説明

発券システム

【課題】計数情報などを伝送する信号線に対する不正行為を困難にして不正な発券を防止できる発券システムを提供する。
【解決手段】遊技媒体の個数を計数する計数機Cと、その計数結果をレシートに記録して発券する発券機Rは遊技場内に設置され、ホールコンピュータ12は遊技場外に設置される。計数機Cは、計数情報と当該計数機の属性情報とを含む第1計数信号Jを計数機Cに対応する発券機Rへ出力する共に、計数情報と属性情報とを含む第2計数信号をホールコンピュータ12へ出力し、ホールコンピュータ12はこの第2計数信号を、該信号に含まれる属性情報が示す計数機Cに対応する発券機Rへ出力する。発券機Rはホールコンピュータ12からの第2計数信号と計数機Cからの第1計数信号Jとを属性情報と計数情報とに基づいて照合し、照合に成功した場合は計数結果を記録したレシートを発券する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、計数機に投入された遊技媒体の個数を計数し、その計数結果の記録された記録媒体を発券機から発券する発券システムに関する。
【背景技術】
【0002】
パチンコ機やスロットマシンなどの遊技機が配設された遊技場において、遊技客が遊技により獲得したパチンコ球やメダルなどの遊技媒体を景品と交換する場合、その作業は通常、次のような手順で行なわれる。遊技客は、獲得した遊技媒体を計数機に投入し、計数機の計数結果が記録されたレシートを発券機から受け取り、このレシートを景品交換カウンタへ持って行く。このレシートに記録された遊技媒体数は景品交換カウンタに設置されたPOS(Point Of Sales system)端末で読み取られ、その読み取り値に応じて景品への交換が行なわれる。
【0003】
このような景品交換では、不正行為を防止することが重要であり、種々の措置が講じられる。たとえば、計数機から発券機へ送る計数信号に対する不正行為を防止するために、計数機から発券機に向けて、計数された遊技媒体の1個ごとに出力される計数パルス信号と、計数された遊技媒体の所定個数(たとえば、10個)ごとに出力される対率パルス信号とを出力し、これらの信号を発券機で照合するようにした発券システムがある(たとえば、特許文献1参照。)。
【0004】
また、計数機からホールコンピュータと発券機に各々パルス信号を出力し、ホールコンピュータは入力されたパルス信号に基づいて計数データを作成して景品管理コンピュータに出力し、発券機は入力されたパルス信号に基づいて発券データを作成して景品管理コンピュータに出力する。景品管理コンピュータは入力された計数データと発券データとを照合し、その照合結果を発券機に出力する発券システムがある(たとえば、特許文献2参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−46726号公報
【特許文献2】特開2004−305484号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
計数パルス信号と対率パルス信号とを発券機で照合したり、景品管理コンピュータによる照合結果を発券機に通知したりする対策を施すことで、単に計数パルス信号を計数機から発券機へ送って発券する場合に比べて、計数信号の改ざんによる不正行為は難しくなる。
【0007】
しかしながら、計数機や発券機は、遊技客が遊技媒体を投入したりレシートを受け取ったりする装置なので、遊技客の目に触れる遊技場内に設置される。また、景品管理コンピュータについても景品交換カウンタ内など遊技客の目に触れる遊技場内に設置される場合がある。
【0008】
このように、遊技客の目に触れる場所に各装置が設置されていると、装置間の配線を辿ることによって多数の信号線の中から、計数パルス信号や対率パルス信号、照合結果などを伝送する信号線を見つけ出されることがある。そして、目的の信号線が見つけ出されてしまうと、たとえ計数パルス信号と対率パルス信号との照合による検証や、景品管理コンピュータからの照合信号による検証を行なっていても、リレー等を介在させて不正信号を入力するといった細工が可能になるため、不正行為の徹底した防止は難しいという問題があった。
【0009】
