説明

画像記録装置

【課題】 記録材料にしわ等を生ずることなく、画像を正確に記録することが可能な画像記録装置を提供すること。
【解決手段】 巻き出しローラ11と、巻き取りローラ14と、巻き出しローラ11から巻き出され巻き取りローラ14により巻き取られることで一方向に移動する記録材料1をその下面から吸着保持した状態で往復移動する吸着テーブル31と、吸着テーブル31と同期して移動する一対の剥離ローラと、記録材料1の移動方向と交差する方向に移動する記録ヘッド34と、第1のダンサーローラ機構12と、第2のダンサーローラ機構13と、ニップローラ35とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、長尺の記録材料に対して画像を記録する画像記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像の記録を行うときには、一般的には、シート状の記録材料に対して画像を記録する画像記録装置が使用されている。しかしながら、例えば、FPC(フレキシブル・プリント・サーキット)等と呼称される可撓性のプリント基板用の記録材料のように、その厚みが例えば0.1mm以下の薄い記録材料を使用する場合には、記録材料を画像の記録のためのテーブルに載置したときや、オペレータが記録材料を装置に投入するとき等に、記録材料にしわが生じやすいという問題が生ずる。
【0003】
このため。例えばロール状の長尺の記録材料を使用し、長尺の記録材料をその長手方向に搬送しながら、その記録材料に画像を記録する画像記録装置も提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2003−115449号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に記載された画像記録装置は、巻き取りロールにより記録材料を搬送して画像を記録する構成であることから、高精度で画像を記録することは困難である。
【0005】
この発明は上記課題を解決するためになされたものであり、記録材料にしわ等を生ずることなく、画像を正確に記録することが可能な画像記録装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、長尺の記録材料に対して画像を記録する画像記録装置であって、前記記録材料を巻き出す巻き出しローラと、前記巻き出しローラから巻き出された記録材料を巻き取る巻き取りローラと、前記巻き出しローラと前記巻き取りローラとの間に配設され、前記巻き出しローラから巻き出され前記巻き取りローラにより巻き取られることで一方向に移動する記録材料をその下面から吸着保持した状態で、前記記録材料の移動方向に往復移動する吸着テーブルと、前記吸着テーブルの前記記録材料の移動方向の両端に配設された状態で前記吸着テーブルと同期して移動し、前記吸着テーブルの表面から前記記録材料を剥離するための一対の剥離ローラと、前記吸着テーブルの移動ストロークの上方に配設され、前記記録材料の移動方向と交差する方向に移動する記録ヘッドと、前記吸着テーブルの前記巻き出しローラ側の移動ストロークの端部と前記巻き出しローラとの間に配設された第1のダンサーローラ機構と、前記吸着テーブルの前記巻き取りローラ側の移動ストロークの端部と前記巻き取りローラとの間に配設された第2のダンサーローラ機構と、前記吸着テーブルの前記巻き取りローラ側の移動ストロークの端部と前記第2のダンサーローラ機構との間に配設されたニップローラとを備えたことを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記吸着テーブルは、前記巻き出しローラから巻き出され前記巻き取りローラにより巻き取られる記録材料の表面に垂直な軸を中心に、前記記録材料の表面と平行な平面内で微小角度回動する。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記吸着テーブルに吸着保持された記録材料の表面に形成されたアライメントマークを検出するカメラを備え、前記吸着テーブルは、前記カメラによるアライメントマークの検出結果に基づいて微小角度回転する。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の発明において、前記巻き出しローラから巻き出され、前記吸着テーブルに吸着保持される前の記録材料の両面にアライメントマークを形成するアライメントマーク形成機構を備える。
【0010】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の発明において、前記アライメントマーク形成部は、前記第1のダンサーローラ機構と前記吸着テーブルの前記巻き出しローラ側の移動ストロークの端部との間に配設される。
【0011】
