説明

直接噴射オットー内燃機関用の燃料‐及び潤滑剤組成物におけるアミン及び/又はマンニッヒ‐付加体の使用

本発明は、直接噴射オットー内燃機関用の燃料‐及び潤滑剤組成物中の清浄剤及び/又は分散剤としてのアミン及び/又はマンニッヒ‐付加体の使用に関する。更に本発明は、少なくとも1種のそのようなマンニッヒ‐付加体を含有する燃料‐及び潤滑剤組成物、及びビスアミノアルキル化マンニッヒ‐付加体に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、直接噴射オットー内燃機関用の燃料‐及び潤滑剤組成物における清浄剤及び/又は分散剤としてのアミン及び/又はマンニッヒ‐付加体の使用に関する。本発明は更に、少なくとも1種のそのようなマンニッヒ‐付加体を含有する燃料‐及び潤滑剤組成物、及びビスアミノアルキル化マンニッヒ‐付加体に関する。
【0002】
直接噴射オットー内燃機関は、殊に、貧範囲において、即ち、ラムダ‐値約1又はそれ以上で、より良好な燃料消費及び同時に内燃機関出力の上昇を可能にするので、益々重要になってきている。慣用のオットー内燃機関に比較して、より少ない二酸化炭素‐放出がそれによって得られる。
【0003】
直接噴射オットー内燃機関における噴射ノズルは、燃焼室中に存在し、従って、極限条件に曝される。この条件下に、燃料の強力な分解及び酸化が起こり、増大した沈積物が形成する。沈積物問題は主に噴射ノズルに関係するが、送入弁にも、全燃焼空間にも関係する。噴射ノズル上の沈積物は燃料供給を減少させ、噴射特性を変化させる。僅かに減少された燃料供給は、相応する電子制御によって補正することができる;しかし、より強い供給減少及び噴射特性の変化では、もはや対抗制御が不可能である。しかし、最適燃料消費及び出力上昇のために、異議のない噴射特性が不可欠である。従って、沈積物の形成は極く広汎に回避されなければならない。むしろ脂肪性混合物が沈積物を引き起こす従来の内燃機関に対して、直接噴射オットー内燃機関では、特に貧混合物が沈積物を生じさせる。
【0004】
WO01/42399は、直接噴射オットー内燃機関中での沈積物防止のために、燃料添加剤としてマンニッヒ‐塩基の使用を記載している。検査は、低反応性のポリイソブテンから誘導される基で置換されたフェノールをベースとするマンニッヒ‐塩基を用いて、燃料富混合物(ラムダ‐値0.8)で実施された。しかし、市販で得られる直接噴射オットー内燃機関は、要求されるガソリン節約を達成するために、燃料貧混合物で運転される。更に、例えば、ラムダ‐値0.8を有する燃料富混合物は、慣用の排ガス触媒の作用を損なうかもしれず、この際、合法的に設定された排ガス最高値が越される可能性がある。WO01/42399で達成された結果は未だ不十分である;殊に、そこに記載されたマンニッヒ‐塩基は、ラムダ‐範囲0.9〜9での内燃機関の運転では作用しない。更に、そこで使用される内燃機関は現代的な直接噴射装置ではなく、このことは、いわゆるフラットトップピストンを有する内燃機関が使用されることから明らかである。しかし、このシリンダーの構造は、均一の燃料分配のために決定的である現代的な直接噴射装置中の特殊なシリンダー形状には相応しない。
【0005】
従って、本発明の課題は、ラムダ‐範囲0.9〜9における内燃機関の運転の際も、直接噴射オットー内燃機関中の沈積物を有利に防止する好適な燃料添加剤を製造することであった。
【0006】
この課題は、ラムダ‐範囲0.9〜9で運転される直接噴射オットー内燃機関用の燃料‐及び潤滑剤組成物中の清浄剤及び/又は分散剤として、
少なくとも1種の、式:
NR
[式中、R、R及びRは、各々無関係で、H、C〜C20‐アルキル又はC〜C20‐シクロアルキルを表わし、この際、2つのアルキル基は、それらが結合している窒素原子と一緒に1個の環を形成してよく、かつこの際、アルキル‐及びシクロアルキル基は、O及びNRから選択される1個以上の基によって遮断され及び/又は1個以上の基OR又はNRによって置換されていてよく、この際、R、R、R及びRは、相互に無関係で、R、R及びRと同様に定義される]のアミンを含有する成分A、
及び/又は
少なくとも1種の、式I:
【0007】
【化1】

[式中、R及びRは、各々無関係で、成分AのR、R及びRと同様に定義され、
は、有利に反応性ポリイソブテンから誘導されるポリイソブテン‐基を表わし、
は、C〜C‐アルキル基を表わし、
10は、H又はC〜C‐アルキルを表わし、
mは、0〜(4‐n)の数を表わし、かつ
nは、1〜3の数を表わす]のマンニッヒ‐付加体を含有する成分Bを使用することによって解明された。
【0008】
この本発明による使用は、次に使用変法1として表示される。
【0009】
商慣習の直接噴射オットー内燃機関の運転では、様々なラムダ‐値のサイクルが稼動される。使用変法1では、成分A及び/又はBが、直接噴射オットー内燃機関用の燃料‐及び潤滑剤組成物中に使用され、この際、内燃機関は、本発明により運転時間の80%以上、少なくとも0.9〜9、有利に0.95〜8、及び殊に0.97〜6のラムダ‐値で運転される。ラムダ‐値とは、燃焼室中へ供給される空気量対完全な燃焼に理論的に必要な空気量の比率のことである。この際、1以下のラムダ‐値を有する混合物を富混合物と表示し、かつ1以上のラムダ‐値を有する混合物を貧混合物と表示する。
【0010】
使用変法1において、成分AのアミンNRの分子量又は成分Bのマンニッヒ‐付加体Iにおける基NRの分子量の合計は、120〜1000g/モル、殊に180〜600g/モルである。成分Aのアミンの場合には、分子量は180〜300g/モルであることが極めて特に有利である。
【0011】
は、いわゆる”反応性”ポリイソブテンから誘導されるポリイソブテン‐基を有利に表わす。反応性ポリイソブテンの定義及びそれに関する有利な詳細については、後記のRの詳細が参照される。
【0012】
本発明のもう1つの目的は、直接噴射オットー内燃機関用の燃料‐及び潤滑剤組成物中の清浄剤及び/又は分散剤として、
少なくとも1種の、式:
NR
[式中、R、R及びRは、各々無関係で、H、C〜C20‐アルキル又はC〜C20‐シクロアルキルを表わし、この際、2つのアルキル基は、それらが結合している窒素原子と一緒に1個の環を形成してよく、かつこの際、アルキル‐及びシクロアルキル基は、O及びNRから選択される1個以上の基によって遮断され及び/又は1個以上の基OR又はNRによって置換されていてよく、この際、R、R、R及びRは、相互に無関係で、R、R及びRと同様に定義される]のアミン(ここで、アミンNRの分子量は120〜1000g/モルであるという条件を伴う)を含有する成分A、
及び/又は
少なくとも1種の、式I:
【0013】
【化2】

[式中、R及びRは、各々無関係で、成分AのR、R及びRと同様に定義され、ここで、基NRの分子量の合計は120〜1000g/モルであるという条件を伴い、
は、ポリ(イソ)ブテン‐基を表わし、
は、C〜C‐アルキル基を表わし、
10は、H又はC〜C‐アルキルを表わし、
mは、0〜(4‐n)の数を表わし、かつ
nは、1〜3の数を表わす]のマンニッヒ‐付加体を含有する成分Bを使用することである。
【0014】
ここに記載された使用変法は、次に使用変法2として表示される。
【0015】
2つの変法において、成分Bは単独で又は成分Aと混合して使用されることが有利である。
【0016】
使用変法2において、成分AのアミンNRの分子量又は成分Bのマンニッヒ‐付加体における基NRの分子量は、180〜600g/モルであることが有利である。成分Aのアミンの場合には、分子量は180〜300g/モルであることが特に有利である。
【0017】
使用変法2において、成分A及び/又はBが直接噴射オットー内燃機関用の燃料‐及び潤滑剤組成物中で使用され、この際、内燃機関は、有利に運転時間の80%以上、有利に0.9〜9、特に有利に0.95〜8、及び殊に0.97〜6のラムダ‐値で運転される。
【0018】
2つの使用変法1及び2において、基R、R、R、R、R、R及びRの前記の定義におけるC〜C20‐アルキルは、分枝鎖又は非分枝鎖のアルキル、殊に、メチル、エチル、n‐プロピル、イソプロピル、n‐ブチル、二級‐ブチル、イソブチル、三級‐ブチル、1‐、2‐又は3‐ペンチル、1‐、2‐、3‐又は4‐メチルブチル、1,1‐、1,2‐、1,3‐又は2,2‐ジメチルプロピル、1‐、2‐又は3‐ヘキシル、2‐、3‐又は4‐メチルペンチル、1,1‐、1,2‐、1,3‐、2,2‐、2,3‐又は3,3‐ジメチルブチル、2‐エチルブチル、1‐、2‐、3‐又は4‐ヘプチル、2‐、3‐、4‐又は5‐メチルヘキシル、1,1‐、1,2‐、1,3‐、1,4‐、2,2‐、2,3‐、2,4‐、3,3‐、3,4‐又は4,4‐ジメチルペンチル、2‐又は3‐エチルペンチル、1‐、2‐、3‐又は4‐オクチル、2‐、3‐、4‐、5‐又は6‐メチルヘキシル、1,1‐、1,2‐、1,3‐、1,4‐、1,5‐、2,2‐、2,3‐、2,4‐、2,5‐、3,3‐、3,4‐、3,5‐、4,4‐、4,5‐又は5,5‐ジメチルヘキシル、2‐、3‐又は4‐エチルヘキシル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、ノナデシル又はエイコシルを表わす。アルキル基は1個以上のC〜C20‐シクロアルキル基によって置換されていてもよい。
【0019】
2個のアルキル基が、マンニッヒ‐付加体I又はアミンNRのNR‐基の窒素原子と一緒に1個の環を形成する場合には(この際、アルキル基は基O又はNRによって遮断されていてよい)、この環は、例えば、ピペリジン、ピペラジン又はモルホリンを表わす。
【0020】
基R、R、R、R、R、R及びRの前記の定義で、C〜C20‐シクロアルキルは、例えば、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロオクチル又はシクロデシルを表わす。シクロアルキル基は1個以上のC〜C20‐アルキルによって置換されていてよい。その例は、3‐メチルシクロペンチル及び4‐メチルシクロヘキシルである。
【0021】
及びR10の前記の定義で、C〜C‐アルキルは、殊に、メチル、エチル、n‐プロピル、イソプロピル、n‐ブチル、二級‐ブチル、イソブチル、三級‐ブチル、1‐、2‐又は3‐ペンチル、1‐、2‐、3‐又は4‐メチルブチル、1,1‐、1,2‐、1,3‐又は2,2‐ジメチルプロピル、1‐、2‐又は3‐ヘキシル、2‐、3‐又は4‐メチルペンチル、1,1‐、1,2‐、1,3‐、2,2‐、2,3‐又は3,3‐ジメチルブチル又は2‐エチルブチルを表わす。
【0022】
基R、R及びRは、有利に各々無関係で、分枝鎖又は非分枝鎖のC〜C20‐アルキル、例えば、1‐、2‐又は3‐ヘキシル、2‐、3‐又は4‐メチルペンチル、1,1‐、1,2‐、1,3‐、2,2‐、2,3‐又は3,3‐ジメチルブチル、2‐エチルブチル、1‐、2‐、3‐又は4‐ヘプチル、2‐、3‐、4‐又は5‐メチルヘキシル、1,1‐、1,2‐、1,3‐、1,4‐、2,2‐、2,3‐、2,4‐、3,3‐、3,4‐又は4,4‐ジメチルペンチル、2‐又は3‐エチルペンチル、1‐、2‐、3‐又は4‐オクチル、2‐、3‐、4‐、5‐又は6‐メチルヘキシル、1,1‐、1,2‐、1,3‐、1,4‐、1,5‐、2,2‐、2,3‐、2,4‐、2,5‐、3,3‐、3,4‐、3,5‐、4,4‐、4,5‐又は5,5‐ジメチルヘキシル、2‐、3‐又は4‐エチルヘキシル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、ノナデシル又はエイコシル、又は
【0023】
【化3】

