相対位置検知装置、回転搬送装置、及び画像形成装置
【課題】スケールが上下動や角度変化を生じても高精度に安定した信号検知を行なう相対的位置検知装置及び回転搬送装置、及びこれを搭載した画像形成装置を提供することにある。
【解決手段】光ヘッド部からの光を、透過率あるいは反射率の変化による光学マーク4aが一定間隔で配列されたスケール4に照射し、このスケール4からの透過光あるいは反射光の光電変換による電気信号の変化によって、前記光ヘッド部と前記スケール4との相対位置を検知する相対位置検知装置において、前記光ヘッド部は、光源1aと、この光源からの光束のうち、略一定方向の光束のみを通過もしくは反射させる光角度制限手段2と、この光角度制限手段2から射出された光束を所定の光ビーム形状に整形する光整形手段3を含んでおり、前記光源から射出される光束は空間的な広がりをもった拡散光である相対位置検知装置。
【解決手段】光ヘッド部からの光を、透過率あるいは反射率の変化による光学マーク4aが一定間隔で配列されたスケール4に照射し、このスケール4からの透過光あるいは反射光の光電変換による電気信号の変化によって、前記光ヘッド部と前記スケール4との相対位置を検知する相対位置検知装置において、前記光ヘッド部は、光源1aと、この光源からの光束のうち、略一定方向の光束のみを通過もしくは反射させる光角度制限手段2と、この光角度制限手段2から射出された光束を所定の光ビーム形状に整形する光整形手段3を含んでおり、前記光源から射出される光束は空間的な広がりをもった拡散光である相対位置検知装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種の測長機器や各種の計測装置、工作機械、複写機などにおいて、移動体の移動量を検出するエンコーダ(光学スケール)として利用可能な相対位置検出装置、これを備えた回転搬送装置及びこの回転搬送装置を搭載している画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
複写機、プリンタ、ファクシミリなどの画像形成装置においては、感光体ベルト、転写ベルト、用紙搬送ベルト、感光体ドラム、転写ドラム等の画像形成用の回転搬送体を備えている。
かかる回転搬送体であるベルトやドラムの表面などのように上下動が生じる物体の表面位置を計測する相対位置検知装置として、従来から、各種の技術が知られている(例えば、特許文献1乃至4参照)。
相対位置検出装置に関連する参考技術文献である特許文献1について説明する。図15は特許文献1に開示された相対位置検知装置の構成を示す斜視図である。この相対位置検出装置は、光源101、光源101からの光を平行光線に光学補正し、後述するスケールに投射するためのコリメートレンズ102、一定の格子定数を有する光学格子からなるスケール103、このスケール103と同じ格子定数を有する光学素子からなるインデックススケール104を含んでいる。
このインデックススケール104は互いに1/4波長だけずらされた2つの格子を備えている。検出器105及び105’が2つの光学格子のそれぞれを通過した光を検出するために配置されており、スケール103は矢印6で示す方向に移動する。
上記構成において、スケール103を矢印Aの方向に移動させると、インデックススケール104との相対位置関係により、光の通過及び遮断が繰り返される。この光の通過及び遮断の繰り返しで生じる光量変化を検出器105、105’で検出することにより、正弦波状の電気信号が得られ、これをカウントすることで移動量を計測する。
【0003】
図16は光反射型の相対的位置検知装置における検知距離変動による計測誤差を説明する概略図である。図16の相対的位置検知装置には、光源101、光源101からの光を平行光線に光学補正し、後述するスケールに投射するためのコリメートレンズ102、一定の格子定数を有する光学格子からなるスケール103を含んでいる。
また、この相対的位置検知装置には、このスケール103と同じ格子定数を有する光学素子からなるインデックススケール104、受光手段105を含んでいる。符号dは検知距離変動による計測誤差を示している。
図17は光反射型の相対的位置検知装置における検知距離計測誤差を説明する概略図である。このような光反射型の相対的位置検知装置は、光源101、光源101からの光を平行光線に光学補正し、後述するスケールに投射するためのコリメートレンズ102、一定の格子定数を有する光学格子からなるスケール103を含んでいる。また、この相対的位置検知装置は、このスケール103と同じ格子定数を有する光学素子からなるインデックススケール104、受光手段105を含んでいる。
また、特許文献3及び4には、エンコーダを画像形成装置に応用する技術が開示されている。各文献には、ベルト表面にマークを形成し、そのマークをセンサで検出して得られたパルス間隔からベルト表面速度を算出して制御にフィードバックする手法の例が示されている。
この方法によれば、ベルト表面の挙動を直接観測できるため、移動量を直接制御することができる。このようにベルト表面を等速に制御することによって出力画像の位置ずれが減少し、高精細な画像を得ることができるとされている。
【特許文献1】特開昭59−132311号公報
【特許文献2】特開平11−166809号公報
【特許文献3】特開平6−263281号公報
【特許文献4】特開平9−114348号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述されたような従来の技術にあっては、分解能の精度を高めるには、格子定数の小さいスケールを利用すればよいが、コントラストを維持するためには、スケールとインデックススケールとを微小間隔の位置関係で配置する必要がある。
画像形成装置における中間転写ベルトや感光体ドラムの表面移動量を計測するために、中間転写ベルトや感光体ドラムの表面にスケールを形成する。このスケールによって反射型のエンコーダを構成しようとすると、ベルト走行時の上下動、ドラムの偏心などによってスケールとインデックススケールが接触してしまうため或る程度のギャップを設ける必要があり、十分に分解能を上げることができない。
上述した十分に分解能を上げることができないことに加えて図16に示すようにギャップの変動によって反射光の位置が変化することによる計測誤差や図17のスケールの傾きによる計測誤差が生じてしまう問題がある。
上記問題に対して、特許文献2では、平行ビームを用いて、インデックススケールによってスリット状に整形されたビームをスケールに投射し、その透過光もしくは反射光を受光する構成にすることで、インデックススケールとスケールを広く離間して配置することを可能にしている。また、スケールとインデックススケールの間隔が変化しても計測誤差を生じにくい計測を実現している。
【0005】
しかし、上記従来技術では、スケールに照射される光ビームの入射角を高精度に確保できないと、スケールとインデックススケールとの間隔変動によって計測精度を損なってしまう問題がある。図17において、スケールとインデックススケールの間隔変動をg、スケールに対する光ビームの入射角度をθとすると、計測誤差Eは、E=g・tanθで表される。
例えば、θ=1°、g=1mmとすると、E=1・tan1=0.017mmとなり、位置決め精度として0.01mm以下を目標とするカラー画像形成装置に利用する場合には大きな誤差となってしまう。
カラー画像形成装置に使われる中間転写ベルトなどは、張架するローラの偏心や変形、ベルトの癖、ベルトの撓みによって、張架位置が大きく変動してしまうことから、誤差を低減するためにθを小さくすることが必要となる。しかし、光源として安価で、一般的に使われるLEDは発光点の位置精度が±0.1mm程の誤差を有するのが普通であり、LEDに焦点距離5mmのレンズを組み合わせると、1.15°のビーム角度誤差は免れない。
