画像形成装置
【課題】動作位置において、各感光体と搬送経路上の被記録媒体との相対位置関係がずれることを抑制できる画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置1において、装置本体は、幅方向外側から動作位置にある感光体ユニット90に対して駆動力を伝達する伝達部131…を有し、感光体ユニット90は、動作位置において伝達部131…と幅方向で対向しつつ係合して伝達部131…から駆動力を受ける被伝達部231…を有する。装置本体は、動作位置にある感光体ユニット90に対して搬送経路P中の少なくとも2箇所で幅方向の外側から当接して、感光体ユニット90を幅方向で位置決めする基準面141…と、装着経路D1〜D3に沿って移動する感光体ユニット90に対して、少なくとも動作位置に至る直前において幅方向に押圧力を付与することにより、基準面141…に向けて感光体ユニット90を付勢する押圧手段101…とを有する。
【解決手段】画像形成装置1において、装置本体は、幅方向外側から動作位置にある感光体ユニット90に対して駆動力を伝達する伝達部131…を有し、感光体ユニット90は、動作位置において伝達部131…と幅方向で対向しつつ係合して伝達部131…から駆動力を受ける被伝達部231…を有する。装置本体は、動作位置にある感光体ユニット90に対して搬送経路P中の少なくとも2箇所で幅方向の外側から当接して、感光体ユニット90を幅方向で位置決めする基準面141…と、装着経路D1〜D3に沿って移動する感光体ユニット90に対して、少なくとも動作位置に至る直前において幅方向に押圧力を付与することにより、基準面141…に向けて感光体ユニット90を付勢する押圧手段101…とを有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に従来の画像形成装置の例が開示されている。この画像形成装置は、被記録媒体が搬送される搬送経路が設けられた装置本体と、複数色に対応する複数体の感光体が搬送経路に沿って直列に配置されたタンデム型の感光体ユニットとを備える。そして、搬送経路を搬送される被記録媒体の表面に各感光体が担持するトナー像を転写して、カラー画像を形成する電子写真方式のものである。
【0003】
感光体ユニットは、装置本体の外部に取り外し可能な取り外し位置から、装置本体の内部で画像形成可能な動作位置に到る装着経路に沿って移動することにより、装置本体に対して装着可能に構成されている。また、装着時とは逆方向に装着経路に沿って移動することにより、装置本体に対して取り外し可能に構成されている。
【0004】
装置本体は、搬送経路に直交する方向である幅方向の外側から、動作位置にある感光体ユニットに対して駆動力を伝達する伝達部を有する。感光体ユニットは、動作位置において、伝達部と幅方向で対向しつつ係合して、伝達部から駆動力を受ける被伝達部(図7に示されたカップリング受動ギヤ70。)を有する。
【0005】
さらに、装置本体は、動作位置にある感光体ユニットの前側から幅方向外側に突出する位置決め軸部に対して後下方から当接する当接面と、当接面に当接する位置決め軸部を後方に向けて押圧する押圧アームと、動作位置にある感光体ユニットの後端側に凹設された切欠部に後下方から当接する基準軸とを有する。
【0006】
この画像形成装置では、感光体ユニットが装着経路に沿って移動して動作位置に到達すると、位置決め軸部が当接面に当接し、その位置決め軸部を押圧アームが後方に向けて押圧する。これにより、切欠部が基準軸に確実に当接して、感光体ユニットを搬送経路に沿う方向である前後方向で位置決めするようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2007−178657号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、上記従来の画像形成装置では、感光体ユニットが装着経路に沿って移動する際の幅方向のガタつきにより、動作位置に到達した感光体ユニットが本来の位置に対して幅方向で位置ずれする場合がある。また、装置本体の伝達部と、動作位置にある感光体ユニットの被伝達部とが幅方向で対向しつつ係合する際に、伝達部から被伝達部に対して幅方向の押圧力が作用して、感光体ユニットが幅方向(対向方向とは逆方向)で位置ずれする場合もある。これらの場合、搬送経路に沿って直列に配置された各感光体と、搬送経路上の被記録媒体との相対位置関係がずれて、より詳しくは、感光体ユニットが搬送経路の軸線に対して平行にずれたり、搬送経路の軸線に対して傾斜しつつずれたりして、画像形成の品位が低下するという問題が生じるおそれがある。
【0009】
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、動作位置において、各感光体と搬送経路上の被記録媒体との相対位置関係がずれることを抑制できる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の画像形成装置は、被記録媒体が搬送される搬送経路が設けられた装置本体と、複数色に対応する複数体の感光体が前記搬送経路に沿って直列に配置されたタンデム型の感光体ユニットとを備え、前記搬送経路に沿って搬送される前記被記録媒体の表面に各前記感光体が担持するトナー像を転写して、カラー画像を形成する電子写真方式の画像形成装置であって、前記感光体ユニットは、前記装置本体の外部に取り外し可能な取り外し位置から、前記装置本体の内部で画像形成可能な動作位置に到る装着経路に沿って移動することにより、前記装置本体に対して装着可能に構成されているとともに、前記装着時とは逆方向に前記装着経路に沿って移動することにより、前記装置本体に対して取り外し可能に構成され、前記装置本体は、前記搬送経路に直交する方向である幅方向の外側から、前記動作位置にある前記感光体ユニットに対して駆動力を伝達する伝達部を有し、前記感光体ユニットは、前記動作位置において、前記伝達部と前記幅方向で対向しつつ係合して、前記伝達部から駆動力を受ける被伝達部を有し、さらに、前記装置本体は、前記動作位置にある前記感光体ユニットに対して、前記搬送経路中の少なくとも2箇所で前記幅方向の外側から当接して、前記感光体ユニットを前記幅方向で位置決めする基準面と、前記装着経路に沿って移動する前記感光体ユニットに対して、少なくとも前記動作位置に至る直前において前記幅方向に押圧力を付与することにより、前記基準面に向けて前記感光体ユニットを付勢する押圧手段とを有することを特徴とする(請求項1)。
【0011】
本発明の画像形成装置によれば、押圧手段は、装着経路に沿って移動する感光体ユニットに対して、少なくとも動作位置に至る直前において前記幅方向に押圧力を付与することにより、装置本体の基準面に向けて感光体ユニットを付勢する。このため、基準面は、感光体ユニットに対して、搬送経路中の少なくとも2箇所で幅方向の外側から当接して、感光体ユニットを幅方向で確実に位置決めできる。
【0012】
また、感光体ユニットを幅方向で確実に位置決めした後であれば、伝達部と被伝達部とが係合することにより、伝達部から被伝達部に対して幅方向の押圧力が作用したとしても、感光体ユニットが幅方向(対向方向とは逆方向)で位置ずれし難い。
【0013】
したがって、本発明の画像形成装置によれば、動作位置において、各感光体と搬送経路上の被記録媒体との相対位置関係がずれることを抑制することができ、その結果として、画像形成の品位が低下することを防止できる。
【0014】
本発明の画像形成装置において、感光体ユニットは、感光体ユニットを構成する部品と電気的に接続されたユニット側電極を有し、装置本体は、動作位置にある感光体ユニットのユニット側電極に接触して電気的に接続され、前記部品に給電する本体側電極を有し、押圧手段は、本体側電極を兼ねていることが望ましい(請求項2)。
【0015】
この構成によれば、押圧手段が本体側電極を兼ねるので、押圧手段を専用部材として別途設ける場合と比較して、部品点数を削減できる。
【0016】
本発明の画像形成装置において、感光体ユニットは、感光体ユニットを構成する複数個の部品と電気的に接続された複数個のユニット側電極を有し、装置本体は、動作位置にある感光体ユニットのユニット側電極に接触して電気的に接続され、前記部品に給電する複数個の本体側電極を有し、押圧手段は、本体側電極を兼ねていることが望ましい(請求項3)。
【0017】
この構成によれば、押圧手段を兼ねる複数個の本体側電極により、感光体ユニットに対して、複数の異なる位置から押圧力を分散させつつ付与することができるため、感光体ユニットを均等に幅方向に押圧することができる。このため、動作位置に到達した感光体ユニットに対して、搬送経路中の少なくとも2箇所で基準面が確実に当接するので、感光体ユニットを幅方向で一層精度よく位置決めできる。特に、搬送経路の軸線に対して各感光体が傾斜しつつずれることを確実に抑制できる。また、上記構成により、各本体側電極の付勢力を弱くすることができる。このため、装着経路に沿って感光体ユニットが移動する際の幅方向のガタつきを確実に抑制できるとともに、過度に押圧することがないので、感光体ユニットをスムーズに移動させ易くなる。
【0018】
本発明の画像形成装置において、装着経路は、取り外し位置から装置本体の内部に直線的に向かう第1経路と、第1経路の終点から第1経路と交差して搬送経路に接近する方向に直線的に向かう第2経路とを有し、押圧手段は、装着経路に沿って移動する感光体ユニットに対して、第1経路及び第2経路においても、幅方向に押圧力を付与することが望ましい(請求項4)。
【0019】
この構成によれば、装着経路に沿って移動する初期段階から、感光体ユニットに対して、押圧手段が押圧力を付与する。このため、装着経路に沿って感光体ユニットが移動する際の幅方向のガタつきを確実に抑制できるので、感光体ユニットをよりスムーズに移動させ易くなる。また、一直線の装着経路と比較して、屈曲する装着経路により、画像形成装置の小型化を容易に実現できる。
【0020】
本発明の画像形成装置において、装着経路は、さらに、第2経路の終点から感光体ユニットにおける取り外し位置に近い側が下方に移動して動作位置に至る第3経路を有し、装置本体は、第3経路に沿って感光体ユニットが装着のために移動する際には、感光体ユニットにおける取り外し位置に近い側を押圧しつつ動作位置まで下降させるとともに、取り外しのために感光体ユニットが移動する際には、感光体ユニットにおける取り外し位置に近い側を第3経路において装着時とは逆方向に持ち上げるリフトアップ機構を有し、押圧手段は、リフトアップ機構により感光体ユニットが下方に移動して動作位置に至る前に、幅方向に押圧力を付与することが望ましい(請求項5)。
【0021】
装置本体がリフトアップ機構を有する場合、第3経路に沿って感光体ユニットが装着のために移動する際、リフトアップ機構の押圧動作により感光体ユニットが幅方向で移動し難くなる。
【0022】
この点、この構成によれば、リフトアップ機構の押圧動作により感光体ユニットが幅方向で移動し難くなる前に、感光体ユニットを基準面に対して幅方向で接近させておくことができる。このため、リフトアップ機構の影響を受けることなく、基準面による位置決めを確実に行える。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】実施例の画像形成装置の概略断面図である。
【図2】実施例の画像形成装置に係り、感光体ユニットの右側面図である。
【図3】実施例の画像形成装置に係り、装置本体のフレーム部材(右側の側壁)を示す斜視図である。
【図4】実施例の画像形成装置に係り、感光体ユニットの左側面図である。
【図5】実施例の画像形成装置に係り、装置本体のフレーム部材(左側の側壁)を示す斜視図である。
【図6】実施例の画像形成装置に係り、感光体ユニット、フレーム部材、本体側電極、ユニット側電極、伝達部、被伝達部、位置決め凸部及び基準面の幅方向の相対位置関係を示す概略断面図である。
【図7】実施例の画像形成装置に係り、感光体ユニットの装着動作及び取り外し動作を示す概略断面図である。
【図8】実施例の画像形成装置に係り、感光体ユニットの装着動作及び取り外し動作を示す概略断面図である。
【図9】実施例の画像形成装置に係り、フロントカバーの開放時の構成を表す斜視図である。
【図10】実施例の画像形成装置に係り、図9に示すA部の拡大斜視図である。
【図11】実施例の画像形成装置に係り、フロントカバーの開放時の構成を表す斜視図である。
【図12】実施例の画像形成装置に係り、フロントカバーの閉鎖時の構成を可動カバーの一部を省略して表す斜視図である。
【図13】実施例の画像形成装置に係り、図12に示すB部の拡大斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の画像形成装置を具体化した実施例を図面を参照しつつ説明する。
【0025】
(実施例)
