説明

癌、感染症、炎症性及び自己免疫性疾患の治療及び/又は予防用の2,4−ジアミノピリミジン誘導体

本発明は、過剰又は異常な細胞増殖を特徴とする疾患の治療に好適な下記一般式(1)の化合物、並びにその上記特性を有する医薬を製造するための使用を包含する。
【化1】


(式中、R1〜R6、X及びYは、請求項1の定義通りである。)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、下記一般式(1)の新規な2,4-ジアミノピリミジン、その異性体、これらのピリミジンの製造方法並びにその医薬組成物としての使用に関する。
【0002】
【化1】

【0003】
(式中、基R1〜R6、X及びYは、請求項及び本明細書で与える意味を有する。)
【背景技術】
【0004】
〔発明の背景〕
腫瘍細胞は、体による調節及び制御を全体的又は部分的に逃れ、制御されない成長を特徴とする。このことは一方で例えばRb、p16、p21及びp53のような制御タンパク質の欠失に起因し、かつ細胞周期のいわゆる促進因子、サイクリン依存性キナーゼの活性化にも起因する。
シゾサッカロミセス・ポンベ(Schizosaccharomyces pombe)、キイロショウジョウバエ(Drosophila melanogaster)又はアフリカツメガエル(Xenopus laevis)等のモデル生物の研究及びヒト細胞の研究は、G2期から有糸分裂への移行がCDK1/サイクリンBキナーゼによって制御されることを示した(Nurse 1990, Nature 344: 503-508)。この「有糸分裂促進因子」(MPF)としても知られるこのキナーゼは、例えば核層、キネシン様モータータンパク質、コンデンシン及びゴルジマトリックスタンパク質のような、核被膜の分解、中心体分離、紡錘体装置の構造、染色体凝縮及びゴルジ体の分解で重要な役割を果たす多数のタンパク質をリン酸化し、それによって制御する(Nigg. E. 2001, Nat Rev Mol Cell Biol. 2(1):21-32)。温度感受性のCDK-1キナーゼ変異体を有するマウス細胞株は、温度上昇後に急速な分解を示し、結果としてG2/M期で停止する(Th´ng et al., 1990, Cell. 63(2):313-24)。CDK1/サイクリンBに対するインヒビター、例えばブチロラクトン等でヒト腫瘍細胞を処理すると、G2/M期における停止、それに引き続くアポトーシスがもたらされる(Nishio, et al. 1996, Anticancer Res.16(6B):3387-95)。
さらに、タンパク質キナーゼオーロラBも、有糸分裂に入る際の必須機能を有することが示されている。オーロラBがSer10でヒストンH3をリン酸化し、それによって染色体凝縮を惹起する(Hsu et al. 2000, Cell 102:279-91)。しかし、特定のホスファターゼ、例えばCdc25C等の阻害によってもG2/M期における特異的な細胞周期停止が惹起され得る(Russell and Nurse 1986, Cell 45:145-53)。Cdc25遺伝子欠失酵母はG2期で停止するが、Cdc25の過剰発現は有糸分裂期への早過ぎる移行につながる(Russell and Nurse, 1987, Cell 49:559-67)。さらに、G2/M期における停止は、特有のモータータンパク質、例えばEg5等のキネシンの阻害によって(Mayer et al., 1999, Science 286:971-4))、又は微小管の安定化若しくは不安定化薬(例えば、コルヒチン、タキソール、エトポシド、ビンブラスチン、ビンクリスチン)(Schiff and Horwitz 1980, Proc Natl Acad Sci U S A 77:1561-5)によっても惹起され得る。
【0005】
サイクリン依存性キナーゼ及びオーロラキナーゼに加え、セリン/トレオニンキナーゼの小ファミリー、いわゆるポロ様キナーゼ(PLK)も真核生物の細胞周期の制御で重要な役割を果たす。今までに、ポロ様キナーゼPLK-1、PLK-2、PLK-3及びPLK-4が文献で開示されている。特にPLK-1は有糸分裂期で中心的役割を果たすことが分かっている。PLK-1は中心体の成熟化、ホスファターゼCdc25Cの活性化及び後期促進複合体(Anaphase Promoting Complex)の活性化の原因である(Glover et al. 1998, Genes Dev. 12:3777-87; Qian et al. 2001, Mol Biol Cell. 12:1791-9)。PLK-1抗体の注入は非形質転換細胞のG2停止をもたらし、一方で腫瘍細胞は有糸分裂期中に停止する(Lane and Nigg 1996, J Cell Biol. 135:1701-13)。PLK-1の過剰発現が種々のタイプの腫瘍、例えば肺の非小細胞癌、薄板上皮癌(plate epithelial carcinoma)、乳癌及び結腸直腸癌で実証されている(Wolf et al. 1997, Oncogene 14:543-549; Knecht et al. 1999, Cancer Res. 59:2794-2797; Wolf et al. 2000, Pathol. Res. Pract. 196:753-759; Takahashi et al. 2003, Cancer Sci. 94:148-52)。従って、この分類のタンパク質も増殖性疾患の治療的介入のための興味深い攻撃点を呈する(Liu and Erikson 2003, Proc Natl Acad Sci U S A 100:5789-5794)。
多くのタイプの腫瘍の抵抗性は、腫瘍と闘うための新薬の開発を必要とする。従って、本発明の目的は、過剰又は異常な細胞増殖を特徴とする疾患の予防及び/又は治療に使用することのできる新規な活性物質を示すことである。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0006】
〔発明の詳細な説明〕
ここに驚くべきことに、一般式(1)の化合物(式中、R1〜R6、X及びYは以下の定義通り)が特定の細胞周期キナーゼのインヒビターとして作用することが見出された。従って、例えば特定の細胞周期キナーゼの活性と関連し、かつ過剰又は異常な細胞増殖を特徴とする疾患の治療のために本発明の化合物を使用できる。
本発明は、下記一般式(1):
【0007】
【化2】