そこで、本発明の目的は、スケールが上下動や角度変化を生じても高精度に安定した信号検知を行なう相対的位置検知装置及び回転搬送装置、及びこれを搭載した画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、光ヘッド部からの出射光を、透過、或いは反射させる光学マークが一定間隔で配列されたスケールに照射し、このスケールの前記光学マークからの透過光或いは反射光の光電変換による電気信号の変化によって、前記光ヘッド部と前記スケールとの相対位置を検知する相対位置検知装置において、前記光ヘッド部は、光源と、この光源からの光束のうち、略一定方向の光束のみを通過もしくは反射させる光角度制限手段と、この光角度制限手段から射出された光束を所定の光ビーム形状に整形する光整形手段を含んでおり、前記光源から射出される光束は拡散光である相対位置検知装置を特徴とする。
また、請求項2に記載の発明は、前記光源部には前記光源からの光束の発散角を制御する投光レンズを有する請求項1記載の相対位置検知装置を特徴とする。
また、請求項3に記載の発明は、前記光角度制限手段は前記光整形手段を介して前記スケールに当接し、このスケールの移動時に摺動するスケール当接部材に固定されている請求項1又は2記載の相対位置検知装置を特徴とする。
また、請求項4に記載の発明は、前記光角度制限部材はライトコントロールフィルムである請求項1乃至3の何れか1項記載の相対位置検知装置を特徴とする。
【0007】
また、請求項5に記載の発明は、前記光角度制限部材はホログラム素子である請求項1乃至4の何れか1項記載の相対位置検知装置を特徴とする。
また、請求項6に記載の発明は、前記光角度制限部材はレンズとこのレンズの焦点位置に配置されたスリットによって構成されている請求項1乃至4の何れか1項記載の相対位置検知装置を特徴とする。
また、請求項7に記載の発明は、前記ライトコントロールフィルムは、光整形手段の機能を持ち合わせている請求項5記載の相対位置検知装置を特徴とする。
また、請求項8に記載の発明は、画像形成装置で使用されるベルト状部材及びドラム状回転部材である回転搬送装置において、請求項1乃至7の何れか1項記載の相対位置検知装置が使用され、前記スケールが前記ベルト状部材表面あるいは前記ドラム状回転部材表面に設けられている回転搬送装置を特徴とする。
また、請求項9に記載の発明は、画像形成用の回転搬送体としての感光体ベルト、転写ベルト、用紙搬送ベルト、感光体ドラム、又は転写ドラムを備えている画像形成装置において、前記回転搬送装置が請求項8記載の回転搬送装置である画像形成装置を特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ベルトやドラム形状の表面にスケールが形成されている場合でも、スケールに照射される光ビームは略直角に維持されるため、高精度な計測を実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は本発明による相対的位置検知装置の第1の実施の形態を示す概略図である。図1の相対的位置検知装置は、光源1a、投光レンズ1bを含む光源部1、光角度制限手段2、光整形手段3、光学マーク4aを備えたスケール4、受光部5から構成されている。
光角度制限手段2は、光源1aから出射される光束のうち、略一定方向の光束のみを通過もしくは反射させる。光整形手段3は光角度制限手段2から入射されてきた光束を所定の光ビーム形状に整形する。スケール4上には一定間隔で光学マーク4aが配列されている。受光部5はスケール4を通過した光を受光し、光電変換する。
スケール4以外の構成部品を光ヘッド部と呼ぶ。本発明の相対位置検出装置は、光ヘッド部とスケール4が移動した場合、もしくはスケール4が固定された場合の被測定物の相対位置を計測する。
光源部1は光源1aと、必要であれば、この光源1aからの光束を収束させる投光レンズ1bによって構成されている。この投光レンズ1bは必ずしも必要はないが、光の利用効率を上げるため、あるいは発散角を制御する目的で利用した方がよい。投光レンズ1bは光源1aの発散光を収束光にならない程度に収束する構成か、一旦、集光したのち発散するように構成する。
光源1aとしては、発光ダイオード(LED)や電球、半導体レーザなどが利用できる。スケール4の反射及び透過のパターンに対して十分なコントラストが得られる光源であれば、どのような光源でも利用できる。
【0010】
図2はスケールのパターンの一部と同じ形状のパターンを有する透過スリットを示す概略図である。図3は透過スリットが一定間隔で配列された一般的なエンコーダ用スケールを示す概略図である。
図2及び図3において、光整形手段3は、図3のビームパターンのようにスケール4上の光学マーク(スリットパターン)4aと同じ幅、周期を持ったビームパターンを備え、スケール4に投影する。図2に示すようにスケール4のパターンの一部と同じ形状のパターンで光源からの光を開口制限する透過スリットが利用できる。
スケール4としては、図3のような反射型あるいは透過型スリットが一定間隔で配列された一般的なエンコーダ用スケールが利用できる。反射型とする場合には、アルミニウム(Al)やクロム(Cr)などの金属反射面をエッチングすることによってスリット形状に加工されたスケールが利用される。
また、最近では、フォトエマルジョンフィルムを露光及び現像することにより透過及び吸収パターンを形成し、さらに、金属反射面を形成することで反射型のスケールを構成することもできる。ベルトやドラム形状の表面にスケールを構成する場合には樹脂フィルムに作成できる後者のスケールが利用し易い。
【0011】
再び、図1を参照して、光角度制限手段2は略一定方向の光束のみを通過もしくは反射させる機能を有している。光角度制限手段2は、以降の実施の形態で説明するライトコントロールフィルムやホログラムデバイスもしくはピンホールとレンズの組み合わせなどによっても実現できる。
光源1aから出た光は投光レンズ1bを通してスケール4に照射されるが、その際に光整形手段としてのスリット3を通過するので、光はスリット3を通過した直後は、このスリット3と同じ形状のビームパターンとなる。
スリット3を通過した光はスケール4に照射及び反射されるが、この時、スリット3とスケール4との位置関係によって反射する光量が増減する。受光部5でスケール4の移動に伴う光量変化を受光し、光電変換することによって略正弦波状の信号が観測できる。その信号を矩形化することでインクリメンタル可能なエンコーダ信号を得ることができる。
【0012】
ここで、光源1aからのビームが部品公差などによってスケール4に対して直角に照射できなかった場合、従来例の問題点で説明したように測定に誤差を生じてしまう。しかし、本発明では、光源部1からの光束が発散しており、その光束の中からスケール4に対して直角方向に進む光束のみが光角度制限手段2によって取り出され、スケール4上に照射される。
従って、光角度制限手段2とスケール4との角度関係(位置関係)のみを必要な精度に維持することができれば、スケール4に対しては必ず直角に光ビームが照射される。スケール4と光ヘッド部との間隔が変動しても計測精度には影響を与えないため、高精度な位置計測が可能となる。
従来の方式では、ベルトやドラム形状の表面にスケールが形成されている場合には、スケール4は移動に伴い上下動や角度変化を繰り返すため、光ビームの照射精度が高くなければ、計測は精度良く検知することができなかった。本発明ではスケール4に照射される光ビームは略直角に維持されるため、高精度な計測が実現できる。
上述したように、光源部1には光源1aからの光束の発散角を制御する投光レンズ1bを配置してもよい。これにより、光の利用効率の向上を図り、光の発散角を制御し、フレア光、及び迷光を除去することができる。
【0013】
図4は本発明による相対的位置検知装置の第2の実施の形態をスケールの移動方向で示す概略図である。図5は図4の第2の実施の形態をスケールの移動方向から示す側断面図である。
この相対的位置検知装置は、光源1a、投光レンズ1bを含む光源部1、光角度制限手段2、光整形手段3、光学マーク4aを備えたスケール4、受光部5及びスケール当接部材6から構成されている。符号7は相対的位置検出装置を搭載している非測定物を示している。
この第2の実施の形態では、光角度制限手段2が、実際には、光整形手段3を介在してスケール4に当接し、スケール4の移動時にスケールに対して摺動するスケール当接部材6に光角度制限手段2が固定されている。
