画像形成装置
【課題】転写ベルトと転写ベルトを支持する支持部材との間の空間を利用して、転写ベルトに沿って配置された複数個の画像形成ユニットで生じた霧状に舞い上がるトナーを排出することができる画像形成装置を得る。
【解決手段】ファンが流路170内の空気を吸い込むことで、流路170の壁面に設けられた吸込口182Y、182M、182C、182Kには、像保持体34と現像器42と中間転写ベルト32とで囲まれた空間の空気を吸い込む吸込力が生じる。各吸込口182に生じた吸込力により、各色の像保持体34と各色の現像器42と中間転写ベルト32とで囲まれた空間で浮遊するトナークラウドは、各吸込口182から流路170に吸い込まれ、フィルタ部材により捕獲され、トナーが含まれない空気が排出口から外部へ排出される。
【解決手段】ファンが流路170内の空気を吸い込むことで、流路170の壁面に設けられた吸込口182Y、182M、182C、182Kには、像保持体34と現像器42と中間転写ベルト32とで囲まれた空間の空気を吸い込む吸込力が生じる。各吸込口182に生じた吸込力により、各色の像保持体34と各色の現像器42と中間転写ベルト32とで囲まれた空間で浮遊するトナークラウドは、各吸込口182から流路170に吸い込まれ、フィルタ部材により捕獲され、トナーが含まれない空気が排出口から外部へ排出される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載には、像保持体上に形成された潜像をトナー画像で可視化する現像器が記載されている。
【0003】
さらに、この現像器の上方には、現像器の全幅に渡って吸気ダクトが設けられており、この吸気ダクトには、現像器に対向するように複数個の吸気口が形成されている。そして、この吸気口から吸気ダクトに現像器で生じた霧状に舞い上がるトナー(トナークラウド)を吸い込むようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8−171316号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、転写ベルトと転写ベルトを支持する支持部材との間の空間を利用して、転写ベルトに沿って配置された複数個の画像形成部で生じた霧状に舞い上がるトナーを排出することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の請求項1に係る画像形成装置は、表面に直接若しくは転写媒体を介してトナー画像が転写される転写ベルトと、前記転写ベルト表面の移動方向に沿って並べられ、前記トナー画像を形成する複数個の画像形成部と、前記転写ベルト表面の移動方向に沿って流路が形成されると共に、複数個の前記画像形成部で生じた霧状に舞い上がるトナーを前記流路に吸い込むための複数個の吸込口が設けられ、前記転写ベルトを支持する支持部材に対して前記転写ベルト側に配置される流路形成部材と、前記吸込口を通して霧状に舞い上がるトナーを前記流路に吸い込むと共に、吸い込んだ霧状に舞い上がるトナーを前記流路から排出させる排出手段と、を備えることを特徴とする。
【0007】
本発明の請求項2に係る画像形成装置は、表面に直接若しくは転写媒体を介してトナー画像が転写される転写ベルトと、前記転写ベルト表面の移動方向に沿って並べられ、表面に静電潜像が形成される像保持体と、前記像保持体の表面に形成された静電潜像を可視化して前記転写ベルトの表面に直接若しくは転写媒体を介して転写されるトナー画像を形成させる現像部材と、を備える複数個の画像形成部と、前記転写ベルト表面の移動方向に沿って流路が形成されると共に、前記転写ベルトと前記像保持体と前記現像部材とで囲まれた空間の空気を前記流路に吸い込む複数の位置に吸込口が設けられ、前記転写ベルトを支持する支持部材に対して前記転写ベルト側に配置される流路形成部材と、前記転写ベルトと前記像保持体と前記現像部材とで囲まれた空間の空気を前記吸込口及び前記流路を通過させて排出する排出手段と、を備えることを特徴とする。
【0008】
本発明の請求項3に係る画像形成装置は、請求項1又は2に記載において、前記流路形成部材は、前記支持部材に固定され、前記転写ベルトを保持位置決めするように構成されることを特徴とする。
【0009】
本発明の請求項4に係る画像形成装置は、請求項1〜3何れか1項に記載において、前記排出手段は、前記流路形成部材の端部側に設けられ、複数個の前記吸込口の大きさは、前記排出手段からの距離に応じて異なるように決められることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明の請求項1の画像形成装置によれば、支持部材と転写ベルトとの間に流路が形成された流路形成部材が設けられない構成と比して、転写ベルトと支持部材との間の空間を利用して複数個の画像形成部で生じた霧状に舞い上がるトナーを効率的に排出することができる。
【0011】
本発明の請求項2の画像形成装置によれば、支持部材と転写ベルトとの間に流路が形成された流路形成部材が設けられない構成と比して、転写ベルトと支持部材との間の空間を利用して、転写ベルトと像保持体と現像部材とで囲まれた空間で生じた霧状に舞い上がるトナーを効果的に排出することができる。
【0012】
本発明の請求項3の画像形成装置によれば、転写ベルトを支持する部材を流路形成部材とは別個に設ける場合と比して、部品点数を少なくすることができる。
【0013】
本発明の請求項4の画像形成装置によれば、吸込口の大きさが排出手段からの距離に応じて異なっていない場合と比して、複数個の画像形成部で生じた霧状に舞い上がるトナーを満遍なく吸込口から吸い込むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施形態に係る画像形成装置に採用されたガイドレール部材等を示した正面図である。
【図2】本発明の実施形態に係る画像形成装置に採用された画像形成ユニットを示した拡大正面図である。
【図3】本発明の実施形態に係る画像形成装置の中間転写ベルト近傍の構成を示した概略構成図である。
【図4】本発明の実施形態に係る画像形成装置の構成を示した概略構成図である。
【図5】本発明の実施形態に係る画像形成装置を示した斜視図である。
【図6】本発明の実施形態に係る画像形成装置を示した斜視図である。
【図7】本発明の実施形態に係る画像形成装置に採用されたガイドレール部材及びリアフレーム部材等を示した斜視図である。
【図8】本発明の実施形態に係る画像形成装置に採用されたガイドレール部材及びリアフレーム部材等を示した斜視図である。
【図9】本発明の実施形態に係る画像形成装置に採用されたガイドレール部材、カバー部材及びファン等を示した斜視図である。
【図10】本発明の実施形態に係る画像形成装置に採用されたガイドレール部材、カバー部材及びファン等を示した分解斜視図である。
【図11】本発明の実施形態に係る画像形成装置に採用されたガイドレール部材、フロントフレーム部材、リアフレーム部材及び中間転写ユニット等を示した斜視図である。
【図12】本発明の実施形態に係る画像形成装置に採用されたガイドレール部材、フロントフレーム部材、リアフレーム部材及び中間転写ユニット等を示した斜視図である。
【図13】(A)(B)本発明の実施形態に係る画像形成装置に採用された中間転写ユニットの装着動作を示した図面である。
【図14】(A)(B)本発明の実施形態に係る画像形成装置に採用された中間転写ユニットを示した正面図である。
【図15】本発明の実施形態に係る画像形成装置に採用された中間転写ユニットを示した正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の実施形態に係る画像形成装置の一例を図1〜図15に従って説明する。
【0016】
(全体構成)
図4に示されるように、本実施形態に係る画像形成装置10の装置本体10Aの上部には、複数枚の読取原稿Gを一枚ずつ自動で搬送する自動原稿搬送装置12と、一枚の読取原稿Gが載せられるプラテンガラス16と、自動原稿搬送装置12によって搬送された読取原稿G又はプラテンガラス16に載せられた読取原稿Gを読み取る原稿読取装置14とが設けられている。なお、図中矢印UPは鉛直方向上側、矢印FRは前側(ユーザが立つ正面側)を示す。
【0017】
この原稿読取装置14には、自動原稿搬送装置12によって搬送された読取原稿G又はプラテンガラス16に載せられた読取原稿Gに光を照射する光源18が設けられている。
【0018】
さらに、原稿読取装置14には、光源18によって照射されて読取原稿Gから反射された反射光をプラテンガラス16と平行な方向に反射させるフルレートミラー20と、フルレートミラー20によって反射した反射光を下方へ反射させるハーフレートミラー22と、ハーフレートミラー22によって反射した反射光をプラテンガラス16と平行な方向に反射させて折り返すハーフレートミラー24と、ハーフレートミラー24によって折り返された反射光が入射される結像レンズ26と、から構成される光学系が設けられている。
