説明

監視カメラ

【課題】 監視カメラに接続された複数の監視端末で、それぞれ別々のパラメータによるアラーム検知を容易にする。
【解決手段】 撮像部101からの画像信号に対して、動き検出部109が、ブロック分割を行い、それぞれのブロック毎に動き検出を行う。各ブロック毎に検出された結果は通信ネットワーク部111を介して、送信される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は監視カメラに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、動き検出機能を備えた監視カメラとしては、特許文献1に記載されたものが知られている。
【0003】
従来の監視カメラの構成図を図7に示す。図7の監視カメラは、カメラ制御部705による絞り制御を受けるレンズ701と、CCD素子702と、AGC703と、A/D変換器704と、カメラ制御部705と、電荷蓄積時間制御部706と、ビデオデジタルプロセス部707と、JPEGエンコーダ708と、動き検出部709と、アラーム監視部710と、記憶部711と、サーバ712と、TCP/IP部713と、接点制御部714とから構成されている。アラーム監視部710は、動き検出部709からの動き判定情報および接点制御部714へ入力される外部からのアラーム信号によりアラームの発生の有無を判断し、アラーム発生と判断された場合、記憶部711にデータを記憶すると共に、記憶部711からサーバ712、TCP/IP部713を経てネットワークにアラーム情報のデータを伝送する。アラーム情報としては、カメラ映像信号、アラームログ情報、アラーム発信情報が伝送される。
【0004】
このように構成された監視カメラにおいて、動き検出部709は、ビデオデジタルプロセス部707からの映像信号に対して映像の変化を検出するものである。動き検出技術としては、例えば、特許文献2に記載された物体検出方法が知られている。従来の物体検出方法は、撮像装置から監視視野の画像を逐次受取り、撮像装置からの画像を記憶装置に保存し、撮像装置からの現在の画像と複数の所定フレーム数の異なる画像の各々との画素毎の輝度値の差を計算して各差分画像を生成し、差分画像(複数)をそれぞれ所定の割合(複数)で加算して合成差分画像を作成し、合成差分画像を所定のしきい値で二値化して二値化画像を作成し、二値化画像中の物体を監視視野内の侵入物体として検出している。
【0005】
また他の検出技術としては、背景差分法、フレーム差分法などが知られている。背景差分法は、基準画像と入力画像の画素毎に差分を求め、その差分の大きい領域を物体として検出する技術であり、この技術は、差分画像を所定のしきい値で二値化して二値化画像を作成し、該二値化画像中の物体を監視視野内の侵入物体として検出する。また、フレーム差分法は、異なる時間に入力された画像の画素毎に差分を求め、その差分の大きい領域を物体として検出する技術であり、この技術も、差分画像を所定のしきい値で二値化して二値化画像を作成し、該二値化画像中の物体を監視視野内の侵入物体として検出する。
【0006】
また、従来の動き検出技術としては、上記のような動き検出処理に加え、指定された領域内に動きがあるか判定をする領域指定機能、または指定された領域は検出を行わない領域マスク機能が付加されているものもある。
【特許文献1】特開2000−83241(第3−5ページ、図3)
【特許文献2】特開2002−176640(第5−9ページ、図2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来の監視カメラに搭載された動き検出機能は、設定された一組のパラメータを使って動きを検出しており、つまり、二値化の為のしきい値および指定された検出領域またはマスクされていない領域により動きの有無を判断している。そして、動きが検出された場合、アラーム情報がネットワークを介して監視端末に送信される。そのため、複数の監視端末が監視カメラに接続されている場合、それら複数の監視端末は、監視カメラに設定された1組のパラメータにより、アラームの有無を知ることになってしまう。複数の監視端末が、それぞれの監視端末で別々のパラメータによるアラームの有無を知るといったことは出来ない。
【0008】
本発明は、従来の問題を解決するためになされたもので、1台の監視カメラに接続された複数の監視端末側で、それぞれ別々のパラメータによるアラーム検知を容易に実現可能にする監視カメラを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の監視カメラは、撮像デバイスにより被写体を撮像し画像信号を生成する撮像部と、前記撮像部により撮影された画像信号を圧縮符号化する画像圧縮符号化部と、前記撮像部により撮影された画像信号を複数のブロックに分割し、分割された各ブロック毎に画像の動きを検出する動き検出部と、前記画像圧縮符号化部からの画像符号化データおよび前記動き検出部からの各ブロックの動き検出結果を出力する通信ネットワーク部とを有している。
