説明

発信履歴表示方法およびボタン電話装置

【課題】 内線電話機毎の発信履歴を一括で順次表示できるようにすると共に、自内線電話機に他の内線電話機の発信履歴も表示できるようにする。
【解決手段】 外線発信したときに該発信の相手先情報および該発信に応じた時刻情報ならびに該発信を行った発信電話機情報を順次記憶する発信履歴記憶手段F35と、自己内線電話機の発信履歴を表示する自己発信履歴判定手段F37/自己発信履歴表示制御手段F38と、他の内線電話機の発信履歴を表示する他発信履歴判定手段F39/他発信履歴表示制御手段F40と、全ての発信履歴を表示する全発信履歴表示制御手段F41を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、構内電話設備において、外線発信した相手先電話番号を記憶し、外線を切った後、発信履歴を表示する発信履歴表示方法および発信履歴表示機能を備えたボタン電話装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、家庭や事業所等で使用される電話装置には、発信履歴を記憶および表示する機能を備えたものがある。発信履歴とは、外線発信の相手先電話番号ならびにそれらのあった日付および時刻等の情報のことであり、外線を切った後、発信履歴を表示させ特定操作を行うことにより、その記憶されている相手先電話番号に自動的に再発信する機能に利用される。
【0003】
多機能電話機の再発信の方式としては、複数の再発信可能な相手先電話番号を表示させて、選択した相手先電話番号に再発信すると共に、今回発信した電話番号を最新の電話番号として再登録させる制御をおこなうことが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
しかし、これは単独で使用される電話装置を前提とした内容であって、事業所等で使用される構内電話設備(以下、電話システムまたはボタン電話装置ともいう。)を構成する構内電話交換装置(以下、PBXまたはボタン電話主装置ともいう。)と、その内線に収容される電話装置(以下、内線電話機またはボタン電話機ともいう。)へ適用する場合については、開示されていないという問題がある。
【0005】
前述した問題を解消するため、PBXに内線電話機に対応した発信履歴を複数記憶しておき、内線電話機の操作により必要な発信履歴を表示できるようにした構成が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
【0006】
しかし、内線電話機毎に発信履歴記憶部が必要であり、電話システムで発信した全ての発信履歴を一括で順次表示させることができない問題があった。また、他の内線電話機の発信履歴を見たい場合には、当該他の内線電話機の設置場所に行き、当該他の内線電話機を操作して発信履歴を表示する必要があった。
【特許文献1】特開平2−223262号公報
【特許文献2】特開平5−176038号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
解決しようとする問題点は、内線電話機毎の発信履歴を一括で順次表示できるようにすると共に、自内線電話機に他の内線電話機の発信履歴も表示できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明は、1以上の外線および複数の内線を収容する構内電話交換装置と、前記内線に接続される電話装置とからなる構内電話設備において、
前記外線に発信したときに該外線発信の相手先情報および該外線発信に応じた時刻情報ならびに該外線発信を行った発信電話装置情報を順次記憶する発信履歴記憶手段と、
前記電話装置による自己の発信履歴を表示する表示要求操作を検出すると前記発信履歴記憶手段に記憶されている発信電話装置情報と自己電話装置情報が一致するか否かを判定する自己発信履歴判定手段と、前記自己発信履歴判定手段が一致したと判定したときに対応する相手先情報および時刻情報を順次表示する自己発信履歴表示制御手段と、