この第2の実施の形態では、反射型の光ヘッドにより構成した例を示している。スケール当接部材6はスケール4に当接させ、スケール4はスケール当接部材6を擦りながら移動する。
スケール当接部材6としては、スケール4に傷を付けないようにこのスケール4との摩擦力が低い材質やスポンジ、植毛部材などの柔らかい材質が適している。とくに、植毛されたブラシ状の部材を使えば、スケール4の清掃効果を同時に得られるため、スケール汚れによる信号品質劣化が少なくなる。
【0014】
スケール当接部材6には、図のように、光整形部材3と光角度制限部材2とを固定すると良い。スケール当接部材6の精度を確保しておけば、光角度制限部材2とスケール4の角度精度が補償でき、スケール4に対する光ビームの照射角度精度が容易に維持できる。
光角度制限部材2は、図4のような反射型で用いる場合には、図5のように一方向には角度を持たせて使うことになる。このため、図5の方向には光角度を制限しなくて良い。
本発明によれば、光源部1が傾いて取り付けられたり、光源部1からの光ビームが傾いていても、スケール当接部材6に固定された光角度制限部材2によってスケール4に対して直角に光ビームを照射することができるため、高精度な位置計測が可能となる。
このように、本発明の第2の実施の形態によれば、スケール4に対しての光ビーム角度精度を向上し、計測精度を向上し、スケールの清掃効果を備え、スケール4と光ヘッドの間隔変動を抑制し、スケール4のバタツキを抑制して計測精度の向上を図ることができる。
【0015】
図6は光角度制限部材として使用するライトコントロールフィルムを示す斜視図である。図7は図6のライトコントロールフィルムの側面図である。図6及び図7に示すように、光角度制限部材2としてライトコントロールフィルムが利用できる。
ライトコントロールフィルムは、パソコンの画面セキュリティ用に視野角を制限するフィルムで、図6及び図7のようにフィン状のルーバ2bを所定の空隙を隔てて複数枚並行に配列して樹脂フィルム2aで挟み込んでフィルム状にした構成が多い。図7には側面図を示しているが、ルーバ2aは光を吸収する材質でできており、ルーバ2aに当たってしまう光は透過できないため、ルーバ2a方向と平行な方向の光のみが通過する。このため、光の角度を制限することができる。この型の光角度制限部材2は安価で、フィルム状であるためにセンサヘッドが小型化できる。
【0016】
図8は光角度制限部材として使用するホログラム素子を示す概略図である。図8には光角度制限部材として使用する体積型のホログラム素子を示している。厚みのある回折格子を含む光角度制限部材2としてホログラム素子2cは入射光に対して回折光の角度が式(1)、すなわち、
2π/λ(sinθi+sinθs)=m・2π/Λ …(1)
(m=0,1,2,・・・)
のように決まる。
薄い回折格子の場合には、入射波を取れる入射角θiは広く取れるが、体積型ホログラムのような厚みのある素子では、式(2)、すなわち、
ブラッグ条件 ks=ki±mK …(2)
のような、ブラッグ条件を満たす入射角の光のみが回折し、一方向に決まる回折角θsの回折光が射出される(詳細は教科書、コロナ社「光波電子工学」など参照)。
さらに説明すると、Λは格子ピッチ、Kは格子ベクトル、θiは入射波の入射角、θsは上述したように、回折波の回折角、λは波長、Ks、Kiは波数ベクトルを示している。
ライトコントロールフィルムと同様にフィルムもしくは板状の素子であり、小型・低コストで実現でき、体積型ホログラムの場合は回折条件以外の光は回折しないため、角度選択性が高い。
【0017】
図9はレンズとレンズの焦点位置に配置されたスリットによって構成された光角度制限部材を示す概略図である。図10はレンズのピンホールを示す図である。図11はレンズのスリットを示す図である。図9に示すように、光角度制限部材2はレンズ2dとレンズの焦点位置に配置されたスリット2eによって構成できる。
光角度制限部材2は光源1から射出される拡散光中から、スケールに直交して進行する角度の光束のみを射出する機能を必要とする。図9のようにレンズ2dの焦点位置光軸中心に図10に示すようにピンホール2eを配置し、このピンホール2eに対して拡散光源を照射すれば、ピンホール2eを疑似光源として見ることができる。
従って、レンズ2dの焦点位置に点光源を配置した時のようにレンズ2dからは平行ビームが取り出せる。レンズ2dとピンホール2eの位置を高精度に設定しておけば、レンズ2dからの射出光の光軸は角度誤差を生じない。
レンズとしては平行ビームを取り出せるようにコリメートレンズを用いると光ビーム品質が良い。ピンホールの代わりに図11に示すように長方形スリット2fを用いても構わない。この場合には、一方向のみの光角度を制限することになる。
また、ピンホール2eに照射する光として、空間的な広がりをもった拡散光源を直接用いると、ピンホール2eに遮蔽される光が多くなり効率が損なわれるが、拡散光源を他のレンズによってピンホール2e付近に集光すれば効率よく光が使える。
【0018】
図12はライトコントロールフィルムに光整形機能を組み合わせた構成を示す概略図である。図12に示すように、ライトコントロールフィルムに使われるルーバ2bの中に幅の広いルーバ2gを使うことによって、光角度制限部材と光整形部材を兼用する部材が提供できる。これにより、小型、低コスト化に対する効果が期待できる。
本発明によれば、スケールをベルト状部材表面あるいはドラム状回転部材表面に設けることができる。このような相対位置検出装置はスケールの高さ変動、角度変動の影響を受けにくいので、ベルトやドラムの表面の位置を高精度に計測することができる。
従って、本発明は、電子写真式画像形成装置における感光体もしくは中間転写体などのドラムやベルト形状の表面位置をセンシングして駆動制御を行なうためのエンコーダとして利用することができる。
本発明によれば、速度及び位置決めを高精度に計測でき、この信号を用いてフィードバック制御することによって位置決め誤差を非常に少なくできるので、倍率誤差、画像ゆがみなどの少ない、高品質な画像形成が可能となる。
1ドラム式のカラー画像形成装置や、とくに、近年、高速化のために用いられているタンデム式のカラー画像形成装置においては前述のように転写ベルトや中間転写ベルトの速度安定性、及び位置決め精度が画質に与える影響は非常に大きい。そこで、本発明を利用することによって高画質な画像出力を得ることができる。
【0019】
図13は本発明による相対位置検知装置の実施に適するカラー画像形成装置の一例を説明する概略構成図である。図14はベルト位置の変動の様子を示す波形図である。
カラー画像形成装置20は、記録媒体としての転写紙22を搬送する搬送ベルト23に沿って、この搬送ベルト23の移動方向(搬送方向)で、上流側から順に、複数個の電子プロセス部21K、21M、21Y、21Cが配列され、所謂、タンデムタイプといわれるものである。これらの電子プロセス部21K、21M、21Y、21Cは画像形成部として機能する。
電子プロセス部21Kは黒、電子プロセス部21Mはマゼンタ、電子プロセス部21Cはシアン、電子プロセス部21Yはイエローの各画像を形成する。各電子プロセス部21K、21M、21Y、21Cは形成する画像の色が異なるだけで、内部構成は各電子プロセス部とも共通である。
従って、以下の説明では、電子プロセス部21Kについて具体的に説明するが、他の電子プロセス部については、電子プロセス部21Kにかかる構成要素のKに代えて、M、Y、Cなどの符号を付したもので図に表示するに留める。
搬送ベルト23は、その一方が駆動回転させられる駆動ローラと、他方が従動回転させられる従動ローラである搬送ローラ24、25によって回動可能に支持されたエンドレスベルトからなっている。これらの搬送ローラ24、25の回転とともに、搬送ベルト23は矢印の向きに回転させられるようになっている。
搬送ベルト23の下方には転写紙22が収納された給紙トレイ26が備えられている。給紙トレイ26に収納された転写紙22のうち、最上位置にある転写紙22は、画像形成時に送り出されて静電吸着により搬送ベルト23に吸着される。こうして搬送ベルト23に吸着された転写紙22は最初の電子プロセス部21Kに搬送され、ここで黒の画像が転写される。
