説明

監視カメラシステム

【課題】監視対象となる領域14を監視カメラ18等で撮影して、取得した撮影画像情報36を自動的に解析させたり、解析結果を記憶させておき、検索を容易にする。
【解決手段】監視対象となる領域14を撮影して生成した撮影画像情報36の入力を受け付ける画像情報取得手段26と、撮影画像情報36の特定の状態44もしくは撮影画像に特定の画像が含まれた状態46を示す判定情報42を記憶する記憶手段24と、画像情報取得手段26が受け付けた撮影画像情報36と判定情報42とを比較して、両者が一定の関係にあると判断したときに、予め定めた形式の検出信号56を生成して出力する判定手段28とを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機器の誤った操作や不正な操作を監視カメラを用いて監視をし利用するための監視カメラシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
銀行の自動取引コーナーに設置されるATM等の自動取引装置について不正な操作が行われることが無いように、機器自体に防犯機能を付与するとともに、監視カメラを設置して録画することが行われている。また、自動取引装置の操作履歴と監視カメラの画像の照合を容易にするために、監視カメラの画像を自動取引装置の取引データと関連付けて記録をしておくシステムも開発されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平6−68339号公報
【特許文献2】特開平10−312448号公報
【特許文献3】特開2004−258927号公報
【特許文献4】特許3962803号公報
【特許文献5】特開2000−200357号公報
【特許文献6】特開2006−285569号公報
【特許文献7】特開2000−331170号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
既知の従来の技術には、次のような解決すべき課題があった。
金融機関には、自動取引装置の他にも、両替機や通帳記帳機、銀行員が専ら使用する現金処理装置等の機器が設置されている。防犯上の見地から、これらの装置についても、監視カメラの画像との関係付けがされることが好ましい。また、機器の操作履歴や監視カメラの画像の照合により誤操作を見付けることもできる。従って、こらの情報の解析処理を短時間に効率良く行えることが好ましい。
本発明は、以上の点に着目してなされたもので、機器の操作履歴と監視カメラの画像をコンピュータで自動的に解析して、管理者の監視業務や解析業務の負荷を軽減した監視カメラシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以下の構成はそれぞれ上記の課題を解決するための手段である。
〈構成1〉
監視対象となる領域を撮影して生成した撮影画像情報の入力を受け付ける画像情報取得手段と、前記撮影画像情報の特定の状態もしくは前記撮影画像に特定の画像が含まれた状態を示す判定情報を記憶する記憶手段と、前記画像情報取得手段に入力した撮影画像情報と前記記憶手段に記憶された前記判定情報とを比較して、両者が一定の関係にあると判断したときに、予め定めた形式の検出信号を生成して出力する判定手段とを備えたことを特徴とする監視カメラシステム。
【0006】
〈構成2〉
構成1に記載の監視カメラシステムにおいて、前記判定手段は、前記撮影画像情報中の人と判断できる移動体の画像を認識し、かつ、その人の腕と認識できる移動体の位置を認識する処理を実行し、前記判定情報は、前記監視対象となる領域に人が存在し、かつ、その人の腕が特定の位置に存在する状態を示す情報を含むことを特徴とする監視カメラシステム。
【0007】
〈構成3〉
構成1または2に記載の監視カメラシステムにおいて、前記監視対象となる領域に存在する監視対象機器の動作状態もしくは動作履歴を示す機器情報の入力を受け付ける機器情報取得手段を備え、前記判定情報は、前記機器の特定の動作状態もしくは特定の動作履歴を示す情報を含み、前記判定手段は、前記画像情報取得手段に入力した撮影画像情報と前記判定情報とを比較して、両者が一定の関係にあると判断し、かつ、前記機器情報取得手段に入力した機器情報と前記判定情報とを比較して、両者が一定の関係にあると判断したときに、予め定めた形式の検出信号を生成して出力することを特徴とする監視カメラシステム。
【0008】
〈構成4〉
構成1乃至3のいずれかに記載の監視カメラシステムにおいて、前記判定手段は、前記撮影画像情報中の監視対象機器の画像を認識し、前記判定情報は、前記監視対象機器の特定の状態を示す情報を含むことを特徴とする監視カメラシステム。
【0009】
〈構成5〉
構成1乃至4のいずれかに記載の監視カメラシステムにおいて、前記判定情報には、繰り返し回数と判定時間情報が含まれており、前記判定手段は、前記判定情報との比較の結果が前記一定の関係にあると判断したときに、その判断の結果を記録しておき、同一の判断が、前記判定時間内に前記繰り返し回数に相当するだけ繰り返されたときに、予め定めた形式の検出信号を生成して出力することを特徴とする監視カメラシステム。
【0010】
〈構成6〉
構成1乃至5のいずれかに記載の監視カメラシステムにおいて、前記判定情報には、その重要度を示す情報が含められ、前記判定手段は、前記検出信号に当該重要度を含めることを特徴とする監視カメラシステム。
【0011】
〈構成7〉
構成1乃至6のいずれかに記載の監視カメラシステムにおいて、前記判定情報には、その内容を示す検索語が含められており、前記判定手段は、前記検出信号に当該検索語を含めることを特徴とする監視カメラシステム。
【0012】
〈構成8〉
構成1乃至7のいずれかに記載の監視カメラシステムにおいて、前記判定情報を入力して設定をする判定情報設定手段を備えたことを特徴とする監視カメラシステム。
【0013】
〈構成9〉
構成1乃至8のいずれかに記載の監視カメラシステムにおいて、前記入力した前記撮影画像情報又は前記機器情報、もしくは、前記撮影画像情報及び前記機器情報に、前記判定手段から出力された検出信号とを関係づけて、記憶装置に記憶させる情報編集手段を備えたことを特徴とする監視カメラシステム。
【0014】
〈構成10〉
構成6または7に記載の監視カメラシステムにおいて、前記情報編集手段は、前記判定手段から出力された検出信号に加えて、前記重要度もしくは前記検索語を関係づけて、前記記憶装置に記憶させることを特徴とする監視カメラシステム。
【0015】
〈構成11〉
構成10に記載の監視カメラシステムにおいて、前記記憶装置に記憶された前記重要度もしくは前記検索語を使用して、該当する検出信号を検索して読み出す情報検索手段と、該当する検出信号に対応する報知処理を実行する報知手段とを備えたことを特徴とする監視カメラシステム。
【0016】
〈構成12〉
構成3に記載の監視カメラシステムにおいて、複数の自動取引装置を監視して管理するための管理サーバが設けられ、この管理サーバは、前記自動取引装置を管理するための自動取引装置用管理データを、前記複数の自動取引装置から収集するとともに、前記監視カメラの撮影画像情報を含むカメラ用管理データを収集する情報収集手段と、前記画像情報取得手段と前記判定手段と前記記憶手段とを備えた機器管理ユーザ端末に対して、予め収集した前記監視カメラ用画像データを転送する管理手段を備えたことを特徴とする監視カメラシステム。