[式中、R、R、R11、R12、R13及びR14は、相互に無関係で、H又はC〜C‐アルキルを表わし、
及びRは、相互に無関係で、H、C〜C‐アルキル又はC〜C‐ヒドロキシアルキルを表わし、
x及びzは、相互に無関係で、1〜20の数を表わし、
yは、0〜10の数を表わす]を表わす。
【0024】
基R、R、R、R、R11、R12、R13及びR14の前記の定義で、C〜C‐アルキルは、殊に、メチル、エチル、n‐プロピル、イソプロピル、n‐ブチル、二級‐ブチル、イソブチル、三級‐ブチル、1‐、2‐又は3‐ペンチル、1‐、2‐、3‐又は4‐メチルブチル、1,1‐、1,2‐、1,3‐又は2,2‐ジメチルプロピル、1‐、2‐又は3‐ヘキシル、2‐、3‐又は4‐メチルペンチル、1,1‐、1,2‐、1,3‐、2,2‐、2,3‐又は3,3‐ジメチルブチル又は2‐エチルブチルを表わす。
【0025】
11、R12、R13及びR14は、Hを表わすことが有利である。
【0026】
2つの使用変法1及び2において、成分Aの好適なアミンは、モノアミン、即ち、分子中に1個だけのアミン官能を有するアミンであり、同様にポリアミン、即ち、分子中に少なくとも2個のアミン官能を有するアミンでもある。1個のアルキルアミン、特に1個のモノアルキルアミンが重要である場合には、成分Aは、2つの変法において、単独では使用されないことが有利である。殊に、直鎖モノアルキルアミンは単独では使用されない。
【0027】
好適なモノアミンは、一級でも、二級でも、又は三級でもある。一級アミンは、式中の基R、R及びRの2つがHを表わすものである。2つの使用変法1及び2に好適な一級モノアミンは、例えば、オクチルアミン、2‐エチルヘキシルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ウンデシルアミン、ドデシルアミン、トリデシルアミン、テトラデシリアミン、ペンタデシルアミン、ヘキサデシルアミン、ヘプタデシルアミン、オクタデシルアミン、ノナデシルアミン、エイコシルアミン及びシクロオクチルアミン及びシクロデシルアミンである。使用変法1において、更に好適な一級アミンは、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン及びヘプチルアミンである。二級アミンは、式中の基R、R及びRの1つがHを表わすものである。2つの使用変法1及び2に好適な二級モノアミンは、例えば、ジブチルアミン、ジイソブチルアミン、ジ‐t‐ブチルアミン、ジペンチルアミン、ジヘキシルアミン、ジヘプチルアミン、ジオクチルアミン、ジ(2‐エチルヘキシルアミン)、ジノニルアミン及びジデシルアミン及びN‐メチルシクロヘキシルアミン、N‐エチルシクロヘキシルアミン及びジシクロヘキシルアミンである。使用変法1において、更に好適な二級アミンは、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン及びジイソプロピルアミンである。三級アミンは、式中の3つの基R、R及びRのどれもHを表わさないものである。2つの使用変法1及び2に好適な三級アミンは、例えば、トリプロピルアミン、トリイソプロピルアミン、トリブチルアミン、トリペンチルアミン、トリヘキシルアミン、トリヘプチルアミン、トリオクチルアミン、トリノニルアミン及びトリデシルアミン及びN‐メチルジシクロヘキシルアミン及びN‐エチルジシクロヘキシルアミンである。使用変法1において、更に好適な三級アミンは、トリメチルアミン及びトリエチルアミンである。前記のアミンの全異性体も好適である。有利なモノアミンは、二級アミン、殊に、Hを表わさない2つの基が同じであるものである。モノアミンの混合物、殊に、大工業的に流通しているアミン混合物、例えば、Ullmanns Encyclopedia of Industrial Chemistry, 6th edition, 2000, electronic release, 章”アミン(Amines)、脂肪族(aliphatic)”に記載され、全範囲で参照される脂肪アミンを使用することも有利である。
【0028】
使用変法1に好適な環状モノアミンは、例えば、ピロリジン、ピペリジン及びモルホリンである。
【0029】
2つの使用変法1及び2に好適なポリアミンは、式 NRのアミンであり、式中の基R、R又はRの少なくとも1基は、式II、III又はIV:
【0030】
【化4】

[式中、R、R、R11、R12、R13及びR14は、各々無関係で、H又はC〜C‐アルキルを表わし、
、R、R15及びR16は、各々無関係で、H、C〜C‐アルキル又はC〜C‐ヒドロキシアルキルを表わし、
x及びzは、各々無関係で、1〜20の数を表わし、かつ
yは、0〜10の数を表わし、この際、式IV中のyは0であってはならない]の基を表わす。
【0031】
ポリアミンとして、基R、R又はRの少なくとも1基が式IIの基を表わすアミンを使用することが有利である。式中のR、R11、R12、R13及びR14がHを表わし、x及びzが1〜8の数であり、かつyが0〜10の数である基IIが有利である。そのようなポリアミンの例は、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、ジプロピレントリアミン、トリプロピレンテトラミン、テトラプロピレンペンタミン、ジブチレントリアミン、トリブチレンテトラミン、テトラブチレンペンタミン、N,N‐ジプロピルメチレンジアミン、N,N‐ジプロピルエチレン‐1,2‐ジアミン、N,N‐ジエチルプロピレン‐1,3−ジアミン、N,N‐ジプロピルプロピレン‐1,3‐ジアミン、N,N‐ジエチルブチレン‐1,4−ジアミン、N,N‐ジプロピルブチレン‐1,4−ジアミン、N,N‐ジメチルペンチレン‐1,3−ジアミン、N,N‐ジエチルペンチレン‐1,5‐ジアミン、N,N‐ジプロピルペンチレン‐1,5‐ジアミン、N,N‐ジメチルヘキシレン‐1,6−ジアミン、N,N‐ジエチルヘキシレン‐1,6−ジアミン、N,N‐ジプロピルヘキシレン‐1,6‐ジアミン、ビス[2‐(N,N‐ジメチルアミノ)エチル]アミン、ビス[2‐(N,N‐ジプロピルアミノ)エチル]アミン、ビス[3‐(N,N‐ジメチルアミノ)プロピル]アミン、ビス[3‐(N,N‐ジエチルアミノ)プロピル]アミン、ビス[3‐(N,N‐ジプロピルアミノ)プロピル]アミン、ビス[4‐(N,N‐ジメチルアミノ)ブチル]アミン、ビス[4‐(N,N‐ジエチルアミノ)ブチル]アミン、ビス[4‐(N,N‐ジプロピルアミノ)ブチル]アミン、ビス[5‐(N,N‐ジメチルアミノ)ペンチル]アミン、ビス[5‐(N,N‐ジエチルアミノ)ペンチル]アミン、ビス[5‐(N,N‐ジプロピルアミノ)ペンチル]アミン、ビス[6‐(N,N‐ジメチルアミノ)ヘキシル]アミン、ビス[6‐(N,N‐ジエチルアミノ)ヘキシル]アミン、ビス[6‐(N,N‐ジプロピルアミノ)ヘキシル]アミン、トリス[2‐(N,N‐ジメチルアミノ)エチル]アミン、トリス[2‐(N,N‐ジプロピルアミノ)エチル]アミン、トリス[3‐(N,N‐ジメチルアミノ)プロピル]アミン、トリス[3‐(N,N‐ジエチルアミノ)プロピル]アミン、トリス[3‐(N,N‐ジプロピルアミノ)プロピル]アミン、トリス[4‐(N,N‐ジメチルアミノ)ブチル]アミン、トリス[4‐(N,N‐ジエチルアミノ)ブチル]アミン、トリス[4‐(N,N‐ジプロピルアミノ)ブチル]アミン、トリス[5‐(N,N‐ジメチルアミノ)ペンチル]アミン、トリス[5‐(N,N‐ジエチルアミノ)ペンチル]アミン、トリス[5‐(N,N‐ジプロピルアミノ)ペンチル]アミン、トリス[6‐(N,N‐ジメチルアミノ)ヘキシル]アミン、トリス[6‐(N,N‐ジエチルアミノ)ヘキシル]アミン、トリス[6‐(N,N‐ジプロピルアミノ)ヘキシル]アミン等である。使用変法1において、更に、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン及びN,N‐ジメチルプロピレン‐1,3‐ジアミンが好適である。この内で、2つの使用変法1及び2においては、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン及びビス[3‐N,N‐ジメチルアミノ)プロピル]アミンが有利である。使用変法1において、更に、ジエチレントリアミン及びN,N‐ジメチルプロピレン‐1,3‐ジアミンが有利である。
【0032】
2つの使用変法に好適な環状ポリアミンは、例えば、ジエチルピペラジン及びN,N’,N’’‐トリス(N,N‐ジメチルアミノ)プロピルヘキサヒドロ‐sym‐トリアジンである。
【0033】
2つの使用変法1及び2において、成分Bのマンニッヒ‐付加体IにおけるRは、有利にC〜C‐アルキル基、例えば、メチル、エチル、n‐プロピル、イソプロピル、n‐ブチル、二級‐ブチル、イソブチル又は三級‐ブチルを表わす。Rは、特に有利にメチル又はエチル、殊にメチルを表わす。
【0034】
変数mは、基(CHR10‐NR)の数(即ち、nの数)に依存して、0〜(4−n)の数を表わす。mは、有利に0〜2、特に有利に0又は1、特別に0を表わす。
【0035】
10は、H又はC〜C‐アルキル、有利にHを表わす。
【0036】
及びRは、相互に無関係で、H、C〜C20‐アルキル又はC〜C20‐シクロアルキルを表わし、この際、2つのアルキル基はそれらが結合している窒素原子と一緒に1つの環を形成していてよく、この際、アルキル‐及びシクロアルキル基は、前記のように、1個以上の基O又は基NRによって遮断されていてよく及び/又は1個以上の基OR又はNRによって置換されていてよく、この際、R、R、R及びRは、相互に無関係で、R及びRと同様に定義される。この際、使用変法2において、n個の基NRの分子量の合計は、120〜1000g/モル、有利に180〜600g/モル及び特に有利に230〜600g/モルであることが、本発明の基本である。この条件を満たすために、使用変法2において、R及びRは同時にHを表わすべきではない。使用変法1において、n個の基NRの分子量の合計は、有利に120〜1000g/モル、特に有利に120〜800g/モル、より有利に180〜600g/モル、殊に230〜600g/モルである。R及びRは同時にHを表わさないことが有利である。
【0037】
2つの使用変法1及び2において、R及びRは相互に無関係で、有利に、H、C〜C20‐アルキル、C〜C20‐シクロアルキル又は次の式II〜IV:
【0038】
【化5】