【0020】
電子プロセス部21Kは、像担持体としての感光体ドラム27Kと、この感光体ドラム27Kの周囲に配置された帯電器28K、露光器29K、現像器30K、感光体クリーナ31Kなどから構成されている。
露光器29Kとしては、レーザスキャナが用いられ、レーザ光源からのレーザ光をポリゴンミラーで反射させ、fθレンズや偏向ミラー等を用いた光学系を介して露光光として出射するようにしている。
画像形成に際し、感光体ドラム27Kの周面は、暗中にて帯電器28Kにより一様に帯電された後、露光器28Yからの黒画像に対応した露光光32K、本例ではレーザ光により露光され、静電潜像が形成される。この静電潜像は、現像器30Kにおいて黒トナーにより可視像化され、感光体ドラム27K上に黒のトナー像が形成される。
このトナー像は感光体ドラム27Kと搬送ベルト23上の転写紙22とが接する位置、所謂、転写位置で転写器33Kの働きにより転写紙22上に転写され、この転写紙22上に単色(黒)の画像が形成される。転写を終えた感光体ドラム27Kはこの感光体ドラム27Kの周面に残留した不要なトナーが感光体クリーナ31Kにより除去され、次の画像形成に備えられる。
【0021】
このようにして、電子プロセス部21Kで単色(黒)を転写された転写紙22は、搬送ベルト23によって次の電子プロセス部21Mに搬送される。電子プロセス部21Mでは、前記電子プロセス部21Kにおけると同様のプロセスにより感光体ドラム27M上に形成されたマゼンタのトナー像が転写紙22上の黒のトナー像に重ね転写される。
転写紙22は、さらに、次の電子プロセス部21Yに搬送され、同様にして感光体ドラム27Y上に形成されたイエローのトナー像が転写紙22上にすでに形成されている黒及びマゼンタのトナー像に重ね転写される。同様にしてさらに、次の電子プロセス部21Cでは、シアンのトナー像が重ね転写されて、フルカラーのカラー画像が得られる。
こうしてフルカラーの重ね画像が形成された転写紙22は、電子プロセス部21Cを通過した後、搬送ベルト23から剥離されて定着器34にて定着された後、排紙される。
【0022】
以上のような構成のカラー画像形成装置20では、本来重ならなければならない位置に画像が重ならず、色間で位置ずれが生ずるという問題が発生する。この問題は、感光体軸間距離の誤差、感光体平行度誤差、偏向ミラーの設置誤差、感光体ドラムヘの露光光の書き込みタイミング誤差、感光体ドラムの線速度の変動等により発生する。
この位置ずれの成分としては、主に、各色の走査線の傾きの不揃いによるスキュー(斜めずれ)、主走査方向と直交する副走査方向(搬送ベルト23による転写紙22の搬送方向)で各画像位置がずれる副走査レジストずれがある。
また、位置ずれの成分には、副走査ピッチムラ、主走査方向での書き出し位置或いは書き終わりの位置がずれる主走査レジストずれ、色同士で走査線の長さが異なる倍率ずれなどがある。
本発明では、とくに前記の副走査レジストずれが発生する原因となる搬送ベルトや感光体ドラムの速度ムラを低減するベルト搬送装置及びドラム回転装置に付与され、位置検知を行なうためのエンコーダ装置を提供するものである。
従来技術に記載されているように、画像形成装置に使われるベルト搬送装置及びドラム回転装置の速度変動による位置決め誤差はベルトの厚み変動、ローラの偏心、駆動モータの速度ムラにより、図15のように複数の周波数成分を持った波形となる。位置変動中に形成された画像を重ね合わせた出力画像は各色の位置が合わない画像が出力され、色ずれ、色変わりなどの画質劣化の原因となっている。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明による相対的位置検知装置の第1の実施の形態を示す概略図である。
【図2】スケールのパターンの一部と同じ形状のパターンを有する透過スリットを示す概略図である。
【図3】透過スリットが一定間隔で配列された一般的なエンコーダ用スケールを示す概略図である。
【図4】本発明による相対的位置検知装置の第2の実施の形態をスケールの移動方向で示す概略図である。
【図5】図4の第2の実施の形態をスケールの移動方向から示す側断面図である。
【図6】光角度制限部材として使用するライトコントロールフィルムを示す斜視図である。
【図7】図6のライトコントロールフィルムの側面図である。
【図8】光角度制限部材として使用するホログラム素子を示す概略図である。
【図9】レンズとレンズの焦点位置に配置されたスリットによって構成された光角度制限部材を示す概略図である。
【図10】レンズのピンホールを示す図である。
【図11】レンズのスリットを示す図である。
【図12】ライトコントロールフィルムに光整形機能を組み合わせた構成を示す概略図である。
【図13】本発明による相対位置検知装置の実施に適するカラー画像形成装置の一例を説明する概略構成図である。
【図14】ベルト位置の変動の様子を示す波形図である。
【図15】特許文献1に開示された相対位置検知装置の構成を示す斜視図である。
【図16】光反射型の相対的位置検知装置における検知距離変動による計測誤差を説明する概略図である。
【図17】光反射型の相対的位置検知装置における検知距離計測誤差を説明する概略図である。
【符号の説明】
【0024】
1 光源部、1a 光源(光ヘッド部)、1b 投光レンズ、2 光角度制限手段(光ヘッド部)、2a フィルム、2b ルーバ、2c ホログラム素子、2d レンズ、2e ピンホール、2f スリット、2g 幅広のルーバ、3 光整形手段(光ヘッド部)、4 スケール、4a 光学マーク、5 受光部(光ヘッド部)、6 スケール当接部材、7 被測定物、20 画像形成装置、21K 電子プロセス部、22 転写紙、23 ベルト状部材(搬送ベルト)、26 給紙トレイ、27K ドラム状部材(感光体ドラム)、30K 現像器、34 定着装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種の測長機器や各種の計測装置、工作機械、複写機などにおいて、移動体の移動量を検出するエンコーダ(光学スケール)として利用可能な相対位置検出装置、これを備えた回転搬送装置及びこの回転搬送装置を搭載している画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
複写機、プリンタ、ファクシミリなどの画像形成装置においては、感光体ベルト、転写ベルト、用紙搬送ベルト、感光体ドラム、転写ドラム等の画像形成用の回転搬送体を備えている。
かかる回転搬送体であるベルトやドラムの表面などのように上下動が生じる物体の表面位置を計測する相対位置検知装置として、従来から、各種の技術が知られている(例えば、特許文献1乃至4参照)。
相対位置検出装置に関連する参考技術文献である特許文献1について説明する。図15は特許文献1に開示された相対位置検知装置の構成を示す斜視図である。この相対位置検出装置は、光源101、光源101からの光を平行光線に光学補正し、後述するスケールに投射するためのコリメートレンズ102、一定の格子定数を有する光学格子からなるスケール103、このスケール103と同じ格子定数を有する光学素子からなるインデックススケール104を含んでいる。
このインデックススケール104は互いに1/4波長だけずらされた2つの格子を備えている。検出器105及び105’が2つの光学格子のそれぞれを通過した光を検出するために配置されており、スケール103は矢印6で示す方向に移動する。
上記構成において、スケール103を矢印Aの方向に移動させると、インデックススケール104との相対位置関係により、光の通過及び遮断が繰り返される。この光の通過及び遮断の繰り返しで生じる光量変化を検出器105、105’で検出することにより、正弦波状の電気信号が得られ、これをカウントすることで移動量を計測する。
【0003】
図16は光反射型の相対的位置検知装置における検知距離変動による計測誤差を説明する概略図である。図16の相対的位置検知装置には、光源101、光源101からの光を平行光線に光学補正し、後述するスケールに投射するためのコリメートレンズ102、一定の格子定数を有する光学格子からなるスケール103を含んでいる。
