説明

画像形成装置

【課題】感光体ドラムが他の部材に接触して傷付くことを防止できるようにする。
【解決手段】ドラム支持機構70Yは、画像形成ユニット10Yが本体部から離脱すると、支持部材72の当接面72aが感光体ドラム1Yの非画像形成領域F2に当接する。また、ドラム支持機構70Yは、画像形成ユニット10Yが本体部105に取り付けられると、支持部材72の当接面71aが感光体ドラム1Yの非画像形成領域F2から離間して感光体ドラム1Yの支持を解除する。これにより、メンテナンス等で画像形成ユニット10Yを本体部105から離脱させても、ドラム支持機構70Yが感光体ドラム1Yを所定の位置に支持するので、感光体ドラム1Yが他の部材に接触して傷付くことを防止できるようになる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、感光体ドラム、現像器及びクリーニング機構を備えた画像形成ユニットが装置本体から着脱自在な画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、プリンタや複写機及び複合機等の画像形成装置は、トナー画像を感光体ドラム等の像担持体に現像器によって形成させ、その画像を中間転写ベルト等に転写させた後、中間転写ベルトから用紙に当該画像を転写させることで用紙に画像を形成させている。また、トナー画像を転写後の感光体ドラムに付着した残留トナーは、クリーニング機構によって感光体ドラムの外周面をクリーニングされて除去される。
【0003】
感光体ドラム、現像器及びクリーニング機構は、画像形成ユニットにそれぞれ配置される。この画像形成ユニットは、画像形成装置本体と着脱自在に設けられており、例えば、画像形成装置のメンテナンス作業の際に画像形成ユニットを離脱することがある。
【0004】
特許文献1には、装置本体に対して引き出し可能に支持された引出体を備えた画像形成装置が開示されている。特許文献1によれば、感光体ドラム及び現像器が引出体に設けられ、引出体は画像形成装置に取り付けられる。メンテナンス作業等の際に、引出体を引き出すことで感光ドラムが有する軸が外れて感光体ドラムが装置本体から離脱され、感光体ドラムと現像器とが離間するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−343781号公報(第3図、第8図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、特許文献1に記載の画像形成装置は、感光体ドラムと現像器とが離間するので、感光体ドラムが現像器に当たって傷が付けられることを防止できる。しかしながら、感光体ドラムは現像器に当たることを防止できても他の部材に当たって傷が付けられる可能性がある。また、再度感光体ドラムを画像形成装置に取り付ける場合、感光体ドラムを引出体に装着して感光ドラムが有する軸を当該感光体に挿入する作業が煩雑であるという問題がある。
【0007】
本発明はこのような課題を解決するものであって、メンテナンス時に感光体ドラムが他の部材に接触して傷付くことを防止でき、かつ、感光体ドラムの位置ずれを防止できるメンテナンス性に優れた信頼性の高い画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決するために、請求項1に係る画像形成装置は、回転中心を有した像担持体が所定の位置に配設され、像担持体に画像を形成する画像形成ユニットと、画像形成ユニットが着脱自在に設けられ、像担持体の回転中心に挿入される軸を有し、当該軸で像担持体を支持する本体部と、画像形成ユニットに設けられ、画像形成ユニットが本体部から離脱すると、像担持体を支持し、画像形成ユニットが本体部に取り付けられると、像担持体の支持を解除する支持機構とを備えることを特徴とするものである。
【0009】
請求項1に係る画像形成装置では、画像形成ユニットには回転中心を有した像担持体が所定の位置に配設され、当該画像形成ユニットが像担持体に画像を形成する。本体部には画像形成ユニットが着脱自在に設けられ、当該本体部が像担持体の回転中心に挿入される軸を有し、当該軸で像担持体を支持する。これを前提にして、支持機構は、画像形成ユニットに設けられ、画像形成ユニットが本体部から離脱すると、像担持体を支持し、画像形成ユニットが本体部に取り付けられると、像担持体の支持を解除する。
【0010】
これにより、メンテナンス等で画像形成ユニットを本体部から離脱させて像担持体の回転中心に挿入される軸が完全に抜けても、支持機構が像担持体を所定の位置に支持するので、像担持体が他の部材に接触して傷付くことを防止できるようになる。また、画像形成ユニットを本体部に取り付けたときに像担持体の回転中心に軸が挿入されて支持機構の支持が解除されるので、像担持体の位置ずれを防止できるようになる。
【0011】
請求項2に係る画像形成装置は、請求項1の記載において、支持機構は、像担持体に当接して像担持体を支持する複数の支持部材と、一端にバネを有し、複数の支持部材を連結する連結部材とを有することを特徴とするものである。
【0012】
請求項2に係る画像形成装置では、支持機構が有する支持部材で像担持体を支持するので、像担持体が他の部材に接触して傷付くことを防止できるようになる。
【0013】
請求項3に係る画像形成装置は、請求項1の記載において、支持機構は、一端にバネを有し、像担持体に当接して像担持体を支持する複数の支持部材と、複数の支持部材を連結する連結部材とを有することを特徴とするものである。
【0014】
請求項3に係る画像形成装置では、支持機構が有する支持部材で像担持体を支持するので、像担持体が他の部材に接触して傷付くことを防止できるようになる。
【0015】
請求項4に係る画像形成装置は、請求項1の記載において、支持機構は、像担持体に当接して像担持体を支持する複数の支持部材と、複数の支持部材を連結する連結部材と、連結部材に設けられ、連結部材を所定の方向に駆動する駆動手段とを有することを特徴とするものである。
