画像形成装置
【課題】トナーチリ等を防止しつつ転写前帯電手段を設けることによる装置の大型化を抑制できる画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置は、感光体ドラム2と、第一帯電手段4及び第二帯電手段6と、図示しない第一及び第二書込みユニットと、第一現像手段8及び第二現像手段10と、感光体ドラム2上のトナー像に用紙12への転写前に電荷を与える転写前帯電手段としてのPTC14と、を有している。PTC14は針電極30とこれを覆うケーシング部材34とからなり、ケーシング部材34の一部を、用紙12を転写部へ案内する搬送ガイド板34aが兼ねている。
【解決手段】画像形成装置は、感光体ドラム2と、第一帯電手段4及び第二帯電手段6と、図示しない第一及び第二書込みユニットと、第一現像手段8及び第二現像手段10と、感光体ドラム2上のトナー像に用紙12への転写前に電荷を与える転写前帯電手段としてのPTC14と、を有している。PTC14は針電極30とこれを覆うケーシング部材34とからなり、ケーシング部材34の一部を、用紙12を転写部へ案内する搬送ガイド板34aが兼ねている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ、プロッタ、これらのうち少なくとも1つを備えた複合機等の画像形成装置に関し、詳しくは、記録媒体(以下、「転写材」又は「用紙」ともいう)に転写する前に像担持体上のトナーに対して帯電する機能を有する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式の画像形成装置において、トナーの帯電量が不十分であると、例えば転写ベルトから用紙が分離されるときに生じる剥離放電や、定着装置を通過する過程で定着熱による水分蒸発の影響を受けてトナーが用紙上でチリやすい。
そこで、現像後転写前の感光体上のトナーに対して電荷を印加してトナーの帯電量を上げて上記チリ現象等を抑制する技術が考えられ、既に知られている。
【0003】
しかしながら、今までの技術では、感光体上のトナーに対して電荷を印加するための電極を設置しようとすると、該電極による帯電機能を良好に維持するとともに保護する観点からケーシングが必要となるが、その場合ケーシング用の新たな設置スペースが必要となり、機械が大型化してしまうという問題があった。
【0004】
特許文献1には、鋸歯電極型放電電極を用いて小型化し、より少ない放電電流で十分な放電を行い、取り扱い性がよく組み立てや保守が容易であるとするコロナ放電装置が開示されている。
具体的には、絶縁性基板上に複数個の放電用電極を直線状に形成したコロナ放電電極と、そのコロナ放電電極の両側に位置した板状のシールドプレートとを有するコロナ放電装置であり、コロナ放電電極が、平行配列された複数個の絶縁性の基板にそれぞれ保持された複数個の電極であることを特徴とするものである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の構成の如く、鋸歯電極型放電電極を用いれば、現像後転写前の感光体上のトナーに対して電荷を印加する電極構成を小型化できる。
しかしながら、転写前帯電手段として引用文献1記載のものの適用を考えた場合、シールドプレートで電極を覆うケーシング構成が必要であり、ケーシング用スペースの必要性による画像形成装置の大型化という問題は依然として残る。
【0006】
本発明は、このような現状に鑑みてなされたもので、トナーチリを防止しつつ転写前帯電手段を設けることによる装置の大型化を抑制できる画像形成装置の提供を、その主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明は、帯電手段により帯電された像担持体上に画像情報に基づいて静電潜像を形成し、該静電潜像を現像手段によりトナー像として可視化し、該トナー像を転写手段により記録媒体に転写する画像形成装置において、前記像担持体上の転写前のトナー像を帯電する転写前帯電手段を有し、該転写前帯電手段は、帯電用電極と、該帯電用電極を覆うケーシング部材とを備え、前記転写前帯電手段以外の装置構成要素が、前記ケーシング部材の少なくとも一部を兼ねることを特徴とすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、トナーチリ等を防止するための転写前帯電手段を備えた構成において、装置の大型化を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置の概要構成図である。
【図2】作像時における感光体上の電位変化と、PTCによる帯電との関係を説明するための図である。
【図3】PTCの構成を示す拡大側面図である。
【図4】PTCの針電極の配置構成を示す斜視図である。
【図5】PTCの形状を示す平面図である。
【図6】PTCによる帯電制御を示すフローチャートである。
【図7】印字パターンにおけるPTCに流す電流値のタイミングチャートである。
【図8】紙厚によるPTCに流す電流値のタイミングチャートである。
【図9】第2の実施形態に係る画像形成装置の概要構成図である。
【図10】第3の実施形態に係る画像形成装置の概要構成図である。
【図11】第4の実施形態に係る画像形成装置の概要構成図である。
【図12】第5の実施形態に係る画像形成装置の概要構成図である。
【図13】第5の実施形態におけるPTCの形状を示す平面図である。
【図14】第5の実施形態におけるPTCによる帯電制御を示すフローチャートである。
【図15】第5の実施形態におけるPTCによる帯電制御の変形例を示すタイミングチャートである。
【図16】第6の実施形態における針電極の分解平面図である。
【図17】印刷形態の違いによる針電極の重ね合わせ状態を示す図である。
【図18】第7の実施形態におけるPTCの接離構成を示す図である。
【図19】PTCによる帯電制御を示すフローチャートである。
【図20】PTCによる帯電制御の変形例を示すフローチャートである。
【図21】PTCのクリーニング機構を示す図である。
【図22】同クリーニング機構の側面図である。
【図23】第8の実施形態に係る画像形成装置の概要構成図である。
【図24】絶対湿度とPTC出力値との関係を示す特性図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態を図を参照して説明する。
まず、図1乃至図8に基づいて第1の実施形態を説明する。図1は、本実施形態に係る画像形成装置の画像形成部周辺の概略図である。この画像形成装置の画像形成部は、画像を担持するための像担持体としての感光体ドラム(以下、「感光体」ともいう)2と、感光体ドラム2に電荷を与えるための第一帯電手段(以下、「第一帯電」ともいう)4及び第二帯電手段(以下、「第二現像」ともいう)6と、画像情報に基づいて感光体ドラム2に静電潜像を形成する図示しない第一及び第二書込みユニットと、感光体ドラム2上にトナーを供給して前記潜像を可視像化する第一現像手段(以下、「第一現像」ともいう)8及び第二現像手段(以下、単に「第二現像」ともいう)10と、感光体ドラム2上のトナー像に用紙12への転写前に電荷を与える転写前帯電手段としてのプレ転写チャージャ(以下「PTC」という)14と、転写後に感光体ドラム2の表面に残留したトナーを除去する図示しないクリーニング装置と、感光体ドラム2上のトナー像を用紙12に転写するとともに搬送する転写搬送ユニット16と、用紙が収容された給紙トレイ18を備えた給紙装置と、定着ユニット20などから構成されている。
【0011】
転写搬送ユニット16は、2つの転写ローラ22、24と、これらに掛け回された転写ベルト26と、転写バイアスを印加するための転写帯電ローラ28とを有している。
給紙トレイ18の用紙は図示しない給紙コロにより最上のものから順に1枚ずつ給紙され、図示しない搬送ローラ対、レジストローラ対などの搬送部材により所定のタイミングで転写領域に搬送される。
【0012】
本実施形態において、第一現像手段8はトナーとキャリアからなる二成分現像剤、第二現像手段10はトナーのみからなる一成分現像剤を用いている。このことにより、第二現像手段10で現像されたトナーのほうが第一現像手段8で現像されたトナーの帯電量よりも小さい。
トナーのチリは主に用紙が転写ベルト26から剥離する際に生じる放電や、定着ユニット20を通る際に用紙の持つ水分が蒸発することで起こるため、帯電量が低いと起こり易い。よって、第二現像手段10で現像されたトナーでチリが起こり易い。
このトナーチリを前段階的に抑制すべく、PTC14が設けられている。
【0013】
図2に基づいて、作像時における感光体上の電位変化と、PTCによる帯電との関係を説明する。
第一帯電で感光体上を一律に帯電させ(a)、第一書込みで光を当てることでトナー像を形成したい箇所の電位を下げる(b)。
次に、電位を下げた部分に第一現像と感光体の電位差を使用して感光体上にトナーを付着させる(c)。第二帯電で再度感光体上を一律に帯電させて、感光体上の電位を均一にする(d)。
この時、第二帯電の出力が第一帯電の出力よりも弱いと、第一現像でトナーを付着させた箇所と第一書込みで電位を下げなかった箇所で電位差が生じ、第二現像で必要の無い箇所にトナーが付着してしまうことがある。
その後、第一と同様に第二書込み(e)、第二現像にて画像を形成する(f)。最後に、PTCにおいて感光体上を一律に帯電させることにより、第一現像と第二現像で形成したトナー像の帯電量を等しくして、転写チリなどの異常画像を防ぐ(g)。
PTCの出力が第二帯電よりも弱い場合は、第二現像でトナーを付着させた箇所とそれ以外の箇所の電位差が生じるため、第一現像と第二現像で形成したトナー像の最適な転写電流が異なり転写チリ等が生じる(h)。
【0014】
PTC14は、図3に示すように、放電を行う帯電用電極としての針電極30と、周囲部材へ通電しないように針電極30を挟み込むように上下に配置された絶縁部材32と、その周囲を覆うケーシング部材34とを有している。
針電極30には帯電のためマイナスの電荷が負荷されており、ケーシング部材34は接地されている。