請求項6に記載の発明は、請求項4に記載の発明において、前記アライメントマーク形成部は、前記巻き出しローラと前記第1のダンサーローラ機構との間に配設される。
【0012】
請求項7に記載の発明は、請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の発明において、前記吸着テーブルは、そこに吸着保持した記録材料の幅方向の両端部を前記吸着テーブルの表面に向けて押圧する押さえ板を備える。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に記載の発明によれば、記録材料にしわ等を生ずることなく、画像を正確に記録することが可能となる。
【0014】
請求項2に記載の発明によれば、画像の記録位置を調整することが可能となる。
【0015】
請求項3に記載の発明によれば、アライメントマークの位置を測定して、画像を正確な位置に記録することが可能となる。
【0016】
請求項4に記載の発明によれば、記録材料の表面に画像を記録するときに、記録材料の表面に記録される画像と裏面に記録される画像の位置決めを行うためのアライメントマークを形成することが可能となる。
【0017】
請求項5に記載の発明によれば、アライメントマーク形成部を、容易に後から画像記録装置に付設することが可能となる。
【0018】
請求項6に記載の発明によれば、画像の記録時にアライメントマークを形成することが可能となる。
【0019】
請求項7に記載の発明によれば、記録材料の幅方向の両端部にしわを生ずることなく吸着テーブルの表面に吸着保持することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1はこの発明の第1実施形態に係る画像記録装置の側面概要図であり、図2はその平面概要図である。
【0021】
この画像記録装置は、FPC用の薄型長尺の記録材料1に画像を記録するものであり、
記録材料1を巻き出す巻き出しローラ11と第1ダンサーローラ機構12とを備えた供給部2と、記録材料1の両面にアライメントマークを形成するアライメントマーク形成機構3と、画像記録部4と、第2ダンサーローラ機構13と記録材料1を巻き取る巻き取りローラ14とを備えた回収部5とを備える。
【0022】
前記供給部2は、図示しないモータの駆動により回転する巻き出しローラ11と、ガイドローラ15と、一対の固定ローラ21、22およびダンサーローラ23よりなる第1ダンサーローラ機構12から構成される。同様に、前記回収部5は、図示しないモータの駆動により回転する巻き取りローラ14と、ガイドローラ16と、一対の固定ローラ24、25およびダンサーローラ26よりなる第2ダンサーローラ機構13から構成される。さらに、前記アライメントマーク形成機構3は、上下一対の露光部52、53からなるアライメントマーク形成部51を備える。
【0023】
次に、前記画像記録部4の構成について説明する。図3は画像記録部4の側面概要図であり、図4はその平面概要図である。
【0024】
この画像記録部4は、記録材料1をその下面から吸着保持する吸着テーブル31と、この吸着テーブル31の移動方向の両端に配設され吸着テーブル31の表面から記録材料1を剥離する一対の剥離ローラ32と、記録材料1に形成されたアライメントマークM(図2参照)を検出する一対のCCDカメラ33と、4個の記録ヘッド34a、34b、34c、34d(これらを総称する場合には「記録ヘッド34」という)と、一対のニップローラ35とを備える。
【0025】
吸着テーブル31の表面には、記録材料1を吸着保持するための多数の吸着孔が穿設されている。また、この吸着テーブル31は、Z軸テーブル36および回転テーブル37と、支持台41とを介して、リニアモータ40の可動子38と連結されている。このため、吸着テーブル31は、リニアモータ40の固定子39に沿って、図3において実線で示す巻き出しローラ11側の移動ストロークの端部から、図3において仮想線で示す巻き取りローラ14側の移動ストロークの端部まで、Y方向に往復移動する。そして、上述した一対の剥離ローラ32は、支持台41に連結されており、吸着テーブル31の移動に同期して、Y方向に往復移動する構成となっている。また、この一対の剥離ローラ32は、図示しない昇降機構により、図1および図3に示すZ方向に昇降する。
【0026】
図5は、上述したZ軸テーブル36および回転テーブル37を示す説明図である。ここで、図5(a)は回転テーブル37の平面図、図5(b)はZ軸テーブル36の平面図、また、図5(c)は回転テーブル37およびZ軸テーブル36の側面図である。
【0027】
図5(a)および図5(c)に示すように、回転テーブル37は、モータ42の駆動により回転部43を回転させることで、吸着テーブル31を、巻き出しローラ11から巻き出され巻き取りローラ14により巻き取られる記録材料1の表面に垂直な軸を中心に、記録材料1の表面と平行な平面内で微小角度回動させるものである。すなわち、吸着テーブル31は、モータ42の駆動により、図4に示すθ方向に回動する。
