説明

画像形成装置

【課題】感光ドラムを支持するドラム支持部材を小型化および低コスト化することができる画像形成装置を提供すること。
【解決手段】
本体ケーシング2に装着される装着位置と、本体ケーシング2から引き出される引出位置とに移動可能なプロセスユニット27に、互いに間隔を隔てて並列配置される各感光ドラム33を保持するドラムユニット30を、プロセスユニット27が引出位置に引き出されたときに、プロセスユニット27に対して着脱可能となるように、設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真方式が採用される画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子写真方式の画像形成装置として、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色に対応して設けられる4つの感光ドラムと、各感光ドラムに対応して、感光ドラムにトナーを供給する4つの現像ローラとを備えるプリンタが知られている。
【0003】
このようなプリンタとして、例えば、各色に対応する複数の感光体ドラムを着脱不能に一体的に支持するとともに、本体ケーシングに対して引き出し可能かつ着脱可能な画像形成ユニットのフレームと、各感光体ドラムに対応してフレームに着脱可能に装着される複数の現像カートリッジとを備えるレーザプリンタが知られている(たとえば、下記特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−98776号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかるに、上記した特許文献1に記載のレーザプリンタに設けられる画像形成ユニットでは、感光体ドラムを支持するフレームに、各現像カートリッジを着脱可能に支持するための構成や、本体ケーシングに対して引き出し可能に装着するための構成を設ける必要がある。
【0006】
そのため、感光体ドラムを支持するフレームの小型化および低コスト化を図ることが困難である。
【0007】
そこで、本発明の目的は、感光ドラムを支持するドラム支持部材を小型化および低コスト化することができる画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)上記した課題を解決するため、本発明の画像形成装置は、装置本体と、互いに間隔を隔てて並列配置される複数の現像ユニットを支持し、装置本体に装着される装着位置と、装置本体から引き出される引出位置とに移動可能な移動部材と、移動部材が装着位置に装着されているときに、移動部材の上側に配置される無端ベルトを有するベルトユニットとを備えている。
【0009】
移動部材は、複数の現像ユニットに対応して現像ユニットの上側に配置される複数の感光ドラムを一体的に支持するドラム支持部材を、着脱可能に支持している。
【0010】
ドラム支持部材は、移動部材が引出位置に引き出されたときに、複数の現像ユニットが移動部材に支持された状態で、移動部材に対して上側へ離脱可能となる。
【0011】
このような構成によれば、各感光ドラムを保持するドラム支持部材が、移動部材が引出位置に引き出されたときに移動部材から上側へ離脱可能に構成されている。
【0012】
そのため、寿命(交換周期)が略同じ複数の感光ドラムをまとめて同時に交換することができる。
【0013】
さらに、ユーザがドラム支持部材を移動部材に対して着脱するときには、移動部材を引出位置に引き出した後に、ドラム支持部材に上側からアクセスすることができる。
【0014】
そのため、装置本体に対して移動可能にするための構成をドラム支持部材に設けることなく、ドラム支持部材の小型化、低コスト化を図ることができる。
【0015】
また、ドラム支持部材を移動部材に対して容易に着脱させることができる。
(2)ドラム支持部材は、移動部材の引出方向上流側の第1端部と、引出方向下流側の第2端部とを有し、第1端部を支点として、第2端部が回動することにより、移動部材に対して着脱可能に構成されてもよい。
【0016】
このような構成によれば、ユーザがドラム支持部材を移動部材に対して着脱するときに、移動部材を引出位置に引き出した後、手前側(引出方向下流側の第2端部)からドラム支持部材にアクセスすることができる。
【0017】
そのため、ドラム支持部材を移動部材に対して容易に着脱させることができる。
(3)ドラム支持部材は、感光ドラムの軸線方向に互いに間隔を隔てて対向配置され、各感光ドラムを回転可能に支持する1対の側板と、両側板の引出方向上流側端部に設けられ、軸線方向に突出する第1突出部と、両側板の引出方向下流側端部に設けられ、軸線方向に突出する第2突出部とを備えていてもよい。
【0018】
移動部材は、軸線方向に互いに間隔を隔てて対向配置される1対の側壁と、両側壁の引出方向上流側端部に設けられ、第1突出部の回動を許容しながら移動部材に対して第1突出部を位置決めするように第1突出部に係合される第1係合部と、両側壁の引出方向下流側端部に設けられ、ドラム支持部材の回動を許容するように第2突出部に係合される第2係合部とを備えていてもよい。
【0019】
このような構成によれば、簡易な構成で、引出方向上流側端部に設けられる第1突出部を支点として、ドラム支持部材の引出方向上流側端部を回動させることができる。
(4)移動部材は、両側壁の引出方向下流側端部間に架設される下流側壁を備え、ドラム支持部材は、下流側壁よりも引出方向下流側へ突出し、ドラム支持部材を着脱するときに把持するための第1把持部を備えていてもよい。
【0020】
このような構成によれば、ドラム支持部材の引出方向下流側端部を容易に把持することができる。
【0021】
そのため、ドラム支持部材を移動部材に対して、より容易に着脱させることができる。
(5)移動部材は、引出方向下流側へ突出し、移動部材を移動させるときに把持するための第2把持部を備えていてもよい。
【0022】
このような構成によれば、移動部材の引出方向下流側端部を容易に把持することができる。
【0023】
そのため、移動部材を容易に移動させることができながら、ドラム支持部材を移動部材に対して着脱させるときには、第2把持部を把持して移動部材を位置固定することができる。
【0024】
その結果、移動部材を容易に移動させることができながら、ドラム支持部材を移動部材に対して、より容易に着脱させることができる。
(6)両側壁は、移動部材の装置本体に対する移動を案内するガイド部を備えていてもよい。
【0025】
このような構成によれば、移動部材を装置本体に対して円滑に移動させることができる。
(7)両側壁は、ドラム支持部材の軸線方向外側に対向配置されていてもよい。
【0026】
このような構成によれば、軸線方向において、ドラム支持部材を移動部材の内側に配置させることができる。
【0027】
そのため、ドラム支持部材を軸線方向に小型化することができる。
(8)各現像ユニットは、ドラム支持部材を回動させることにより、移動部材に対して着脱可能となってもよい。
【0028】
このような構成によれば、各感光ドラムを一体的にメンテナンスすることができながら、各現像ユニットを個別にメンテナンスすることができる。
(9)ドラム支持部材は、各感光ドラムを回転可能に位置固定していてもよい。
【0029】
このような構成によれば、ドラム支持部材を転写部材に対して位置決めすれば、各感光ドラムを転写部材に対して一体的に位置決めすることができる。
(10)ドラム支持部材は、両側板の引出方向上流側端部において、軸線方向外側から投影したときに側壁から露出され、装置本体に対して位置決めされる第1位置決め部と、両側板の引出方向下流側端部において、軸線方向外側から投影したときに側壁から露出され、装置本体に対して位置決めされる第2位置決め部とを備えていてもよい。
【0030】
このような構成によれば、ドラム支持部材を、その引出方向両端部において、装置本体に位置決めすることができる。
(11)第2係合部は、側壁の上端縁から下側へ向かって切り欠かれる凹溝であってもよい。また、第2突出部は、第2位置決め部として機能するように、側壁よりも軸線方向外側へ突出されていてもよい。この場合、ガイド部は、第2係合部の下側に設けられていてもよい。
【0031】
このような構成によれば、第2係合部および第2突出部に干渉させることなく、ガイド部を効率よく配置することができる。
(12)ドラム支持部材は、各感光ドラムを回転可能かつ移動可能に支持していてもよい。
【0032】
このような構成によれば、移動部材を移動させるときに、各感光ドラムを転写部材から離間するように移動させて、画像形成時に各感光ドラムを転写部材に接触させれば、移動部材を移動させるときに各感光ドラムと転写部材とが擦れることを防止することができる。
(13)ドラム支持部材は、各感光ドラムを転写部材から離間するように付勢する複数の第1付勢部材を、各感光ドラムに対応して備えていてもよい。
【0033】
この場合、装置本体または移動部材は、移動部材が装着位置に装着されている状態で第1付勢部材の付勢力に抗して各感光ドラムを転写部材へ向かって押圧する押圧機構を備えていてもよい。
【0034】
このような構成によれば、常には、第1付勢部材の付勢力により、各感光ドラムを転写部材から離間するように移動させて、各感光ドラムと転写部材とが擦れることを防止することができる。
【0035】
また、ドラム支持部材を装置本体から離脱させたときに、感光ドラムが不用意に動くことを防止することができる。
【0036】
そして、移動部材が装着位置に装着された後、押圧機構により、各感光ドラムを転写部材に接触させて、画像形成することができる。
(14)押圧機構は、各感光ドラムを一体的に押圧するように並列方向に延びる押圧部材を備えていてもよい。
【0037】
このような構成によれば、簡易な構成で、各感光ドラムを、転写部材に対して、接触または離間させることができる。
(15)押圧部材は、各感光ドラムを転写部材へ向かって付勢する複数の第2付勢手段を、各感光ドラムに対応して備えていてもよい。
【0038】
このような構成によれば、各第2付勢部材の付勢力により、各感光ドラムを確実に転写部材に向かって押圧することができる。
(16)第2付勢手段は、第1付勢手段の付勢力よりも強い付勢力を有する板ばねからなってもよい。
【0039】
このような構成によれば、確実に、第1付勢手段の付勢力に抗して、各感光ドラムを転写部材へ向かって押圧することができる。
(17)移動部材は、前記軸線方向に複数の発光部が並列配置されて各感光ドラムを露光する露光部材を備えていてもよい。
【0040】
このような構成によれば、ドラム支持部材を、露光部材に干渉させることなく、移動部材から上側へ離脱させることができる。
【発明の効果】
【0041】
本発明の画像形成装置によれば、各感光ドラムを保持するドラム支持部材が、移動部材が引出位置に引き出されたときに移動部材から上側へ離脱可能に構成されている。
【0042】
そのため、寿命(交換周期)が略同じ複数の感光ドラムをまとめて同時に交換することができる。
【0043】
さらに、ユーザがドラム支持部材を移動部材に対して着脱するときには、移動部材を引出位置に引き出した後に、ドラム支持部材に上側からアクセスすることができる。
【0044】