ケーシング部材34は、針電極30の下面側を覆う下側フレーム34aと、上面側を覆う上側フレーム34bと、感光体ドラム2に対向する側と反対側を覆う後側フレーム34cとから構成されている。
下側フレーム34aは、PTC14を有しない画像形成装置においても用紙12を転写領域に案内するために設けられるガイド部材としての搬送ガイド板34aであり、画像形成装置が本来的に備えている装置構成要素である。
ケーシング部材34の一部を搬送ガイドが兼ねることにより、スペースを大きく使うことなくPTC14を組み込むことが可能となる。
【0015】
図4に基づいて、搬送ガイド板34aと針電極30との関係について説明する。
図1に示したように、搬送ガイド板34aを通して用紙やグラウンドに電流が流れないように、針電極30と接触する斜線部は絶縁部材による絶縁領域となっている。
PTC14は、図1で示される位置(感光体ドラム2の回転方向における第二現像手段10と転写搬送ユニット16との間)に設置される。針電極30を使用した場合は、放電が行われる針先端の周辺には部材などを置かないようにする。例え絶縁素材などであっても表面が帯電し、感光体に対して異常な放電を行う可能性があるためである。
図示しないが、第二現像手段10側のケーシングである上側フレーム30bについても同様に針電極30との接触面が絶縁され、放電位置からは距離を取った構成となっている。
【0016】
図5に基づいて、針電極30の形状について説明する。
針電極30は、薄い金属板で形成され、感光体ドラム2の軸方向に延びる長手方向の一辺(感光体ドラム2に対向する側の辺)が、複数の針状凸部30aとなっている。すなわち、放電側は鋸歯形状を有している。
この金属板に通電すると、針状部分の先端から放電をして感光体ドラム2上のトナーに電荷を印加する。ここでは、針状の電極板としているが、ワイヤを用いたものやブラシ状のものを用いる等形状や方式を限定しない。
【0017】
トナーの種類や紙厚、紙種に対してPTC14の電流値を変更することで、より画質を向上させることができる。
図6は、PTC14による帯電条件の設定動作を示すフローである。
画像形成前にユーザによって設定された印刷モードによって判断を行う。
PTC14による感光体上トナーの帯電が過剰になると転写性の悪化や地汚れの悪化といった副作用が顕在化する虞がある。
本実施形態においては、上記のように第一現像手段8と第二現像手段10とではトナーの帯電量が異なるため、第一現像手段8と第二現像手段10とで、帯電が過剰となるPTC14の電流が異なる。
第一現像のみ又は第一・第二現像共用といった第一現像を使う印刷モードにおいては、第一現像のトナーの帯電量が高いためPTC14に対して小さい電流を流して、感光体上のトナーに印加をする。
第二現像のみを使う印刷モードにおいては、PTC14に対して大きい電流を流して、感光体上のトナーに印加をする。
【0018】
ここでは、第一・第二現像の二つを使う場合についての説明をしているが、さらに多数の現像手段を用いる場合やさらに多数の印刷モードがある場合には夫々によってPTC14に流す電流値を変えてやる必要がある(以下の他の実施形態において同じ)。
また、ここでは、第一・第二現像共用とした場合の電流を第一現像のみの場合と同じくしているが、共用時にPTC14に流す電流値はPTC14の効果と副作用の関係を鑑みて異なる値に設定しても良い(以下の他の実施形態において同じ)。
【0019】
図7は、各印字パターンにおけるPTC14に流す電流値について説明する図である。「GND」は電位ゼロのレベルを示している。
本実施形態では、上記のように第一現像と第二現像のトナー帯電量が異なるので、転写性の悪化や地汚れの悪化といった副作用を生じさせないように、印刷モードによってPTC14に流す電流値を変更する必要がある。
第二現像手段10は一成分現像方式であるため、第一現像手段8のみ又は第一現像手段8と第二現像手段10とを共に使用する場合に比べて、第二現像手段10のみを使用する場合には、PTC14の電流値を大きくする。
【0020】
図8は、紙厚によるPTC14に流す電流値について説明する図である。
紙厚が異なると用紙の抵抗値が変わり、転写部における用紙の帯電量も異なる。そこで、PTC14に流す電流値を紙厚によって変えることにより、用紙と転写時における感光体上トナーの帯電量差を紙厚によらず一定にすることができる。
厚紙の場合には普通紙の場合に比べて、電流値を大きくする。
紙種においても同様に電気抵抗の高さによってPTC14に流す電流値を変化させれば、紙種による画質の不安定さを軽減することができる。
【0021】
図9に基づいて第2の実施形態を説明する。なお、上記実施形態と同一部分は同一符号で示し、特に必要がない限り既にした構成上及び機能上の説明は省略して要部のみ説明する(以下の他の実施形態において同じ)。
上記実施形態では、搬送ガイド板34aをケーシング部材34の一部として利用する構成としたが、本実施形態では、第二現像のトナー保持・こぼれ防止をする第二現像の現像ケーシング10bをPTC14のケーシング部材36の一部として利用している。符号10aは現像ローラを示しており、図1では第二現像手段10として現像ローラのみを表示している。第一現像手段8においても同様である。
第1の実施形態と同様に、放電を行う針電極とその両面に周囲部材へ通電しないように絶縁部材が配置されており、その周囲をケーシング部材36で取り囲まれる構成となっている。
ケーシング部材36は、第1の実施形態における上側フレーム30bに相当する下側フレーム36aと、現像ケーシング10bの底面からなる上側フレーム36bと、後側フレーム36cとから構成されている。
【0022】
本実施形態では、PTC14を、そのケーシング部材36の一部を第二現像手段10の現像ケーシング10bが兼ねるように構成しているので、第1の実施形態と同様に、スペースを大きく使うことなくPTC14を組み込むことが可能となる。
【0023】
図10に第3の実施形態(PTCの設置場所;第1の実施形態に対応)を示す。
近年の画像形成装置において、装置内部は複雑化しており部品の交換等のメンテナンスが難しい構成となっていることが多い。
しかしながら、感光体ドラム、クリーニング機構や帯電手段等においては、一体として感光体ユニット(プロセスカートリッジ)とすることにより保守性を高くすることができる。
搬送ガイド板34aおよびPTC14を感光体ケーシングに設置し、感光体ユニット38とすることによりPTC14がトナーによる汚染や放電による疲労をした場合の点検交換を容易にすることができる。
ここでは、PTC14を感光体ケーシングに固定するようにしているが、感光体ユニット38として一体であれば感光体ケーシング以外の別部材に固定されていても問題はない。
【0024】
図11に第4の実施形態(PTCの設置場所;第2の実施形態に対応)を示す。
第3の実施形態と同様に、第二現像及びPTC14を感光体ユニット39と一体にすることで保守性を高めることができる。ここではPTC14を感光体ケーシングに固定するようにしているが、感光体ユニット39として一体であれば感光体ケーシング以外の別部材に固定されていても問題はない。
【0025】
図12乃至図15に基づいて第5の実施形態を説明する。
特許文献2には、中間転写体上のトナーの帯電量を高める目的で、中間転写体上の1次転写後2次転写前における画像部の電位と、2次転写を行うための2次転写手段の電位との差をほぼ一定の値に保つように、2次転写前帯電手段の出力と2次転写手段への印加電圧とを制御する電位差制御手段を設け、この電位差制御手段が、中間転写体上のトナー重ね回数に応じて2次転写前帯電手段の出力を変化させる構成が開示されている。
しかしながら、従来におけるトナー散りに対する防止策は、普通サイズ(A4、A3程度)の用紙を対象とした画像形成装置に関するものであった。
これらのサイズよりも大きなサイズの広幅の用紙を印刷可能な画像形成装置で上記普通サイズの用紙を印刷する場合、像担持体の用紙幅方向全体に亘って一様に電荷を印加しようとするため、用紙の外にも印加を行ってしまい不要な感光体疲労やオゾン発生が起こるという問題があった。
本実施形態では、広幅対応可能な画像形成装置において、転写材のサイズに拘らずトナー散りの問題を解消できるとともに、像担持体の疲労やオゾン発生をも抑制できる画像形成装置の提供を、目的としている。なお、本実施形態ではPTC14の構成を簡略化して表示している。
【0026】
図12に示すように、PTC14は、PTC電源40を介して制御手段42により電流を印加される。制御手段42には、図示しない画像形成装置本体に設けられた転写材認識手段としての操作パネル44が接続されている。
針電極30は、図13に示すように、感光体ドラム2の長手方向に複数に分割されている。本実施形態では、針電極30は、帯電部としての3つのプレ帯電部30a、30b、30cから構成されている。
【0027】
各プレ帯電部30a、30b、30cは、個別に通電のオン・オフ及び出力調整ができるようにPTC電源40に電気的に接続されている。
各プレ帯電部30a、30b、30cに対してそれぞれ異なる強さの電流を流せるようにすることで、小サイズの用紙サイズ印刷時に用紙が通る部分の針電極30にのみ電流を流すことで無駄な放電を生じさせず、オゾンの発生や感光体の疲労を防ぐことができる。
すなわち、用紙サイズによって電流値の強弱やON/OFFを変更して不必要なオゾンの発生や感光体の疲労を防止することができる。
本実施形態では、3つに分割しているが2つや4つ以上など種々の分割態様を採り得る。より細かく分割を行うことで様々な用紙サイズに対応が可能となる。
【0028】
本実施形態では、転写材認識手段として操作パネル44を例示したが、給紙装置の給紙トレイ18や搬送路に配置された紙幅検知センサを転写材のサイズを認識する転写材認識手段として用いてもよい。
【0029】
図14に基づいて、PTC14を用いた転写前帯電制御を説明する。
画像形成前にユーザによって、操作パネル44により設定され、または上記紙幅検知センサによって読み込まれた用紙サイズが制御手段42に入力される。
