説明

画像形成装置

【課題】 画像を効率的に形成すること。
【解決手段】 MFPは、画像データを取得するジョブ受付部151と、画像データに基づいて、カラーモードまたは白黒モードで画像を形成する画像形成部30と、画像形成部30がカラーモードで画像形成可能か否かを検出する検出部157と、画像形成部30がカラーモードで画像形成中に検出部157によりカラーモードで画像形成が不可能なことが検出された場合、画像形成部30を制御して画像データを白黒モードで画像形成するジョブ制御部159と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、画像形成装置に関し、特にカラーモードと白黒モードとで画像を形成可能な画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、フルカラーの画像を形成する画像形成装置が流通している。この画像形成装置は、黒色トナーを収納する黒色現像器と、イエロー、シアンおよびマゼンタの3色のトナーをそれぞれが収納する3つのカラー現像器(イエロー現像器、シアン現像器、マゼンタ現像器)とを備えており、カラーモードで画像を形成する場合は、3つのカラー現像器を駆動し、白黒モードで画像を形成する場合は、黒色現像器のみを駆動する。これら4つの現像器のトナーカートリッジうち、いずれかでトナーが不足した場合、トナーが不足したトナーカートリッジを交換してトナーが充填されるまで画像形成装置の動作は一時中断される。このため、白黒モードで画像形成が可能な場合であっても、トナー不足が解消しない限り白黒モードで画像を形成することができないといった問題があった。この問題に対応して、特開2002−357941号公報には、白黒の画像データを受信した際には白黒モードで画像を形成するようにした画像形成装置が記載されている。
【0003】
しかしながら、特開2002−357941号公報に記載の画像形成装置は、カラーの画像データを受信した場合には、画像形成することができない。このため、カラーの画像データを画像形成するために、トナーを充填しなければならず、効率が悪いといった問題がある。
【特許文献1】特開2002−357941号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この発明は上述した問題点を解決するためになされたもので、この発明の目的の1つは、画像を効率的に形成することが可能な画像形成装置を提供することができる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した目的を達成するためにこの発明のある局面によれば、画像形成装置は、画像データを取得する画像データ取得手段と、画像データに基づいて、カラーモードまたは白黒モードで画像を形成する画像形成手段と、画像形成手段がカラーモードで画像形成可能か否かを検出する検出手段と、画像形成手段がカラーモードで画像形成中に検出手段によりカラーモードで画像形成が不可能なことが検出された場合、画像形成手段を制御して画像データを白黒モードで画像形成する制御手段と、を備える。
【0006】
この局面に従えば、カラーモードで画像形成中にカラーモードで画像形成が不可能なことが検出された場合、画像データが白黒モードで画像形成される。このため、画像データに基づく画像形成を中断することなく、最後まで画像形成することができる。その結果、画像を効率的に形成することが可能な画像形成装置を提供することができる。
【0007】
好ましくは、ユーザによる切換指示を受け付ける切換指示受付手段をさらに備え、制御手段は、切換指示が受け付けられることを条件に、画像形成手段を制御して画像データを白黒モードで画像形成する。
【0008】
この局面に従えば、ユーザによる切換指示が受け付けられることを条件に、画像データが白黒モードで画像形成されるので、ユーザの意思を尊重することができる。
【0009】
この発明の他の局面によれば、画像形成装置は、画像データと画像形成条件とを含むジョブを受け付けるジョブ受付手段と、受け付けられたジョブを記憶し、複数のジョブを待機ジョブとして記憶可能なジョブ記憶手段と、ジョブ記憶手段から待機ジョブを読出し、読み出した待機ジョブの画像形成条件に従って、該読み出した待機ジョブの画像データに基づいてカラーモードまたは白黒モードで画像を形成する画像形成手段と、画像形成手段がカラーモードで画像形成可能か否かを検出する検出手段と、検出手段によりカラーモードでの画像形成が不可能なことが検出された場合、ジョブ記憶手段に記憶された待機ジョブのうちから画像形成するジョブを選択する選択手段と、選択されたジョブの画像形成条件がカラーモードの場合、画像形成手段を制御して選択されたジョブの画像データを白黒モードで画像形成する制御手段と、を備える。
【0010】
この局面に従えば、ジョブが受け付けられると、待機ジョブとして記憶され、待機ジョブが読出されて、画像形成条件に従って、画像データに基づいてカラーモードまたは白黒モードで画像が形成される。カラーモードでの画像形成が不可能なことが検出された場合、待機ジョブのうちから画像形成するジョブが選択され、選択されたジョブの画像形成条件がカラーモードの場合、画像データが白黒モードで画像形成される。このため、画像形成を中断することなく待機ジョブが実行される。その結果、カラーモードで画像形成できなくなった場合であっても効率的に画像形成することが可能な画像形成装置を提供することができる。
【0011】
好ましくは、選択手段は、ジョブ記憶手段に記憶されている待機ジョブを識別するためのジョブ識別情報を表示するジョブ表示手段と、表示されたジョブ識別情報のうちから少なくとも1つの選択指示を受け付ける選択指示受付手段と、を含み、選択手段は、複数の待機ジョブのうちから選択指示されたジョブ識別情報の待機ジョブを選択する。
【0012】
好ましくは、ユーザを識別するためのユーザ識別情報を受け付けるユーザ識別情報受付手段と、受け付けられたユーザ識別情報を認証する認証手段と、ジョブ受付手段は、受け付けられたジョブとともにユーザ識別情報を受け付け、ジョブ記憶手段は、ジョブとユーザ識別情報とを関連付けて記憶し、選択手段は、ジョブ記憶手段に記憶されている複数の待機ジョブのうちか認証手段により認証されているユーザ識別情報と関連付けられた待機ジョブを選択する。
【0013】
この局面に従えば、画像形成装置を操作しているユーザのジョブが選択され、画像形成される。このため、複数のジョブからいずれのジョブを選択するかの指示を早期に受け付けることができるので、中断したジョブを早く実行することができる。
【0014】
好ましくは、ユーザを識別するためのユーザ識別情報の指定を受け付けるユーザ識別情報指定受付手段をさらに備え、ジョブ受付手段は、受け付けられたジョブとともにユーザ識別情報を受け付け、ジョブ記憶手段は、ジョブとユーザ識別情報とを関連付けて記憶し、選択手段は、ジョブ記憶手段に記憶されている複数の待機ジョブのうちから指定されたユーザ識別情報と関連付けられた待機ジョブを選択する。
