説明

画像縮小装置および縮小画像生成方法

【目的】パディング・データによる影響を排除する。
【構成】パディング・データIpが付与された8画素×8画素のパディング画像ブロック51が直交変換されたパディング直交変換ブロック53が圧縮画像データとして記録されている場合に,そのパディング直交変換ブロック53が逆直交変換されてパディング画像ブロック51が復元される。復元されたパディング画像ブロック51に含まれているパディング・データIpが,原画像部分41をコピーした部分55に置き換えられて修正画像ブロック54が生成される。生成された修正画像ブロック54が縮小されて,原画像部分41の縮小画像部分58が抽出されて縮小画像の一部60が生成される。パディング・データIpが原画像部分41に置き換えられて縮小されているので,パディング・データIpの影響を排除できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は,画像縮小装置,縮小画像生成方法および画像縮小装置を制御するコンピュータ・プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
JPEG(Joint Photographic Experts Group)にもとづく圧縮は,画像データに直交変換処理が行われる。直交変換により得られた直交変換係数が記録媒体に記録される。縮小率に応じて縮小に用いる直交変換係数を決定し,決定された直交変換係数を利用して縮小処理を行うものがある(特許文献1)。この縮小処理は,次に示すようにして行われる。
【特許文献1】特開2006-60540号公報
【0003】
図5を参照して,JPEGにもとづく圧縮は8画素×8画素の画像ブロック単位で行われる。一駒の画像が8画素×8画素の多数の画像ブロックに分割される。この分割処理により,8画素×8画素の64画素I1〜I64をもつ多数の完全画像ブロック71が得られる。一駒の画像を多数の画像ブロックに分割した場合に,8画素×8画素の64画素をもつ画像ブロックを完全画像ブロックということにする。また,原画像の大きさによっては多数の画像ブロックに分割した場合に,8画素×8画素の64画素を持たない画像ブロックが生成されることがある。このように8画素×8画素の64画素を持たない画像ブロックを欠陥画像ブロックということにする。
【0004】
欠陥画像ブロックの場合には,8画素×8画素の64画素の画像ブロックとなるように,パディング・データと呼ばれるデータが付加される。パディング・データが付加された画像ブロックをパディング画像ブロックと呼ぶことにする。図5においてパディング画像ブロック81に含まれる画素I65,I73,I81,I97,I105,I113,およびI117の1列の8画素が原画像データによって表されるものであり,その他の画素の部分82がパディング・データIpによって表されるものとする。
【0005】
図5においては,8画素×8画素の64画素の完全画像ブロック71とパディング・データIpが付与された8画素×8画素の64画素の欠陥画像ブロック81とが図示されているが,原画像(の一部分)I1〜I65,I73,I81,I89,I97,I105,I113およびI121は,横方向9画素,縦方向8画素の72画素の画像データによって表されている。
【0006】
完全画像ブロック71が直交変換されることにより,8×8の64個の直交変換係数から構成される完全直交変換ブロック72が得られる。完全画像ブロック71が直交変換されることにより得られるブロックを完全直交変換ブロック72ということにする。完全直交変換ブロック72には,64個の直交変換係数C1〜C64が含まれている。JPEGにもとづく圧縮が行われる場合には,画像ブロックが直交変換されることにより得られる直交変換ブロックが記録媒体に記録される。直交変換係数は,左上に位置するものほど低周波数成分を表すものであり,右下に位置するものほど高周波数成分を表す。
【0007】
完全直交変換ブロック72を構成する直交変換係数C1〜C64のうち,縮小率に応じた直交変換係数が,低周波数成分から順に決定される。たとえば,縮小画像が原画像の1/2の場合には,8×8の完全画像ブロック72のうち,左上の4×4のブロック73に含まれる直交変換係数C1〜C4,C9〜C12,C17〜C20およびC25〜C28が使用する直交変換係数とて決定される。決定された直交変換係数が逆直交変換されることにより,4画素×4画素の第1の縮小画像ブロック74が得られる。
