説明

画像記録装置及びドライブレコーダシステム

【課題】記録された画像ファイルのサムネイルの表示を高速化できる情報を記録する画像記録装置を提供する。
【解決手段】
画像情報取得手段100は、複数の画像フレームと画像フレームに対する差分フレームとを時系列順に取得し、画像情報記録手段170が画像フレーム及び差分フレームを画像情報として記録手段30に記録するときに、画像情報から前記画像フレームを特定するための特定情報50を前記記録手段30に記録する特定情報記録手段を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録された画像データのサムネイルの表示を高速化できる情報を記録する画像記録装置及びドライブレコーダシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
車両の走行データを画像データと共に記録するドライブレコーダを車両に搭載することが行われている。ドライブレコーダによって記録されたデータは、記録媒体等によって再生装置に移して閲覧が可能である。このとき、利便性のため画像データの一部をサムネイルとして表示させることが一般的である。
【0003】
画像データは、時系列順に記録された個々のデータを連続して表示することによって動画として再生される。従来、この画像データの先頭部分にある画像データをサムネイルとして表示していた。しかし、先頭部分が必ずしも画像データの特徴を示すとは限らないため、画像データを一覧表示する場合に不便であった。
【0004】
これに対して、特許文献1には、記録条件成立を検出した場合に、撮像手段によって撮像された画像情報を記録媒体に記録し、記録条件が成立した時点に対応する画像情報をサムネイル作成画像として特定するドライブレコーダが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−183464号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1のように、サムネイル作成用画像を画像データの途中の位置として特定した場合は、サムネイル作成用画像を特定するために画像データを全て読み出す必要があるため、表示に時間がかかってしまう。
【0007】
また、ドライブレコーダが画像データを記録するときに、別途サムネイル作成用画像を保存するという方法も考えられるが、この場合は、サムネイル作成用画像を記録する領域を記録媒体に確保する必要があり、画像データを記録できる時間が制限されてしまう。
【0008】
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、大きな処理時間を必要とすることなくサムネイルを表示させることができる情報を記録する画像記録装置及びドライブレコーダシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、画像情報を取得する画像情報取得手段と、画像情報取得手段が取得した画像情報を記録手段に記録する画像情報記録手段と、を備える画像記録装置であって、画像情報取得手段は、複数の画像フレームと画像フレームに対する差分フレームとを時系列順に生成し、画像情報記録手段が画像フレーム及び差分フレームを動画情報として記録手段に記録するときに、動画情報から画像フレームを特定するための特定情報を記録手段に記録する特定情報記録手段を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、画像情報を記録するときに記録される特定情報によって、動画情報から画像フレームのみを特定することが可能となるので、例えばサムネイル画像を表示する際にも画像フレームのみを処理することができ、処理時間が大きくなることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施形態の本発明のドライブレコーダを含むドライブレコーダシステムの説明図である。
【図2】本発明の実施形態のドライブレコーダの機能ブロック図である。
【図3】本発明の実施形態のパーソナルコンピュータの機能ブロック図である。
【図4】本発明の実施形態のドライブレコーダシステムの動作を示すシーケンス図である。
【図5】本発明の実施形態のドライブレコーダが記録する動画ファイル及びサムネイル用ファイルの説明図である。
【図6】本発明の実施形態のPCが表示するサムネイル画像の一例の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
【0013】
図1は、本発明のドライブレコーダ10を含むドライブレコーダシステム1の説明図である。
【0014】
ドライブレコーダシステム1は、車両11に搭載されるドライブレコーダ10と、事業所等に設置されるパーソナルコンピュータ(以下、PC)20と、ドライブレコーダ10が取得するデータを記録するメモリカード30とから構成される。
