説明

画像形成装置

【課題】 記録材から中間転写体や像担持搬送体に転移付着した離型剤に起因する所謂オイルゴーストを抑制する。
【解決手段】 一度定着装置60を通過した後に反転搬送される用紙Pにトナー像を転写する両面モードでは、所定枚数毎に画像形成動作を一時的に中断し、用紙Pから中間転写ベルト15に転移、付着した定着用オイルを除去するオイル除去動作を行う。オイル除去動作では、感光体ドラム11および中間転写ベルト15を回転させ、各一次転写ロール16と各感光体ドラム11との間に一次転写バイアスを印加することで、中間転写ベルト15に付着した定着用オイルを各感光体ドラム11に転移させる。各感光体ドラム11に付着した定着用オイルは、各ドラムクリーナ17によって除去される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録材に画像を形成する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、プリンタや複写機、ファクシミリ等の画像形成装置では、カラー画像を高速且つ高画質に形成することを目的として、所謂フルカラーのタンデム機が提案されている。このタンデム機の代表的なものとしては、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の4つの画像形成ユニットを互いに並列的に配置したものが知られている。この画像形成装置では、これら各画像形成ユニットにて順次形成されるイエロー、マゼンタ、シアン、黒の各色のトナー像を、中間転写ベルト上に多重に転写(一次転写)した後、この中間転写ベルトから用紙上に一括して転写(二次転写)し、この用紙上に形成されたトナー像を定着装置で定着することによって、フルカラーや白黒(モノクロ)の画像を得ている。
【0003】
この種の画像形成装置のうち、用紙の両面に画像を形成する両面画像形成装置では、両面モード選択時に、中間転写ベルト上に形成されたトナー像(表面用画像)を用紙の表面に二次転写し、この表面用画像を定着装置にて定着した後、用紙の表裏を反転させて再度搬送する。そして、中間転写ベルト上に形成されたトナー像(裏面用画像)を反転搬送された用紙の裏面に二次転写し、この裏面画像を定着装置にて定着している。
【0004】
ここで、定着装置としては、互いに接触転動する一対の定着部材(例えば加熱ロールおよびこの加熱ロールに圧接する加圧ロール)を備え、これら定着部材間に形成されるニップ域に用紙を通過させることで、用紙上のトナーを定着するものが一般的である。そして、この種の定着装置では、用紙上のトナーが加熱ロールに転移する所謂オフセット現象を防止する目的で、加熱ロール表面に離型剤としてのオイルを塗布するオイル塗布装置が設けられている(特許文献1参照。)。
【0005】
【特許文献1】特開2001−154508号公報(第6頁、図3)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上述したような定着装置を用いた両面画像形成装置では、加熱ロール表面にのみオイルを塗布したとしても、定着処理を行う前には加熱ロールと加圧ロールとが接触転動するため、加圧ロール側にもオイルが塗布されることになる。すると、用紙の表面に二次転写された表面用画像(トナー)を定着する際、この用紙の裏面(加圧ロールと接触する面)にもオイルが転移付着することになる。その際、多くのオイルは分子レベルで正または負に帯電する。このような状況下において、用紙を反転させてこの用紙の裏面に裏面用画像を二次転写すると、トナーの帯電極性と逆極性に帯電したオイルは、二次転写電界の作用によって用紙の裏面から中間転写ベルトの表面に転移する。ただし、中間転写ベルト上でトナー像が存在していた領域(画像部)には二次転写されるトナーの影響でオイルが転移しにくいため、中間転写ベルト上にトナー像が存在していなかった領域(非画像部)のみに偏ってオイルが転移することになる。
【0007】
ここで、上記両面画像形成装置において同じ両面画像をある程度(例えば1000枚)連続作成する場合を想定する。最近の画像形成装置では、中間転写ベルト上での画像形成部位が用紙サイズ毎に決められており、同一画像を連続作成する場合には、中間転写ベルト上の同一領域に対して同一画像が繰り返し形成されることになる。すると、画像部に対応した部位にはオイルがほとんど転移しないのに対し、非画像部に対応した部位にはオイルが順次転移していくことになる。そして、中間転写ベルトへのオイル転移量が増大していくと、中間転写ベルト上のオイル付着部(非画像部)の表面エネルギーが非オイル付着部(画像部)と比較して著しく変化し、トナーの転写性能に影響を及ぼしてしまう。これを具体的に説明すると、同一画像についての両面画像形成を連続して多数回行った後、その同一画像とは異なる画像、特に全面ハーフトーン(中間調パターン)の画像を形成した際に、中間転写ベルトのオイル付着部(非画像部)における転写効率がオイル非付着部(画像部)よりも高まってしまう。その結果、直線の両面画像形成時に作成された画像が次に形成されるハーフトーン画像の中に薄いネガ画像となって現れる、所謂「オイルゴースト」現象が発生するという問題があった。
【0008】
かかる問題に対し、上記特許文献1では、中間転写ベルト上に裏面用画像を形成するにあたり、所定枚数(50〜200枚程度)毎に、画像部に加えて非画像部にも微量のトナーを付着させることで、中間転写ベルトに対するオイルの転移を抑制している。
しかしながら、この特許文献1記載の技術では、非画像部に形成されたトナーが用紙に転写されてしまうことがあり、該当する用紙に形成される画像の品質を低下させるおそれがあった。また、微量ではあっても非画像部にトナーを付着させなければならない分、トナーが無駄に消費されてしまっていた。
【0009】
本発明は、かかる技術的課題を解決するためになされたものであって、その目的とするところは、記録材から中間転写体や像担持搬送体に転移付着した離型剤に起因する所謂オイルゴーストを抑制することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
かかる目的のもと、本発明が適用される画像形成装置は、像担持体上に形成されたトナー像を中間転写体に一次転写手段にて一次転写し、中間転写体上に一次転写されたトナー像を記録材に二次転写手段にて二次転写し、圧接配置される一対の定着部材および定着部材の表面に離型剤を供給する離型剤供給部材を有する定着手段を用いて、二次転写手段によってトナー像が二次転写された記録材が一対の定着部材の間を通過することにより、記録材にトナー像を定着し、定着手段によりトナー像が定着された記録材を搬送手段を用いて二次転写手段に向けて搬送し、搬送手段によって搬送された記録材から中間転写体に転移付着した離型剤を、離型剤除去手段によって静電的に転移させて中間転写体から除去する。
【0011】
このような画像形成装置において、離型剤除去手段は、像担持体にトナー像が形成されていないときに、中間転写体から離型剤を除去することができる。また、離型剤除去手段は、中間転写体上の離型剤を一次転写手段によって像担持体に転移させることができる。この場合に、トナー像を構成するトナーの帯電極性と離型剤の帯電極性とが逆極性であることが好ましい。また、この場合には、像担持体に転移した離型剤を除去する像担持体清掃手段を更に含むことが好ましい。さらに、二次転写手段による二次転写後に中間転写体上に残留する異物を中間転写清掃手段で除去する場合に、離型剤除去手段は、中間転写清掃手段との対向部を通過し且つ像担持体との対向部に到達する前の中間転写体から離型剤を除去することができる。
【0012】