【0008】
(式中、
Xは酸素又は窒素を表し、かつ
Yは-CH2又はC=Oを表し、かつ
R1及びR1'は、それぞれ相互独立に水素、又はC1-5-アルキル、C3-6-シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル及びヘテロアリールの中から選択される一置換若しくは多置換されていてもよい基を表し(ここで、該置換基は同一又は異なってよく、ハロゲン、-ORa、-C(=O)Ra、-C(=O)ORa、-C(=O)NRaRa、-NRaRa、-NRaC(=O)Ra、-NRaC(=O)ORa、-NRaC(=O)NRaRa、-NRaSO2Ra、-N=CRaRa、-SRa、-SORa、-SO2Ra、-SO2NRaRa、-NRaSO2NRaRa、-OSO2NRaRa及び擬ハロゲンの中から選択される)、
或いは同一炭素原子上の2つのR1'基がそれらが結合している炭素原子と一緒にC3-7シクロアルキル環を形成し、或いはR1がR1'基と一緒に飽和又は部分的に飽和した3〜6員アルキルブリッジ(1〜2個のヘテロ原子を含んでよい)を形成してよく、かつ
R2は、一置換若しくは多置換されていてもよいヘテロシクリル基を表し(ここで、該置換基は同一又は異なってよく、C1-5-アルキル、C2-5-アルケニル、C2-5-アルキニル、C3-6-シクロアルキル-C0-3-アルキルの中から選択される)、かつ
R3は、水素又はC1-3-アルキルを表し、或いは
R2とR3が一緒に、一置換若しくは多置換されていてもよいヘテロシクリル環(1〜2個のさらなるヘテロ原子を含んでよく、前記置換基は同一又は異なってよく、かつC1-5-アルキル、C2-5-アルケニル、C2-5-アルキニル及びC3-6-シクロアルキル-C0-3-アルキルの中から選択され、或いはハロゲン、-ORa、-C(=O)Ra、-C(=O)ORa、-C(=O)NRaRa、-NRaRa、-NRaC(=O)Ra、-NRaC(=O)ORa、-NRaC(=O)NRaRa、-NRaSO2Ra、-N=CRaRa、-SRa、-SORa、-SO2Ra、-SO2NRaRa、-NRaSO2NRaRa、-OSO2NRaRa及び擬ハロゲンの中から選択される適切な置換基である)を形成してよく、かつ
R4はそれぞれ相互独立に、ハロゲン、NO2、-ORa、-C(=O)Ra、-C(=O)ORa、-C(=O)NRaRa、-NRaRa、-NRaCORa、-NRaC(=O)ORa、-NRaC(=O)NRaRa、-NRaC(=O)ONRaRa、-NRaSO2Ra、-N=CRaRa、-SRa、-SORa、-SO2Ra、-SO2NRaRa、-NRaSO2NRaRa、-OSO2NRaRa及び擬ハロゲンの中から選択される基を表し;かつ
R5は水素、ハロゲン、C1-3-アルキル、C2-3-アルケニル、C2-3-アルキニル、ハロゲン-C1-3 -アルキル、-ORa又は擬ハロゲンを表し、かつ
R6はそれぞれ相互独立に、ハロゲン、C1-3-アルキル、-ORa及び擬ハロゲンの中から選択される基を表し、かつ
Raはそれぞれ相互独立に水素、又は置換されていてもよいC1-8-アルキル、C2-8-アルケニル、C2-8-アルキニル、C3-10-シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル及びヘテロアリール(このとき該置換基は同一又は異なってよく、かつハロゲン、-NH2、-OH及び擬ハロゲンの中から選択される)の中から選択される基を表し;かつ
mは0、1又は2を表し;かつ
nはそれぞれ相互独立に0、1又は2を表す)
の化合物に関連し、その互変異性体、ラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオマー及び混合物の形態でよく、かつその薬理学的に許容しうる塩でよく、但し、以下の化合物を除く:
2-(2-メトキシ-4-ピペラジン-1-イル-フェニルアミノ)-4-(3,3-ジメチル-5-オキソ-2,3,4,5-ベンゾ[f][1,4]オキサゼピン-6-イルアミノ-5-トリフルオロメチル-ピリミジン、
2-(2-メトキシ-4-ピペラジン-1-イル-フェニルアミノ)-4-((S)-4-オキソ-2,3,10,10a-テトラヒドロ-1H,4H-9-オキサ-3a-アザ-ベンゾ[f]アズレン-5-イルアミノ-5-トリフルオロメチル-ピリミジン、
2-[4-(4-エチル-ピペラジン-1-イル)-2-メトキシ-フェニルアミノ]-4-((S)-4-オキソ-2,3,10,10a-テトラヒドロ-1H,4H-9-オキサ-3a-アザ-ベンゾ[f]アズレン-5-イルアミノ-5-トリフルオロメチル-ピリミジン、
2-[4-(4-メチル-ピペラジン-1-イル)-2-メトキシ-フェニルアミノ]-4-((S)-4-オキソ-2,3,10,10a-テトラヒドロ-1H,4H-9-オキサ-3a-アザ-ベンゾ[f]アズレン-5-イルアミノ-5-トリフルオロメチル-ピリミジン、
3,3-ジメチル-6-{2-[4-(4-メチル-ピペラジン-1-イル)-フェニルアミノ]-5-トリフルオロメチル-ピリミジン-4-イルアミノ}-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[f][1,4]オキサゼピン-5-オン、
6-{2-[4-(4-エチル-ピペラジン-1-イル)-フェニルアミノ]-5-トリフルオロメチル-ピリミジン-4-イルアミノ}-3,3-ジメチル-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[f][1,4]オキサゼピン-5-オン、
3,3-ジメチル-6-{2-[4-(4-プロパ-2-イニル-ピペラジン-1-イル)-フェニルアミノ]-5-トリフルオロメチル-ピリミジン-4-イルアミノ}-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[f][1,4]オキサゼピン-5-オン、
6-{2-[4-(4-イソプロピル-ピペラジン-1-イル)-フェニルアミノ]-5-トリフルオロメチル-ピリミジン-4-イルアミノ}-3,3-ジメチル-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[f][1,4]オキサゼピン-5-オン、
(S)-3-メチル-6-[2-(4-ピペラジン-1-イル-フェニルアミノ)-5-トリフルオロメチル-ピリミジン-4-イルアミノ]-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[f][1,4]オキサゼピン-5-オン、
(S)-3-メチル-6-{2-[4-(4-メチル-ピペラジン-1-イル)-フェニルアミノ]-5-トリフルオロメチル-ピリミジン-4-イルアミノ}-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[f][1,4]オキサゼピン-5-オン、
(S)-6-{2-[4-(4-イソプロピル-ピペラジン-1-イル)-フェニルアミノ]-5-トリフルオロメチル-ピリミジン-4-イルアミノ}-3-メチル-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[f][1,4]オキサゼピン-5-オン、
(S)-3-メチル-6-{2-[4-(4-プロパ-2-イニル-ピペラジン-1-イル)-フェニルアミノ]-5-トリフルオロメチル-ピリミジン-4-イルアミノ}-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[f][1,4]オキサゼピン-5-オン、
(S)-3-エチル-6-[2-(4-ピペラジン-1-イル-フェニルアミノ)-5-トリフルオロメチル-ピリミジン-4-イルアミノ]-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[f][1,4]オキサゼピン-5-オン、
(S)-6-[2-(4-ピペラジン-1-イル-フェニルアミノ)-5-トリフルオロメチル-ピリミジン-4-イルアミノ]-3-プロピル-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[f][1,4]オキサゼピン-5-オン、
(S)-6-{2-[4-(4-プロパ-2-イニル-ピペラジン-1-イル)-フェニルアミノ]-5-トリフルオロメチル-ピリミジン-4-イルアミノ}-1,2,3,11a-テトラヒドロ-10H-ベンゾ[e]ピロロ[1,2-a][1,4]ジアゼピン-5,11-ジオン、
(S)-6-{2-[4-(4-エチル-ピペラジン-1-イル)-フェニルアミノ]-5-トリフルオロメチル-ピリミジン-4-イルアミノ}-1,2,3,11a-テトラヒドロ-10H-ベンゾ[e]ピロロ[1,2-a][1,4]ジアゼピン-5,11-ジオン、
(S)-6-{2-[4-(4-イソブチル-ピペラジン-1-イル)-フェニルアミノ]-5-トリフルオロメチル-ピリミジン-4-イルアミノ}-1,2,3,11a-テトラヒドロ-10H-ベンゾ[e]ピロロ[1,2-a][1,4]ジアゼピン-5,11-ジオン、
(S)-6-{2-[4-(4-メチル-ピペラジン-1-イル)-フェニルアミノ]-5-トリフルオロメチル-ピリミジン-4-イルアミノ}-1,2,3,11a-テトラヒドロ-10H-ベンゾ[e]ピロロ[1,2-a][1,4]ジアゼピン-5,11-ジオン、
6-{2-[4-(4-エチル-ピペラジン-1-イル)-フェニルアミノ]-5-トリフルオロメチル-ピリミジン-4-イルアミノ}-3,3-ジメチル-3,4-ジヒドロ-1H-ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン-2,5-ジオン、
3,3-ジメチル-6-{2-[4-(4-メチル-ピペラジン-1-イル)-フェニルアミノ]-5-トリフルオロメチル-ピリミジン-4-イルアミノ}-3,4-ジヒドロ-1H-ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン-2,5-ジオン,
6-{2-[4-(4-イソプロピル-ピペラジン-1-イル)-フェニルアミノ]-5-トリフルオロメチル-ピリミジン-4-イルアミノ}-3,3-ジメチル-3,4-ジヒドロ-1H-ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン-2,5-ジオン、
3,3-ジメチル-6-{2-[4-(4-プロパ-2-イニル-ピペラジン-1-イル)-フェニルアミノ]-5-トリフルオロメチル-ピリミジン-4-イルアミノ}-3,4-ジヒドロ-1H-ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン-2,5-ジオン、
(S)-6-{2-[4-(4-イソプロピル-ピペラジン-1-イル)-フェニルアミノ]-5-トリフルオロメチル-ピリミジン-4-イルアミノ}-1,2,3,11a-テトラヒドロ-10H-ベンゾ[e]ピロロ[1,2-a][1,4]ジアゼピン-5,11-ジオン、
(S)-6-{2-[4-(4-イソプロピル-ピペラジン-1-イル)-フェニルアミノ]-5-トリフルオロメチル-ピリミジン-4-イルアミノ}-3-メチル-3,4-ジヒドロ-1H-ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン-2,5-ジオン、
(S)-3-メチル-6-{2-[4-(4-メチル-ピペラジン-1-イル)-フェニルアミノ]-5-トリフルオロメチル-ピリミジン-4-イルアミノ}-3,4-ジヒドロ-1H-ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン-2,5-ジオン、
(S)-3-メチル-6-{2-[4-(4-プロパ-2-イニル-ピペラジン-1-イル)-フェニルアミノ]-5-トリフルオロメチル-ピリミジン-4-イルアミノ}-3,4-ジヒドロ-1H-ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン-2,5-ジオン、
(S)-6-{2-[4-(4-エチル-ピペラジン-1-イル)-フェニルアミノ]-5-トリフルオロメチル-ピリミジン-4-イルアミノ}-3-メチル-3,4-ジヒドロ-1H-ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン-2,5-ジオン及び
{(S)-2,5-ジオキソ-6-[2-(4-ピペラジン-1-イル-フェニルアミノ)-5-トリフルオロメチル-ピリミジン-4-イルアミノ]-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン-3-イル}-アセタート。
【0009】
一側面では、本発明は、式中R5がハロゲン又は-CF3を表す一般式(1)の化合物に関する。
別の側面では、本発明は、式中、
Xが酸素を表し、かつ
Yが-CH2-を表す、
一般式(1)の化合物に関する。
別の側面では、本発明は、式中、
Xが窒素を表し、かつ
YがC=Oを表す、
一般式(1)の化合物に関する。
【0010】
(A)R1'に関する側面
(A1)一側面では、本発明は、R1'がC1-5-アルキルを表し、かつm=1である、一般式(1)の化合物に関する。
(A2)一側面では、本発明は、R1'がC1-5-アルキルを表し、かつm=2である、一般式(1)の化合物に関する。
(A3)一側面では、本発明は、2つのR1が一緒にシクロアルキル基を形成している、一般式(1)の化合物に関する。
(A4)一側面では、本発明は、R1とR1'がシクロペンチル環を形成している、一般式(1)の化合物に関する。
(B)R2及びR3に関する側面
(B1)一側面では、本発明は、R2が一置換されていてもよいピペリジニル基を表す、一般式(1)の化合物に関する。
(B2)一側面では、本発明は、R2が窒素のところで置換されているピペリジニル基を表す、一般式(1)の化合物に関する。
(B3)別の側面では、本発明は、R2が窒素のところでメチル、エチル又はシクロプロピルメチルにて置換されているピペリジニル基を表す、一般式(1)の化合物に関する。
(B4)別の側面では、本発明は、R2とR3が一緒に、一置換若しくは多置換されていてもよいピペラジニル基を形成している、一般式(1)の化合物に関する。
(B5)別の側面では、本発明は、R2とR3が一緒に、窒素のところで置換されているピペラジニル基を表す、一般式(1)の化合物に関する。
(B6)別の側面では、本発明は、R2とR3が一緒に、窒素のところでメチル、エチル、イソプロピル又はシクロプロピルメチルにて置換されているピペラジニル基を表す、一般式(1)の化合物に関する。
(C)X及びYに関する側面
(C1)別の側面では、本発明は、Xが酸素を表し、かつYが-CH2-を表す、一般式(1)の化合物に関する。
(C2)別の側面では、本発明は、Xが窒素を表し、かつYがC=Oを表す、一般式(1)の化合物に関する。
上述したすべてのR1'の側面(A1)〜(A4)、R2及びR3の側面(B1)〜(B6)並びにX及びYの側面(C1)及び(C2)は、所望により相互に組み合わされてもよい。
下表は、式(1)の新規化合物の種々の側面の好ましい組合せを列挙する。
【0011】

