説明

発光装置の製造方法、発光装置および電子機器

【課題】 リーク電流によって有機発光層が意図しない領域で発光しにくい複数の発光素子を備えた発光装置の製造方法、発光装置およびこの発光装置を用いた電子機器を提供すること。
【解決手段】 発光装置としてのラインヘッド1の製造方法は、画素電極23が形成された素子基板2の表面に有機材料からなる発光層60を全面に形成する発光層形成工程と、形成された発光層60の上に画素電極23に対向するように陰極50を形成する工程と、陰極50が形成された領域以外に存在する発光層60を劣化する劣化工程とを備えた。劣化工程では、陰極50の発光層60に接する側に対して反対側から光を照射して、陰極50に覆われていない発光層60を劣化させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機EL(エレクトロルミネッセンス)素子を有する発光装置の製造方法、発光装置およびこれを用いた電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
EL素子を有する発光装置の製造方法として、基板上に、第1の電極としての陽極層、正孔注入層、発光層、第2の電極としての陰極層が積層されてなる単色の有機EL素子を有する有機EL装置において、少なくとも発光層をスピンコート法で形成する方法が知られている(特許文献1)。
【0003】
また、単色の有機EL素子(発光素子)を線上に複数配列させたラインヘッドと、像担持体の周囲に設けた帯電手段と、現像手段と、転写手段とを有する画像形成装置が知られている(特許文献2)。
【0004】
【特許文献1】特開2002−124376号公報(5〜6頁)
【特許文献2】特開2005−153372号公報(15〜17頁)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のようにスピンコート法を用いて発光層を正孔注入層上に全面形成した有機EL素子を有する有機EL装置では、発光する画素領域(陽極層と陰極層とが重なり合う部分)以外の領域にも発光層が存在する。したがって、発光させようとする画素領域以外に駆動電流が流出(リーク)した場合、画素領域以外の領域に存在する発光層が意図せずに発光してしまう所謂クロストークの現象が発生することがあった。
【0006】
また、このような有機EL素子を発光素子として用いたラインヘッドを有する画像形成装置では、クロストークの発生により画像がにじむ等の不具合が発生し、くっきりとした画像が得られないという課題があった。
【0007】
本発明は、上記課題を改善するためになされたものであり、リーク電流によって有機発光層が意図しない領域で発光しにくい複数の発光素子を備えた発光装置の製造方法、発光装置およびこの発光装置を用いた電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の発光装置の製造方法は、一対の電極と、一対の電極の間に配設された少なくとも有機発光層とを有する複数の発光素子を備えた発光装置の製造方法であって、一対の電極のうち一方の電極が形成された基板上に、有機発光層を全面に形成する発光層形成工程と、形成された有機発光層の上に一方の電極に対向するように他方の電極を形成する工程と、一対の電極のうちいずれか一方の電極が形成された領域以外に存在する有機発光層を劣化する劣化工程とを備えたことを特徴とする。
【0009】
リーク電流とは、複数の発光素子のうち所望の発光素子の一対の電極の間に電流を流したときに、隣接する発光素子の一対の電極のうちいずれか一方の電極に向かって流れる電流を指す。この方法によれば、発光層形成工程では、一対の電極のうち一方の電極が形成された基板上に、有機発光層を全面に形成する。そして、形成された有機発光層の上に一方の電極に対向するように他方の電極を形成した後に、劣化工程では、全面に形成された有機発光層に対して、一対の電極のうちいずれか一方の電極が形成された領域以外に存在する有機発光層を劣化させる。劣化した有機発光層においては、リーク電流が流れても意図しない発光(クロストーク)が起き難くなる。すなわち、リーク電流によって発光する有機発光層の領域を減らすことができ、有機発光層が意図しない領域で発光しにくい複数の発光素子を備えた発光装置の製造方法を提供することができる。
【0010】
また、上記一対の電極のいずれか一方は、有機発光層の発光を反射する反射機能を有するように形成し、劣化工程では、一対の電極のうち反射機能を有する電極の有機発光層に接する側に対して反対側から光を照射して、反射機能を有する電極に覆われていない有機発光層を劣化することを特徴とする。
【0011】
この方法によれば、劣化工程では、一対の電極のうち、反射機能を有する電極の有機発光層に接する側に対して反対側から光を照射するので、反射機能を有する電極部分では光が反射され、反射機能を有する電極に覆われていない有機発光層にのみ光が当たって、当該有機発光層を劣化させることができる。すなわち、一対の電極のうちいずれか一方の電極が形成された領域以外に存在する有機発光層をより選択的に劣化させることができる。
【0012】