【0008】
パディング画像ブロック81についても,完全画像ブロック71と同様に直交変換されることにより,直交変換ブロック83が得られる。パディング画像ブロック81が直交変換されることにより得られる直交変換ブロックをパディング直交変換ブロック83ということにする。パディング直交変換ブロック83においても上述した完全直交変換ブロック72と同様に4×4のブロック84内に存在する直交変換係数C65〜C68,C73〜C76,C81〜C84,およびC89〜C92が縮小画像を生成するために使用される直交変換成分として決定される。これらの直交変換係数C65〜C68,C73〜C76,C81〜C84,およびC89〜C92が逆直交変換されることにより,第2の縮小画像ブロック85が得られる。
【0009】
横方向9画素,縦方向8画素が原画像(の一部)であるから,1/2に縮小した場合には,横方向4.5画素,縦方向4画素の縮小画像が生成されるが,端数は切り上げられるから横方向5画素,縦方向4画素の縮小画像が生成されなければならない。このために,第2の縮小画像ブロック85からは,第2列から第4列の画素p2〜p4,p6〜p8,p10〜p12およびp14〜p16の部分89がトリミングされて第1列の画素p1,p5,p9,およびp13の部分86が抽出される。抽出された第1列の画素p1,p5,p9,およびp13の部分86と第1の縮小画像ブロック74とが組み合わされて原画像に対して1/2の縮小画像(の一部分)90が生成される。
【0010】
しかしながら,第2の縮小画像ブロック85から抽出された1列の画素p1,p5,p9,およびp13の部分86は原画像には含まれていないパディング・データIpの影響を受けているから,生成された縮小画像90の端の画素p1,p5,p9,およびp13によって表される画像部分86に不要な線のようなノイズが現れてしまうことがある。
【発明の開示】
【0011】
この発明は,パディング・データにより生じるノイズの発生を未然に防止することを目的とする。
【0012】
この発明による画像縮小装置は,複数画素から構成される画像ブロックであり,かつ一駒の原画像を構成する複数の画像ブロックのそれぞれの画像ブロックが,直交変換された複数の直交変換係数から構成される複数の直交変換ブロックのうち,あらかじめ定められた複数画素をもつ完全画像ブロックが直交変換された完全直交変換ブロックについて,完全直交変換ブロックを構成する直交変換係数の中から縮小画像の生成に使用する直交変換係数を,縮小率(画像ブロックが所定数×所定数の矩形画像ブロックの場合,たとえば1/所定数の縮小率)に応じて決定する直交変換係数決定手段,上記直交変換係数決定手段によって決定された直交変換係数を用いて逆直交変換処理を行い,第1の縮小画像ブロックを生成する第1の縮小画像ブロック生成手段,上記複数の直交変換ブロックのうち,あらかじめ定められた複数画素をもたない欠陥画像ブロックにあらかじめ定められた複数画素をもつようにパディング・データが付与されたパディング画像ブロックが直交変換されたパディング直交変換ブロックについて逆直交変換処理を行い,パディング画像ブロックを復元するパディング画像ブロック復元手段,上記パディング画像ブロック復元手段によって復元されたパディング画像ブロックに含まれるパディング・データを,パディング画像ブロックに含まれる原画像データをコピーしたデータに置き換えた修正画像ブロックを生成する修正画像ブロック生成手段,上記修正画像ブロック生成手段によって生成された修正画像ブロックを,縮小率に応じて縮小して第2の縮小画像ブロックを生成する第2の縮小画像ブロック生成手段,および上記第1の縮小画像ブロック生成手段によって生成された第1の縮小画像ブロックと上記第2の縮小画像ブロック生成手段によって生成された第2の縮小画像ブロックとから縮小率に応じた縮小画像を生成する縮小画像生成手段を備えていることを特徴とする。
【0013】