【0015】
ドライブレコーダ10は、車両11から走行データ(例えば車速、エンジン回転数、緯度、経度等)を取得して、これらを日時と共に所定の間隔で記録する。また、ドライブレコーダ10は、カメラ12が接続されており、カメラ12が撮影した画像データを、記録する。これら走行データ及び画像データは、メモリカード30に記録される。
【0016】
ドライブレコーダ10は、メモリカード30が挿入された状態でメモリカード30との間でデータの書き込み及び読み出しを行うメモリカードインタフェース170と、メモリカード30に人為的に画像データを記録させる記録ボタン180とが設けられている。
【0017】
PC20は、メモリカード30が挿入された状態でメモリカード30との間でデータの書き込み及び読み出しを行うメモリカードインタフェース21と、画像データ等を表示可能な液晶ディスプレイ等からなる表示部22と、ユーザからの指示が入力可能なキーボード及びマウス等からなる入力部23とから構成される。
【0018】
メモリカード30は、メモリカードインタフェース170及び21によって読み書き可能に構成されており、例えばSD(Source Digital)やCF(Compact Flash)等のフラッシュメモリカードが用いられる。
【0019】
図2は、本発明の実施形態のドライブレコーダ10の機能ブロック図である。
【0020】
ドライブレコーダ10は、カメラ12を接続するカメラインタフェース120と、車両のCAN等と接続して車両データを取得する車両インタフェース130と、メモリカード30とでデータの読み込み及び書き込みを行うメモリカードインタフェース170と、後述するイベントの発生にかかわらず画像データ及び走行データをメモリカードに記録する記録ボタン180と、を備える。
【0021】
また、ドライブレコーダ10は、画像データ、車両データ等を一時的に記録すると共に、ドライブレコーダ10の制御に関わるデータを記録する記録部110と、予め設定された所定のイベントの発生を検出するイベント検出部140と、を備える。
【0022】
制御部100は、これら各部の動作を統合的に制御する。より具体的には、制御部100は、カメラインタフェース120を介して取得した画像データと、車両インタフェース130を介して取得した走行データとを、記録部110のバッファに逐次記録している。すなわち、カメラ12及び制御部100によって画像情報取得手段が構成される。
【0023】
制御部100は、カメラ12によって取得された、バッファに記録された画像データを、メモリカードインタフェース170を介してメモリカード30に動画ファイルとして逐次記録する。なお、本発明の実施形態では、画像データをMPEGエンコードし、動画ファイルとして記録する。すなわち、メモリカードインタフェース170及び制御部100によって画像情報記録手段が構成される。
【0024】
イベント検出部140は、加速度センサを備えており、加速度センサが検出した加速度が所定の閾値を超えた場合(例えば、前後G又は横Gが0.8G以上となった場合)に、車両に衝撃が加わったと判断してイベントを検出する。すなわち、イベント検出部140が衝撃検出手段を構成する。
【0025】
イベント検出部140が所定のイベントを検出した場合は、制御部100は、記録部110のバッファ内に記録された画像データ及び走行データのうち、イベントが検出された時刻の前後の所定時間だけ抽出する。所定時間は、例えば、イベント検出前の12秒間と、イベント検出後の8秒間の合計20秒間とする。抽出された画像データは、動画データとは異なる画像ファイルとして、メモリカード30に記録する。
【0026】
記録ボタン180は、イベント検出部140がイベントを検出しなかった場合にも画像データをメモリカード30に記録したい場合など、運転者によって押下されたときに、イベントを検出したときと同様の処理を行う。例えば、イベント検出部140が検出した加速度が所定の閾値を超えなかった場合にも、運転者によって記録ボタン180が押下されることによって、記録ボタン180が押下された時刻の前後の所定時間のデータを抽出し、このデータをメモリカード30に記録するように構成することができる。
【0027】
カメラ12とカメラインタフェース120との接続には、例えばUSB(Serial Universal Bus)等のインターファースを用いる。なお、本実施形態ではドライブレコーダ10にカメラ12が一つ接続される構成を例として示したが、複数のカメラ12をカメラインタフェース120に接続して、各々のカメラを車両11の任意の位置に設置してもよい。例えば一つカメラ12を車両の前方を撮影するように設置し、他のカメラ12を車両の後方、車室内の運転者付近を撮影するように設置してもよい。
【0028】
図3は、本発明の実施形態のパーソナルコンピュータ(PC)20の機能ブロック図である。