また、上記一対の電極のいずれか一方は、紫外光または紫外光を含む光を透過しない反射層を有するように形成し、劣化工程では、紫外光または紫外光を含む光を照射することが好ましい。有機発光層は、紫外光によって比較的容易に劣化する。これによれば、反射層は紫外光または紫外光を含む光を透過しないので、反射層で覆われていない領域に存在する有機発光層を容易に劣化させることができ、リーク電流が流れても発光しにくくすることができる。
【0013】
また、上記一対の電極が対向する画素領域において、一対の電極のいずれか一方に反射層を形成することが好ましい。これによれば、反射層は、一対の電極が対向する画素領域において、一対の電極のいずれか一方に形成されるので、劣化工程において、反射層で覆われていない領域に存在する有機発光層を劣化すれば、画素領域以外の領域においてリーク電流により意図しない発光が起こることを低減することができる。
【0014】
また、上記劣化工程では、有機発光層が失活する程度の照射量で上記光を照射することが好ましい。これによれば、有機発光層が失活する程度の照射量で光を照射するので、過剰な光を照射することなく有機発光層を劣化させて、リーク電流による意図しない発光をより効率的に抑制することができる。
【0015】
本発明の発光装置は、一対の電極と、一対の電極の間に配設された少なくとも有機発光層とを有する複数の発光素子を備えた発光装置であって、上記発明の発光装置の製造方法を用いて製造されたことを特徴とする。
【0016】
この構成によれば、上記発明の発光装置の製造方法を用い、劣化工程で一対の電極のうちいずれか一方の電極が形成された領域以外に存在する有機発光層が劣化した複数の発光素子を備えているので、リーク電流が流れても劣化した有機発光層が発光し難く、所謂クロストークが低減された発光装置を提供することができる。
【0017】
また、本発明の他の発光装置は、いずれか一方が反射機能を有する一対の電極と、一対の電極の間に配設された少なくとも有機発光層とを有する複数の発光素子を備えた発光装置であって、上記発明の発光装置の製造方法を用いて製造されたことを特徴とする。
【0018】
この構成によれば、上記発明の発光装置の製造方法を用い、劣化工程では、反射機能を有する電極部分では上記光が反射され、当該電極が形成された領域以外に存在する有機発光層にのみ上記光が当たって、当該有機発光層を劣化させた発光素子を備えることとなる。よって、リーク電流が流れても劣化した有機発光層が発光し難い。すなわち、クロストークが低減されると共に、一対の電極が対向した画素領域では、有機発光層からの発光が反射機能を有する電極によって反射して出射されるので、より高い輝度を有する発光装置を提供することができる。
【0019】
本発明の電子機器は、上記発明の発光装置を搭載したことを特徴とする。これによれば、有機発光層がリーク電流によって発光してしまうクロストークが低減された発光装置を備えた電子機器を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明の実施形態は、有機EL素子を有する発光装置としてのラインヘッドと、このラインヘッドを備えた電子機器としての画像形成装置を例に説明する。
【0021】
(ラインヘッドモジュール)
まず、ラインヘッドを有するラインヘッドモジュールについて説明する。図1は、ラインヘッドモジュールの構造を示す斜視断面図である。本実施形態のラインヘッドモジュール101は、発光素子としての有機EL素子を整列配置したラインヘッド1と、このラインヘッド1からの光を結像させるレンズ素子を配列したレンズアレイ31と、ラインヘッド1およびレンズアレイ31の外周部を保持するヘッドケース52とを備え、レンズアレイ31の光出射側の面に、集光レンズ58を貼設して構成されたものである。
【0022】
ラインヘッド1とレンズアレイ31とは、互いにアライメントされた状態で封止材54を用いてヘッドケース52に接着保持されている。またレンズアレイ31と集光レンズ58とは、互いにアライメントされた状態で貼設され一体化されている。このような構成のもとにラインヘッドモジュール101は、後述する感光体ドラムに対してアライメントするだけで、ラインヘッド1、レンズアレイ31、集光レンズ58のアライメントがなされるようになっている。
【0023】
図2は、ラインヘッドの構造を示す模式図である。本実施形態のラインヘッド1は、長細い矩形の素子基板2上に、複数の有機EL素子3を配列してなる発光素子列3Aと、有機EL素子3を駆動させる駆動素子4からなる駆動素子群と、これら駆動素子4の駆動を制御する制御回路群5とを一体形成したものである。発光素子列3Aは、本実施形態では二つ(2列)形成されており、これら発光素子列3A,3Aにおいて各有機EL素子3は、千鳥状に配置されている。したがって、その長手方向における有機EL素子3間の見掛け上のピッチが小さくなり、後述する画像形成装置の解像度を向上させることができるようになっている。
【0024】
なお、このラインヘッド1は、その光出射側の面が感光体ドラムに対向すると共に、発光素子列3Aの列方向(発光素子の整列方向)が、感光体ドラムの回転軸と平行に配置されるようになっている。