[式中、
、R、R11、R12、R13及びR14は、各々無関係で、H又はC〜C‐アルキルを表わし、
及びRは、各々無関係で、H、C〜C‐アルキル又はC〜C‐ヒドロキシアルキルを表わし、
x及びzは、各々無関係で、1〜20の数、有利に1〜6の数を表わし、かつ
yは、0〜10の数を表わす]の基を表わす。
【0039】
11、R12、R13及びR14は、Hを表わすことが有利である。
【0040】
及びRは、有利にH又はC〜C‐アルキル、特に有利にH又はメチルを表わす。
【0041】
及びRは、有利にH、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、二級‐ブチル、イソブチル、三級‐ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヒドロキシメチル、2‐ヒドロキシエチル又は3‐ヒドロキシプロピル及び特に有利にメチルを表わす。
【0042】
及びRは同じ基を表わすことが有利である。特に有利な実施態様において、RもRも式IIの基を表わし、この際、式中のyは0であり、zは3〜6の数を表わし、R13及びR14はHを表わし、RもRも、メチル、エチル、プロピル、ヒドロキシメチル又はヒドロキシエチルを表わす。特別には、zは3であり、R及びRはメチルを表わし、即ち、NRはN[(CHN(CHを表わすことが特別である。
【0043】
もう1つの有利な実施態様では、R及びRはC〜C10‐アルキル基、例えば、1‐、2‐又は3‐ヘキシル、2‐、3‐又は4‐メチルペンチル、1,1‐、1,2‐、1,3‐、2,2‐、2,3‐又は3,3‐ジメチルブチル、2‐エチルブチル、1‐、2‐、3‐又は4‐ヘプチル、2‐、3‐、4‐又は5‐メチルヘキシル、1,1‐、1,2‐、1,3‐、1,4‐、2,2‐、2,3‐、2,4‐、3,3‐、3,4‐又は4,4‐ジメチルペンチル、2‐又は3‐エチルペンチル、1‐、2‐、3‐又は4‐オクチル、2‐、3‐、4‐、5‐又は6‐メチルヘキシル、1,1‐、1,2‐、1,3‐、1,4‐、1,5‐、2,2‐、2,3‐、2,4‐、2,5‐、3,3‐、3,4‐、3,5‐、4,4‐、4,5‐又は5,5‐ジメチルへキシル、2‐、3‐又は4‐エチルヘキシル、ノニル又はデシル、特に有利に、C‐アルキル基及び特別には2‐エチルヘキシルを表わす。この際、R及びRは同じ基を表わすことが有利である。
【0044】
nは、1〜3の数であり、有利に1〜2の数であり、殊に2である。
【0045】
使用変法2において、基NRの分子量の合計は120〜1000であるべきであるという本発明による基本的条件は、n個の同じ基(CHR10‐NR)において基NRの分子量が120/n〜1000/nであることを解するべきである。従って、好適な基NRは、その分子量に関して、基(CHR10‐NR)の全数nに依存している。マンニッヒ‐付加体I中の異なる基(CHR10‐NR)において、n個の基の分子量の質量平均値は120〜1000g/モルである。相応することが、基NRの分子量の合計が120〜1000である使用変法1の有利な実施態様の場合に当てはまる。
【0046】
2つの使用変法1及び2において、式Iのマンニッヒ‐付加体は、例えば、ポリオレフィン基Rで置換された、式V:
【0047】
【化6】

