補助ローラ9a、9b、9c、9dを配置している。
【0139】
ベルト張架ローラ10aと10bは、各色の感光体1a、1b、1c、1dを配置する面を確保するために、中間転写ベルト2を縦に長く張架している。
【0140】
ベルト張架ローラ10cは、中間転写ベルト2の感光体配列面の反対側の面内に配置している。このベルト張架ローラ10cの外側には転写器13を配置し、中間転写ベルト2表面に形成されたトナー画像の記録媒体への転写を行っている。ベルト張架ローラ10dは、ベルト張架ローラ10dの上方に配置するが、他のベルト張架ローラ10a、10b、10cと異なり、中間転写ベルト2の外側に設けて中間転写ベルト2を外側から内部に押し込むように配置している。この様にベルト張架ローラ10dを配置することによって、転写器13上方に配置する定着器19及び中間転写ベルトクリーナ15の配置スペースを確保するとともに、中間転写ベルト2の断面積を小さくして装置の実装密度を高くできる。
【0141】
さらに、このベルト張架ローラ10cと10dは、用紙搬送に重要な用紙搬送経路が滑らかな曲線となるように転写器13、定着器19を配置できる位置に設置することで、厚紙から封筒まで多種多様な用紙の対応やジャムの低減を計っている。
【0142】
この様に中間転写ベルト2を張架しているため、ベルトの周長は200〜350mm程度である。また、ベルト張架ローラの直径は、小径であるとベルトにベルト張架ローラの曲率で癖がついてしまうため、約40mmとしている。さらに感光体とベルト張架ロ−ラを同じ直径とすることで感光体と、ベルト張架ローラの偏芯による速度変動を同じ周期とすることが可能であり、各色画像の位置あわせも容易にすることができる。
【0143】
本実施例では、各感光体1a、1b、1c、1dで形成されたトナー画像を、中間転写ベルト2上に転写し、重ねるため、中間転写ベルト2を安定に走行させること、即ち、ベルトの速度変動と寄りを小さくすることが必要である。特に、ベルトの寄りはベルトの破壊を伴うこともあり、これを押さえることは装置の信頼性確保の観点からも重要であり、ベルト張架ローラ10a、10b、10c、10dにてベルトが寄らないように常に張架させておく必要がある。
【0144】
本実施例の画像形成装置では、感光体1dより下流に配置されているベルト張架ローラ10bを駆動軸として、感光体1a、1b、1c、1dと接触するベルト面を常に引っ張るように駆動している。これによって、感光体1a、1b、1c、1dと接触するベルト面の弛みが発生しにくくなり、各色トナー画像の位置合わせを容易に行うことができる。さらに、転写を良好に行うために、駆動軸や、対向位置に感光体1a、1b、1c、1d、転写器13などのプロセス部品が直接配置されていないベルト張架ローラ10dを弾性支持してベルトに張力を与える構成としている。
【0145】
中間転写ベルト2のベルトの寄りを押さえることは、装置の信頼性、高画質化に対して重要である。ベルトの寄りは、中間転写ベルト2と接触する部材の平行度のばらつきにより、ベルトが回転方向と直角方向の力を受けることによって発生する。これらの部材を平行に配置することは、現状の機械加工技術では困難であるため、ベルトの寄りは発生する。本実施例の画像形成装置では、ベルトの過大な寄りを防ぐために、ベルト端部にリブと、中間転写ベルト2内部に配置しているベルト張架ローラ10aの端部にテーパ形状のベルト寄り防止キャップを設ける。ベルトが回転方向と直角方向の力を受けて寄り始めると、ベルトのリブがベルト張架ローラ端部ベルトより防止キャップのテーパ部分に接触し、寄りを停止させる。リブには、樹脂やゴム材等の、ベルトの寄りを充分に止めることができる厚さと強度が満たされた材質が用いられる。
【0146】
同様に、ベルトの寄りを押さえる他の構成として、逆テーパ形状のベルト寄り防止部材をベルト張架ローラ10a外部に設ける。本構成では、中間転写ベルト2に寄りが発生すると、ベルト端部がベルト寄り防止部材に乗り上げ、ベルト寄りを規制する。
【0147】
さらに、ベルトの過大な寄りを確実に押さえるために、ベルト寄りを積極的に補正する機構を設けることも可能である。図13は、ベルトが寄った場合に、寄った方のベルトの張力を弱めて、ベルトに逆方向へ動こうとする力を発生させるベルト寄り補正機構の側面図(a)、前面図(b)について示した図である。本構成は、ベルト張架ローラ10aの端部をテーパ形状の回転可能なテーパピース56で構成し、このテーパピース56が受ける回転力をベルトのテンションローラ10dに伝え、テンションを弱くするようにリンクしている。ベルトが寄って、ベルトのリブ53がテーパピース56に接触すると、テーパピース56がリブ53との摩擦によって回転力を受ける。テーパピース56は回転力を受けると、図のようにベルト張架ローラ支持部材57を回転力伝達シャフト58により引っ張り、ベルトが寄った側にあるベルトテンションバネ59の張力を低下させる。このため、ベルトの張力に軸方向のアンバランスが発生し、ベルトが逆方向に寄る力を受け、ベルト寄りを戻すことができる。
【0148】
中間転写ベルト2にゴム材質のような大きく伸び縮みする材質を主構造として選ぶと、各色画像の位置合わせを正確に行うことができなくなる。このため、用いるベルト材としては、ベルトとして必要な弾性を有するとともに、伸びが小さい構成とする必要がある。このため、樹脂や金属のベルト部材を用いるが、これらの材質を組み合わせてベルトを構成することも可能である。例えば、樹脂と金属を重ねた構成、ゴムと金属、樹脂を重ねた構成等を用いることができる。本実施例は、ポリカーボネイト樹脂で厚さ0.1〜0.2mmの樹脂ベルトを用いている。
【0149】
中間転写ベルト2の断面構造としては、ベルト基材のみの単層構造、ベルト基材とベルト表面層、ベルト基材とベルト裏面層、ベルト基材とベルト表面層、ベルト裏面層の複数層構造等を適用することが可能である。本実施例の中間転写ベルトは、先に述べた樹脂材料をベルト基材に用いた単層構造である。しかしながら、表面に付着するトナーの付着性を適切にするため、表面の摩耗防止するため、オゾンや熱等からベルトが劣化するのを防ぐために、フッ素樹脂等の薄層で形成されたベルト表面層も設けても良い。また、ベルトの強度をより強くするために、薄い金属のベルト材で形成されたベルト裏面層を用いることも可能である。さらに、トナーの転写は、中間転写ベルト2の表面性にも大きく左右
される。中間転写ベルト2表面のトナー離型性が悪い場合は、トナーが機械的・化学的に中間転写ベルト2に付着し、転写効率の低下や文字細線の中抜けなどの画像欠陥を発生するため、中間転写ベルト2表面は、トナーが付着しにくいことが必要である。このため、ベルト表面にフッ素樹脂等のコート層を設けることや、中間転写ベルト2の表面に離形材としてシリカ等の微少粉末やワックス等の低分子材料を付着させるのもよい。
