説明

画像形成装置

【課題】画像形成装置を設置後、像担持体を回転駆動させる前の時点で、離間部材の除去し忘れを報知することが可能な画像形成装置を提供する。
【解決手段】感光ドラム1、転写ローラ9、電装部15を備える画像形成装置において、感光ドラム1の表面と転写ローラ9の表面との離間状態を保ち、導電性を有する離間部材40有し、離間部材40が離間状態を保っている状態では、離間部材40が電装部15と電気的に接続されていると共に、画像形成装置を設置後、感光ドラム1が回転する前において離間部材40と電装部15との電気的な接続を検知した場合に、検知信号を出力するCPU16が設けられていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真方式を採用する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子写真方式を採用する画像形成装置には、現像剤像を担持する像担持体、像担持体の表面に当接して該表面を一様に帯電する帯電部材、及び像担持体の表面に圧接して現像剤像をシート材上に転写する転写部材が設けられている。また、近年では、工場から出荷後の画像形成装置の運搬時において、振動・衝撃によって帯電部材、転写部材が像担持体の表面と接触することを防ぐために、帯電部材、転写部材を像担持体の表面から離間させる離間部材を設けた構成が多く見られる。離間部材を設けることにより、振動・衝撃から像担持体の表面を保護することができ、像担持体の表面が摩擦帯電したり、傷ついたりすることを防止することができるので、良好な画像品質を実現することが可能になる。なお、関連する技術が特許文献1、2に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平08−171292号公報
【特許文献2】特開2006−154644号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の画像形成装置には以下の課題がある。
【0005】
画像形成装置を設置後、ユーザが画像形成装置を初めて使用する際は、ユーザがマニュアルに従って上述した離間部材を画像形成装置から除去する必要がある。しかしユーザが離間部材を除去し忘れた場合は、像担持体表面を好適に帯電できない、現像剤像を像担持体表面から確実に転写できない、又はシート材のジャムが発生する等、画像品質の低下につながる諸問題が生じてしまう。
【0006】
そこで離間部材の除去し忘れを防止すべく、転写部材の抵抗値を検知する等の方法によって、離間部材の除去し忘れをユーザに報知する技術が提案されている。しかしながら従来技術の多くは、画像形成装置の初期動作中に離間部材の有無を検出する手法であり、像担持体を回転駆動して初めて離間部材の除去し忘れが検出可能となる構成である。つまり、離間部材を除去し忘れた場合は、離間部材が装着された状態のまま、像担持体を回転駆動させることになるので画像品質の低下を引き起こす虞がある。
【0007】
そこで本願発明は、画像形成装置を設置後、像担持体を回転駆動させる前の時点で、離間部材の除去し忘れを検出することが可能な画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために本発明にあっては、
表面に現像剤像を担持する回転可能な像担持体と、前記像担持体の表面に圧接、又はベルト部材を介して圧接し、前記現像剤像をシート材上に転写するための転写部材と、前記転写部材に電圧を印加する電圧印加部と、を備える画像形成装置において、前記像担持体の表面と前記転写部材の表面との圧接状態を離間状態にするための、又は、前記ベルト部材を介した前記像担持体の表面と前記転写部材の表面との圧接状態を離間状態にするための離間部材であって、取り外されることで該離間状態が解除される導電性を有する離間部
材を有し、前記離間部材は、前記離間状態を保っている状態では前記電圧印加部と電気的に接続されていると共に、画像形成装置を設置後、前記像担持体が回転する前において前記離間部材と前記電圧印加部との電気的な接続を検知した場合に、検知信号を出力する制御部が設けられていることを特徴とする。
【0009】
また、
表面に現像剤像を担持する回転可能な像担持体と、前記像担持体の表面に当接して、該表面を帯電する帯電部材と、前記帯電部材に電圧を印加する電圧印加部と、を備える画像形成装置において、前記像担持体の表面と前記帯電部材の表面との当接状態を離間状態にするための離間部材であって、取り外されることで該離間状態が解除される導電性を有する離間部材を有し、前記離間部材は、前記離間状態を保っている状態では前記電圧印加部と電気的に接続されていると共に、画像形成装置を設置後、前記像担持体が回転する前において前記離間部材と前記電圧印加部との電気的な接続を検知した場合に、検知信号を出力する制御部が設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