【0015】
この局面に従えば、ユーザ識別情報の指定を受け付けられると、複数の待機ジョブのうちから指定されたユーザ識別情報と関連付けられた待機ジョブが選択される。このため、複数のジョブのうちから画像形成させるジョブを容易に選択することができる。
【0016】
好ましくは、選択手段は、検出手段によりカラーモードでの画像形成が不可能なことが検出された場合、ジョブ記憶手段に記憶された待機ジョブの画像形成条件がモノクロモードの待機ジョブをカラーモードの待機ジョブより先に選択する。
【0017】
好ましくは、制御手段は、検出手段によりカラーモードでの画像形成が不可能なことが検出されてから所定の時間が経過するまで、画像形成条件がカラーモードのジョブを白黒モードで画像形成させる。
【0018】
好ましくは、制御手段は、検出手段によりカラーモードでの画像形成が不可能なことが検出されてから電源が遮断されるまで、画像形成条件がカラーモードのジョブを白黒モードで画像形成させる。
【0019】
好ましくは、制御手段は、検出手段によりカラーモードでの画像形成が可能なことが検出されてから選択された1つの待機ジョブの画像形成が終了するまで、画像形成条件がカラーモードのジョブを白黒モードで画像形成させる。
【0020】
好ましくは、制御手段は、選択された待機ジョブが複数部数を画像形成する条件を含む場合、検出手段によりカラーモードでの画像形成が可能なことが検出されてから一部の画像形成が終了するまで画像形成条件がカラーモードのジョブを白黒モードで画像形成させる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。以下の説明では同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰返さない。
【0022】
図1は、本発明の実施の形態における画像形成システムの全体概要を示す図である。図1を参照して、画像形成システム1は、ネットワーク2にそれぞれ接続された画像形成装置としての複合機(以下、「MFP」という)100,100A,100B,100Cおよびパーソナルコンピュータ(以下「PC」という)200を含む。PC200は、一般的なコンピュータである。
【0023】
なお、本実施の形態においては画像形成装置の一例としてMFP(Multi Function Peripheral)100,100A,100B,100Cを例に説明するが、MFP100,100A,100B,100Cに代えて、画像を形成する機能を備えた装置であれば、たとえば、プリンタ、ファクシミリ等であってもよい。ネットワーク2は、ローカルエリアネットワーク(LAN)であり、接続形態は有線または無線を問わない。またネットワーク2は、LANに限らず、ワイドエリアネットワーク(WAN)、公衆交換電話網(PSTN)、インターネット等であってもよい。
【0024】
MFP100,100A,100B,100C各々が有する機能は異なるが、ここではMFP100がすべての機能を有するものと仮定して、MFP100の構成を説明する。
【0025】
図2は、MFPの外観を示す斜視図である。図3は、MFPの内部構成を示す断面図である。図2および図3を参照して、MFP100は、自動原稿搬送装置(ADF)10と、画像読取部20と、画像形成部30と、給紙部40と、MFP100の全体を制御するためのメイン回路101とを含む。
【0026】
ADF10は、原稿給紙トレイ11上にセットされた複数枚の原稿を1枚ずつ自動的に画像読取部20のプラテンガラス上に設定された所定の原稿読み取り位置まで搬送し、画像読取部20により原稿画像が読み取られた原稿を原稿排紙トレイ12上に排出する。画像読取部20は、原稿読取位置に搬送されてきた原稿に光を照射する光源と、原稿で反射した光を受光する光電変換素子とを含み、原稿のサイズに応じた原稿画像を走査する。光電変換素子は、受光した光を電気信号である読取データに変換して、画像形成部30に出力する。
【0027】
給紙部40は、用紙を収納しておくための給紙トレイ41,43,45と、この用紙を繰り出すためのピックアップローラ42,44,46とを備え、画像形成部30に用紙を搬送する。
【0028】
画像形成部30は、周知の電子写真方式により画像を形成するものであって、感光体ドラム31a,31b,31c,31dと、露光ユニット32a,32b,32c,32dと、現像ユニット33a,33b,33c,33dと、転写ベルト35と、定着ローラ対36とを備える。露光ユニット32a,32b,32c,32dは、画像読取部20から入力される読取データにシェーディング補正などの各種のデータ処理を施し、データ処理後のデータを主走査ラインごとにレーザダイオードを駆動するための駆動信号に変換し、感光体ドラム31a,31b,31c,31d上にレーザ光をそれぞれ走査する。これにより、感光体ドラム31a,31b,31c,31dそれぞれに静電潜像が形成される。現像ユニット33a,33b,33c,33dはイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色にそれぞれ対応しており、各色のトナーを収納するトナーカートリッジが装着されている。現像ユニット33a,33b,33c,33dは、感光体ドラム31a,31b,31c,31d上に形成された静電潜像にそれぞれトナーを載せ、トナー像を形成する。感光体ドラム31a,31b,31c,31dそれぞれ上に形成されたトナー像は、転写ベルト35上に、転写チャージャにより転写される。転写ベルト35は、各色に対応する感光体ドラム31a,31b,31c,31d上のトナー像を全て重ね合わせて、給紙部40から搬送されてくる用紙に転写する。トナー像が転写された用紙は、定着ローラ対36により加熱された後、排紙トレイに排紙される。定着ローラ対36により加熱されたトナーは、溶けて用紙に定着する。
【0029】
画像形成部30は、画像データが入力されると、画像データに基づいて記録シート上に画像を形成する。画像形成部30は、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの4色のトナーを用いて画像を形成する。画像形成部30は、カラーモードで画像形成する場合、感光体ドラム31a,31b,31cと、露光ユニット32a,32b,32cと、現像ユニット33a,33b,33cと、を駆動して画像を形成する。また、画像形成部30は、白黒モードで画像形成する場合、感光体ドラム31dと、露光ユニット32dと、現像ユニット33dと、を駆動して画像を形成する。
【0030】
給紙部40は、記録シートを格納しており、格納した記録シートを1枚ずつ画像形成部30に供給する。MFP100は、その上面に操作パネル9を備える。
【0031】