【0012】
別の側面では、本発明は、医薬組成物としての一般式(1)の化合物、又はその薬理学的に許容しうる塩に関する。
別の側面では、本発明は、抗増殖活性のある医薬組成物を製造するための一般式(1)の化合物、又はその薬理学的に許容しうる塩に関する。
別の側面では、本発明は、選択的なキナーゼ阻害機構の活性を有する抗増殖活性のある医薬組成物を製造するための一般式(1)の化合物、又はその薬理学的に許容しうる塩に関する。
別の側面では、本発明は、癌、感染症、炎症性及び自己免疫性疾患の治療及び/又は予防用医薬組成物を製造するための一般式(1)の化合物の使用に関する。
別の側面では、本発明は、活性物質として1種以上の一般式(1)の化合物、又はその薬理学的に許容しうる塩を含み、通常の賦形剤及び/又は担体を併用してよい医薬製剤に関する。
別の側面では、本発明は、活性物質として一般式(1)の化合物(その互変異性体、ラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオマー及び混合物の形態でよく、かつその薬理学的に許容しうる酸付加塩でよい)と、少なくとも1種の他の活性な細胞増殖抑制性又は細胞毒性の活性物質とを含有する医薬製剤に関する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
〔定義〕
本明細書では、特に断らない限り、下記定義を適用する。
アルキル置換基とは、各場合、飽和、不飽和、直鎖若しくは分岐した脂肪族炭化水素基(アルキル基)を意味し、この定義は、飽和アルキル基と不飽和アルケニル及びアルキニル基を包含する。アルケニル置換基は、各場合、少なくとも1つの二重結合を有する直鎖若しくは分岐した不飽和アルキル基である。アルキニル置換基とは、各場合、少なくとも1つの三重結合を有する直鎖若しくは分岐した不飽和アルキル基を意味する。
ヘテロアルキルは、1〜3個のヘテロ原子を含有する直鎖若しくは分岐した脂肪族炭化水素鎖を表し、該ヘテロアルキル鎖中のそれぞれ利用可能な炭素及びヘテロ原子は、それぞれ相互独立に置換されていてもよく、かつ該ヘテロ原子はO、N、P、PO、PO2、S、SO及びSO2から成る群より相互独立に選択される(例えば、ジメチルアミノメチル、ジメチルアミノエチル、ジメチルアミノプロピル、ジエチルアミノメチル、ジエチルアミノエチル、ジエチルアミノプロピル、2-ジイソプロピルアミノエチル、ビス-2-メトキシエチルアミノ、[2-(ジメチルアミノ-エチル)-エチル-アミノ]-メチル、3-[2-(ジメチルアミノ-エチル)-エチル-アミノ]-プロピル、ヒロドキシメチル、2-ヒロドキシエチル、3-ヒロドキシプロピル、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、メトキシメチル、2-メトキシエチル)。
ハロゲンはフッ素、塩素、臭素及び/又はヨウ素原子を意味する。
ハロアルキルは、1個以上の水素原子がハロゲン原子と置き換わっているアルキル基を意味する。ハロアルキルは飽和アルキル基と不飽和アルケニル及びアルキニル基の両方を含み、例えば-CF3、-CHF2、-CH2F、-CF2CF3、-CHFCF3、-CH2CF3、-CF2CH3、-CHFCH3、-CF2CF2CF3、-CF2CH2CH3、-CF=CF2、-CCl=CH2、-CBr=CH2、-CJ=CH2、-C≡C-CF3、-CHFCH2CH3及び-CHFCH2CF3が挙げられる。
擬ハロゲンは下記基を意味する:-OCN、-SCN、-CF3及び-CN。
シクロアルキルとは、単環式環又は多環式環の意であり、該環系は飽和環でよいが、不飽和の非芳香環又はスピロ化合物でもよく、二重結合を含んでもよく、例えばシクロプロピル、シクロプロペニル、シクロブチル、シクロブテニル、シクロペンチル、シクロペンテニル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、シクロヘプタニル、シクロヘプテニル、ノルボルニル、ノルボルネニル、インダニル、アダマンチル、スピロヘプタニル及びスピロ[4.2]ヘプタニルが挙げられる。
シクロアルキルアルキルとして、炭素原子に結合している水素原子がシクロアルキル基と置き換わっている非環式アルキル基が挙げられる。
アリールは、6〜12個の炭素原子を有する単環式又は多環式環、例えばフェニル及びナフチルを指す。
アリールアルキルとして、炭素原子に結合している水素原子がアリール基と置き換わっている非環式アルキル基が挙げられる。
ヘテロアリールとは、1個以上の炭素原子の代わりに、1個以上のヘテロ原子(同一又は異なってよく、例えば窒素、イオウ又は酸素原子でよい)を含有する単環式又は多環式環を意味する。例として、フリル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、ピラゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、ピリジル、ピリミジル、ピリダジニル、ピラジニル及びトリアジニルが挙げられる。二環式ヘテロアリール基の例は、インドリル、イソインドリル、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイソキサゾリル、ベンゾイソチアゾリル、ベンゾイミダゾリル、インダゾリル、イソキノリニル、キノリニル、キノキサリニル、シンノリニル、フタラジニル、キナゾリニル及びベンゾトリアジニル、インドリジニル、オキサゾロピリジニル、イミダゾピリジニル、ナフチリジニル、インドリニル、イソクロマニル、クロマニル、テトラヒドロイソキノリニル、イソインドリニル、イソベンゾテトラヒドロフラニル、イソベンゾテトラヒドロチエニル、イソベンゾチエニル、ベンゾオキサゾリル、ピリドピリジニル、ベンゾテトラヒドロフラニル、ベンゾテトラヒドロチエニル、プリニル、ベンゾジオキソリル、トリアジニル、フェノキサジニル、フェノチアジニル、ピテリジニル、ベンゾチアゾリル、イミダゾピリジニル、イミダゾチアゾリル、ジヒドロベンゾイソキサジニル、ベンゾイソキサジニル、ベンゾオキサジニル、ジヒドロベンゾイソチアジニル、ベンゾピラニル、ベンゾチオピラニル、クマリニル、イソクマリニル、クロモニル、クロマノニル、ピリジニル-N-オキシド、テトラヒドロキノリニル、ジヒドロキノリニル、ジヒドロキノリノニル、ジヒドロイソキノリノニル、ジヒドロクマリニル、ジヒドロイソクマリニル、イソインドリノニル、ベンゾジオキサニル、ベンゾオキサゾリノニル、ピロリル-N-オキシド、ピリミジニル-N-オキシド、ピリダジニル-N-オキシド、ピラジニル-N-オキシド、キノリニル-N-オキシド、インドリル-N-オキシド、インドリニル-N-オキシド、イソキノリル-N-オキシド、キナゾリニル-N-オキシド、キノキサリニル-N-オキシド、フタラジニル-N-オキシド、イミダゾリル-N-オキシド、イソキサゾリル-N-オキシド、オキサゾリル-N-オキシド、チアゾリル-N-オキシド、インドリジニル-N-オキシド、インダゾリル-N-オキシド、ベンゾチアゾリル-N-オキシド、ベンゾイミダゾリル-N-オキシド、ピロリル-N-オキシド、オキサジアゾリル-N-オキシド、チアジアゾリル-N-オキシド、トリアゾリル-N-オキシド、テトラゾリル-N-オキシド、ベンゾチオピラニル-S-オキシド及びベンゾチオピラニル-S,S-ジオキシドである。
ヘテロアリールアルキルは、炭素原子に結合している水素原子がヘテロアリール基と置き換わっている非環式アルキル基を包含する。
ヘテロシクリルは、3〜12個の炭素原子を含み、1個以上の炭素原子の代わりに窒素、酸素又はイオウ等のヘテロ原子を含む、飽和若しくは不飽和の非芳香族単環式、多環式若しくは架橋した多環式環又はスピロ化合物を指す。該ヘテロシクリル基の例はテトラヒドロフラニル、ピロリジニル、ピロリニル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、ピラゾリジニル、ピラゾリニル、ピペリジニル、ピペラジニル、インドリニル、イソインドリニル、モルフォリニル、チオモルフォリニル、ホモモルフォリニル、ホモピペリジニル、ホモピペラジニル、ホモチオモルフォリニル、チオモルフォリニル-S-オキシド、チオモルフォリニル-S,S-ジオキシド、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチエニル、homoチオモルフォリニル-S,S-ジオキシド、オキサゾリジノニル、ジヒドロピラゾリル、ジヒドロピロリル、ジヒドロピラジニル、ジヒドロピリジニル、ジヒドロピリミジニル、ジヒドロフリル、ジヒドロピラニル、テトラヒドロチエニル-S-オキシド、テトラヒドロチエニル-S,S-ジオキシド、ホモチオモルフォリニル-S-オキシド、2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン、8-オキサ-3-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクタン、3,8-ジアザ-ビシクロ[3.2.1]オクタン、2,5-ジアザ-ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、3,8-ジアザ-ビシクロ[3.2.1]オクタン、3,9-ジアザ-ビシクロ[4.2.1]ノナン及び2,6-ジアザ-ビシクロ[3.2.2]ノナンである。
ヘテロシクロアルキルアルキルは、炭素原子に結合している水素原子がヘテロシクロアルキル基と置き換わっている非環式アルキル基を指す。
【0014】
〔本発明の化合物の調製〕
下記本文で述べる合成法A又はBに従って本発明の化合物を調製し得る。ここで、一般式(I〜VI)の置換基は上記意味を有する。出発原料として用いる化合物は、場合によっては文献公知であり、或いは文献公知の方法で得られる。これらの方法は本発明の説明であると理解すべきであり、その内容に本発明を限定するものではない。
【0015】
〔方法A〕
(工程1A)
ヘテロ芳香族系Iにおける、脱離基LG、例えばハロゲン、SCN又はメトキシ、好ましくは塩素の、求核試薬IIとの置換によって中間化合物IIIを調製する。
ダイアグラム1A:
【0016】
【化3】

【0017】
1当量の化合物Iと1〜1.5当量の化合物IIを溶媒、例えば1,4-ジオキサン、テトラヒドロフラン、N,N-ジメチルホルムアミド又はN,N-ジメチルアセトアミド中で撹拌する。15〜25℃の温度で、2〜2.5当量の塩基、例えば炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸セシウム、N-エチル-N,N-ジイソプロピルアミン又はトリエチルアミンを加える。15〜25℃の温度で反応混合物を12〜72時間撹拌する。蒸留して溶媒を除き、残留物を水と混合し、塩酸又は硫酸などの無機酸で4未満の酸性pHに調整する。この混合物を例えばジエチルエーテル、酢酸エチル又はジクロロメタン等の有機溶媒で2又は3回抽出する。混ぜ合わせた有機抽出液を乾燥させ、蒸留して溶媒を除く。残留物をクロマトグラフィーで精製する。
【0018】
(工程2A)
ヘテロ芳香族系IIIにおいて、脱離基LG、例えばハロゲン、SCN又はメトキシ、好ましくは塩素を、求核試薬IVと置き換えることによって最終化合物Vを調製する。
ダイアグラム2A:
【0019】
【化4】

【0020】
1当量の化合物IIIと1〜3当量の化合物IVを溶媒、例えば1,4-ジオキサン、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド又はN-メチル-2-ピロリジノン中で撹拌する。15〜40℃の温度で1〜2当量の無機酸、例えば硫酸又は塩酸を加える。反応混合物を20〜100℃の温度で12〜72時間撹拌する。次に、蒸留して溶媒を除き、残留物をクロマトグラフィーで精製する。
【0021】
〔方法B〕
(工程1B)
ヘテロ芳香族系Iにおける、脱離基LG、例えばハロゲン、SCN又はメトキシ、好ましくは塩素の、求核試薬IVとの置換によって中間化合物VIを調製する。
ダイアグラム1B:
【0022】
【化5】

【0023】
1当量の化合物Iと1〜3当量の塩基、例えばトリエチルアミン又はエチルジイソプロピルアミンを溶媒、例えば1,4-ジオキサン、テトラヒドロフラン、N,N-ジメチルホルムアミド又はN,N-ジメチルアセトアミド中で撹拌する。-60〜0℃の温度で、0.8〜1.5当量の化合物IVを加える。反応混合物をさらに12〜72時間15〜25℃の温度で撹拌する。次に、蒸留して溶媒を除き、残留物をクロマトグラフィーで精製する。
(工程2B)
ヘテロ芳香族系VIにおける、脱離基LG、例えばハロゲン、SCN又はメトキシ、好ましくは塩素の、求核試薬IIとの置換によって最終化合物Vを調製する。
ダイアグラム2B:
【0024】
【化6】

【0025】
1当量の化合物VIと1〜1.5当量の化合物IIを溶媒、例えば1,4-ジオキサン、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド又はN-メチル-2-ピロリジノン中で撹拌する。15〜40℃で1〜2当量の酸、例えば硫酸又は塩酸を加える。反応混合物をさらに12〜72時間20〜100℃の温度で撹拌する。次に、蒸留して溶媒を除き、残留物をクロマトグラフィーで精製する。
【0026】
〔方法1〕
(S)-6-アミノ-3-エチル-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[f][1,4]オキサゼピン-5-オン
【0027】
【化7】