【0029】
PC20は、メモリカードインタフェース21に挿入されたメモリカードに記録されている動画ファイル等を取得し、取得した動画ファイルを再生する画像再生装置である。
【0030】
PC20は、外部インタフェース270を備える。外部インタフェース270は、データの書き込み及び読み出しを行うメモリカードインタフェース21と、画像データ等を表示可能な液晶ディスプレイ等からなる表示部22と、ユーザからの指示が入力可能なキーボード及びマウス等からなる入力部23と、が接続される。
【0031】
PC20は、入力部23を用いてドライブレコーダ10の設定を行う車両情報設定部230と、メモリカード30に記録された画像データ、走行データ等を取得するデータ取得部240と、を備える。
【0032】
制御部210はこれら各部を統括的に制御する。記録部220は、ROM、RAM等のメモリ及び、ハードディスク等から構成され、制御部210によって制御される各部が用いるデータ等を記録する。
【0033】
なお、PC20は、記録部220に記録されたソフトウェアを制御部210が読み込み、これを実行することによって、車両情報設定部230、データ取得部240及び復号化部250が構成される。
【0034】
また、外部インタフェース270とメモリカードインタフェース21又は入力部23との接続には、例えばUSB等が用いられる。また、外部インタフェース270と表示部22との接続には、例えばDVI(Digital Visual Interface)、HDMI(High-Definition Multimedia Interface)等のインタフェースが用いられる。
【0035】
次に、以上のように構成されたドライブレコーダシステム1の動作を説明する。
【0036】
本発明の実施形態のドライブレコーダ10は、車両11の運転中に、カメラ12が取得した画像データを、適宜エンコードして、動画ファイルとしてメモリカード30に記録する。記録時間は、エンコード方式や画像サイズ、量子化数等によって異なるが、通常、数十分から数時間の動画ファイルとして記録が可能である。
【0037】
その後、車両11の運転が終了した後に、メモリカード30をPC20のメモリカードインタフェース21に挿入する。PC20は、ユーザからの再生要求に基づいて、メモリカード30に記録された動画ファイルを読み出し、表示部22に画像を再生する。
【0038】
PC20において、制御部210は、メモリカード30に記録された動画ファイルを、表示部22に一覧表示する。このとき、単に動画ファイルのファイル名や記録日時を表示するのみでなく、動画ファイルのサムネイルを表示する。
【0039】
これにより、例えば、動画ファイルの所定時間間隔でのサムネイルを表示することによって、動画ファイルの内容や推移を容易に識別可能となる。また、複数の動画ファイルがメモリカード30に存在する場合にも、ユーザは目的の動画ファイルを目視だけで容易に識別可能となる。
【0040】
ところで、従来のドライブレコーダシステムは、動画ファイルのサムネイルを表示する場合に、次のような方法で行っていた。
【0041】
動画ファイルの先頭部分にある動画フレームをサムネイルとして表示する方法がある。この方法では、長時間記録された動画ファイルのうちの先頭のみしか表示されず、必ずしも記録された動画ファイルの特徴を示すとは限らないため、複数の動画ファイルを一覧表示する場合や、長時間記録された動画ファイルを識別する場合は、不便である。
【0042】
また、サムネイル作成用画像を、動画ファイルの中の位置として特定する方法がある。この場合は、サムネイル作成用画像を特定するために画像データを全て読み出す必要があるため、表示に時間がかかってしまう。特に、MPEGに代表される動画ファイルでは、ファイルの先頭から目的の位置まで動画ファイルを全て読み込んだ上で再生を行なう必要があり、処理の時間が大きくなってしまう。
【0043】
また、ドライブレコーダ10が動画ファイルを記録するときに、動画ファイルの特徴部分(例えばイベントを検出したときの画像)をサムネイル作成用画像として別に記録するという方法がある。この場合は、サムネイル作成用画像を記録する領域をメモリカード30に確保する必要があり、動画ファイルを記録できる時間が制限されてしまう。
【0044】
そこで、本発明の実施形態では、次のような作用によって、動画ファイルの読み込み処理の時間を大きくすることなく、また、メモリカード30の容量が制限されることなく、サムネイル画像を表示するように構成した。
【0045】
図4は、本発明の実施形態のドライブレコーダシステム1の動作を示すシーケンス図である。
【0046】
まず、ユーザがメモリカード30をPC20のメモリカードインタフェース21に挿入して(S100)、車両情報の設定を行う。
【0047】