図1に示すように、実施例の画像形成装置の一例としてのプリンタ1は、電子写真方式により被記録媒体としての用紙(OHPシート等を含む。)に複数色からなるカラー画像を形成するカラーレーザプリンタである。図1では、紙面右側を装置の前側と規定し、紙面左側を装置の後側と規定する。また、装置を前側から見た場合に左手に来る側(紙面手前側)を左側と規定し、その反対側を右側と規定して、前後、左右及び上下の各方向を表示する。そして、図2〜図13に示す前後、左右及び上下の各方向は、全て図1に示す各方向に対応させて表示する。以下、図1に基づいて、プリンタ1が備える各構成要素について説明する。
【0026】
1.概略構成
ハウジング3は略箱状体であり、その内側にはフレーム部材(図3及び図6にフレーム部材を構成する右側の側壁3Rを示す。また、図5及び図6にフレーム部材を構成する左側の側壁3Lを示す。)が設けられている。このフレーム部材には、給紙部20、画像形成部10、搬送ユニット30及び定着器80等が組み付けられている。画像形成部10は、ハウジング3の略中央に位置する。
【0027】
ハウジング3の上面側には、画像形成を終えて排出ローラ28、29から排出される用紙が載置される排出トレイ5が設けられている。ハウジング3内において、下方の給紙部20から画像形成部10、搬送ユニット30及び定着器80等を介して上方の排出トレイ5に到る略「S」字状の経路(図1中、太い二点鎖線で示す。)が、用紙の搬送経路Pである。そして、搬送経路Pに直交する方向である幅方向は、各図に示す左右方向である(図6に、幅方向と左右方向との対応関係を図示する。)。ハウジング3の前面には、下端側を揺動中心軸として開閉可能なフロントカバー6が設けられている。
【0028】
画像形成部10は、後述する通り、スキャナ部60と感光体ユニット90とにより構成されている。ここで、感光体ユニット90を除いた上記構成要素(ハウジング3、フレーム部材3R、3L、給紙部20、スキャナ部60、搬送ユニット30及び定着器80等)が本発明の装置本体に相当する。また、感光体ユニット90が本発明の感光体ユニットに相当する。
【0029】
2.給紙部
給紙部20は、ハウジング3の下方に着脱可能に収納された給紙トレイ21、給紙トレイ21の前端部上方に設けられて給紙トレイ21に載置された用紙を画像形成部10に給紙(搬送)する給紙ローラ22、及び用紙に所定の搬送抵抗を与えることで給紙ローラ22により給紙される用紙を1枚毎に分離する分離パッド23等を有している。
【0030】
そして、用紙の搬送経路Pのうち、前方の略U字状に転向する部位には、略U字状に湾曲しながら画像形成部10に搬送される用紙に搬送力を与える搬送ローラ24、25が配設されている。また、搬送ローラ24、25よりも搬送経路Pの下流側には、搬送ローラ24、25により搬送されてくる用紙の先端に接触することでその用紙の斜行を補正した後、その用紙をさらに画像形成部10へ向けて搬送するレジストローラ26、27が設けられている。
【0031】
3.搬送ユニット
搬送ユニット30は、下方の給紙トレイ21と上方の画像形成部10との間に配置されており、搬送ベルト33及び転写ローラ73K、73Y、73M、73C等を有している。
【0032】
搬送ベルト33は、画像形成部10の後端側下方に位置する駆動ローラ31と、画像形成部10の前端側下方に位置する従動ローラ32との間に巻き付けられている。そして、駆動ローラ31が給紙部20のレジストローラ26、27等と同期して回転することにより、搬送ベルト33が駆動ローラ31と従動ローラ32との間を循環するようになっている。搬送ベルト33の上側の面は、画像形成部10の直下において、略水平に配置されており、用紙の裏面と当接して、用紙を搬送経路Pに沿って搬送する用紙搬送面33Aとされている。
【0033】
転写ローラ73K〜73Cは、用紙搬送面33Aの裏面側から搬送ベルト33に当接する状態で、搬送ユニット30に設けられている。搬送ベルト33は導電性ゴム製であるので、各転写ローラ73K〜73Cに印加されるマイナスの電荷(転写電圧)により搬送ベルト33も帯電する。これにより、搬送ベルト33は、静電気力で用紙を用紙搬送面33Aに吸着させつつ、搬送経路Pに沿って用紙を搬送することができる。
【0034】
4.画像形成部
画像形成部10は、ハウジング3内の最上方に配設されたスキャナ部60と、ハウジング3内において、スキャナ部60の下方、かつ用紙搬送面33Aの上方に設けられた感光体ユニット90とにより構成されている。
【0035】
スキャナ部60は、レーザ光源、ポリゴンミラー、fθレンズ及び反射鏡等を有している。そして、レーザ光源から発光されるレーザビームは、ポリゴンミラーで偏向されて、fθレンズを通過した後、反射鏡によって光路が折り返され、さらに、反射鏡によって光路が下方に屈曲されることにより、後述する4体の感光体ドラム71K、71Y、71M、71Cの表面上に照射され、ブラック、イエロー、マゼンダ、シアンの4色に対応する静電潜像を形成するようになっている。
【0036】
感光体ユニット90は、図2、図4及び図6に示すように、枠形状に組み合わされた前壁91、右側枠92R、左側枠92L及び後壁93とを有する(「ドロワーケース」ともいう。)。左側枠92L及び右側枠92Rには、4体の感光体ドラム71K、71Y、71M、71Cが、搬送ベルト33の用紙搬送面33Aに当接した状態で回転可能に軸支されている。各感光体ドラム71K〜71Cの上方には、4体のプロセスカートリッジ70K、70Y、70M、70Cが、左側枠92L及び右側枠92Rに対して着脱可能に設けられている。各感光体ドラム71K〜71Cの近傍には、それらの表面に対向するように、周知の帯電器72(図1に示す。)が配設されている。
【0037】
各感光体ドラム71K〜71C及び各プロセスカートリッジ70K〜70Cは、ブラック、イエロー、マゼンダ、シアンの4色に対応しており、図1に示すように、用紙搬送面33Aの上流から下流に向けて直列に配設されている。このような構成、すなわち、各感光体ドラム71K〜71C及び各プロセスカートリッジ70K〜70Cが用紙の搬送経路Pに沿って直列に配設された構成を「タンデム式」という。
【0038】
各感光体ドラム71K〜71C及びプロセスカートリッジ70K〜70Cは、対応するトナーの色が異なるのみでその他は同一であるので、プロセスカートリッジ70Cを例にその構造を説明する。
【0039】
プロセスカートリッジ70Cは、トナーが収容されたトナー収容室74A、供給ローラ74B及び現像ローラ74C等を有している。そして、トナー収容室74A内のトナーは、供給ローラ74Bの回転によって現像ローラ74C側に供給されて、現像ローラ74Cの表面に担持され、層厚規制ブレード74Dにより所定の厚みに調整された後、感光体ドラム71Cの表面に供給されるようになっている。
【0040】
5.定着器
定着器80は、用紙の搬送経路Pにおいて感光体ユニット90より下流側に配設されている。定着器80は、加熱ローラ81と加圧ローラ82とを有している。加熱ローラ81は、用紙の画像形成面側に配設されており、搬送ベルト33等と同期して回転し、用紙に転写されたトナーを加熱しつつ、用紙に搬送力を付与する。他方、加圧ローラ82は、用紙を挟んで加熱ローラ81と反対側に配設されており、用紙を加熱ローラ81側に押圧しながら従動回転する。これにより、定着器80は、用紙に転写されたトナーを加熱溶融させて用紙に定着させるとともに、用紙を搬送経路Pの下流側に搬送する。なお、搬送経路Pは、定着器80より下流側で、上方に向けて略U字形状にカーブしている。そして、搬送経路Pの最も下流側には、排出トレイ5と排出ローラ28、29とが位置している。
【0041】
6.画像形成動作の概略
プリンタ1では、以下のようにして、用紙に画像が形成される。すなわち、画像形成動作が開始されると、給紙部20及び搬送ユニット30が稼動して用紙が画像形成部10に搬送され、スキャナ部60、各感光体ドラム71K〜71C及びプロセスカートリッジ70K〜70C等が稼動する。そうすると、回転する各感光体ドラム71K〜71Cの表面が帯電器72により一様に正帯電された後、スキャナ部60から照射されるレーザビームにより露光され、その結果、各感光体ドラム71K〜71Cの表面に画像形成用データに対応する静電潜像が形成される。
【0042】
次いで、現像ローラ74Cの回転により、現像ローラ74C上に担持され、かつ、正帯電されているトナーが、各感光体ドラム71K〜71Cに対向して接触するときに、各感光体ドラム71K〜71Cの表面上に形成されている静電潜像に供給される。これにより、感光体ドラム71の静電潜像は可視像化され、各感光体ドラム71K〜71Cの表面には反転現像によるトナー像が担持される。
【0043】
その後、各感光体ドラム71K〜71Cの表面上に担持されたトナー像は、転写ローラ73K〜73Cに印加される転写電圧によって用紙に転写される。そして、トナー像が転写された用紙が定着器80に搬送されると、加熱ローラ81及び押圧ローラ82により加熱加圧されて、トナー像が用紙に定着する。最後に、画像が形成された用紙が排出トレイ5に排出されて、画像形成動作が終了する。
【0044】
7.フレーム部材に対する感光体ユニットの装着及び取り外し
感光体ユニット90は、メンテナンスや消耗品の交換のために、以下に詳述する通り、図1に示す位置、すなわち、ハウジング3の内部で画像形成可能な位置である動作位置から、図7に示す位置、すなわち、ハウジング3の外部に取り外し可能な取り外し位置まで移動させることにより、フレーム部材に対して取り外し可能に構成されている。また、感光体ユニット90は、図7に示す取り外し位置から、図1に示す動作位置まで移動させることにより、フレーム部材に対して装着可能に構成されている。
【0045】
まず、フレーム部材に対して感光体ユニット90を装着及び取り外し可能とする構成について説明する。図2及び図4に示すように、感光体ユニット90において、前壁91及び後壁93の上端縁からは、ユーザが感光体ユニット90を保持するためのハンドル91A(前側)、93A(後ろ側)が上方に向けて突設されている。
【0046】
図2及び図4に示すように、左右両側枠92R、92Lの後端側上方には、幅方向外側(図2の紙面手前側及び図4に紙面手前側。)に突出する一対のカムホロワ99が回転可能に軸支されている。両カムホロワ99は、幅方向を向く同一線上に軸心を有している。また、左右両側枠92R、92Lの後端側において両カムホロワ99の下方には、垂直縁部と水平縁部とを有する切欠部96が凹設されている。さらに、左右両側枠92R、92Lの前端側には、幅方向に延在する細長円柱形状の支持軸95が設けられている。支持軸95の左右両端は、それぞれ幅方向外側(図2の紙面手前側及び図4に紙面手前側。)に突出している。
【0047】
図2に示すように、感光体ユニット90における右側枠92Rの幅方向外側を向く側面には、矩形状の金属片であるユニット側電極201〜212が上下二段で前後方向に所定の間隔を有して設けられている。図6に示すように、各ユニット側電極201〜212は、感光体ユニット90の小型化のため、右側枠92Rからあまり突出しないように、右側枠92Rの側面とほぼ面一となっている。感光体ユニット90の内部において、各ユニット側電極201〜212は、各現像ローラ74C、各感光体ドラム71K〜71C及び各帯電器72のそれぞれと電気的に接続されている。
【0048】
図4に示すように、感光体ユニット90における左側枠92Lには、開口221〜228が上下二段で前後方向に所定の間隔を有して設けられている。下段の開口221〜224内には、各感光体ドラム71K〜71Cの左端部に直結された被伝達部231〜234が配設されている。また、上段の開口225〜228内には、プロセスカートリッジ70K〜70Mの現像ローラ74Cに連結された被伝達部235〜238が配設されている。被伝達部231〜238は、駆動力の伝達に用いられる周知のカップリングを構成する従動側部品である。図6に示すように、被伝達部231〜238は、感光体ユニット90の小型化のため、左側枠92Rの幅方向外側を向く側面に対して突出しないように設けられている。
【0049】
また、左側枠92Lには、図4に示すように、下段の各被伝達部231〜234に隣接するように、前後方向に並ぶ位置決め凸部241〜244が設けられている。図6に示すように、位置決め凸部241〜244は、幅方向外側に向けて先細るように突出する台形状とされている。前方及び後方の位置決め凸部241、244は、中央の位置決め凸部242、243に対して、僅かに幅方向外側に突出している。すなわち、後述する基準面141〜144に対して、前方及び後方の位置決め凸部241、244が優先的に当接し、中央の位置決め凸部242、243は補助的に当接するようになっている。
【0050】
一方、図3及び図5に示すように、感光体ユニット90を幅方向両側から挟むように配設された左右の側壁3R、3Lには、カムホロワ99を案内する一対の第1案内面S1と、一対の第2案内面S2とが段状に形成されている。