【0028】
a)2-アミノ-6-(2-(S)-アミノブトキシ)-ベンゾニトリル
5.01g(51.3mmol)の(S)-2-アミノ-1-ブタノールを30mLの1,4-ジオキサンに溶かし、2.10g(52.5mmol)の水素化ナトリウムと合せて周囲温度で30分撹拌する。この反応混合物に5.00g(36.7mmol)の2-アミノ-6-フルオロベンゾニトリルを加え、混合物を50℃で24時間撹拌する。次に、真空中で溶媒を除去し、粗生成物をクロマトグラフィーで精製する。使用する担体材料はシリカゲルであり、溶出液は、90%メタノールと10%アンモニア飽和水溶液の混合物5%を添加したジクロロメタンである。
収量:5.55g
MS(ESI):206(M+H)+
b)2-アミノ-6-(2-(S)-アミノブトキシ)-安息香酸
5.53g(27.05mmol)の(S)-2-アミノ-6-(1-アミノメチル-プロポキシ)-ベンゾニトリルを70mLの20%エタノール性KOHに溶かして5日間100℃で撹拌する。次に、真空中で溶媒を除去し、粗生成物をクロマトグラフィーで精製する。使用する担体材料はシリカゲルであり、溶出液は、90%メタノールと10%アンモニア飽和水溶液の混合物12%を添加したジクロロメタンである。
収量:4.76g
MS(ESI):225(M+H)+
c)(S)-6-アミノ-3-エチル-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[f][1,4]オキサゼピン-5-オン
4.76g(21.23mmol)の(S)-2-アミノ-6-(1-アミノメチル-プロポキシ)-安息香酸を600mLのテトラヒドロフランに溶かし、12.5g(63.7mmol)の1-(3-ジメチル-アミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩及び11.11ml(63.7mmol)のジイソプロピル-エチルアミンと混ぜ合わせて50℃で3時間撹拌する。次に真空中で溶媒を除去し、粗生成物をクロマトグラフィーで精製する。使用する担体材料はシリカゲルであり、溶出液は、90%メタノールと10%アンモニア飽和水溶液の混合物を4%添加したジクロロメタンである。
収量:1.839g
MS(ESI):207(M+H)+
【0029】
この方法と同様に以下の化合物を調製する。ここで、(S)-1-アミノ-2-ブタノールを対応するアミノアルコールと置き換える。
【0030】
【化8】

【0031】
〔方法2〕
(R)-6-アミノ-11a-メチル-1,2,3,11a-テトラヒドロ-10H-ベンゾ[e]ピロロ[1,2-a][1,4]ジアゼピン-5,11-ジオン
【化9】

【0032】
a)(R)-1-(2-アミノ-6-ニトロ-ベンゾイル)-2-メチル-ピロリジン-2-カルボン酸メチル
1.18g(6.5mmol)の2-アミノ-6-ニトロ安息香酸、0.83g(4.6mmol)の(R)-2-メチル-ピロリジン-2-メチルエステル塩酸塩、4.05mL(23.2mmol)のN-エチルジイソプロピルアミンを2.5mlのテトラヒドロフランと混ぜ合わせる。この反応混合物に1.71g(5.1mmol)のO-(ベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N',N'-テトラメチルウロニウム-テトラフルオロボレートを加えて混合物を50℃に12時間加熱する。次に、真空中で溶媒を除去し、粗生成物をクロマトグラフィーで精製する。使用する担体材料はシリカゲルであり、使用する溶出液はシクロヘキサン:酢酸エチル(50:50)から成る混合物である。
収量:930mg
MS(ESI):308(M+H)+
b)(R)-1-(2-アミノ-6-ニトロ-ベンゾイル)-2-メチル-ピロリジン-2-カルボン酸
930mg(3.02mmol)の(R)-1-(2-アミノ-6-ニトロ-ベンゾイル)-2-メチル-ピロリジン-2-カルボン酸メチルを3mLの20%のエタノール性KOHに溶かして50℃で1.5時間撹拌する。次に、真空中で溶媒を除去し、粗生成物をクロマトグラフィーで精製する。使用する担体材料はシリカゲルであり、使用する溶出液は、90%メタノールと10%アンモニア飽和水溶液の混合物を15%添加したジクロロメタンである。
収量:557mg
MS(ESI):294(M+H)+
c)(R)-1-(2,6-ジアミノ-ベンゾイル)-2-メチル-ピロリジン-2-カルボン酸
366mg(1.25mmol)の(R)-1-(2-アミノ-6-ニトロ-ベンゾイル)-2-メチル-ピロリジン-2-カルボン酸を50mLのメタノールに溶かして40mgのパラジウム(木炭上)(10%Pd)と混ぜ合わせる。反応混合物を5バールの水素圧と25℃で9時間水素化する。次に、触媒をろ別し、真空中で溶媒を除去し、粗生成物をクロマトグラフィーで精製する。使用する担体材料はC18-RP-シリカゲルであり、開始点で95%の水と5%のアセトニトリル及び終了点で5%の水と95%のアセトニトリルから成る勾配をつける。
収量:76mg
MS(ESI):264(M+H)+
d)(R)-6-アミノ-11a-メチル-1,2,3,11a-テトラヒドロ-10H-ベンゾ[e]ピロロ[1,2-a][1,4]ジアゼピン-5,11-ジオン
76mg(0.29mmol)の2(R)-1-(2,6-ジアミノ-ベンゾイル)-2-メチル-ピロリジン-2-カルボン酸を2mLのテトラヒドロフランに溶かし、143mg(0.9mmol)の1-(3-ジメチル-アミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩及び103μL(0.6mmol)のジイソプロピル-エチルアミンと混ぜ合わせて50℃で17時間撹拌する。次に、真空中で溶媒を除去し、粗生成物をクロマトグラフィーで精製する。使用する担体材料はシリカゲルであり、使用する溶出液は90%メタノールと10%アンモニア飽和水溶液の混合物を15%添加したジクロロメタンである。 収量:20mg
MS(ESI):246(M+H)+
同様に以下の化合物を調製する。
【化10】

【0033】
〔方法3〕
4-(4-アミノ-フェニル)-ピペラジン-1-カルボン酸ベンジル
【化11】

【0034】
a)4-(4-ニトロ-フェニル)-ピペラジン-1-カルボン酸ベンジル
3.76ml(35.082mmol)の4-フルオロニトロベンゼンを40mLのDMAに溶かして9.25mL(52.62mmol)のN-エチルジイソプロピルアミンと7.6ml(38.59mmol)の1-(ベンジルオキシカルボニル)-ピペラジンと混ぜ合わせる。反応混合物を80℃で18時間撹拌する。次に真空中で溶媒を除去して粗生成物をクロマトグラフィーで精製する。使用する担体材料はシリカゲルであり、使用する溶出液はシクロヘキサン:酢酸エチル(50:50)から成る混合物である。
収量:11.28g
MS(ESI):342(M+H)+
b)4-(4-アミノ-フェニル)-ピペラジン-1-カルボン酸ベンジル
11.28g(33.04mmol)の4-(4-ニトロ-フェニル)-ピペラジン-1-カルボン酸ベンジルを500mLのメタノールに溶かして1gのラネーニッケルと混ぜ合わせる。混合物を5バールの水素圧で18時間水素化する。次に、触媒をろ別し、残留物を70mLの1Nの塩酸水溶液と混ぜ合わせて真空中で溶媒を除去する。
収量:10.89g
MS(ESI):312(M+H)+
この方法と同様に以下の化合物を調製する。
【化12】

【0035】
〔クロマトグラフィー〕
中圧クロマトグラフィー(MPLC)では、Millipore製のシリカゲル(名称:Granula Silica Si-60A 35-70μm)又はMacherey Nagel製のC-18 RP-シリカゲル(名称:Polygoprep 100-50 C18)を使用する。
調製用高圧クロマトグラフィーでは、Waters製のカラムを使用する(名称:XTerra Prep. MS C18, 5μM, 30*100mm又はSymmetry C18, 5μm, 19*100mm)。
〔核磁気共鳴(NMR)分光法〕
重水素化ジメチルスルホキシド-d6中で測定を行う。他の溶媒を使用する場合、実施例及び方法の説明でその旨を明白に言及する。δスケールについてppm単位で測定を記録する。標準物質としてテトラメチルシランを使用する。Bruker Biospin GmbHA製のAdvance 400(400MHz-NMR-分光計)を用いて測定値を得る。
〔質量分析/UV-分光測定〕
Agilent製のHPLC-MS装置(質量検出器を備えた高速液体クロマトグラフィー)を用いてこれらのデータを作成する。クロマトグラフィー装置の下流に直列にダイオードアレイ検出器(Agilent製のG1315B)と質量検出器(1100 LS-MSD SL;G1946D;Agilent)を連結するように装置を構成する(カラム:Zorbax SB-C8、3.5μm、2.1*50、Agilent)。
1.2ml/分の流量で装置を操作する。分離プロセスでは、3.5分以内で勾配をつける(勾配の開始:95%の水と5%のアセトニトリル;勾配の終了:5%の水と95%のアセトニトリル;各場合二溶媒に0.1%のギ酸を加える)。
【実施例】
【0036】
〔実施例1〕
2-(4-ピペラジン-1-イル-フェニルアミノ)-4-((S)-4-オキソ-2,3,10,10a-テトラヒドロ-1H.4H-9-オキサ-3a-アザ-ベンゾ[f]アズレン-5-イルアミノ)-5-トリフルオロメチル-ピリミジン
【化13】

【0037】
12.64g(32.89mmol)の4-(4-アミノ-フェニル)-ピペラジン-1-カルボン酸ベンジル(方法3)を10mLのジオキサンに懸濁させ、28mL(164.4mmol)のヒューニッヒ塩基と混ぜ合わせて0℃に冷却する。5g(23mmol)の2,4-ジクロロ-5-トリフルオロピリミジンをゆっくり添加する。周囲温度で16時間撹拌後、反応混合物を200mLのジクロロメタン及び200mLの塩化ナトリウム溶液で希釈する。有機相を分別し、真空中で溶媒を除去する。このようにして得られる粗生成物は2つの位置異性体から成る。これらをカラムクロマトグラフィーで分離する。使用する担体材料はC18-RP-シリカゲルであり、開始点で95%の水と5%のアセトニトリルから成り、終了点で5%の水と95%のアセトニトリルから成る勾配をつける。0.2%のギ酸を二溶出液に加える。2-(4-ピペラジン-1-イル-フェニルアミノ)-4-クロロ-5-トリフルオロメチル-ピリミジンを含有するフラクションを凍結乾燥させる。
このようにして得られる400mg(0.813mmol)の中間生成物と185mg(0.895mmol)の(S)-5-アミノ-2,3,10,10a-テトラヒドロ-1H-9-オキサ-3a-アザ-ベンゾ[f]アズレン-4-オン(方法1)を0.5mlのN-メチル-2-ピロリジノンに溶かし、1,4-ジオキサン中のHCl(0.406mmol)の4M溶液100μLと混ぜ合わせる。この混合物を100℃で1.5時間撹拌する。次に30mLの1Nの塩酸水溶液を加え、沈殿物を吸引ろ過で除去する。これを乾燥させて20mLのDMF及び1mLの水と混ぜ合わせ、50mgのパラジウム(木炭上)及び50mgの水酸化パラジウムと共に溶かして7バールの水素圧で3時間水素化する。次に、触媒をろ別し、真空中で溶媒を除去する。粗生成物をカラムクロマトグラフィーで精製する。使用する担体材料はC18-RP-シリカゲルであり、開始点で95%の水と5%のアセトニトリルから成り、終了点で45%の水と55%のアセトニトリルから成る勾配をつける。二溶出液に0.2%のギ酸を添加する。
収量:167mg
UV最大:282nM
MS(ESI):540(M+H)
1H-NMR:1.57-1.70 (m, 1H), 1.82-2.06 (m, 3H), 3.17-3.37 (m, 8H), 3.37-3.53 (m, 2H), 6.87-6.99 (m, 3H), 7.37-7.55 (m, 3H), 7.97-8.25 (m, 1H), 8.40 (s, 1H), 9.04-9.27 (m, 2H), 9.60-9.99 (m, 1H), 10.30-10.47 (m, 1H)
【0038】
〔実施例2〕
2-(4-(4-メチル-ピペラジン-1-イル)-フェニルアミノ)-4-((S)-4-オキソ-2,3,10,10a-テトラヒドロ-1H,4H-9-オキサ-3a-アザ-ベンゾ[f]アズレン-5-イルアミノ)-5-トリフルオロメチル-ピリミジン
【化14】

