説明

発泡砥石用2液型ウレタン樹脂組成物、ポリウレタン発泡砥石、及びポリウレタン発泡砥石の製造方法

【課題】 本発明が解決しようとする課題は、二液混合注型機で安定的に発泡砥石用成形品を製造でき、発泡砥石として機械物性に優れ、かつ、親水性の高いウレタン発泡砥石を製造できる発泡砥石用2液型ウレタン樹脂組成物、それを用いたポリウレタン発泡砥石、及びポリウレタン発泡砥石の製造方法を提供することである。
【解決手段】 イソシアネート基末端ウレタンプレポリマー(1)を含有する主剤と、硬化剤(2)と、水(3)とを含有する発泡砥石用2液型ウレタン樹脂組成物であって、
前記硬化剤(2)が、下記式で表される二核体のポリアミノクロロフェニルメタン化合物を80〜100重量%含有するポリアミノクロロフェニルメタン混合物(A)と、ポリエチレングリコール(B)と、を含有するものであることを特徴とする発泡砥石用2液型ウレタン樹脂組成物。
【化1】


(式中、Xは塩素原子又は水素原子を表す。)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発泡砥石用2液型ウレタン樹脂組成物、ポリウレタン発泡砥石、及びポリウレタン発泡砥石の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ウレタン樹脂原料のアミン化合物であるアミノクロロフェニルメタン化合物は、通常モカ(MOCA)、或いは、MBOCAと呼ばれ、砥石や研磨パッド用ウレタン発泡体の製造に用いられている。(例えば特許文献1〜3)。
【0003】
例えば、引用文献1には、イソシアネート末端プレポリマーを含む第1成分とMOCAを含む第2成分とを混合し、硬化してポリウレタン樹脂発泡体を製造する工程(1)を含む研磨パッドの製造方法であって、前記イソシアネート末端プレポリマーが、水酸基以外の親水性基を有しない疎水性高分子量ポリオール成分とイソシアネート成分とを原料成分として含有してなる疎水性イソシアネート末端プレポリマー(A)と、エチレンオキサイド単位(−CHCHO−)を有する親水性高分子量ポリオール成分とイソシアネート成分とを原料成分として含有してなる親水性イソシアネート末端プレポリマー(B)とであり、かつ前記プレポリマー(A)とプレポリマー(B)は別々に合成されたものであることを特徴とする研磨パッドの製造方法が開示されている。しかしながら、前記疎水性イソシアネート末端プレポリマー(A)と、親水性イソシアネート末端プレポリマー(B)と、は相溶性が不良で相分離するため、製造安定性が不良であるとの問題点があった。また、硬化剤としてMOCAをそのまま使用すると、イソシアネート末端プレポリマーと反応させる際の硬化時間が非常に早いため、研磨パッドの製造安定性が不良であるとの問題点があった。
【0004】
特許文献2には、微細気泡を有するポリウレタン発泡体からなる研磨層を有する研磨パッドにおいて、前記ポリウレタン発泡体は、(1)イソシアネート単量体、高分子量ポリオールα、及び低分子量ポリオールを含有してなるイソシアネート末端プレポリマーA、(2)多量化ジイソシアネート、及び数平均分子量200〜1000のポリエチレングリコールを含有してなるイソシアネート末端プレポリマーB、及び(3)鎖延長剤、との反応硬化体を含むことを特徴とする研磨パッドが開示されている。しかしながら、前記イソシアネート末端プレポリマーAと、前記イソシアネート末端プレポリマーBと、は相溶性が不良で相分離するため、製造安定性が不良であるとの問題点があった。また、特許文献1記載の発明と同様に、鎖延長剤としてMOCAをそのまま使用すると、イソシアネート末端プレポリマーと反応させる際の硬化時間が非常に早いため、研磨パッドの製造安定性が不良であるとの問題点があった。
【0005】
特許文献3には、二核体のアミノクロロフェニルメタン化合物を50〜70重量%、三核体のアミノクロロフェニルメタン化合物を20〜40重量%、及び四核体以上のポリアミノクロロフェニルメタン化合物を5〜10重量%からなるポリアミノクロロフェニルメタン混合物をポリオールに均一に溶解し、更にポリイソシアネート、水を加え、注型機で金型に注型発泡させて発泡成形品を得た後に成形品をスライスして製造される発泡砥石が開示されている。係る発明は、特定の重量割合のアミノクロロフェニルメタン混合物をポリテトラメチレングリコール(特に実施例参照。)に安定に溶解しているため、研磨パッドの製造安定性に優れている。しかしながら、アミノクロロフェニルメタン混合物をポリテトラメチレングリコールに溶解しているため、発泡砥石の親水性が低く、スラリーとの相性が不良であるとの問題点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−68174号公報
【特許文献2】特開2008−238361号公報