制御手段42は、用紙サイズが297mm(A3縦)以下であれば長手方向に複数に分割された各プレ帯電部30a、30b、30cのうち、中央部に位置するプレ帯電部30bに対してのみ電流を流し、感光体ドラム2上のトナーに電荷を印加する。
但し、本実施形態では用紙の中心が感光体ドラム2の中央部を通ることを基準としているが、用紙の左端若しくは右端を基準とする場合は用紙の通る端部側のみに対応したプレ帯電部に対して電流を流すこととなる。
【0030】
用紙サイズが297mmより大きい場合は、各プレ帯電部30a、30b、30c全てに電流を流して、感光体ドラム2上のトナーに電荷を印加する。
本実施形態においてはPTC14の針電極30を3分割した場合についての説明をしているが、分割数や画像形成装置の印刷できる最大幅が変われば、用紙幅による分割の数、電流値の閾値や電流を印加するプレ帯電部の幅が変化することになる。
【0031】
図15に基づいて、本実施形態における転写前帯電制御の変形例を説明する。上記例では、複数のプレ帯電部に対する通電のオン、オフにより帯電部位を制御する構成としたが、本例では、広幅用紙を印刷する場合のPTC14の電位を調整することを特徴としている。
広幅用紙を印刷する際においては、PTC14そのものやPTC14が固定される部材の自重による撓みにより、PTC中央部の感光体との距離が端部に対して広くなる。すなわち、PTC14と感光体ドラム2との間における放電距離に偏差が生じる。
【0032】
そこで、中央部のプレ帯電部30bに端部のプレ帯電部よりも強い電流を流すことにより感光体ドラム2上のトナー全面に対して均一な電荷を付加することができる。
すなわち、本実施形態では、全てのプレ帯電部に通電するパターンを示しており、さらに上記撓みによる放電距離偏差をなくすために、中央部のプレ帯電部30bに対する印加電流を大きくしている。
図15に破線で示す「感光体上トナー印加電位」は、感光体ドラム2上のトナーの帯電電位を示している。
【0033】
印字パターンによってPTC14の電位を調整するのは第1の実施形態と同様である。
用紙12の厚み情報に基づいてPTC14の電位を調整する場合も第1の実施形態と同様で、厚紙の場合には、普通紙に比べて電流値を大きくする。用紙の厚みは、図示しない厚み認識手段によって認識され、その情報は制御手段42に入力される。厚み情報がユーザにより操作パネル44により設定される場合には、操作パネル44が厚み認識手段となる。
厚み認識手段としての厚み検知センサによって自動的に検知するようにしてもよい。
【0034】
図16及び図17に基づいて第6の実施形態を説明する。
例えば特許文献3に記載されているように、従来の鋸歯状帯電手段や転写前帯電手段は常に感光体を均一帯電させるために設けられている。
このため、例えば感光体の帯電性を変化させるには電極に与えるバイアスを電源の電流や電圧を変えて変化させる必要があり、広範囲で可変の電源が必要になる。
また、感光体長手方向において中央部だけ帯電能力を上げ、感光体長手方向において端部と帯電能力の差をつけることはできない。
本実施形態は、簡易な構成で感光体帯電性を変化させる転写前帯電手段を提供することを目的としている。
本実施形態では、上記目的を達成すべく、PTC14の針電極30は、先端が鋸歯状の板状電極を重ね合わせた構成を有していることを特徴とする。
感光体ドラム2上にトナー像が形成された際、第二現像手段10による2色目トナーは非接触一成分現像であるため、上記のように帯電量が低い。そのままのトナー帯電量にて転写紙に転写された場合、転写搬送ユニット16の誘電体ベルトから転写紙が剥離する際の剥離放電により、2色目トナーの画像チリが生じる。
両面印刷時に転写紙は一度定着ユニット20を通っているため、転写紙は乾燥してより一層帯電しており、この剥離放電による画像チリはもっと悪化する。
画像形成装置は、様々なサイズの転写紙に画像形成する。その中には、片面印刷できる用紙サイズの範囲と、両面印刷できる用紙サイズの範囲とが異なる画像形成装置がある。たとえば、A2横用紙まで片面印刷はでき、A3横用紙まで両面印刷できる画像形成装置がある。
このような片面印刷と両面印刷とで転写紙サイズ、すなわち感光体上の画像形成範囲が違う画像形成装置において、PTC14は、片面印刷時、感光体全幅に対し、一様で弱い帯電が必要となる。
また、両面印刷時は、両面印刷に必要な範囲で感光体長手方向幅に対し、強い帯電が必要となる。
【0035】
図16に示すように、本実施形態におけるPTC14の針電極30は、放電側に鋸歯形状を有する薄板金属板30A、30Bの2枚を重ね合わせて構成されている。
薄板金属板30Aの長手方向両端部には、針電極30を支持するケーシング部材に形成されるガイドピン46(図17参照)に挿通するための丸穴48が形成されている。
薄板金属板30Bの対応部位には、長穴50が形成されており、感光体ドラム2に対して接近・離間が可能となっている。
薄板金属板30Aの針状凸部30aは、長手方向全幅に亘って等ピッチで同じ大きさで形成されている。
薄板金属板30Bの針状凸部30aは、感光体ドラム2の軸方向中央部、すなわち両面印刷に用いられる画像範囲内のみ、等ピッチで同じ大きさで形成されている。
【0036】
図17(a)に示すように、薄板金属板30Aと薄板金属板30Bとは、感光体ドラム2に対し接近した位置において、先端鋸歯形状(針状凸部)がずれて配されるようになっている。
片面印刷時、両面印刷時とも、薄板金属板30A、30Bには同じ大きさの電流が流れている。
図17(a)は、片面印刷時のときの状態を示している。薄板金属板30Bは感光体ドラム2から離間し、薄板金属板30Aのみ感光体ドラム2に対し帯電を行う。
図17(b)は、両面印刷時のときの状態を示している。薄板金属板30Bは感光体ドラム2に近接し、薄板金属板30A、30Bの両方で感光体ドラム2に対し帯電を行う。両面印刷に用いられる画像範囲内のみ、鋸歯形状の数が2倍に設けられていることになる。
【0037】
よって、感光体ドラム2の帯電に寄与する電流は、両面印刷に用いられる画像範囲に集中する。
両面印刷に用いられる画像範囲内は強く帯電されることで、2色目トナー像のチリが抑えられる。
薄板金属板30Bの感光体ドラム2に対する接近・離間は、画像モードによって制御され、図示しないカム部材などにより、図示しない駆動機構によって行われる。
本実施形態によれば、感光体ドラム2の長手方向において全域均一帯電にしたり、部分的に帯電能力を上げることができる。よって、不要な強い帯電を必要としない。必要な部分にのみ感光体上のトナーの電荷注入による帯電量を増加させることができ、画像チリを抑制できる。
【0038】
図18乃至図22に基づいて第7の実施形態を説明する。
電子写真方式の画像形成装置において、転写前帯電手段が汚れることのないように、使用しない場合は感光体に対して接離することを可能とする技術も既に知られている。
しかしながら、従来の技術では、感光体上トナーに対して電荷を印加するための電極を設置し、電極を使用しない場合には感光体から電極を接離可能とする場合、接離のための駆動機構や感光体と電極の距離を一定にするための機構が必要となるため装置が大型化してしまうという問題があった。
特許文献4には、転写前帯電手段を汚さない目的で、転写前帯電手段と転写部の間にさらに電極を設け、その電極に転写前帯電手段と同極のバイアスをかけることによって、大気中に飛散したトナーを吸着させる構成が開示されている。
この構成によれば、転写前帯電手段を汚さないようにすることはできるものの、装置の大型化という問題は依然として解消されない。
本実施形態では、PTCを感光体に対して接離可能な構成としたときに、装置を大型化することなく安定して感光体上トナーに対して電荷を印加ができるようにすることを目的とする。
【0039】
本実施形態では、上記目的を達成すべく、現像手段が像担持体に対して接離可能に設けられ、転写前帯電手段は現像手段と一体に移動することを特徴とする。
第二現像を使用せず第一現像のみを使用する場合、第一現像で感光体上にトナー像を形成する際に、逆帯電トナーも感光体上に付着する。この逆帯電トナーが第二現像ユニットの現像ローラへ付着することを防ぐために離間する必要がある。
この観点から、図18に示すように、第二現像ユニット10は、感光体ドラム2に対して接離可能な構成となっている。第二現像ユニット10は、駆動部側に設けられ図示しない加圧機構の回転により感光体ドラム2に接離することが可能となっており、離れる際は自重もしくはバネ力で元の位置に戻る構成となっている。
【0040】
PTC14は、現像ケーシング10bの底面の感光体ドラム2側に固着され、あるいはネジで固定されている。
本実施形態では、PTC14のケーシング部材34を現像ケーシング10bの底面に固定する構成としているが、ケーシング部材34の上面を現像ケーシング10bの底面が兼ねる構成としてもよい。
第一現像ユニットのみで印刷を行う際は、第二現像ユニットは感光体に対して離間した状態のまま現像動作はしない。
第二現像ユニットを使用する際には現像ローラ10aと同軸上にギャップコロが設けられており、感光体端部にギャップコロが突き当たることによって感光体と第二現像ユニットの距離を一定にしている。これにより、PTC14と感光体の距離も一定となる。
このような構成とすることにより、装置を大型化することなくPTC14を汚れないようにすることができ、転写前帯電機能を長期に亘って維持することができる。本実施形態におけるPTC14の接離構成は、他の実施形態においても同様に実施することができる。
【0041】
図19は、本実施形態におけるPTC14による帯電条件の設定動作を示すフローである。
画像形成前にユーザによって設定された印刷モードによって判断を行う。PTCによる感光体上トナーの帯電が過剰になると転写性の悪化や地汚れの悪化といった副作用が顕在化する虞がある。
第一現像と第二現像ではトナーの帯電量が異なるため、第一現像と第二現像で帯電が過剰となるPTCの電流が異なる。
第一現像のみを使用する印刷モードでは、第一現像のトナー帯電量が十分高いためPTCは使用しない。