【0016】
請求項4に係る画像形成装置では、支持機構が有する駆動手段で連結部材を所定の方向に移動することで、連結部材に連結された支持部材によって像担持体を支持するので、像担持体が他の部材に接触して傷付くことを防止できるようになる。
【0017】
請求項5に係る画像形成装置は、請求項2乃至4のうちいずれか1項の記載において、支持部材には、弾性部材が設けられることを特徴とするものである。
【0018】
請求項5に係る画像形成装置では、支持部材に弾性部材が設けられるので、支持部材が像担持体に当接することで像担持体に傷が付くことを防止できる。
【0019】
請求項6に係る画像形成装置は、請求項2乃至5のうちいずれか1項の記載において、像担持体は、当該像担持体の外周面に画像を形成する画像形成領域と、当該像担持体の外周面で画像形成領域より外側にある非画像形成領域とを有し、支持部材は、非画像形成領域に当接して像担持体を支持することを特徴とするものである。
【0020】
請求項6に係る画像形成装置では、支持部材は、像担持体の非画像形成領域に当接して像担持体を支持するので、画像形成領域に像担持体に傷が付くことを確実に防止できる。
【0021】
請求項7に係る画像形成装置は、請求項1の記載において、画像形成ユニットには、像担持体の外周面に画像を形成する現像器が配設されることを特徴とするものである。
【0022】
請求項7に係る画像形成装置では、画像形成ユニットが本体部から離脱しても、像担持体が現像器によって傷付けられることを防止できる。
【0023】
請求項8に係る画像形成装置は、請求項1又は7の記載において、画像形成ユニットには、像担持体の外周面をクリーニングするクリーニング機構が配設されることを特徴とするものである。
【0024】
請求項8に係る画像形成装置では、画像形成ユニットが本体部から離脱しても、像担持体がクリーニング機構によって傷付けられることを防止できる。
【0025】
請求項9に係る画像形成装置は、請求項6乃至8のうちいずれか1項の記載において、支持部材は、現像器又はクリーニング機構の一部に設けられることを特徴とするものである。
【0026】
請求項9に係る画像形成装置では、支持部材が現像器又はクリーニング機構の一部に設けられるので、画像形成ユニットを本体部に取り付けるときに、像担持体と現像器又はクリーニング機構との位置合わせを容易にできる。
【発明の効果】
【0027】
本発明に係る画像形成装置によれば、支持機構を画像形成ユニットに設けることで、像担持体が他の部材に接触して傷付くことを防止でき、かつ、像担持体の位置ずれを防止できるので、確実に所望の画像を形成することができる。この結果、メンテナンス性に優れた信頼性の高い画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本実施の形態に係る画像形成装置100の構成例を示す説明図である。
【図2】画像形成ユニット10Yの構成例を示す斜視図である。
【図3】本体部105と画像形成ユニット10Yとの着脱動作例(その1)を示す斜視図である。
【図4】本体部105と画像形成ユニット10Yとの着脱動作例(その2)を示す斜視図である。
【図5】本体部105と画像形成ユニット10Yとの着脱動作例(その3)を示す斜視図である。
【図6】第1の実施例に係る画像形成ユニット10Yの要部構成例を示す正面断面図である。
【図7】A−A線で切断した画像形成ユニット10Yの要部構成例を示す断面図である。
【図8】本体部105と画像形成ユニット10Yとの着脱動作例(その1)を示す説明図である。
【図9】本体部105と画像形成ユニット10Yとの着脱動作例(その2)を示す説明図である。
【図10】本体部105と画像形成ユニット10Yとの着脱動作例(その3)を示す説明図である。
【図11】(A),(B)は、第2の実施例に係る本体部106及び画像形成ユニット10Yの着脱動作例を示す説明図である。
【図12】(A),(B)は、第3の実施例に係る本体部107及び画像形成ユニット10Yの着脱動作例を示す説明図である。
【図13】第4実施例に係る画像形成ユニット20Yの要部構成例を示す正面断面図である。
【図14】B−B線で切断した画像形成ユニット20Yの要部構成例を示す断面図である。
【図15】本体部105と画像形成ユニット20Yとの着脱動作例(その1)を示す説明図である。
【図16】本体部105と画像形成ユニット20Yとの着脱動作例(その2)を示す説明図である。
【図17】本体部105と画像形成ユニット20Yとの着脱動作例(その3)を示す説明図である。
【図18】第5実施例に係る画像形成ユニット30Yの要部構成例を示す正面断面図である。
【図19】(A),(B)は、ドラム支持機構90Yの動作例(その1)を示す正面断面図である。
【図20】(A),(B)は、ドラム支持機構90Yの動作例(その2)を示す正面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、図面を参照しながら本発明に係る画像形成装置について説明する。本実施の形態では、画像形成装置100の一例としてカラープリンタを説明する。
【0030】
[画像形成装置100の構成例]
図1に示すように、画像形成装置100は、画像形成部104及び画像読取装置101で構成される。画像形成装置100は、さらに給紙部40及び定着部60を備える。画像形成部104は、タンデム型カラー画像形成部と称されるもので、複数組の画像形成ユニット10Y,10M,10C,10K、本体部105及び転写ユニット50で構成される。
【0031】