【0019】
また、原稿読取装置14には、結像レンズ26によって結像された反射光を電気信号に変換する光電変換素子28が設けられ、さらに、光電変換素子28によって変換された電気信号を画像処理する画像処理装置29が設けられている。
【0020】
そして、光源18、フルレートミラー20、ハーフレートミラー22及びハーフレートミラー24は、プラテンガラス16に沿って移動可能となっている。プラテンガラス16に載せられた読取原稿Gを読み取る場合には、光源18、フルレートミラー20、ハーフレートミラー22及びハーフレートミラー24を移動させながら、光源18がプラテンガラス16に載せられた読取原稿Gに光を照射し、読取原稿Gから反射された反射光が光電変換素子28へ結像するようになっている。
【0021】
また、自動原稿搬送装置12によって搬送された読取原稿Gを読み取る場合には、光源18、フルレートミラー20、ハーフレートミラー22及びハーフレートミラー24は決められた位置に停止して、自動原稿搬送装置12によって搬送された読取原稿Gに光源18が光を照射し、読取原稿Gから反射された反射光が光電変換素子28へ結像するようになっている。
【0022】
一方、装置本体10Aの上下方向中央部には、互いに異なった色のトナー画像を形成すると共に、水平方向に対して傾斜した状態に並んで配置される画像形成部の一例としての複数個の画像形成ユニット30が設けられている。さらに、画像形成ユニット30の上側には、図中矢印A方向に循環駆動しながら各色の画像形成ユニット30で形成されたトナー画像が転写される転写ベルトの一例としての無端状の中間転写ベルト32が設けられている。
【0023】
詳細には、図3に示されるように、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の4つの画像形成ユニット30Y、30M、30C、30Kがこの順で設けられている。そして、最初に中間転写ベルト32に転写されるイエロー(Y)のトナー画像が形成される画像形成ユニット30Yが最も高い位置に、最後に中間転写ベルト32に転写される黒(K)のトナー画像が形成される画像形成ユニット30Kが最も低い位置に設けられ、画像形成ユニット30Y、30M、30C、30Kは全体として水平方向に対して所定の角度だけ斜めに傾斜した状態で一定の間隔を隔てて並べられている。
【0024】
これらの4つの画像形成ユニット30Y、30M、30C、30Kは、基本的に、同様に構成されている。なお、以下の説明では、各色を区別する場合には符号に各色に対応する文字(Y、M、C、K)を付加し、特に区別しない場合には各色に対応する文字を省略する。
【0025】
図2に示されるように、各色の画像形成ユニット30には、図示しない駆動手段によって矢印D方向に回転する像保持体34が設けられ、さらに、この像保持体34の表面を一様に帯電する帯電用の帯電部材36が設けられている。
【0026】
また、帯電部材36に対して像保持体34の回転方向の下流側には、帯電部材36によって表面が一様に帯電した像保持体34の表面に所定の色に対応した光を露光して静電潜像を形成させる露光装置40が設けられている。さらに、露光装置40に対して像保持体34の回転方向の下流側には、像保持体34の表面に形成された静電潜像を所定の色のトナーで現像し、トナー画像として可視化させる現像部材の一例としての現像器42が設けられている。
【0027】
一方、中間転写ベルト32を挟んで像保持体34の反対側には、像保持体34の表面に形成されたトナー画像を中間転写ベルト32に転写するための一次転写部材46が設けられている。さらに、像保持体34から中間転写ベルト32に転写されずに像保持体34の表面に残留した残留トナー等を清掃するクリーニング装置44が、像保持体34の表面に接して、一次転写部材46に対して像保持体34の回転方向の下流側に設けられている。
【0028】
つまり、画像形成ユニット30は、像保持体34と、帯電部材36と、露光装置40と、現像器42と、クリーニング装置44とを含んで構成されている。
【0029】
なお、中間転写ベルト32の上方には、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色の現像器42に、所定の色のトナーを供給するトナーカートリッジ38Y、38M、38C、38K(図4参照)が設けられている。そして、黒(K)色のトナーを収容したトナーカートリッジ38Kは、使用頻度が高いため、他のカラーのトナーカートリッジと比較して大きくされている。
【0030】
この構成により、画像処理装置29又は外部から、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色の画像形成ユニット30Y、30M、30C、30Kに個別に設けられた露光装置40Y、40M、40C、40Kに各色の画像データが順次出力される。さらに、これらの露光装置40Y、40M、40C、40Kから画像データに応じて出射された光は、対応する像保持体34の表面を露光し、像保持体34の表面には静電潜像が形成される。像保持体34の表面に形成された静電潜像は、現像器42Y、42M、42C、42Kによって、それぞれイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色のトナー画像として現像される。
【0031】
さらに、像保持体34の表面に、順次形成されたイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色のトナー画像は、各色の画像形成ユニット30Y、30M、30C、30Kの上方に傾斜して配置される中間転写ベルト32上に、一次転写部材46によって多重に転写される。
【0032】
一方、図3に示されるように、この中間転写ベルト32は、中間転写ベルト32に駆動力を付与する駆動ロール48と、従動回転する支持ロール50と、中間転写ベルト32に張力を付与する張力付与ロール54と、第1のアイドラーロール56と、第2のアイドラーロール58とに一定のテンションで巻き掛けられている。
【0033】
また、図15に示されるように、中間転写ベルト32の下面は、傾斜した状態に並んで配置された画像形成ユニット30(図3参照)の傾斜角と同様に、水平方向Hに対して角度θだけ傾斜している。
【0034】
さらに、中間転写ベルト32の表面を清掃するクリーニング装置52が、中間転写ベルト32を挟んで駆動ロール48の反対側に設けられており、このクリーニング装置52は、装置本体10Aの前側(ユーザが立つ正面側)に設けられたフロントカバー156を開放することで装置本体10Aに脱着自在とされている(図6参照)。
【0035】
さらに、中間転写ベルト32を挟んで支持ロール50の反対側には、中間転写ベルト32上に一次転写されたトナー画像を記録媒体としての記録シートPに二次転写するための二次転写部材60が配置されている。つまり、二次転写部材60と支持ロール50との間が記録シートPへトナー画像を転写する二次転写位置とされている。
【0036】
図4に示されるように、二次転写部材60の上方には、二次転写部材60によってトナー画像が転写されて搬送経路62に沿って搬送される記録シートPにトナー画像を定着させる定着装置64が設けられている。
【0037】
さらに、定着装置64に対して記録シートPの搬送方向の下流側(以下単に「搬送方向下流側」という)には、トナー画像が定着された記録シートPを搬送する搬送ロール66が設けられ、搬送ロール66の搬送方向下流側には、記録シートPの搬送方向を切り替える切替ゲート68が設けられている。
【0038】
また、切替ゲート68の搬送方向下流側には、一の方向に切り替えられた切替ゲート68によって案内される記録シートPを第一排出部69に排出させる第一排出ロール70が設けられている。
【0039】
さらに、切替ゲート68の搬送方向下流側には、他の方向に切り替えられた切替ゲート68によって案内されて搬送ロール73により搬送される記録シートPを第二排出部72に排出させる第二排出ロール74と、記録シートPを第三排出部76に排出させる第三排出ロール78が設けられている。
【0040】
一方、装置本体10Aの下部であって、二次転写部材60に対して記録シートPの搬送方向の上流側(以下単に「搬送方向上流側」という)には、記録シートPが収容される給紙部80、82、84、86が設けられ、各給紙部80、82、84、86には、サイズの異なる記録シートPが収容されている。
【0041】