第一現像と第二現像を共用する印刷モードにおいては、第一現像のトナーの帯電量が過剰とならない程度にPTCに対して小さい電流を流して、感光体上のトナーに電荷を注入する。
第二現像のみを使う印刷モードにおいては、PTCに対して大きい電流を流して、感光体上のトナーに電荷を注入する。
【0042】
図20は、PTCを使用しない場合にPTCへ微小電流を流す場合の帯電条件を説明するための図である。
印刷モードによってPTCへの電流値を変更するのは上述したとおりである。
図19の例では、第一現像を使用する場合には、第二現像は感光体と離間したままでPTCへ電流は流さない。
このとき、感光体とPTCとの距離が十分に離間されていれば良いが、レイアウトや第二現像を離間させるクラッチの性能等により十分にできないと、感光体上のトナーがPTCへ付着してしまう虞がある。
そこで、PTCを使用せずに感光体から離間させておく場合でも、感光体トナーと同極の電流をPTCへ微少流すことにより、感光体上のトナーがPTCへ付着することを防ぐことができる。
図19、図20で示した制御動作は、他の実施形態においても同様に実施することができる。
【0043】
針電極の先端にトナーが堆積すると放電が安定せず、PTCの効果が十分に得られない。この問題に対処した例を図21及び図22に基づいて説明する。
図21に示すように、第二現像接離時の針電極先端の移動経路上にPTCを清掃するためのクリーナ52を設置する。クリーナ52の形状はブラシ状、ローラ状やエアー噴射など制限するものではない。
感光体ドラム2に対する第二現像ユニット10の接離動作に伴い、針電極30は位置固定されたクリーナ52に接触し、強制的に清掃される。
図22は、感光体及びクリーナを側面より見た図である。クリーナ52は感光体ユニットのケーシング54にクリーナケーシング56を介して固定されており、感光体の回転や第二現像ユニットの接離動作に影響を受けない。
この構成によれば、針電極30の経時的な汚れを確実に除去することができ、PTC14による良好な帯電機能を長期に亘って維持することができる。
【0044】
図23及び図24に基づいて、第8の実施形態を説明する。
現像バイアスや転写電流といった作像条件を変化させると記録媒体上へのトナーの付着量やトナーの帯電量が変わり、濃度変化や異常画像の発生といった現象が起こる。
最適な作像条件はトナーや記録媒体の吸湿状況によって変化するので、温度や湿度といった環境条件に応じて作像条件を調整する技術が開発され既に知られている。
しかしながら、従来における転写前の感光体上トナーに電荷を印加する電極を持つ帯電装置では、環境条件によって電極の出力を変化させるのみ、若しくは現像前の帯電装置の出力を変化させるものでしかなかった。
【0045】
上記のように、例えば第一現像が2成分現像方式、第二現像が1成分現像方式のとき、第一現像で現像されたトナーと第二現像で現像されたトナーとでは感光体上での帯電量が異なる。帯電量が異なると転写に最適な転写電流が異なるので、どちらかのトナーに転写電流を合わせると一方のトナーでチリなどの異常画像が発生してしまう。このような状態に対して転写前帯電手段があれば一律に強い電荷を印加することでトナーの帯電量を均一にすることができる。
しかしながら、環境条件によって転写前帯電手段の出力を変化させてしまうと、十分に強い電荷が印加されず感光体上のトナーの帯電量が均一にならずに異常画像が発生してしまうという問題があった。
特許文献5には、低湿環境での転写前帯電装置による未帯電トナーの帯電を防ぎ、高湿環境では前記帯電装置により画像部の帯電を強化する目的で、湿度センサの読取り値によって感光体上トナーと同極性側を増加側として、転写前帯電装置の出力を増減させる構成が開示されている。
特許文献5の方式では、転写前帯電装置の出力を下げた時に感光体上のトナー帯電量が均一にならず、異常画像が発生するという問題は依然として解消されていない。
本実施形態ではこの問題を解消することを目的としている。
【0046】
本実施形態では、上記問題を解消すべく、転写前帯電手段の出力を環境条件によって変化させ、転写前帯電手段の変化量に応じて現像前帯電装置の出力も変化させて異常画像が出ないようにすることを特徴としている。
【0047】
図23に示すように、本実施形態では、環境湿度検知手段としての温湿度センサ60を有している。図中、PTC14は搬送ガイド板34aと分離しているが、実際には搬送ガイド板34aに固定されている。搬送ガイド板34aがケーシング部材34の一部を兼ねるようにしてもよいことは上述の通りである。
温湿度センサ60は、画像形成装置の使用による温湿度変化の起こらない外気に近い箇所に取り付けられる。制御手段としての制御装置62は画像形成装置全体を制御するものであり、CPU等から構成される。
制御装置62には温湿度センサ60の検出値に応じて第一帯電、第二帯電、第一現像、第二現像、転写装置、PTC14の出力値を制御する電圧制御手段64が含まれている。
【0048】
温湿度センサ60によって検知される温度および相対湿度から絶対湿度を算出し、制御装置62が予め用意されたテーブルから算出された絶対湿度に応じてPTC14及び第1、第2帯電の電圧変化量を決定し、電圧制御手段64によってPTC14及び第1、第2帯電の電圧を変化させる。
温湿度センサ60の設置場所を外気に近い箇所としたが、必要に応じて感光体に近い場所や記録媒体のストック用トレイに近い場所等へ置いても良い。
【0049】
図24は、絶対湿度とPTC出力値との関係を示す図である。
高温高湿環境や低温低湿環境おいては紙の帯電量や紙上へのトナー付着量が増加しやすくなることから、それに合わせて第一帯電、第二帯電、第一現像、第二現像の出力を下げる。
また、下げた出力に応じて転写装置の出力も変更する。PTCについては、図23において説明したように、第一、第二帯電よりも出力を高くしつつ環境に応じた出力に変更する。
すなわち、PTC14の放電電圧は、第一、第二帯電の放電電圧よりも大きくする。
本実施形態においては絶対湿度に対して線形に変化するとしているが、必ず線形である必要は無い。現像方式や使用するトナー種に応じて指数関数的な変化や、絶対湿度の範囲ごとに一定の値を出力するようにしてもよい。
本実施形態によれば、PTC14の出力を環境条件によって変化させ、PTC14の変化量に応じて現像前帯電装置の出力も変化させるので、異常画像の発生を抑制することができる。
【符号の説明】
【0050】
2 像担持体としての感光体ドラム
4 帯電手段としての第一帯電手段
6 帯電手段としての第二帯電手段
8 現像手段としての第一現像手段
10 現像手段としての第二現像手段
10b 現像手段の筐体としての現像ケーシング
12 記録媒体としての転写材
14 転写前帯電手段としてのプレ転写チャージャ
30 帯電用電極としての針電極
30A、30B 板状電極
34 ケーシング部材
34a ガイド部材としての搬送ガイド板
38、39 ユニットとしての感光体ユニット
60 環境湿度検知手段としての温湿度センサ
62 制御手段
【先行技術文献】
【特許文献】
【0051】
【特許文献1】特開平09−114194号公報
【特許文献2】特許第3718045号公報
【特許文献3】特開2007−212814号公報
【特許文献4】特開2004−125901号公報
【特許文献5】特開平07−140810号公報
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ、プロッタ、これらのうち少なくとも1つを備えた複合機等の画像形成装置に関し、詳しくは、記録媒体(以下、「転写材」又は「用紙」ともいう)に転写する前に像担持体上のトナーに対して帯電する機能を有する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式の画像形成装置において、トナーの帯電量が不十分であると、例えば転写ベルトから用紙が分離されるときに生じる剥離放電や、定着装置を通過する過程で定着熱による水分蒸発の影響を受けてトナーが用紙上でチリやすい。
そこで、現像後転写前の感光体上のトナーに対して電荷を印加してトナーの帯電量を上げて上記チリ現象等を抑制する技術が考えられ、既に知られている。
【0003】
しかしながら、今までの技術では、感光体上のトナーに対して電荷を印加するための電極を設置しようとすると、該電極による帯電機能を良好に維持するとともに保護する観点からケーシングが必要となるが、その場合ケーシング用の新たな設置スペースが必要となり、機械が大型化してしまうという問題があった。
【0004】
特許文献1には、鋸歯電極型放電電極を用いて小型化し、より少ない放電電流で十分な放電を行い、取り扱い性がよく組み立てや保守が容易であるとするコロナ放電装置が開示されている。
具体的には、絶縁性基板上に複数個の放電用電極を直線状に形成したコロナ放電電極と、そのコロナ放電電極の両側に位置した板状のシールドプレートとを有するコロナ放電装置であり、コロナ放電電極が、平行配列された複数個の絶縁性の基板にそれぞれ保持された複数個の電極であることを特徴とするものである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の構成の如く、鋸歯電極型放電電極を用いれば、現像後転写前の感光体上のトナーに対して電荷を印加する電極構成を小型化できる。
しかしながら、転写前帯電手段として引用文献1記載のものの適用を考えた場合、シールドプレートで電極を覆うケーシング構成が必要であり、ケーシング用スペースの必要性による画像形成装置の大型化という問題は依然として残る。
【0006】
本発明は、このような現状に鑑みてなされたもので、トナーチリを防止しつつ転写前帯電手段を設けることによる装置の大型化を抑制できる画像形成装置の提供を、その主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明は、帯電手段により帯電された像担持体上に画像情報に基づいて静電潜像を形成し、該静電潜像を現像手段によりトナー像として可視化し、該トナー像を転写手段により記録媒体に転写する画像形成装置において、前記像担持体上の転写前のトナー像を帯電する転写前帯電手段を有し、該転写前帯電手段は、帯電用電極と、該帯電用電極を覆うケーシング部材とを備え、前記転写前帯電手段以外の装置構成要素が、前記ケーシング部材の少なくとも一部を兼ねることを特徴とすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、トナーチリ等を防止するための転写前帯電手段を備えた構成において、装置の大型化を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置の概要構成図である。
