説明

画像表示システム

【課題】 画像表示システムにおいて、時刻を直感的に把握させることができ、しかもエンターテインメント性能の高いものとする。
【解決手段】 モニタ11への表示形態を制御するコントローラ41(表示制御手段)が、モニタ11の表示領域12を、時計機能ブロック(回路)43により得られた時刻情報が表す時刻をアナログ表示したときの時針の指示方向に沿った仕切線(14)と分針の指示方向に沿った仕切線(15)とによって2つの分割領域(12a,12b)に仕切るエリア演算回路44(表示領域仕切手段)と、車両に搭載されたカメラ22による画像情報を第1の分割領域(12a)に割り当て、ナビゲーション装置21によるナビゲーション情報を第2の分割領域(12b)に割り当てる画像用描画IC51(分割領域情報割当手段)とを備え、仕切線14,15により時分を認識させるものとする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像表示システムに関し、詳細には、表示領域を分割して複数の情報を同時に表示することができる表示態様の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、GPS(Global Positioning System;全地球測位システム)技術の進展や、情報処理技術の発達、道路網の整備等により、いわゆるカーナビゲーションシステムに代表される移動体経路案内技術が急速に普及している。
【0003】
ここで、カーナビゲーションシステムは、GPS等を用いて自車の現在位置を逐次求め、この現在位置を、スーパーインポーズ等により、予め記憶されている道路地図の画像に重畳してモニタ上で表示し、さらに、目的地を設定したときは、自車の現在位置から、指定された目的地までの推奨経路等を逐次求めて、この推奨経路等に適した走行操作を促す案内を、モニタ(表示手段)の表示領域に表示したり、音声を模した音を発して行うものである。
【0004】
また、目的地までの距離や到達予想時刻等の案内情報や交通情報、その他設定情報等を文字や画像により併せて表示することも行われている。
【0005】
ところで、このような各種の情報は、これらのうちひとつだけをモニタの表示領域に表示するよりも、複数個を同時に表示した方が、関連情報を連係させて一目で把握させることができ、非常に有用である。
【0006】
例えば、右折や左折等、進行方向の変化を案内する予定の交差点については、通常の地図画像の他に、交差点の拡大画像や立体俯瞰(鳥瞰)画像等を追加的に表示することにより、経路全体における位置を把握しつつ、直後に行うべき操作を正確に把握することができ、余裕を持った運転操作を行うことができる。
【0007】
そこで、表示領域を仕切線等によって複数の領域に分割区画し、それら分割して得られた領域に、互いに関連する情報を割り当てて、表示領域全体としては複数の情報を同時に表示することが行われている。
【0008】
このような表示領域の分割技術としては、2画面に分割するもの、4画面に分割するもの、マトリックス状の9画面に分割するものなど、種々の態様が提案され、既に実用化されているものもある(特許文献1)。
【特許文献1】特開2002−039764号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、一般的に、時計によって表された時刻を認識する場合、時針と分針とによって指し示されるアナログ時計の表現方法の方が、数字の羅列によるデジタル時計の表現方法よりも、直感的に分かり易く、特に、時計を注視することができない運転者にとっては、アナログ時計の表現方法が好ましい。
【0010】
しかし、アナログ時計は、時針と分針とを回転させるための広い領域を占有する必要があるのに対して、デジタル時計は狭い領域しか占有しないため、車載モニタの限られた表示領域に時刻を表示する場合、一般的には、デジタル時計による時刻表示がなされている。
【0011】
ここで、目的地への到着予想時刻や現在時刻についてもアナログ時計の形式でモニタに表示するものもあるが、いずれのものも、表示領域全体の広さに対して極めて小さいサイズで表示されるに過ぎず、運転中の運転者が視線を一瞬だけモニタに移しただけでは、時計の表示時刻を認識することができず、実用的ではない。