【0010】
このことにより、各ブロックの動きの有無が監視端末に対して送信され、監視端末毎に独自の領域指定によるアラーム検知が可能となる。
【0011】
また、本発明の監視カメラは、撮像デバイスにより被写体を撮像し画像信号を生成する撮像部と、前記撮像部により撮影された画像信号を圧縮符号化する画像圧縮符号化部と、前記撮像部により撮影された画像信号を複数のブロックに分割し、分割された各ブロック毎に画像の特徴を算出する特徴算出部と、前記画像圧縮符号化部からの画像符号化データおよび前記特徴算出部からの各ブロックの特徴データを出力する通信ネットワーク部とを有している。
【0012】
このことにより、各ブロック毎の画像の特徴量が監視端末に対して送信され、監視端末毎に独自の特徴量検出によるアラーム検知が可能となる。
【0013】
さらに、本発明の監視カメラは、撮像デバイスにより被写体を撮像し画像信号を生成する撮像部と、前記撮像部により撮影された画像信号を圧縮符号化する画像圧縮符号化部と、前記撮像部により撮影された画像信号を複数のブロックに分割し、分割された各ブロック毎に画像の動きを検出する動き検出部と、前記撮像部により撮影された画像信号に対して前記動き検出部と同様に分割された各ブロック毎に画像の特徴量を算出する特徴算出部と、前記画像圧縮符号化部からの画像符号化データおよび前記動き検出部からの各ブロックの動き情報および前記特徴算出部からの各ブロックの特徴データを出力する通信ネットワーク部とを有している。
【0014】
このことにより、各ブロックの動き検出結果および画像の特徴データが監視端末側に対して送信され、監視端末毎に独自の領域指定および画像特徴量処理によるアラーム検知が可能となる。
【0015】
さらに、本発明の監視カメラは、前記特徴算出部において各ブロックの画像の輝度信号の平均値を算出する機能を有している。
【0016】
このことにより、各ブロックの画像の輝度信号の平均値データが監視端末に送信され、監視端末毎に画像の輝度信号レベルによるアラーム検知が可能となる。
【0017】
さらに、本発明の監視カメラは、前記特徴算出部において各ブロックの画像の色信号の平均値を算出する機能を有している。
【0018】
このことにより、各ブロックの画像の色信号の平均値データが監視端末に送信され、監視端末毎に画像の色信号レベルによるアラーム検知が可能となる。
【0019】
さらに、本発明の監視カメラは、前記特徴算出部において各ブロックの画像の動きの方向を算出する機能を有している。
【0020】
このことにより、各ブロックの動きの方向データが監視端末に送信され、監視端末毎に動きの方向データによるアラーム検知が可能となる。
【0021】
さらに、本発明の監視カメラは、前記特徴算出部における各ブロックの動きの方向算出に前記画像圧縮符号化部で算出された動きベクトルデータを用いる機能を有している。
【0022】
このことにより、動きの方向算出処理の負荷を低減することが可能となる。
【0023】
さらに、本発明の監視カメラは、前記特徴算出部において、各ブロック毎に、以前に前記撮像部により撮影された同一ブロック位置の画像信号に対する変化量を算出する機能を有している。
【0024】
このことにより、各ブロックの画像の変化量データが監視端末に送信され、監視端末毎に画像の変化量データによるアラーム検知が可能となる。
【0025】
さらに、本発明の監視カメラは、前記特徴算出部において各ブロック毎に、以前に前記撮像部により撮影された同一ブロック位置の画像信号に対する変化量を算出し、前記変化量を複数の閾値によりレベル付けを行う機能を有している。
【0026】
このことにより、各ブロックの画像の変化量レベルデータが監視端末に送信され、監視端末毎に画像の変化量レベルデータによるアラーム検知が可能となる。
【発明の効果】
【0027】
以上のように、本発明は、画像信号を複数のブロックに分割し、分割された各ブロック毎に画像の動きを検出する動き検出部を備え、画像符号化データと共に動き検出結果を通信ネットワーク部から出力することにより、監視カメラに接続された複数の監視端末側で、それぞれ別々のパラメータによるアラーム検知を容易に実現可能となる監視カメラを提供することができる。
【0028】