【0150】
ベルト部材の一般的な製法として、フィルム材をつなぎ合わせてベルト形状とする方法がある。この様な製法で作成されたベルト材は、必然的に継ぎ目を有する。中間転写ベルト2の継ぎ目は、感光体1、転写器13、中間転写ベルトクリーナ15などの中間転写ベルト2と接触する部分で継ぎ目の段差によって接触負荷が発生し、ベルト速度変動の要因となる。また、印字領域内に継ぎ目が入らない様にする必要がある。このため、本実施例の画像形成装置では、継ぎ目のないベルト材を中間転写ベルトとして用いている。このような、継ぎ目を有するベルトは、継ぎ目部分の段差を熱や圧力でつぶしたり研磨して小さくするとともに、継ぎ目の位置を検出する機構を設けて感光体1で形成した画像を継ぎ
目部に転写しないようにすることで利用することもできる。
【0151】
次に、中間転写ベルト2の電気特性について説明する。
【0152】
感光体1a、1b、1c、1dから中間転写ベルト2への転写、並びに中間転写ベルト2から記録媒体への転写は、トナーが帯電した粒子であるため、静電気力を用いる。トナーの転写は、トナーと同極性、もしくは逆極性の電荷を感光体1a、1b、1c、1dや中間転写ベルト2、転写器13に与え、この電荷によって発生した電界によって行う。このため、中間転写ベルト2は、このような転写電界を有効かつ安定に発生させることが可能な電気的特性を持つ必要がある。
【0153】
本実施例の中間転写ベルト2の電気特性は、半導電性である。転写の際には、中間転写ベルト2に電荷が与えられるが、中間転写ベルト2が高抵抗であると、各転写部で与えられた電荷が中間転写ベルト2に残留し、転写を不安定にしたり、放電ムラなどの画像欠陥を引き起こす。
【0154】
感光体1a、1b、1c、1dと中間転写ベルト2の接触部において、感光体1から中間転写ベルト2へのトナーの転写は、中間転写ベルト2裏面の転写補助ローラ9a、9b、9c、9dにバイアス電圧を印加することによって行う。このとき、転写補助ローラ9a、9b、9c、9dから中間転写ベルト2裏面に電荷が付与されるが、中間転写ベルト2はプロセスの進行に伴って移動するため、この付与された電荷もベルト上に乗って移動する。中間転写ベルト2が感光体1a、1b、1c、1dから離れはじめると、感光体1a、1b、1c、1dと中間転写ベルト2間の空隙の容量が急激に小さくなり、中間転写ベルトの電位が上昇して放電が発生し、中間転写ベルト2上のトナーに帯電ムラを発生さる。これを抑えるためには、電位の上昇に伴って中間転写ベルト2上の電荷をリークさせる、即ち中間転写ベルトの抵抗値を低くすることが必要である。空隙の容量は、100p〜0.1pF/cm2であり、この容量に加わっている電位をプロセス速度より早く減衰させるためには、中間転写ベルト2の面方向の抵抗値とこの容量の積である時定数をプロセス速度より小さく設定する必要がある。プロセス速度が100mm/sである図1の画像形成装置は、中間転写ベルト2が、1cmを0.1秒で移動するため、時定数がこれ以下となるように抵抗値が1G〜10TΩ以下としなくてはならない。本実施例では、ベルト材の抵抗を、これより十分小さい幅1cm、長さ1cm当たりの抵抗値が0.1GΩとなるように調整して用いている。
【0155】
ところで、中間転写ベルト2の電位を安定化させるために、中間転写ベルト2裏面に低抵抗の部材を設ける構成も適用可能である。この構成は、中間転写ベルト2を抵抗層と導電層の2層にする、あるいは中間転写ベルト2裏面の表面抵抗を小さくすることによって
実現でき、中間転写ベルト2全周に渡って、中間転写ベルト2裏面を同電位にする事が可能となる。この構成の場合、抵抗層の高抵抗であると、中間転写ベルト2表面に転写部で付与される電荷が残留し、蓄積していくため先に説明したものと同様に半導電性の抵抗層を設ける必要がある。中間転写ベルト2表面に電荷を残留させないためには、各転写部を中間転写ベルト2が移動している間に電荷が減衰するように抵抗を選ぶ必要がある。本実施例の画像形成装置では、中間転写ベルト2の表面速度が100mm/sであり、各転写部及びトナー帯電器11の間の距離が数cmであるため、中間転写ベルト2抵抗層の抵抗値と容量の積である時定数が各部を移動するのにかかる時間、数百ms以下の材質を用いればよい。この構成では、中間転写ベルト2の構成が複雑となるが、各部の電位が安定となるため、各部の転写のコントロールが容易になるという利点がある。
【0156】
また、中間転写ベルト2自体を低抵抗にしても、中間転写ベルト2全体を全周に渡って同電位とすることができる。この場合は、各転写部で流れる電流が増大するため電源の容量を増やすなどする必要があるが、転写を安定化することができる。
【0157】
中間転写ベルト2に用いられる材質の抵抗は、中間転写ベルト2表面の帯電をコントロールする帯電制御部材を設けることにより、高抵抗のものも使用可能である。この様な帯電制御部材には、ACやDCを加えたスコロトロン帯電器やコロトロン帯電器が用いられ、中間転写ベルト2表面に規定された電荷を与えてベルトの帯電を制御する。
【0158】
感光体1a、1b、1c、1d上のトナーを中間転写ベルト2に転写するためには、中間転写ベルト2側にトナーと逆極性の電荷を付与するか、感光体1a、1b、1c、1d側にトナーと同極性の電荷を付与することが必要である。さらに、転写を確実に行うためには、感光体1a、1b、1c、1dと中間転写ベルト2を確実に密着させることが重要である。本実施例の画像形成装置では、ローラ形状の転写補助ローラ9a、9b、9c、9dを中間転写ベルト2裏面に配置し、これにバイアス電圧を印加すると共に中間転写ベルト2を感光体1a、1b、1c、1dに押し付け、密着させている。転写補助ローラ9a、9b、9c、9dは、金属軸をスポンジで覆った弾性ローラであり、適切な圧力で中間転写ベルト2を感光体1a、1b、1c、1dに押し付けるように力が加えられている。
【0159】
感光体1a、1b、1c、1d上のトナーを中間転写ベルト2に転写する転写部の構成は、上記以外の構成も適用可能である。
【0160】
中間転写ベルト2裏面にコロナ帯電器を配置した場合は、転写に必要な電荷をコロナ帯電器によって中間転写ベルト2裏面に供給し、さらに、ブレード形状のベルト押しつけ部材を用いて中間転写ベルト2を感光体1a、1b、1c、1dに密着させている。各感光体1a、1b、1c、1dの転写位置の間で転写補助ローラ9a、9b、9c、9dを感光体側へ押し込むように配置した場合は、転写に必要な電荷は、この転写補助ローラ9a、9b、9c、9dによってベルト裏面に与えている。
【0161】