【0012】
なお、車両が進むべき目的地方向や、分岐地点、この分岐地点において選択すべき方向等のみを、時計の指針を模した矢印マーク等を用いてモニタに簡易表示することにより、情報過多になりがちな表示を簡明化して、瞬間的な視認性を向上させ、表示を凝視する時間を大幅に短縮させる技術(特開2003−121184号公報)が提案されているが、この技術は、矢印マーク等が時刻を表示するものではなく、単に行き先の方角を示しているに過ぎず、時刻を認識させようとするものではない。
【0013】
また、特許文献1による技術は、単に表示領域を複数の領域に、定形的に分割するものに過ぎず、その分割形態に意外性や、エンターテイメント性(娯楽性、楽しませる性質)はない。
【0014】
本発明は上記事情に鑑みなされたものであり、時刻を直感的に把握可能であり、しかもエンターテインメント性能が高い画像表示システムを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明に係る画像表示システムは、表示手段の表示領域を複数の領域に分割するに際し、その分割の仕切線として、現在の時刻をアナログ表示したときの時針と分針とを模した線を適用することにより、分割された領域の形状が時々刻々と変化し、その変化の意外性やエンターテイメント性を発揮するとともに、複数の表示領域に、それぞれ別異の情報を表示させることによる、関連情報の同時表示で、情報の連係を図り、さらに、使用者に対して、その分割された複数の領域間の仕切線の延びた方向に基づいて、リアルタイムの時刻を直感的に認識させることができる。
【0016】
すなわち、本発明の請求項1に係る画像表示システムは、情報をその表示領域に表示する表示手段と、前記表示手段に表示する情報の表示形態を制御する表示制御手段とを備えた画像表示システムにおいて、時刻情報を取得する時刻情報取得手段を備えるとともに、前記表示制御手段は、前記表示領域を、該表示領域の略中心部から該表示領域の外周縁に向かってそれぞれ放射状に延びた少なくとも2本の仕切線によって少なくとも2つの領域に仕切る表示領域仕切手段と、仕切って得られた2つ以上の領域に、互いに別異の情報をそれぞれ割り当てる分割領域情報割当手段とを備え、前記表示領域仕切手段は、前記仕切線のうち2つを、前記時刻情報取得手段によって取得された時刻情報に基づいて、前記時刻情報が表す時刻をアナログ表現した時針と分針との各指示方向にそれぞれ沿って延びるように形成することを特徴とする。
【0017】
ここで、仕切られた各領域には、所望とする情報の全部を表示するだけでなく、例えばその領域が非常に狭い等の理由により、全部のうち一部の情報のみを表示するようにしてもよい。
【0018】
また、時刻情報取得手段は、本来は、時刻情報を有する外部の装置や内部の装置等から、その装置が有する時刻情報を取得するものであるが、文字通り取得するものに限定されるものではなく、自らが時刻情報を生成する時刻生成手段をも含む。
【0019】
つまり時刻情報取得手段とは、表示領域仕切手段に、時刻情報を伝達するための機能を有するものであればよい。
【0020】
このように構成された本発明の請求項1に係る画像表示システムによれば、表示制御手段の表示領域仕切手段が、表示領域を、その略中心部から該表示領域の外周縁に向かってそれぞれ放射状に延びた少なくとも2本の仕切線によって少なくとも2つの領域に仕切るが、この2本の仕切線は、時刻情報取得手段によって取得された時刻情報が表す時刻をアナログ表現した時針と分針との各指示方向にそれぞれ沿って延びるように形成されたものであるため、表示領域の分割境界線(2本の仕切線)が、アナログ時計の短針と長針とをそれぞれ表すものとなり、運転者等使用者には、モニタの表示領域の全体を文字板と見立てた大きなアナログ時計として認識させることができる。
【0021】
したがって、アナログ時計を用いた時刻表示によって、直感的な時刻の把握性能を向上させることができるとともに、大きなアナログ表示であるため、視認性能も向上させることができる。