以上説明したように、本願発明によれば、画像形成装置を設置後、像担持体を回転駆動させる前の時点で、離間部材の除去し忘れを検出することが可能な画像形成装置を提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】第1実施形態に係る画像形成装置の概略構成図。
【図2】第1実施形態における離間部材の概略構成図。
【図3】第1実施形態における離間部材の電気的な接続を示す図。
【図4】第1実施形態において離間部材の有無を検知するフローチャート図。
【図5】第1、第2実施形態における画像形成装置の等価回路を示す図。
【図6】第2実施形態に係る画像形成装置の概略構成図。
【図7】第2実施形態における離間部材の概略構成図。
【図8】第2実施形態において離間部材の有無を検知するフローチャート図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に図面を参照して、この発明を実施するための形態を例示的に詳しく説明する。ただし、以下の実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0013】
[第1実施形態]
図1〜図5(a)を参照して、本願発明の第1実施形態に係る画像形成装置について説明する。本実施形態に係る画像形成装置は、電子写真方式、プロセスカートリッジ方式を採用するレーザービームプリンタ(以下、「画像形成装置」とする)である。
【0014】
(1−1:画像形成装置の概略構成)
図1(a)、図1(b)を参照して、本実施形態に係る画像形成装置の概略構成について説明する。図1(a)は、本実施形態に係る画像形成装置の概略構成図であり、図1(b)は、本実施形態におけるプロセスカートリッジの概略構成図である。
【0015】
画像形成装置には、図中矢印方向に回転可能な感光ドラム1(像担持体)が設けられている。感光ドラム1の周囲には、感光ドラム1に当接して従動回転する帯電ローラ2(帯電部材)、現像装置4、転写ローラ9(転写部材)、クリーニング装置10が配置されている。帯電ローラ2、及び転写ローラ9は、電装部15(電圧印加部)と電気的に接続さ
れており、電装部15から電圧を印加可能に構成されている。また、感光ドラム1の上方には、感光ドラム1表面にレーザー光L(露光光)を射出する露光装置3が設けられている。なお、本実施形態では、ここで挙げた感光ドラム1、帯電ローラ2、現像装置4、及びクリーニング装置10が、プロセスカートリッジ20として一体的に保持されている(図1(b))。さらにプロセスカートリッジ20は、画像形成装置の装置本体に対して着脱可能に構成されている。このように、複数の部材、装置をプロセスカートリッジ20として一体的に保持することにより、メンテナンス作業が行いやすくなるので、ユーザビリティの向上につながる。
【0016】
図1(b)を参照して、プロセスカートリッジ20の概略構成について説明する。プロセスカートリッジ20は、大きく分けると、ドラムユニット20aと現像ユニット20bとから構成されている。ドラムユニット20aは、感光ドラム1、帯電ローラ2、及びクリーニング装置10を有している。クリーニング装置10は、感光ドラム1表面に接触して残留トナーの掻き落すクリーニングブレード10bと、残留トナーを回収するクリーニング容器10aとを有している。一方、現像ユニット20bには、現像装置4が設けられており、現像装置4には、表面にトナー(現像剤)を担持する現像ローラ4a、及び現像ローラ4a表面においてトナーの層厚を規制し、トナーを摩擦帯電させる現像ブレード4bが設けられている。また、現像装置4内に収容されているトナーを攪拌する攪拌部材4cが設けられている。さらに本実施形態では、プロセスカートリッジ20の枠体上に、記憶部としてのメモリタグ21が設けられている。メモリタグ21は画像形成装置の使用履歴(総駆動時間、残トナー量、現像ローラ4aの回転数、感光ドラム1の回転数など)を記憶するものであり、装置本体側のCPU16(制御部)と通信可能(情報の書き込み、読み取り可能)に構成されている。
【0017】
画像形成を行う際は、まず、帯電ローラ2が感光ドラム1の表面を一様に帯電し、帯電した表面に対して露光装置3からレーザー光Lが射出されることにより、感光ドラム1表面が走査露光され、感光ドラム1表面に画像情報に基づいた静電潜像が形成される。さらに現像ローラ4aに現像電圧が印加され、静電潜像に対して現像ローラ4aからトナーが静電気的に供給されることにより、感光ドラム1表面において静電潜像がトナー像(現像剤像)として可視化される。なお、本実施形態では負帯電のトナーを用いており、帯電ローラ2によって感光ドラム1表面は負極性に帯電され、現像電圧として負極性の電圧が印加されている。そして、感光ドラム1と転写ローラ9との圧接部(転写ニップ部T)に所定のタイミングでシート材Pが搬送され、転写ローラ9にトナーと逆極性の転写電圧が印加されることにより、感光ドラム1表面からシート材上にトナー像を転写することが可能になる。