【0017】
〈構成13〉
構成12に記載の監視カメラシステムにおいて、前記管理サーバの情報収集手段は、前記カメラ用管理データを、前記自動取引装置用管理データと同一のデータファイル形式に変換された状態で収集することを特徴とする監視カメラシステム。
【0018】
〈構成14〉
構成12または13に記載の監視カメラシステムにおいて、前記管理サーバの情報収集手段は、前記自動取引装置の動作状態もしくは動作履歴を示す機器情報を含む自動取引装置用管理データを収集するとともに、前記監視カメラの撮影画像情報を含むカメラ用管理データを収集し、前記管理手段は、前記機器管理ユーザ端末に対して、前記機器情報と前記監視カメラ用画像データを転送することを特徴とする監視カメラシステム。
【0019】
〈構成15〉
構成12乃至14のいずれかに記載の監視カメラシステムにおいて、前記管理サーバの情報収集手段は、前記自動取引装置以外の任意の機器の機器情報を収集するとともに、前記監視カメラの撮影画像情報を含むカメラ用管理データを収集し、前記管理手段は、前記機器管理ユーザ端末に対して、前記機器情報と前記監視カメラ用画像データを転送することを特徴とする監視カメラシステム。
【0020】
〈構成16〉
構成15に記載の監視カメラシステムにおいて、前記管理サーバの情報収集手段は、前記監視カメラ装置もしくは前記自動取引装置以外の任意の機器の指定された記憶領域から、前記自動取引装置用管理データと同一のデータファイル形式のデータを収集することを特徴とする監視カメラシステム。
【0021】
〈構成17〉
コンピュータを、構成1に記載の各手段として機能させる監視カメラシステム制御プログラム。
【0022】
〈構成18〉
コンピュータを、構成1に記載の各手段として機能させる監視カメラシステム制御プログラムを記録したコンピュータで読み取り可能な記録媒体。
【発明の効果】
【0023】
〈構成1の効果〉
監視対象となる領域を監視カメラ等で撮影して、その撮影画像情報が予め想定された特定の状態になったり、撮影画像中に特定の画像が含まれた状態になったとき、判定情報を参照してこれを自動的に検出できる。このとき、予め定められた形式の検出信号を生成して出力することができる。
〈構成2の効果〉
監視対象となる領域に存在する人物の特定の状態や動作を判定対象に含めることができる。
〈構成3の効果〉
判定情報に、機器情報に相当する情報も含める。撮影画像情報と機器情報を組み合わせて監視する。両者に密接な関係があるから、より具体的な監視ができる。
〈構成4の効果〉
対象機器の特定の外観の変化を撮影画像から検出して通報できる。
〈構成5の効果〉
同じ操作が続いて繰り返し行われた場合を検出できる。
〈構成6の効果〉
検出信号を利用するときに、判定の重要度を示す情報が含められていると対応に便利である。
〈構成7の効果〉
検出信号を利用するときに、検索語が含められていると選別に便利である。
〈構成8の効果〉
判定情報を随時追加したり変更したりする機能を設ければシステムの動作を最適化できる。
〈構成9の効果〉
入力した撮影画像情報や機器情報を記憶装置に記憶させておき、その後適当なタイミングで検出信号を確認して、必要な処置を行うことができる。
〈構成10の効果〉
入力した撮影画像情報や機器情報を記憶装置に記憶させ、重要度や検索語で検索できるようにする。
〈構成11の効果〉
検索して得た検出信号の内容に応じて、適切な報知処理を自動的に実行することができる。
〈構成12の効果〉
複数の自動取引装置を管理する既存の管理サーバが、既に保有する情報収集機能を利用して監視カメラの撮影画像情報を含むカメラ用管理データを収集すれば、任意の監視カメラの情報を既存のネットワークを利用して収集処理できる。
〈構成13の効果〉
複数の自動取引装置を管理する既存の管理サーバは、既に保有するデータ処理機能を改変することなく、カメラ用管理データの情報収集ができる。
〈構成14の効果〉
自動取引装置の機器情報も監視カメラ用画像データと合わせて監視できる。
〈構成15の効果〉
任意の機器の機器情報と監視カメラ用画像データと合わせて監視できる。
〈構成16の効果〉
自動取引装置の持つ既存の情報収集システムをそのまま利用して、監視カメラや任意の機器から情報を収集できる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】実施例1の監視カメラシステムを示す概略図である。
【図2】自動取引装置から取得した情報を処理対象とするシステムのブロック図である。
【図3】実施例1と実施例2のシステムの具体的な動作を示す説明図である。
【図4】特定の画像の一例を示す説明図である。
【図5】判定情報に含まれた繰り返し回数や判定時間の内容説明図である。
【図6】判定情報に重要度や検索語を含める実施例の説明図である。
【図7】機器情報、撮影画像情報、重要度、判定情報等の事例説明図である。
【図8】実施例4の監視カメラシステムを示すブロック図である。
【図9】図8のシステムの動作シーケンスチャートである。
【図10】図1のシステムの動作例フローチャートである。
【図11】図2のシステムの動作例フローチャートである。
【図12】図3の処理動作例の主要部フローチャートである。
【図13】図6に示したデータへの情報付加処理動作例フローチャートである。
【図14】図8の監視カメラ側の動作例フローチャートである。
【図15】図8の管理サーバの動作例フローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施の形態を実施例毎に詳細に説明する。
【実施例1】
【0026】
図1は実施例1の監視カメラシステム10を示す概略図である。
この図には、監視カメラ18で自動取引装置16を撮影して、操作者や侵入者の動きを監視するシステムが示されている。図に示すように、監視対象となる領域14を監視カメラ18等で撮影する。監視対象となる領域14は、監視対象機器の配置された領域もしくはその近傍領域である。監視対象機器には、任意の機器を含めることができる。ここでは、金融機関で預貯金の入出金に多用される自動取引装置(ATM)16を例示した。その他、通帳記帳機等も監視対象にすることができる。また、自動機のみならず、金融機関の係員が操作する現金処理機等も監視対象にすることができる。
【0027】
監視カメラ18の監視により、監視対象機器等の不正な操作を自動的に検出する。さらに、不注意による誤った操作等も検出する。連続的に動画撮影をしたり、数秒とかいった短い時間間隔で撮影をして記録をすると、記録データが大量に蓄積される。事故が発生したときに、これらの記録データを全て見返すのは容易でない。また、大変な時間を要する。この発明の実施例では、撮影して取得したデータに、あとで説明するような検出信号を含めて記録しておくことができる。検出信号をリアルタイムに出力すれば、リアルタイムの監視も可能である。
【0028】