本発明は、上記の問題を解決しようとするものであり、計数情報などを伝送する信号線に対する不正行為を困難にして、不正な発券を防止することができる発券システムを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
かかる目的を達成するための本発明の要旨とするところは、次の各項の発明に存する。
【0011】
[1]遊技場内に設置されて、投入された遊技媒体の個数を計数する計数機(C)と、遊技場内に設置されて、前記計数機(C)の計数結果を記録媒体に記録して発券する発券機(R)と、遊技場外に設置された中継装置(12)とを備えた発券システムであって、
前記計数機(C)は、1個の遊技媒体の計数を示すパルス信号である計数情報と前記パルス信号とパルス信号との間の期間を利用して伝送される当該計数機(C)の属性情報とを含む第1計数信号(J)を遊技媒体の計数毎に当該計数機(C)に対応する前記発券機(R)へ出力すると共に、所定の複数個の遊技媒体の計数を示すパルス信号である計数情報と前記パルス信号とパルス信号との間の期間を利用して伝送される前記属性情報とを含む第2計数信号(K)を前記所定の複数個の遊技媒体を計数する毎に前記中継装置(12)へ出力し、
前記中継装置(12)は、前記計数機(C)から入力された前記第2計数信号(K)を、これに含まれる前記属性情報の示す計数機(C)に対応付けされている発券機(R)へ出力し、
前記発券機(R)は、前記中継装置(12)から入力された前記第2計数信号(K)に含まれる前記計数情報に基づく計数値と前記第1計数信号(J)に含まれる前記計数情報に基づく計数値とが一致する第1条件と、前記第2計数信号(K)に含まれる前記属性情報と前記計数機(C)から入力された前記第1計数信号(J)に含まれる前記属性情報とが一致する第2条件とが共に成立する場合に、前記計数結果を記録媒体に記録して発券し、
前記中継装置が設置された前記遊技場外は遊技客の立ち入りが禁止された領域であり、前記計数機と前記中継装置との間および前記中継装置と前記発券機との間で前記第2計数信号を伝送する配線は、遊技場内の遊技客が遊技場外の前記中継装置まで辿ることができないようにされている
ことを特徴とする発券システム。
【0012】
上記発明では、計数機(C)から出力された第1計数信号(J)をこの計数機(C)に対応する発券機(R)に直接出力するとともに、遊技客の目に触れない遊技場外に設置された中継装置(12)から第2計数信号(K)を発券機(R)に出力し、計数機(C)に対応する発券機(R)で第1計数信号(J)と第2計数信号(K)とを照合し、照合に成功した場合に計数結果を記録した記録媒体を発券するようにしたので、照合の際に基準となる第2計数信号(K)に対する不正行為が困難になり、信頼性を高めることができる。
【0013】
また、第1計数信号(J)と第2計数信号(K)に、それらの出力元の計数機(C)に関わる属性情報を付与し、この属性情報に基づく照合も行うので、照合の条件がより厳密なものになり、不正行為の成功をより一層困難にすることができると共に、計算機(C)と発券機(R)が各々複数の場合でも適用することができる。なお、計数機(C)と発券機(R)は1対1に対応するように設置されてもよいし、複数の計数機(C)に対して1台の発券機(R)が対応するように設置されてもよい。また上記発明では、規定数の遊技媒体の計数を示す計数情報を第2計数信号(K)に含め、規定数の計数毎に第2計数信号(K)を出力するようにしたので、遊技媒体の1個毎の信号を用いる場合に比べて、中継装置(12)での第2計数信号(K)に関する処理負担が軽減される。
【0014】
]前記第1条件と前記第2条件の少なくとも一方が不成立の場合に、エラーを報知する
ことを特徴とする[1]に記載の発券システム。
【0015】
上記発明では、エラー報知により、第1計数信号(J)に対して不正行為が行われていることを遊技場の従業員は正確に認識することができる。
【0016】
[3]前記属性情報は、計数機(C)の識別情報を含む
ことを特徴とする[1]または[2]に記載の発券システム。
【0017】