本実施例では、感光体1a、1b、1c、1dが常に中間転写ベルト2と接触しているため、モノクロ画像を印字する際に、必要のないカラーを印字する感光体も中間転写ベルト2と接触している。この様な、1部の感光体しか印字に必要のない場合は、使わない感光体を中間転写ベルトと離して、印字させないでおくことにより、感光体の寿命を延ばすことが可能である。このため、中間転写ベルトを感光体から離接させる機構を設けても良い。
【0162】
次に図14(a)(b)に本発明の中間転写ベルトクリーナの他の実施例について説明する。
【0163】
この中間転写ベルトクリーナ15は、中間転写ベルト2上の転写残トナーをクリーニングするために設けられているものであり、感光体クリーナ6と同じく、弾性体ブレードを用いてトナーを機械的に掻き取るクリーニングブレード方式を用いている。本実施例の画像形成装置では、図1に示すように、中間転写ベルト2の最上部に位置するベルト張架ローラ10aにクリーニングブレードを配置し、中間転写ベルト2上のトナーをクリーニングする。さらに、ベルト張架ローラ10aに設けられているクリーニングブレードの直下にあり、中間転写ベルト2の表面に配置されているベルト張架ローラ10dにも、同様のクリーニングブレードを設けている。中間転写ベルト2表面に配置しているベルト張架ローラ10dは、トナーが直接接触する場合があるため、この様なクリーニング部材を設けることが望ましい。排トナーを回収するベルト排トナー回収部52は、このベルト張架ローラ10dの側部下方に配置している。ベルト張架ローラ10aに配置されたクリーニングブレードで掻き取られたトナーは、ベルト張架ローラ10d上に落下し、ベルト張架ローラ10dをクリーニングするクリーニングブレードで捕集する。
【0164】
さらに、他の実施例として、図14(a)に示す。本構成は、ベルト張架ローラ10aにクリーニングブレードを設け、中間転写ベルト2を外側から押し込んでいるベルト張架ローラ10dによって形成されるスペースにベルト排トナー回収部52を配置するものである。本構成では、クリーニングブレードで掻き落とされたトナーは重力でベルト排トナー回収部52に移行される。本実施例の画像形成装置では、ベルト張架ローラの一部を中間転写ベルト2の表面に設けるとともに、ベルト内部に押し込む様に配置しているため、この様に、中間転写ベルトクリーナを配置するスペースを確保することが容易である。
【0165】
他の方式として、電位を与えたブラシロールを用いてトナーを機械的・電気的にクリーニングするブラシローラ方式なども利用できる。ブラシローラ方式は、クリーニングブレード方式に対して、機構が複雑であるとともに、電源を必要とするが、クリーニングする方向を選ばないため、中間転写ベルト2の上方からクリーニングを実施する場合などでは有効であるとともに、中間転写ベルトとの接触負荷が小さいので、低トルクでベルトを駆動できるという利点がある。図14(b)の構成は、ブラシクリーナ65を中間転写ベルト2とベルト張架ローラ10d両方に接触させ、中間転写ベルト2と感光体表面と接触するベルト張架ローラ10d同時にクリーニングを行う構成について示している。ブラシクリーナ65でクリーニングされたトナーは、回収ローラ66に移行し、回収ブレード67で掻き落とされる。掻き落とされたトナーは、ベルト排トナー回収部52へ落下し、回収される。この他にも、ブラシローラ65を図14(b)と同様に中間転写ベルト2とベルト張架ローラ10d両方に接触配置し、ベルト張架ローラ10dにクリーニングブレードを設け、クリーニングしたトナーをベルト張架ローラ10dに移して回収する方法なども、本実施例の画像形成装置には適用可能である。
【0166】
中間転写ベルト2上のトナーは感光体1a、1b、1c、1d表面との接触により帯電ムラが生じる場合があり、帯電ムラは転写効率の差となって画像ムラを発生させる。本実施例の画像形成装置には、中間転写ベルト2上のトナーの帯電を均一にするためにトナー帯電器11を設けている。トナー帯電器11は、ワイヤを囲むようにシールドケースが設けられ、ワイヤと中間転写ベルト2の間にグリッドを設けて構成されるスコロトロン帯電器でありグリッドの電位によって中間転写ベルト2表面の帯電電位をコントロールする。
【0167】
この時、トナー帯電器12を有効に働かせるため、トナー帯電器12の対向する中間転写ベルト2の裏面に、規定電位に設定された導電部材を配置してもよい。
【0168】
また、本実施例では、中間転写ベルト2上のトナー画像を記録媒体へ転写するために、転写器13を設けている。
【0169】
中間転写ベルト2上のトナー画像は、カラーであるため1画像内各部におけるトナーの厚さが異なる。これらの画像を完全・確実に用紙に転写するには、トナーと用紙を密着させることが必要である。このため、本実施例では、ローラ形状の転写器13を用いて記録媒体をトナーに密着させるとともに、バイアス電圧を加えてトナーの転写を行っている。転写器13は、記録媒体を確実にトナーに密着させるために金属軸の表面をソリッドもしくはスポンジ状のゴム材で形成された弾性層で覆ったローラを用いている。トナーを中間転写ベルト2から記録媒体へ転写するために必要な電圧は、金属軸に印加し、トナーを転写する静電力を有効に働かせるために、弾性層は、半導電性、もしくは導電性のものを用いている。転写器13は、記録媒体を中間転写ベルト2に確実に押しつけるため、適切な加重で中間転写ベルト2に押しつける構成としている。
【0170】
本実施例の様に、中間転写ベルト2と転写器13を接触させている場合は、非通紙時に中間転写ベルト2上のかぶりトナー等が転写器13に付着することがある。転写器13に付着したトナーは、記録媒体裏面に付着し、汚れとなるため、これを防ぐ目的で、転写器13を中間転写ベルト2から待避させる機構を設けることも可能である。通紙時など、転写器13を中間転写ベルト2と接触させることが必要な時以外は転写器13を中間転写ベルト2と離しておくことによって、転写器13の汚れを最小限にすることができる。この様なトナーによる転写器13の汚れは、転写器13を清掃する機構や、転写器13にトナーと同極性の適切なバイアス電圧を加えて転写器13上に付着したトナーを中間転写体に逆転写させる機構を設けて積極的に除去することも可能である。
【0171】
さらに本実施例の画像形成装置の転写器に用いる他の構成として、ブレード形状の用紙押付部材などを用いて用紙とトナーを密着できれば、コロナ転写器も利用できる。
【0172】
また、本実施例のカラー画像形成装置には、転写器13の用紙搬送方向下流側に用紙除電器14(図1参照)を配置している。
【0173】