【0028】
また、図5(b)および図5(c)に示すように、Z軸テーブル36は、モータ42の駆動により基部45をスライドさせることで、吸着テーブル31を、巻き出しローラ11から巻き出され巻き取りローラ14により巻き取られる記録材料1の表面に垂直な方向に昇降させるためのものである。すなわち、吸着テーブル31は、モータ42の駆動により、図3に示すZ方向に昇降する。
【0029】
上述した吸着テーブル31には、そこに吸着保持した記録材料1の幅方向の両端部を吸着テーブル31の表面に向けて押圧する押さえ板48とその移動機構が付設されている。図6は吸着テーブル31に付設された押さえ板48の移動機構を示す側面概要図であり、図7はその平面図である。
【0030】
吸着テーブル31における記録材料1の幅方向の両端部の側方には、エアシリンダ44の駆動で移動する移動部材45が配設されている。この移動部材45には、移動部材45の移動に伴って軸47とともに回動する回動部材46が配設されており、この回動部材46には押さえ板48が付設されている。このため、エアシリンダ44の駆動で移動部材45を移動させることにより、記録材料1の幅方向の両端部を、押さえ板48により押圧することができる。そして、この押さえ板48は、記録材料1とともに吸着テーブル31の表面に吸着保持されることから、記録材料1の端部に記録材料1が吸着テーブル31に吸着される際にしわ49(図6(a)参照)が生じていたとしても、このしわを解消して記録材料1を吸着テーブル31に吸着保持することが可能となる。
【0031】
なお、図7(a)および図7(b)に示すように、一対の押さえ板48とその移動機構のうち、一方の押さえ板48とその移動機構は、記録材料1の幅方向の位置を変更可能となっている。このため、記録材料1の幅が変更された場合にも、押さえ板48により記録材料1の幅方向の両端部を吸着テーブル31の表面に向けて確実に押圧することが可能となる。
【0032】
再度、図3および図4を参照して、記録材料1に形成されたアライメントマークM(図2参照)を測定する一対のCCDカメラ33は、各々、モータ85の駆動により回転するボールねじ86と連結されている。このため、これらのCCDカメラ33は、アライメントマークMの位置に応じてその撮像位置を変更することが可能となっている。
【0033】
上述した4個の記録ヘッド34a、34b、34c、34dは、吸着テーブル1の移動ストロークの上方に配設され、記録材料1の移動方向と交差する方向(図4に示すX方向)に延びる一対のリニアガイド88に案内されて移動可能となっている。そして、一対のリニアガイド88の間には、リニアガイド88と平行に配置されたリニアモータ87が配設されている。このため、4個の記録ヘッド34a、34b、34c、34dは、リニアモータ87の駆動により、X方向に往復移動する。
【0034】
上述した一対のニップローラ35のうち、上側のニップローラ35は、エアシリンダ89の駆動により図3に示すZ方向に昇降する。このため、エアシリンダ89の駆動により、一対のニップローラ35は、記録材料1を挟持する挟持状態と、記録材料1を解放する開放状態とをとることが可能となる。
【0035】
次に、前記アライメントマーク形成機構3の構成について説明する。上述したように、アライメントマーク形成機構3は、上下一対の露光部52、53からなるアライメントマーク形成部51を一対備える。図8は各アライメントマーク形成部51の斜視図であり、図9はその縦断面図である。
【0036】
このアライメントマーク形成部51は、記録材料1表面側と裏面側に各々同軸上に配設された、一対の露光部52、53を備える。この一対の露光部52、53は、記録材料1の非有効領域に一対のアライメントマークMを形成する。
【0037】
各露光部52、53は、UV光を出射するLED54と、位置決め用アライメントマークMに対応したパターンを有するマスク55と、複数のレンズ61、62、63、64、65、66および絞りとしてのアパーチャ67より成る光学系とを備える。マスク55、複数のレンズ61、62、63、64、65、66およびアパーチャ67は、鏡筒68により支持されている。なお、複数のレンズ61、62、63、64、65、66およびアパーチャ67より成る光学系は、マスク55のパターンを記録材料1の表面および裏面に投影する投影光学系として機能する。
【0038】
記録材料1の裏面側に配設された露光部53は、ホルダー72を介してベースブロック71に固定されている。また、記録材料1の表面側に配設された露光部52は、ホルダー74により支持されている。このホルダー74はリニアガイド73を介してベースブロック71に連結されている。また、ホルダー74には、ナット78が付設されている。このナット78は、ボールねじ77と螺合している。そして、このボールねじ77は、カップリング76を介してモータ75と連結されている。このため、上側の露光部52は、モータ75の駆動により昇降する。