また、他の観点から捉えると、像担持搬送体に担持搬送されるトナー像を転写手段で記録材に転写し、離型剤が塗布され且つ圧接配置される一対の定着部材を備えた定着手段を用いて、一対の定着部材の間に、転写手段によってトナー像が転写された記録材を通過させることにより、記録材にトナー像を定着し、定着手段によりトナー像が定着された記録材を搬送手段を用いて転写手段に向けて搬送し、搬送手段によって搬送された記録材から像担持搬送体に転移付着した離型剤を、離型剤除去手段を用いて静電的に転移させて像担持搬送体から除去する。
【0013】
このような画像形成装置において、離型剤除去手段は、像担持搬送体に接触配置される接触部材と、像担持搬送体上の離型剤を接触部材に付着させるためのバイアスを印加する電源と、接触部材から離型剤を取り除く離型剤除去部材とを有することができる。また、転写手段は、像担持搬送体との間に記録材を挟み込む転写部材を有し、離型剤除去手段は、像担持搬送体から離型剤を除去する前に、転写部材に付着した離型剤を転写手段によって像担持搬送体に転移させることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、例えば画像形成を行っていないときに、中間転写体や像担持搬送体に付着した離型剤を静電的に除去するようにしたので、記録材から中間転写体に転移付着した離型剤に起因する所謂オイルゴーストを抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための最良の形態(以下、実施の形態という)について詳細に説明する。
<実施の形態1>
図1は本実施の形態が適用される画像形成装置を示した図である。図1に示す画像形成装置は、所謂タンデム型、所謂中間転写型の画像形成装置であって、電子写真方式にて各色成分のトナー像が形成される複数の画像形成ユニット10(10Y,10M,10C,10K)、各画像形成ユニット10にて形成された各色成分トナー像を順次転写(一次転写)して保持させる中間転写ベルト15、中間転写ベルト15上に転写された重畳トナー画像を記録材としての用紙Pに一括転写(二次転写)させる二次転写部20、二次転写された画像を用紙P上に定着させる定着装置60を備えている。また、この画像形成装置は、各装置(各部)の動作を制御する制御部40およびユーザによる操作指示を行うためのユーザインターフェース(UI)41を有している。
【0016】
各画像形成ユニット10(10Y,10M,10C,10K)は、矢印A方向に回転する像担持体としての感光体ドラム11を有している。この感光体ドラム11の周囲には、感光体ドラム11を帯電する帯電器12、感光体ドラム11上に静電潜像を書き込むレーザ露光器13(図中露光ビームを符号Bmで示す)、各色成分トナーが収容されて感光体ドラム11上の静電潜像をトナーにより可視像化する現像器14、感光体ドラム11上に形成された各色成分トナー像を中間転写ベルト15に転写する一次転写ロール16、感光体ドラム11上の残留トナーを除去するドラムクリーナ17、などの電子写真用デバイスが順次配設されている。これらの画像形成ユニット10は、中間転写ベルト15の上流側から、イエロー(Y色)、マゼンタ(M色)、シアン(C色)、黒(K色)の順に、略直線状に配置されている。なお、各現像器14では、各色成分トナーとして負極性に帯電するものを用いている。ここで、ドラムクリーナ17は、感光体ドラム11と対向する部位が開口するハウジング17aを備えている。また、ハウジング17a内には、感光体ドラム11と接するように回転可能に配設されるブラシロール17bと、このブラシロール17bよりも感光体ドラム11の移動方向下流側でこの感光体ドラム11に圧接するように配置されるブレード17cとが設けられている。
【0017】
中間転写体あるいは像担持搬送体としての中間転写ベルト15は、ポリイミドあるいはポリアミド等の樹脂にカーボンブラック等の帯電防止剤を適当量含有させたフィルム状の無端ベルトであり、その体積抵抗率が106〜1014Ω・cmとなるように形成されており、その厚みは例えば0.1mm程度である。中間転写ベルト15は、各種ロールによって図に示す矢印B方向に所定の速度で循環駆動(回動)されている。この各種ロールとして、定速性に優れたモータ(図示せず)により駆動されて中間転写ベルト15を循環駆動させる中間転写駆動ロール31、各感光体ドラム11の配列方向に沿って略直線状に延びる中間転写ベルト15を支持するアイドルロール32、中間転写ベルト15に対して一定の張力を与えると共に中間転写ベルト15の蛇行を防止する補正ロールとして機能するテンションロール33、二次転写部20に設けられるバックアップロール25を有している。
【0018】
各感光体ドラム11に対向し、略直線状に延びる中間転写ベルト15の内側に設けられる各一次転写ロール16には、後述するようにトナーの帯電極性と逆極性(本実施の形態では正極性)の電圧が印加されるようになっている。これにより、各々の感光体ドラム11上のトナー像が中間転写ベルト15に順次、静電吸引され、中間転写ベルト15上に重畳されたトナー像が形成される。
【0019】
二次転写手段あるいは転写手段としての二次転写部20は、中間転写ベルト15のトナー像担持面側に配置される無端状の二次転写搬送ベルト21と、バックアップロール25等とによって構成される。バックアップロール25は、表面にカーボンを分散したEPDMとNBRのブレンドゴムのチューブ、内部はEPDMゴムからなり、その表面抵抗率が7〜10logΩ/□でロール径が28mmとなるように形成され、硬度は例えば70°(アスカーC)に設定される。このバックアップロール25は、中間転写ベルト15の裏面側に配置されて二次転写搬送ベルト21の対向電極をなし、二次転写バイアスが安定的に印加される金属製の給電ロール26が当接配置されている。
【0020】
一方、転写部材としての二次転写搬送ベルト21は、回動可能に配設される二次転写駆動ロール22および剥離ロール23によって張架された、例えば直径がφ40で、その体積抵抗率が10〜1010Ω・cmの半導電性の無端ベルトである。この二次転写搬送ベルト21は、二次転写駆動ロール22によって駆動され、剥離ロール23によって所定のテンションが与えられることにより、図中矢印C方向に回動するようになっている。二次転写駆動ロール22は、二次転写搬送ベルト21および中間転写ベルト15を挟んでバックアップロール25に圧接配置され、二次転写搬送ベルト21上の用紙Pに二次転写を行う二次転写ロールとして機能している。そして、給電ロール26には、後述するように二次転写バイアスが印加される。なお、剥離ロール23は、所定の曲率で二次転写搬送ベルト21を張架することにより、二次転写搬送ベルト21上に担持された用紙Pを剥離する機能も併せ持っている。さらに、二次転写搬送ベルト21には、二次転写搬送ベルト21の表面をクリーニングするための二次転写クリーナ24が取り付けられている。この二次転写クリーナ24は、二次転写駆動ロール22の下側に配設され、この二次転写駆動ロール22に張架される二次転写搬送ベルト21と対向する部位が開口するハウジング24aを備えている。また、ハウジング24a内には、二次転写搬送ベルト21と接するように回転可能に配設されるブラシロール24bと、このブラシロール24bよりも二次転写搬送ベルト21の移動方向下流側でこの二次転写搬送ベルト21に圧接するように配置されるブレード24cとが設けられている。
【0021】