そのため、装置本体に対して移動可能にするための構成をドラム支持部材に設けることなく、ドラム支持部材の小型化、低コスト化を図ることができる。
【0045】
また、ドラム支持部材を移動部材に対して容易に着脱させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の画像形成装置の一例としてのカラープリンタの第1実施形態を示す断面図である。
【図2】図1に示すカラープリンタのA−A断面図である。
【図3】図1に示すプロセスフレームの前上側から見た斜視図である。
【図4】図1に示すドラムユニットの前上側から見た斜視図である。
【図5】図1に示すプロセスユニットの右側面図である。
【図6】図1に示す本体ケーシングの断面図である。
【図7】図1に示すプロセスユニットの本体ケーシングからの引き出しを説明する説明図であって、フロントカバーが開放され、プロセスユニットが、ブラック感光ドラムが従動ローラに当接する直前まで、引き出された状態を示す。
【図8】図7に続いて、図1に示すプロセスユニットの本体ケーシングからの引き出しを説明する説明図であって、プロセスユニットが、ブラック感光ドラムが従動ローラに当接しないように、前下側へ移動された状態を示す。
【図9】図8に続いて、図1に示すプロセスユニットの本体ケーシングからの引き出しを説明する説明図であって、プロセスユニットが引出位置に引き出された状態を示す。
【図10】引出位置に引き出されたプロセスユニットに対するドラムユニットおよび現像カートリッジの着脱を説明する説明図である。
【図11】カラープリンタの第2実施形態を示す断面図である。
【図12】図11に示すカラープリンタのA−A断面図である。
【図13】図11に示すプロセスフレームの断面図である。
【図14】図11に示すドラムユニットの右側面図であって、(a)は、各感光ドラムがベルトユニットに向かって上側へ進出された状態を示し、(b)は、各感光ドラムがベルトユニットから下側へ退避された状態を示す。
【図15】図11に示すプロセスユニットの断面図である。
【図16】図11に示す本体ケーシングの断面図である。
【図17】図11に示すプロセスユニットの本体ケーシングからの引き出しを説明する説明図であって、プロセスユニットが装着位置に装着されている状態において、フロントカバーが閉位置に配置され、各感光ドラムがベルトユニットに向かって押圧された状態を示す。
【図18】図17に続いて、図11に示すプロセスユニットの本体ケーシングからの引き出しを説明する説明図であって、プロセスユニットが装着位置に装着されている状態において、フロントカバーが開位置に配置され、各感光ドラムがベルトユニットから離間された状態を示す。
【図19】図18に続いて、図11に示すプロセスユニットの本体ケーシングからの引き出しを説明する説明図であって、プロセスユニットが引出位置に引き出された状態を示す。
【図20】引出位置に引き出されたプロセスユニットに対するドラムユニットおよび現像カートリッジの着脱を説明する説明図である。
【図21】カラープリンタの第3実施形態を示す断面図である。
【図22】カラープリンタの第4実施形態に備えられるドラムユニットの右側面図であって、(a)は、各感光ドラムがベルトユニットに向かって上側へ進出された状態を示し、(b)は、各感光ドラムがベルトユニットから下側へ退避された状態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0047】
1.カラープリンタの全体構成
図1および図2に示すように、画像形成装置の一例としてのカラープリンタ1は、横置きタイプの中間転写型カラープリンタである。
【0048】
また、カラープリンタ1は、装置本体の一例としての本体ケーシング2と、本体ケーシング2の上に設けられ、原稿の画像情報を読み取るフラットベッドスキャナ3とを一体的に備える複合機である。
【0049】
カラープリンタ1は、本体ケーシング2内において、用紙Pを給紙するための給紙部4と、給紙された用紙Pに画像を形成するための画像形成部5とを備えている。
(1)本体ケーシング
本体ケーシング2は、給紙部4および画像形成部5を収容する側面視略矩形状のボックス形状に形成されており、その一方側壁には、本体開口部6が形成されており、フロントカバー7が、その下端部を支点として、本体開口部6を閉鎖する閉位置と、本体開口部6を開放する開位置とに揺動(移動)可能に設けられている。
【0050】
フロントカバー7の下端部には、給紙トレイ10(後述)の前端部を露出する開口8が形成されている。また、フロントカバー7には、開口8の上端部から、プロセスフレーム32(後述)の底壁と、用紙搬送部材18(後述)の前端部との間に向かって、後下側へ延びる手差しガイド9が設けられている。
【0051】
なお、以下の説明において、フロントカバー7が設けられる側(図1における紙面左側)を前側とし、その反対側(図1における紙面右側)を後側とする。また、カラープリンタ1を前側から見たときを左右の基準とする。すなわち、図1の紙面手前側が右側であり、紙面奥側が左側である。
(2)給紙部
給紙部4は、用紙Pを収容する給紙トレイ10を備えている。
【0052】
給紙トレイ10は、本体ケーシング2内の底部に着脱自在に装着されている。給紙トレイ10の前壁の上端部には、下側に向かって開放される側断面視略U時形状の把持部11が設けられている。なお、把持部11の上面は、手差しガイド9に対して上下に間隔を隔てて対向配置されており、把持部11の上面と、手差しガイド9との隙間は、給紙トレイ10に収容されている用紙P以外の用紙Pが供給される手差し開口12として区画されている。
【0053】
また、給紙部4には、給紙トレイ10の後端部上側に配置されるピックアップローラ13と、ピックアップローラ13の後側に配置される給紙ローラ14と、給紙ローラ14の下側に対向配置される給紙パッド15と、給紙ローラ14に後側から接触される上下1対のピンチローラ16と、給紙ローラ14の上側に配置され、互いに前後方向に対向される1対のレジストローラ17とが設けられている。
【0054】
そして、給紙トレイ10上の用紙P(図1実線参照)は、ピックアップローラ13の回転により、給紙ローラ14と給紙パッド15との間に送られ、給紙ローラ14の回転により1枚ずつ捌かれる。その後、捌かれた用紙Pは、給紙ローラ14の回転により、給紙ローラ14と各ピンチローラ16との間を順次通過するように、上側の両レジストローラ17間に向けて給紙され、レジストローラ17の回転により、所定のタイミングで、画像形成部5(中間転写ベルト44(後述)と二次転写ローラ41(後述)との間)に供給される(第1搬送経路)。
【0055】
また、給紙部4には、給紙トレイ10と、プロセスフレーム32(後述)の底壁との間において、手差しパス(第2搬送経路)が形成されている。
【0056】
給紙トレイ10には、その上端部において、プロセスフレーム32(後述)の底壁に対向するように、手差しパスの下壁を構成する用紙搬送部材18が設けられている。
【0057】
用紙搬送部材18は、前後方向に延びる略平板形状に形成されており、左右1対の支持部材19(図2参照)および各圧縮ばね20(図2参照)を介して上下に水平移動可能に設けられている(図7および図8参照)。
【0058】
また、用紙搬送部材18は、前後方向に互いに間隔を隔てて、5つのトレイ側搬送部材21を回転可能に備えている。各トレイ側搬送部材21は、1つのトレイ側ローラ軸22と、トレイ側ローラ軸22に相対回転不能に設けられる3つのトレイ側ローラ部材23とを備えている(図2参照)。
【0059】
なお、プロセスフレーム32(後述)の底壁には、各トレイ側搬送部材21に対応するように、5つのプロセス側搬送部材24が回転可能に設けられている。各プロセス側搬送部材24は、1つのプロセス側ローラ軸25と、プロセス側ローラ軸25に相対回転不能に設けられる3つのプロセス側ローラ部材26とを備えている(図2参照)。
【0060】
そして、手差し開口12に供給された用紙P(図1破線参照)は、フロントカバー7の手差しガイド9、および、給紙トレイ10の把持部11の上面によって、最前方のプロセス側搬送部材24と、最前方の各トレイ側搬送部材21とのニップ部に案内され、各プロセス側搬送部材24の駆動、および、各トレイ側搬送部材21の従動により、プロセスフレーム32(後述)の下面と、用紙搬送部材18の上面との間を前方から後方に向かって搬送される(第2搬送経路)。
【0061】
その後、用紙Pは、用紙搬送部材18の後端部において、ピックアップローラ13に案内され、上記したように、ピックアップローラ13の回転により、給紙ローラ14と給紙パッド15との間に送られる。その後、用紙Pは、給紙ローラ14の回転により、給紙ローラ14と各ピンチローラ16との間を順次通過するように、上側の両レジストローラ17間に向けて給紙され、レジストローラ17の回転により、所定のタイミングで、中間転写ベルト44と二次転写ローラ41との対向位置Nに供給される。
(3)画像形成部
画像形成部5は、給紙部4の上側に配置されており、移動部材の一例としてのプロセスユニット27、転写ユニット28および定着ユニット29を備えている。
(3−1)プロセスユニット
プロセスユニット27は、給紙トレイ10の上側において、ピックアップローラ13の前側に、本体ケーシング2内に装着される装着位置と、本体ケーシング2から引き出される引出位置とに、前後方向に沿って移動可能に設けられている。
【0062】
プロセスユニット27は、1つのドラム支持部材の一例としてのドラムユニット30と、各色に対応する4つの現像ユニットの一例としての現像カートリッジ31と、ドラムユニット30および各現像カートリッジ31を着脱可能に保持するプロセスフレーム32とを備えている。
(3−1−1)
ドラムユニット30は、プロセスユニット27の上端部に配置されており、各色に対応する4つの感光ドラム33と、各感光ドラム33に対応する4つのスコロトロン型帯電器34とを一体的に保持している。
【0063】
各感光ドラム33は、前後方向に互いに間隔を隔てて並列配置されている。具体的には、前側から後側に向かって、ブラック感光ドラム33K、イエロー感光ドラム33Y、マゼンタ感光ドラム33Mおよびシアン感光ドラム33Cが、順次配置されている。
【0064】
また、各感光ドラム33は、左右方向に延びる略円筒形状に形成されており、1対のフランジ部材97とドラム軸50とを備えている(図2参照)。
【0065】
両フランジ部材97は、それぞれ、感光ドラム33の左右方向端部に相対回転不能に嵌合されている。
【0066】
ドラム軸50は、左右方向に延びる略円柱形状に形成され、感光ドラム33と中心軸線を共有するように、感光ドラム33内に挿通されている。また、ドラム軸50の左右方向両端部は、左右方向外側へ突出するように、両フランジ部材97に相対回転可能に支持されている。
【0067】
各スコロトロン型帯電器34は、対応する感光ドラム33の後下側に、感光ドラム33と間隔を隔てて対向配置されている。
【0068】
また、ドラムユニット30は、ベルトクリーニングローラ90を備えている。
【0069】
ベルトクリーニングローラ90は、掻き取りローラ88(後述)に上側から接触されるように、ブラック感光ドラム33Kの前側に回転可能に支持されている。