【0039】
図8に示すように、上側の露光部52の側方には、押さえ部57を備えたエアシリンダ56が配設されいる。また、図8および図9に示すように、上側の露光部52と下側の露光部53との間には、その中央に開口部81が形成された支持板82が配設されている。この支持板82および押さえ部57は、それらの間に記録材料1を挟持して固定するためのものである。また、図8に示すように、上側の露光部52の側方には、支持板82上に配置された記録材料1の表面の高さ位置を測定するためのセンサ83が配設されている。
【0040】
次に、このアライメントマーク形成部51により、記録材料1の両面に形成されるパターンの位置決め用アライメントマークMを形成する場合のアライメントマーク形成動作について説明する。
【0041】
アライメントマークMを形成する場合には、最初に、記録材料1を固定する。すなわち、エアシリンダ56の駆動により押さえ部57を下降させ、記録材料1を押さえ部57と支持板82との間に挟持して固定する。そして、必要な場合には、センサ83より検出した記録材料1の表面の高さ位置に基づいて、モータ75の駆動により上側の露光部52を昇降させ、記録材料1の上面に露光部52におけるマスク55のパターンが結像されるようにする。なお、露光部53におけるマスク55のパターンは、支持板82上に配置された記録材料1の裏面に結像されるように、露光部53が予め配置されている。
【0042】
この状態において、各露光部52、53におけるLED54を点灯し、UV光を出射させる。これにより、マスク55のパターンが光学系を介して記録材料1の表面および裏面に投影される。このときには、記録材料1の表面に形成されたフォトレジストに対し、マスク55のパターンが焼き付けられ、潜像が形成される。これにより、記録材料1に対し、位置決め用アライメントマークMが形成される。
【0043】
次に、上述した画像記録装置による画像の記録動作について説明する。
【0044】
この画像記録装置においては、最初に記録材料1画像を記録する前に、巻き出しローラ11から巻き出され巻き取りローラ14により巻き取られる記録材料1に対して、上述したアライメントマーク形成機構3により、その表面側および裏面側にアライメントマークMが形成される。
【0045】
そして、画像を記録するときには、記録材料1の画像記録エリアを吸着テーブル31により吸着保持する。このときには、上述した一対のニップローラ35は記録材料1を挟持しており、記録材料は固定されている。また、このときには、上述した押さえ板48により、記録材料1の幅方向の両端部が吸着テーブル31の表面に向けて押圧される。そして、記録材料1におけるアライメントマークMの位置を一対のCCDカメラ33により検出する。
【0046】
次に、これらのCCDカメラ33によるアライメントマークMの検出結果に基づいて、上述した回転テーブル37の作用により、吸着テーブル31を巻き出しローラ11から巻き出され巻き取りローラ14により巻き取られる記録材料1の表面に垂直な軸を中心に、記録材料1の表面と平行な平面内で微小角度回動させることにより、回転テーブル1の位置決めを行う。
【0047】
すなわち、記録材料1の両面にプリント配線基板等のパターンを記録する場合においては、記録材料1の両面に記録されるパターンを互いに位置決めする必要がある。このため、記録材料1の表面および裏面に画像を記録するときに、先にアライメントマーク形成機構3により記録材料の両面に形成したアライメントマークMを利用して回転テーブル1を移動させることにより、記録材料1の位置決めを実行する。
【0048】
次に、一対のニップローラ35による記録材料1のニップを解除する。そして吸着テーブル1が図2および図3に示すY方向に往復移動するとともに、この往復移動と同期して4個の記録ヘッド34a、34b、34c、34d図4に示すX方向に間欠移動する。このような動作を繰り返すことにより、記録材料1における画像記録エリア全域に対して、4個の記録ヘッド34a、34b、34c、34dにより画像の記録が実行される。
【0049】
このときには、吸着テーブル31の往復移動に伴い、記録材料1が吸着テーブル31の移動ストロークだけ進退を繰り返す。この記録材料1の移動は、第1、第2のダンサーローラ機構12、13により吸収される。このときのダンサーローラ23、26の昇降距離は、吸着テーブル31の移動ストロークの二分の一となっている。
【0050】
画像の記録が終了すれば、記録材料1を、図1において矢印Aで示す方向に、巻き出しローラ11から巻き出すとともに巻き取りローラ14により巻き取る。このときには、吸着テーブル31により記録材料1を吸着保持したままの状態で、次の画像記録エリアに対応したアライメントマークMが一対のCCDカメラ33により読み取られる位置まで記録材料1が吸着テーブル31とともに移動される。このときには、巻き出しローラ11は記録材料1を吸着テーブル31の移動距離だけ巻き出し、巻き取りローラ14は記録材料1を吸着テーブル31の移動距離だけ巻き取る。