この発明は,上記画像縮小装置に適した縮小画像生成方法も提供している。すなわち,この方法は,直交変換係数決定手段が,複数画素から構成される画像ブロックであり,かつ一駒の原画像を構成する複数の画像ブロックのそれぞれの画像ブロックが,直交変換された複数の直交変換係数から構成される複数の直交変換ブロックのうち,あらかじめ定められた複数画素をもつ完全画像ブロックが直交変換された完全直交変換ブロックについて,完全直交変換ブロックを構成する直交変換係数の中から縮小画像の生成に使用する直交変換係数を,縮小率に応じて決定し,第1の縮小画像ブロック生成手段が,上記直交変換係数決定手段によって決定された直交変換係数を用いて逆直交変換処理を行い,第1の縮小画像ブロックを生成し,パディング画像ブロック復元手段が,上記複数の直交変換ブロックのうち,あらかじめ定められた複数画素をもたない欠陥画像ブロックにあらかじめ定められた複数画素をもつようにパディング・データが付与されたパディング画像ブロックが直交変換されたパディング直交変換ブロックについて逆直交変換処理を行い,パディング画像ブロックを復元し,修正画像ブロック生成手段が,上記パディング画像ブロック復元手段によって復元されたパディング画像ブロックに含まれるパディング・データを,パディング画像ブロックに含まれる原画像データをコピーしたデータに置き換えた修正画像ブロックを生成し,第2の縮小画像ブロック生成手段が,上記修正画像ブロック生成手段によって生成された修正画像ブロックを,縮小率に応じて縮小して第2の縮小画像ブロックを生成し,縮小画像生成手段が,上記第1の縮小画像ブロック生成手段によって生成された第1の縮小画像ブロックと上記第2の縮小画像ブロック生成手段によって生成された第2の縮小画像ブロックとから縮小率に応じた縮小画像を生成するものである。
【0014】
さらに,この発明は,上記画像縮小装置を制御するコンピュータ・プログラムも提供している。
【0015】
この発明によると,完全直交変換ブロックについては,縮小画像に使用する直交変換係数が,縮小率に応じて決定される。決定された直交変換係数を用いて逆直交変換処理が行われ,第1の縮小画像ブロックが生成される。
【0016】
パディング直交変換ブロックについては,逆直交変換処理が行われてパディング画像ブロックが復元される。復元されたパディング画像ブロックにはパディング・データが付加されているから,原画像データがコピーされて,コピーされた原画像データがパディング・データに置き換えられる。コピーされた原画像データがパディング・データに置き換えられることにより修正画像ブロックが生成される。修正画像ブロックが縮小されることにより第2の縮小画像ブロックが生成される。
【0017】
このようにして生成された第1の縮小画像ブロックと第2の縮小画像ブロックとから縮小率に応じた縮小画像が生成される。
【0018】
この発明によると,パディング直交変換ブロックについては,パディング画像ブロックに復元し,パディング・データを,原画像データをコピーしたものに置き換えてから第2の縮小画像ブロックを生成しているから,生成された第2の縮小画像ブロックはパディング・データの影響が排除されたものとなっている。したがって,第1の縮小画像ブロックと第2の縮小画像ブロックとから生成される縮小画像はパディング・データの影響を排除することができ,パディング・データによるノイズを除くことができる。
【実施例】
【0019】
図1は,この発明の実施例を示すもので,画像縮小装置1の電気的構成を示すブロック図である。
【0020】
画像縮小装置1の全体の動作は,CPU6によって統括される。
【0021】
画像縮小装置1には,メモリ・カード・インターフェイス8が含まれている。メモリ・カード9には,JPEG圧縮された画像データが格納されている。メモリ・カード・インターフェイス8により,メモリ・カード9に格納されている圧縮画像データが読み取られる。読み取られた圧縮画像データが伸長されて,圧縮画像データによって表される画像が表示装置2の表示画面に表示される。とくに,この実施例においては,圧縮画像データによって表される画像の縮小画像が生成される。生成された縮小画像も表示装置2の表示画面に表示される。縮小画像の生成方法について詳しくは後述する。また,メモリ・カード9に画像縮小装置1の処理プログラムが格納されていれば,そのプログラムを読み取り,画像縮小装置1にインストールすることもできる。もちろん,その他の方法により処理プログラムを画像縮小装置1にインストールすることもできる。
