説明

発泡体用樹脂組成物及びその用途

低比重で永久圧縮歪(CS)が小さく、しかも引張強度特性、引裂強度特性および反撥弾性に優れ、高温での硬度低下が少ない発泡体(非架橋および架橋発泡体)を提供し得る組成物、その発泡体およびその発泡体を用いた積層体を提供する。エチレン・α−オレフィン共重合体(A1)5〜95重量部、スチレン系ブロック共重合体(B)5〜95重量部ならびに(A1)(B)の合計100重量部に対してエチレン・極性モノマー共重合体(A2)を0〜1900重量部含むことを特徴とする発泡用樹脂組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
本発明は、発泡体用組成物及びその用途に関し、さらに詳しくは、低比重で永久圧縮歪(CS)が小さく、しかも引張強度特性、引裂強度特性および反撥弾性に優れ、高温での弾性率低下が少ない発泡体(非架橋および架橋発泡体)を提供し得る組成物、およびその発泡体に関する。
【背景技術】
低比重すなわち軽量、かつ、柔軟で、機械強度の高い樹脂を得るために、架橋発泡体を用いる技術は、建築内外装材、内装材やドアグラスラン等の自動車部品、包装材料、日用品等に広く用いられている。これは、軽量化のために樹脂を発泡させただけでは、機械強度の低下を招くため、樹脂の架橋反応により分子鎖を結合させることで、機械強度の低下を抑制しつつ、発泡による軽量化を達成することが可能であることによる。
また、履き物ないし履き物用部品たとえばスポーツシューズ等の靴底(主にミッドソール)にも、樹脂の架橋発泡体が使用されているが、これは軽量で、かつ長期間の使用による変形を抑え、過酷な使用条件に耐え得る機械強度、反撥弾性を有する材料が求められているためである。
従来、靴底用には、エチレン・酢酸ビニル共重合体の架橋発泡体が使用され、広く知られているが、このエチレン・酢酸ビニル共重合体組成物を用いて成形される架橋発泡体は、比重が高く、かつ圧縮永久歪みが大であるため、たとえば靴底に用いた場合、重く、かつ長期の使用により靴底が圧縮され反撥弾性等の機械強度が失われていくという問題がある。
特表平9−501447号公報、特開平11−206406号公報には、エチレン・α−オレフィン共重合体を用いた架橋発泡体、エチレン・酢酸ビニル共重合体とエチレン・α−オレフィン共重合体との混合物を用いた架橋発泡体に係る発明がそれぞれ記載されているが、これらの発明では、低比重性、圧縮永久歪み性が改良されるものの、充分な性能が得られていない。
また、本願発明者に係る特開平2000−344924号公報には、アスカーC硬度が20〜80の範囲内で、かつ低比重で永久圧縮歪(CS)が小さく、しかも引張強度特性、引裂強度特性および反撥弾性に優れた発泡体(非架橋および架橋発泡体)に係る発明が記載されている。しかし、高温で発泡体を使用する際、硬度が大幅に低下し感触が変化する問題があった。
一方、WO95/33006、特開平8−231817ではエチレン・α−オレフィン共重合体とスチレン系ブロック共重合体とを含む樹脂組成物が知られているがエチレン・極性モノマー共重合体や架橋発泡体に関する記載はない。
またWO02/14423ではエチレン・α−オレフィン共重合体とスチレン系ブロック共重合体とを含む熱可塑性エラストマーから得られる架橋発泡体が開示されているが発泡倍率が低く、比重が高い発泡体しか得られていない。またエチレン・極性モノマー共重合体に関する記載もない。
本発明者らは、上記高温での硬度低下を抑制すべく鋭意研究し、エチレン・α−オレフィン共重合体(A1)、スチレン系ブロック共重合体(B)を含む樹脂組成物、さらにはエチレン・α−オレフィン共重合体(A1)、スチレン系ブロック共重合体(B)およびエチレン・極性モノマー共重合体(A2)を含む樹脂組成物を採用することによって、高温での硬度低下が少ない発泡体が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【発明の開示】
本発明の目的は、低比重で永久圧縮歪(CS)が小さく、しかも引張強度特性、引裂強度特性および反撥弾性に優れ、高温での硬度低下が少ない発泡体(非架橋および架橋発泡体)を提供し得る組成物、その発泡体およびその発泡体を用いた積層体を提供することを目的としている。
本発明に関わる発泡体用樹脂組成物は
(1)エチレン・α−オレフィン共重合体(A1)5〜95重量部、スチレン系ブロック共重合体(B)5〜95重量部ならびに(A1)(B)の合計100重量部に対してエチレン・極性モノマー共重合体(A2)を0〜1900重量部含むことを特徴とする。 あるいは
(2)エチレン・α−オレフィン共重合体(A1)5〜95重量部、スチレン系ブロック共重合体(B)5〜95重量部ならびに(A1)(B)の合計100重量部に対して(A2)エチレン・極性モノマー共重合体0〜1900重量部および発泡剤(C)を含むことを特徴とする。 あるいは
(3)エチレン・α−オレフィン共重合体(A1)が以下の性質を有することを特徴とする。
エチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとからなるエチレン・α−オレフィン共重合体であり、密度(ASTM D1505,23℃)が0.857〜0.910g/cm3の範囲にあり、190℃、2.16kg荷重におけるメルトフローレート(MFR2)(ASTM D1238、荷重2.16kg、190℃)が0.1〜40g/10分の範囲にあり、GPC法により評価される分子量分布の指数:Mw/Mnが1.5〜3.0の範囲にある。あるいは
(4)エチレン・α−オレフィン共重合体(A1)が以下の性質を有することを特徴とする。
(i)190℃、10kg荷重におけるメルトフローレート(MFR10)と190℃、2.16kg荷重におけるメルトフローレート(MFR2)との比:MFR10/MFR2が次の式を満たし、
MFR10/MFR2≧6.0
Mw/Mn+5.0≦MFR10/MFR2
(ii)13C−NMRスペクトルにおけるTααに対するTαβの強度比(Tαβ/Tαα)が0.5以下であり、
(ii)13C−NMRスペクトルおよび下記一般式(1)から求められるB値が0.9〜1.5である。
B値=[POE]/(2・[PE][PO]) …(1)
(式中、[PE]は共重合体中のエチレンから誘導される構成単位の含有モル分率であり、[PO]は共重合体中のα−オレフィンから誘導される構成単位の含有モル分率であり、[POE]は共重合体中の全ダイアド(dyad)連鎖に対するエチレン・α−オレフィン連鎖数の割合である。) あるいは
(5)エチレン・α−オレフィン共重合体(A1)が、エチレン・1−ブテン共重合体であることを特徴とする。 あるいは
(6)スチレン系ブロック共重合体(B)が、スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体、スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体またはこれらの水素添加重合体であることを特徴とする。 あるいは
(7)発泡剤(C)が有機系熱分解型発泡剤、無機系熱分解型発泡剤、有機系物理発泡剤および無機系物理発泡剤から選ばれることを特徴とする。
また本発明に関わる(架橋)発泡体は
(8)上記(1)〜(7)のいずれかに記載の樹脂組成物を熱処理して得られることを特徴とする発泡体。 あるいは
