説明

発光表示装置

【課題】発光表示装置の上下の位置関係を簡単に認識することができる構造の発光表示装置を提供する。
【解決手段】表示画像の一部である数字の各セグメントごとに発光素子(LEDチップ)2がリード1の一端部に設けられ、各リード1の一端側はLEDチップ2がダイボンディングされるかワイヤボンディングされて発光部が形成されている。表示画像の一部である各セグメントに対応するように導光部32が形成される反射ケース3が、前述のLEDチップ2をそれぞれの導光部32内に内包するように設けられている。そして、その導光部32内および複数のリード1の一端部側を固着するように、反射ケース3内に透光性樹脂4が充填されている。本発明では、反射ケースの側壁に延出されるリードの折曲げ部までの高さとほぼ同じ高さの脚部が形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、たとえば自動販売機の金額表示などに用いられる、LEDなどの発光素子を用いて、7セグメントやドットマトリクス構造の数字や文字などのキャラクタを表示する発光表示装置に関する。さらに詳しくは、回路基板などに取りつける際に、その上下向きなどを簡単に見分けることができ、実装を容易にすることができると共に、何個も並べた場合にその間から光が漏れないようにして誤認し難い構造の発光表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の7セグメント構造の発光表示装置は、たとえば図6に示されるような構造になっている。すなわち、反射ケース3に7セグメントを構成する導光部が形成され、各セグメントごとに図示しない発光素子(以下、LEDという)がリードにダイボンディングおよびワイヤボンディングされてその導光部内に透光性の樹脂4が充填されることにより形成されている。LEDは、陽極と陰極とを有し、各セグメントごとに2本のリードが必要となるが、陽極か陰極の一方のリードは、各セグメントで共通にすることができ、1桁の数字に対してリードとしては8〜10本で形成されており(小数点の表示用もある)、縦方向の2つの長い辺(表示方向の両横側)または上下両側の辺に沿って複数本のリード1が設けられている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
この数字などの発光表示装置は、小数点のないものは上下逆転しても同じ外見であるが、リードの接続は必ずしも対称ではなく、その向きを正確に認識して実装しなければならない。しかし、外形が全く対称であり、その認識が非常に難しいという問題がある。
【0004】
また、数字表示器のような発光表示装置は、同じものを横に数個並べて桁数の多い表示がなされる。その場合、横には隙間なく並べる必要があるが、発光表示装置の製造段階における公差の許容から、また、実装段階における取付の公差などを考慮しなければならず、少なくとも0.1mm以上の隙間を設けて設計され、隣接する発光表示装置間での隙間を完全になくすることはできない。一方、前述の構造のように、ケースの裏面まで樹脂で被覆される発光表示装置では、LEDで発光した光が樹脂を介してケースの裏面側に漏れ、その漏れた光が隣接する発光表示装置間の隙間から漏れ、数字の間に“1”を表示しているような誤認を生じさせやすいという問題がある。
【0005】
さらに、この種の発光表示装置は、たとえば数字の各セグメント以外の表面を黒色などにして見栄えを良くしているが、LED近傍の導光部はできるだけ光を吸収しないように白色にすることが表示輝度を向上させることができるため好ましい。そのため、白色系のプラスティックによりケースを形成し、その表示面側および必要によりその側面に黒色などの塗装を施すことにより形成されている。一方、この発光表示装置を搬送する場合、プラスティック製のチューブ(スティック)に何十個も入れて搬送されるが、その出し入れの際、または内部に余裕がある場合にはその搬送中に表示面がチューブ内で擦られることにより、塗装が剥がれて、表示品位を低下させるという問題がある。
【0006】
本発明は、このような問題を解決するためになされたもので、発光表示装置の上下の位置関係を簡単に認識することができる構造の発光表示装置を提供することを目的とする。
【0007】
本発明の他の目的は、発光表示装置を何個も並べて表示装置を構成する場合にも、その隙間から光が漏れて表示を誤認させることのない発光表示装置を提供することにある。