また、この相対的位置検知装置には、このスケール103と同じ格子定数を有する光学素子からなるインデックススケール104、受光手段105を含んでいる。符号dは検知距離変動による計測誤差を示している。
図17は光反射型の相対的位置検知装置における検知距離計測誤差を説明する概略図である。このような光反射型の相対的位置検知装置は、光源101、光源101からの光を平行光線に光学補正し、後述するスケールに投射するためのコリメートレンズ102、一定の格子定数を有する光学格子からなるスケール103を含んでいる。また、この相対的位置検知装置は、このスケール103と同じ格子定数を有する光学素子からなるインデックススケール104、受光手段105を含んでいる。
また、特許文献3及び4には、エンコーダを画像形成装置に応用する技術が開示されている。各文献には、ベルト表面にマークを形成し、そのマークをセンサで検出して得られたパルス間隔からベルト表面速度を算出して制御にフィードバックする手法の例が示されている。
この方法によれば、ベルト表面の挙動を直接観測できるため、移動量を直接制御することができる。このようにベルト表面を等速に制御することによって出力画像の位置ずれが減少し、高精細な画像を得ることができるとされている。
【特許文献1】特開昭59−132311号公報
【特許文献2】特開平11−166809号公報
【特許文献3】特開平6−263281号公報
【特許文献4】特開平9−114348号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述されたような従来の技術にあっては、分解能の精度を高めるには、格子定数の小さいスケールを利用すればよいが、コントラストを維持するためには、スケールとインデックススケールとを微小間隔の位置関係で配置する必要がある。
画像形成装置における中間転写ベルトや感光体ドラムの表面移動量を計測するために、中間転写ベルトや感光体ドラムの表面にスケールを形成する。このスケールによって反射型のエンコーダを構成しようとすると、ベルト走行時の上下動、ドラムの偏心などによってスケールとインデックススケールが接触してしまうため或る程度のギャップを設ける必要があり、十分に分解能を上げることができない。
上述した十分に分解能を上げることができないことに加えて図16に示すようにギャップの変動によって反射光の位置が変化することによる計測誤差や図17のスケールの傾きによる計測誤差が生じてしまう問題がある。
上記問題に対して、特許文献2では、平行ビームを用いて、インデックススケールによってスリット状に整形されたビームをスケールに投射し、その透過光もしくは反射光を受光する構成にすることで、インデックススケールとスケールを広く離間して配置することを可能にしている。また、スケールとインデックススケールの間隔が変化しても計測誤差を生じにくい計測を実現している。
【0005】
しかし、上記従来技術では、スケールに照射される光ビームの入射角を高精度に確保できないと、スケールとインデックススケールとの間隔変動によって計測精度を損なってしまう問題がある。図17において、スケールとインデックススケールの間隔変動をg、スケールに対する光ビームの入射角度をθとすると、計測誤差Eは、E=g・tanθで表される。
例えば、θ=1°、g=1mmとすると、E=1・tan1=0.017mmとなり、位置決め精度として0.01mm以下を目標とするカラー画像形成装置に利用する場合には大きな誤差となってしまう。
カラー画像形成装置に使われる中間転写ベルトなどは、張架するローラの偏心や変形、ベルトの癖、ベルトの撓みによって、張架位置が大きく変動してしまうことから、誤差を低減するためにθを小さくすることが必要となる。しかし、光源として安価で、一般的に使われるLEDは発光点の位置精度が±0.1mm程の誤差を有するのが普通であり、LEDに焦点距離5mmのレンズを組み合わせると、1.15°のビーム角度誤差は免れない。
そこで、本発明の目的は、スケールが上下動や角度変化を生じても高精度に安定した信号検知を行なう相対的位置検知装置及び回転搬送装置、及びこれを搭載した画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、光ヘッド部からの出射光を、透過、或いは反射させる光学マークが一定間隔で配列されたスケールに照射し、このスケールの前記光学マークからの透過光或いは反射光の光電変換による電気信号の変化によって、前記光ヘッド部と前記スケールとの相対位置を検知する相対位置検知装置において、前記光ヘッド部は、光源と、この光源からの光束のうち、略一定方向の光束のみを通過もしくは反射させる光角度制限手段と、この光角度制限手段から射出された光束を所定の光ビーム形状に整形する光整形手段を含んでおり、前記光源から射出される光束は拡散光である相対位置検知装置を特徴とする。
また、請求項2に記載の発明は、前記光源部には前記光源からの光束の発散角を制御する投光レンズを有する請求項1記載の相対位置検知装置を特徴とする。
また、請求項3に記載の発明は、前記光角度制限手段は前記光整形手段を介して前記スケールに当接し、このスケールの移動時に摺動するスケール当接部材に固定されている請求項1又は2記載の相対位置検知装置を特徴とする。
また、請求項4に記載の発明は、前記光角度制限部材はライトコントロールフィルムである請求項1乃至3の何れか1項記載の相対位置検知装置を特徴とする。
【0007】
また、請求項5に記載の発明は、前記光角度制限部材はホログラム素子である請求項1乃至4の何れか1項記載の相対位置検知装置を特徴とする。
また、請求項6に記載の発明は、前記光角度制限部材はレンズとこのレンズの焦点位置に配置されたスリットによって構成されている請求項1乃至4の何れか1項記載の相対位置検知装置を特徴とする。
また、請求項7に記載の発明は、前記ライトコントロールフィルムは、光整形手段の機能を持ち合わせている請求項5記載の相対位置検知装置を特徴とする。
また、請求項8に記載の発明は、画像形成装置で使用されるベルト状部材及びドラム状回転部材である回転搬送装置において、請求項1乃至7の何れか1項記載の相対位置検知装置が使用され、前記スケールが前記ベルト状部材表面あるいは前記ドラム状回転部材表面に設けられている回転搬送装置を特徴とする。
また、請求項9に記載の発明は、画像形成用の回転搬送体としての感光体ベルト、転写ベルト、用紙搬送ベルト、感光体ドラム、又は転写ドラムを備えている画像形成装置において、前記回転搬送装置が請求項8記載の回転搬送装置である画像形成装置を特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ベルトやドラム形状の表面にスケールが形成されている場合でも、スケールに照射される光ビームは略直角に維持されるため、高精度な計測を実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は本発明による相対的位置検知装置の第1の実施の形態を示す概略図である。図1の相対的位置検知装置は、光源1a、投光レンズ1bを含む光源部1、光角度制限手段2、光整形手段3、光学マーク4aを備えたスケール4、受光部5から構成されている。
光角度制限手段2は、光源1aから出射される光束のうち、略一定方向の光束のみを通過もしくは反射させる。光整形手段3は光角度制限手段2から入射されてきた光束を所定の光ビーム形状に整形する。スケール4上には一定間隔で光学マーク4aが配列されている。受光部5はスケール4を通過した光を受光し、光電変換する。
スケール4以外の構成部品を光ヘッド部と呼ぶ。本発明の相対位置検出装置は、光ヘッド部とスケール4が移動した場合、もしくはスケール4が固定された場合の被測定物の相対位置を計測する。
光源部1は光源1aと、必要であれば、この光源1aからの光束を収束させる投光レンズ1bによって構成されている。この投光レンズ1bは必ずしも必要はないが、光の利用効率を上げるため、あるいは発散角を制御する目的で利用した方がよい。投光レンズ1bは光源1aの発散光を収束光にならない程度に収束する構成か、一旦、集光したのち発散するように構成する。