図4は、MFPの回路構成の一例を示すブロック図である。図4を参照して、MFP100は、メイン回路101と、ファクシミリ部60と、通信制御部61と、ADF10と、画像読取部20と、画像形成部30と、給紙部40とを含む。メイン回路101は、中央演算装置(CPU)111と、CPU111の作業領域として使用されるRAM(Random Access Memory)112と、CPU111が実行するプログラム等を記憶するためのEEPROM(Electronically Erasable Programmable Read Only Memory)113と、表示部114と、操作部115と、大容量記憶装置としてのハードディスクドライブ(HDD)116と、データ通信制御部117と、を含む。CPU111は、表示部114、操作部115、HDD116およびデータ通信制御部117とそれぞれ接続され、メイン回路101の全体を制御する。また、CPU111は、ファクシミリ部60、通信制御部61、ADF10、画像読取部20、画像形成部30および給紙部40と接続され、MFP100の全体を制御する。
【0032】
表示部114は、液晶表示装置(LCD)、有機ELD(Electro Luminescence Display)等のディスプレイであり、ユーザに対する指示メニューや取得した画像データに関する情報等を表示する。操作部115は、複数のキーを備え、キーに対応するユーザの操作による各種の指示、文字、数字などのデータの入力を受付ける。操作部115は、表示部114上に設けられたタッチパネルを含む。表示部114と操作部115とで、操作パネル9が構成される。
【0033】
データ通信制御部117は、TCP(Transmission Control Protocol)またはFTP(File Transfer Protocol)等の通信プロトコルで通信するためのインターフェースであるLAN端子118と、シリアル通信するためのシリアル通信インターフェース端子119とを有する。データ通信制御部117は、CPU111からの指示に従って、LAN端子118またはシリアル通信インターフェース端子119に接続された外部の機器との間でデータを送受信する。
【0034】
LAN端子118に、ネットワークに接続するためのLANケーブルが接続される場合、データ通信制御部117は、LAN端子118を介して接続された電子メールサーバと通信し、電子メールサーバに電子メールを送信することが可能である。
【0035】
また、CPU111は、データ通信制御部117を制御して、メモリカード119AからCPU111が実行するためのプログラムを読出し、読み出したプログラムをRAM112に記憶し、実行する。なお、CPU111が実行するためのプログラムを記憶する記録媒体としては、メモリカード119Aに限られず、フレキシブルディスク、カセットテープ、光ディスク(CD−ROM(Compact Disc−Read Only Memory)/MO(Magnetic Optical Disc/MD(Mini Disc)/DVD(Digital Versatile Disc))、ICカード、光カード、マスクROM、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electronically EPROM)などの半導体メモリ等の媒体でもよい。さらに、CPU111がインターネットに接続されたコンピュータからプログラムをダウンロードしてHDD116に記憶する、または、インターネットに接続されたコンピュータがプログラムをHDD116に書込みするようにして、HDD116に記憶されたプログラムをRAM112にロードしてCPU111で実行するようにしてもよい。ここでいうプログラムは、CPU111により直接実行可能なプログラムだけでなく、ソースプログラム、圧縮処理されたプログラム、暗号化されたプログラム等を含む。
【0036】
通信制御部61は、CPU111をPSTN(Public Switched Telephone Networks)7に接続するためのモデムである。MFP100には、PSTN7における電話番号が予め割り当てられており、PSTN7に接続されたファクシミリ装置からMFP100に割り当てられた電話番号に発呼があると、通信制御部61がその発呼を検出する。通信制御部61は、発呼を検出すると通話を確立し、ファクシミリ部60に通信させる。
【0037】
ファクシミリ部60は、PSTN7に接続され、PSTN7にファクシミリデータを送信する、またはPSTN7からファクシミリデータを受信する。ファクシミリ部60は、受信したファクシミリデータを画像形成部30でプリント可能なプリントデータに変換して、画像形成部30に出力する。これにより、画像形成部30は、ファクシミリ部60により受信されたファクシミリデータを記録シートにプリントする。また、ファクシミリ部60は、HDD116に記憶されたデータをファクシミリデータに変換して、PSTN7に接続されたファクシミリ装置または他のMFPに出力する。これにより、HDD116に記憶されたデータをファクシミリ装置または他のMFPに出力することができる。このように、MFP100は、ファクシミリ送受信機能を有する。
【0038】
図5は、CPUの機能の概要を示す機能ブロック図である。図5を参照して、CPU111は、画像データと処理内容とを含むジョブを受け付けるジョブ受付部151と、ユーザを認証するためのユーザ認証部153と、選択部155と、ジョブの実行を制御するジョブ制御部159と、画像形成部30の状態を検出するための検出部157とを備える。
【0039】
ジョブ受付部151は、ジョブを受け付ける。ジョブは、画像データと処理内容とを含む。処理内容は、そのジョブをMFP100に入力したユーザを識別するためのユーザ識別情報を含む。ジョブ受付部151は、ユーザが、操作部115を操作して、コピージョブの処理内容を入力すると、操作部115からそれに入力された処理内容を受け付ける。また、ジョブ受付部151は、データ通信制御部117が、LAN端子118を介して接続されたパーソナルコンピュータからプリントジョブの処理内容を受信すると、データ通信制御部117からプリントジョブの処理内容を受け付ける。さらに、ジョブ受付部151は、ファクシミリ部60が外部のファクシミリ装置からファクシミリデータを受信すると、ファクシミリ受信ジョブの処理内容を受け付ける。
【0040】
また、ジョブ受付部151は、画像データを取得する。ジョブ受付部151は、コピージョブの処理内容を受け付けた場合、画像読取部20を制御して、画像読取部20に原稿を読み取らせ、画像読取部20が出力する画像データを取得する。また、ジョブ受付部151は、データ通信制御部117からプリントジョブの処理内容を受信した場合、データ通信制御部117が受信するプリントデータを画像データとして取得し、ファクシミリ部60からファクシミリ受信ジョブの処理内容を受け付けた場合、ファクシミリ部60が受信するファクシミリデータを画像データとして取得する。
【0041】
