説明

画像形成装置

【課題】転写体を装置本体から取り外す際において接離機構と連結部材との干渉を抑制する。
【解決手段】装置本体に回転可能に設けられ、画像を保持する像保持体と、前記像保持体の回転軸方向と直交する直交方向へ取り外し可能に前記装置本体に設けられ、前記像保持体が保持する画像が転写される転写体と、前記転写体に設けられ、前記転写体を前記像保持体に対して接離させる接離機構と、前記装置本体に設けられ、前記接離機構に対して前記像保持体の回転軸方向に沿って連結され、前記接離機構に対する連結状態で第1回転位置へ正転されると前記接離機構が前記転写体を前記像保持体に接触させ、当該連結状態で前記第1回転位置から第2回転位置へ逆転されると前記接離機構が前記転写体を前記像保持体から離間させ、前記第2回転位置において前記接離機構に対する連結方向とは反対方向へ前記転写体の取り外しを許容するように退避可能な連結部材と、備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、プロセスカートリッジの挿入に連動して駆動カップリングが退避する構成が開示されている。
【0003】
特許文献2には、装置本体に対して着脱可能な感光体と、装置本体に対して着脱可能で、前記感光体に当接可能な無端ベルトを含むユニットと、前記無端ベルトを含むユニットに設けられた、ユニット自身の位置を移動せずに前記無端ベルトを前記感光体に当接離間する当接離間機構と、前記当接離間機構を駆動する当接離間駆動と、を有する画像形成装置において、装置本体に設けられた外装を兼ねた開閉部材に連動して、前記無端ベルトを含むユニットの当接離間機構を初期位置に戻す連動機構を有する構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−117988号公報
【特許文献2】特開2006−220993号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、転写体を装置本体から取り外す際において接離機構と連結部材との干渉を抑制することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1の発明は、装置本体に回転可能に設けられ、画像を保持する像保持体と、前記像保持体の回転軸方向と直交する直交方向へ取り外し可能に前記装置本体に設けられ、前記像保持体が保持する画像が転写される転写体と、前記転写体に設けられ、前記転写体を前記像保持体に対して接離させる接離機構と、前記装置本体に設けられ、前記接離機構に対して前記像保持体の回転軸方向に沿って連結され、前記接離機構に対する連結状態で第1回転位置へ正転されると前記接離機構が前記転写体を前記像保持体に接触させ、当該連結状態で前記第1回転位置から第2回転位置へ逆転されると前記接離機構が前記転写体を前記像保持体から離間させ、前記第2回転位置において前記接離機構に対する連結方向とは反対方向へ前記転写体の取り外しを許容するように退避可能な連結部材と、を備える画像形成装置である。
【0007】
請求項2の発明は、前記連結部材は、前記第2回転位置において前記反対方向へ退避した状態において、前記第1回転位置への回転が規制される請求項1に記載の画像形成装置である。
【0008】
請求項3の発明は、前記装置本体に設けられ、前記第2回転位置において前記連結部材を前記反対方向へ付勢する付勢部材と、前記装置本体に対して着脱可能に設けられ、前記転写体から除去された現像剤を収容する収容容器と、を備え、前記連結部材は、前記収容容器の前記装置本体への装着により、前記第2回転位置において前記接離機構に対して退避した退避位置から前記連結位置へ前記付勢部材の付勢力に対抗して押される請求項1又は2に記載の画像形成装置である。
【0009】
請求項4の発明は、前記連結部材に設けられ、前記連結部材の正転及び逆転の操作を行うための操作部と、前記操作部に設けられ、前記収容容器の前記装置本体への装着状態において前記連結部材が前記第1回転位置に正転されると、前記収容容器の取り外し方向への移動を規制する規制部と、を備える請求項3に記載の画像形成装置である。
【0010】
請求項5の発明は、前記装置本体に対して開閉可能に設けられ、前記装置本体へ装着された状態の前記収容容器を覆い、前記連結部材が前記第2回転位置に位置する場合に前記装置本体に対する閉鎖が規制される開閉部を備える請求項3又は4に記載の画像形成装置である。
【発明の効果】
【0011】
本発明の請求項1の構成によれば、連結部材が退避できない場合に比べ、転写体を装置本体から取り外す際において接離機構と連結部材との干渉を抑制できる。
【0012】
本発明の請求項2の構成によれば、連結部材が第2回転位置で接離機構から退避した状態において、連結部材が不用意に第1回転位置に回転されることがない。
【0013】
本発明の請求項3の構成によれば、収容容器が装置本体に装着されていない状態において、不用意に転写体が像保持体に対して接触されることがない。
【0014】
本発明の請求項4の構成によれば、転写体が像保持体に接触した状態において、収容容器が装置本体から不用意に取り外されることがない。
【0015】
本発明の請求項5の構成によれば、転写体が像保持体から離間した状態において、開閉部が不用意に閉鎖されることがない。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本実施形態に係る画像形成装置の構成を示す概略図である。
【図2】本実施形態に係る一次転写ユニットを示した側面図である。
【図3】本実施形態に係る一次転写ユニットを示した側面図である。
【図4】本実施形態に係る一次転写ユニットを示した側面図である。
【図5】本実施形態に係る一次転写ユニットを示した側面図である。
【図6】本実施形態に係る一次転写ユニットを示した斜視図である。
【図7】本実施形態に係る一次転写ユニットを示した斜視図である。
【図8】本実施形態に係る一次転写ユニットを示した斜視図である。
【図9】本実施形態に係る一次転写ユニットを示した斜視図である。
【図10】本実施形態に係る一次転写ユニットを示した拡大斜視図である。
【図11】本実施形態に係る一次転写ユニットを示した拡大斜視図である。
【図12】本実施形態に係る伝達機構の構成を示す部分断面図である。
【図13】本実施形態に係る伝達機構の構成を示す分解斜視図である。
【図14】本実施形態に係る伝達機構の構成を示す分解斜視図である。
【図15】本体側カップリング及び転写ユニット側カップリングの構成を示す斜視図である。
【図16】中間転写ベルトが像保持体に接触した状態を示す側面図である。
【図17】中間転写ベルトが像保持体から離間した状態を示す側面図である。
【図18】ハンドルが接触回転位置に位置する状態を示す斜視図である。
【図19】ハンドルが接触回転位置に位置する状態を示す断面図である。
【図20】ハンドルが離間回転位置に位置し、かつ、本体側カップリングが連結位置に位置する状態を示す斜視図である。
【図21】ハンドルが離間回転位置に位置し、かつ、本体側カップリングが連結位置に位置する状態を示す断面図である。
【図22】ハンドルが離間回転位置に位置し、かつ、本体側カップリングが退避位置に位置する状態を示す斜視図である。
【図23】ハンドルが離間回転位置に位置し、かつ、本体側カップリングが退避位置に位置する状態を示す断面図である。
【図24】トナーボトルが取り外された状態の装置本体の構成を示す斜視図である。
【図25】接触回転位置に位置するハンドルとトナーボトルとの位置関係を示す斜視図である。
【図26】離間回転位置に位置するハンドルとトナーボトルとの位置関係を示す斜視図である。
【図27】トナーボトルの構成を示す斜視図である。
【図28】トナーボトルの押当リブの構成を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に、本発明に係る実施形態の一例を図面に基づき説明する。
【0018】
(本実施形態に係る画像形成装置の構成)
まず、本実施形態に係る画像形成装置の構成を説明する。図1は、本実施形態に係る画像形成装置の構成を示す概略図である。なお、後述のX方向・−X方向・Y方向(上方)・−Y方向(下方)・Z方向・−Z方向は、図中に示す矢印方向である。また、図中の「○」の中に「×」が記載されたものは、紙面の手前から奥へ向かう矢印を意味し、図中の「○」の中に「・」が記載されたものは、紙面の奥から手前へ向かう矢印を意味する。
【0019】
図1に示すように、画像形成装置10の装置本体10Aの内部には、入力される画像データに対して画像処理を行なう画像処理部12が設けられている。この画像処理部12は、入力された画像データをイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の4色の階調データに処理するようになっており、この処理された階調データを受け取って、レーザ光LBによる画像露光を行う露光装置14が装置本体10A内の中央部に設けられている。