(9)上記(7)に記載の発泡体を二次圧縮して得られることを特徴とする発泡体。 あるいは
(10)エチレン・α−オレフィン共重合体(A1)5〜95重量部、スチレン系ブロック共重合体(B)5〜95重量部ならびに(A1)(B)の合計100重量部に対してエチレン・極性モノマー共重合体(A2)を0〜1900重量部含み、ゲル含量が70%以上、比重が0.6g/cm3以下であることを特徴とする発泡体。 あるいは
(11)上記(7)ないし(10)に記載の発泡体からなる層と、ポリオレフィン、ポリウレタン、ゴム、皮革および人工皮革からなる群から選ばれる少なくとも一種の素材からなる層を有することを特徴とする積層体。 あるいは
(12)上記(7)ないし(10)に記載の発泡体または(11)に記載の積層体からなることを特徴とする履き物。 あるいは
(13)上記(7)ないし(10)に記載の発泡体または(11)に記載の積層体からなることを特徴とする履き物用部品。 あるいは
(14)上記履き物用部品が、ミッドソール、インナーソールまたはソールであることを特徴とする(13)に記載の履き物用部品。
【発明を実施するための最良の形態】
以下、本発明に係る発泡用樹脂組成物およびその用途について具体的に説明する。
本発明に係る発泡体用樹脂組成物、好ましくは架橋発泡体用樹脂組成物は、特定のエチレン・α−オレフィン共重合体(A1)、スチレン系ブロック共重合体(B)とを含有し、好ましくは特定のエチレン・α−オレフィン共重合体(A1)、スチレン系ブロック共重合体(B)とエチレン・極性モノマー共重合体(A2)とを含有し、必要に応じてさらに発泡剤(C)と、有機ペルオキシド(D)、架橋助剤(E)とを含有している。特に特定のエチレン・α−オレフィン共重合体(A1)、スチレン系ブロック共重合体(B)、エチレン・極性モノマー共重合体(A2)および発泡剤(C)を必須とするのが一般的に好ましい。
本発明に係る発泡体は、この組成物を発泡または架橋発泡させて得られるが架橋発泡体の方が好ましく用いられる。この架橋方法の種類としては、熱架橋と、電離性放射線架橋が挙げられる。熱架橋の場合には、この組成物中に、有機ペルオキシド(D)および架橋助剤(E)を配合する必要がある。また、電離性放射線架橋の場合には、架橋助剤を配合する場合がある。
エチレン・α−オレフィン共重合体(A1)
本発明で用いられるエチレン・α−オレフィン共重合体(A1)は、エチレンと炭素原子数3〜20のα−オレフィンとからなる非晶性ないし低結晶性のランダムあるいはブロック共重合体であり、密度(ASTM D 1505)が0.857g/cm3以上0.910g/cm3以下、好ましくは0.860〜0.905であって、メルトフローレート(MFR;ASTM D 1238,190℃、荷重2.16kg)が0.1〜40g/10分、好ましくは0.5〜20g/10分である軟質エチレン・α−オレフィン共重合体が望ましい。
エチレンと共重合させるα−オレフィンは、炭素原子数3〜20のα−オレフィンであり、具体的には、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−ノナデセン、1−エイコセン、4−メチル−1−ペンテンなどが挙げられる。これらのうちでも、炭素原子数3〜10のα−オレフィンが好ましく、特にプロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテンが好ましい。これらのα−オレフィンは、単独で、あるいは2種以上組み合わせて用いられる。
また、エチレン・α−オレフィン共重合体(A1)は、エチレンから導かれる単位を75〜95モル%の量で、炭素原子数3〜20のα−オレフィンから導かれる単位を5〜25モル%の量で含有していることが望ましい。ここでエチレンとα−オレフィンの合計量は100モル%である。
また、エチレン・α−オレフィン共重合体(A1)は、これらの単位の他に、本発明の目的を損なわない範囲で、他の重合性モノマーから導かれる単位を含有していてもよい。
エチレン・α−オレフィン共重合体(A1)としては、具体的には、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・1−ブテン共重合体、エチレン・プロピレン・1−ブテン共重合体、エチレン・プロピレン・エチリデンノルボルネン共重合体、エチレン・1−ヘキセン共重合体、エチレン・1−オクテン共重合体などが挙げられる。これらの内でも、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・1−ブテン共重合体、エチレン・1−ヘキセン共重合体、エチレン・1−オクテン共重合体などが好ましく用いられ、特にエチレン・1−ブテン共重合体が好ましく用いられる。これらの共重合体は、ランダムあるいはブロック共重合体であるが、特にランダム共重合体であることが好ましい。
エチレン・α−オレフィン共重合体(A1)は、X線回折法により測定される結晶化度が通常40%以下、好ましくは10〜30%以下である。
また、このエチレン・α−オレフィン共重合体(A1)は、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)により求めた分子量分布(Mw/Mn)が1.5〜3.0、好ましくは1.7〜2.5の範囲内にあることが好ましい。分子量分布(Mw/Mn)が上記範囲内にあるエチレン・α−オレフィン共重合体(A1)を用いると、圧縮永久歪み性および賦形性に優れる発泡体を調製することができる組成物が得られる。上記のようなエチレン・α−オレフィン共重合体(A1)は、通常エラストマーとしての性質を示す。
エチレン・α−オレフィン共重合体(A1)が、ASTM D 1238に準拠して190℃、荷重10kgの条件で測定したメルトフローレート(MFR10)と荷重2.16kgの条件で測定したメルトフローレート(MFR2)との比(MFR10/MFR2)が、下式
MFR10/MFR2≧6.0
好ましくは
7≦MFR10/MFR2≦15
の関係を満たし、かつ、分子量分布(Mw/Mn)と前記メルトフローレート比とが、下式
Mw/Mn+5.0<MFR10/MFR2
の関係を満たしていると、高発泡倍率すなわち低比重で、かつ、高弾性で圧縮永久歪み性および賦形性に優れる発泡体(非架橋発泡体、架橋発泡体)を調製することができる組成物が得られる。
本発明のエチレン・α−オレフィン共重合体(A1)は13C−NMRスペクトルにおけるTααに対するTαβの強度比(Tαβ/Tαα)が0.5以下、好ましくは0.4以下であるのが好ましい。
ここで13C−NMRスペクトルにおけるTααおよびTαβは、炭素数3以上のα−オレフィンから誘導される構成単位中のCH2のピーク強度であり、下記に示すように第3級炭素に対する位置が異なる2種類のCH2を意味している。
【化1】

このようなTαβ/Tαα強度比は、下記のようにして求めることができる。エチレン・α−オレフィン共重合体[B]の13C−NMRスペクトルを、たとえば日本電子(株)製JEOL−GX270 NMR測定装置を用いて測定する。測定は、試料濃度5重量%になるように調整されたヘキサクロロブタジエン/d6−ベンゼン=2/1(体積比)の混合溶液を用いて、67.8MHz、25℃、d6−ベンゼン(128ppm)基準で行う。測定された13C−NMRスペクトルを、リンデマンアダムスの提案(Analysis Chemistry43,p1245(1971))、J.C.Randall(Review Macromolecular Chemistry Physics,C29,201(1989))に従って解析してTαβ/Tαα強度比を求める。