【0039】
50mg(0.077mmol)の2-(4-ピペラジン-1-イル-フェニルアミノ)-4-((S)-4-オキソ-2,3,10,10a-テトラヒドロ-1H.4H-9-オキサ-3a-アザ-ベンゾ[f]アズレン-5-イルアミノ)-5-トリフルオロメチル-ピリミジンを0.5mLのジメチルホルムアミドに溶かして12μL(0.154mmol)のホルムアルデヒド及び2μL(0.039mmol)の酢酸と混ぜ合わせる。この混合物に86mg(0.385mmol)のナトリウムトリアセトキシボロヒドリドを計り入れ、混合物を周囲温度で16時間撹拌する。次に真空中で溶媒を除去する。粗生成物をカラムクロマトグラフィーで精製する。使用する担体材料はC18-RP-シリカゲルであり、開始点で95%の水と5%のアセトニトリル、終了点で5%の水と95%のアセトニトリルから成る勾配をつける。二溶出液に0.2%のギ酸を添加する。適切なフラクションを1Nの塩酸水溶液と混ぜ合わせて凍結乾燥させる。
収量:49mg
UV最大:278nM
MS(ESI):554(M+H)
1H-NMR:1.58-1.72 (m, 1H), 1.84-2.10 (m, 3H), 2.87 (s, 3H), 2.95-3.08 (m, 2H), 3.12-3.26 (m, 2H), 3.38-3.48 (m, 1H), 3.49-3.59 (m, 2H), 3.63-3.73 (m, 1H), 3.75-3.89(m, 3H), 4.07-4.24 (m, 2H), 6.91-7.05 (m, 3H), 7.36-7.52 (m, 3H), 7.90-8.20 (s, 1H), 8.37-8.60 (s, 1H), 10.05-10.90 (m, 2H)
【0040】
〔実施例3〜27〕
実施例1で述べたのと同様の方法を用いて以下の化合物を調製できる。対応するアニリンは方法1、2又は3に記載され、或いは市販されている。
【0041】
【化15】

【化16】

【化17】

【化18】

【化19】

【0042】
〔実施例28〜81〕
実施例2に記載の方法と同様の方法で下記化合物を得ることができる。対応する出発原料は実施例1に記載の方法と同様の方法で調製される。
【化20】

【化21】

【化22】

【化23】

【化24】

【化25】

【化26】

【化27】

【化28】

【0043】
〔実施例82〜91〕
実施例2に記載の方法と同様の方法で下記化合物を得ることができる。対応する出発原料は実施例1に記載の方法と同様の方法で調製される。
【化29】