前記電話装置による自己以外の電話装置の発信履歴を表示する表示要求操作を検出すると前記発信履歴記憶手段に記憶されている発信電話装置情報と自己以外の電話装置情報が一致するか否かを判定する他発信履歴判定手段と、前記他発信履歴判定手段が一致したと判定したときに対応する相手先情報および時刻情報を順次表示する他発信履歴表示制御手段を備えた。
【0009】
また、本発明は、前記電話装置による全ての発信履歴を表示する表示要求操作を検出すると前記発信履歴記憶手段に記憶されている相手先情報および時刻情報ならびに発信電話装置情報を順次表示する全発信履歴表示制御手段を備えた。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、外線発信を行ったとき、発信履歴記憶部に該外線発信の相手先情報および時刻情報を記憶すると共に、該外線発信を行った発信内線電話機情報(内線番号情報または内線収容位置情報)を記憶し、それを外線発信が発生する毎に順次一括で記憶していくことにより、内線電話機毎に分割して記憶する必要がなくなり、自己発信履歴と他内線電話機の発信履歴の全てを表示できるようになる。
【0011】
また、本発明によれば、発信履歴を表示するときには、内線電話機の操作により、
A:自己内線電話機の発信履歴を表示、
B:他内線電話機の発信履歴を表示、
C:全ての発信履歴を表示、
のいずれかの表示方法を選択することができ、利用者の様々な運用方法に対応できる著しい効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態の一例について説明する。なお、以下の実施形態では、ボタン電話装置としてボタン電話主装置と該ボタン電話主装置に接続された有線式ボタン電話機を例にあげて説明する。しかし、本発明はこれに限定されない。例えば、有線式ボタン電話機の代わりに無線式ボタン電話機を用いることができる。また、本発明は、ボタン電話装置で実施するだけでなく、ボタン電話機を収容する構内交換機で実施しても良い。
【0013】
なお、本明細書においては、構内電話交換装置とは、PBX(構内電話交換機)またはボタン電話主装置もしくはIP電話におけるサーバなどをいい、電話装置とは、内線電話機またはボタン電話機もしくはIP電話機などをいい、構内電話設備とは、構内電話交換システムまたはボタン電話装置もしくはIP電話システムなどをいう。
【0014】
図1は、本発明に係るボタン電話装置を構成するボタン電話主装置10と、ボタン電話機20の構成概略図である。図2は、本発明に係るボタン電話主装置10の中央制御部11と、記憶部16の機能ブロック図である。図3は、本発明に係るボタン電話主装置10の記憶部16内の発信履歴記憶手段への発信履歴の記憶処理のフローチャートである。図4は、本発明に係るボタン電話主装置10の中央制御部11内の自己発信履歴判定手段と自己発信履歴表示制御手段における処理のフローチャートである。図5は、本発明に係るボタン電話主装置10の中央制御部11内の他発信履歴判定手段と他発信履歴表示制御手段における処理のフローチャートである。図6は、本発明に係るボタン電話主装置10の中央制御部11内の全発信履歴表示制御手段における処理のフローチャートである。
【0015】
まず、図1を用いてボタン電話装置を構成するボタン電話主装置10と、ボタン電話機20の構成の概要を説明する。ボタン電話装置は、1以上の外線および複数の内線を収容するボタン電話主装置10と、該ボタン電話主装置10に接続された複数のボタン電話機20−1〜20−nから構成される。
【0016】
ボタン電話主装置10は、少なくとも、中央制御部11と、通話路スイッチ12と、1以上の外線回路13−1〜13−nと、リアルタイムクロック14と、複数の内線回路15−1〜15−nと、記憶部16を有して構成される。
【0017】
中央制御部11は、ボタン電話主装置10の各回路からの入力情報(ボタン電話機20からの情報も含む)に対する解析や判断、記憶部16に対する情報の入出力、各回路の制御を行う。
【0018】
通話路スイッチ12は、ボタン電話主装置10内の交換処理(外線と内線の接続、他)を行う。
【0019】