図1の実施例では、監視カメラ18の出力信号を制御用コンピュータ20により処理する。制御用コンピュータ20は演算処理装置22と記憶手段24とを備えている。演算処理装置22と記憶手段24は、制御用コンピュータ20の本体に内蔵されていても外付けされていても構わない。制御用コンピュータ20は、コンピュータプログラムを実行することにより、所定のタイミングで、演算処理装置22の部分に図示したいずれかの手段として機能する。制御用コンピュータ20は、このコンピュータプログラムの実行中に、記憶手段24を使用して、予め記憶された必要なデータを読み取る。またあるいは、新たなデータを記憶手段24に書き込んで記憶させる。
【0029】
制御用コンピュータ20の入出力インタフェース7には、ディスプレイ2、キーボード4、マウス5といったマンマシンインタフェース用ハードウエアが接続されている。ディスプレイ2はコンピュータで処理をした結果を出力するための任意の構成の出力装置である。ブラウン管ディスプレイ、液晶ディスプレイ等が利用できる。キーボード4やマウス5はコンピュータに指示やデータを入力するための装置である。演算処理装置22、記憶手段24,マンマシンインタフェース用のハードウエア等は、全て既知のものを使用することができるので、図示および各機能の具体的な説明は省略する。
【0030】
演算処理装置22には、画像情報取得手段26、判定手段28、情報編集手段30、情報検索手段32、報知手段34、判定情報設定手段35といったコンピュータプログラムがインストールされている。また、記憶手段24には、撮影画像情報36と判定情報42と検出信号56とが記憶される。撮影画像情報36は、属性データ38と画像データ40とを含む。判定情報42は、特定の状態44と特定の画像が含まれた状態46と繰り返し回数48と判定時間情報50と検索語52と重要度54とを含む。なお、記憶手段24には、他の任意のデータを記憶することができるが、この実施例の説明に不要なものは、図示を省略した。
【0031】
制御用コンピュータ20は、監視カメラ18に直結されていてもよいし、図示しないLAN等のネットワークに接続されて、ネットワーク経由で撮影画像情報36の入力を受付けてもよい。また、監視カメラ18の出力を一時記憶する任意の外部記憶手段を設けておき、その外部記憶手段から転送された撮影画像情報36を受付けてもよい。
【0032】
演算処理処理装置22の画像情報取得手段26は、上記の監視カメラ18による撮影画像情報36の入力を受け付ける通信機能を持つ。受け付けた撮影画像情報36はそのつど記憶手段24に記憶される。撮影画像情報36には、監視カメラ18で撮影をした自動取引装置16の周辺の画像データ40のほかに、撮影場所、撮影時刻等を示す各種の属性データ38が含まれる。この属性データには、例えば、監視カメラ18自体の作動状態を含めることができる。従って、例えば、監視カメラ18が動作していない状態が、異常状態として検出される。
【0033】
判定手段28は、記憶手段から撮影画像情報36と判定情報42を読み出して、両者が一定の関係にあるかどうかを判断する機能を持つ。判定情報42は、撮影画像情報36との比較判定に必要なデータを含む。例えば、監視カメラ18の電源が遮断された状態、撮影された画像の入力が無い状態等を特定の状態44として、判定情報42に含める。また、例えば、自動取引装置の裏側エリアの通常の状態の画像データを特定の画像が含まれた状態46として、判定情報42に含める。判定手段28による比較判定処理を容易にするため、特定の画像が含まれた状態46は撮影画像情報36と同等のデータ形式であることが好ましい。
【0034】
判定手段28は、撮影画像情報36と判定情報42とが一定の関係にあるかどうかを判断する。一定の関係にある場合というのは、画像データの対応する画素値を比較して、両者が一致する場合や両者の差分が閾値以下の場合のことである。例えば、画像データ40中の特定の位置に人や物が有ったり無かったりする状態を検出する。判定情報42が監視対象となる領域14のあるべき状態を示す画像データ40を含んでいる場合に、撮影画像情報36と比較したとき、両者の差分が閾値以上あれば、それを異常として検出信号56を出力する。
【0035】
判定手段28が生成して出力する検出信号56の形式は問わない。文字情報、音声信号、光信号等を使用することができる。例えば、記憶手段24に記憶された他の撮影画像情報36から、特定の撮影画像情報を区別することができるフラグのような情報でもよい。判定手段28から出力される検出信号56の出力先は任意であるが、あとで説明するように、特定の撮影画像情報に検出信号56を追加したり、特定の撮影画像情報と検出信号56とを対応付けて記憶手段24に記憶させておけば、フラグをサーチして簡単に特定の撮影画像情報を読み出すことができる。
【0036】
なお、例えば、特許文献2と特許文献3には、撮影された画像からその場所にいる人の人数を検出する技術が記載されている。また、特許文献4には、撮影された画像からその場所にいる人の頭の位置を検出する技術が記載されている。特許文献5と特許文献6には、撮影された画像からその場所を移動する人の動線を検出する技術が記載されている。特許文献7には、撮影された画像からその場所にいる人の手が特定の位置に伸びたことを検出する技術が記載されている。これらの既存技術を利用して、上記の判断処理をすることができる。
【0037】
図1に示した、情報編集手段30、情報検索手段32、報知手段34の機能と、判定情報42に示した繰り返し回数48、判定時間情報50、検索語52、重要度54については、後の実施例で詳述する。図1のシステムによれば、監視対象となる領域14を監視カメラ18等で撮影して、その撮影画像が予め想定された特定の状態44になったり、撮影画像に特定の画像が含まれた状態46になったとき、判定情報42を参照してこれを自動的に検出できる。このとき、予め定められた形式の検出信号56を生成して出力し、各種の用途に利用できる。
【実施例2】
【0038】
図2は、自動取引装置から取得した情報を処理対象とするシステムのブロック図である。
この図2には、図1のシステムに追加するべき手段やデータのみを示した。図1に示した機能ブロックは、破線の四角の内部に存在するものとする。この図2のシステムでは、監視カメラ18から取得した情報のみならず、監視対象とされる自動取引装置16から取得した機器情報67も含めて監視対象とする。なお、実施例では1台の監視カメラ18と1台の自動取引装置16とを監視対象としているが、制御用コンピュータ20が複数台の監視カメラ18や自動取引装置16から情報を取得して監視を行ってよい。
【0039】
図2の制御用コンピュータ20の演算処理装置22には、図1の構成に加えて、機器情報取得手段64と判定手段66というコンピュータプログラムがインストールされている。また、記憶手段24には、新たに、自動取引装置16の動作状態68、動作履歴70、自動取引装置16のための判定情報72が記憶されている。判定情報72は、自動取引装置16の特定の動作状態74、特定の動作履歴76を含む。また、自動取引装置16の状態監視の結果得られる検出信号78が記憶される。さらに、監視カメラ18の監視の結果得られた検出信号56と自動取引装置16の監視の結果得られた検出信号78とを比較して、総合的な条件判断がされる。判定情報84は総合判断のルールを示す情報で、検出信号86は判定の結果出力される情報である。
【0040】