【化30】

【化31】

【0044】
以下の実施例は本発明の生物活性を示すが、本発明をこれらの実施例に限定するものではない。
種々のキナーゼ、例えばセリン-トレオニンキナーゼPLK-1に対する本発明の化合物の活性を、組換えによって産生されるタンパク質を用いてin vitroキナーゼアッセイで決定した。このアッセイでは、本化合物は、PLK1に対する良い乃至非常に良い作用、すなわち、例えば1μmol/L未満、通常0.1μmol/L未満のIC50を示す。
〔実施例PLK-1キナーゼアッセイ〕
GSTにそのN-末端にて連結した組換えヒトPLK1酵素を、バキュロウイルス(Sf21)でトランスフェクトした昆虫細胞から単離した。グルタチオンセファロースカラム上アフィニティークロマトグラフィーで精製を行う。
200mlのSf-900 II血清フリー昆虫細胞培地(Life Technologies)中の4×107のSf21細胞(ヨトウガ(Spodoptera frugiperda))をスピナーフラスコに播く。27℃及び70rpmで72時間のインキュベーション後、1×108のSf21細胞を新しいスピナーフラスコ内で全部で180mlの培地に播く。さらに24時間後、20mlの組換えバキュロウイルス株の懸濁液を加えて細胞を27℃で70rpmにて72時間培養する。3時間後に収集し、オカダ酸を加え(Calbiochem,最終濃度0.1μM)、懸濁液をさらにインキュベートする。細胞数を決定し、細胞を遠心分離(5分,4℃,800rpm)で除去して1回PBS(8gのNaCl/l、0.2gのKCl/l、1.44gのNa2HPO4/l、0.24gのKH2PO4/l)で洗浄する。再び遠心分離後、ペレットを液体窒素でフラッシュ凍結させる。次にペレットを素早く解凍して氷冷溶解緩衝液(50mMのHEPES pH 7.5、10mMのMgCl2、1mMのDTT、5μg/mlのロイペプチン、5μg/mlのアプロチニン、100μMのNaF、100μM PMSF, 10mMのβ-グリセロールホスフェート、0.1mMのNa3VO4、30mMの4-ニトロフェニルホスフェート)に再懸濁させて1×108細胞/17.5mlを得る。細胞を氷上で30分溶解させる。細胞デブリを遠心分離(4000rpm、5分)で除去後、清澄上清をグルタチオンセファロースビーズと混ぜ合わせ(上清50ml当たり1mlの再懸濁かつ洗浄したビーズ)、回転ボード上で4℃にて混合物を30分インキュベートする。次に、ビーズを溶解緩衝液で洗浄し、1mlの再懸濁ビーズ当たり1mlの溶出緩衝液でビーズから組換えタンパク質を溶出する(溶出緩衝液:100mM Tris/HCl pH=8.0、120mM NaCl、20mMの還元型グルタチオン(Sigma G-4251)、10mM MgCl2、1mM DTT)。タンパク質濃度をブラッドフォード(Bradford)アッセイで決定する。
【0045】
〔キナーゼアッセイ〕
下記成分を96-ウェル丸底皿のウェル内で混ぜ合わせる(Greiner bio-one, PSマイクロタイタープレートNo.650101):
−6%のDMSO、0.5mg/mlのカゼイン(Sigma C-5890)、60mMのβ-グリセロホスフェート、25mMのMOPS pH=7.0、5mMのEGTA、15mMのMgCl2、1mMのDTT中可変濃度(例えば300μMで開始、1:3に希釈)の10μlの被験化合物
−20μlの基質溶液(25mM MOPS pH=7.0、15mM MgCl2、1mM DTT、2.5mM EGTA、30mM β-グリセロホスフェート、0.25mg/mlのカゼイン)
−20μlの酵素希釈物(25mM MOPS pH=7.0、15mM MgCl2、1mM DTTに1:100希釈の酵素原料)
−10μlのATP溶液(45μM ATPと1.11×106Bq/mlのγ-P33-ATP)。
ATP溶液を加えて反応を開始し、穏やかに振とうさせながら(IKA MTS2振とう機で650rpm)30℃で45分間続ける。1ウェル当たり125μlの氷冷5% TCAを添加して反応を終わらせて氷上で少なくとも30分インキュベートする。フィルタープレート上に収集することによって沈殿物を移してから(96-ウェルマイクロタイターフィルタープレート:UniFilter-96, GF/B; Packard; No. 6005177)、1% TCAで4回洗浄して60℃で乾燥させる。1ウェル当たり35μlのシンチレーション溶液(Ready-Safe; Beckmann)の添加後、プレートをシールテープで密封し、沈殿したP33の量をWallac Betacounterで測定する。標準Graphpadソフトウェア(Levenburg-Marquardアルゴリズム algorithm)を用いて測定データを評価する。
【0046】
〔実施例オーロラ-Bキナーゼアッセイ〕
N-末端位にヒスチジン(6)エピトープ(His-)を備えたバキュロウイルス-発現型組換えヒトオーロラB野生型タンパク質(感染昆虫細胞(SF21)から得て精製)を用いて放射性酵素阻害アッセイを展開する。
(発現及び精製)
このため、SF-900II昆虫細胞培地(Invitrogen)中の300×106のSF21細胞を、例えば適量のバキュロウイルス溶液と27℃で1時間インキュベートする(Fernbachフラスコ撹拌機、50rpm)。次に250mlのSF-900 II培地を添加して3日間撹拌する(100rpm、27℃)。3時間後に収集し、オカダ酸(C44H68O13, Calbiochem #495604)を添加して(最終濃度0.1μM)組換えオーロラB上のリン酸化部位を安定させる。遠心分離(1000rpm、5分、4℃)で細胞をペレットにし、上清を捨ててペレットを液体窒素内で凍結させる。ペレットを解凍(37℃、5分)して溶解緩衝液内で再懸濁させる。開始培養の体積200mLに対して40mLの溶解緩衝液(25mM Tris/Cl、10mM MgCl2、300mM NaCl、20mMのイミダゾール、pH 8.0、0.07%の2-メルカプトエタノール及びRoche DiagnosticsのProtease-Inhibitor-Complete)を用いる。2回の急速冷凍/解凍周期(液体窒素、37℃で)後、ライセートを氷上で30分維持してから、洗浄したNi-NTAビーズ(Ni-NTA Superflow Beads、200mLの開始培養当たり4mL)とインキュベートし(2時間、4℃)、Econo-Pacカラム(Biorad #732-1010)に置く。各場合、10カラム容積の洗浄緩衝液(25mM Tris/Cl、10mM MgCl2、1000mM NaCl、20mM イミダゾール、pH 8.0、0.07% 2-メルカプトエタノール及びRoche DiagnosticsのProtease-Inhibitor-Complete)で5回洗浄後、8ml(200mlの開始培養当たり)の溶出緩衝液(25mM Tris/Cl pH 8.0、300mM NaCl、10mM MgCl2、0.03% Brij-35、10%のグリセロール、0.07%の2-メルカプトエタノール、400mMのイミダゾール)で溶出する。混ぜ合わせた溶出液フラクションをSephadex G25カラムで脱塩して凍結緩衝液に移す(50mM トリス/Cl pH 8.0、150mM NaCl、0.1mM EDTA、0.03%のBrij-35、10%のグリセロール、1mM DTT)。
【0047】
(キナーゼアッセイ)
試験物質をポリプロピレン皿(96ウェル、Greiner #655 201)に入れて、10μM〜0.0001μMの濃度枠をカバーするようにする。アッセイにおけるDMSOの最終濃度は5%である。30μLのタンパク質ミックス(凍結緩衝液中50mMのトリス/Cl pH 7.5、25mM MgCl2、25mM NaCl、167μM ATP、200ngのヒス-オーロラB(His-Aurora B))を、25%のDMSOに供給した試験物質10μlにピペットで入れ、これをRTで15分インキュベートする。次に10μLのペプチドミックス(100mMのトリス/Cl pH 7.5、50mM MgCl2、50mM NaCl、5μM NaF、5μM DTT、1μCiのγ-P33-ATP[Amersham]、50μMの基質ペプチド[ビオチン-EPLERRLSLVPDS若しくはその多量体、又はビオチン-EPLERRLSLVPKM若しくはその多量体、又はビオチン-LRRWSLGLRRWSLGLRRWSLGLRRWSLG])を加える。反応を75分(周囲温度)インキュベートし、180μLの6.4%トリクロロ酢酸の添加で反応を終了させて氷上で20分インキュベートする。マルチスクリーンろ過プレート(Millipore, MAIP NOB10)をまず100μLの70%エタノール、次いで180μLのトリクロロ酢酸で平衡にし、適切な吸引装置で液体を除去する。次に、前記終了キナーゼ反応を適用する。各場合、180μLの1%トリクロロ酢酸で5回洗浄後、皿の下半分を乾燥させ(55℃で10〜20分)、25μLのシンチレーションカクテル(Microscint, Packard # 6013611)を加える。Wallac 1450 Microbeta Liquid Scintillation Counterを用いて、取り込まれたγ-ホスフェートを定量する。試験物質のないサンプル又は基質ペプチドのないサンプルをコントロールとして使用する。Graph Pad Prismソフトウェアを用いてIC50値を得る。
培養ヒト腫瘍細胞についての細胞毒性試験及び/又は例えばHeLa S3細胞についてのFACS解析で本発明の化合物の抗増殖活性を決定する。両試験方法で本化合物は良い乃至非常に良い活性、すなわち例えばHeLa S3細胞毒性試験における5μmol/L未満、通常1μmol/L未満のEC50値を示す。
【0048】
〔培養ヒト腫瘍細胞についての細胞毒性の測定〕
培養ヒト腫瘍細胞について細胞毒性を測定するため、子宮頚癌腫瘍細胞株HeLa S3(アメリカ培養細胞系統保存機関(ATCC)から得た)をHamのF12培地(Life Technologies)及び10%のウシ胎児血清(Life Technologies)内で培養して対数増殖期に収集する。次にHeLa S3細胞を96-ウェルプレート(Costar)に1ウェル当たり1000個の細胞の密度で入れてインキュベーター内(37℃及び5%のCO2)で一晩インキュベートし、各プレートについて6ウェルには培地だけを満たす(培地コントロールとして3ウェル、還元型AlamarBlue試薬とのインキュベーションのため3ウェル)。活性物質を種々濃度で細胞に加える(DMSOに溶解;DMSO最終濃度:0.1%)(各場合三通りの測定として)。72時間のインキュベーション後、各ウェルに20μlのAlamarBlue試薬(AccuMed International)を加え、細胞をさらに5〜7時間インキュベートする。コントロールとして、20μlの還元型AlamarBlue試薬を3つの各ウェルに加える(AlamarBlue試薬、30分加圧滅菌する)。インキュベーション後、Perkin Elmer蛍光分光光度計(励起530nm、発光590nm、スリット15、積分時間0.1)で個々のウェルにおけるAlamarBlue試薬の色の変化を決定する。反応したAlamarBlue試薬の量は細胞の代謝活性を表す。コントロール(インヒビターなしのHeLa S3細胞)の百分率として相対細胞活性を計算し、50%まで細胞活性を阻害する活性物質濃度(IC50)を導く。ダミー値(培地コントロール)補正のある3つの個々の測定の平均から値を計算する。
〔FACS解析〕
ヨウ化プロピジウム(PI)は化学量論的に二本鎖DNAに結合するので、細胞DNA含量を基準として細胞周期のG1、S、及びG2/M期における細胞の比率を決定するために適する。G0及びG1期の細胞は二倍体DNA含量(2N)を有するが、G2又は有糸分裂期の細胞は4N DNA含量を有する。
PI染色のため、例えば、1×106のHeLa S3細胞を75カム細胞培養フラスコ上に播き、24時間後にコントロールとして0.1%のDMSOを加えるか又は種々濃度で物質を加える(0.1% DMSO中)。細胞を該物質又はDMSOと24時間インキュベートした後、細胞をPBSで2回洗浄してからトリプシン/EDTAで取り外す。細胞を遠心分離し(1000rpm、5分、4℃)、細胞ペレットをPBSで2回洗浄後、細胞を0.1mlのPBSに再懸濁させる。次に細胞を80%のエタノールで4℃にて16時間又は-20℃にて2時間固定する。固定細胞を遠心分離し(1000rpm、5分、4℃)、PBSで洗浄してから再び遠心分離する。細胞ペレットを2mlの0.25% Triton X-100(PBS中)に再懸濁させ、氷上で5分インキュベート後、5mlのPBSを加え、混合物を再び遠心分離する。細胞ペレットを350μlのPI染色溶液(0.1mg/mlのRNアーゼA(Sigma,No. R-4875)、10μg/mlのヨウ化プロピジウム(Sigma,No. P-4864)(1×PBS中))に再懸濁させる。細胞を暗所で染色緩衝液と20分インキュベート後、FACSスキャン用サンプル測定容器に移す。アルゴンレーザー(500mW、発光488nm)及びDNA Cell Quest Programme(BD)を用いてBecton Dickinson FACS AnalyzerでDNA測定を行う。帯域フィルター(BP 585/42)で対数PI蛍光を決定する。Becton Dickinson製のModFit LT Programmeを用いて個々の細胞周期の細胞集団を定量化する。
【0049】
そこで、他の腫瘍細胞についても本発明の化合物を試験する。例えば、本発明の化合物は全種類の組織の癌(例えば、乳癌(MCF7);結腸癌(HCT116)、頭頚部癌(FaDu)、肺癌(NCI-H460)、膵臓癌(BxPC-3)、前立腺癌(DU145))、肉腫(例えばSK-UT-1B)、白血病及びリンパ腫(例えばHL-60;Jurkat、THP-1)及び他の腫瘍(例えばメラノーマ(BRO)、神経膠腫(U-87MG))に有効であり、このような適応症のために使用できる。このことは、本発明の化合物の全種類の腫瘍型の治療のための広い適用性の証拠である。