[式中、
、R及びmは、各使用変法1及び2で定義されていることと同様である]のフェノールを、マンニッヒ(類似)‐反応で、アルデヒドCHR10O及びアミンNHRと反応させることによって得られ、この際、R10、R及びRは前記で定義したものである。有利な出発物質V、アルデヒド及びアミンに関して、R、R、R10、R、R及びnについては各使用変法における詳細及びRについては次の実施が当てはまる。
【0048】
好適なアルデヒドCHR10Oは、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド及びブチルアルデヒド又はこれらのアルデヒドがそれから得られる化合物である。これらのアルデヒドは次に一般にアルデヒド給源として表示される。ホルムアルデヒドを使用することが有利である。好適なホルムアルデヒド給源は、ホルムアルデヒドガス、ホルマリン溶液、ホルムアルデヒドオリゴマー、例えば、トリオキサン又はテトラオキサン、及びホルムアルデヒドのポリマー、例えば、パラホルムアルデヒドである。パラホルムアルデヒド又はホルマリン溶液を使用することが有利である。
【0049】
フェノールVは、2つの異なる方法で、マンニッヒ‐付加体Iに変換され得る。1法では、これをアルデヒド及びアミンNHRと同時に反応させることができる。この反応変法(変法A)では、アミンは一級アミノ官能基を持たないことが有利であり、それというのも、そうではないと多量の不所望なオリゴマー化生成物が生じ得るからである。本発明の意において、一級アミノ官能基は、式NHRのそれであり、この際、Rは水素と異なる置換基を表わす。もう1法では、フェノールVを前以て製造したアルデヒド及び式NHRのアミンからの付加体と反応させることができる(変法B)。この場合には、アミンは1個の一級アミノ官能基を有することができ、即ち、R又はRの一方はHを表わしてよい。
【0050】
好適なアミンNHRについては、R及びRについての前記の詳細が当てはまる。式中のR及び/又はRがC〜C20‐アルキルを表わすアミンの例として、プロピルアミン、イソプロピルアミン、ブチルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジブチルアミン、ジペンチルアミン、ジヘキシルアミン、ジヘプチルアミン、ジオクチルアミン、ジ(2‐エチルヘキシル)アミン、ジノニルアミン及びジデシルアミンが挙げられる。式中のR及び/又はRが式IIの基を表わす好適なアミンは、例えば、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、プロピレンジアミン、ジプロピレントリアミン、トリプロピレンテトラミン、テトラプロピレンペンタミン、ブチレンジアミン、ジブチレントリアミン、トリブチレンテトラミン、テトラブチレンペンタミン、N,N‐ジメチルメチレンジアミン、N,N‐ジエチルメチレンジアミン、N,N‐ジプロピルメチレンジアミン、N,N‐ジメチルエチレン‐1,2‐ジアミン、N,N‐ジエチルエチレン‐1,2‐ジアミン、N,N‐ジプロピルエチレン‐1,2‐ジアミン、N,N‐ジメチルプロピレン‐1,3‐ジアミン、N,N‐ジエチルプロピレン‐1,3‐ジアミン、N,N‐ジプロピルプロピレン‐1,3‐ジアミン、N,N‐ジメチルブチレン‐1,4‐ジアミン、N,N‐ジエチルブチレン‐1,4‐ジアミン、N,N‐ジプロピルブチレン‐1,4‐ジアミン、N,N‐ジメチルペンチレン‐1,3‐ジアミン、N,N‐ジエチルペンチレン‐1,5‐ジアミン、N,N‐ジプロピルペンチレン‐1,5‐ジアミン、N,N‐ジメチルヘキシレン‐1,6‐ジアミン、N,N‐ジエチルへキシレン‐1,6‐ジアミン、N,N‐ジプロピルヘキシレン‐1,6‐ジアミン、ビス[(N,N‐ジメチルアミノ)メチル]アミン、ビス[(N,N‐ジエチルアミノ)メチル]アミン、ビス[(N,N‐ジプロピルアミノ)メチル]アミン、ビス[2‐(N,N‐ジメチルアミノ)エチル]アミン、ビス[2‐(N,N‐ジプロピルアミノ)エチル]アミン、ビス[3‐(N,N‐ジメチルアミノ)プロピル]アミン、ビス[3‐(N,N‐ジエチルアミノ)プロピル]アミン、ビス[3‐(N,N‐ジプロピルアミノ)プロピル]アミン、ビス[4‐(N,N‐ジメチルアミノ)ブチル]アミン、ビス[4‐(N,N‐ジエチルアミノ)ブチル]アミン、ビス[4‐(N,N‐ジプロピルアミノ)ブチル]アミン、ビス[5‐(N,N‐ジメチルアミノ)ペンチル]アミン、ビス[5‐(N,N‐ジエチルアミノ)ペンチル]アミン、ビス[5‐(N,N‐ジプロピルアミノ)ペンチル]アミン、ビス[6‐(N,N‐ジメチルアミノ)ヘキシル]アミン、ビス[6‐(N,N‐ジエチルアミノ)ヘキシル]アミン、ビス[6‐(N,N‐ジプロピルアミノ)ヘキシル]アミン等である。更に、使用変法1で使用されるマンニッヒ‐付加体Iの製造には、メチルアミン、エチルアミン、ジメチルアミン及びエチレンジアミンが好適である。
【0051】
特に有利なアミンは、ビス[3‐(N,N‐ジメチルアミノ)プロピル]アミン及びジ‐(2‐エチルヘキシル)アミンである。
【0052】
変法Aによる反応に好適な反応温度は一連の因子に依存している。変法Aにおけるマンニッヒ‐反応では反応水が生じる。この水は、通例、反応混合物から除去される。反応水の除去は、反応の間に、反応時間の終末で又は反応が終了した後に、例えば、蒸留的に除去することができる。反応水を、駆出剤が存在して、反応混合物の加熱によって有利に除去することができる。駆出剤として、例えば、水と共沸混合物を形成する及び/又は水の沸点以上の沸点を有する有機溶剤が好適である。
【0053】
特に好適な駆出剤は、ベンゾール及びアルキル芳香族体、殊に、トルオール、キシロール及びアルキル芳香族体と他の(高沸騰性)炭化水素の混合物である。一般に引火点又は沸騰範囲及び芳香族体含量に依って販売される一定の石油留分の使用が特に容易である。その例は、ソルベッソ(Solvesso)‐及びリゼラ(Risella)‐商標である。通例、反応水の除去は、駆出剤又は水及び駆出剤を含む共沸混合物の沸点にほぼ相応する温度で実施される。
【0054】
従って、反応水の除去に好適な温度は、標準圧で、75〜200℃の範囲、有利に80〜180℃、特に有利に80〜150℃の範囲にある。反応水を減圧で除去する場合には、下げられた沸騰温度に相応して温度を下げるべきである。
【0055】
変法Aにおけるマンニッヒ‐反応の反応温度は、有利に10〜200℃の範囲、殊に、20〜180℃の範囲、例えば、約35℃、約90℃、約120℃、140℃又は約160℃である。
【0056】
変法Aでの反応は、例えば、フェノール、アミン及びアルデヒド給源を一緒に加え、反応混合物を、有利に前記の温度範囲での所望の反応温度にさせるように実施することができる。この反応は、フェノール及び場合により1種の溶剤を先ずアルデヒド給源と混合させ、場合により反応温度に加熱し、引続いて、少なくとも1種の二級アミンを添加するように実施することもできる。アミンの添加は、少量ずつ又は、例えば、5〜300分間の時間間隔で数回に分けて添加する、又は連続的に添加することができる。反応は、先ずフェノールV及び場合により溶剤及びアミンを一緒に加え、場合により反応温度に加熱し、引続いて、アルデヒド給源を加えるように実施することもでき、この際、アルデヒド給源の添加は、アミンについて前記したように行なうことができる。
【0057】
有利な1実施態様では、変法A、即ち、マンニッヒ‐反応及び反応水の除去は、ほぼ大気圧で、約80℃、約110℃又は約130℃の温度で、駆出剤として、芳香族溶剤、有利に、トルオール、キシロール又はその混合物を用いて実施される。変法Aは、反応体を10〜50℃の温度範囲で一緒に加え、場合によりこの温度範囲で混合させ、引続いて、反応水の蒸留除去に必要な温度にさせるように実施することが有利である。
【0058】
フェノールVからマンニッヒ‐付加体Iへの反応の全反応時間は、当業者によって、反応パラメーター、例えば、温度及び反応体量に依り選択され、一般に10分間〜24時間である。
【0059】
使用変法2で使用されるマンニッヒ‐付加体Iの製造のために、マンニッヒ‐反応の変法A又はBにおいて、反応体を、使用変法2では使用アミンの分子量に依存する比率で使用する。
【0060】
アミンの分子量が120g/モル又はそれ以下である場合には、使用変法2でn個の基NHRの分子量に関する本発明の基本的条件を満足させるために、ビスアミノアルキル化フェノールIが生成し得るように、反応体比率を選択すべきである。それに応じて、フェノールV対アミン対アルデヒドの比率は、通例、1:2〜3:2〜3、有利に、1:2.0〜2.5:2.0〜2.5、特に有利に約1:2:2である。
【0061】
使用アミンの分子量が少なくとも121g/モルである場合には、反応体比率は所望のアミノメチル化度に応じて、モノ‐又はビスアミノアルキル化フェノールIが生じ得るように選択することができ、それというのも、使用変法2における分子量に関する前記の条件は、この場合には、単一アミノアルキル化フェノールの場合にも満たされているからである。それに応じて、フェノールV対アミン対アルデヒドの比率は、好適には1:0.8〜3.0:0.8〜3.0、有利に1:1.0〜2.5:1.0〜2.5、特に有利に約1:1.0〜2.0:1.0〜2.0である。
【0062】
特に有利な実施態様では、フェノールV対アミン対アルデヒドの比率は、選択されるアミンの種類に無関係で約1:2:2である。
【0063】
使用変法1で使用されるマンニッヒ‐付加体の製造には、この反応体比率は強制的ではないが、有利である。
【0064】
変法Bの場合には、先ず、アルデヒド又はアルデヒド同等物、例えば、ジクロルメタン又はジブロムメタン又はジメトキシメタン、アミン及び場合により溶剤を含む付加体を、成分の一緒の添加によって、及び場合により変法Aについて前記した温度範囲への加熱下に、及び変法Aについて前記した反応時間内で製造することができる。アミン及びアルデヒド給源の反応の間に及びその後に、生成した反応水を、所望の場合には、例えば、前記のようにして除去することができる。そうして得られるアミン及びアルデヒドを含む反応生成物を、所望の場合には、精製及び/又は単離させることができる。殊に、アルデヒド1当量又はアルデヒド同等物1当量と二級アミン1又は2当量又は一級アミン1当量との反応によって、生成した反応水、アルコール又はハロゲニドの除去後に得られる付加体(二級アミン:アルキレンイミニウムイオン又はアミナール;一級アミン:イミン又はヘキサヒドロトリアジン)を、所望の場合には、単離させ、精製し及び/又はその後のフェノールVとの反応のために保存することができる。引き続いて、アミン及びアルデヒド又はアルデヒド同等物を含む反応生成物及びフェノールVを相互に混合させ、この際、共混は1回で、数回に分けて又は連続的に前記の時間間隔で行なうことができる。反応温度及び反応時間は、通例、変法Aによる反応実施のために前記した範囲と同様である。アルデヒド又はアルデヒド同等物及びアミンを含む反応生成物を単離させる場合には、フェノール及び場合により溶剤を前以て装入させ、前与物を場合により50〜180℃の範囲の温度に加熱し、引き続き、アミン及びアルデヒド又はアルデヒド同等物を含む付加体を添加させるように、フェノールVとの反応を実施することが有利である。次いで、アミン及びアルデヒド又はアルデヒド同等物を含む付加体を添加し、反応混合物を好適な反応温度に加熱する。所望の場合には、アミナールとフェノールとの反応の再に生じるアミンを、アミンの揮発性に依って留去及び/又は真空除去させることができる。
【0065】
変法B下で記載した反応を、アルデヒド又はアルデヒド同等物及びアミンを含む付加体を単離させずに実施する場合には、先ず、アルデヒド給源又はアルデヒド同等物及びアミンを一緒に加え、場合により加熱し、十分に混合させ、付加体にフェノールVを加えることが有利である。そのために、フェノールVを受容器中の付加体に添加し、混合物を好適な反応温度に加熱することが有利である。そのために好適な反応温度は、例えば、25〜120℃の範囲、殊に50〜100℃の範囲である。
【0066】
変法Bにより一級アミンを使用する場合には、付加体として、場合により前以て単離させたイミン又はN‐置換のヘキサヒドロトリアジンを有利に使用する場合には、その置換基は前記のR又はRから誘導される。
【0067】
変法Bにより二級アミンを使用する場合には、付加体として、場合により先ず単離させた半アミナール、アルキレンイミニウムイオン又はアミナールを使用することが有利であり、この際、半アミナール、アルキレンイミニウムイオン又はアミナールのアミノ官能基は、前記の二級アミンNHRから誘導されることが有利である。
【0068】
変法Bにより、付加体として、公知方法によって得られる、少なくとも1種のアミン及びアルデヒド給源を含む付加体を使用することが有利である。そのために、出発物質を好適には0℃以上、有利に+20℃以上の温度で、例えば、20〜30℃又は約20〜50℃の温度範囲で相互に反応させる。場合により、引き続いて、生成する反応水を、変法Aについて前記した条件下に、例えば、蒸留的に除去することができる。
【0069】
変法Bによる反応のために好適な溶剤は、変法Aによる反応のために前記した溶剤‐及び駆出剤及び沸点又は沸騰範囲+35〜+110℃を有する炭化水素及び炭化水素混合物、アルコール、C〜C‐ジアルキルエーテル、3〜6個の炭素原子を有する環状モノ‐及びジエーテル、殊に、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン及びジオキサンである。
【0070】
変法Bにより、付加体として、前記で定義されている、アルデヒドと二級アミンとのアミナールを使用することが有利である。
【0071】
前記の反応に好適なアミナールは、例えば、N,N,N’,N’‐テトラメチルメチレンジアミン及びN,N,N’,N’‐テトラエチルメチレンジアミンである。
【0072】
変法Bのもう1つの実施態様では、フェノールVを半アミナールと同様の反応で反応させて、マンニッヒ付加体に変換させることができる。そのような半アミナールは、アルデヒド給源又はアルデヒド同等物及び一級アミノ官能基を有しない二級アミンから得られ、1容器反応でフェノールVが存在して(変法A)製造され又は別々に(変法B)製造され得る。
【0073】
変法A及び変法Bで前記された方法によって、フェノールVを化学量論の選択によってモノ‐及びビスアミノアルキル化マンニッヒ付加体に変換することができる。
【0074】
有利な1実施態様において、先ず、アルデヒド給源又はアルデヒド同等物、有利にホルマリン溶液又はパラホルムアルデヒドを、場合により溶剤中に前以て装入させ、二級アミン、有利に二級アミノ基だけを有し、一級アミノ基を有しないアミン約等モル量を、+15〜+50℃、有利に+20〜+35℃の温度範囲で添加する。引き続き、混合物を前記の範囲の温度で十分に混合させ、引き続きフェノールV及び場合により他の溶剤を合一させる。引き続き、そうして得られる混合物を、40〜100℃、有利に50〜90℃の範囲の温度で、例えば、還流下に加熱する。引き続き、反応混合物を、所望の場合には、例えば、濾過及び/又は、例えば、真空中での揮発成分の除去によって又は蒸留によって精製する。
【0075】
もう1つの有利な実施態様では、フェノールVを場合により溶剤中に前以て装入させ、混合物を40〜100℃、有利に50〜90℃の範囲の温度に、例えば、溶剤の還流下に加熱する。引き続き、この温度で徐々に、場合により溶剤中のアミン約等モル量又は1.7〜2.5当量、例えば、約2当量を加え、反応混合物を更に30分間から4時間、殊に1〜3時間、前記の範囲の温度で反応させる。場合により、反応混合物を、引き続き、例えば、濾過及び/又は真空中での揮発成分の除去又は蒸留によって精製する。
【0076】
前記の変法Bの2実施態様のための好適な溶剤は、40〜100℃、殊に50〜90℃の範囲の沸点又は沸騰範囲を有する炭化水素、炭化水素混合物、エーテル又はアルコールである。テトラヒドロフラン及びジオキサンが殊に好適である。
【0077】
もう1つの有利な実施態様では、先ず、フェノールV及び場合により溶剤を前以て装入させる。引き続き、アルデヒド給源及び有利に二級アミン、特に有利に一級アミノ官能を有しない及び他の二級アミノ官能を有しないアミン約等モル量又は有利に1.7〜2.5当量、例えば、約2当量及び場合により溶剤を、徐々に、例えば、滴下によって加える。引き続き、成分を混合させ、引き続き、混合物を40〜100℃、殊に50〜90℃の範囲の温度に加熱する。引き続き、反応混合物を、例えば、濾過及び/又は真空中での揮発成分の除去又は蒸留によって精製する。溶剤として、殊に、前記の有利な実施態様で挙げた溶剤が好適である。イソプロパノールが有利である。
【0078】
もう1つの有利な実施態様において、フェノールV及び有利に二級アミン、特に有利に一級アミノ官能基を有しない及び他の二級アミノ官能基を有しないアミン約等モル量又は有利に1.7〜2.5当量、例えば、約2当量を溶剤中に前以て装入させる。引き続き、アルデヒド給源約等モル量を徐々に加える。反応混合物を、アルデヒド給源の添加の間、30〜70、有利に40〜60℃の範囲の温度に加熱することが有利である。引き続き、反応混合物を80〜180℃、有利に90〜140℃の範囲の温度及び特に有利に溶剤の還流まで加熱する。この際、生成する反応水を蒸留除去する。この実施態様のための溶剤として、殊に、芳香族溶剤又は他の高沸騰炭化水素とのその混合物が好適である。キシロール及びトルオール及びその混合物が特に好適である。
【0079】
通例、前記の方法により、式Iの化合物少なくとも40モル%、しばしば少なくとも50モル%、特に有利に少なくとも60モル%を含有するマンニッヒ付加体‐混合物が得られる。化合物Iを反応混合物から単離させ、本発明による使用に供給することができる。しかし、化合物Iを前記の方法から得られる全反応混合物の形で本発明により使用することも可能である。
【0080】
使用変法2におけるRの定義において、ポリ(イソ)ブテン‐基は、有利に、1‐ブテン、2‐ブテン及び/又はイソブテンのホモ重合又は共重合によって得られるモノ‐又はコポリマー基を表わす。使用変法2におけるRは、ポリイソブテン‐基を表わすことが特に有利である。
【0081】
2つの使用変法1及び2において、基Rは、殊に、”低反応性”ポリイソブテンとは末端位の二重結合の含量によって異なっている、いわゆる”反応性”ポリイソブテンから誘導される基を表わす。反応性ポリイソブテンは、それが、ポリイソブテン‐巨大分子の全数に対して、末端位の二重結合少なくとも50モル%を有することによって、低反応性のそれと異なっている。2つの使用変法1及び2において、反応性ポリイソブテンは、ポリイソブテン‐巨大分子の全数に対して、末端位の二重結合を、有利に少なくとも60モル%、特に有利に少なくとも80モル%有する。末端位の二重結合とは、ビニル二重結合[‐CH=C(CH]及びビニリデン‐二重結合[‐CH‐C(=CH)‐CH]のことである。反応性ポリイソブテンで置換されたフェノール及びその製法は、DE‐OS‐19948111に記載されていて、これに全範囲において参照される。2つの使用変法1及び2において、殊に、単一のポリマー骨格を有するポリイソブテンが有利である。単一ポリマー骨格は、殊に、イソブテン単位から少なくとも85質量%、有利に少なくとも90質量%及び特に有利に少なくとも95質量%まで構成されているポリイソブテンである。更に、反応性ポリイソブテンは、有利に3.0よりも少ない、殊に1.9よりも少ない、特に有利に1.7よりも少ない又は1.5よりも少ない多分散度を有する。多分散度とは、数平均分子量Mによって分けられる質量平均分子量Mからの商のことである。
【0082】
は、有利に、数平均分子量を300〜3000、特に有利に400〜2500の範囲で、例えば、数平均分子量約550、約800、約1000又は約2300、極めて特に有利に500〜1500、例えば、数平均分子量約550、約800又は約1000を有する。
【0083】
2つの使用変法1及び2において、特に好適な反応性ポリイソブテンは、例えば、BASF AG製のGlissopal- 商標、殊に、Glissopal 1000(M=1000)、Glissopal 550(M=550)及びGlissopal 2300(M=2300)及びその混合物である。他の数平均分子量は、原則的に公知の方法で、様々な数平均分子量のポリイソブテンの混合によって又は一定の分子量範囲のポリイソブテンを抽出富化させることによって調整され得る。
【0084】
は、OH−基に対してp‐位にあることが有利である。
【0085】
ポリイソブテン‐置換のフェノールVは、例えば、m個の基Rで置換されたフェノールとこの種類のポリイソブテンとの反応(アルキル化)によって得られる。反応性ポリイソブテンとの反応には、非置換フェノール及び1又は2個置換されたフェノールが好適である。置換フェノールとして、殊に、オルト‐1置換のフェノールが好適である。好適なアルキル置換フェノールは、2‐メチルフェノール及び2‐エチルフェノールである。ポリイソブテンとのアルキル化には、非置換フェノール及び2‐メチルフェノールが特に有利である。
【0086】
アルキル化の際に、フェノールは、通例、等モル量又は過剰量で使用される。フェノール約1.1〜10‐倍の過剰量、例えば、約1.1‐倍、約2‐倍、約4‐倍又は6‐倍の過剰量が好適である。得られる粗生成物を、場合により、例えば、前記のような精製後に、マンニッヒ(類似)‐反応で更に変換させる。
【0087】
反応を行なった後に、反応混合物から、例えば、溶剤、有利に極性溶剤、例えば、水又はC〜C‐アルカノール又はその混合物での抽出によって、ストリップによって、即ち、水蒸気の導入によって又は場合によりガス、例えば、窒素の加熱によって、蒸留的に、又は例えば、ドイツ国特許出願P10060902.3に記載されているような塩基性イオン交換体によって、過剰のフェノール及び/又は触媒を除去することができる。
【0088】
フェノールのアルキル化は、約60℃以下で、有利に40℃以下で、殊に30℃以下で、アルキル化触媒が存在して実施される。通例、アルキル化は、−40℃以上、有利に−30℃以上、殊に−20℃以上の温度で実施される。アルキル化には、−10〜+45℃の範囲、殊に0〜+40℃の範囲、特に有利に10〜+35℃の範囲の温度が特に好適である。
【0089】
好適なアルキル化触媒は、当業者に公知である。例えば、プロトン酸、例えば、硫酸、燐酸及び有機性スルホン酸、例えば、トリフルオルメタンスルホン酸、リュイス酸、例えば、アルミニウムトリハロゲニド、例えば、三塩化アルミニウム又は三臭化アルミニウム、硼素トリハロゲニド、例えば、三弗化硼素及び三塩化硼素、錫ハロゲニド、例えば、四塩化錫、チタンハロゲニド、例えば、四臭化チタン及び四塩化チタン、及び鉄ハロゲニド、例えば、三塩化鉄及び三臭化鉄が好適である。リュイス酸は、場合により、リュイス塩基、例えば、アルコール、殊に、C〜C‐アルカノール、フェノール、又は脂肪族又は芳香族エーテル、例えば、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル又はアニソールと一緒に使用される。前記のリュイス塩基と組み合わせた、硼素トリハロゲニド、殊に、三弗化硼素の付加体が有利である。硼素トリフルオリドエーテレート及び硼素トリフルオリドフェノレートが特に有利である。実質的な理由から、殊に、後者が好適であり、それというのも、三弗化硼素をフェノール‐含有の反応混合物へ導入させる際にそれが生成するからである。
【0090】
アルキル化は液状媒体中で実施することが有利である。そのために、フェノールを反応体の1種及び/又は溶剤中で、場合により加熱下に溶解させる。従って、有利な実施態様では、フェノール又は置換フェノールを、先ず、熱の供給下に溶融させ、引き続き、好適な溶剤及び/又はアルキル化触媒、殊に、硼素トリハロゲニド‐付加体を加えてアルキル化を実施する。その後に、液体混合物を好適な反応温度にする。もう1つの有利な実施態様では、フェノールを先ず溶融させ、ポリイソブテン及び場合により好適な溶剤を加える。そうして得られる液体混合物を、好適な温度にして、引き続き、アルキル化触媒を加えることができる。
【0091】
この反応の実施に好適な溶剤は、例えば、炭化水素、有利にペンタン、ヘキサン及びヘプタン、殊に、ヘキサン、炭化水素混合物、例えば、沸騰範囲35〜100℃を有する石油ベンジン、沸騰範囲100〜200℃を有するケロシンフラクション、芳香族炭化水素、例えば、トルオール、エチルベンゾール、プロピル‐及びイソプロピルベンゾール、n‐ブチルベンゾール、二級‐ブチルベンゾール、イソブチルベンゾール、三級‐ブチルベンゾール又はキシロール及びその混合物、例えば、市販のアルキル芳香族フラクション、例えば、Solvesso 100、150又は200、及びハロゲン化炭化水素、例えば、ジクロルメタン又はトリクロルメタン、及び前記の溶剤の混合物である。
【0092】
反応は、有利に触媒又は2つの反応体の一方、フェノール又はポリイソブテンの添加によって導入される。反応を導入させる成分の添加は、2〜300分間、有利に5〜200、殊に10〜180分間に渡り有利に行なわれ、この際、反応混合物の温度は前記の温度範囲を越えないことが有利である。添加終了後に、反応混合物を、有利に5分間〜24時間、殊に10分間〜6時間、30℃以下の温度で後反応させる。この際、反応条件は、ポリイソブテンフェノール少なくとも85%、殊に少なくとも90%、特に有利に少なくとも95%が生成するように選択される。そうして得られるポリイソブテン‐置換フェノールは、そのポリイソブテン基がフェノールのヒドロキシ基に対してパラ‐位にある異性体85%以上、殊に90%以上、特に有利に95%以上を含有する。
【0093】
フェノールVとポリイソブテンとのアルキル化のための前記の詳細は、他のポリオレフィンとのアルキル化にも同様に当てはまる。
【0094】
フェノールV又はマンニッヒ付加体Iは、有利に1.05〜3.5、殊に1.1〜2.5、特に有利に1.1〜1.9の範囲の多分散度を有する。
【0095】
所望の多分散度の調整は、使用物質の合目的選択、化学量論の選択、温度及び反応時間、及び場合により、殊に、通例の精製技術、例えば、抽出及び蒸留による処理の選択によって達成され得る。
【0096】
高められた有効性及び/又は少ない多分散度を有する付加体Iの生成を単独で又は組み合わせて促進させる好適な手段は、例えば、次で選択される:
フェノールVの製造のために低多分散度のポリオレフィンの使用、
できるだけ高い割合の末端二重結合を有するポリオレフィンの使用、
フェノールのアルキル化における不足量のポリオレフィンの使用(場合により、引き続き未反応フェノールの分離が行なわれる)、
できるだけ低い温度で、しかし完全な変換を保証する、例えば、約+5℃以上及び約+40℃以下の温度でのアルキル化の実施、
好適な化学量論の厳守;例えば、アルデヒド:アミン:フェノールVの比率約1:1:1(モノアミノアルキル化マンニッヒ付加体Iの製造のために)又は約2:2:1(ビスアミノアルキル化マンニッヒ付加体Iの製造のために)、
変法Bによる、殊に、前記の有利な実施態様によるアミン及びアルデヒド又はアルデヒド同等物を含む付加体とのマンニッヒ(類似)‐反応の実施、
極性有機溶剤、例えば、アルコール、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、n‐ブタノール、二級‐ブタノール、イソブタノール及び三級‐ブタノール;ケトン、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン及びシクロヘキサノン;エステル、例えば、メチルアセテート、エチルアセテート、プロピルアセテート、イソプロピルアセテート、メチルプロピオネート及びエチルプロピオネート;及びニトリル、例えば、アセトニトリル、プロピオニトリル及びブチロニトリルを用いるフェノールV及び/又はマンニッヒ‐塩基の抽出。
【0097】
成分Bを分散剤/清浄剤として使用することが有利であり、それというのも、マンニッヒ‐付加体は、成分Aのアミンよりも容易に供給可能であり、かつ遊離アミンとは対照的に臭気の負荷がないからである。しかし、成分A及びBの混合物は、様々な直接噴射内燃機関での様々な要求に相応し得るので、その使用も有利である。この際、成分A対成分Bの質量比は、有利に20:1〜1:20、殊に有利に10:1〜1:10、殊に5:1〜1:5である。
【0098】
2つの使用変法の1実施態様では、場合により、成分Aと混合して、式I.1:
【0099】
【化7】