さらに、各給紙部80、82、84、86には、収容された記録シートPを各給紙部80、82、84、86から搬送経路62に持ち出す給紙ロール88が設けられ、給紙ロール88の搬送方向の下流側には、記録シートPを一枚ずつ搬送する搬送ロール90及び搬送ロール92が設けられている。
【0042】
また、搬送ロール92の搬送方向下流側には、記録シートPを一端停止させ、所定のタイミングで二次転写位置へ送り出す位置合せロール94が設けられている。
【0043】
一方、記録シートPの両面に画像を形成させるために、記録シートPを反転させて搬送する両面用搬送ユニット98が二次転写位置の側方に設けられている。そして、両面用搬送ユニット98には、搬送ロール73を逆転させることで搬送される記録シートPが送り込まれる反転経路100が設けられている。さらに、反転経路100に沿って複数個の搬送ロール102が設けられ、これらの搬送ロール102によって搬送される記録シートPは表裏が反転された状態で、位置合せロール94に再度搬送される構成となっている。
【0044】
また、両面用搬送ユニット98の隣りには、折り畳み式の手差給紙部106が設けられている。そして、開放された折り畳み式の手差給紙部106から給紙される記録シートPを搬送する給紙ロール108及び搬送ロール110、112が設けられており、搬送ロール110、112で搬送された記録シートPは、位置合せロール94に搬送されるようになっている。
【0045】
次ぎに、中間転写ベルト32を構成部品とする中間転写ユニット120等について説明する。
【0046】
図3に示されるように、中間転写ユニット120は、中間転写ベルト32と、この中間転写ベルト32が巻き掛けられる駆動ロール48、支持ロール50、張力付与ロール54、第1のアイドラーロール56、第2のアイドラーロール58等を含んで構成されている。そして、この中間転写ユニット120は、図示せぬカバーを開放して装置本体10Aの一側面(図3で示す左側側面)から着脱自在とされている。
【0047】
図14(A)(B)に示されるように、中間転写ユニット120には、回転操作することで、第1のアイドラーロール56及び第2のアイドラーロール58と、一次転写部材46Y、46M、46C、46Kを上方に退避させ、中間転写ベルト32を各色の画像形成ユニット30Y、30M、30C、30Kの像保持体34から離すリトラクトハンドル122が設けられている。
【0048】
詳細には、図14(B)に示されるように、中間転写ユニット120には、リトラクトハンドル122が回動自在に取り付けられている。さらに、このリトラクトハンドル122には、第1のアイドラーロール56、第2のアイドラーロール58、及び一次転写部材46Y、46M、46C、46Kが回転自在に取り付けられる保持フレーム124がリンク機構(図示省略)を介して連結されている。
【0049】
そして、リトラクトハンドル122を回動操作することで、保持フレーム124が中間転写ベルト32の循環方向に対して交差する方向(図中矢印方向)に移動し、弾性力で中間転写ベルト32が各色の像保持体34から離間するようになっている。
【0050】
また、図11、図12に示されるように、装置本体10A(図3参照)の内部には、装置本体10Aの一側面から脱着自在とされる中間転写ユニット120を案内すると共に、装置本体10Aに装着された中間転写ユニット120を支持するガイドレール部材130が設けられている。
【0051】
このガイドレール部材130は、前側(ユーザが立つ正面側)に設けられ板状の構造部材であるフロントフレーム部材132の内側(中間転写ユニット120が配置される側)に取り付けられるガイドレール部材130Aと、後側(ユーザが立たない背面側)に設けられ板状の構造部材であるリアフレーム部材134の内側に取り付けられるガイドレール部材130Bとを備えている。
【0052】
そして、このガイドレール部材130A、130Bには、中間転写ユニット120を案内する案内溝144が形成され、この案内溝144の形状は、中間転写ユニット120を案内する方向を途中で変化させるように決められている。
【0053】
詳細には、図13(A)(B)に示されるように、ガイドレール部材130A、130Bに形成された案内溝144は、中間転写ユニット120に設けられた2本のガイドピン140、142を案内するようになっている。
【0054】
そして、この案内溝144は、中間転写ユニット120の着脱側(紙面左側)の端部が僅かに高くなるように傾斜した第1の部位144Aと、水平方向に対して奥側(紙面右側)の端部が所定の高さなるように傾斜した第2の部位144Bと、この第1の部位144Aと第2の部位144Bとが繋がる屈曲部144Cとを備えている。
【0055】
この構成により、図6、図13、図14に示されるように、中間転写ユニット120を装置本体10Aに装着する際には、先ず、リトラクトハンドル122を回転させて、第1のアイドラーロール56及び第2のアイドラーロール58と、一次転写部材46Y、46M、46C、46Kを像保持体34から退避させる。
【0056】
さらに、装置本体10Aの側面に設けられた側面カバー150を開いた状態で、中間転写ユニット120の2本のガイドピン140、142を、ガイドレール部材130A、130Bの案内溝144に挿入させる。その後、図5に示されるように、装置本体10Aの内部に中間転写ユニット120を押し込む。これにより、中間転写ユニット120の2本のガイドピン140、142が、図13(A)(B)に示されるように、ガイドレール部材130A、130Bの案内溝144に沿って案内される。なお、案内溝144の着脱側(入口側)には、山形状の突起144Dが形成されており、中間転写ユニット120のガイドピン140、142が、案内溝144から脱落することが防止される。
【0057】
また、中間転写ユニット120の装置本体10Aへの装着が完了した状態で、中間転写ユニット120に設けられた位置決めピン152が、ガイドレール部材130A、130Bに設けられた位置決溝154に嵌り、装着完了時の中間転写ユニット120の姿勢が安定する。
【0058】
さらに、リトラクトハンドル122を回転させて、一次転写部材46Y、46M、46C、46Kを、対向する像保持体34に中間転写ベルト32を介して当てる。これにより、中間転写ユニット120の装着作業が完了する。なお、中間転写ユニット120を装置本体10Aから取り外す場合は、装着の場合と逆の作業を行えばよい。
【0059】
また、図11に示されるように、中間転写ユニット120は、ガイドレール部材130B側に、複数の給電部158Y、158M、158C、158Kを備えている。中間転写ユニット120が装置本体10Aに装着された状態では、複数の給電部158Y、158M、158C、158Kは、ガイドレール部材130Bに設けられた給電部160Y、160M、160C、160Kと電気的に接触して給電可能となっている。そして、これら複数の給電部158Y、158M、158C、158Kによって、中間転写ユニット120に設けられた一次転写部材46Y、46M、46C、46Kに、給電部160Y、160M、160C、160Kから給電されるようになっている。
【0060】
(要部構成)
図10に示されるように、後側(ユーザが立たない背面側)のガイドレール部材130Bには、リアフレーム部材134(図11参照)側に開口する凹状の流路170が、中間転写ベルト32(図1参照)の移動方向に沿って設けられている。さらに、ガイドレール部材130Bには、流路170を流れる空気が外部に漏れないように、凹状の流路170をリアフレーム部材134(図11参照)側から覆うカバー部材172が設けられている。つまり、図7に示されるように、流路170は、カバー部材172によって覆われ、リアフレーム部材134の中間転写ベルト32(図11参照)側に配置されている。
【0061】
なお、流路170は、この例では、ガイドレール部材130Bに設けたが、中間転写ベルト32の移動方向に沿って空気を流す通路であればよく、ガイドレール部材130Bとは別個の部材であってもよい。
【0062】
図9、図10に示されるように、流路170の一端部には、カバー部材172から開放された流路170と繋がり、流路170を流れる空気を装置本体10Aの後側(ユーザが立たない背面側)に導くガイド部材174の一端部が固定されている。
【0063】
詳細には、図11に示されるように、ガイド部材174は、リアフレーム部材134の後側に設けられており、図8に示されるように、リアフレーム部材134に設けられた開口184を通して、流路170を流れる空気がガイド部材174の内部へ流れるようになっている。
【0064】
また、図9、図10に示されるように、ガイド部材174には、流路170を流れてきた空気中の粒子を捕獲するフィルタ部材176が脱着自在に設けられている。さらに、ガイド部材174の他端部には、流路170から空気を吸い込み、吸い込んだ空気を排出口180を通して装置本体10Aの外部に排出するファン178が設けられている。なお、排出口180は、ファン178の隣りに設けられている。