トナー転写後の記録媒体は、転写時に注入された電荷の一部が残留しているため、中間転写ベルト2に静電気力で吸着する。本実施例では、転写器13の対向位置に小径のベルト張架ローラ10cを配置しているため、ベルト張架ローラ10cの曲率と用紙剛性で記録媒体を剥がすことが可能である。しかしながら、剛性が小さい薄紙や、転写電荷が残留しやすい高抵抗のOHPシート等は、安定に剥離できない場合がある。
【0174】
本実施例の画像形成装置には、記録媒体の剥離を容易にするために、残留した転写電荷を除電する用紙除電器14を配置している。本実施例の用紙除電器14は、規定の電位を与えた針状の微小電極を転写器13に沿って並べて配置し、記録媒体裏面の電位と微小電極間で放電を発生させて記録媒体裏面の電荷を除去する除電器である。
【0175】
さらに、印字速度の高速化等によって、用紙の除電をより確実に行う必要がある場合は、用紙除電器14の別方式として、ACコロナ放電を利用したAC除電方式も利用できる。
【0176】
加えて、転写後の用紙搬送も安定に行う必要がある場合には、上記転写器13と用紙除電器14の代わりに、トナーの転写と用紙剥離搬送両方の機能を併せ持つベルト転写器も本方式の画像形成装置に利用可能である。
【0177】
さらに、記録媒体の剥離を良好にするために、中間転写ベルト2表面を粗面化する方法も適用可能である。中間転写ベルト2表面を粗面化すると、記録媒体と用紙の間に空隙ができて吸着力が弱まるために、用紙の剥離が極めて容易となる。反面、中間転写ベルト2を粗面化すると画像の白抜け等の画像欠陥が発生しやすくなるが、トナーの帯電等を改良して画質の低下を防ぐことができる場合は、本方法は有効である。
【0178】
次に、本発明の画像形成装置の定着器19の一実施例について説明する。
【0179】
本発明の画像形成装置において、定着器はカラー画像の発色性を確保すること、並びに高速の印刷速度に十分対応できる性能が要求される。
【0180】
このため、定着器はトナーを溶解させるのに必要な熱量をレスポンス良く供給できることが必要である。さらに、本発明の様に小型の画像形成装置においては、定着器の発する熱が他のプロセスに影響を与えやすいため、なるべく低い温度で定着するのが望ましい。
【0181】
本実施例では、定着ベルトを用いてトナーを定着している。定着ベルトを用紙搬送経路に沿って長く配置するまたは、複数の感光体1a、1b、1c、1dの配列方向に概ね同一方向に配置することで、トナーを定着する区間、加熱時間を長く確保することができる。これによって、トナーの付着している記録媒体を充分に加熱することができるため、トナーを確実に定着可能である。また、定着ベルトという薄い部材を用いて熱伝導を行うため、レスポンスも早く、また余計な熱を投入する必要がないため、比較的低温でトナーの定着が可能である。
【0182】
さらに、図1に示す通り、各感光体1a、中間転写ベルト2、定着器19を水平に並べて配置するとともに、中間転写ベルト2を各感光体1の配列した長さ分、縦に長く張架する構成としているため、用紙の搬送経路方向に長い定着器は装置を大型化することなく配置可能である。このため、上記のようなベルト形状の部材により構成した定着器を用いるのは何ら問題がない。
【0183】
この定着器19の詳細構成を図15に示す。
【0184】
本実施例の定着器19は、ベルト形状の定着ベルト74と、それを張架する定着ベルト張架ローラ75a、75b、ヒータ76、用紙を定着ベルトに密着させる密着ローラ77と用紙を引き剥がす剥離ローラ78、定着ベルトに張力を与えるテンションローラ79から構成されている。
【0185】
定着ベルト74は、耐熱樹脂、耐熱ゴムや金属ベルトもしくはそれらを組み合わせたものが利用可能である。本実施例では、熱伝導性の高い金属のニッケルベルトをトナーの離型性が良好な厚さ20〜40μmのシリコンゴムでコートしたベルトを用いている。この定着ベルト74は、3本のローラによって張架されている。定着ベルト張架ローラ75a、75bは、金属のローラで、それぞれ対向位置に密着ローラ77と剥離ローラ78を配置している。テンションローラ79は、定着ベルトにテンションを与えるものであり、ばねで固定されている。定着ベルト張架ローラ75aには、内部に、ニクロム線ヒータ等のヒータ76が配置されている。密着ローラ77は、表面に弾性層を有する金属ローラで、定着ベルト張架ローラ75aに押しつけるように配置し、記録媒体を定着ベルト74へ密着させて、定着ベルト74の熱をトナーに伝えやすくするようにしている。ベルト張架ローラ75bの対向位置に配置されている剥離ローラ78は、記録媒体を剥がすとともに溶融しているトナーに剪断力を与えてトナーが定着ベルト74に張り付くことを防止するために設けている。剥離ローラ78も密着ローラ77と同様、表面に弾性層を有する金属ローラを用いている。
【0186】
定着器19で発生する熱が、本体内部に影響を与えないように、本実施例の定着器19には、本体内部側に断熱部材80を設けている。
【0187】
図15の定着器では、他のプロセス部品の配置構成から考慮すると、密着ローラ77、剥離ローラ78間の間隔を40〜100mmとすることができる。このため、プロセス速度100mm/sでは、記録媒体上のトナーを加熱する時間を0.4〜1秒確保可能である。2本のローラを用いて定着を行うローラ定着器が、ニップ幅を精々数mm程度しか確保できないため、加熱時間は0.02〜0.06秒であることを考えると、トナーを十分に加熱可能である。
【0188】
低融点のトナー等を用いて定着が容易に行える場合や、記録媒体の種類に対応させて定着速度を低下させる方法を用いることによって定着性能が確保できる場合は、規定の温度に加熱した2本のローラ間に記録媒体を通過させてトナーを定着するローラ定着方式の定着器を用いることも可能である。
【0189】
図16に本発明の定着器の他の実施例であるローラ定着器の構成について示す。
【0190】
本構成では、内部に加熱源をもつヒートローラ81とバックアップローラ82の一対のローラで記録媒体上のトナーを熱と圧力で定着する。ヒートローラ81、バックアップローラ82は、表面をシリコンゴム、フッ素ゴムなどの弾性体で覆ったローラである。ローラ表面には、トナーとの離型性を向上させる目的でフッ素樹脂などの表面層を設けても良い。さらに、ヒートローラ81の表面にシリコンオイル等を塗布するオイル塗布機構83を設けることによって、トナーとヒートローラ81表面の離型性を向上させている。
【0191】
加えて、定着時には微量のトナーや紙粉が定着部材に付着する場合がある。これらのトナーや紙粉は、ローラ表面に蓄積し、ローラの寿命を低下させる要因となることがある。このため、この微量なトナーや紙粉を除去する目的で、これらのロール部材表面をクリーニングするクリーニングローラ84をヒートローラ81、バックアップローラ82に設けている。
