説明

画像形成装置

【課題】ベルト部材の損傷を抑えつつ転写部材のメンテナンス作業を行うことができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】トナー像を担持する像担持体と、像担持体に対向して設けられ複数の支持部材で張架されるベルト部材と、ベルト部材を挟んで像担持体に対向する位置に設けられ像担持体上のトナー像を転写する転写部材と、を備えた画像形成装置において、ベルト部材に対して転写部材を接離させる接離手段を有しており、接離手段により転写部材をベルト部材から離間させた状態でベルト部材幅方向に転写部材を移動させて、装置本体に対し転写部材が着脱可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリンタ、ファクシミリ、複写機などの画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の画像形成装置として、中間転写方式の画像形成装置が知られている(特許文献1など)。その中でも複数の感光体ドラム上にそれぞれ形成された各色のトナー像を中間転写ベルト上に順次転写し、それらトナー像を記録紙上に一括転写させる所謂タンデム型中間転写方式を採用した画像形成装置は、生産性が良い点で広く用いられている。
中間転写ベルトは複数の張架ローラに回転可能に張架されており、各感光体ドラムが中間転写ベルトのおもて面に対向して並設されている。また、中間転写ベルトを挟んだ感光体ドラムとの対向位置で中間転写ベルトの裏面に接する一次転写ローラを有する一次転写装置が設けられている。感光体ドラム上のトナー像は、一次転写ローラに転写バイアスを印加し感光体ドラムと一次転写ローラとの間に転写電界を形成することで、感光体ドラム上から中間転写ベルト上にトナー像が転写される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
一次転写装置に用いられる一次転写ローラは、長期間の使用によって通電による電気抵抗の上昇やローラ表面の劣化などのために交換する等のメンテナンスが必要となる。一般に、中間転写ベルトよりも一次転写ローラのほうがメンテナンスを要する頻度は高い。そのため、一次転写ローラを外部に露出させてメンテナンスを行うために画像形成装置から中間転写ベルトを取り外したり、一次転写ローラのメンテナンス作業後に中間転写ベルトを画像形成装置に取り付けたりする必要がある。
【0004】
しかしながら、複数の感光体ドラムが中間転写ベルトの回転方向に並設されていると、必然的に中間転写ベルトの周長が長くなる。そのため、中間転写ベルトの脱着作業の際に中間転写ベルトが垂れ下がり易く、一次転写ローラと中間転写ベルトとが接触して中間転写ベルトを損傷させてしまうといった問題が生じる。
【0005】
また、画像形成装置の転写方式としては、複数の感光体ドラム上にそれぞれ形成した各色のトナー像を紙搬送ベルトに担持搬送される転写紙に対して直接重ね合わせて転写する直接転写方式が知られている。
紙搬送ベルトは複数の張架ローラに回転可能に張架されており、各感光体ドラムが紙搬送ベルトのおもて面に対向して並設されている。また、紙搬送ベルトを挟んだ感光体ドラムとの対向位置で紙搬送ベルトの裏面に接する転写ローラを有する転写装置が設けられている。感光体ドラム上のトナー像は、転写ローラに転写バイアスを印加し感光体ドラムと転写ローラとの間に転写電界を形成することで、感光体ドラム上から紙搬送ベルト上に担持された転写紙上に転写される。
【0006】
このような、直接転写方式の画像形成装置においても、転写ローラのメンテナンス作業の際に画像形成装置から紙搬送ベルトの脱着を行うことで、転写ローラと紙搬送ベルトとが接触し紙搬送ベルトが損傷するといった問題が生じる。
【0007】
本発明は以上の問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、ベルト部材の損傷を抑えつつ転写部材のメンテナンス作業を行うことができる画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、トナー像を担持する像担持体と、該像担持体に対向して設けられ複数の支持部材で張架されるベルト部材と、前記ベルト部材を挟んで前記像担持体に対向する位置に設けられ前記像担持体上のトナー像を転写する転写部材とを備えた画像形成装置において、前記ベルト部材に対して前記転写部材を接離させる接離手段を有しており、前記接離手段により前記転写部材を前記ベルト部材から離間させた状態でベルト部材幅方向に該転写部材を移動させて、装置本体に対し該転写部材が着脱可能であることを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1の画像形成装置において、ベルト部材幅方向に移動させて装置本体に対し着脱可能な、上記転写部材を保持する保持部材を有しており、上記接離手段は前記保持部材を変位させて前記転写部材を上記ベルト部材に対して接離させるものであり、上記保持部材に設けられた被ガイド部と接触し前記保持部材のベルト部材幅方向への移動をガイドするガイド部材を備えており、前記ガイド部材は、前記ベルト部材から前記転写部材が離間した状態でのみ、前記被ガイド部に接触して前記保持部材のベルト部材幅方向への移動をガイドするものであることを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項2の画像形成装置において、上記ガイド部材は、上記保持部材の上記被ガイド部の像担持体に近づく方向への移動を規制する規制部分を有することを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項1または2の画像形成装置において、上記像担持体に近づく方向への上記転写部材の移動を規制する規制手段を有することを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項2または3の画像形成装置において、上記接離手段に上記ガイド部材が設けられており、前記接離手段により上記転写部材を上記ベルト部材に接触させた状態では、前記ガイド部材が前記被ガイド部をガイドしない位置にあって、前記接離手段により前記転写部材を前記ベルト部材から離間させた状態では、前記ガイド部材が前記ガイドしない位置から前記被ガイド部をガイドする位置にくることを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項5の画像形成装置において、上記接離手段により前記転写部材を前記ベルト部材から離間させたとき、前記ガイド部材が、前記ベルト部材から前記転写部材が離れる方向と略直交方向でありベルト部材幅方向と略直交方向へと移動するとともに、前記被ガイド部が、前記ベルト部材から前記転写部材が離れる方向と略同一方向へと移動することで、前記ガイド部材が前記被ガイド部をガイドする位置にくることを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、請求項2、3、5または6の画像形成装置において、上記転写部材を保持する保持部材を軸支する一つの支軸を中心に前記保持部材が揺動することで、上記ベルト部材に対して上記転写部材が接離するように構成されており、前記支軸の一端は装置側に固定され、前記保持部材は前記支軸に対して独立して該支軸の軸方向にスライド可能であることを特徴とするものである。
また、請求項8の発明は、請求項1、2、3、4、5、6または7の画像形成装置において、上記ベルト部材は中間転写ベルトであり、複数の像担持体のトナー像を上記転写部材によって前記中間転写ベルトに転写し該中間転写ベルトから記録体にトナー像を一括転写する中間転写装置を備えることを特徴とするものである。
【0009】
本発明においては、接離手段により転写部材をベルト部材から離間させた状態で転写部材をベルト部材幅方向に移動させて、装置本体に対し転写部材を着脱することができる。これにより、装置本体からベルト部材を取り外すことなく、装置本体から転写部材を取り出すことで転写部材のメンテナンスを行うことができる。また、装置本体に対して転写部材を着脱する際に、接離手段によって転写部材をベルト部材から離間させるので、転写部材とベルト部材とが接触してベルト部材が損傷するのを抑制することができる。
【発明の効果】
【0010】
以上、本発明によれば、ベルト部材の損傷を抑えつつ転写部材のメンテナンス作業を行うことができるという優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】(a)中間転写ベルトから一次転写ローラが離間した際の状態を示す図。(b)中間転写ベルトに一次転写ローラが当接した際の状態を示す図。
【図2】実施形態1に係る画像形成装置の概略構成図。
【図3】構成例1に係る一次転写装置の概略構成図。
