説明

異常事象通知システムおよび異常事象通知方法

【課題】 監視カメラの撮影範囲外で異常事象が発生した場合、監視カメラの撮影範囲内で規模の小さな異常事象が発生した場合や照明設備がない場所で夜間に異常事象が発生した場合であっても異常事象の発生を検出させる。
【解決手段】 異常事象通知システム20の二次元画像生成部22は、映像受信部21により受信された映像に基づいて二次元画像を生成する。車両検出部23は、複数の二次元画像から車両に対応する車両画像を検出する。走行状態判定部24は、検出された車両画像に対応する車両が、異常事象発生時に特有の走行状態にあるか否かを判定する。異常事象発生時に特有の走行状態にあると判定された場合に、異常事象通知部25は、異常事象が発生した旨をユーザ端末30にメールで通知する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、異常事象通知システムおよび異常事象通知方法に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1〜特許文献3には、落石や越波等の異常事象の発生を検出するためのシステムが開示されている。これらのシステムでは、落石が発生しそうな場所、あるいは越波が発生しそうな場所に直接監視カメラを向けて監視することによって落石や越波の発生を検出している。
【特許文献1】特開2002−74369号公報
【特許文献2】特開2001−352537号公報
【特許文献3】特開平04−195397号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上述したシステムでは、監視カメラの撮影範囲外で落石や越波が発生した場合には、落石や越波等の異常事象の発生を検出することができない。また、監視カメラの撮影範囲内であっても、画像処理による検出が困難な規模の小さな異常事象が発生した場合や、照明設備がない場所で夜間に異常事象が発生した場合には、異常事象の発生を検出することが困難である。
【0004】
そこで、本発明は、上述した課題を解決するために、監視カメラの撮影範囲外で落石や越波等の異常事象が発生した場合、監視カメラの撮影範囲内で規模の小さな異常事象が発生した場合や照明設備がない場所で夜間に異常事象が発生した場合であっても異常事象の発生を検出して通知することができる異常事象通知システムおよび異常事象通知方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の異常事象通知システムは、撮像装置により撮像された映像を受信する映像受信手段と、映像受信手段により受信された映像に基づいて、当該映像から車両に対応する車両画像を検出する車両検出手段と、車両検出手段により検出された複数の車両画像に基づいて、当該複数の車両画像に対応する車両が、予め設定されている異常事象発生時に特有の走行状態にあるか否かを判定する走行状態判定手段と、走行状態判定手段により、車両画像に対応する車両が上記特有の走行状態にあると判定された場合に、異常事象が発生した旨を外部に通知する通知手段とを備えることを特徴とする。
【0006】
また、本発明の異常事象通知方法は、撮像装置により撮像された映像を受信し、受信した映像に基づいて、当該映像から車両に対応する車両画像を検出し、検出した複数の車両画像に基づいて、当該複数の車両画像に対応する車両が、予め設定されている異常事象発生時に特有の走行状態にあるか否かを判定し、上記判定において、車両画像に対応する車両が上記特有の走行状態にあると判定された場合に、異常事象が発生した旨を外部に通知することを特徴とする。
【0007】
これらの発明によれば、撮像装置により撮像された映像から車両画像を検出させ、当該車両画像に対応する車両の走行状態が、予め設定されている異常事象が発生したときに現れる特有の走行状態であると判定された場合に、異常事象が発生した旨を外部に通知することができる。したがって、撮像装置によって直接異常事象が検出されなくても、撮像装置が設置された場所の近辺で発生した異常事象を的確に検出させることができるとともに、異常事象が発生した旨を外部に通知させることができる。また、車両の走行状態に基づいて異常事象の発生の有無を判断するため、規模の小さな異常事象が発生した場合や、照明設備がない場所で夜間に異常事象が発生した場合であっても、異常事象が発生したことを的確に検出させることができるとともに、異常事象が発生した旨を外部に通知させることができる。
【0008】
本発明の異常事象通知システムにおいて、映像受信手段により受信された映像に基づいて、二次元画像を生成する二次元画像生成手段をさらに備え、車両検出手段は、二次元画像生成手段により生成された複数の二次元画像に基づいて、当該複数の二次元画像から車両に対応する車両画像を検出させることが好ましい。このようにすれば、映像受信手段により受信された映像から、判定の対象物となる車両画像を的確に検出させることができる。
【0009】