[式中、
は、使用変法1においては、有利に数平均分子量300〜3000を有するポリイソブテン‐基を表わし、又は使用変法2においては、有利に数平均分子量300〜3000を有するポリ(イソ)ブテン‐基を表わし、
は、C〜C‐アルキル基を表わし、
10は、H又はC〜C‐アルキルを表わし、
及びRは、相互に無関係で、C〜C30‐アルキル、
【0100】
【化8】

を表わし、この際、R、R、R11、R12、R13及びR14は、相互に無関係で、H又はC〜C‐アルキルを表わし、R及びRは、相互に無関係で、H、C〜C‐アルキル又はC〜C‐ヒドロキシアルキルを表わし、x及びzは、相互に無関係で、1〜20の数を表わし、yは、0〜10の数を表わし、かつ
mは、0又は1である]のマンニッヒ‐付加体を使用する。
【0101】
は、有利にメチル又はエチルを表わす。
【0102】
10、R11、R12、R13及びR14は、有利にHを表わす。
【0103】
2つの使用変法の特に有利な1実施態様では、式中のmが0であり、R10がHであり、RもRも、C〜C10‐アルキル、殊にC‐アルキル、特別には2‐エチルヘキシル又は式IIの基を表わし、この際、R11、R12、R13及びR14はHを表わし、yは0であり、zは3〜6の数を表わし、R及びRは相互に無関係でH、C〜C‐アルキル又はC〜C‐ヒドロキシアルキルを表わす、マンニッヒ‐付加体I.1を使用する。この際、RもRも、有利にメチル、エチル、プロピル、ヒドロキシメチル又はヒドロキシエチルを表わす。特別には、zは3であり、R及びRは、メチルを表わす。式中のmが0又は1であり、Rはメチルであり、R10はHであり、RはHであり、Rは式IIの基を表わし、この際、R11、R12、R13及びR14はHを表わし、yは0であり、zは3〜6の数を表わし、R及びRは相互に無関係でH、C〜C‐アルキル又はC〜C‐ヒドロキシアルキルを表わす、マンニッヒ‐付加体I.1の使用が同様に有利である。この際、RもRも、有利にメチル、エチル、プロピル、ヒドロキシメチル又はヒドロキシエチルを表わす。特別には、zは3であり、R及びRはメチルを表わし、即ち、NRは、特別にはN[(CHN(CHを表わす。
【0104】
成分A、成分B又はその混合物を、燃料‐又は潤滑剤濃縮物として使用することができる。この際、個々の成分A又はB又はその混合物は、有利に0.1〜80質量%、特に有利に10〜70質量%、殊に30〜60質量%の量で存在する。この際、成分A、成分B又はその混合物は、希釈剤中に存在する。好適な希釈剤は、例えば、脂肪族及び芳香族炭化水素、例えば、ソルベントナフサである。硫黄の少ない炭化水素を希釈剤として使用することが有利である。
【0105】
本発明のもう1つの目的は、直接噴射オットー内燃機関中の沈積物の減少法であり、この方法では、前記と同様に定義されている成分A又は成分B又はその混合物を包含する燃料を製造する。成分A及びBの有利な実施態様に関する言及が、この場合にも相応に当てはまる。
【0106】
方法の有利な1実施態様では、内燃機関は、有利に操作時間の80%以上が、ラムダ‐値少なくとも0.9〜9、特に有利に0.95〜8、殊に0.97〜6で運転される。
【0107】
本発明のもう1つの目的は、炭化水素‐燃料又は潤滑剤の主量及び成分Bの清浄有効量を含有する直接噴射オットー内燃機関用の燃料‐及び潤滑剤組成物であり、この際、これらは使用変法2におけるように定義される。成分Bの有利な実施態様に関するそこでの言及が相応に当てはまる。本発明による燃料‐及び潤滑剤組成物は、成分Bを有利に5〜5000ppm、特に有利に10〜1000ppm、殊に20〜500ppmの量で含有する。
【0108】
燃料として、直接噴射オットー内燃機関の運転に好適である市販の全オットー‐燃料を使用することができる。
【0109】
有利な1実施態様では、燃料‐及び潤滑剤組成物は、少なくとも1種の式I.1:
【0110】
【化9】

[式中、
は、数平均分子量300〜3000を有するポリ(イソ)ブテン‐基を表わし、
は、C〜C‐アルキル基を表わし、
10は、H又はC〜C‐アルキルを表わし、
及びRは、相互に無関係で、C〜C20‐アルキル、C〜C20‐シクロアルキル、
【0111】
【化10】