【図4】中間転写装置上方から見た位置決め板近傍の模式図。
【図5】一次転写装置のスライド方向を示した図。
【図6】一次転写装置の接離機構部の斜視図。
【図7】(a)中間転写ベルトから一次転写ローラが離間した際の状態を示す図。(b)中間転写ベルトに一次転写ローラが当接した際の状態を示す図。
【図8】構成例2に係る一次転写装置の概略構成図。
【図9】(a)中間転写ベルトから一次転写ローラが離間した際の状態を示す図。(b)中間転写ベルトに一次転写ローラが当接した際の状態を示す図。
【図10】実施形態2に係るプリンタの概略構成図。
【図11】プロセスカートリッジの拡大図。
【図12】構成例4に係る転写装置の概略構成図。
【図13】転写ユニット上方から見た位置決め板近傍の模式図。
【図14】転写装置のスライド方向を示した図。
【図15】転写装置の接離機構部の斜視図。
【図16】(a)紙搬送ベルトから転写ローラが離間した際の状態を示す図。(b)紙搬送ベルトに転写ローラが当接した際の状態を示す図。
【図17】(a)紙搬送ベルトから転写ローラが離間した際の状態を示す図。(b)紙搬送ベルトに転写ローラが当接した際の状態を示す図。
【図18】構成例5に係る転写装置の概略構成図。
【図19】(a)紙搬送ベルトから転写ローラが離間した際の状態を示す図。(b)紙搬送ベルトに転写ローラが当接した際の状態を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図2は本発明を適用する画像形成装置の一例を示す概略構成図である。同図において符号100は画像形成装置としてのタンデム型中間転写式の画像形成装置本体、符号200は画像形成装置本体100が上面に載置されるとともに内部にシート状の転写紙Sが収納された給紙テーブルをそれぞれ示している。
【0013】
また、画像形成装置本体100の内部には複数の画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kが並設されたタンデム型中間転写式の画像形成部(以下、タンデム型画像形成部と言う)20が設けられている。なお、上記の符号に付けた添え字Y、M、C、Kは、イエロー、マゼンタ、シアン、黒の各色をそれぞれ示している。
【0014】
画像形成装置本体100には、中央付近に、無端ベルト状の中間転写体である中間転写ベルト10が設けられている。この中間転写ベルト10は、複数の支持ローラ13,14,15,16等に掛け回して図中時計回りに回転搬送可能とする。
【0015】
この図示例では、二次転写対向ローラ16の左に、中間転写ベルト用クリーニング装置17を設けている。中間転写ベルト用クリーニング装置17は画像転写後に中間転写ベルト10上に残留する残留トナーを除去する。
【0016】
支持ローラ14と支持ローラ15間に張り渡した中間転写ベルト10上には、その搬送方向に沿って、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の4つの画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kを横に並べて配置してタンデム型画像形成部20を構成する。このタンデム型画像形成部20の各画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kは、イエロー、マゼンタ、シアン、黒の各色のトナー画像を担持する像担持体としての感光体ドラム40Y,40M,40C,40Kを有している。
【0017】
そして、このタンデム型画像形成部20の上には、図2に示すように2つの露光装置21が設けられている。各露光装置21はそれぞれ2つの画像形成ユニット(画像形成ユニット1Yと画像形成ユニット1M、画像形成ユニット1Cと画像形成ユニット1K)に対応している。露光装置21としては、例えば2つの光源装置(半導体レーザ、半導体レーザアレイ、あるいはマルチビーム光源等)とカップリング光学系、共通の光偏向器(ポリゴンミラー等)、2系統の走査結像光学系等で構成される光走査方式の露光装置を用いることができる。そして、各露光装置21により、イエロー、マゼンタ、シアン、黒の各色の画像情報に応じて感光体ドラム40Y,40M,40C,40Kに露光を行い、静電潜像を形成する。
【0018】
また、画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kの感光体ドラム40Y,40M,40C,40Kの周囲には、上記の露光に先立って感光体ドラム40Y,40M,40C,40Kを均一に帯電する帯電装置3Y,3M,3C,3K、露光装置21によって形成された静電潜像を各色のトナーで現像する現像装置18Y,18M,18C,18K、感光体ドラム40上の転写残トナーを除去する感光体ドラム用クリーニング装置7Y,7M,7C,7Kが設けられている。さらに、感光体ドラム40Y,40M,40C,40Kから中間転写ベルト10にトナー画像を転写する一次転写位置には、中間転写ベルト10を間に挟んで感光体ドラム40Y,40M,40C,40Kに対向するように一次転写装置60の構成要素としての一次転写ローラ62Y,62M,62C,62Kが設けられている。
【0019】
中間転写ベルト10を支持する複数の支持ローラのうち、支持ローラ14は中間転写ベルト10を回転駆動する駆動ローラであり、図示しない駆動伝達機構(ギヤ、プーリ、ベルト等)を介してモータと接続されている。また、黒の単色画像を中間転写ベルト10上に形成する場合には、図示しない移動機構により、支持ローラ14以外の支持ローラ13,15や一次転写ローラ62Y,62M,62Cなどを下方に移動させて、イエロー、マゼンタ、シアンの感光体ドラム40Y,40M,40Cから中間転写ベルト10を離間させることが可能である。
【0020】
中間転写ベルト10を挟んでタンデム型画像形成部20と反対の側には、二次転写装置22が設けられている。この二次転写装置22は、中間転写ベルト10の支持ローラである二次転写対向ローラ16に中間転写ベルト10のおもて面側から二次転写ローラ29を押し当て、中間転写ベルト10を挟んで二次転写ローラ29と二次転写対向ローラ16との間に転写バイアスを印加し転写電界を形成させることで、中間転写ベルト10上の画像を転写媒体としてのシート状の転写紙Sに転写する。
【0021】
また、二次転写装置22の図中左横であり二次転写装置22よりも転写紙搬送方向下流側には、転写紙S上の画像を圧力や熱によって転写紙Sに定着させる定着装置25が設けられている。定着装置25は、2つの支持ローラに掛け回された無端ベルトである定着ベルト26に加圧ローラ27を押し当てて構成されている。また、定着ベルト26を支持する2つの支持ローラの少なくとも一方には、図示しない加熱手段(ヒータ、ランプ、あるいは、電磁誘導式の加熱装置等)が設けられている。
【0022】
二次転写装置22で画像が転写された転写紙Sは、2つのローラ23に支持された搬送ベルト24により定着装置25へと搬送される。もちろん、搬送ベルト24の部分は、固定されたガイド部材でも良く、また、搬送ローラや搬送コロ等でも良い。
【0023】
二次転写装置22や定着装置25の下方には、タンデム型画像形成部20と平行に、転写紙Sの両面に画像を記録すべく転写紙Sを反転して搬送するシート反転装置28を備えている。
【0024】
画像形成装置本体100に画像データが送られ、作像開始の信号を受けると、タンデム型画像形成部20では、不図示の駆動モータで支持ローラ14を回転駆動して他の複数の支持ローラを従動回転し、中間転写ベルト10を図中の矢印方向(時計回り方向)に回転させる。同時に、画像形成ユニット1Y、M、C、Kでは、感光体ドラム40Y,40M,40C,40Kが不図示の駆動モータで反時計回りに回転し、帯電装置3Y,3M,3C,3Kによる帯電、露光装置21による露光(潜像形成)、現像装置18Y,18M,18C,18Kの各色のトナーによる現像のプロセスを経て、感光体ドラム40Y,40M,40C,40K上にそれぞれ、イエロー、マゼンタ、シアン、黒の単色画像を形成する。そして、中間転写ベルト10の搬送とともに、それらの単色画像を一次転写ローラ62Y,62M,62C,62Kで順次、中間転写ベルト10に転写して、中間転写ベルト10上に合成カラー画像を形成する。
【0025】
一方、このような画像形成動作に合わせて給紙テーブル200内の給紙ローラ42の1つを選択回転し、ペーパーバンク43に多段に備える給紙カセット44の1つからシート状の転写紙Sを繰り出し、分離ローラ45で1枚ずつ分離して給紙路46に入れ、搬送ローラ47で搬送して画像形成装置本体100内の給紙路48に導き、レジストローラ49に突き当てて止める。
【0026】
また、手差し給紙の場合は、給紙ローラ50を回転させて手差しトレイ51上のシート状の転写紙(図示せず)を1枚ずつ分離しながら繰り出して手差し給紙路53に入れ、同じくレジストローラ49に突き当てて止める。
【0027】