【図2】作像時における感光体上の電位変化と、PTCによる帯電との関係を説明するための図である。
【図3】PTCの構成を示す拡大側面図である。
【図4】PTCの針電極の配置構成を示す斜視図である。
【図5】PTCの形状を示す平面図である。
【図6】PTCによる帯電制御を示すフローチャートである。
【図7】印字パターンにおけるPTCに流す電流値のタイミングチャートである。
【図8】紙厚によるPTCに流す電流値のタイミングチャートである。
【図9】第2の実施形態に係る画像形成装置の概要構成図である。
【図10】第3の実施形態に係る画像形成装置の概要構成図である。
【図11】第4の実施形態に係る画像形成装置の概要構成図である。
【図12】第5の実施形態に係る画像形成装置の概要構成図である。
【図13】第5の実施形態におけるPTCの形状を示す平面図である。
【図14】第5の実施形態におけるPTCによる帯電制御を示すフローチャートである。
【図15】第5の実施形態におけるPTCによる帯電制御の変形例を示すタイミングチャートである。
【図16】第6の実施形態における針電極の分解平面図である。
【図17】印刷形態の違いによる針電極の重ね合わせ状態を示す図である。
【図18】第7の実施形態におけるPTCの接離構成を示す図である。
【図19】PTCによる帯電制御を示すフローチャートである。
【図20】PTCによる帯電制御の変形例を示すフローチャートである。
【図21】PTCのクリーニング機構を示す図である。
【図22】同クリーニング機構の側面図である。
【図23】第8の実施形態に係る画像形成装置の概要構成図である。
【図24】絶対湿度とPTC出力値との関係を示す特性図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態を図を参照して説明する。
まず、図1乃至図8に基づいて第1の実施形態を説明する。図1は、本実施形態に係る画像形成装置の画像形成部周辺の概略図である。この画像形成装置の画像形成部は、画像を担持するための像担持体としての感光体ドラム(以下、「感光体」ともいう)2と、感光体ドラム2に電荷を与えるための第一帯電手段(以下、「第一帯電」ともいう)4及び第二帯電手段(以下、「第二現像」ともいう)6と、画像情報に基づいて感光体ドラム2に静電潜像を形成する図示しない第一及び第二書込みユニットと、感光体ドラム2上にトナーを供給して前記潜像を可視像化する第一現像手段(以下、「第一現像」ともいう)8及び第二現像手段(以下、単に「第二現像」ともいう)10と、感光体ドラム2上のトナー像に用紙12への転写前に電荷を与える転写前帯電手段としてのプレ転写チャージャ(以下「PTC」という)14と、転写後に感光体ドラム2の表面に残留したトナーを除去する図示しないクリーニング装置と、感光体ドラム2上のトナー像を用紙12に転写するとともに搬送する転写搬送ユニット16と、用紙が収容された給紙トレイ18を備えた給紙装置と、定着ユニット20などから構成されている。
【0011】
転写搬送ユニット16は、2つの転写ローラ22、24と、これらに掛け回された転写ベルト26と、転写バイアスを印加するための転写帯電ローラ28とを有している。
給紙トレイ18の用紙は図示しない給紙コロにより最上のものから順に1枚ずつ給紙され、図示しない搬送ローラ対、レジストローラ対などの搬送部材により所定のタイミングで転写領域に搬送される。
【0012】
本実施形態において、第一現像手段8はトナーとキャリアからなる二成分現像剤、第二現像手段10はトナーのみからなる一成分現像剤を用いている。このことにより、第二現像手段10で現像されたトナーのほうが第一現像手段8で現像されたトナーの帯電量よりも小さい。
トナーのチリは主に用紙が転写ベルト26から剥離する際に生じる放電や、定着ユニット20を通る際に用紙の持つ水分が蒸発することで起こるため、帯電量が低いと起こり易い。よって、第二現像手段10で現像されたトナーでチリが起こり易い。
このトナーチリを前段階的に抑制すべく、PTC14が設けられている。
【0013】
図2に基づいて、作像時における感光体上の電位変化と、PTCによる帯電との関係を説明する。
第一帯電で感光体上を一律に帯電させ(a)、第一書込みで光を当てることでトナー像を形成したい箇所の電位を下げる(b)。
次に、電位を下げた部分に第一現像と感光体の電位差を使用して感光体上にトナーを付着させる(c)。第二帯電で再度感光体上を一律に帯電させて、感光体上の電位を均一にする(d)。
この時、第二帯電の出力が第一帯電の出力よりも弱いと、第一現像でトナーを付着させた箇所と第一書込みで電位を下げなかった箇所で電位差が生じ、第二現像で必要の無い箇所にトナーが付着してしまうことがある。
その後、第一と同様に第二書込み(e)、第二現像にて画像を形成する(f)。最後に、PTCにおいて感光体上を一律に帯電させることにより、第一現像と第二現像で形成したトナー像の帯電量を等しくして、転写チリなどの異常画像を防ぐ(g)。
PTCの出力が第二帯電よりも弱い場合は、第二現像でトナーを付着させた箇所とそれ以外の箇所の電位差が生じるため、第一現像と第二現像で形成したトナー像の最適な転写電流が異なり転写チリ等が生じる(h)。
【0014】
PTC14は、図3に示すように、放電を行う帯電用電極としての針電極30と、周囲部材へ通電しないように針電極30を挟み込むように上下に配置された絶縁部材32と、その周囲を覆うケーシング部材34とを有している。
針電極30には帯電のためマイナスの電荷が負荷されており、ケーシング部材34は接地されている。
ケーシング部材34は、針電極30の下面側を覆う下側フレーム34aと、上面側を覆う上側フレーム34bと、感光体ドラム2に対向する側と反対側を覆う後側フレーム34cとから構成されている。
下側フレーム34aは、PTC14を有しない画像形成装置においても用紙12を転写領域に案内するために設けられるガイド部材としての搬送ガイド板34aであり、画像形成装置が本来的に備えている装置構成要素である。
ケーシング部材34の一部を搬送ガイドが兼ねることにより、スペースを大きく使うことなくPTC14を組み込むことが可能となる。
【0015】
図4に基づいて、搬送ガイド板34aと針電極30との関係について説明する。
図1に示したように、搬送ガイド板34aを通して用紙やグラウンドに電流が流れないように、針電極30と接触する斜線部は絶縁部材による絶縁領域となっている。
PTC14は、図1で示される位置(感光体ドラム2の回転方向における第二現像手段10と転写搬送ユニット16との間)に設置される。針電極30を使用した場合は、放電が行われる針先端の周辺には部材などを置かないようにする。例え絶縁素材などであっても表面が帯電し、感光体に対して異常な放電を行う可能性があるためである。
図示しないが、第二現像手段10側のケーシングである上側フレーム30bについても同様に針電極30との接触面が絶縁され、放電位置からは距離を取った構成となっている。
【0016】
図5に基づいて、針電極30の形状について説明する。
針電極30は、薄い金属板で形成され、感光体ドラム2の軸方向に延びる長手方向の一辺(感光体ドラム2に対向する側の辺)が、複数の針状凸部30aとなっている。すなわち、放電側は鋸歯形状を有している。
この金属板に通電すると、針状部分の先端から放電をして感光体ドラム2上のトナーに電荷を印加する。ここでは、針状の電極板としているが、ワイヤを用いたものやブラシ状のものを用いる等形状や方式を限定しない。
【0017】
トナーの種類や紙厚、紙種に対してPTC14の電流値を変更することで、より画質を向上させることができる。
図6は、PTC14による帯電条件の設定動作を示すフローである。
画像形成前にユーザによって設定された印刷モードによって判断を行う。
PTC14による感光体上トナーの帯電が過剰になると転写性の悪化や地汚れの悪化といった副作用が顕在化する虞がある。
本実施形態においては、上記のように第一現像手段8と第二現像手段10とではトナーの帯電量が異なるため、第一現像手段8と第二現像手段10とで、帯電が過剰となるPTC14の電流が異なる。
第一現像のみ又は第一・第二現像共用といった第一現像を使う印刷モードにおいては、第一現像のトナーの帯電量が高いためPTC14に対して小さい電流を流して、感光体上のトナーに印加をする。
第二現像のみを使う印刷モードにおいては、PTC14に対して大きい電流を流して、感光体上のトナーに印加をする。
【0018】
ここでは、第一・第二現像の二つを使う場合についての説明をしているが、さらに多数の現像手段を用いる場合やさらに多数の印刷モードがある場合には夫々によってPTC14に流す電流値を変えてやる必要がある(以下の他の実施形態において同じ)。
また、ここでは、第一・第二現像共用とした場合の電流を第一現像のみの場合と同じくしているが、共用時にPTC14に流す電流値はPTC14の効果と副作用の関係を鑑みて異なる値に設定しても良い(以下の他の実施形態において同じ)。
【0019】
図7は、各印字パターンにおけるPTC14に流す電流値について説明する図である。「GND」は電位ゼロのレベルを示している。
本実施形態では、上記のように第一現像と第二現像のトナー帯電量が異なるので、転写性の悪化や地汚れの悪化といった副作用を生じさせないように、印刷モードによってPTC14に流す電流値を変更する必要がある。
第二現像手段10は一成分現像方式であるため、第一現像手段8のみ又は第一現像手段8と第二現像手段10とを共に使用する場合に比べて、第二現像手段10のみを使用する場合には、PTC14の電流値を大きくする。
【0020】