本発明の異常事象通知システムにおいて、走行状態判定手段により、車両画像に対応する車両が上記特有の走行状態にあると判定された場合に、少なくとも上記特有の走行状態にあると判定されたときに参照されていた車両画像に対応する映像を記憶させる記憶手段と、記憶手段により記憶された映像を表示装置に表示させる表示手段とをさらに備えさせることが好ましい。このようにすれば、異常事象が発生したときの現場の様子を、例えばシステム管理者等に把握させることができる。
【0010】
本発明の異常事象通知システムにおいて、上記特有の走行状態は、停止状態、速度低下状態、避走状態、車線逸脱状態のいずれかであり、上記異常事象は、落石、越波、路面凍結であることが好ましい。このようにすれば、落石、越波あるいは路面凍結が発生したときに現れる特有の走行状態である停止状態、速度低下状態、避走状態および車線逸脱状態に基づいて、落石、越波あるいは路面凍結が発生したか否かを判定させることができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る異常事象通知システムおよび異常事象通知方法によれば、監視カメラの撮影範囲外で異常事象が発生した場合、監視カメラの撮影範囲内で規模の小さな異常事象が発生した場合や照明設備がない場所で夜間に異常事象が発生した場合であっても異常事象の発生を検出して通知させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明に係る異常事象通知システムの実施形態を図面に基づき説明する。なお、各図において、同一要素には同一符号を付して重複する説明を省略する。
【0013】
まず、図1は、実施形態における異常事象通知システムを含む通信システムの構成を例示する図である。図1に示すように、通信システム1は、監視カメラ10と異常事象通知システム20とユーザ端末30とを備える。監視カメラ10と異常事象通知システム20は、例えば、光通信回線等の通信回線40を介して接続されている。異常事象通知システム20とユーザ端末30は、例えば、インターネット等の通信回線50を介して接続されている。
【0014】
次に、図1に示された各装置について説明する。まず、監視カメラ10は、例えば、落石や越波が発生しそうな場所の近辺を通る道路上、あるいは路面が凍結する可能性のある道路上の様子を撮像するカメラである。このような監視カメラ10を設けることにより、上述した道路上を走行する車両の映像を収集することができる。
【0015】
異常事象通知システム20は、監視カメラ10により撮像された映像を受信し、この受信した映像に基づいて検出された車両の走行状態が、例えば、落石、越波、路面凍結等の異常事象が発生したときに現れる特有の走行状態であると判定した場合に、異常事象が発生した旨をユーザ端末30に通知するシステムである。ユーザ端末30に通知する方法としては、例えば、電子メールがある。また、例えば、電子メールで通知するとともに、Webサーバ上に異常事象に関する具体的な内容(例えば、異常事象発生時の画像)を掲載し、ユーザ端末30にアクセスをするように促すこととしてもよい。なお、通知先は、ユーザ端末30に限られず、他の関連システムであってもよい。他の関連システムとしては、例えば、交通設備等を管理する設備管理システムや、交通状況を報知する交通状況システムがある。
【0016】
ユーザ端末30は、異常事象通知システム20を利用するユーザが使用する通信端末であり、メール機能およびWebブラウザ機能を有する。ユーザ端末30としては、例えば、パーソナルコンピュータ、携帯電話機、簡易型携帯電話機(PHS)や携帯型情報端末(PDA)等が該当する。
【0017】
次に、図2を参照して異常事象通知システム20の機能構成を説明する。図2に示すように、異常事象通知システム20は、映像受信部21と、二次元画像生成部22と、車両検出部23と、走行状態判定部24と、異常事象通知部25と、映像記憶部26と、映像表示部27とを備えている。また、映像記憶部26および映像表示部27により用いられる映像情報を格納する映像情報データベース28を有する。
【0018】
映像受信部21は、監視カメラ10により撮像された映像を受信し、この受信した映像をメモリに格納する。二次元画像生成部22は、メモリに格納された映像を、例えば、座標変換することにより、二次元画像を生成する。
【0019】
車両検出部23は、二次元画像生成部22により生成された複数の二次元画像に基づいて、当該複数の二次元画像から車両に対応する車両画像を検出する。車両検出部23は、車両画像の検出を、所定時間(例えば、1サンプリング周期)ごとに繰り返し継続する。二次元画像から車両画像を検出する方法としては、例えば、時間差分法、背景差分法を用いて車両画像を検出する方法がある。
【0020】