外線回路13−1〜13−nは、外線に接続されるインタフェース回路である。なお、本発明で開示している外線とは、一般公衆回線、IP電話事業者の回線、専用線、私設線、携帯電話等の無線使用回線(無線/有線変換アダプタ使用)、等も含まれる。
【0020】
リアイルタイムクロック14は、いわゆる時刻回路であり、中央制御部11よりの時刻出力要求を受け、現時点の年月日時刻を出力する回路である。なお、本実施例では時刻回路として説明するが、中央制御部11内のプログラム処理により時刻情報を処理すれば、本回路を別途設ける必要はないことは自明である。
【0021】
内線回路15−1〜15−nは、ボタン電話機20−1〜20−nと音声データ、制御データの通信を行うためのインタフェース回路である。
【0022】
記憶部16は、通常の記憶部としての働きの他に、発信履歴記憶手段として外線発信の相手先情報および該外線発信に応じた時刻情報ならびに該外線発信を行ったボタン電話機の情報(発信電話機情報)が記憶される。
【0023】
また、ボタン電話機20は、少なくとも、制御部21と、データ送受信回路22と、音声処理部23と、送受話器24と、スピーカ25と、ダイヤルキー26と、外線キー27と、機能キー28と、LCD表示器29を有して構成される。
【0024】
制御部21は、ボタン電話機20内の各回路からの入力情報に対する解析や判断、各回路の制御を行う。
【0025】
データ送受信回路22は、内線を介してボタン電話主装置10と音声データ、制御データの通信を行うためのインタフェース回路である。
【0026】
音声処理部23は、音声のデジタル/アナログ変換、アナログ/デジタル変換と、ボタン電話機20内の送受話器24やスピーカ25等との通話路切替および音量を制御する。
【0027】
送受話器24は、一般的な通話時の送話、受話を行うためのハンドセットである。
【0028】
スピーカ25は、着信音の送出や、拡声受話の聴取等に使用する。
【0029】
ダイヤルキー26は、電話番号を入力する手段であり、また、各種設定の入力手段としても用いられる。本実施例では、他ボタン電話機20の発信履歴を表示するとき、他ボタン電話機20の内線番号指定手段としても使用される。
【0030】
外線キー27は、複数ある外線から使用したい外線を選択するための複数のボタンである。
【0031】
機能キー28は、ボタン電話装置で一般的に使用する“保留”ボタン、“拡声受話”ボタン、“設定”ボタン、および発信履歴の表示要求操作に使用する、
A:自己の発信履歴を表示する表示要求操作に使用する“マイ発信履歴”ボタン、
B:他ボタン電話機の発信履歴を表示する表示要求操作に使用する“他TEL履歴”ボタン、
C:全ての発信履歴を表示する表示要求操作に使用する“全発信履歴”ボタン、
等により構成される(各ボタンは図示していない)。
【0032】
なお、B:他ボタン電話機の発信履歴を表示する表示要求操作に使用する“他TEL履歴”ボタンを押下した後は、ダイヤルキー26を操作し、他ボタン電話機の内線番号を入力することにより、他ボタン電話機を特定する。また、前述したA:ないしC:は、各ボタン電話機に全て設ける必要はなく、当該ボタン電話機を使用する利用者の好みにより、A:のみを設けたり、あるいはA:とB:の2つを設けたり、その組み合わせは自由に行って良い。
【0033】
また、本実施例では、表示要求操作を前述したA:ないしC:のように独立したボタンを使用することで説明しているが、他の実施形態、例えば、LCD表示器29にメニュー表示として、A:ないしC:を3行分表示しておき、その各行について上下を指定するキー(いわゆるスクロールキー)で選択し、決定する構成としても良い。
【0034】
LCD表示器29は、電話番号、通話時間等を表示する。また、前述した発信履歴の表示要求操作に基づき、前述したA:ないしC:の各発信履歴を表示する。
【0035】
次に、本発明に係るボタン電話主装置10の中央制御部11と記憶部16の機能構成を、図2を用いて説明する。ボタン電話主装置10は、中央制御部11が、少なくとも、外線回路制御手段F30と、時刻取得手段F31と、通話路制御手段F32と、データ送受信手段F33と、外線発信制御手段F34と、受信分析手段F36と、自己発信履歴判定手段F37と、自己発信履歴表示制御手段F38と、他発信履歴判定手段F39と、他発信履歴表示制御手段F40と、全発信履歴表示制御手段F41とを有し、記憶部16に発信履歴記憶手段F35を有して構成される。