画像読取装置101は、自動原稿送り装置102及び走査露光装置103で構成され、画像形成部104の上部に設置されている。自動原稿送り装置102の原稿台上に載置された原稿Gは図示しない搬送部により搬送され、走査露光装置103の光学系により原稿Gの片面又は両面の画像が走査露光され、当該画像は固体撮像素子等で構成されるラインイメージセンサCCDに読み込まれる。ラインイメージセンサCCDにより光電変換された画像データは、図示しない画像処理部において、アナログ処理、A/D変換、シェーディング補正、画像圧縮処理等が行われた後、露光部3Y,3M,3C,3Kに送られる。
【0032】
イエロー(Y)色の画像を形成する画像形成ユニット10Yは、像担持体である円筒状の感光体ドラム1Y、クリーニング部4Y、現像部6Y及びドラム支持機構70Yを有する。画像形成ユニット10Yはさらに、感光体ドラム1Yの周囲に帯電部2Y、露光部3Y及び1次転写部5Yを有する。マゼンタ(M)色の画像を形成する画像形成ユニット10Mは、像担持体である円筒状の感光体ドラム1M、クリーニング部4M、現像部6M及びドラム支持機構70Mを有する。画像形成ユニット10Mはさらに、感光体ドラム1Mの周囲に帯電部2M、露光部3M、及び1次転写部5Mを有する。シアン(C)色の画像を形成する画像形成ユニット10Cは、像担持体である円筒状の感光体ドラム1C、クリーニング部4C、現像部6C及びドラム支持機構70Cを有する。画像形成ユニット10Cはさらに、感光体ドラム1Cの周囲に帯電部2C、露光部3C、及び1次転写部5Cを有する。黒(K)色の画像を形成する画像形成ユニット10Kは、像担持体である円筒状の感光体ドラム1K、クリーニング部4K、現像部6K及びドラム支持機構70Kを有する。画像形成ユニット10Kはさらに、感光体ドラム1Kの周囲に帯電部2K、露光部3K、及び1次転写部5Kを有する。画像形成装置100にカラー画像データが入力されると、画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kより各色のトナー像を形成し、画像形成装置100にモノクロ画像データが入力されると、画像形成ユニット10Kよりブラックのトナー像を形成する。
【0033】
画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kには当該画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kを固定する本体部105が設けられる。本体部105は、画像形成部104の筐体としての機能を有する。画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kは、画像形成装置100のメンテナンス作業等で本体部105から取り外すことができる。その際、感光体ドラム1Y,1M,1C,1Kの回転中心に挿入される後述するドラム軸が当該感光体ドラム1Y,1M,1C,1Kから離間されると共に、ドラム支持機構70Y,70M,70C,70Kが感光体ドラム1Y,1M,1C,1Kを支持する。これにより、感光体ドラム1Y,1M,1C,1Kが他の部材に接触して傷付くことを防止できる。
【0034】
転写ユニット50は、中間転写ベルト51、駆動ローラ52、2次転写部53及びベルトクリーニング部54で構成される。中間転写ベルト51は、駆動ローラ52や複数のローラにより巻き回され、回動可能に支持される。
【0035】
用紙Pに画像を書き込むタイミングが補正されると、感光体ドラム1Y,1M,1C,1Kと1次転写部5Y,5M,5C,5Kとが中間転写ベルト51を圧着する。感光体ドラム1Y,1M,1C,1Kに形成されたトナー像が中間転写ベルト51に逐次転写され、中間転写ベルト51上にトナー像が形成される。
【0036】
給紙部40は、給紙トレイ41、搬送ローラ42、給紙ローラ43及びレジストローラ44で構成される。給紙トレイ41内に収容された用紙Pは、給紙部40に設けられた搬送ローラ42により1枚毎に分離され、給紙ローラ43を経て、停止状態にあるレジストローラ44へ給紙される。用紙Pはレジストローラ44で一旦停止され、用紙Pの先端と中間転写ベルト51に形成されたトナー像との位置が一致するタイミングでレジストローラ44が回転を開始することにより2次転写部53に用紙Pが給紙され、用紙P上にトナー像が転写される。2次転写部53により用紙Pにトナー像が転写された後、中間転写ベルト51に付着している残留トナーがベルトクリーニング部54によって除去される。
【0037】
定着部60は、定着ローラ61及び加圧ローラ62で構成されている。トナー像が転写された用紙Pは、定着ローラ61と加圧ローラ62との間に形成されたニップ部で用紙P上に形成された画像を加熱及び加圧され、用紙P上にトナー像が定着される。その後、用紙Pは、排紙ローラ63に挟持されて機外の排紙トレイ64上に載置される。
【0038】
[画像形成ユニット10Yの構成例と着脱動作例]
次に、画像形成ユニット10Yについて説明する。図2に示すように、画像形成ユニット10Yは、前述のように、感光体ドラム1Y、クリーニング部4Y、現像部6Y及びドラム支持機構70Yで構成される。画像形成ユニット10Yは、さらに、一部が開口された開口部8eを有する筐体8を備える。
【0039】
筐体8には、開口部8eに感光体ドラム1Yが配設される。開口部8eの下方には、図1で示した中間転写ベルト51が設けられる。また、筐体8には、クリーニング部4Y及び現像部6Yが配設される。筐体8は、感光体ドラム1Yの両端に側壁8a,8bを備える。側壁8a,8bは、筐体8が画像形成装置100から取り外される際に、大きな衝撃が画像形成ユニット10Yに加わった場合、感光体ドラム1Yが当該側壁8a,8bに当接することで、感光体ドラム1Yが筐体8からの落下を防止する。
【0040】
側壁8a,8bには軸孔8c,8dがそれぞれ穿設される。軸孔8c,8dの中心位置と感光体ドラム1Yが有するドラム軸孔11Yの中心位置とが一致するように感光体ドラム1Yが筐体8に設けられる。
【0041】