ジョブ受付部151は、受け付けた処理内容と画像データとの組からなるジョブデータを、待機ジョブ112AとしてRAM112に一時的に記憶する。処理内容は、ユーザ識別情報を含むため、RAM112に複数の待機ジョブ112Aが記憶されている場合、ユーザ識別情報を含む待機ジョブのみを抽出することができる。
【0042】
ジョブ制御部159は、選択部155から何も入力されない通常の状態では、RAM112に記憶された待機ジョブ112Aを読出し、待機ジョブ112Aに含まれる画像データを画像形成部30に出力し、待機ジョブ112Aに含まれる処理内容に従って、画像形成部30に画像を形成させる。ジョブ制御部159は、RAM112に複数の待機ジョブ112Aが記憶されている場合、RAM112に記憶された順に複数の待機ジョブ112Aのうちから1つを読み出す。ジョブ制御部159は、待機ジョブ112Aが含む処理内容がカラーモードの画像形成を定義する場合には、画像形成部30にカラーモードで画像を形成させ、処理内容が白黒モードの画像形成を定義する場合には、画像形成部30に白黒モードで画像を形成させる。
【0043】
検出部157は、シアン、マゼンタ、イエローの各トナーの残量を検出する。現像ユニット33a,33b,33c,33dそれぞれは、トナーカートリッジに収納されているトナーの残量を検出するためのセンサを有し、検出部157は、センサ出力に基づいてトナー残量を検出する。検出部157は、シアン、マゼンタ、イエローのいずれかのトナーの残量が所定値を下回るエンプティになった場合に、ジョブ制御部159および選択部155に画像形成部30がカラーモードで画像を形成することができないことを示すカラーエラー信号を出力する。
【0044】
また、検出部157は、感光体ドラム31a,31b,31c、露光ユニット32a,32b,32cおよび現像ユニット33a,33b,33cそれぞれの使用回数をカウントしており、いずれかのカウント値がそれぞれに対して予め定められ使用限度を超えた場合に、カラーエラー信号をジョブ制御部159および選択部155に出力する。なお、ここでは、使用回数をカウントするようにしたが、感光体ドラム31a,31b,31c、露光ユニット32a,32b,32cおよび現像ユニット33a,33b,33cそれぞれの使用可否を検出するセンサを設けて、そのセンサ出力に基づいて画像形成部30がカラーモードで画像を形成することが可能か否かを判断するようにしてもよい。
【0045】
さらに、検出部157は、実行しているジョブを入力したユーザがカラー印刷することが可能な枚数が制限されている場合、印刷枚数が制限値を超えたときに、カラーエラー信号をジョブ制御部159および選択部155に出力する。
【0046】
ジョブ制御部159は、検出部157からカラーエラー信号が入力されると、そのときカラーモードで画像を形成するように画像形成部30を制御していれば、画像形成部30に画像を形成するのを中断させる。一方、検出部157からカラーエラー信号が入力されたとき、白黒モードで画像を形成するように画像形成部30を制御していれば、画像形成部30に継続して画像を形成させる。
【0047】
ユーザ認証部153は、MFP100を操作するユーザが操作部115に入力するユーザ識別情報を受け付け、それをEEPROM113に予め記憶されている認証情報と比較することにより、ユーザを認証する。認証されたユーザは、ログインユーザである。ユーザ認証部153がユーザを認証した後は、操作部115に入力される処理は、ログインユーザによる指示に基づく処理とされる。例えば、ジョブが入力された場合には、そのジョブの処理内容にログインユーザのユーザ識別情報が定義される。
【0048】
選択部155は、検出部157からカラーエラー信号が入力されると、ジョブ制御部159が実行するためのジョブを待機ジョブのうちから選択し、選択した待機ジョブを実行するための指示をジョブ制御部159に出力する。選択する待機ジョブは、例えば次のジョブである。
(1) ジョブ制御部159がそのとき実行しているジョブ。
(2) RAM112に記憶されている待機ジョブ112Aのうちユーザにより指定された待機ジョブ。
(3) RAM112に記憶されている待機ジョブ112Aのうちログインユーザが入力した待機ジョブ
(4) RAM112に記憶されている待機ジョブ112Aのうちユーザにより指定されたユーザ識別情報のユーザが入力した待機ジョブ。
【0049】
また、選択部155は、検出部157からカラーエラー信号が入力されると、RAM112に記憶されている待機ジョブ112Aの全てを、不揮発性のメモリ、ここではEEPROM113に記憶する。これにより、MFP100の電源がOFFになった後でも、EEPROM113に待機ジョブ112Aが記憶されるので、待機ジョブ112Aが消滅するのを防止することができる。なお、RAM112にバックアップ電源を接続するようにしてもよい。
【0050】
ジョブ制御部159は、選択部155から待機ジョブの実行指示が入力されると、実行指示された待機ジョブが、現在実行しているジョブならば、そのジョブを実行し、そうでなければ、RAM112から実行指示された待機ジョブを読み出し、読み出した待機ジョブを実行する。ジョブ制御部159は、カラーの画像データを白黒の画像データに変換するための色変換部を含む。ジョブ制御部159は、実行する待機ジョブの処理内容がカラーモードの画像形成を定義している場合、カラーの画像データを白黒の画像データに変換し、変換した画像データを画像形成部30に出力し、待機ジョブの処理内容に従って白黒モードで画像形成させる。
【0051】
ジョブ制御部159は、選択部155から待機ジョブの実行指示が入力されてから所定の事象が発生するまで、実行する待機ジョブの処理内容がカラーモードの画像形成を定義している場合に、カラーの画像データを白黒の画像データに変換し、変換した画像データを画像形成部30に出力する。所定の事象は、例えば次の通りである。
(1)待機ジョブの終了。
(2)待機ジョブの処理内容が複数部数の画像形成を含む場合、最初の1部の画像形成の終了。
(3)MFP100の電源OFF。
(4)選択部155から待機ジョブの実行指示が入力されてから(画像形成部30がカラーモードで画像を形成できなくなってから)所定時間の経過。
【0052】
ジョブ制御部159は、選択部155から待機ジョブの実行指示が入力されてから上記所定の事象が発生と、実行する待機ジョブの処理内容が白黒モードの画像形成を定義していれば、その待機ジョブを実行するが、実行する待機ジョブの処理内容がカラーモードの画像形成を定義していれば、待機ジョブを実行しない。
【0053】
図6は、ジョブ受付処理の流れの一例を示すフローチャートである。ジョブ受付処理は、CPU111がEEPROM113に記憶されたプログラムを実行することにより、CPU111により実行される処理である。図6を参照して、CPU111は、ジョブを受け付けたか否かを判断する(ステップS01)。ジョブを受け付けるまで待機状態となり(ステップS01でNO)、ジョブを受け付けたならば処理をステップS02に進める(ステップS01でYES)。
【0054】