【0008】
本発明のさらに他の目的は、チューブなどに入れて搬送する場合にも、表示面が擦れて表示面の塗装などが剥がれ、表示品位を低下させることのないような構造の発光表示装置を提供することにある。
【0009】
本発明のさらに他の目的は、数字表示器のように同じ発光表示装置を何個か並べて1つの表示装置を構成する場合に、予め必要な個数並べた状態で回路基板などに実装することができる構造の発光表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明による発光表示装置は、表示画像の一部をそれぞれ点灯する複数の発光素子と、該発光素子が一端部にダイボンディングまたはワイヤボンディングされる複数のリードと、前記表示画像の一部に対応する導光部が形成されると共に、前記ボンディングされる部分を被覆する反射ケースと、前記複数のリードは、前記表示画像の表示向きに前記反射ケースの上部と下部に導出され、かつ、前記ボンディングされている部分に対してほぼ直角方向に折り曲げられると共に、前記リードの他端部側でさらにボンディングされる面と平行になるように折り曲げられた折曲げ部を有し、該反射ケースの導光部がそれぞれ前記発光素子を内包し、その高さが前記リードの先端の折曲げ部とほぼ面一になる高さの脚部が形成されており、かつ、前記複数のリードの一端部側を固着するように前記反射ケース内に充填される透光性樹脂とから形成されている。
【0011】
ここに表示画像とは、数字や文字、キャラクタなどの表示状態を変化させ得る画像を意味し、表示画像の一部とは、たとえば数字を7セグメントにより表示する場合の1セグメントなどを意味する。また、凹凸部とは、凹部と凸部の両方を具備するものに限らず、凹部または凸部のいずれか一方のみが形成されたものも含む意味である。
【0012】
この構造にすることによって、ケースの外形により発光表示装置の向きを認識することができるため、カメラなどによる自動認識でも、またはマニュアルによる人間の手によっても触覚で簡単に正しい方向を認識することができ、回路基板などへの実装が非常に容易になる。さらに、この凹凸部が表示向きに対して上部と下部または左側と右側でそれぞれ逆方向の段差を有するように形成されることにより、上下方向および/または横方向にこの発光表示装置を並べる場合にも、その段差部をオーバラップさせることにより、裏面側に漏れた光が隣接する発光表示装置の隙間から漏れて表示数字などと誤認させることがなくなる。さらに、たとえば上下または左右に凹凸部を形成し、その凹凸部が搬送用のチューブ内に設けられる棒状突起部と勘合するように形成されることにより、チューブ内で発光表示装置の表示面が擦られることなく、また、リードを変形させることなく収納され、表示面の塗装剥れなどを生じさせることがない。
【0013】
たとえば前記反射ケースが、前記表示画像の表示面における形状がほぼ四角形で、前記表示向きに関して少なくとも左右の側壁に段差が形成されることにより、横に並べられる発光表示装置同士で前記反射ケースの一部がオーバラップして並べられるように形成されたり、前記表示向きに関して少なくとも上部と下部、または左右に前記凹凸部が形成され、発光表示装置を搬送するチューブ内の側壁に形成される1または複数本の直線状突起部と係合し得るように前記凹凸部が形成される。ここに表示画像の表示向きに関して左右または上部と下部とは、たとえば数字や文字を表示する場合、その数字や文字を普通に視認する状態での左右または上下を意味する。
【0014】
前記反射ケースが、前記表示画像の表示面における形状がほぼ四角形で、前記表示向きに関して少なくとも左右に凹凸部が形成され、前記凹凸部が、隣接する発光表示装置同士で、それぞれ勘合し得るように前記左右の凹部と凸部とが形成されれば、たとえば何個も横に並べて表示装置を構成する場合に、凹凸部を勘合させることにより一体化した後に、一括して回路基板などに実装することができ、簡単に実装することができると共に、隣接する発光表示装置の境界部からの光漏れを遮断することができ、表示品位を向上させることができる。
【0015】