ここで、時間差分法を用いて車両画像を検出する方法について説明する。この方法は、例えば、監視カメラ10で現時点に撮像された映像に対応する二次元画像と、現時点よりも所定時間(例えば、1サンプリング周期)前に撮像された映像に対応する二次元画像との差分画像に基づいて、車両画像を検出する方法である。より詳細に説明すると、撮像時刻が前後する二枚の画像を比較して両画像間で異なる部分があれば、異なる部分の画像(差分画像)のみを抽出し、抽出した差分画像に車両の画像が含まれていると判断した場合に、車両に対応する画像を車両画像として検出するものである。この方法の原理について以下に説明する。まず、監視カメラ10によって撮像される映像は道路上の風景であるため、道路上に車両が走行していない場合には、基本的に同じ風景の映像が継続して映し出される。したがって、この間に撮像された複数の画像間には原則として差異が生じない。ところが、道路上に車両が走行している場合には、車両が移動する分だけ前後の画像間に差異が生じる。したがって、この間に撮像された複数の画像間において相違する部分が、車両の画像であることを検知できれば、車両画像を抽出することができる。
【0021】
また、背景差分法を用いて車両画像を検出する方法について説明する。この方法は、例えば、監視カメラ10で現時点に撮像された映像に対応する二次元画像と、道路上に車両が走行していないときに監視カメラ10で予め撮像されていた風景(背景)の映像に対応する二次元画像との差分画像に基づいて、車両画像を検出する方法である。この方法によれば、道路上に車両が走行しているときには、原則として差分画像が車両画像と判定されることとなる。なお、この背景差分法により生成された差分画像から車両画像を検出する際に、空間微分法を用いて検出することとしてもよい。空間微分法は、画像を構成する各画素の輝度値に基づいて微分演算を行い、空間微分画像を生成するものである。これにより、輝度値の変化が大きい車両のエッジ部分が明確になるため、より容易に車両画像を検出することができる。
【0022】
なお、上述した車両画像の抽出は、夜間等の暗い場合には画像が不鮮明となり、車両と風景の区別が付きづらくなるため、二次元画像から車両を検出することが困難となる。したがって、夜間等の暗い場合には、車両のヘッドライトやテールランプの明かりを利用して、ヘッドライトやテールランプによる明かりの部分に対応する画像を車両画像として上述した各種の方法により抽出することとすればよい。
【0023】
走行状態判定部24は、車両検出部23により検出された複数の車両画像に基づいて、当該複数の車両画像に対応する車両が、異常事象発生時に特有の走行状態にあるか否かを判定する。異常事象発生時に特有の走行状態としては、例えば、車両が停止している停止状態、車両が低速または減速して走行している速度低下状態、車両が道路上の障害物等を避けるように走行している避走状態、車両が車線を逸脱して走行している車線逸脱状態がある。
【0024】
具体的に説明すると、走行状態判定部24は、例えば、車両が同一の地点に予め定められた時間以上継続して存在していると判断した場合に、車両が停止状態にあると判定する。また、走行状態判定部24は、例えば、車両が予め定められた速度以下で走行していると判断した場合、または、車速の減速率が予め定められた割合以上であると判断した場合に、車両が速度低下状態にあると判定する。なお、車両の速度については、例えば、車両が単位時間あたりに道路の延在方向に移動した移動量に基づいて算出することができる。
【0025】
また、走行状態判定部24は、例えば、所定時間における交通量が予め定められた規定量以上であり、かつ単位時間あたりの車線変更率が予め定められた割合以上であると判断した場合に、車両が避走状態にあると判定する。なお、車両が車線変更したかどうかについては、例えば、車両が道路の横断方向に移動した移動量が予め定められた規定量以上である場合に、車線変更したと判断すればよい。また、走行状態判定部24は、例えば、単位時間あたりの車線変更率が予め定められた割合以上であると判断した場合に、車両が車線逸脱状態にあると判定する。
【0026】
異常事象通知部25は、走行状態判定部24により、車両画像に対応する車両が、異常事象発生時に特有の走行状態にあると判定された場合に、異常事象が発生した旨を外部のユーザ端末30に通知する。具体的に説明すると、例えば、監視カメラ10が、落石注意地帯に設置されている場合には、落石が発生した旨を通知し、監視カメラ10が越波注意地帯に設置されている場合には、越波が発生した旨を通知し、監視カメラ10が路面凍結注意地帯に設置されている場合には、路面が凍結している旨を通知する。通知内容は、設置場所ごとに適宜登録できることとする。
【0027】
映像記憶部26は、走行状態判定部24により、車両画像に対応する車両が、異常事象発生時に特有の走行状態にあると判定された場合に、例えば、当該判定時の前後5分間に撮像された映像を映像情報データベース28に記憶させる。映像表示部27は、映像情報データベース28に記憶された二次元画像をモニターに表示させる。これにより、異常事象が発生した前後における現場の様子をシステム管理者等に把握させることができる。なお、映像時間は、少なくとも異常事象が発生したと判定されたときの映像を含んでいればよく、映像時間はシステム管理者により適宜設定変更できるものとする。
【0028】