【0051】
第1案内面S1は、装置の前後方向及び幅方向に水平であり、かつ前後方向に細長く延びる平面である。第2案内面S2は、幅方向に水平であり、かつ装置の後側に向けて斜め下方に傾斜する平面である。第1案内面S1の後側端縁と、第2案内面S2の前側端縁とは連続しており、第1案内面S1と第2案内面S2とで屈曲した案内面となっている。なお、図6に示すように、側壁3Lとカムホロワ99の端面との間、及び側壁3Rとカムホロワ99の端面との間には、カムホロワ99の回動を妨げない程度に、幅方向の隙間G1、G2が確保されている。
【0052】
図3及び図6に示すように、側壁3Rには、感光体ユニット90が動作位置にある状態で、ユニット側電極201〜212と対向する位置に、本体側電極101〜112が設けられている。本体側電極101〜112は、本発明の押圧手段に相当するものである。本体側電極101〜112の構成は同じであり、それぞれが図示しない電源や制御回路に接続されている。このため、本体側電極101について説明し、本体側電極102〜112の説明は省略する。
【0053】
図3に示すように、本体側電極101は、1本の金属線材が折り曲げ加工されてなる弾性部101Bと接触部101Aとを有する。弾性部101Bは、幅方向と平行な軸心C101を中心軸としてコイルバネ形状に折り曲げ加工されたものであり、図6に示すように、側壁3Rと、電気回路などを有する基板3Kとの間に圧縮された状態で配設されている。接触部101Aは、弾性部101Bに連続して、弾性部101Bの巻径よりも大きな円環形状部分を折り曲げ加工し、その円環形状部分を軸心C101に沿うように弾性部101Bに対して直角に折り曲げてなるものである。接触部101Aは、側壁3Rに貫設された矩形状のスリット3Sを介して、側壁3Rよりも幅方向内側(動作位置にある感光体ユニット90の右側枠92R側)に、その一部を突出させた状態とされている。
【0054】
接触部101Aをなす線材において側壁3Rから感光体ユニット90側に露出した部分は、側壁3Rの右側枠92Rと対向する面に沿って長く延びながらその面から湾曲して右側枠92R側に突出している。また、スリット3Sは、長手方向の幅が接触部101Aがなす円環の外径よりも長く、短手方向の幅が線材の太さよりも幅広であるが弾性部101Bのコイル径よりも小さい幅寸法を有している。このため、接触部101Aは、弾性部101Bの付勢作用にしたがって、あるいはその付勢作用に抗して、幅方向に進退可能となっている。
【0055】
図3に示すように、接触部101Aの円環形状部分を含む平面R101は、第1案内面S1及び第2案内面S2に対して浅い角度で交差するように設定されている。このようにするのは、感光体ユニット90の装着又は取り外し時において、接触部101Aと右側枠92Rとが擦れる際の抵抗力をできる限り小さくして、接触部101Aが捻れたり、屈曲したりする不具合を防止するためである。
【0056】
図5及び図6に示すように、側壁3Lには、感光体ユニット90が動作位置にある状態で、被伝達部231〜238と対向する位置に、開口121〜128が設けられている。開口121〜128内には、被伝達部231〜238のそれぞれに対して駆動力を伝達するための伝達部131〜138が配設されている。伝達部131〜138は、駆動力の伝達に用いられる周知のカップリングを構成する駆動側部品であり、図示しない電動モータに連結されている。図6に示すように、伝達部131〜138は、感光体ユニット90が動作位置に装着された後、フロントカバー6の開閉に連動する図示にしないリンク機構により幅方向内側(動作位置にある感光体ユニット90の左側枠92L側)に突出して、各被伝達部231〜238と係合するようになっている。
【0057】
また、側壁3Lには、図5に示すように、感光体ユニット90が動作位置にある状態で、位置決め凸部241〜244と対向する位置に、基準面141〜144が設けられている。図6に示すように、基準面141〜144は、幅方向内側(動作位置にある感光体ユニット90の左側枠92L側)に向けて先細るように突出する台形状とされている。各基準面141〜144の幅方向内側を向く面は、面一とされている。
【0058】
図9及び図11に示すように、フロントカバー6には、左右両側の下方から後方に向けて(すなわち、側壁3R、3Lに向けて)延びる一対の扇形状のカム板410が一体成形されている。各カム板410の扇形状の一方の半径部は、フロントカバー6の左右の側縁に連結されている。そして、各カム板410の扇形状の中心から偏心した部位には、一対の揺動軸411が設けられている。フロントカバー6は、各カム板410を介して、揺動軸411の軸芯周りで、フレーム部材に対して揺動可能に軸支されている。
【0059】
図9に示すように、側壁3R、3Lの前端側に形成されたフランジ部412には、上下方向に細長い貫通孔414が上下2箇所にそれぞれ形成されている。また、フランジ部412には、上下の貫通孔414に係合部501を係合させて上下方向に摺動するロック部材500が下方に向けて付勢された状態で設けられている。なお、ロック部材500は、フロントカバー6を閉鎖状態で保持する周知のロック機能を有するものでもあるが、本実施例ではその説明は省略する。
【0060】
図9及び図11に示すように、ロック部材500の下端には、カム板410の略円弧状の外周面と滑らかに当接するように面取り部502が形成されている。上述した通り、各カム板410は、その扇形状の中心から偏心した部位で、各揺動軸411に揺動可能に軸支されている。すなわち、カム板410の外周面は、フロントカバー6に近付くほど揺動軸411からの距離が短くなるように構成されている。このため、面取り部502に対してカム板410が当接しながら揺動することにより、ロック部材500は、フロントカバー6の開閉に応じて上下動するようになっている。フロントカバー6の開放時には、図9〜図11に示すように、ロック部材500が上昇する。一方、フロントカバー6の閉鎖時には、図12及び図13に示すように、ロック部材500が下降する。
【0061】
図10及び図13に拡大して示すように、フレーム部材3R、3Lの前端側には、一対の支持軸挿通孔411が穿設されている。支持軸挿通孔411は、下方において、前後方向に水平に延びる下部壁面411aと、下部壁面411aに対して上方に間隔を有して形成され、後下方に向かって傾斜する上部壁面411bと、下部壁面411aの後端縁から垂直に立ち上がり、上部壁面411bの後端縁に連結された垂直壁面411cとを有している。
【0062】
フロントカバー6が開放され、ロック部材500が上昇している状態では、図10に示すように、ロック部材500の下側傾斜面511と平坦面512とが一対の支持軸挿通孔411内に露出するようになっている。下側傾斜面511は、ロック部材500の上下方向の中間部の前面から後上方に向かって傾斜している。平坦面512は、その傾斜面511の後端に連接して水平方向に配設されている。
【0063】
一方、フロントカバー6が閉鎖され、ロック部材500が下降している状態では、図13に示すように、ロック部材500の第1傾斜面516と第2傾斜面517とが一対の支持軸挿通孔411内に露出するようになっている。第1傾斜面516は、下側傾斜面511に対して上方に間隔を有して形成され、後下方に向かって僅かに傾斜している。第2傾斜面517は、その第1傾斜面516の後端から後上方に向かって約45°の傾斜角で傾斜している。すなわち、ロック部材500が下降すると、下側傾斜面511及び平坦面512は、支持軸挿通孔411の下部壁面411aより下方に移動する一方、上方の第1傾斜面516及び第2傾斜面517が支持軸挿通孔411内まで下降するようになっている。カム板410、ロック部材500、支持軸挿通孔411が本発明のリフトアップ機構に相当する。
【0064】
次に、フレーム部材に対して感光体ユニット90を装着する動作について説明する。ユーザは、単体としての感光体ユニット90をフレーム部材に装着する際、まず、ハンドル91A、93Aを保持して、感光体ユニット90を図7に示す取り外し位置に配置する。すなわち、フロントカバー6が開放された状態において、感光体ユニット90の後方のカムホロワ99を第1案内面S1上に置く。そして、前側のハンドル91Aを保持しながら、感光体ユニット90をハウジング3内に挿入する。そうすると、カムホロワ99が第1案内面S1に沿って水平方向に転動する。このため、感光体ユニット90は第1案内面S1に平行な第1経路D1に沿って水平に挿入される。この際、側壁3Lとカムホロワ99の端面との間、及び側壁3Rとカムホロワ99の端面との間には、隙間G1、G2が確保されるようになっており、カムホロワ99を含む感光体ユニット90の幅方向の長さに対して、第1経路D1の幅方向の長さが少し大きく形成されている。これにより、感光体ユニット90が第1経路D1に対して挿入しやすくなっている。しかし、この隙間G1、G2により、感光体ユニット90の挿入時にがたつきが生じたり、ユーザが例えば、感光体ユニット90を第1経路D1において右寄りに挿入すると、動作位置付近に到達した際に、本来の正しい幅方向の位置(動作位置に対応する位置)に対して、ずれた状態で感光体ユニット90が挿入されてしまう可能性がある。その点、本実施形態のプリンタにおいては、各本体側電極101〜112が、第1経路D1に沿って移動する感光体ユニット90に対して、まず、装置の前方に位置する本体側電極101、102から順次、右側枠92Rに当接する。そして、各本体側電極101〜112は、感光体ユニット90に対して、幅方向に、すなわち、感光体ユニット90の左側枠92Lが側壁3Lに接近するように左方向に押圧力を付与する。この本体側電極101〜112の押圧力により、感光体ユニット90のがたつきや、本来の正しい幅方向の位置に対して右寄りに挿入されることを強制的に防止している。
【0065】
さらに、感光体ユニット90をハウジング3の奥に挿入すると、図8に示すように、カムホロワ99は、第1案内面S1から第2案内面S2に移動し、第2案内面S2に沿って斜め下方に向けて転動する。このため、感光体ユニット90は、第2案内面S2に平行な第2経路D2に沿って斜め下方に挿入され、用紙搬送面33Aに接近する。この際にも、各本体側電極101〜112は、感光体ユニット90に対して、幅方向に、すなわち、感光体ユニット90の左側枠92Lが側壁3Lに接近するように押圧力を付与する。
【0066】
そして、第2経路D2に沿って感光体ユニット90がさらに奥まで挿入されると、図9及び図10に示すように、感光体ユニット90の前方の支持軸95は、一対の支持軸挿通孔411内に挿入され、上部壁面411bと平坦面512とに当て止まる。この位置が第2経路D2の終点、すなわち、動作位置の直前の位置である。この位置では、感光体ユニット90は、用紙搬送面33Aに対して上方に僅かに持ち上がった状態となっている。この際、図11に示すように、切欠部96は、基準軸420に対して前上方に僅かに間隔を有した状態となっている。
【0067】
ここで、第1経路D1の途中から第2経路D2の終点まで、各本体側電極101〜112が感光体ユニット90を基準面141〜144側に向けて付勢することにより、図6に示すように、第2経路D2の終点では、搬送経路Pの上流側及び下流側(用紙搬送面33Aの前側及び後ろ側)の基準面141、144が位置決め凸部241、244に優先的に当接して、感光体ユニット90の幅方向の位置決めを行う。また、基準面142、143が位置決め凸部242、243に補助的に当接して、感光体ユニット90の幅方向の位置決めを確実に行う。なお、第2経路D2の終点では、位置決め凸部241〜244は、図6に示す位置より僅かに上方に位置しており、基準面141〜144に対して僅かに上方にずれている。
【0068】
次に、ユーザがフロントカバー6を閉鎖すると、図12及び図13に示すように、ロック部材500が下降する。そうすると、支持軸95に対して下方から当接していた平坦面512は、下部壁面411aより下方に移動する一方、上方の第2傾斜面517が支持軸95を下方に向けて押圧しつつ、支持軸挿通孔411内まで下降する。このため、支持軸95は、上部壁面411bに当接しつつ後下方に、すなわち、図10に示す第3経路D3に沿って移動して、下部壁面411aと、垂直壁面411cと、第2傾斜面517とに把持される。この際、図示は省略するが、切欠部96も後下方に移動して、図11に示す基準軸420に対して当て止まる。これにより、感光体ユニット90の前後方向及び上下方向の位置決めを行うことができる。
【0069】
こうして、第3経路D3に沿って感光体ユニット90が移動して動作位置に到達すると、図6に示すように、位置決め凸部241〜244は、基準面141〜144と対面しつつ当接する状態となる。この際にも、各本体側電極101〜112は、感光体ユニット90に対して、幅方向に、すなわち、感光体ユニット90の左側枠92Lが側壁3Lに接近するように押圧力を付与する。