【0018】
本実施形態では、転写ローラ9として、電圧印加部としての電装部15と電気的に接続している芯金9bの周りに導電性を有するスポンジ9aが巻かれたφ16mmのローラを用いている。また、転写ローラ9は感光ドラム1の方向へ付勢されており、両者は0.5N/cm〜2.0N/cmの押圧力によって圧接している。押圧力が0.5N/cm未満の場合は、ぶれ画像が生じやすく、押圧力が2.0N/cmより大きくなってしまうと、プロセスカートリッジ20の着脱性が低下してしまうので、押圧力は上述の範囲内に設定されることが望ましい。なお、転写ローラ9の材質として、ここでは導電性を有するスポンジを用いているが、導電性を有する芯金の周りをゴム材で覆う構成であってもよい。
【0019】
感光ドラム1表面のトナー像をシート材P上に転写した後、感光ドラム1表面はクリーニング装置10によってクリーニングされ、転写されずに感光ドラム1表面に残留した残留トナーがクリーニング容器10a内に回収される。回収されたトナーは、次以降の画像形成プロセスに供することができる。
【0020】
また、画像形成装置には、複数のシート材P(転写材)を収容可能な給送トレイ5が設けられている。画像形成開始の信号が入力されると、給送ローラ6によってシート材Pが1枚ずつ分離給送され、搬送ローラ対7を経てシート材Pが転写ニップ部Tに送り込まれる。なお、搬送路上に設けられているセンサレバー8がシート材Pの通過を検知することにより、上述した感光ドラム1の走査露光のタイミングが決定されている。転写ニップ部Tにおいて、感光ドラム1表面からシート材P上にトナー像が静電気的に転写されると、トナー像が転写されたシート材Pは定着装置11に送り込まれる。そして、定着装置11においてトナー像が加熱・加圧定着されたシート材Pは、排出口13から排出トレイ14上に排出される。なお、ここで説明した一連の画像形成プロセスは、CPU165によって駆動制御されている。
【0021】
(1−2:転写電圧の制御方法)
上述したように、シート材P上へのトナー像の転写は、転写ローラ9にトナーと逆極性の転写電圧を印加することにより行われており、つまりトナー像を良好に転写するためには、転写電圧値を適切な値に設定することが必要になる。しかし、一般的に転写ローラの抵抗値は、画像形成装置の使用環境等によって変動することが知られている。よって、適切な転写電圧を印加するためには、転写ローラの抵抗値の変動を検出し、検出された抵抗値に基づいて転写電圧を印加することが必要になる。そこで本実施形態では、転写ローラ9の抵抗値を検出するATVC制御を行っている。具体的には、転写ニップ部Tにシート材Pがない状態でも転写ローラ9に電圧を印加して転写ローラ9の抵抗値を検出し、検出された抵抗値に基づいて、転写電圧値を設定している。かかる制御によれば、画像形成装置の使用環境が変わった場合でも適切な転写電圧を印加でき、良好な画像品質を得ることが可能になる。また、検出された転写ローラ9の抵抗値に基づいて、画像形成装置の使用環境を検知することも可能である。なお、ここではATVC制御によって転写電圧を制御しているが、PTVC制御によって転写電圧を制御する構成であってもよい。
【0022】
(1−3:離間部材の構成)
図2(a)、図2(b)を参照して、本実施形態における離間部材40について説明する。図2(a)は、離間部材40の概略構成図であり、図2(b)は、離間部材40を装着した際の様子を示す図である。なお、ここでは転写ローラ9の表面と感光ドラム1の表面との圧接状態を離間状態とする離間部材について説明するが、転写ローラ9の表面と帯電ローラ2の表面との当接状態を離間状態とする離間部材も同一の構成である。よって、後者の離間部材についての説明は省略する。
【0023】
離間部材40は、転写ローラ9を感光ドラム1と反対の方向に押し込むことで、転写ローラ9の表面と感光ドラム1の表面との離間状態を保つものである。そこで本実施形態の離間部材40は、図2(a)に示す形状を有している。図示するように、離間部材40は板状に形成されており、一方の端部近傍には、取り外しの際にユーザが把持する把持部40aが形成されている。また、他方の端部には、転写ローラ9を押し込むための離間部40bが、転写ローラ9の長手方向両端に対応する位置に1つずつ設けられている。それぞれの離間部40bの先端には、凹部40cが形成されており、この凹部40cと転写ローラ9の芯金9bの軸受け9cとが係合することで、転写ローラ9を確実に押し込むことが可能になる。
【0024】
また、本実施形態に係る離間部材40は、導電性を有している点が特徴である。離間部材40全体を、導電性を有する材料(金属材料など)によって形成してもよいが、少なくとも転写ローラ9の芯金9bと係合する凹部40cに電気的に接続する導電経路40eが設けられていればよい。つまり離間部材40が装着されている状態において、転写ローラ9と離間部材40とを電気的に接続可能に構成されていればよい。
【0025】