【0020】
また、露光装置14の上方(Y方向)には、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の4つの画像形成ユニット16Y、16M、16C、16Kが、水平方向(−Z方向・Z方向)に対して傾斜する方向に間隔をおいて配置されている。なお、Y,M,C,Kを区別して説明する必要が無い場合は、Y,M,C,Kを省略して記載することがある。
【0021】
これらの4つの画像形成ユニット16Y、16M、16C、16Kは、すべて同様に構成されており、装置本体10Aに回転可能に設けられ画像を保持する像保持体18と、この像保持体18の外周面を帯電する帯電部材20と、露光装置14の画像露光によって帯電した像保持体18の外周面に形成された静電潜像を、予め決められた色のトナーで現像してトナー画像として可視化する現像部材22と、像保持体18の外周面に残留した残留トナーを除去する除去装置160と、を含んで構成されている。なお、除去装置160の具体的な構成については、後述する。
【0022】
像保持体18は、予め決められた速度で回転駆動され、帯電部材20、現像部材22及び除去装置160は、像保持体18の回転方向に沿ってこの順で配置されている。また、帯電部材20の下側には、帯電部材20と接して帯電部材20の外周面を清掃する清掃部材64が設けられている。
【0023】
また、露光装置14には、4つの画像形成ユニット16Y、16M、16C、16Kに共通に構成された、図示しない4つの半導体レーザが設けられており、これらの半導体レーザからレーザ光LB−Y、LB−M、LB−C、LB−Kが階調データに応じて出射されるようになっている。
【0024】
なお、半導体レーザから出射されたレーザ光LB−Y、LB−M、LB−C、LB−Kは、図示しないシリンドリカルレンズを介して回転多面鏡であるポリゴンミラー26に照射され、このポリゴンミラー26によって偏向走査されるようになっている。そして、このポリゴンミラー26によって偏向走査されたレーザ光LB−Y、LB−M、LB−C、LB−Kは、図示しない結像レンズ、図示しない複数枚のミラー及びガラス製のウインドウ30Y、30M、30C、30Kを介して、像保持体18上の露光ポイントに、斜め下方から走査露光されるようになっている。
【0025】
一方、各画像形成ユニット16Y、16M、16C、16Kの上方(Y方向)には、転写装置の一例としての一次転写ユニット21が設けられている。そして、この一次転写ユニット21は、像保持体18が保持する画像が転写される転写体の一例としての中間転写ベルト32と、中間転写ベルト32が巻き掛けられ回転駆動して中間転写ベルト32を矢印方向(図1における反時計回り方向)に周回させる駆動ロール36と、中間転写ベルト32が巻き掛けられ中間転写ベルト32に張力を付与する張力付与部材の一例としての張力付与ロール40と、張力付与ロール40の上方に設けられて中間転写ベルト32と従動回転する従動ロール66と、中間転写ベルト32を挟んで像保持体18Y、18M、18C、18Kの反対側に配置される転写部材の一例としての一次転写ロール34Y、34M、34C、34Kと、を含んで構成されている。
【0026】
そして、この4つの一次転写ロール34Y、34M、34C、34Kによって、画像形成ユニット16Y、16M、16C、16Kの像保持体18上に形成されたイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色のトナー画像が、中間転写ベルト32上に、多重に転写される構成となっている。
【0027】
さらに、一次転写ユニット21においては、中間転写ベルト32の外周面に残留した残留トナーを除去する除去装置161が、中間転写ベルト32を挟んで駆動ロール36の反対側に設けられている。なお、一次転写ユニット21の具体的な構成及び除去装置161の具体的な構成については、後述する。
【0028】
また、中間転写ベルト32を挟んで従動ロール66の反対側には、二次転写ロール42が設けられている。中間転写ベルト32上に多重に転写されたイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色のトナー画像は、中間転写ベルト32により搬送され、従動ロール66と二次転写ロール42に挟まれ、用紙搬送経路56に沿って搬送される記録媒体としてのシート部材Pに二次転写されるようになっている。
【0029】
さらに、二次転写ロール42に対してシート部材Pの搬送方向の下流側(以下単に下流側と言う)には、シート部材Pに転写されたトナー画像を熱及び圧力によりシート部材Pに定着する定着装置44が設けられている。
【0030】
また、定着装置44の下流側には、トナー画像が定着したシート部材Pを画像形成装置10の装置本体10Aの上部に設けられた排出部48に排出する排出ロール46が設けられている。
【0031】
一方、画像形成装置10の装置本体10Aの下部には、シート部材Pが積載される給紙部材50が設けられている。さらに、この給紙部材50に積載されたシート部材Pを用紙搬送経路56へ送り出す給紙ロール52が設けられ、給紙ロール52の下流側には、シート部材Pを1枚ずつ分離して搬送する分離ロール54が設けられている。また、分離ロール54の下流側には、搬送タイミングを合わせる位置合せロール58が設けられている。これにより、給紙部材50から供給されたシート部材Pは、位置合せロール58によって中間転写ベルト32と二次転写ロール42とが接する位置(二次転写位置)へ予め決められたタイミングで送り出される構成となっている。
【0032】
さらに、排出ロール46の隣り(Z方向側)には、定着装置44によって片面にトナー画像が定着されたシート部材Pを、排出ロール46によって排出部48上にそのまま排出せずに、両面用搬送経路62に搬送する搬送ロール60が設けられている。これにより、両面用搬送経路62に沿って搬送されるシート部材Pは、表裏が反転された状態で、位置合せロール58へと再度搬送され、今度は、シート部材Pの裏面にトナー画像が転写・定着されて排出部48上に排出されるようになっている。
【0033】
この構成により、以下のようにシート部材Pに画像が形成される。
【0034】
先ず、画像処理部12から露光装置14に各色の階調データが順次出力され、この露光装置14から階調データに応じて出射されたレーザ光LB−Y、LB−M、LB−C、LB−Kは、帯電部材20によって帯電した像保持体18の外周面に走査露光され、像保持体18の外周面に静電潜像が形成される。像保持体18上に形成された静電潜像は、現像部材22Y、22M、22C、22Kによって、それぞれイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色のトナー画像として可視化される。
【0035】
さらに、各画像形成ユニット16Y、16M、16C、16Kの上方に渡って配置された一次転写ユニット21の一次転写ロール34によって、像保持体18上に形成されたイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色のトナー画像が、周回する中間転写ベルト32上に多重に転写される。
【0036】
また、周回する中間転写ベルト32上に多重に転写された各色のトナー画像は、二次転写ロール42により、給紙部材50から給紙ロール52、分離ロール54、位置合せロール58によって用紙搬送経路56に予め決められたタイミングで搬送されたシート部材Pに二次転写される。
【0037】
さらに、トナー画像が転写されたシート部材Pは、定着装置44へと搬送される。シート部材Pに転写されたトナー画像は、定着装置44によってシート部材Pに定着され、定着された後、画像形成装置10の装置本体10Aの上部に設けられた排出部48に排出ロール46によって排出される。
【0038】
さらに、シート部材Pの両面に画像を形成させる場合は、定着装置44によって片面にトナー画像が定着されたシート部材Pは、排出部48に排出されず、排出ロール46によって両面用搬送経路62へ導入される。そして、シート部材Pは、両面用搬送経路62に沿ってシート部材Pが搬送されることで、表裏が反転されて再度位置合せロール58へ搬送される。今度は、シート部材Pの裏面にトナー画像が転写・定着され、転写・定着された後、排出部48上に排出ロール46によって排出される。
【0039】
(一次転写ユニット21の具体的な構成)
次に、一次転写ユニット21の具体的な構成について説明する。
【0040】
本実施形態に係る一次転写ユニット21では、像保持体18に形成された各色のトナー画像を中間転写ベルト32上に転写する各色の一次転写ロール34は、金属(例えばステンレス)で形成されている。