光源1aとしては、発光ダイオード(LED)や電球、半導体レーザなどが利用できる。スケール4の反射及び透過のパターンに対して十分なコントラストが得られる光源であれば、どのような光源でも利用できる。
【0010】
図2はスケールのパターンの一部と同じ形状のパターンを有する透過スリットを示す概略図である。図3は透過スリットが一定間隔で配列された一般的なエンコーダ用スケールを示す概略図である。
図2及び図3において、光整形手段3は、図3のビームパターンのようにスケール4上の光学マーク(スリットパターン)4aと同じ幅、周期を持ったビームパターンを備え、スケール4に投影する。図2に示すようにスケール4のパターンの一部と同じ形状のパターンで光源からの光を開口制限する透過スリットが利用できる。
スケール4としては、図3のような反射型あるいは透過型スリットが一定間隔で配列された一般的なエンコーダ用スケールが利用できる。反射型とする場合には、アルミニウム(Al)やクロム(Cr)などの金属反射面をエッチングすることによってスリット形状に加工されたスケールが利用される。
また、最近では、フォトエマルジョンフィルムを露光及び現像することにより透過及び吸収パターンを形成し、さらに、金属反射面を形成することで反射型のスケールを構成することもできる。ベルトやドラム形状の表面にスケールを構成する場合には樹脂フィルムに作成できる後者のスケールが利用し易い。
【0011】
再び、図1を参照して、光角度制限手段2は略一定方向の光束のみを通過もしくは反射させる機能を有している。光角度制限手段2は、以降の実施の形態で説明するライトコントロールフィルムやホログラムデバイスもしくはピンホールとレンズの組み合わせなどによっても実現できる。
光源1aから出た光は投光レンズ1bを通してスケール4に照射されるが、その際に光整形手段としてのスリット3を通過するので、光はスリット3を通過した直後は、このスリット3と同じ形状のビームパターンとなる。
スリット3を通過した光はスケール4に照射及び反射されるが、この時、スリット3とスケール4との位置関係によって反射する光量が増減する。受光部5でスケール4の移動に伴う光量変化を受光し、光電変換することによって略正弦波状の信号が観測できる。その信号を矩形化することでインクリメンタル可能なエンコーダ信号を得ることができる。
【0012】
ここで、光源1aからのビームが部品公差などによってスケール4に対して直角に照射できなかった場合、従来例の問題点で説明したように測定に誤差を生じてしまう。しかし、本発明では、光源部1からの光束が発散しており、その光束の中からスケール4に対して直角方向に進む光束のみが光角度制限手段2によって取り出され、スケール4上に照射される。
従って、光角度制限手段2とスケール4との角度関係(位置関係)のみを必要な精度に維持することができれば、スケール4に対しては必ず直角に光ビームが照射される。スケール4と光ヘッド部との間隔が変動しても計測精度には影響を与えないため、高精度な位置計測が可能となる。
従来の方式では、ベルトやドラム形状の表面にスケールが形成されている場合には、スケール4は移動に伴い上下動や角度変化を繰り返すため、光ビームの照射精度が高くなければ、計測は精度良く検知することができなかった。本発明ではスケール4に照射される光ビームは略直角に維持されるため、高精度な計測が実現できる。
上述したように、光源部1には光源1aからの光束の発散角を制御する投光レンズ1bを配置してもよい。これにより、光の利用効率の向上を図り、光の発散角を制御し、フレア光、及び迷光を除去することができる。
【0013】
図4は本発明による相対的位置検知装置の第2の実施の形態をスケールの移動方向で示す概略図である。図5は図4の第2の実施の形態をスケールの移動方向から示す側断面図である。
この相対的位置検知装置は、光源1a、投光レンズ1bを含む光源部1、光角度制限手段2、光整形手段3、光学マーク4aを備えたスケール4、受光部5及びスケール当接部材6から構成されている。符号7は相対的位置検出装置を搭載している非測定物を示している。
この第2の実施の形態では、光角度制限手段2が、実際には、光整形手段3を介在してスケール4に当接し、スケール4の移動時にスケールに対して摺動するスケール当接部材6に光角度制限手段2が固定されている。
この第2の実施の形態では、反射型の光ヘッドにより構成した例を示している。スケール当接部材6はスケール4に当接させ、スケール4はスケール当接部材6を擦りながら移動する。
スケール当接部材6としては、スケール4に傷を付けないようにこのスケール4との摩擦力が低い材質やスポンジ、植毛部材などの柔らかい材質が適している。とくに、植毛されたブラシ状の部材を使えば、スケール4の清掃効果を同時に得られるため、スケール汚れによる信号品質劣化が少なくなる。
【0014】
スケール当接部材6には、図のように、光整形部材3と光角度制限部材2とを固定すると良い。スケール当接部材6の精度を確保しておけば、光角度制限部材2とスケール4の角度精度が補償でき、スケール4に対する光ビームの照射角度精度が容易に維持できる。
光角度制限部材2は、図4のような反射型で用いる場合には、図5のように一方向には角度を持たせて使うことになる。このため、図5の方向には光角度を制限しなくて良い。
本発明によれば、光源部1が傾いて取り付けられたり、光源部1からの光ビームが傾いていても、スケール当接部材6に固定された光角度制限部材2によってスケール4に対して直角に光ビームを照射することができるため、高精度な位置計測が可能となる。
このように、本発明の第2の実施の形態によれば、スケール4に対しての光ビーム角度精度を向上し、計測精度を向上し、スケールの清掃効果を備え、スケール4と光ヘッドの間隔変動を抑制し、スケール4のバタツキを抑制して計測精度の向上を図ることができる。
【0015】
図6は光角度制限部材として使用するライトコントロールフィルムを示す斜視図である。図7は図6のライトコントロールフィルムの側面図である。図6及び図7に示すように、光角度制限部材2としてライトコントロールフィルムが利用できる。
ライトコントロールフィルムは、パソコンの画面セキュリティ用に視野角を制限するフィルムで、図6及び図7のようにフィン状のルーバ2bを所定の空隙を隔てて複数枚並行に配列して樹脂フィルム2aで挟み込んでフィルム状にした構成が多い。図7には側面図を示しているが、ルーバ2aは光を吸収する材質でできており、ルーバ2aに当たってしまう光は透過できないため、ルーバ2a方向と平行な方向の光のみが通過する。このため、光の角度を制限することができる。この型の光角度制限部材2は安価で、フィルム状であるためにセンサヘッドが小型化できる。
【0016】
図8は光角度制限部材として使用するホログラム素子を示す概略図である。図8には光角度制限部材として使用する体積型のホログラム素子を示している。厚みのある回折格子を含む光角度制限部材2としてホログラム素子2cは入射光に対して回折光の角度が式(1)、すなわち、
2π/λ(sinθi+sinθs)=m・2π/Λ …(1)
(m=0,1,2,・・・)
のように決まる。
薄い回折格子の場合には、入射波を取れる入射角θiは広く取れるが、体積型ホログラムのような厚みのある素子では、式(2)、すなわち、
ブラッグ条件 ks=ki±mK …(2)
のような、ブラッグ条件を満たす入射角の光のみが回折し、一方向に決まる回折角θsの回折光が射出される(詳細は教科書、コロナ社「光波電子工学」など参照)。
さらに説明すると、Λは格子ピッチ、Kは格子ベクトル、θiは入射波の入射角、θsは上述したように、回折波の回折角、λは波長、Ks、Kiは波数ベクトルを示している。
ライトコントロールフィルムと同様にフィルムもしくは板状の素子であり、小型・低コストで実現でき、体積型ホログラムの場合は回折条件以外の光は回折しないため、角度選択性が高い。
【0017】
図9はレンズとレンズの焦点位置に配置されたスリットによって構成された光角度制限部材を示す概略図である。図10はレンズのピンホールを示す図である。図11はレンズのスリットを示す図である。図9に示すように、光角度制限部材2はレンズ2dとレンズの焦点位置に配置されたスリット2eによって構成できる。
