省電力制御装置及びプログラム
【課題】節電効率の低下を抑えつつ、更新期間内に各通信方式の設定情報を更新することにより通信不具合の発生を抑制した省電力制御装置及びプログラムを提供する。
【解決手段】予め定めた更新期間毎に通信を行うための設定情報を更新する各通信方式の設定情報をまとめて更新可能な復帰時期を決定し、動作状態が前記省電力状態に切り替えられた場合、決定した復帰時期に通常状態に一時的に復帰させるように制御すると共に、各通信方式の設定情報を更新するように制御する。
【解決手段】予め定めた更新期間毎に通信を行うための設定情報を更新する各通信方式の設定情報をまとめて更新可能な復帰時期を決定し、動作状態が前記省電力状態に切り替えられた場合、決定した復帰時期に通常状態に一時的に復帰させるように制御すると共に、各通信方式の設定情報を更新するように制御する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、省電力制御装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ネットワークを介して特定のプロトコルに従うデータパケットを受信して処理を行うネットワークデバイスであって、受信されるデータパケットが従うプロトコルに対応する、省電力状態からデバイスを復帰させるための復帰条件を設定する設定手段と、特定のプロトコルに従うデータパケットを受信した場合に、特定のプロトコルに対応する、設定手段が設定した復帰条件において、ネットワークデバイスを省電力状態から復帰させる復帰手段と、を備えるネットワークデバイスが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−309731号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、節電効率の低下を抑えつつ、更新期間内に各通信方式の設定情報を更新することにより通信不具合の発生を抑制した省電力制御装置及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明の省電力制御装置は、予め定めた更新期間毎に通信を行うための設定情報を更新する1又は複数の通信方式を用いて外部装置と通信を行う通信手段と、前記通信手段により通信が行える通常状態、及び前記通常状態よりも電力消費を抑えて前記通信手段により通信が行えない省電力状態を含む複数の状態に動作状態を切り替える切替手段と、前記通信手段で通信される各通信方式の設定情報をまとめて更新可能な復帰時期を決定し、前記切替手段により動作状態が前記省電力状態に切り替えられた場合、決定した復帰時期に前記通常状態に一時的に復帰させるように前記切替手段を制御すると共に、各通信方式の設定情報を更新するように前記通信手段を制御する制御手段と、を備えている。
【0006】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記制御手段は、各通信方式の設定情報の更新期間のうち、各通信方式の設定情報の更新が行え且つ最も遅い更新期間を前記復帰時期と決定するものである。
【0007】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2記載の発明において、前記切替手段は、何れの通信方式の更新時期が、前記省電力状態への切り替えが節電に非効率として予め定めた期間以下の場合、省電力状態への動作状態の切り替えを行わないものである。
【0008】
また、請求項4に記載の発明は、請求項3記載の発明において、前記制御手段は、前記切替手段により動作状態が前記省電力状態に切り替えられる際に、各通信方式の設定情報を更新するように前記通信手段を制御するものである。
【0009】
一方、請求項5に記載の発明のプログラムは、コンピュータを、予め定めた更新期間毎に通信を行うための設定情報を更新する1又は複数の通信方式を用いて外部装置と通信を行う通信手段により通信が行える通常状態、及び前記通常状態よりも電力消費を抑えて前記通信手段により通信が行えない省電力状態を含む複数の状態に動作状態を切り替える切替手段と、前記通信手段で通信される各通信方式の設定情報をまとめて更新可能な復帰時期を決定し、前記切替手段により動作状態が前記省電力状態に切り替えられた場合、決定した復帰時期に前記通常状態に一時的に復帰させるように前記切替手段を制御すると共に、各通信方式の設定情報を更新するように前記通信手段を制御する制御手段と、として機能させるものである。
【発明の効果】
【0010】
請求項1、及び請求項5に記載の発明によれば、特定のプロトコルに従うデータパケットを受信した場合に、特定のプロトコルに対応する復帰条件のネットワークデバイスを省電力状態から復帰させる場合と比較して、節電効率の低下を抑えつつ、更新期間内に各通信方式の設定情報を更新することにより通信不具合の発生が抑制される。
【0011】