また、離間部材40の左右の離間部40bの間には切り欠き部40dが形成されている。離間部材40が装着されている状態において、表面の保護の観点から、転写ローラ9の表面、感光ドラム1の表面の画像形成領域は、離間部材40と接触しないほうが好ましい。よって、離間部材40には、画像形成領域に対応する領域にこのような切り欠き部40dが設けられている。また、離間部材40の色は、離間状態を解除する際の取り外し時に、ユーザが離間部材40を見つけ易いような色であるとよい。
【0026】
画像形成装置の出荷時は、図2(b)に示すように離間部材40が画像形成装置に装着された状態で出荷される。転写ローラ9の芯金9bは、導電性の軸受け9cによって保持されており、押圧バネ9dによって軸受け9cが感光ドラム1の方向へ押圧されることにより、転写ローラ9が感光ドラム1の方向に押圧されている。これに対して離間部材40が押圧バネ9dの押圧力に抗して軸受け9cを押し込むことにより、転写ローラ9の表面と感光ドラム1の表面との離間状態が保たれている。なお本実施形態では、離間部材40が装着されている状態において、転写ローラ9の表面と感光ドラム1の表面とが約1.5mm離間している。かかる離間距離を保っていれば、画像形成装置の運搬時の振動・衝撃によって転写ローラ9と感光ドラム1とが接触する可能性を低減させることが可能になる。
【0027】
(1−4:離間部材の除去し忘れを検知する構成)
本実施形態に係る画像形成装置では、離間部材40が導電性を有している点を利用して、画像形成装置を設置後、感光ドラム1が回転する前の段階で、離間部材40の除去し忘れを検知可能な点が特徴である。図3、図5(a)を参照して、離間部材40の除去し忘れを検知する構成について説明する。図3は、本実施形態において離間部材40を装着した状態において形成される電気的な接続経路を示す図であり、図5(a)は、画像形成装置内の等価回路を示すものである。
【0028】
離間部材40が装着されている状態では、離間部材40に形成されている導電経路40eの一端が接地されている。本実施形態では、感光ドラム1の接地点に導電経路40eの一端を接続したが、装置本体側のその他の接地点に導通経路40eを接続してもよい。この状態では、電装部15、転写ローラ9の芯金9b、芯金9bの軸受け9c、離間部材40の凹部40c、離間部材40の導電経路40eによって一連の導電経路が形成されることになり、かかる導電経路を電流が流れることが可能になる(図3)。つまり、離間部材40が装着されていれば、電流は流れることになり、離間部材40が除去されていれば、電流は流れないことになる。
【0029】
そこで本実施形態では、画像形成装置を設置後、感光ドラム1が回転し始める前の段階で電装部15が電圧を印加し、それにより電流が流れることを電流検知回路15a(検知部材)で検知した場合に、CPU16が検知信号を出力している。これにより、報知部において「離間部材40の除去し忘れ」をユーザに報知している。かかる一連の制御を行うことで、感光ドラム1を回転させる前の段階で離間部材40の除去し忘れをユーザが知ることができるので、離間部材40が装着された状態で画像形成プロセスが開始される虞がなく、良好な画像品質を実現することができる。
【0030】
なお、画像形成装置を設置後、感光ドラム1が回転し始める前の段階では、感光ドラム1の表面は帯電しておらず、「絶縁状態」とみなすことができるので、離間部材40の有無に関わらず、転写ローラ9から感光ドラム1に電流が流れることない。感光ドラム1に電流が流れてしまうと、離間部材40を除去したのにもかかわらず電流検知回路15aで電流を検知する可能性があり、「離間部材40あり」と判断される虞があるが、本実施形態ではこのような事態を想定する必要はない。つまり、電流検知回路15aで電流を検知
したか否かに基づいて、正確に離間部材40の装着状態を知ることが可能になる。なお、ここで用いられている電流検知回路15aは、離間部材40の有無の検知用のみならず、画像形成開始後において、転写ローラ9に適切な転写電圧が印加されるように設けられているものである。
【0031】
(1−5:等価回路)
図5(a)に上述した導通経路に関する等価回路を示す。図5(a)において、電装部15と電流検知回路15aとに対し、転写ローラ9が抵抗体として接続されている。さらに、転写ローラ9には感光ドラム1が接続されているが、感光ドラム1表面は帯電していない状態であり、よって感光ドラム1と転写ローラ9との間には電流が流れないので、等価回路上では転写ローラ9と感光ドラム1とはコンデンサのように振る舞う。また、離間部材40は、転写ローラ9の軸受け部9cにおいてスイッチング回路として機能する。つまり、離間部材40が装着されている状態では、スイッチがOnにされており、電流は離間部材40を介して接地点へ流れる。よって電流検知回路15aにおいて電流を検知することができ、また、それに基づいてユーザに「離間部材40除去し忘れ」を報知することができる。
【0032】