PC20において、車両情報設定部230は、表示部22にGUIを表示して、ユーザ(管理者)からユーザID等の入力を受け付ける(S101)。車両情報設定部230は、入力されたユーザIDを、メモリカード30に書き込む(S102)。メモリカード30は、書き込まれたユーザIDを記録する(S103)。
【0048】
車両情報設定部230によって設定されるユーザIDは、ドライブレコーダ10を搭載する車両11を個別に設定されるIDナンバーである。例えば、車両11に固有の車両ナンバーをユーザIDとして登録してもよいし、車両11を運転する運転者に個別に設定された情報をIDナンバーに付加してもよい。
【0049】
ユーザは、メモリカード30をPC20から取り外して、ドライブレコーダ10のメモリカードインタフェース170に挿入する(S104)。
【0050】
ドライブレコーダ10において、制御部100は、メモリカードインタフェース170にメモリカード30が挿入されたことを検出すると、メモリカード30に記録されているユーザIDを取得して、記録部110に記録する(S105)。
【0051】
制御部100は、メモリカードインタフェース170にメモリカード30が挿入されている状態で車両11の運転を開始したことを検出すると、画像データ及び走行データを記録部110のバッファに記録を開始する(S106)。なお、制御部100は、車両インタフェース130から取得する車速が、例えば0[km/h]を超えた場合に、車両11の運転を開始したことを検出する。
【0052】
記録部110のバッファに記録された画像データは、制御部100が適宜エンコードを行い、動画ファイルとして作成し、メモリカードインタフェース170を介してメモリカード30に記録する。本発明の実施形態では、画像データをMPEGエンコードによって動画ファイルとして作成する(S107)。
【0053】
ここで、ステップS107の動画ファイル作成処理において、制御部100は、作成した動画ファイルに対応して、サムネイル用ファイルを作成する。サムネイル用ファイルは、作成された動画ファイルの各フレームのうち、所定間隔で記録されるI−pictureについて、動画ファイルの先頭からのオフセット位置、及び、サイズ(バイト数)を記録したものである。
【0054】
制御部100は、作成した動画ファイルと、作成したサムネイル用ファイルとを、メモリカードインタフェース170を介してメモリカード30に書き込む(S108)。メモリカード30は、書き込まれた動画ファイルを記録する(S109)。また、その後新たに取得された画像データは、逐次エンコードされ、メモリカードに記録された動画ファイルに追記する。
【0055】
また、車両11の運転中に、イベント検出部140がイベントを検出した場合は(S110)、制御部100は、記録部110に記録されている画像データ及び走行データから、イベントが検出された時刻の前後の所定時間(例えば、前後15秒間)のデータを抽出して、抽出したデータを画像ファイルとしてメモリカード30に書き込む(S111、S112)。
【0056】
なお、イベント検出部140は、例えば、前後G又は横Gが0.8G以上となった場合に、イベントが発生したことを検出する。イベントが検出されない場合は、画像データ及び走行データの記録を継続する。
【0057】
車両11の運転が終了した後に、ユーザは、メモリカード30をドライブレコーダ10から取り外して、PC20のメモリカードインタフェース21に挿入する(S113)。
【0058】
PC20において、制御部210は、まず、メモリカードインタフェース21及び外部インタフェース270を介して、メモリカード30に記録されたサムネイル用ファイルを読み出す(S113)。
【0059】
このとき、制御部210は、サムネイル用ファイルを参照して、メモリカード30に記録されている動画ファイルに時系列順に記録されている動画フレームのI−pictureそれぞれについて、動画ファイル上での位置及びサイズを特定する。
【0060】
そして、制御部210は、特定されたI−pictureのうち、一つ又は複数のI−pictureを選択して、その動画ファイルのサムネイル画像として、外部インタフェース270を介して表示部22に表示する(S114)。なお、メモリカード30に複数の動画ファイルが記録されている場合は、複数の動画ファイルそれぞれについて、サムネイル画像を表示する。
【0061】
PC20のユーザは、表示部22に表示されたサムネイル画像から、動画ファイルの内容を視認する。動画ファイルの再生を希望する場合は、入力部23によって動画ファイルを選択し、再生要求を入力する。
【0062】
PC20は、外部インタフェース270を介してユーザからの動画ファイルの再生要求を受領した場合は、メモリカードインタフェース21及び外部インタフェース270を介して、メモリカード30に記録された動画ファイルを取得し、取得した動画ファイルを表示部22に再生する(S115)。
【0063】