を表わし、この際、R、R、R11、R12、R13及びR14は、相互に無関係で、H又はC〜C‐アルキルを表わし、
及びRは、相互に無関係で、H、C〜C‐アルキル又はC〜C‐ヒドロキシアルキルを表わし、
x及びzは、相互に無関係で、1〜20の数を表わし、
yは、0〜10の数を表わし、かつ
mは、0又は1である]のマンニッヒ‐付加体を含有する。
【0112】
基R〜R14及び変数x、z、y及びmの有利な定義について、前記の詳細が当てはまる。
【0113】
本出願のもう1つの目的は、1種の成分B、少なくとも1種の希釈剤及び場合により少なくとも1種の他の添加剤を含有する添加濃縮物である。成分Bは、使用変法2の場合と同様に定義される。成分Bの有利な実施態様に関するそこでの言及が相応に当てはまる。この際、成分Bは、濃縮物の質量に対して、有利に0.1〜80質量%、特に有利に10〜70質量%、殊に30〜60質量%の量で存在する。好適な希釈剤は、例えば、脂肪族及び芳香族炭化水素、例えば、ソルベントナフサである。希釈剤として硫黄の少ない炭化水素を使用することが有利である。
【0114】
本発明による燃料‐及び潤滑剤組成物及び燃料‐又は潤滑剤濃縮物は、成分Bのほかに、場合により他の通常の燃料‐及び潤滑剤添加物、有利に次に記載する添加剤を含有する。
【0115】
本発明による燃料‐及び潤滑剤又は濃縮物中で使用される添加剤の例として、成分Bとは異なる他の、清浄作用又は弁座摩耗阻止作用を有する添加剤が挙げられ、この際、これらは、数平均分子量(M)85〜20000を有する少なくとも1種の疎水性炭化水素基及び
(a)6個までの窒素原子を有するモノ‐又はポリアミノ基(この際、少なくとも1個の窒素原子は塩基性である)、
(b)モノ‐又はポリアミノ基と組み合わせたヒドロキシル基(この際、少なくとも1個の窒素原子は塩基性である)、
(c)カルボキシル基又はそのアルカリ金属‐又はアルカリ土類金属塩、
(d)ヒドロキシル基、モノ‐又はポリアミノ基(この際、少なくとも1個の窒素原子は塩基性である)によって又はカルバメート基によって末端化されているポリオキシ‐C‐〜C‐アルキレン基、
(e)カルボン酸エステル基、
(f)無水コハク酸から誘導される、ヒドロキシ‐及び/又はアミノ‐及び/又はアミド‐及び/又はイミド基を有する基及び
(g)フェノール性ヒドロキシル基とアルデヒド及びモノ‐又はポリアミンとの慣用のマンニッヒ‐反応によって生じる基
から選択される、少なくとも1種の極性基を有する。
【0116】
清浄作用を有する前記の添加剤成分の例として、次のものが挙げられる:
モノ‐又はポリアミノ基(a)を有する添加剤は、有利に、ポリプロペンをベースとする又は高反応性(即ち、主に末端位の二重結合を有する‐大抵はβ‐及びγ‐位で)又は慣用の(即ち、主に中間位の二重結合を有する)M=600〜5000を有するポリブテン又はポリイソブテンをベースとするポリアルケンモノ‐又はポリアルケンポリアミンであり、これらは、ポリイソブテンフェノールの前記製法では得られなかった。n‐ブテン‐単位20質量%まで含有し得るポリイソブテンから、ヒドロホルミル化及びアンモニア、モノアミン又はポリアミン、例えば、ジメチルアミノプロピルアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン又はテトラエチレンペンタミンでの還元的アミン化によって製造され得る反応性ポリイソブテンをベースとするこの種類の添加剤は、殊に、EP‐A244616から公知である。添加剤の製造の際に、主に中間位の二重結合(大抵はβ‐及びγ‐位)を有するポリブテン又はポリイソブテンから出発する場合には、製法は、塩素化及び引き続きのアミン化によって又は空気又はオゾンによる二重結合からカルボニル‐又はカルボキシル化合物への酸化及び引き続きの還元的(水素化)条件下でのアミン化によって行なわれる。この際、アミン化のために、ヒドロホルミル化された反応性ポリイソブテンの還元的アミン化のために前記したアミンと同様のアミンを使用することができる。ポリプロペンをベースとする相応の添加剤は、殊にWO‐A94/24231に記載されている。
【0117】
他の有利なモノアミノ基(a)を有する添加剤は、殊に、例えば、WO‐A97/03946に記載されている、平均重合度P=5〜100を有するポリイソブテンと酸化窒素又は酸化窒素及び酸素を有する混合物からの反応生成物の水素化生成物である。
【0118】
他の有利なモノアミノ基(a)を有する添加剤は、殊に、例えば、DE‐A19620262に記載されている、ポリイソブテンエポキシドからアミンとの反応及び後続の脱水化及びアミノアルコールの還元によって得られる化合物である。
【0119】
モノ‐又はポリアミノ基(b)と組み合わせてヒドロキシル基を有する添加剤は、殊に、例えば、殊にEP‐A476485に記載されている、M=600〜5000を有する有利に主に末端位の二重結合を有するポリイソブテンから得られるポリイソブテンエポキシドとアンモニア、モノ‐又はポリイソブテンとの反応生成物である。
【0120】
カルボキシル基又はそのアルカリ金属‐又はアルカリ土類金属塩(c)を含有する添加剤は、有利に、全‐分子量500〜20000を有する、C〜C40‐オレフィンと無水マレイン酸とのコポリマーであり、そのカルボキシル基は全部又は部分的にアルカリ金属‐又はアルカリ土類金属塩に、及びカルボキシル基の残りの基はアルコール又はアミンと変換されている。そのような添加剤は、殊に、EP‐A307815から公知である。例えば、WO‐A87/01126に記載されている、この種類の添加剤は、通例の燃料清浄剤、例えば、ポリ(イソ)ブテンアミン又はポリエーテルアミンと組み合わせて使用することが有利である。
【0121】
ポリオキシ‐C‐〜C‐アルキレン基(d)を有する添加剤は、有利に、ポリエーテル又はポリエーテルアミンであり、これらはC‐〜C60‐アルカノール、C‐〜C30‐アルカンジオール、モノ‐又はジ‐C〜C30‐アルキルアミン、C〜C30‐アルキルシクロヘキサノール又はC〜C30‐アルキルフェノールと、ヒドロキシ基又はアミノ基1個当たり、エチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシド及び/又はブチレンオキシド1〜30モルとの反応によって、及びポリエーテルアミンの場合には、アンモニア、モノアミン又はポリアミンとの引き続きの還元的アミン化によって得られる。この種類の生成物は、殊に、EP‐A310875、EP‐A356725、EP‐A700985及びUS‐A4877416に記載されている。ポリエーテルの場合には、そのような生成物はキャリアーオイル特性も満たす。この典型的な例は、トリデカノール‐又はイソトリデカノールブトキシレート、イソノニルフェノールブトキシレート及びポリイソブテノールブトキシレート及び‐プロポキシレート及びアンモニアとの相応する反応生成物である。
【0122】
カルボン酸エステル基(e)を有する添加剤は、有利に、例えば、殊にDE‐A3838918に記載されている、100℃で最低粘度2mmを有する、モノ‐、ジ‐又はトリカルボン酸と長鎖のアルカノール又はポリオールからのエステルである。モノ‐、ジ‐又はトリカルボン酸として、脂肪族又は芳香族酸を使用することができ、エステルアルコール又は‐ポリオールとして、特に、例えば6〜24個のC‐原子を有する長鎖の典型が好適である。エステルの典型は、イソ‐オクタノール、イソ‐ノナノール、イソ‐デカノール及びイソ‐トリデカノールのアジペート、フタレート、イソ‐フタレート、テレフタレート及びトリメリテートである。この種類の生成物はキャリアーオイル特性も満たす。
【0123】
無水コハク酸から誘導されるヒドロキシ‐及び/又はアミノ‐及び/又はアミド‐及び/又はイミド基を有する基(f)を有する添加剤は、有利にM=300〜5000を有する慣用の又は高反応性のポリイソブテンと無水マレイン酸との加熱法での反応によって又は塩素化ポリイソブテンを経て得られるポリイソブテニル無水コハク酸の相応する誘導体である。この際、脂肪族ポリアミン、例えば、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン又はテトラエチレンペンタミンとの誘導体が特に重要である。この種類のオットー燃料添加剤は、殊に、US‐A4849572に記載されている。
【0124】
フェノール性ヒドロキシル‐基とアルデヒド及びモノ‐又はポリアミンとの慣用のマンニッヒ‐反応によって生じる基(g)を有する添加剤は、前記のマンニッヒ‐付加体Iに相応し、この際、全NR‐基の分子量の合計は、120g/モルよりも少ない。
【0125】
この際、個々の詳細なオットー燃料添加剤のより正確な定義のために、公知技術水準の前記明細書の公表が明らかに引用される。
【0126】
溶剤‐又は希釈剤として(添加剤パッケージ及び‐濃縮物の製造で)、本発明による濃縮物の際に前記した希釈剤、例えば、脂肪族及び芳香族炭化水素、例えば、ソルベントナフサがこれに該当する。
【0127】
本発明による添加剤と組み合わされ得る他の慣用の添加剤成分は、例えば、被膜形成傾向を有する有機カルボン酸のアンモニウム塩又は複素環芳香族体をベースとする腐食阻止剤、例えば、アミン、例えば、p‐フェニレンジアミン、ジシクロヘキシルアミン又はその誘導体又はフェノール、例えば、2,4‐ジ‐t‐ブチルフェノール又は3,5‐ジ‐t‐ブチル‐4‐ヒドロキシフェニルプロピオン酸をベースとする抗酸化剤又は安定剤、抗乳化剤、静電防止剤、メタロセン、例えば、フェロセン又はメチルシクロペンタジエニルマンガントリカルボニル、潤滑性改善剤(滑性‐添加剤)、例えば、一定の脂肪酸、アルケニルコハク酸エステル、ビス(ヒドロキシアルキル)脂肪アミン、ヒドロキシアセトアミド又はひまし油及び染料(マーカー)である。燃料のpH‐値の降下のために、場合により、アミンも添加する。
【0128】
他の慣用の成分として、キャリアーオイルを挙げることもできる。この際、例えば、鉱物性キャリアーオイル(基油)、殊に、粘度等級”ソルベントニュートラル(SN)500〜2000”のそれ、M=400〜1800を有するオレフィン‐ポリマー、特にポリブテン‐又はポリイソブテン(水素化又は非水素化)、ポリアルファオレフィン又はポリインターナルオレフィンをベースとする合成キャリアーオイル及びアルコキシル化の長鎖アルコール又はフェノールをベースとする合成キャリアーオイルが挙げられる。他の添加剤として、例えば、DE‐A19916512.2に記載されている、ポリアルケンアルコール‐ポリエーテルアミンが同様に好適である。
【0129】
本発明のもう1つの目的は、式I.1:
【0130】
【化11】

[式中、
は、数平均分子量300〜3000を有するポリ(イソ)ブテン‐基を表わし、
は、C〜C‐アルキル基を表わし、
10は、H又はC〜C‐アルキルを表わし、
及びRは、相互に無関係で、C〜C20‐アルキル、C〜C20‐シクロアルキル、
【0131】
【化12】