【0022】
しかも、時刻の変化に応じて、分割領域の形状が時々刻々と変化することにより、エンターテインメント性能を向上させることができる。
【0023】
本発明の請求項2に係る画像表示システムは、請求項1に係る画像表示システムにおいて、前記表示領域仕切手段は、前記仕切線により仕切って得られた領域をさらに小さな領域に区切り、前記分割領域情報割当手段は、前記区切って得られた領域に、互いに別異の情報をそれぞれ割り当てることを特徴とする。
【0024】
ここで、領域を仕切る仕切り方は、表示領域全体の略中心から放射状に延びた仕切線によるが、領域を区切るのは、そのような放射状の線によるものである必要はない。
【0025】
このように構成された本発明の請求項2に係る画像表示システムによれば、仕切線によって仕切られた領域を、区切線によってさらに細かく分割することにより、よりエンターテイメント性を高めることができる。
【0026】
本発明の請求項3に係る画像表示システムは、請求項1または2に係る画像表示システムにおいて、前記表示手段は、該画像表示システムが搭載される車両に予め搭載されているものであることを特徴とする。
【0027】
このように構成された本発明の請求項3に係る画像表示システムによれば、車両に予め搭載されている既存の表示手段(例えば、カーナビゲーションシステム用のモニタ装置等)が用いられることにより、画像表示システムとしては新たに表示手段を準備する必要がなく、製品コストを低減することができる。
【0028】
本発明の請求項4に係る画像表示システムは、請求項3に係る画像表示システムにおいて、前記表示制御手段は、前記車両を表すシンボルマークをスーパーインポーズにより、前記略中心部に表示させることを特徴とする。
【0029】
このように構成された本発明の請求項4に係る画像表示システムによれば、車両を表示領域の中心に配置表示することによって、表示領域に、ナビゲーションシステムの地図情報を表示した際に、地図に自車位置を重ねて表示することができる。
【0030】
本発明の請求項5に係る画像表示システムは、請求項3または4に係る画像表示システムにおいて、分割領域情報割当手段によって割り当てられる情報のうち少なくとも一つは、前記車両に搭載されたカーナビゲーションシステムによって得られたナビゲーション情報であることを特徴とする。
【0031】
ここで、ナビゲーション情報とは、例えば、車両の現在位置から目的位置までの経路情報(地図情報、所用時間情報、経路の渋滞情報、周辺施設の情報)を始めとして、カーナビゲーションシステムが車両の乗員に対して提供する種々の情報(カーナビゲーションシステム自体の故障診断情報等も含む)である。
【0032】
このように構成された本発明の請求項5に係る画像表示システムによれば、ナビゲーション情報を表示することにより、この画像表示システムをカーナビゲーションシステムの一部としても用いることができる。
【0033】
本発明の請求項6に係る画像表示システムは、請求項3から5のうちいずれか1項に係る画像表示システムにおいて、分割領域情報割当手段によって割り当てられる情報のうち少なくとも一つは、前記車両に搭載されたカメラによって撮影された撮影画像情報であることを特徴とする。
【0034】
ここで、車両に搭載されたカメラは、例えば車両の後退時に車両の後方景色(道路部分等)を撮影するために車両後部に設置されたバックカメラや、前方交差点における交差道路の交通状態を撮影するために車両前部に設置されたブラインドコーナーカメラや、操舵時における前方障害物(歩行者等を含む)の回避予測等のために車両前部に設置されたフロントカメラや、助手席側のサイド死角の様子を撮影するために助手席側ドアミラー等に設置されたサイドカメラ等、車両に設置された種々のカメラを適用することができる。
【0035】
また、撮影画像情報としては、これらのうち少なくとも1つのカメラによって撮影して得られた映像の他、この映像を画像処理して模式化した画像等も適用することができる。
【0036】
このように構成された本発明の請求項6に係る画像表示システムによれば、車載カメラによって撮影された画像も表示することができるため、バックモニタや、ブラインドコーナーモニタ、フロントモニタ、あるいはサイドモニタ等として用いることもできる。