【0070】
また、感光体ユニット90が動作位置に到達すると、各本体側電極101〜112の接触部101Aは、それぞれ、幅方向で対向するユニット側電極201〜212と接触して電気的に接続される。これにより、フレーム部材3R側に設けられた電源や基板3K上の制御回路から、感光体ユニット90を構成する感光体ドラム71K〜71C等の部品に給電することが可能となる。
【0071】
さらに、感光体ユニット90が動作位置に到達した後、フロントカバー6の開閉と連動する図示しないリンク機構により、伝達部131〜138が幅方向内側に、すなわち、感光体ユニット90の左側枠92Lに向けて接近するように移動し、伝達部131〜138が被伝達部231〜238に係合する。この際、感光体ユニット90が幅方向の左寄りに押圧されていることで、伝達部131〜138が被伝達部231〜238に対して精度良く係合される。これにより、伝達部131〜138は、フレーム部材側に設けられた駆動モータから、感光体ユニット90に対して駆動力を伝達することが可能となる。なお、伝達部131〜138が幅方向内側に移動する際、被伝達部231〜238を介して、感光体ユニット90を幅方向外側に位置ずれさせようとする押圧力が作用する場合があるが、この際にも、本体側電極101〜112の幅方向内側の押圧力により、感光体ユニット90が位置ずれし難くなっている。
【0072】
こうして、装着経路D1〜D3に沿って移動して動作位置に装着される感光体ユニット90は、各本体側電極101〜112により、幅方向(本実施例では、装着経路D1〜D3の幅方向左寄り)で確実に位置決めされるので、その結果として、感光体ドラム71K〜71Cが、搬送経路Pの軸線(用紙搬送面33Aにおける前後方向の中心線)に対して平行にずれたり、搬送経路Pの軸線(用紙搬送面33Aにおける前後方向の中心線)に対して傾斜しつつずれたりする不具合が生じ難くなっている。
【0073】
次に、フレーム部材から感光体ユニット90を取り外す動作について簡単に説明する。ユーザがフロントカバー6が開放すると、図6に示すように、フロントカバー6の開閉と連動する図示しないリンク機構により、伝達部131〜138が幅方向外側に、すなわち、感光体ユニット90の左側枠92Lから離反するように移動し、伝達部131〜138が被伝達部231〜238に係合しなくなる。その後、ロック部材500が上昇する。そうすると、図10に示すように、平坦面512が上昇して支持軸95を持ち上げる。このため、支持軸95は、上部壁面411bに当接しつつ前上方に、すなわち、装着時とは逆方向に第3経路D3に沿って移動する。この際、図11に示すように、切欠部96も前上方に移動して、基準軸420から離反する。これにより、感光体ユニット90は、用紙搬送面33Aに対して上方に持ち上がった状態となる。
【0074】
そして、図8に示すように、ユーザが前側のハンドル91Aを保持しながら、感光体ユニット90をハウジング3内から手前に引き出す。そうすると、カムホロワ99は、第2案内面S2に沿って斜め上方に向けて転動する。このため、感光体ユニット90は、装着時とは逆方向に第2経路D2に沿って斜め上方に引き出され、用紙搬送面33Aからさらに離反する。
【0075】
さらに、感光体ユニット90が手前に引き出されると、図7に示すように、カムホロワ99は、第2案内面S2から第1案内面S1に移動し、第1案内面S1に沿って水平方向に転動する。このため、感光体ユニット90は、装着時とは逆方向に第1経路D12に沿って水平に引き出される。こうして、感光体ユニット90が図7に示す取り外し位置まで引き出されると、ユーザは、ハンドル91A、93Aを保持して感光体ユニット90をハウジング3の外部に取り外すことができる。
【0076】
<作用効果>
実施例のプリンタ1によれば、押圧手段としての本体側電極101〜112は、装着経路D1〜D3に沿って移動する感光体ユニット90に対して、少なくとも図1に示す動作位置に至る直前において幅方向に押圧力を付与することにより、装置本体の基準面141〜144側に向けて感光体ユニット90の位置決め凸部241〜244を付勢する。このため、基準面141〜144は、感光体ユニット90に対して、搬送経路Pの上流側及び下流側(用紙搬送面33Aの前側及び後ろ側)の少なくとも2箇所で幅方向の外側から位置決め凸部241〜244に当接して、確実に感光体ユニット90を幅方向で位置決めできる。
【0077】
また、感光体ユニット90を確実に位置決めした後であれば、伝達部131〜138と被伝達部231〜238とが係合することにより、伝達部131〜138から被伝達部231〜238に対して幅方向(伝達部131〜138と被伝達部231〜238との対向方向とは逆方向)の押圧力が作用したとしても、感光体ユニット90が幅方向で位置ずれし難い。
【0078】
したがって、実施例のプリンタ1によれば、図1に示す動作位置において、各感光体ドラム71K〜71Cと搬送経路P上の用紙との相対位置関係がずれることを抑制することができ、その結果として、画像形成の品位が低下することを防止できる。
【0079】
また、プリンタ1によれば、本体側電極101〜112が押圧手段を兼ねるので、押圧手段を専用部材として別途設ける場合と比較して、部品点数を削減できる。
【0080】
特に、本実施例では、複数個の本体側電極101〜112が押圧手段を兼ねる構成により、感光体ユニット90に対して、複数の異なる位置から押圧力を分散させつつ付与することができるため、感光体ユニット90を均等に幅方向に押圧することができる。このため、図1に示す動作位置に到達した感光体ユニット90の位置決め凸部241、244に対して、搬送経路Pの上流側及び下流側(用紙搬送面33Aの前側及び後ろ側)で基準面141、144が確実に当接するので、感光体ユニット90を幅方向で一層精度よく位置決めできる。特に、搬送経路Pの軸線(用紙搬送面33Aにおける前後方向の中心線)に対して各感光体ドラム71K〜71Cが傾斜しつつずれることを確実に抑制できる。また、上記構成により、各本体側電極101〜112の付勢力を弱くすることができる。このため、装着経路D1〜D3に沿って感光体ユニット90が移動する際の幅方向のガタつきを確実に抑制できるとともに、過度に押圧することがないので、感光体ユニット90をスムーズに移動させ易くなる
【0081】
さらに、プリンタ1によれば、本体側電極101〜112は、装着経路D1〜D3に沿って移動する感光体ユニット90に対して、第1経路D1及び第2経路D2においても、幅方向に押圧力を付与する。すなわち、本体側電極101〜112は、装着経路D1〜D3に沿って移動する初期段階から、感光体ユニット90に対して、本体側電極101〜112が押圧力を付与する。このため、装着経路D1〜D3に沿って感光体ユニット90が移動する際の幅方向のガタつきを確実に抑制できるので、感光体ユニット90をよりスムーズに移動させ易くなる。また、一直線の装着経路と比較して、屈曲する装着経路D1〜D3により、プリンタ1の小型化を容易に実現できる。
【0082】
また、プリンタ1では、装置本体がリフトアップ機構(カム板410、支持軸挿通孔411、ロック部材500)を有しており、第3経路D3に沿って感光体ユニット90が装着のために移動する際、第2傾斜面517が支持軸95を下方に向けて押圧することにより感光体ユニット90が幅方向で移動し難くなる。
【0083】
この点、プリンタ1によれば、本体側電極101〜112は、第2傾斜面517が支持軸95を下方に向けて押圧する以前に、第1経路D1の途中から幅方向に押圧力を付与して、感光体ユニット90の位置決め凸部241〜244を基準面141〜144に対して幅方向で接近させておくことができる。このため、リフトアップ機構の影響を受けることなく、基準面141〜144による位置決めを確実に行える。
【0084】
以上において、本発明を実施例に即して説明したが、本発明は上記実施例に制限されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更して適用できることはいうまでもない。
【0085】
例えば、実施例の伝達部131〜138及び被伝達部231〜238の代わりに、はす歯ギヤ等の歯車を採用してもかまわない。はす歯ギヤを採用する場合、画像形成動作時に、伝達部としてのはす歯ギヤが被伝達部としてのはす歯ギヤを回転駆動することにより、伝達部から被伝達部に幅方向の押圧力が作用し易い。この点、本実施例の本体側電極101〜112は、画像形成動作時にも、感光体ユニット90に対して幅方向の押圧力を付与するので、はす歯ギヤの回転駆動に伴う感光体ユニット90の幅方向の位置ずれも生じ難くなる。
【0086】
また、実施例の第2経路D1を無くして、第1経路D1の終点から、リフトアップ機構により感光体ユニット90を図1に示す動作位置まで移動させる構成とすて、プリンタ1の薄型化を図ることもできる。
【産業上の利用可能性】
【0087】
本発明は画像形成装置に利用可能である。
【符号の説明】
【0088】
P…搬送経路
71K、71M、71Y、71C…感光体(感光体ドラム)
90…感光体ユニット
1…画像形成装置(プリンタ)
D1、D2、D3…装着経路(D1…第1経路、D2…第2経路、D3…第3経路)
131〜138…伝達部
231〜238…被伝達部
141〜144…基準面
101〜112…押圧手段(本体側電極)
201〜212…ユニット側電極
410、411、500…リフトアップ機構(410…カム板、411…支持軸挿通孔、500…ロック部材)
【技術分野】
【0001】
本発明は画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に従来の画像形成装置の例が開示されている。この画像形成装置は、被記録媒体が搬送される搬送経路が設けられた装置本体と、複数色に対応する複数体の感光体が搬送経路に沿って直列に配置されたタンデム型の感光体ユニットとを備える。そして、搬送経路を搬送される被記録媒体の表面に各感光体が担持するトナー像を転写して、カラー画像を形成する電子写真方式のものである。
【0003】
感光体ユニットは、装置本体の外部に取り外し可能な取り外し位置から、装置本体の内部で画像形成可能な動作位置に到る装着経路に沿って移動することにより、装置本体に対して装着可能に構成されている。また、装着時とは逆方向に装着経路に沿って移動することにより、装置本体に対して取り外し可能に構成されている。
【0004】
装置本体は、搬送経路に直交する方向である幅方向の外側から、動作位置にある感光体ユニットに対して駆動力を伝達する伝達部を有する。感光体ユニットは、動作位置において、伝達部と幅方向で対向しつつ係合して、伝達部から駆動力を受ける被伝達部(図7に示されたカップリング受動ギヤ70。)を有する。
【0005】
さらに、装置本体は、動作位置にある感光体ユニットの前側から幅方向外側に突出する位置決め軸部に対して後下方から当接する当接面と、当接面に当接する位置決め軸部を後方に向けて押圧する押圧アームと、動作位置にある感光体ユニットの後端側に凹設された切欠部に後下方から当接する基準軸とを有する。
【0006】
この画像形成装置では、感光体ユニットが装着経路に沿って移動して動作位置に到達すると、位置決め軸部が当接面に当接し、その位置決め軸部を押圧アームが後方に向けて押圧する。これにより、切欠部が基準軸に確実に当接して、感光体ユニットを搬送経路に沿う方向である前後方向で位置決めするようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2007−178657号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、上記従来の画像形成装置では、感光体ユニットが装着経路に沿って移動する際の幅方向のガタつきにより、動作位置に到達した感光体ユニットが本来の位置に対して幅方向で位置ずれする場合がある。また、装置本体の伝達部と、動作位置にある感光体ユニットの被伝達部とが幅方向で対向しつつ係合する際に、伝達部から被伝達部に対して幅方向の押圧力が作用して、感光体ユニットが幅方向(対向方向とは逆方向)で位置ずれする場合もある。これらの場合、搬送経路に沿って直列に配置された各感光体と、搬送経路上の被記録媒体との相対位置関係がずれて、より詳しくは、感光体ユニットが搬送経路の軸線に対して平行にずれたり、搬送経路の軸線に対して傾斜しつつずれたりして、画像形成の品位が低下するという問題が生じるおそれがある。
【0009】