前記複数のリードは、前記表示画像の表示向きに関して前記反射ケースの上部と下部に導出され、かつ、前記ボンディングされる面に対してほぼ直角方向に折り曲げられると共に、その他端部側でさらに前記ボンディングされる面とほぼ平行になるように折り曲げられることにより、通常は横に並べられる発光表示装置を横に密着して並べることができながら、リードの接触などの問題は全然生じない。その結果、リードフレームを用いて製造することができ、しかもリードの先端部(他端部)を表面実装できるように折り曲げる場合でも、内側(樹脂の下側)に折り曲げなくても外側に折り曲げるガルウィング形状の表面実装型にもすることができ、ハンダ付け状態の確認をしやすい構造にすることもできる。なお、ボンディングされる面に対してほぼ直角方向に折り曲げられるとは、完全な直角方向を意味するのではなく、折曲げ方向の大部分の成分が直角方向であることを意味する。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、外形的に殆ど点対称になりやすい発光表示装置の上下向きを非常に簡単に認識することができ、回路基板などへの実装が非常に容易になる。さらに、その凹凸を段差部により形成したり、搬送用チューブ内の突起部と対応するように形成したり、隣接する発光表示装置同士で嵌合し得るように形成することにより、隣接する発光表示装置間の間隙部からの光漏れによる誤表示を防止することができ、搬送時に表示面への傷を防止することができる。
【0017】
さらに、各リードが上下方向に導出され、その先端部がボンディング面と平行になるように折り曲げられることにより、リードフレームを用い、安価に製造しながら、横方向に並べて実装する場合でも、表面実装型に形成されるため、回路基板などに組み込む場合に、自動機による装着が可能となり、生産性が高く、低コストで、基板に実装することができる。また、スルーホールの場合のようにリードとスルーホールとの間隙部が大きすぎるとハンダ付けが完全には行われないという問題もなくなり、ハンダ付けの信頼性が非常に向上する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明による発光表示装置の一実施形態を説明する図である。
【図2】図1に示される表示装置のリードフレームの一例である。
【図3】本発明による発光表示装置の他の実施形態を説明する図である。
【図4】本発明による発光表示装置のさらに他の実施形態を説明する図である。
【図5】本発明による発光表示装置のさらに他の実施形態を説明する図である。
【図6】従来の発光表示装置を説明するための斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
つぎに、本発明の発光表示装置について、図面を参照しながら説明をする。本発明による発光表示装置は、その一実施形態の正面斜視図、底面斜視図、および(a)のC−C線断面説明図が図1に示されるように、表示画像の一部である数字の各セグメントごとに発光素子(LEDチップ)2がリード1の一端部に設けられ、各リード1の一端側はLEDチップ2がダイボンディングされるかワイヤボンディングされて発光部が形成されている。表示画像の一部である各セグメントに対応するように導光部32が形成される反射ケース3が、前述のLEDチップ2をそれぞれの導光部32内に内包するように設けられている。そして、その導光部32内および複数のリード1の一端部側を固着するように、反射ケース3内に透光性樹脂4が充填されている。本発明では、反射ケース3の外周側壁部の少なくとも一部に凹凸部が形成されている。図1に示される例では、上下の側壁にそれぞれ凸部3aが形成されている。
【0020】
発光部は、従来の構造と同じであるが、たとえば図1(c)に(a)のC−C線の断面説明図が、図2にリードフレームの一例がそれぞれ示されるように、複数のリード1を有するリードフレーム10のサイドレール11部が図2に示されるように、直角方向に折り曲げられた後、リードフレーム10における1本のリード1端部に、複数個のLEDチップ2がダイボンディングされ、それぞれのLEDチップ2の上部電極が他のリード1の一端部と金線21などによりワイヤボンディングされることにより形成されている。なお、図2に示される例では、表示する数字の上下方向に各リード1が導出されるようにリードフレームが形成されている。また、各セグメントを構成するLEDチップ2は全て同じリード1上にダイボンディングされて共通電極とされており、LEDチップ2の他方の電極がそれぞれ別々のリードにワイヤボンディングされているが、逆の接続にしても構わない。