【0036】
外線回路制御手段F30は、外線発信、外線着信の制御を行い、外線発信制御手段F34より外線発信の通知を受けると、外線回路13を発信状態にする指示を出す機能を有している。
【0037】
時刻取得手段F31は、リアルタイムクロック14を制御し現時点の年月日時刻を取得し、外線発信制御手段F34へ時刻情報を通知する機能を有している。
【0038】
通話路制御手段F32は、外線発信制御手段F34よりの通知で、外線発信したボタン電話機20に対応する内線回路15と該外線回路13間の通話路を接続する指示を通話路スイッチ12へ出す機能を有している。
【0039】
データ送受信手段F33は、ボタン電話機20より内線回路15を経由して受信したデータを受信分析手段F36へ通知する。また、データ送受信手段F33は、外線発信制御手段F34より通知された外線発信を行ったボタン電話機20のLCD表示器29への相手先情報の可視表示情報と、外線キー27に付随しているLED表示器(図示していない。)への外線発信中の可視表示情報を内線回路15経由でボタン電話機20へ送出する機能を有している。
【0040】
また、データ送受信手段F33は、自己発信履歴表示制御手段F38、他発信履歴表示制御手段F40、および全発信履歴表示制御手段F41より通知された発信履歴表示情報をボタン電話機20のLCD表示器29への発信履歴の可視表示情報を内線回路15経由でボタン電話機20へ送出する機能を有している。
【0041】
外線発信制御手段F34は、受信分析手段F36より外線発信の通知を受けると、外線回路制御手段F30へ外線発信を通知し、通話路制御手段F32へ外線発信したボタン電話機20に対応する内線回路15と該外線回路13間の通話路接続を通知すると共に、記憶部16の発信履歴記憶手段F35へ時刻取得手段F31より通知された時刻情報と当該外線発信の相手先情報と外線発信を行ったボタン電話機20の発信電話機情報(内線電話番号)を順次記憶させる機能を有している。なお、この状態では外線通話中に移行するため、データ送受信手段F33へ外線発信を行ったボタン電話機20のLCD表示器29への相手先情報の可視表示情報と、外線キー27に付随しているLED表示器(図示していない。)への外線発信中の可視表示情報を通知する機能を有している。
【0042】
また、発信履歴記憶手段F35への時刻情報と発信電話機情報の記憶に関し、本実施例では、外線発信を行った時点で説明しているが、ボタン電話装置では外線発信し、当該外線通話を他のボタン電話機に転送することもありえるため、当該外線通話を終了した時点で、時刻情報と発信電話機情報を記憶するようにしても良い。
【0043】
発信履歴記憶手段F35は、外線発信制御手段F34より発信履歴情報として、発信電話機情報(発信ボタン電話機情報)、相手先情報、時刻情報が記憶される。記憶されている発信履歴情報は、自己発信履歴判定手段F37、自己発信履歴表示制御手段F38、他発信履歴判定手段F39、他発信履歴表示制御手段F40、全発信履歴表示制御手段F41より参照される。また、記憶領域として、1〜n(nは内線数見合いで任意に設定して良い、内線数が10台程度であればn=500件程度が目安となる。)を確保している。
【0044】
受信分析手段F36は、データ送受信手段F33より通知されたボタン電話機20よりの受信データを分析し、いずれかのボタン電話機20が外線発信操作を行ったことを検出すると外線発信制御手段F34へ外線発信を通知する。また、ボタン電話機が“マイ発信履歴”ボタンを押したことを検出すると自己発信履歴判定手段F37へマイ発信履歴を通知し、ボタン電話機20が“他TEL履歴”ボタンを押し引き続き指定したい内線番号を押したことを検出すると他発信履歴判定手段F39へ他TEL履歴を通知し、ボタン電話機20が“全発信履歴”ボタンを押したことを検出すると全発信履歴表示制御手段F41へ全発信履歴を通知する機能を有している。