【0065】
また、図11に示されるように、ファン178が、流路170の一端部に設けられることで、各色の画像形成ユニット30に駆動力を伝達するギア部材190とファン178が干渉しないようになっている。
【0066】
一方、図1に示されるように、流路170を構成するガイドレール部材130Bの中間転写ベルト32側の壁面には、像保持体34と現像器42と中間転写ベルト32とで囲まれた空間で浮遊する、霧状に舞い上がるトナー(以下「トナークラウド」と言う)を流路170に吸い込むための吸込口182が設けられている。つまり、吸込口182は、像保持体34と現像器42と中間転写ベルト32とで囲まれた空間の空気を吸い込む位置に設けられている。
【0067】
詳細には、像保持体34Yと現像器42Yと中間転写ベルト32とで囲まれた空間で浮遊するトナークラウドを吸い込むように設けられた吸込口182Yと、像保持体34Mと現像器42Mと中間転写ベルト32とで囲まれた空間で浮遊するトナークラウドを吸い込むように設けられた吸込口182Mと、像保持体34Cと現像器42Cと中間転写ベルト32とで囲まれた空間で浮遊するトナークラウドを吸い込むように設けられた吸込口182Cと、像保持体34Kと現像器42Kと中間転写ベルト32とで囲まれた空間で浮遊するトナークラウドを吸い込むように設けられた吸込口182Kとが設けられている。
【0068】
そして、各吸込口182Y、182M、182C、182Kの大きさは、ファン178からの距離に応じて決められており、ファン178に対して最も遠くの位置に設けられている吸込口182Yの開口面積が一番大きく、ファン178に近づくにつれて順次小さくされている。
【0069】
つまり、最も遠くの位置に設けられることでファン178による吸込力が最も弱まる吸込口182Yの開口面積を一番大きくし、最も近くの位置に設けられることでファン178による吸込力が最も強い吸込口182Kの開口面積を一番小さくしている。
【0070】
なお、図1においては、ガイドレール部材130B、中間転写ベルト32、各色の像保持体34及び各色の現像器42の位置関係が分かるように、中間転写ユニット120に設けられた駆動ロール48等を削除して記載している。
【0071】
(作用)
図3に示されるように、各色の画像形成ユニット30に設けられた帯電部材36が像保持体34の表面を一様に帯電する。
【0072】
さらに、各色の画像形成ユニット30に個別に設けられた露光装置40に、各色の画像データが順次出力される。そして、これらの露光装置40から画像データに応じて出射された光が対応する像保持体34の表面に走査露光され、像保持体34の表面には静電潜像が形成される。
【0073】
また、像保持体34の表面に形成された静電潜像は、各色の現像器42によって、それぞれイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色のトナー画像として順次現像される。さらに、各色の像保持体34の表面に順次形成されたイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色のトナー画像は、中間転写ベルト32上に、一次転写部材46によって多重に転写される。
【0074】
ここで、像保持体34の表面に形成された静電潜像を現像器42によってトナー画像として現像する際、さらには、像保持体34の表面に形成されたトナー画像を中間転写ベルト32に転写する際、余剰のトナーがトナークラウドとして像保持体34と現像器42と中間転写ベルト32とで囲まれた空間に発生する。
【0075】
一方、図7、図9、図10に示されるように、ファン178は流路170を流れる空気を吸い込んで排出口180(図11参照)から排出する。図1に示されるように、ファン178が流路170内の空気を吸い込むことで、流路170の壁面に設けられた吸込口182Y、182M、182C、182Kには、像保持体34と現像器42と中間転写ベルト32とで囲まれた空間の空気を吸い込む吸込力が生じる。
【0076】
そして、各吸込口182Y、182M、182C、182Kに生じた吸込力により、各色の像保持体34と各色の現像器42と中間転写ベルト32とで囲まれた空間で浮遊するトナークラウドは、各吸込口182Y、182M、182C、182Kから流路170に吸い込まれ、フィルタ部材176により捕獲され、トナーが含まれない空気が排出口180から外部へ排出される。
【0077】
このように、中間転写ベルト32に沿って配置された複数個の画像形成ユニット30で生じたトナークラウドは、中間転写ベルト32に沿って形成された流路170から排出される。
【0078】
すなわち、吸込口182は像保持体34と現像器42と中間転写ベルト32とで囲まれた空間の空気を吸い込む位置に形成されている。このため、吸込口182に生じた吸込力により、各色の像保持体34と各色の現像器42と中間転写ベルト32とで囲まれた空間で浮遊するトナークラウドは、各吸込口182から流路170に吸い込まれ、流路170を通って流路170の外部へ排出される。
【0079】
また、ファン178の吸込力が最も弱い吸込口182Yの開口面積を一番大きく、ファン178の吸込力が最も強い吸込口182Kの開口面積を一番小さくすることで、各色の画像形成ユニット30で生じたトナークラウドが各吸込口182から満遍なく吸い込まれる(各吸込口182からの空気の吸込量を一定に近づけられる)。
【0080】
また、流路170をリアフレーム部材134の中間転写ベルト32側に設けることで、装置本体10Aの後側が大きくなるのが抑制される。
【0081】
また、流路170をガイドレール部材130Bに設けることで、部品点数が削減される。
【0082】
また、現像器の全幅に渡って吸気ダクトが設けられる場合と比して、小さな空間を利用して画像形成ユニット30で生じたトナークラウドが流路170の外部に排出される。
【0083】
また、ファン178を流路170の一端部に設けることで、ギア部材190と干渉することなくファン178が配置される。
【0084】
なお、本発明を特定の実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施形態が可能であることは当業者にとって明らかである。例えば、上記実施形態では、吸込口182の大きさを変えることで、各色の画像形成ユニット30で生じたトナークラウドを満遍なく各吸込口182から吸い込んだが、さらに、流路170の断面積を変えることで各吸込口182での吸引力を調整してトナークラウドを満遍なく各吸込口182から吸い込んでもよい。
【符号の説明】
【0085】
10 画像形成装置
30 画像形成ユニット
32 中間転写ベルト(転写ベルトの一例)
34 像保持体
42 現像器(現像部材)
130B ガイドレール部材(流路形成部材の一例)
134 リアフレーム部材(支持部材の一例)
170 流路
178 ファン(排出手段の一例)
182 吸込口
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載には、像保持体上に形成された潜像をトナー画像で可視化する現像器が記載されている。
【0003】
さらに、この現像器の上方には、現像器の全幅に渡って吸気ダクトが設けられており、この吸気ダクトには、現像器に対向するように複数個の吸気口が形成されている。そして、この吸気口から吸気ダクトに現像器で生じた霧状に舞い上がるトナー(トナークラウド)を吸い込むようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8−171316号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、転写ベルトと転写ベルトを支持する支持部材との間の空間を利用して、転写ベルトに沿って配置された複数個の画像形成部で生じた霧状に舞い上がるトナーを排出することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の請求項1に係る画像形成装置は、表面に直接若しくは転写媒体を介してトナー画像が転写される転写ベルトと、前記転写ベルト表面の移動方向に沿って並べられ、前記トナー画像を形成する複数個の画像形成部と、前記転写ベルト表面の移動方向に沿って流路が形成されると共に、複数個の前記画像形成部で生じた霧状に舞い上がるトナーを前記流路に吸い込むための複数個の吸込口が設けられ、前記転写ベルトを支持する支持部材に対して前記転写ベルト側に配置される流路形成部材と、前記吸込口を通して霧状に舞い上がるトナーを前記流路に吸い込むと共に、吸い込んだ霧状に舞い上がるトナーを前記流路から排出させる排出手段と、を備えることを特徴とする。
【0007】