その生物学的性質を基礎として、一般式(I)の新規化合物、その異性体及びその生理学的に許容しうる塩は、過剰又は異常な細胞増殖の特徴がある疾患の治療に好適である。
このような疾患として、例えば:ウイルス感染(例えばHIV及びカポジ肉腫);炎症性及び自己免疫性疾患(例えば結腸炎、関節炎、アルツハイマー病、糸球体腎炎及び創傷治癒);細菌、真菌及び/又は寄生虫感染;白血病、リンパ腫及び固形腫瘍(例えば癌及び肉腫)、皮膚疾患(例えば乾癬);細胞(例えば線維芽細胞、肝細胞、骨及び骨髄細胞、軟骨又は平滑筋細胞又は上皮細胞(例えば子宮内膜増殖症))の数の増加によって特徴づけられる過形成に基づく疾患;骨疾患及び心臓血管疾患(例えば再狭窄及び肥大)が挙げられる。
例えば、本発明の化合物で下記癌(それらに限定するものではないが)を治療し得る:脳腫瘍、例えば聴覚神経鞘腫、星状細胞腫、例えば毛様細胞性星状細胞腫、線維性星状細胞腫、原形質性星状細胞腫、大円形細胞性(gemistocytary)星状細胞腫、未分化星状細胞腫及びグリア芽細胞腫、脳リンパ腫、脳転移、下垂体腫瘍、例えばプロラクチノーマ、HGH(ヒト成長ホルモン)産生性腫瘍及びACTH産生性腫瘍(副腎皮質刺激ホルモン)、頭蓋咽頭腫、髄芽細胞腫、髄膜腫(meningeoma)及び希突起膠細胞腫;神経腫瘍(新生物)、例えば植物性神経系の腫瘍、例えば交感神経芽細胞腫(neuroblastoma sympathicum)、神経節性神経腫、傍神経節腫(クロム親和細胞腫、クロム親和性細胞腫)及び頚動脈小体腫瘍、抹消神経系に関する腫瘍、例えば切断神経腫、神経線維腫、神経鞘腫(神経鞘腫(neurilemmoma)、シュワン腫)及び悪性シュワン腫、並びに中枢神経系の腫瘍、例えば脳及び骨髄腫瘍;腸癌、例えば直腸、結腸、肛門、小腸及び十二指腸の癌;眼瞼腫瘍、例えば基底細胞癌(basalioma)又は基底細胞癌(basal cell carcinoma);膵臓癌又は膵臓の癌腫;膀胱癌又は膀胱の癌腫;肺癌(気管支癌)、例えば小細胞気管支癌(燕麦細胞癌)及び板状上皮癌のような小細胞気管支癌、腺癌及び大細胞気管支癌;乳癌、例えば乳腺癌、例えば浸潤性導管癌、膠様癌(colloid carcinoma)、小葉浸潤癌、管状癌、腺様嚢胞癌(adenocystic carcinoma)及び乳頭状癌;非ホジキンリンパ腫(NHL)、例えばバーキットリンパ腫、低悪性非ホジキンリンパ腫(NHL)及び菌状息肉症(mucosis fungoides);子宮癌又は子宮内膜癌又は子宮体癌;CUP症候群(原発不明の癌(Cancer of Unknown Primary));卵巣癌又は粘液性、子宮内膜若しくは漿液癌のようなの卵巣の癌腫;胆のう癌;胆管癌、例えばクラッキン腫瘍;睾丸癌、例えば精上皮腫及び非-精上皮腫;リンパ腫(リンパ肉腫)、例えば悪性リンパ腫、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫(NHL)、例えば慢性リンパ性白血病、白血病性細網内皮症、免疫細胞腫、形質細胞腫(多発性骨髄腫)、免疫芽細胞腫、バーキットリンパ腫、T-ゾーン菌状息肉症、大細胞未分化リンパ芽球腫;喉頭癌、例えば声帯、声門上、声門及び声門下の喉頭腫瘍;骨癌、例えば骨軟骨腫、軟骨腫、軟骨芽細胞腫、軟骨粘液腫様線維腫、骨腫、類骨骨腫、骨芽細胞腫、好酸球性肉芽腫、巨細胞腫瘍、軟骨肉腫、骨肉腫、ユーイング肉腫、細網肉腫、形質細胞腫、巨細胞腫瘍、繊維性異形成症、若年性骨嚢腫及び動脈瘤骨嚢腫;頭頚部腫瘍、例えば口唇、舌、口底、口腔、歯肉、口蓋、唾液腺、咽頭、鼻腔、副鼻腔、喉頭及び中耳の腫瘍;肝臓癌、例えば肝細胞癌(HCC);白血病、例えば急性白血病、急性リンパ性/リンパ芽球性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML);慢性白血病、例えば慢性リンパ性白血病(CLL)、慢性骨髄性白血病(CML);胃癌、例えば乳頭状、管状及び粘液性腺癌、印環細胞癌、腺扁平上皮癌、小細胞癌及び未分化癌、例えば表面伝播性、結節性、悪性黒子型及び末端黒子型メラノーマ;腎癌、例えば腎細胞癌又は副腎腫又はグラビッツ腫瘍;食道癌;陰茎癌;前立腺癌;咽喉癌又は咽頭の癌、例えば上咽頭癌、中咽頭癌及び下咽頭癌;網膜芽細胞腫;膣癌又は膣癌腫;板状上皮癌、腺癌、in situ癌、悪性黒色腫及び肉腫;甲状腺癌、例えば乳頭状、濾胞状及び髄様甲状腺癌、並びに未分化癌;皮膚の棘細胞癌、類表皮癌及び板状上皮癌;胸腺腫、尿道の癌及び外陰の癌。
【0050】
本発明の新規化合物を上記疾患の予防、短期又は長期治療のために使用でき、放射線療法又は他の「最新技術の」化合物、例えば細胞増殖抑制性若しくは細胞毒性物質、細胞増殖インヒビター、抗血管形成物質、ステロイド若しくは抗体と併用してもよい。
一般式(1)の化合物単独で又は本発明の他の活性物質と組み合わせて使用でき、他の薬理学的に活性な物質と併用してもよい。
本発明の化合物と共に投与し得る化学療法薬として、限定するものではないが、ホルモン、ホルモン類似体及び抗ホルモ薬(例えばタモキシフェン、トレミフェン、ラロキシフェン、フルベストラント(fulvestrant)、酢酸メゲストロール、フルタミド、ニルタミド、ビカルタミド、アミノグルテチミド、酢酸シプロテロン、フィナステリド、酢酸ブセレリン、フルドロコルチゾン、フルオキシメステロン、メドロキシプロゲステロン、オクトレオチド)、アロマターゼインヒビター(例えばアナストロゾール、レトロゾール、リアロゾール(liarozole)、ボロゾール、エキセメスタン、アタメスタン(atamestane))、LHRHアゴニスト及びアンタゴニスト(例えば酢酸ゴセレリン、ルプロリド)、成長因子のインヒビター(例えば血小板由来成長因子及び肝細胞成長因子などの成長因子、インヒビターは例えば成長因子抗体、成長因子受容体抗体及びチロシンキナーゼインヒビターであり、例えばゲフィチニブ、イマチニブ、ラパチニブ及びトラスツズマブ);代謝拮抗薬(例えば葉酸代謝拮抗薬、例えばメトトレキセート、ラルチトレキセド、ピリミジン類似体、例えば5-フルオロウラシル、カペシタビン及びゲムシタビン、プリン及びアデノシン類似体、例えばメルカプトプリン、チオグアニン、クラドリビン及びペントスタチン、シタラビン、フルダラビン);抗腫瘍抗体(例えばアントラサイクリン、例えばドキソルビシン、ダウノルビシン、エピルビシン及びイダルビシン、マイトマイシン-C、ブレオマイシン、ダクチノマイシン、プリカマイシン、ストレプトゾシン);白金誘導体(例えばシスプラチン、オキサリプラチン、カルボプラチン);アルキル化薬(例えばエストラムスチン、メクロレタミン、メルファラン、クロラムブシル、ブスルファン、ダカルバジン、シクロホスファミド、イホスファミド、テモゾロミド、ニトロソウレア、例えばカルムスチン及びロムスチン、チオウレア);有糸分裂阻害薬(例えばビンカアルカロイド、例えばビンブラスチン、ビンデシン、ビノレルビン及びビンクリスチン;及びタキサン、例えばパクリタキセル、ドセタキセル);トポイソメラーゼインヒビター(例えばエピポドフィロトキシン(epipodophyllotoxin)、例えばエトポシド及びエトポフォス、テニポシド、アムサクリン、トポテカン、イリノテカン、ミトキサントロン)及び種々の化学療法薬、例えばアミホスチン、アナグレリド、クロドロネート、フィルグラスチン、インターフェロンα、ロイコボリン、リツキシマブ、プロカルバジン、レバミゾール、メスナ、ミトタン、パミドロネート及びポルフィマーが挙げられる。
【0051】
適切な製剤として、例えば錠剤、カプセル剤、座剤、溶液−特に注射(皮下、静脈内、筋肉内)及び注入用溶液−エリキシル剤、エマルション又は分散性粉末が挙げられる。医薬的に活性な化合物の含量は、全体として0.1〜90wt.-%、好ましくは0.5〜50wt.-%の組成の範囲、すなわち以下に指定する用量範囲を達成するのに十分な量でなければならない。必要ならば、指定量を1日に数回投与してよい。
適切な錠剤は、例えば、活性物質を既知の賦形剤、例えば不活性な希釈剤、例えば炭酸カルシウム、リン酸カルシウム又はラクトース、崩壊剤、例えばコーンスターチ又はアルギニン酸、結合剤、例えばデンプン又はゼラチン、潤沢剤、例えばステアリン酸マグネシウム又はタルク、及び/又は遅延放出薬、例えばカルボキシメチルセルロース、酢酸フタル酸セルロース、又はポリ酢酸ビニルなどと混合することによって得られる。錠剤が数層含んでいてもよい。
従って、錠剤と同様に作製したコアを、錠剤コーティングに常用される物質、例えばコリドン又はシェラック、アラビアゴム、タルク、二酸化チタン又は糖などでコーティングすることによって、コーティング錠を調製することができる。遅延放出を達成するため又は不適合性を防止するため、コアがいくつかの層から成ってもよい。同様に、錠剤コーティングがいくつかの層から成り、おそらく錠剤について上述した賦形剤を用いて、遅延放出を達成してもよい。
本発明の活性物質又はその組合せを含有するシロップ剤は、さらに甘味料、例えばサッカリン、シクラメート、グリセロール又は糖及び風味向上剤、例えばバニリン又はオレンジエキス等の調味料を含んでもよい。シロップ剤は、カルボキシメチルセルロース等の懸濁アジュバント又は増粘剤、湿潤剤、例えば、脂肪アルコールとエチレンオキシドの縮合物、又は保存剤、例えばp-ヒロドキシベンゾエートをも含有し得る。
注射及び注入用溶液は、常法、例えば等張剤、保存剤、例えばp-ヒロドキシベンゾエート、又は安定剤、例えばエチレンジアミン四酢酸のアルカリ金属塩を添加して調製され、乳化剤及び/又は分散剤を使用してよく、さらに希釈剤として水を使用する場合、例えば、有機溶媒を溶媒和剤又は溶解助剤として使用してよい。調製した注射及び注入用溶液を注射バイアル若しくはアンプル又は注入ビンに移す。
1種以上の活性物質又は活性物質の組合せを含有するカプセル剤は、例えば、活性物質を不活性な担体、例えばラクトース又はソルビトールと混合し、該混合物をゼラチンカプセルに詰めることによって調製される。
好適な座剤は、例えば、この目的のために提供される担体、例えば中性脂肪又はポリエチレングリコール若しくはその誘導体と混合することによって製造される。
使用し得る賦形剤として、例えば、水、医薬的に許容しうる有機溶媒、例えばパラフィン(例えば石油留分)、植物油(例えば落花生油又はゴマ油)、単官能性又は多官能性アルコール(例えばエタノール又はグリセロール)、担体、例えば天然鉱物粉末(例えばカオリン、クレー、タルク、チョーク)、合成鉱物粉末(例えば高分散性ケイ酸及びシリケート)、糖類(例えばショ糖、ラクトース及びグルコース)、乳化剤(例えばリグニン、亜硫酸パルプ廃液。メチルセルロース、デンプン及びポリビニルピロリドン)及び潤沢剤(例えばステアリン酸マグネシウム、タルク、ステアリン酸及びラウリル硫酸ナトリウム)が挙げられる。
【0052】
製剤は、常法、好ましくは経口又は経皮、最も好ましくは経口投与される。経口投与では、錠剤は、当然に、上記担体にとは別に、添加剤、例えばクエン酸ナトリウム、炭酸カルシウム及びリン酸二カルシウムと共にデンプン、好ましくはジャガイモデンプン、ゼラチン等の種々の添加剤を含有し得る。さらに、錠剤化プロセスのため同時に潤沢剤、例えばステアリン酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナトリウム及びタルクを使用し得る。水性懸濁液の場合、活性物質を、上述した賦形剤に加えて種々の風味向上剤又は着色剤と併用することができる。
非経口用途では、活性物質と適切な液状担体の溶液を使用することができる。
静脈内用途の用量は、1〜1000mg/時間、好ましくは5〜500mg/時間である。
しかし、体重、投与経路、該薬物に対する該個体の応答、その製剤の性質及び該薬物を投与する時間又は間隔によって、指定量から逸脱する必要がある場合もある。従って、ある場合には上述した最小用量未満の使用で十分であり、他の場合には上限を超えなければならない。大量を投与する場合、より小用量ずつに分割してその日じゅうに広げることが賢明である。
【0053】
以下の製剤例は本発明の範囲を制限することなく本発明を説明する。
〔医薬製剤の例〕
A) 錠剤 1錠当たり
活性物質 100mg
ラクトース 140mg
コーンスターチ 240mg
ポリビニルピロリドン 15mg
ステアリン酸マグネシウム 5mg
500mg
微粉砕活性物質、ラクトース及びいくらかのコーンスターチを一緒に混合する。混合物を篩ってからポリビニルピロリドンの水溶液で湿らせ、混練し、湿式顆粒化して乾燥させる。この顆粒、残りのコーンスターチ及びステアリン酸マグネシウムを篩って一緒に混合する。混合物を圧縮して適切な形状と大きさの錠剤を製造する。
B) 錠剤 1錠当たり
活性物質 80mg
ラクトース 55mg
コーンスターチ 190mg
微結晶性セルロース 35mg
ポリビニルピロリドン 15mg
ナトリウム-カルボキシメチルデンプン 23mg
ステアリン酸マグネシウム 2mg
400mg
微粉砕活性物質、いくらかのコーンスターチ、ラクトース、微結晶性セルロース及びポリビニルピロリドンを一緒に混合し、混合物を篩い、残りのコーンスターチと水で仕上げて顆粒を形成し、乾燥させて篩う。ナトリウムカルボキシメチルデンプンとステアリン酸マグネシウムを加えて混合し、混合物を圧縮して適切な大きさの錠剤を形成する。
C) アンプル溶液
活性物質 50mg
塩化ナトリウム 50mg
注射用水 5ml
活性物質をそれ自体のpH又はpH5.5〜6.5で水に溶かし、塩化ナトリウムを加えて等張にする。得られた溶液を熱源なしでろ過し、ろ液を無菌条件下でアンプルに移してから殺菌して融合によって密封する。アンプルは5mg、25mg及び50mgの活性物質を含む。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(1):
【化1】