以上のような処理によって、ドライブレコーダ10が、動画ファイルとして記録する際にサムネイル用ファイルを作成し、PC20が、記録されたサムネイル用ファイルを参照して、動画ファイルからサムネイル画像を取得できる。
【0064】
図5は、本発明の実施形態のドライブレコーダ10が記録する動画ファイル及びサムネイル用ファイルの説明図である。
【0065】
図4のステップS108の処理において、ドライブレコーダ10の制御部100は、動画ファイル40を作成するときに、この図5に示すようなサムネイル用ファイル50を別途作成する。
【0066】
動画ファイル40は、カメラ12によって逐次取得された画像データをMPEGエンコードした動画ファイルである。動画ファイルは複数のフレームによって構成される。フレームは、所定間隔で記録される画像フレームとして、I−pictureと、このI−pictureとの差分フレームであるB−picture及びP−pictureとを含む。I−pictureと、複数のB−picture及びP−pictureとが一つのグループとして構成されている。
【0067】
I−pictureには、完全な画像情報が含まれているので、I−picture単独で再生可能である。一方、B−picture及びP−pictureはI−pictureに対する差分情報のみであるので、単独では表示可能な情報を含んでいない。
【0068】
この図5に示す例では、1秒間隔で、I−pictureが記録されている。そこで、このI−pictureの位置及びサイズを示す情報をサムネイル用ファイル50として、記録する。
【0069】
サムネイル用ファイル50は、動画ファイル40に含まれる個々のI−pictureの先頭からのオフセット番地と、I−pictureのファイルサイズとを組としたものである。この組は、全てのI−pictureについて記録される。
【0070】
PC20は、このサムネイル用ファイルを参照することによって、動画ファイルに含まれる個々のI−pictureの位置及びサイズを特定できるので、動画ファイルの全てを読み込むことなく、特定したI−pictureのみを読み込むことが可能となる。
【0071】
図6は、本発明の実施形態のPC20が表示するサムネイル画像の一例の説明図である。
【0072】
図6(A)は、メモリカード30に記録されている動画ファイルから、所定時間間隔で複数のサムネイル画像を表示部22に表示した場合のサムネイル画像の一例である。
【0073】
PC20の制御部210は、メモリカード30に記録されているサムネイル用ファイルから、所定間隔で記録されているI−pictureの動画ファイル上の位置及びサイズを特定する。そして、動画ファイルから特定されたI−pictureのみを読み出して、表示部22に表示する。
【0074】
図6(A)の例では、9つのブロックに分割された領域に、所定の時間間隔でI−pictureにより作成された画像を表示する例である。動画ファイルの所定間隔でサムネイル画像を表示することによって、その動画ファイル時系列を容易に把握することができる。
【0075】
図6(B)は、メモリカード30に複数の動画ファイルが記録されている場合に、個々の動画ファイルに対応して表示部22に表示した場合のサムネイル画像の一例である。
【0076】
PC20の制御部210は、メモリカード30に記録されているサムネイル用ファイルからイベント発生時刻に該当するI−pictureの動画ファイル上の位置及びサイズを特定する。そして、動画ファイルから特定されたI−pictureのみを読み出して、表示部22に表示する。
【0077】
メモリカード30に記録されている動画ファイルごとにイベント発生時刻のI−pictureをサムネイルとして表示することにより、動画ファイルの最も特徴的な部分を表示することができる。これにより、例えば、車両に複数のカメラ12が備えられている場合にも、それらを一覧して表示することができる。
【0078】
以上のように構成された本発明の実施形態では、走行中の車両11に備えられたカメラ12により画像データを取得し、イベント検出部140によって衝撃などのイベントが検出されたときに画像データをメモリカード30に記録するドライブレコーダにおいて、動画ファイルを記録するときに特定情報を記録するように構成した。
【0079】
このように構成することによって、動画ファイル再生時に、動画ファイルを全て読み込むことなく、特定情報によって特定された画像フレーム(I−picture)のみを読み込むことが可能となり、サムネイル画像を表示する処理時間が大きくなることを防止することができる。
【0080】
特に特定情報は、動画ファイル中の位置及びサイズを特定する情報を有するので、動画ファイルに含まれるI−pictureを容易に特定することができ、特定したI−pictureを用いてサムネイルを表示することができる。このI−pictureを用いたサムネイル表示を用いることによって、動画ファイルを再生するときのMPEGのデコードによる画像再生処理を行うとなく、画像フレームのみを連続して表示させることにより早送り、巻き戻し等も行うことができる。