【0025】
有機EL素子3は、一対の電極の間に配設された少なくとも有機発光層を備えたもので、その一対の電極から有機発光層に電流を供給することにより、発光するようになっている。有機EL素子3における一方の電極には電源線8が接続され、他方の電極には駆動素子4を介して電源線7が接続されている。この駆動素子4は、薄膜トランジスタ(TFT)や薄膜ダイオード(TFD)等のスイッチング素子で構成されている。駆動素子4にTFTを採用した場合には、そのソース領域に電源線8が接続され、ゲート電極に制御回路群5が接続される。そして、制御回路群5により駆動素子4の動作が制御され、駆動素子4により有機EL素子3への通電が制御されるようになっている。
【0026】
有機EL素子3の有機発光層は、一対の電極のうちの一方の電極が形成された素子基板2の上を全面覆うように形成されている。また、少なくとも一対の電極のうちいずれか一方の電極が形成された領域以外に存在する有機発光層が、リーク電流により意図しない発光を起こさないように処理されている。詳しい、有機EL素子3および駆動素子4の構造および製造方法については後述する。
【0027】
図3は、レンズアレイの斜視図である。このレンズアレイ31は、例えばセルフォック(登録商標)レンズアレイ(日本板硝子社の商品名)からなるもので、セルフォック(登録商標)レンズ素子またはこれと同様の構成からなるSL素子31aを、千鳥状に2列配列(配置)したものである。また、千鳥状に配置された各SL素子31aの隙間には黒色のシリコーン樹脂32が充填されており、さらにその周囲にはフレーム34が配置されている。ここで、SL素子31aは、円柱状のレンズ素子であって、正立等倍結像させるものである。このようなSL素子31aを千鳥状に2列配列(配置)したことにより、レンズアレイ31は、広範囲の画像の結像を可能にしたものとなっている。なお、レンズアレイ31としては、セルフォック(登録商標)レンズアレイに限定されることなく、有機EL素子3(発光素子)からの光を結像させるレンズ素子を配列してなるレンズアレイであれば、各種のものが使用可能である。
【0028】
(有機EL素子および駆動素子)
図4は、有機EL素子および駆動素子の構造を示す概略断面図である。同図(a)はボトムエミッション型、同図(b)はトップエミッション型の有機EL素子を示すものである。本実施形態の有機EL素子3は、ボトムエミッション型、トップエミッション型のどちらの形式でもよい。
【0029】
図4(a)に示すように、ボトムエミッション型の有機EL素子3は、素子基板2の上に形成された一方の電極としての画素電極23(陽極)と、画素電極23を覆うように順次積層された正孔注入層70および有機発光層としての発光層60と、正孔注入層70および発光層60を介して画素電極23に対向するように形成された他方の電極としての陰極(対向電極)50とを備えている。
【0030】
画素電極23は、素子基板2上に形成された駆動素子4としてのTFT素子123の3端子のうちの一つに接続しており、例えばITO(Indium Tin Oxide)などの透明電極材料により形成されている。
【0031】
陰極50は、例えばCaを厚さおよそ20nm程度に形成し、その上にITOなどの透明導電膜を積層させ、さらに画素電極23に対向する領域(画素領域)にAlを厚さ200nm程度に形成した積層構造の電極とし、Alを反射層として機能させたものである。
【0032】
有機EL素子3がボトムエミッション型である場合には、発光層60で発光した光を陰極50の反射層で反射させて素子基板2側から取り出すので、素子基板2としては透明あるいは半透明のものが採用される。例えば、ガラス、石英、樹脂(プラスチック、プラスチックフィルム)等が挙げられ、特にガラス基板が好適に用いられる。
【0033】
素子基板2には、有機EL素子3を駆動する回路部11が設けられている。すなわち、素子基板2の表面にはSiO2を主体とする下地保護層281が下地として形成され、その上にはシリコン層241が形成されている。このシリコン層241の表面には、SiO2及び/又はSiNを主体とするゲート絶縁層282が形成されている。
【0034】
また、シリコン層241のうち、ゲート絶縁層282を挟んでゲート電極242と重なる領域がチャネル領域241aとされている。なお、このゲート電極242は、図示しない走査線の一部である。一方、シリコン層241を覆い、ゲート電極242を形成したゲート絶縁層282の表面には、SiO2を主体とする第1層間絶縁層283が形成されている。
【0035】
また、シリコン層241のうち、チャネル領域241aのソース側には、低濃度ソース領域241bおよび高濃度ソース領域241Sが設けられる一方、チャネル領域241aのドレイン側には低濃度ドレイン領域241cおよび高濃度ドレイン領域241Dが設けられて、いわゆるLDD(Light Doped Drain )構造となっている。これらのうち、高濃度ソース領域241Sは、ゲート絶縁層282と第1層間絶縁層283とにわたって開孔するコンタクトホール243aを介して、ソース電極243に接続されている。このソース電極243は、電源線(図示せず)の一部として構成されている。一方、高濃度ドレイン領域241Dは、ゲート絶縁層282と第1層間絶縁層283とにわたって開孔するコンタクトホール244aを介して、ソース電極243と同一層からなるドレイン電極244に接続されている。