図8は、紙厚によるPTC14に流す電流値について説明する図である。
紙厚が異なると用紙の抵抗値が変わり、転写部における用紙の帯電量も異なる。そこで、PTC14に流す電流値を紙厚によって変えることにより、用紙と転写時における感光体上トナーの帯電量差を紙厚によらず一定にすることができる。
厚紙の場合には普通紙の場合に比べて、電流値を大きくする。
紙種においても同様に電気抵抗の高さによってPTC14に流す電流値を変化させれば、紙種による画質の不安定さを軽減することができる。
【0021】
図9に基づいて第2の実施形態を説明する。なお、上記実施形態と同一部分は同一符号で示し、特に必要がない限り既にした構成上及び機能上の説明は省略して要部のみ説明する(以下の他の実施形態において同じ)。
上記実施形態では、搬送ガイド板34aをケーシング部材34の一部として利用する構成としたが、本実施形態では、第二現像のトナー保持・こぼれ防止をする第二現像の現像ケーシング10bをPTC14のケーシング部材36の一部として利用している。符号10aは現像ローラを示しており、図1では第二現像手段10として現像ローラのみを表示している。第一現像手段8においても同様である。
第1の実施形態と同様に、放電を行う針電極とその両面に周囲部材へ通電しないように絶縁部材が配置されており、その周囲をケーシング部材36で取り囲まれる構成となっている。
ケーシング部材36は、第1の実施形態における上側フレーム30bに相当する下側フレーム36aと、現像ケーシング10bの底面からなる上側フレーム36bと、後側フレーム36cとから構成されている。
【0022】
本実施形態では、PTC14を、そのケーシング部材36の一部を第二現像手段10の現像ケーシング10bが兼ねるように構成しているので、第1の実施形態と同様に、スペースを大きく使うことなくPTC14を組み込むことが可能となる。
【0023】
図10に第3の実施形態(PTCの設置場所;第1の実施形態に対応)を示す。
近年の画像形成装置において、装置内部は複雑化しており部品の交換等のメンテナンスが難しい構成となっていることが多い。
しかしながら、感光体ドラム、クリーニング機構や帯電手段等においては、一体として感光体ユニット(プロセスカートリッジ)とすることにより保守性を高くすることができる。
搬送ガイド板34aおよびPTC14を感光体ケーシングに設置し、感光体ユニット38とすることによりPTC14がトナーによる汚染や放電による疲労をした場合の点検交換を容易にすることができる。
ここでは、PTC14を感光体ケーシングに固定するようにしているが、感光体ユニット38として一体であれば感光体ケーシング以外の別部材に固定されていても問題はない。
【0024】
図11に第4の実施形態(PTCの設置場所;第2の実施形態に対応)を示す。
第3の実施形態と同様に、第二現像及びPTC14を感光体ユニット39と一体にすることで保守性を高めることができる。ここではPTC14を感光体ケーシングに固定するようにしているが、感光体ユニット39として一体であれば感光体ケーシング以外の別部材に固定されていても問題はない。
【0025】
図12乃至図15に基づいて第5の実施形態を説明する。
特許文献2には、中間転写体上のトナーの帯電量を高める目的で、中間転写体上の1次転写後2次転写前における画像部の電位と、2次転写を行うための2次転写手段の電位との差をほぼ一定の値に保つように、2次転写前帯電手段の出力と2次転写手段への印加電圧とを制御する電位差制御手段を設け、この電位差制御手段が、中間転写体上のトナー重ね回数に応じて2次転写前帯電手段の出力を変化させる構成が開示されている。
しかしながら、従来におけるトナー散りに対する防止策は、普通サイズ(A4、A3程度)の用紙を対象とした画像形成装置に関するものであった。
これらのサイズよりも大きなサイズの広幅の用紙を印刷可能な画像形成装置で上記普通サイズの用紙を印刷する場合、像担持体の用紙幅方向全体に亘って一様に電荷を印加しようとするため、用紙の外にも印加を行ってしまい不要な感光体疲労やオゾン発生が起こるという問題があった。
本実施形態では、広幅対応可能な画像形成装置において、転写材のサイズに拘らずトナー散りの問題を解消できるとともに、像担持体の疲労やオゾン発生をも抑制できる画像形成装置の提供を、目的としている。なお、本実施形態ではPTC14の構成を簡略化して表示している。
【0026】
図12に示すように、PTC14は、PTC電源40を介して制御手段42により電流を印加される。制御手段42には、図示しない画像形成装置本体に設けられた転写材認識手段としての操作パネル44が接続されている。
針電極30は、図13に示すように、感光体ドラム2の長手方向に複数に分割されている。本実施形態では、針電極30は、帯電部としての3つのプレ帯電部30a、30b、30cから構成されている。
【0027】
各プレ帯電部30a、30b、30cは、個別に通電のオン・オフ及び出力調整ができるようにPTC電源40に電気的に接続されている。
各プレ帯電部30a、30b、30cに対してそれぞれ異なる強さの電流を流せるようにすることで、小サイズの用紙サイズ印刷時に用紙が通る部分の針電極30にのみ電流を流すことで無駄な放電を生じさせず、オゾンの発生や感光体の疲労を防ぐことができる。
すなわち、用紙サイズによって電流値の強弱やON/OFFを変更して不必要なオゾンの発生や感光体の疲労を防止することができる。
本実施形態では、3つに分割しているが2つや4つ以上など種々の分割態様を採り得る。より細かく分割を行うことで様々な用紙サイズに対応が可能となる。
【0028】
本実施形態では、転写材認識手段として操作パネル44を例示したが、給紙装置の給紙トレイ18や搬送路に配置された紙幅検知センサを転写材のサイズを認識する転写材認識手段として用いてもよい。
【0029】
図14に基づいて、PTC14を用いた転写前帯電制御を説明する。
画像形成前にユーザによって、操作パネル44により設定され、または上記紙幅検知センサによって読み込まれた用紙サイズが制御手段42に入力される。
制御手段42は、用紙サイズが297mm(A3縦)以下であれば長手方向に複数に分割された各プレ帯電部30a、30b、30cのうち、中央部に位置するプレ帯電部30bに対してのみ電流を流し、感光体ドラム2上のトナーに電荷を印加する。
但し、本実施形態では用紙の中心が感光体ドラム2の中央部を通ることを基準としているが、用紙の左端若しくは右端を基準とする場合は用紙の通る端部側のみに対応したプレ帯電部に対して電流を流すこととなる。
【0030】
用紙サイズが297mmより大きい場合は、各プレ帯電部30a、30b、30c全てに電流を流して、感光体ドラム2上のトナーに電荷を印加する。
本実施形態においてはPTC14の針電極30を3分割した場合についての説明をしているが、分割数や画像形成装置の印刷できる最大幅が変われば、用紙幅による分割の数、電流値の閾値や電流を印加するプレ帯電部の幅が変化することになる。
【0031】
図15に基づいて、本実施形態における転写前帯電制御の変形例を説明する。上記例では、複数のプレ帯電部に対する通電のオン、オフにより帯電部位を制御する構成としたが、本例では、広幅用紙を印刷する場合のPTC14の電位を調整することを特徴としている。
広幅用紙を印刷する際においては、PTC14そのものやPTC14が固定される部材の自重による撓みにより、PTC中央部の感光体との距離が端部に対して広くなる。すなわち、PTC14と感光体ドラム2との間における放電距離に偏差が生じる。
【0032】
そこで、中央部のプレ帯電部30bに端部のプレ帯電部よりも強い電流を流すことにより感光体ドラム2上のトナー全面に対して均一な電荷を付加することができる。
すなわち、本実施形態では、全てのプレ帯電部に通電するパターンを示しており、さらに上記撓みによる放電距離偏差をなくすために、中央部のプレ帯電部30bに対する印加電流を大きくしている。
図15に破線で示す「感光体上トナー印加電位」は、感光体ドラム2上のトナーの帯電電位を示している。
【0033】
印字パターンによってPTC14の電位を調整するのは第1の実施形態と同様である。
用紙12の厚み情報に基づいてPTC14の電位を調整する場合も第1の実施形態と同様で、厚紙の場合には、普通紙に比べて電流値を大きくする。用紙の厚みは、図示しない厚み認識手段によって認識され、その情報は制御手段42に入力される。厚み情報がユーザにより操作パネル44により設定される場合には、操作パネル44が厚み認識手段となる。
厚み認識手段としての厚み検知センサによって自動的に検知するようにしてもよい。
【0034】
図16及び図17に基づいて第6の実施形態を説明する。
例えば特許文献3に記載されているように、従来の鋸歯状帯電手段や転写前帯電手段は常に感光体を均一帯電させるために設けられている。
このため、例えば感光体の帯電性を変化させるには電極に与えるバイアスを電源の電流や電圧を変えて変化させる必要があり、広範囲で可変の電源が必要になる。
また、感光体長手方向において中央部だけ帯電能力を上げ、感光体長手方向において端部と帯電能力の差をつけることはできない。
本実施形態は、簡易な構成で感光体帯電性を変化させる転写前帯電手段を提供することを目的としている。
本実施形態では、上記目的を達成すべく、PTC14の針電極30は、先端が鋸歯状の板状電極を重ね合わせた構成を有していることを特徴とする。
感光体ドラム2上にトナー像が形成された際、第二現像手段10による2色目トナーは非接触一成分現像であるため、上記のように帯電量が低い。そのままのトナー帯電量にて転写紙に転写された場合、転写搬送ユニット16の誘電体ベルトから転写紙が剥離する際の剥離放電により、2色目トナーの画像チリが生じる。
両面印刷時に転写紙は一度定着ユニット20を通っているため、転写紙は乾燥してより一層帯電しており、この剥離放電による画像チリはもっと悪化する。
画像形成装置は、様々なサイズの転写紙に画像形成する。その中には、片面印刷できる用紙サイズの範囲と、両面印刷できる用紙サイズの範囲とが異なる画像形成装置がある。たとえば、A2横用紙まで片面印刷はでき、A3横用紙まで両面印刷できる画像形成装置がある。