【0041】
図2、図6に示すように、中間転写ベルト32に各色を多重に転写させる場合(カラー印刷時)には、一次転写ユニット21に設けられた各色の一次転写ロール34は、中間転写ベルト32を像保持体18に押し当てるようになっている。これにより、各色の像保持体18に形成されたトナー画像が中間転写ベルト32に転写されるようになっている。
【0042】
一次転写ロール34の回転軸方向(X方向・−X方向(以下単に軸方向と言う))の両側には、一次転写ユニット21の骨格を構成する一対のフレーム部材70が設けられている。
【0043】
また、一次転写ロール34Y、34M、34Cの両端部は、図2に示すように、軸方向から見て中央側が屈曲して逆L字状とされた第一支持部材の一例としての支持部材72Y、72M、72Cの先端側に回転可能に取り付けられている。さらに、この支持部材72Y、72M、72Cの屈曲部には、支持部材72をフレーム部材70に回転可能に取り付けると共に軸方向を向いた回転軸74Y、74M、74Cが設けられている。
【0044】
また、支持部材72Y、72M、72Cの他端側には、一次転写ロール34Y、34M、34Cを中間転写ベルト32の裏面に向けて付勢する付勢部材の一例としてのコイルスプリング76Y、76M、76Cが取り付けられている。具体的には、コイルスプリング76Y、76M、76Cの一端は、支持部材72Y、72M、72Cの他端側に固定され、コイルスプリング76Y、76M、76Cの他端は、フレーム部材70に固定されている。
【0045】
さらに、駆動ロール36と一次転写ロール34Yとの間には、中間転写ベルト32の裏面を支持すると共に、各色のトナー画像を中間転写ベルト32に転写する際に、各色のトナー画像が中間転写ベルト32に転写される転写部80における中間転写ベルト32の周回経路を規制する規制部材の一例としての規制ロール82が設けられている。
【0046】
この規制ロール82の両端部は、軸方向から見て中央側が屈曲して逆L字状とされた支持部材84の先端側に回転可能に取り付けられている。さらに、この支持部材84の屈曲部には、支持部材84をフレーム部材70に回転可能に取り付けると共に軸方向を向いた回転軸86が設けられている。
【0047】
また、支持部材84の他端側には、規制ロール82を中間転写ベルト32の裏面に向けて付勢する付勢部材の一例としてのコイルスプリング88が設けられている。具体的には、コイルスプリング88の一端は、支持部材84の他端側に固定され、コイルスプリング88の他端は、フレーム部材70に固定されている。なお、コイルスプリング88の付勢力は、前述したコイルスプリング76の付勢力に比して強くされている。そして、一次転写ロール34Y、34M、34Cは、中間転写ベルト32を像保持体18に押し当てるようになっている。
【0048】
さらに、コイルスプリング88の付勢力が伝達される支持部材84と当って、支持部材84の配置位置を決める突起部(図示省略)がフレーム部材70に設けられている。このように、支持部材84がコイルスプリング88の付勢力によって突起部と当るため、規制ロール82の配置位置が決められるようになっている。
【0049】
一方、中間転写ベルト32に張力を付与する張力付与ロール40の回転軸40Aの両端は、軸方向から見て中央側が屈曲してL字状とされた保持部材90の一端側に回転可能に支持されている。さらに、保持部材90の屈曲部には、保持部材90をフレーム部材70に回転可能に取り付けると共に軸方向を向いた回転軸92が設けられている。つまり、保持部材90は回転軸92を中心に回転移動し、張力付与ロール40は回転軸92を中心に円弧状に移動可能となっている。
【0050】
また、保持部材90の他端側(上方に延びた端部)には、付勢部材の一例としてのコイルスプリング94の先端部が固定されており、このコイルスプリング94の基端部は、フレーム部材70に固定されている。そして、保持部材90が回転軸92を中心に回転移動し、張力付与ロール40が中間転写ベルト32の裏面(内周面)を押圧するように、コイルスプリング94が保持部材90の他端側を付勢するようになっている。これにより、中間転写ベルト32には、予め定められた範囲の張力が付与される。
【0051】
さらに、張力付与ロール40と一次転写ロール34Cとの間には、一次転写ロール34Kが設けられている。一次転写ロール34Kの両端部は、軸方向から見て中央側が屈曲してL字状とされた第二支持部材の一例としての支持部材98の先端側に回転可能に取り付けられている。さらに、この支持部材98の屈曲部には、支持部材98をフレーム部材70に回転可能に取り付けると共に軸方向に向いた回転軸102が設けられている。
【0052】
また、支持部材98の他端側には、一次転写ロール34Kを中間転写ベルト32の裏面に向けて付勢する付勢部材の一例としてのコイルスプリング104が取り付けられている。具体的には、コイルスプリング104一端は、支持部材98の他端側に固定され、コイルスプリング104の他端は、フレーム部材70に固定されている。なお、コイルスプリング104の付勢力は、前述したコイルスプリング76の付勢力に比して強くされている。
【0053】
さらに、コイルスプリング104の付勢力が伝達される支持部材98と当って、支持部材98の配置位置を決める突起部106がフレーム部材70に設けられている。このように、支持部材98がコイルスプリング104の付勢力によって突起部106と当るため、一次転写ロール34Kの配置位置が決められるようになっている。
【0054】
そして、前述したように配置位置が決められた規制ロール82と一次転写ロール34Kとの間において、周回する中間転写ベルト32の周回経路は、決められた位置を通るように規制されている。つまり、各色の転写部80における中間転写ベルト32の周回経路は、規制ロール82と一次転写ロール34Kとによって規制されるようになっている。
【0055】
一方、各色の一次転写ロール34が中間転写ベルト32の裏面と接触することで、各色の一次転写ロール34による中間転写ベルト32の表面へのトナー画像の転写を可能とする複数色転写モード(複数色転写状態)から、一次転写ロール34Y、34M、34Cを中間転写ベルト32の裏面から退避させ一次転写ロール34Kによる中間転写ベルト32の表面へのトナー画像の転写を可能とする単色転写モード(単色転写状態)へ切り換え可能とする第一切替機構110が設けられている。
【0056】
図2、図3に示すように、第一切替機構110には、規制ロール82及び一次転写ロール34Y、34M、34Cが中間転写ベルト32の裏面と接触する第一の位置(図2、図6参照)と、規制ロール82及び一次転写ロール34Y、34M、34Cを中間転写ベルト32から退避させる第二の位置(図3、図7参照)との間を移動可能とさせる第一移動部材112が設けられている。
【0057】
詳細には、第一移動部材112は、フレーム部材70に対して軸方向の内側(一次転写ロール34が配置される側)に設けられ、軸方向から見て各色の一次転写ロール34が並ぶ第一方向(図2に示す矢印D方向)に延びる板状とされている。さらに、第一移動部材112には、軸方向から見て第一方向に延びる長孔112A及び長孔112Bが形成され、長孔112A及び長孔112Bは第一方向に並んで配置されている。
【0058】
さらに、長孔112Aを通る円柱状のロッド114と、長孔112Bを通る円柱状のロッド116とが一対のフレーム部材70の間に掛け渡されている。そして、ロッド114及びロッド116は、長孔112A及び長孔112B内を移動可能となっている。これにより、第一移動部材112は、第一方向に沿って往復移動できるようになっている。
【0059】
また、第一移動部材112には、第一移動部材112が一端部から他端部に向って移動すると、支持部材84及び支持部材72と当って、規制ロール82及び一次転写ロール34Y、34M、34Cを第一の位置(接触位置(図2参照))から第二の位置(離間位置(図3参照))へ移動させる突起部122及び突起部120Y、120M、120Cが設けられている。
【0060】
さらに、第一移動部材112には、第一方向において駆動ロール36側を向いた第一接触部の一例としての接触面124が形成されている。そして、この接触面124と当り、第一移動部材112を介して規制ロール82及び一次転写ロール34Y、34M、34Cを第一の位置(図2参照)から第二の位置(図3参照)へ移動させる第一切替部材の一例としてのカム部材126が設けられている。
【0061】
具体的には、図2に示すように、カム部材126は、ロッド116に取り付けられており、カム部材126の短径が接触面124と対向すると、突起部122及び突起部120を介して支持部材84及び支持部材72には押圧力は伝達されず、規制ロール82及び一次転写ロール34Y、34M、34Cはコイルスプリング88及びコイルスプリング76の付勢力で第一の位置に配置されるようになっている。