本発明の請求項2に係る画像形成装置は、表面に直接若しくは転写媒体を介してトナー画像が転写される転写ベルトと、前記転写ベルト表面の移動方向に沿って並べられ、表面に静電潜像が形成される像保持体と、前記像保持体の表面に形成された静電潜像を可視化して前記転写ベルトの表面に直接若しくは転写媒体を介して転写されるトナー画像を形成させる現像部材と、を備える複数個の画像形成部と、前記転写ベルト表面の移動方向に沿って流路が形成されると共に、前記転写ベルトと前記像保持体と前記現像部材とで囲まれた空間の空気を前記流路に吸い込む複数の位置に吸込口が設けられ、前記転写ベルトを支持する支持部材に対して前記転写ベルト側に配置される流路形成部材と、前記転写ベルトと前記像保持体と前記現像部材とで囲まれた空間の空気を前記吸込口及び前記流路を通過させて排出する排出手段と、を備えることを特徴とする。
【0008】
本発明の請求項3に係る画像形成装置は、請求項1又は2に記載において、前記流路形成部材は、前記支持部材に固定され、前記転写ベルトを保持位置決めするように構成されることを特徴とする。
【0009】
本発明の請求項4に係る画像形成装置は、請求項1〜3何れか1項に記載において、前記排出手段は、前記流路形成部材の端部側に設けられ、複数個の前記吸込口の大きさは、前記排出手段からの距離に応じて異なるように決められることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明の請求項1の画像形成装置によれば、支持部材と転写ベルトとの間に流路が形成された流路形成部材が設けられない構成と比して、転写ベルトと支持部材との間の空間を利用して複数個の画像形成部で生じた霧状に舞い上がるトナーを効率的に排出することができる。
【0011】
本発明の請求項2の画像形成装置によれば、支持部材と転写ベルトとの間に流路が形成された流路形成部材が設けられない構成と比して、転写ベルトと支持部材との間の空間を利用して、転写ベルトと像保持体と現像部材とで囲まれた空間で生じた霧状に舞い上がるトナーを効果的に排出することができる。
【0012】
本発明の請求項3の画像形成装置によれば、転写ベルトを支持する部材を流路形成部材とは別個に設ける場合と比して、部品点数を少なくすることができる。
【0013】
本発明の請求項4の画像形成装置によれば、吸込口の大きさが排出手段からの距離に応じて異なっていない場合と比して、複数個の画像形成部で生じた霧状に舞い上がるトナーを満遍なく吸込口から吸い込むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施形態に係る画像形成装置に採用されたガイドレール部材等を示した正面図である。
【図2】本発明の実施形態に係る画像形成装置に採用された画像形成ユニットを示した拡大正面図である。
【図3】本発明の実施形態に係る画像形成装置の中間転写ベルト近傍の構成を示した概略構成図である。
【図4】本発明の実施形態に係る画像形成装置の構成を示した概略構成図である。
【図5】本発明の実施形態に係る画像形成装置を示した斜視図である。
【図6】本発明の実施形態に係る画像形成装置を示した斜視図である。
【図7】本発明の実施形態に係る画像形成装置に採用されたガイドレール部材及びリアフレーム部材等を示した斜視図である。
【図8】本発明の実施形態に係る画像形成装置に採用されたガイドレール部材及びリアフレーム部材等を示した斜視図である。
【図9】本発明の実施形態に係る画像形成装置に採用されたガイドレール部材、カバー部材及びファン等を示した斜視図である。
【図10】本発明の実施形態に係る画像形成装置に採用されたガイドレール部材、カバー部材及びファン等を示した分解斜視図である。
【図11】本発明の実施形態に係る画像形成装置に採用されたガイドレール部材、フロントフレーム部材、リアフレーム部材及び中間転写ユニット等を示した斜視図である。
【図12】本発明の実施形態に係る画像形成装置に採用されたガイドレール部材、フロントフレーム部材、リアフレーム部材及び中間転写ユニット等を示した斜視図である。
【図13】(A)(B)本発明の実施形態に係る画像形成装置に採用された中間転写ユニットの装着動作を示した図面である。
【図14】(A)(B)本発明の実施形態に係る画像形成装置に採用された中間転写ユニットを示した正面図である。
【図15】本発明の実施形態に係る画像形成装置に採用された中間転写ユニットを示した正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の実施形態に係る画像形成装置の一例を図1〜図15に従って説明する。
【0016】
(全体構成)
図4に示されるように、本実施形態に係る画像形成装置10の装置本体10Aの上部には、複数枚の読取原稿Gを一枚ずつ自動で搬送する自動原稿搬送装置12と、一枚の読取原稿Gが載せられるプラテンガラス16と、自動原稿搬送装置12によって搬送された読取原稿G又はプラテンガラス16に載せられた読取原稿Gを読み取る原稿読取装置14とが設けられている。なお、図中矢印UPは鉛直方向上側、矢印FRは前側(ユーザが立つ正面側)を示す。
【0017】
この原稿読取装置14には、自動原稿搬送装置12によって搬送された読取原稿G又はプラテンガラス16に載せられた読取原稿Gに光を照射する光源18が設けられている。
【0018】
さらに、原稿読取装置14には、光源18によって照射されて読取原稿Gから反射された反射光をプラテンガラス16と平行な方向に反射させるフルレートミラー20と、フルレートミラー20によって反射した反射光を下方へ反射させるハーフレートミラー22と、ハーフレートミラー22によって反射した反射光をプラテンガラス16と平行な方向に反射させて折り返すハーフレートミラー24と、ハーフレートミラー24によって折り返された反射光が入射される結像レンズ26と、から構成される光学系が設けられている。
【0019】
また、原稿読取装置14には、結像レンズ26によって結像された反射光を電気信号に変換する光電変換素子28が設けられ、さらに、光電変換素子28によって変換された電気信号を画像処理する画像処理装置29が設けられている。
【0020】
そして、光源18、フルレートミラー20、ハーフレートミラー22及びハーフレートミラー24は、プラテンガラス16に沿って移動可能となっている。プラテンガラス16に載せられた読取原稿Gを読み取る場合には、光源18、フルレートミラー20、ハーフレートミラー22及びハーフレートミラー24を移動させながら、光源18がプラテンガラス16に載せられた読取原稿Gに光を照射し、読取原稿Gから反射された反射光が光電変換素子28へ結像するようになっている。
【0021】
また、自動原稿搬送装置12によって搬送された読取原稿Gを読み取る場合には、光源18、フルレートミラー20、ハーフレートミラー22及びハーフレートミラー24は決められた位置に停止して、自動原稿搬送装置12によって搬送された読取原稿Gに光源18が光を照射し、読取原稿Gから反射された反射光が光電変換素子28へ結像するようになっている。
【0022】
一方、装置本体10Aの上下方向中央部には、互いに異なった色のトナー画像を形成すると共に、水平方向に対して傾斜した状態に並んで配置される画像形成部の一例としての複数個の画像形成ユニット30が設けられている。さらに、画像形成ユニット30の上側には、図中矢印A方向に循環駆動しながら各色の画像形成ユニット30で形成されたトナー画像が転写される転写ベルトの一例としての無端状の中間転写ベルト32が設けられている。
【0023】
詳細には、図3に示されるように、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の4つの画像形成ユニット30Y、30M、30C、30Kがこの順で設けられている。そして、最初に中間転写ベルト32に転写されるイエロー(Y)のトナー画像が形成される画像形成ユニット30Yが最も高い位置に、最後に中間転写ベルト32に転写される黒(K)のトナー画像が形成される画像形成ユニット30Kが最も低い位置に設けられ、画像形成ユニット30Y、30M、30C、30Kは全体として水平方向に対して所定の角度だけ斜めに傾斜した状態で一定の間隔を隔てて並べられている。
【0024】
これらの4つの画像形成ユニット30Y、30M、30C、30Kは、基本的に、同様に構成されている。なお、以下の説明では、各色を区別する場合には符号に各色に対応する文字(Y、M、C、K)を付加し、特に区別しない場合には各色に対応する文字を省略する。
【0025】
図2に示されるように、各色の画像形成ユニット30には、図示しない駆動手段によって矢印D方向に回転する像保持体34が設けられ、さらに、この像保持体34の表面を一様に帯電する帯電用の帯電部材36が設けられている。
【0026】