また、中間転写ベルト15の二次転写部20の下流側には、中間転写ベルト15を挟んで中間転写駆動ロール31に対向して配置され、二次転写後の中間転写ベルト15上の残留トナーや紙粉を除去し、中間転写ベルト15の表面をクリーニングする中間転写清掃手段としてのベルトクリーナ35が取り付けられている。ここで、ベルトクリーナ35は、中間転写駆動ロール31の側部に配設され、この中間転写駆動ロール31に張架される中間転写ベルト15と対向する部位が開口するハウジング35aを備えている。また、ハウジング35a内には、中間転写ベルト15と接するように回転可能に配設されるブラシロール35bと、このブラシロール35bよりも中間転写ベルト15の移動方向下流側でこの中間転写ベルト15に圧接するように配置されるブレード35cとが設けられている。
【0022】
一方、イエローの画像形成ユニット10Yよりも上流側の中間転写ベルト15の内側には、各画像形成ユニット10(10Y,10M,10C,10K)における画像形成タイミングをとるための基準となる基準信号を発生する基準センサ(ホームポジションセンサ)42が配置されている。この基準センサ42は、中間転写ベルト15の内側(像担持面の裏側)に設けられた所定のマークを認識して基準信号を発生しており、この基準信号の認識に基づく制御部40からの指示により、各画像形成ユニット10(10Y,10M,10C,10K)は画像形成を開始するように構成されている。また、黒の画像形成ユニット10Kよりも下流側の中間転写ベルト15外側には、画質調整を行う際に使用される画像濃度センサ43が配設されている。
【0023】
更に、本実施の形態では、用紙搬送系として、用紙Pを収容する用紙トレイ50、この用紙トレイ50に集積された用紙Pを所定のタイミングで取り出して搬送経路55に搬送するピックアップロール51を備えている。また、ピックアップロール51にて繰り出された用紙Pを搬送する搬送ロール52、搬送ロール52により搬送された用紙Pを二次転写部20へと送り込む搬送シュート53、二次転写搬送ベルト21によって二次転写された後に搬送される用紙Pを定着装置60へと搬送する搬送ベルト54(54a、54b)を備えている。
【0024】
また、定着手段としての定着装置60は、図示しない加熱源を内蔵し回転可能に配設される加熱ロール61、この加熱ロール61に回転可能に圧接配置される加圧ベルト62、加熱ロール61に接触してこの加熱ロール61表面に離型剤としての定着用オイル(シリコーンオイル)を供給するオイル供給部63を備えている。本実施の形態では、これら加熱ロール61および加圧ベルト62によって一対の定着部材が構成されている。なお、定着装置60の詳細については後述する。
【0025】
さらに、本実施の形態では、用紙Pの片面にのみトナー像を形成する片面モードの他、用紙Pの両面にトナー像を形成する両面モードを実行することも可能となっている。このため、この画像形成装置では、両面モード選択時に、定着装置60で片面定着済みの用紙Pを反転させて再度二次転写部20へと戻す用紙反転搬送機構70が設けられている。搬送手段として機能する用紙反転搬送機構70は、定着装置60からの排出経路56に対して下方に分岐する分岐経路71を設け、この分岐経路71にはさらに右側方に向かって反転経路72を延設すると共に、この反転経路72から湾曲形成されて用紙トレイ50からの搬送経路55へと戻る戻し経路73を連通接続したもので構成されている。そして、これらの経路には必要に応じて適宜数の搬送ロール74が設けられている。また、定着装置60の出口側には、定着後の用紙Pの搬送方向を排出経路56または分岐経路71に切り替える第1のゲート75が設けられ、分岐経路71と戻し経路73との分岐点には反転前後の用紙Pの搬送方向を切り替える第2のゲート76が設けられる。さらに、反転経路72には、正逆回転可能に配設されるスイッチバックロール77が取り付けられている。
【0026】
図2は、この画像形成装置における一次転写系および二次転写系を説明するための図である。一次転写ロール16(16Y,16M,16C,16K)には、正極性の一次転写バイアスを印加する一次転写電源18(18Y,18M,18C,18K)が接続されている。一方、感光体ドラム11(11Y,11M,11C,11K)は接地されている。これにより、各色の感光体ドラム11および一次転写ロール16が、中間転写ベルト15を介して圧接する各一次転写領域では、各一次転写ロール16から対応する感光体ドラム11へと向かう電界(一次転写電界)が形成される。したがって、この一次転写電界により、各感光体ドラム11上に担持されたトナー(負極性に帯電)は静電力を受け、中間転写ベルト15へと転写されることになる。なお、本実施の形態では、これら一次転写ロール16および一次転写電源18によって、一次転写手段が構成されている。
【0027】
また、二次転写部20では、給電ロール26に負極性の二次転写バイアスを印加する二次転写電源27が接続されている。一方、バックアップロール25と対向する位置に設けられた二次転写駆動ロール22は接地されている。これにより、二次転写駆動ロール22とバックアップロール25とが、中間転写ベルト15および二次転写搬送ベルト21を介して圧接する二次転写領域では、二次転写駆動ロール22からバックアップロール25へと向かう電界(二次転写電界)が形成される。したがって、この二次転写電界により、中間転写ベルト15上に担持されたトナー(負極性に帯電)は静電力を受け、中間転写ベルト15と二次転写搬送ベルト21との間にニップされた用紙P(図1参照)へと転写されることになる。
【0028】
次に、図1および図2を参照しながら、本実施の形態に係る画像形成装置の基本的な作像プロセスについて説明する。図示しない画像読取装置(IIT)や図示しないパーソナルコンピュータ(PC)等から出力される画像データは、図1に示すような画像形成装置に入力される。画像形成装置では、図示しない画像処理装置(IPS)にて所定の画像処理が施された後、制御部40からの指示に基づき、画像形成ユニット10等によって作像作業が実行される。画像処理装置(IPS)では、入力された反射率データに対して、シェーディング補正、位置ズレ補正、明度/色空間変換、ガンマ補正、枠消しや色編集、移動編集等の各種画像編集等の所定の画像処理が施される。画像処理が施された画像データは、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の4色の色材階調データに変換され、レーザ露光器13に出力される。
【0029】
レーザ露光器13では、入力された色材階調データに応じて、例えば半導体レーザから出射された露光ビームBmを画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kの各々の感光体ドラム11に照射している。画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kの感光体ドラム11では、帯電器12によって表面が帯電された後、このレーザ露光器13によって表面が走査露光され、静電潜像が形成される。形成された静電潜像は、各々の画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kにて、各現像器14によってイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色のトナー像として現像される。
【0030】
画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kの感光体ドラム11上に形成されたトナー像は、各感光体ドラム11と中間転写ベルト15とが当接する一次転写領域において、感光体ドラム11と一次転写ロール16との間に形成される一次転写電界によって中間転写ベルト15上に転写される。このようにして一次転写されたトナー像は、中間転写ベルト15の回転に伴って二次転写部20に搬送される。なお、中間転写ベルト15への転写後に感光体ドラム11上に残った残留トナーは、ドラムクリーナ17によって除去される。