なお、本実施形態における報知部は、ユーザが画像形成条件等を入力したり、画像形成に関する情報が表示される操作部、又は画像形成装置に接続されている外部機器に設けられていればよい。具体的には、オペレーションモニター、状態を簡易的に表示するランプ等が挙げられる。また、音によってユーザに離間部材40の除去し忘れを報知する構成であってもよい。さらには、離間部材40の除去し忘れを検知し、CPU16から検知信号が出力された場合に、その検知信号に基づいて画像形成動作を停止する構成であってもよい。この構成によっても、離間部材40が装着された状態のまま、画像形成プロセスが開始されることを防ぐことが可能になる。
【0033】
(1−6:制御フローチャート)
図4を参照して、本実施形態における制御フローについて説明する。
【0034】
まず、画像形成装置を設置後、画像形成装置の電源コンセントと電源とを接続し、電源スイッチをONにする(ステップ:101)。電源スイッチをONにすると、設置後の初期シーケンスとして、電装部15から転写ローラ9に対して電圧が印加される(ステップ:102)。電圧が印加されると、電流検知回路15aによって通電の有無を確認する(ステップ:103)。
【0035】
ステップ:103において通電が確認されなかった場合は、離間部材40は除去されていると判断する(ステップ:104)。その後、感光ドラム1の回転駆動を開始し、定着装置の暖機運転や、その他の初期状態チェックシーケンスを初期準備処理(ステップ:105)として実施し、印刷待機状態(ステップ:106)に入って画像開始信号の受信を待つ。
【0036】
一方、ステップ:103において通電が確認された場合、転写ローラ9と感光ドラム1との間に離間部材40が残っていると判断し(ステップ:107)、CPU16から検知信号が出力される。この際、報知部には「離間部材40の除去し忘れ(異常)」が明示される(ステップ:108)。その後、離間部材40が除去されることを待つ待機状態(ステップ:109)に移行する。なお、途中で電源がOffにされたり、プロセスカートリッジ20が取り外されたことが検出される場合は、再度、ステップ:102から繰り返し実施される。
【0037】
(1−7:本実施形態の効果)
本実施形態では、導電性を有する離間部材40を用い、電装部15と離間部材40とを電気的に接続可能としているため、転写電圧が印加される回路に電流が流れることを検知することで、「離間部材40の除去し忘れ」を検知することができる。
【0038】
また、画像形成装置を設置後、感光ドラム1を回転させる前の段階で「離間部材40の除去し忘れ」を検知することができるので、感光ドラム1の表面に傷が形成されたり、ジャムが発生するといった問題を回避することができる。
【0039】
なお、メモリタグ21に書き込まれた情報から装置本体の制御部が「画像形成装置が新品であるのか否か」を判断し、「新品である」と判断した場合に、上述した離間部材検出の制御を行ってもよい。具体的には、図4のフローチャートにおいてステップ:101の後に、メモリタグ21の情報から「新品である」「新品ではない」を判断し、「新品である」と判断された場合に、ステップ:102以降の制御を行えばよい。「新品ではない」と判断された場合は、初期準備処理(ステップ:105)に進むようにすればよい。
【0040】
以上より、本願実施形態によれば、画像形成装置を設置後、像担持体を回転駆動させる前の時点で、離間部材の除去し忘れを検出することが可能な画像形成装置を提供することが可能になる。
【0041】
[第2実施形態]
図5(b)〜図8を参照して、本発明の第2実施形態に係る画像形成装置について説明する。なお、画像形成装置の概略構成は上記第1実施形態と同一であるので説明は省略し、ここでは第1実施形態と異なる点のみ説明する。
【0042】
(2−1:離間部材の構成)
本実施形態では、シート状の離間部材40を用いている点が特徴である。近年、感光ドラムの表面物性が改良され、感光ドラムの表面摩擦抵抗の低下がすすんでいる。かかる技術を適用すれば、例えば、運搬時に転写ローラの表面と感光ドラムの表面とが接触したとしても、感光ドラムの表面が摩擦帯電したり、傷ついたりする可能性を低減することができる。そこで本実施形態では、転写ローラ9の表面と感光ドラム1の表面との間に空間を設けず、両者の間にシート状の離間部材40を挟みこむことで、少なくとも両者の表面同士が直接接触することを防いでいる。これによれば、感光ドラム1の表面が摩擦帯電したり、傷ついたりする可能性を低減することが出来ると共に、転写ローラ9表面に付着している発泡剤などが感光ドラム1の表面に付着することを防ぐことも可能になる。
【0043】
図7に、本実施形態に係る離間部材40の概略構成を示す。本実施形態における離間部材40は、導電性を有するシート材40fによって形成されており、シート材40fの端部には導電テープ40gが取り付けられている。この導電テープ40gは、離間部材40を装着した場合に、画像形成装置の装置本体側の接地点に接続されるものである。かかる構成により、離間部材40を転写ローラ9の表面と感光ドラム1の表面との間に挟みこんだ状態において、電圧印加部としての電装部15、転写ローラ9、離間部材40とが電気的に接続されることになる。なお、導電テープ40gを設けず、シート材40fを装置本体側の接地点に直接接続させる構成であってもよい。