【0036】
ソース電極243およびドレイン電極244が形成された第1層間絶縁層283の上層には、例えばアクリル系の樹脂成分を主体とする平坦化膜284が形成されている。この平坦化膜284は、アクリル系やポリイミド系等の、耐熱性絶縁性樹脂などによって形成されたもので、TFT素子123(駆動素子4)やソース電極243、ドレイン電極244などによる表面の凹凸をなくすために形成された公知のものである。
【0037】
そして、ITO等からなる画素電極23が、この平坦化膜284の表面上に形成されるとともに、該平坦化膜284に設けられたコンタクトホール23aを介してドレイン電極244に接続されている。すなわち、画素電極23は、ドレイン電極244を介して、シリコン層241の高濃度ドレイン領域241Dに接続されている。
【0038】
画素電極23が形成された平坦化膜284の表面上に、正孔注入層70と発光層60とが画素電極23側からこの順で積層され、これによって機能層が形成されている。
【0039】
このような有機EL素子3を有する素子基板2は、封止樹脂を介してガラスまたは金属からなる封止基板13と接着されている。封止基板13の封止された内側の表面には、ゲッター剤12が貼り付けられている。ゲッター剤12は、素子基板2と封止基板13との間の空間14に侵入した水分や酸素等を吸収して、有機EL素子3が侵入した水分や酸素等によって劣化することを防ぐものである。なお、このゲッター剤12は省略してもよい。
【0040】
図4(b)に示すように、トップエミッション型の有機EL素子3は、素子基板2の上に形成された一方の電極としての画素電極24(陽極)と、画素電極24を覆うように順次積層された正孔注入層70および発光層60と、正孔注入層70および発光層60を介して画素電極24に対向するように形成された他方の電極としての陰極(対向電極)51とを備えている。
【0041】
画素電極24は、素子基板2上に形成された駆動素子4としてのTFT素子123の3端子のうちの一つに接続しており、例えばAlを厚さ200nm程度に形成し、その上にCaを厚さ20nm程度に形成して積層した電極とし、Alを反射層としても機能させたものである。すなわち、画素領域に対応した反射層を有する構造となっている。
【0042】
陰極51は、例えばITO(Indium Tin Oxide)などの透明電極材料により形成されている。
【0043】
有機EL素子3がトップエミッション型である場合には、発光層60で発光した光を画素電極24の反射層で反射させて封止基板13側から取り出すので、封止基板13としては透明なガラス基板等を用いる。また、素子基板2は、透明基板及び不透明基板のいずれも用いることができる。不透明基板としては、例えば、アルミナ等のセラミックス、ステンレススチール等の金属シートに表面酸化などの絶縁処理を施したものの他に、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂などが挙げられる。
【0044】
トップエミッション型の有機EL素子3を駆動する回路部11は、基本的にボトムエミッション型と同様であるので、説明は省略する。また、有機EL素子3を有する素子基板2と封止基板13とを封着する構造も同様である。
【0045】
ボトムエミッション型およびトップエミッション型のいずれにおいても、正孔注入層70の形成材料としては、特に3,4−ポリエチレンジオシチオフェン/ポリスチレンスルフォン酸(PEDOT/PSS)の分散液、すなわち、分散媒としてのポリスチレンスルフォン酸に3,4−ポリエチレンジオキシチオフェンを分散させ、さらにこれを水に分散させた分散液が好適に用いられる。なお、正孔注入層70の形成材料としては、上記のものに限定されることなく種々のものが使用可能である。例えば、ポリスチレン、ポリピロール、ポリアニリン、ポリアセチレンやその誘導体などを、適宜な分散媒、例えばポリスチレンスルフォン酸に分散させたものなどが使用可能である。
【0046】
同じく、発光層60の形成材料としては、蛍光あるいは燐光を発光することが可能な公知の発光材料が用いられる。なお、本実施形態では、例えば発光波長帯域が赤色に対応した発光層60が採用されるが、もちろん、発光波長帯域が緑色や青色に対応した発光層を採用するようにしてもよい。この場合、用いる感光体は、その発光領域に感度を持つものを採用する。
【0047】
具体的には、(ポリ)フルオレン誘導体(PF)、(ポリ)パラフェニレンビニレン誘導体(PPV)、ポリフェニレン誘導体(PP)、ポリパラフェニレン誘導体(PPP)、ポリビニルカルバゾール(PVK)、ポリチオフェン誘導体、ポリメチルフェニルシラン(PMPS)などのポリシラン系などが好適に用いられる。また、これらの高分子材料に、ペリレン系色素、クマリン系色素、ローダミン系色素などの高分子系材料や、ルブレン、ペリレン、9,10−ジフェニルアントラセン、テトラフェニルブタジエン、ナイルレッド、クマリン6、キナクリドン等の低分子材料をドープして用いることもできる。