(式中、
Xは酸素又は窒素を表し、かつ
Yは-CH2又はC=Oを表し、かつ
R1及びR1'は、それぞれ相互独立に水素、又はC1-5-アルキル、C3-6-シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル及びヘテロアリールの中から選択される一置換若しくは多置換されていてもよい基を表し(ここで、該置換基は同一又は異なってよく、ハロゲン、-ORa、-C(=O)Ra、-C(=O)ORa、-C(=O)NRaRa、-NRaRa、-NRaC(=O)Ra、-NRaC(=O)ORa、-NRaC(=O)NRaRa、-NRaSO2Ra、-N=CRaRa、-SRa、-SORa、-SO2Ra、-SO2NRaRa、-NRaSO2NRaRa、-OSO2NRaRa及び擬ハロゲンの中から選択される)、
或いは同一炭素原子上の2つのR1'基がそれらが結合している炭素原子と一緒にC3-7シクロアルキル環を形成し、或いはR1がR1'基と一緒に飽和又は部分的に飽和した3〜6員アルキルブリッジ(1〜2個のヘテロ原子を含んでよい)を形成してよく、かつ
R2は、一置換若しくは多置換されていてもよいヘテロシクリル基を表し(ここで、該置換基は同一又は異なってよく、C1-5-アルキル、C2-5-アルケニル、C2-5-アルキニル、C3-6-シクロアルキル-C0-3-アルキルの中から選択される)、かつ
R3は水素又はC1-3-アルキルを表し、或いは
R2とR3が一緒に、一置換若しくは多置換されていてもよいヘテロシクリル環(1〜2個のさらなるヘテロ原子を含んでよく、前記置換基は同一又は異なってよく、かつC1-5-アルキル、C2-5-アルケニル、C2-5-アルキニル及びC3-6-シクロアルキル-C0-3-アルキルの中から選択され、或いはハロゲン、-ORa、-C(=O)Ra、-C(=O)ORa、-C(=O)NRaRa、-NRaRa、-NRaC(=O)Ra、-NRaC(=O)ORa、-NRaC(=O)NRaRa、-NRaSO2Ra、-N=CRaRa、-SRa、-SORa、-SO2Ra、-SO2NRaRa、-NRaSO2NRaRa、-OSO2NRaRa及び擬ハロゲンの中から選択される適切な置換基である)を形成してよく、かつ
R4はそれぞれ相互独立に、ハロゲン、NO2、-ORa、-C(=O)Ra、-C(=O)ORa、-C(=O)NRaRa、-NRaRa、-NRaCORa、-NRaC(=O)ORa、-NRaC(=O)NRaRa、-NRaC(=O)ONRaRa、-NRaSO2Ra、-N=CRaRa、-SRa、-SORa、-SO2Ra、-SO2NRaRa、-NRaSO2NRaRa、-OSO2NRaRa及び擬ハロゲンの中から選択される基を表し;かつ
R5は水素、ハロゲン、C1-3-アルキル、C2-3-アルケニル、C2-3-アルキニル、ハロゲン-C1-3 -アルキル、-ORa又は擬ハロゲンを表し、かつ
R6はそれぞれ相互独立に、ハロゲン、C1-3-アルキル、-ORa及び擬ハロゲンの中から選択される基を表し、かつ
Raはそれぞれ相互独立に水素、又は置換されていてもよいC1-8-アルキル、C2-8-アルケニル、C2-8-アルキニル、C3-10-シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル及びヘテロアリール(このとき該置換基は同一又は異なってよく、かつハロゲン、-NH2、-OH及び擬ハロゲンの中から選択される)の中から選択される基を表し;かつ
mは0、1又は2を表し;かつ
nはそれぞれ相互独立に0、1又は2を表す)
の化合物であって、その互変異性体、ラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオマー及び混合物の形態でよく、かつその薬理学的に許容しうる塩でよく、但し、以下の化合物を除く:
2-(2-メトキシ-4-ピペラジン-1-イル-フェニルアミノ)-4-(3,3-ジメチル-5-オキソ-2,3,4,5-ベンゾ[f][1,4]オキサゼピン-6-イルアミノ-5-トリフルオロメチル-ピリミジン、
2-(2-メトキシ-4-ピペラジン-1-イル-フェニルアミノ)-4-((S)-4-オキソ-2,3,10,10a-テトラヒドロ-1H,4H-9-オキサ-3a-アザ-ベンゾ[f]アズレン-5-イルアミノ-5-トリフルオロメチル-ピリミジン、
2-[4-(4-エチル-ピペラジン-1-イル)-2-メトキシ-フェニルアミノ]-4-((S)-4-オキソ-2,3,10,10a-テトラヒドロ-1H,4H-9-オキサ-3a-アザ-ベンゾ[f]アズレン-5-イルアミノ-5-トリフルオロメチル-ピリミジン、
2-[4-(4-メチル-ピペラジン-1-イル)-2-メトキシ-フェニルアミノ]-4-((S)-4-オキソ-2,3,10,10a-テトラヒドロ-1H,4H-9-オキサ-3a-アザ-ベンゾ[f]アズレン-5-イルアミノ-5-トリフルオロメチル-ピリミジン、
3,3-ジメチル-6-{2-[4-(4-メチル-ピペラジン-1-イル)-フェニルアミノ]-5-トリフルオロメチル-ピリミジン-4-イルアミノ}-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[f][1,4]オキサゼピン-5-オン、
6-{2-[4-(4-エチル-ピペラジン-1-イル)-フェニルアミノ]-5-トリフルオロメチル-ピリミジン-4-イルアミノ}-3,3-ジメチル-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[f][1,4]オキサゼピン-5-オン、
3,3-ジメチル-6-{2-[4-(4-プロパ-2-イニル-ピペラジン-1-イル)-フェニルアミノ]-5-トリフルオロメチル-ピリミジン-4-イルアミノ}-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[f][1,4]オキサゼピン-5-オン、
6-{2-[4-(4-イソプロピル-ピペラジン-1-イル)-フェニルアミノ]-5-トリフルオロメチル-ピリミジン-4-イルアミノ}-3,3-ジメチル-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[f][1,4]オキサゼピン-5-オン、
(S)-3-メチル-6-[2-(4-ピペラジン-1-イル-フェニルアミノ)-5-トリフルオロメチル-ピリミジン-4-イルアミノ]-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[f][1,4]オキサゼピン-5-オン、
(S)-3-メチル-6-{2-[4-(4-メチル-ピペラジン-1-イル)-フェニルアミノ]-5-トリフルオロメチル-ピリミジン-4-イルアミノ}-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[f][1,4]オキサゼピン-5-オン、
(S)-6-{2-[4-(4-イソプロピル-ピペラジン-1-イル)-フェニルアミノ]-5-トリフルオロメチル-ピリミジン-4-イルアミノ}-3-メチル-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[f][1,4]オキサゼピン-5-オン、
(S)-3-メチル-6-{2-[4-(4-プロパ-2-イニル-ピペラジン-1-イル)-フェニルアミノ]-5-トリフルオロメチル-ピリミジン-4-イルアミノ}-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[f][1,4]オキサゼピン-5-オン、
(S)-3-エチル-6-[2-(4-ピペラジン-1-イル-フェニルアミノ)-5-トリフルオロメチル-ピリミジン-4-イルアミノ]-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[f][1,4]オキサゼピン-5-オン、
(S)-6-[2-(4-ピペラジン-1-イル-フェニルアミノ)-5-トリフルオロメチル-ピリミジン-4-イルアミノ]-3-プロピル-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[f][1,4]オキサゼピン-5-オン、
(S)-6-{2-[4-(4-プロパ-2-イニル-ピペラジン-1-イル)-フェニルアミノ]-5-トリフルオロメチル-ピリミジン-4-イルアミノ}-1,2,3,11a-テトラヒドロ-10H-ベンゾ[e]ピロロ[1,2-a][1,4]ジアゼピン-5,11-ジオン、
(S)-6-{2-[4-(4-エチル-ピペラジン-1-イル)-フェニルアミノ]-5-トリフルオロメチル-ピリミジン-4-イルアミノ}-1,2,3,11a-テトラヒドロ-10H-ベンゾ[e]ピロロ[1,2-a][1,4]ジアゼピン-5,11-ジオン、
(S)-6-{2-[4-(4-イソブチル-ピペラジン-1-イル)-フェニルアミノ]-5-トリフルオロメチル-ピリミジン-4-イルアミノ}-1,2,3,11a-テトラヒドロ-10H-ベンゾ[e]ピロロ[1,2-a][1,4]ジアゼピン-5,11-ジオン,
(S)-6-{2-[4-(4-メチル-ピペラジン-1-イル)-フェニルアミノ]-5-トリフルオロメチル-ピリミジン-4-イルアミノ}-1,2,3,11a-テトラヒドロ-10H-ベンゾ[e]ピロロ[1,2-a][1,4]ジアゼピン-5,11-ジオン、
6-{2-[4-(4-エチル-ピペラジン-1-イル)-フェニルアミノ]-5-トリフルオロメチル-ピリミジン-4-イルアミノ}-3,3-ジメチル-3,4-ジヒドロ-1H-ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン-2,5-ジオン、
3,3-ジメチル-6-{2-[4-(4-メチル-ピペラジン-1-イル)-フェニルアミノ]-5-トリフルオロメチル-ピリミジン-4-イルアミノ}-3,4-ジヒドロ-1H-ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン-2,5-ジオン、
6-{2-[4-(4-イソプロピル-ピペラジン-1-イル)-フェニルアミノ]-5-トリフルオロメチル-ピリミジン-4-イルアミノ}-3,3-ジメチル-3,4-ジヒドロ-1H-ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン-2,5-ジオン、
3,3-ジメチル-6-{2-[4-(4-プロパ-2-イニル-ピペラジン-1-イル)-フェニルアミノ]-5-トリフルオロメチル-ピリミジン-4-イルアミノ}-3,4-ジヒドロ-1H-ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン-2,5-ジオン、
(S)-6-{2-[4-(4-イソプロピル-ピペラジン-1-イル)-フェニルアミノ]-5-トリフルオロメチル-ピリミジン-4-イルアミノ}-1,2,3,11a-テトラヒドロ-10H-ベンゾ[e]ピロロ[1,2-a][1,4]ジアゼピン-5,11-ジオン、
(S)-6-{2-[4-(4-イソプロピル-ピペラジン-1-イル)-フェニルアミノ]-5-トリフルオロメチル-ピリミジン-4-イルアミノ}-3-メチル-3,4-ジヒドロ-1H-ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン-2,5-ジオン、
(S)-3-メチル-6-{2-[4-(4-メチル-ピペラジン-1-イル)-フェニルアミノ]-5-トリフルオロメチル-ピリミジン-4-イルアミノ}-3,4-ジヒドロ-1H-ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン-2,5-ジオン、
(S)-3-メチル-6-{2-[4-(4-プロパ-2-イニル-ピペラジン-1-イル)-フェニルアミノ]-5-トリフルオロメチル-ピリミジン-4-イルアミノ}-3,4-ジヒドロ-1H-ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン-2,5-ジオン、
(S)-6-{2-[4-(4-エチル-ピペラジン-1-イル)-フェニルアミノ]-5-トリフルオロメチル-ピリミジン-4-イルアミノ}-3-メチル-3,4-ジヒドロ-1H-ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン-2,5-ジオン及び
{(S)-2,5-ジオキソ-6-[2-(4-ピペラジン-1-イル-フェニルアミノ)-5-トリフルオロメチル-ピリミジン-4-イルアミノ]-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン-3-イル}-アセタート。
【請求項2】
式中、R5がハロゲン又は-CF3を表す、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
式中、
Xが酸素を表し、かつ
Yが-CH2-を表す、請求項1又は2に記載の化合物。
【請求項4】
式中、
Xが窒素を表し、かつ
YがC=Oを表す、請求項1又は2に記載の化合物。
【請求項5】
医薬組成物としての請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物又はその薬理学的に許容しうる塩。
【請求項6】
抗増殖作用のある医薬組成物を製造するための請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物又はその薬理学的に許容しうる塩。
【請求項7】
選択的なキナーゼ阻害機構の活性を有する抗増殖作用のある医薬組成物を製造するための請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物又はその薬理学的に許容しうる塩。
【請求項8】
癌、感染症、炎症性及び自己免疫性疾患の治療及び/又は予防用医薬組成物を製造するための請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物の使用。
【請求項9】
活性物質として請求項1〜4のいずれか1項に記載の一般式(1)の1つ以上の化合物又はその薬理学的に許容しうる塩を含有し、通常の賦形剤及び/又は担体を併用してよい医薬製剤。
【請求項10】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の一般式(1)の化合物であって、その互変異性体、ラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオマー及び混合物の形態でよく、かつその薬理学的に許容しうる塩の形態でもよい化合物と、少なくとも1種のさらなる細胞増殖抑制性又は細胞毒性の活性物質とを含有する医薬製剤。

【公表番号】特表2009−527532(P2009−527532A)
【公表日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−555777(P2008−555777)
【出願日】平成19年2月20日(2007.2.20)
【国際出願番号】PCT/EP2007/051599
【国際公開番号】WO2007/096351
【国際公開日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【出願人】(503385923)ベーリンガー インゲルハイム インターナショナル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (976)
【Fターム(参考)】