ステップS02においては、受け付けたジョブの処理内容がカラーモードの画像形成を定義しているか否かを判断する。処理内容がカラーモードの画像形成を定義するカラー印刷ジョブならば処理をステップS03に進め、そうでなければ処理をステップS04に進める。ステップS03においては、MFP100が強制白黒モードに設定されているか否かを判断する。強制白黒モードとは、MFP100が、処理内容がカラーモードの画像形成を定義するジョブの画像データを、白黒モードで画像形成するモードである。MFP100が強制白黒モードに設定されていれば処理をステップS04に進め、そうでなければ処理をステップS06に進める。後述する強制白黒印刷処理(図9参照)が実行されると、EEPROM113の予め定められた領域に記憶される強制白黒モードフラグがONに設定されるので、その強制白黒モードフラグを参照することにより、強制白黒モードに設定されているか否かを判断する。
【0055】
ステップS04においては、ジョブを受け付ける。そして、受け付けたジョブを待機ジョブとしてRAM112に記憶し(ステップS05)、処理を終了する。一方、ステップS06においては、エラー処理を実行する。エラー処理は、例えば、カラーモードで画像形成するジョブの入力を禁止するメッセージを表示部114に表示する処理である。また、エラー処理は、MFP100に接続されたPC200からプリントデータが送信されてくる場合には、PC200に対してエラーメッセージを送信する処理である。
【0056】
なお、ここでは、強制白黒モードに設定されている場合に、カラー印刷ジョブを入力できないようにしたが、カラー印刷ジョブを入力可能にするようにしてもよい。この場合には、ステップイS03およびステップS06は、不要である。
【0057】
図7は、ジョブ実行処理の流れの一例を示すフローチャートである。ジョブ実行処理は、CPU111がEEPROM113に記憶されたプログラムを実行することにより、CPU111により上述したジョブ受付処理とは独立して実行される処理である。図7を参照して、CPU111は、RAM112に待機ジョブ112Aが記憶されているか否かを判断する(ステップS21)。待機ジョブ112Aが記憶されるまで待機状態となり(ステップS21でNO)、待機ジョブ112Aが記憶されると処理をステップS22に進める(ステップS21でYES)。すなわち、ジョブ実行処理は、上述したジョブ受付処理が実行されてRAM112に待機ジョブ112Aが記憶されることを条件に実行される処理である。
【0058】
ステップS22においては、RAM112から待機ジョブ112Aを読み出す。RAM112に複数の待機ジョブ112Aが記憶されていれば、RAM112に最初に記憶された待機ジョブ112Aを読み出す。そして、読み出した待機ジョブの処理内容がカラーモードの画像形成を定義するか否かを判断する(ステップS23)。カラーモードの画像形成を定義するならば処理をステップS24に進め、そうでなく白黒モードの画像形成を定義するならば処理をステップS34に進める。
【0059】
ステップS24においては、MFP100が強制白黒モードに設定されているか否かを判断する。強制白黒モードに設定されていなければ、処理をステップS25に進め、そうでなければ処理をステップS33に進める。RAM112の予め定められた領域に、強制白黒モードか否かを示すフラグが記憶されており、その領域を参照することにより強制白黒モードに設定されているか否かを判断する。ステップS33においては、強制白黒印刷処理を実行し、処理をステップS21に戻す。強制白黒印刷処理については後述するが、処理内容がカラーモードの画像形成を定義する待機ジョブの画像データを白黒モードで画像形成する処理である。
【0060】
ステップS25においては、ステップS22で読み出した待機ジョブの画像データを画像形成部30に出力し、ステップS22で読み出した待機ジョブの処理内容に従って画像形成させる(ステップS25)。これにより、画像形成部30によりカラーモードで画像形成が開始される。
【0061】
次のステップS26においては、カラー印刷可否判断処理を実行する。カラー印刷可否判断処理については後述するが、画像形成部30がカラーモードで画像を形成することができない事象を検出する処理である。
【0062】
ステップS27においては、カラー印刷可否判断処理の結果がカラー印刷エラー否かを判断する。カラー印刷可否判断処理の結果がカラー印刷エラーであれば処理をステップS28に進め、そうでなければ処理をステップS31に進める。ステップS28においては、MFP100を強制白黒モードに設定可能か否かを判断する。強制白黒モードに設定可能であれば処理をステップS33に進め、そうでなければ処理をステップS29に進める。強制白黒モードに設定可能か否かは、ユーザが予めMFP100に設定する。例えば、EEPROM113の予め定められた領域に設定可否フラグを記憶するようにし、その設定可否フラグを参照することにより、強制白黒モードに設定可能か否かを判断する。
【0063】
ステップS29においては、RAM112に記憶された待機ジョブ112Aを削除する。そして、エラー処理を実行する(ステップS30)。エラー処理は、カラーモードで画像形成ができないことを示すメッセージを表示部114に表示する。さらに、待機ジョブを全て削除したことを示すメッセージを表示するようにしてもよい。
【0064】
ステップS31においては、ステップS22で読み出した待機ジョブ112Aが終了したか否かを判断し、ジョブを終了したならば、処理をステップS32に進め、そうでなければ処理をステップS26に戻す。ステップS32においては、RAM112から処理を終了した待機ジョブ112Aを削除し、次の待機ジョブ112Aを実行するために処理をステップS21に戻す。
【0065】
処理をステップS34に進める場合、ステップS22で読み出した待機ジョブ112Aの処理内容がモノクロモードの画像形成を定義する。このため、ステップS34においては、待機ジョブに含まれる画像データを画像形成部30に出力し、待機ジョブの処理内容に従って画像形成させる。これにより、画像形成部30により白黒モードで画像形成が開始される。
【0066】
ステップS35においては、ステップS22で読み出した待機ジョブ112Aが終了するまで待機状態となり(ステップS35でNO)、ジョブを終了したならば処理をステップS36に進める(ステップS35でYES)。ステップS36においては、RAM112から処理を終了した待機ジョブ112Aを削除し、次の待機ジョブ112Aを実行するために処理をステップS21に戻す。
【0067】
図8は、カラー印刷可否判断処理の流れの一例を示すフローチャートである。カラー印刷可否判断処理は、図7のステップS26において実行される処理である。図8を参照して、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)のいずれかのトナー残量の無しを検出したか否かを判断する(ステップS41)。いずれかのトナー残量がなくなったことを検出したならば処理をステップS44に進め、そうでなければ処理をステップS42に進める。