【0062】
一方、図3に示すように、ロッド116が回転してカム部材126の長径が接触面124と当ると、接触面124がカム部材126に押圧されて第一移動部材112は第一方向における張力付与ロール40側に移動する。第一移動部材112が第一方向に移動することで、突起部122及び突起部120を介して支持部材84及び支持部材72には押圧力が伝達される。そして、支持部材84及び支持部材72は、回転軸86及び回転軸74を中心に回転して、規制ロール82及び一次転写ロール34Y、34M、34Cは第二の位置に配置されるようになっている。
【0063】
なお、ロッド116は、その外部に設けられた図示せぬ駆動源が、制御部からの指示により駆動することで、この駆動力が伝達されて回転するようになっている。また、第一移動部材112による押圧力が解除されると、規制ロール82及び一次転写ロール34Y、34M、34Cはコイルスプリング88及びコイルスプリング76の付勢力で第二の位置から第一の位置に移動するようになっている。
【0064】
これに対し、図3に示す単色転写モードから一次転写ロール34Kを中間転写ベルト32の裏面から退避させて全ての一次転写ロール34を中間転写ベルト32から退避させる退避モード(退避状態)へ切り替え可能とすると共に、図2に示す複数色転写モードから全ての一次転写ロール34を中間転写ベルト32から退避させる退避モードへ切り替え可能とする第二切替機構130が設けられている。
【0065】
図2、図3に示すように、第二切替機構130には、一次転写ロール34Kが中間転写ベルト32の裏面と接触して支持する第三の位置と、一次転写ロール34Kが中間転写ベルト32から退避する第四の位置(図4、図5参照)との間を移動可能とさせる第二移動部材132が設けられている。
【0066】
詳細には、図2、図6に示すように、第二移動部材132は、第一移動部材112に対して軸方向の内側に設けられ、軸方向から見て第一方向に延びて設けられている。さらに、第二移動部材132には、軸方向から見て第一方向に延びる長孔132A及び長孔132Bが形成され、長孔132A及び長孔132Bは第一方向に並んで配置されている。
【0067】
さらに、前述した第一移動部材112には、長孔132Aを通るエンボス134が軸方向に延びて形成されている。また、一対のフレーム部材70の間には、長孔132Bを通る円柱状のロッド136が掛け渡されている。そして、エンボス134及びロッド136は、長孔132A及び長孔132B内を移動可能となっている。これにより、第二移動部材132は、第一方向に沿って往復移動できるようになっている。
【0068】
また、図2、図4に示すように、第二移動部材132には、第二移動部材132が一端部から他端部に向って移動すると、支持部材98と当って、一次転写ロール34Kを第三の位置(図2参照)から第四の位置(図4参照)へ移動させる突起部146が設けられている。
【0069】
同様に、第二移動部材132には、第二移動部材132が一端部から他端部に向って移動すると、保持部材90と当って保持部材90を回転移動させ、張力付与ロール40によって中間転写ベルト32に付与される張力を解除する突起部138が設けられている。
【0070】
さらに、第二移動部材132には、第一方向において張力付与ロール40側を向いた第二接触部の一例としての接触面140が形成されている。そして、この接触面140と当り、第二移動部材132を介して一次転写ロール34Kを第三の位置(図2参照)から第四の位置(図4参照)へ移動させる第二切替部材の一例としてのカム部材142が設けられている。
【0071】
具体的には、図2、図10に示すように、カム部材142は、軸方向において、第一移動部材112と第二移動部材132との間に配置されている。そして、カム部材142は、ロッド136に取り付けられており、カム部材142の短径が接触面140と対向すると、突起部146及び突起部138を介して支持部材98及び保持部材90には押圧力は伝達されないようになっている。そして、一次転写ロール34Kは、コイルスプリング104の付勢力で第三の位置に配置され、張力付与ロール40は、コイルスプリング94の付勢力で中間転写ベルト32に張力を付与するようになっている。
【0072】
一方、図4、図11に示すように、ロッド136が回転してカム部材142の長径が接触面140と当ると、接触面140がカム部材126に押圧されて第二移動部材132は第一方向における駆動ロール36側に移動する。第二移動部材132が第一方向に移動することで、突起部146及び突起部138を介して支持部材98及び保持部材90には押圧力が伝達される。そして、支持部材98は回転軸102を中心に回転して、一次転写ロール34Kは第四の位置に配置され、保持部材90は回転軸92を中心に回転して、中間転写ベルト32に付与される張力が解除されるようになっている。
【0073】
さらに、図2に示すように、第一移動部材112には、カム部材142を挟んで接触面140の反対側に設けられる第三接触部の一例としての接触面144が、駆動ロール36側を向いて設けられている。図2、図5に示すように、この構成により、一次転写ロール34Y、34M、34Cが第一の位置に配置される場合において、ロッド136が回転してカム部材142の長径が接触面144と当ると、規制ロール82及び一次転写ロール34Y、34M、34Cが第一の位置(図2参照)から第二の位置(図5参照)へ移動するようになっている。
【0074】
なお、図3に示すように、一次転写ロール34Y、34M、34Cが第二の位置で、一次転写ロール34Kが第三の位置に配置された状態では、カム部材142と接触面144とは離間するため、カム部材142を回転させても第一移動部材112は移動しないようになっている。
【0075】
また、図1に示すように、装置本体10Aの上部には、内部を開放可能とすると共に閉鎖状態で表面に排出部48が形成させる蓋部150が設けられている。具体的には、蓋部150の一端部には、装置本体10AのX方向に延びる回転軸152が設けられ、回転軸152を中心に蓋部150を回転させることで、装置本体10Aの内部が上方に開放されるようになっている。一次転写ユニット21は、像保持体18の回転軸方向と直交する直交方向(図1における左斜め上方向)へ取り外し可能に装置本体10Aに設けられており、蓋部150を開放した状態において、一次転写ユニット21は装置本体10Aに対して着脱可能とされる。
【0076】
また、図6に示すように、ロッド136の一端部には、第1カップリング148(以下、転写ユニット側カップリング148という)が設けられている。転写ユニット側カップリング148は、ロッド136の一端部に固定され、ロッド136と一体に回転するようになっている。転写ユニット側カップリング148のX方向側部分には、後述の本体側カップリング210と嵌合する凹部148Aが形成されている。
【0077】
本実施形態では、前述のように、規制ロール82及び一次転写ロール34Y、34M、34C、34Kが中間転写ベルト32から退避することで、中間転写ベルト32を像保持体18から離間させるようになっている(図4及び図5参照)。また、複数色転写モードでは、規制ロール82及び一次転写ロール34Y、34M、34C、34Kが中間転写ベルト32に接触することで、中間転写ベルト32を像保持体18に接触させるようになっている(図2参照)。さらに、単色転写モードでは、前述のように、一次転写ロール34Kが中間転写ベルト32に接触することで、中間転写ベルト32を像保持体18に接触させるようになっている(図3参照)。このように、本実施形態では、中間転写ベルト32が像保持体18に対して接離されるようになっている。
【0078】
本実施形態では、転写ユニット側カップリング148、ロッド136、カム部材142、第二移動部材132、支持部材98、保持部材90、第一移動部材112、支持部材84、各色の支持部材72によって、中間転写ベルト32を像保持体18に対して接離させる接離機構170が構成される。なお、接離とは、接触及び離間を意味する。
【0079】
(中間転写ベルト32を像保持体18に対して接離させるための回転力をロッド136に伝達する伝達機構200)
次に、中間転写ベルト32を像保持体18に対して接離させるための回転力をロッド136に伝達する伝達機構200について説明する。
【0080】
伝達機構200は、図12、図13及び図14に示すように、転写ユニット側カップリング148と連結される連結部材の一例としての第2カップリング210(以下、本体側カップリング210という)と、本体側カップリング210が軸方向一端部に設けられ本体側カップリング210と一体に回転可能な回転軸220と、回転軸220の軸方向他端部に設けられた操作部の一例としてのハンドル230と、本体側カップリング210が収容される収容部材240と、を備えている。