機器情報取得手段64は、自動取引装置16の動作状態68や動作履歴70を示す機器情報67の入力を受け付ける機能を持つ。動作状態68は、機器の電源の状態や機器の静的な状態を示す情報を含む。動作履歴70は、いわゆるログデータである。様々な動作履歴を含む。動作の順番が問題になる場合に、その前後関係を含むデータである。なお、動作状態68と動作履歴70を厳密に区別する必要はなく、いずれでも処理し易い形式であればよい。
【0041】
判定情報72は、前記機器の特定の動作状態74もしくは特定の動作履歴76を示す情報を含む。判定手段66は、機器情報取得手段64に入力した機器情報67と判定情報72とを比較して、両者が一定の関係にあると判断したときに、予め定めた形式の検出信号78を生成して出力する機能を持つ。以上の装置の動作を図3を用いて説明する。
【0042】
図3は、実施例1と実施例2のシステムの具体的な動作を示す説明図である。
図において、監視カメラ18は自動取引装置16を撮影して、撮影画像情報36を図1に示した制御用コンピュータ20に送信する。図3に示すように、撮影画像情報36は、同時刻に取得された属性データ38と画像データ40とを含む。動画の場合には、1コマ分ずつ、属性データ38と画像データ40の組み合わせが取得される。取得時刻を示す情報が含まれていれば、属性データ38と画像データ40を別々のデータファイルに記憶して、必要なとき、取得時刻を照合させながら読み出せばよい。
【0043】
属性データ38と画像データ40は、判定情報42と比較される。属性データ38は特定の状態44と比較される。また、画像データ40は特定の画像が含まれた状態46と比較される。比較判断は、例えば、比較対象が一致する場合、不一致の場合のいずれかが異常と判定される。また、属性データ38の比較結果と画像データ40の比較結果とのANDやORをとって判定される。例えば、一定時間前に取得された撮影画像情報36の比較結果と今回の比較結果とを組み合わせて判定をしてもよい。この判定のルールは、例えば、各特定の状態44や特定の画像が含まれた状態46毎に定めておくとよい。
【0044】
上記の処理により得られた検出信号56を、そのまま図1に示したディスプレイ2に表示してもよい。また、図1に示した警報機6を駆動してサイレン等を鳴らすようにしてもよい。さらに、図示しない通信手段を利用して遠隔監視システムに対して通報するようにしてもよい。以上が図1に示した実施例1のシステムの動作である。
【0045】
次に、図2に示した実施例の装置の動作を説明する。実施例2のシステムでは、自動取引装置16から出力される情報も判定の要素に含めている。自動取引装置16からは、動作状態68と動作履歴70を示す情報が取得される。これらの情報を監視するための判定情報72と比較をする。即ち、自動取引装置16の動作状態68が特定の動作状態74に相当するかどうかを判定する。さらに、自動取引装置16の動作履歴70が特定の動作履歴76に相当するかどうかを判定する。その結果検出信号78が出力される。
【0046】
図4は特定の画像の一例を示す説明図である。
図4と図5により判定情報の具体例を説明する。図4に示した、監視対象機器の画像80は、自動取引装置16の通常の状態である。これに対して、監視対象機器の特定の状態の画像82は、自動取引装置16の扉を開放した状態を示す。監視カメラ18から取得された画像データ40が監視対象機器の特定の状態の画像82に近いとき、異常ありとする検出信号56が出力される。具体的には、開放された扉の形状や扉が開放されたときに見える自動取引装置16の内部の形状を特徴として画像を記憶し、この特徴が画像データ40から検出されたとき異常ありとする検出信号56が出力される。
【0047】
例えば、監視対象機器の特定の状態の画像82を、監視対象となる領域に人が存在し、かつ、人の腕が特定の位置に存在する状態を示す情報を含むようにしておく。実際に手を触れてはならない場所に手を伸ばしている画像を監視対象機器の特定の状態の画像82として記憶させておけばよい。判定手段28は、取得した撮影画像情報36と特定の状態の画像82とを画素値単位で比較して、差分の合計値が閾値以下のときは検出信号を出力する。または、手を触れてはならない場所を設定しておき、この場所付近へ人の手が伸びたことを検出したとき、検出信号を出力する。なお、この判定とは別個に、監視対象となる領域に人と判断できる移動体が侵入したことを、画像分析により検出しておくとよい。移動体の検出、人の体の一部の画像検出等の技術は既存のものを利用すればよい。
【0048】
例えば、監視対象機器の特定の状態の画像82を、監視対象となる領域に人が存在し、かつ、人の腕が特定の位置に存在する状態を示す情報を含むようにしておく。実際に手を触れてはならない場所に手を伸ばしている画像を監視対象機器の特定の状態の画像82として記憶させておけばよい。判定手段28は、取得した撮影画像情報36と特定の状態の画像82とを画素値単位で比較して、差分の合計値が閾値以下のときは検出信号を出力する。なお、この判定とは別個に、監視対象となる領域に人と判断できる移動体が侵入したことを、画像分析により検出しておくとよい。移動体の検出、人の体の一部の画像検出等の技術は既存のものを利用すればよい。
【0049】
このように、撮影画像情報36中の監視対象機器の画像を認識して、監視対象機器の外観の変化の有無を検出することにより、現金処理装置の扉が開放された状態や、現金保管庫が引き出された状態を検出できる。また、人の動きと組み合わせれば、人が長時間対象機器の前に居て、保管庫の扉が開かれたような状態を検出できる。従って、対象機器の特定の外観の変化を撮影画像から検出して通報できる。
【実施例3】
【0050】
図5は、判定情報に含まれた繰り返し回数や判定時間の内容説明図である。
通常は1回だけしか操作しないようなボタンについて、同じ操作が続いて繰り返し行われたような場合にも、その状態を検出できる。不正操作の場合もあるし、誤った操作が行われた場合もある。誤った操作が行われて機器に不具合が発生したような場合に、その原因を見付けるのに役立つ。また、同一人物が同じ場所を何度も行き来すれば不審な動作と判断できる。
【0051】
このために、図1に示した判定情報42には、判定時間情報50と繰り返し回数48とを記憶しておく。判定時間の範囲で、繰り返し回数48に相当するだけ、特定の状態44が繰り返された場合を、不自然な状態と判定する。判定手段28は、判定時間の間だけ、繰り返し取得される情報を監視してから、検出信号56の出力の要否を判断する。
【実施例4】
【0052】
図6は判定情報に重要度や検索語を含める実施例の説明図である。
図6(a)は、図1に示した監視カメラ18から取得される画像情報取得手段26の判定のための判定情報42である。この判定情報42に検索語52と重要度54とが含められている。また、図6(c)は、自動取引装置16から取得される情報の判定のための判定情報72である。この判定情報72に、検索語52と重要度54とが含められている。重要度54の情報の形式は任意である。例えば、重要度のランクを数段階に設定して、それを数値で示すとよい。営業時間外の対象機器の操作やユニットの引き出し等があった場合等については、検出信号56とともに、重要度54が大である旨の情報が、判定情報42に含められる。
【0053】