現像部6Yの下方にはドラム支持機構70Yが設けられる。ドラム支持機構70Yは、画像形成ユニット10Yが本体部105から取り外される際に、感光体ドラム1Yが他の部材である現像部6Yやクリーニング部4Y等に接触しないように、感光体ドラム1Yを所定の位置に支持する機能を有する。
【0042】
次に、本体部105から画像形成ユニット10Yが取り外される離脱動作例について図3乃至5を用いて説明する。図3に示すように、本体部105に画像形成ユニット10Yが取り付けられている。本体部105には感光体ドラム1Yの回転中心に挿入されるドラム軸12Yが設けられる。ドラム軸12Yは、軸孔8c、ドラム軸孔11Y、軸孔8dの順番で軸孔8c,8d及びドラム軸孔11Yに挿入し、筐体8及び感光体ドラム1Yを所定の位置に支持する。ドラム軸12Yには図示しないモータが設けられる。モータが回転すると、ドラム軸が回転して感光体ドラム1Yを回転させることができる。感光体ドラム1Yは、筐体8の開口部8eに設けられる。開口部8eは、感光体ドラム1Yが中間転写ベルト51と当接するために設けられている。
【0043】
図4に示すように、画像形成ユニット10Yが本体部105から取り外される。このとき、ドラム支持機構70Yは感光体ドラム1Yを支持するように所定の動作がなされる。これにより、感光体ドラム1Yは、図3で示した所定の位置からずれることがない。図5に示すように、画像形成ユニット10Yが本体部105から完全に取り外される。感光体ドラム1Yに挿入されるドラム軸12Yが完全に抜けても、図4の説明と同様に、ドラム支持機構70Yは、感光体ドラム1Yを支持しており、図3で示した所定の位置から感光体ドラム1Yがずれることがない。また、感光体ドラム1Yが他の部材に接触して傷付くことを防止できる。
【0044】
次に画像形成ユニット10Yを本体部105に取り付ける取付動作例について図3乃至5を用いて説明する。図5に示すように、本体部105から取り外された画像形成ユニット10Yは、ドラム支持機構70Yによって感光体ドラム1Yを所定の位置に支持されている。図4に示すように、筐体8が有する軸孔8dに本体部105が有するドラム軸12Yを挿入させる。軸孔8dの中心位置とドラム軸孔11Yの中心位置とが一致しているので、ドラム軸12Yをドラム軸孔11Yに容易に挿入させることができる。
【0045】
図3に示すように、ドラム軸12Yはドラム軸孔11Yを貫通して軸孔8cに挿入される。軸孔8cの中心位置とドラム軸孔11Yの中心位置とが一致しているので、容易にドラム軸12Yを軸孔8cに挿入させることができる。ドラム軸12Yが軸孔8cまで挿入されると、ドラム支持機構70Yは、感光体ドラム1Yの支持を解除するように所定の動作がなされる。これにより、本体部105に画像形成ユニット10Yを簡単に取り付けることができる。
【0046】
このように、本実施の形態に係る画像形成装置100によれば、画像形成ユニット10Yには回転中心を有した感光体ドラム1Yが所定の位置に配設され、当該画像形成ユニット10Yが感光体ドラム1Yに画像を形成する。本体部105には画像形成ユニット10Yが着脱自在に設けられ、当該本体部105が感光体ドラム1Yの回転中心に挿入されるドラム軸12Yを有し、このドラム軸12Yで感光体ドラム1Yを支持する。これを前提にして、ドラム支持機構70Yは、画像形成ユニット10Y内に設けられ、画像形成ユニット10Yが本体部105から離脱すると、感光体ドラム1Yを支持し、画像形成ユニット10Yが本体部105に取り付けられると、感光体ドラム1Yの支持を解除する。
【0047】
これにより、メンテナンス等で画像形成ユニット10Yを本体部105から離脱させて感光体ドラム1Yの回転中心に挿入されるドラム軸12Yが完全に抜けても、ドラム支持機構70Yが感光体ドラム1Yを所定の位置に支持するので、感光体ドラム1Yが他の部材に接触して傷付くことを防止できるようになる。また、画像形成ユニット10Yを本体部105に取り付けたときに感光体ドラム1Yの回転中心にドラム軸12Yが挿入されてドラム支持機構70Yの支持が解除されるので、感光体ドラム1Yの位置ずれを防止できるようになる。
【実施例1】
【0048】
本実施例では、詳細に画像形成ユニット10Yについて説明する。前述の実施の形態と同じ名称及び符号のものは同じ機能を有するので、その説明を省略する。図6及び7に示すように、画像形成ユニット10Yは、感光体ドラム1Y、現像部6Y、クリーニング部4Y、ドラム支持機構70Y及び筐体8を備える。
【0049】
感光体ドラム1Yは、画像形成領域F1と非画像形成領域F2と有する。画像形成領域F1は、現像部6Yによってトナー画像が形成される領域である。非画像形成領域F2は、トナー画像が形成されない領域である。また。感光体ドラム1Yはドラム軸孔11Yを有する。ドラム軸孔11Yは、本体部105が有するドラム軸12Yに挿入されて、感光体ドラム1Yを所定の位置に支持する。現像部6Yは、現像ローラ61Yを有する。現像ローラ61Yは、回転しながら図示しないトナーを感光体ドラム1Yに付着させて所望の画像を形成させる。クリーニング部4Yは、クリーニングブラシ41Y及びクリーニングブレード42Yを有する。クリーニングブラシ41Y及びクリーニングブレード42Yは、図1で説明した中間転写ベルト51にトナー画像を転写した後の感光体ドラム1Yに付着された残留トナーを除去する。クリーニングブラシ41Yは、感光体ドラム1Yの回転方向と反対の回転方向で回転するようになされる。
【0050】
ドラム支持機構70Yは、2つの支持部材72と、この2つの支持部材72を連結させる連結部材71を備える。連結部材71の一端にはバネSP1が設けられ、連結部材71はバネSP1を介して側壁8aに接続される。連結部材71の他端は、筐体8に穿設された孔8fに挿入される。連結部材71の他端側にはストッパ76が設けられる。画像形成ユニット10Yを本体部105から離脱させるときに、ストッパ76が側壁8bに当接して、筐体8から連結部材71が必要以上に突出することを防止する。
【0051】