【0048】
なお、この例では、有機EL素子3を駆動する駆動素子4として、素子基板2上にTFT素子123を作り込んだ例を挙げたが、駆動素子4を素子基板2上に作り込まず、駆動素子4を外付けにする。具体的には素子基板2の端子領域にドライバICをCOG実装する。またはドライバICを実装したフレキシブル回路基板を素子基板2に実装するようにしても良い。
【0049】
(ラインヘッドの製造方法)
次に発光装置としてのラインヘッドの製造方法について、図5および図6を基に説明する。図5はラインヘッドの製造方法を示すフローチャート、図6はラインヘッドの製造方法を示す概略断面図である。なお、図6はボトムエミッション型の有機EL素子を有するラインヘッドの製造方法を示すものであり、図示の都合上、素子基板2上に形成された回路部11を省略したものである。
【0050】
図5に示すように、本実施形態のラインヘッド1の製造方法は、画素電極23が形成された素子基板2上に、正孔注入層70を全面に形成する工程(ステップS1)と、形成された正孔注入層70の上に発光層60を全面に積層する発光層形成工程(ステップS2)と、画素電極23に対向するように反射機能を有する陰極50を形成する工程(ステップS3)とを備えている。また、反射機能を有する陰極50が形成された領域以外に存在する発光層60を劣化する劣化工程(ステップS4)を備えている。さらに、有機EL素子3が形成された素子基板2と封止基板13とを接合する工程(ステップS5)を備えている。
【0051】
図5のステップS1は、正孔注入層70を形成する工程である。ステップS1では、図6(a)に示すように、画素電極23が形成された素子基板2の表面に、スピンコート法などの方法を用い、前述の正孔注入層70の形成材料を含む分散液を塗布して成膜する。そして、ステップS2へ進む。
【0052】
図5のステップS2は、発光層形成工程である。ステップS2では、図6(b)に示すように、形成された正孔注入層70の表面に、スピンコート法などの方法を用い、前述の発光層60の形成材料を含む分散液を塗布して成膜する。または、前述の発光層60の形成材料を用いて真空中で蒸着して成膜してもよい。そして、ステップS3へ進む。
【0053】
図5のステップS3は、陰極形成工程である。ステップS3では、まず図6(c)に示すように、マスク蒸着によりCaを厚さおよそ20nm程度に蒸着した後に、同じくITOを蒸着して透明導電膜50aを所望のパターン形状に成膜する。次に図6(d)に示すように、画素電極23に対応する画素領域に同じくマスク蒸着によりAlをおよそ200nm程度に成膜して反射層50bを形成する。これらの薄膜が積層されたものが陰極50である。
【0054】
なお、この場合、反射層50bは、紫外光または紫外光を含む光を透過しない程度の膜厚と材質であればよく、発光層60の発光する波長の光を効率よく反射し、且つ仕事関数を所望のものに選択すればよい。したがって、Ca、Sr、Al、Ag、Mg等を適宜混ぜ合わせたものを用いることができる。
【0055】
また、この場合、有機EL素子3の形状は、発光する画素領域が略円形となるように画素電極23に対応する陰極50の反射層50bを略円形に成膜している。反射層50bの形状は略円形に限定されず、楕円や四角形であってもよい。そして、ステップS4へ進む。
【0056】
図5のステップS4は、劣化工程である。ステップS4では、図6(e)に示すように、反射機能を有するすなわち反射層50bを有する陰極50の発光層60に接する側に対して反対側(矢印の方向)から例えば波長380nm以下の紫外光または紫外光を含む光を照射する。これにより、画素領域A以外の領域Bに存在する有機材料からなる発光層60、すなわち反射層50bで覆われていない発光層60が紫外光を吸収して劣化する。光の照射量は、発光層60が紫外光を吸収して劣化し失活する程度の照射量とする。したがって、照射量は、発光層60の形成材料によって適宜設定するのが好ましい。そして、ステップS5へ進む。
【0057】
図5のステップS5は、封止基板13を素子基板2に接合する工程である。ステップS5では、図6(f)に示すように、一対の電極としての画素電極23、陰極50、これらの電極の間に積層された正孔注入層70、発光層60からなる有機EL素子3が形成された素子基板2に封止樹脂(図示省略)を介して封止基板13を接合する。封止樹脂としては、熱硬化型のエポキシ樹脂等からなる接着剤を用いることができる。封止基板13は、対向する素子基板2側の表面にあらかじめゲッター剤12を貼り付けたものを用いる。なお、ゲッター剤12は必須ではなく、例えば、素子基板2との空間14に封止樹脂を充填してもよい。さらには、陰極50を形成した後に、無機封止薄膜として例えば酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素を全面に膜付けして、空間14に進入する水分や酸素による有機EL素子3の劣化を防ぐ構造としてもよい。
【0058】