【0192】
勿論、上記の様なオイル塗布機構、クリーニング機構は、図15の実施例にも適用可能である。
【0193】
また、図17に示すように用紙を加熱する用紙加熱部材85を定着器19の用紙搬送方向上流部に設けても良い。用紙加熱部材85は、赤外線ヒータや板状ヒータが用いられ、記録媒体を接触、非接触で加熱する。このような用紙加熱部材85を設けることによって、用紙を予め加熱し、定着が容易に行える様にすることも可能である。
【0194】
次に本発明の用紙カセット及びその周辺部の一実施例について図1を用いて説明する。本実施例の用紙カセット16は、用紙を格納するためのもので、本体最下部に配置し、用紙を数百枚格納することができる。給紙機構17を確実に働かせるために、記録媒体を下方から給紙機構に押しつける機構が必要であるが、本実施例では、用紙カセット16にバネを内蔵しており、用紙カセット16が本体内に装着すると記録媒体を上方に押し上げる機構を用いている。用紙カセット16に入れる記録媒体の枚数を多く設定する場合は、本体から動力源で記録媒体を上下させる機構を設けることも可能である。
【0195】
用紙カセット16を増設した場合の構成としては図21に記載のように増設カセット103を本体下方に積層して配置し、接地面積を変えずに増設可能とする。また、増設カセット103には、様々なサイズの用紙や、各種の用紙でも格納する事が可能であり、それぞれ、上述してきた各実施例で対応できる。
【0196】
具体的に記録媒体である用紙の給紙について説明する。
【0197】
用紙カセット16からの記録媒体を給紙する給紙機構17は、少なくともピックローラ86と分離パット87とを備えた構成である。ピックローラ86は、その表面に記録媒体との摩擦係数が高いゴム等の部材を設けたローラで、記録媒体に接触配置してあり、回転によって記録媒体をカセットから引き出す。分離パット87は、ゴムやコルク等の摩擦材で、ピックローラ86表面に接触させて配置しており、ピックローラ86が引き出した記録媒体を1枚だけに分離する。
【0198】
また、ピックローラ86を記録媒体先端と分離パット87両方と接触させる必要があるため、ピックローラ86径を小さくすることができない。このため、用紙カセット16と本体印写プロセスの間にピックローラ86を配置するために、スペースを確保する必要がある。装置構成上、このスペースを小さくする必要がある場合は、以下のような給紙機構を適用することも可能である。
【0199】
次に本発明の給紙機構の一実施例として以下説明する。
【0200】
まず、記録媒体をピックする部分と分離する部分を分割して、それぞれピックローラ86、送りローラ、リタードローラを設けたものである。詳述するとカセット内の記録媒体は、ピックローラ86で用紙カセット16から引き出される。このとき、ピックされる記録媒体は、2枚以上の場合もある。この時に2枚以上の記録媒体を分離するために記録媒体を介して上下に配置された送りローラとリタードローラを設け、上方に配置されている送りローラはピックローラ86と同方向に回転し、下方に配置されているリタードローラは、トルクリミッタで逆方向に回転させるようにしている。記録媒体が2枚以上送られてきた場合は、下方のリタードローラが逆回転し、余分な記録媒体を用紙カセット16側に押し返すように働く。記録媒体が1枚、もしくは余分なものを全てカセット側に押し込んだ場合は、記録媒体と上方に配置された送りローラの摩擦力でトルクリミッタが働き、用紙をレジストローラ18側に搬送する。本方式では、ピックローラ86、送りローラ、リタードローラを直線上に配置し、かつそれぞれ小径のローラを用いることができるため、給紙機構17の配置スペースを小さくすることができる。
【0201】
また給紙機構17の他の実施例を説明する。
【0202】
分離パット87を用紙カセット16と水平に配置し、記録媒体を用紙カセット16から引き出す部材をベルト形状のピックベルトにしたものである。ピックベルトは、摩擦係数の高いゴム材、もしくは、強度を持たせるために硬質ゴムベルトの表面を摩擦係数の高いゴムで覆ったものを用いる。給紙の方法は、上述した通りであるが、ピックベルトを張架するピックベルト張架ローラに小径の物を用いることができるため、給紙機構17の配置スペースを小さくすることができる。
【0203】
また本実施例のレジストローラ18は、用紙の先端を揃えるとともに、中間転写ベルト2上のトナー画像にタイミングを合わせて用紙を転写部に送るために設けられているものであり、回転速度精度を高めるための金属ローラと記録媒体の充分な搬送力を得るためのゴムなどで金属軸を覆った弾性ローラを組み合わせて用いている。レジストローラ18には、用紙センサも併設され、用紙がレジストローラ18部に達したらピックローラ86を停止し、中間転写ベルト2上の画像先端と合うタイミングでレジストローラ18を駆動することによって画像と用紙の位置を合わせる。
【0204】
次に、図18を用いて本発明の画像形成装置の各プロセス部品へのバイアス電圧の印加について説明する。
【0205】
トナーを現像、転写するためには、現像機5a、5b、5c、5dや転写器13にバイアスを印加する必要がある。現像時、転写時のバイアスの方向は、トナーの極性、現像方式、零電位部の設定によって決まるものである。
【0206】
図18には、各部にどのような電位が与えられているかを示したバイアス電圧印加の一実施例を示す。
【0207】
本実施例では、感光体の感光材料に有機感光体とマイナス帯電トナーを用い、より高解像度で現像可能な反転現像方式を採用している。
【0208】
従って、帯電器3a、3b、3c、3dは感光体1a、1b、1c、1dをマイナス電位に帯電するためマイナスバイアスが、現像機5a、5b、5c、5dにも同様にマイナスバイアスが加えられる。このとき、帯電器3a、3b、3c、3dに印加するバイアスは、帯電器が帯電ローラであるため、感光体電位を安定化させるために交流電圧を重畳してもよい。感光体1a、1b、1c、1dから中間転写ベルト2へのトナーの転写は、感光体側をマイナスにするもしくは中間転写ベルト2側をプラスにすることで行うが、本実施例では、感光体1a、1b、1c、1d周りには帯電器3a、3b、3c、3dや現像機5a、5b、5c、5d等のバイアス電圧の異なる部材が配置されることから、感光体1a、1b、1c、1dを基準電位、即ち零電位にして中間転写ベルト2側にプラスの電位、即ち転写補助ローラ9a、9b、9c、9dにプラスの電圧を与える構成としている。トナーを中間転写ベルト2から用紙に転写する際には、中間転写ベルト2に加えられている電位より大きいプラスの電位を転写器13に与えている。
【0209】