【0051】
次に、一対のニップローラ35により記録材料1を挟持して固定する。そして、吸着テーブル31による記録材料1の吸着保持を解除する。しかる後、吸着テーブル31の移動方向の両端に配設された一対の剥離ローラ32を上昇させることにより、吸着テーブル31の表面から記録材料1を剥離する。なお、剥離ローラ32を上昇させる代わりに、上述したZ軸テーブル36を利用して吸着テーブル31を下降させることにより、吸着テーブル31の表面から記録材料1を剥離してもよい。
【0052】
そして、吸着テーブル31を、記録材料1における次の画像記録エリアに対応する位置まで移動させる。このときには、一対の剥離ローラ32は、記録材料1の下面に当接した状態で回転する。そして、一対の剥離ローラ32を下降させ、記録材料1を吸着テーブル31により吸着保持する。
【0053】
以上のように、この発明に係る画像記録装置によれば、吸着テーブル31が長尺の記録材料1を吸着保持した状態で往復移動し、この記録材料1に記録ヘッド34が画像を記録する構成であることから、記録材料1にしわ等を生ずることなく、画像を正確に記録することが可能となる。
【0054】
次に、この発明の他の実施形態について説明する。図10はこの発明の第2実施形態に係る画像記録装置の側面概要図であり、図11はその平面概要図である。なお、上述した第1実施形態と同一の部材については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0055】
上述した第1実施形態に係る画像記録装置においては、アライメントマーク形成機構3が第1のダンサーローラ機構12と吸着テーブル31の巻き出しローラ11側の移動ストロークの端部との間に配設されている。このような構成を採用した場合には、アライメントマーク形成機構3を、容易に後から画像記録装置に付設することが可能となる。
【0056】
これに対して、この第2実施形態に係る画像記録装置においては、アライメントマーク形成機構3が、巻き出しローラ11と第1のダンサーローラ機構12との間に配設されている。このような構成を採用した場合には、画像の記録時にアライメントマークMを形成することが可能となる。すなわち、この第2実施形態に係る画像記録装置においては、吸着テーブル31を往復移動させて画像を記録しているときに、アライメントマーク形成機構3における上下一対の露光部52、53を利用して記録材料1にアライメントマークMを形成する。
【0057】
このときには、アライメントマーク形成機構3付近の記録材料1は、第1のダンサーローラ機構12におけるダンサーローラ23の作用により静止している。なお、例えば、第1のダンサーローラ機構12における固定ローラ21と対向する位置にニップローラを配設することにより、記録材料1を強制的に停止させるようにしてもよい。
【0058】
次に、この発明のさらに他の実施形態について説明する。図12はこの発明の第3実施形態に係る画像記録装置の平面概要図であり、図13はその部分拡大図である。なお、上述した第1実施形態と同一の部材については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0059】
この実施形態に係る画像記録装置は、第1実施形態に係る画像記録装置と同様の構成を備えているが、比較的幅広の記録材料1に対して画像の記録を行う代わりに、比較的幅の狭い一対の記録材料1aおよび1bに対して画像を記録する構成となっている。
【0060】
すなわち、この実施形態に係る画像記録装置においては、一対の記録ヘッド34a、34bを使用して一方の記録材料1aに対して画像を記録するとともに、一対の記録ヘッド34c、34dを使用して他方の記録材料1bに対して画像を記録する構成となっている。そして、この実施形態においては、アライメントマーク形成機構3におけるアライメントマーク形成部51は各記録材料1a、1b毎に一対配設されており、CCDカメラ33も各記録材料1a、1b毎に一対配設されている。
【0061】
この画像記録装置においては、図13に示すように、4個の画像領域101、102、103、104に、同一の画像を記録するようにしてもよいし、各々異なる画像を記録するようにしてもよい。この画像記録装置においては、2本の長尺の記録材料1a、1bに同時に画像を記録することができるので、生産性の向上が図れるとともに、多品種少量生産に対応することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】この発明の第1実施形態に係る画像記録装置の側面概要図である。
【図2】この発明の第1実施形態に係る画像記録装置の平面概要図である。
【図3】画像記録部4の側面概要図である。