【0044】
図6に、本実施形態に係る画像形成装置の概略構成図を示す。なお、画像形成装置の構成は第1実施形態と異なるものではないので、ここでは画像形成装置の主要部のみ表示し、定着装置11、排出トレイ14等は省略している。図示するように、電装部15は電源コンセントを介して接地されている。また、電装部15からは、電流検知回路15aを介して、転写ローラ9に転写電圧を印加することが可能に構成されている。また、導電テープ40gを介して離間部材40を接地している状態を図中の符号50で示している。
【0045】
(2−2:等価回路)
図5(b)を参照して、本実施形態における等価回路について説明する。なお、本実施形態では、転写ローラ9の抵抗値を約1.0×10に設定している。図示するように、まず電装部15と電流検知回路15aに対し、転写ローラ9が抵抗体として接続されている。さらに、転写ローラ9には感光ドラム1が接続されているが、感光ドラム1表面は帯電していない状態であり、よって感光ドラム1と転写ローラ9との間には電流が流れないので、等価回路上では転写ローラ9と感光ドラム1とはコンデンサのように振る舞う。また、離間部材40は、転写ローラ9と接触しているか否かによってスイッチング回路として機能する。つまり、離間部材40が装着されている状態では、スイッチがOnにされており、転写電流は離間部材40を介して、装置本体側の接地点へ流れる。よって電流検知回路15aにおいて電流を検知することができ、検知信号が出力される。
【0046】
(2−3:検知される電流値と転写ローラの抵抗値との関係)
かかる回路構成において、転写ローラ9に対して電圧を印加した場合に電流検知回路15aで検知される電流値を測定した結果を表1に示す。なお、ここでは転写ローラ9に対して、100V、500V、1000V、10000Vの電圧を電装部15から印加し、それぞれの印加電圧に対して、「離間部材あり」、「離間部材なし」の場合で流れた電流をモニターした。
【表1】

【0047】
表より、離間部材40が装着されていない場合は、転写ローラ9から感光ドラム1に対して電流が流れないことがわかった。一方、離間部材40を装着した場合では、離間部材40の一端を接地しているので、転写ローラ9、離間部材40に電流が流れていることがわかる。また、印加電圧を大きくしていくと、検知される電流値が大きくなることもわかる。
【0048】
次に、検知される電流値と転写ローラ9の抵抗値との関係について調べ、その結果を表2に示す。ここでは転写ローラ9の抵抗値を1.0×10Ω、1.0×10Ω、1.0×1010Ωに設定し、それぞれの抵抗値の下で流れる電流値を測定した。
【表2】

【0049】
表より、転写ローラ9の抵抗値(Ω)を上げていくと、検知される電流値(μA)が小さくなることがわかる。発明者らの鋭意検討によると、転写ローラ9の抵抗値(Ω)が1.0×1010Ω程度の場合では、電流検知が可能であることは確認できているが、転写ローラ9の抵抗値(Ω)の大きさによっては、電流検知回路15aにおいて電流の検知が困難になる虞がある。そこで本実施形態では、画像形成装置の設置後、「離間部材の除去し忘れ」を検知するに際し、電装部15から転写ローラ9に対して大きさの異なる複数の電圧を印加し、転写ローラ9の抵抗値が大きい場合であっても、確実に電流を検知できるようにしている。以下、本実施形態における制御フローについて説明する。
【0050】
(2−4:制御フローチャート)
図8を参照して、本実施形態における制御フローについて説明する。
【0051】
まず、画像形成装置を設置後、画像形成装置の電源コンセントと電源とを接続し、電源スイッチをONにする(ステップ:201)。電源スイッチをONにすると、設置後の初期シーケンスとして、電装部15から転写ローラ9に対して電圧が供給される(ステップ:202)。本実施形態では、この際に、大きさの異なる複数の電圧を、小さい電圧値から段階的に変えて印加していることが特徴である(ステップ:203)。これにより、転写ローラ9の抵抗値が大きい場合でも、検知に十分な電流を電流検知回路15aに流すことができる。
【0052】
まず、電装部15から転写ローラ9に対して100Vの電圧を印加する(ステップ:204)。この際に、導通が確認できた場合は、転写ローラ9と感光ドラム1との間に離間部材40が残っていると判断し(ステップ:207)、CPU16が検知信号を出力する。これにより報知部には「離間部材40の除去し忘れ(異常)」が明示される(ステップ:208)。
【0053】
導通が確認されない場合は、即座に「離間部材40除去済み」と判断せず、さらに大きな電圧として1000Vの電圧を印加し(ステップ:205)、同様に導通の検知を行う。ここで導通が確認できた場合は、転写ローラ9と感光ドラム1との間に離間部材40が残っていると判断し、ステップ:207、ステップ:208に進む。