【特許文献3】特開2004−211076号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、二液混合注型機で安定的に発泡砥石用成形品を製造でき、発泡砥石として機械物性に優れ、かつ、親水性の高いウレタン発泡砥石を製造できる発泡砥石用2液型ウレタン樹脂組成物、それを用いたポリウレタン発泡砥石、及びポリウレタン発泡砥石の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者等は、前記課題を解決すべく研究を進める中で、硬化剤に着目し、高純度の二核体のポリアミノクロロフェニルメタン化合物が溶解し得るポリオールを研究した。
その結果、高純度の二核体のポリアミノクロロフェニルメタン化合物と、ポリエチレングリコールと、を含有した硬化剤を使用した場合に、発泡砥石の製造安定性に優れ、機械物性、及び親水性の高い発泡砥石を得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、イソシアネート基末端ウレタンプレポリマー(1)を含有する主剤と、硬化剤(2)と、水(3)とを含有する発泡砥石用2液型ウレタン樹脂組成物であって、
前記硬化剤(2)が、下記式で表される二核体のポリアミノクロロフェニルメタン化合物を80〜100重量%含有するポリアミノクロロフェニルメタン混合物(A)と、ポリエチレングリコール(B)と、を含有するものであることを特徴とする発泡砥石用2液型ウレタン樹脂組成物、
【0009】
【化1】

(式中、Xは塩素原子又は水素原子を表す。)
ポリウレタン発泡砥石、及びポリウレタン発泡砥石の製造方法を提供するものである。
前記化1の式で表される二核体のアミノクロロフェニルメタン化合物には、全てのXが水素原子である場合が含まれるが、本願明細書では便宜上全てのXが水素原子の場合も含めて「アミノクロロフェニルメタン化合物」と称することとする。
【発明の効果】
【0010】
本発明の2液型ウレタン樹脂組成物は、特定のポリアミノクロロフェニルメタン化合物の混合物(A)とポリエチレングリコール(B)とを含有することにより、相溶性に優れ、溶解安定性に優れることから、簡便な二液混合注型機での砥石用発泡成形品の成形を可能にするものである。また、発泡剤である水を、ポリアミノクロロフェニルメタン化合物の混合物(A)を含有する硬化剤に添加することができ、2液型ウレタン樹脂組成物の温調を水の沸点以下にすることができるので、成形時に水が飛散することがないため密度分布が均一で、機械物性に優れたポリウレタン発泡砥石をもたらすことができる。さらに本発明によれば、親水性成分であるポリエチレングリコール(B)により親水性の高いポリウレタン発泡砥石をもたらすことができる。
さらに、砥粒を添加することにより有用なポリウレタン発泡砥石、及びその製造方法を提供することができる。本発明のポリウレタン発泡砥石は、液晶ディスプレイ用ガラス基板、ハードディスク駆動装置用ガラス基板、半導体用シリコン等の精密製品研磨用途に有用である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
先ず、本発明の発泡砥石用2液型ウレタン樹脂組成物について説明する。
【0012】
前記発泡砥石用2液型ウレタン樹脂組成物は、イソシアネート基末端ウレタンプレポリマー(1)を含有する主剤と、硬化剤(2)と、水(3)、及び、必要に応じてその他の添加剤、とを配合し、混合してなる。
【0013】
前記イソシアネート基末端ウレタンプレポリマー(1)(以下、プレポリマー(1)と略称する。)は、ポリイソシアネート化合物(1−1)と、ポリオール(1−2)と、を従来公知の方法に従い、反応させて得られたイソシアネート基末端ウレタンプレポリマーである。前記プレポリマー(1)を得る際の反応方法は特に限定はない。
【0014】
前記ポリイソシアネート化合物(1−1)としては、特に限定しないが、例えば2,4−ないしは2,6−トルエンジイソシアネート、1,4−テトラメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、1,12−ドデカメチレンジイソシアネート、シクロヘキサン−1,3−ないしは1,4−ジイソシアネート、1−イソシアナト−3−イソシアナトメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン(別名イソホロンジイソシアネート;以下IPDIという)、ビス−(4−イソシアナトシクロヘキシル)メタン(以下、水添MDIという)、2−ないしは4−イソシアナトシクロヘキシル−2’−イソシアナトシクロヘキシルメタン、1,3−ないしは1,4−ビス−(イソシアナトメチル)−シクロヘキサン、ビス−(4−イソシアナト−3−メチルシクロヘキシル)メタン、1,3−ないしは1,4−α,α,α’α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネート、2,2’−、2,4’−ないしは4,4’−ジイソシアナトジフェニルメタン(以下MDIという)、1,5−ナフタレンジイソシアネート、p−ないしはm−フェニレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネートまたはジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート等が挙げられ、これらは、単独で使用しても2種以上を併用してもよい。これらの中でも、トルエンジイソシアネートがより好ましい。