【0081】
回転軸220は、図13に示すように、円柱状に構成されると共に、図12に示すように、ロッド136に対するX方向側にロッド136と同軸に配置されている。回転軸220の軸方向一端部(−X方向端部)には、円柱状のピン202が回転軸220の径方向に貫通して固定されている。回転軸220の軸方向他端部(X方向端部)には、円柱状のピン206が回転軸220の径方向に貫通して固定されている。なお、ピン202とピン206とは回転軸220の周方向の異なる位置で貫通している。すなわち、回転軸220の軸方向視(X方向視)にて、ピン202とピン206とは交差している。回転軸220の軸方向他端部(X方向端部)の端面220Aには、ネジ209が回転軸220の軸方向にねじ込まれるネジ孔220Bが形成されている。回転軸220の軸方向中間部には、回転軸220の外周面から張り出した抜け止め208が固定されている。
【0082】
本体側カップリング210は、図13及び図14に示すように、回転軸220が挿し通される通孔212が軸心部に形成された円筒状に構成されている。本体側カップリング210は、通孔212に回転軸220が挿し通されることで、回転軸220の軸方向に沿って、回転軸220に対して移動可能とされている。具体的には、本体側カップリング210は、後述の凸部216が、転写ユニット側カップリング148の凹部148A(図6、図15参照)に嵌合して転写ユニット側カップリング148に連結される連結位置と、後述の凸部216が、転写ユニット側カップリング148の凹部148Aから抜け出して転写ユニット側カップリング148から退避する退避位置と、の間を回転軸220の軸方向に沿って移動可能とされている。
【0083】
通孔212は、図12に示すように、回転軸220の外周面が接触する内周面を有する小径部分212Aと、小径部分212Aの−X方向側に設けられ小径部分212Aよりも内径が大径とされた大径部分212Bと、を有している。通孔212の大径部分212Bには、回転軸220が挿し通された付勢部材の一例としての圧縮バネ(捻りコイルバネ)204が回転軸220の外周面との間に配置されている。圧縮バネ204の軸方向一端部が、回転軸220の軸方向一端部(−X方向側端部)に固定されたピン202に当り、圧縮バネ204の軸方向他端部が、小径部分212Aと大径部分212Bとの段差部212Cに当ることで、本体側カップリング210は、X方向へ付勢されている。従って、本体側カップリング210に対して−X方向への外力が加わらない場合において、本体側カップリング210は、退避位置に位置するようになっている。
【0084】
本体側カップリング210の転写ユニット側カップリング148に対向する面(−X方向側の面)には、図14に示すように、転写ユニット側カップリング148の凹部148A(図6、図15参照)に嵌合する凸部216が形成されている。凸部216は、一対で構成されており、X方向矢視にて、軸心部を間に挟んで径方向の両側に配置されている。
【0085】
一対の凸部216が互いに対向する面のそれぞれには、回転軸220の一端部(−X方向側端部)に固定されたピン202が差し込まれる差込溝214が、本体側カップリング210の軸方向に沿って形成されている。なお、差込溝214は、通孔212の大径部分212Bの一部に達している。
【0086】
ピン202が差込溝214内の−X方向側を向く面に当ることで、本体側カップリング210の−X方向側への移動が規制される。また、ピン202が差込溝214に差し込まれた状態で、本体側カップリング210は、回転軸220と一体に回転するようになっている。
【0087】
本体側カップリング210のX方向側部分には、図15に示すように、収容部材240の内壁に形成された後述の規制体244(図18参照)が入り込む切欠部218が、本体側カップリング210の外周一部に形成されている。切欠部218は、周方向の一部(図15のS方向側部分)において、−X方向側へ深く形成されている。この切欠部218が形成されることにより、後述の規制体244に当って、本体側カップリング210の周方向への移動が規制される被規制面218A、218B、218Cが構成される。また、切欠部218が形成されることにより、後述の規制体244に当って、本体側カップリング210のX方向への移動が規制される被規制面218D、218Eが構成される。被規制面218D、218Eにより、本体側カップリング210のX方向への移動が規制されることで、ピン202が差込溝214に差し込まれた状態が維持され、本体側カップリング210は、常時、回転軸220と一体に回転するようになっている。なお、被規制面218A、218B、218C、218D、218Eによる本体側カップリング210の具体的な移動規制については、後述する。
【0088】
収容部材240は、図13に示すように、回転軸220が挿し通される通孔242が軸心部に形成された円筒状に構成されている。通孔242は、図12に示すように、回転軸220の外周面が接触する内周面を有する小径部分242Aと、小径部分242Aの−X方向側に設けられ小径部分242Aよりも内径が大径とされた大径部分242Bと、を有している。通孔242の大径部分242Bには、本体側カップリング210が収容されている。
【0089】
収容部材240は、図12に示すように、装置本体10Aに固定されており、収容部材240の軸方向及び周方向へ移動しない構成となっている。収容部材240では、小径部分212Aと大径部分212Bとの段差部246に対して、回転軸220の軸方向中間部に固定された抜け止め208が当ることで、回転軸220の軸方向(X方向)への移動が規制され、回転軸220が収容部材240からX方向へ抜けないようになっている。
【0090】
収容部材240の軸方向他端部(X方向側端部)には、本体側カップリング210を−X方向側へ移動させる移動機構の一例としての揺動部材250が設けられている。揺動部材250の下部(−Y方向端部)には、後述のトナーボトル260が押し当てられる被押当部254が設けられている。揺動部材250の上部(Y方向端部)には、Z方向に延びる揺動軸252が設けられている。揺動部材250の−X方向側の面には、本体側カップリング210側(−X方向)へ突出する突出部256が形成されている。
【0091】
揺動部材250の揺動軸252が、収容部材240の上部に支持されることで、揺動部材250は、揺動軸252を揺動中心に下部(突出部256)がX方向・−X方向へ揺動するようになっている。
【0092】
被押当部254に後述のトナーボトル260が押し当てられて揺動部材250が揺動軸252を揺動中心に揺動するようになっている。これにより、揺動部材250の突出部256が収容部材240の開口248から収容部材240の内部へ突出して本体側カップリング210をX方向へ押すことで、本体側カップリング210が、圧縮バネ204の付勢力に対抗して、転写ユニット側カップリング148と連結される連結位置へ移動するようになっている。
【0093】
被押当部254に後述のトナーボトル260が押し当てられず、揺動部材250の突出部256が収容部材240の開口248から収容部材240の外部へ抜け出て本体側カップリング210がX方向へ押されないことで、本体側カップリング210が、圧縮バネ204の付勢力によって、転写ユニット側カップリング148から退避する退避位置へ移動するようになっている。
【0094】
ハンドル230は、図13に示すように、回転軸220の径方向に長さを有するつまみ部236を有して構成されている。ハンドル230は、つまみ部236をつまんで回転操作されるようになっている。
【0095】
ハンドル230の−X方向端部には、図14に示すように、回転軸220の軸方向他端部(X方向端部)と、回転軸220の軸方向他端部(X方向端部)に固定されたピン206とが、回転軸220の軸方向(X方向)へ差し込まれる差込溝232が形成されている。差込溝232に差し込まれた状態の回転軸220のネジ孔220Bにねじ込まれるネジ209が、挿し通される通孔234が形成されている。ハンドル230は、通孔234に挿し通されたネジ209が回転軸220のネジ孔220Bにねじ込まれることで、ピン206が差込溝232に差し込まれた状態で固定され、回転軸220と一体に回転するようになっている。
【0096】