また本発明のエチレン・α−オレフィン共重合体(A1)は13C−NMRスペクトルおよび下記一般式(1)から求められるB値が0.9〜1.5、好ましくは0.95〜1.2であるのが好ましい。
B値=[POE]/(2・[PE][PO]) …(1)
(式中、[PE]は共重合体中のエチレンから誘導される構成単位の含有モル分率であり、[PO]は共重合体中のα−オレフィンから誘導される構成単位の含有モル分率であり、[POE]は共重合体中の全ダイアド(dyad)連鎖に対するエチレン・α−オレフィン連鎖数の割合である。)このB値は、エチレン・α−オレフィン共重合体中のエチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとの分布状態を表す指標であり、J.C.Randall(Macromolecules,15,353(1982))、J.Ray(Macromolecules,10,773(1977))らの報告に基づいて求めることができる。
エチレン・α−オレフィン共重合体(A1)のB値は、通常10mmφの試料管中で約200mgのエチレン・α−オレフィン共重合体を1mlのヘキサクロロブタジエンに均一に溶解させた試料の13C−NMRスペクトルを、測定温度120℃、測定周波数25.05MHz、スペクトル幅1500Hz、パルス繰返し時間4.2sec.、パルス幅6μsec.の条件下で測定して決定される。
上記B値が大きいほど、エチレンまたはα−オレフィン共重合体のブロック的連鎖が短くなり、エチレンおよびα−オレフィンの分布が一様であり、共重合ゴムの組成分布が狭いことを示している。なおB値が1.0よりも小さくなるほどエチレン・α−オレフィン共重合体の組成分布は広くなり、取扱性が悪化するなどの悪い点がある。
上記のようなエチレン・α−オレフィン共重合体(A1)は、バナジウム系触媒、チタン系触媒またはメタロセン系触媒などを用いる従来公知の方法により製造することができる。特に特開昭62−121709等に記載された溶液重合法が好ましい。
エチレン・極性モノマー共重合体(A2)
本発明で使用されるエチレン・極性モノマー共重合体(A2)の極性モノマーとしては、不飽和カルボン酸、その塩、そのエステル、そのアミド、ビニルエステル、一酸化炭素などを例示することができる。より具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、イタコン酸、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、無水マレイン酸、無水イタコン酸等の不飽和カルボン酸、これら不飽和カルボン酸のリチウム、ナトリウム、カリウムなどの1価金属の塩やマグネシウム、カルシウム、亜鉛などの多価金属の塩、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸nブチル、アクリル酸イソオクチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸イソブチル、マレイン酸ジメチル等の不飽和カルボン酸エステル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルのようなビニルエステル、一酸化炭素、二酸化硫黄などの一種又は二種以上などを例示することができる。
エチレン・極性モノマー共重合体(A2)としてより具体的には、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・メタクリル酸共重合体のようなエチレン・不飽和カルボン酸共重合体、前記エチレン・不飽和カルボン酸共重合体のカルボキシル基の一部又は全部が上記金属で中和されたアイオノマー、エチレン・アクリル酸メチル共重合体、エチレン・アクリル酸エチル共重合体、エチレン・メタクリル酸メチル共重合体、エチレン・アクリル酸イソブチル共重合体、エチレン・アクリル酸nブチル共重合体のようなエチレン・不飽和カルボン酸エステル共重合体、エチレン・アクリル酸イソブチル・メタクリル酸共重合体、エチレン・アクリル酸nブチル・メタクリル酸共重合体のようなエチレン・不飽和カルボン酸エステル・不飽和カルボン酸共重合体及びそのカルボキシル基の一部又は全部が上記金属で中和されたアイオノマー、エチレン・酢酸ビニル共重合体のようなエチレン・ビニルエステル共重合体などを代表例として例示することができる。
これらの中ではとくにエチレンと、不飽和カルボン酸、その塩、そのエステル及び酢酸ビニルから選ばれる極性モノマーとの共重合体が好ましく、特にエチレン・(メタ)アクリル酸共重合体またはそのアイオノマーやエチレン・(メタ)アクリル酸・(メタ)アクリル酸エステル共重合体またはそのアイオノマー、エチレン・酢酸ビニル共重合体が好ましく、エチレン・酢酸ビニル共重合体が最も好ましい。
上記エチレン・極性モノマー共重合体(A2)としては、極性モノマーの種類によっても異なるが、極性モノマー含量が1〜50重量%、とくに5〜45重量%ものが好ましい。このようなエチレン・極性モノマー共重合体としてはまた、成形加工性、機械的強度などを考慮すると、190℃、2160g荷重におけるメルトフローレートが0.05〜500g/10分、とくに0.1〜100g/10分のものを使用するのが好ましい。エチレンと不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸エステル、ビニルエステルなどとの共重合体は、高温、高圧下のラジカル共重合により得ることができる。またエチレンと不飽和カルボン酸の金属塩の共重合体(アイオノマー)は、エチレン・不飽和カルボン酸共重合体と相当する金属化合物を反応させることによって得ることができる。
本発明で用いられるエチレン・極性モノマー共重合体(A2)がエチレン・酢酸ビニル共重合体の場合、エチレン・酢酸ビニル共重合体中の酢酸ビニル含有量は、10〜30重量%、好ましくは15〜30重量%、さらに好ましくは15〜25重量%である。
また、このエチレン・酢酸ビニル共重合体は、メルトフローレート(MFR;ASTM D 1238,190℃、荷重2.16kg)が0.1〜50g/10分、好ましくは0.5〜20g/10分、さらに好ましくは0.5〜5g/10分である。
エチレン・極性モノマー共重合体(A2)は、エチレン・α−オレフィン共重合体(A1)とスチレン系ブロック共重合体(B)の合計100重量部に対して、0〜1900重量部、好ましくは5〜1900重量部、より好ましくは5〜100重量部の割合で用いられる。 エチレン・極性モノマー共重合体(A2)がエチレンと不飽和カルボン酸の共重合体である場合、上記の割合で用いると、引裂き強度特性およびにポリウレタン、ゴム、皮革等からなる他の層と接着性に優れる架橋発泡体を提供することができるエラストマー組成物を得ることができる。またエチレン・極性モノマー共重合体(A2)を上記の割合で用いると、得られた発泡体層はポリウレタン、ゴム、皮革等からなる他の層と接着性に優れ、積層体としても好ましい。
スチレン系ブロック共重合体(B)