【0045】
自己発信履歴判定手段F37は、受信分析手段F36よりマイ発信履歴の通知を受けると記憶部16の発信履歴記憶手段F35を参照し、発信電話機情報(内線電話番号)が、マイ発信履歴の操作を行ったボタン電話機20の内線電話番号と一致するかの判定を行い、一致した場合は自己発信履歴表示制御手段F38へ通知する。発信電話機情報が一致しない場合は、次の記憶領域について同様の処理を行う。なお、一致した件数が既定値(例えば、20件)に達した場合には処理を終了する。
【0046】
自己発信履歴表示制御手段F38は、自己発信履歴判定手段F37より一致の通知を受けると、対応する相手先情報と時刻情報を記憶部16の発信履歴記憶手段F35より読み取り発信履歴表示情報に編集し、データ送受信手段F33へマイ発信履歴の操作を行ったボタン電話機20のLCD表示器29へ発信履歴の可視表示情報の送出を通知する。
【0047】
他発信履歴判定手段F39は、受信分析手段F36より他TEL履歴の通知を受けると記憶部16の発信履歴記憶手段F35を参照し、発信電話機情報(内線電話番号)が、他TEL履歴で指定されたボタン電話機20の内線電話番号と一致するかの判定を行い、一致した場合は他発信履歴表示制御手段F40へ通知する。発信電話機情報が一致しない場合は、次の記憶領域について同様の処理を行う。なお、一致した件数が既定値(例えば、20件)に達した場合には処理を終了する。
【0048】
他発信履歴表示制御手段F40は、他発信履歴判定手段F39より一致の通知を受けると、対応する相手先情報と時刻情報を記憶部16の発信履歴記憶手段F35より読み取り、発信履歴表示情報に編集しデータ送受信手段F33へ他TEL履歴の操作を行ったボタン電話機20のLCD表示器29へ発信履歴の可視表示情報の送出を通知する。
【0049】
全発信履歴表示制御手段F41は、受信分析手段F36より全発信履歴の通知を受けると、相手先情報と時刻情報と発信電話機情報を記憶部16の発信履歴記憶手段F35より読み取り発信履歴表示情報に編集し、データ送受信手段F33へ全発信履歴の操作を行ったボタン電話機20のLCD表示器29へ発信履歴の可視表示情報の送出を通知する。
【0050】
次に、図3を用いて、ボタン電話主装置10の記憶部16内の発信履歴記憶手段F35への発信履歴の記憶の処理を説明する。図3は、外線発信制御手段F34が受信分析手段F36より外線発信の通知を受けたところから開始している。なお、図3から図6において、各ステップの順番は一例を示すものであり、要旨を変更しない範囲で任意に入れ替えても良い。
【0051】
まず、外線発信の通知を受けた場合、外線発信を行ったボタン電話機20の内線番号を発信電話機情報として編集データ(編集データとは、発信履歴記憶手段F35へ記憶するための前段階として処理の中で一時的に使用しているデータをいう。以下、同じ。)を作成し(S50)、ステップS51へ引き継ぐ。
【0052】
ステップS51では、外線発信の相手先電話番号を相手先情報として編集データを作成する。次に、時刻取得手段F31より取得した年月日時刻を時刻情報として編集データを作成し(S52)、ステップS53へ引き継ぐ。
【0053】
ステップS53では、発信履歴記憶手段F35の最新位置ポインタを“+1”しステップS54へ引き継ぐ。最新位置ポインタとは、図3の右側に記載した[発信履歴記憶手段の構成例]に示すように、発信履歴記憶手段F35は、発信履歴の記憶領域として1〜n(nは内線数見合いで任意に設定して良い、内線数が10台程度であればn=500件程度が目安となる。)を確保しており、最新の発信履歴が記憶された領域の位置を示すメモリ/カウンタである。なお、この最新位置ポインタは、1件目から順次“+”されてゆき、n件目まで到達すると次は、再度1件目に戻るように構成する。
【0054】
ステップS54とS55では、前述した最新位置ポインタの戻し処理を行っている。すなわち、ステップS53で“+1”された最新位置ポインタの値を判定し、値が“n+1”になった場合(ステップS54でYes)は発信履歴の記憶領域を超えることになるため、最新位置ポインタの値を“1”にセットし(S55)、ステップS57へ引き継ぐ。最新位置ポインタの値が“n+1”にならない場合(ステップS54でNo)は、そのままステップS57へ引き継ぐ。