【0015】
前記ポリオール(1−2)としては、好ましくは分子量500〜3000のもので、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレンプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、2−メチル−1,3−プロパンアジペート、3−メチル−1,5ペンタンアジペート、ポリカーボネートポリオール等が挙げられ、更に、分子量50〜300のグリコールが併用される場合もある。より好ましくは、分子量500〜1200のポリテトラメチレングリコールである。
【0016】
本発明の発泡砥石用2液型ウレタン樹脂組成物で使用されるプレポリマー(1)のより好ましいものとしては、トルエンジイソシアネート系末端イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーが使用される。特に、その融点が60℃以下、特に常温で液状であるものが好適である。また、とりわけ機械的強度等の観点から、プレポリマー(1)のイソシアネート基当量としては、好ましくは300〜500で、プレポリマーとしてトルエンジイソシアネートとポリオールとを反応して得られるものである。更に上記の他のポリイソシアネート化合物とポリオールを反応して得られたものを併用することができる。なお、本願明細書では、「当量」の単位として、「g/eq」を用いるが、略称する。
【0017】
前記分子量50〜300のグリコールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−ブチル−2−エチル1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール等の脂肪族ジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールA等の脂環族ジオール、等であり、3官能以上の成分としてグリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等が挙げられる。これらの中でも、ジエチレングリコールがより好ましい。また、これらは単独で使用しても2種以上を併用してもよい。
【0018】
前記プレポリマー(1)の製造時におけるポリイソシアネート化合物(1−1)のイソシアネート基と、ポリオール(1−2)の水酸基のモル比(即ち、NCO/OHモル比)は、好ましくは1.30〜3.50である。
【0019】
また、前記プレポリマー(1)を製造する際には、必要に応じて三級アミン触媒や有機金属系触媒等を使用して反応を促進することができる。
【0020】
次に、本発明で使用する前記硬化剤(2)について説明する。
【0021】
本発明で使用する硬化剤(2)は、前記化1の式で表される二核体のポリアミノクロロフェニルメタン化合物を80〜100重量%含有するポリアミノクロロフェニルメタン混合物(A)(以下、混合物(A)と略称する。)と、ポリエチレングリコール(B)と、を含有するものである。前記混合物(A)は、クロロアニリンとホルマリンとを原料として二核体であるMOCAを製造する際に、その生成物として三核体及び四核体以上のポリアミノクロロフェニルメタン化合物を含む混合物として得られるものである。よって、前記化1の式のXは、少なくとも1つは塩素原子である。この混合物(A)は、常温では固体であるが、好ましくは、80℃以下の温度、より好ましくは50〜80℃の温度で融けて、液体となる性質を有するものである。前記混合物(A)として、前記混合物(A)における二核体のポリアミノクロロフェニルメタン化合物の重量割合が80〜100重量%以外であるものを使用すると、ポリウレタン発泡砥石として十分な耐久性や均一な密度分布が得られない。また、ポリウレタン発泡砥石の機械物性をより向上できる観点から、前記混合物(A)における二核体のポリアミノクロロフェニルメタン化合物の重量割合は85〜99重量%がより好ましく、90〜95重量%が特に好ましい。
【0022】
本発明で使用する前記ポリエチレングリコール(B)の分子量は、200〜1700が好ましく、より好ましくは500〜1600である。前記ポリエチレングリコール(B)は、混合物(A)と相溶し、常温(25℃)で液状のもの、あるいは常温(25℃)で固体であっても110℃以下の融点を有するものである。混合物(A)を溶解するポリエチレングリコール(B)は、前記分子量のものから選択されるが、特に砥粒を含む砥石の製造の場合には、砥粒の配合量に合わせて決定される。これは、砥粒を配合する事により発泡砥石用2液型ウレタン樹脂組成物の粘度が高くなり過ぎ、通常の二液混合注型機で成形が出来なくなるからである。また、ポリエチレングリコール(B)の粘度は、好ましくは50〜1000mPa・s(25℃)である。なお、粘度はB型粘度計で測定した値である。
【0023】