本発明のスチレン系ブロック共重合体はビニル芳香族化合物を主体とする少なくとも2個の重合体ブロック(a)と、共役ジエン化合物を主体とする少なくとも1個の重合体ブロック(b)とから構成され、重合体ブロック(a)を構成するビニル芳香族化合物としては、スチレン、α−メチルスチレン、1−ビニルナフタレン、3−メチルスチレン、4−プロピルスチレン、4−シクロヘキシルスチレン、4−ドデシルスチレン、2−エチル−4−ベンジルスチレン、4−(フェニルブチル)スチレンなどが挙げられる。重合体ブロック(a)は、上記ビニル芳香族化合物の1種を単独で構成されていても、2種以上から構成されていてもよい。本発明では、これらのうちでもスチレンがおよび/またはα−メチルスチレンが好適に用いられる。
重合体ブロック(b)を構成する共役ジエン化合物としては、1,3−ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン、フェニルブタジエン、4,5−ジエチル−1,3−オクタジエン、3−ブチル−1,3−オクタジエンなどが挙げられる。重合体ブロックBは、これらの共役ジエン化合物の1種単独で構成されていても、2種以上から構成されていてもよい。本発明では、特にゴム物性の改善効果の点から、1,3−ブタジエンおよび/またはイソプレンが好適に用いられる。
スチレン系ブロック共重合体(B)中のビニル芳香族化合物からなる重合体ブロック(a)の割合は、5〜75質量%、より好ましくは10〜65質量%、特に好ましくは10〜40質量%の範囲である。75質量%を超えると柔軟性が損なわれ、脆くなり、その一方、5質量%を下回ると熱可塑性エラストマー組成物の機械的強度が低くなり、実用的ではない。
また、スチレン系ブロック共重合体(B)中の重合体ブロック(b)における共役ジエン単位のミクロ構造については特に限定はない。重合体ブロック(b)を構成する共役ジエン化合物としてブタジエンを単独で使用する場合には、1,2−結合含有量が20〜50モル%であるのが好ましく、35〜45モル%であるのがより好ましい。この範囲であれば、その後に水素添加されて二重結合が飽和された後にもエラストマー性を十分に保持できるからである。なお、重合体ブロックBを構成する共役ジエン化合物としてイソプレンを単独で使用する場合またはイソプレンとブタンエンを混合して使用する場合には1,2−結合および3,4−結合の合計量は、0〜80モル%、特には5〜70モル%とすることが好ましい。また、水添前の共重合体は、直鎖状、分岐状、星型のいずれでもよい。また、上記形態の単独物でも1種以上の混合物でも差支えない。
ビニル芳香族化合物の重合体ブロック(a)と共役ジエン化合物の重合体ブロック(b)の結合様式は、a−b−a型などのトリブロック共重合体、(a−b)n、(a−b)n−a、(a−b)nX(ここでnは2以上の整数、Xはカップリング残基)で示すマルチブロック共重合体が好ましく用いられる。
本発明のスチレン系ブロック共重合体(B)の数平均分子量に特に制限はないが、40000〜500000、より好ましくは40000〜400000、特に好ましくは40000〜200000の範囲である。なお、本明細書でいう数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法によって求めたポリスチレン換算の分子量である。また本発明のスチレン系ブロック共重合体(B)の数平均分子量は、本発明の使用目的に応じて適宜選択することができる。
本発明で用いるスチレン系ブロック共重合体(B)の製法は特に制限されず、例えば、次のような従来既知のアニオン重合法によって製造することができる。すなわち、アルキルリチウム化合物を開始剤として、n−ヘキサン、シクロヘキサン等の重合反応に不活性な有機溶媒中で、ビニル芳香族化合物、共役ジエン化合物を逐次重合、またはカップリング等の方法でブロック共重合体を形成する。次いで、得られたブロック共重合体を、既知の方法に従って不活性有機溶媒中で水素添加触媒の存在下に水素添加することにより、重合体主鎖中の二重結合が水添され飽和された本発明の好ましいスチレン系ブロック共重合体(B)を製造することができる。
本発明で使用され得るスチレン系ブロック共重合体(B)としては、市販品を使用することもでき、例えば、ビニル芳香族化合物と共役ジエン化合物のブロック共重合体としては、クレイトンポリマー社の商品名「クレイトン」や、旭化成工業株式会社の商品名「タフテック」「タフプレン」、株式会社クラレの商品名「セプトン」「ハイブラー」シリーズが挙げられる。
発泡剤(C)
本発明で必要に応じて用いられる発泡剤(C)としては、化学発泡剤、具体的には、アゾジカルボンアミド(ADCA)、1,1’−アゾビス(1−アセトキシ−1−フェニルエタン)、ジメチル−2,2’−アゾビスブチレート、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチル−プロピオンアミジン]等のアゾ化合物;N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン(DPT)等のニトロソ化合物;4,4’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、ジフェニルスルホン−3,3’−ジスルホニルヒドラジド等のヒドラジン誘導体;p−トルエンスルホニルセミカルバジド等のセミカルバジド化合物;トリヒドラジノトリアジンなどの有機系熱分解型発泡剤、さらには、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素アンモニウム等の重炭酸塩、炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウム等の炭酸塩;亜硝酸アンモニウム等の亜硝酸塩、水素化合物などの無機系熱分解型発泡剤が挙げられる。中でも、アゾジカルボンアミド(ADCA)、炭酸水素ナトリウムが特に好ましい。
また、本発明においては、物理発泡剤(発泡時に化学反応を必ずしも伴わない発泡剤)、たとえばメタノール、エタノール、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン等の各種脂肪族炭化水素類;ジクロルエタン、ジクロルメタン、四塩化炭素等の各種塩化炭化水素類;フロン等の各種フッ化塩化炭化水素類などの有機系物理発泡剤、さらに空気、二酸化炭素、窒素、アルゴン、水などの無機系物理発泡剤も発泡剤(C)として用いることができる。これらの中で、蒸気にする必要が無く、安価で、環境汚染、発火の可能性が極めて少ない二酸化炭素、窒素、アルゴンが最も優れている。
本発明で発泡剤(C)として使用される上記物理発泡剤は、発泡剤の分解残さがないため、組成物の架橋発泡時における金型汚れを防止することができる。しかも、物理発泡剤は、粉状ではないので、混練性に優れている。また、この物理発泡剤を用いると、得られる架橋発泡体の異臭(ADCA分解時に生成するアンモニア臭など)を肪止することができる。
また、本発明においては、臭気、金型汚れ等の悪影響を生じない範囲で、上記のような化学発泡剤を併用することができる。
物理発泡剤の貯蔵方法としては、小規模な生産であれば、二酸化炭素、窒素などをボンベに入った状態で使用し、射出成形機および押出成形機等に減圧弁を通して供給することができるし、またポンプ等により昇圧し、射出成形機および押出成形機等に供給する場合もある。