さらに、後日、記録された大量の撮影画像情報36の中から必要な情報をすみやかに抽出するために、判定情報42には、その内容を示す検索語52が含められる。検索語52は、特定の状態44、特定の画像が含まれた状態46、繰り返し回数48等の判定内容毎に設定されて、判定情報42に含めて記憶されているとよい。例えば、自動取引装置の扉が開いた状態の画像を示す特定の画像が含まれた状態46については、「扉開放」といった検索語が含められる。
【0054】
判定手段28は、検出信号56に検索語52や重要度54を含めて出力する。報知手段34(図1)は、重要度の高い検出信号56が出力されたときは管理者への通知のみならず、警備会社への即時通報をする。重要度の低い検出信号56は、記憶装置に記憶させておき、後日まとめてみるようにすればよい。図6(b)は、監視カメラ18から取得される撮影画像情報に、検索語52と重要度54の情報を付加した例を示す。図6(d)は、自動取引装置16から取得される情報に、検索語52と重要度54の情報を付加した例を示す。もちろん、これらの情報はそれぞれ一緒に取り出されるように関係付けられて記憶されていればよく、データの保存形式や保存場所は任意である。
【0055】
図7は、機器情報、撮影画像情報、重要度、判定情報等の事例説明図である。
この例では、銀行員が操作する現金処理機、金庫やキャビネットや引き出しなどの手動式現金収納庫、及び特定エリアなどにおいて、機器情報や監視カメラから取得した画像データによる監視例を示した。
【0056】
図2に示した自動取引装置(ATM)は、金融機関で一般顧客が操作する。従って、一般の防犯システムと同様にして、不審な事象を検出するとよい。一方、金融機関の係員が現金の計数や入出金のために操作する現金処理機や現金を手で出し入れする手動式現金収納庫、及び特定エリアでは、特有の監視が必要になる。現金処理機や手動式現金収納庫や特定エリアでは、係員の権限に応じて、自動処理だけでなく様々な手動操作が可能なため、操作ミスが発生し易い。また、不正行為が発生する可能性もある。想定できる不審な事象を検出してそれらの画像を検索可能な状態で記録しておけば、問題の早期解決や犯罪の防止に役立つ。
【0057】
具体的には、現金処理機の操作ログや状態ログにより、図7に示すような「不審な事象」が検出される。それぞれ重要度が設定されており、「判定情報」に従ってその事象発生の有無を検出する。検出後は「不審な事象」や「想定される行為」に示したメッセージをディスプレイに表示するとよい。なお、「不審な事象」や「想定される行為」に含まれた言葉は、検索語として使用するとよい。
【0058】
監視カメラから取得された画像データについても同様の処理をする。また、現金処理機の機器情報と監視カメラから取得した画像データの組み合わせによって、さらに別の状態の検出ができる。例えば、現金処理装置の電源が切断されて、人がその扉に手を伸ばしたような状態を検出できる。特定の動作履歴とその操作者の動きの組み合わせも検出できる。対象機器の電源が切断され、所定時間内に扉が操作され、そのとき、人が対象機器の前に居たりする状態を検出できる。また、対象機器の整備や操作の手順を監視して、操作手順の誤りを検出できる。
【0059】
例えば、手払いによって所定の出金処理をする手払い操作では、現金処理機の端末に手払い記録を入力し、該当する現金を現金処理機からではなく、手動式現金収納庫から取り出す行為が行われることがある。このときには、現金処理機の有り高と記録が不一致になるおそれがある。また、現金が余分に取り出される可能性もある。このようなケースで、操作ログに手払い記録があるという事象を検出して、手動式現金収納庫を監視カメラが撮影した画像とともにフラグを付加しておくと、該当する画面を速やかに取り出して検証できる。
【0060】
また、現金処理機で処理できずにリジェクトされたリジェクト現金などの処理で、現金処理機の端末に手入金記録を入力し、現金を現金処理機ではなく現金投入専用のポストへ投入する手入金操作のときに、現金が専用のポストへ投入されなかった場合、これを不審な事象と判定して記録しておく。専用ポストは投入物を検知するセンサを備えているから、所定時間内にそのセンサの出力が無かったことをトリガにして現金処理機の端末のログ情報と現金処理機や専用ポストを撮影した監視カメラの撮影画像とにフラグを付加する。また、現金処理機内で搬送中の紙幣が詰まり(ジャム)を生じたとき、これを取り除くために現金処理機の扉を開けてユニットを引き出すことが行われる。現金処理機は、各ユニットが定位置にセットされているか否かを検出するセンサを備えている。そのセンサの出力をトリガにして現金処理機の端末のログ情報と監視カメラの撮影画像にフラグを付加する。
【0061】
そのほか、図7に示したような様々な事象を検出して、リアルタイムで警報を発生させたり、ログ情報や監視カメラの撮影画像の検索を容易にするフラグを付加するとよい。事象の検出には、監視カメラの画像の内容だけでなく、特定の機器の状態とを組み合わせて判断すると、この図7のような様々な事象を検出できる。該当する事象を検出したときには、例えば、特定の機器のセンサの出力検出時を起点にして、前後一定時間の監視カメラの画像情報と特定の機器のログ情報とを他の情報と区別して一単位の情報として取り出せるように、データを記録するとよい。
【実施例5】
【0062】
図8は実施例4の監視カメラシステム10を示すブロック図である。
この実施例では、監視カメラ18がネットワーク100に接続されている。そして、監視カメラ18の撮影画像情報36を、管理サーバ101が収集する。管理サーバ101から撮影画像情報36の転送を受けた機器管理ユーザ端末103が、図1に示した制御用コンピュータ20の機能を持つ。機器管理ユーザ端末103には、記憶手段124と画像情報取得手段126と判定手段128とが設けられている。なお、機器管理ユーザ端末103の記憶手段124と画像情報取得手段126と判定手段128とは、図1に示した制御用コンピュータ20の記憶手段24と画像情報取得手段26と判定手段28に相当する機能を持つ。
【0063】
管理サーバ101は、多数の自動取引装置16を監視し管理するために設けられたコンピュータである。管理サーバ101の演算処理装置131には情報収集手段133が設けられている。管理サーバ101は、ネットワーク100に接続された多数の自動取引装置16を所定のタイミングでアクセスし、自動取引装置用管理データ143を取得して情報記憶装置141に記憶させる。これにより、自動取引装置16の全ての取引処理を管理する。この管理を管理サーバ101の情報管理手段137が実行する。この管理サーバ101が自動取引装置16から情報を収集する機能を、監視カメラ18から情報を収集するために利用する。
【0064】
このために、監視カメラ18に内蔵されたコンピュータには、データ形式変換手段111と情報転送制御手段113とがインストールされている。データ形式変換手段111は、監視カメラ18が撮影して生成した撮影画像情報36を、管理サーバ101が取得できるデータファイル形式に変換する機能を持つ。自動取引装置16は、管理サーバ101が取得できる所定のデータ形式で、自動取引装置用管理データ143を保持する。図2で説明した動作状態68や動作履歴70も含まれる。
【0065】