このようにして製造された発光装置としてのラインヘッド1は、複数の有機EL素子3を有し、画素領域Aに対応して形成された反射層50bに覆われていない発光層60が紫外光を吸収して劣化している。よって、隣接する有機EL素子3の間において、リーク電流が流れても、画素領域A以外の領域Bに存在する発光層60において意図しない発光を起こすことが抑制される。
【0059】
なお、図6(a)〜(f)は、ボトムエミッション型の発光装置の製造方法を示したが、図4(b)のトップエミッション型の場合、ステップS4の劣化工程では、素子基板2側から光を照射して、反射機能を有する画素電極24が形成された領域以外に存在する発光層60を劣化させればよい。
【0060】
また、ステップS4の劣化工程において、発光層60を劣化する方法は、紫外光または紫外光を含む光の照射に限定されない。例えば、画素領域の周辺に存在する発光層60に向けてエキシマ、炭酸ガス、YAG等のレーザー光を照射して劣化させてもよい。
【0061】
(画像形成装置)
次に、本実施形態のラインヘッドモジュール101を備えた画像形成装置について説明する。図7は画像形成装置の構造を示す概略図である。この画像形成装置80は、本発明に係るラインヘッドモジュール101K,101C,101M,101Yを、対応する同様な構成である4個の感光体ドラム(像担持体)41K,41C,41M,41Yの露光装置にそれぞれ配置したタンデム方式として構成されたものである。
【0062】
この画像形成装置80は、駆動ローラ91と従動ローラ92とテンションローラ93とを備え、これら各ローラに中間転写ベルト90を、図7中矢印方向(反時計方向)に循環駆動するよう張架したものである。この中間転写ベルト90に対して、感光体ドラム41K,41C,41M,41Yが所定間隔で配置されている。これら感光体ドラム41K,41C,41M,41Yは、その外周面が像担持体としての感光層となっている。
【0063】
ここで、上記符号中のK、C、M、Yは、それぞれ黒、シアン、マゼンタ、イエローを意味し、それぞれ黒、シアン、マゼンタ、イエロー用の感光体であることを示している。
なお、これら符号(K、C、M、Y)の意味は、他の部材についても同様である。感光体ドラム41K,41C,41M,41Yは、中間転写ベルト90の駆動と同期して、図7中矢印方向(時計方向)に回転駆動するようになっている。
【0064】
各感光体ドラム41(K、C、M、Y)の周囲には、それぞれ感光体ドラム41(K、C、M、Y)の外周面を一様に帯電させる帯電手段(コロナ帯電器)42(K、C、M、Y)と、この帯電手段42(K、C、M、Y)によって一様に帯電させられた外周面を感光体ドラム41(K、C、M、Y)の回転に同期して順次ライン走査するラインヘッドモジュール101(K、C、M、Y)とが設けられている。ここで、ラインヘッドモジュール101(K、C、M、Y)は、前述したようにヘッドケース52によってラインヘッド1とレンズアレイ31と集光レンズ58とが互いにアライメントされた状態で一体化されたものである。
【0065】
また、ラインヘッドモジュール101(K、C、M、Y)で形成された静電潜像に現像剤であるトナーを付与して可視像(トナー像)とする現像装置44(K、C、M、Y)と、現像装置44(K、C、M、Y)で現像されたトナー像を一次転写対象である中間転写ベルト90に順次転写する転写手段としての一次転写ローラ45(K、C、M、Y)とが設けられている。また、転写された後に感光体ドラム41(K、C、M、Y)の表面に残留しているトナーを除去するクリーニング手段としてのクリーニング装置46(K、C、M、Y)が設けられている。
【0066】
各ラインヘッドモジュール101(K、C、M、Y)は、各ラインヘッド1のアレイ方向(有機EL素子3の整列方向)が感光体ドラム41(K、C、M、Y)の回転軸に平行となるように設置されている。そして、各ラインヘッドモジュール101(K、C、M、Y)の発光エネルギーピーク波長と、感光体ドラム41(K、C、M、Y)の感度ピーク波長とが略一致するように設定されている。
【0067】
現像装置44(K、C、M、Y)は、例えば、現像剤として非磁性一成分トナーを用いる。そして、その一成分現像剤を例えば供給ローラで現像ローラへ搬送し、現像ローラ表面に付着した現像剤の膜厚を規制ブレードで規制し、その現像ローラを感光体ドラム41(K、C、M、Y)に接触させあるいは押圧せしめることにより、感光体ドラム41(K、C、M、Y)の電位レベルに応じて現像剤を付着させ、トナー像として現像するものである。
【0068】
このような4色の単色トナー像形成ステーションにより形成された黒、シアン、マゼンタ、イエローの各トナー像は、一次転写ローラ45(K、C、M、Y)に印加される一次転写バイアスによって中間転写ベルト90上に順次一次転写される。そして、中間転写ベルト90上で順次重ね合わされてフルカラーとなったトナー像は、二次転写ローラ66において用紙等の記録媒体Pに二次転写され、さらに定着部である定着ローラ対61を通ることで記録媒体P上に定着される。その後、排紙ローラ対62によって装置上部に形成された排紙トレイ68上に排出される。
【0069】