そして、中間転写ベルト10上の画像が二次転写装置22の位置に到達するタイミングに合わせてレジストローラ49を回転し、中間転写ベルト10と二次転写装置22との間に転写紙Sを送り込み、二次転写装置22により中間転写ベルト10から転写紙Sに画像を転写して転写紙S上にカラー画像を記録する。
【0028】
画像が転写された後の転写紙Sは、搬送ベルト24で搬送されて定着装置25へと送り込まれ、定着装置25により熱と圧力とを加えて画像を転写紙Sに定着される。定着装置25により画像が定着された後の転写紙Sは、不図示の切換爪で搬送経路を切り換えて排出ローラ56で装置外に排出され排紙トレイ57上にスタックされるか、不図示の切換爪で搬送経路を切り換えてシート反転装置28に送り込まれる。シート反転装置28に送り込まれた転写紙Sは、表裏を反転されて再び画像形成装置本体100内の給紙路48に送り込まれレジストローラ49を介して、中間転写ベルト10上の画像が二次転写装置22により転写紙S上に転写される二次転写位置へと導かれ、転写紙Sの裏面にも画像を記録した後、排出ローラ56で排紙トレイ57上に排出する。
【0029】
一方、画像転写後の感光体ドラム40Y,40M,40C,40Kは、感光体ドラム40Y,40M,40C,40K上に残留する残留トナーを感光体ドラム用クリーニング装置7Y,7M,7C,7Kによって除去される。また、画像転写後の中間転写ベルト10は、中間転写ベルト10上に残留する残留トナーを中間転写ベルト用クリーニング装置17によって除去される。そして、これらクリーニング工程後、画像形成装置はタンデム型画像形成部20による再度の画像形成に備える。
【0030】
次に本発明の特徴部について説明する。
【0031】
[構成例1]
図3は、中間転写装置と独立して中間転写ベルト10の幅方向にスライド可能な一次転写装置60の構成の例を示したものである。一次転写ローラ62の軸方向端部は、板金部材36と一体で構成された一次転写ホルダ30に回転可能に保持されている。また、板金部材36の支軸部36aの軸孔36bに支軸31が嵌り込んで、支軸31を中心に一次転写ホルダ30が回転可能に構成されている。
【0032】
一次転写ホルダ30には画像形成装置本体の図示しない電源から一次転写ローラ62に給電する給電部90が設けられている。この給電部90に繋がれたケーブル91のコネクタ92と接続されるコネクタ93が、図4に示した位置決め板32の中間転写装置内側側面に設けられている。また、このコネクタ93と電気的に接続されたコネクタ94が位置決め板32の中間転写装置外側側面に設けられている。コネクタ94には画像形成装置内に設けられた図示しない電源に繋がれたケーブル96のコネクタ95が接続される。そして、図4に示すように、コネクタ92とコネクタ93、及び、コネクタ94とコネクタ95を接続して、前記電源から給電部90を介して一次転写ローラ62に給電を行う。
【0033】
図5は一次転写装置60のスライド方向を示した図である。上述したように支軸31の一端は位置決め板32に着脱可能に支持されており、他端が中間転写装置リアフレーム35Rに着脱可能に支持されている。また、位置決め板32は中間転写装置フロントフレーム35Fの外側面に設けられた位置決めピン35a,35bに自身に形成された嵌合孔32a,32bを嵌合させることで中間転写装置フロントフレーム35Fに対し位置決めされて取り付けられる。これにより、中間転写装置内における一次転写装置60の位置が定められている。
【0034】
また、コネクタ94からコネクタ95を取り外した後に、位置決めピン35a,35bと嵌合孔32a,32bとの嵌合を解除して中間転写装置フロントフレーム35Fから位置決め板32を取り外すとともに、支軸31から位置決め板32を取り外した後、コネクタ93からコネクタ92を取り外して図5に示す状態にする。このような状態にすることで、中間転写装置フレーム35上に設けられ、後述する板金部材36と一体で構成されたガイド部材38と、後述する押し上げ部材33に同一部材で一体に設けられ一次転写ローラ軸方向に長尺なガイドレール37とで、一次転写装置60が中間転写ベルト幅方向にガイドされながら中間転写装置のリア側からフロント側へスライド可能なように構成している。
【0035】
図6は一次転写装置60の接離機構部の斜視図であり、図1は中間転写ベルト10に対する一次転写ローラ62の接離動作を示したものである。一次転写装置60は接離機構部の押し上げ部材33により、支軸31を中心に回動することができるよう構成されている。具体的には、押し上げ部材33を図1中の左右方向に移動させことにより、一次転写装置60の板金部材36に回転可能に軸支されたコロ34が押し上げ部材33の斜面形状にならうよう動作し、中間転写ベルト10に対する一次転写ローラ62の接離動作を可能としている。
【0036】
本実施形態においては、接離機構部は中間転写装置に備えられたカム装置等により動作させている。図1に示すように、押し上げ部材33やガイドレール37と同一部材で一体に設けられた当接部74の側面に図示しない駆動モータによって軸71を中心に回転する偏心カム70が当接している。当接部74にはフレーム75に一端が取り付けられたバネ73の他端が取り付けられており、バネ73によって当接部74が偏心カム70に押し付けられるような付勢力がかかっている。
【0037】
図1(a)において偏心カム70を回転させて当接部74をバネ73からの付勢力に抗して図中右側に移動させることで、図1(b)に示すようにコロ34が押し上げ部材33に乗り上げ、一次転写ローラ62が支軸31を中心に図中時計回りに回転して、一次転写ローラ62と中間転写ベルト10とが当接する。
【0038】
図1(b)において偏心カム70を回転させて当接部74をバネ73からの付勢力によって図中左側に移動させることで、図1(a)に示すようにコロ34が押し上げ部材33から離脱し、一次転写ローラ62が支軸31を中心に図中反時計回りに回転して、中間転写ベルト10から一次転写ローラ62が離間する。
【0039】
また、一次転写ローラ62が中間転写ベルト10から離間する離間動作時には、図1(a)に示すように、ガイドレール37の下面37aとガイド部材38の上面38aとが接触するとともに、ガイドレール37の端面37bとガイド部材38の側面38bとが接触して、ガイドレール37がガイド部材38と干渉する位置に位置するように構成されている。これにより、ガイドレール37とガイド部材38とによって、一次転写ローラ62が中間転写ベルト10に近接する方向への動作を規制するとともに、中間転写ベルト幅方向への一次転写装置60のスライドがガイドされる。一方、一次転写装置60の一次転写ローラ62が中間転写ベルト10と当接する際には、図1(b)に示すように、ガイドレール37がガイド部材38とは干渉しない位置に位置するように構成されている。
【0040】
これにより、一次転写ローラ62が中間転写ベルト10から離間した際にのみ、ガイドレール37がガイド部材38に干渉して、一次転写ローラ62が中間転写ベルト10に近接する方向への動作を規制することができる。そのため、中間転写ベルト10に対して一次転写ローラ62を接離させる接離機構を有する一次転写装置60であっても、一次転写装置60のメンテナンスが必要な際には、一次転写ローラ62と中間転写ベルト10とが接触するのを抑制しつつ中間転写ベルト10の幅方向へ一次転写装置60をスライドさせて取り出し可能となり、中間転写ベルト10を中間転写装置から取り外すことなく一次転写装置60のメンテナンスを行うことができる。
【0041】
また、図5に示されるように押し上げ部材33とガイドレール37とは同一部材で一体に構成されている。このような構成とすることで、一次転写装置60の離間動作と規制ガイドの動作とを連動させて行うことができ、1つの駆動源によって中間転写ベルト10に対する一次転写ローラ62の接離動作とガイドレール37とガイド部材38とによる一次転写ローラ62の中間転写ベルト10に近接する方向への移動の規制動作とが可能となり、安価な構成で目的を達成することができる。
【0042】
なお、一次転写ローラ62が中間転写ベルト10から離間した際に、中間転写ベルト10に近接する方向への一次転写ローラ62の動作を規制しない構成を採用することもできる。例えば、上述したような偏心カム70などによって動作する接離機構部によって、一次転写ローラ62が中間転写ベルト10から離間する離間動作時には、図7(a)に示すように、板金部材36と一体で構成されたガイド部材238の下面238aとガイドレール237の上面237aとを接触させるとともに、ガイド部材238の側面238bとガイドレール237の端面237bとを接触させて、ガイド部材238とガイドレール237とを係合し、ガイド部材238とガイドレール237とによって一次転写装置60の中間転写ベルト幅方向へのスライドをガイドするように構成する。一方、一次転写装置60の一次転写ローラ62が中間転写ベルト10と当接する際には、図7(b)に示すように、ガイド部材238とガイドレール237とが係合しないように構成する。