また、大規模に発泡製品を製造する設備であれば、液化二酸化炭素、液化窒素などの貯蔵タンクを設置し、熱交換機を通し、気化し、配管により、減圧弁により射出成形機および押出成形機等に供給する。
また、液状の物理発泡剤の場合、貯蔵圧力としては、0.13〜100MPaの範囲が好ましく、圧力が低すぎると減圧して射出成形機および押出成形機等に注入できず、また、圧力が高すぎると、貯蔵設備の耐圧強度を高くする必要から、設備が大型化、複雑化し好ましくない。なお、ここで定義する貯蔵圧力とは、気化し減圧弁に供給する圧力を言う。
上記発泡剤(C)として化学発泡剤を用いる場合、化学発泡剤は、エチレン・α−オレフィン共重合体(A1)とスチレン系ブロック共重合体(B)の合計量100重量部に対して、通常3〜20重量部、好ましくは5〜15重量部の割合で用いられる。ただし、化学発泡剤の使用量は、使用する発泡剤の種類・グレードにより発生ガス量が異なるため、目的の発泡倍率により、適宜増減され得る。
また、発泡剤(C)として物理発泡剤を用いる場合、物理発泡剤の添加量は、所望の発泡倍率に応じて、適宜決定される。
本発明においては、必要に応じて、発泡剤(C)とともに発泡助剤を使用してもよい。発泡助剤は、発泡剤(C)の分解温度の低下、分解促進、気泡の均一化などの作用をする。このような発泡助剤としては、酸化亜鉛(ZnO)、ステアリン酸亜鉛、サリチル酸、フタル酸、ステアリン酸、しゅう酸等の有機酸、尿素またはその誘導体などが挙げられる。
有機ペルオキシド(D)
本発明で必要に応じて架橋剤として用いられる有機ペルオキシド(D)としては、具体的には、ジクミルペルオキシド、ジ−t−ブチルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(t−ブチルペルオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(t−ブチルペルオキシ)ヘキシン−3、1,3−ビス(t−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、1,1−ビス(t−ブチルペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルペルオキシ)バレレート、ベンゾイルペルオキシド、p−クロロベンゾイルペルオキシド、2,4−ジクロロベンゾイルペルオキシド、t−ブチルペルオキシベンゾエート、t−ブチルペルベンゾエート、t−ブチルペルオキシイソプロピルカーボネート、ジアセチルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、t−ブチルクミルペルオキシドなどが挙げられる。
本発明においては、有機ペルオキシド(D)は、エチレン・α−オレフィン共重合体(A1)とスチレン系ブロック共重合体(B)の合計量100重量部に対して、通常0.1〜1.5重量部、好ましくは0.2〜1.0重量部の割合で用いられる。有機ペルオキシド(D)を上記のような割合で用いると、適度な架橋構造を有する架橋発泡体を得ることができる。また、有機ペルオキシド(D)を架橋助剤(E)とともに、上記のような割合で用いると、より適度な架橋構造を有する架橋発泡体を得ることができる。
架橋助剤(E)
本発明で必要に応じて用いられる架橋助剤(E)としては、具体的には、硫黄、p−キノンジオキシム、p,p’−ジベンゾイルキノンジオキシム、N−メチル−N−4−ジニトロソアニリン、ニトロソベンゼン、ジフェニルグアニジン、トリメチロールプロパン−N,N’−m−フェニレンジマレイミドのようなペルオキシ架橋用助剤;あるいはジビニルベンゼン、トリアリルシアヌレート(TAC)、トリアリルイソシアヌレート(TAIC)が好ましい。また、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、アリルメタクリレート等の多官能性メタクリレートモノマー、ビニルブチラート、ビニルステアレートのような多官能性ビニルモノマーなどが挙げられる。中でも、トリアリルシアヌレート(TAC)、トリアリルイソシアヌレート(TAIC)が好ましい。
本発明においては、上記のような架橋助剤(E)は、架橋助剤(E)と有機ペルオキシド(D)との重量比[(E)/(D)]が1/30〜5/1、好ましくは1/20〜3/1、さらに好ましくは1/15〜2/1になる量で用いることが望ましい。
樹脂組成物
本発明に係る樹脂組成物はエチレン・α−オレフィン共重合体(A1)5〜95重量部、スチレン系ブロック共重合体(B)5〜95重量部ならびに(A1)(B)の合計100重量部に対して(A2)エチレン・極性モノマー共重合体を0〜1900重量部、好ましくはエチレン・α−オレフィン共重合体(A1)40〜95重量部、スチレン系ブロック共重合体(B)5〜60重量部、ならびに(A1)(B)の合計100重量部に対して(A2)エチレン・極性モノマー共重合体を9〜1900重量部、より好ましくはエチレン・α−オレフィン共重合体(A1)70〜95重量部、スチレン系ブロック共重合体(B)5〜30重量部ならびに、(A1)(B)の合計100重量部に対して(A2)エチレン・極性モノマー共重合体を5〜100重量部含む。
樹脂組成物の調製
本発明に係る樹脂組成物は、未架橋かつ未発泡状態の組成物であり、溶融状態であってもよいし、また、冷却固化したペレットまたはシートであってもよい。
本発明に係る樹脂組成物のペレットは、たとえば上記のようなエチレン・α−オフィン共重合体(A1)、スチレン系ブロック共重合体(B)、発泡剤(C)、好ましくはエチレン・α−オフィン共重合体(A1)、スチレン系ブロック共重合体(B)、(A2)エチレン・極性モノマー共重合体、発泡剤(C)、および必要に応じて有機ペルオキシド(D)、架橋助剤(E)、発泡助剤を上述した割合でヘンシェルミキサー等で混合し、バンバリーミキサー、ロール、押出機等の混練機で発泡剤(C)および/または有機ペルオキシド(D)が分解しない温度にて溶融可塑化し、均一に混合分散させて造粒機により調製することができる。
この組成物中に、上記諸成分の他に、必要に応じて、フィラー、耐熱安定剤、耐候安定剤、難燃剤、塩酸吸収剤、顔料などの各種添加剤を、本発明の目的を損なわない範囲で配合することができる。
また、本発明に係る組成物のシートは、たとえば上記のようにして得られた組成物のペレットを押出機あるいはカレンダー成形機を用いて調製することができる。あるいは組成物の諸成分をブラベンダーなどで混練した後、カレンダーロールでシート状に成形する方法、プレス成形機でシート化する方法、または押出機を用いて混練した後Tダイまたは環状ダイを通してシート化する方法などにより、未架橋かつ未発泡状態の発泡性シートを調製することができる。
発泡体
本発明に係る発泡体は、上記のような、本発明に係る樹脂組成物を発泡または架橋発泡、通常は130〜200℃、30〜300kgf/cm2、10〜90分の条件下で発泡または架橋発泡することにより得られる。ただし、(架橋)発泡時間については、金型の厚さに依存するため、この範囲を超えて、適宜増減され得る。
また、本発明に係る発泡体または架橋発泡体は、上記条件下で発泡または架橋発泡された成型体を、130〜200℃、30〜300kgf/cm2、5〜60分、圧縮比1.1〜3、好ましくは1.3〜2の条件下で圧縮成形して得られる発泡体であってもよい。