なお、図7中の符号63は多数枚の記録媒体Pが積層保持されている給紙カセット、64は給紙カセット63から記録媒体Pを一枚ずつ給送するピックアップローラ、65は二次転写ローラ66の二次転写部への記録媒体Pの供給タイミングを規定するゲートローラ対、66は中間転写ベルト90との間で二次転写部を形成する二次転写手段としての二次転写ローラ、67は二次転写後に中間転写ベルト90の表面に残留しているトナーを除去するクリーニング手段としてのクリーニングブレードである。
【0070】
このような図7に示した画像形成装置80においては、図2に示したラインヘッド1を有するラインヘッドモジュール101が露光手段として備えられている。したがって、リーク電流によって画素領域以外の領域に存在する発光層60が意図せずに発光する所謂クロストークが低減されているので、露光後のにじみが少ないくっきりとした画像を得ることができる。なお、本発明のラインヘッド1を備えた画像形成装置80は上記実施形態に限定されることなく、種々の変形が可能である。
【0071】
上記実施形態の効果は、以下の通りである。
(1)上記実施形態のラインヘッド1の製造方法は、反射層50bを有する陰極50の発光層60に接する側に対して反対側から紫外光または紫外光を含む光を照射して、反射層50bで覆われていない発光層60を劣化する劣化工程を備えている。また、反射層50bは、画素電極23の画素領域Aに対応して形成されている。したがって、画素電極23と陰極50との間に駆動電流を流し、この間に配設された発光層60が発光する際に、隣接する有機EL素子3との間にリーク電流が流れても、画素領域A以外の領域Bに存在する発光層60が劣化しているので、意図しない発光が起こり難い発光装置としてのラインヘッド1を製造することができる。また、この製造方法を用いれば、リーク電流によって意図しない発光が起こり難い複数の有機EL素子3を備えた発光装置としてのラインヘッド1を提供することができる。
【0072】
(2)上記実施形態のラインヘッド1の製造方法において、劣化工程では、反射層50bを有する陰極50の発光層60に接する側に対して反対側から紫外光または紫外光を含む光を照射して、反射層50bで覆われていない発光層60を劣化させる。したがって、発光層形成工程(ステップS2)において、発光層形成材料をマスク蒸着して所望の位置にのみ発光層60を形成しようとする場合に比べて、蒸着用マスクが不要である。また、有機EL素子3の配置が高密度となっても、高精度に蒸着用マスクを素子基板2に対してアライメントする必要がなく、画素領域A以外の領域Bに存在する発光層60を劣化させることができる。すなわち、有機EL素子3が高密度に配置されていてもリーク電流による意図しない発光が起き難いラインヘッド1を製造することができる。
【0073】
(3)上記実施形態のラインヘッド1の製造方法において、有機発光層としての発光層60を劣化する劣化工程(ステップS4)では、発光層60が失活する程度の照射量で紫外光または紫外光を含む光を照射する。したがって、過剰な光を照射することなく発光層60を劣化させて、リーク電流による意図しない発光をより効率的に抑制することができる。
【0074】
(4)上記実施形態の電子機器としての画像形成装置80は、上記実施形態のラインヘッド1を有するラインヘッドモジュール101が露光手段として備えられている。したがって、リーク電流による発光層60の意図しない発光すなわちクロストークが低減された複数の有機EL素子3からの発光により感光体ドラム41を露光することができる。すなわち、クロストークによるにじみ等の不具合が低減され、くっきりとした画像を得ることができる画像形成装置80を提供することができる。
【0075】
上記実施形態以外の変形例は、以下の通りである。
(変形例1)上記実施形態のラインヘッド1の製造方法において、陰極50が形成された領域以外に存在する発光層60を劣化させる方法は、発光層60を劣化させる光を照射する方法に限定されない。例えば、図6(e)に示した有機EL素子3が形成された素子基板2を酸素を処理ガスとするプラズマ処理を実施すれば、陰極50で覆われていない発光層60を劣化させることができる。
【0076】
(変形例2)上記実施形態のラインヘッド1の製造方法において、ボトムエミッション型の有機EL素子3の陰極50の形成方法は、これに限定されない。例えば、反射層50bは、電源線に繋がる配線部分を含めた陰極50のパターン全面に形成してもよい。これによれば、次工程のステップS4で光を照射すると、陰極50が形成された領域以外に存在する発光層60を劣化することができる。すなわち、リーク電流によって意図しない発光が起こる発光層60の面積を低減した複数の有機EL素子3を備えたラインヘッド1を製造することができる。
【0077】
(変形例3)上記実施形態のラインヘッド1において、トップエミッション型の有機EL素子3の画素電極24の構造は、これに限定されない。例えば、ソース電極243あるいはドレイン電極244を拡張して反射機能を有する画素電極とすることができる。これによれば、より簡単な構造の有機EL素子3を有するラインヘッド1を提供することができる。
【0078】