また、本発明は、画像信号を複数のブロックに分割し、分割された各ブロック毎に画像の特徴を算出する特徴算出部を備え、画像符号化データと共に各ブロックの特徴データを通信ネットワーク部から出力することにより、監視カメラに接続された複数の監視端末側で、それぞれ別々のパラメータによるアラーム検知を容易に実現可能となる監視カメラを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。
【0030】
本発明の第1の実施の形態の監視カメラについて図1、図2、図3、図4を用いて説明する。図1は、本発明の第1の実施の形態の監視カメラの構成図を示している。そして、図2は、監視カメラの動き検出部の処理を説明する図であり、図3は、監視カメラを用いた監視システムの構成図であり、図4は、監視カメラと接続された監視端末の動作を説明するための図である。
【0031】
図1において、監視カメラは、撮像デバイスにより被写体を撮像し画像信号を生成する撮像部101と、撮像部101により撮影された画像信号を圧縮符号化する画像圧縮符号化部109と、撮像部101により撮影された画像信号を複数のブロックに分割し、分割された各ブロック毎に画像の動きを検出する動き検出部110と、画像圧縮符号化部109からの画像符号化データおよび動き検出部110からの各ブロックの動き検出結果を出力する通信ネットワーク部111と、これらを制御する制御部108とを備えている。
【0032】
図1において撮像部101では、レンズ102を通った光はCCD103により光電変換され、アナログ映像信号が生成される。CDS/AGC部104でアナログ映像信号にCDS(Correlated Double Sampling)、ゲインコントロールが施され、A/D部105でアナログ映像信号がアナログデジタル変換され、デジタル画像信号が生成される。デジタル信号処理部106では、ホワイトバランス制御、ガンマ変換等の周知のカメラ信号処理が行われ、輝度信号(Y)、色差信号(Cb,Cr)の画像信号への変換が行われる。駆動制御部107は、CCDの駆動の制御を行う。
【0033】
撮像部101で生成された画像信号は、画像圧縮符号化部109において、JPEG、MPEG等の既存の画像符号化方式により圧縮符号化され、通信ネットワーク部111を介して、送信される。
【0034】
また撮像部101で生成された画像信号は、動き検出部110へも入力される。動き検出部110は、図2(a)に示したように、水平640画素、垂直480画素の画像に対して、水平80画素、垂直80画素で1つのブロックとして、48のブロックにブロック分割を行い、それぞれのブロック毎に周知の画像の変化検出方法により動物体の検出を行う。図2(b)は、1〜48のブロック番号を示している。各ブロック毎に検出された結果は、図2(c)に示したように、各ブロック毎に動きがある場合は1、動きが無い場合は0とする。各ブロックの動き検出結果は、画像符号化データと共に通信ネットワーク部111を介して、送信される。各ブロックの動き検出の結果は、図2(b)に示したブロック番号の0番から順に、図2(d)のように送信される。
【0035】
また、通信ネットワーク部111を介して受信された制御データは、制御部108に渡される。制御部108は制御データに基づき、撮像部101、画像圧縮符号化部109、動き検出部110、通信ネットワーク部111の各部を制御するものであり、マイクロコンピュータ、ROM、RAMにより構成されている。
【0036】
図3において、監視カメラ301は、本実施の形態の監視カメラ(図1のカメラ)であり、通信ネットワークを介してA監視端末302、B監視端末303、C監視端末304と接続されている。監視端末は、カメラ301からの画像の符号化データを復号化し画面に表示する監視画像表示装置、または監視カメラ301からの画像の符号化データをハードディスク等の蓄積デバイスに蓄積する監視画像蓄積装置等であり、通信ネットワークを介して監視カメラ301の動作を制御することが可能なものである。
【0037】
本実施の形態では、各監視端末が、監視カメラから受信したデータを基に、監視端末側で持っている検出処理用のパラメータを使ってアラームを検知する。したがって、各監視端末は、それぞれ独自のパラメータを使ってアラームを検知することができる。図4を参照すると、A監視端末302においては、図4(a)に示した検出領域が設定され、B監視端末303においては、図4(b)に示した検出領域が設定されたとする。移動物体は、A監視端末302の検出領域にのみ映っている。したがって、この場合、A監視端末302においてはアラームを検知し、B監視端末303においては、アラームを検知しないことになる。
【0038】
このような本発明の第1の実施の形態によれば、複数の監視端末でそれぞれの検出領域設定による異なるアラーム検知が容易に実現可能となる。
【0039】