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、動作位置において、各感光体と搬送経路上の被記録媒体との相対位置関係がずれることを抑制できる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の画像形成装置は、被記録媒体が搬送される搬送経路が設けられた装置本体と、複数色に対応する複数体の感光体が前記搬送経路に沿って直列に配置されたタンデム型の感光体ユニットとを備え、前記搬送経路に沿って搬送される前記被記録媒体の表面に各前記感光体が担持するトナー像を転写して、カラー画像を形成する電子写真方式の画像形成装置であって、前記感光体ユニットは、前記装置本体の外部に取り外し可能な取り外し位置から、前記装置本体の内部で画像形成可能な動作位置に到る装着経路に沿って移動することにより、前記装置本体に対して装着可能に構成されているとともに、前記装着時とは逆方向に前記装着経路に沿って移動することにより、前記装置本体に対して取り外し可能に構成され、前記装置本体は、前記搬送経路に直交する方向である幅方向の外側から、前記動作位置にある前記感光体ユニットに対して駆動力を伝達する伝達部を有し、前記感光体ユニットは、前記動作位置において、前記伝達部と前記幅方向で対向しつつ係合して、前記伝達部から駆動力を受ける被伝達部を有し、さらに、前記装置本体は、前記動作位置にある前記感光体ユニットに対して、前記搬送経路中の少なくとも2箇所で前記幅方向の外側から当接して、前記感光体ユニットを前記幅方向で位置決めする基準面と、前記装着経路に沿って移動する前記感光体ユニットに対して、少なくとも前記動作位置に至る直前において前記幅方向に押圧力を付与することにより、前記基準面に向けて前記感光体ユニットを付勢する押圧手段とを有することを特徴とする(請求項1)。
【0011】
本発明の画像形成装置によれば、押圧手段は、装着経路に沿って移動する感光体ユニットに対して、少なくとも動作位置に至る直前において前記幅方向に押圧力を付与することにより、装置本体の基準面に向けて感光体ユニットを付勢する。このため、基準面は、感光体ユニットに対して、搬送経路中の少なくとも2箇所で幅方向の外側から当接して、感光体ユニットを幅方向で確実に位置決めできる。
【0012】
また、感光体ユニットを幅方向で確実に位置決めした後であれば、伝達部と被伝達部とが係合することにより、伝達部から被伝達部に対して幅方向の押圧力が作用したとしても、感光体ユニットが幅方向(対向方向とは逆方向)で位置ずれし難い。
【0013】
したがって、本発明の画像形成装置によれば、動作位置において、各感光体と搬送経路上の被記録媒体との相対位置関係がずれることを抑制することができ、その結果として、画像形成の品位が低下することを防止できる。
【0014】
本発明の画像形成装置において、感光体ユニットは、感光体ユニットを構成する部品と電気的に接続されたユニット側電極を有し、装置本体は、動作位置にある感光体ユニットのユニット側電極に接触して電気的に接続され、前記部品に給電する本体側電極を有し、押圧手段は、本体側電極を兼ねていることが望ましい(請求項2)。
【0015】
この構成によれば、押圧手段が本体側電極を兼ねるので、押圧手段を専用部材として別途設ける場合と比較して、部品点数を削減できる。
【0016】
本発明の画像形成装置において、感光体ユニットは、感光体ユニットを構成する複数個の部品と電気的に接続された複数個のユニット側電極を有し、装置本体は、動作位置にある感光体ユニットのユニット側電極に接触して電気的に接続され、前記部品に給電する複数個の本体側電極を有し、押圧手段は、本体側電極を兼ねていることが望ましい(請求項3)。
【0017】
この構成によれば、押圧手段を兼ねる複数個の本体側電極により、感光体ユニットに対して、複数の異なる位置から押圧力を分散させつつ付与することができるため、感光体ユニットを均等に幅方向に押圧することができる。このため、動作位置に到達した感光体ユニットに対して、搬送経路中の少なくとも2箇所で基準面が確実に当接するので、感光体ユニットを幅方向で一層精度よく位置決めできる。特に、搬送経路の軸線に対して各感光体が傾斜しつつずれることを確実に抑制できる。また、上記構成により、各本体側電極の付勢力を弱くすることができる。このため、装着経路に沿って感光体ユニットが移動する際の幅方向のガタつきを確実に抑制できるとともに、過度に押圧することがないので、感光体ユニットをスムーズに移動させ易くなる。
【0018】
本発明の画像形成装置において、装着経路は、取り外し位置から装置本体の内部に直線的に向かう第1経路と、第1経路の終点から第1経路と交差して搬送経路に接近する方向に直線的に向かう第2経路とを有し、押圧手段は、装着経路に沿って移動する感光体ユニットに対して、第1経路及び第2経路においても、幅方向に押圧力を付与することが望ましい(請求項4)。
【0019】
この構成によれば、装着経路に沿って移動する初期段階から、感光体ユニットに対して、押圧手段が押圧力を付与する。このため、装着経路に沿って感光体ユニットが移動する際の幅方向のガタつきを確実に抑制できるので、感光体ユニットをよりスムーズに移動させ易くなる。また、一直線の装着経路と比較して、屈曲する装着経路により、画像形成装置の小型化を容易に実現できる。
【0020】
本発明の画像形成装置において、装着経路は、さらに、第2経路の終点から感光体ユニットにおける取り外し位置に近い側が下方に移動して動作位置に至る第3経路を有し、装置本体は、第3経路に沿って感光体ユニットが装着のために移動する際には、感光体ユニットにおける取り外し位置に近い側を押圧しつつ動作位置まで下降させるとともに、取り外しのために感光体ユニットが移動する際には、感光体ユニットにおける取り外し位置に近い側を第3経路において装着時とは逆方向に持ち上げるリフトアップ機構を有し、押圧手段は、リフトアップ機構により感光体ユニットが下方に移動して動作位置に至る前に、幅方向に押圧力を付与することが望ましい(請求項5)。
【0021】
装置本体がリフトアップ機構を有する場合、第3経路に沿って感光体ユニットが装着のために移動する際、リフトアップ機構の押圧動作により感光体ユニットが幅方向で移動し難くなる。
【0022】
この点、この構成によれば、リフトアップ機構の押圧動作により感光体ユニットが幅方向で移動し難くなる前に、感光体ユニットを基準面に対して幅方向で接近させておくことができる。このため、リフトアップ機構の影響を受けることなく、基準面による位置決めを確実に行える。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】実施例の画像形成装置の概略断面図である。
【図2】実施例の画像形成装置に係り、感光体ユニットの右側面図である。
【図3】実施例の画像形成装置に係り、装置本体のフレーム部材(右側の側壁)を示す斜視図である。
【図4】実施例の画像形成装置に係り、感光体ユニットの左側面図である。
【図5】実施例の画像形成装置に係り、装置本体のフレーム部材(左側の側壁)を示す斜視図である。
【図6】実施例の画像形成装置に係り、感光体ユニット、フレーム部材、本体側電極、ユニット側電極、伝達部、被伝達部、位置決め凸部及び基準面の幅方向の相対位置関係を示す概略断面図である。
【図7】実施例の画像形成装置に係り、感光体ユニットの装着動作及び取り外し動作を示す概略断面図である。
【図8】実施例の画像形成装置に係り、感光体ユニットの装着動作及び取り外し動作を示す概略断面図である。
【図9】実施例の画像形成装置に係り、フロントカバーの開放時の構成を表す斜視図である。
【図10】実施例の画像形成装置に係り、図9に示すA部の拡大斜視図である。
【図11】実施例の画像形成装置に係り、フロントカバーの開放時の構成を表す斜視図である。
【図12】実施例の画像形成装置に係り、フロントカバーの閉鎖時の構成を可動カバーの一部を省略して表す斜視図である。
【図13】実施例の画像形成装置に係り、図12に示すB部の拡大斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の画像形成装置を具体化した実施例を図面を参照しつつ説明する。
【0025】
(実施例)
図1に示すように、実施例の画像形成装置の一例としてのプリンタ1は、電子写真方式により被記録媒体としての用紙(OHPシート等を含む。)に複数色からなるカラー画像を形成するカラーレーザプリンタである。図1では、紙面右側を装置の前側と規定し、紙面左側を装置の後側と規定する。また、装置を前側から見た場合に左手に来る側(紙面手前側)を左側と規定し、その反対側を右側と規定して、前後、左右及び上下の各方向を表示する。そして、図2〜図13に示す前後、左右及び上下の各方向は、全て図1に示す各方向に対応させて表示する。以下、図1に基づいて、プリンタ1が備える各構成要素について説明する。
【0026】
1.概略構成
ハウジング3は略箱状体であり、その内側にはフレーム部材(図3及び図6にフレーム部材を構成する右側の側壁3Rを示す。また、図5及び図6にフレーム部材を構成する左側の側壁3Lを示す。)が設けられている。このフレーム部材には、給紙部20、画像形成部10、搬送ユニット30及び定着器80等が組み付けられている。画像形成部10は、ハウジング3の略中央に位置する。
【0027】
ハウジング3の上面側には、画像形成を終えて排出ローラ28、29から排出される用紙が載置される排出トレイ5が設けられている。ハウジング3内において、下方の給紙部20から画像形成部10、搬送ユニット30及び定着器80等を介して上方の排出トレイ5に到る略「S」字状の経路(図1中、太い二点鎖線で示す。)が、用紙の搬送経路Pである。そして、搬送経路Pに直交する方向である幅方向は、各図に示す左右方向である(図6に、幅方向と左右方向との対応関係を図示する。)。ハウジング3の前面には、下端側を揺動中心軸として開閉可能なフロントカバー6が設けられている。
【0028】
画像形成部10は、後述する通り、スキャナ部60と感光体ユニット90とにより構成されている。ここで、感光体ユニット90を除いた上記構成要素(ハウジング3、フレーム部材3R、3L、給紙部20、スキャナ部60、搬送ユニット30及び定着器80等)が本発明の装置本体に相当する。また、感光体ユニット90が本発明の感光体ユニットに相当する。
【0029】
2.給紙部
給紙部20は、ハウジング3の下方に着脱可能に収納された給紙トレイ21、給紙トレイ21の前端部上方に設けられて給紙トレイ21に載置された用紙を画像形成部10に給紙(搬送)する給紙ローラ22、及び用紙に所定の搬送抵抗を与えることで給紙ローラ22により給紙される用紙を1枚毎に分離する分離パッド23等を有している。
【0030】
そして、用紙の搬送経路Pのうち、前方の略U字状に転向する部位には、略U字状に湾曲しながら画像形成部10に搬送される用紙に搬送力を与える搬送ローラ24、25が配設されている。また、搬送ローラ24、25よりも搬送経路Pの下流側には、搬送ローラ24、25により搬送されてくる用紙の先端に接触することでその用紙の斜行を補正した後、その用紙をさらに画像形成部10へ向けて搬送するレジストローラ26、27が設けられている。
【0031】
3.搬送ユニット
搬送ユニット30は、下方の給紙トレイ21と上方の画像形成部10との間に配置されており、搬送ベルト33及び転写ローラ73K、73Y、73M、73C等を有している。
【0032】
搬送ベルト33は、画像形成部10の後端側下方に位置する駆動ローラ31と、画像形成部10の前端側下方に位置する従動ローラ32との間に巻き付けられている。そして、駆動ローラ31が給紙部20のレジストローラ26、27等と同期して回転することにより、搬送ベルト33が駆動ローラ31と従動ローラ32との間を循環するようになっている。搬送ベルト33の上側の面は、画像形成部10の直下において、略水平に配置されており、用紙の裏面と当接して、用紙を搬送経路Pに沿って搬送する用紙搬送面33Aとされている。
【0033】
転写ローラ73K〜73Cは、用紙搬送面33Aの裏面側から搬送ベルト33に当接する状態で、搬送ユニット30に設けられている。搬送ベルト33は導電性ゴム製であるので、各転写ローラ73K〜73Cに印加されるマイナスの電荷(転写電圧)により搬送ベルト33も帯電する。これにより、搬送ベルト33は、静電気力で用紙を用紙搬送面33Aに吸着させつつ、搬送経路Pに沿って用紙を搬送することができる。
【0034】
4.画像形成部
画像形成部10は、ハウジング3内の最上方に配設されたスキャナ部60と、ハウジング3内において、スキャナ部60の下方、かつ用紙搬送面33Aの上方に設けられた感光体ユニット90とにより構成されている。
【0035】
スキャナ部60は、レーザ光源、ポリゴンミラー、fθレンズ及び反射鏡等を有している。そして、レーザ光源から発光されるレーザビームは、ポリゴンミラーで偏向されて、fθレンズを通過した後、反射鏡によって光路が折り返され、さらに、反射鏡によって光路が下方に屈曲されることにより、後述する4体の感光体ドラム71K、71Y、71M、71Cの表面上に照射され、ブラック、イエロー、マゼンダ、シアンの4色に対応する静電潜像を形成するようになっている。
【0036】