【0031】
一方、用紙搬送系では、画像形成のタイミングに合わせてピックアップロール51が回転し、用紙トレイ50から所定サイズの用紙Pが供給される。ピックアップロール51により供給された用紙Pは、搬送ロール52により搬送経路55を搬送され、搬送シュート53を経て二次転写部20に到達する。この二次転写部20に到達する前に、用紙Pは一旦停止され、前述のようにしてトナー像が担持された中間転写ベルト15の移動タイミングに合わせてレジストロール(図示せず)が回転することで、用紙Pの位置とトナー像の位置との位置合わせがなされる。
【0032】
二次転写部20では、半導電性の二次転写搬送ベルト21および中間転写ベルト15を介して、二次転写駆動ロール22がバックアップロール25に押圧される。このとき、タイミングを合わせて搬送された用紙Pは、中間転写ベルト15と二次転写搬送ベルト21との間に挟み込まれる。そして、給電ロール26にトナーの帯電極性と同極性の電圧(本実施の形態では負極性)が印加されると、二次転写搬送ベルト21(二次転写駆動ロール22)を対向電極として二次転写電界が形成され、中間転写ベルト15上に担持された未定着トナー像は、二次転写駆動ロール22とバックアップロール25とによって押圧される二次転写領域にて、用紙Pに静電転写される。
【0033】
その後、トナー像が静電転写された用紙Pは、二次転写搬送ベルト21によって中間転写ベルト15から剥離された状態でそのまま搬送され、二次転写搬送ベルト21の用紙搬送方向下流側に設けられた搬送ベルト54まで搬送される。ここで、本実施の形態では、二次転写搬送ベルト21を用いているために、二次転写位置を通過した用紙Pは、中間転写ベルト15側に貼り付くことなく、二次転写搬送ベルト21側に吸着した状態で搬送される。また、二次転写搬送ベルト21上を搬送される用紙Pは、剥離ロール23の近傍で、二次転写搬送ベルト21を張架する剥離ロール23の曲率によって二次転写搬送ベルト21から剥離され、さらに下流側に向けて搬送されていく。搬送ベルト54(54a、54b)では、定着装置60における最適な搬送速度に合わせるように速度制御を行い、定着装置60まで用紙Pを搬送する。定着装置60に搬送された用紙P上の未定着トナー像は、定着装置60によって熱および圧力で定着処理を受けることで用紙P上に定着される。そして、片面モードの場合には、定着画像を担持した用紙Pが第1のゲート75によって排出経路56側へ向けられ、用紙Pは排出ロール(図示せず)によって装置の外部に排出される。また、用紙Pへの転写が終了した後、中間転写ベルト15上に残った残留トナーは、ベルトクリーナ35によって除去される。
【0034】
一方、用紙Pの両面に画像を形成する両面モードの場合には、定着装置60を通過した用紙Pの先端が第1のゲート75によって分岐経路71に進入し、分岐経路71を搬送された後に第2のゲート76によって反転経路72に進入する。反転経路72において、用紙Pはスイッチバックロール77によって一旦奥側に向けて搬送された後、用紙Pの後端が第2のゲート76を抜けた直後のタイミングで一旦停止し、その後所定のタイミングでスイッチバックロール77を逆回転させることにより今度は逆方向に向けて搬送される。その際、用紙Pは第2のゲート76によって今度は戻し経路73に進入し、この戻し経路73を介して搬送経路55へと戻される。このとき、用紙Pは最初に搬送経路55にあったときとは異なり、表裏が反転された状態となっている。そして、上述したプロセスによって今度は用紙Pの裏面に未定着トナー像が静電転写され、定着装置60によって定着された後、排出経路56を介して装置の外部に排出される。
【0035】
図3は、上述した定着装置60の詳細を説明するための図である。
加熱ロール61は、円筒状の芯金61aと、この芯金61a上に設けられる弾性層61bと、弾性層61bの表面に形成される離型層61cとを備えている。ここで、芯金61aは、例えばアルミニウム等熱伝導率の高い金属材料で構成することができる。また、弾性層61bは、例えばシリコンゴムなど弾性を有し且つ熱を蓄積できる機能を有する材料で構成することができる。さらに、離型層61cは、例えばフッ素ゴムなど優れた離型性および耐熱性を備えた材料で構成することができる。さらに、加熱ロール61を構成する芯金61aの円筒内部には、内部加熱源として機能する内部ハロゲンランプ64が配置されている。さらにまた、加熱ロール61には、図示しない駆動モータが接続されており、この加熱ロール61を回転駆動している。
【0036】
また、加圧ベルト62は、複数(本実施の形態では3つ)の支持ロール65に掛け渡され、加熱ロール61に従動して矢印方向に回動するようになっている。これら3つの支持ロール65は、加圧ロール65a、アイドルロール65b、およびステアリングロール65cからなる。ここで、加圧ロール65aは、加熱ロール61の最下点よりも回転方向下流側の位置で、加圧ベルト62を介して加熱ロール61に圧接配置されている。これにより、加圧ロール65aは、加圧ベルト62を張架支持する機能と、定着後の用紙Pのセルフストリッピング性を確保する機能とを有している。また、アイドルロール65bは、加熱ロール61の最下点から水平方向上流側に配設されており、加圧ベルト62を張架支持する機能と、トナー像を構成するトナーTが担持された用紙Pをガイドする機能とを有している。さらに、ステアリングロール65cは、ロール軸の一端が図示しない変位機構により水平方向に移動可能に配設されている。そして、ステアリングロール65cは、加圧ベルト62の蛇行を検出する図示しないセンサからの検出信号に基づいてフィードバック制御され、加圧ベルト62の蛇行を抑制している。さらにまた、加圧ベルト62の内側には、加熱ロール61に向けて加圧ベルト62を押圧することにより、加熱ロール61と加圧ベルト62との間に所定の定着ニップ領域を形成する加圧パッド66が取り付けられている。
【0037】
さらに、オイル供給部63は、定着用オイルfoを収容するオイル収容部63aを備えている。また、オイル供給部63は、オイル収容部63aに収容される定着用オイルfoを吸い出す吸い出しロール63b、吸い出しロール63bおよび加熱ロール61に回転可能に当接配置され、吸い出しロール63bから供給された定着用オイルfoを加熱ロール61に塗布する離型剤供給部材としての塗布ロール63cを備えている。ここで、定着用オイルfoとしては、加熱ロール61の離型層61cを構成するフッ素ゴムとの親和性がよくまた用紙Pとの剥離性が高いアミン変性シリコーンオイルが用いられる。なお、このアミン変性シリコーンオイルは、トナーTとは逆の帯電極性すなわち正の帯電極性を有している。
【0038】
次に、上述した定着装置60の動作について説明する。例えば画像形成装置のスイッチがオンとされると、図示しない駆動モータによって加熱ロール61が駆動され、加熱ロール61が回転を開始する。また、加熱ロール61が回転を開始すると、この加熱ロール61に圧接配置される加圧ベルト62が従動回転を開始する。さらに、ハロゲンランプ64に対する給電が開始され、加熱ロール61の表面温度(離型層61cの温度)が所定の温度となるよう、加熱制御が行われる。
【0039】
そして、加熱ロール61が回転を開始するのに伴い、オイル供給部63による加熱ロール61の離型層61cに対する定着用オイルfoの供給が開始される。具体的には、オイル収容部63aに収容される定着用オイルfoが吸い出しロール63bによって吸い出され、吸い出しロール63bに付着した定着用オイルfoがさらに塗布ロール63cへと転移し、この塗布ロール63cから加熱ロール61の離型層61cへと転移していく。このようにして加熱ロール61表面に付着した定着用オイルfoは、加熱ロール61の回転に伴って搬送され、加熱ロール61と加圧ベルト62とが圧接する定着ニップ領域に到達する。そして、定着ニップ領域において、加熱ロール61に付着した定着用オイルfoの一部が加圧ベルト62側に転移する。このようにして、加熱ロール61および加圧ベルト62の表面には、まんべんなく定着用オイルfoが供給され、所定のオイル層が形成される。