次に本発明の第2の実施の形態について図5を用いて説明する。以下、第1の実施の形態との相違点を中心に第2の実施の形態について説明し、第1の実施の形態と重複する事項の説明は適宜省略する。
【0040】
図5は、本発明の第2の実施の形態の監視カメラの構成図を示している。図5において、図1との違いは、図1の動き検出部110が特徴算出部501に置き換わっている点と、通信ネットワーク部502が動き検出結果ではなく、特徴算出部が算出した各ブロックの画像の特徴データを送出している点である。
【0041】
撮像部101で生成された画像信号は、画像圧縮符号化部109において、JPEG、MPEG−4等の既存の画像符号化方式により圧縮符号化され、通信ネットワーク部111を介して、送信される。
【0042】
また、撮像部101で生成された画像信号は、特徴算出部501へ入力される。特徴算出部501は、動き検出部110と同様に図2(a)に示したように、水平640画素、垂直480画素の画像に対して、水平80画素、垂直80画素で1つのブロックとして、48のブロックにブロック分割を行い、それぞれのブロック毎に画像の特徴量の算出を行う。各ブロック毎に算出された特徴データは、画像符号化データと共に、通信ネットワーク部502を介して送信される。特徴データは、図2(b)に示したブロック番号の0番から順に、送信される。
【0043】
特徴算出部501は、各ブロック毎に、画像の輝度信号の平均値、色信号の平均値、画像の動き方向、画像の変化量、画像の変化レベルを算出するものである。
【0044】
輝度信号の平均値は、1ブロックの80×80画素分の輝度値を加算し、80×80で割ることにより求めることができる。
【0045】
色信号の平均値は、1ブロックの80×80画素分の色差信号(Cb,Cr)について、4:2:2フォーマットの場合、Cb信号、Cr信号それぞれ40×80画素分(水平40画素、垂直80画素)を加算し、それぞれ40×80で割ることにより求めることができる。
【0046】
画像の動きの方向は、ブロック毎に、1フレーム時間前に入力された画像の同一ブロックを中心として周辺に数画素ずつずらしたブロックとのマッチング度合いを判定していき、もっともマッチングしている位置が、水平、垂直方向にどれだけずれているかにより求めることができる。
【0047】
また、画像の動き方向の算出には、画像圧縮符号化部109で算出された動きベクトルが用いられてよく、これにより、計算量が減り、算出処理の負荷を低減できる。画像圧縮符号化部109の圧縮方式がMPEG−4であったとする。MPEG−4では、水平16画素、垂直16画素のマクロブロック単位に動きベクトルが算出される。この動きベクトルが特徴算出部501に供給される。そして、動きベクトルを用いて、水平5マクロブロック、垂直5マクロブロックの計25マクロブロックの動きベクトルの平均を算出する。これにより、本実施の形態の特徴算出対象の1ブロックの動き方向を算出することが出来る。
【0048】
画像の変化量は、ブロック毎に、1フレーム時間前に入力された画像の同一ブロックに対して、画素毎の差分の絶対値をブロック内の画素分だけ加算し、その合計値をブロック内の画素数(80×80)で割ったものとして算出できる。
【0049】
画像の変化量レベルは、上記の画像の変化量から、閾値を用いることにより算出できる。例えば、3個の閾値(TH1>TH2>TH3)でレベル付けし、変化量がTH1以上の場合は3、変化量がTH1より小さくTH2以上の場合は2、変化量がTH2より小さくTH3以上の場合は1、変化量がTH3より小さい場合は0とすることにより、0〜3の4段階の変化量レベルを算出できる。
【0050】
このような特徴データが、特徴量算出部501により算出されて、通信ネットワーク部502から、図3に示したような複数の監視端末へ送信される。各監視端末は、監視カメラから受信した特徴データを基に、監視端末側で持っている検出処理用のパラメータを使ってアラームを検知する。したがって、各監視端末は、他端末と異なる独自のパラメータを使ってアラームを検知することができる。
【0051】
このようにして、本発明の第2の実施の形態によれば、監視カメラから出力された特徴データを基に、複数の監視端末でそれぞれ別の特徴量検知パラメータによりアラームを検知することが可能となる。
【0052】
また、特徴量算出処理にて各ブロックの画像の輝度信号の平均値が算出されており、このことにより、各ブロックの画像の輝度信号の平均値データが監視端末に送信され、監視端末毎に画像の輝度信号レベルによるアラーム検知が可能となる。
【0053】
また、特徴量算出処理にて各ブロックの画像の色信号の平均値が算出されており、このことにより、各ブロックの画像の色信号の平均値データが監視端末に送信され、監視端末毎に画像の色信号レベルによるアラーム検知が可能となる。