【0068】
ステップS42においては、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の現像ユニット33a,33b,33cそれぞれの使用回数を、上限値Tと比較し、現像ユニット33a,33b,33cいずれかの使用回数が上限値Tを超えたか否かを判断する。現像ユニット33a,33b,33cいずれかの使用回数が上限値Tを超えたならば処理をステップS44に進め、そうでなければ処理をステップS43に進める。
【0069】
ステップS43においては、実行している待機ジョブを入力したユーザの許可カウンタ値が制限値を超えたか否かを判断する。制限値を超えたならば処理をステップS44に進め、そうでなければ処理をステップS45に進める。許可カウンタは、ユーザ毎に割当てられたカウンタであって、カラーモードで画像形成するごとにカウントアップされる。制限値は、ユーザ毎に割当てられ、カラーモードでの画像形成が許可された枚数である。
【0070】
ステップS44においては、返り値に「カラー印刷エラー」を設定し、処理をジョブ実行処理に戻す。ステップS45においては、返り値に「正常」を設定し、処理をジョブ実行処理に戻す。
【0071】
図9は、強制白黒印刷処理の流れの一例を示すフローチャートである。強制白黒印刷処理は、図7のステップS33において実行される処理である。図9を参照して、画像形成部30に画像形成を中断させる(ステップS51)。強制白黒印刷処理が実行されるのは、図7のステップS27において、カラー印刷エラーが検出された場合である。このため、カラーモードでの画像形成を中断する。次のステップS52においては、MFP100を強制白黒モードに設定する。EEPROM113の予め定められた領域に記憶される強制白黒モードフラグをONに設定する。
【0072】
そして、ジョブ選択処理を実行する(ステップS53)。ジョブ選択処理については後述するが、実行するジョブを選択する処理である。以下、ジョブ選択処理により選択されたジョブを選択ジョブという。そして、選択ジョブの処理内容がカラーモードの画像形成を定義しているか否かを判断する(ステップS54)。処理内容がカラーモードの画像形成を定義するカラー印刷ジョブならば処理をステップS55に進め、そうでなければ処理をステップS61に進める。
【0073】
ステップS61においては、ステップS53で選択した選択ジョブの画像データを画像形成部30に出力し、選択ジョブの処理内容に従って画像形成させる。これにより、画像形成部30により白黒モードで画像形成が開始される。そして、ステップS61で画像形成を開始した選択ジョブが終了するまで待機状態となり(ステップS62でNO)、選択ジョブが終了したならば処理をステップS63に進める(ステップS62でYES)。そして、選択ジョブに対応する待機ジョブをRAM112から削除し(ステップS63)、次の待機ジョブを実行するために処理をステップS53に戻す。
【0074】
ステップS55においては、選択ジョブが含むカラーの画像データを白黒の画像データに変換する。そして、白黒の画像データを画像形成部30に出力し、選択ジョブの処理内容に従って白黒モードで画像形成させる(ステップS56)。これにより、画像形成部30により白黒モードで画像形成が開始される。
【0075】
次に、強制白黒モードの解除モードがジョブ解除モードに設定されているか否かを判断する(ステップS57)。強制白黒モードの解除モードは、ジョブの終了後に強制白黒モードを解除するジョブ解除モードと、部の画像形成終了後に強制白黒モードを解除する部解除モードと、所定時間の経過または電源のOFFにより強制白黒モードを解除する継続解除モードとを含む。強制白黒モードの解除モードは、ユーザにより設定され、EEPROM113の予め定められた領域に解除モードフラグとして記憶される。CPU111は、解除モードフラグを参照することにより解除モードを判断する。
【0076】
ジョブ解除モードに設定されていれば処理をステップS58に進め、部解除モードに設定されていれば処理をステップS65に進め、継続解除モードに設定されていれば処理をステップS66に進める。ステップS58においては、ステップS56で画像形成を開始した選択ジョブが終了するまで待機状態となり(ステップS58でNO)、選択ジョブが終了したならば処理をステップS59に進める(ステップS58でYES)。そして、選択ジョブに対応する待機ジョブをRAM112から削除し(ステップS59)、強制白黒モードの設定を解除し(ステップS60)、処理をジョブ実行処理に戻す。
【0077】
ステップS65においては、ステップS56で画像形成を開始した選択ジョブの処理内容が複数部数を定義する場合に、一部の画像形成が終了するまで待機状態となり(ステップS65でNO)、一部の画像形成が終了したならば処理をステップS60に進める(ステップS65でYES)。ステップS60においては、強制白黒モードの設定を解除し、処理をジョブ実行処理に戻す。
【0078】
ステップS66においては、ステップS56で画像形成を開始した選択ジョブが終了するまで待機状態となり(ステップS66でNO)、選択ジョブが終了したならば処理をステップS67に進める(ステップS66でYES)。そして、選択ジョブに対応する待機ジョブをRAM112から削除し(ステップS67)、RAM112に待機ジョブが記憶されているか否かを判断する(ステップS68)。RAM112に待機ジョブが記憶されていれば処理をステップS69に進め、そうでなければ、強制白黒モードの設定を解除し(ステップS71)、処理をジョブ実行処理に戻す。
【0079】
ステップS69においては、カラー印刷エラーが検出されてから所定時間が経過したか否かを判断し、所定時間が経過していなければ処理をステップS70に進め、所定時間経過していれば強制白黒モードの設定を解除し(ステップS71)、処理をジョブ実行処理に戻す。
【0080】
ステップS70においては、MFP100の電源がOFFとなったか否かを判断する。MFP100の電源がOFFでなければ、次の待機ジョブを実行するために処理をステップS53に戻し、MFP100の電源がOFFであれば強制白黒モードの設定を解除し(ステップS71)、処理をジョブ実行処理に戻す。
【0081】
図10は、選択処理の流れの一例を示す第1のフローチャートである。選択処理は、図9に示した強制白黒印刷処理のステップS53において実行される処理である。図10を参照して、表示部114にエラー画面を表示する(ステップS101)。エラー画面は、例えば、カラーモードで画像形成できないこと、および強制白黒モードで画像形成を継続することを通知するメッセージを含む。
【0082】