光角度制限部材2は光源1から射出される拡散光中から、スケールに直交して進行する角度の光束のみを射出する機能を必要とする。図9のようにレンズ2dの焦点位置光軸中心に図10に示すようにピンホール2eを配置し、このピンホール2eに対して拡散光源を照射すれば、ピンホール2eを疑似光源として見ることができる。
従って、レンズ2dの焦点位置に点光源を配置した時のようにレンズ2dからは平行ビームが取り出せる。レンズ2dとピンホール2eの位置を高精度に設定しておけば、レンズ2dからの射出光の光軸は角度誤差を生じない。
レンズとしては平行ビームを取り出せるようにコリメートレンズを用いると光ビーム品質が良い。ピンホールの代わりに図11に示すように長方形スリット2fを用いても構わない。この場合には、一方向のみの光角度を制限することになる。
また、ピンホール2eに照射する光として、空間的な広がりをもった拡散光源を直接用いると、ピンホール2eに遮蔽される光が多くなり効率が損なわれるが、拡散光源を他のレンズによってピンホール2e付近に集光すれば効率よく光が使える。
【0018】
図12はライトコントロールフィルムに光整形機能を組み合わせた構成を示す概略図である。図12に示すように、ライトコントロールフィルムに使われるルーバ2bの中に幅の広いルーバ2gを使うことによって、光角度制限部材と光整形部材を兼用する部材が提供できる。これにより、小型、低コスト化に対する効果が期待できる。
本発明によれば、スケールをベルト状部材表面あるいはドラム状回転部材表面に設けることができる。このような相対位置検出装置はスケールの高さ変動、角度変動の影響を受けにくいので、ベルトやドラムの表面の位置を高精度に計測することができる。
従って、本発明は、電子写真式画像形成装置における感光体もしくは中間転写体などのドラムやベルト形状の表面位置をセンシングして駆動制御を行なうためのエンコーダとして利用することができる。
本発明によれば、速度及び位置決めを高精度に計測でき、この信号を用いてフィードバック制御することによって位置決め誤差を非常に少なくできるので、倍率誤差、画像ゆがみなどの少ない、高品質な画像形成が可能となる。
1ドラム式のカラー画像形成装置や、とくに、近年、高速化のために用いられているタンデム式のカラー画像形成装置においては前述のように転写ベルトや中間転写ベルトの速度安定性、及び位置決め精度が画質に与える影響は非常に大きい。そこで、本発明を利用することによって高画質な画像出力を得ることができる。
【0019】
図13は本発明による相対位置検知装置の実施に適するカラー画像形成装置の一例を説明する概略構成図である。図14はベルト位置の変動の様子を示す波形図である。
カラー画像形成装置20は、記録媒体としての転写紙22を搬送する搬送ベルト23に沿って、この搬送ベルト23の移動方向(搬送方向)で、上流側から順に、複数個の電子プロセス部21K、21M、21Y、21Cが配列され、所謂、タンデムタイプといわれるものである。これらの電子プロセス部21K、21M、21Y、21Cは画像形成部として機能する。
電子プロセス部21Kは黒、電子プロセス部21Mはマゼンタ、電子プロセス部21Cはシアン、電子プロセス部21Yはイエローの各画像を形成する。各電子プロセス部21K、21M、21Y、21Cは形成する画像の色が異なるだけで、内部構成は各電子プロセス部とも共通である。
従って、以下の説明では、電子プロセス部21Kについて具体的に説明するが、他の電子プロセス部については、電子プロセス部21Kにかかる構成要素のKに代えて、M、Y、Cなどの符号を付したもので図に表示するに留める。
搬送ベルト23は、その一方が駆動回転させられる駆動ローラと、他方が従動回転させられる従動ローラである搬送ローラ24、25によって回動可能に支持されたエンドレスベルトからなっている。これらの搬送ローラ24、25の回転とともに、搬送ベルト23は矢印の向きに回転させられるようになっている。
搬送ベルト23の下方には転写紙22が収納された給紙トレイ26が備えられている。給紙トレイ26に収納された転写紙22のうち、最上位置にある転写紙22は、画像形成時に送り出されて静電吸着により搬送ベルト23に吸着される。こうして搬送ベルト23に吸着された転写紙22は最初の電子プロセス部21Kに搬送され、ここで黒の画像が転写される。
【0020】
電子プロセス部21Kは、像担持体としての感光体ドラム27Kと、この感光体ドラム27Kの周囲に配置された帯電器28K、露光器29K、現像器30K、感光体クリーナ31Kなどから構成されている。
露光器29Kとしては、レーザスキャナが用いられ、レーザ光源からのレーザ光をポリゴンミラーで反射させ、fθレンズや偏向ミラー等を用いた光学系を介して露光光として出射するようにしている。
画像形成に際し、感光体ドラム27Kの周面は、暗中にて帯電器28Kにより一様に帯電された後、露光器28Yからの黒画像に対応した露光光32K、本例ではレーザ光により露光され、静電潜像が形成される。この静電潜像は、現像器30Kにおいて黒トナーにより可視像化され、感光体ドラム27K上に黒のトナー像が形成される。
このトナー像は感光体ドラム27Kと搬送ベルト23上の転写紙22とが接する位置、所謂、転写位置で転写器33Kの働きにより転写紙22上に転写され、この転写紙22上に単色(黒)の画像が形成される。転写を終えた感光体ドラム27Kはこの感光体ドラム27Kの周面に残留した不要なトナーが感光体クリーナ31Kにより除去され、次の画像形成に備えられる。
【0021】
このようにして、電子プロセス部21Kで単色(黒)を転写された転写紙22は、搬送ベルト23によって次の電子プロセス部21Mに搬送される。電子プロセス部21Mでは、前記電子プロセス部21Kにおけると同様のプロセスにより感光体ドラム27M上に形成されたマゼンタのトナー像が転写紙22上の黒のトナー像に重ね転写される。
転写紙22は、さらに、次の電子プロセス部21Yに搬送され、同様にして感光体ドラム27Y上に形成されたイエローのトナー像が転写紙22上にすでに形成されている黒及びマゼンタのトナー像に重ね転写される。同様にしてさらに、次の電子プロセス部21Cでは、シアンのトナー像が重ね転写されて、フルカラーのカラー画像が得られる。
こうしてフルカラーの重ね画像が形成された転写紙22は、電子プロセス部21Cを通過した後、搬送ベルト23から剥離されて定着器34にて定着された後、排紙される。
【0022】
以上のような構成のカラー画像形成装置20では、本来重ならなければならない位置に画像が重ならず、色間で位置ずれが生ずるという問題が発生する。この問題は、感光体軸間距離の誤差、感光体平行度誤差、偏向ミラーの設置誤差、感光体ドラムヘの露光光の書き込みタイミング誤差、感光体ドラムの線速度の変動等により発生する。
この位置ずれの成分としては、主に、各色の走査線の傾きの不揃いによるスキュー(斜めずれ)、主走査方向と直交する副走査方向(搬送ベルト23による転写紙22の搬送方向)で各画像位置がずれる副走査レジストずれがある。
また、位置ずれの成分には、副走査ピッチムラ、主走査方向での書き出し位置或いは書き終わりの位置がずれる主走査レジストずれ、色同士で走査線の長さが異なる倍率ずれなどがある。
本発明では、とくに前記の副走査レジストずれが発生する原因となる搬送ベルトや感光体ドラムの速度ムラを低減するベルト搬送装置及びドラム回転装置に付与され、位置検知を行なうためのエンコーダ装置を提供するものである。
従来技術に記載されているように、画像形成装置に使われるベルト搬送装置及びドラム回転装置の速度変動による位置決め誤差はベルトの厚み変動、ローラの偏心、駆動モータの速度ムラにより、図15のように複数の周波数成分を持った波形となる。位置変動中に形成された画像を重ね合わせた出力画像は各色の位置が合わない画像が出力され、色ずれ、色変わりなどの画質劣化の原因となっている。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明による相対的位置検知装置の第1の実施の形態を示す概略図である。