本体側カップリング210の転写ユニット側カップリング148への連結状態において、操作者がハンドル230を第2回転位置(以下、離間回転位置(図17参照)という)から第1回転位置(以下、接触回転位置(図16参照)いう)に正転(S方向への回転)させると、図16に示すように、接離機構170が中間転写ベルト32を像保持体18に接触させるようになっている。具体的には、ハンドル230の接触回転位置への正転により、前述のように、ロッド136が回転して、複数色転写モードにおいて、規制ロール82及び一次転写ロール34Y、34M、34C、34Kが中間転写ベルト32に接触し、中間転写ベルト32を像保持体18に接触させるようになっている(図2参照)。なお、単色転写モードでは、ロッド136の回転により、一次転写ロール34Kが中間転写ベルト32に接触し、中間転写ベルト32を像保持体18に接触させるようになっている(図3参照)。
【0097】
また、本体側カップリング210に転写ユニット側カップリング148への連結状態において、操作者がハンドル230を接触回転位置から離間回転位置に逆転(−S方向への回転)させると、図17に示すように、接離機構170が中間転写ベルト32を像保持体18から離間させるようになっている。具体的には、ハンドル230の離間回転位置への逆転により、前述のように、ロッド136が回転して規制ロール82及び一次転写ロール34Y、34M、34C、34Kが中間転写ベルト32から退避し、中間転写ベルト32を像保持体18から離間させるようになっている(図4及び図5参照)。
【0098】
ここで、ハンドル230が、本体側カップリング210の転写ユニット側カップリング148への連結状態において、正転(S方向への回転)されると、図18に示すように、ハンドル230と一体に回転する本体側カップリング210の被規制面218Aが、収容部材240の規制体244に対して、本体側カップリング210の周方向に当ることで当該正転(S方向への回転)が規制され、ハンドル230及び本体側カップリング210が接触回転位置に位置するようになっている。また、この接触回転位置においては、図18及び図19に示すように、本体側カップリング210の被規制面218Dが、収容部材240の規制体244に対して、本体側カップリング210の軸方向に当ることで、本体側カップリング210のX方向への移動が規制されるようになっている。すなわち、本体側カップリング210は、退避位置への移動が禁止されるようになっている。
【0099】
また、ハンドル230が、本体側カップリング210の転写ユニット側カップリング148への連結状態において、逆転(−S方向への回転)されると、図20及び図21に示すように、ハンドル230と一体に回転する本体側カップリング210の被規制面218Bが、収容部材240の規制体244に対して、本体側カップリング210の周方向に当ることで逆転が規制され、ハンドル230及び本体側カップリング210が離間回転位置に位置するようになっている。また、この離間回転位置においては、本体側カップリング210の被規制面218Dは、収容部材240の規制体244による規制を受けず、本体側カップリング210のX方向への移動が可能となっている。すなわち、本体側カップリング210は、退避位置への移動が許容されるようになっている。
【0100】
さらに、この離間回転位置において、図22及び図23に示すように、後述のトナーボトル260を取り外すことで圧縮バネ204の付勢力により、本体側カップリング210が退避位置へ移動するようになっている。なお、本体側カップリング210は、被規制面218Eが、収容部材240の規制体244に当ることで、予め定められた退避位置を超えての本体側カップリング210のX方向への移動が規制されるようになっている。
【0101】
また、ハンドル230は、本体側カップリング210が退避位置に位置する場合では、ハンドル230と一体に回転する本体側カップリング210の被規制面218Cが、収容部材240の規制体244に対して本体側カップリング210の周方向に当ることで、接触回転位置への回転が規制されるようになっている。
【0102】
なお、ハンドル230には、ハンドル230が接触回転位置に位置した状態において後述のトナーボトル260のX方向への移動を規制する規制部238が形成されている(図25参照)。
【0103】
(除去装置160及び除去装置161の具体的な構成)
次に、除去装置160及び除去装置161の具体的な構成について説明する。
画像形成ユニット16Y、16M、16C、16Kにおける除去装置160は、図1に示すように、除去装置160の各構成部品が設けられる筐体162と、筐体162に設けられ像保持体18に接触して像保持体18に残留している残留トナーを除去する除去部材164と、筐体162に設けられ除去部材164が除去した残留トナーを後述のトナーボトル260(図25参照)へ搬送する搬送部材166と、を備えている。
【0104】
筐体162は、像保持体18に対向する位置(像保持体18側)で開口する開口部162Aを有している。筐体162の内部には、除去部材164で除去された残留トナーが収容される収容空間Kが形成されている。
【0105】
除去部材164は、先端部が像保持体18に接触するように筐体162の開口部162Aに設けられている。除去部材164は、例えば、像保持体18に接触して像保持体18の残留トナーを掻き取るゴム等のブレードで構成されている。除去部材164で除去された残留トナーは、その自重等により、筐体162内部の収容空間Kに収容されるようになっている。
【0106】
なお、画像形成ユニット16Y、16M、16C、16Kにおける除去装置160は、同様に構成されているので、図1において、画像形成ユニット16Y、16M、16Cにおける除去装置160の各部の符号を省略している。
【0107】
一次転写ユニット21における除去装置161は、除去装置161の各構成部品が設けられる筐体163と、筐体163に設けられ中間転写ベルト32に接触して中間転写ベルト32に残留している残留トナーを除去する除去部材165と、筐体163に設けられ除去部材165が除去した残留トナーを後述のトナーボトル260(図25参照)へ搬送する搬送部材166と、を備えている。
【0108】
筐体163は、中間転写ベルト32に対向する位置(中間転写ベルト32側(Z方向側))で開口する開口部163Aを有している。筐体163の内部には、除去部材165で除去された残留トナーが収容される収容空間Kが形成されている。
【0109】
除去部材165は、先端部が中間転写ベルト32に接触するように筐体163の開口部163Aに設けられている。除去部材165は、例えば、中間転写ベルト32に接触して中間転写ベルト32の残留トナーを掻き取るゴム等のブレードで構成されている。除去部材165で除去された残留トナーは、その自重等により、筐体163内部の収容空間Kに収容されるようになっている。
【0110】
各画像形成ユニット16Y、16M、16C、16Kには、図24に示すように、除去装置160の筐体162から水平方向(X方向)へ突出する排出管68が設けられている。排出管68の内部は、筐体162内部の収容空間K(図1参照)と通じており、筐体162内部の収容空間Kに収容された残留トナーが、排出管68の内部へ流入可能とされている。一次転写ユニット21の除去装置161においては、図24及び図6に示すように、筐体163から水平方向(X方向)へ突出する排出管68が設けられ、その排出管68の内部が筐体163内部の収容空間K(図1参照)と通じており、筐体163内部の収容空間Kに収容された残留トナーが、排出管68の内部へ流入可能とされている。
【0111】
各筐体162・163(図1参照)に設けられた搬送部材166の一端部(X方向側端部)は、排出管68の内部に設けられている。すなわち、搬送部材166は、筐体162(除去装置161において筐体163)の収容空間K(図1参照)から排出管68の内部に渡って設けられている。搬送部材166は、例えば、回転軸の軸周りに螺旋状に設けられた螺旋部材を備えて構成されており、図示しないモータからの回転力を受けて回転することで、残留トナーを筐体162(除去装置161において筐体163)の収容空間K(図1参照)から排出管68へ搬送するようになっている。
【0112】
排出管68のX方向端部の下方側(−Y方向側)には、搬送部材166によって搬送された残留トナーが排出される排出口69が形成されている。排出口69は、図示しない開閉部材によって開閉されるようになっている。
【0113】
(トナーボトル260の構成)
装置本体10AにおけるX方向側の側部には、図25及び図26に示すように、中間転写ベルト32から除去された現像剤を収容する収容容器の一例としてのトナーボトル260が着脱可能に設けられている。
【0114】
トナーボトル260は、排出管68の排出口69(図24参照)から排出された残留トナーを内部に収容する筐体268を備えている。筐体268には、トナーボトル260の着脱の際に把持するための把持部266がX方向側の側面に形成されている。
【0115】
筐体268には、図27に示すように、装置本体10Aに対して取り外し可能に固定される固定部材としてのラッチ265が2つ設けられている。このラッチ265によって、トナーボトル260が装置本体10Aに対して着脱されるようになっている。