【0055】
ステップS57では、最新位置ポインタに対応した記憶領域に、発信電話機情報、相手先情報、および時刻情報を書き込む。次に、外線発信処理(公知)を行い(S58)処理を終了する。
【0056】
次に、図4を用いてボタン電話主装置10の中央制御部11内の自己発信履歴判定手段F37と自己発信履歴表示制御手段F38の処理を説明する。図4は、受信分析手段F36よりマイ発信履歴の通知を受けたところから開始している。まず、発信履歴記憶手段F35の最新位置ポインタの値を取得し、演算用に一時記憶(以下、演算値ともいう。)しておく(S60)。
【0057】
次に、演算値が示す発信履歴記憶手段F35の発信電話機情報を参照し、表示要求操作(マイ発信履歴)を行ったボタン電話機20の電話機情報と一致するか否かの判定を行う(S61)。一致しなかった場合(No)はステップS63へ引き継ぐ。一致した場合(Yes)は、対応する発信履歴情報(相手先情報、時刻情報)を順次一時記憶し(S62)、ステップS63へ引き継ぐ。
【0058】
ステップS63では、演算値を“マイナス1”する。これは、最新の発信履歴から順次古い発信履歴を参照していくための処理である。次に、“マイナス1”した結果、演算値が“0”になったか否かの判定を行う(S64)。“0”にならなかった場合(No)はステップS66へ引き継ぐ。“0”になった場合(Yes)は演算値を“n”にセットし(S65)、ステップS66へ引き継ぐ。
【0059】
ステップS66では、演算値と最新位置ポインタの値が一致するか否かの判定を行う。これは、発信履歴記憶手段F35の記憶領域を全て参照したかの判定を行うための処理である。一致した場合(Yes)はステップS69へ引き継ぐ。一致しなかった場合(No)は、演算値を一時記憶し(S67)、ステップS68へ引き継ぐ。
【0060】
ステップS68では、ステップS62で順次一時記憶した発信履歴情報が既定値(例えば、20件)に達したかの判定を行う。既定値に達した場合(Yes)はステップS69へ引き継ぐ。既定値に達しない場合(No)は、ステップS61へ引継、同様の処理を繰り返す。
【0061】
ステップS69では、ステップS62で順次一時記憶した発信履歴情報をボタン電話機20のLCD表示器29へ表示できるように加工し、データ送受信手段F33へ通知し処理を終了する。
【0062】
次に、図5を用いてボタン電話主装置10の中央制御部11内の他発信履歴判定手段F39と他発信履歴表示制御手段F40の処理を説明する。図6は、受信分析手段F36より他TEL履歴の通知を受けたところから開始している。まず、発信履歴記憶手段F35の最新位置ポインタの値を取得し、演算用に一時記憶(以下、演算値ともいう。)しておく(S70)。
【0063】
次に、演算値が示す発信履歴記憶手段F35の発信電話機情報を参照し、他TEL履歴で指定されたボタン電話機20の電話機情報と一致するか否かの判定を行う(S71)。一致しなかった場合(No)はステップS73へ引き継ぐ。一致した場合(Yes)は、対応する発信履歴情報(相手先情報、時刻情報)を順次一時記憶し(S72)、ステップS73へ引き継ぐ。
【0064】
ステップS73では、演算値を“マイナス1”する。これは、最新の発信履歴から順次古い発信履歴を参照していくための処理である。次に、“マイナス1”した結果、演算値が0になったか否かの判定を行う(S74)。“0”にならなかった場合(No)はステップS76へ引き継ぐ。“0”になった場合(Yes)は演算値を“n”にセットし(S75)、ステップS76へ引き継ぐ。
【0065】
ステップS76では、演算値と最新位置ポインタの値が一致するか否かの判定を行う。これは、発信履歴記憶手段F35の記憶領域を全て参照したかの判定を行うための処理である。一致した場合(Yes)はステップS79へ引き継ぐ。一致しなかった場合(No)は、演算値を一時記憶し(S77)、ステップS78へ引き継ぐ。
【0066】