【0021】
リード1の他端部は、後述する透光性樹脂4による固着後に、リードフレーム10から分離されて、ボンディング面と平行になるようにフォーミング加工が施される。このフォーミング加工は、回路基板などに載置してそのままハンダリフローなどによりハンダ付けすることができるようにするもので、ボンディング面とほぼ平行になるように折り曲げられる。したがって、その先端部がほぼ平行になるように折り曲げられれば、その途中の形状は、種々の形状に形成し得る。また、図1に示されるように、その先端部が反射ケース3の外側に折り曲げられれば、通常のガルウィング形状になるが、反射ケース3の内側に折り曲げられてもよい。
【0022】
前述の発光部が表示画像(数字)の各セグメントごとに設けられており、この発光部がそれぞれセグメントを構成する導光部32内に入るように反射ケース3が被せられている。反射ケース3は、たとえば高耐熱スーパーエンプラ(たとえば液晶ポリマーなど)で、光を反射しやすい白色系の材料による射出成形品からなっており、表示面の外形が、たとえば四角形状に形成されている。耐熱性樹脂を使用するのは、ハンダリフローによる温度にも耐え得るようにするためである。なお、反射ケース3の表示面側(7セグメントの導光部(発光部)の周囲)には、視認性を向上させるため、黒色塗装が施されている。
【0023】
この反射ケース3のリード1が導出されない側面、すなわち数字などの表示向きに対して、左右の両横側の中央部には、脚部34が形成されている。この脚部34は、高さの位置決めには必要ないが、外力に対してこの脚部34により保持し得るように形成されている。そのため、その高さは、リード1の先端部の折曲げ部とほぼ面一になる程度の高さか、それより若干(たとえば0.5mm程度)低く形成される。また、その幅はリード1に余り近づき過ぎない限り広い方が安定であるが、とくに限定はされない。
【0024】
反射ケース3の表示面側の構造は従来の構造と同様で、図1(c)に示されるように、導光部32がセグメントなどの表示画像の一部を構成するように形成されており、その導光部32内に各発光部が内包されるように発光部が形成されたリードフレームが挿入されると共に、その内部および各リード1のボンディング部の反射ケース3内に透光性樹脂4が充填されることにより表示部が形成されている。透光性樹脂4は、透明でなくても光を透過させるものであればよく、たとえば赤色発光のLEDチップ2であれば、透光性樹脂に赤色の染料を混入させておいても、赤色の光を遮ることはなく、表示しないときに外部から見ても赤色の発光表示装置であることがすぐ分り好都合である。
【0025】
つぎに、この発光表示装置の製法について説明をする。図2に示されるような表示画像の一部(各セグメント)を構成するようにLEDチップ2の配置パターンが形成されると共に、リード1が全て表示画像の上部と下部に導出されるようにリードフレームを形成し、図2に示されるように、ボンディング面と直角になるようにその両サイドのサイドレール11側を折り曲げる。そして、LEDチップ2をダイボンディングし、上面側の電極をワイヤボンディングする。その後、各セグメントの導光部が形成されると共に、外周部側壁に凹凸部が形成された反射ケース3の表示面側にテープを貼着して樹脂が漏れないようにし、反射ケース3を裏返して、反射ケース3内にLEDチップ2がボンディングされたリードフレームのボンディング部を挿入し、樹脂を充填する。予め樹脂を充填しておいてからリードフレームを挿入してもよい。
【0026】
その後、加熱することにより樹脂を硬化させ、リードフレームのサイドレール11部分を切断除去し、各リード1を分離する。そして、透光性樹脂4から露出するリード1の根元部に治具を挿入してリード1を固定し、その先端部を折り曲げる。この治具によりリード1を固定しながら折り曲げ加工を施すことにより、透光性樹脂4にクラックを入らせないと共に、常に一定の位置で折り曲げることができる。
【0027】
本発明によれば、たとえば反射ケースの下部のみに凸部が形成され、上部の外周壁には凸部が形成されていないため、自動認識によっても、または人間の触覚によってもその上下方向を簡単に認識することができる。その結果、向きを誤ることなく、正確に、かつ、簡単に実装することができる。また、図1に示される例では、リードフレームを用いながら、その各リードを数字などの表示向きに対して上部と下部とに導出しているため、表示装置を何個も横に並べて使用する場合でも、隣同士の表示装置間でリードが接触するなどの干渉事故を引き起こすことがない。そのため、リードの先端をガルウィング形状などにフォーミングするこができ、実装する場合に、回路基板などのスルーホールにリードを挿入することなく、簡単にハンダ付けすることができる。