上記発明では、属性情報に基づいて、第1計数信号(J)および第2計数信号(K)の出力元の計数機(C)を認識することができるので、1台の発券機(R)に対して複数台の計数機(C)を接続する場合でも、計数機(C)別に第1計数信号(J)と第2計数信号(K)とを照合できる。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係る発券システムによれば、計数情報などを伝送する信号線に対する不正行為を困難にして、不正な発券を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施の形態に係る発券システム10の概略構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る発券システム10における計数発券動作を示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面に基づき本発明の実施の形態を説明する。
【0021】
図1は、本発明の実施の形態に係る発券システム10の概略構成を示している。発券システム10は、パチンコ機やスロットマシンなどの遊技機が配設された遊技施設に設置される。発券システム10は、遊技客が遊技により獲得したパチンコ球やメダルなどの遊技媒体を景品と交換する際に、遊技媒体の個数の計数と、その計数結果の記録された記録媒体であるレシートの発券を行うシステムである。
【0022】
発券システム10は、遊技場内に設置されて、投入された遊技媒体の個数を計数する複数台の計数機Cと、同じく遊技場内に設置されて、計数機Cの計数結果を記録媒体に記録して発券する複数台の発券機Rと、遊技場外に設置された管理装置としてのホールコンピュータ12とを備えている。
【0023】
遊技場内は、パチンコ機やスロットマシンなどの遊技機で遊技を行う遊技客の立ち入りが許可された領域であり、遊技場外は、遊技客の立ち入りが禁止された、あるいは立ち入ることのできない領域である。遊技場内には、パチンコ機やスロットマシンなどの遊技機、計数機C、発券機Rなどのほか、景品交換カウンタ、遊技に関する情報提供装置、投入金額に応じて遊技媒体を遊技客に貸し出す遊技媒体貸出機などが設置される。遊技場外は、遊技場の従業員や経営者などの関係者のみが立ち入り可能で遊技客の立ち入りは禁止されている。遊技場外には、ホールコンピュータ12のほか、たとえば、警備用のモニタテレビなどが設置される。遊技場内と遊技場外は、通常、壁や扉などで仕切られる。
【0024】
計数機Cは、遊技媒体の計数を行う際に、投入された遊技媒体の計数情報と当該計数機の属性情報とを含む第1計数信号Jを当該計数機Cに対応する発券機Rへ出力すると共に、遊技媒体の計数情報と当該計数機Cの属性情報とを含む第2計数信号Kをホールコンピュータ12へ出力する。図示省略してあるが、計数機Cは、遊技媒体を検知するセンサ部と、遊技媒体の投入口と、該投入口から投入された遊技媒体を整列させた後、センサ部を通過させて排出する整列通路部と、センサ部の検知に基づいて第1計数信号Jや第2計数信号Kを生成して外部へ出力する計数信号出力部などで構成される。
【0025】
第1計数信号Jの示す計数情報は、1個の遊技媒体を計数したことを示しており、計数機Cは遊技媒体を1個計数する毎に第1計数信号Jを出力する。第2計数信号Kの示す計数情報は、規定数(所定の複数個)の遊技媒体を計数したことを示しており、計数機Cは規定数の遊技媒体を計数する毎に第2計数信号Kを出力する。たとえば、規定数は10個に設定される。
【0026】
第1計数信号Jおよび第2計数信号Kに含まれる属性情報は、第1計数信号Jや第2計数信号Kの出力元の計数機Cを特定するための役割と、ある遊技媒体の計数に対して出力された第1計数信号Jと第2計数信号Kとを関連付ける役割の少なくとも一方を果たす情報である。ここでは、属性情報は、第1計数信号Jや第2計数信号Kの出力元の計数機Cの識別情報や第1計数信号Jや第2計数信号Kの出力時刻を表わした出力時刻情報などで構成される。
【0027】
識別情報は、たとえば、計数機Cに個別に割り当てられた装置番号である。出力時刻情報は、時分もしくは時分秒を表す。日付情報が付加されてもよい。このほか、計数機Cにて遊技媒体を規定数計数する毎にカウント値を+1するようにしておき、第1計数信号Jや第2計数信号Kの出力時のカウンタ値を、第1計数信号Jと第2計数信号Kとを関連付けるための属性情報としてこれらの信号に含めるように構成されてもよい。
【0028】