【0043】
[構成例2]
本構成例においては、図8中の支軸31の一端が位置決め板32に着脱可能に支持されており、他端が中間転写装置リアフレーム35Rに固定支持されている。位置決め板32は中間転写装置フロントフレーム35Fの外側面に設けられた位置決めピン35a,35bに自身に形成された嵌合孔32a,32bを嵌合させることで中間転写装置フロントフレーム35Fに対し位置決めされて取り付けられる。
【0044】
また、位置決めピン35a,35bと嵌合孔32a,32bとの嵌合を解除し、中間転写装置フロントフレーム35fから位置決め板32を取り外すとともに、支軸31から位置決め板32を取り外した後、一次転写装置60が支軸31とガイドレール37とでガイドされながら中間転写装置のリア側からフロント側へスライド可能なように構成している。これにより、支軸31とガイド部材38とで一次転写ローラ62が中間転写ベルト10に近接する方向への動作を規制することができるので、一次転写ローラ62が中間転写ベルト10に接触することをより確実に防ぐことができる。
【0045】
[構成例3]
一次転写装置60の接離機構部の他の構成について図9を用いて説明する。
本構成例においては、図9に示すように偏心カム80によって板金部材36を支軸31を中心に揺動させることで、中間転写ベルト10に対し一次転写ローラ62を接離させる。
【0046】
図9に示すように、板金部材36の底面に図示しない駆動モータによって軸81を中心に回転する偏心カム80が当接している。
【0047】
図9(a)において偏心カム80を回転させて支軸31を中心に板金部材36を反時計回りで上方に押し上げることで、一次転写ローラ62も支軸31を中心に図中反時計回りに回転して、図9(b)に示すように一次転写ローラ62と中間転写ベルト10とが当接する。
【0048】
一方、図9(b)において偏心カム80を回転させて支軸31を中心に板金部材36を時計周りで下方に下げることで、一次転写ローラ62も支軸31を中心に図中時計回りに回転して、図9(a)に示すように中間転写ベルト10から一次転写ローラ62が離間する。
【0049】
ここで、図9(b)に示すような一次転写ローラ62と中間転写ベルト10とが当接した状態では、規制部材82は板金部材36の底部に設けられたガイド部材83と干渉しない位置に位置するが、図9(a)に示すように中間転写ベルト10から一次転写ローラ62が離間した状態では、規制部材82はガイド部材83と干渉する位置に位置し、一次転写ローラ62が中間転写ベルト10に近接する方向への動作を規制する。
【0050】
これにより、一次転写ローラ62が中間転写ベルト10から離間した際にのみ、一次転写ローラ62が中間転写ベルト10に近接する方向への動作を規制することができる。
【0051】
また、中間転写ベルト10に対して一次転写ローラ62を接離させる動作と、一次転写ローラ62が中間転写ベルト10に近接する方向への規制動作とを、偏心カム80を回転させることにより連動させて行うことができるので、1つの駆動源によってこれら動作を行うことが可能となり、安価な構成で目的を達成することができる。
【0052】
以上のような各構成例のほか、一次転写装置60のメンテナンスを要する場合に、手動レバー等を動作させ、一次転写装置60のスライドガイド部材等をガイド可能な位置に動作させる方法も考えられるが、この場合、前述の各構成例に比べ部品構成が多くなり望ましくない。これに対し各構成例では部品構成の増加を最低限に抑えることができる。
【0053】
また、タンデム方式を採用した中間転写ベルト10は、中間転写ベルト10の脱着により中間転写ベルト10を損傷させるリスクが高く、中間転写ベルト10を脱着させることなく一次転写装置60をメンテナンスできるメリットが大きい。ただし、本発明はタンデム中間転写方式に限らず、一次転写装置60をベルト内側に設ける構成を備えた画像形成装置であれば何れにも適用可能であり、一次転写装置60のメンテナンス性向上の観点でのメリットを十分に発揮することができる。
【0054】
[実施形態2]
次に本発明を適用した実施形態2について説明する。上記実施形態1では、タンデム型間接転写方式の画像形成装置に本発明を適用した例について説明したが、直接転写方式の画像形成装置に本発明を適用することもできる。
【0055】
以下、本発明を適用した画像形成装置として、タンデム型間接転写方式のカラーレーザプリンタ(以下「プリンタ」という)の実施形態について説明する。
【0056】
まず、本プリンタの基本的な構成について説明する。
図10は、本実施形態に係るプリンタの概略構成図である。このプリンタは、イエロー(Y)、マゼンダ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色の画像を形成するための4組のプロセスカートリッジ101Y、101M、101C、101Kを備えている。各符号の数字の後に付されたY、M、C、Kは、イエロー、マゼンダ、シアン、黒用の部材であることを示している。プロセスカートリッジ101Y,101M,101C,101Kの他には、光書込ユニット110、転写ユニット111、レジストローラ対119、3つの給紙カセット120、定着ユニット121などが配設されている。
【0057】
光書込ユニット110は、4つの光書込器を備えている。それぞれの光書込器は、光源、ポリゴンミラー、f−θレンズ、反射ミラーなどを有し、画像データに基づいて後述の感光体ドラム102の表面にレーザ光を照射する。
【0058】
図11は、プロセスカートリッジ101Y,101M,101C,101Kのうち、イエロー用のプロセスカートリッジ101Yの概略構成を示す拡大図である。なお、他のプロセスカートリッジ101M,101C,101Kについてもそれぞれ同じ構成となっているので、これらの説明については省略する。図11において、プロセスカートリッジ101Yは、ドラム状の感光体である感光体ドラム102Y、帯電装置150Y、除電器(不図示)、現像装置140Y、ドラムクリーニング装置148Yなどを有している。
【0059】
帯電装置150Yは、交流電圧が印加される帯電ローラを感光体ドラム102Yに摺擦させることで、ドラム表面を一様帯電せしめる。帯電処理が施された感光体ドラム102Yの表面には、光書込ユニット110によって変調及び偏向されたレーザ光が走査されながら照射される。すると、ドラム表面に静電潜像が形成される。形成された静電潜像は現像装置140Yによって現像されてYトナー像となる。
【0060】
現像装置140Yは、そのケーシングの開口から一部露出させるように配設された現像ローラ142Yを有している。また、第一搬送スクリュウ143Y、第二搬送スクリュウ144Y、ドクタ145Y、トナー濃度センサ146Yなども有している。
【0061】
前記ケーシング内には、マイナス帯電性のYトナーと磁性キャリアとを含む二成分現像剤が収容されている。この二成分現像剤は第一搬送スクリュウ143Yや第二搬送スクリュウ144Yによって撹拌搬送されながら摩擦帯電せしめられた後、現像ローラ142Yの表面に担持される。そして、ドクタ145Yによってその層厚が規制されてから感光体ドラム102Yに対向する現像領域に搬送され、ここで感光体ドラム102Y上の静電潜像にYトナーを付着させる。この付着により、感光体ドラム102Y上にYトナー像が形成される。現像によってYトナーを消費した二成分現像剤は、現像ローラ142Yの回転に伴ってケーシング内に戻される。
【0062】
第一搬送スクリュウ143Yと第二搬送スクリュウ144Yとの間には、仕切壁147Yが設けられている。この仕切壁147Yにより、現像ローラ142Yや第一搬送スクリュウ143Y等を収容する第一供給部と、第二搬送スクリュウ144Yを収容する第二供給部とがケーシング内で分かれている。第一搬送スクリュウ143Yは、図示しない駆動手段によって回転駆動せしめられ、前記第一供給部内の二成分現像剤を図中手前側から奥側へと搬送しながら現像ローラ142Yに供給する。第一搬送スクリュウ143Yによって前記第一供給部の端部付近まで搬送された二成分現像剤は、仕切壁147Yに設けられた図示しない開口部を通って前記第二供給部内に進入する。前記第二供給部内において、第二搬送スクリュウ144Yは、図示しない駆動手段によって回転駆動せしめられ、前記第一供給部から送られてくる二成分現像剤を第一搬送スクリュウ143Yによる二成分現像剤の搬送方向とは逆方向に搬送する。第二搬送スクリュウ144Yによって前記第二供給部の端部付近まで搬送された二成分現像剤は、仕切壁147Yに設けられたもう一方の開口部(図示せず)を通って前記第一供給部内に戻る。
【0063】