【0054】
また、特徴量算出処理にて各ブロックの画像の動きの方向が算出されており、このことにより、各ブロックの動きの方向データが監視端末に送信され、監視端末毎に動きの方向データによるアラーム検知が可能となる。
【0055】
さらに、各ブロックの動きの方向算出に画像圧縮符号化部で算出された動きベクトルデータが用いられている。より詳細には、特徴量算出のために分割された各ブロックである特徴量算出ブロックは、それぞれが画像圧縮符号化部で動きベクトルデータを算出するブロックである複数の動きベクトル算出ブロック(マクロブロック)を合わせたサイズと形状を有している。そして、特徴量算出部は、特徴量算出ブロックに対応する複数の動きベクトル算出ブロック(マクロブロック)から算出された複数の動きベクトルデータを画像圧縮符号化部から取得し、それら動きベクトルデータから特徴量算出ブロックの動きの方向を算出する。このとき、本実施の形態では、取得された複数の動きベクトルデータの平均が算出され、平均の動きベクトルから動きの方向が求められる。このようにして、本実施の形態によれば、動きの方向算出処理の負荷を低減することが可能となる。
【0056】
また、特徴算出処理にて各ブロック毎に、以前に前記撮像部により撮影された同一ブロック位置の画像信号に対する変化量が算出されており、このことにより、各ブロックの画像の変化量データが監視端末に送信され、監視端末毎に画像の変化量データによるアラーム検知が可能となる。
【0057】
また、特徴算出処理にて各ブロック毎に、以前に前記撮像部により撮影された同一ブロック位置の画像信号に対する変化量が算出され、さらに変化量に対して複数の閾値によりレベル付けが行われており、このことにより、各ブロックの画像の変化量レベルデータが監視端末に送信され、監視端末毎に画像の変化量レベルデータによるアラーム検知が可能となる。
【0058】
次に、本発明の第3の実施の形態について図6を用いて説明する。以下、第1、第2の実施の形態との相違点を中心に第3の実施の形態について説明し、第1、第2のの実施の形態で既に説明した事項の説明は適宜省略する。
【0059】
図6は、本発明の第3の実施の形態の監視カメラの構成図を示している。図6において、図1との違いは、特徴算出部601が加わっている点と、通信ネットワーク部602において、画像符号化、動き検出結果に加え、特徴算出部が算出した各ブロックの画像の特徴データを送出している点である。特徴検出部601の構成および機能は、図5の特徴検出部601と同様でよい。
【0060】
撮像部101で生成された画像信号は、画像圧縮符号化部109において、JPEG、MPEG等の既存の画像符号化方式により圧縮符号化され、通信ネットワーク部111を介して、送信される。
【0061】
また、撮像部101で生成された画像信号は、動き検出部110へも入力される。動き検出部110は、図2(a)に示したように、水平640画素、垂直480画素の画像に対して、水平80画素、垂直80画素で1つのブロックとして、48のブロックにブロック分割を行い、それぞれのブロック毎に周知の画像の変化検出方法により動物体の検出を行う。各ブロック毎に検出された結果は、図2(c)に示したように各ブロック毎に動きがある場合は1、動きが無い場合は0とする。各ブロックの動き検出結果は、通信ネットワーク部111を介して、送信される。各ブロックの動き検出の結果は、画像符号化データと共に、送信される。動き検出結果は、図2(b)に示したブロック番号の0番から順に、図2(d)のように送信される。
【0062】
また、撮像部101で生成された画像信号は、特徴算出部601へも入力される。特徴算出部601は、動き検出部110と同様に図2(a)に示したように、水平640画素、垂直480画素の画像に対して、水平80画素、垂直80画素で1つのブロックとして、48のブロックにブロック分割を行い、それぞれのブロック毎に画像の特徴量の算出を行う。各ブロック毎に算出された特徴データは、画像符号化データと共に、通信ネットワーク部502を介して送信される。特徴データは、図2(b)に示したブロック番号の0番から順に、送信される。
【0063】
このような本発明の第3の実施の形態によれば、監視カメラから送出される各ブロックの動き検出結果および特徴データを用いて、受信した監視端末で独自のアラーム検知パラメータによるアラーム検知が可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0064】
以上のように、本発明にかかる監視カメラは、監視カメラに接続された複数の監視端末側で、それぞれ別々のパラメータによるアラーム検知を容易に実現可能となる効果を有し、複数の監視端末と監視カメラを接続する監視システム等として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明の第1の実施の形態における監視カメラの構成図