感光体ユニット90は、図2、図4及び図6に示すように、枠形状に組み合わされた前壁91、右側枠92R、左側枠92L及び後壁93とを有する(「ドロワーケース」ともいう。)。左側枠92L及び右側枠92Rには、4体の感光体ドラム71K、71Y、71M、71Cが、搬送ベルト33の用紙搬送面33Aに当接した状態で回転可能に軸支されている。各感光体ドラム71K〜71Cの上方には、4体のプロセスカートリッジ70K、70Y、70M、70Cが、左側枠92L及び右側枠92Rに対して着脱可能に設けられている。各感光体ドラム71K〜71Cの近傍には、それらの表面に対向するように、周知の帯電器72(図1に示す。)が配設されている。
【0037】
各感光体ドラム71K〜71C及び各プロセスカートリッジ70K〜70Cは、ブラック、イエロー、マゼンダ、シアンの4色に対応しており、図1に示すように、用紙搬送面33Aの上流から下流に向けて直列に配設されている。このような構成、すなわち、各感光体ドラム71K〜71C及び各プロセスカートリッジ70K〜70Cが用紙の搬送経路Pに沿って直列に配設された構成を「タンデム式」という。
【0038】
各感光体ドラム71K〜71C及びプロセスカートリッジ70K〜70Cは、対応するトナーの色が異なるのみでその他は同一であるので、プロセスカートリッジ70Cを例にその構造を説明する。
【0039】
プロセスカートリッジ70Cは、トナーが収容されたトナー収容室74A、供給ローラ74B及び現像ローラ74C等を有している。そして、トナー収容室74A内のトナーは、供給ローラ74Bの回転によって現像ローラ74C側に供給されて、現像ローラ74Cの表面に担持され、層厚規制ブレード74Dにより所定の厚みに調整された後、感光体ドラム71Cの表面に供給されるようになっている。
【0040】
5.定着器
定着器80は、用紙の搬送経路Pにおいて感光体ユニット90より下流側に配設されている。定着器80は、加熱ローラ81と加圧ローラ82とを有している。加熱ローラ81は、用紙の画像形成面側に配設されており、搬送ベルト33等と同期して回転し、用紙に転写されたトナーを加熱しつつ、用紙に搬送力を付与する。他方、加圧ローラ82は、用紙を挟んで加熱ローラ81と反対側に配設されており、用紙を加熱ローラ81側に押圧しながら従動回転する。これにより、定着器80は、用紙に転写されたトナーを加熱溶融させて用紙に定着させるとともに、用紙を搬送経路Pの下流側に搬送する。なお、搬送経路Pは、定着器80より下流側で、上方に向けて略U字形状にカーブしている。そして、搬送経路Pの最も下流側には、排出トレイ5と排出ローラ28、29とが位置している。
【0041】
6.画像形成動作の概略
プリンタ1では、以下のようにして、用紙に画像が形成される。すなわち、画像形成動作が開始されると、給紙部20及び搬送ユニット30が稼動して用紙が画像形成部10に搬送され、スキャナ部60、各感光体ドラム71K〜71C及びプロセスカートリッジ70K〜70C等が稼動する。そうすると、回転する各感光体ドラム71K〜71Cの表面が帯電器72により一様に正帯電された後、スキャナ部60から照射されるレーザビームにより露光され、その結果、各感光体ドラム71K〜71Cの表面に画像形成用データに対応する静電潜像が形成される。
【0042】
次いで、現像ローラ74Cの回転により、現像ローラ74C上に担持され、かつ、正帯電されているトナーが、各感光体ドラム71K〜71Cに対向して接触するときに、各感光体ドラム71K〜71Cの表面上に形成されている静電潜像に供給される。これにより、感光体ドラム71の静電潜像は可視像化され、各感光体ドラム71K〜71Cの表面には反転現像によるトナー像が担持される。
【0043】
その後、各感光体ドラム71K〜71Cの表面上に担持されたトナー像は、転写ローラ73K〜73Cに印加される転写電圧によって用紙に転写される。そして、トナー像が転写された用紙が定着器80に搬送されると、加熱ローラ81及び押圧ローラ82により加熱加圧されて、トナー像が用紙に定着する。最後に、画像が形成された用紙が排出トレイ5に排出されて、画像形成動作が終了する。
【0044】
7.フレーム部材に対する感光体ユニットの装着及び取り外し
感光体ユニット90は、メンテナンスや消耗品の交換のために、以下に詳述する通り、図1に示す位置、すなわち、ハウジング3の内部で画像形成可能な位置である動作位置から、図7に示す位置、すなわち、ハウジング3の外部に取り外し可能な取り外し位置まで移動させることにより、フレーム部材に対して取り外し可能に構成されている。また、感光体ユニット90は、図7に示す取り外し位置から、図1に示す動作位置まで移動させることにより、フレーム部材に対して装着可能に構成されている。
【0045】
まず、フレーム部材に対して感光体ユニット90を装着及び取り外し可能とする構成について説明する。図2及び図4に示すように、感光体ユニット90において、前壁91及び後壁93の上端縁からは、ユーザが感光体ユニット90を保持するためのハンドル91A(前側)、93A(後ろ側)が上方に向けて突設されている。
【0046】
図2及び図4に示すように、左右両側枠92R、92Lの後端側上方には、幅方向外側(図2の紙面手前側及び図4に紙面手前側。)に突出する一対のカムホロワ99が回転可能に軸支されている。両カムホロワ99は、幅方向を向く同一線上に軸心を有している。また、左右両側枠92R、92Lの後端側において両カムホロワ99の下方には、垂直縁部と水平縁部とを有する切欠部96が凹設されている。さらに、左右両側枠92R、92Lの前端側には、幅方向に延在する細長円柱形状の支持軸95が設けられている。支持軸95の左右両端は、それぞれ幅方向外側(図2の紙面手前側及び図4に紙面手前側。)に突出している。
【0047】
図2に示すように、感光体ユニット90における右側枠92Rの幅方向外側を向く側面には、矩形状の金属片であるユニット側電極201〜212が上下二段で前後方向に所定の間隔を有して設けられている。図6に示すように、各ユニット側電極201〜212は、感光体ユニット90の小型化のため、右側枠92Rからあまり突出しないように、右側枠92Rの側面とほぼ面一となっている。感光体ユニット90の内部において、各ユニット側電極201〜212は、各現像ローラ74C、各感光体ドラム71K〜71C及び各帯電器72のそれぞれと電気的に接続されている。
【0048】
図4に示すように、感光体ユニット90における左側枠92Lには、開口221〜228が上下二段で前後方向に所定の間隔を有して設けられている。下段の開口221〜224内には、各感光体ドラム71K〜71Cの左端部に直結された被伝達部231〜234が配設されている。また、上段の開口225〜228内には、プロセスカートリッジ70K〜70Mの現像ローラ74Cに連結された被伝達部235〜238が配設されている。被伝達部231〜238は、駆動力の伝達に用いられる周知のカップリングを構成する従動側部品である。図6に示すように、被伝達部231〜238は、感光体ユニット90の小型化のため、左側枠92Rの幅方向外側を向く側面に対して突出しないように設けられている。
【0049】
また、左側枠92Lには、図4に示すように、下段の各被伝達部231〜234に隣接するように、前後方向に並ぶ位置決め凸部241〜244が設けられている。図6に示すように、位置決め凸部241〜244は、幅方向外側に向けて先細るように突出する台形状とされている。前方及び後方の位置決め凸部241、244は、中央の位置決め凸部242、243に対して、僅かに幅方向外側に突出している。すなわち、後述する基準面141〜144に対して、前方及び後方の位置決め凸部241、244が優先的に当接し、中央の位置決め凸部242、243は補助的に当接するようになっている。
【0050】
一方、図3及び図5に示すように、感光体ユニット90を幅方向両側から挟むように配設された左右の側壁3R、3Lには、カムホロワ99を案内する一対の第1案内面S1と、一対の第2案内面S2とが段状に形成されている。
【0051】
第1案内面S1は、装置の前後方向及び幅方向に水平であり、かつ前後方向に細長く延びる平面である。第2案内面S2は、幅方向に水平であり、かつ装置の後側に向けて斜め下方に傾斜する平面である。第1案内面S1の後側端縁と、第2案内面S2の前側端縁とは連続しており、第1案内面S1と第2案内面S2とで屈曲した案内面となっている。なお、図6に示すように、側壁3Lとカムホロワ99の端面との間、及び側壁3Rとカムホロワ99の端面との間には、カムホロワ99の回動を妨げない程度に、幅方向の隙間G1、G2が確保されている。
【0052】
図3及び図6に示すように、側壁3Rには、感光体ユニット90が動作位置にある状態で、ユニット側電極201〜212と対向する位置に、本体側電極101〜112が設けられている。本体側電極101〜112は、本発明の押圧手段に相当するものである。本体側電極101〜112の構成は同じであり、それぞれが図示しない電源や制御回路に接続されている。このため、本体側電極101について説明し、本体側電極102〜112の説明は省略する。
【0053】
図3に示すように、本体側電極101は、1本の金属線材が折り曲げ加工されてなる弾性部101Bと接触部101Aとを有する。弾性部101Bは、幅方向と平行な軸心C101を中心軸としてコイルバネ形状に折り曲げ加工されたものであり、図6に示すように、側壁3Rと、電気回路などを有する基板3Kとの間に圧縮された状態で配設されている。接触部101Aは、弾性部101Bに連続して、弾性部101Bの巻径よりも大きな円環形状部分を折り曲げ加工し、その円環形状部分を軸心C101に沿うように弾性部101Bに対して直角に折り曲げてなるものである。接触部101Aは、側壁3Rに貫設された矩形状のスリット3Sを介して、側壁3Rよりも幅方向内側(動作位置にある感光体ユニット90の右側枠92R側)に、その一部を突出させた状態とされている。
【0054】
接触部101Aをなす線材において側壁3Rから感光体ユニット90側に露出した部分は、側壁3Rの右側枠92Rと対向する面に沿って長く延びながらその面から湾曲して右側枠92R側に突出している。また、スリット3Sは、長手方向の幅が接触部101Aがなす円環の外径よりも長く、短手方向の幅が線材の太さよりも幅広であるが弾性部101Bのコイル径よりも小さい幅寸法を有している。このため、接触部101Aは、弾性部101Bの付勢作用にしたがって、あるいはその付勢作用に抗して、幅方向に進退可能となっている。
【0055】
図3に示すように、接触部101Aの円環形状部分を含む平面R101は、第1案内面S1及び第2案内面S2に対して浅い角度で交差するように設定されている。このようにするのは、感光体ユニット90の装着又は取り外し時において、接触部101Aと右側枠92Rとが擦れる際の抵抗力をできる限り小さくして、接触部101Aが捻れたり、屈曲したりする不具合を防止するためである。
【0056】
図5及び図6に示すように、側壁3Lには、感光体ユニット90が動作位置にある状態で、被伝達部231〜238と対向する位置に、開口121〜128が設けられている。開口121〜128内には、被伝達部231〜238のそれぞれに対して駆動力を伝達するための伝達部131〜138が配設されている。伝達部131〜138は、駆動力の伝達に用いられる周知のカップリングを構成する駆動側部品であり、図示しない電動モータに連結されている。図6に示すように、伝達部131〜138は、感光体ユニット90が動作位置に装着された後、フロントカバー6の開閉に連動する図示にしないリンク機構により幅方向内側(動作位置にある感光体ユニット90の左側枠92L側)に突出して、各被伝達部231〜238と係合するようになっている。
【0057】
また、側壁3Lには、図5に示すように、感光体ユニット90が動作位置にある状態で、位置決め凸部241〜244と対向する位置に、基準面141〜144が設けられている。図6に示すように、基準面141〜144は、幅方向内側(動作位置にある感光体ユニット90の左側枠92L側)に向けて先細るように突出する台形状とされている。各基準面141〜144の幅方向内側を向く面は、面一とされている。
【0058】
図9及び図11に示すように、フロントカバー6には、左右両側の下方から後方に向けて(すなわち、側壁3R、3Lに向けて)延びる一対の扇形状のカム板410が一体成形されている。各カム板410の扇形状の一方の半径部は、フロントカバー6の左右の側縁に連結されている。そして、各カム板410の扇形状の中心から偏心した部位には、一対の揺動軸411が設けられている。フロントカバー6は、各カム板410を介して、揺動軸411の軸芯周りで、フレーム部材に対して揺動可能に軸支されている。
【0059】
図9に示すように、側壁3R、3Lの前端側に形成されたフランジ部412には、上下方向に細長い貫通孔414が上下2箇所にそれぞれ形成されている。また、フランジ部412には、上下の貫通孔414に係合部501を係合させて上下方向に摺動するロック部材500が下方に向けて付勢された状態で設けられている。なお、ロック部材500は、フロントカバー6を閉鎖状態で保持する周知のロック機能を有するものでもあるが、本実施例ではその説明は省略する。