前記硬化剤(2)に使用されるポリエチレングリコール(B)における、EO(エチレンオキサイド)含有量は、特に限定はないが、発泡砥石の親水性を向上できる観点から、30〜60重量%であることが好ましく、30〜55重量%がより好ましく、35〜45重量%が特に好ましい。
【0024】
前記硬化剤(2)は、常温(25℃)で液状、あるいは常温(25℃)で固体であっても110℃以下の融点を有するものである。
【0025】
また、前記硬化剤(2)における混合物(A)とポリエチレングリコール(B)との重量割合は、特に限定はないが、(A)/(B)=60/40〜40/60であることがより好ましい。(A)と(B)との重量割合が前記の範囲であれば、硬化剤(2)が常温(25℃)で液状を示すため、発泡砥石の製造安定性をより向上させることができる観点から好ましい。
【0026】
前記硬化剤(2)の製造は、好ましくは100〜120℃に加熱することにより融かされた混合物(A)を、好ましくは80〜110℃に加熱されたポリエチレングリコール(B)に添加混合することにより得られる。その際、好ましくは100〜110℃に加熱し5〜10mmHgに減圧しながら、好ましくは30分〜2時間脱水することにより得られる。
【0027】
本発明で使用する水(3)は、発泡剤として使用するもので、汚れ、濁りがない水、水道水等であれば特に問題なく使用できるが、好ましくはイオン交換水、純水である。また、水(3)の添加量は、前記混合物(A)とポリエチレングリコール(B)との合計重量に対し、0.01〜5重量%添加されるのが好ましく、より好ましくは0.05〜2重量%である。
【0028】
本発明の発泡砥石用2液型ウレタン樹脂組成物では、前記混合物(A)とポリエチレングリコール(B)、及び水(3)とからなるものの当量比を、前記プレポリマー(1)のイソシアネート基1当量に対して、OH基及びNH基を好ましくは0.6〜1当量、より好ましくは0.7〜0.95当量となるように配合される。但し、水は1モルをOH基換算で2当量として計算する。
【0029】
また、本発明の発泡砥石用2液型ウレタン樹脂組成物では、前記硬化剤(2)と水(3)との合計重量と、前記プレポリマー(1)の重量と、の重量比が、(2)+(3)/(1)=30〜60/100であることが好ましい。
【0030】
本発明の発泡砥石用2液型ウレタン樹脂組成物には、必要に応じてその他の添加剤を適宜添加してもよい。前記その他の添加剤としては、例えば、ウレタン化触媒、砥粒、整泡剤、充填剤、顔料、増粘剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、界面活性剤、難燃剤、可塑剤
等が挙げられる。特にウレタン化触媒及び整泡剤を添加することが好ましい。
【0031】
前記ウレタン化触媒としては、例えば、N,N−ジメチルアミノエチルエーテル、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン、またはN−メチルモルホリン等の種々の含窒素化合物、酢酸カリウム、ステアリン酸亜鉛、またはオクチル酸錫等の種々の金属塩、ジブチルチンジラウレート等の種々の有機金属化合物などが挙げられる。また前記整泡剤とは、シリコーン系界面活性剤、例えばトーレシリコンSH−193、SH−192、SH−190(東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製品)等が挙げられる。その添加量は、前記硬化剤(2)に対して、好ましくは0.01〜5重量%である。
【0032】
前記砥粒としては、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、炭化ケイ素、アルミナ等が好ましい。これらを配合して得られる発泡成形品がポリウレタン発泡砥石を切り出す材料として有用である。特に好ましくは、酸化セリウム、酸化ジルコニウムである。使用する砥粒の平均粒径は、特に指定しないが、研磨目的により好ましくは平均粒径0.1μm〜200μmである。砥粒の平均粒径が200μmより大きくなると、二液混合注型機のタンク内で沈降し易くなり、又、ヘッドノズルの詰まりの原因になる場合があるので好ましくない。砥粒の平均粒径が大きくなるほど砥粒が沈降し易くなる為、二液混合注型機のタンク内攪拌羽根の構造及び回転数を考慮する必要がある。前記砥粒は、混合物(A)とポリエチレングリコール(B)との合計100重量部に対して、砥粒10〜200重量部の範囲で使用するのが良好である。
【0033】
本発明の発泡砥石用2液型ウレタン樹脂組成物を用いる発泡砥石の製造方法は、前記混合物(A)とポリエチレングリコール(B)との相溶性が良く、(A)及び(B)とを含有する硬化剤(2)を使用するのが良い。水(3)を添加した前記硬化剤(2)と、プレポリマー(1)とを、二液混合注型機のそれぞれ別のタンクへ入れて、硬化剤(2)を好ましくは20〜100℃に加温し、プレポリマー(1)を好ましくは40〜90℃に加温し、それぞれを二液混合注型機で混合した混合液を、好ましくは40〜100℃、より好ましくは40〜80℃の金型へ注入し、円滑に反応させ、発泡と同時に硬化が生じるような配合で発泡砥石用成形品を得るものである。好ましくは30分〜2時間、40〜100℃の金型内で放置した後、該成形品を取り出し、好ましくは100〜120℃、8〜17時間の条件でアフタキュアを行い、該成形品を好ましくは厚み0.5mm〜5cmにスライサーで切り出し、シート状発泡砥石を得ることができる。