監視カメラ18が、自動取引装置用管理データ143と全く同一のデータ形式で撮影画像情報36を保持していれば、管理サーバ101は、自動取引装置16に対する動作と全く同一の動作で、監視カメラ18の撮影画像情報36を収集して、情報記憶装置141に記憶させることができる。即ち、監視カメラ18の情報取得のための特別のシステムを必要としない。情報転送制御手段113は、管理サーバ101の情報収集手段133の要求に応じて、撮影画像情報36等の転送制御を実行する機能を持つ。
【0066】
監視カメラ18側で形式変換された撮影画像情報36には、例えば、機器識別情報117とデータ収集時刻情報119とが付加される。機器識別情報117は、複数の監視カメラがある場合に、どの監視カメラから収集された情報かを識別するために付加される。これにより、自動取引装置16から収集されたデータでなく、監視カメラから収集されたデータであることも識別できる。データ収集時刻情報119は、管理サーバ101のデータ収集管理のための情報で、必要に応じて付加するとよい。
【0067】
撮影画像情報36が管理サーバ101側に収集されると、情報記憶装置141に機器用管理データ145として記憶される。ここで、この実施例では、管理サーバ101のデータ閲覧用変換手段139が、機器用管理データ145のデータ形式を変換して、閲覧用記憶装置147に記憶させる。変換した情報149は、例えば、ウェブページ形式のデータである。閲覧用記憶装置147は、機器管理ユーザ端末103に対して機器用管理データ145をネットワーク100を介して閲覧させるために設けられている。機器管理ユーザ端末103が変換した情報149の閲覧を希望するときには、ユーザ認証処理を実行する。即ち、情報管理手段137は、機器管理ユーザ端末103からのアクセス要求に対する認証処理をユーザ認証処理手段135に依頼し、閲覧が許可された機器管理ユーザ端末103を閲覧用記憶装置147に接続する機能を持つ。
【0068】
こうして、管理サーバ101が収集した撮影画像情報36を機器管理ユーザ端末103が取得し、実施例1で説明したとおりの処理を実行して検出信号を出力する。その検出信号は、機器管理ユーザ端末103を操作する管理者により認識され、必要な処置が施される。また、管理サーバ101のデータ閲覧用変換手段139は、自動取引装置用管理データ143に含まれた、自動取引装置16の動作状態68や動作履歴70(図2)を形式変換して、閲覧用記憶装置147に記憶させる。機器管理ユーザ端末103は、これらの情報を取得して、図3で説明したとおりの、自動取引装置の状態を含めた判定処理を実行することもできる。なお、管理サーバ101は、図8に示した自動取引装置16のみならず、様々な機器の動作状態や動作履歴に相当する情報を同様の方法で収集することができる。従って、これらの情報を全て、機器管理ユーザ端末103で取得して、総合的な監視業務が可能になる。
【0069】
図9は、図8のシステムの動作シーケンスチャートである。
管理サーバ101は、まず、自動取引装置の情報の収集を行う。即ち、管理サーバ101からタイミングT1で、自動取引装置16に対して情報転送要求があり、タイミングT2で、自動取引装置16から管理サーバ101に装置の情報が転送される。タイミングT3で管理サーバ101では、情報記憶装置141に対して自動取引装置用管理データ143が記憶される。
【0070】
一方、監視カメラ18では、タイミングT4で、画像情報取得処理が行われる。続いて、タイミングT5で、そのデータ形式を自動取引装置の形式に変換して、記憶手段124に記憶する。タイミングT6で管理サーバ101から情報の転送要求がある。タイミングT7で監視カメラ18で情報転送制御がされ、タイミングT8でその情報が管理サーバ101に転送される。
【0071】
タイミングT9で、転送された情報を含む機器用管理データ145が情報記憶装置141に記憶される。次に、タイミングT10で、情報記憶装置141に記憶された情報が形式変換されて閲覧用記憶装置147に記憶される。その後は、任意のタイミングで、閲覧用記憶装置147に記憶された情報が機器管理ユーザ端末103に閲覧される。
【0072】
以上のように、自動取引装置16のシステムをほとんどそのまま利用して、監視カメラの情報と既存の機器から、各機器固有の情報を自動的に収集できる。機器の情報を自動取引装置16の取り扱うデータ形式に変換しておくと、情報の収集と記憶装置への記憶処理を自動取引装置16と同様の要領で制御できる。
【実施例6】
【0073】
図10は、図1のシステムの動作例フローチャートである。
以下、上記のシステムを構成する各プログラムの動作例を説明する。まず、図1のシステムを起動する。ステップS11で監視カメラの起動をする。ステップS12では、画像情報取得手段26が画像データ40を取得する。さらに、ステップS13で、属性データ38を取得する。その後、画像情報取得手段26は、取得したデータを使用して、ステップS14で撮影画像情報の生成をし、ステップS15で記憶装置(記憶手段24)に記憶をする。
【0074】
次に、ステップS16で、判定手段28が、判定を実行する対象かどうかという判断をする。例えば、一定時間おきとか、一定のコマ数だけ撮影したときに周期的に判定を実行するという制御をする。この判断の結果がイエスのときはステップS17の処理に移行し、ノーのときはステップS24の処理に移行する。ステップS17で、判定手段28が撮影画像情報36の読出しをする。さらに、ステップS18で、判定情報42の読出しをする。続いて、ステップS19で比較判定処理をする。ステップS20では、異常が検出されたかどうかという判断をする。この判断の結果がイエスのときはステップS21の処理に移行して検出信号を出力する。ノーのときはステップS24の処理に移行する。ステップS22では、警報を出力するかどうかという判断をする。これは、判定情報の重要度等から判断する。この判断の結果がイエスのときはステップS23の処理に移行して警報を発する。ノーのときはステップS24の処理に移行する。その後は、ステップS24で監視終了かどうかという判断をして、監視動作を続行する。
【0075】
図11は図2のシステムの動作例フローチャートである。
この処理は、監視カメラの処理とほぼ同様である。図2に示した機器情報取得手段64が、ステップS31で自動取引装置16の動作状態68を取得する。さらに、ステップS32で動作履歴70を取得する。そして、これらの情報を使用して、ステップS33で機器情報67を生成し、ステップS34で記憶装置(記憶手段24)に記憶をする。
【0076】
ステップS35では、判定手段66が判定処理を実行するかどうかという判断をする。この判断の結果がイエスのときはステップS36の処理に移行し、ノーのときはステップS42の後の処理に移行する。即ち、ここでは、ステップS31に戻る。判定処理のタイミングであれば、判定手段66は、ステップS36で機器情報67の読出しをする。ステップS37では、判定情報の読出しをする。そして、ステップS38で比較判定処理を実行する。ステップS39では、異常な状態が検出されたかどうかという判断をする。この判断の結果がイエスのときはステップS40の処理に移行し検出信号出力をする。ノーのときはステップS31に戻る。ステップS41では、判定手段66が警報を出力すべきかどうかという判断をする。
この判断の結果がイエスのときはステップS42の処理に移行し警報を出力する。ノーのときはステップS31に戻る。