支持部材72は、支軸75を介して連結部材71に接続される。また、支持部材72は、支軸74を介して筐体8の下部に回動自在に支持される。支持部材72一端にある当接面72aは、感光体ドラム1Yを支持し、また、その支持を解除する。当接面72aは弾性部材で形成され、例えば、ゴムやエラストマー材等で形成される。
【0052】
図7では、連結部材71に一端に設けられたバネSP1には当該バネSP1が伸びる方向に力が加わっており、連結部材71は側壁8bの方向(図7では上側方向)に力が加わる。すると、支持部材72には支軸74を中心にして反時計回りの向きに力が加わり、感光体ドラム1Yの非画像形成領域F2と当接面72aとが当接して、感光体ドラム1Yが所定の位置に支持される。これにより、感光体ドラム1Yの画像形成領域F1に当接面72aが接触することがなく、感光体ドラム1Yの画像形成領域F1に傷が付くことを防止できる。
【0053】
ドラム軸孔11Yの径は、図7の点線で示すように、側壁8b側より側壁8a側の方が小さくなっている。これは、図5に示したように、ドラム軸12Yの先端側の径が小さくなっており、当該ドラム軸12Yをドラム軸孔11Yに挿入する際に、ドラム軸孔11Yの径の大きさが小さくなる部分でドラム軸12Yを当接して感光体ドラム1Yを所定の位置に支持するためである。
【0054】
次に、本体部105と画像形成ユニット10Yとの離脱動作例について説明する。図8は、本体部105に画像形成ユニット10Yが取り付けられている状態を示す説明図である。図8に示すように、本体部105に画像形成ユニット10Yが取り付けられている状態では、連結部材71の他端が本体部105に設けられた連結部材受105aに当接することで連結部材71の一端に設けられたバネSP1が収縮する。連結部材71に連結された支持部材72は、支軸74を中心にして時計回りの向きに力が加わり、感光体ドラム1Yと当接面72aとが離れる。感光体ドラム1Yのドラム軸孔11Yには、本体部105に設けられたドラム軸12Yが挿入される。ドラム軸12Yは、感光体ドラム1Yを所定の位置に支持する。
【0055】
図9は、本体部105から画像形成ユニット10Yが引き出された状態を示す説明図である。図9に示すように、本体部105から画像形成ユニット10Yが引き出された状態では、連結部材71の他端が連結部材受105aから離間することでバネSP1が伸張する。連結部材71に連結された支持部材72は、支軸74を中心にして反時計回りの力が加わり、感光体ドラム1Yと当接面72aとを当接させる。これにより、感光体ドラム1Yは所定の位置に支持されるので、所定の位置からずれることがない。また、連結部材71にはストッパ76が設けられるので、当該ストッパ76が側壁8bに当接することで、連結部材71は、孔8fから必要以上に突出することがない。
【0056】
図10は、本体部105から画像形成ユニット10Yが完全に引き出された状態を示す説明図である。図10に示すように、画像形成ユニット10Yが本体部105から完全に取り外される。感光体ドラム1Yに挿入されるドラム軸12Yが完全に抜けても、図9の説明と同様に、支持部材72は、感光体ドラム1Yを当接面72aで支持しており、図8で示した所定の位置から感光体ドラム1Yがずれることがない。
【0057】
次に、本体部105と画像形成ユニット10Yとの取付動作例について説明する。図10に示すように、本体部105に画像形成ユニット10Yを取り付けるとき、軸孔8dをドラム軸12Yに挿入させる。このとき、バネSP1には伸張方向に力が加わっているので、連結部材71に連結された支持部材72には支軸74を中心にして反時計回りの力が加わり、感光体ドラム1Yと当接面72aとが当接される。これにより、感光体ドラム1Yは、支持部材72によって所定の位置に支持される。
【0058】
図9に示すように、ドラム軸12Yはドラム軸孔11Yに挿入される。感光体ドラム1Yは、支持部材72によって所定の位置に支持されているため、軸孔8dの中心位置とドラム軸孔11Yの中心位置とが一致している。このため、ドラム軸12Yをドラム軸孔11Yにスムーズに挿入することができる。
【0059】
図8に示すように、連結部材71の他端が連結部材受け105aに当接する。連結部材71は、側壁8a方向に移動すると共に、支持部材72を支軸74を中心にして時計回りに回動させる。すると、感光体ドラム1Yと当接面72aとが離間する。感光体ドラム1Yは、ドラム軸12Yによって所定の位置からずれることなく軸支される。
【0060】
このように、本実施例に係る画像形成ユニット10Yによれば、本体部105から画像形成ユニット10Yを取り外すと、連結部材71に連結された支持部材72は感光体ドラム1Yを支持し、本体部105に画像形成ユニット10Yを取り付けると、支持部材72は感光体ドラム1Yの支持を解除する。
【0061】
これにより、メンテナンス等で画像形成ユニット10Yを本体部105から離脱させても、支持部材72が感光体ドラム1Yを所定の位置に支持するので、感光体ドラム1Yが現像部6Yやクリーニング部4Y等の他の部材に接触して傷付くことを防止できる。また、画像形成ユニット10Yを本体部105に取り付けたときに、感光体ドラム1Yの回転中心にドラム軸12Yが挿入されて支持部材72による感光体ドラム1Yの支持が解除されるので、感光体ドラム1Yの位置ずれを防止できる。
【0062】
なお、本実施例では、画像形成ユニット10Yについて説明したが、画像形成ユニット10M,10C,10Kについても画像形成ユニット10Yと同様に実施可能である。また、本実施例では、支持部材72は、筐体8に設けられるものとしたが、クリーニング部4Y又は現像部6Yに設けても構わない。
【実施例2】
【0063】
本実施例では、前述の第1の実施例で説明した連結部材受け105aの代わりに駆動手段であるソレノイド106aを設けた本体部106について説明する。前述の実施の形態及び実施例と同じ名称及び符号のものは同じ機能を有するので、その説明を省略する。図11(A)は、画像形成ユニット10Yが本体部106から取り外されるときの説明図であり、図11(B)は、画像形成ユニット10Yが本体部106に取り付けられるときの説明図である。