このような片面印刷と両面印刷とで転写紙サイズ、すなわち感光体上の画像形成範囲が違う画像形成装置において、PTC14は、片面印刷時、感光体全幅に対し、一様で弱い帯電が必要となる。
また、両面印刷時は、両面印刷に必要な範囲で感光体長手方向幅に対し、強い帯電が必要となる。
【0035】
図16に示すように、本実施形態におけるPTC14の針電極30は、放電側に鋸歯形状を有する薄板金属板30A、30Bの2枚を重ね合わせて構成されている。
薄板金属板30Aの長手方向両端部には、針電極30を支持するケーシング部材に形成されるガイドピン46(図17参照)に挿通するための丸穴48が形成されている。
薄板金属板30Bの対応部位には、長穴50が形成されており、感光体ドラム2に対して接近・離間が可能となっている。
薄板金属板30Aの針状凸部30aは、長手方向全幅に亘って等ピッチで同じ大きさで形成されている。
薄板金属板30Bの針状凸部30aは、感光体ドラム2の軸方向中央部、すなわち両面印刷に用いられる画像範囲内のみ、等ピッチで同じ大きさで形成されている。
【0036】
図17(a)に示すように、薄板金属板30Aと薄板金属板30Bとは、感光体ドラム2に対し接近した位置において、先端鋸歯形状(針状凸部)がずれて配されるようになっている。
片面印刷時、両面印刷時とも、薄板金属板30A、30Bには同じ大きさの電流が流れている。
図17(a)は、片面印刷時のときの状態を示している。薄板金属板30Bは感光体ドラム2から離間し、薄板金属板30Aのみ感光体ドラム2に対し帯電を行う。
図17(b)は、両面印刷時のときの状態を示している。薄板金属板30Bは感光体ドラム2に近接し、薄板金属板30A、30Bの両方で感光体ドラム2に対し帯電を行う。両面印刷に用いられる画像範囲内のみ、鋸歯形状の数が2倍に設けられていることになる。
【0037】
よって、感光体ドラム2の帯電に寄与する電流は、両面印刷に用いられる画像範囲に集中する。
両面印刷に用いられる画像範囲内は強く帯電されることで、2色目トナー像のチリが抑えられる。
薄板金属板30Bの感光体ドラム2に対する接近・離間は、画像モードによって制御され、図示しないカム部材などにより、図示しない駆動機構によって行われる。
本実施形態によれば、感光体ドラム2の長手方向において全域均一帯電にしたり、部分的に帯電能力を上げることができる。よって、不要な強い帯電を必要としない。必要な部分にのみ感光体上のトナーの電荷注入による帯電量を増加させることができ、画像チリを抑制できる。
【0038】
図18乃至図22に基づいて第7の実施形態を説明する。
電子写真方式の画像形成装置において、転写前帯電手段が汚れることのないように、使用しない場合は感光体に対して接離することを可能とする技術も既に知られている。
しかしながら、従来の技術では、感光体上トナーに対して電荷を印加するための電極を設置し、電極を使用しない場合には感光体から電極を接離可能とする場合、接離のための駆動機構や感光体と電極の距離を一定にするための機構が必要となるため装置が大型化してしまうという問題があった。
特許文献4には、転写前帯電手段を汚さない目的で、転写前帯電手段と転写部の間にさらに電極を設け、その電極に転写前帯電手段と同極のバイアスをかけることによって、大気中に飛散したトナーを吸着させる構成が開示されている。
この構成によれば、転写前帯電手段を汚さないようにすることはできるものの、装置の大型化という問題は依然として解消されない。
本実施形態では、PTCを感光体に対して接離可能な構成としたときに、装置を大型化することなく安定して感光体上トナーに対して電荷を印加ができるようにすることを目的とする。
【0039】
本実施形態では、上記目的を達成すべく、現像手段が像担持体に対して接離可能に設けられ、転写前帯電手段は現像手段と一体に移動することを特徴とする。
第二現像を使用せず第一現像のみを使用する場合、第一現像で感光体上にトナー像を形成する際に、逆帯電トナーも感光体上に付着する。この逆帯電トナーが第二現像ユニットの現像ローラへ付着することを防ぐために離間する必要がある。
この観点から、図18に示すように、第二現像ユニット10は、感光体ドラム2に対して接離可能な構成となっている。第二現像ユニット10は、駆動部側に設けられ図示しない加圧機構の回転により感光体ドラム2に接離することが可能となっており、離れる際は自重もしくはバネ力で元の位置に戻る構成となっている。
【0040】
PTC14は、現像ケーシング10bの底面の感光体ドラム2側に固着され、あるいはネジで固定されている。
本実施形態では、PTC14のケーシング部材34を現像ケーシング10bの底面に固定する構成としているが、ケーシング部材34の上面を現像ケーシング10bの底面が兼ねる構成としてもよい。
第一現像ユニットのみで印刷を行う際は、第二現像ユニットは感光体に対して離間した状態のまま現像動作はしない。
第二現像ユニットを使用する際には現像ローラ10aと同軸上にギャップコロが設けられており、感光体端部にギャップコロが突き当たることによって感光体と第二現像ユニットの距離を一定にしている。これにより、PTC14と感光体の距離も一定となる。
このような構成とすることにより、装置を大型化することなくPTC14を汚れないようにすることができ、転写前帯電機能を長期に亘って維持することができる。本実施形態におけるPTC14の接離構成は、他の実施形態においても同様に実施することができる。
【0041】
図19は、本実施形態におけるPTC14による帯電条件の設定動作を示すフローである。
画像形成前にユーザによって設定された印刷モードによって判断を行う。PTCによる感光体上トナーの帯電が過剰になると転写性の悪化や地汚れの悪化といった副作用が顕在化する虞がある。
第一現像と第二現像ではトナーの帯電量が異なるため、第一現像と第二現像で帯電が過剰となるPTCの電流が異なる。
第一現像のみを使用する印刷モードでは、第一現像のトナー帯電量が十分高いためPTCは使用しない。
第一現像と第二現像を共用する印刷モードにおいては、第一現像のトナーの帯電量が過剰とならない程度にPTCに対して小さい電流を流して、感光体上のトナーに電荷を注入する。
第二現像のみを使う印刷モードにおいては、PTCに対して大きい電流を流して、感光体上のトナーに電荷を注入する。
【0042】
図20は、PTCを使用しない場合にPTCへ微小電流を流す場合の帯電条件を説明するための図である。
印刷モードによってPTCへの電流値を変更するのは上述したとおりである。
図19の例では、第一現像を使用する場合には、第二現像は感光体と離間したままでPTCへ電流は流さない。
このとき、感光体とPTCとの距離が十分に離間されていれば良いが、レイアウトや第二現像を離間させるクラッチの性能等により十分にできないと、感光体上のトナーがPTCへ付着してしまう虞がある。
そこで、PTCを使用せずに感光体から離間させておく場合でも、感光体トナーと同極の電流をPTCへ微少流すことにより、感光体上のトナーがPTCへ付着することを防ぐことができる。
図19、図20で示した制御動作は、他の実施形態においても同様に実施することができる。
【0043】
針電極の先端にトナーが堆積すると放電が安定せず、PTCの効果が十分に得られない。この問題に対処した例を図21及び図22に基づいて説明する。
図21に示すように、第二現像接離時の針電極先端の移動経路上にPTCを清掃するためのクリーナ52を設置する。クリーナ52の形状はブラシ状、ローラ状やエアー噴射など制限するものではない。
感光体ドラム2に対する第二現像ユニット10の接離動作に伴い、針電極30は位置固定されたクリーナ52に接触し、強制的に清掃される。
図22は、感光体及びクリーナを側面より見た図である。クリーナ52は感光体ユニットのケーシング54にクリーナケーシング56を介して固定されており、感光体の回転や第二現像ユニットの接離動作に影響を受けない。
この構成によれば、針電極30の経時的な汚れを確実に除去することができ、PTC14による良好な帯電機能を長期に亘って維持することができる。
【0044】
図23及び図24に基づいて、第8の実施形態を説明する。
現像バイアスや転写電流といった作像条件を変化させると記録媒体上へのトナーの付着量やトナーの帯電量が変わり、濃度変化や異常画像の発生といった現象が起こる。
最適な作像条件はトナーや記録媒体の吸湿状況によって変化するので、温度や湿度といった環境条件に応じて作像条件を調整する技術が開発され既に知られている。
しかしながら、従来における転写前の感光体上トナーに電荷を印加する電極を持つ帯電装置では、環境条件によって電極の出力を変化させるのみ、若しくは現像前の帯電装置の出力を変化させるものでしかなかった。
【0045】
上記のように、例えば第一現像が2成分現像方式、第二現像が1成分現像方式のとき、第一現像で現像されたトナーと第二現像で現像されたトナーとでは感光体上での帯電量が異なる。帯電量が異なると転写に最適な転写電流が異なるので、どちらかのトナーに転写電流を合わせると一方のトナーでチリなどの異常画像が発生してしまう。このような状態に対して転写前帯電手段があれば一律に強い電荷を印加することでトナーの帯電量を均一にすることができる。
しかしながら、環境条件によって転写前帯電手段の出力を変化させてしまうと、十分に強い電荷が印加されず感光体上のトナーの帯電量が均一にならずに異常画像が発生してしまうという問題があった。
特許文献5には、低湿環境での転写前帯電装置による未帯電トナーの帯電を防ぎ、高湿環境では前記帯電装置により画像部の帯電を強化する目的で、湿度センサの読取り値によって感光体上トナーと同極性側を増加側として、転写前帯電装置の出力を増減させる構成が開示されている。
特許文献5の方式では、転写前帯電装置の出力を下げた時に感光体上のトナー帯電量が均一にならず、異常画像が発生するという問題は依然として解消されていない。
本実施形態ではこの問題を解消することを目的としている。
【0046】
本実施形態では、上記問題を解消すべく、転写前帯電手段の出力を環境条件によって変化させ、転写前帯電手段の変化量に応じて現像前帯電装置の出力も変化させて異常画像が出ないようにすることを特徴としている。