第1計数信号Jや第2計数信号Kによる情報の伝送形態は任意でよいが、たとえば、第1計数信号Jでは計数情報は1個計数毎に出力するパルス信号により伝送し、第2計数信号Kでは規定数計数毎に出力するパルス信号により伝送する。また、属性情報は、パルス信号とパルス信号との間の期間を利用して伝送するように構成される。
【0029】
ホールコンピュータ12は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)を主要部としてハードディスク装置や通信I/F部などを備えたコンピュータ装置に、モニタディスプレイ、プリンタなどを接続して構成される。ホールコンピュータ12は、遊技場の営業状態などを管理する機能を果たす装置であり、遊技機や遊技媒体貸出機、景品交換カウンタに設置された景品管理コンピュータ、情報提供装置など多様な装置、機器と接続されている。
【0030】
ホールコンピュータ12は、遊技場内に設置された各計数機Cから第2計数信号Kを入力し、この第2計数信号Kをその出力元の計数機Cに対応する発券機Rへ出力する。詳細には、ホールコンピュータ12は、計数機Cから受信した第2計数信号Kに含まれている属性情報に基づいて、その第2計数信号Kの出力元の計数機Cを認識し、該認識した計数機Cに対応付けされている発券機Rに対してその第2計数信号Kを出力する。たとえば、ホールコンピュータ12に計数機Cの装置番号とこの計数機Cに対応する発券機Rの装置番号とを関連付けた対応表データを予め記憶しておき、ホールコンピュータ12はこの対応表データと受信した第2計数信号Kに含まれている属性情報が示す計数機Cの装置番号とから出力先の発券機Rを認識する。
【0031】
発券機Rは、ホールコンピュータ12から入力された第2計数信号Kと計数機Cから入力された第1計数信号Jとの照合を行う照合手段14、該照合に失敗した場合のエラー情報を報知するエラー表示手段16などの機能を備えている。
【0032】
発券機Rは、ホールコンピュータ12から入力された第2計数信号Kと計数機Cから入力された第1計数信号Jとを照合し、第2計数信号Kに含まれる計数情報に基づく計数値と第1計数信号Jに含まれる計数情報に基づく計数値とが一致する第1条件と、第2計数信号Kに含まれる属性情報と第1計数信号Jに含まれる属性情報とが一致する第2条件とが共に成立する場合に、第1計数信号Jまたは第2計数信号Kの計数情報に基づいて求めた計数結果(遊技媒体数)を記録媒体に記録して発券する装置である。ここでは、第1計数信号Jの計数情報に基づいて計数結果を求め、この計数結果を記録媒体としての紙に印刷したレシートを出力して発券する。
【0033】
発券機Rは、図示省略してあるがCPUを主要部とする制御部、通信I/F部、プリンタ部、表示部などで構成される。
【0034】
計数機Cから出力される第2計数信号Kを伝送する信号線は、遊技場内から遊技場外に配線されてホールコンピュータ12の入力端子に接続された部分Laと、遊技場外に設置されたホールコンピュータ12の出力端子から遊技場内に再び配線されて所定の発券機Rに接続された部分Lbとで構成される。したがって、計数機Cから出ている信号線Laや発券機Rから出ている信号線Lbを遊技場内で辿っても、第2計数信号Kを伝送する信号線La、Lbが計数機Cと発券機Rとの間で接続されていることやその信号線が計算機Cと発券機Rとの間でどのように対応しているのかなどを割り出すことはできなくなっている。
【0035】
図2は、発券システム10による計数発券動作の流れを示している。任意の計数機Cn(nは任意の正整数で、装置番号を示す)に遊技媒体が投入されると、計数機Cnはその投入された遊技媒体の計数を開始する(ステップS101)。この計数動作に伴って計数機Cnは第1計数信号Jを対応する発券機Rに出力すると共に、第2計数信号Kをホールコンピュータ12へ出力する(ステップS102)。詳細には、計数機Cnは遊技媒体を1個計数する毎に第1計数信号Jを出力し、遊技媒体を規定数(ここでは、10個)計数する毎に第2計数信号Kを出力する。
【0036】
ホールコンピュータ12は計数機Cnから入力された第2計数信号Kに含まれている属性情報から当該第2計数信号Kの出力元である計数機Cnを認識し、該計数機Cnに対応する発券機Rnに、この第2計数信号Kを出力する(ステップS103)。
【0037】