【0022】
画像縮小装置1には,キーボードなどのような入力装置7が含まれている。入力装置7から出力された指令は,CPU6に与えられる。
【0023】
また,画像縮小装置1には,ハードディスク5およびハードディスク5に格納されている圧縮画像データ等を読み取る,あるいはハードディスク5に圧縮画像データ等を書き込むハードディスク・ドライブ4に含まれている。ハードディスク5に記録されている圧縮画像データによって表される画像およびその縮小画像を表示装置2の表示画面に表示させることもできる。
【0024】
さらに,画像縮小装置1には,画像データ等を一時的に記憶するメモリ3も含まれている。
【0025】
図2は,画像表示の処理手順を示すフローチャートである。
【0026】
図2に示す処理においては,メモリ・カード9にJPEGにもとづく圧縮画像データが記録されており,その圧縮画像データによって表される画像の縮小画像を表示するものとする。JPEGに限らず直交変換が行なわれる圧縮方法であればよい。
【0027】
メモリ・カード9に記録されている多数駒の画像を表す圧縮画像データの中から所望の圧縮画像データが読み取られる(ステップ11)。たとえば,圧縮画像データのデータ名(ファイル名)が指定されることにより,その指定されたデータ名をもつ圧縮画像データがメモリ・カード9から読み取られる。
【0028】
読み取られた圧縮画像データについて画像縮小処理が行われる(ステップ12)。この画像縮小処理について詳しくは後述する。画像縮小処理により生成された縮小画像が表示装置2の表示画面に表示される(ステップ13)。縮小画像の縮小率は,あらかじめ定められていてもよいし,入力装置7から入力できるようにしてもよい。
【0029】
上述したように,JPEGにもとづく圧縮では一駒の画像が8画素×8画素の画像ブロックに分割され,その画像ブロック単位で直交変換が行われる。直交変換により8×8の64個の直交変換係数から構成される直交変換ブロックが得られる。この直交変換ブロックが符号化されたものが圧縮画像データとしてメモリ・カード9に記録されている。この実施例では,画像ブロックが完全画像ブロックの場合には,上述したものと同じ方法(図5参照)で縮小処理が行われる。以下,画像ブロックが欠陥画像ブロックの場合における縮小処理について主として述べる。
【0030】
図3は,画像縮小処理の処理手順(図2ステップ12の処理手順)を示すフローチャートである。図4は,縮小画像が生成される様子を示している。
【0031】
原画像が多数の画像ブロックに分割された場合に,原画像の画素数が8で割り切れない場合には,図4の左上に示すように欠陥画像ブロック40が発生する。欠陥画像ブロック40は,原画像の一部を構成する画素I65,I73,I81,I89,I97,I105,I113,およびI121の原画像部分41だけでは8画素×8画素の64画素の画像ブロックを構成できないブロックである。欠陥画像ブロック40は,8画素×8画素の64画素の画像ブロックとなるためには不足部分42にパディング・データを付加する必要がある。
【0032】
欠陥画像ブロック40に,パディング・データIpから構成される部分52を付加することにより,8画素×8画素の64画素から構成されるパディング画像ブロック51が生成される。パディング画像ブロック51が直交変換されることにより,8×8の64個の直交変換係数C1〜C64から構成されるパディング直交変換ブロック53が生成される。このパディング直交変換ブロック53が符号化されたデータがJPEG圧縮にもとづいて圧縮された画像データであり,そのような圧縮画像データがメモリ・カード9に記録されている。
【0033】
この実施例においては,一駒の画像を構成する直交変換ブロックが読み出されて,すべての直交変換ブロックについて縮小処理が行われる(図3ステップ21)。すべての直交変換ブロックについて縮小処理が終了していなければ(図3ステップ21でNO),読み出された直交変換ブロックが,パディング直交変換ブロックかどうかが確認される(図3ステップ22)。
【0034】