【0064】
図11(A)に示すように、本体部106は、前述した連結部材受け105aの位置に駆動手段の一例であるソレノイド106aを備える。ソレノイド106aは、ソレノイド本体部106b及び可動部106cを有する。画像形成ユニット10Yが本体部106から取り外されるときに、ソレノイド106aは、可動部106cをソレノイド本体部106bに収納させて、可動部106cを連結部材71から離間させる。すると、図10で示したようにバネSP1に伸張方向の力が加わり、支軸74を中心にして支持部材72が反時計回りに回転することで、感光体ドラム1Yと当接面72aとが当接して、感光体ドラム1Yが所定の位置に支持される。
【0065】
図11(B)に示すように、画像形成ユニット10Yが本体部106に取り付けられるときに、ソレノイド106aは、ソレノイド本体部106bに収納された可動部106cを当該ソレノイド本体部106bから突出させて、可動部106cを連結部材71に当接させる。すると、図8で示したようにバネSP1に収縮方向の力が加わり、支軸74を中心にして支持部材72が時計回りに回転することで、感光体ドラム1Yから当接面72aが離間する。感光体ドラム1Yは、ドラム軸12Yによって所定の位置からずれることなく軸支される。
【0066】
このように、本実施の形態に係る本体部106によれば、駆動手段であるソレノイド106aを備え、当該ソレノイド106aによって連結部材71を所定の方向に移動させることで、連結部材71に連結された支持部材72によって感光体ドラム1Yを支持するので、感光体ドラム1Yが他の部材に接触して傷付くことを防止できる。
【実施例3】
【0067】
本実施例では、前述の第2の実施例で説明したソレノイド106aの代わりにモータ107aを設けた本体部107について説明する。前述の実施の形態及び実施例と同じ名称及び符号のものは同じ機能を有するので、その説明を省略する。図12(A)は、画像形成ユニット10Yが本体部107から取り外されるときの説明図であり、図12(B)は、画像形成ユニット10Yが本体部107に取り付けられるときの説明図である。
【0068】
図12(A)に示すように、本体部107は、前述したソレノイド106aの位置に駆動手段の一例であるモータ107aを備える。モータ107aは、モータ本体部107b、回転部107cを有する。モータ107aにはギア107d及び当接部107eが設けられる。画像形成ユニット10Yが本体部107から取り外されるときに、モータ107aが有する回転部107cが例えば時計回りに回転すると、ギア107d及び当接部107eが反時計回りに回転する。当接部107eが有する当接面107fが図12では右側に移動され、当接面107fと連結部材71とが離間する。すると、図10で示したようにバネSP1に伸張方向の力が加わり、支軸74を中心にして支持部材72が反時計回りに回転することで、感光体ドラム1Yと当接面72aとが当接して、感光体ドラム1Yが所定の位置に支持される。
【0069】
図12(B)に示すように、画像形成ユニット10Yが本体部106に取り付けられるときに、回転部107cが例えば反時計回りに回転すると、ギア107d及び当接部107eが時計回りに回転する。当接面107fが図12では下側に移動して、当接面107fと連結部材71とが当接する。すると、図8で示したようにバネSP1に収縮方向の力が加わり、支軸74を中心にして支持部材72が時計回りに回転することで、感光体ドラム1Yから当接面72aが離間する。感光体ドラム1Yは、ドラム軸12Yによって所定の位置からずれることなく軸支される。
【0070】
このように、本実施の形態に係る本体部107によれば、駆動手段であるモータ107aを備え、当該モータ107aによって連結部材71を所定の方向に移動させることで、連結部材71に連結された支持部材72によって感光体ドラム1Yを支持するので、感光体ドラム1Yが他の部材に接触して傷付くことを防止できる。
【実施例4】
【0071】
本実施例では、支持部材にバネを設けたドラム支持機構について説明する。前述の実施の形態及び実施例と同じ名称及び符号のものは同じ機能を有するので、その説明を省略する。図13及び14に示すように、画像形成ユニット20Yは、感光体ドラム1Y、現像部6Y、クリーニング部4Y、ドラム支持機構80Y及び筐体8を備える。
【0072】
ドラム支持機構80Yは、2つの支持部材82と、この2つの支持部材82を連結させる連結部材81を備える。支持部材82は、支軸85を介して回動自在に筐体8に支持される。支持部材82の一端にある当接面82aは、感光体ドラム1Yを支持し、また、その支持を解除する。当接面82aは弾性部材で形成され、例えば、ゴムやエラストマー材等で形成される。支持部材82にはバネSP2が接続される。バネSP2は、収縮すると支軸85を中心として反時計回りに支持部材82を回動させ、伸張すると支軸85を中心として時計回りに支持部材82を回動させる。図14では、バネSP2は、収縮方向に力が加わっている。バネSP2には固定板86が接続され、当該固定板86は、バネSP2を固定する。支持部材82の近傍にはストッパ87が設けられる。画像形成ユニット20Yを本体部105から離脱させるときに、ストッパ87は、支持部材82に当接し、支持部材82が感光体ドラム1Yに必要以上に力を加えることを防止する。
【0073】