また、帯電部材36に対して像保持体34の回転方向の下流側には、帯電部材36によって表面が一様に帯電した像保持体34の表面に所定の色に対応した光を露光して静電潜像を形成させる露光装置40が設けられている。さらに、露光装置40に対して像保持体34の回転方向の下流側には、像保持体34の表面に形成された静電潜像を所定の色のトナーで現像し、トナー画像として可視化させる現像部材の一例としての現像器42が設けられている。
【0027】
一方、中間転写ベルト32を挟んで像保持体34の反対側には、像保持体34の表面に形成されたトナー画像を中間転写ベルト32に転写するための一次転写部材46が設けられている。さらに、像保持体34から中間転写ベルト32に転写されずに像保持体34の表面に残留した残留トナー等を清掃するクリーニング装置44が、像保持体34の表面に接して、一次転写部材46に対して像保持体34の回転方向の下流側に設けられている。
【0028】
つまり、画像形成ユニット30は、像保持体34と、帯電部材36と、露光装置40と、現像器42と、クリーニング装置44とを含んで構成されている。
【0029】
なお、中間転写ベルト32の上方には、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色の現像器42に、所定の色のトナーを供給するトナーカートリッジ38Y、38M、38C、38K(図4参照)が設けられている。そして、黒(K)色のトナーを収容したトナーカートリッジ38Kは、使用頻度が高いため、他のカラーのトナーカートリッジと比較して大きくされている。
【0030】
この構成により、画像処理装置29又は外部から、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色の画像形成ユニット30Y、30M、30C、30Kに個別に設けられた露光装置40Y、40M、40C、40Kに各色の画像データが順次出力される。さらに、これらの露光装置40Y、40M、40C、40Kから画像データに応じて出射された光は、対応する像保持体34の表面を露光し、像保持体34の表面には静電潜像が形成される。像保持体34の表面に形成された静電潜像は、現像器42Y、42M、42C、42Kによって、それぞれイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色のトナー画像として現像される。
【0031】
さらに、像保持体34の表面に、順次形成されたイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色のトナー画像は、各色の画像形成ユニット30Y、30M、30C、30Kの上方に傾斜して配置される中間転写ベルト32上に、一次転写部材46によって多重に転写される。
【0032】
一方、図3に示されるように、この中間転写ベルト32は、中間転写ベルト32に駆動力を付与する駆動ロール48と、従動回転する支持ロール50と、中間転写ベルト32に張力を付与する張力付与ロール54と、第1のアイドラーロール56と、第2のアイドラーロール58とに一定のテンションで巻き掛けられている。
【0033】
また、図15に示されるように、中間転写ベルト32の下面は、傾斜した状態に並んで配置された画像形成ユニット30(図3参照)の傾斜角と同様に、水平方向Hに対して角度θだけ傾斜している。
【0034】
さらに、中間転写ベルト32の表面を清掃するクリーニング装置52が、中間転写ベルト32を挟んで駆動ロール48の反対側に設けられており、このクリーニング装置52は、装置本体10Aの前側(ユーザが立つ正面側)に設けられたフロントカバー156を開放することで装置本体10Aに脱着自在とされている(図6参照)。
【0035】
さらに、中間転写ベルト32を挟んで支持ロール50の反対側には、中間転写ベルト32上に一次転写されたトナー画像を記録媒体としての記録シートPに二次転写するための二次転写部材60が配置されている。つまり、二次転写部材60と支持ロール50との間が記録シートPへトナー画像を転写する二次転写位置とされている。
【0036】
図4に示されるように、二次転写部材60の上方には、二次転写部材60によってトナー画像が転写されて搬送経路62に沿って搬送される記録シートPにトナー画像を定着させる定着装置64が設けられている。
【0037】
さらに、定着装置64に対して記録シートPの搬送方向の下流側(以下単に「搬送方向下流側」という)には、トナー画像が定着された記録シートPを搬送する搬送ロール66が設けられ、搬送ロール66の搬送方向下流側には、記録シートPの搬送方向を切り替える切替ゲート68が設けられている。
【0038】
また、切替ゲート68の搬送方向下流側には、一の方向に切り替えられた切替ゲート68によって案内される記録シートPを第一排出部69に排出させる第一排出ロール70が設けられている。
【0039】
さらに、切替ゲート68の搬送方向下流側には、他の方向に切り替えられた切替ゲート68によって案内されて搬送ロール73により搬送される記録シートPを第二排出部72に排出させる第二排出ロール74と、記録シートPを第三排出部76に排出させる第三排出ロール78が設けられている。
【0040】
一方、装置本体10Aの下部であって、二次転写部材60に対して記録シートPの搬送方向の上流側(以下単に「搬送方向上流側」という)には、記録シートPが収容される給紙部80、82、84、86が設けられ、各給紙部80、82、84、86には、サイズの異なる記録シートPが収容されている。
【0041】
さらに、各給紙部80、82、84、86には、収容された記録シートPを各給紙部80、82、84、86から搬送経路62に持ち出す給紙ロール88が設けられ、給紙ロール88の搬送方向の下流側には、記録シートPを一枚ずつ搬送する搬送ロール90及び搬送ロール92が設けられている。
【0042】
また、搬送ロール92の搬送方向下流側には、記録シートPを一端停止させ、所定のタイミングで二次転写位置へ送り出す位置合せロール94が設けられている。
【0043】
一方、記録シートPの両面に画像を形成させるために、記録シートPを反転させて搬送する両面用搬送ユニット98が二次転写位置の側方に設けられている。そして、両面用搬送ユニット98には、搬送ロール73を逆転させることで搬送される記録シートPが送り込まれる反転経路100が設けられている。さらに、反転経路100に沿って複数個の搬送ロール102が設けられ、これらの搬送ロール102によって搬送される記録シートPは表裏が反転された状態で、位置合せロール94に再度搬送される構成となっている。
【0044】
また、両面用搬送ユニット98の隣りには、折り畳み式の手差給紙部106が設けられている。そして、開放された折り畳み式の手差給紙部106から給紙される記録シートPを搬送する給紙ロール108及び搬送ロール110、112が設けられており、搬送ロール110、112で搬送された記録シートPは、位置合せロール94に搬送されるようになっている。
【0045】
次ぎに、中間転写ベルト32を構成部品とする中間転写ユニット120等について説明する。
【0046】
図3に示されるように、中間転写ユニット120は、中間転写ベルト32と、この中間転写ベルト32が巻き掛けられる駆動ロール48、支持ロール50、張力付与ロール54、第1のアイドラーロール56、第2のアイドラーロール58等を含んで構成されている。そして、この中間転写ユニット120は、図示せぬカバーを開放して装置本体10Aの一側面(図3で示す左側側面)から着脱自在とされている。
【0047】
図14(A)(B)に示されるように、中間転写ユニット120には、回転操作することで、第1のアイドラーロール56及び第2のアイドラーロール58と、一次転写部材46Y、46M、46C、46Kを上方に退避させ、中間転写ベルト32を各色の画像形成ユニット30Y、30M、30C、30Kの像保持体34から離すリトラクトハンドル122が設けられている。
【0048】
詳細には、図14(B)に示されるように、中間転写ユニット120には、リトラクトハンドル122が回動自在に取り付けられている。さらに、このリトラクトハンドル122には、第1のアイドラーロール56、第2のアイドラーロール58、及び一次転写部材46Y、46M、46C、46Kが回転自在に取り付けられる保持フレーム124がリンク機構(図示省略)を介して連結されている。
【0049】
そして、リトラクトハンドル122を回動操作することで、保持フレーム124が中間転写ベルト32の循環方向に対して交差する方向(図中矢印方向)に移動し、弾性力で中間転写ベルト32が各色の像保持体34から離間するようになっている。
【0050】
また、図11、図12に示されるように、装置本体10A(図3参照)の内部には、装置本体10Aの一側面から脱着自在とされる中間転写ユニット120を案内すると共に、装置本体10Aに装着された中間転写ユニット120を支持するガイドレール部材130が設けられている。