【0028】
なお、先端の折曲げ部を反射ケースの外側に向けて折り曲げることにより、ハンダ付けを一目で確認することができ、内側に折り曲げることにより、横方向に並べるだけでなく、上下にも並べることができ、コンパクトな実装をすることができる。さらに、この種の表示装置では、透光性樹脂が脆く、クラックなどが入りやすく、クラックが入ると表示状態も劣化するが、リードの根元を固定してフォーミングすることにより、そのような問題も生じない。
【0029】
図3は、反射ケース3の外周壁に設けられる凹凸部が、表示向きに対して左右の側壁に段差部3b、3cを有し、横にこの発光表示装置を並べて配置した場合に、その段差部3bと3cが相互にオーバーラップするように設けられている例である。このような形状でも、下部の出っ張り部3cが右側ということを示し、その向きを簡単に識別することができる。なお、図1と同じ部分には同じ符号を付してその説明を省略する。
【0030】
一方、図3(a)に示されるように、発光表示装置が数字表示器である場合に、桁数を増やすため、横方向に数個並べて使用される場合が多い。このような場合、樹脂4の底部側に漏れた光が並べられた隣接する発光表示装置との間隙部から表示面側に漏れることがある。しかし、図3(a)に示されるような段差部3b、3cが形成されていることにより、図3(b)に示されるように、その段差部3b、3cをオーバーラップさせて配列することができる。このようにオーバーラップするように配列されることにより、たとえ底面側に光が漏れてもその間隙部は段差部3bにより遮光され、間隙部から表示面側に光が漏れることはなくなり、非常に表示品質を向上させることができる。この段差部は、図3に示される例では表示方向に対して左右の側面に設けられているが、縦方向にも並べる場合には上下の側壁にも段差部が設けられることが好ましい。
【0031】
図4(a)〜(b)は、反射ケース3の上下の外周壁に凸部3a、3dが形成されている例である。この例では、上部の外周壁に設けられる凸部3dは2本の凸部からなっており、下部の外周壁に設けられる凸部は1本であるため、発光表示装置5の向きの確認は、凸部の数を認識することにより、その上下を確認することができる。なお、図1と同じ部分には同じ符号を付してその説明を省略する。
【0032】
一方、この種の発光表示装置は、細長いプラスティック製のチューブ内に何十個単位で挿入して搬送されるが、従来反射ケースの表示面側の端部およびその底面の端部で支えながら行われているため、表示面の端部が擦られてその面に塗装されている黒色塗料などが剥れて、表示品位を低下させるという問題がある。しかし、図4に示される例によれば、図4(c)にチューブ6内に発光表示装置5が挿入された状態の断面説明図が示されるように、外周壁の下部に設けられる凸部3aがチューブ6の一内壁に設けられた突起部61、62により挟まれ、外周壁の上部に設けられる2個の凸部3dの間にチューブ6の別の対向する内壁に設けられる直線状の突起部63が嵌め合うように形成されることにより、表示面とは全然関係のない側壁部で発光表示装置を保持することができる。
【0033】
図5は、凹凸部の形状を変えたさらに別の実施形態を示す図で、この例は、反射ケース3の中間部が上下および左右方向にずれた形状に形成されている。すなわち、図5に示される例では、反射ケース3の中間部において、上部が凸部3fに、下部が凹部3eに形成され、さらに左側が凸部3fに、右側が凹部3eになるように形成されている。このような凹凸部でも、上部または左側の凸部を認識することにより、その向きを直ちに知ることができる。一方、このような凹凸部が形成されていることにより、横方向または上下方向にこの発光表示装置を並べる場合に、その凸部3fと隣接する発光表示装置の凹部3eとを勘合させることができ、予め必要な桁数の数の数字表示器を嵌め合せることにより、一体物とすることができ、そのまま回路基板などに実装することができる。
【0034】