次に、図3を参照して異常事象通知システム20において実行される異常事象通知処理の流れについて説明する。以下においては、説明の便宜のため、落石注意地帯に設置されている監視カメラ10から受信した映像に基づいて行われる異常事象通知処理について説明する。なお、以下において説明するステップS1〜S9までの一連の動作は、例えば、1サンプリング周期等の所定時間ごとに繰り返し、かつ継続的に行われる。
【0029】
まず、異常事象通知システム20の映像受信部21は、監視カメラ10により撮像された映像を受信するとともに(ステップS1)、受信した映像をメモリに格納する。
【0030】
次に、二次元画像生成部22は、メモリに格納された映像を、例えば、座標変換することにより、二次元画像を生成する(ステップS2)。
【0031】
次に、車両検出部23は、二次元画像生成部22により生成された複数の二次元画像に基づいて、当該複数の二次元画像から車両に対応する車両画像を検出する(ステップS3)。
【0032】
次に、走行状態判定部24は、車両検出部23により検出された複数の車両画像に基づいて、当該複数の車両画像に対応する車両が車両停止状態にあるか否かを判定する(ステップS4)。この判定がYESである場合(ステップS4;YES)に、異常事象通知部25は、落石が発生した旨をユーザ端末30にメールで通知し(ステップS8)、映像記憶部26は、車両停止状態にあると判定されたときの前後5分間に撮像された映像を映像情報データベース28に記憶させる(ステップS9)。これにより、落石発生時の前後に撮像された映像を異常事象通知システム20のモニターで参照することができる。
【0033】
一方、ステップS4における判定で、車両が車両停止状態にはないと判定された場合(ステップS4;NO)に、走行状態判定部24は、車両検出部23により検出された複数の車両画像に基づいて、当該複数の車両画像に対応する車両が車速低下状態にあるか否かを判定する(ステップS5)。この判定がYESである場合(ステップS5;YES)に、異常事象通知部25は、落石が発生した旨をユーザ端末30にメールで通知し(ステップS8)、映像記憶部26は、車速低下状態であると判定されたときの前後5分間に撮像された映像を映像情報データベース28に記憶させる(ステップS9)。これにより、落石発生時の前後に撮像された映像を異常事象通知システム20のモニターで参照することができる。
【0034】
一方、ステップS5における判定で、車両が車速低下状態にはないと判定された場合(ステップS5;NO)に、走行状態判定部24は、車両検出部23により検出された複数の車両画像に基づいて、当該複数の車両画像に対応する車両が車両避走状態にあるか否かを判定する(ステップS6)。この判定がYESである場合(ステップS6;YES)に、異常事象通知部25は、落石が発生した旨をユーザ端末30にメールで通知し(ステップS8)、映像記憶部26は、車両避走状態であると判定されたときの前後5分間に撮像された映像を映像情報データベース28に記憶させる(ステップS9)。これにより、落石発生時の前後に撮像された映像を異常事象通知システム20のモニターで参照することができる。
【0035】
一方、ステップS6における判定で、車両が車両避走状態にはないと判定された場合(ステップS6;NO)に、走行状態判定部24は、車両検出部23により検出された複数の車両画像に基づいて、当該複数の車両画像に対応する車両が車線逸脱走行状態にあるか否かを判定する(ステップS7)。この判定がYESである場合(ステップS7;YES)に、異常事象通知部25は、落石が発生した旨をユーザ端末30にメールで通知し(ステップS8)、映像記憶部26は、車線逸脱走行状態であると判定されたときの前後5分間に撮像された映像を映像情報データベース28に記憶させる(ステップS9)。これにより、落石発生時の前後に撮像された映像を異常事象通知システム20のモニターで参照することができる。
【0036】
一方、ステップS7における判定で、車両が車線逸脱走行状態にはないと判定された場合(ステップS7;NO)に、異常事象通知処理は終了する。
【0037】
なお、上述したステップS4〜S7における各走行状態の判定の順番は、これに限られず、どのような順番で判定してもよい。すなわち、走行車両の走行状態が、いずれかの走行状態に該当する場合に、落石が発生したものと判定すればよい。
【0038】
以上のように、本実施形態における異常事象通知システム20では、各異常事象が発生したときに現れる特有の走行状態を予め設定しておき、現在の走行車両の走行状態が、この予め設定されている特有の走行状態であるか否かを判定している。したがって、現在の走行車両の走行状態が、各異常事象が発生したときに現れる特有の走行状態であると判定された場合に、異常事態が発生したと判断することができる。これにより、各監視カメラ10によって直接、異常事象が検出されなくても、各監視カメラ10が設置された場所の近辺で発生した異常事象を、的確に検出させることができ、異常事象が発生した旨を外部のユーザ端末30に通知することができる。また、走行車両の走行状態に基づいて異常事象の発生の有無を判断するため、規模の小さな異常事象が発生した場合や、照明設備がない場所で夜間に異常事象が発生した場合であっても、異常事象が発生したことを的確に検出させることができ、異常事象が発生した旨を外部のユーザ端末30に通知することができる。