発券機Rnにおいて発券ボタンや貯玉ボタンの操作などレシートの発券を指示するいずれかの操作がなされると(ステップS104)、発券機Rnは、計数機Cnから受けた第1計数信号Jに含まれる属性情報とホールコンピュータ12から受けた第2計数信号Kに含まれる属性情報とを比較し、それらが一致する(第2条件の成立)か否かを調べ(ステップS105)、属性情報が一致しない場合は(ステップS106;N)、エラーを報知して(ステップS109)処理を終了する(エンド)。なお、第1計数信号Jと第2計数信号Kの少なくとも一方に属性情報が含まれない場合は、属性情報の不一致として扱う。
【0038】
上記の比較において、属性情報が計数機Cの装置番号の場合は、装置番号が完全一致するか否かを調べる。属性情報が第1計数信号Jや第2計数信号Kの出力時刻情報の場合は、第1計数信号Jが遊技媒体1個毎に出力され、第2計数信号Kが規定数毎に出力されるので、ある程度の許容範囲内で出力時刻情報が一致すれば良いものとする。たとえば、計数開始から発券指示操作までの間に計数機Cnから受信した第1計数信号Jの出力時刻情報が示す時刻の中で最も早い時刻と最も遅い時刻とを両端とする第1の期間と、計数開始から発券指示操作までの間に受信した計数機Cnに対応する第2計数信号Kの出力時刻情報が示す時刻の中で最も早い時刻と最も遅い時刻とを両端とする第2の期間とが所定の許容誤差範囲内で一致すれば、出力時刻に関する属性情報は一致していると判定する。
【0039】
エラーの報知は発券機Rnのエラー表示手段16で行ってもよいし、ホールコンピュータ12で行ってもよい。さらに、POS端末や、遊技機を複数並設収容した遊技機島に設置された呼び出しランプや、代表ランプで行ってもよい。また、従業員の所持する無線機や携帯端末、あるいは遊技場内に設置されている各種の端末でエラー報知を行ってもよい。エラーの報知は、視覚的な報知(エラーメッセージやランプの点滅など)でもよいし、音による報知(警告メッセージや警報音を鳴らす)でもよい。
【0040】
属性情報が一致する場合(ステップS106;Y)、発券機Rnは、計数機Cnから受けた第1計数信号Jに基づく計数値とホールコンピュータ12から受けた第2計数信号Kに基づく計数値とを比較して、それらが一致する(第1条件の成立)か否かを調べ(ステップS107)、不一致の場合は(ステップS108;N)、エラーを報知して(ステップS109)処理を終了する(エンド)。
【0041】
第1計数信号Jに基づく計数値と第2計数信号Kに基づく計数値とが一致したときは(ステップS108;Y)、第1計数信号Jと第2計数信号Kとの照合に成功したので、この第1計数信号Jに基づいて求めた計数結果(遊技媒体数)の印刷されたレシートを発券して(ステップS110)処理を終了する(エンド)。
【0042】
なお、第1計数信号Jは1個毎に出力され、第2計数信号Kは規定数毎に出力されることから、計数値が完全に一致しない場合があるが、これら計数値の差が規定数以下の場合には計数値は一致していると判断する。
【0043】
このように、計数機Cnから出力された第1計数信号Jをこの計数機Cnに対応する発券機Rnに直接出力するとともに、遊技客の目に触れない遊技場外に設置されたホールコンピュータ12から第2計数信号Kを発券機Rnに出力し、計数機Cnに対応する発券機Rnで第1計数信号Jと第2計数信号Kとを照合し、照合に成功した場合にレシートを発券するようにしたので、照合の際に基準となる第2計数信号Kを伝送する信号線を見つけ出して、第2計数信号Kに対して不正を行うことが困難になる。その結果、第1計数信号Jの正当性を正確に判断して、不正行為による不正なレシートの発券をより確実に防止することができる。
【0044】
また、第1計数信号Jと第2計数信号Kに、それらの出力元の計数機Cに関わる属性を示す属性情報を付与し、この属性情報に基づく照合を行うので、第1計数信号Jと第2計数信号Kが出力された計数機に関する情報が加わって照合の条件がより厳密なものになり、不正行為の成功をより一層困難にすることができると共に、計算機(C)と発券機(R)が各々複数の場合でも適用することができる。
【0045】
さらに、エラー報知を行うので、第1計数信号Jに対して不正な細工が行われていることを遊技場の従業員は正確・迅速に認識することができる。
【0046】
また、規定数の計数を示す計数情報を第2計数信号Kに含め、規定数の計数毎に第2計数信号Kを出力するようにしたので、遊技媒体の1個毎の信号を用いる場合に比べて、ホールコンピュータ12での第2計数信号Kに関する処理負担が軽減される。