ステップS78では、ステップS72で順次一時記憶した発信履歴情報が既定値(例えば、20件)に達したかの判定を行う。既定値に達した場合(Yes)はステップS79へ引き継ぐ。既定値に達しない場合(No)は、ステップS71へ引継、同様の処理を繰り返す。
【0067】
ステップS79では、ステップS72で順次一時記憶した発信履歴情報を表示要求操作を行ったボタン電話機20のLCD表示器29へ表示できるように加工し、データ送受信手段F33へ通知し処理を終了する。
【0068】
次に、図6を用いてボタン電話主装置10の中央制御部11内の全発信履歴表示制御手段F41の処理を説明する。図6は、受信分析手段F36より全発信履歴の通知を受けたところから開始している。まず、発信履歴記憶手段F35の最新位置ポインタの値を取得し、演算用に一時記憶(以下、演算値ともいう。)しておく(S80)。
【0069】
次に、演算値が示す発信履歴記憶手段F35の発信履歴情報を参照し、対応する発信履歴情報(相手先情報、時刻情報、発信電話機情報)を順次一時記憶し(S81)、ステップS82へ引き継ぐ。
【0070】
ステップS82では、演算値を“マイナス1”する。これは、最新の発信履歴から順次古い発信履歴を参照していくための処理である。次に、“マイナス1”した結果、演算値が“0”になったか否かの判定を行う(S83)。“0”にならなかった場合(No)はステップS85へ引き継ぐ。“0”になった場合(Yes)は演算値を“n”にセットし(S84)、ステップS85へ引き継ぐ。
【0071】
ステップS85では、演算値と最新位置ポインタの値が一致するか否かの判定を行う。これは、発信履歴記憶手段F35の記憶領域を全て参照したかの判定を行うための処理である。一致した場合(Yes)はステップS88へ引き継ぐ。一致しなかった場合(No)は、演算値を一時記憶し(S86)、ステップS87へ引き継ぐ。
【0072】
ステップS87では、ステップS81で順次一時記憶した発信履歴情報が既定値(例えば、200件)に達したかの判定を行う。既定値に達した場合(Yes)はステップS88へ引き継ぐ。既定値に達しない場合(No)は、ステップS81へ引継、同様の処理を繰り返す。
【0073】
ステップS88では、ステップS81で順次一時記憶した発信履歴情報をボタン電話機20のLCD表示器29へ表示できるように加工し、データ送受信手段F33へ通知し処理を終了する。
【0074】
なお、ステップS88で「順次一時記憶した発信履歴情報をボタン電話機20のLCD表示器29へ表示できるように加工し」とは、LCD表示器29が同時に何行分の表示が出来る構成にしているかによって異なり、例えば、同時に5行分の表示ができる構成とした場合、データ送受信手段F33へ通知するのは、発信履歴情報のうち最初の5行分を通知するとの意味である。6行目以降の発信履歴情報は、図示していないが、ボタン電話機20より次情報の表示操作が行われたときに通知する構成としている。(図4のステップS69、図5のステップS79も同じ。)
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】本発明に係るボタン電話主装置10と、ボタン電話機20の構成概略図。
【図2】本発明に係る中央制御部11と、記憶部16の機能ブロック図。
【図3】本発明に係るボタン電話主装置10の記憶部16内の発信履歴記憶手段F35への発信履歴の記憶処理のフローチャート。
【図4】本発明に係るボタン電話主装置10の中央制御部11内の自己発信履歴判定手段F37と自己発信履歴表示制御手段F38における処理のフローチャート。
【図5】本発明に係るボタン電話主装置10の中央制御部11内の他発信履歴判定手段F39と他発信履歴表示制御手段F40における処理のフローチャート。
【図6】本発明に係るボタン電話主装置10の中央制御部11内の全発信履歴表示制御手段F41における処理のフローチャート。
【符号の説明】
【0076】
10 ボタン電話主装置
11 中央制御部
12 通話路スイッチ
13 外線回路
14 リアルタイムクロック
15 内線回路
16 記憶部
20 ボタン電話機
21 制御部
22 データ送受信回路