【0051】
このガイドレール部材130は、前側(ユーザが立つ正面側)に設けられ板状の構造部材であるフロントフレーム部材132の内側(中間転写ユニット120が配置される側)に取り付けられるガイドレール部材130Aと、後側(ユーザが立たない背面側)に設けられ板状の構造部材であるリアフレーム部材134の内側に取り付けられるガイドレール部材130Bとを備えている。
【0052】
そして、このガイドレール部材130A、130Bには、中間転写ユニット120を案内する案内溝144が形成され、この案内溝144の形状は、中間転写ユニット120を案内する方向を途中で変化させるように決められている。
【0053】
詳細には、図13(A)(B)に示されるように、ガイドレール部材130A、130Bに形成された案内溝144は、中間転写ユニット120に設けられた2本のガイドピン140、142を案内するようになっている。
【0054】
そして、この案内溝144は、中間転写ユニット120の着脱側(紙面左側)の端部が僅かに高くなるように傾斜した第1の部位144Aと、水平方向に対して奥側(紙面右側)の端部が所定の高さなるように傾斜した第2の部位144Bと、この第1の部位144Aと第2の部位144Bとが繋がる屈曲部144Cとを備えている。
【0055】
この構成により、図6、図13、図14に示されるように、中間転写ユニット120を装置本体10Aに装着する際には、先ず、リトラクトハンドル122を回転させて、第1のアイドラーロール56及び第2のアイドラーロール58と、一次転写部材46Y、46M、46C、46Kを像保持体34から退避させる。
【0056】
さらに、装置本体10Aの側面に設けられた側面カバー150を開いた状態で、中間転写ユニット120の2本のガイドピン140、142を、ガイドレール部材130A、130Bの案内溝144に挿入させる。その後、図5に示されるように、装置本体10Aの内部に中間転写ユニット120を押し込む。これにより、中間転写ユニット120の2本のガイドピン140、142が、図13(A)(B)に示されるように、ガイドレール部材130A、130Bの案内溝144に沿って案内される。なお、案内溝144の着脱側(入口側)には、山形状の突起144Dが形成されており、中間転写ユニット120のガイドピン140、142が、案内溝144から脱落することが防止される。
【0057】
また、中間転写ユニット120の装置本体10Aへの装着が完了した状態で、中間転写ユニット120に設けられた位置決めピン152が、ガイドレール部材130A、130Bに設けられた位置決溝154に嵌り、装着完了時の中間転写ユニット120の姿勢が安定する。
【0058】
さらに、リトラクトハンドル122を回転させて、一次転写部材46Y、46M、46C、46Kを、対向する像保持体34に中間転写ベルト32を介して当てる。これにより、中間転写ユニット120の装着作業が完了する。なお、中間転写ユニット120を装置本体10Aから取り外す場合は、装着の場合と逆の作業を行えばよい。
【0059】
また、図11に示されるように、中間転写ユニット120は、ガイドレール部材130B側に、複数の給電部158Y、158M、158C、158Kを備えている。中間転写ユニット120が装置本体10Aに装着された状態では、複数の給電部158Y、158M、158C、158Kは、ガイドレール部材130Bに設けられた給電部160Y、160M、160C、160Kと電気的に接触して給電可能となっている。そして、これら複数の給電部158Y、158M、158C、158Kによって、中間転写ユニット120に設けられた一次転写部材46Y、46M、46C、46Kに、給電部160Y、160M、160C、160Kから給電されるようになっている。
【0060】
(要部構成)
図10に示されるように、後側(ユーザが立たない背面側)のガイドレール部材130Bには、リアフレーム部材134(図11参照)側に開口する凹状の流路170が、中間転写ベルト32(図1参照)の移動方向に沿って設けられている。さらに、ガイドレール部材130Bには、流路170を流れる空気が外部に漏れないように、凹状の流路170をリアフレーム部材134(図11参照)側から覆うカバー部材172が設けられている。つまり、図7に示されるように、流路170は、カバー部材172によって覆われ、リアフレーム部材134の中間転写ベルト32(図11参照)側に配置されている。
【0061】
なお、流路170は、この例では、ガイドレール部材130Bに設けたが、中間転写ベルト32の移動方向に沿って空気を流す通路であればよく、ガイドレール部材130Bとは別個の部材であってもよい。
【0062】
図9、図10に示されるように、流路170の一端部には、カバー部材172から開放された流路170と繋がり、流路170を流れる空気を装置本体10Aの後側(ユーザが立たない背面側)に導くガイド部材174の一端部が固定されている。
【0063】
詳細には、図11に示されるように、ガイド部材174は、リアフレーム部材134の後側に設けられており、図8に示されるように、リアフレーム部材134に設けられた開口184を通して、流路170を流れる空気がガイド部材174の内部へ流れるようになっている。
【0064】
また、図9、図10に示されるように、ガイド部材174には、流路170を流れてきた空気中の粒子を捕獲するフィルタ部材176が脱着自在に設けられている。さらに、ガイド部材174の他端部には、流路170から空気を吸い込み、吸い込んだ空気を排出口180を通して装置本体10Aの外部に排出するファン178が設けられている。なお、排出口180は、ファン178の隣りに設けられている。
【0065】
また、図11に示されるように、ファン178が、流路170の一端部に設けられることで、各色の画像形成ユニット30に駆動力を伝達するギア部材190とファン178が干渉しないようになっている。
【0066】
一方、図1に示されるように、流路170を構成するガイドレール部材130Bの中間転写ベルト32側の壁面には、像保持体34と現像器42と中間転写ベルト32とで囲まれた空間で浮遊する、霧状に舞い上がるトナー(以下「トナークラウド」と言う)を流路170に吸い込むための吸込口182が設けられている。つまり、吸込口182は、像保持体34と現像器42と中間転写ベルト32とで囲まれた空間の空気を吸い込む位置に設けられている。
【0067】
詳細には、像保持体34Yと現像器42Yと中間転写ベルト32とで囲まれた空間で浮遊するトナークラウドを吸い込むように設けられた吸込口182Yと、像保持体34Mと現像器42Mと中間転写ベルト32とで囲まれた空間で浮遊するトナークラウドを吸い込むように設けられた吸込口182Mと、像保持体34Cと現像器42Cと中間転写ベルト32とで囲まれた空間で浮遊するトナークラウドを吸い込むように設けられた吸込口182Cと、像保持体34Kと現像器42Kと中間転写ベルト32とで囲まれた空間で浮遊するトナークラウドを吸い込むように設けられた吸込口182Kとが設けられている。
【0068】
そして、各吸込口182Y、182M、182C、182Kの大きさは、ファン178からの距離に応じて決められており、ファン178に対して最も遠くの位置に設けられている吸込口182Yの開口面積が一番大きく、ファン178に近づくにつれて順次小さくされている。
【0069】
つまり、最も遠くの位置に設けられることでファン178による吸込力が最も弱まる吸込口182Yの開口面積を一番大きくし、最も近くの位置に設けられることでファン178による吸込力が最も強い吸込口182Kの開口面積を一番小さくしている。
【0070】
なお、図1においては、ガイドレール部材130B、中間転写ベルト32、各色の像保持体34及び各色の現像器42の位置関係が分かるように、中間転写ユニット120に設けられた駆動ロール48等を削除して記載している。
【0071】
(作用)
図3に示されるように、各色の画像形成ユニット30に設けられた帯電部材36が像保持体34の表面を一様に帯電する。
【0072】
さらに、各色の画像形成ユニット30に個別に設けられた露光装置40に、各色の画像データが順次出力される。そして、これらの露光装置40から画像データに応じて出射された光が対応する像保持体34の表面に走査露光され、像保持体34の表面には静電潜像が形成される。
【0073】
また、像保持体34の表面に形成された静電潜像は、各色の現像器42によって、それぞれイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色のトナー画像として順次現像される。さらに、各色の像保持体34の表面に順次形成されたイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色のトナー画像は、中間転写ベルト32上に、一次転写部材46によって多重に転写される。