【0077】
図12は図3の処理動作例の主要部フローチャートである。
これは、既に説明したように、監視カメラの検出信号と自動取引装置の検出信号の組み合わせで、より詳細に条件せ設定をした結果の検出信号を出力する処理である。ステップS51で監視カメラ18の検出信号を取得する。次に、ステップS52で自動取引装置16の検出信号を取得する。いずれも、既に個別の判定処理により得られた検出信号である。ステップS53では、判定手段66が、これらの組み合わせ判定をするための新たな判定情報84の読出しをする。これらを使用してステップS54で比較判定処理をする。
【0078】
ステップS55では、ステップS54の処理で異常を検出したかどうかという判断をする。この判断の結果がイエスのときはステップS56の処理に移行し、検出信号を出力する。ノーのときは処理を終了する。ステップS57では、警報の出力が必要かどうかという判断をする。この判断の結果がイエスのときはステップS58の処理に移行し警報を出力する。ノーのときは処理を終了する。この図12の処理は継続的に一定時間おきに実行するとよい。見かけ上リアルタイムになるように短い周期で実行してもよいし、図10や図11の処理を短い周期で行い、図12の処理は長い周期あるいは不定期に行うようにしてもよい。
【0079】
図13は図6に示したデータへの情報付加処理動作例フローチャートである。
図110のステップS19の部分で、実行した比較判定処理を、図13においてステップS61とした。この比較判定処理の結果に対して、ステップS62で、検出信号が出力されたかどうかという判断をする。この判断の結果がイエスのときはステップS63の処理に移行し、判定情報に含まれた重要度と検索語とを、撮影画像情報36と関連付けて記憶装置に記憶させる。ノーのときはなにもしない。これにより、その後、検索語を用いて、比較判定処理の結果出願された検出信号と撮影画像情報36とを自由に簡単に検索できる。また、重要度の高い情報も検索できる。
【0080】
図14は、図8の監視カメラ側の動作例フローチャートである。
図8のシステムでは、監視カメラ側で、管理サーバに撮影画像情報を収集させるための準備処理をする。まず、ステップS71で撮影画像情報を取得する。これは、図1に示した画像情報取得手段26が実行する。ステップS72では、取得した撮影画像情報を記憶手段115に記憶させる。次に、データ形式変換手段111が、ステップS73で、取得した撮影画像情報の形式判別をする。そして、ステップS74で、管理サーバ101の収集可能なデータ形式に変換処理を実行する。
【0081】
そして、変換後の撮影画像情報に、ステップS75で機器識別情報117の付加をする。ステップS76では、データ収集時刻情報119の付加をする。ステップS78では、その後のデータを転送用記憶領域に記憶させる。これで、管理サーバが自動的に監視カメラの出力する情報を収集できる。
【0082】
図15は、図8の管理サーバの動作例フローチャートである。
自動取引装置管理のための管理サーバでは、まず、ステップS81で、収集スケジュールのチェックをする。そして、情報収集手段133は、ステップS82で、データ収集対象の選択(繰り返し制御)をする。管理下にある自動取引装置や監視カメラや各種の機器を、自動取引装置と全く同列に順番を付けて、順にデータの収集処理をする。
【0083】
ステップS83でネットワークに接続をして対象機器を見付け、ステップS84でその機器の転送用記憶領域をアクセスする。全ての対象機器の特定の記憶領域に、全く同一の形式でデータが格納されており、これを読み出して収集する。ステップS85では、該当するデータの取得をする。ステップS86では、情報収集手段133が、収集したデータを自動取引装置用かどうかという判断をする。
【0084】
この判断の結果がイエスのときはステップS87の処理に移行して情報記憶装置141に、自動取引装置用管理データ143とし記憶する。その後、ステップS88の処理に移行する。一方、ノーのときは直接ステップS88の処理に移行する。ステップS88では、収集したデータが監視カメラ用かどうかという判断をする。この実施例では、自動取引装置と監視カメラからのみデータを収集するものとする。従って、の判断の結果がイエスで監視カメラ用と判断されると、ステップS89で機器用管理データ145の記憶処理をする。監視カメラ用でなければ、直接ステップS89に進む。これで、収集されたデータは、自動取引装置用管理データ143か機器用管理データ145のいずれかとして記憶される。
【0085】
その後、ステップS90では、データ閲覧用変換手段139(プログラム)が起動する。ステップS91では、機器用管理データ145の読出しをする。そして、ステップS92で、読み出したデータをウェブデータに変換処理する。ステップS93では、そのウェブデータを閲覧用記憶装置147に記憶する。これで、機器管理ユーザ端末103で随時閲覧をして処理することか可能になる。
【0086】
なお、上記の演算処理装置で実行されるコンピュータプログラムは、機能ブロックで図示した単位でモジュール化されてもよいし、複数の機能ブロックを組み合わせて一体化されてもよい。また、上記のコンピュータプログラムは、既存のアプリケーションプログラムに組み込んで使用してもよい。本発明を実現するためのコンピュータプログラムは、例えばCD−ROMのようなコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して、任意の情報処理装置にインストールして利用することができる。
【符号の説明】
【0087】
2 ディスプレイ
4 キーボード
5 マウス
6 警報機
7 入出力インタフェース
10 監視カメラシステム
14 監視対象となる領域
16 自動取引装置
18 監視カメラ
20 制御用コンピュータ
22 演算処理装置
24 記憶手段
26 画像情報取得手段
28 判定手段
30 情報編集手段
32 情報検索手段
34 報知手段
35 判定情報設定手段
36 撮影画像情報
38 属性データ
40 画像データ
42 判定情報
44 特定の状態
46 特定の画像が含まれた状態
48 繰り返し回数
50 判定時間
52 検索語
54 重要度
56 検出信号
64 機器情報取得手段
66 判定手段
67 機器情報
68 動作状態
70 動作履歴
72 判定情報
74 特定の動作状態
76 特定の動作履歴
78 検出信号
80 監視対象機器の画像
82 特定の状態の画像
84 判定情報
86 検出信号
100 ネットワーク
101 管理サーバ
103 機器管理ユーザ端末
111 データ形式変換手段
113 情報転送制御手段
115 記憶手段
117 機器識別情報
119 データ収集時刻情報
124 記憶手段
126 画像情報取得手段
128 判定手段
131 演算処理装置
133 情報収集手段
135 ユーザ認証処理手段
137 情報処理手段
139 データ閲覧用変換手段
141 情報記憶装置
143 自動取引装置用管理データ
145 機器用管理データ
147 閲覧用記憶装置
149 変換した情報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
監視対象となる領域を撮影して生成した撮影画像情報の入力を受け付ける画像情報取得手段と、