また、請求項2に記載の発明によれば、各通信方式の設定情報を更新可能でかつ最も遅い更新時期以外の更新時期を復帰時期とした場合と比較して、通信不具合の発生を抑制しつつ節電効率が高くなる。
【0012】
また、請求項3に記載の発明によれば、何れの通信方式の更新時期が予め定めた期間以下の場合でも省電力状態への動作状態の切り替えを行なう場合と比較して、節電効率が高くなる。
【0013】
また、請求項4に記載の発明によれば、動作状態が省電力状態に切り替えられる際に、各通信方式の設定情報を更新しない場合と比較して、最初の復帰時期が長くなるため、節電効率が高くなる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】第1の実施の形態に係る画像形成装置が接続されたネットワークの全体的な概略構成を示す概略構成図である。
【図2】第1の実施の形態に係る画像形成装置の概略構成を示す概略構成図である。
【図3】DHCPパケットのデータ構造を示す図である。
【図4】DHCPパケットにオプションとして追加されるフィールドの主なタグ値とフィールドの内容を示す図である。
【図5】第1の実施の形態に係る管理情報のデータ構造の一例を示す図である。
【図6】第1の実施の形態に係る省電力状態移行処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。
【図7】第1の実施の形態に係る省電力制御処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。
【図8】第2の実施の形態に係る画像形成装置が接続されたネットワークの全体的な概略構成を示す概略構成図である。
【図9】第2の実施の形態に係る画像形成装置の概略構成を示す概略構成図である。
【図10】第2の実施の形態に係る管理情報のデータ構造の一例を示す図である。
【図11】第2の実施の形態に係る省電力状態移行処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。
【0015】
【図12】第2の実施の形態に係る省電力制御処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。
【図13】第3の実施の形態に係る画像形成装置が接続されたネットワークの全体的な概略構成を示す概略構成図である。
【図14】第3の実施の形態に係る管理情報のデータ構造の一例を示す図である。
【図15】第3の実施の形態に係る省電力制御処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。なお、以下では、本発明を、画像形成装置に適用した場合について説明する。
【0017】
[第1の実施の形態]
図1に示すように、本実施の形態に係る画像形成装置10は、ネットワークNETに接続されている。ネットワークNETには、複数のコンピュータ12(本実施の形態では2台)が接続されている。コンピュータ12Aは、DHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)サーバとしての機能を有しており、ネットワークNETに接続された各機器へのIPアドレス、サブネットマスク、デフォルトゲートウェイ、DNS(Domain Name System)サーバのIPアドレス等のネットワーク情報の設定を行う。画像形成装置10及びコンピュータ12B、12Cは、コンピュータ12Aによりネットワーク情報が設定される。
【0018】
また、画像形成装置10は、コンピュータ12Bとパケットを暗号化して通信を行っており、通信方式としてIPsec(Security Architecture for Internet Protocol)を用いている。IPsecでは、IP(Internet Protocol)層(ネットワーク層)のパケットを暗号化しており、通信相手とSA(Security Association)と呼ばれる論理的なコネクションを確立して通信を行う。IPsecでは、SAを確立するため、IKE(Internet Key Exchange)と呼ばれる鍵交換プロトコルを用いて暗号化のための鍵データを通信相手と交換しており、安全性確保のために鍵データ、ライフタイムを含んだSAに関する情報(以下「SA情報」ともいう。)を定期的に更新する。本実施の形態では、ネットワーク情報及びSA情報が設定情報の一例に相当する。
【0019】
図2には、本実施の形態に係る画像形成装置10の概略的な構成を示すブロック図が示されている。
【0020】
画像形成装置10は、装置全体を制御するメインコントローラ20を備えている。
【0021】
メインコントローラ20は、装置全体の動作を司るCPU(中央処理装置)22と、後述する省電力状態移行処理プログラム及び省電力制御処理プログラムを含む各種プログラム等が予め記憶されたROM(Read Only Memory)24と、各種データ等を一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)26と、後述する設定情報を含む各種情報を記憶する不揮発性メモリ28と、を備えている。