(3−1−2)現像カートリッジ
各現像カートリッジ31は、対応する感光ドラム33の前下側に配置されるように、前後方向に互いに間隔を隔てて並列配置されている。具体的には、前側から後側に向かって、ブラック現像カートリッジ31K、イエロー現像カートリッジ31Y、マゼンタ現像カートリッジ31Mおよびシアン現像カートリッジ31Cが、順次配置されている。
【0070】
また、各現像カートリッジ31は、現像ローラ35を備えている。
【0071】
現像ローラ35は、現像カートリッジ31の上端において、上側(後上側)から露出されるように回転可能に支持されており、感光ドラム33に対して前下側から接触されている。
【0072】
なお、現像カートリッジ31は、現像ローラ35にトナーを供給する供給ローラ36、現像ローラ35に供給されたトナーの厚みを規制する層厚規制ブレード37を備えている。また、各現像カートリッジ31は、供給ローラ36の下側において、各色に対応する現像剤の一例としてのトナーを収容するトナー収容部38を備えている。
【0073】
また、ブラック現像カートリッジ31Kには、廃トナー収容部87と、掻き取りローラ88と、掻き取りブレード89とを備えている。中間転写ベルト44(後述)の表面に残存したトナーは、ベルトクリーニングローラ90によってクリーニングされ、一旦掻き取りローラ88に保持された後、掻き取りブレード89で掻き取られることにより、廃トナー収容部87内に収容される。
(3−1−3)プロセスフレーム
プロセスフレーム32は、前後方向に沿ってスライド可能に設けられ、各感光ドラム33に対応するように4つの露光部材の一例としてのLEDユニット39を備えている。
【0074】
各LEDユニット39は、対応する現像カートリッジ31の後側において、対応する感光ドラム33に下側から対向するように設けられている。LEDユニット39は、所定の画像データに基づいて、対応する感光ドラム33の表面を露光する。
【0075】
詳しくは、各LEDユニット39は、LEDアレイ支持部材91と、LEDアレイ92とを備えている。
【0076】
LEDアレイ支持部材91は、支持ビーム93と、LEDアレイ収容部94とを備えている。
【0077】
支持ビーム93は、左右方向に延びる略角柱形状に形成され、プロセスフレーム32の両側壁72間に架設されている。
【0078】
LEDアレイ収容部94は、左右方向に長手の有底略矩形枠形状に形成され、その底壁において支持ビーム93に連結されている。
【0079】
LEDアレイ92は、左右方向に延びる略杆形状に形成され、左右方向に並列配置される複数の発光部の一例としてのLEDを一体的に保持している。LEDアレイ92は、その下端部において、LEDアレイ収容部94の上端部に相対移動可能に収容され、LEDアレイ収容部94の底壁とLEDアレイ92との間に介在される左右1対の圧縮ばね96により、LEDアレイ収容部94の底壁に弾性的に支持されている。
【0080】
また、LEDアレイ92の左右方向両端部には、LEDアレイ92を感光ドラム33に対して位置決めするLED位置決め部材95が設けられている。
【0081】
LED位置決め部材95は、側面視略矩形平板形状に形成され、LEDアレイ92の左右方向両端縁において、上側に向かってわずかに突出するように設けられている。LED位置決め部材95は、圧縮ばね96の付勢力によって、感光ドラム33に下側から当接されている。これにより、LED位置決め部材95は、LEDアレイ92を、感光ドラム33に対して常に一定の間隔(LED位置決め部材95の突出長さに相当する間隔)を隔てて対向するように位置決めしている。
(3−3)転写ユニット
転写ユニット28は、ベルトユニット40と二次転写ローラ41とを備えている。
【0082】
ベルトユニット40は、装着位置におけるプロセスユニット27の上側において、各感光ドラム33に上側から対向するように、前後方向に沿って配置されている。
【0083】
ベルトユニット40は、駆動ローラ42、従動ローラ43、無端ベルトの一例としての中間転写ベルト44、および、4つの一次転写ローラ45を備えている。
【0084】
駆動ローラ42および従動ローラ43は、前後方向に間隔を隔てて対向配置されている。
【0085】
中間転写ベルト44は、その下側部分が各感光ドラム33に接触されるように、駆動ローラ42および従動ローラ43の周りに掛け渡されている。また、中間転写ベルト44は、駆動ローラ42の駆動により、各感光ドラム33と接触する下側部分が前側から後側に向かって移動するように、周回移動されている。
【0086】
各一次転写ローラ45は、各感光ドラム33と、それぞれ中間転写ベルト44の下側部分を挟んで対向するように、設けられている。各一次転写ローラ45は、その左右方向両端部において、軸受け46(図2参照)および圧縮ばね47(図2参照)を介して、ベルトユニット40に、回転可能、かつ、上下移動可能(図7参照)に支持されている。
【0087】
二次転写ローラ41は、ベルトユニット40の駆動ローラ42と、中間転写ベルト44を挟んで対向するように、ベルトユニット40の後側に設けられている。
(3−4)定着ユニット
定着ユニット29は、二次転写ローラ41の上側に配置され、加熱ローラ48、および、加熱ローラ48に対向する加圧ローラ49を備えている。
(3−5)画像形成動作
(3−5−1)現像動作
現像カートリッジ31内のトナーは、供給ローラ36に供給され、さらに、現像ローラ35に供給される。
【0088】
現像ローラ35に供給されたトナーは、現像ローラ35の回転に伴って、層厚規制ブレード37によって厚さが規制され、一定厚さの薄層として現像ローラ35の表面に担持される。また、現像ローラ35に供給されたトナーは、層厚規制ブレード37と現像ローラ35との間で正極性に摩擦帯電される。
【0089】
一方、感光ドラム33の表面は、感光ドラム33の回転に伴って、スコロトロン型帯電器34により一様に正帯電された後、LEDユニット39により露光される。これにより、用紙Pに形成すべき画像に対応した静電潜像が感光ドラム33の表面に形成される。
【0090】
感光ドラム33がさらに回転すると、現像ローラ35の表面に担持され、かつ、正帯電されているトナーが、感光ドラム33の表面に形成されている静電潜像に供給される。これにより、感光ドラム33の静電潜像は可視像化され、感光ドラム33の表面には、反転現像によるトナー像が担持される。
(3−5−2)転写・定着動作
感光ドラム33の表面に反転現像により担持されたトナー像は、前側から後側へ移動される中間転写ベルト44の下側部分に順次、一次転写される。これにより、中間転写ベルト44にカラー画像が形成される。
【0091】
中間転写ベルト44に形成されたカラー画像は、中間転写ベルト44が二次転写ローラ41との対向位置Nを通過する間に、給紙部4から供給される用紙Pに、二次転写される。
【0092】
そして、用紙Pに転写されたカラー画像は、定着ユニット29において、用紙Pが加熱ローラ48と加圧ローラ49との間を通過する間に、加熱および加圧されることによって用紙Pに熱定着される。
(4)排紙
本体ケーシング2の上面には、用紙Pが排紙される排紙トレイ51が形成されている。また、本体ケーシング2の後側上端部には、排紙トレイ51よりも上側へ突出する排紙部52が形成されている。
【0093】
排紙部52には、排紙トレイ51よりも上側において、用紙Pを排紙する排紙口53が形成されている。また、排紙部52は、排紙口53内において、用紙Pを排紙トレイ51へ搬送する複数(3つ)の排紙ローラ54を備えている。
【0094】
そして、定着ユニット29においてトナー像が定着された用紙Pは、各排紙ローラ54によって、排紙トレイ51上に排紙される。
(5)フラットベッドスキャナ
フラットベッドスキャナ3は、排紙トレイ51の上側に間隔を隔てて、排紙部52の上端部に支持されている。フラットベッドスキャナ3では、原稿が押えカバー55とガラス面56との間に配置された後、CCDセンサ57がスライドすることにより、原稿の画像情報が読み取られる。
2.プロセスユニット
(1)プロセスフレーム
プロセスフレーム32は、図3および図5に示すように、上側が開放された有底略矩形枠形状に形成されている。プロセスフレーム32は、左右方向に間隔を隔てて対向配置され、下流側壁の一例としての前壁151、および、後壁152が架設される1対の側壁72と、第2把持部の一例としてのプロセスフレーム側取っ手82とを備えている。
【0095】
前壁151は、両側壁72の前端部間に架設され、後壁152は、両側壁72の後端部間に架設されている。
【0096】
両側壁72は、4つのドラムガイド部材73と、ガイド部の一例としてのガイドレール74と、第1係合部の一例としての係合部材75とを備えている。また、両側壁72には、第2係合部の一例としての位置決め軸露出溝77と、嵌合部露出溝78と、4つのLED支持穴76とが形成されている。
【0097】
各ドラムガイド部材73は、各感光ドラム33に対応して互いに前後方向に間隔を隔てて並列配置されるように、側壁72の上端部の左右方向内面に固定されている。各ドラムガイド部材73は、側面視略矩形平板形状に形成されている。各ドラムガイド部材73には、ドラムガイド溝79が形成されている。
【0098】
ドラムガイド溝79は、ドラムガイド部材73の上端縁から下側へ向かって、上側へ開放される側面視略U字形状に切り欠き形成されており、感光ドラム33のドラム軸50を受け入れ可能な溝幅(左右方向長さ)を有している。
【0099】
ガイドレール74は、側壁72の上下方向略中央において、側壁72の左右方向外面から左右方向外側へ突出し、前後方向に延びる略直線形状の突条として形成されている。また、ガイドレール74には、傾斜部81が形成されている。また、ガイドレール74の後端部には、前後1対のガイドころ80が設けられている。
【0100】
傾斜部81は、ガイドレール74の前後方向中央より前側において、前側へ向かうに従って下側へ傾斜するように形成されている。なお、ガイドレール74の前端部は、傾斜部81の下端部から連続して前側へ向かって略直線形状に延びている。
【0101】
ガイドころ80は、その上端縁がガイドレール74の上端縁から上側へ露出し、その下端縁がガイドレール74の下端縁から下側へ露出するように、ガイドレール74の後端部に回転可能に支持されている。
【0102】
係合部材75は、側壁72の後側上端部において、側壁72の左右方向内面から左右方向内側へ突出するように、前側へ開放される側面視略U字形状に屈曲された突条として形成されている。また、係合部材75の上壁と下壁とは、互いに、ドラムユニット30の被係合ころ105(後述)を受け入れ可能な間隔を隔てて上下方向に対向配置されている。なお、係合部材75の下壁は、その前端部が、上壁の前端部よりも前側へ突出するように、上壁よりも長い前後方向長さで形成されている。
【0103】
位置決め軸露出溝77は、側壁72の前側上端部において、ガイドレール74の上側に配置されている。位置決め軸露出溝77は、側壁72の上端縁から下側へ向かって、上側へ開放される側面視略U字形状に切り欠き形成されている。
【0104】
嵌合部露出溝78は、側壁72の後端部において、係合部材75の下側、かつ、ガイドレール74の上側に配置されている。嵌合部露出溝78は、側壁72の後端縁から前側へ向かって、後側へ開放される側面視略U字形状に切り欠き形成されている。