(変形例4)上記実施形態のラインヘッド1において、トップエミッション型の有機EL素子3の反射機能を有する画素電極24の構造は、これに限定されない。例えば、画素電極24を透明電極材料で形成し、反射層を回路部11と素子基板2の表面との間に形成してもよい。これによれば、シリコン層241を覆う層間絶縁膜をDHM(dielectric Half Miller)構造として反射層で反射する発光層60の発光との干渉により有機EL素子3の発光波長を調整することができる。すなわち、色純度を向上させることが可能となる。
【0079】
(変形例5)上記実施形態のラインヘッド1において、有機EL素子3を駆動する駆動方法は、TFT素子123などを用いたアクティブ型の駆動方法に限定されない。所謂画素電極23と陰極50とを格子状に配置し、その間に発光層60を配設したマトリクス駆動タイプの有機EL素子3においても、本発明の発光装置の製造方法を適用することが可能である。
【0080】
(変形例6)本発明の発光装置の製造方法を用いて製造された発光装置は、ラインヘッド1に限定されない。例えば、単色の有機EL素子3を複数備えた照明装置、表示装置等にも適用することができる。
【0081】
(変形例7)本発明の発光装置の製造方法を用いて製造された発光装置を搭載する電子機器は、画像形成装置80に限定されない。例えば、単色の有機EL素子3を複数備えた表示装置を搭載した情報処理端末装置等にも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】ラインヘッドモジュールの構造を示す斜視断面図。
【図2】ラインヘッドの構造を示す模式図。
【図3】レンズアレイの斜視図。
【図4】有機EL素子および駆動素子の構造を示す概略断面図。
【図5】ラインヘッドの製造方法を示すフローチャート。
【図6】ラインヘッドの製造方法を示す概略断面図。
【図7】画像形成装置の構造を示す概略図。
【符号の説明】
【0083】
1…発光装置としてのラインヘッド、2…基板としての素子基板、3…発光素子としての有機EL素子、23,24…一対の電極のうち一方の電極としての画素電極、50,51…一対の電極のうち他方の電極としての陰極、50b…反射層、60…有機発光層としての発光層、80…電子機器としての画像形成装置、A…画素領域、B…画素領域以外の領域。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対の電極と、前記一対の電極の間に配設された少なくとも有機発光層とを有する複数の発光素子を備えた発光装置の製造方法であって、
前記一対の電極のうち一方の電極が形成された基板上に、前記有機発光層を全面に形成する発光層形成工程と、
形成された前記有機発光層の上に前記一方の電極に対向するように他方の電極を形成する工程と、
前記一対の電極のうちいずれか一方の電極が形成された領域以外に存在する前記有機発光層を劣化する劣化工程とを備えたことを特徴とする発光装置の製造方法。
【請求項2】
前記一対の電極のいずれか一方は、前記有機発光層の発光を反射する反射機能を有するように形成し、
前記劣化工程では、前記一対の電極のうち反射機能を有する電極の前記有機発光層に接する側に対して反対側から光を照射して、前記反射機能を有する電極に覆われていない前記有機発光層を劣化することを特徴とする請求項1に記載の発光装置の製造方法。
【請求項3】
前記一対の電極のいずれか一方は、紫外光または紫外光を含む光を透過しない反射層を有するように形成し、
前記劣化工程では、紫外光または紫外光を含む光を照射することを特徴とする請求項2に記載の発光装置の製造方法。
【請求項4】
前記一対の電極が対向する画素領域において、前記一対の電極のいずれか一方に前記反射層を形成することを特徴とする請求項3に記載の発光装置の製造方法。
【請求項5】
前記劣化工程では、前記有機発光層が失活する程度の照射量で前記光を照射することを特徴とする請求項2ないし4のいずれか一項に記載の発光装置の製造方法。
【請求項6】
一対の電極と、前記一対の電極の間に配設された少なくとも有機発光層とを有する複数の発光素子を備えた発光装置であって、請求項1に記載の発光装置の製造方法を用いて製造されたことを特徴とする発光装置。
【請求項7】
いずれか一方が反射機能を有する一対の電極と、前記一対の電極の間に配設された少なくとも有機発光層とを有する複数の発光素子を備えた発光装置であって、請求項2ないし5のいずれか一項に記載の発光装置の製造方法を用いて製造されたことを特徴とする発光装置。
【請求項8】
請求項6または7に記載の発光装置を搭載したことを特徴とする電子機器。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2007−73286(P2007−73286A)
【公開日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−257568(P2005−257568)
【出願日】平成17年9月6日(2005.9.6)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】