【0022】
CPU22、ROM24、RAM26、不揮発性メモリ28は、不図示のシステムバスを介して相互に接続されている。従って、CPU22は、ROM24、RAM26、及び不揮発性メモリ28へのアクセスが行える。
【0023】
また、画像形成装置10は、画像形成装置10の動作状態を切り替える動作状態切替部40と、ユーザからの入力操作を受ける操作パネル等の操作入力部42と、ネットワークNETに接続され、ネットワークNETを介して外部の端末装置(例えば、コンピュータ12)と情報の送受信を行なう通信I/F部44と、各種情報を記憶して保持するHDD(ハード・ディスク・ドライブ)46と、を備えている。
【0024】
動作状態切替部40、通信I/F部44、操作入力部42及びHDD46は、メインコントローラ20に接続されている。また、操作入力部42及び通信I/F部44は、動作状態切替部40に接続されている。
【0025】
メインコントローラ20は、HDD46へのアクセスを行うと共に、通信I/F部44を介した外部の端末装置との情報の送受信の制御、操作入力部42により検出された操作情報に基づいて操作入力部42に対する操作内容の把握を行う。
【0026】
動作状態切替部40は、不揮発性メモリ47と、マイクロコンピュータ等により構成され、電力制御を行う制御部48を備えており、操作入力部42及び通信I/F部44を除くメインコントローラ20及びHDD46などの各デバイスへの電力供給を管理している。
【0027】
動作状態切替部40は、メインコントローラ20から不揮発性メモリ47に休止期間が設定されて省電力状態への移行を指示する移行指示信号が入力されると、各デバイスへの電力供給を停止して動作状態を省電力状態に切り替える。また、動作状態切替部40は、電力供給を停止してから不揮発性メモリ47に設定された休止期間が経過した場合、通信I/F部44から後述するデータ受信信号が入力した場合、及び操作入力部42から後述する操作入力信号が入力した場合、各デバイスへの電力供給を再開してメインコントローラ20を通常状態の動作状態へ復帰させる。
【0028】
通信I/F部44は、ネットワークNETより自装置宛のデータを受信した場合、データを受信したことを示すデータ受信信号を動作状態切替部40へ送信し、メインコントローラ20の通常状態への復帰後、受信したデータをメインコントローラ20へ出力する。
【0029】
操作入力部42は、ユーザから操作入力が行われた場合、操作入力が行われたことを示す操作入力信号を動作状態切替部40へ送信し、メインコントローラ20の通常状態への復帰後、操作内容を示す情報をメインコントローラ20へ出力する。
【0030】
次に、本実施の形態に係る画像形成装置10の作用について説明する。
【0031】
データ通信を行う各通信方式には、設定情報を定期的に更新する必要があるものがある。例えば、DHCPでは、更新期間内にDHCPサーバと通信を行ってIPアドレスのリース期限の延長要求を行う必要があり、IPsecでは、更新期間内に通信相手と通信を行ってSA情報を更新する必要がある。
【0032】
図3には、DHCPで用いられるパケットのデータ構造の一例が示されている。
【0033】
DHCPの場合、図3に示すフォーマットのパケットによりIPアドレス、サブネットマスク、デフォルトゲートウェイ、DNSサーバのIPアドレス等のネットワーク情報の設定が行われ、さらに、オプション(Option)として、フィールドが追加される。このオプションには、タグ値を変えることにより、様々なフィールドの追加を行える。
【0034】
図4には、オプションとして追加されるフィールドの主なタグ値とフィールドの内容を示す図である。
【0035】
タグ値が58の場合、Renewal Timeが設定されるフィールドとなり、タグ値が59の場合、Rebinding Timeが設定されるフィールドとなる。Renewal Timeのフィールドには、クライアントがアドレスを取得してからRenewal(リース期限の延長要求)を開始するまでの期間が設定され、Rebinding Timeのフィールドには、クライアントがアドレスを取得してからアドレスの再取得が必要となる期間が設定される。
【0036】
メインコントローラ20は、DHCP及びIPsecのように設定情報を定期的に更新する各通信方式毎に、設定情報の更新間隔、要求開始時期、再取得時期及び復帰時期を管理情報として不揮発性メモリ28に記憶している。
【0037】
図5には、第1の実施の形態に係る管理情報のデータ構造の一例が示されている。
【0038】
DHCPの場合、Renewal Timeのフィールドに設定された値が要求開始時期に格納され、Rebinding Timeのフィールドに設定された値が再取得時期に格納される。
【0039】