【0105】
各LED支持穴76は、ドラムガイド溝79の下側に配置されるように、側壁72の下端部において、前後方向に互いに間隔を隔てて並列配置されている。各LED支持穴76は、側壁72を左右方向に貫通する側面視略矩形状に形成されている。各LED支持穴76には、LEDユニット39の支持ビーム93の左右方向両端部が嵌合される。
【0106】
プロセスフレーム側取っ手82は、プロセスフレーム32の前壁151から前側へ突出するように設けられている。プロセスフレーム側取っ手82は、プロセスフレーム32の左右方向全幅にわたる左右方向長さで、後側が開放される平面視略U字形状に形成されている。
(2)ドラムユニット
ドラムユニット30は、図4に示すように、上側および下側へ開放された略矩形枠形状に形成されている。ドラムユニット30は、前板153および後板154が架設される左右1対の側板101と、位置決め軸106と、第1把持部の一例としてのドラムユニット側取っ手107とを備えている。
【0107】
前板153は、両側壁72の前端部間に架設され、後板154は、両側壁72の後端部間に架設されている。
【0108】
両側板101は、金属板(例えば、鉄板、ステンレス板)などの高い剛性を有する材料から側面視略矩形平板形状に形成され、左右方向に、プロセスフレーム32の両側壁72の左右方向間隔よりも短い間隔を隔てて対向配置されている。両側板101には、位置決め軸挿通穴102と、4つのドラム軸挿通穴103と、第1位置決め部材の一例としての嵌合部104とが形成されている。また、両側板101は、第1突出部の一例としての被係合ころ105を備えている。
【0109】
位置決め軸挿通穴102は、側板101の前端部において、側板101を左右方向に貫通する側面視略円形状に形成されている。位置決め軸挿通穴102の直径は、位置決め軸106の外径と略同径(わずかに大径)である。
【0110】
各ドラム軸挿通穴103は、位置決め軸挿通穴102の後側において、前後方向に互いに間隔を隔てて並列配置されている。また、各ドラム軸挿通穴103は、側板101を左右方向に貫通する側面視略円形状に形成されている。各ドラム軸挿通穴103の直径は、ドラム軸50の外径と略同径(わずかに大径)である。各ドラム軸挿通穴103には、ドラム軸50の左右方向端部が、左右方向外側へ突出するように回転可能に挿通されている。
【0111】
嵌合部104は、側板101の後端部の下側において、側板101の後端縁から前側へ向かって、後側が開放される側面視略U字形状に切り欠き形成されている。
【0112】
被係合ころ105は、ドラムユニット30の後端部において、嵌合部104の上側に配置されている。被係合ころ105は、左右方向に所定の厚みを有する側面視略円板形状に形成されており、側板101の左右方向外面に回転可能に支持されている。すなわち、被係合ころ105は、その厚みの分、側板101から左右方向外側へ突出している。
【0113】
位置決め軸106は、左右方向に延びる略円柱形状に形成され、ドラムユニット30の前端部において、両側板101の位置決め軸挿通穴102に挿通されている。また、位置決め軸106の左右方向両端部は、両側板101の左右方向外面よりも左右方向外側へ突出されている。位置決め軸106の左右方向両端部は、第2突出部および第2位置決め部として機能する。
【0114】
ドラムユニット側取っ手107は、ドラムユニット30の前板153の上端縁から前側へ突出するように設けられている。ドラムユニット側取っ手107は、ドラムユニット30の左右方向全幅にわたる左右方向長さで、平面視略矩形平板形状に形成されている。
【0115】
そして、ドラムユニット30は、図5に示すように、被係合ころ105が、プロセスフレーム32の係合部材75の後端部内に係合され(図3および図4参照)、位置決め軸106が、プロセスフレーム32の位置決め軸露出溝77内に嵌合されることにより、プロセスフレーム32の上端部において、両側壁72間に支持されている。
【0116】
このとき、ドラムユニット側取っ手107の前端部は、プロセスフレーム32の前壁151よりも前側へ突出されている。
【0117】
また、嵌合部104は、側面視において、プロセスフレーム32の嵌合部露出溝78から露出され、位置決め軸106は、プロセスフレーム32の位置決め軸露出溝77から左右方向外側へ突出されている。
【0118】
また、ドラムユニット30は、被係合ころ105を支点として回動可能に支持されている(図10参照)。
3.本体ケーシング
(1)本体ケーシングの構成
本体ケーシング2は、カラープリンタ1の外形を構成する外側ケーシング61(図1参照)と、外側ケーシング61の内側に設けられる内側ケーシング62(図2参照)とを備えている。
【0119】
外側ケーシング61は、樹脂などの絶縁性を有する材料から略ボックス形状に形成されており、前端部において、フロントカバー7を備えている。
【0120】
内側ケーシング62は、金属などの高い剛性を有する材料から、前後方向に延びる略角筒形状に形成されている。また、内側ケーシング62は、プロセスユニット27、ベルトユニット40および給紙トレイ10を収容可能な上下方向長さおよび左右方向長さを有し、上側において外側ケーシング61と間隔を隔てるように、外側ケーシング61内に収容されている。内側ケーシング62の上端部には、ベルトユニット40が収容されている。内側ケーシング62の下端部には、給紙トレイ10が着脱可能に装着されている。
【0121】
また、内側ケーシング62は、図2および図6に示すように、左右1対のガイド板63と、本体基準軸68とを備えている。
【0122】
ガイド板63は、ベルトユニット40と給紙トレイ10との間において、プロセスユニット27に左右方向外側から対向するように、内側ケーシング62の左右方向内面に固定されている。ガイド板63は、樹脂から前後上下に延びる略平板形状に形成され、プロセスフレーム32の移動を案内する。詳しくは、ガイド板63には、プロセスユニット27の後端部を案内する第1ガイド溝64と、プロセスユニット27の前端部を案内する第2ガイド溝65とが形成されている。
【0123】
第1ガイド溝64は、ガイド板63の上下方向略中央において、前後方向に延びる略直線形状に形成されている。第1ガイド溝64は、ガイド板63の左右方向内面から左右方向外側へ向かって凹む凹溝であり、プロセスフレーム32のガイドころ80を受け入れ可能な溝幅(上下方向長さ)で、内側ケーシング62の前後方向ほぼ全幅にわたって形成されている。また、第1ガイド溝64の後端部の下壁には、上側へ膨出する膨出部66が形成されている。また、第1ガイド溝64の前端部の下壁には、下側へ凹む切欠部67が形成されている。
【0124】
膨出部66は、上辺が下辺よりも短い側面視略台形状に形成されている。膨出部66の前面59は、後側へ向かうに従って上側へ傾斜している。膨出部66の上面58は、前面59の上端部から連続して後側へ延びている。また、上面58の後端部には、わずかに下側へ凹む凹部83が形成されている(図6拡大図参照)。なお、第1ガイド溝64の後端部の上壁は、膨出部66に対応するように、上側へ向かって凹んでいる。
【0125】
切欠部67は、下辺が上辺よりも短い側面視略台形状に形成されている。切欠部67の後面は、後側へ向かうに従って上側へ向かって傾斜している。切欠部67の下面は、その後面の下端部から連続して前側へ延びている。
【0126】
また、第1ガイド溝64の切欠部67の後側には、ストッパころ99が設けられている。
【0127】
ストッパころ99は、その上端部が第1ガイド溝64の下壁から上側に露出されるように、ガイド板63に回転可能に支持されている。
【0128】
なお、第1ガイド溝64の前端部の上壁は、ガイドレール74の通過を許容する一方、ガイドころ80の通過を規制するような間隔を隔てて、ストッパころ99に上側から対向するように、下側へ向かって膨出している。
【0129】
第2ガイド溝65は、第1ガイド溝64の前端部の上側において、ドラムユニット30の位置決め軸106を受け入れ可能な溝幅(上下方向長さ)で、前後方向に延びる略直線形状に形成されている。第2ガイド溝65の前端部は、その溝幅が前側に向かうに従って次第に拡がる略テーパ形状に形成されている。また、第2ガイド溝65の後端部の下壁71には、わずかに下側へ凹む凹部84が形成されている(図6拡大図参照)。
【0130】
また、第2ガイド溝65の上側には、押圧カム69が設けられている。
【0131】
押圧カム69は、下側へ向かう頂部を有する側面視略三角形状に形成されている。詳しくは、押圧カム69は、その前面が、後側へ向かうに従って下側へ傾斜するように形成されており、その後面が、前側へ向かうに従って下側へ傾斜するように形成されている。そして、押圧カム69は、その後端部の回動軸70を支点として、その下端部(頂部)が第2ガイド溝65内に進出される進出位置(図3参照)と、その下端部(頂部)が第2ガイド溝65内から退避される退避位置(図示せず)とに回動可能に形成されている。また、押圧カム69は、押圧カム69の上側に接触配置される圧縮ばね60により、常には、下側へ向かって付勢されている。
【0132】
本体基準軸68は、略円柱形状に形成され、内側ケーシング62の後端部において、内側ケーシング62の左右両側壁間に架設されている。
(2)本体ケーシング内でのドラムユニットの位置決め
プロセスユニット27が装着位置に装着されているときには、図1および図6に示すように、ドラムユニット30の位置決め軸106の左右方向両端部は、内側ケーシング62の第2ガイド溝65の凹部84に嵌合されている(図6参照)。また、ドラムユニット30の嵌合部104は、本体ケーシング2の本体基準軸68に前側から外嵌されている。
【0133】
そして、本体ケーシング2の押圧カム69が位置決め軸106の左右方向両端部に前上側から当接されることにより(図6参照)、位置決め軸106は、後下側へ押圧されて、第2ガイド溝65の凹部84に対して位置決めされており、嵌合部104は、本体基準軸68に対して位置決めされている。これにより、ドラムユニット30は、ベルトユニット40に対して位置決めされている。
【0134】
なお、このとき、プロセスフレーム32のガイドころ80は、内側ケーシング62の第1ガイド溝64の凹部83に嵌合されている(図3参照)。また、プロセスユニット27のガイドレール74は、本体ケーシング2のストッパころ99に対して、傾斜部81よりも前側の部分において上側から対向されている。
4.ドラムユニットの本体ケーシングに対する着脱
ドラムユニット30を本体ケーシング2から離脱させるには、まず、図7に示すように、フロントカバー7を開位置に配置させて、本体開口部6を開放する。
【0135】
次いで、プロセスフレーム側取っ手82を把持して、プロセスユニット27を前側へ引き出す。
【0136】
すると、ドラムユニット30の位置決め軸106が、押圧カム69を圧縮ばね60の付勢力に抗して押圧カム69を退避位置へ退避させながら、第2ガイド溝65の凹部84から前上側へ外れる(図6参照)。
【0137】
同時に、プロセスフレーム32のガイドころ80が、内側ケーシング62の第1ガイド溝64の凹部83から前上側へ外れる。
【0138】