【0054】
一方、ここでも導通が確認されない場合は、さらに大きな電圧として10000Vの電圧を印加し(ステップ:206)、同様に導通の検知を行う。そして導通が確認できた場合は、ステップ:207、ステップ:208に進む。しかし、一方で導通が確認できなかった場合は、ここで初めて「挟持部材40除去済み」と判断し(ステップ:210)する。その後、感光ドラム1の回転駆動を開始し、定着装置の暖機運転や、その他の初期状態チェックシーケンスを初期準備処理(ステップ:211)として実施し、印刷待機状態(ステップ:212)に入って画像開始信号の受信を待つ。
【0055】
なお、検知信号を出力し、報知部に「離間部材40の除去し忘れ(異常)」が明示された後は(ステップ:208)、離間部材40が除去されることを待つ待機状態(ステップ:209)に移行する。また、途中で電源がOffにされたり、プロセスカートリッジ20が取り外されたことが検出される場合は、再度、ステップ:202から繰り返し実施される。なお、ここでは大きさの異なる3つの電圧を印加したが、印加する電圧の種類、大きさはこれに限られるものではなく、離間部材40が装着されている状態で電流を確実に検知できる電圧であれば、上述した電圧値以外の電圧であってもよい。
【0056】
(2−5:本実施形態の効果)
本実施形態によれば、第1実施形態と同様に、感光ドラム1を回転させる前の段階で「離間部材40の除去し忘れ」を検知することができるので、感光ドラム1の表面に傷が形成されたり、ジャムが発生するといった問題を回避することができる。
【0057】
また、本実施形態によれば、離間部材40が接地されているので、離間部材40と感光ドラム1の表面とが摺擦し、それによって離間部材40、感光ドラム1の表面が帯電した場合も、離間部材40を介して帯電電荷を除去することができる。
【0058】
また、本実施形態における離間部材40によれば、シート状の離間部材40を感光ドラム1の表面に覆うように設ければよいので、プロセスカートリッジ20が装置本体に対して装着される前の状況でも、第1実施形態と同様の効果を得ることは可能である。つまり、プロセスカートリッジ20を装置本体に装着せず、プロセスカートリッジ20単体を個
別包装して運搬する状況でも、感光ドラム1の表面を、例えば帯電ローラ2などの部材から保護することができる。この場合も、帯電ローラ2と離間部材40とで電気的な接続がなされていれば、画像形成装置を設置後、「離間部材40の除去し忘れ」を検知することが可能である。
【0059】
なお、メモリタグ21に書き込まれた情報から装置本体の制御部が「画像形成装置が新品であるのか否か」を判断し、「新品である」と判断した場合に、上述した離間部材検出の制御を行ってもよい。具体的には、図8のフローチャートにおいてステップ:201の後に、メモリタグ21の情報から「新品である」「新品ではない」を判断し、「新品である」と判断された場合に、ステップ:202以降の制御を行えばよい。「新品ではない」と判断された場合は、初期準備処理(ステップ:211)に進むようにすればよい。
【0060】
以上より、本願実施形態によれば、画像形成装置を設置後、像担持体を回転駆動させる前の時点で、離間部材の除去し忘れを検出することが可能な画像形成装置を提供することが可能になる。
【0061】
[その他の実施形態]
第1、第2実施形態では、感光ドラム1の表面と転写ローラ9の表面とを離間させる構成について説明した。しかし、感光ドラム1の表面から離間させる対象とする部材は、転写ローラ9に限られるものではない。例えば、上述した離間部材40を用いて、感光ドラム1の表面と帯電ローラ2の表面とを離間させる構成であってもよい。この場合も、電装部15、帯電ローラ2、離間部材40とが電気的に接続されていれば、「離間部材40の除去し忘れ」を検知することは可能である。もちろん、転写ローラ9と帯電ローラ2との両方を感光ドラム1の表面から離間させる構成であってもよい。
【0062】
また、上記では、搬送ローラ対7によって転写ニップ部Tにシート材Pを直接搬送し、転写ニップ部Tにおいてシート材P上に画像を直接転写する転写方式について説明したが、本願発明を適用可能な画像形成装置の転写方式はこれに限られるものではない。
【0063】
例えば、ベルト部材として中間転写ベルトを用いる「中間転写方式」を採用することも可能である。「中間転写方式」とは、回転駆動されている中間転写ベルト上に感光ドラムからトナー像を1次転写し、シート材と中間転写ベルトとが接触する2次転写部において、中間転写ベルト上からシート材上にトナー像を2次転写する転写方式である。この場合は、画像形成を行う際は、転写部材としての転写ローラが、中間転写ベルトを介して感光ドラム表面に圧接することになる。そして、このような画像形成装置に対して、本願発明を適用することにより、上述と同様の効果を得ることができる。