【0040】
次に、画像形成動作に伴って定着装置60に未定着のトナーTを表面に担持した用紙Pが搬送されてくると、この用紙Pは、加熱ロール61と加圧ベルト62とが圧接する定着ニップ領域にニップされる。このとき、定着ニップ領域にニップされた用紙P上の未定着のトナーTには、加熱ロール61からの熱、および、加熱ロール61と加圧ベルト62との間にかかるニップ圧力が同時に付与される。このような熱および圧力を受けて、未定着のトナーTは溶融し用紙Pに染み込む。つまり、トナーTが用紙Pに定着される。その際、加熱ロール61の表面には上述したように定着用オイルfoによるオイル層が形成されているため、用紙P上のトナーTは加熱ロール61側に転移することなく用紙P側に付着した状態を維持する。
【0041】
定着ニップ領域を通過した用紙P上のトナーTは、外気によって冷却され、固化することによって用紙P上に固定される。また、定着ニップ領域を通過した用紙Pの表面には加熱ロール61から転移した定着用オイルfoが付着し、その裏面には加圧ベルト62から転移した定着用オイルfoが付着する。したがって、定着ニップ領域を通過した加熱ロール61および加圧ベルト62の表面からは、ある程度定着用オイルfoが奪い取られている。ただし、この間もオイル供給部63による加熱ロール61への定着用オイルfoの供給が続行されている。また、用紙Pが通過した後、次の用紙Pが到達するまでの領域では、加熱ロール61と加圧ベルト62が直接接する期間が存在するため、加熱ロール61から加圧ベルト62に対する定着用オイルfoの供給も行われる。したがって、加熱ロール61および加圧ベルト62の表面には、再びまんべんなくオイル層が形成されることになる。
【0042】
また、上述した両面モードの場合には、裏面側に未定着のトナーTを担持し、且つ、表面側に定着済みのトナーTを担持した用紙Pが搬送されてくる。この用紙Pが定着ニップ領域にニップされると、用紙Pの裏面(未定着のトナーTが担持されている側)が加熱ロール61に、その表面(既に定着済みのトナーTが担持されている側)が加圧ベルト62に、それぞれ接することになる。このとき、定着ニップ領域にニップされた用紙Pの裏面側にある未定着のトナーT、および、用紙Pの表面側にある定着済みのトナーTには、加熱ロール61からの熱、および、加熱ロール61と加圧ベルト62との間にかかるニップ圧力が同時に付与される。したがって、用紙Pの裏面側に存在する未定着のトナーTはもちろんのこと、用紙Pの表面側に存在する定着済みのトナーTも再びこれらの熱および圧力を受けて再び溶融することになる。ただし、この定着装置60では、オイル供給部63から加熱ロール61を介して加圧ベルト62にも定着用オイルfoが供給されているので、用紙Pの表面側に形成された定着済みのトナーTも、加圧ベルト62側に転移することなく、用紙P側に付着した状態を維持することができる。
【0043】
このように、定着装置60を用いて用紙P上にトナーTを定着させる際、用紙Pには定着用オイルfoが付着する。片面モードの場合は、定着済みの用紙Pがそのまま装置の外部に排出される。一方、両面モードの場合は、定着装置60を通過することによって定着用オイルfoを担持した用紙Pが、用紙反転搬送機構70(図1参照)を介して再び二次転写部20へと送り込まれ、さらにもう一度定着装置60を通過することになる。
【0044】
ここで、図4(a)は、一度定着装置60(図1参照)を通過した後に反転搬送された用紙Pが、再度二次転写部20を通過する際の状態を示した図である。次に、図4(a)を参照しつつ、反転搬送された用紙Pの裏面側にトナーTを二次転写する際の動作および定着用オイルfoの挙動について説明する。
まず、用紙Pの裏面側に二次転写するためのトナー像が、各画像形成ユニット10(図1参照)で形成され、順次中間転写ベルト15に一次転写される。このようにして中間転写ベルト15上に形成されたトナー像を構成するトナーTは、中間転写ベルト15の回動に伴って二次転写部20へと移動してくる。一方、反転搬送され、用紙Pの裏面側が上向きに設定された用紙Pは、中間転写ベルト15上のトナー像が二次転写位置に到達するタイミングに合わせて、二次転写部20に送り込まれる。
【0045】
二次転写部20では、上述したように二次転写搬送ベルト21および中間転写ベルト15を介して、二次転写駆動ロール22がバックアップロール25に押圧される。このとき、タイミングを合わせて搬送された用紙Pは、中間転写ベルト15と二次転写搬送ベルト21との間に挟み込まれる。そして、給電ロール26にトナーTの帯電極性と同極性の電圧(本実施の形態では負極性)が印加されると、二次転写搬送ベルト21(二次転写駆動ロール22)を対向電極として二次転写電界が形成され、中間転写ベルト15上に担持されたトナーT(負極性に帯電)は、二次転写駆動ロール22とバックアップロール25とによって押圧される二次転写領域にて、用紙Pの裏面側に静電転写される。一方、一度定着装置60を通過した用紙Pに対して二次転写が行われる際、用紙Pの裏面側に担持されていた定着用オイルfo(正極性に帯電)が、二次転写電界によってトナーTとは逆に中間転写ベルト15側へと転移せしめられる。ただし、用紙Pの裏面側に担持されていた定着用オイルfoのうち、トナーTが二次転写された部位に担持されていた定着用オイルfoは、転移してくるトナーTの影響により、中間転写ベルト15側に転移せずにそのまま用紙P側に残る。
【0046】
したがって、二次転写領域を通過した中間転写ベルト15表面のうち、二次転写前の中間転写ベルト15においてトナーTが担持されていた領域(画像領域)には、用紙Pに二次転写されなかったトナーT(残留トナー)が残る。また、二次転写領域を通過した中間転写ベルト15表面のうち、二次転写前の中間転写ベルト15においてトナーTが担持されていなかった領域(非画像領域)には定着用オイルfoが付着する。
【0047】
また、一度定着装置60を通過した用紙Pに対して二次転写が行われる際、用紙Pの表面側は二次転写搬送ベルト21に接触しながら搬送される。すると、剥離ロール23によって二次転写搬送ベルト21から用紙Pが剥離されるときに、用紙Pの表面側に付着していた定着用オイルfoの一部が二次転写搬送ベルト21側に転移、付着する。これは、静電気力ではなく物理的な力(ファンデルワールス力等)によって生じるものである。ここで、二次転写搬送ベルト21に装着される二次転写クリーナ24は、ベルト材をクリーニング対象としているため、設計上、二次転写搬送ベルト21に対してブラシロール24bやブレード24cを強く押し当てることが困難である。このため、二次転写クリーナ24では、二次転写搬送ベルト21に付着したトナーTや用紙Pの紙粉等(定着用オイルfoよりも大きな径を有するもの)を除去することは可能であるものの、二次転写搬送ベルト21に付着した定着用オイルfoを取り除くことはできない。したがって、二次転写搬送ベルト21は、定着用オイルfoを担持した状態でそのまま回動を続けることになる。
【0048】