【0037】
本発明の請求項7に係る画像表示システムは、請求項1から6のうちいずれか1項に係る画像表示システムにおいて、前記表示制御手段は、所定の待機状態においてのみ、前記表示領域仕切手段による2つ以上の領域に仕切って表示することを特徴とする。
【0038】
ここで、所定の待機状態とは、主に、使用者による入力等の操作を待っている処理状態であるが、この処理状態になった瞬間から「待機状態」となるのではななく、この処理状態が予め設定された一定時間継続したことを以て、「待機状態」となるものであってもよい。
【0039】
このように構成された本発明の請求項7に係る画像表示システムによれば、待機状態においては、入力等の操作を待つ状態であるため、待機状態において、時刻を表す分割形態を適用することで、入力等操作の待ち時間をエンターテイメントとして演出することができる。
【0040】
しかも、待機中であるから、システムのリソースは比較的余裕がある状態であり、この余裕あるリソースを用いることにより、リソースの有効利用に資することもできる。
【発明の効果】
【0041】
本発明に係る画像表示システムによれば、表示制御手段の表示領域仕切手段が、表示領域を、その略中心部から該表示領域の外周縁に向かってそれぞれ放射状に延びた少なくとも2本の仕切線によって少なくとも2つの領域に仕切るが、この2本の仕切線は、時刻情報取得手段によって取得された時刻情報が表す時刻をアナログ表現した時針と分針との各指示方向にそれぞれ沿って延びるように形成されたものであるため、表示領域の分割境界線(2本の仕切線)が、アナログ時計の短針と長針とをそれぞれ表すものとなり、運転者等使用者には、モニタの表示領域の全体を文字板と見立てた大きなアナログ時計として認識させることができる。
【0042】
したがって、アナログ時計を用いた時刻表示によって、直感的な時刻の把握性能を向上させることができるとともに、大きなアナログ表示であるため、視認性能も向上させることができる。
【0043】
しかも、時刻の変化に応じて、分割領域の形状が時々刻々と変化することにより、エンターテインメント性能を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0044】
以下、本発明に係る画像表示システムの具体的な実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0045】
図1は、本発明の一実施形態に係る画像表示システム100を示すブロック図、図2(a)はアナログ時計による時刻表現形式の一例を示す図、同図(b)は図1に示した画像表示システム100によって外部モニタ11(表示手段)の画像表示領域12に表示される画像の表示態様の一例を示す模式図である。
【0046】
図示の画像表示システム100は、車両に搭載された機器によって得られた情報を、その車室内に設置された外部モニタ11の表示領域12に表示して、その車両の運転者等に情報を提供する車載用の画像表示システムであり、車載の情報取得機器として、例えば、カメラ(車外の状況を画像として撮影し、あるいは車外と車体の一部分とを画像として同時に撮影するカメラ(バックカメラ等))22と、車両の現在位置の情報や目的地までの経路情報、地図情報等を出力するナビゲーション装置21とを備えている。
【0047】
また、これらの情報取得機器21,22によって取得された各種情報(画像を含む)をモニタ11に表示する際に、条件切替用インターフェース(例えば、押しボタンや、モニタ11の表示領域に設けられたタッチパネル等)31に入力された条件にしたがって、これらの情報の表示形態を制御するコントローラ41(表示制御手段)を備えている。
【0048】
ここで、コントローラ41は、物理的には、CPUブロック(回路)42と、表示ブロック(回路)46と、これらを繋ぐエリア参照用VRAM45(以下、第3のVRAM45という。)とに分かれている。
【0049】