を表わし、この際、R、R、R11、R12、R13及びR14は、相互に無関係で、H又はC〜C‐アルキルを表わし、
及びRは、相互に無関係で、H、C〜C‐アルキル又はC〜C‐ヒドロキシアルキルを表わし、
x及びzは、相互に無関係で、1〜20の数を表わし、
yは、0〜5の数を表わし、かつ
mは、0又は1である]のマンニッヒ‐付加体である。
【0132】
有利な基Rに関して、前記の詳細が参照される。
【0133】
は、有利にメチル又はエチル、特に有利にメチルを表わす。
【0134】
mは、0又は1であり、特別には0である。
【0135】
有利な基R及びRに関して、前記の詳細が当てはまる。
【0136】
特に有利な1実施態様では、mは0であり、R10はHを表わし、RもRもC〜C10‐アルキル、殊にC‐アルキル、特別には2‐エチルヘキシル又は式IIの基を表わし、この際、R11、R12、R13及びR14はHを表わし、yは0であり、zは3〜6の数を表わし、R及びRは、相互に無関係で、H、C〜C‐アルキル又はC〜C‐ヒドロキシアルキルを表わす。この際、RもRも、有利にメチル、エチル、プロピル、ヒドロキシメチル又はヒドロキシエチルを表わす。特別には、zは3であり、R及びRはメチルを表わす。式中のmが0又は1であり、Rはメチルを表わし、R10はHを表わし、RはHを表わし、Rは式IIの基を表わし、この際、R11、R12、R13及びR14はHを表わし、yは0であり、zは3〜6の数を表わし、R及びRは、相互に無関係で、H、C〜C‐アルキル又はC〜C‐ヒドロキシアルキルを表わすマンニッヒ‐付加体I.1の使用が同様に有利である。この際、RもRも、有利に、メチル、エチル、プロピル、ヒドロキシメチル又はヒドロキシエチルを表わす。特別には、zは3であり、R及びRはメチルを表わし、即ち、RもRも、N,N‐ジメチルアミノプロピルを表わす。
【0137】
同様に有利な1実施態様では、基R及びRは、C〜C10‐アルキル基、殊に、C‐アルキル基、特別には2‐エチルヘキシルを表わす。
【0138】
成分A又は成分B又はその混合物の本発明による使用によって、直接噴射オットー内燃機関の噴霧ノズル上の沈積物の形成が明らかに減少する。
【0139】
次の実施例につき、本発明を詳説するが、これに限定されるものではない。
【0140】
実施例
I.4‐ポリイソブテンフェノール及び2‐メチル‐4‐ポリイソブテンフェノールの製造
I.1 4‐ポリイソブテンフェノールの製造
この製造は、フェノール及びグリソパル(Glissopal)1000から出発して、DE‐OS19948111に記載された方法によって行なわれる。
【0141】
4l入り4頚フラスコ中で、フェノール203.9gを窒素下に40〜45℃で溶融させた。BF‐ジエチルエーテル付加体95.5gを滴加し、20〜25℃に冷却させた。M=1000のポリイソブテン998g及びヘキサン1800ml中に溶かした85%のジメチルビニリデン成分を、3時間以内に20〜25℃で滴加した。1晩、後攪拌した。引き続いて、反応を25%のアンモニア溶液500mlの添加によって終了させた。有機相を分離し、引き続き、水500mlで7回清浄し、NaSO上で乾燥させ、溶剤を真空中で除去した:油状物(ポリイソブテンフェノール)1060g。
NMR:7.2ppm(二重線、2H)、6.7ppm(二重線、2H)、4.8ppm(単線、幅広1H)、1.75ppm(単線、2H)、1.5〜0.5ppm(単線、165H)。
【0142】
これは、アルキル基のM1150に相応する。7.1〜6.75の範囲に、小さい単線が存在し、これは、主生成物(p‐ポリイソブテンフェノール)の他に、2,4‐置換フェノール5〜10%が生成していることを証明していて、このことは実測された僅少な分子量上昇と一致している。
【0143】
I.2 2‐メチル‐4‐ポリイソブテンフェノールの製造
この製造は、クレゾール及びグリソパル(Glissopal)1000から出発して、DE‐OS19948111に記載された方法によって行なわれる。
【0144】
4l入り4頚フラスコ中で、クレゾール234.3ggを窒素下に40〜45℃で溶融させた。BF‐ジエチルエーテル付加体95.5gを滴加し、20〜25℃に冷却させた。M=1000のポリイソブテン998g及びヘキサン1800ml中に溶かした85%のジメチルビニリデン成分を、3時間以内に20〜25℃で滴下した。1晩、後攪拌した。引き続いて、反応を25%のアンモニア溶液500mlの添加によって終了させた。有機相を分離し、引き続き、水500mlで7回清浄し、NaSO上で乾燥させ、溶剤を真空中で除去した。油状の2‐メチル‐4‐ポリイソブテンフェノールを得た。
【0145】
II.ポリイソブテンフェノールからマンニッヒ‐付加体Iへの変換
II.1 I.1からのポリイソブテンフェノールとパラホルムアルデヒド及びN,N‐ビス[3‐(N’,N’‐ジメチルアミノ)プロピル]アミンとの反応
脱水器を備えた1l入りフラスコ中に、キシロール1000ml中のI.1からの4‐ポリイソブテンフェノール219.8gを前以て装入させた。パラホルムアルデヒド15.1gを加え、1時間90℃に加熱した。引き続き、N,N‐ビス[3‐(N’,N’‐ジメチルアミノ)プロピル]アミン93.9gを即座に添加し、その後に水相8mlを除去した。溶液を回転蒸発器上で145℃及び5ミリバールで蒸発させた。清澄な油状物として、モノアミノアルキル化ポリイソブチレンフェノール10%及びビスアミノアルキル化ポリイソブチレンフェノール90%を有する生成物混合物が278.4gの収率で得られた。モノ‐又はビスアミノメチル化生成物の同定は、H‐NMR‐スペクトルでベンジル性プロトン(芳香族体‐C‐NR)の移動によって行なわれた。
【0146】
II.2 I.1からのポリイソブテンフェノールとパラホルムアルデヒド及びN,N‐ジ(2‐エチルヘキシル)アミンとの反応
II.1と同様にして、I.1からのポリイソブテンフェノールとパラホルムアルデヒド及びN,N‐ジ(2‐エチルヘキシル)アミンとを、モル比1:1.2:1.2で反応させた。この反応によって、モノアミノアルキル化ポリイソブテンフェノール90%及びビスアミノアルキル化ポリイソブテンフェノール4%を有する生成物混合物が生じた。
【0147】
II.3 I.1からのポリイソブテンフェノールとパラホルムアルデヒド及びN,N‐ジ(2‐エチルヘキシル)アミンとの反応
II.1と同様にして、I.1からのポリイソブテンフェノールとパラホルムアルデヒド及びN,N‐ジ(2‐エチルヘキシル)アミンとを、モル比1:2.4:2.4で反応させた。この反応によって、モノアミノアルキル化ポリイソブチレンフェノール20%及びビスアミノアルキル化ポリイソブチレンフェノール80%を有する生成物混合物が生じた。
【0148】
II.4 I.2からのポリイソブテンクレゾールとパラホルムアルデヒド及びN’,N’‐3‐(ジメチルアミノ)プロピルアミンとの反応
II.1と同様にして、N’,N’‐3‐(ジメチルアミノ)プロピルアミンを、I.2からのポリイソブテンクレゾールとを、クレゾール対アミン対アルデヒドのモル比1:1:1で反応させた。モノアミノメチル化クレゾールを80%の収率で得た。ビスアミノメチル化クレゾールは得られなかった。
【0149】
III.内燃機関試験
試験内燃機関:
試験内燃機関として、均一の燃料分配が行なわれるようにそのシリンダー寸法が形成されている現代的な直接噴射オットー内燃機関を使用した。
型: 4‐シリンダー、4行程、2.0l
行程空間: 1998cm
点火栓/シリンダー: 1
弁/シリンダー: 4
口径: 86mm
行程: 86mm
噴射系: Commom Rail Hochdruck DI
噴射圧: 約100バール
冷却液の温度: 90℃
油温度: 94℃
試験サイクル: M 102E(CEC F‐05‐A‐93)、100時間
燃料: DIN EN 228による硫黄不含のスーパープラス(Superplus)
燃料に5種の異なる添加剤パッケージを加え、前記の試験サイクルに投入させた。引き続き、噴射ノズルの内部の外見を評価した。
【0150】
添加剤パッケージ:全添加剤パッケージは、前記の添加剤の他に、溶剤としてキシロール及びC11〜C14‐パラフィンを含む混合物を含有した。
添加剤パッケージ1 マンニッヒ‐付加体a*39質量%
(比較) ポリプロポキシレート‐脂肪アルコールエーテル17質量%
溶剤44質量%
添加剤パッケージ2 マンニッヒ‐付加体b**39質量%
(比較) ポリプロポキシレート‐脂肪アルコールエーテル17質量%
溶剤44質量%
添加剤パッケージ3 マンニッヒ‐付加体c***39質量%
ポリプロポキシレート‐脂肪アルコールエーテル17質量%
溶剤44質量%
添加剤パッケージ4 トリデシルアミン9質量%
マンニッヒ‐付加体a*36質量%
ポリプロポキシレート‐脂肪アルコールエーテル15質量%
溶剤40質量%
添加剤パッケージ5 エチルヘキシルアミン9質量%
マンニッヒ‐付加体a*36質量%
ポリプロポキシレート‐脂肪アルコールエーテル15質量%
溶剤40質量%
*マンニッヒ‐付加体a: 式I[式中、M=0、n=1、R=反応性ポリイソブテンから誘導される基、R10=H、R、R=メチル]のマンニッヒ‐付加体
マンニッヒ‐付加体aは、例I.1からのポリイソブテンフェノールとホルムアルデヒド及びジメチルアミンとを約等モル量で反応させることによって得られる。
**マンニッヒ‐付加体b:式I[式中、M=0、n=1、R=低反応性ポリイソブテンから誘導される基、R10=H、R=H、R=3‐N,N‐ジメチルアミノプロピル]のマンニッヒ‐付加体
マンニッヒ‐付加体bは、WO01/42399、S.16による反応によって得られる。
***マンニッヒ-付加体c:式I[式中、M=0、n=2、R=反応性ポリイソブテンから誘導される基、R10=H、R、R=3‐N,N‐ジメチルアミノプロピル]のマンニッヒ‐付加体
マンニッヒ‐付加体Cは、II.1による反応によって得られる。
【0151】
【表1】

【0152】
内燃機関試験が示すように、添加剤パッケージ3〜5中で本発明により使用される成分A及びBは、公知技術水準の添加剤に比べて、直接噴射オットー内燃機関の内燃機関空間中での沈積物の生成を実際に阻止する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラムダ‐範囲0.9〜9で運転される直接噴射オットー内燃機関用の燃料‐及び潤滑剤組成物中の清浄剤及び/又は分散剤として、
少なくとも1種の、式:
NR
[式中、R、R及びRは、各々無関係で、H、C〜C20‐アルキル又はC〜C20‐シクロアルキルを表わし、この際、2つのアルキル基は、それらが結合している窒素原子と一緒に1個の環を形成してよく、かつこの際、アルキル‐及びシクロアルキル基は、O及びNRから選択される1個以上の基によって遮断され及び/又は1個以上の基OR又はNRによって置換されていてよく、この際、R、R、R及びRは、相互に無関係で、R、R及びRと同様に定義される]のアミンを含有する成分A、
及び/又は
少なくとも1種の、式I:
【化1】

[式中、R及びRは、各々無関係で、成分AのR、R及びRと同様に定義され、
は、ポリイソブテン‐基を表わし、
は、C〜C‐アルキル基を表わし、
10は、H又はC〜C‐アルキルを表わし、
mは、0〜(4‐n)の数を表わし、かつ
nは、1〜3の数を表わす]のマンニッヒ‐付加体を含有する成分Bの使用。
【請求項2】
直接噴射オットー内燃機関用の燃料‐及び潤滑剤組成物中の清浄剤及び/又は分散剤として、
式:
NR
[式中、R、R及びRは、各々無関係で、H、C〜C20‐アルキル又はC〜C20‐シクロアルキルを表わし、この際、2つのアルキル基は、それらが結合している窒素原子と一緒に1個の環を形成してよく、かつこの際、アルキル‐及びシクロアルキル基は、O又はNRから選択される1個以上の基によって遮断され及び/又は1個以上の基OR又はNRによって置換されていてよく、この際、R、R、R及びRは、相互に無関係で、R、R及びRと同様に定義される]のアミン(ここで、アミンNRの分子量は120〜1000g/モルであるという条件を伴う)を含有する成分A、
及び/又は
少なくとも1種の、式I:
【化2】