透磁率センサからなるトナー濃度センサ146Yは、前記第二供給部の中央付近の底壁に設けられ、その上を通過する二成分現像剤の透磁率に応じた値の電圧を出力する。二成分現像剤の透磁率は、トナー濃度とある程度の相関を示すため、トナー濃度センサ146YはYトナー濃度に応じた値の電圧を出力することになる。この出力電圧の値は、図示しない制御部に送られる。この制御部は、RAMを備えており、この中にトナー濃度センサ146Yからの出力電圧の目標値であるY用Vtrefを格納している。また、他の現像装置140M,140C,140Kに搭載された図示しないトナー濃度センサからの出力電圧の目標値であるM用Vtref、C用Vtref、K用Vtrefのデータも格納している。Y用Vtrefは、図示しないYトナー搬送装置の駆動制御に用いられる。具体的には、前記制御部は、トナー濃度センサ146Yからの出力電圧の値をY用Vtrefに近づけるように、図示しないYトナー搬送装置を駆動制御して前記第二供給部内にYトナーを補給させる。この補給により、現像装置140Y内の二成分現像剤のYトナー濃度が所定の範囲内に維持される。他のプロセスカートリッジ101M,101C,101Kの現像装置140M,140C,140Kについても、同様のトナー補給制御が実施される。
【0064】
Y用の感光体ドラム102Y上に形成されたYトナー像は、後述の紙搬送ベルト112に搬送される転写紙上に転写される。転写後の感光体ドラム102Yの表面は、ドラムクリーニング装置148Yによって転写残トナーがクリーニングされた後、図示しない除電器によって除電される。そして、帯電装置150Yによって一様帯電せしめられて次の画像形成に備えられる。他のプロセスカートリッジ101M、101C、101Kについても同様である。各プロセスカートリッジ101は、プリンタ本体に対して着脱可能になっており、寿命到達時に交換される。
【0065】
先に示した図10において、転写ユニット111は、紙搬送ベルト112、駆動ローラ113、張架ローラ114、4つの転写ローラ117Y,117M,117C,117Kなどを有している。紙搬送ベルト112は、駆動ローラ113や張架ローラ114にテンション張架されながら、図示しない駆動系によって回転せしめられる駆動ローラ113によって図中反時計回りに無端移動せしめられる。4つの転写ローラ117Y,117M,117C,117Kは、それぞれ図示しない電源から転写バイアスが印加される。そして、紙搬送ベルト112をその裏面から感光体ドラム102Y,102M,102C,102Kに向けて押圧してそれぞれ転写ニップを形成する。各転写ニップには、前記転写バイアスの影響により、感光体ドラム102と転写ローラ117との間に転写電界が形成される。Y用の感光体ドラム102Y上に形成された上述のYトナー像は、この転写電界やニップ圧の影響により、紙搬送ベルト112上に担持されて搬送される転写紙P上に転写される。このYトナー像の上には、感光体ドラム102M,102C,102K上に形成されたM、C、Kトナー像が順次重ね合わせて転写される。かかる重ね合わせの転写により、紙搬送ベルト112上に搬送される転写紙P上には、紙の白色と相まったフルカラートナー像が形成される。
【0066】
転写ユニット111の下方には、複数枚の転写紙Pを重ねて収容する3つの給紙カセット120が多段に配設されており、それぞれの給紙カセット120は一番上の転写紙Pに給紙ローラを押し当てている。給紙ローラが所定のタイミングで回転駆動すると、一番上の転写紙Pが紙搬送路に給紙される。
【0067】
給紙カセット120から紙搬送路に給紙された転写紙Pは、レジストローラ対119のローラ間に挟まれる。レジストローラ対119は、ローラ間に挟み込んだ転写紙Pを各転写ニップにてトナー像を重ね合わせ得るタイミングで送り出す。これにより、各転写ニップで転写紙Pにトナー像が重ね合わせ転写される。フルカラー画像が形成された転写紙Pは、定着ユニット121に送られる。
【0068】
定着ユニット121は、内部にハロゲンランプ等の熱源を有する加熱ローラ121aと、これに圧接せしめられる加圧ローラ121bとによって定着ニップを形成している。そして、この定着ニップに転写紙Pを挟み込みながら、その表面にフルカラー画像を定着せしめる。定着ユニット121を通過した転写紙Pは、図示しない排紙ローラ対を経て機外へと排出される。
【0069】
次に本発明の特徴部について説明する。
【0070】
[構成例4]
図12は、転写ユニット111と独立して紙搬送ベルト112の幅方向にスライド可能な転写装置160の構成の例を示したものである。転写ローラ117の軸方向端部は、板金部材136と一体で構成された転写ホルダ130に回転可能に保持されている。また、板金部材136の支軸部136aの軸孔136bに支軸131が嵌り込んで、支軸131を中心に転写ホルダ130が回転可能に構成されている。
【0071】
転写ホルダ130には画像形成装置本体の図示しない電源から転写ローラ117に給電する給電部190が設けられている。この給電部190に繋がれたケーブル191のコネクタ192と接続されるコネクタ193が、図13に示した位置決め板132の転写ユニット内側側面に設けられている。また、このコネクタ193と電気的に接続されたコネクタ194が位置決め板132の転写ユニット外側側面に設けられている。コネクタ194には画像形成装置内に設けられた図示しない電源に繋がれたケーブル196のコネクタ195が接続される。そして、図13に示すように、コネクタ192とコネクタ193、及び、コネクタ194とコネクタ195を接続して、前記電源から給電部190を介して転写ローラ117に給電を行う。
【0072】
図14は転写装置160のスライド方向を示した図である。支軸131の一端は位置決め板132に着脱可能に支持されており、他端が転写ユニットリアフレーム135Rに着脱可能に支持されている。また、位置決め板132は転写ユニットフロントフレーム135Fの外側面に設けられた位置決めピン135a,135bに自身に形成された嵌合孔132a,132bを嵌合させることで転写ユニットフロントフレーム135Fに対し位置決めされて取り付けられる。これにより、転写ユニット内における転写装置160の位置が定められている。
【0073】
また、コネクタ194からコネクタ195を取り外した後に、位置決めピン135a,135bと嵌合孔132a,132bとの嵌合を解除して転写ユニットフロントフレーム135Fから位置決め板132を取り外すとともに、支軸131から位置決め板132を取り外した後、コネクタ193からコネクタ192を取り外して図14に示す状態にする。このような状態にすることで、転写ユニットフレーム135上に設けられ、後述する板金部材136と一体で構成されたガイド部材138と、後述する押し上げ部材133に同一部材で一体に設けられ転写ローラ軸方向に長尺なガイドレール137とで、転写装置160が紙搬送ベルト幅方向にガイドされながら転写ユニットのリア側からフロント側へスライド可能なように構成している。
【0074】
図15は転写装置160の接離機構部の斜視図であり、図16は紙搬送ベルト112に対する転写ローラ117の接離動作を示したものである。転写装置160は接離機構部の押し上げ部材133により、支軸131を中心に回動することができるよう構成されている。具体的には、押し上げ部材133を図16中の左右方向に移動させことにより、転写装置160の板金部材136に回転可能に軸支されたコロ134が押し上げ部材133の斜面形状にならった動作をし、紙搬送ベルト112に対する転写ローラ117の接離動作を可能としている。
【0075】
本実施形態においては、接離機構部は転写ユニット111に備えられたカム装置等により動作させている。図16に示すように、押し上げ部材133やガイドレール137と同一部材で一体に設けられた当接部174の側面に、図示しない駆動モータによって軸171を中心に回転する偏心カム170が当接している。当接部174には転写ユニット111のフレーム175に一端が取り付けられたバネ173の他端が取り付けられており、バネ173によって当接部174が偏心カム170に押し付けられるような力がかかっている。
【0076】
図16(a)において偏心カム170を回転させて当接部174をバネ173からの力に抗して図中右側に移動させることで、図16(b)に示すようにコロ134が押し上げ部材133に乗り上げ、転写ローラ117が支軸131を中心に図中時計回りに回転して、転写ローラ117と紙搬送ベルト112とが当接する。
【0077】
一方、図16(b)において偏心カム170を回転させて当接部174をバネ173からの力によって図中左側に移動させることで、図16(a)に示すようにコロ134が押し上げ部材133から離脱し、転写ローラ117が支軸131を中心に図中反時計回りに回転して、紙搬送ベルト112から転写ローラ117が離間する。
【0078】