CPUブロック42には、時刻情報を発生する時刻情報取得手段としての時計機能ブロック(回路)43と、図2(b)に示すように、モニタ11の表示領域12を、表示領域12の略中心部13から外周縁に向かってそれぞれ放射状に延びた2本の仕切線14,15によって2つの分割領域12a,12bに仕切るエリア演算回路44(表示領域仕切手段)とを備え、このエリア演算回路44は、2本の仕切線14,15のうち一方(仕切線14)を、時計機能ブロック43が発生した時刻情報が表す時刻を図2(a)に示すようにアナログ時計1として表現したときの時針2の指示方向(5時を示す方向)に沿って延ばし、他方(仕切線15)を分針3の指示方向(0分を示す方向)に沿って延ばして形成する。
【0050】
なお、本実施形態においては、2本の仕切線14,15によって、表示領域12を2つの分割領域12a,12bにのみ仕切る態様であるが、時計機能ブロック43が発生した時刻情報が表す時刻アナログ時計1として表現したときの秒針(図示せず)の指示方向に沿って延びた3本目の仕切線(図示せず)を用いて、表示領域12を、3つの分割領域に仕切るようにしてもよい。
【0051】
さらに、そのようにして仕切って得られた2つ(または3つ)の複数の分割領域12a,12bは、上述した時針2および分針3(または、時針2、分針3および秒針)に対応した放射状の仕切線だけでなく、放射状の線に限定されない他の追加的な区切線によって、各分割領域12a,12bをさらに小さい領域に区切るようにしてもよい。
【0052】
そして、上述した仕切線14,15により、表示領域12を2つの分割領域12a,12bに仕切ったり、追加的な区切線によって分割領域12a,12bをさらに小さな領域に区切ったり、あるいは全く仕切ることなく表示領域12全体を単一の領域としてそのまま使用するかの別は、条件切替用インターフェース31に入力された条件にしたがって、エリア演算回路44が決定する。
【0053】
このようにエリア演算回路44によって決定された表示領域12の分割表示パターン(仕切線14,15の指示方向等の画像情報)は、エリア参照用VRAM(第3のVRAM)45に記憶される。
【0054】
一方、表示ブロック46は、カメラ22によって得られた車外の映像をフレーム単位の画像情報(カメラ画像情報)として記憶する第1のVRAM49と、ナビゲーション装置21によって時々刻々得られるナビゲーション情報を、モニタ11に表示するためのフレーム情報として記憶する第2のVRAM50と、第1のVRAM49に第1レイヤー11a(図4参照)として記憶されたカメラ画像情報と第2のVRAM50に第2レイヤー11bとして記憶されたナビゲーション情報とを第3のVRAM45に第3レイヤー11cとして記憶された分割表示パターンにしたがって、第1レイヤー11aの画像(カメラ画像情報)を第1の分割領域12aに割り当て、第2レイヤー11bの画像(ナビゲーション情報)を第2の分割領域12bに割り当てる画像用描画IC51(分割領域情報割当手段)と、画像用描画IC51によってひとつの重畳画像としてレイアウトされた画像をエンコードして外部モニタ11に送るエンコード部52と、カメラ22により得られたカメラ画像情報とナビゲーションシステム装置21によって得られたナビゲーションシステム情報とを同期させてVRAM49,50に送出する第1および第2の同期化ブロック(回路)47,48とを備えている。
【0055】
次に、本実施形態に係る画像表示システム100の作用について説明する。
【0056】
まず、カメラ22によって得られたカメラ画像情報とナビゲーション装置21によって時々刻々得られたナビゲーション情報とが、それぞれ同期化ブロック47,48により同期がとられた上で、対応するVRAM49,50にそれぞれ記憶される。
【0057】
一方、エリア演算回路44は、時計機能ブロック43が発生した時刻情報が表す時刻を図2(a)に示すようにアナログ時計1として表現したときの時針(短針)2の指示方向(5時を示す方向)に沿って仕切線14を図2(b)に示すように延ばし、同じく、時計機能ブロック43が発生した時刻情報が表す時刻をアナログ時計1として表現したときの分針(長針)3の指示方向(0分を示す方向)に沿って仕切線15を延ばす。
【0058】