[式中、R及びRは、各々無関係で、成分AのR、R及びRと同様に定義され、ここで、基NRの分子量の合計は120〜1000g/モルであるという条件を伴い、
は、ポリ(イソ)ブテン‐基を表わし、
は、C〜C‐アルキル基を表わし、
10は、H又はC〜C‐アルキルを表わし、
mは、0〜(4‐n)の数を表わし、かつ
nは、1〜3の数を表わす]のマンニッヒ‐付加体を含有する成分Bの使用。
【請求項3】
成分AにおけるアミンNRの分子量及び/又は成分Bにおける基NRの分子量の合計は、120〜1000g/モルである、請求項1に記載の使用。
【請求項4】
成分AにおけるアミンNRの分子量及び/又は成分Bにおける基NRの分子量の合計は、180〜600g/モルである、請求項2又は3に記載の使用。
【請求項5】
成分A及びBにおける基R、R及びRは、相互に無関係で、H、C〜C20‐アルキル、C〜C20‐シクロアルキル、
【化3】

を表わし、この際、R、R、R11、R12、R13及びR14は、相互に無関係で、H又はC〜C‐アルキルを表わし、
及びRは、相互に無関係で、H、C〜C‐アルキル又はC〜C‐ヒドロキシアルキルを表わし、
x及びzは、相互に無関係で、1〜20の数を表わし、
yは、0〜10の数を表わす、請求項1から4までのいずれか1項に記載の使用。
【請求項6】
は、反応性ポリイソブテンから誘導されるポリイソブテン‐基を表わす、請求項1から5までのいずれか1項に記載の使用。
【請求項7】
成分Bにおいて、RはOH‐基に対してp‐位にある、請求項1から6までのいずれか1項に記載の使用。
【請求項8】
成分A及び成分Bは、質量比20:1〜1:20で使用される、請求項1から7までのいずれか1項に記載の使用。
【請求項9】
成分A及び/又は成分Bを0.1〜80質量%の量で含有する燃料‐又は潤滑剤濃縮物の形での、請求項1から8までのいずれか1項に記載の使用。
【請求項10】
請求項1から9までのいずれか1項に定義されている成分A及び/又は成分Bを包含する燃料を製造する、直接噴射オットー内燃機関中の沈積物の減少法。
【請求項11】
直接噴射オットー内燃機関はラムダ‐値0.9〜9で運転される、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
炭化水素‐燃料又は潤滑剤の主量及び請求項2から7までのいずれか1項に定義されている成分Bの清浄活性量を含有する直接噴射オットー内燃機関用の燃料‐及び潤滑剤組成物。
【請求項13】
請求項2から7までのいずれか1項に定義されている成分Bを10〜1000mg/組成物kgの量で含有する、請求項12に記載の燃料‐及び潤滑剤組成物。
【請求項14】
少なくとも1種の、式I.1:
【化4】

[式中、
は、数平均分子量300〜3000を有するポリ(イソ)ブテン‐基を表わし、
は、C〜C‐アルキル基を表わし、
10は、H又はC〜C‐アルキルを表わし、
及びRは、相互に無関係で、C〜C20‐アルキル、C〜C20‐シクロアルキル、
【化5】

を表わし、この際、R、R、R11、R12、R13及びR14は、相互に無関係で、H又はC〜C‐アルキルを表わし、
及びRは、相互に無関係で、H、C〜C‐アルキル又はC〜C‐ヒドロキシアルキルを表わし、
x及びzは、相互に無関係で、1〜20の数を表わし、
yは、0〜10の数を表わし、かつ
mは、0又は1である]のマンニッヒ‐付加体を含有する、請求項12又は13に記載の燃料‐及び潤滑剤組成物。
【請求項15】
請求項2から7までのいずれか1項に定義されている成分B、及び少なくとも1種の希釈剤及び場合により少なくとも1種の他の添加剤を含有する添加剤濃縮物。
【請求項16】
式I.1:
【化6】

[式中、
は、数平均分子量300〜3000を有するポリ(イソ)ブテン‐基を表わし、
は、C〜C‐アルキル基を表わし、
10は、H又はC〜C‐アルキルを表わし、
及びRは、相互に無関係で、C〜C20‐アルキル、C〜C20‐シクロアルキル、
【化7】

を表わし、この際、R、R、R11、R12、R13及びR14は、相互に無関係で、H又はC〜C‐アルキルを表わし、
及びRは、相互に無関係で、H、C〜C‐アルキル又はC〜C‐ヒドロキシアルキルを表わし、
x及びzは、相互に無関係で、1〜20の数を表わし、
yは、0〜10の数を表わし、かつ
mは、0又は1である]のマンニッヒ‐付加体。
【請求項17】
は、反応性ポリイソブテンから誘導される、ポリイソブテン‐基を表わす、請求項16に記載のマンニッヒ‐付加体。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラムダ‐範囲0.9〜9で運転される直接噴射オットー内燃機関用の燃料‐及び潤滑剤組成物中の清浄剤及び/又は分散剤として、
少なくとも1種の、式:
NR
[式中、R、R及びRは、各々無関係で、H、C〜C20‐アルキル又はC〜C20‐シクロアルキルを表わし、この際、2つのアルキル基は、それらが結合している窒素原子と一緒に1個の環を形成する又は形成せず、かつこの際、アルキル‐及びシクロアルキル基は、O及びNRから選択される1個以上の基によって遮断され及び/又は1個以上の基OR又はNRによって置換されている又は非置換であり、この際、R、R、R及びRは、相互に無関係で、R、R及びRと同様に定義される]のアミンを含有する成分A、
及び/又は
少なくとも1種の、式I:
【化1】

[式中、R及びRは、各々無関係で、成分AのR、R及びRと同様に定義され、
は、ポリイソブテン‐基を表わし、
は、C〜C‐アルキル基を表わし、
10は、H又はC〜C‐アルキルを表わし、
mは、0〜(4‐n)の数を表わし、かつ
nは、1〜3の数を表わす]のマンニッヒ‐付加体を含有する成分Bの使用。
【請求項2】
直接噴射オットー内燃機関用の燃料‐及び潤滑剤組成物中の清浄剤及び/又は分散剤として、
少なくとも1種の、式:
NR
[式中、R、R及びRは、各々無関係で、H、C〜C20‐アルキル又はC〜C20‐シクロアルキルを表わし、この際、2つのアルキル基は、それらが結合している窒素原子と一緒に1個の環を形成する又は形成せず、かつこの際、アルキル‐及びシクロアルキル基は、O又はNRから選択される1個以上の基によって遮断され及び/又は1個以上の基OR又はNRによって置換されている又は非置換であり、この際、R、R、R及びRは、相互に無関係で、R、R及びRと同様に定義される]のアミン(ここで、アミンNRの分子量は120〜1000g/モルであるという条件を伴う)を含有する成分A、
及び/又は
少なくとも1種の、式I:
【化2】

[式中、R及びRは、各々無関係で、成分AのR、R及びRと同様に定義され、ここで、基NRの分子量の合計は120〜1000g/モルであるという条件を伴い、
は、ポリ(イソ)ブテン‐基を表わし、
は、C〜C‐アルキル基を表わし、
10は、H又はC〜C‐アルキルを表わし、
mは、0〜(4‐n)の数を表わし、かつ
nは、1〜3の数を表わす]のマンニッヒ‐付加体を含有する成分Bの使用。
【請求項3】
成分A及び成分Bの、請求項1又は2に記載の使用。
【請求項4】
成分AにおけるアミンNRの分子量及び/又は成分Bにおける基NRの分子量の合計は、120〜1000g/モルである、請求項1に記載の使用。
【請求項5】
成分AにおけるアミンNRの分子量及び/又は成分Bにおける基NRの分子量の合計は、180〜600g/モルである、請求項2から4までのいずれか1項に記載の使用。
【請求項6】
成分A及びBにおける基R、R及びRは、相互に無関係で、H、C〜C20‐アルキル、C〜C20‐シクロアルキル、
【化3】

を表わし、この際、R、R、R11、R12、R13及びR14は、相互に無関係で、H又はC〜C‐アルキルを表わし、
及びRは、相互に無関係で、H、C〜C‐アルキル又はC〜C‐ヒドロキシアルキルを表わし、
x及びzは、相互に無関係で、1〜20の数を表わし、
yは、0〜10の数を表わす、請求項1から5までのいずれか1項に記載の使用。
【請求項7】
は、反応性ポリイソブテンから誘導されるポリイソブテン‐基を表わす、請求項1から6までのいずれか1項に記載の使用。
【請求項8】
成分Bにおいて、RはOH‐基に対してp‐位にある、請求項1から7までのいずれか1項に記載の使用。
【請求項9】
成分A及び成分Bは、質量比20:1〜1:20で使用される、請求項1から8までのいずれか1項に記載の使用。
【請求項10】
成分A及び/又は成分Bを0.1〜80質量%の量で含有する燃料‐又は潤滑剤濃縮物の形での、請求項1から9までのいずれか1項に記載の使用。
【請求項11】
請求項1から10までのいずれか1項に定義されている成分A及び/又は成分Bを包含する燃料を製造する、直接噴射オットー内燃機関中の沈積物の減少法。
【請求項12】
直接噴射オットー内燃機関はラムダ‐値0.9〜9で運転される、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
燃料は成分A及び成分Bを包含する、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
炭化水素‐燃料又は潤滑剤の主量及び請求項2及び4から8までのいずれか1項に定義されている成分Bの清浄活性量を含有する直接噴射オットー内燃機関用の燃料‐及び潤滑剤組成物。
【請求項15】
請求項2及び4から8までのいずれか1項に定義されている成分Bを10〜1000mg/組成物kgの量で含有する、請求項14に記載の燃料‐及び潤滑剤組成物。
【請求項16】
少なくとも1種の、式I.1:
【化4】

[式中、
は、反応性ポリイソブテンから誘導される、数平均分子量300〜3000を有するポリイソブテン‐基を表わし、
は、C〜C‐アルキル基を表わし、
10は、H又はC〜C‐アルキルを表わし、
及びRは、相互に無関係で、C〜C20‐アルキル、C〜C20‐シクロアルキル、
【化5】

を表わし、この際、R、R、R11、R12、R13及びR14は、相互に無関係で、H又はC〜C‐アルキルを表わし、
及びRは、相互に無関係で、H、C〜C‐アルキル又はC〜C‐ヒドロキシアルキルを表わし、
x及びzは、相互に無関係で、1〜20の数を表わし、
yは、0〜10の数を表わし、かつ
mは、0又は1である]のマンニッヒ‐付加体を含有する、請求項14又は15に記載の燃料‐及び潤滑剤組成物。
【請求項17】
請求項2及び4から8までのいずれか1項に定義されている成分B及び少なくとも1種の希釈剤及び場合により少なくとも1種の他の添加剤を含有する添加剤濃縮物。
【請求項18】
式I.1:
【化6】

[式中、
は、反応性ポリイソブテンから誘導される、数平均分子量300〜3000を有するポリイソブテン‐基を表わし、
は、C〜C‐アルキル基を表わし、
10は、H又はC〜C‐アルキルを表わし、
及びRは、相互に無関係で、C〜C20‐アルキル、C〜C20‐シクロアルキル、
【化7】

を表わし、この際、R、R、R11、R12、R13及びR14は、相互に無関係で、H又はC〜C‐アルキルを表わし、
及びRは、相互に無関係で、H、C〜C‐アルキル又はC〜C‐ヒドロキシアルキルを表わし、
x及びzは、相互に無関係で、1〜20の数を表わし、
yは、0〜10の数を表わし、かつ
mは、0又は1である]のマンニッヒ‐付加体。

【公表番号】特表2006−508223(P2006−508223A)
【公表日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−556250(P2004−556250)
【出願日】平成15年12月1日(2003.12.1)
【国際出願番号】PCT/EP2003/013512
【国際公開番号】WO2004/050806
【国際公開日】平成16年6月17日(2004.6.17)
【出願人】(595123069)ビーエーエスエフ アクチェンゲゼルシャフト (847)
【氏名又は名称原語表記】BASF Aktiengesellschaft
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】