【0039】
なお、上述した実施形態においては、停止状態、速度低下状態、避走状態、車線逸脱状態の4つの走行状態のすべてについて判定しているが、異常事象(例えば、落石、越波、路面凍結)ごとに、判定の対象となる走行状態を設定し、この設定した走行状態についてのみ判定することとしてもよい。これにより、監視カメラ10が設置される場所で発生が予想される異常事象に合わせて、走行状態を設定することができるとともに、異常事象に特有の走行状態についてのみ判定させることができるため、処理の効率をより向上させることができる。また、この場合に、予め各異常事象に対応する事象モードを設け、この事象モードごとに特有の走行状態を登録しておくこととしてもよい。事象モードとしては、例えば、落石モード、越波モード、路面凍結モードがある。これにより、走行状態の設定を簡略化することができる。また、監視カメラ10ごとに事象モードを指定するだけで、各監視カメラ10が設置された場所に特有の異常事象を、より的確に検出することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】発明の実施形態における通信システムのシステム構成を示す図である。
【図2】図1に示す異常事象通知システムの機能構成を示すブロック図である。
【図3】異常事象通知処理の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0041】
1・・・通信システム、10・・・監視カメラ、20・・・異常事象通知システム、21・・・映像受信部、22・・・二次元画像生成部、23・・・車両検出部、24・・・走行状態判定部、25・・・異常事象通知部、26・・・映像記憶部、27・・・映像表示部、28・・・映像情報データベース、30・・・ユーザ端末、40,50・・・通信回線。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像装置により撮像された映像を受信する映像受信手段と、
前記映像受信手段により受信された前記映像に基づいて、当該映像から車両に対応する車両画像を検出する車両検出手段と、
前記車両検出手段により検出された複数の前記車両画像に基づいて、当該複数の前記車両画像に対応する車両が、予め設定されている異常事象発生時に特有の走行状態にあるか否かを判定する走行状態判定手段と、
前記走行状態判定手段により、前記車両画像に対応する車両が前記特有の走行状態にあると判定された場合に、異常事象が発生した旨を外部に通知する通知手段と
を備えることを特徴とする異常事象通知システム。
【請求項2】
前記映像受信手段により受信された前記映像に基づいて、二次元画像を生成する二次元画像生成手段をさらに備え、
前記車両検出手段は、前記二次元画像生成手段により生成された複数の前記二次元画像に基づいて、当該複数の前記二次元画像から車両に対応する車両画像を検出することを特徴とする請求項1記載の異常事象通知システム。
【請求項3】
前記走行状態判定手段により、前記車両画像に対応する車両が前記特有の走行状態にあると判定された場合に、少なくとも前記特有の走行状態にあると判定されたときに参照されていた前記車両画像に対応する前記映像を記憶させる記憶手段と、
前記記憶手段により記憶された前記映像を表示装置に表示させる表示手段と
をさらに備えることを特徴とする請求項1または2に記載の異常事象通知システム。
【請求項4】
前記特有の走行状態は、停止状態、速度低下状態、避走状態、車線逸脱状態のいずれかであり、
前記異常事象は、落石、越波、路面凍結であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の異常事象通知システム。
【請求項5】
撮像装置により撮像された映像を受信し、
前記受信した前記映像に基づいて、当該映像から車両に対応する車両画像を検出し、
前記検出した複数の前記車両画像に基づいて、当該複数の前記車両画像に対応する車両が所定の走行状態にあるか否かを判定し、
前記判定において、前記車両画像に対応する車両が、予め設定されている異常事象発生時に特有の走行状態にあると判定された場合に、異常事象が発生した旨を外部に通知する
ことを特徴とする異常事象通知方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−11556(P2006−11556A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−184079(P2004−184079)
【出願日】平成16年6月22日(2004.6.22)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【Fターム(参考)】