これらの発泡体または架橋発泡体は、比重(JIS K7222)が0.6以下、好ましくは0.03〜0.25、より好ましくは0.05〜0.25であり、表面硬度(アスカーC硬度)が20〜80、好ましくは30〜65の範囲にある。架橋発泡体としては、ゲル分率が70%以上であることが望ましく、通常は70〜95%である。
このような物性を有する、本発明に係る発泡体、特に架橋発泡体は、圧縮永久歪みが小さく、引裂強度が高く、反撥弾性が高い特性を持つ。
なお、上記ゲル分率(ゲル含量;キシレン不溶解分)は、次のようにして測定される。
架橋発泡体の試料を秤量して細かく裁断し、次いで得られた細片を、密閉容器中にp−キシレンと共に入れ、常圧下で3時間p−キシレンを還流させた。
次に、この試料をろ紙上に取出し、絶乾させた。この乾燥残渣の重量からポリマー成分以外のキシレン不溶性成分(たとえばフィラー、充填剤、顔料等)の重量を減じた値を、「補正された最終重量(Y)」とする。
一方、試料の重量からポリマー成分以外のキシレン可溶性成分(たとえば安定剤等)の重量およびポリマー成分以外のキシレン不溶性成分(たとえばフィラー、充填剤、顔料等)の重量を減じた値を、「補正された初期重量(X)」とする。
ここに、ゲル含量(キシレン不溶解分)は、次式により求められる。
ゲル含量[重量%]=([補正された最終重量(Y)]÷[補正された初期重量(X)])×100
発泡体の調製
本発明に係る発泡体(非架橋または架橋発泡体)は、たとえば以下のような方法により調製することができる。
本発明に係る組成物のシートは、たとえば組成物の調製の項で述べた混合物を、カレンダー成形機、プレス成形機、Tダイ押出機を用いて得ることができる。このシート成形時においては、発泡剤(C)および有機ペルオキシド(D)の分解温度以下でシート成形する必要があり、具体的には、組成物の溶融状態での温度が100〜130℃となる条件に設定してシート成形する必要がある。
上記方法によってシート化された組成物は、130〜200℃に保持された金型に、金型の容積に対して1.0〜1.2の範囲に裁断して、金型内に挿入する。金型の型締め圧力は30〜300kgf/cm2、保持時間10〜90分の条件下で、一次発泡体(非架橋または架橋発泡体)を作製する。ただし、(架橋)時間については、金型の厚さに依存するため、この範囲を超えて、適宜増減され得る。
上記(架橋)発泡用金型は、その形状は特に制限はされないが、通常シートが得られるような形状を有している金型が用いられる。この金型は、溶融樹脂および発泡剤分解時に発生するガスが抜けないように、完全に密閉された構造とする必要がある。また、型枠としては、内面にテーパーが付いている型枠が樹脂の離型性の面から好ましい。
上記方法により得られた一次発泡体を、圧縮成形により所定の形状の付与を行なう。このときの圧縮成形条件は、金型温度が130〜200℃、型締め圧力が30〜300kgf/cm2、圧縮時間が5〜60分、圧縮比が1.1〜3.0の範囲である。
また、電離性放射線照射による架橋方法により架橋発泡体を得るには、まず、エチレン・α−オレフィン共重合体(A1)、スチレン系ブロック共重合体(B)と、発泡剤(C)として有機系熱分解型発泡剤と、他の添加剤とを、有機系熱分解型発泡剤の分解温度未満の温度で溶融混練し、得られた混練物をたとえばシート状に成形し、発泡性シートを得る。
次いで、得られた発泡性シートに電離性放射線を所定量照射してエチレン・α−オレフィン共重合体(A1)とスチレン系ブロック共重合体(B)、必要によりエチレン・極性モノマー共重合体(A2)、とを架橋させた後、得られた発泡性の架橋シートを有機系熱分解型発泡剤の分解温度以上に加熱して発泡させることによって、架橋発泡シートを得ることができる。
電離性放射線としては、α線、β線、γ線、電子線、中性子線、X線などが用いられる。このうちコバルト−60のγ線、電子線が好ましく用いられる。
発泡体の製品形状としては、たとえばシート状、厚物ボード状、ネット状、型物などが挙げられる。
上記のようにして得られた架橋発泡体から、上述した二次発泡体の製造方法と同様にして、上記物性を有する二次架橋発泡体を調製することができる。
積層体
本発明に係る積層体は、上記した、本発明に係る発泡体(非架橋または架橋発泡体)からなる層と、ポリオレフィン、ポリウレタン、ゴム、皮革および人工皮革からなる群から選ばれる少なくとも一種の素材からなる層とを有する積層体である。
上記のポリオレフィン、ポリウレタン、ゴム、皮革および人工皮革は、特に制限はなく、従来公知のポリオレフィン、ポリウレタン、ゴム、皮革、人工皮革を用いることができる。このような積層体は、特に履き物ないし履き物用部品の用途に好適である。
履き物ないし履き物用部品
本発明に係る履き物ないし履き物用部品は、上記した、本発明に係る発泡体(非架橋または架橋発泡体)または積層体からなる。履き物用部品としては、たとえば靴底、靴のミッドソール、インナーソール、ソール、サンダルなどが挙げられる。
【実施例】
以下、本発明について実施例に基づいてさらに具体的に説明するが、本発明はかかる実施例により何等限定されるものではない。
なお、実施例および比較例で用いたエチレン・1−ブテン共重合体の密度、MFR、B値、Tαβ強度比、分子量分布(Mw/Mn)また、実施例および比較例で得られた架橋発泡体について、比重、圧縮永久歪み、引裂強度、アスカーC硬度(表面硬度)および反発弾性を下記の方法に従って測定した。
エチレン・1−ブテン共重合体の物性評価
(1)密度
密度は、ASTM D1505に従い、23℃にて求めた。
(2)MFR
MFRは、ASTM D1238に従い、190℃にて求めた。2.16kg荷重での測定値をMFR2、10kg荷重での測定値をMFR10とした。
(3)B値、Tαβ強度比
13C−NMRにより求めた。
(4)分子量分布(Mw/Mn)
ゲルパーミエーションクロマトグラフにより、オルトジクロロベンゼン溶媒、140℃にて求めた。
架橋発泡体の物性評価
(1)比重
比重は、JIS K7222に従って測定した。
(2)圧縮永久歪み
JIS K6301に従って、50℃×6時間、圧縮量50%の条件で圧縮永久歪み試験を行い、圧縮永久歪み(CS)を求めた。
(3)引裂強度
BS5131−2.6に従って、引張速度10mm/分の条件で引裂強度試験を行い、引裂強度を求めた。
(4)アスカーC硬度
アスカーC硬度は、JIS K7312−1996付属書2記載の「スプリング硬さ試験タイプC試験方法」に従って、23℃及び50℃にて求めた。
(5)反発弾性
反発弾性は、JIS K6255に従って測定した。
(6)積層体の接着強度
<二次架橋発泡体の処理>
まず、二次架橋発泡体表面を、界面活性剤を使用して水洗し、室温で1時間乾燥させた。
次に、この二次架橋発泡体を、メチルシクロヘキサン中に3分間浸漬させ、その後60℃のオーブン中で3分間乾燥させた。
続いて、UV硬化型プライマー〔大東樹脂(株)製、GE258H1〕を薄く刷毛塗りし、60℃のオーブン中で3分間乾燥させた後、80W/cmの高圧水銀灯3灯を通過方向に垂直に設置した照射装置〔日本電池(株)製、EPSH−600−3S型、UV照射装置〕を用い、光源下15cmの位置において、コンベアースピードを10m/分の速度で移動させUV光を照射させた。
その後、補助プライマー〔大東樹脂(株)製のプライマーGE6001Lに、硬化剤GE366Sを5重量%添加したもの〕を薄く刷毛塗りし、60℃のオーブン中で3分間乾燥させた。
続いて、接着剤〔大東樹脂(株)製の接着剤98Hに、硬化剤GE348を4重量%添加したもの〕を薄く刷毛塗りし、60℃のオーブン中で5分間乾燥させた。