次に、本体部105と画像形成ユニット20Yとの離脱動作例について説明する。図15は、本体部105に画像形成ユニット20Yが取り付けられている状態を示す説明図である。図15に示すように、本体部105に画像形成ユニット20Yが取り付けられている状態では、本体部105に設けられた押出部105bの一端が上部の支持部材82を押動することで、当該支持部材82が支軸85を中心にして時計回りに回動する。上部の支持部材82と下部の支持部材82とが連結部材81で接続されているので、上部の支持部材82が回動すると共に下部の支持部材82も同方向に回動する。支持部材82が時計回りに回動すると、当接面82aYは感光体ドラム1Yから離れる。このときバネSP2は伸張している。感光体ドラム1Yのドラム軸孔11Yには、本体部105に設けられたドラム軸12Yが挿入される。ドラム軸12Yは、感光体ドラム1Yを所定の位置に支持する。
【0074】
図16は、本体部105から画像形成ユニット20Yが引き出された状態を示す説明図である。図16に示すように、本体部105から画像形成ユニット20Yが引き出された状態では、押出部105bの一端が上部の支持部材82から離れることで、バネSP2が収縮する。連結部材81に連結された支持部材82は、このバネSPの収縮力によって支軸85を中心にして反時計回りの力が加わり、感光体ドラム1Yと当接面82aとを当接させる。これにより、感光体ドラム1Yは所定の位置に支持されてずれることがない。また、支持部材82の近傍に設けられるストッパ87に支持部材82が当接して、当該支持部材82が感光体ドラム1Yに必要以上に力を加えない。
【0075】
図17は、本体部105から画像形成ユニット20Yが完全に引き出された状態を示す説明図である。図17に示すように、画像形成ユニット20Yが本体部105から完全に取り外される。感光体ドラム1Yに挿入されるドラム軸12Yが完全に抜けても、図16の説明と同様に、支持部材82は、感光体ドラム1Yを当接面82aで支持しており、図15で示した所定の位置から感光体ドラム1Yがずれることがない。
【0076】
次に、本体部105と画像形成ユニット20Yとの取付動作例について説明する。図17に示すように、本体部105に画像形成ユニット20Yを取り付けるとき、軸孔8dをドラム軸12Yに挿入させる。このとき、バネSP2には収縮方向に力が加わっているので、支持部材82には支軸85に対して反時計回りの力が加わっていて、感光体ドラム1Yと当接面72aとが当接している。これにより、感光体ドラム1Yは、支持部材72によって所定の位置に支持される。
【0077】
図16に示すように、ドラム軸12Yはドラム軸孔11Yに挿入される。感光体ドラム1Yは、支持部材82によって所定の位置に支持されているため、軸孔8dの中心位置とドラム軸孔11Yの中心位置とが一致している。このため、ドラム軸12Yをドラム軸孔11Yにスムーズに挿入することができる。
【0078】
図15に示すように、押出部105bの一端が上部の支持部材82を押動する。当該支持部材82は支軸85を中心にして時計回りに回動する。上部の支持部材82と下部の支持部材82とが連結部材81で接続されているので、上部の支持部材82が回動すると共に下部の支持部材82も同方向に回動する。支持部材82が時計回りに回動すると、当接面82aYは感光体ドラム1Yから離れる。感光体ドラム1Yは、ドラム軸12Yによって所定の位置からずれることなく軸支される。
【0079】
このように、本実施例に係る画像形成ユニット20Yによれば、支持部材82にバネSP2を設けても画像形成ユニット10Yと同様に、本体部105から画像形成ユニット20Yを取り外すと、支持部材82は感光体ドラム1Yを支持し、本体部105に画像形成ユニット20Yを取り付けると、支持部材82は感光体ドラム1Yの支持を解除する。
【0080】
これにより、メンテナンス等で画像形成ユニット20Yを本体部105から離脱させても、支持部材82が感光体ドラム1Yを所定の位置に支持するので、感光体ドラム1Yが現像部6Yやクリーニング部4Y等の他の部材に接触して傷付くことを防止できる。また、画像形成ユニット20Yを本体部105に取り付けたときに、感光体ドラム1Yの回転中心にドラム軸12Yが挿入されて支持部材82による感光体ドラム1Yの支持が解除されるので、感光体ドラム1Yの位置ずれを防止できる。
【実施例5】
【0081】
本実施例では、中心方向に回転自在な連結部材を備えたドラム支持機構について説明する。前述の実施の形態及び実施例と同じ名称及び符号のものは同じ機能を有するので、その説明を省略する。図18に示すように、画像形成ユニット30Yは、感光体ドラム1Y、現像部6Y、クリーニング部4Y、ドラム支持機構90Y及び筐体8を備える。
【0082】
ドラム支持機構90Yは、支持部材92と、支持部材92に接続される連結部材91を備える。支持部材92には回動軸94が設けられ、当該回動軸94は支持部材92を回動させる。回動軸94にはバネSP3が設けられる。バネSP3の一端は、筐体8に固定され、バネSP3の他端は、支持部材92に固定される。バネSP3は、図18では支持部材92を時計回りに回転させるように力がかかっている。連結部材91にはカム部96が設けられる。カム部96は、時計方向に回転することで支持部材92が有する当接面92aと感光体ドラム1Yとを離間させ、反時計回りに回転することで当接面92aと感光体ドラム1Yとを当接させる。
【0083】
次に、ドラム支持機構90Yの動作例について説明する。本体部108に連結部材91が支持されて画像形成ユニット30Yが取り付けられる場合、図19(A)に示すように、カム部96が時計回りに回転すると、当接面92aと感光体ドラム1Yとを離間させる。
【0084】
図19(B)は、図19(A)の矢印Cに関しての矢視図である。図19(B)に示すように、本体部108から画像形成ユニット30Yが取り付けられると、本体部108に設けられる軸受97にカム部96の先端が挿入される。カム部96の先端にはピン98が設けられる。軸受97は摺動部97aを有する。軸受97にカム部96が挿入されると、ピン98が摺動部97aに沿って軸受97内に案内される。連結部材91は、ピン98が摺動部97aに沿って軸受97内に案内されると、例えば図19(A)ではバネSP3の力に反して連結部材91の中心方向に対して時計回りに回転するようになされ、当該支持部材92が感光体ドラム1Yから離間する。