【0116】
筐体268の−X方向側の面には、排出管68が挿入される挿入口269が形成されている。挿入口269は、複数の排出管68の配置方向H(図24参照)に沿って各排出管68に対応した位置に5つ設けられている。これにより、5つの排出管68のそれぞれが、各挿入口269に一括で(一度に)挿入されるようになっている。また、各挿入口269は、筐体268の側壁268Aをその厚み方向に貫通する円孔で構成されている。なお、挿入口269に挿入された状態の排出管68と筐体268の側壁268Aとの間を封止する封止部材267が各挿入口93Aの縁に設けられている。
【0117】
このように、本実施形態では、一次転写ユニット21においてX方向へ突出する挿入部材としての排出管68が、トナーボトル260の挿入口269に挿入されるため、トナーボトル260が装置本体10Aから取り外された状態において、(すなわち、排出管68が挿入口269に挿入されていない状態において、)一次転写ユニット21の装置本体10Aからの取り外しが許容されるようになっている。すなわち、一次転写ユニット21(中間転写ベルト32)と一体に装置本体10Aから取り出される被干渉部材(排出管68)に対して干渉しうる干渉部材(トナーボトル260)が、当該被干渉部材から退避するようになっている。
【0118】
また、装置本体10AにおけるX方向側の側部には、装置本体10Aに取り付けられた状態のトナーボトル260を覆う開閉部の一例としてのカバー270が設けられている。カバー270の下部が、Z方向を回転軸方向として装置本体10Aに回転可能に支持され、カバー270の下部を回転中心にカバー270の上部を回転させることで、装置本体10AにおけるX方向側の側部が開放される。カバー270の開放状態においてトナーボトル260が装置本体10Aに対してX方向及び−X方向に沿って着脱可能とされる。
【0119】
また、図25及び図26に示すように、カバー270の開放状態において、ハンドル230が外部に露出され、ハンドル230の回転操作が可能となる。
【0120】
トナーボトル260には、ハンドル230の規制部238によって移動を規制される被規制部264が形成されている。トナーボトル260の装置本体10Aへの装着状態において、ハンドル230を離間回転位置(図25参照)から接触回転位置(図26参照)へ回転させると、ハンドル230の規制部238がトナーボトル260の被規制部264をX方向側で覆い、トナーボトル260のX方向への移動が規制されるようになっている。
【0121】
トナーボトル260には、図28に示すように、揺動部材250の被押当部254に押し当てる押当部としての押当リブ262が設けられている。装置本体10AにおけるX方向側の側部には、トナーボトル260の装置本体10Aへの装着に伴って、押当リブ262が差し込まれる切欠部274が形成されている。また、トナーボトル260は、装置本体10Aへの装着に伴って、押当リブ262が揺動部材250の被押当部254に押し当てられるようになっている。
【0122】
また、カバー270には、図25及び図26に示すように、ハンドル230が離間回転位置に位置する場合に当ってカバー270の装置本体10Aに対する閉鎖を禁止し、ハンドル230が接触回転位置に位置する場合にはハンドル230に当らず、カバー270の装置本体10Aに対する閉鎖を許容するリブ272が設けられている。
【0123】
(一次転写ユニット21の作用)
次に、一次転写ユニット21の作用として、複数色転写モードから単色転写モードへの移行、単色転写モードから退避モードへの移行、及び、複数色転写モードから退避モードへの移行について説明する。
【0124】
図2、図6に示すように、複数色(カラー)で画像を出力する複数色転写モードの場合には、各色の一次転写ロール34が中間転写ベルト32の裏面と接触している。
【0125】
つまり、規制ロール82及び一次転写ロール34Y、34M、34Cは第一の位置に配置され、一次転写ロール34Kは第三の位置へ配置されている。そして、張力付与ロール40によって中間転写ベルト32に張力が付与されている。
【0126】
さらに、第一移動部材112の接触面124はカム部材126の短径と当り、第一移動部材112の接触面144及び第二移動部材132の接触面140はカム部材142の短径と当っている。
【0127】
この状態から例えば、ユーザが単色(白黒)で画像を出力する単色転写モードに移行させるために、図示せぬ操作パネルを操作すると、図示せぬ制御部からの指示によって駆動源から駆動力がロッド116に伝達される。駆動力が伝達されたロッド116が回転することでカム部材126は180度回転する。
【0128】
図3、図7に示すように、カム部材126が180度回転すると、カム部材126の外周面が接触面124を押圧してカム部材126の長径が接触面124と当り、第一移動部材112は第一方向における張力付与ロール40側に移動する。
【0129】
第一移動部材112が第一方向に移動することで、第一移動部材112に形成された突起部122及び突起部120を介して支持部材84及び各色の支持部材72には押圧力が伝達される。そして、支持部材84及び各色の支持部材72は、回転軸86及び回転軸74を中心に回転して、規制ロール82及び一次転写ロール34Y、34M、34Cは、中間転写ベルト32から退避する第二の位置に配置される。
【0130】
この状態で、画像を出力することにより、シート部材Pに白黒の画像が形成される。
【0131】
さらに、この状態(単色転写モード)において、操作者(ユーザ)がカバー270を開いて、ハンドル230を接触回転位置(図25参照)から離間回転位置(図26参照)に回転(逆転)させると、図4、図8に示すように、カム部材142は90度回転する。カム部材142が90度回転すると、カム部材142の外周面で接触面140を押圧し、カム部材142の長径が接触面140と当り、第二移動部材132は第一方向における駆動ロール36側に移動する。
【0132】
第二移動部材132が第一方向に移動することで、第二移動部材132に形成された突起部146及び突起部138を介して支持部材98及び保持部材90には押圧力が伝達される。そして、支持部材98は回転軸102を中心に回転して、一次転写ロール34Kは第四の位置に配置され、保持部材90は回転軸92を中心に回転して、中間転写ベルト32に付与される張力が解除される。これにより、中間転写ベルト32が像保持体18から離間する。
【0133】
このように、複数色転写モードから単色転写モードに移行させ、さらに単色転写モードから全ての一次転写ロール34が中間転写ベルト32から退避する退避モードに移行する。
【0134】
一方、複数色転写モードにおいて、操作者(ユーザ)がカバー270を開いて、ハンドル230を接触回転位置(図25参照)から離間回転位置(図26参照)に回転(逆転)させると、図5、図9に示すように、カム部材142は90度回転する。カム部材142が90度回転すると、カム部材142の外周面で接触面140を押圧し、カム部材142の長径が接触面140と当り、第二移動部材132は第一方向における駆動ロール36側に移動する。
【0135】
第二移動部材132が第一方向に移動することで、第二移動部材132に形成された突起部146及び突起部138を介して支持部材98及び保持部材90には押圧力が伝達される。そして、支持部材98は回転軸102を中心に回転して、一次転写ロール34Kは第四の位置に配置され、保持部材90は回転軸92を中心に回転して、中間転写ベルト32に付与される張力が解除される。
【0136】
また、カム部材142が90度回転すると、カム部材142の外周面で接触面144を押圧し、カム部材142の長径が接触面144と当り、第一移動部材112は第一方向における張力付与ロール40側に移動する。
【0137】
第一移動部材112が第一方向に移動することで、第一移動部材112に形成された突起部122及び突起部120を介して支持部材84及び各色の支持部材72には押圧力が伝達される。そして、支持部材84及び各色の支持部材72は、回転軸86及び回転軸74を中心に回転して、規制ロール82及び一次転写ロール34Y、34M、34Cは、中間転写ベルト32から退避する第二の位置に配置される。これにより、中間転写ベルト32が像保持体18から離間する。
【0138】
このように、複数色転写モードから退避モードに直接移行する。
【0139】
さらに、図1に示すように、退避モードに移行した状態で、装置本体10Aの内部から一次転写ユニット21が取り外し可能となる。また、一次転写ユニット21を装置本体10Aに装着する場合には、前述した工程と逆の工程が行なわれる。なお、一次転写ユニット21の装置本体10Aへの具体的な着脱動作については、後述する。
【0140】