最後に上記接着剤を塗布した二次架橋発泡体と、以下の処理を施したポリウレタン(PU)合皮シートを貼り合せ、20kg/cmで10秒間圧着した。
<PU合皮シートの処理>
PU合皮シートの表面をメチルエチルケトンを用いて洗浄し、室温で1時間乾燥させた。
次に、補助プライマー〔大東樹脂(株)製のプライマーGE6001Lに、硬化剤GE366Sを5重量%添加したもの〕を薄く刷毛塗りし、60℃のオーブン中で3分間乾燥させた。
続いて、接着剤〔大東樹脂(株)製の接着剤98Hに、硬化剤GE348を4重量%添加したもの〕を薄く刷毛塗りし、60℃のオーブン中で5分間乾燥させた。
<剥離試験>
上記圧着シートの24時間後の接着強度を、以下の要領で評価した。
すなわち、圧着シートを1cm幅に裁断し、その端部を剥離した後、端部を200mm/分の速度で180°方向に引張り、剥離強度を測定した。なお、サンプル数は5個で、表2に示す接着強度は平均値である。また、そのときの剥離状態を肉眼で観察した。
実施例で用いたスチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体は次の通りである。
(1)スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体(B−1)
タフプレン125(旭化成工業株式会社)
スチレン含量=40重量%
密度(ASTM D1505,23℃)=0.95g/cm3
メルトフローレート(MFR2)(ASTM D1238、荷重2.16kg、190℃)=4.5g/10分
(2)スチレン・エチレン・ブテン・スチレンブロック共重合体(B−2)
タフテックH−1051(旭化成工業株式会社)
スチレン含量=40重量%
密度(ASTM D1505,23℃)=0.93g/cm3
メルトフローレート(MFR2)(ASTM D1238、荷重2.16kg、190℃)=0.8g/10分
実施例で用いたエチレン・極性モノマー共重合体は次の通りである。
(1)エチレン・酢酸ビニル共重合体(A2−1)
EV460(三井・デュポンポリケミカル株式会社)
酢酸ビニル含量=19重量%
密度(ASTM D1505,23℃)=0.94g/cm3
メルトフローレート(MFR2)(ASTM D1238、荷重2.16kg、190℃)=2.5g/10分
(2)エチレン・メタアクリル酸共重合体(A2−2)
N0903HC(三井・デュポンポリケミカル株式会社)
密度(ASTM D1505,23℃)=0.93g/cm3
メルトフローレート(MFR2)(ASTM D1238、荷重2.16kg、190℃)=3g/10分
[製造例1]
[触媒溶液の調製]
トリフェニルカルベニウム(テトラキスペンタフルオロフェニル)ボレートを18.4mgとり、トルエンを5ml加えて溶解させ、濃度が0.004mM/mlのトルエン溶液を調製した。[ジメチル(t−ブチルアミド)(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)シラン]チタンジクロライドを1.8mgとり、トルエンを5ml加えて溶解させ、濃度が0.001mM/mlのトルエン溶液を調製した。重合開始時においてはトリフェニルカルベニウム(テトラキスペンタフルオロフェニル)ボレートのトルエン溶液を0.38ml、[ジメチル(t−ブチルアミド)(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)シラン]チタンジクロライドのトルエン溶液を0.38mlとり、さらに希釈用のトルエンを4.24ml加えて、トリフェニルカルベニウム(テトラキスペンタフルオロフェニル)ボレートがB換算で0.002mM/Lに、[ジメチル(t−ブチルアミド)(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)シラン]チタンジクロリドがTi換算で0.0005mM/Lとなるトルエン溶液を5ml調製した。
[エチレン・1−ブテン共重合体(A1−1)の調製]
充分窒素置換した容量1.5リットルの攪拌翼付SUS製オートクレーブに、23℃でヘプタン750mlを挿入した。このオートクレーブに、攪拌翼を回し、かつ氷冷しながら1−ブテン10g、水素120mlを挿入した。次にオートクレーブを100℃まで加熱し、更に、全圧が6KGとなるようにエチレンで加圧した。オートクレーブの内圧が6KGになった所で、トリイソブチルアルミニウム(TIBA)の1.0mM/mlヘキサン溶液1.0mlを窒素で圧入した。続いて、上記の如く調製した触媒溶液5mlを、窒素でオートクレーブに圧入し重合を開始した。その後、5分間、オートクレーブを内温100℃になるように温度調製し、かつ圧力が6kgとなるように直接的にエチレンの供給を行った。重合開始5分後、オートクレーブにポンプでメタノール5mlを挿入し重合を停止し、オートクレーブを大気圧まで脱圧した。反応溶液に3リットルのメタノールを攪拌しながら注いだ。得られた溶媒を含む重合体を130℃、13時間、600torrで乾燥して10gのエチレン・ブテン共重合体A1−1を得た。得られたエチレン・1−ブテン共重合体の性状を表1に示す。

【実施例1】
エチレン・1−ブテン共重合体(A1−1)80重量部、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)(B−1)20重量部、酸化亜鉛3.0重量部、ジクミルペルオキシド(DCP)0.6重量部、トリアリルイソシアヌレート(TAIC)[商品名 M−60(TAIC含有量60%)、日本化成(株)製]0.07重量部(TAIC含量として)、1,2−ポリブタジエン0.3重量部、アゾジカルボンアミド7重量部からなる混合物を、ロールにより、ロール表面温度120℃で10分間混練した後、シート状に成形した。
得られたシートは、プレス金型に充填し、150kg/cm、155℃、30分の条件で、加圧、加熱し、一次架橋発泡体を得た。このプレス金型のサイズは、厚み15mm、縦150mm、横200mmであった。
次いで、この一次架橋発泡体を、150kg/cm、155℃の条件で10分間圧縮成形を行い、二次架橋発泡体を得た。得られた二次架橋発泡体のサイズは、厚み15mm、縦160mm、250mmであった。
次いで、この二次架橋発泡体の比重、圧縮永久歪み、引裂強度、アスカーC硬度、反発弾性を上記方法に従って測定した。また、発泡体とポリウレタン(PU)合皮シートからなる積層体の接着強度を上記方法に従って測定するとともに、そのときの剥離状態を肉眼で観察した。その結果を表2に示す。
【実施例2】
実施例1において、エチレン・1−ブテン共重合体(A1−1)80重量部から90重量部に、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)(B−1)20重量部から10重量部に変更した以外は、実施例1と同様にして二次架橋発泡体を調製し、物性測定を行った。その結果を表2に示す。
【実施例3】
実施例1において、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)(B−1)20重量部からスチレン−エチレン−ブテン−スチレンブロック共重合体(SEBS)(B−2)20重量部に、アゾジカルボンアミド7重量部から6.5重量部に変更した以外は、実施例1と同様にして二次架橋発泡体を調製し、物性測定を行った。その結果を表2に示す。