【0034】
また、本発明の発泡砥石用2液型ウレタン樹脂組成物を用いて砥石を製造する場合は、砥粒の事前混合はプレポリマー(1)でも前記硬化剤(2)のどちらでもかまわないが、より好ましくは配合液の安定性の面より硬化剤(2)の方に配合するのが望ましい。砥粒を事前配合するには、高速撹拌可能な攪拌機に入れた混合物(A)及びポリエチレングリコール(B)を含有する硬化剤(2)を、撹拌しながら砥粒を分割投入すると均一に分散し易い。又、高速撹拌により、砥粒表面が濡れ易く空気による砥粒の溜まりが無くなる。更に真空脱泡する事により、砥粒からの空気を出すと共に、砥粒の濡れも良くなる。砥粒の濡れを良くする事は、ウレタン樹脂と砥粒の結合が強くなり、研磨時における砥粒の脱落が少なくなる。尚、砥石については、上記砥粒を配合した方が好ましいが、用途によっては砥粒を配合しないものも使用に供することができる。
本発明のポリウレタン発泡砥石は、砥粒を含有しない場合の比重を0.3〜1.0とするのが好ましく、砥粒を含有する場合の比重は0.3〜1.2とするのが好ましい。比重が低すぎる場合は強度不足で摩耗も激しく、比重が高すぎる場合は多孔空間が少ないため、研磨効果が低い。
【0035】
また、前記発泡砥石用2液型ウレタン樹脂組成物を用いる発泡砥石における、EO(エチレンオキサイド)含有量は、特に限定はないが、発泡砥石の親水性を向上できる観点から、10〜40重量%であることが好ましく、15〜30重量%であることが特に好ましい。
【0036】
本発明の2液型ウレタン樹脂組成物は、特定のポリアミノクロロフェニルメタン化合物の混合物(A)とポリエチレングリコール(B)とを含有ことにより、相溶性に優れ、溶解安定性に優れることから、水、整泡剤、触媒の添加混合を容易にできる。また、本発明の2液型ウレタン樹脂組成物は、二液混合注型機での成形を可能にし、水の蒸発飛散がないため、均一な密度分布を有し機械物性に優れた発泡砥石用ウレタン発泡体を簡便に製造することができる。さらに本発明の2液型ウレタン樹脂組成物は、親水性成分であるポリエチレングリコール(B)により親水性の高いポリウレタン発泡砥石をもたらすことができる。さらに、砥粒を添加することにより有用なポリウレタン発泡砥石、及びその製造方法を提供することができる。本発明のポリウレタン発泡砥石は、液晶ディスプレイ用ガラス基板、ハードディスク駆動装置用ガラス基板、半導体用シリコン等の精密製品研磨用途に好適に使用できる。
【実施例】
【0037】
以下、本発明を実施例により、一層具体的に説明するが、本発明の範囲はこれら実施例のみに限定されるものではない。
また、本発明では、特に断りのない限り、「部」は「重量部」、「%」は「重量%」である。
なお、本発明で用いた測定方法及び評価方法は、以下の通りである。
【0038】
[プレポリマー(1)のイソシアネート基当量(NCO当量)の測定方法]
プレポリマー(1)のNCO当量の測定は、JIS K 7301に準拠して、資料を乾燥トルエンに溶解し、過剰のジ−n−ブチルアミン溶液を加えて反応させ、残存するジ-n-ブチルアミンを塩酸標準溶液で逆滴定して求めた。
【0039】
[プレポリマー(1)の安定性の評価方法]
プレポリマーの安定性は、プレポリマーを調整後、1週間、恒温水槽設定温度23℃で浸漬した後の性状を目視で観察した。
尚、1週間後に相分離しているものは、「×」と判定した。
【0040】
[硬化剤(2)の性状]
硬化剤(2)の性状は、硬化剤を恒温水槽設定温度23℃で、1時間浸漬した後の性状を目視で観察した。
【0041】
[プレポリマー(1)の反応性(ポットライフ)の測定方法]
プレポリマー(1)を含有する主剤と、硬化剤(2)を、それぞれ内温80℃に調整し、次いで、主剤と硬化剤を混合してウレタン樹脂組成物に調整した時Tを基点に、前記ウレタン樹脂組成物の粘度が50000mPa・sに到達するまでの時間T(単位;秒)を測定し、ウレタン樹脂組成物の反応性を測定し、ポットライフとした。
なお、ポットライフが2分以下のものは、不良であると判定した。
また、ウレタン樹脂組成物の粘度の測定は、B型粘度計にて測定した。
【0042】
[密度の測定方法]
発泡体重量を発泡体体積:kg/mで、割ることで算出した。
【0043】
[硬度(JIS A)の評価方法]
JIS K 7312−1996(硬さ試験)に準拠して、作製したポリウレタン発泡体を3cm×3cm×3cmの大きさに切り出したものを硬度測定用試料とし、試料を温度23℃±2℃、湿度50%±5%の環境で16時間静置した後に、スプリング硬さ試験とし、タイプAで評価した。
尚、硬度85(JIS A)以上であるものは、硬度に優れると判定した。
【0044】
[親水性の評価方法]
親水性の評価は作製したポリウレタン発泡体を3cm×3cm×3cmの大きさに切り出したものをサンプルとし、該サンプルを70℃の蒸留水中に24時間浸漬し、浸漬前後の重さを下記式に代入して吸水率を算出した。