以上説明したように、第一切替機構110及び第二切替機構130を設けることで、一次転写ロール34が複数色転写モードからも単色転写モードからも直接退避モードに移行される。
【0141】
また、一次転写ロール34を退避モードに移行させると、張力付与ロール40によって中間転写ベルト32に付与された張力が解除されるため、中間転写ベルトの巻き癖が抑制されると共に、中間転写ベルト32の寿命が延びる。
【0142】
また、第一切替機構110が複数色転写モードから単色転写モードに切り替えるのと連動して、又は第二切替機構130が複数色転写モードから退避モードに切り替えるのと連動して、規制ロール82が中間転写ベルト32の裏面から退避するため、中間転写ベルト32の裏面の損傷が抑制される。
【0143】
(一次転写ユニット21の着脱動作)
次に、一次転写ユニット21の着脱動作について説明する。
一次転写ユニット21を装置本体10Aから取り外す場合は、まず、カバー270を開いて装置本体10AにおけるX方向側の側部を開放する。
【0144】
次に、操作者(ユーザ)が、ハンドル230を接触回転位置(図25参照)から離間回転位置(図26参照)に回転(逆転)させる。これにより、本体側カップリング210が接触回転位置から離間回転位置に回転し、前述のように、複数色転写モード及び単色転写モードのいずれかも退避モードに移行して、中間転写ベルト32が像保持体18から離間する。また、ハンドル230の規制部238が、トナーボトル260の被規制部264から退避し、トナーボトル260が取り外し可能な状態となる。
【0145】
次に、操作者(ユーザ)が、トナーボトル260をX方向へ移動させて装置本体10Aから取り外す。これにより、一次転写ユニット21の排出管68がトナーボトル260の挿入口269から抜かれる。また、圧縮バネ204の付勢力によって、本体側カップリング210が退避位置に移動し、転写ユニット側カップリング148との連結状態が解除される。
【0146】
そして、蓋部150を開いて装置本体10Aの上部を開放し、一次転写ユニット21を装置本体10Aから図1における左斜め上方へ取り外す。
【0147】
このように、本実施形態では、中間転写ベルト32を装置本体10Aから取り外す際に、本体側カップリング210が転写ユニット側カップリング148から退避するので、本体側カップリング210と転写ユニット側カップリング148との干渉が抑制される。また、排出管68がトナーボトル260の挿入口269から抜かれるので、排出管68とトナーボトル260との干渉が抑制される。
【0148】
一次転写ユニット21を装置本体10Aに装着する場合は、まず、操作者(ユーザ)が、装置本体10Aの開放された上部を通じて、一次転写ユニット21を装置本体10Aに対して図1における右斜め下方へ装着する。
【0149】
次に、操作者(ユーザ)が、トナーボトル260を装置本体10Aに対して−X方向へ装着する。これにより、一次転写ユニット21の排出管68がトナーボトル260の挿入口269から抜かれる。また、圧縮バネ204の付勢力に対抗して、本体側カップリング210が連結位置へ移動し、転写ユニット側カップリング148との連結状態となる。すなわち、トナーボトル260が装置本体10Aに対して装着されていない状態では、本体側カップリング210と転写ユニット側カップリング148とは連結されないので、ロッド136が回転せず、不用意に中間転写ベルト32が像保持体18に対して接触されることがない。
【0150】
また、トナーボトル260の装着により、本体側カップリング210と転写ユニット側カップリング148とが連結されるので、トナーボトル260の装着操作とは別に、本体側カップリング210と転写ユニット側カップリング148とを連結するための連結操作が不要となる。
【0151】
さらに、本体側カップリング210は、退避位置では、被規制面218Cに当って、不用意に接触回転位置に回転されることがない。
【0152】
次に、操作者(ユーザ)が、ハンドル230を離間回転位置(図26参照)から接触回転位置(図25参照)に回転(正転)させる。これにより、本体側カップリング210が離間回転位置から接触回転位置に回転し、中間転写ベルト32が像保持体18に接触する。また、ハンドル230の規制部238が、トナーボトル260の被規制部264をそのX方向で覆い、トナーボトル260のX方向への移動が規制され、トナーボトル260の取り外しが禁止される。従って、中間転写ベルト32が像保持体18に接触した状態において、トナーボトル260が装置本体10Aから不用意に取り外されることがない。
【0153】
最後に、カバー270を閉じて装置本体10AにおけるX方向側の側部を閉鎖する。なお、本実施形態では、ハンドル230が離間回転位置に位置する場合では、リブ272がハンドル230に当ってカバー270が閉じない。従って、中間転写ベルト32が像保持体18から離間した状態において、カバー270が不用意に閉鎖されることがない。
【0154】
なお、本発明を特定の実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施形態が可能であることは当業者にとって明らかである。例えば、上記実施形態では、単色転写モードの場合は、黒色の一次転写ロール34Kを中間転写ベルト32に接触させたが、特にこれに限定されることなく、例えばマゼンタ等の他の色であってもよい。また、本発明にかかる実施形態では電子写真方式の画像形成装置を用いて説明したが、画像形成方式としてこれに限られず、インクジェット方式等の他の画像形成装置であっても構わない。
【符号の説明】
【0155】
10 画像形成装置
10A 装置本体
18 像保持体
32 中間転写ベルト(転写体の一例)
170 接離機構
204 圧縮バネ(付勢部材の一例)
210 本体側カップリング(連結部材の一例)
230 ハンドル(操作部の一例)
238 規制部
260 トナーボトル(収容容器の一例)
270 カバー(開閉部の一例)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置本体に回転可能に設けられ、画像を保持する像保持体と、
前記像保持体の回転軸方向と直交する直交方向へ取り外し可能に前記装置本体に設けられ、前記像保持体が保持する画像が転写される転写体と、
前記転写体に設けられ、前記転写体を前記像保持体に対して接離させる接離機構と、
前記装置本体に設けられ、前記接離機構に対して前記像保持体の回転軸方向に沿って連結され、前記接離機構に対する連結状態で第1回転位置へ正転されると前記接離機構が前記転写体を前記像保持体に接触させ、当該連結状態で前記第1回転位置から第2回転位置へ逆転されると前記接離機構が前記転写体を前記像保持体から離間させ、前記第2回転位置において前記接離機構に対する連結方向とは反対方向へ前記転写体の取り外しを許容するように退避可能な連結部材と、
を備える画像形成装置。
【請求項2】
前記連結部材は、前記第2回転位置において前記反対方向へ退避した状態において、前記第1回転位置への回転が規制される請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記装置本体に設けられ、前記第2回転位置において前記連結部材を前記反対方向へ付勢する付勢部材と、
前記装置本体に対して着脱可能に設けられ、前記転写体から除去された現像剤を収容する収容容器と、
を備え、
前記連結部材は、前記収容容器の前記装置本体への装着により、前記第2回転位置において前記接離機構に対して退避した退避位置から前記連結位置へ前記付勢部材の付勢力に対抗して押される請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記連結部材に設けられ、前記連結部材の正転及び逆転の操作を行うための操作部と、
前記操作部に設けられ、前記収容容器の前記装置本体への装着状態において前記連結部材が前記第1回転位置に正転されると、前記収容容器の取り外し方向への移動を規制する規制部と、
を備える請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記装置本体に対して開閉可能に設けられ、前記装置本体へ装着された状態の前記収容容器を覆い、前記連結部材が前記第2回転位置に位置する場合に前記装置本体に対する閉鎖が規制される開閉部を備える請求項3又は4に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−57821(P2013−57821A)
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−196383(P2011−196383)
【出願日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】