そして、図2(b)に示すように、表示領域12が仕切線14,15によって分割領域12aと12bとに仕切られた表示パターンは、VRAM45に記憶される。
【0059】
画像用描画IC51は、VRAM45に記憶された表示パターンにしたがって、分割表示領域12aには、VRAM49に記憶されたカメラ画像情報を割り当て、分割表示領域12bには、VRAM50に記憶されたナビゲーション情報を割り当てる。
【0060】
そして、このように現在の時刻(時分)を表す仕切線14,15で仕切られ、第1の分割表示領域12aにカメラ画像情報が割り当てられ、第2の分割表示領域12bにナビゲーション情報が割り当てられて得られた画像情報は、エンコード部52によりエンコードされ、外部モニタ11の表示領域12に表示される。
【0061】
仕切線14,15は、数百ミリ秒ごとに更新され、この更新にしたがって、分割表示領域12a,12bも変化するため、時刻が進むにしたがって、分割表示領域12a,12bの形状や範囲は時々刻々と変化する。
【0062】
すなわち、時刻が12時10分のときは、図5(a)に示すように仕切線14,15および分割表示領域12a,12bが形成され、時刻が12時20分のときは、同図(b)に示すように仕切線14,15および分割表示領域12a,12bが形成される。
【0063】
以下、同様に、仕切線14,15および分割表示領域12a,12bは、時刻が12時30分のときは同図(c)に示すように、時刻が12時40分のときは同図(d)に示すように、時刻が12時50分のときは同図(e)に示すように、時刻が12時55分のときは同図(f)に示すように、それぞれ形成される。
【0064】
このように、本実施形態に係る画像表示システム100によれば、コントローラ42が、モニタ11の表示領域12を、時刻をアナログ表現した時針と分針との各指示方向にそれぞれ沿って延びるように形成された仕切線14,15によって仕切るため、これらの仕切線14,15が、アナログ時計の短針と長針とをそれぞれ表すものとなり、運転者等使用者には、モニタ11の表示領域12の全体を文字板と見立てた大きなアナログ時計として認識させることができる。
【0065】
したがって、アナログ時計を用いた時刻表示によって、直感的な時刻の把握性能を向上させることができるとともに、大きなアナログ表示であるため、視認性能も向上させることができる。
【0066】
しかも、時刻の変化に応じて、分割領域の形状が時々刻々と変化することにより、エンターテインメント性能を向上させることができる。
【0067】
なお、コントローラ41は、図3(a)に示すように、この画像表示システム100が搭載される車両を模したシンボルマーク16を、スーパーインポーズにより追加的に、表示領域12の中心部13に表示させるようにしてもよい。
【0068】
また、エリア演算回路44が設定する表示領域12の分割表示パターンは、仕切線14,15だけでなく、図3(b)に示すように、これら仕切線14,15とともに表示領域12a,12bの各外周縁12c,12dをも含んだ仕切枠によるものであってもよい。
【0069】
このように仕切枠として表示した場合には、表示領域12aに対応する外周縁12cと、表示領域12bに対応する表示領域12dとを、互いに異なる色、明るさ、または互いに異なる模様パターンに設定するのが好ましい。このように、外周縁12cと12dとを、互いに異なる色、明るさ、または模様パターンを互いに異なるものとすることによって、表示領域12aの占める範囲と表示領域12bの占める範囲とを、これらの対応する外周縁12c,12dの色違い、明るさ違い、または模様違いにより、容易に識別することができる。
【0070】
したがって、両表示領域12a,12bの占める範囲を、仕切線14,15だけでなく、外周縁12c,12dからも認識することができ、両表示領域12a,12bの境界によって表される現在時刻を、運転者等使用者に直感的に知らしめるうえで、より素早く、認識させることが可能となる。
【0071】