ここで、図4(b)は両面モード実行時における二次転写部20通過前の中間転写ベルト15の表面状態を示している。また、図4(c)は両面モード実行時における二次転写部20通過後の中間転写ベルト15の表面状態を示している。本実施の形態に係る画像形成装置では、例えばA4サイズの用紙Pの場合には、中間転写ベルト15上に8枚分の画像を形成できるようになっている。ここで、中間転写ベルト15上において、用紙P1枚分の画像を形成するために使用される領域を画像形成可能領域Sと呼ぶことにする。なお、図4(b)、(c)に示す例では、中間転写ベルト15上に二つの画像形成領域が存在しているものとする。
【0049】
図4(b)に示す二次転写部20通過前の状態において、中間転写ベルト15上の各画像形成可能領域S内には、トナー像が形成されている画像領域S1と、トナー像が形成されていない非画像領域S2とが存在している。二次転写部20通過前の状態において、画像領域S1には、トナー像を構成するトナーTが付着している。
これに対し、図4(c)に示す二次転写部20通過後の状態では、上述したように、画像領域S1からはトナーが取り除かれる一方、非画像領域S2には定着用オイルfoが付着している。なお、画像領域S1には、用紙Pに転写されなかったトナーTが残留していることもある。
【0050】
したがって、両面モードで同一の画像を連続作成するような場合には、中間転写ベルト15上の画像形成可能領域S内において、非画像領域S2には定着用オイルfoが蓄積されていく一方で、画像領域S1にはほとんど定着用オイルfoが付着しないことになる。このようなオイル付着の分布の偏りが顕著になると、上述したオイルゴースト現象が発生してしまうことになる。
【0051】
そこで、本実施の形態では、中間転写ベルト15に付着した定着用オイルfoを、各画像形成ユニット10(10Y,10M,10C,10K)(図1参照)を用いて各感光体ドラム11(11Y,11M,11C,11K)に転移させることで、中間転写ベルト15上での定着用オイルfoの分布の偏りを抑えている。以下、この制御について説明する。
【0052】
図5は、図1に示す制御部40の制御ブロック図である。制御部40のCPU(Central Processing Unit)101は、ROM(Read Only Memory)102に記憶されたプログラムに従い、RAM(Random Access Memory)103との間で適宜データのやりとりを行いながら処理を実行する。この制御部40には、入出力インタフェース104を介して、UI41より入力された画像形成モード(片面モード、両面モード)情報が入力されるようになっている。一方、この制御部40は、入出力インタフェース104を介して、感光体ドラム11の回転駆動、帯電器12、レーザ露光器13および現像器14の動作、中間転写ベルト15(中間転写駆動ロール31)、二次転写搬送ベルト21(二次転写駆動ロール22)および搬送ベルト54の回転駆動、定着装置60および用紙反転搬送機構70の動作、一次転写電源18および二次転写電源27によるバイアス印加動作、等を制御している。なお、この画像形成装置を例えばプリンタとして使用する場合には、図示しないPC(Personal Computer)より、制御部40に画像形成モード(片面モード、両面モード)が入力されることになる。
【0053】
次に、上述した各画像形成ユニット10による定着用オイルfoの除去動作の実行判断について、図6に示すフローチャートを参照しつつ詳細に説明する。
UI41あるいは図示しないPC等を介して画像形成の指示が受け付けられると、画像形成動作が開始される。このとき、制御部40からの制御信号によって、感光体ドラム11、中間転写ベルト15、二次転写搬送ベルト21、搬送ベルト54および定着装置60は、それぞれ所定の回転数で回転(回動)する。また、帯電器12、レーザ露光器13、現像器14等も所定の動作条件にて動作を開始する。更に、一次転写電源18によって一次転写ロール16に一次転写バイアスの供給が行われ、二次転写電源27によって給電ロール26に二次転写バイアスの供給が行われる。以上により、画像形成装置は画像形成動作を開始する(ステップ101)。
【0054】
次に、UI41あるいは図示しないPC等から指示された画像形成モードが両面モードであるか否かが判断される(ステップ102)。ここで、画像形成モードが両面モードではない場合すなわち片面モードであった場合には、用紙Pが反転搬送されず、したがって用紙Pから中間転写ベルト15に定着用オイルfoが付着するおそれがないことから、定着用オイルfoの除去動作を行うことなく処理を終了する。
【0055】
一方、ステップ102において、画像形成モードが両面モードであった場合には、画像形成枚数(出力枚数)をカウントしつつ、画像形成を行う。そして、出力枚数が所定数(例えば100枚)に達したか否かが判断される(ステップ103)。ここで、出力枚数が所定数に達していた場合には、画像形成動作を一時的に中断し(ステップ104)、オイル除去動作を実行する(ステップ105)。なお、オイル除去動作の詳細については後述する。そして、ステップ105におけるオイル除去動作が終了すると、画像形成動作を再開する(ステップ106)。次に、ジョブが終了したか否かすなわち予定の出力枚数に達したか否かが判断され(ステップ107)、予定の出力枚数に達している場合にはこの処理を終了する。一方、ステップ107において予定の出力枚数に達していなかった場合には、ステップ103に戻って処理を続行する。なお、上記ステップ103において、出力枚数が所定数に達していない場合には、ステップ107までスキップして処理を続行する。
【0056】
では、上記ステップ105で行われるオイル除去動作について説明する。
オイル除去動作が行われる場合、その前に画像形成動作が一時中断される(上記ステップ104参照)。このとき、制御部40は、レーザ露光器13による潜像書き込みを中止させ、その結果、感光体ドラム11上にはトナー像が形成されなくなる。これにより、画像形成動作が中断されている間は、中間転写ベルト15上にトナー像が一次転写されたり、用紙P上にトナー像が二次転写されたりすることもなくなる。ただし、画像形成動作が中止されている間も、感光体ドラム11、中間転写ベルト15および二次転写搬送ベルト21の駆動は続行され、これら感光体ドラム11、中間転写ベルト15および二次転写搬送ベルト21は回転し続けている。また、一次転写電源18による一次転写バイアスの印加および二次転写電源27による二次転写バイアスの印加も引き続き行われている。
【0057】
すると、二次転写部20では、転写部材としての二次転写搬送ベルト21上に付着していた定着用オイルfoが、二次転写電界の作用によって中間転写ベルト15側に転移、付着する。このとき、画像形成動作は中止されているため、中間転写ベルト15にはトナー像が存在していない。したがって、二次転写電界によって二次転写搬送ベルト21側にトナーが付着するような事態は生じない。
【0058】
図7は、オイル除去動作において、中間転写ベルト15に付着した定着用オイルfoが搬送されていく状態を示した図である。なお、中間転写ベルト15上には、オイル除去動作の実行に伴って二次転写搬送ベルト21(図1参照)から転移、付着した定着用オイルfoと、両面モードの実行によって用紙Pから画像形成可能領域Sの非画像領域S2に付着した定着用オイルfoとが存在している。また、二次転写部20(図1参照)の下流側かつベルトクリーナ35よりも上流側では、直前の画像形成動作において用紙Pに転写されなかったトナー(残留トナー)Tが付着していることもある。このトナーTは、ベルトクリーナ35との対向部においてブラシロール35bあるいはブレード35cによって中間転写ベルト15上から除去される。
【0059】