また、転写ローラ117が紙搬送ベルト112から離間する離間動作時には、図16(a)に示すように、ガイドレール137の下面137aとガイド部材138の上面138aとが接触するとともに、ガイドレール137の端面137bとガイド部材138の側面138bとが接触して、ガイドレール137がガイド部材138と干渉する位置に位置するように構成されている。これにより、ガイドレール137とガイド部材138とによって、転写ローラ117が紙搬送ベルト112に近接する方向への動作を規制するとともに、転写ベルト幅方向への転写装置160のスライドがガイドされる。一方、転写装置160の転写ローラ117が紙搬送ベルト112と当接する際には、図16(b)に示すように、ガイドレール137がガイド部材138とは干渉しない位置に位置するように構成されている。
【0079】
これにより、転写ローラ117が紙搬送ベルト112から離間した際にのみ、ガイドレール137がガイド部材138に干渉して、転写ローラ117が紙搬送ベルト112に近接する方向への動作を規制することができる。そのため、紙搬送ベルト112に対して転写ローラ117を接離させる接離機構を有する転写装置160であっても、転写装置160のメンテナンスが必要な際には、転写ローラ117と紙搬送ベルト112とが接触するのを抑制しつつ紙搬送ベルト112の幅方向へ転写装置160をスライドさせて取り出し可能となり、紙搬送ベルト112を転写ユニット111から取り外すことなく転写装置160のメンテナンスを行うことができる。
【0080】
また、図14に示されるように押し上げ部材133とガイドレール137とは同一部材で一体に構成されている。このような構成とすることで、転写装置160の離間動作と規制ガイドの動作とを連動させて行うことができ、1つの駆動源によって、紙搬送ベルト112に対する転写ローラ117の接離動作と、ガイドレール137とガイド部材138とによる転写ローラ117の紙搬送ベルト112に近接する方向への移動の規制動作とが可能となり、安価な構成で目的を達成することができる。
【0081】
なお、転写ローラ117が紙搬送ベルト112から離間した際に、紙搬送ベルト112に近接する方向への転写ローラ117の動作を規制しない構成を採用することもできる。例えば、上述したような偏心カム170などによって動作する接離機構部によって、転写ローラ117が紙搬送ベルト112から離間する離間動作時には、図17(a)に示すように、板金部材136と一体で構成されたガイド部材338の下面338aとガイドレール337の上面337aとを接触させるとともに、ガイド部材338の側面338bとガイドレール337の端面337bとを接触させて、ガイド部材338とガイドレール337とを係合し、ガイド部材338とガイドレール337とによって転写装置160の中間転写ベルト幅方向へのスライドをガイドするように構成する。一方、転写装置160の転写ローラ117が紙搬送ベルト112と当接する際には、図17(b)に示すように、ガイド部材338とガイドレール337とが係合しないように構成する。
【0082】
[構成例5]
本構成例においては、図18中の支軸131の一端が位置決め板132に着脱可能に支持されており、他端が転写ユニットリアフレーム135Rに固定支持されている。位置決め板132は転写ユニットフロントフレーム135Fの外側面に設けられた位置決めピン135a,135bに自身に形成された嵌合孔132a,132bを嵌合させることで転写ユニットフロントフレーム135Fに対し位置決めされて取り付けられる。
【0083】
また、位置決めピン135a,135bと嵌合孔132a,132bとの嵌合を解除し、転写ユニットフロントフレーム135Fから位置決め板132を取り外すとともに、支軸131から位置決め板132を取り外した後、転写装置160が支軸131とガイドレール137とでガイドされながら転写装置160のリア側からフロント側へスライド可能なように構成している。これにより、支軸131とガイド部材138とで転写ローラ117が紙搬送ベルト112に近接する方向への動作を規制することができるので、転写ローラ117が紙搬送ベルト112に接触することをより確実に防ぐことができる。
【0084】
[構成例6]
接離機構部の他の構成について図19を用いて説明する。
本構成例においては、図19に示すように偏心カム180によって板金部材136を支軸131を中心に揺動させることで、紙搬送ベルト112に対し転写ローラ117を接離させる。
【0085】
図19に示すように、板金部材136の底面に図示しない駆動モータによって軸181を中心に回転する偏心カム180が当接している。
【0086】
図19(a)において偏心カム180を回転させて支軸131を中心に板金部材136を反時計回りで上方に押し上げることで、転写ローラ117も支軸131を中心に図中反時計回りに回転して、図19(b)に示すように転写ローラ117と紙搬送ベルト112とが当接する。
【0087】
一方、図19(b)において偏心カム180を回転させて支軸131を中心に板金部材136を時計周りで下方に下げることで、転写ローラ117も支軸131を中心に図中時計回りに回転して、図19(a)に示すように紙搬送ベルト112から転写ローラ117が離間する。
【0088】
ここで、図19(b)に示すような転写ローラ117と紙搬送ベルト112とが当接した状態では、規制部材182は板金部材136の底部に設けられたガイド部材183と干渉しない位置に位置するが、図19(a)に示すように紙搬送ベルト112から転写ローラ117が離間した状態では、規制部材182はガイド部材183と干渉する位置に位置し、転写ローラ117が紙搬送ベルト112に近接する方向への動作を規制する。
【0089】
これにより、転写ローラ117が紙搬送ベルト112から離間した際にのみ、転写ローラ117が紙搬送ベルト112に近接する方向への動作を規制することができる。
【0090】
また、紙搬送ベルト112に対して転写ローラ117を接離させる動作と、転写ローラ117が紙搬送ベルト112に近接する方向への規制動作とを、偏心カム180を回転させることにより連動させて行うことができるので、1つの駆動源によってこれら動作を行うことが可能となり、安価な構成で目的を達成することができる。
【0091】
以上、実施形態1によれば、トナー像を担持する像担持体である感光体ドラム40と、感光体ドラム40に対向して設けられ複数の支持部材である支持ローラ13,14,15及び二次転写対向ローラ16で張架されるベルト部材である中間転写ベルト10と、中間転写ベルト10を挟んで感光体ドラム40に対向する位置に設けられ感光体ドラム40上のトナー像を転写する転写部材である一次転写ローラ62とを備えた画像形成装置において、中間転写ベルト10に対して一次転写ローラ62を接離させる接離手段を有しており、前記接離手段により一次転写ローラ62を中間転写ベルト10から離間させた状態で中間転写ベルト幅方向に一次転写ローラ62を移動させて、装置本体に対し一次転写ローラ62が着脱可能である。これにより、装置本体から中間転写ベルト10を取り外すことなく、装置本体から一次転写ローラ62を取り出すことで一次転写ローラ62のメンテナンスを行うことができる。また、装置本体に対して一次転写ローラ62を着脱する際に、前記接離手段によって一次転写ローラ62を中間転写ベルト10から離間させるので、一次転写ローラ62と中間転写ベルト10とが接触して中間転写ベルト10が損傷するのを抑制することができる。よって、中間転写ベルト10の損傷を抑えつつ一次転写ローラ62のメンテナンス作業を行うことができる。
また、実施形態1によれば、中間転写ベルト幅方向に移動させて装置本体に対し着脱可能な、一次転写ローラ62を保持する保持部材である一次転写ホルダ30を有しており、上記接離手段は一次転写ホルダ30を変位させて一次転写ローラ62を中間転写ベルト10に対して接離させるものであり、一次転写ホルダ30に設けられた被ガイド部であるガイド部材38と接触し一次転写ホルダ30の中間転写ベルト幅方向への移動をガイドするガイド部材であるガイドレール37を備えており、ガイドレール37は、中間転写ベルト10から一次転写ローラ62が離間した状態でのみ、ガイド部材38に接触し一次転写ホルダ30の中間転写ベルト幅方向への移動をガイドするものである。これにより、一次転写ローラ62と中間転写ベルト10とが接触した状態で一次転写装置60を中間転写ベルト10の幅方向へスライドさせて取り出されるのが抑えられ、より確実に一次転写ローラ62と中間転写ベルト10とが摺擦し合い損傷するのを抑制しつつ、中間転写ベルト10を中間転写装置から取り外すことなく一次転写装置60のメンテナンスを行うことができる。