これにより、プロセスユニット27は、わずかに上側へ移動され、このプロセスユニット27の移動に伴なって、中間転写ベルト44および各一次転写ローラ45が、圧縮ばね47(図2参照)の付勢力に抗して上側へ移動される。
【0139】
そして、さらにプロセスユニット27を前側へ引き出すと、ドラムユニット30の位置決め軸106が、第1ガイド溝64の前端部から前側へ離脱された後、ブラック感光ドラム33Kが従動ローラ43に当接する直前において、プロセスフレーム32の後側のガイドころ80が、第2ガイド溝65の膨出部66の前面59に対向される。
【0140】
このとき、プロセスフレーム32のガイドレール74は、傾斜部81において、ストッパころ99の上側に対向されている(図5および図6参照)。
【0141】
そして、さらにプロセスユニット27を前側へ引き出すと、図8に示すように、後側のガイドころ80が、膨出部66の前面59の傾斜により前下側へ案内されて、プロセスユニット27が、ブラック感光ドラム33Kが従動ローラ43に当接しないように、前下側へ移動される。
【0142】
このとき、ガイドレール74は、傾斜部81においてストッパころ99の上側を通過し、傾斜部81よりも後側において、ストッパころ99の上側に対向される(図5および図6参照)。また、給紙トレイ10の用紙搬送部材18は、プロセスユニット27の移動に伴って、下方へ移動される。
【0143】
そして、さらにプロセスユニット27を前側へ引き出すと、後側のガイドころ80が第1ガイド溝64内を転がるとともに、ガイドレール74がストッパころ99の上を摺動して、プロセスユニット27が前側へ移動される。
【0144】
そして、図9に示すように、前側のガイドころ80がストッパころ99に後側から当接されることにより、プロセスユニット27のそれ以上の移動が規制され、プロセスユニット27が引出位置に引き出される。
【0145】
これにより、ドラムユニット30がプロセスユニット27から離脱可能となる。
【0146】
次いで、ドラムユニット30を本体ケーシング2から離脱させるには、図10に示すように、プロセスフレーム側取っ手82を把持してプロセスフレーム32を引出位置に位置固定しながら、ドラムユニット30のドラムユニット側取っ手107を把持して、ドラムユニット30の前端部(第2端部)を上側へ持ち上げる。
【0147】
すると、位置決め軸106が位置決め軸露出溝77から上側へ離脱されて、ドラムユニット30が、被係合ころ105(すなわち、ドラムユニット30の後端部(第1端部))を支点として、右側面視時計回りに回動される。
【0148】
次いで、ドラムユニット30を本体ケーシング2から離脱させるには、回動させたドラムユニット30を前側へ引き出してから、上側へ引き抜く。
【0149】
すると、被係合ころ105と、プロセスフレーム32の係合部材75との係合が解除され、ドラムユニット30がプロセスフレーム32から離脱される。なお、このとき、各現像カートリッジ31は、プロセスフレーム32内に装着されている。
【0150】
また、ドラムユニット30を本体ケーシング2内に装着するには、上記した離脱動作と逆に、まず、ドラムユニット30の後端部をプロセスフレーム32の後端部の上側に配置し、被係合ころ105を係合部材75の前端部に係合させるように、ドラムユニット30の後端部をプロセスフレーム32の後端部に挿入する。
【0151】
次いで、ドラムユニット30の後端部を、被係合ころ105を係合部材75の後端部に係合させるように、後側へスライドさせる。
【0152】
次いで、ドラムユニット30を、被係合ころ105を支点として、右側面視反時計回りに回動させて、位置決め軸106を位置決め軸露出溝77内に嵌合させる。
【0153】
これにより、図5に示すように、ドラムユニット30のプロセスフレーム32への装着が完了する。
【0154】
次いで、プロセスユニット27を後側へ向かって本体ケーシング2内に押し込むと、図7に示すように、ガイドころ80が、第1ガイド溝64の膨出部66の上に乗り上げるとともに、位置決め軸106が、第2ガイド溝65内に嵌合される(図6参照)。
【0155】
さらにプロセスユニット27を後側へ向かって本体ケーシング2内に押し込むと、位置決め軸106が、押圧カム69の前面に前側から当接され、圧縮ばね60の付勢力に抗して押圧カム69を退避位置へ退避させながら、後側へ移動される(図6参照)。
【0156】
そして、図6に示すように、位置決め軸106が、退避位置へ退避された押圧カム69の下側を通過して、凹部84内に嵌合されると、同時に、ガイドころ80が、膨出部66の凹部83内に嵌合される。
【0157】
そして、押圧カム69が圧縮ばね60の付勢力により進出位置に進出されると、プロセスユニット27の装着位置への装着が完了する。
【0158】
その後、フロントカバー7を閉位置に配置させる。
5.各現像カートリッジのプロセスフレームに対する着脱
現像カートリッジ31をプロセスフレーム32に対して着脱するには、まず、上記し、図10に示すように、プロセスユニット27を引き出し、ドラムユニット30を右側面視時計回りに回動させて、プロセスフレーム32の上側を開放する。
【0159】
次いで、現像カートリッジ31をプロセスフレーム32から離脱させるときには、現像カートリッジ31をプロセスフレーム32から上側へ引き抜いて離脱させる。
【0160】
また、現像カートリッジ31をプロセスフレーム32に装着するときには、現像カートリッジ31をプロセスフレーム32に上側から挿入して装着する。
6.作用効果
(1)このカラープリンタ1によれば、図10に示すように、各感光ドラム33を保持するドラムユニット30が、プロセスフレーム32に、着脱可能に保持されており、プロセスフレーム32が引出位置に引き出されたときに、プロセスフレーム32から上側へ離脱可能となる。
【0161】
そのため、寿命(交換周期)が略同じ各感光ドラム33をまとめて同時に交換することができる。
【0162】
さらに、ユーザがドラムユニット30をプロセスフレーム32に対して着脱するときには、プロセスフレーム32を引出位置に引き出した後に、ドラムユニット30に上側からアクセスすることができる。
【0163】
その結果、本体ケーシング2に対して移動可能にするための構成をドラムユニット30に設けることなく、ドラムユニット30の小型化、低コスト化を図ることができる。
【0164】
また、ドラムユニット30をプロセスフレーム32に対して容易に着脱させることができる。
(2)また、このカラープリンタ1によれば、図10に示すように、ドラムユニット30が、プロセスフレーム32の後端部(第1端部)を支点として、その前端部(第2端部)が回動されることにより、プロセスフレーム32に対して着脱可能である。
【0165】
そのため、ユーザがドラムユニット30をプロセスフレーム32に対して着脱するときに、プロセスフレーム32を引出位置に引き出した後、手前側(前側)からドラムユニット30にアクセスすることができる。
【0166】
その結果、ドラムユニット30をプロセスフレーム32に対して容易に着脱させることができる。
(3)また、このカラープリンタ1によれば、図3および図4に示すように、ドラムユニット30が、後端部に設けられる被係合ころ105と、前端部に設けられる位置決め軸106とを備えており、プロセスフレーム32が、被係合ころ105の回動を許容しながら位置決めするように被係合ころ105に係合される係合部材75と、ドラムユニット30の回動を許容するように位置決め軸106に係合される位置決め軸露出溝77とを備えている。
【0167】
そのため、簡易な構成で、後端部に設けられる被係合ころ105を支点として、ドラムユニット30の前端部を回動させることができる。
(4)また、このカラープリンタ1によれば、図4に示すように、ドラムユニット30が、その前端部において、ドラムユニット側取っ手107を備えている。
【0168】
そのため、ドラムユニット30の前端部を容易に把持することができる。
【0169】
その結果、ドラムユニット30をプロセスフレーム32に対して、より容易に着脱させることができる。
(5)また、このカラープリンタ1によれば、図3に示すように、プロセスフレーム32は、その前端部から前側へ突出するプロセスフレーム側取っ手82を備えている。
【0170】
そのため、プロセスフレーム32の前端部を容易に把持することができ、プロセスフレーム32を容易に移動させることができながら、ドラムユニット30をプロセスフレーム32に対して着脱させるときには、プロセスフレーム側取っ手82を把持してプロセスフレーム32を位置固定することができる。
【0171】
その結果、プロセスフレーム32を容易に移動させることができながら、ドラムユニット30をプロセスフレーム32に対して、より容易に着脱させることができる。
(6)また、このカラープリンタ1によれば、図3に示すように、両側壁72が、プロセスフレーム32の本体ケーシング2に対する移動を案内するガイドレール74を備えている。
【0172】
そのため、プロセスフレーム32を本体ケーシング2に対して円滑に移動させることができる。
(7)また、このカラープリンタ1によれば、図2に示すように、両側壁72がドラムユニット30の左右方向外側に対向配置されている。
【0173】
そのため、左右方向において、ドラムユニット30をプロセスフレーム32の内側に配置させることができる。
【0174】
その結果、ドラムユニット30を左右方向に小型化することができる。
(8)また、このカラープリンタ1によれば、図10に示すように、プロセスフレーム32が4つの現像カートリッジ31を備えており、各現像カートリッジ31がドラムユニット30を回動させることにより、プロセスフレーム32に対して着脱可能となる。
【0175】
そのため、寿命(交換周期)が略等しい各感光ドラム33を一体的にメンテナンスすることができながら、それぞれ寿命が異なる各現像カートリッジ31を個別にメンテナンスすることができる。
(9)また、このカラープリンタ1によれば、図4に示すように、ドラムユニット30が各感光ドラム33を回転可能に位置固定している。
【0176】
そのため、ドラムユニット30をベルトユニット40に対して位置決めすれば、各感光ドラム33をベルトユニット40に対して一体的に位置決めすることができる。
(10)また、このカラープリンタ1によれば、図4に示すように、ドラムユニット30が、両側板101の後端部に嵌合部104を備え、両側板101の前端部に位置決め軸106を備えている。
【0177】
そのため、図6に示すように、ドラムユニット30を、その前後方向両端部において、本体ケーシング2に位置決めすることができる。
(11)また、このカラープリンタ1によれば、図3に示すように、ガイドレール74は、位置決め軸露出溝77の下側に設けられている。
【0178】
そのため、位置決め軸露出溝77および位置決め軸106に干渉させることなく、ガイドレール74を効率よく配置することができる。
(12)また、このカラープリンタ1によれば、図1に示すように、各感光ドラム33を露光する各LEDユニット39がプロセスフレーム32に設けられている。
【0179】
そのため、ドラムユニット30を、各LEDユニット39に干渉させることなく、プロセスフレーム32から上側へ離脱させることができる。
7.第2実施形態