【0060】
図9及び図11に示すように、ロック部材500の下端には、カム板410の略円弧状の外周面と滑らかに当接するように面取り部502が形成されている。上述した通り、各カム板410は、その扇形状の中心から偏心した部位で、各揺動軸411に揺動可能に軸支されている。すなわち、カム板410の外周面は、フロントカバー6に近付くほど揺動軸411からの距離が短くなるように構成されている。このため、面取り部502に対してカム板410が当接しながら揺動することにより、ロック部材500は、フロントカバー6の開閉に応じて上下動するようになっている。フロントカバー6の開放時には、図9〜図11に示すように、ロック部材500が上昇する。一方、フロントカバー6の閉鎖時には、図12及び図13に示すように、ロック部材500が下降する。
【0061】
図10及び図13に拡大して示すように、フレーム部材3R、3Lの前端側には、一対の支持軸挿通孔411が穿設されている。支持軸挿通孔411は、下方において、前後方向に水平に延びる下部壁面411aと、下部壁面411aに対して上方に間隔を有して形成され、後下方に向かって傾斜する上部壁面411bと、下部壁面411aの後端縁から垂直に立ち上がり、上部壁面411bの後端縁に連結された垂直壁面411cとを有している。
【0062】
フロントカバー6が開放され、ロック部材500が上昇している状態では、図10に示すように、ロック部材500の下側傾斜面511と平坦面512とが一対の支持軸挿通孔411内に露出するようになっている。下側傾斜面511は、ロック部材500の上下方向の中間部の前面から後上方に向かって傾斜している。平坦面512は、その傾斜面511の後端に連接して水平方向に配設されている。
【0063】
一方、フロントカバー6が閉鎖され、ロック部材500が下降している状態では、図13に示すように、ロック部材500の第1傾斜面516と第2傾斜面517とが一対の支持軸挿通孔411内に露出するようになっている。第1傾斜面516は、下側傾斜面511に対して上方に間隔を有して形成され、後下方に向かって僅かに傾斜している。第2傾斜面517は、その第1傾斜面516の後端から後上方に向かって約45°の傾斜角で傾斜している。すなわち、ロック部材500が下降すると、下側傾斜面511及び平坦面512は、支持軸挿通孔411の下部壁面411aより下方に移動する一方、上方の第1傾斜面516及び第2傾斜面517が支持軸挿通孔411内まで下降するようになっている。カム板410、ロック部材500、支持軸挿通孔411が本発明のリフトアップ機構に相当する。
【0064】
次に、フレーム部材に対して感光体ユニット90を装着する動作について説明する。ユーザは、単体としての感光体ユニット90をフレーム部材に装着する際、まず、ハンドル91A、93Aを保持して、感光体ユニット90を図7に示す取り外し位置に配置する。すなわち、フロントカバー6が開放された状態において、感光体ユニット90の後方のカムホロワ99を第1案内面S1上に置く。そして、前側のハンドル91Aを保持しながら、感光体ユニット90をハウジング3内に挿入する。そうすると、カムホロワ99が第1案内面S1に沿って水平方向に転動する。このため、感光体ユニット90は第1案内面S1に平行な第1経路D1に沿って水平に挿入される。この際、側壁3Lとカムホロワ99の端面との間、及び側壁3Rとカムホロワ99の端面との間には、隙間G1、G2が確保されるようになっており、カムホロワ99を含む感光体ユニット90の幅方向の長さに対して、第1経路D1の幅方向の長さが少し大きく形成されている。これにより、感光体ユニット90が第1経路D1に対して挿入しやすくなっている。しかし、この隙間G1、G2により、感光体ユニット90の挿入時にがたつきが生じたり、ユーザが例えば、感光体ユニット90を第1経路D1において右寄りに挿入すると、動作位置付近に到達した際に、本来の正しい幅方向の位置(動作位置に対応する位置)に対して、ずれた状態で感光体ユニット90が挿入されてしまう可能性がある。その点、本実施形態のプリンタにおいては、各本体側電極101〜112が、第1経路D1に沿って移動する感光体ユニット90に対して、まず、装置の前方に位置する本体側電極101、102から順次、右側枠92Rに当接する。そして、各本体側電極101〜112は、感光体ユニット90に対して、幅方向に、すなわち、感光体ユニット90の左側枠92Lが側壁3Lに接近するように左方向に押圧力を付与する。この本体側電極101〜112の押圧力により、感光体ユニット90のがたつきや、本来の正しい幅方向の位置に対して右寄りに挿入されることを強制的に防止している。
【0065】
さらに、感光体ユニット90をハウジング3の奥に挿入すると、図8に示すように、カムホロワ99は、第1案内面S1から第2案内面S2に移動し、第2案内面S2に沿って斜め下方に向けて転動する。このため、感光体ユニット90は、第2案内面S2に平行な第2経路D2に沿って斜め下方に挿入され、用紙搬送面33Aに接近する。この際にも、各本体側電極101〜112は、感光体ユニット90に対して、幅方向に、すなわち、感光体ユニット90の左側枠92Lが側壁3Lに接近するように押圧力を付与する。
【0066】
そして、第2経路D2に沿って感光体ユニット90がさらに奥まで挿入されると、図9及び図10に示すように、感光体ユニット90の前方の支持軸95は、一対の支持軸挿通孔411内に挿入され、上部壁面411bと平坦面512とに当て止まる。この位置が第2経路D2の終点、すなわち、動作位置の直前の位置である。この位置では、感光体ユニット90は、用紙搬送面33Aに対して上方に僅かに持ち上がった状態となっている。この際、図11に示すように、切欠部96は、基準軸420に対して前上方に僅かに間隔を有した状態となっている。
【0067】
ここで、第1経路D1の途中から第2経路D2の終点まで、各本体側電極101〜112が感光体ユニット90を基準面141〜144側に向けて付勢することにより、図6に示すように、第2経路D2の終点では、搬送経路Pの上流側及び下流側(用紙搬送面33Aの前側及び後ろ側)の基準面141、144が位置決め凸部241、244に優先的に当接して、感光体ユニット90の幅方向の位置決めを行う。また、基準面142、143が位置決め凸部242、243に補助的に当接して、感光体ユニット90の幅方向の位置決めを確実に行う。なお、第2経路D2の終点では、位置決め凸部241〜244は、図6に示す位置より僅かに上方に位置しており、基準面141〜144に対して僅かに上方にずれている。
【0068】
次に、ユーザがフロントカバー6を閉鎖すると、図12及び図13に示すように、ロック部材500が下降する。そうすると、支持軸95に対して下方から当接していた平坦面512は、下部壁面411aより下方に移動する一方、上方の第2傾斜面517が支持軸95を下方に向けて押圧しつつ、支持軸挿通孔411内まで下降する。このため、支持軸95は、上部壁面411bに当接しつつ後下方に、すなわち、図10に示す第3経路D3に沿って移動して、下部壁面411aと、垂直壁面411cと、第2傾斜面517とに把持される。この際、図示は省略するが、切欠部96も後下方に移動して、図11に示す基準軸420に対して当て止まる。これにより、感光体ユニット90の前後方向及び上下方向の位置決めを行うことができる。
【0069】
こうして、第3経路D3に沿って感光体ユニット90が移動して動作位置に到達すると、図6に示すように、位置決め凸部241〜244は、基準面141〜144と対面しつつ当接する状態となる。この際にも、各本体側電極101〜112は、感光体ユニット90に対して、幅方向に、すなわち、感光体ユニット90の左側枠92Lが側壁3Lに接近するように押圧力を付与する。
【0070】
また、感光体ユニット90が動作位置に到達すると、各本体側電極101〜112の接触部101Aは、それぞれ、幅方向で対向するユニット側電極201〜212と接触して電気的に接続される。これにより、フレーム部材3R側に設けられた電源や基板3K上の制御回路から、感光体ユニット90を構成する感光体ドラム71K〜71C等の部品に給電することが可能となる。
【0071】
さらに、感光体ユニット90が動作位置に到達した後、フロントカバー6の開閉と連動する図示しないリンク機構により、伝達部131〜138が幅方向内側に、すなわち、感光体ユニット90の左側枠92Lに向けて接近するように移動し、伝達部131〜138が被伝達部231〜238に係合する。この際、感光体ユニット90が幅方向の左寄りに押圧されていることで、伝達部131〜138が被伝達部231〜238に対して精度良く係合される。これにより、伝達部131〜138は、フレーム部材側に設けられた駆動モータから、感光体ユニット90に対して駆動力を伝達することが可能となる。なお、伝達部131〜138が幅方向内側に移動する際、被伝達部231〜238を介して、感光体ユニット90を幅方向外側に位置ずれさせようとする押圧力が作用する場合があるが、この際にも、本体側電極101〜112の幅方向内側の押圧力により、感光体ユニット90が位置ずれし難くなっている。
【0072】
こうして、装着経路D1〜D3に沿って移動して動作位置に装着される感光体ユニット90は、各本体側電極101〜112により、幅方向(本実施例では、装着経路D1〜D3の幅方向左寄り)で確実に位置決めされるので、その結果として、感光体ドラム71K〜71Cが、搬送経路Pの軸線(用紙搬送面33Aにおける前後方向の中心線)に対して平行にずれたり、搬送経路Pの軸線(用紙搬送面33Aにおける前後方向の中心線)に対して傾斜しつつずれたりする不具合が生じ難くなっている。
【0073】
次に、フレーム部材から感光体ユニット90を取り外す動作について簡単に説明する。ユーザがフロントカバー6が開放すると、図6に示すように、フロントカバー6の開閉と連動する図示しないリンク機構により、伝達部131〜138が幅方向外側に、すなわち、感光体ユニット90の左側枠92Lから離反するように移動し、伝達部131〜138が被伝達部231〜238に係合しなくなる。その後、ロック部材500が上昇する。そうすると、図10に示すように、平坦面512が上昇して支持軸95を持ち上げる。このため、支持軸95は、上部壁面411bに当接しつつ前上方に、すなわち、装着時とは逆方向に第3経路D3に沿って移動する。この際、図11に示すように、切欠部96も前上方に移動して、基準軸420から離反する。これにより、感光体ユニット90は、用紙搬送面33Aに対して上方に持ち上がった状態となる。
【0074】
そして、図8に示すように、ユーザが前側のハンドル91Aを保持しながら、感光体ユニット90をハウジング3内から手前に引き出す。そうすると、カムホロワ99は、第2案内面S2に沿って斜め上方に向けて転動する。このため、感光体ユニット90は、装着時とは逆方向に第2経路D2に沿って斜め上方に引き出され、用紙搬送面33Aからさらに離反する。
【0075】
さらに、感光体ユニット90が手前に引き出されると、図7に示すように、カムホロワ99は、第2案内面S2から第1案内面S1に移動し、第1案内面S1に沿って水平方向に転動する。このため、感光体ユニット90は、装着時とは逆方向に第1経路D12に沿って水平に引き出される。こうして、感光体ユニット90が図7に示す取り外し位置まで引き出されると、ユーザは、ハンドル91A、93Aを保持して感光体ユニット90をハウジング3の外部に取り外すことができる。
【0076】
<作用効果>
実施例のプリンタ1によれば、押圧手段としての本体側電極101〜112は、装着経路D1〜D3に沿って移動する感光体ユニット90に対して、少なくとも図1に示す動作位置に至る直前において幅方向に押圧力を付与することにより、装置本体の基準面141〜144側に向けて感光体ユニット90の位置決め凸部241〜244を付勢する。このため、基準面141〜144は、感光体ユニット90に対して、搬送経路Pの上流側及び下流側(用紙搬送面33Aの前側及び後ろ側)の少なくとも2箇所で幅方向の外側から位置決め凸部241〜244に当接して、確実に感光体ユニット90を幅方向で位置決めできる。
【0077】
また、感光体ユニット90を確実に位置決めした後であれば、伝達部131〜138と被伝達部231〜238とが係合することにより、伝達部131〜138から被伝達部231〜238に対して幅方向(伝達部131〜138と被伝達部231〜238との対向方向とは逆方向)の押圧力が作用したとしても、感光体ユニット90が幅方向で位置ずれし難い。
【0078】
したがって、実施例のプリンタ1によれば、図1に示す動作位置において、各感光体ドラム71K〜71Cと搬送経路P上の用紙との相対位置関係がずれることを抑制することができ、その結果として、画像形成の品位が低下することを防止できる。