また、実施形態1によれば、ガイドレール37は、一次転写ホルダ30のガイド部材38の感光体ドラム40に近づく方向への移動を規制する規制部分を有することで、一次転写ローラ62が中間転写ベルト10から離間した際にのみ、ガイドレール37がガイド部材38に干渉して、一次転写ローラ62が中間転写ベルト10に近接する方向への動作を規制することができる。そのため、中間転写ベルト10に対して一次転写ローラ62を接離させる接離機構を有する一次転写装置60であっても、一次転写装置60のメンテナンスが必要な際には、一次転写ローラ62と中間転写ベルト10とが接触するのを抑制しつつ中間転写ベルト10の幅方向へ一次転写装置60をスライドさせて取り出し可能となり、中間転写ベルト10を中間転写装置から取り外すことなく一次転写装置60のメンテナンスを行うことができる。
また、実施形態1によれば、感光体ドラム40に近づく方向への一次転写ローラ62の移動を規制する規制手段であるガイドレール37を有することで、中間転写ベルト10に対して一次転写ローラ62を接離させる接離機構を有する一次転写装置60であっても、一次転写装置60のメンテナンスが必要な際には、一次転写ローラ62と中間転写ベルト10とが接触するのを抑制しつつ中間転写ベルト10の幅方向へ一次転写装置60をスライドさせて取り出し可能となり、中間転写ベルト10を中間転写装置から取り外すことなく一次転写装置60のメンテナンスを行うことができる。
また、実施形態1によれば、上記接離手段の一部にガイドレール37が設けられており、前記接離手段により一次転写ローラ62を中間転写ベルト10に接触させた状態では、ガイドレール37がガイド部材38をガイドしない位置にあって、前記接離手段により一次転写ローラ62を中間転写ベルト10から離間させた状態では、ガイドレール37が前記ガイドしない位置からガイド部材38をガイドする位置にくる。これにより、一次転写装置60の離間動作とガイドの動作とを連動させて行うことができ、1つの駆動源によって中間転写ベルト10に対する一次転写ローラ62の接離動作とガイドレール37とガイド部材38とによる一次転写装置60の中間転写ベルト幅方向へのガイドとが可能となり、安価な構成で目的を達成することができる。
また、実施形態1によれば、上記接離手段により一次転写ローラ62を中間転写ベルト10から離間させたとき、ガイドレール37が、中間転写ベルト10から一次転写ローラ62が離れる方向と略直交方向であり中間転写ベルト幅方向と略直交方向へと移動するとともに、ガイド部材38が、中間転写ベルト10から一次転写ローラ62が離れる方向と略同一方向へと移動することで、ガイドレール37がガイド部材38をガイドする位置にくるように構成することで、簡単な構成で、一次転写装置60の離間動作とガイドの動作とを連動させて行うことができ、1つの駆動源によって中間転写ベルト10に対する一次転写ローラ62の接離動作とガイドレール37とガイド部材38とによる一次転写装置60の中間転写ベルト幅方向へのガイドとが可能となり、安価な構成で目的を達成することができる。
また、実施形態1によれば、一次転写ローラ62を保持する保持部材である一次転写ホルダ30を軸支する一つの支軸31を中心に一次転写ホルダ30が揺動することで、中間転写ベルト10に対して一次転写ローラ62が接離するように構成されており、支軸31の一端は装置側に固定され、一次転写ホルダ30は支軸31に対して独立して支軸31の軸方向にスライド可能である。これにより、支軸31とガイド部材38とで一次転写ローラ62が中間転写ベルト10に近接する方向への動作を規制することができるので、中間転写ベルト10の幅方向へ一次転写装置60をスライドさせて中間転写装置から取り出す際に、一次転写ローラ62が中間転写ベルト10に接触することをより確実に防ぐことができる。
また、実施形態1によれば、複数の感光体ドラム40Y,40M,40C,40Kのトナー像を一次転写ローラ62Y,62M,62C,62Kによって中間転写ベルト10に転写し中間転写ベルト10から記録体である転写紙にトナー像を一括転写する中間転写装置を備えることで、複数色の感光体ドラム40Y,40M,40C,40Kを有する中間転写装置の中間転写ベルト10は周長が長いため、中間転写ベルト10の脱着により中間転写ベルト10を損傷させるリスクが高い。そのため、上述したような中間転写ベルト10を脱着させることなく一次転写装置60Y,60M,60C,60Kをメンテナンスできるメリットが大きい。
また、実施形態2によれば、トナー像を担持する像担持体である感光体ドラム102と、感光体ドラム102に対向して設けられ複数の支持部材である駆動ローラ113及び張架ローラ114で張架されるベルト部材である紙搬送ベルト112と、紙搬送ベルト112を挟んで感光体ドラム102に対向する位置に設けられ感光体ドラム102上のトナー像を転写する転写部材である転写ローラ117とを備えた画像形成装置において、紙搬送ベルト112に対して転写ローラ117を接離させる接離手段を有しており、前記接離手段により転写ローラ117を紙搬送ベルト112から離間させた状態で紙搬送ベルト幅方向に転写ローラ117を移動させて、装置本体に対し転写ローラ117が着脱可能である。これにより、装置本体から紙搬送ベルト112を取り外すことなく、装置本体から転写ローラ117を取り出すことで転写ローラ117のメンテナンスを行うことができる。また、装置本体に対して転写ローラ117を着脱する際に、前記接離手段によって転写ローラ117を紙搬送ベルト112から離間させるので、転写ローラ117と紙搬送ベルト112とが接触して紙搬送ベルト112が損傷するのを抑制することができる。よって、紙搬送ベルト112の損傷を抑えつつ転写ローラ117のメンテナンス作業を行うことができる。
また、実施形態2によれば、紙搬送ベルト幅方向に移動させて装置本体に対し着脱可能な、転写ローラ117を保持する保持部材である転写ホルダ130を有しており、上記接離手段は転写ホルダ130を変位させて転写ローラ117を紙搬送ベルト112に対して接離させるものであり、転写ホルダ130に設けられた被ガイド部であるガイド部材138と接触し転写ホルダ130の紙搬送ベルト幅方向への移動をガイドするガイド部材であるガイドレール137を備えており、ガイドレール137は、紙搬送ベルト112から転写ローラ117が離間した状態でのみ、ガイド部材138に接触し転写ホルダ130の紙搬送ベルト幅方向への移動をガイドするものである。これにより、転写ローラ117と紙搬送ベルト112とが接触した状態で転写装置160を紙搬送ベルト112の幅方向へスライドさせて取り出されるのが抑えられ、より確実に転写ローラ117と紙搬送ベルト112とが摺擦し合い損傷するのを抑制しつつ、紙搬送ベルト112を転写ユニット111から取り外すことなく転写装置160のメンテナンスを行うことができる。
また、実施形態2によれば、ガイドレール137は、転写ホルダ130のガイド部材138の感光体ドラム102に近づく方向への移動を規制する規制部分を有することで、転写ローラ117が紙搬送ベルト112から離間した際にのみ、ガイドレール137がガイド部材138に干渉して、転写ローラ117が紙搬送ベルト112に近接する方向への動作を規制することができる。そのため、紙搬送ベルト112に対して転写ローラ117を接離させる接離機構を有する転写装置160であっても、転写装置160のメンテナンスが必要な際には、転写ローラ117と紙搬送ベルト112とが接触するのを抑制しつつ紙搬送ベルト112の幅方向へ転写装置160をスライドさせて取り出し可能となり、紙搬送ベルト112を転写ユニット111から取り外すことなく転写装置160のメンテナンスを行うことができる。
また、実施形態2によれば、感光体ドラム102に近づく方向への転写ローラ117の移動を規制する規制手段であるガイドレール137を有することで、紙搬送ベルト112に対して転写ローラ117を接離させる接離機構を有する転写装置160であっても、転写装置160のメンテナンスが必要な際には、転写ローラ117と紙搬送ベルト112とが接触するのを抑制しつつ紙搬送ベルト112の幅方向へ転写装置160をスライドさせて取り出し可能となり、紙搬送ベルト112を転写ユニット111から取り外すことなく転写装置160のメンテナンスを行うことができる。
また、実施形態2によれば、上記接離手段の一部にガイドレール137が設けられており、前記接離手段により転写ローラ117を紙搬送ベルト112に接触させた状態では、ガイドレール137がガイド部材138をガイドしない位置にあって、前記接離手段により転写ローラ117を紙搬送ベルト112から離間させた状態では、ガイドレール137が前記ガイドしない位置からガイド部材138をガイドする位置にくる。これにより、転写装置160の離間動作とガイドの動作とを連動させて行うことができ、1つの駆動源によって紙搬送ベルト112に対する転写ローラ117の接離動作とガイドレール137とガイド部材138とによる転写装置160の紙搬送ベルト幅方向へのガイドとが可能となり、安価な構成で目的を達成することができる。