次のステップS102においては、白黒印刷指示を受け付けたか否かを判断する。エラー画面を表示している段階で、例えば、操作部115のスタートボタンの押下を検出したならば、白黒印刷指示を受け付ける。ユーザの意思を確認して、現在実行しているジョブを、強制的に白黒モードで画像形成させるためである。白黒印刷指示を受け付けたならば処理をステップS103に進め、そうでなければ処理をステップS105に進める。ステップS105においては、画像形成を中断するためのエラー処理を実行する。エラー処理は、RAM112に記憶されている待機ジョブ112Aの削除、MFP100のリセットを含む。
【0083】
ステップS103においては、実行中の待機ジョブを選択ジョブに選択し、処理をステップS104に進める。ステップS104においては、選択した実行中のジョブをHDD116に記憶し、処理を強制白黒印刷処理に戻す。これにより、MFP100の電源がOFFになった場合でも実行中のジョブがHDD116に記憶されるので、次に電源がONになった時に、再度実行することができる。
【0084】
図11は、選択処理の流れの一例を示す第2のフローチャートである。図11を参照して、選択モードがユーザ選択モードか否かを判断する(ステップS111)。ユーザ選択モードは、MFP100のユーザにより予め設定され、EEPROM113の予め定められた領域にユーザ選択モードフラグが記憶される。ユーザ選択モードフラグを参照して、選択モードがユーザ選択モードか否かを判断する。ユーザ選択モードであれば処理をステップS112に進め、そうでなければ処理をステップS115に進める。
【0085】
ステップS112においては、RAM112に記憶された待機ジョブのうち処理内容がカラーモードの待機ジョブの一覧を表示部114に表示する。ジョブの一覧は、例えば、待機ジョブのジョブ識別情報、画像データのファイル名、ジョブを入力したユーザのユーザ識別情報を含む。
【0086】
そして、ユーザによるジョブの選択を受け付ける(ステップS113)。選択は、複数の待機ジョブの選択を受け付けるようにしてもよいし、1つの待機ジョブの選択を受け付けるようにしてもよい。選択された待機ジョブは、選択ジョブとされる。
【0087】
ステップS114においては、RAM112に記憶された待機ジョブのうち選択ジョブとして選択されなかった待機ジョブをRAM112から削除する。カラーモードでの画像形成ができない状態で、カラーモードの画像形成を定義する待機ジョブを記憶しておく必要はないからである。
【0088】
次のステップS115においては、白黒優先モードが設定されているか否かを判断する。白黒優先モードは、MFP100のユーザにより予め設定され、EEPROM113の予め定められた領域に白黒優先モードフラグが記憶される。白黒優先モードフラグを参照して、選択モードが白黒優先モードか否かを判断する。白黒優先モードであれば処理をステップS116に進め、そうでなければ処理をステップS117に進める。ステップS116においては、RAM112に記憶されている待機ジョブのうちで、白黒モードの待機ジョブの順番がカラーモードの待機ジョブの順番より先となるように並び替える。白黒モードの待機ジョブをカラーモードの待機ジョブより先に実行することにより、できるだけカラーの画像データをカラーモードで画像形成するためである。
【0089】
ステップS117においては、RAM112に記憶されている待機ジョブ112AをHDD116に記憶し、処理をステップS118に進める。ステップS118においては、RAM112に記憶されている待機ジョブ112Aのうちから順番が最先の待機ジョブを選択ジョブとして選択し、処理を強制白黒印刷処理に戻す。
【0090】
図12は、選択処理の流れの一例を示す第3のフローチャートである。図12を参照して、ログインユーザが存在するか否かを判断する(ステップS121)。ログインユーザが存在するならば処理をステップS122に進め、そうでなければ処理をステップS123に進める。ステップS122においては、RAM112に記憶されている待機ジョブ112Aのうちからログインユーザが入力した待機ジョブ以外をRAM112から削除する。そして、RAM112に記憶されている待機ジョブ112AをHDD116に記憶し(ステップS123)、RAM112に記憶されている待機ジョブ112Aのうちから1つを選択ジョブとして選択し(ステップS124)、処理を強制白黒印刷処理に戻す。
【0091】
RAM112に複数の待機ジョブ112Aが記憶されている場合、白黒モードで画像を形成してもよりジョブを自動的に選択することができる。
【0092】
図13は、選択処理の流れの一例を示す第4のフローチャートである。図13を参照して、ユーザの指定を受け付けたか否かを判断する(ステップS131)。表示部114にユーザ識別情報の一覧を表示するようにし、MFP100を操作するユーザが一覧からユーザ識別情報を選択するようにすればよい。選択されるユーザ識別情報は、1つであってもよいし、複数であってもよい。一覧として表示するユーザ識別情報は、RAM112に記憶されている待機ジョブ112Aを入力したユーザのユーザ識別情報であるのが好ましい。ユーザの指定を受け付けたならば処理をステップS132に進め、そうでなければ処理をステップS133に進める。ステップS132においては、RAM112に記憶されている待機ジョブ112Aのうちから指定されたユーザが入力した待機ジョブ以外をRAM112から削除する。そして、RAM112に記憶されている待機ジョブ112AをHDD116に記憶し(ステップS133)、RAM112に記憶されている待機ジョブ112Aのうちから1つを選択ジョブとして選択し(ステップS134)、処理を強制白黒印刷処理に戻す。
【0093】
RAM112に複数の待機ジョブ112Aが記憶されている場合、ユーザを指定するだけで、白黒モードで画像を形成してもよいジョブを選択することができる。
【0094】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0095】
<付記>
(1)前記制御手段は、前記画像データをカラー画像から白黒画像に変換する変換手段を含む、請求項1または3に記載の画像形成装置。
(2) 前記選択手段により選択された待機ジョブを、不揮発性メモリに記憶するバックアップ手段をさらに備えた、請求項3に記載の画像形成装置。
【図面の簡単な説明】
【0096】
【図1】本発明の実施の形態における情報処理システムの全体概要を示す図である。
【図2】MFPの外観を示す斜視図である。
【図3】MFPの内部構成を示す断面図である。
【図4】MFPの回路構成の一例を示すブロック図である。
【図5】CPUの機能の概要を示す機能ブロック図である。
【図6】ジョブ受付処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図7】ジョブ実行処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図8】カラー印刷可否判断処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図9】強制白黒印刷処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図10】選択処理の流れの一例を示す第1のフローチャートである。