一方、中間転写ベルト15に付着した定着用オイルfoは、ベルトクリーナ35によって除去されずにそのままさらに各画像形成ユニット10における一次転写領域まで搬送される。すると、例えばイエローの画像形成ユニット10Yでは、中間転写ベルト15上に付着していた定着用オイルfoが、一次転写電界の作用によって感光体ドラム11Y側に転移、付着する。また、イエローの感光体ドラム11Yに転移できなかった定着用オイルfoも、マゼンタの感光体ドラム11Mあるいはシアンの感光体ドラム11C、黒の感光体ドラム11K(図1参照)に転移、付着する。つまり、本実施の形態では、感光体ドラム11、一次転写ロール16および一次転写電源18によって、離型剤除去手段が構成されているといえる。
【0060】
そして、オイル除去動作では、中間転写ベルト15上の定着用オイルfoが、順次各感光体ドラム11に転移、付着していく。そして、各感光体ドラム11に付着した定着用オイルfoは、感光体ドラム11の回転に伴って各ドラムクリーナ17との対向部まで搬送される。ここで、感光体ドラム11に装着されるドラムクリーナ17は、二次転写クリーナ24(図4参照)やベルトクリーナ35とは異なり、金属製のドラム材をクリーニング対象としているため、設計上、感光体ドラム11に対してブラシロール17bやブレード17cを強く押し当てておくことが可能である。このため、ドラムクリーナ17では、感光体ドラム11に付着したトナーTの他、定着用オイルfoも除去することができる。また、ブラシロール17bの表面にはトナーTが付着しており、またブレード17cの自由端側にはトナーTによるダムが形成されている。このため、感光体ドラム11に付着した定着用オイルfoは、このようなトナーTに吸着され、除去される。
【0061】
なお、オイル除去動作において、より確実に中間転写ベルト15上から定着用オイルfoを除去するには、中間転写ベルト15を複数回回転させることが好ましいが、少なくとも一回転させれば、オイルゴーストが発生しない程度にまで定着用オイルfoの付着量を減らすことができる。これは、本実施の形態では、所謂タンデム型の構成を採用しており、しかもすべての画像形成ユニット10(10Y,10M,10C,10K)を用いてオイル除去動作を行っているため、中間転写ベルト15が一回転する間に四度一次転写バイアスの印加が行われるためである。
【0062】
このように、本実施の形態では、用紙Pの両面に画像を形成する両面モードが実行される場合に、所定枚数毎にオイル除去動作を行い、中間転写ベルト15に付着した定着用オイルfoを除去するようにした。また、オイル除去動作を実行するにあたっては、まず、二次転写搬送ベルト21に付着した定着用オイルfoを中間転写ベルト15上に静電的に転移させ、その後中間転写ベルト15に付着した定着用オイルfoをさらに各感光体ドラム11に静電的に転移させるようにした。そして、各感光体ドラム11に付着した定着用オイルfoを、対応する各ドラムクリーナ17で取り除くようにした。これにより、両面モードにおけるオイルゴーストの発生を抑えることができる。
【0063】
また、本実施の形態では、画像形成動作を一時中断した状態、すなわち、感光体ドラム11および中間転写ベルト15に基本的にトナーTが付着していない状態で、オイル除去動作を実行するようにした。これにより、二次転写搬送ベルト21に付着した定着用オイルfoを中間転写ベルト15により確実に転移させることができる。また、中間転写ベルト15に付着した定着用オイルfoを各感光体ドラム11により確実に転移させることができる。
【0064】
さらに、本実施の形態では、例えば二次転写搬送ベルト21では、二次転写領域よりも上流側に二次転写クリーナ24を設けることにより、二次転写領域に到達する前に二次転写搬送ベルト21に付着したトナーTや紙粉等の異物を取り除くようにした。これにより、オイル除去動作を実行する場合には、二次転写搬送ベルト21に主として定着用オイルfoが付着した状態で二次転写領域を通過させることができ、定着用オイルfoをより確実に中間転写ベルト15側に転移させることができる。
さらにまた、本実施の形態では、例えば中間転写ベルト15では、二次転写部20よりも下流側で最上流側の画像形成ユニット10であるイエローの画像形成ユニット10Yよりも上流側にベルトクリーナ35を設けた。このように構成することで、イエローの画像形成ユニット10Yの一次転写領域に到達する前に中間転写ベルト15に付着したトナーTや紙粉等の異物を取り除くようにした。これにより、オイル除去動作を実行する場合には、中間転写ベルト15に主として定着用オイルfoが付着した状態で一次転写領域を通過させることができ、定着用オイルfoをより確実に感光体ドラム11側に転移させることができる。
そして、本実施の形態では、ドラムクリーナ17としてブラシロール17bおよびブレード17cを配置するようにしたので、感光体ドラム11に転移、付着した定着用オイルfoを取り除くことができる。
【0065】
また、本実施の形態では、各画像形成ユニット10に設けられた一次転写用の仕組み(一次転写バイアスの印加)を用いて、中間転写ベルト15上の定着用オイルfoを各感光体ドラム11に転移、付着させるようにした。さらに、本実施の形態では、二次転写部20に設けられた二次転写用の仕組み(二次転写バイアスの印加)を用いて、二次転写搬送ベルト21上の定着用オイルfoを中間転写ベルト15に転移、付着させるようにした。したがって、別途オイル除去動作用の部品等を取り付ける必要がないので、構成を簡易にできるとともに、画像形成装置の大型化も抑えることができる。特に、本実施の形態では、トナーTおよび定着用オイルfoが逆の帯電極性を有しているため、トナーTの転写動作および定着用オイルfoのオイル除去動作において、同じ極性の一次転写バイアスおよび二次転写バイアスを用いることができ、構成がより簡易になる。
【0066】
さらに、本実施の形態では、用紙Pに付着した定着用オイルfoが中間転写ベルト15に転移、付着する両面モードでのみオイル除去動作を実行するようにし、定着用オイルfoの付着が生じ得ない片面モードではオイル除去動作を実行しないようにした。これにより、片面モードにおける生産効率の低下を抑制することができる。
【0067】
<実施の形態2>
本実施の形態は、実施の形態1と略同様であるが、中間転写ベルト15に付着した定着用オイルfoを、各画像形成ユニット10にて除去するのではなく、オイル除去専用の機構を設けた点で異なっている。なお、本実施の形態において、実施の形態1と同様のものについては、同じ符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0068】
図8は、本実施の形態で用いられるオイル除去装置80およびオイル除去動作における定着用オイルfoの挙動を説明するための図である。
離型剤除去手段としてのオイル除去装置80は、中間転写ベルト15を挟んで中間転写駆動ロール31と対向する位置に回転可能に配設される接触部材としてのオイル除去ロール81を備えている。このオイル除去ロール81は、中間転写駆動ロール31の上部側に、中間転写ベルト15と接触するように配置されており、中間転写ベルト15の回動に伴って従動回転するようになっている。図7から明らかなように、オイル除去ロール81は、ベルトクリーナ35よりも中間転写ベルト15の回動方向下流側であって、最上流側のイエローの感光体ドラム11Yよりも中間転写ベルト15の回動方向上流側に配置されている。
【0069】
また、オイル除去装置80は、オイル除去ロール81に当接配置されるクリーニングウェブ82を備えている。離型剤除去部材としてのクリーニングウェブ82は、共に回転可能に配設される供給ロール83および回収ロール84に掛け渡されており、押圧ロール85に押圧されることによってオイル除去ロール81に当接している。そして、所定のタイミングで回収ロール84を回転させることによってクリーニングウェブ82の巻き取りが行われ、オイル除去ロール81に対するクリーニングウェブ82の当接部位を徐々に移動させていくことができるように構成されている。