前記撮影画像情報の特定の状態もしくは前記撮影画像に特定の画像が含まれた状態を示す判定情報を記憶する記憶手段と、
前記画像情報取得手段に入力した撮影画像情報と前記記憶手段に記憶された前記判定情報とを比較して、両者が一定の関係にあると判断したときに、予め定めた形式の検出信号を生成して出力する判定手段とを備えたことを特徴とする監視カメラシステム。
【請求項2】
請求項1に記載の監視カメラシステムにおいて、
前記判定手段は、前記撮影画像情報中の人と判断できる移動体の画像を認識し、かつ、その人の腕と認識できる移動体の位置を認識する処理を実行し、前記判定情報は、前記監視対象となる領域に人が存在し、かつ、その人の腕が特定の位置に存在する状態を示す情報を含むことを特徴とする監視カメラシステム。
【請求項3】
請求項1または2に記載の監視カメラシステムにおいて、
前記監視対象となる領域に存在する監視対象機器の動作状態もしくは動作履歴を示す機器情報の入力を受け付ける機器情報取得手段を備え、
前記判定情報は、前記機器の特定の動作状態もしくは特定の動作履歴を示す情報を含み、
前記判定手段は、前記画像情報取得手段に入力した撮影画像情報と前記判定情報とを比較して、両者が一定の関係にあると判断し、かつ、前記機器情報取得手段に入力した機器情報と前記判定情報とを比較して、両者が一定の関係にあると判断したときに、予め定めた形式の検出信号を生成して出力することを特徴とする監視カメラシステム。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかに記載の監視カメラシステムにおいて、
前記判定手段は、前記撮影画像情報中の監視対象機器の画像を認識し、前記判定情報は、前記監視対象機器の特定の状態を示す情報を含むことを特徴とする監視カメラシステム。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかに記載の監視カメラシステムにおいて、
前記判定情報には、繰り返し回数と判定時間情報が含まれており、前記判定手段は、前記判定情報との比較の結果が前記一定の関係にあると判断したときに、その判断の結果を記録しておき、同一の判断が、前記判定時間内に前記繰り返し回数に相当するだけ繰り返されたときに、予め定めた形式の検出信号を生成して出力することを特徴とする監視カメラシステム。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれかに記載の監視カメラシステムにおいて、
前記判定情報には、その重要度を示す情報が含められ、前記判定手段は、前記検出信号に当該重要度を含めることを特徴とする監視カメラシステム。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれかに記載の監視カメラシステムにおいて、
前記判定情報には、その内容を示す検索語が含められており、前記判定手段は、前記検出信号に当該検索語を含めることを特徴とする監視カメラシステム。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれかに記載の監視カメラシステムにおいて、
前記判定情報を入力して設定をする判定情報設定手段を備えたことを特徴とする監視カメラシステム。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれかに記載の監視カメラシステムにおいて、
前記入力した前記撮影画像情報又は前記機器情報、もしくは、前記撮影画像情報及び前記機器情報に、前記判定手段から出力された検出信号とを関係づけて、記憶装置に記憶させる情報編集手段を備えたことを特徴とする監視カメラシステム。
【請求項10】
請求項6または7に記載の監視カメラシステムにおいて、
前記情報編集手段は、前記判定手段から出力された検出信号に加えて、前記重要度もしくは前記検索語を関係づけて、前記記憶装置に記憶させることを特徴とする監視カメラシステム。
【請求項11】
請求項10に記載の監視カメラシステムにおいて、
前記記憶装置に記憶された前記重要度もしくは前記検索語を使用して、該当する検出信号を検索して読み出す情報検索手段と、該当する検出信号に対応する報知処理を実行する報知手段とを備えたことを特徴とする監視カメラシステム。
【請求項12】
請求項3に記載の監視カメラシステムにおいて、
複数の自動取引装置を監視して管理するための管理サーバが設けられ、
この管理サーバは、前記自動取引装置を管理するための自動取引装置用管理データを、前記複数の自動取引装置から収集するとともに、前記監視カメラの撮影画像情報を含むカメラ用管理データを収集する情報収集手段と、
前記画像情報取得手段と前記判定手段と前記記憶手段とを備えた機器管理ユーザ端末に対して、予め収集した前記監視カメラ用画像データを転送する管理手段を備えたことを特徴とする監視カメラシステム。
【請求項13】
請求項12に記載の監視カメラシステムにおいて、
前記管理サーバの情報収集手段は、前記カメラ用管理データを、前記自動取引装置用管理データと同一のデータファイル形式に変換された状態で収集することを特徴とする監視カメラシステム。
【請求項14】
請求項12または13に記載の監視カメラシステムにおいて、
前記管理サーバの情報収集手段は、前記自動取引装置の動作状態もしくは動作履歴を示す機器情報を含む自動取引装置用管理データを収集するとともに、前記監視カメラの撮影画像情報を含むカメラ用管理データを収集し、
前記管理手段は、前記機器管理ユーザ端末に対して、前記機器情報と前記監視カメラ用画像データを転送することを特徴とする監視カメラシステム。
【請求項15】
請求項12乃至14のいずれかに記載の監視カメラシステムにおいて、
前記管理サーバの情報収集手段は、前記自動取引装置以外の任意の機器の機器情報を収集するとともに、前記監視カメラの撮影画像情報を含むカメラ用管理データを収集し、
前記管理手段は、前記機器管理ユーザ端末に対して、前記機器情報と前記監視カメラ用画像データを転送することを特徴とする監視カメラシステム。
【請求項16】
請求項15に記載の監視カメラシステムにおいて、
前記管理サーバの情報収集手段は、前記監視カメラ装置もしくは前記自動取引装置以外の任意の機器の指定された記憶領域から、前記自動取引装置用管理データと同一のデータファイル形式のデータを収集することを特徴とする監視カメラシステム。
【請求項17】
コンピュータを、
請求項1に記載の各手段として機能させる監視カメラシステム制御プログラム。
【請求項18】
コンピュータを、
請求項1に記載の各手段として機能させる監視カメラシステム制御プログラムを記録したコンピュータで読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2011−154519(P2011−154519A)
【公開日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−15354(P2010−15354)
【出願日】平成22年1月27日(2010.1.27)
【出願人】(500351000)日本エイ・ティー・エム株式会社 (21)
【出願人】(000001432)グローリー株式会社 (1,344)
【Fターム(参考)】