なお、必要により凸部3fおよび凹部3eをテーパ状に形成しておくことにより、より一層しっかりと嵌め合せることができる。また、上下にも並べる場合には、図では上下方向に導出された各リード端部をガルウィング形状の外側に折り曲げる形状になっているが、内側にフォーミングする必要がある。しかし、横方向にだけ並べる場合には、その必要はなく、また、凹凸部の形成も、左右の横方向のみに形成されればよい。さらに、このような嵌め合せ構造にすることによっても、前述の隣接する発光表示装置間の光漏れを遮断し、光漏れによる表示誤認を防止することもできる。なお、図5において、図1と同じ部分には同じ符号を付してその説明を省略する。
【0035】
前述の各例では、各リードが表示面に対して上下に導出される例であったが、左右に導出される構造の発光表示装置でも同様であり、また、図6に示されるような従来構造においても、反射ケースの外表面に凹凸部が設けられることにより、その上下関係を容易に判別することができる。
【符号の説明】
【0036】
1 リード
2 LEDチップ
3 反射ケース
3a、3d 凸部
3b、3c 段差部
4 透光性樹脂

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示画像の一部をそれぞれ点灯する複数の発光素子と、
該発光素子が一端部にダイボンディングまたはワイヤボンディングされる複数のリードと、
前記表示画像の一部に対応する導光部が形成されると共に、前記ボンディングされる部分を被覆する反射ケースと、
前記複数のリードは、前記表示画像の表示向きに前記反射ケースの上部と下部に導出され、かつ、前記ボンディングされている部分に対してほぼ直角方向に折り曲げられると共に、前記リードの他端部側でさらにボンディングされる面と平行になるように折り曲げられた折曲げ部を有し、
該反射ケースの導光部がそれぞれ前記発光素子を内包し、その高さが前記リードの先端の折曲げ部とほぼ面一になる高さの脚部が形成されており、かつ、前記複数のリードの一端部側を固着するように前記反射ケース内に充填される透光性樹脂
とからなる発光表示装置。
【請求項2】
前記脚部は、前記反射ケースのほぼ中央部に設けられたことを特徴とする請求項1記載の発光表示装置。
【請求項3】
前記リードの先端は前記反射ケースの外側に曲げられていることを特徴とする請求項1または2記載の発光表示装置。
【請求項4】
前記リードの先端は前記反射ケースの内側に曲げられていることを特徴とする請求項1または2記載の発光表示装置。
【請求項5】
前記反射ケースは白色系の材料による射出成形品からなることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の発光表示装置。
【請求項6】
前記白色系材料は高耐圧スーパーエンプラであることを特徴とする請求項5記載の発光表示装置。
【請求項7】
前記反射ケースの表示面側には黒色と沿うが施されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項記載の発光表示装置。
【請求項8】
前記反射ケースの前記表示画像の表示面における形状がほぼ四角であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項記載の発光表示装置。
【請求項9】
前記発光素子は赤色発光のLEDであることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項記載の発光表示装置。
【請求項10】
前記透光性樹脂に赤色顔料が混入されていることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項記載の発光表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−2856(P2011−2856A)
【公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−214125(P2010−214125)
【出願日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【分割の表示】特願2000−154462(P2000−154462)の分割
【原出願日】平成12年5月25日(2000.5.25)
【出願人】(000116024)ローム株式会社 (3,539)
【Fターム(参考)】