【図2】本発明の第1の実施の形態における監視カメラの動き検出部の動作の説明図 (a)画像とその分割状態の例を示す図 (b)ブロック番号を示す図 (c)ブロック毎の動き検出結果の例を示す図 (d)送信データの例を示す図
【図3】本発明の第1の実施の形態における監視カメラシステムの構成図
【図4】本発明の第1の実施の形態における監視端末の動作の説明図 (a)A監視端末の範囲を示す図 (b)B監視端末の範囲を示す図
【図5】本発明の第2の実施の形態における監視カメラの構成図
【図6】本発明の第3の実施の形態における監視カメラの構成図
【図7】従来の監視カメラの構成図
【符号の説明】
【0066】
101 撮像部
102 レンズ
103 CCD
104 CDS/AGC部
105 A/D変換部
106 デジタル信号処理部
107 駆動制御部
108 制御部
109 画像圧縮符号化部
110 動き検出部
111 通信ネットワーク部
301 監視カメラ
302 A監視端末
303 B監視端末
304 C監視端末
501 特徴算出部
502 通信ネットワーク部
601 特徴算出部
602 通信ネットワーク部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像デバイスにより被写体を撮像し画像信号を生成する撮像部と、
前記撮像部により撮影された画像信号を圧縮符号化する画像圧縮符号化部と、
前記撮像部により撮影された画像信号を複数のブロックに分割し、分割された各ブロック毎に画像の動きを検出する動き検出部と、
前記画像圧縮符号化部からの画像符号化データおよび前記動き検出部からの各ブロックの動き検出結果を出力する通信ネットワーク部と、
を備えることを特徴とする監視カメラ。
【請求項2】
撮像デバイスにより被写体を撮像し画像信号を生成する撮像部と、
前記撮像部により撮影された画像信号を圧縮符号化する画像圧縮符号化部と、
前記撮像部により撮影された画像信号を複数のブロックに分割し、分割された各ブロック毎に画像の特徴を算出する特徴算出部と、
前記画像圧縮符号化部からの画像符号化データおよび前記特徴算出部からの各ブロックの特徴データを出力する通信ネットワーク部と、
を備えることを特徴とする監視カメラ。
【請求項3】
撮像デバイスにより被写体を撮像し画像信号を生成する撮像部と、
前記撮像部により撮影された画像信号を圧縮符号化する画像圧縮符号化部と、
前記撮像部により撮影された画像信号を複数のブロックに分割し、分割された各ブロック毎に画像の動きを検出する動き検出部と、
前記撮像部により撮影された画像信号に対して前記動き検出部と同様に分割された各ブロック毎に画像の特徴量を算出する特徴算出部と、
前記画像圧縮符号化部からの画像符号化データおよび前記動き検出部からの各ブロックの動き情報および前記特徴算出部からの各ブロックの特徴データを出力する通信ネットワーク部と、
を備えることを特徴とする監視カメラ。
【請求項4】
前記特徴算出部は、各ブロックの画像の輝度信号の平均値を算出することを特徴とする請求項2または3に記載の監視カメラ。
【請求項5】
前記特徴算出部は、各ブロックの画像の色信号の平均値を算出することを特徴とする請求項2または3に記載の監視カメラ。
【請求項6】
前記特徴算出部は、各ブロックの画像の動きの方向を算出することを特徴とする請求項2または3に記載の監視カメラ。
【請求項7】
前記特徴算出部は、各ブロックの動きの方向算出に前記画像圧縮符号化部で算出された動きベクトルデータを用いることを特徴とする請求項6に記載の監視カメラ。
【請求項8】
前記特徴算出部は、各ブロック毎に、以前に前記撮像部により撮影された同一ブロック位置の画像信号に対する変化量を算出することを特徴とする請求項2または3に記載の監視カメラ。
【請求項9】
前記特徴算出部は、各ブロック毎に、以前に前記撮像部により撮影された同一ブロック位置の画像信号に対する変化量を算出し、前記変化量を複数の閾値によりレベル付けを行うことを特徴とする請求項8に記載の監視カメラ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−19759(P2007−19759A)
【公開日】平成19年1月25日(2007.1.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−198026(P2005−198026)
【出願日】平成17年7月6日(2005.7.6)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】