吸水率(%)=[(浸漬後の重さ−浸漬前の重さ)/浸漬前の重さ]×100
尚、吸水率が3.0%以上であるものは親水性に優れると判定した。
【0045】
[耐久性の評価方法]
耐久性は耐熱水性における硬度保持率で判断した。研磨パッドを温水(50℃、60℃、70℃)にそれぞれ24時間浸漬させ、浸漬前後の硬度を下記式に代入して硬度保持率を算出した。
硬度保持率=(浸漬後の硬度/浸漬前の硬度)×100
尚、硬度保持率が70%であるものは耐久性に優れると判定した。
【0046】
[実施例1]
<ポリウレタン発泡砥石(P−1)の製造>
窒素導入管、冷却用コンデンサー、温度計、攪拌機を備えた1リットル4つ口丸底フラスコに、コスモネートT−80(トルエンジイソシアネート、三井化学(株)社製品)477部入れ攪拌した。ついで、PTMG1000(ポリテトラメチレングリコール、三菱化学(株)社製品)408.4部及びDEG(ジエチレングリコール、三菱化学(株)社製品)114.6部を投入混合し、窒素気流下70℃で約5時間反応を行い、イソシアネート基当量400のウレタンプレポリマーを得た。
次いで混合物(A)(二核体のポリアミノクロロフェニルメタン化合物を90重量%含有)とPEG1540(ポリエチレングリコール、日油(株)社製品)を重量割合=60/40で混合攪拌した硬化剤100部にイオン交換水0.5部、整泡剤トーレシリコーンSH−193(東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)社製品)0.9部、触媒 トヨキャット ET(N,N−ジメチルアミノエチルエーテル、TOYOCAT−ET、東ソー(株)社製品)0.3部を配合し良く撹拌混合し、ポリアミン組成物を得た。容器に前記ウレタンプレポリマーと前記ポリアミン組成物を重量割合=100/41で攪拌混合し、50℃に加熱した金型(100mm×100mm×50mm)に約300gを注入した。直ちに金型の蓋をした後、50℃金型で約1時間放置し、その後に発泡成形品を取り出し該発泡成形品を110℃で16時間アフタキュアを行った。その成形品をスライサーで約3cm厚に切り出したところ、表1に示した如く優れた物性を有する発泡砥石が得られた。
【0047】
[実施例2]
<ポリウレタン発泡砥石(P−2)の製造>
窒素導入管、冷却用コンデンサー、温度計、攪拌機を備えた1リットル4つ口丸底フラスコに、コスモネートT−80(トルエンジイソシアネート、三井化学(株)社製品)477部入れ攪拌した。ついで、PTMG1000(ポリテトラメチレングリコール、三菱化学(株)社製品)408.4部及びDEG(ジエチレングリコール、三菱化学(株)社製品)114.6部を投入混合し、窒素気流下70℃で約5時間反応を行い、イソシアネート基当量400のウレタンプレポリマーを得た。
次いで混合物(A)(二核体のポリアミノクロロフェニルメタン化合物を90重量%含有)とPEG1000(ポリエチレングリコール、日油(株)社製品)を重量割合=50/50で混合攪拌した硬化剤100部にイオン交換水0.5部、整泡剤トーレシリコーンSH−193(東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)社製品)0.9部、触媒 トヨキャット ET(N,N−ジメチルアミノエチルエーテル、TOYOCAT−ET、東ソー(株)社製品)0.3部を配合し良く撹拌混合し、ポリアミン組成物を得た。容器に前記ウレタンプレポリマーと前記ポリアミン組成物を重量割合=100/43で攪拌混合し、50℃に加熱した金型(100mm×100mm×50mm)に約300gを注入した。直ちに金型の蓋をした後、50℃金型で約1時間放置し、その後に発泡成形品を取り出し該発泡成形品を110℃で16時間アフタキュアを行った。その成形品をスライサーで約3cm厚に切り出したところ、表1に示した如く優れた物性を有する発泡砥石が得られた。
【0048】
[実施例3]
<ポリウレタン発泡砥石(P−3)の製造>
窒素導入管、冷却用コンデンサー、温度計、攪拌機を備えた1リットル4つ口丸底フラスコに、コスモネートT−80(トルエンジイソシアネート、三井化学(株)社製品)477部入れ攪拌した。ついで、PTMG1000(ポリテトラメチレングリコール、三菱化学(株)社製品)408.4部及びDEG(ジエチレングリコール、三菱化学(株)社製品)114.6部を投入混合し、窒素気流下70℃で約5時間反応を行い、イソシアネート基当量400のウレタンプレポリマーを得た。
次いで混合物(A)(二核体のポリアミノクロロフェニルメタン化合物を90重量%含有)とPEG600(ポリエチレングリコール、日油(株)社製品)を重量割合=40/60で混合攪拌した硬化剤100部にイオン交換水0.5部、整泡剤トーレシリコーンSH−193(東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)社製品)0.9部、触媒 トヨキャット ET(N,N−ジメチルアミノエチルエーテル、TOYOCAT−ET、東ソー(株)社製品)0.3部を配合し良く撹拌混合し、ポリアミン組成物を得た。容器に前記ウレタンプレポリマーと前記ポリアミン組成物を重量割合=100/41で攪拌混合し、50℃に加熱した金型(100mm×100mm×50mm)に約300gを注入した。直ちに金型の蓋をした後、50℃金型で約1時間放置し、その後に発泡成形品を取り出し該発泡成形品を110℃で16時間アフタキュアを行った。その成形品をスライサーで約3cm厚に切り出したところ、表1に示した如く優れた物性を有する発泡砥石が得られた。