このように、第1の実施の形態に係る管理情報では、通信方式毎に、設定情報の延長・更新を開始する時期(要求開始時期)と、設定情報の再取得が必要となる時期(再取得時期)を記憶している。なお、例えば、通信方式において設定情報の延長・更新に関する期間を1つしか有しない場合は、例えば、当該期間を再取得時期に格納し、当該期間の予め定めた割合(例えば1/2)の期間を要求開始時期に格納するようにしてもよい。
【0040】
ところで、本実施の形態に係るメインコントローラ20は、予め定めた期間(本実施の形態では、10分間)操作入力部42に対して操作が行われず、通信I/F部44を介してネットワーク12からデータも受信しなかった場合に、省電力状態移行処理を行う。
【0041】
図6には、CPU22により実行される省電力状態移行処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートが示されている。なお、当該プログラムは記録媒体としてのROM24に予め記憶されている。
【0042】
ステップ100では、各通信方式の設定情報の更新を行う。
【0043】
ステップ102では、不揮発性メモリ28に記憶された管理情報の各通信方式の要求開始時期のうち、最も期間が長いものを復帰タイミング候補とする。例えば、管理情報が図5に示すような場合、IPsecの要求開始時期(5時間)を復帰タイミング候補とする。
【0044】
次のステップ104では、復帰タイミング候補とされた期間が当該復帰タイミング候補とされた通信方式以外の各通信方式の再取得時期内であるか否かを判定し、肯定判定となった場合はステップ108へ移行し、否定判定となった場合はステップ106へ移行する。
【0045】
ステップ106では、不揮発性メモリ28に記憶された管理情報の各通信方式の要求開始時期のうち、復帰タイミング候補とされた期間の次に期間が長いものを復帰タイミング候補として、上記ステップ104へ移行する。例えば、管理情報が図5に示すような場合において復帰タイミング候補がIPsecの要求開始時期(5時間)であった場合、DHCPの要求開始時期(4時間)が次の復帰タイミング候補となる。
【0046】
一方、ステップ108では、復帰タイミング候補とされた時期を復帰タイミングとして管理情報の各通信方式の復帰時期に記憶させると共に、動作状態切替部40の不揮発性メモリ47に記憶させる。
【0047】
次のステップ110では、動作状態切替部40に対して省電力状態への移行を指示する移行指示信号を出力し、処理を終了する。
【0048】
動作状態切替部40は、メインコントローラ20から移行指示信号を入力されると、電力制御処理を実行する。
【0049】
図7には、動作状態切替部40の制御部48により実行される省電力制御処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートが示されている。なお、当該プログラムは不揮発性メモリ47又は制御部48に内蔵されたROM等のメモリに予め記憶されている。
【0050】
ステップ200では、各デバイスへの電力供給を停止する。
【0051】
次のステップ202では、通信I/F部44からデータ受信信号が入力したか否かを判定し、肯定判定となった場合はステップ210へ移行し、否定判定となった場合はステップ204へ移行する。
【0052】
ステップ204では、操作入力部42から操作入力信号が入力したか否かを判定し肯定判定となった場合はステップ210へ移行し、否定判定となった場合はステップ206へ移行する。
【0053】
ステップ206では、省電力制御処理プログラムの処理を開始してから不揮発性メモリ47に記憶された復帰タイミングが経過したか否かを判定し、肯定判定となった場合はステップ210へ移行し、否定判定となった場合は上記ステップ202へ移行する。
【0054】
ステップ210では、各デバイスへの電力供給を再開する。
【0055】
メインコントローラ20は、電力供給が再開されて通常状態に復帰すると、管理情報の各通信方式の復帰時期を読み出し、復帰時期に記憶された復帰タイミングを経過した各通信方式の設定情報の更新を行う。そして、メインコントローラ20は、通信I/F部44又は操作入力部42から情報の入力が無い場合、不揮発性メモリ47に同じ復帰タイミングを再度記憶させた後に、動作状態切替部40に対して省電力状態への移行を指示する移行指示信号を出力する。
【0056】
これにより、メインコントローラ20は、再度省電力状態に移行する。
【0057】
すなわち、本実施の形態によれば、メインコントローラ20が省電力状態へ移行しても、不揮発性メモリ28に設定情報が記憶された復帰タイミングとなる毎に、メインコントローラ20が通常状態に一時的に復帰して各通信方式の設定情報の更新が行われる。
【0058】
[第2の実施の形態]
図8には、第2の実施の形態に係る画像形成装置10が示されている。なお、上記第1の実施の形態と同一の部分については同一の符号を付して説明を省略する。
【0059】
第2の実施の形態に係る画像形成装置10は、電話等の一般通信回線TELにさらに接続されており、一般通信回線TELを介してFAX(ファクシミリ)通信が行えるものとされている。
【0060】