図11〜図20を参照して、カラープリンタ1の第2実施形態を説明する。なお、第2実施形態において、第1実施形態と同様の部材には、同様の符号を付し、その説明を省略する。
【0180】
上記した第1実施形態では、各感光ドラム33をドラムユニット30に回転可能に位置固定して、ドラムユニット30をベルトユニット40に対して位置決めしたが、第2実施形態では、図14に示すように、各感光ドラム33をドラムユニット30に回転可能かつ上下方向に移動可能に設けて、各感光ドラム33をベルトユニット40に対して位置決めする。
(1)第2実施形態の全体構成
図11に示すように、第2実施形態では、上記した第1実施形態(図1参照)に対して、フラットベッドスキャナ3と本体基準軸68とを備えていない。
【0181】
また、第2実施形態の感光ドラム33は、図12に示すように、ドラム軸50を備えておらず、両フランジ部材97には、その左右方向外面から左右方向外側へ突出される突出部98が設けられている。
【0182】
突出部98は、感光ドラム33と中心軸線を共有し、左右方向に延び、フランジ部材97よりも小径の略円筒形状に形成されている。
【0183】
また、第2実施形態では、感光ドラム33とスコロトロン型帯電器34は、図示しないフレームを介してユニット化されており、ドラムユニット30に一体的に(1つのユニットとして)支持されている。
(2)プロセスユニット
(2−1)プロセスフレーム
プロセスフレーム32は、図12および図13に示すように、上側が開放された有底略矩形枠形状に形成されている。プロセスフレーム32は、左右方向に間隔を隔てて対向配置され、前壁151および後壁152が架設される1対の側壁121を備えている。
【0184】
両側壁121は、左右方向内側に設けられる内側側壁122と、左右方向外側に設けられる外側側壁123とを一体的に備えている。
【0185】
内側側壁122は、前後方向に延びる側面視略矩形平板形状に形成されている。内側側壁122には、4つのドラムガイド溝124と、第1係合部の一例としての後側係合溝125と、第2係合部の一例として前側係合溝126とが形成されている。
【0186】
各ドラムガイド溝124は、内側側壁122の上端縁から下側へ向かって、上側が開放される側面視略U字形状に切り欠き形成されており、各感光ドラム33に対応して互いに前後方向に間隔を隔てて並列配置されている。各ドラムガイド溝124は、感光ドラム33のフランジ部材97の突出部98を受け入れ可能な溝幅(左右方向長さ)を有している。
【0187】
後側係合溝125は、内側側壁122の後側上端部において、最後方のドラムガイド溝124の後側に形成されている。後側係合溝125は、前後方向に延びる側面視略矩形状に形成されている。また、後側係合溝125の上端部は、その前側半分において、ドラムユニット30の後側ころ138(後述)を受け入れ可能な前後方向長さで、上側に向かって開放されている。後側係合溝125の溝幅(上下方向長さ)は、ドラムユニット30の後側ころ138(後述)の直径と略同径(わずかに大径)に形成されている。
【0188】
前側係合溝126は、内側側壁122の前側上端部に形成されている。前側係合溝126は、内側側壁122の上端縁から下側へ向かって切り欠かれ、上側が開放される側面視略U字形状に形成されている。前側係合溝126の溝幅(前後方向長さ)は、ドラムユニット30の前側ころ139(後述)の直径と略同径(わずかに大径)に形成されている。なお、前側係合溝126内には、前側係合溝126の後壁の上端部から前側へわずかに突出する干渉突起127が設けられている。
【0189】
外側側壁123は、内側側壁122の上端部の左右方向外側に対向配置されており、
前後方向に延びる側面視略矩形平板形状に形成されている。外側側壁123の上下方向長さは、ドラムガイド溝124の上下方向長さよりも短く形成されている。また、外側側壁123の上端縁は、左右方向に投影したときに、内側側壁122の上端縁と重なるように配置されている。これにより、左右方向に投影したときには、外側側壁123の下側において、ドラムガイド溝124の下端部が露出されている。
【0190】
また、外側側壁123は、図17に示すように、ガイドレール131を備えている。
【0191】
ガイドレール131は、外側側壁123の上端部において、外側側壁123の左右方向外面から左右方向外側へ突出し、前後方向に延びる略直線形状の突条として形成されている。また、ガイドレール131の後端部には、前後1対のガイドころ80が設けられている。
(2−2)ドラムユニット
ドラムユニット30は、図12および図14に示すように、上側および下側が開放された略矩形枠形状に形成されている。ドラムユニット30は、左右方向に間隔を隔てて対向配置され、前板153および後板154が架設される1対の側板136を備えている。
【0192】
両側板136は、側面視略矩形平板形状に形成されている。両側板136には、4つのフランジ挿通穴137と、圧縮ばね収容部135とが形成されている。また、両側板136は、第1突出部の一例としての後側ころ138と、第2突出部の一例としての前側ころ139とを備えている。
【0193】
各フランジ挿通穴137は、各感光ドラム33に対応して、前後方向に互いに間隔を隔てて並列配置されている。また、各フランジ挿通穴137は、上下方向に延びる側面視略長穴形状に貫通形成されている。各フランジ挿通穴137の前後方向長さは、フランジ部材97の突出部98の外径と略同径(わずかに大径)である。各フランジ挿通穴137の上下方向長さは、フランジ部材97の突出部98の外径よりも大径である。各フランジ挿通穴137には、フランジ部材97の突出部98が、左右方向外側へ突出するように、相対回転可能に挿通されている。
【0194】
圧縮ばね収容部135は、フランジ挿通穴137の上端部から連続して上側へ向かって、側面視略矩形状に切り欠き形成されている。圧縮ばね収容部135には、第1付勢部材の一例としての圧縮ばね140が収容されている。
【0195】
圧縮ばね140は、その一端部が圧縮ばね収容部135の上壁に接続されている。圧縮ばね140には、その他端部において、摺擦部材141が接続されている。
【0196】
摺擦部材141は、上側が開放された側面視略U字形状に形成されており、感光ドラム33のフランジ部材97の突出部98に上側から当接されている。
【0197】
そして、感光ドラム33の突出部98は、圧縮ばね140の付勢力によって、常には、下側へ退避されて、フランジ挿通穴137の下端部に支持される(図14(b)参照)。これにより、感光ドラム33は、中間転写ベルト44から下側へ離間される(図18参照)。
【0198】
また、感光ドラム33の突出部98は、下側から押圧されることにより、圧縮ばね140の付勢力に抗して、上側へ進出され、フランジ挿通穴137の上端部に支持される(図14(a)参照)。これにより、感光ドラム33は、中間転写ベルト44に下側から接触される(図17参照)。
【0199】
後側ころ138は、側板136の後側上端部に設けられている。後側ころ138は、左右方向に所定の厚みを有する側面視略円板形状に形成されており、側板136の左右方向外面に回転可能に支持されている。すなわち、後側ころ138は、その厚みの分、側板136から左右方向外側へ延びている。
【0200】
前側ころ139は、側板136の前側上端部に設けられている。前側ころ139は、左右方向に所定の厚みを有する側面視略円板形状に形成されており、側板136の左右方向外面に回転可能に支持されている。すなわち、前側ころ139は、その厚みの分、側板136から左右方向外側へ延びている。
【0201】
そして、ドラムユニット30は、図15に示すように、後側ころ138が、プロセスフレーム32の後側係合溝125の後端部内に嵌合され、前側ころ139が、プロセスフレーム32の前側係合溝126内に嵌合されることにより、プロセスフレーム32の上端部に支持されている。これにより、ドラムユニット30は、後側ころ138を支点として回動可能に支持されている(図20参照)。
【0202】
また、このとき、各感光ドラム33のフランジ部材97の突出部98は、プロセスフレーム32のドラムガイド溝124内に嵌合されている。詳しくは、突出部98の左右方向両端部は、外側側壁123の左右方向内面に左右方向内側から対向するように、内側側壁122よりも左右方向外側へ突出されている(図12参照)。また、突出部98の左右方向両端部の下端部は、左右方向外側から左右方向内側へ投影したときに、外側側壁123の下側に露出されている(図12および図15参照)。
(3)本体ケーシング
(3−1)本体ケーシングの構成
本体ケーシング2の内側ケーシング62は、図12および図16に示すように、左右1対のドラム位置決め部材111、左右1対のガイド板112、および、左右1対の押圧機構113を備えている。
【0203】
両ドラム位置決め部材111は、内側ケーシング62の上端部において、ベルトユニット40を左右方向外側から挟むように、左右方向に互いに間隔を隔てて対向配置されている。両ドラム位置決め部材111は、前後上下に延びる側面視略矩形(図17参照)の略平板形状に形成されている。両ドラム位置決め部材111は、その上端部において、内側ケーシング62の上壁に固定されている。また、各ドラム位置決め部材111の下端部には、各感光ドラム33に対応するように、4つのドラム位置決め溝114が形成されている。
【0204】
各ドラム位置決め溝114は、ドラム位置決め部材111の下端縁から上側へ向かって、下側へ開放される側面視略U字形状に切り欠かれ、前後方向に互いに間隔を隔てて並列配置されている。各ドラム位置決め溝114は、感光ドラム33のフランジ部材97の上端部を受け入れ可能な溝幅(左右方向長さ)に形成されている。
【0205】
両ガイド板112は、内側ケーシング62の上側半分において、下端部が感光ドラム33の突出部98よりも下側に配置されるように、内側ケーシング62の左右方向内面に固定されている。両ガイド板112は、樹脂から前後上下に延びる略平板形状に形成され、プロセスフレーム32の移動を案内する。詳しくは、両ガイド板112には、プロセスユニット27を案内するガイド溝115が形成されている。
【0206】
ガイド溝115は、ガイド板112の上下方向略中央において、前後方向に延びる略直線形状に形成されている。ガイド溝115は、ガイド板112の左右方向内面から左右方向外側へ向かって凹む凹溝であり、プロセスフレーム32のガイドころ80を受け入れ可能な溝幅(上下方向長さ)で、内側ケーシング62の前後方向ほぼ全幅にわたって形成されている。なお、ガイド溝115の前端部は、ガイドレール131の通過を許容しながらガイドころ80の通過を規制するように、その溝幅(上下方向長さ)が狭められている。
【0207】
なお、ガイド板112は、ガイド溝115の前端部(溝幅(上下方向長さ)が狭められている部分)において、本体ころ117を備えている。
【0208】
本体ころ117は、ガイド溝115の下壁から上側に露出されるように、回転可能に支持されている。
【0209】
両押圧機構113は、平行リンク機構であり、ガイド板112において、感光ドラム33の突出部98の下側に設けられている。両押圧機構113は、固定リンク部材116と、押圧部材の一例としての可動リンク部材118と、6つのジョイント部材119とを備えている。