さらに、オイル除去装置80は、中間転写ベルト15を挟んでオイル除去ロール81に対向配置される中間転写駆動ロール31に正極性のオイル除去バイアスを印加する電源としてのオイル除去電源86を備えている。一方、オイル除去ロール81は接地されている。
さらにまた、オイル除去装置80は、中間転写ベルト15に対してオイル除去ロール81を接触あるいは離間させるためのリトラクト機構87を備えている。このリトラクト機構87は、例えばカムやバネ等によって構成される。
【0070】
本実施の形態に係る画像形成装置では、両面モードの実行時に、リトラクト機構87によって中間転写ベルト15にオイル除去ロール81を当接させ、また、オイル除去電源86によってオイル除去バイアスを印加する。これにより、用紙Pから中間転写ベルト15に転移、付着した定着用オイルfoをオイル除去ロール81に転移させることができ、中間転写ベルト15から定着用オイルfoを除去することができる。そして、オイル除去ロール81に付着した定着用オイルfoを、クリーニングウェブ82によって取り除くことができる。特に、本実施の形態では、実施の形態1のようにオイル除去動作に各画像形成ユニット10を使用していないので、特にオイル除去のために画像形成動作を一時的に中断する必要がなくなり、両面モードにおける生産性の低下を抑制することができる。
【0071】
また、本実施の形態の場合、片面モードの実行時には、リトラクト機構87によって中間転写ベルト15からオイル除去ロール81が離される。このため、片面モードでは中間転写ベルト15とオイル除去ロール81とが接触せず、中間転写ベルト15の無用な摩耗を抑えることが可能になる。
【0072】
なお、実施の形態1、2では、タンデム型且つ中間転写型の画像形成装置を例に説明を行ったが、これに限られるものではなく、一つの感光体ドラムに順次各色のトナー像を形成しながら中間転写ベルト上に重ね転写していく、所謂4サイクル型の画像形成装置にも適用することができる。また、中間転写体として、中間転写ベルトではなく中間転写ドラムを用いた画像形成装置にも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】本実施の形態が適用された画像形成装置の全体構成を説明するための図である。
【図2】画像形成装置における一次転写系および二次転写系を説明するための図である。
【図3】定着装置の構成を説明するための図である。
【図4】両面モードにおける二次転写部の動作を説明するための図である。
【図5】制御部の制御ブロック図である。
【図6】オイル除去動作の可否を設定する処理を示すフローチャートである。
【図7】オイル除去動作における定着用オイルの挙動を説明するための図である。
【図8】実施の形態2で用いられるオイル除去装置およびオイル除去動作における定着用オイルの挙動を説明するための図である。
【符号の説明】
【0074】
10(10Y、10M、10C、10K)…画像形成ユニット、11…感光体ドラム、15…中間転写ベルト、16…一次転写ロール、17…ドラムクリーナ、18…一次転写電源、20…二次転写部、21…二次転写搬送ベルト、31…中間転写駆動ロール、35…ベルトクリーナ、40…制御部、60…定着装置、61…加熱ロール、62…加圧ベルト、63…オイル供給部、70…用紙反転搬送機構、80…オイル除去装置、81…オイル除去ロール、82…クリーニングウェブ、86…オイル除去電源、fo…定着用オイル、T…トナー、P…用紙、S…画像形成可能領域、S1…画像領域、S2…非画像領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
像担持体上に形成されたトナー像を中間転写体に一次転写する一次転写手段と、
前記中間転写体上に一次転写されたトナー像を記録材に二次転写する二次転写手段と、
圧接配置される一対の定着部材および当該定着部材の表面に離型剤を供給する離型剤供給部材を有し、前記二次転写手段によってトナー像が二次転写された前記記録材が当該一対の定着部材の間を通過することにより、当該記録材にトナー像を定着する定着手段と、
前記定着手段によりトナー像が定着された前記記録材を前記二次転写手段に向けて搬送する搬送手段と、
前記搬送手段によって搬送された前記記録材から前記中間転写体に転移付着した前記離型剤を、静電的に転移させて当該中間転写体から除去する離型剤除去手段と
を含む画像形成装置。
【請求項2】
前記離型剤除去手段は、前記像担持体にトナー像が形成されていないときに、前記中間転写体から前記離型剤を除去することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記離型剤除去手段は、前記中間転写体上の前記離型剤を前記一次転写手段によって前記像担持体に転移させることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記トナー像を構成するトナーの帯電極性と前記離型剤の帯電極性とが逆極性であることを特徴とする請求項3記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記像担持体に転移した前記離型剤を除去する像担持体清掃手段を更に含むことを特徴とする請求項3記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記二次転写手段による二次転写後に前記中間転写体上に残留する異物を除去する中間転写清掃手段を更に含み、
前記離型剤除去手段は、前記中間転写清掃手段との対向部を通過し且つ前記像担持体との対向部に到達する前の前記中間転写体から前記離型剤を除去することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項7】
像担持搬送体に担持搬送されるトナー像を記録材に転写する転写手段と、
離型剤が塗布され且つ圧接配置される一対の定着部材の間に、前記転写手段によってトナー像が転写された前記記録材を通過させることにより、当該記録材にトナー像を定着する定着手段と、
前記定着手段によりトナー像が定着された前記記録材を前記転写手段に向けて搬送する搬送手段と、
前記搬送手段によって搬送された前記記録材から前記像担持搬送体に転移付着した前記離型剤を、静電的に転移させて当該像担持搬送体から除去する離型剤除去手段と
を含む画像形成装置。
【請求項8】
前記離型剤除去手段は、
前記像担持搬送体に接触配置される接触部材と、
前記像担持搬送体上の前記離型剤を前記接触部材に付着させるためのバイアスを印加する電源と、
前記接触部材から前記離型剤を取り除く離型剤除去部材と
を有することを特徴とする請求項7記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記転写手段は、前記像担持搬送体との間に前記記録材を挟み込む転写部材を有し、
前記離型剤除去手段は、前記像担持搬送体から前記離型剤を除去する前に、前記転写部材に付着した前記離型剤を前記転写手段によって当該像担持搬送体に転移させることを特徴とする請求項7記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−24999(P2007−24999A)
【公開日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−203659(P2005−203659)
【出願日】平成17年7月12日(2005.7.12)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】