【0049】
[比較例1]
<ポリウレタン発泡砥石(P−4)の製造>
窒素導入管、冷却用コンデンサー、温度計、攪拌機を備えた1リットル4つ口丸底フラスコに、コスモネートT−80(トルエンジイソシアネート、三井化学(株)社製品)477部入れ攪拌した。ついで、PEG1000(ポリエチレングリコール、日油(株)社製品)408.4部及びDEG(ジエチレングリコール、三菱化学(株)社製品)114.6部を投入混合し、窒素気流下70℃で約5時間反応を行い、イソシアネート基当量400のポリエチレングリコール系ウレタンプレポリマーを得た。
次いで混合物(A)(二核体のポリアミノクロロフェニルメタン化合物を90重量%含有)にイオン交換水6部、整泡剤トーレシリコーン SH−193(東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)社製品)3部、触媒 トヨキャット ET(N,N−ジメチルアミノエチルエーテル、TOYOCAT−ET、東ソー(株)社製品)0.5部を配合し良く撹拌混合し、ポリアミン組成物を得た。容器に前記ウレタンプレポリマーと前記ポリアミン組成物を重量割合=100/30で攪拌混合したが、ポットライフが極端に短いため、注型が出来ず、発泡砥石が得られなかった。
【0050】
[比較例2]
<ポリウレタン発泡砥石(P−5)の製造>
窒素導入管、冷却用コンデンサー、温度計、攪拌機を備えた1リットル4つ口丸底フラスコに、コスモネートT−80(トルエンジイソシアネート、三井化学(株)社製品)477部入れ攪拌した。ついで、PEG1000(ポリエチレングリコール、日油(株)社製品)204.2部、PTMG1000(ポリテトラメチレングリコール、三菱化学(株)社製品)204.2部、及びDEG(ジエチレングリコール、三菱化学(株)社製品)114.6部を投入混合し、窒素気流下70℃で約5時間反応を行い、イソシアネート基当量400のウレタンプレポリマーを調整した。しかしながら、該ウレタンプレポリマーは、1週間後に相分離したため、製造安定性が不良であると判断した。
【0051】
[比較例3]
<ポリウレタン発泡砥石(P−6)の製造>
窒素導入管、冷却用コンデンサー、温度計、攪拌機を備えた1リットル4つ口丸底フラスコに、コスモネートT−80(トルエンジイソシアネート、三井化学(株)社製品)477部入れ攪拌した。ついで、PTMG1000(ポリテトラメチレングリコール、三菱化学(株)社製品)408.4部及びDEG(ジエチレングリコール、三菱化学(株)社製品)114.6部を投入混合し、窒素気流下70℃で約5時間反応を行い、イソシアネート基当量400のポリテトラメチレングリコール系ウレタンプレポリマー(1−1)を調整した。次いで同様の器具を用いてスモネートT−80(トルエンジイソシアネート、三井化学(株)社製品)477部入れ攪拌した。ついで、PEG1000(ポリエチレングリコール、日油(株)社製品)408.4部及びDEG(ジエチレングリコール、三菱化学(株)社製品)114.6部を投入混合し、窒素気流下70℃で約5時間反応を行い、イソシアネート基当量400のポリエチレングリコール系ウレタンプレポリマー(1−2)を調整したのち、ウレタンプレポリマー(1−1)とウレタンプレポリマー(1−2)を重量割合=50/50で攪拌混合し、ブレンドウレタンプレポリマーを得た。しかしながら、該ブレンドウレタンプレポリマーは、1週間後に相分離したため、製造安定性が不良であると判断した。
【0052】
[比較例4]
<ポリウレタン発泡砥石(P−7)の製造>
窒素導入管、冷却用コンデンサー、温度計、攪拌機を備えた1リットル4つ口丸底フラスコに、コスモネートT−80(トルエンジイソシアネート、三井化学(株)社製品)477部入れ攪拌した。ついで、PTMG1000(ポリテトラメチレングリコール、三菱化学(株)社製品)408.4部及びDEG(ジエチレングリコール、三菱化学(株)社製品)114.6部を投入混合し、窒素気流下70℃で約5時間反応を行い、イソシアネート基当量400のウレタンプレポリマーを得た。