なお、仕切線14,15のうち、いずれが時針に対応しているかが不明瞭になるのを回避するため、時針に対応した仕切線14または15には、先端側すなわち外周縁側の端末に、矢じりを付して、仕切線14または15の全体として、矢印マークを表すものとしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】本発明の一実施形態に係る画像表示システムを示すブロック図である。
【図2】(a)はアナログ時計による時刻表現形式の一例を示す図、(b)は図1に示した画像表示システムによって外部モニタの画像表示領域に表示される画像の表示態様の一例を示す模式図である。
【図3】(a)は車両を模したシンボルマークをスーパーインポーズにより追加的に表示領域に表示させた表示態様を示す模式図、(b)は表示領域の各外周縁をも含んだ仕切枠によって各分割表示領域を仕切った表示態様を示す模式図である。
【図4】VRAMに記憶された情報とレイヤーとの関係を概念的に説明した模式図である。
【図5】時刻に経過に対応した表示領域の変化を説明する模式図である。
【符号の説明】
【0073】
11 外部モニタ(表示手段)
21 ナビゲーション装置
22 カメラ
41 コントローラ(表示制御手段)
43 時計機能ブロック(時刻情報取得手段)
44 エリア演算回路(表示領域仕切手段)
45,49,50 VRAM
51 画像用描画IC(分割領域情報割当手段)
100 画像表示システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報をその表示領域に表示する表示手段と、前記表示手段に表示する情報の表示形態を制御する表示制御手段とを備えた画像表示システムにおいて、
時刻情報を取得する時刻情報取得手段を備えるとともに、前記表示制御手段は、前記表示領域を、該表示領域の略中心部から該表示領域の外周縁に向かってそれぞれ放射状に延びた少なくとも2本の仕切線によって少なくとも2つの領域に仕切る表示領域仕切手段と、仕切って得られた2つ以上の領域に、互いに別異の情報をそれぞれ割り当てる分割領域情報割当手段とを備え、
前記表示領域仕切手段は、前記仕切線のうち2つを、前記時刻情報取得手段によって取得された時刻情報に基づいて、前記時刻情報が表す時刻をアナログ表現した時針と分針との各指示方向にそれぞれ沿って延びるように形成することを特徴とする画像表示システム。
【請求項2】
前記表示領域仕切手段は、前記仕切線により仕切って得られた領域をさらに小さな領域に区切り、前記分割領域情報割当手段は、前記区切って得られた領域に、互いに別異の情報をそれぞれ割り当てることを特徴とする請求項1に記載の画像表示システム。
【請求項3】
前記表示手段は、該画像表示システムが搭載される車両に予め搭載されているものであることを特徴とする請求項1または2に記載の画像表示システム。
【請求項4】
前記表示制御手段は、前記車両を表すシンボルマークをスーパーインポーズにより、前記略中心部に表示させることを特徴とする請求項3に記載の画像表示システム。
【請求項5】
分割領域情報割当手段によって割り当てられる情報のうち少なくとも一つは、前記車両に搭載されたカーナビゲーションシステムによって得られたナビゲーション情報であることを特徴とする請求項3または4に記載の画像表示システム。
【請求項6】
分割領域情報割当手段によって割り当てられる情報のうち少なくとも一つは、前記車両に搭載されたカメラによって撮影された撮影画像情報であることを特徴とする請求項3から5のうちいずれか1項に記載の画像表示システム。
【請求項7】
前記表示制御手段は、所定の待機状態においてのみ、前記表示領域仕切手段による2つ以上の領域に仕切って表示することを特徴とする請求項1から6のうちいずれか1項に記載の画像表示システム。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−201032(P2006−201032A)
【公開日】平成18年8月3日(2006.8.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−12997(P2005−12997)
【出願日】平成17年1月20日(2005.1.20)
【出願人】(000001487)クラリオン株式会社 (1,722)
【Fターム(参考)】