【0064】
また、上述のようにシート材P上にトナー像を直接転写する方式のうち、静電吸着ベルトを用いる転写方式に対しても本願発明を適用することは可能である。「静電吸着ベルトを用いる転写方式」とは、ベルト部材としての静電吸着ベルト上にシート材を静電的に担持させ、静電吸着ベルトが回転駆動することに伴い、シート材を感光ドラム表面との接触位置(転写位置)に搬送する方式である。この場合は、画像形成を行う際は、転写部材としての転写ローラが、静電吸着ベルトを介して感光ドラム表面に圧接することになる。そして、このような画像形成装置に対して、本願発明を適用することにより、上述と同様の効果を得ることができる。
【0065】
以上、ここで述べた[その他の実施形態]によっても、画像形成装置を設置後、像担持体を回転駆動させる前の時点で、離間部材の除去し忘れを検出することが可能な画像形成装置を提供することが可能になる。
【符号の説明】
【0066】
1…感光ドラム 2…帯電ローラ 9…転写ローラ 15…電装部(制御部) 16…CPU 40…離間部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面に現像剤像を担持する回転可能な像担持体と、
前記像担持体の表面に圧接、又はベルト部材を介して圧接し、前記現像剤像をシート材上に転写するための転写部材と、
前記転写部材に電圧を印加する電圧印加部と、
を備える画像形成装置において、
前記像担持体の表面と前記転写部材の表面との圧接状態を離間状態にするための、又は、前記ベルト部材を介した前記像担持体の表面と前記転写部材の表面との圧接状態を離間状態にするための離間部材であって、取り外されることで該離間状態が解除される導電性を有する離間部材を有し、前記離間部材は、前記離間状態を保っている状態では前記電圧印加部と電気的に接続されていると共に、
画像形成装置を設置後、前記像担持体が回転する前において前記離間部材と前記電圧印加部との電気的な接続を検知した場合に、検知信号を出力する制御部が設けられていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
表面に現像剤像を担持する回転可能な像担持体と、
前記像担持体の表面に当接して、該表面を帯電する帯電部材と、
前記帯電部材に電圧を印加する電圧印加部と、
を備える画像形成装置において、
前記像担持体の表面と前記帯電部材の表面との当接状態を離間状態にするための離間部材であって、取り外されることで該離間状態が解除される導電性を有する離間部材を有し、前記離間部材は、前記離間状態を保っている状態では前記電圧印加部と電気的に接続されていると共に、
画像形成装置を設置後、前記像担持体が回転する前において前記離間部材と前記電圧印加部との電気的な接続を検知した場合に、検知信号を出力する制御部が設けられていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
前記離間部材と前記電圧印加部との電気的な接続の検知は、
画像形成装置を設置後、前記像担持体が回転する前において、前記電圧印加部が電圧を印加することによって流れる電流を検知することで行われることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
画像形成装置を設置後、前記像担持体が回転する前において、
前記電圧印加部は、電圧値の異なる複数の電圧を電圧値が小さいほうから印加していくことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記離間部材は、
前記離間状態を保っている状態では接地されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
画像形成装置の使用履歴を記憶する記憶部を備えており、
前記記憶部に記憶された使用履歴に基づき、画像形成装置が新品であると判断された場合に、前記離間部材と前記電圧印加部との電気的な接続の検知を行うことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記検知信号が出力された場合に、前記離間部材によって前記離間状態を保たれていることを報知する報知部が設けられていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記検知信号が出力された場合に、画像形成動作を停止するように構成されていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−123412(P2011−123412A)
【公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−282799(P2009−282799)
【出願日】平成21年12月14日(2009.12.14)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】