次いで混合物(A)(二核体のポリアミノクロロフェニルメタン化合物を65重量%含有)とPEG1000(ポリエチレングリコール、日油(株)社製品)を重量割合=50/50で混合攪拌した硬化剤100部にイオン交換水0.5部、整泡剤トーレシリコーンSH−193(東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)社製品)0.9部、触媒 トヨキャット ET(N,N−ジメチルアミノエチルエーテル、TOYOCAT−ET、東ソー(株)社製品)0.3部を配合し良く撹拌混合し、ポリアミン組成物を得た。容器に前記ウレタンプレポリマーと前記ポリアミン組成物を重量割合=100/43で攪拌混合し、50℃に加熱した金型(100mm×100mm×50mm)に約300gを注入した。直ちに金型の蓋をした後、50℃金型で約1時間放置し、その後に発泡成形品を取り出し該発泡成形品を110℃で16時間アフタキュアを行った。その成形品をスライサーで約3cm厚に切り出したところ、表2に示した如く耐久性の不良な発泡砥石が得られた。
【0053】
[比較例5]
<ポリウレタン発泡砥石(P−8)の製造>
窒素導入管、冷却用コンデンサー、温度計、攪拌機を備えた1リットル4つ口丸底フラスコに、コスモネートT−80(トルエンジイソシアネート、三井化学(株)社製品)477部入れ攪拌した。ついで、PTMG1000(ポリテトラメチレングリコール、三菱化学(株)社製品)408.4部及びDEG(ジエチレングリコール、三菱化学(株)社製品)114.6部を投入混合し、窒素気流下70℃で約5時間反応を行い、イソシアネート基当量400のウレタンプレポリマーを調整した。
次いで混合物(A)(二核体のポリアミノクロロフェニルメタン化合物を65重量%含有)とPTMG650(ポリテトラメチレングリコール、三菱化学(株)社製品)を重量割合=50/50で混合攪拌した硬化剤100部にイオン交換水0.5部、整泡剤トーレシリコーン SH−193(東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)社製品)0.9部、触媒 トヨキャット ET(N,N−ジメチルアミノエチルエーテル、TOYOCAT−ET、東ソー(株)社製品)0.3部を配合し良く撹拌混合し、ポリアミン組成物を得た。容器に前記ウレタンプレポリマーとポリアミン組成物を重量割合=100/45で攪拌混合し、50℃に加熱した金型(100mm×100mm×50mm)に約300gを注入した。直ちに金型の蓋をした後、50℃金型で約1時間放置し、その後に発泡成形品を取り出し該発泡成形品を110℃で16時間アフタキュアを行った。その成形品をスライサーで約3cm厚に切り出したところ、表2に示した如く親水性の不良な発泡砥石が得られた。
【0054】
【表1】

【0055】
【表2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
イソシアネート基末端ウレタンプレポリマー(1)を含有する主剤と、硬化剤(2)と、水(3)とを含有する発泡砥石用2液型ウレタン樹脂組成物であって、
前記硬化剤(2)が、下記式で表される二核体のポリアミノクロロフェニルメタン化合物を80〜100重量%含有するポリアミノクロロフェニルメタン混合物(A)と、ポリエチレングリコール(B)と、を含有するものであることを特徴とする発泡砥石用2液型ウレタン樹脂組成物。
【化1】

(式中、Xは塩素原子又は水素原子を表す。)
【請求項2】
前記ポリエチレングリコール(B)の分子量が200〜1700である、請求項1に記載の発泡砥石用2液型ウレタン樹脂組成物。
【請求項3】
前記硬化剤(2)における、前記二核体のポリアミノクロロフェニルメタン化合物を80〜100重量%含有するポリアミノクロロフェニルメタン混合物(A)と、前記ポリエチレングリコール(B)と、の重量割合が(A)/(B)=60/40〜40/60である、請求項1に記載の発泡砥石用2液型ウレタン樹脂組成物。
【請求項4】
前記イソシアネート基末端ウレタンプレポリマー(1)のイソシアネート基当量が300〜500である、請求項1に記載の発泡砥石用2液型ウレタン樹脂組成物。
【請求項5】
前記イソシアネート基末端ウレタンプレポリマー(1)が、トルエンジイソシアネート系末端イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーである、請求項1に記載の発泡砥石用2液型ウレタン樹脂組成物。
【請求項6】
前記イソシアネート基末端ウレタンプレポリマー(1)が、ポリテトラメチレングリコールを原料とする、請求項1に記載の発泡砥石用2液型ウレタン樹脂組成物。
【請求項7】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の発泡砥石用ウレタン樹脂組成物を用いてなることを特徴とするポリウレタン発泡砥石。
【請求項8】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の発泡砥石用ウレタン樹脂組成物を、金型へ注入し、発泡硬化させることを特徴とするポリウレタン発泡砥石の製造方法。

【公開番号】特開2012−17409(P2012−17409A)
【公開日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−155722(P2010−155722)
【出願日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【出願人】(000002886)DIC株式会社 (2,597)
【Fターム(参考)】