中間転写ベルト2に押し込んでいるベルト張架ローラ10dには、中間転写ベルト2上のトナーを付着しにくくするためトナーと同極性のマイナスバイアスを加えている。又、転写器13で転写されずに残ったトナーは、逆極性化する場合もあるので、このベルト張架ローラ10dにプラスバイアスを加えてもよい。
【0210】
上記に示したバイアス構成以外にも、中間転写ベルト2を張架するベルト張加ローラ10a、10b、10c、10d、及び転写補助ローラ9a、9b、9c、9dを零電位にし、各感光体1a、1b、1c、1dにマイナスバイアスを加えてトナーを中間転写ベルト2に転写する構成を用いることも可能である。
【0211】
これらの各プロセスに印加するバイアス電圧は、画質の安定化、高画質化のために、ユーザが調整可能な構成としている。例えば、感光体1a、1b、1c、1dの特性に対応して、露光器4a、4b、4c、4dの露光レベルや現像のバイアス電圧を操作パネルやスイッチで調整可能なようしにておくことで、簡単な操作で画質を調整することができる。
【0212】
また、上記を発展させて、各部のバイアスを制御することも画質の安定化に有効である。例えば、中間転写ベルト2上のトナー画像を記録媒体に転写する際には、記録媒体の種類、例えば高抵抗のOHPと吸湿した用紙で必要なバイアス電圧が異なる場合がある。これを図19のような転写電圧制御機構を設けることで記録媒体の種類や環境条件の変化に対する転写の安定化を実現することができる。
【0213】
図19の転写電圧制御機構は、転写器13に流れる電流を検出する転写器電流検出部93、転写器電流検出部93の結果に基づいて転写器13のバイアス電圧を決定する転写電圧制御部94、転写器にバイアス電圧を印加するとともに出力値を可変可能な高圧電源95より構成されている。転写器13に流れる電流を検出し、この電流値に応じて転写バイアス電圧を変化させることで、記録媒体の種類や環境条件の変化に対して常に安定した転写を実現できる。さらに、トナーの付着量を検出し、これに基づいて露光量や、現像・転写のバイアス電圧を変化させることや、温度・湿度センサ等を用いて、装置のおかれた環境条件を検出し、各プロセスのバイアスを制御する方法を用いることも可能である。
【0214】
次に本発明の画像形成装置の他の実施例である両面印字機構を設けた構成について図22〜図25を用いて説明する。
【0215】
両面印字を行う場合には、用紙を折り返す通紙経路が必要であり、本実施例の画像形成装置には、以下の構成が適用できる。
【0216】
図22は、表面を印字した用紙を排紙部において折り返す構成を適用した例である。本両面機構は、排紙部に正逆回転可能な搬送ローラ104と用紙を両面通紙経路106に案内するガイド部材105を設け、さらに本体左側外面に両面通紙経路106を配置している。両面通紙経路106で用紙を搬送する用紙案内ローラ107は、印字する最長の用紙長さより小さい間隔で配置している。両面通紙経路106の出口は、本体レジストローラ18の下方に設けてあり、両面通紙経路106を搬送された用紙は、レジストローラ18で再び転写位置に搬送するように構成している。本構成では、表の面に印字された用紙は、先端を搬送ローラに噛み込ませることで一旦本体上面の排紙トレイ上に送り、用紙の後端がガイド部材105を通過したタイミングで搬送ローラを逆転、同時にガイド部材105の位置を切り替えて用紙の後端を両面通紙経路106に送り込むように動作させている。その後、用紙は、両面通紙経路106を搬送され、レジストローラ18手前まで到達する。中間転写ベルト2上にこの用紙の裏面に印字する画像が形成され、転写されるタイミングで用紙はレジストローラ18で転写部に送り込まれ、裏面に画像を形成する。本方法は、両面通紙経路106を比較的小型に構成できることが特徴である。また、両面通紙機構自身が本体と複雑な接続を必要としないので、ユーザ自身がセッティングすることが可能であるという利点がある。
【0217】
図23は、表面を印字した用紙を装置の左側、転写器13、定着器19の外側において折り返す方法である。本両面機構は、用紙を両面通紙経路106に案内するガイド部材105を排紙部に設け、さらに本体左側外面に用紙を折り返す
ことのできるS字型の両面通紙経路106を配置している。両面通紙経路106の出口は、本体レジストローラ18の下方に設け、両面通紙経路106を搬送された用紙は、レジストローラ18で再び転写位置に搬送されるように構成している。本構成では、表の面に印字された用紙が、ガイド部材105により両面通紙経路106に送り込まれる。その後、用紙は、両面通紙経路106を搬送され、Aの位置まで搬送し、用紙案内ローラ107を逆回転させることにより、用紙を、レジストローラ18手前まで搬送する。中間転写ベルト2上にこの用紙の裏面に印字する画像が形成され、転写されるタイミングで用紙をレジストローラ18で転写部に送り、裏面に画像を形成する。レジスト前にある用紙ガイドは、Aの位置まで送られて逆搬送される用紙が両面通紙経路106を逆送するのを防ぐために設けたものである。本方法は、両面通紙機構自身が本体と複雑な接続を必要としないので、ユーザ自身がセッティングすることが可能であるという利点がある。また、用紙が本体外部に一度も出ることなく両面印字が可能であり、用紙が給紙から排紙まで汚れることなく高画質な画像が記録できる。
【0218】
図24は、表面を印字した用紙を装置の下方において折り返す方法である。本両面機構は、排紙部に用紙を両面通紙経路106に案内するガイド部材105を設け、さらに本体左側外面に両面通紙経路106を配置するとともに本体下方に両面用紙格納トレイ108を設けている。両面通紙経路106の出口は、本体下方の両面用紙格納トレイ108に設けてあり、両面通紙経路106を搬送された用紙を、両面用紙格納トレイ108に送り、ここで逆方向に搬送されて、レジストローラ18部へ搬送する。本構成では、表の面に印字した用紙を、ガイド部材105により両面通紙経路106に案内して両面通紙経路106を通して両面用紙格納トレイ108に格納する。その後、用紙案内ローラ107を逆回転させ、用紙をレジストローラ18手前まで搬送する。中間転写ベルト2上にこの用紙の裏面に印字する画像が形成され、転写されるタイミングで用紙をレジストローラ18で転写部に搬送し、裏面に画像を形成する。両面トレイ入り口にある用紙ガイドは、両面トレイから搬送される用紙が両面通紙経路106に送られるのを防ぐために設けている。本方法は、両面用紙格納トレイ108が水平に配置されているために、両面印字する用紙を多く格納できるため、大量部数の印刷に適するという特徴がある。また両面通紙経路106が単純なためジャムが生じにくく、メンテナンスしやすい。
【0219】