【実施例4】
実施例1において、エチレン・1−ブテン共重合体(A1−1)80重量部から60重量部に、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)(B−1)20重量部からスチレン−エチレン−ブテン−スチレンブロック共重合体(SEBS)(B−2)40重量部に、アゾジカルボンアミド7重量部から6.5重量部に変更した以外は、実施例1と同様にして二次架橋発泡体を調製し、物性測定を行った。その結果を表2に示す。
【実施例5】
実施例1において、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)(B−1)20重量部からスチレン−エチレン−ブテン−スチレンブロック共重合体(SEBS)(B−2)20重量部に変更し、(A1−1)+(B−2)=100重量部に対してエチレン・酢酸ビニル共重合体(A2−1)25重量部を加え、アゾジカルボンアミド7重量部から6.5重量部に変更した以外は、実施例1と同様にして二次架橋発泡体を調製し、物性測定を行った。その結果を表2に示す。
【実施例6】
実施例1において、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)(B−1)20重量部からスチレン−エチレン−ブテン−スチレンブロック共重合体(SEBS)(B−2)20重量部に変更し、(A1−1)+(B−2)=100重量部に対してエチレン・メタアクリル酸共重合体(A2−2)10重量部を加え、アゾジカルボンアミド7重量部から6.5重量部に変更した以外は、実施例1と同様にして二次架橋発泡体を調製し、物性測定を行った。その結果を表2に示す。
[比較例1]
実施例1において、エチレン・1−ブテン共重合体(A1−1)80重量部から100重量部に、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)(B−1)20重量部から0重量部に変更した以外は、実施例1と同様にして二次架橋発泡体を調製し、物性測定を行った。その結果を表2に示す。
[比較例2]
実施例1において、エチレン・1−ブテン共重合体(A1−1)80重量部から0重量部に、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)(B−1)20重量部から100重量部に変更した以外は、実施例1と同様にして架橋発泡体の作製をおこなったが、ガス抜けにより発泡しなかった。
[比較例3]
実施例1において、エチレン・1−ブテン共重合体(A1−1)80重量部から0重量部に、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)(B−1)20重量部からエチレン・酢酸ビニル共重合体(A2−1)100重量部に、アゾジカルボンアミド7重量部から6.0重量部に変更した以外は、実施例1と同様にして二次架橋発泡体を調製し、物性測定を行った。その結果を表2に示す。

【産業上の利用可能性】
本発明によれば、低比重で永久圧縮歪(CS)が小さく、しかも引張強度特性、引裂強度特性および反撥弾性に優れ、高温での硬度低下が少ない発泡体(非架橋および架橋発泡体)を提供し得る樹脂組成物、その発泡体およびその発泡体を用いた積層体を得ることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エチレン・α−オレフィン共重合体(A1)5〜95重量部、スチレン系ブロック共重合体(B)5〜95重量部ならびに(A1)(B)の合計100重量部に対して(A2)エチレン・極性モノマー共重合体を0〜1900重量部含むことを特徴とする発泡体用樹脂組成物。
【請求項2】
エチレン・α−オレフィン共重合体(A1)5〜95重量部、スチレン系ブロック共重合体(B)5〜95重量部ならびに(A1)(B)の合計100重量部に対して(A2)エチレン・極性モノマー共重合体0〜1900重量部および発泡剤(C)を含むことを特徴とする発泡体用樹脂組成物。
【請求項3】
エチレン・α−オレフィン共重合体(A1)が以下の性質を有することを特徴とする請求項1乃至2に記載の樹脂組成物。
エチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとからなるエチレン・α−オレフィン共重合体であり、密度(ASTM D1505,23℃)が0.857〜0.910g/cm3の範囲にあり、190℃、2.16kg荷重におけるメルトフローレート(MFR2)(ASTM D1238、荷重2.16kg、190℃)が0.1〜40g/10分の範囲にあり、GPC法により評価される分子量分布の指数:Mw/Muが1.5〜3.0の範囲にある。
【請求項4】
エチレン・α−オレフィン共重合体(A1)が、エチレン・1−ブテン共重合体であることを特徴とする請求項1のいずれかに記載の樹脂組成物。
【請求項5】
スチレン系ブロック共重合体(B)が、スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体、スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体またはこれらの水素添加重合体であることを特徴とする請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項6】
発泡剤(C)が有機系熱分解型発泡剤、無機系熱分解型発泡剤、有機系物理発泡剤および無機系物理発泡剤から選ばれることを特徴とする請求項2に記載の樹脂組成物。
【請求項7】
請求項1のいずれかに記載の樹脂組成物を熱処理して得られることを特徴とする発泡体。
【請求項8】
請求項6に記載の発泡体を二次圧縮して得られることを特徴とする発泡体。
【請求項9】
エチレン・α−オレフィン共重合体(A1)5〜95重量部、スチレン系ブロック共重合体(B)5〜95重量部ならびに(A1)(B)の合計100重量部に対してエチレン・極性モノマー共重合体(A2)を0〜1900重量部含み、ゲル含量が70%以上、比重が0.6以下であることを特徴とする発泡体。
【請求項10】
請求項7ないし9に記載の発泡体からなる層と、ポリオレフィン、ポリウレタン、ゴム、皮革および人工皮革からなる群から選ばれる少なくとも一種の素材からなる層を有することを特徴とする積層体。
【請求項11】
請求項7ないし9に記載の発泡体または請求項10に記載の積層体からなることを特徴とする履き物。
【請求項12】
請求項7ないし9に記載の発泡体または請求項10に記載の積層体からなることを特徴とする履き物用部品。
【請求項13】
前記履き物用部品が、ミッドソール、インナーソールまたはソールであることを特徴とする請求項12に記載の履き物用部品。

【国際公開番号】WO2005/000958
【国際公開日】平成17年1月6日(2005.1.6)
【発行日】平成18年8月3日(2006.8.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−511028(P2005−511028)
【国際出願番号】PCT/JP2004/008836
【国際出願日】平成16年6月17日(2004.6.17)
【出願人】(000005887)三井化学株式会社 (2,318)
【Fターム(参考)】