【0074】
ここで、像保持体34の表面に形成された静電潜像を現像器42によってトナー画像として現像する際、さらには、像保持体34の表面に形成されたトナー画像を中間転写ベルト32に転写する際、余剰のトナーがトナークラウドとして像保持体34と現像器42と中間転写ベルト32とで囲まれた空間に発生する。
【0075】
一方、図7、図9、図10に示されるように、ファン178は流路170を流れる空気を吸い込んで排出口180(図11参照)から排出する。図1に示されるように、ファン178が流路170内の空気を吸い込むことで、流路170の壁面に設けられた吸込口182Y、182M、182C、182Kには、像保持体34と現像器42と中間転写ベルト32とで囲まれた空間の空気を吸い込む吸込力が生じる。
【0076】
そして、各吸込口182Y、182M、182C、182Kに生じた吸込力により、各色の像保持体34と各色の現像器42と中間転写ベルト32とで囲まれた空間で浮遊するトナークラウドは、各吸込口182Y、182M、182C、182Kから流路170に吸い込まれ、フィルタ部材176により捕獲され、トナーが含まれない空気が排出口180から外部へ排出される。
【0077】
このように、中間転写ベルト32に沿って配置された複数個の画像形成ユニット30で生じたトナークラウドは、中間転写ベルト32に沿って形成された流路170から排出される。
【0078】
すなわち、吸込口182は像保持体34と現像器42と中間転写ベルト32とで囲まれた空間の空気を吸い込む位置に形成されている。このため、吸込口182に生じた吸込力により、各色の像保持体34と各色の現像器42と中間転写ベルト32とで囲まれた空間で浮遊するトナークラウドは、各吸込口182から流路170に吸い込まれ、流路170を通って流路170の外部へ排出される。
【0079】
また、ファン178の吸込力が最も弱い吸込口182Yの開口面積を一番大きく、ファン178の吸込力が最も強い吸込口182Kの開口面積を一番小さくすることで、各色の画像形成ユニット30で生じたトナークラウドが各吸込口182から満遍なく吸い込まれる(各吸込口182からの空気の吸込量を一定に近づけられる)。
【0080】
また、流路170をリアフレーム部材134の中間転写ベルト32側に設けることで、装置本体10Aの後側が大きくなるのが抑制される。
【0081】
また、流路170をガイドレール部材130Bに設けることで、部品点数が削減される。
【0082】
また、現像器の全幅に渡って吸気ダクトが設けられる場合と比して、小さな空間を利用して画像形成ユニット30で生じたトナークラウドが流路170の外部に排出される。
【0083】
また、ファン178を流路170の一端部に設けることで、ギア部材190と干渉することなくファン178が配置される。
【0084】
なお、本発明を特定の実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施形態が可能であることは当業者にとって明らかである。例えば、上記実施形態では、吸込口182の大きさを変えることで、各色の画像形成ユニット30で生じたトナークラウドを満遍なく各吸込口182から吸い込んだが、さらに、流路170の断面積を変えることで各吸込口182での吸引力を調整してトナークラウドを満遍なく各吸込口182から吸い込んでもよい。
【符号の説明】
【0085】
10 画像形成装置
30 画像形成ユニット
32 中間転写ベルト(転写ベルトの一例)
34 像保持体
42 現像器(現像部材)
130B ガイドレール部材(流路形成部材の一例)
134 リアフレーム部材(支持部材の一例)
170 流路
178 ファン(排出手段の一例)
182 吸込口
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面に直接若しくは転写媒体を介してトナー画像が転写される転写ベルトと、
前記転写ベルト表面の移動方向に沿って並べられ、前記トナー画像を形成する複数個の画像形成部と、
前記転写ベルト表面の移動方向に沿って流路が形成されると共に、複数個の前記画像形成部で生じた霧状に舞い上がるトナーを前記流路に吸い込むための複数個の吸込口が設けられ、前記転写ベルトを支持する支持部材に対して前記転写ベルト側に配置される流路形成部材と、
前記吸込口を通して霧状に舞い上がるトナーを前記流路に吸い込むと共に、吸い込んだ霧状に舞い上がるトナーを前記流路から排出させる排出手段と、
を備える画像形成装置。
【請求項2】
表面に直接若しくは転写媒体を介してトナー画像が転写される転写ベルトと、
前記転写ベルト表面の移動方向に沿って並べられ、表面に静電潜像が形成される像保持体と、前記像保持体の表面に形成された静電潜像を可視化して前記転写ベルトの表面に直接若しくは転写媒体を介して転写されるトナー画像を形成させる現像部材と、を備える複数個の画像形成部と、
前記転写ベルト表面の移動方向に沿って流路が形成されると共に、前記転写ベルトと前記像保持体と前記現像部材とで囲まれた空間の空気を前記流路に吸い込む複数の位置に吸込口が設けられ、前記転写ベルトを支持する支持部材に対して前記転写ベルト側に配置される流路形成部材と、
前記転写ベルトと前記像保持体と前記現像部材とで囲まれた空間の空気を前記吸込口及び前記流路を通過させて排出する排出手段と、
を備える画像形成装置。
【請求項3】
前記流路形成部材は、前記支持部材に固定され、前記転写ベルトを保持位置決めするように構成される請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記排出手段は、前記流路形成部材の端部側に設けられ、複数個の前記吸込口の大きさは、前記排出手段からの距離に応じて異なるように決められる請求項1〜3何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項1】
表面に直接若しくは転写媒体を介してトナー画像が転写される転写ベルトと、
前記転写ベルト表面の移動方向に沿って並べられ、前記トナー画像を形成する複数個の画像形成部と、
前記転写ベルト表面の移動方向に沿って流路が形成されると共に、複数個の前記画像形成部で生じた霧状に舞い上がるトナーを前記流路に吸い込むための複数個の吸込口が設けられ、前記転写ベルトを支持する支持部材に対して前記転写ベルト側に配置される流路形成部材と、
前記吸込口を通して霧状に舞い上がるトナーを前記流路に吸い込むと共に、吸い込んだ霧状に舞い上がるトナーを前記流路から排出させる排出手段と、
を備える画像形成装置。
【請求項2】
表面に直接若しくは転写媒体を介してトナー画像が転写される転写ベルトと、
前記転写ベルト表面の移動方向に沿って並べられ、表面に静電潜像が形成される像保持体と、前記像保持体の表面に形成された静電潜像を可視化して前記転写ベルトの表面に直接若しくは転写媒体を介して転写されるトナー画像を形成させる現像部材と、を備える複数個の画像形成部と、
前記転写ベルト表面の移動方向に沿って流路が形成されると共に、前記転写ベルトと前記像保持体と前記現像部材とで囲まれた空間の空気を前記流路に吸い込む複数の位置に吸込口が設けられ、前記転写ベルトを支持する支持部材に対して前記転写ベルト側に配置される流路形成部材と、
前記転写ベルトと前記像保持体と前記現像部材とで囲まれた空間の空気を前記吸込口及び前記流路を通過させて排出する排出手段と、
を備える画像形成装置。
【請求項3】
前記流路形成部材は、前記支持部材に固定され、前記転写ベルトを保持位置決めするように構成される請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記排出手段は、前記流路形成部材の端部側に設けられ、複数個の前記吸込口の大きさは、前記排出手段からの距離に応じて異なるように決められる請求項1〜3何れか1項に記載の画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2011−17859(P2011−17859A)
【公開日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−161960(P2009−161960)
【出願日】平成21年7月8日(2009.7.8)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年7月8日(2009.7.8)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
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