両面印字経路は長く必要であるために、用紙が搬送される間に用紙が正規の位置からシフトしたり、傾いたりする場合がある。これらを補正するために用紙端部を規制する規制部材や規制部材を積極的に動作させて用紙の位置を補正する機構を設けてもよい。
【0220】
上記のように、小型、高速、高画質、高メンテナンス性を提供するため、本実施例の画像形成装置は、本体中央部に縦に長く張られた中間転写ベルト2を設け、長く張られた面の一方の面に必要な色トナーの数と同数の感光体1を縦に並べ、反対の面に転写器13、定着器19を配置する構成とした。また用紙カセット16を本体下方に配置し、転写器13、定着器19を下方からこの順に配置して、記録媒体を上方に搬送するとともに転写、定着を行う構成とした。さらに、複数個の感光体1a、1b、1c、1dを感光体ユニット22内に固定配置するとともに、露光器4a、4b、4c、4dを本体筐体200に固定し、感光体ユニット22は感光体1a、1b、1c、1dの配列方向に脱着し、現像機5a、5b、5c、5dは感光体1a、1b、1c、1dの配列方向と垂直方向に脱着する構成とした。
【0221】
これによって、本実施例の画像形成装置は、高画質カラー画像記録と高速印字を両立するとともに、小型・低価格であり、ユーザメンテナンス性に優れたものとなった。
【0222】
以下に、本発明の画像形成装置の他の実施例について説明する。
【0223】
まず図25に、図1に示す感光体ユニット22内に露光器を含めた画像形成装置の一実施例について説明する。
【0224】
図25の画像形成装置は、各色の感光体1a、1b、1c、1dを縦に並べて配置し、感光体配列面の一方の側に中間転写ベルト2を配置する点では図1の画像形成装置と同じであるが、図1の画像形成装置が感光体配列面の中間転写ベルトの反対面に各色の現像機5a、5b、5c、5dと露光器4a、4b、4c、4dを積み重ねて配置するのに対して、図25の画像形成装置では各色の露光器4a、4b、4c、4dを各色感光体1a、1b、1c、1dを配置する感光体ユニット22内に配置することが特徴である。この時、感光体ユニット22をできるだけ小さくするため、小型の露光器を用いることが望ましく、図24の実施例では先に述べたLED露光器を用いている。本実施例では、各色に対応する露光器4a、4b、4c、4dと感光体1a、1b、1c、1dを一体のユニットとして構成しているために各色の感光体および露光器の間隔や平行度、さらに感光体と露光器の位置関係を精度良く配置し、かつ安定に保持することが可能である。このため、各色画像の位置合わせをより正確に行うことができる。また、図1の実施例で露光器4a、4b、4c、4dを配置していたスペース分だけ各現像機5a、5b、5c、5dの容積を増やすことが可能であるため、現像機をより長寿命にすることができる。
【0225】
尚、感光体の外周長の大きさは、少なくとも記録媒体のサイズ(長さなど)より小さくできなく、且つ各感光体間の長さは設計的に限度があるため、単純に露光器kが配置されていたスペース分縦方向に小さくする構成にはできないが、できる限り短くして装置を小型にすることも可能である。
【0226】
更に本発明の画像形成装置の他の実施例について以下説明する。
【0227】
図1の実施例では、感光体1周りに帯電器3、露光器4、現像機5、中間転写ベルト2、感光体クリーナ6、イレーズランプ8が配置しているが、これらのプロセス部品は、配置順序と感光体の回転方向から、感光体の現像点と転写点を結ぶ線より下に配置する必要がある。より印字速度を高速化や高精細化を行うためには、これらのプロセスの大型化、複雑化が必要である。図26の実施例では、感光体下方のスペースを広くするために、各感光体1a、1b、1c、1dを固定配置した感光体ユニット22を現像機5a、5b、5c、5d側に斜めに配列する構成を適用している。更にこの感光体ユニット22は、そのまま感光体の配置方向である斜め上方に引き出して交換可能である。この様に感光体と中間転写ベルトの接触点を上方に移動させることによって、感光体下方に配置するプロセスの構造に余裕を持たせることができるとともに配置裕度を多くすることができる。
【0228】
また、次に本発明の画像形成装置の一実施例である中間転写ベルト2を横方向に長く張架された構成について説明する。
【0229】
図27の実施例では、図1の実施例が感光体を縦に並べて配置しているのに対して、各色の感光体を横に配列しているのが異なるが、感光体を中間転写体の一方に配置し、反対側に定着器を配置することによって装置の小型化を実現している。
【0230】
また、本体中央部分に重力方向に対して横に長く張られた中間転写ベルト2を配置している。中間転写ベルト2の上の面には、用いられる4色のトナーと同数の感光体1a、1b、1c、1dを横方向、即ち中間転写ベルトの張架方向に配列している。各感光体の周りには、それぞれ帯電、現像、クリーニング等を行う印写ユニット109a、109b、109c、109dと露光器4a、4b、4c、4dを配置している。さらに、中間転写ベルト2の周りには、転写器13、中間転写ベルトクリーナ15を配置し、中間転写ベルト2下方には、用紙を通紙する用紙搬送経路を設け、用紙搬送経路上に、搬送経路に沿って用紙カセット16、ピックローラ86、レジストローラ18、転写器13、定着器19、排紙経路を配置している。
【0231】
図27の本実施例は、感光体を中間転写体の一方に配置し、反対側に定着器を配置することによって、中間転写体と定着器を並列して配置するものより、小型である。また、記録媒体の安定搬送を可能とするために、用紙カセット16を本体下方に配置し、転写器13、定着器19を下方からこの順に配置して、記録媒体を上方に搬送するとともに転写、定着を行うことを特徴としている。
【0232】
また、図28の一実施例では、本体中央部分に重力方向に対して横に長く張られた中間転写ベルト2を配置している。中間転写ベルト2の上方には、用いられる4色トナーと同数の感光体1a、1b、1c、1dと定着器19を横に並べて配列している。感光体と各感光体の周りには、それぞれ帯電、現像、クリーニング等を行う印写ユニット109a、109b、109c、109dと露光器4a、4b、4c、4dを配置している。定着器19は、中間転写ベルト2の感光体配置面最上流部に位置するベルト張架ローラ10eの上方に配置している。さらに、中間転写ベルト2の周りには、転写器13、中間転写ベルトクリーナ15が設けられ、転写器13は、中間転写ベルト2の感光体配置面最上流部に
位置するベルト張架ローラ10eと対向する位置に配置され、中間転写ベルトクリーナ15は、中間転写ベルト2の上面に配置されている。本実施例の画像形成装置では、中間転写ベルト2下方から左上方に用紙をあまり曲げずに搬送可能な用紙搬送経路を設けている。用紙搬送経路上には、搬送経路に沿って用紙カセット16、ピックローラ86、レジストローラ18、転写器13、定着器19、排紙経路が配置されている。