23 音声処理部
24 送受話器
25 スピーカ
26 ダイヤルキー
27 外線キー
28 機能キー
29 LCD表示器
F30 外線回路制御手段
F31 時刻取得手段
F32 通話路制御手段
F33 データ送受信手段
F34 外線発信制御手段
F35 発信履歴記憶手段
F36 受信分析手段
F37 自己発信履歴判定手段
F38 自己発信履歴表示制御手段
F39 他発信履歴判定手段
F40 他発信履歴表示制御手段
F41 全発信履歴表示制御手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1以上の外線および複数の内線を収容する構内電話交換装置と、前記内線に接続される電話装置とからなる構内電話設備における発信履歴表示方法であって、
前記構内電話交換装置は、発信履歴記憶手段を有し、
前記外線に発信したときに該外線発信の相手先情報および該外線発信に応じた時刻情報ならびに該外線発信を行った発信電話装置情報を前記発信履歴記憶手段に順次記憶する発信履歴記憶処理と、
前記電話装置による自己の発信履歴を表示する表示要求操作を検出すると前記発信履歴記憶手段に記憶されている発信電話装置情報と自己電話装置情報が一致するか否かを判定する自己発信履歴判定処理と、前記自己発信履歴判定処理が一致したと判定したときに対応する相手先情報および時刻情報を順次表示する自己発信履歴表示制御処理と、
前記電話装置による自己以外の電話装置の発信履歴を表示する表示要求操作を検出すると前記発信履歴記憶手段に記憶されている発信電話装置情報と自己以外の電話装置情報が一致するか否かを判定する他発信履歴判定処理と、前記他発信履歴判定処理が一致したと判定したときに対応する相手先情報および時刻情報を順次表示する他発信履歴表示制御処理を有することを特徴とする発信履歴表示方法。
【請求項2】
請求項1記載の発信履歴表示方法であって、
前記電話装置による全ての発信履歴を表示する表示要求操作を検出すると前記発信履歴記憶手段に記憶されている相手先情報および時刻情報ならびに発信電話装置情報を順次表示する全発信履歴表示制御処理を有することを特徴とする発信履歴表示方法。
【請求項3】
1以上の外線および複数の内線を収容するボタン電話主装置と、前記内線に接続されるボタン電話機とからなるボタン電話装置において、
前記外線に発信したときに該外線発信の相手先情報および該外線発信に応じた時刻情報ならびに該外線発信を行った発信ボタン電話機情報を順次記憶する発信履歴記憶手段と、
前記ボタン電話機による自己の発信履歴を表示する表示要求操作を検出すると前記発信履歴記憶手段に記憶されている発信ボタン電話機情報と自己ボタン電話機情報が一致するか否かを判定する自己発信履歴判定手段と、前記自己発信履歴判定手段が一致したと判定したときに対応する相手先情報および時刻情報を順次表示する自己発信履歴表示制御手段と、
前記ボタン電話機による自己以外のボタン電話機の発信履歴を表示する表示要求操作を検出すると前記発信履歴記憶手段に記憶されている発信ボタン電話機情報と自己以外のボタン電話機情報が一致するか否かを判定する他発信履歴判定手段と、前記他発信履歴判定手段が一致したと判定したときに対応する相手先情報および時刻情報を順次表示する他発信履歴表示制御手段を備えたことを特徴とするボタン電話装置。
【請求項4】
請求項3記載のボタン電話装置において、
前記ボタン電話機による全ての発信履歴を表示する表示要求操作を検出すると前記発信履歴記憶手段に記憶されている相手先情報および時刻情報ならびに発信ボタン電話機情報を順次表示する全発信履歴表示制御手段を備えたことを特徴とするボタン電話装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−25324(P2006−25324A)
【公開日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−203152(P2004−203152)
【出願日】平成16年7月9日(2004.7.9)
【出願人】(000134707)株式会社ナカヨ通信機 (522)
【Fターム(参考)】