【図2】スケールのパターンの一部と同じ形状のパターンを有する透過スリットを示す概略図である。
【図3】透過スリットが一定間隔で配列された一般的なエンコーダ用スケールを示す概略図である。
【図4】本発明による相対的位置検知装置の第2の実施の形態をスケールの移動方向で示す概略図である。
【図5】図4の第2の実施の形態をスケールの移動方向から示す側断面図である。
【図6】光角度制限部材として使用するライトコントロールフィルムを示す斜視図である。
【図7】図6のライトコントロールフィルムの側面図である。
【図8】光角度制限部材として使用するホログラム素子を示す概略図である。
【図9】レンズとレンズの焦点位置に配置されたスリットによって構成された光角度制限部材を示す概略図である。
【図10】レンズのピンホールを示す図である。
【図11】レンズのスリットを示す図である。
【図12】ライトコントロールフィルムに光整形機能を組み合わせた構成を示す概略図である。
【図13】本発明による相対位置検知装置の実施に適するカラー画像形成装置の一例を説明する概略構成図である。
【図14】ベルト位置の変動の様子を示す波形図である。
【図15】特許文献1に開示された相対位置検知装置の構成を示す斜視図である。
【図16】光反射型の相対的位置検知装置における検知距離変動による計測誤差を説明する概略図である。
【図17】光反射型の相対的位置検知装置における検知距離計測誤差を説明する概略図である。
【符号の説明】
【0024】
1 光源部、1a 光源(光ヘッド部)、1b 投光レンズ、2 光角度制限手段(光ヘッド部)、2a フィルム、2b ルーバ、2c ホログラム素子、2d レンズ、2e ピンホール、2f スリット、2g 幅広のルーバ、3 光整形手段(光ヘッド部)、4 スケール、4a 光学マーク、5 受光部(光ヘッド部)、6 スケール当接部材、7 被測定物、20 画像形成装置、21K 電子プロセス部、22 転写紙、23 ベルト状部材(搬送ベルト)、26 給紙トレイ、27K ドラム状部材(感光体ドラム)、30K 現像器、34 定着装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光ヘッド部からの出射光を、透過、或いは反射させる光学マークが一定間隔で配列されたスケールに照射し、このスケールの前記光学マークからの透過光或いは反射光の光電変換による電気信号の変化によって、前記光ヘッド部と前記スケールとの相対位置を検知する相対位置検知装置において、
前記光ヘッド部は、光源と、この光源からの光束のうち、略一定方向の光束のみを通過もしくは反射させる光角度制限手段と、この光角度制限手段から射出された光束を所定の光ビーム形状に整形する光整形手段を含んでおり、前記光源から射出される光束は拡散光であることを特徴とする相対位置検知装置。
【請求項2】
前記光源部には前記光源からの光束の発散角を制御する投光レンズを有することを特徴とする請求項1記載の相対位置検知装置。
【請求項3】
前記光角度制限手段は前記光整形手段を介して前記スケールに当接し、このスケールの移動時に摺動するスケール当接部材に固定されていることを特徴とする請求項1又は2記載の相対位置検知装置。
【請求項4】
前記光角度制限部材はライトコントロールフィルムであることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項記載の相対位置検知装置。
【請求項5】
前記光角度制限部材はホログラム素子であることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項記載の相対位置検知装置。
【請求項6】
前記光角度制限部材はレンズとこのレンズの焦点位置に配置されたスリットによって構成されていることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項記載の相対位置検知装置。
【請求項7】
前記ライトコントロールフィルムは、光整形手段の機能を有していることを特徴とする請求項5記載の相対位置検知装置。
【請求項8】
画像形成装置において使用されるベルト状部材及びドラム状回転部材である回転搬送装置において、請求項1乃至7の何れか1項記載の相対位置検知装置が使用され、前記スケールが前記ベルト状部材表面あるいは前記ドラム状回転部材表面に設けられていることを特徴とする回転搬送装置。
【請求項9】
画像形成用の回転搬送体としての感光体ベルト、転写ベルト、用紙搬送ベルト、感光体ドラム、又は転写ドラムを備えている画像形成装置において、前記回転搬送装置が請求項8記載の回転搬送装置であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項1】
光ヘッド部からの出射光を、透過、或いは反射させる光学マークが一定間隔で配列されたスケールに照射し、このスケールの前記光学マークからの透過光或いは反射光の光電変換による電気信号の変化によって、前記光ヘッド部と前記スケールとの相対位置を検知する相対位置検知装置において、
前記光ヘッド部は、光源と、この光源からの光束のうち、略一定方向の光束のみを通過もしくは反射させる光角度制限手段と、この光角度制限手段から射出された光束を所定の光ビーム形状に整形する光整形手段を含んでおり、前記光源から射出される光束は拡散光であることを特徴とする相対位置検知装置。
【請求項2】
前記光源部には前記光源からの光束の発散角を制御する投光レンズを有することを特徴とする請求項1記載の相対位置検知装置。
【請求項3】
前記光角度制限手段は前記光整形手段を介して前記スケールに当接し、このスケールの移動時に摺動するスケール当接部材に固定されていることを特徴とする請求項1又は2記載の相対位置検知装置。
【請求項4】
前記光角度制限部材はライトコントロールフィルムであることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項記載の相対位置検知装置。
【請求項5】
前記光角度制限部材はホログラム素子であることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項記載の相対位置検知装置。
【請求項6】
前記光角度制限部材はレンズとこのレンズの焦点位置に配置されたスリットによって構成されていることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項記載の相対位置検知装置。
【請求項7】
前記ライトコントロールフィルムは、光整形手段の機能を有していることを特徴とする請求項5記載の相対位置検知装置。
【請求項8】
画像形成装置において使用されるベルト状部材及びドラム状回転部材である回転搬送装置において、請求項1乃至7の何れか1項記載の相対位置検知装置が使用され、前記スケールが前記ベルト状部材表面あるいは前記ドラム状回転部材表面に設けられていることを特徴とする回転搬送装置。
【請求項9】
画像形成用の回転搬送体としての感光体ベルト、転写ベルト、用紙搬送ベルト、感光体ドラム、又は転写ドラムを備えている画像形成装置において、前記回転搬送装置が請求項8記載の回転搬送装置であることを特徴とする画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2008−256592(P2008−256592A)
【公開日】平成20年10月23日(2008.10.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−100396(P2007−100396)
【出願日】平成19年4月6日(2007.4.6)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年10月23日(2008.10.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年4月6日(2007.4.6)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
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