【0081】
なお、本発明の実施形態は、動画ファイルをMPEGエンコード方式で作成したがこれに限られず、他のエンコード方式によって動画ファイルを作成してもよい。
【0082】
また、本発明の実施形態では、カメラ12によって逐次記録された画像データを、動画ファイルとして逐次記録する例を示したが、図4のステップS110のように、イベント検出部140が衝撃等のイベントを検出した場合に、イベントが検出された時刻の前後の所定時間(例えば、前後20秒間)のデータを抽出して、抽出したデータをMPEG等のエンコードによる動画ファイルとして記録してもよい。このとき、記録された動画ファイルに対応するサムネイル用ファイルを作成してもよい。
【0083】
本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その技術的思想の範囲内でなしうるさまざまな変更、改良が含まれることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0084】
1 ドライブレコーダシステム
10 ドライブレコーダ
11 車両
12 カメラ
20 パーソナルコンピュータ(PC)
30 メモリカード
100 制御部
210 制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像情報を取得する画像情報取得手段と、前記画像情報取得手段が取得した画像情報を動画情報として記録手段に記録する画像情報記録手段と、を備える画像記録装置であって、
前記画像情報取得手段は、複数の画像フレームと前記画像フレームに対する差分フレームとを時系列順に生成し、
前記画像情報記録手段が、前記生成した画像フレーム及び差分フレームを動画情報として前記記録手段に記録するときに、前記動画情報から各々の前記画像フレームを特定するための特定情報を前記記録手段に記録する特定情報記録手段を備えることを特徴とする画像記録装置。
【請求項2】
前記画像情報記録手段は、前記画像フレームと当該画像フレームに対応する差分フレームとを時系列順に生成した動画ファイルとして記録し、
前記特定情報は、前記画像フレーム各々について、前記動画ファイル中の位置及びサイズを特定する情報を有することを特徴とする請求項1に記載の画像記録装置。
【請求項3】
前記動画ファイルは、前記画像フレームと当該画像フレームに対応する複数の差分フレームとから構成されるMPEG動画であることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像記録装置。
【請求項4】
画像情報を取得する画像情報取得手段と、前記画像情報取得手段が時系列順に取得した複数の画像フレームと前記画像フレームに対する差分フレームとを動画情報として記録手段に記録する画像情報記録手段と、前記画像情報記録手段が前記動画情報を前記記録手段に記録するときに、前記動画情報から各々の前記画像フレームを特定するための特定情報を前記記録手段に記録する特定情報記録手段と、を備えるドライブレコーダと、
前記記録手段に記録された画像情報を表示部に再生する再生手段と、前記記録手段に記録された特定情報を参照して前記画像情報から一又は複数の前記画像フレームを特定し、前記特定された画像フレームを前記表示部に表示するサムネイル表示手段と、を備える画像再生装置と、
を備えることを特徴とするドライブレコーダシステム。
【請求項5】
前記画像情報記録手段は、前記画像フレームと当該画像フレームに対応する複数の差分フレームとの組を時系列順に整列した動画ファイルとして記録し、
前記特定情報は、前記画像フレーム各々について、前記動画ファイ中の位置及びサイズを特定する情報を有し、
前記サムネイル表示手段は、前記記録手段に記録された特定手段を参照して、一又は複数の前記画像フレームの前記動画ファイル中の位置及びサイズを特定し、前記動画ファイルから当該特定された画像フレームのみを取得し、取得した画像フレームを表示することを特徴とする請求項4に記載のドライブレコーダシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−169856(P2012−169856A)
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−29060(P2011−29060)
【出願日】平成23年2月14日(2011.2.14)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.COMPACTFLASH
【出願人】(000000929)カヤバ工業株式会社 (2,151)
【Fターム(参考)】