【0079】
また、プリンタ1によれば、本体側電極101〜112が押圧手段を兼ねるので、押圧手段を専用部材として別途設ける場合と比較して、部品点数を削減できる。
【0080】
特に、本実施例では、複数個の本体側電極101〜112が押圧手段を兼ねる構成により、感光体ユニット90に対して、複数の異なる位置から押圧力を分散させつつ付与することができるため、感光体ユニット90を均等に幅方向に押圧することができる。このため、図1に示す動作位置に到達した感光体ユニット90の位置決め凸部241、244に対して、搬送経路Pの上流側及び下流側(用紙搬送面33Aの前側及び後ろ側)で基準面141、144が確実に当接するので、感光体ユニット90を幅方向で一層精度よく位置決めできる。特に、搬送経路Pの軸線(用紙搬送面33Aにおける前後方向の中心線)に対して各感光体ドラム71K〜71Cが傾斜しつつずれることを確実に抑制できる。また、上記構成により、各本体側電極101〜112の付勢力を弱くすることができる。このため、装着経路D1〜D3に沿って感光体ユニット90が移動する際の幅方向のガタつきを確実に抑制できるとともに、過度に押圧することがないので、感光体ユニット90をスムーズに移動させ易くなる
【0081】
さらに、プリンタ1によれば、本体側電極101〜112は、装着経路D1〜D3に沿って移動する感光体ユニット90に対して、第1経路D1及び第2経路D2においても、幅方向に押圧力を付与する。すなわち、本体側電極101〜112は、装着経路D1〜D3に沿って移動する初期段階から、感光体ユニット90に対して、本体側電極101〜112が押圧力を付与する。このため、装着経路D1〜D3に沿って感光体ユニット90が移動する際の幅方向のガタつきを確実に抑制できるので、感光体ユニット90をよりスムーズに移動させ易くなる。また、一直線の装着経路と比較して、屈曲する装着経路D1〜D3により、プリンタ1の小型化を容易に実現できる。
【0082】
また、プリンタ1では、装置本体がリフトアップ機構(カム板410、支持軸挿通孔411、ロック部材500)を有しており、第3経路D3に沿って感光体ユニット90が装着のために移動する際、第2傾斜面517が支持軸95を下方に向けて押圧することにより感光体ユニット90が幅方向で移動し難くなる。
【0083】
この点、プリンタ1によれば、本体側電極101〜112は、第2傾斜面517が支持軸95を下方に向けて押圧する以前に、第1経路D1の途中から幅方向に押圧力を付与して、感光体ユニット90の位置決め凸部241〜244を基準面141〜144に対して幅方向で接近させておくことができる。このため、リフトアップ機構の影響を受けることなく、基準面141〜144による位置決めを確実に行える。
【0084】
以上において、本発明を実施例に即して説明したが、本発明は上記実施例に制限されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更して適用できることはいうまでもない。
【0085】
例えば、実施例の伝達部131〜138及び被伝達部231〜238の代わりに、はす歯ギヤ等の歯車を採用してもかまわない。はす歯ギヤを採用する場合、画像形成動作時に、伝達部としてのはす歯ギヤが被伝達部としてのはす歯ギヤを回転駆動することにより、伝達部から被伝達部に幅方向の押圧力が作用し易い。この点、本実施例の本体側電極101〜112は、画像形成動作時にも、感光体ユニット90に対して幅方向の押圧力を付与するので、はす歯ギヤの回転駆動に伴う感光体ユニット90の幅方向の位置ずれも生じ難くなる。
【0086】
また、実施例の第2経路D1を無くして、第1経路D1の終点から、リフトアップ機構により感光体ユニット90を図1に示す動作位置まで移動させる構成とすて、プリンタ1の薄型化を図ることもできる。
【産業上の利用可能性】
【0087】
本発明は画像形成装置に利用可能である。
【符号の説明】
【0088】
P…搬送経路
71K、71M、71Y、71C…感光体(感光体ドラム)
90…感光体ユニット
1…画像形成装置(プリンタ)
D1、D2、D3…装着経路(D1…第1経路、D2…第2経路、D3…第3経路)
131〜138…伝達部
231〜238…被伝達部
141〜144…基準面
101〜112…押圧手段(本体側電極)
201〜212…ユニット側電極
410、411、500…リフトアップ機構(410…カム板、411…支持軸挿通孔、500…ロック部材)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被記録媒体が搬送される搬送経路が設けられた装置本体と、
複数色に対応する複数体の感光体が前記搬送経路に沿って直列に配置されたタンデム型の感光体ユニットとを備え、
前記搬送経路に沿って搬送される前記被記録媒体の表面に各前記感光体が担持するトナー像を転写して、カラー画像を形成する電子写真方式の画像形成装置であって、
前記感光体ユニットは、前記装置本体の外部に取り外し可能な取り外し位置から、前記装置本体の内部で画像形成可能な動作位置に到る装着経路に沿って移動することにより、前記装置本体に対して装着可能に構成されているとともに、前記装着時とは逆方向に前記装着経路に沿って移動することにより、前記装置本体に対して取り外し可能に構成され、
前記装置本体は、前記搬送経路に直交する方向である幅方向の外側から、前記動作位置にある前記感光体ユニットに対して駆動力を伝達する伝達部を有し、
前記感光体ユニットは、前記動作位置において、前記伝達部と前記幅方向で対向しつつ係合して、前記伝達部から駆動力を受ける被伝達部を有し、
さらに、前記装置本体は、前記動作位置にある前記感光体ユニットに対して、前記搬送経路中の少なくとも2箇所で前記幅方向の外側から当接して、前記感光体ユニットを前記幅方向で位置決めする基準面と、
前記装着経路に沿って移動する前記感光体ユニットに対して、少なくとも前記動作位置に至る直前において前記幅方向に押圧力を付与することにより、前記基準面に向けて前記感光体ユニットを付勢する押圧手段とを有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記感光体ユニットは、前記感光体ユニットを構成する部品と電気的に接続されたユニット側電極を有し、
前記装置本体は、前記動作位置にある前記感光体ユニットの前記ユニット側電極に接触して電気的に接続され、前記部品に給電する本体側電極を有し、
前記押圧手段は、前記本体側電極を兼ねている請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記感光体ユニットは、前記感光体ユニットを構成する複数個の部品と電気的に接続された複数個のユニット側電極を有し、
前記装置本体は、前記動作位置にある前記感光体ユニットの前記ユニット側電極に接触して電気的に接続され、前記部品に給電する複数個の本体側電極を有し、
前記押圧手段は、前記本体側電極を兼ねている請求項2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記装着経路は、前記取り外し位置から前記装置本体の内部に直線的に向かう第1経路と、前記第1経路の終点から前記第1経路と交差して前記搬送経路に接近する方向に直線的に向かう第2経路とを有し、
前記押圧手段は、前記装着経路に沿って移動する前記感光体ユニットに対して、前記第1経路及び前記第2経路においても、前記幅方向に押圧力を付与する請求項1又は2記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記装着経路は、さらに、前記第2経路の終点から前記感光体ユニットにおける前記取り外し位置に近い側が下方に移動して前記動作位置に至る第3経路を有し、
前記装置本体は、前記第3経路に沿って前記感光体ユニットが装着のために移動する際には、前記感光体ユニットにおける前記取り外し位置に近い側を押圧しつつ前記動作位置まで下降させるとともに、取り外しのために前記感光体ユニットが移動する際には、前記感光体ユニットにおける前記取り外し位置に近い側を前記第3経路において装着時とは逆方向に持ち上げるリフトアップ機構を有し、
前記押圧手段は、前記リフトアップ機構により前記感光体ユニットが下方に移動して前記動作位置に至る前に、前記幅方向に押圧力を付与する請求項4記載の画像形成装置。
【請求項1】
被記録媒体が搬送される搬送経路が設けられた装置本体と、
複数色に対応する複数体の感光体が前記搬送経路に沿って直列に配置されたタンデム型の感光体ユニットとを備え、
前記搬送経路に沿って搬送される前記被記録媒体の表面に各前記感光体が担持するトナー像を転写して、カラー画像を形成する電子写真方式の画像形成装置であって、
前記感光体ユニットは、前記装置本体の外部に取り外し可能な取り外し位置から、前記装置本体の内部で画像形成可能な動作位置に到る装着経路に沿って移動することにより、前記装置本体に対して装着可能に構成されているとともに、前記装着時とは逆方向に前記装着経路に沿って移動することにより、前記装置本体に対して取り外し可能に構成され、
前記装置本体は、前記搬送経路に直交する方向である幅方向の外側から、前記動作位置にある前記感光体ユニットに対して駆動力を伝達する伝達部を有し、
前記感光体ユニットは、前記動作位置において、前記伝達部と前記幅方向で対向しつつ係合して、前記伝達部から駆動力を受ける被伝達部を有し、
さらに、前記装置本体は、前記動作位置にある前記感光体ユニットに対して、前記搬送経路中の少なくとも2箇所で前記幅方向の外側から当接して、前記感光体ユニットを前記幅方向で位置決めする基準面と、
前記装着経路に沿って移動する前記感光体ユニットに対して、少なくとも前記動作位置に至る直前において前記幅方向に押圧力を付与することにより、前記基準面に向けて前記感光体ユニットを付勢する押圧手段とを有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記感光体ユニットは、前記感光体ユニットを構成する部品と電気的に接続されたユニット側電極を有し、
前記装置本体は、前記動作位置にある前記感光体ユニットの前記ユニット側電極に接触して電気的に接続され、前記部品に給電する本体側電極を有し、
前記押圧手段は、前記本体側電極を兼ねている請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記感光体ユニットは、前記感光体ユニットを構成する複数個の部品と電気的に接続された複数個のユニット側電極を有し、
前記装置本体は、前記動作位置にある前記感光体ユニットの前記ユニット側電極に接触して電気的に接続され、前記部品に給電する複数個の本体側電極を有し、
前記押圧手段は、前記本体側電極を兼ねている請求項2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記装着経路は、前記取り外し位置から前記装置本体の内部に直線的に向かう第1経路と、前記第1経路の終点から前記第1経路と交差して前記搬送経路に接近する方向に直線的に向かう第2経路とを有し、
前記押圧手段は、前記装着経路に沿って移動する前記感光体ユニットに対して、前記第1経路及び前記第2経路においても、前記幅方向に押圧力を付与する請求項1又は2記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記装着経路は、さらに、前記第2経路の終点から前記感光体ユニットにおける前記取り外し位置に近い側が下方に移動して前記動作位置に至る第3経路を有し、
前記装置本体は、前記第3経路に沿って前記感光体ユニットが装着のために移動する際には、前記感光体ユニットにおける前記取り外し位置に近い側を押圧しつつ前記動作位置まで下降させるとともに、取り外しのために前記感光体ユニットが移動する際には、前記感光体ユニットにおける前記取り外し位置に近い側を前記第3経路において装着時とは逆方向に持ち上げるリフトアップ機構を有し、
前記押圧手段は、前記リフトアップ機構により前記感光体ユニットが下方に移動して前記動作位置に至る前に、前記幅方向に押圧力を付与する請求項4記載の画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2011−13268(P2011−13268A)
【公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−154850(P2009−154850)
【出願日】平成21年6月30日(2009.6.30)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年6月30日(2009.6.30)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】
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