【0233】
このように用紙搬送経路である用紙パスが大きな円弧形状となるとともに、装置外面に近い位置にある。このため、用紙カセット16から厚紙や封筒、葉書などの様々な記録媒体をジャムなく安定に通紙することができるとともに、ジャム後の用紙の除去も容易とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0234】
【図1】本発明の画像形成装置の一実施例を示した図である。
【図2】本発明の画像形成装置の感光体ユニットの詳細構成を示した図である。
【図3】本発明の画像形成装置の感光体周辺部の詳細図である。
【図4】本発明の画像形成装置の複数の感光体の配置位置ずれを説明する図である。
【図5】本発明の画像形成装置の各プロセスの着脱方法を示した図である。
【図6】本発明の画像形成装置の露光器の一実施例を示した図である。
【図7】本発明の画像形成装置の露光器の他の実施例を示した図である。
【図8】本発明の画像形成装置の露光器の他の実施例を示した図である。
【図9】本発明の画像形成装置の露光器にLED光源を用いた一実施例を示した図である。
【図10】本発明の画像形成装置にLED光源の露光器を用いた概略構成を示した図である。
【図11】本発明の画像形成装置の現像機の一実施例を示す図である。
【図12】本発明の画像形成装置の現像機の他の実施例を示す図である。
【図13】本発明の画像形成装置のベルト寄り補正機構の一実施例を示す図である。
【図14】本発明の画像形成装置の中間転写ベルトクリーナの一実施例を示す図である。
【図15】本発明の画像形成装置の定着器の一実施例を示す図である。
【図16】本発明の画像形成装置の定着器の他の実施例を示す図である。
【図17】本発明の画像形成装置の用紙加熱部材の一実施例を示す図である。
【図18】本発明の画像形成装置の各プロセスに印加されるバイアス電圧印加を説明する図である。
【図19】本発明の画像形成装置の転写電圧制御機構の一実施例を示す図である。
【図20】本発明の画像形成装置の画像センサと画像ずれに関する説明をする図である。
【図21】本発明の画像形成装置の用紙カセットを増設した一実施例を示す図である。
【図22】本発明の画像形成装置の両面印字機構の一実施例を示す図である。
【図23】本発明の画像形成装置の両面印字機構の他の実施例を示す図である。
【図24】本発明の画像形成装置の両面印字機構の他の実施例を示す図である。
【図25】本発明の画像形成装置の他の実施例を示した図である。
【図26】本発明の画像形成装置の他の実施例を示した図である。
【図27】本発明の画像形成装置で横長中間転写ベルトを有する一実施例を示す図である。
【図28】本発明の画像形成装置で横長中間転写ベルトを有する他の実施例を示す図である。
【符号の説明】
【0235】
1a、1b、1c、1d…感光体、2…中間転写ベルト、3a、3b、3c、3d…帯電器、4a、4b、4c、4d…露光器、5a、5b、5c、5d…現像機、6a、6b、6c、6d…感光体クリーナ、7a、7b、7c、7d…排トナー回収部、8a、8b、8c、8d…イレーズランプ、9a、9b、9c、9d…転写補助ローラ、10a、10b、10c、10d…ベルト張架ローラ、11…画像センサ、12…トナー帯電器、13…転写器、14…用紙除電器、15…中間転写ベルトクリーナ、16…用紙カセット、17…給紙機構、18…レジストローラ、19…定着器、20…感光体1aで形成された画像の位置、21…感光体1bで形成された画像の位置、22…感光体ユニット、27…半導体レーザ、28…ポリゴンミラー、29…ポリゴンモータ、30…fθレンズ、31…折り返しミラー、32…LEDアレイ、33…ドライバ回路、34…レンズ、35…現像部、36…トナー格納部、37…現像ローラ、38…トナー規制ブレード、39…リセットローラ、40…トナー付着ブレード、41…掻き出しパドル、42…トナー送りパドル、43…トナー格納室、44…トナー供給パドル、45…トナーホッパ、46…マグネットローラ、47…現像剤規制ブレード、48…現像剤送りパドル、49…攪拌パドル、50…トナー濃度センサ、51…トナー供給ローラ、52…ベルト排トナー回収部、53…リブ、56…テーパピース、57…ベルト張架ローラ1d保持部材、58…回転力伝達シャフト、59…ベルトテンションバネ、60…ベルト基材、65…ブラシクリーナ、66…回収ローラ、67…回収ブレード、74…定着ベルト、75…定着ベルト張架ローラ、76…ヒータ、77…用紙密着ローラ、78…用紙剥離ローラ、79…テンションローラ、80…断熱部材、81…ヒートローラ、82…バックアップローラ、83…オイル塗布機構、84…クリーニング機構、85…用紙加熱部材、86…ピックローラ、87…分離パット、93…転写器電流検出部、94…転写電圧制御部、95…高圧電源、100…感光体駆動ギヤ、101…排トナー回収部駆動ギヤ、102…排トナー排出経路、103…増設カセット、104…搬送ローラ、105…ガイド部材、106…両面通紙経路、107…用紙案内ローラ、108…両面用紙格納トレイ、109…印写ユニット、200…筐体。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置筐体の下方に、記録媒体を格納する用紙カセットを配置し、前記用紙カセットの上方に、トナー画像を記録媒体に転写する転写部と前記記録媒体に転写されたトナー画像を定着する定着部とを配置し、前記転写部は中間転写ベルトを張架する複数のベルト張架ローラのひとつと対向して設置し、前記中間転写ベルトの上方に、複数の感光体ドラムを水平方向に配置し、前記定着部は複数の定着ベルト張架ローラに張架された定着ベルトを有し、前記定着ベルトを前記複数の感光体ドラムの配列と概ね同一方向に記録媒体搬送経路に沿って配置し、前記定着ベルトによりトナー画像を定着された記録媒体を前記筐体内の外面に沿って上方に排紙させることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【公開番号】特開2007−213098(P2007−213098A)
【公開日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−126352(P2007−126352)
【出願日】平成19年5月11日(2007.5.11)
【分割の表示】特願2004−192459(P2004−192459)の分割
【原出願日】平成11年11月2日(1999.11.2)
【出願人】(302057199)リコープリンティングシステムズ株式会社 (1,130)
【Fターム(参考)】