【図11】選択処理の流れの一例を示す第2のフローチャートである。
【図12】選択処理の流れの一例を示す第3のフローチャートである。
【図13】選択処理の流れの一例を示す第4のフローチャートである。
【符号の説明】
【0097】
1 情報処理システム、2 ネットワーク、9 操作パネル、 10 ADF、20 画像読取部、30 画像形成部、40 給紙部、50 後処理部、60 ファクシミリ部、61 通信制御部、100,100A,100B,100C MFP、101 メイン回路、111 CPU、112 RAM、113 ROM、114 表示部、115 操作部、116 HDD、117 データ通信制御部、118 LAN端子、119 シリアル通信インターフェース端子、119A メモリカード、151 ジョブ受付部、153 ユーザ認証部、155 選択部、157 検出部、159 ジョブ制御部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像データを取得する画像データ取得手段と、
前記画像データに基づいて、カラーモードまたは白黒モードで画像を形成する画像形成手段と、
前記画像形成手段が前記カラーモードで画像形成可能か否かを検出する検出手段と、
前記画像形成手段が前記カラーモードで画像形成中に前記検出手段により前記カラーモードで画像形成が不可能なことが検出された場合、前記画像形成手段を制御して前記画像データを白黒モードで画像形成する制御手段と、を備えた画像形成装置。
【請求項2】
ユーザによる切換指示を受け付ける切換指示受付手段をさらに備え、
前記制御手段は、前記切換指示が受け付けられることを条件に、前記画像形成手段を制御して前記画像データを白黒モードで画像形成する、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
画像データと画像形成条件とを含むジョブを受け付けるジョブ受付手段と、
前記受け付けられたジョブを記憶し、複数のジョブを待機ジョブとして記憶可能なジョブ記憶手段と、
前記ジョブ記憶手段から前記待機ジョブを読出し、前記読み出した待機ジョブの前記画像形成条件に従って、該読み出した待機ジョブの前記画像データに基づいてカラーモードまたは白黒モードで画像を形成する画像形成手段と、
前記画像形成手段が前記カラーモードで画像形成可能か否かを検出する検出手段と、
前記検出手段により前記カラーモードでの画像形成が不可能なことが検出された場合、前記ジョブ記憶手段に記憶された待機ジョブのうちから画像形成するジョブを選択する選択手段と、
前記選択されたジョブの画像形成条件がカラーモードの場合、前記画像形成手段を制御して前記選択されたジョブの前記画像データを白黒モードで画像形成する制御手段と、を備えた画像形成装置。
【請求項4】
前記選択手段は、前記ジョブ記憶手段に記憶されている待機ジョブを識別するためのジョブ識別情報を表示するジョブ表示手段と、
前記表示されたジョブ識別情報のうちから少なくとも1つの選択指示を受け付ける選択指示受付手段と、を含み、
前記選択手段は、前記複数の待機ジョブのうちから選択指示されたジョブ識別情報の待機ジョブを選択する、請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
ユーザを識別するためのユーザ識別情報を受け付けるユーザ識別情報受付手段と、
前記受け付けられたユーザ識別情報を認証する認証手段と、
前記ジョブ受付手段は、前記受け付けられたジョブとともに前記ユーザ識別情報を受け付け、
前記ジョブ記憶手段は、前記ジョブと前記ユーザ識別情報とを関連付けて記憶し、
前記選択手段は、前記ジョブ記憶手段に記憶されている複数の前記待機ジョブのうちか前記認証手段により認証されているユーザ識別情報と関連付けられた待機ジョブを選択する、請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項6】
ユーザを識別するためのユーザ識別情報の指定を受け付けるユーザ識別情報指定受付手段をさらに備え、
前記ジョブ受付手段は、前記受け付けられたジョブとともに前記ユーザ識別情報を受け付け、
前記ジョブ記憶手段は、前記ジョブと前記ユーザ識別情報とを関連付けて記憶し、
前記選択手段は、前記ジョブ記憶手段に記憶されている複数の前記待機ジョブのうちから前記指定されたユーザ識別情報と関連付けられた待機ジョブを選択する、請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記選択手段は、前記検出手段により前記カラーモードでの画像形成が不可能なことが検出された場合、前記ジョブ記憶手段に記憶された待機ジョブの画像形成条件がモノクロモードの待機ジョブをカラーモードの待機ジョブより先に選択する、請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記制御手段は、前記検出手段により前記カラーモードでの画像形成が不可能なことが検出されてから所定の時間が経過するまで、前記画像形成条件がカラーモードのジョブを白黒モードで画像形成させる、請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記制御手段は、前記検出手段により前記カラーモードでの画像形成が不可能なことが検出されてから電源が遮断されるまで、前記画像形成条件がカラーモードのジョブを白黒モードで画像形成させる、請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記制御手段は、前記検出手段により前記カラーモードでの画像形成が可能なことが検出されてから前記選択された1つの待機ジョブの画像形成が終了するまで、前記画像形成条件がカラーモードのジョブを白黒モードで画像形成させる、請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記制御手段は、前記選択された待機ジョブが複数部数を画像形成する条件を含む場合、前記検出手段により前記カラーモードでの画像形成が可能なことが検出されてから一部の画像形成が終了するまで前記画像形成条件がカラーモードのジョブを白黒モードで画像形成させる、請求項3に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2008−134560(P2008−134560A)
【公開日】平成20年6月12日(2008.6.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−322176(P2006−322176)
【出願日】平成18年11月29日(2006.11.29)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】