【図4】画像記録部4の平面概要図である。
【図5】Z軸テーブル36および回転テーブル37を示す説明図である。
【図6】押さえ板48の移動機構を示す側面概要図である。
【図7】押さえ板48の移動機構を示す平面図である。
【図8】アライメントマーク形成部51の斜視図である。
【図9】アライメントマーク形成部51の縦断面図である。
【図10】この発明の第2実施形態に係る画像記録装置の側面概要図である。
【図11】この発明の第2実施形態に係る画像記録装置の平面概要図である。
【図12】この発明の第3実施形態に係る画像記録装置の平面概要図である。
【図13】この発明の第3実施形態に係る画像記録装置の部分拡大図である。
【符号の説明】
【0063】
1 記録材料
2 供給部
3 アライメントマーク形成機構
4 画像記録部
5 回収部
11 巻き出しローラ
12 第1ダンサーローラ機構
13 第2ダンサーローラ機構
14 巻き取りローラ
31 吸着テーブル
32 剥離ローラ
33 CCDカメラ
34 記録ヘッド
35 ニップローラ
36 Z軸テーブル
37 回転テーブル
38 可動子
39 固定子
40 リニアモータ
41 支持台
48 押さえ板
51 アライメントマーク形成部
52 露光部
53 露光部
85 モータ
86 ボールねじ
88 リニアガイド
89 エアシリンダ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
長尺の記録材料に対して画像を記録する画像記録装置であって、
前記記録材料を巻き出す巻き出しローラと、
前記巻き出しローラから巻き出された記録材料を巻き取る巻き取りローラと、
前記巻き出しローラと前記巻き取りローラとの間に配設され、前記巻き出しローラから巻き出され前記巻き取りローラにより巻き取られることで一方向に移動する記録材料をその下面から吸着保持した状態で、前記記録材料の移動方向に往復移動する吸着テーブルと、
前記吸着テーブルの前記記録材料の移動方向の両端に配設された状態で前記吸着テーブルと同期して移動し、前記吸着テーブルの表面から前記記録材料を剥離するための一対の剥離ローラと、
前記吸着テーブルの移動ストロークの上方に配設され、前記記録材料の移動方向と交差する方向に移動する記録ヘッドと、
前記吸着テーブルの前記巻き出しローラ側の移動ストロークの端部と前記巻き出しローラとの間に配設された第1のダンサーローラ機構と、
前記吸着テーブルの前記巻き取りローラ側の移動ストロークの端部と前記巻き取りローラとの間に配設された第2のダンサーローラ機構と、
前記吸着テーブルの前記巻き取りローラ側の移動ストロークの端部と前記第2のダンサーローラ機構との間に配設されたニップローラと、
を備えたことを特徴とする画像記録装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像記録装置において、
前記吸着テーブルは、前記巻き出しローラから巻き出され前記巻き取りローラにより巻き取られる記録材料の表面に垂直な軸を中心に、前記記録材料の表面と平行な平面内で微小角度回動する画像記録装置。
【請求項3】
請求項2に記載の画像記録装置において、
前記吸着テーブルに吸着保持された記録材料の表面に形成されたアライメントマークを検出するカメラを備え、
前記吸着テーブルは、前記カメラによるアライメントマークの検出結果に基づいて微小角度回転する画像記録装置。
【請求項4】
請求項3に記載の画像記録装置において、
前記巻き出しローラから巻き出され、前記吸着テーブルに吸着保持される前の記録材料の両面にアライメントマークを形成するアライメントマーク形成機構を備える画像記録装置。
【請求項5】
請求項4に記載の画像記録装置において、
前記アライメントマーク形成部は、前記第1のダンサーローラ機構と前記吸着テーブルの前記巻き出しローラ側の移動ストロークの端部との間に配設される画像記録装置。
【請求項6】
請求項4に記載の画像記録装置において、
前記アライメントマーク形成部は、前記巻き出しローラと前記第1のダンサーローラ機構との間に配設される画像記録装置。
【請求項7】
請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の画像記録装置において、
前記吸着テーブルは、そこに吸着保持した記録材料の幅方向の両端部を前記吸着テーブルの表面に向けて押圧する押さえ板を備える画像記録装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2009−276522(P2009−276522A)
【公開日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−127118(P2008−127118)
【出願日】平成20年5月14日(2008.5.14)
【出願人】(000207551)大日本スクリーン製造株式会社 (2,640)
【Fターム(参考)】