【0210】
固定リンク部材116は、ガイド板112の下端部に、感光ドラム33の突出部98の下側に間隔を隔てて設けられている。固定リンク部材116は、ガイド板112の左右方向内面から左右方向内側へ突出し、前後方向に延びる側面視略直線形状の突条として形成されている。
【0211】
可動リンク部材118は、前後方向に延びる略杆形状に形成されており、固定リンク部材116と平行に設けられている。可動リンク部材118は、固定リンク部材116の左右方向長さ(左右方向内側への突出長さ)よりも長い左右方向長さに形成されている。これにより、可動リンク部材118の左右方向内側端部は、固定リンク部材116の左右方向内側端部よりも左右方向内側へ突出されている。また、可動リンク部材118は、4つの板ばね部材120を備えている。
【0212】
各板ばね部材120は、可動リンク部材118の上面に固定されており、各感光ドラム33に対応するように、前後方向に互いに間隔を隔てて並列配置されている。各板ばね部材120は、前後方向に延びる金属板からなり、その前後方向両端部が下側へ屈曲されて、上底が下底よりも短い側面視略台形状に形成されている。各板ばね部材120は、圧縮ばね140の下側への付勢力よりも強い上側への付勢力を有している。
【0213】
各ジョイント部材119は、前後方向に互いに間隔を隔てて並列配置されている。詳しくは、各ジョイント部材119は、可動リンク部材118の前後方向両端部と、各板ばね部材120の前側近傍とに、1つずつ設けられている。各ジョイント部材119は、略長方形状に形成されており、その一端部において、可動リンク部材118の下端部に回動可能に連結されており、その他端部において、固定リンク部材116の上端部に回動可能に連結されている。
【0214】
これにより、押圧機構113は、各ジョイント部材119が上下方向に起立されて、可動リンク部材118が上側へ進出する押圧位置(図17参照)と、各ジョイント部材119が前後方向(詳しくは、前上側と後下側とを結ぶ方向)に沿うように傾倒されて、可動リンク部材118が下側へ退避される押圧解除位置(図18参照)とに移動可能に設けられている。
【0215】
また、本体ケーシング2には、フロントカバー7の上下方向略中央において、可動リンク部材118の前端部に当接される左右1対の当接突起110が設けられている。
【0216】
両当接突起110は、側面視略矩形平板形状に形成されている。また、両当接突起110は、フロントカバー7が閉位置に配置されているときに、プロセスフレーム32の内側側壁122と固定リンク部材116との間に挿通されるように、左右方向に間隔を隔てて対向配置されている。なお、両当接突起110の厚み(左右方向長さ)は、プロセスフレーム32の内側側壁122と固定リンク部材116との左右方向間隔よりも薄い(短い)。
【0217】
また、両当接突起110は、連動部109を備えている。
【0218】
連動部109は、フロントカバー7が閉位置に配置されている状態において、当接突起110の後端部から上側へ突出するように、上辺が下辺よりも短い側面視略台形状に形成されている。また、連動部109の後面は、後側へ向かうに従って下側へ傾斜されている。
【0219】
そして、フロントカバー7が開位置に配置されているときには、両押圧機構113は、可動リンク部材118の自重により各ジョイント部材119が傾倒されて、押圧解除位置に配置されている。
【0220】
そして、フロントカバー7が開位置から閉位置へ移動されると、フロントカバー7の両当接突起110の連動部109が、両可動リンク部材118の前端部の左右方向内側端部に前下側から当接されて、両可動リンク部材118を後上側へ押圧する。
【0221】
すると、両押圧機構113は、当接突起110からの押圧力により、各ジョイント部材119が起立され、フロントカバー7が閉位置へ配置されたときに、押圧位置に配置される(図17参照)。
(3−2)本体ケーシング内での各感光ドラムの位置決め
プロセスユニット27が装着位置に装着されている状態で、フロントカバー7が閉位置に配置されると、図12および図17に示すように、押圧機構113は、押圧位置に配置され、各感光ドラム33の両フランジ部材97の突出部98を下側から押圧する。なお、各突出部98には、可動リンク部材118の各板ばね部材120が下側から当接される。
【0222】
すると、各感光ドラム33は、可動リンク部材118からの押圧により、圧縮ばね140の付勢力に抗して上側へ移動される。
【0223】
そして、各感光ドラム33の両フランジ部材97が、ドラム位置決め部材111のドラム位置決め溝114に下側から嵌合されると、各感光ドラム33が内側ケーシング62に対して位置決めされ、ベルトユニット40に対して位置決めされる。
【0224】
なお、このとき、プロセスフレーム32のガイドころ80は、内側ケーシング62のガイド溝115の後端部に嵌合されている。また、プロセスユニット27のガイドレール131の前端部は、本体ケーシング2の本体ころ117に対して上側から対向されている。
(4)ドラムユニットの本体ケーシングに対する着脱
ドラムユニット30を本体ケーシング2から離脱させるには、図18に示すように、まず、フロントカバー7を開位置に配置させて、本体開口部6を開放する。
【0225】
すると、上記したように、押圧機構113が押圧解除位置に配置されて、各感光ドラム33が中間転写ベルト44から下側へ離間される。
【0226】
次いで、プロセスフレーム側取っ手82を把持して、プロセスユニット27を前側へ引き出す。
【0227】
すると、後側のガイドころ80がガイド溝115内を転がるとともに、ガイドレール131が本体ころ117の上を摺動して、プロセスユニット27が前側へ移動される。
【0228】
そして、図19に示すように、前側のガイドころ80が、ガイド溝115の前端部(溝幅(上下方向長さ)が狭められている部分)に後側から当接されることにより、プロセスユニット27のそれ以上の移動が規制され、プロセスユニット27が引出位置に引き出される。
【0229】
次いで、ドラムユニット30を本体ケーシング2から離脱させるには、図20に示すように、プロセスフレーム側取っ手82を把持してプロセスフレーム32を引出位置に位置固定しながら、ドラムユニット30のドラムユニット側取っ手107を把持して、ドラムユニット30の前端部を上側へ持ち上げる。
【0230】
すると、ドラムユニット30の前側ころ139がプロセスフレーム32の前側係合溝126から上側へ外れて、ドラムユニット30が、後側ころ138を支点として、右側面視時計回りに回動される。
【0231】
次いで、ドラムユニット30を本体ケーシング2から離脱させるには、回動させたドラムユニット30を前側へ引き出してから、上側へ引き抜く。
【0232】
すると、後側ころ138と、プロセスフレーム32の後側係合溝125との係合が解除され、ドラムユニット30がプロセスフレーム32から離脱される。なお、このとき、各現像カートリッジ31は、プロセスフレーム32内に装着されている。
【0233】
なお、ドラムユニット30を本体ケーシング2内に装着するには、上記した離脱動作と逆に、まず、ドラムユニット30の後端部をプロセスフレーム32の後端部の上側に配置し、後側ころ138を後側係合溝125の前端部に係合させるように、ドラムユニット30の後端部をプロセスフレーム32の後端部に挿入する。
【0234】
次いで、ドラムユニット30の後端部を、後側ころ138を後側係合溝125の後端部に係合させるように、後側へスライドさせる。
【0235】
次いで、ドラムユニット30を、後側ころ138を支点として、右側面視反時計回りに回動させて、前側ころ139を前側係合溝126内に嵌合させる。
【0236】
これにより、ドラムユニット30のプロセスフレーム32への装着が完了する。
【0237】
次いで、プロセスユニット27を後側へ向かって本体ケーシング2内に押し込むと、図18に示すように、ガイドころ80がガイド溝115の後端部に前側から当接されて、プロセスユニット27が装着位置へ装着される。
【0238】
そして、フロントカバー7を開位置から閉位置へ移動させると、上記し、図17に示すように、押圧機構113が押圧解除位置から押圧位置へ移動されて、各感光ドラム33の両フランジ部材97が、ドラム位置決め部材111のドラム位置決め溝114に下側から嵌合される。
【0239】
これにより、各感光ドラム33が、内側ケーシング62に対して位置決めされるとともに、中間転写ベルト44に下側から接触され、ドラムユニット30の本体ケーシング2に対する装着が完了する。
(5)各現像カートリッジのプロセスフレームに対する着脱
現像カートリッジ31をプロセスフレーム32に対して着脱するには、第1実施形態と同様に、まず、上記し、図20に示すように、プロセスユニット27を引き出し、ドラムユニット30を右側面視時計回りに回動させて、プロセスフレーム32の上側を開放する。
【0240】
次いで、現像カートリッジ31をプロセスフレーム32から離脱させるときには、現像カートリッジ31をプロセスフレーム32から上側へ引き抜いて離脱させる。
【0241】
また、現像カートリッジ31をプロセスフレーム32に装着するときには、現像カートリッジ31をプロセスフレーム32に上側から挿入して装着する。
(6)作用効果
(6−1)第2実施形態のカラープリンタ1によれば、図14に示すように、ドラムユニット30が各感光ドラム33を回転可能かつ移動可能に支持している。
【0242】
そして、プロセスユニット27を引き出すためにフロントカバー7を開位置に移動させることにより、各感光ドラム33をベルトユニット40から離間するように移動させ、プロセスユニット27を装着してフロントカバー7を閉位置に移動させることにより、各感光ドラム33をベルトユニット40に接触させている。
【0243】
そのため、プロセスユニット27を移動させるときに、各感光ドラム33とベルトユニット40とが擦れることを防止することができる。
【0244】
また、各感光ドラム33をドラムユニット30に対して位置決めする必要がないため、ドラムユニット30に高い位置決め精度が要求されない。そのため、ドラムユニット30を、金属などの剛性の高い材質を使わずに、樹脂などの比較的軽量な材質から形成することができ、ドラムユニット30を軽量化することができる。
(6−2)また、第2実施形態のカラープリンタ1によれば、図14に示すように、ドラムユニット30が、各感光ドラム33をベルトユニット40から離間するように付勢する圧縮ばね140を、各感光ドラム33に対応して備えている。
【0245】
そのため、常には、圧縮ばね140の付勢力により、各感光ドラム33をベルトユニット40から離間するように移動させて、各感光ドラム33とベルトユニット40とが擦れることを防止することができる。
【0246】
また、図20に示すように、ドラムユニット30をカラープリンタ1から離脱させたときに、ドラムユニット30内で感光ドラム33が不用意に動くことを防止することができる。
【0247】
そして、図17に示すように、本体ケーシング2が、プロセスユニット27が装着位置に装着されている状態で圧縮ばね140の付勢力に抗して各感光ドラム33をベルトユニット40へ向かって押圧する押圧機構113を備えている。
【0248】