パディング直交変換ブロックでなければ(図3ステップ22でNO),完全直交変換ブロックなので図5に示したように,縮小率に応じて直交変換係数が決定される(図3ステップ23)。決定された直交変換係数が逆直交変換されて第1の縮小画像ブロック(第1の縮小画像データ)が得られる(図3ステップ24)。得られた第1の縮小画像データがメモリ3に書き込まれ,一時的に記憶される(図3ステップ25)。
【0035】
図5に示すように,パディング直交変換ブロック53であれば(図3ステップ22でYES),そのパディング直交変換ブロック53を構成する8×8の64個のすべての直交変換係数C65〜C128が逆直交変換されてパディング画像ブロック51が復元される(実際には復号が必要である。図3ステップ26)。パディング画像ブロック51には,パディング・データIpが付加されている部分52が含まれているので,その部分52が,原画像部分41がコピーされたデータの部分55に置き換えられる(図3ステップ27)。この置き換えによりパディング画像ブロック51から修正画像ブロック54が生成される。
【0036】
生成された修正画像ブロック54が縮小率に応じて縮小されることにより第2の縮小画像ブロック(第2の縮小画像データ)56が得られる(図3ステップ28)。修正画像ブロック54を縮小する処理は,領域平均,バイリニア,バイキュービックなどを利用できる。生成された第2の縮小画像ブロック56がメモリ3に書き込まれる(図3ステップ25)。
【0037】
一駒分の画像を構成するすべての直交変換ブロックについて縮小処理が終了すると(図3ステップ21でYES),第2の縮小画像ブロック56から原画像部分41の縮小画像部分58が残るように,原画像部分41をコピーした部分55の縮小画像部分57がトリミングされる。これにより,原画像部分41の縮小画像部分58が得られる。得られた縮小画像部分58と第1の縮小画像ブロック74とが組み合わせられることにより,原画像の縮小画像(の一部分)60が生成される。
【0038】
縮小画像部分58を構成する画素i65,i81,i97,およびi113は,原画像に元々含まれている画素I65,I73,I81,I89,I97,I105,I113,およびI121から生成されているので,生成された縮小画像の端部にパディング・データによるノイズが発生してしまうことを未然に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】画像縮小装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図2】画像表示処理手順を示すフローチャートである。
【図3】画像縮小処理手順を示すフローチャートである。
【図4】パディング画像ブロックの縮小処理を示している。
【図5】画像ブロックの縮小処理を示している。
【符号の説明】
【0040】
6 CPU
40 欠陥画像ブロック
51,82 パディング画像ブロック
53 パディング直交変換ブロック
54 修正画像ブロック
56 第2の縮小画像ブロック
71 完全画像ブロック
72 完全直交変換ブロック
74 第1の縮小画像ブロック
Ip パディング・データ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数画素から構成される画像ブロックであり,かつ一駒の原画像を構成する複数の画像ブロックのそれぞれの画像ブロックが,直交変換された複数の直交変換係数から構成される複数の直交変換ブロックのうち,あらかじめ定められた複数画素をもつ完全画像ブロックが直交変換された完全直交変換ブロックについて,完全直交変換ブロックを構成する直交変換係数の中から縮小画像の生成に使用する直交変換係数を,縮小率に応じて決定する直交変換係数決定手段,
上記直交変換係数決定手段によって決定された直交変換係数を用いて逆直交変換処理を行い,第1の縮小画像ブロックを生成する第1の縮小画像ブロック生成手段,
上記複数の直交変換ブロックのうち,あらかじめ定められた複数画素をもたない欠陥画像ブロックにあらかじめ定められた複数画素をもつようにパディング・データが付与されたパディング画像ブロックが直交変換されたパディング直交変換ブロックについて逆直交変換処理を行い,パディング画像ブロックを復元するパディング画像ブロック復元手段,
上記パディング画像ブロック復元手段によって復元されたパディング画像ブロックに含まれるパディング・データを,パディング画像ブロックに含まれる原画像データをコピーしたデータに置き換えた修正画像ブロックを生成する修正画像ブロック生成手段,