また、実施形態2によれば、上記接離手段により転写ローラ117を紙搬送ベルト112から離間させたとき、ガイドレール137が、紙搬送ベルト112から転写ローラ117が離れる方向と略直交方向であり紙搬送ベルト幅方向と略直交方向へと移動するとともに、ガイド部材138が、紙搬送ベルト112から転写ローラ117が離れる方向と略同一方向へと移動することで、ガイドレール137がガイド部材138をガイドする位置にくるように構成することで、簡単な構成で、転写装置160の離間動作とガイドの動作とを連動させて行うことができ、1つの駆動源によって紙搬送ベルト112に対する転写ローラ117の接離動作とガイドレール137とガイド部材138とによる転写装置160の紙搬送ベルト幅方向へのガイドとが可能となり、安価な構成で目的を達成することができる。
また、実施形態2によれば、転写ローラ117を保持する保持部材である転写ホルダ130を軸支する一つの支軸131を中心に転写ホルダ130が揺動することで、紙搬送ベルト112に対して転写ローラ117が接離するように構成されており、支軸131の一端は装置側に固定され、転写ホルダ130は支軸131に対して独立して支軸131の軸方向にスライド可能である。これにより、支軸131とガイド部材138とで転写ローラ117が紙搬送ベルト112に近接する方向への動作を規制することができるので、紙搬送ベルト112の幅方向へ転写装置160をスライドさせて転写ユニット111から取り出す際に、転写ローラ117が紙搬送ベルト112に接触することをより確実に防ぐことができる。
【符号の説明】
【0092】
1 画像形成ユニット
3 帯電装置
7 感光体ドラム用クリーニング装置
10 中間転写ベルト
13 支持ローラ
14 支持ローラ
15 支持ローラ
16 二次転写対向ローラ
17 中間転写ベルト用クリーニング装置
18 現像装置
20 タンデム型画像形成部
21 露光装置
22 二次転写装置
23 ローラ
24 搬送ベルト
25 定着装置
26 定着ベルト
27 加圧ローラ
28 シート反転装置
29 二次転写ローラ
30 一次転写ホルダ
31 支軸
32 位置決め板
32a 嵌合孔
32b 嵌合孔
33 押し上げ部材
34 コロ
35a ピン
35b ピン
35F 中間転写装置フロントフレーム
35R 中間転写装置リアフレーム
36 板金部材
36a 支軸部
36b 軸孔
37 ガイドレール
37a 下面
37b 端面
38 ガイド部材
38a 上面
38b 側面
40 感光体ドラム
42 給紙ローラ
43 ペーパーバンク
44 給紙カセット
45 分離ローラ
46 給紙路
47 搬送ローラ
48 給紙路
49 レジストローラ
50 給紙ローラ
51 手差しトレイ
53 給紙路
56 排出ローラ
57 排紙トレイ
60 一次転写装置
62 一次転写ローラ
70 偏心カム
71 軸
73 バネ
74 当接部
75 フレーム
80 偏心カム
81 軸
82 規制部材
83 ガイド部材
90 給電部
91 ケーブル
92 コネクタ
93 コネクタ
94 コネクタ
95 コネクタ
96 ケーブル
100 画像形成装置本体
101 プロセスカートリッジ
102 感光体ドラム
110 光書込ユニット
111 転写ユニット
112 紙搬送ベルト
113 駆動ローラ
114 張架ローラ
117 転写ローラ
119 レジストローラ対
120 給紙カセット
121a 加熱ローラ
121b 加圧ローラ
121 定着ユニット
130 転写ホルダ
131 支軸
132 位置決め板
132a 嵌合孔
132b 嵌合孔
133 押し上げ部材
134 コロ
135a ピン
135b ピン
135F 転写ユニットフロントフレーム
135R 転写ユニットリアフレーム
136 板金部材
136a 支軸部
136b 軸孔
137 ガイドレール
137a 下面
137b 端面
138 ガイド部材
138a 上面
138b 側面
140 現像装置
142 現像ローラ
143 第一搬送スクリュウ
144 第二搬送スクリュウ
145 ドクタ
146 トナー濃度センサ
147 仕切壁
148 ドラムクリーニング装置
150 帯電装置
160 転写装置
170 偏心カム
171 軸
173 バネ
174 当接部
175 フレーム
180 偏心カム
181 軸
182 規制部材
183 ガイド部材
190 給電部
191 ケーブル
192 コネクタ
193 コネクタ
194 コネクタ
195 コネクタ
196 ケーブル
200 給紙テーブル
237 ガイドレール
237a 上面
237b 端面
238 ガイド部材
238a 下面
238b 側面
337 ガイドレール
337a 上面
337b 端面
338 ガイド部材
338a 下面
338b 側面
【先行技術文献】
【特許文献】
【0093】
【特許文献1】特開2009−109584号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トナー像を担持する像担持体と、
該像担持体に対向して設けられ複数の支持部材で張架されるベルト部材と、
前記ベルト部材を挟んで前記像担持体に対向する位置に設けられ前記像担持体上のトナー像を転写する転写部材とを備えた画像形成装置において、
前記ベルト部材に対して前記転写部材を接離させる接離手段を有しており、
前記接離手段により前記転写部材を前記ベルト部材から離間させた状態でベルト部材幅方向に該転写部材を移動させて、装置本体に対し該転写部材が着脱可能であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1の画像形成装置において、
ベルト部材幅方向に移動させて装置本体に対し着脱可能な、上記転写部材を保持する保持部材を有しており、上記接離手段は前記保持部材を変位させて前記転写部材を上記ベルト部材に対して接離させるものであり、
上記保持部材に設けられた被ガイド部と接触し前記保持部材のベルト部材幅方向への移動をガイドするガイド部材を備えており、
前記ガイド部材は、前記ベルト部材から前記転写部材が離間した状態でのみ、前記被ガイド部に接触して前記保持部材のベルト部材幅方向への移動をガイドするものであることを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項2の画像形成装置において、
上記ガイド部材は、上記保持部材の上記被ガイド部の像担持体に近づく方向への移動を規制する規制部分を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項1または2の画像形成装置において、
上記像担持体に近づく方向への上記転写部材の移動を規制する規制手段を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項2または3の画像形成装置において、
上記接離手段に上記ガイド部材が設けられており、
前記接離手段により上記転写部材を上記ベルト部材に接触させた状態では、前記ガイド部材が前記被ガイド部をガイドしない位置にあって、
前記接離手段により前記転写部材を前記ベルト部材から離間させた状態では、前記ガイド部材が前記ガイドしない位置から前記被ガイド部をガイドする位置にくることを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項5の画像形成装置において、
上記接離手段により前記転写部材を前記ベルト部材から離間させたとき、
前記ガイド部材が、前記ベルト部材から前記転写部材が離れる方向と略直交方向でありベルト部材幅方向と略直交方向へと移動するとともに、
前記被ガイド部が、前記ベルト部材から前記転写部材が離れる方向と略同一方向へと移動することで、
前記ガイド部材が前記被ガイド部をガイドする位置にくることを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
請求項2、3、5または6の画像形成装置において、
上記転写部材を保持する保持部材を軸支する一つの支軸を中心に前記保持部材が揺動することで、上記ベルト部材に対して上記転写部材が接離するように構成されており、前記支軸の一端は装置側に固定され、前記保持部材は前記支軸に対して独立して該支軸の軸方向にスライド可能であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
請求項1、2、3、4、5、6または7の画像形成装置において、
上記ベルト部材は中間転写ベルトであり、複数の像担持体のトナー像を上記転写部材によって前記中間転写ベルトに転写し該中間転写ベルトから記録体にトナー像を一括転写する中間転写装置を備えることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2011−248166(P2011−248166A)
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−122256(P2010−122256)
【出願日】平成22年5月28日(2010.5.28)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】