そのため、プロセスユニット27が装着位置に装着された後、押圧機構113により、各感光ドラム33をベルトユニット40に接触させて、画像形成することができる。
(6−3)また、第2実施形態のカラープリンタ1によれば、図17に示すように、押圧機構113が各感光ドラム33を一体的に押圧するように前後方向に延びる可動リンク部材118を備えている。
【0249】
そのため、簡易な構成で、各感光ドラム33を、ベルトユニット40に対して、接触または離間させることができる。
(6−4)また、第2実施形態のカラープリンタ1によれば、図17に示すように、可動リンク部材118が、各感光ドラム33をベルトユニット40へ向かって付勢する板ばね部材120を、各感光ドラム33に対応して備えている。
【0250】
そのため、各板ばね部材120の付勢力により、各感光ドラム33を確実にベルトユニット40に向かって押圧することができる。
(6−5)また、第2実施形態のカラープリンタ1によれば、板ばね部材120が圧縮ばね140の付勢力よりも強い付勢力を有している。
【0251】
そのため、確実に、圧縮ばね140の付勢力に抗して、各感光ドラム33をベルトユニット40へ向かって押圧することができる。
(6−6)
また、第2実施形態のカラープリンタ1においても、上記した第1実施形態のカラープリンタ1と同様の作用効果を得ることができる。
8.第3実施形態
図21を参照して、カラープリンタ1の第3実施形態を説明する。なお、第3実施形態において、第2実施形態と同様の部材には、同様の符号を付し、その説明を省略する。
【0252】
上記した第2実施形態では、フロントカバー7に、可動リンク部材118に当接される当接突起110を設けたが、第3実施形態では、図21に示すように、当接突起110を、プロセスフレーム32の後端部の左右方向両端部に設ける。
【0253】
なお、この場合には、可動リンク部材118を、固定リンク部材116の左右方向長さ(左右方向内側への突出長さ)と同じ左右方向長さに形成し、その後端部のみ、当接突起110が前側から当接されるように、固定リンク部材116の左右方向内側端部よりも左右方向内側へ突出させる。
【0254】
第3実施形態によれば、押圧機構113の押圧位置と押圧解除位置とへの移動は、プロセスユニットのスライド動作に連動される。
【0255】
具体的には、プロセスユニット27を装着位置に装着させたときに、可動リンク部材118の後端部に当接突起110が当接されて、押圧機構113が押圧位置に配置される。
【0256】
また、プロセスユニット27を装着位置から前方に引き出されると、可動リンク部材118の後端部から当接突起110が前側へ離間されて、押圧機構113が押圧解除位置に配置される。
【0257】
第3実施形態のカラープリンタ1においても、上記した第2実施形態のカラープリンタ1と同様の作用効果を得ることができる。
9.第4実施形態
図22を参照して、カラープリンタ1の第4実施形態を説明する。なお、第4実施形態において、第2実施形態と同様の部材には、同様の符号を付し、その説明を省略する。
【0258】
上記した第2実施形態では、各感光ドラム33を、ドラムユニット30に上下方向にスライド可能に設けたが、第4実施形態では、図22に示すように、感光ドラム33およびスコロトロン型帯電器34を一体的に保持するフレーム(図示せず)に回動軸145を設け、各感光ドラム33を、回動軸145を支点として回動可能とする。
【0259】
第4実施形態のカラープリンタ1においても、上記した第2実施形態のカラープリンタ1と同様の作用効果を得ることができる。
【0260】
なお、上記した第3実施形態と第4実施形態とは、互いに組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0261】
1 カラープリンタ
2 本体ケーシング
27 プロセスユニット
30 ドラムユニット
31 現像カートリッジ
33 感光ドラム
39 LEDユニット
40 ベルトユニット
44 中間転写ベルト
72 側壁
74 ガイドレール
75 係合部材
77 位置決め軸露出溝
82 プロセスフレーム側取っ手
101 側板
104 嵌合部
105 被係合ころ
106 位置決め軸
107 ドラムユニット側取っ手
113 押圧機構
118 押圧部材
120 板ばね部材
121 側壁
125 後側嵌合溝
126 前側嵌合溝
131 ガイドレール
136 側板
138 後側ころ
139 前側ころ
140 圧縮ばね
151 前壁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置本体と、
互いに間隔を隔てて並列配置される複数の現像ユニットを支持し、前記装置本体に装着される装着位置と前記装置本体から引き出される引出位置とに移動可能な移動部材と、
前記複数の現像ユニットに対応して前記現像ユニットの上側に配置される複数の感光ドラムを一体的に支持し、前記移動部材に着脱可能に支持されるドラム支持部材と、
前記移動部材が前記装着位置に装着されているときに、前記移動部材の上側に配置される無端ベルトを有するベルトユニットと
を備え、
前記ドラム支持部材は、前記移動部材が前記引出位置に引き出されたときに、前記複数の現像ユニットが前記移動部材に支持された状態で、前記移動部材に対して上側へ離脱可能に構成されていることを特徴とする、画像形成装置。
【請求項2】
前記ドラム支持部材は、前記移動部材の引出方向上流側の第1端部と、前記引出方向下流側の第2端部とを有し、前記第1端部を支点として、前記第2端部が回動することにより、前記移動部材に対して着脱可能に構成されていることを特徴とする、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記ドラム支持部材は、
前記感光ドラムの軸線方向に互いに間隔を隔てて対向配置され、各前記感光ドラムを回転可能に支持する1対の側板と、
両前記側板の前記引出方向上流側端部に設けられ、前記軸線方向に突出する第1突出部と、
両前記側板の前記引出方向下流側端部に設けられ、前記軸線方向に突出する第2突出部と
を備え、
前記移動部材は、
前記軸線方向に互いに間隔を隔てて対向配置される1対の側壁と、
両前記側壁の前記引出方向上流側端部に設けられ、前記第1突出部の回動を許容しながら前記移動部材に対して前記第1突出部を位置決めするように前記第1突出部に係合される第1係合部と、
両前記側壁の前記引出方向下流側端部に設けられ、前記ドラム支持部材の回動を許容するように前記第2突出部に係合される第2係合部と
を備えることを特徴とする、請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記移動部材は、両前記側壁の前記引出方向下流側端部間に架設される下流側壁を備え、
前記ドラム支持部材は、前記下流側壁よりも前記引出方向下流側へ突出し、前記ドラム支持部材を着脱するときに把持するための第1把持部を備えていることを特徴とする、請求項1ないし3のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記移動部材は、前記引出方向下流側へ突出し、前記移動部材を移動させるときに把持するための第2把持部を備えていることを特徴とする、請求項1ないし4のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
両前記側壁は、前記移動部材の前記装置本体に対する移動を案内するガイド部を備えていることを特徴とする、請求項1ないし5のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
両前記側壁は、前記ドラム支持部材の前記軸線方向外側に対向配置されていることを特徴とする、請求項1ないし6のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
各前記現像ユニットは、前記ドラム支持部材を回動させることにより、前記移動部材に対して着脱可能となることを特徴とする、請求項1ないし7のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記ドラム支持部材は、各前記感光ドラムを回転可能に位置固定していることを特徴とする、請求項1ないし8のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項10】
ドラム支持部材は、
両前記側板の前記引出方向上流側端部において、前記軸線方向外側から投影したときに前記側壁から露出され、前記装置本体に対して位置決めされる第1位置決め部と、
両前記側板の前記引出方向下流側端部において、前記軸線方向外側から投影したときに前記側壁から露出され、前記装置本体に対して位置決めされる第2位置決め部と
を備えていることを特徴とする、請求項9に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記第2係合部は、前記側壁の上端縁から下側へ向かって切り欠かれる凹溝であり、
前記第2突出部は、前記第2位置決め部として機能するように、前記側壁よりも前記軸線方向外側へ突出されており、
前記ガイド部は、前記第2係合部の下側に設けられていることを特徴とする、請求項10に記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記ドラム支持部材は、各前記感光ドラムを回転可能かつ移動可能に支持していることを特徴とする、請求項1ないし8のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項13】
前記ドラム支持部材は、各前記感光ドラムを前記転写部材から離間するように付勢する複数の第1付勢部材を、各前記感光ドラムに対応して備え、
前記装置本体または前記移動部材は、前記移動部材が前記装着位置に装着されている状態で前記第1付勢部材の付勢力に抗して各前記感光ドラムを前記転写部材へ向かって押圧する押圧機構を備えていることを特徴とする、請求項12に記載の画像形成装置。
【請求項14】
前記押圧機構は、各前記感光ドラムを一体的に押圧するように前記並列方向に延びる押圧部材を備えることを特徴とする請求項13に記載の画像形成装置。
【請求項15】
前記押圧部材は、各前記感光ドラムを前記転写部材へ向かって付勢する複数の第2付勢手段を、各前記感光ドラムに対応して備えていることを特徴とする、請求項14に記載の画像形成装置。
【請求項16】
前記第2付勢手段は、前記第1付勢手段の付勢力よりも強い付勢力を有する板ばねからなることを特徴とする、請求項15に記載の画像形成装置。
【請求項17】
前記移動部材は、前記軸線方向に複数の発光部が並列配置されて各前記感光ドラムを露光する露光部材を備えていることを特徴とする、請求項1ないし16のいずれか一項に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2013−7945(P2013−7945A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−141599(P2011−141599)
【出願日】平成23年6月27日(2011.6.27)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】