上記修正画像ブロック生成手段によって生成された修正画像ブロックを,縮小率に応じて縮小して第2の縮小画像ブロックを生成する第2の縮小画像ブロック生成手段,および
上記第1の縮小画像ブロック生成手段によって生成された第1の縮小画像ブロックと上記第2の縮小画像ブロック生成手段によって生成された第2の縮小画像ブロックとから縮小率に応じた縮小画像を生成する縮小画像生成手段,
を備えた画像縮小装置。
【請求項2】
直交変換係数決定手段が,複数画素から構成される画像ブロックであり,かつ一駒の原画像を構成する複数の画像ブロックのそれぞれの画像ブロックが,直交変換された複数の直交変換係数から構成される複数の直交変換ブロックのうち,あらかじめ定められた複数画素をもつ完全画像ブロックが直交変換された完全直交変換ブロックについて,完全直交変換ブロックを構成する直交変換係数の中から縮小画像の生成に使用する直交変換係数を,縮小率に応じて決定し,
第1の縮小画像ブロック生成手段が,上記直交変換係数決定手段によって決定された直交変換係数を用いて逆直交変換処理を行い,第1の縮小画像ブロックを生成し,
パディング画像ブロック復元手段が,上記複数の直交変換ブロックのうち,あらかじめ定められた複数画素をもたない欠陥画像ブロックにあらかじめ定められた複数画素をもつようにパディング・データが付与されたパディング画像ブロックが直交変換されたパディング直交変換ブロックについて逆直交変換処理を行い,パディング画像ブロックを復元し,
修正画像ブロック生成手段が,上記パディング画像ブロック復元手段によって復元されたパディング画像ブロックに含まれるパディング・データを,パディング画像ブロックに含まれる原画像データをコピーしたデータに置き換えた修正画像ブロックを生成し,
第2の縮小画像ブロック生成手段が,上記修正画像ブロック生成手段によって生成された修正画像ブロックを,縮小率に応じて縮小して第2の縮小画像ブロックを生成し,
縮小画像生成手段が,上記第1の縮小画像ブロック生成手段によって生成された第1の縮小画像ブロックと上記第2の縮小画像ブロック生成手段によって生成された第2の縮小画像ブロックとから縮小率に応じた縮小画像を生成する,
縮小画像生成方法。
【請求項3】
画像縮小装置を制御するコンピュータ・プログラムであって,
複数画素から構成される画像ブロックであり,かつ一駒の原画像を構成する複数の画像ブロックのそれぞれの画像ブロックが,直交変換された複数の直交変換係数から構成される複数の直交変換ブロックのうち,あらかじめ定められた複数画素をもつ完全画像ブロックが直交変換された完全直交変換ブロックについて,完全直交変換ブロックを構成する直交変換係数の中から縮小画像の生成に使用する直交変換係数を,縮小率に応じて決定させ,
決定された直交変換係数を用いて逆直交変換処理を行い,第1の縮小画像ブロックを生成させ,
上記複数の直交変換ブロックのうち,あらかじめ定められた複数画素をもたない欠陥画素ブロックにあらかじめ定められた複数画素をもつようにパディング・データが付与されたパディング画像ブロックが直交変換された修正直交変換ブロックについて逆直交変換処理を行い,パディング画像ブロックを復元させ,
復元されたパディング画像ブロックに含まれるパディング・データを,パディング画像ブロックに含まれる原画像データをコピーしたデータに置き換えた修正画像ブロックを生成させ,
生成された修正画像ブロックを,縮小率に応じて縮小して第2の縮小画像ブロックを生成させ,
生成された第1の縮小画像ブロックと生成された第2の縮小画像ブロックとから縮小率に応じた縮小画像を生成させるように画像縮小装置を制御するコンピュータ・プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−159031(P2009−159031A)
【公開日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−331997(P2007−331997)
【出願日】平成19年12月25日(2007.12.25)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】