【0047】
図23に示すように、本実施形態では、環境湿度検知手段としての温湿度センサ60を有している。図中、PTC14は搬送ガイド板34aと分離しているが、実際には搬送ガイド板34aに固定されている。搬送ガイド板34aがケーシング部材34の一部を兼ねるようにしてもよいことは上述の通りである。
温湿度センサ60は、画像形成装置の使用による温湿度変化の起こらない外気に近い箇所に取り付けられる。制御手段としての制御装置62は画像形成装置全体を制御するものであり、CPU等から構成される。
制御装置62には温湿度センサ60の検出値に応じて第一帯電、第二帯電、第一現像、第二現像、転写装置、PTC14の出力値を制御する電圧制御手段64が含まれている。
【0048】
温湿度センサ60によって検知される温度および相対湿度から絶対湿度を算出し、制御装置62が予め用意されたテーブルから算出された絶対湿度に応じてPTC14及び第1、第2帯電の電圧変化量を決定し、電圧制御手段64によってPTC14及び第1、第2帯電の電圧を変化させる。
温湿度センサ60の設置場所を外気に近い箇所としたが、必要に応じて感光体に近い場所や記録媒体のストック用トレイに近い場所等へ置いても良い。
【0049】
図24は、絶対湿度とPTC出力値との関係を示す図である。
高温高湿環境や低温低湿環境おいては紙の帯電量や紙上へのトナー付着量が増加しやすくなることから、それに合わせて第一帯電、第二帯電、第一現像、第二現像の出力を下げる。
また、下げた出力に応じて転写装置の出力も変更する。PTCについては、図23において説明したように、第一、第二帯電よりも出力を高くしつつ環境に応じた出力に変更する。
すなわち、PTC14の放電電圧は、第一、第二帯電の放電電圧よりも大きくする。
本実施形態においては絶対湿度に対して線形に変化するとしているが、必ず線形である必要は無い。現像方式や使用するトナー種に応じて指数関数的な変化や、絶対湿度の範囲ごとに一定の値を出力するようにしてもよい。
本実施形態によれば、PTC14の出力を環境条件によって変化させ、PTC14の変化量に応じて現像前帯電装置の出力も変化させるので、異常画像の発生を抑制することができる。
【符号の説明】
【0050】
2 像担持体としての感光体ドラム
4 帯電手段としての第一帯電手段
6 帯電手段としての第二帯電手段
8 現像手段としての第一現像手段
10 現像手段としての第二現像手段
10b 現像手段の筐体としての現像ケーシング
12 記録媒体としての転写材
14 転写前帯電手段としてのプレ転写チャージャ
30 帯電用電極としての針電極
30A、30B 板状電極
34 ケーシング部材
34a ガイド部材としての搬送ガイド板
38、39 ユニットとしての感光体ユニット
60 環境湿度検知手段としての温湿度センサ
62 制御手段
【先行技術文献】
【特許文献】
【0051】
【特許文献1】特開平09−114194号公報
【特許文献2】特許第3718045号公報
【特許文献3】特開2007−212814号公報
【特許文献4】特開2004−125901号公報
【特許文献5】特開平07−140810号公報
【特許請求の範囲】
【請求項1】
帯電手段により帯電された像担持体上に画像情報に基づいて静電潜像を形成し、該静電潜像を現像手段によりトナー像として可視化し、該トナー像を転写手段により記録媒体に転写する画像形成装置において、
前記像担持体上の転写前のトナー像を帯電する転写前帯電手段を有し、該転写前帯電手段は、帯電用電極と、該帯電用電極を覆うケーシング部材とを備え、
前記転写前帯電手段以外の装置構成要素が、前記ケーシング部材の少なくとも一部を兼ねることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像形成装置において、
前記装置構成要素が、記録媒体を前記転写手段へ搬送する際のガイド部材であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項1に記載の画像形成装置において、
前記装置構成要素が、前記現像手段の筐体であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項3に記載の画像形成装置において、
前記現像手段が前記像担持体に対して接離可能に設けられ、前記転写前帯電手段は前記現像手段と一体に移動することを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1つに記載の画像形成装置において、
前記現像手段を複数備え、画像形成モードによって使用する現像手段が異なり、使用する現像手段によって前記転写前帯電手段に流す電流値が異なることを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1つに記載の画像形成装置において、
記録媒体の厚みによって前記転写前帯電手段に流す電流値が異なることを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1つに記載の画像形成装置において、
前記像担持体が1つのユニットに設けられ、前記転写前帯電手段が前記ユニットに一体に構成されていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1つに記載の画像形成装置において、
環境湿度を検知する環境湿度検知手段と、該環境湿度検知手段による検知湿度の増減に応じて、前記帯電手段、前記転写前帯電手段の出力を制御する制御手段とを備え、
前記転写前帯電手段の放電電圧は、前記帯電手段の放電電圧よりも大きくなることを特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか1つに記載の画像形成装置において、
前記帯電用電極が前記像担持体の長手方向に複数に分割され、それぞれを個別に通電可能であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項10】
請求項1〜8のいずれか1つに記載の画像形成装置において、
前記帯電用電極は、先端が鋸歯状の板状電極を重ね合わせた構成を有していることを特徴とする画像形成装置。
【請求項1】
帯電手段により帯電された像担持体上に画像情報に基づいて静電潜像を形成し、該静電潜像を現像手段によりトナー像として可視化し、該トナー像を転写手段により記録媒体に転写する画像形成装置において、
前記像担持体上の転写前のトナー像を帯電する転写前帯電手段を有し、該転写前帯電手段は、帯電用電極と、該帯電用電極を覆うケーシング部材とを備え、
前記転写前帯電手段以外の装置構成要素が、前記ケーシング部材の少なくとも一部を兼ねることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像形成装置において、
前記装置構成要素が、記録媒体を前記転写手段へ搬送する際のガイド部材であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項1に記載の画像形成装置において、
前記装置構成要素が、前記現像手段の筐体であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項3に記載の画像形成装置において、
前記現像手段が前記像担持体に対して接離可能に設けられ、前記転写前帯電手段は前記現像手段と一体に移動することを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1つに記載の画像形成装置において、
前記現像手段を複数備え、画像形成モードによって使用する現像手段が異なり、使用する現像手段によって前記転写前帯電手段に流す電流値が異なることを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1つに記載の画像形成装置において、
記録媒体の厚みによって前記転写前帯電手段に流す電流値が異なることを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1つに記載の画像形成装置において、
前記像担持体が1つのユニットに設けられ、前記転写前帯電手段が前記ユニットに一体に構成されていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1つに記載の画像形成装置において、
環境湿度を検知する環境湿度検知手段と、該環境湿度検知手段による検知湿度の増減に応じて、前記帯電手段、前記転写前帯電手段の出力を制御する制御手段とを備え、
前記転写前帯電手段の放電電圧は、前記帯電手段の放電電圧よりも大きくなることを特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか1つに記載の画像形成装置において、
前記帯電用電極が前記像担持体の長手方向に複数に分割され、それぞれを個別に通電可能であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項10】
請求項1〜8のいずれか1つに記載の画像形成装置において、
前記帯電用電極は、先端が鋸歯状の板状電極を重ね合わせた構成を有していることを特徴とする画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【公開番号】特開2013−64976(P2013−64976A)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−87774(P2012−87774)
【出願日】平成24年4月6日(2012.4.6)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年4月6日(2012.4.6)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
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