【0047】
以上、本発明の実施の形態を図面によって説明してきたが、具体的な構成は実施の形態に示したものに限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【0048】
たとえば、計数機Cと発券機Rとは1対1に対応付けされてもよいし、1台の発券機Rに対して複数台の計数機Cが対応するようにされてもよい。後者の場合、発券機Rは、第1計数信号Jの正当性を検証する際に、属性情報に基づいて第1計数信号Jと第2計数信号Kの出力元を判断し、出力元が同じ計数機Cである第1計数信号Jと第2計数信号Kとを照合して、出力時刻情報や計数値の一致を確認すればよい。
【0049】
なお、第1計数信号Jや第2計数信号Kは属性情報を含まないものであってもかまわない。たとえば、計数機Cと発券機Rとが1対1に対応付けされている場合は、属性情報を含まなくても、特定の計数機Cnから出力された第2計数信号Kを該計数機Cnに対応する発券機Rnにホールコンピュータ12経由で入力できる。また、第1計数信号Jと第2計数信号Kに属性情報を含める場合であっても、計数機Cと発券機Rとが1対1に対応している構成では、出力元を特定するための情報(装置番号など)を属性情報に含めなくてもかまわない。
【符号の説明】
【0050】
10…発券システム
12…ホールコンピュータ
14…照合手段
16…エラー表示手段
C…計数機
J…第1計数信号
K…第2計数信号
R…発券機
La、Lb…第2計数信号を伝送する信号線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技場内に設置されて、投入された遊技媒体の個数を計数する計数機と、遊技場内に設置されて、前記計数機の計数結果を記録媒体に記録して発券する発券機と、遊技場外に設置された中継装置とを備えた発券システムであって、
前記計数機は、1個の遊技媒体の計数を示すパルス信号である計数情報と前記パルス信号とパルス信号との間の期間を利用して伝送される当該計数機の属性情報とを含む第1計数信号を遊技媒体の計数毎に当該計数機に対応する前記発券機へ出力すると共に、所定の複数個の遊技媒体の計数を示すパルス信号である計数情報と前記パルス信号とパルス信号との間の期間を利用して伝送される前記属性情報とを含む第2計数信号を前記所定の複数個の遊技媒体を計数する毎に前記中継装置へ出力し、
前記中継装置は、前記計数機から入力された前記第2計数信号を、これに含まれる前記属性情報の示す計数機に対応付けされている発券機へ出力し、
前記発券機は、前記中継装置から入力された前記第2計数信号に含まれる前記計数情報に基づく計数値と前記第1計数信号に含まれる前記計数情報に基づく計数値とが一致する第1条件と、前記第2計数信号に含まれる前記属性情報と前記計数機から入力された前記第1計数信号に含まれる前記属性情報とが一致する第2条件とが共に成立する場合に、前記計数結果を記録媒体に記録して発券し、
前記中継装置が設置された前記遊技場外は遊技客の立ち入りが禁止された領域であり、前記計数機と前記中継装置との間および前記中継装置と前記発券機との間で前記第2計数信号を伝送する配線は、遊技場内の遊技客が遊技場外の前記中継装置まで辿ることができないようにされている
ことを特徴とする発券システム。
【請求項2】
前記第1条件と前記第2条件の少なくとも一方が不成立の場合に、エラーを報知する
ことを特徴とする請求項1に記載の発券システム。
【請求項3】
前記属性情報は、計数機の識別情報を含む
ことを特徴とする請求項1または2に記載の発券システム。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2013−52262(P2013−52262A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−274209(P2012−274209)
【出願日】平成24年12月17日(2012.12.17)
【分割の表示】特願2007−11048(P2007−11048)の分割
【原出願日】平成19年1月22日(2007.1.22)
【出願人】(000127628)株式会社エース電研 (339)
【Fターム(参考)】