【0085】
本体部108から連結部材91が離間されて画像形成ユニット30Yが取り外される場合、図20(A)に示すように、カム部96が反時計回りに回転すると、当接面92aと感光体ドラム1Yとを離間させる。
【0086】
図20(B)は、図20(A)の矢印Dに関しての矢視図である。図20(B)に示すように、本体部108から画像形成ユニット30Yが取り外されると、本体部108に設けられる軸受97からカム部96が離間される。ピン98が摺動部97aに沿って軸受97外に案内される。連結部材91は、ピン98が摺動部97aに沿って軸受97外に案内されると、例えば図20(A)ではバネSP3の力によって連結部材91の中心に対して反時計回りに回転するようになされ、当該支持部材92が感光体ドラム1Yに当接する。
【0087】
このように、本実施例に係る画像形成ユニット30Yによれば、連結部材91を当該連結部材91の軸の中心方向に回転させて支持部材92を感光体ドラム1Yに当接又は離間できる。これにより、本体部108から画像形成ユニット30Yを取り外すと、支持部材92は感光体ドラム1Yを支持し、本体部105に画像形成ユニット30Yを取り付けると、支持部材92は感光体ドラム1Yの支持を解除する。
【0088】
これにより、メンテナンス等で画像形成ユニット30Yを本体部108から離脱させても、支持部材92が感光体ドラム1Yを所定の位置に支持するので、感光体ドラム1Yが現像部6Yやクリーニング部4Y等の他の部材に接触して傷付くことを防止できる。また、画像形成ユニット30Yを本体部108に取り付けたときに、感光体ドラム1Yの回転中心にドラム軸12Yが挿入されて支持部材92による感光体ドラム1Yの支持が解除されるので、感光体ドラム1Yの位置ずれを防止できる。
【産業上の利用可能性】
【0089】
本発明は、感光体ドラム、現像器及びクリーニング機構等を有する画像形成ユニットを備える画像形成装置に適用して極めて好適である。
【符号の説明】
【0090】
1Y,1M,1C,1K 感光体ドラム
4Y,4M,4C,4K クリーニング部
6Y,6M,6C,6K 現像部
8 筐体
10Y,10M,10C,10K、20Y,30Y 画像形成ユニット
11Y ドラム軸孔
12Y ドラム軸
70Y,80Y,90Y ドラム支持機構
71Y,81Y,91Y 連結部材
72Y,82Y,92Y 支持部材
100 画像形成装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転中心を有した像担持体が所定の位置に配設され、前記像担持体に画像を形成する画像形成ユニットと、
前記画像形成ユニットが着脱自在に設けられ、前記像担持体の回転中心に挿入される軸を有し、当該軸で前記像担持体を支持する本体部と、
前記画像形成ユニットに設けられ、前記画像形成ユニットが前記本体部から離脱すると、前記像担持体を支持し、前記画像形成ユニットが前記本体部に取り付けられると、前記像担持体の支持を解除する支持機構とを備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記支持機構は、
前記像担持体に当接して前記像担持体を支持する複数の支持部材と、
一端にバネを有し、前記複数の支持部材を連結する連結部材とを有することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記支持機構は、
一端にバネを有し、前記像担持体に当接して前記像担持体を支持する複数の支持部材と、
前記複数の支持部材を連結する連結部材とを有することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記支持機構は、
前記像担持体に当接して前記像担持体を支持する複数の支持部材と、
前記複数の支持部材を連結する連結部材と、
前記連結部材に設けられ、前記連結部材を所定の方向に駆動する駆動手段とを有することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記支持部材には、弾性部材が設けられることを特徴とする請求項2乃至4のうちいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記像担持体は、当該像担持体の外周面に画像を形成する画像形成領域と、当該像担持体の外周面で前記画像形成領域より外側にある非画像形成領域とを有し、
前記支持部材は、前記非画像形成領域に当接して前記像担持体を支持することを特徴とする請求項2乃至5のうちいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記画像形成ユニットには、
前記像担持体の外周面に画像を形成する現像器が配設されることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記画像形成ユニットには、
前記像担持体の外周面をクリーニングするクリーニング機構が配設されることを特徴とする請求項1又は7に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記支持部材は、
前記現像器又は前記クリーニング機構の一部に設けられることを特徴とする請求項6乃至8のうちいずれか1項に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2010−243855(P2010−243855A)
【公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−93453(P2009−93453)
【出願日】平成21年4月7日(2009.4.7)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】