図9には、第2の実施の形態に係る画像形成装置10の概略的な構成を示すブロック図が示されている。なお、上記第1の実施の形態と同一の部分については同一の符号を付して説明を省略する。
【0061】
画像形成装置10は、一般通信回線TELに接続され、一般通信回線TELを介して他のFAX端末装置とFAX通信を行うFAX通信部50を備えている。
【0062】
FAX通信部50は、メインコントローラ20に接続されており、メインコントローラ20は、FAX通信部50を介した他のFAX端末装置とのFAX通信の制御を行う。
【0063】
FAX通信部50は、一般通信回線TELよりFAXデータを受信した場合、FAXデータを受信したことを示すFAX受信信号を動作状態切替部40へ送信し、メインコントローラ20の通常状態への復帰後、受信したFAXデータをメインコントローラ20へ出力する。
【0064】
本実施の形態に係る画像形成装置10は、予め送信データを読み込んでおき指定時刻にFAX送信を行う時刻指定送信機能を備えている。ユーザは、時刻指定送信機能を用いる場合、操作入力部42から時刻指定送信機能の指定して送信時刻を入力する。
【0065】
本実施の形態に係るメインコントローラ20は、設定情報を定期的に更新する各通信方式毎に、要求開始時期、再取得時期及び復帰時期を時刻として不揮発性メモリ28の管理情報に記憶している。
【0066】
図10には、第2の実施の形態に係る管理情報のデータ構造の一例が示されている。
【0067】
また、コントローラ20では、操作入力部42から時刻指定送信機能の指定されて送信時刻が入力されると、当該送信時刻を不揮発性メモリ28の管理情報に記憶する。
【0068】
時刻指定送信機能の場合、要求開始時期、及び再取得時期に対して指定された送信時刻が格納される。
【0069】
本実施の形態に係るメインコントローラ20は、予め定めた期間、操作入力部42に対して操作が行われず、通信I/F部44を介してネットワーク12からデータも受信されず、かつFAX通信部50を介して一般通信回線TELからFAXデータも受信しなかった場合に、省電力状態移行処理を行う。
【0070】
図11には、第2の実施の形態に係る省電力状態移行処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートが示されている。なお、第2の実施の形態に係る省電力状態移行処理プログラムでの新たな処理については符号の後に「A」と付して説明し、上記第1の実施の形態の省電力状態移行処理(図6)と同一の処理には同一の符号を付して説明を省略する。
【0071】
ステップ102Aでは、不揮発性メモリ28に記憶された管理情報の各通信方式の要求開始時期のうち、最も時刻が遅いものを復帰タイミング候補とする。例えば、管理情報が図10に示すような場合、IPsecの要求開始時期(20:10)を復帰タイミング候補とする。
【0072】
次のステップ104Aでは、復帰タイミング候補とされた時刻が当該復帰タイミング候補とされた通信方式以外の各通信方式の再取得時期内であるか否かを判定し、肯定判定となった場合はステップ108Aへ移行し、否定判定となった場合はステップ106Aへ移行する。
【0073】
ステップ106Aでは、各通信方式の要求開始時期のうち、復帰タイミング候補とされた時刻の次に遅い時刻を復帰タイミング候補として、上記ステップ104Aへ移行する。
【0074】
一方、ステップ108Aでは、復帰タイミング候補とされた時刻を復帰タイミングとして管理情報の各通信方式の復帰時期に記憶させると共に、動作状態切替部40の不揮発性メモリ47に記憶させる。
【0075】
これにより、例えば、管理情報が図5に示すような場合、FAXの再取得時期がDHCP及びIPsecの要求開始時期よりも早い時刻のため、復帰タイミングはFAXの要求開始時期(18:00)となる。
【0076】
第1の実施の形態と同様に、動作状態切替部40は、メインコントローラ20から移行指示信号を入力されると、電力制御処理を実行する。
【0077】
図12には、第2の実施の形態に係る電力制御処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートが示されている。なお、第2の実施の形態に係る電力制御処理プログラムでの新たな処理については符号の後に「A」と付して説明し、上記第1の実施の形態の電力制御処理(図7)と同一の処理には同一の符号を付して説明を省略する。
【0078】
ステップ203Aでは、FAX通信部50からFAX受信信号が入力したか否かを判定し、肯定判定となった場合はステップ210へ移行し、否定判定となった場合はステップ204へ移行する。
【0079】
ステップ206Aでは、不揮発性メモリ47に記憶された時刻となったか否かを判定し、肯定判定となった場合はステップ210へ移行し、否定判定となった場合は上記ステップ202へ移行する。
【0080】
メインコントローラ20は、電力供給が再開されて通常状態に復帰すると、管理情報の各通信方式の復帰時期を読み出し、復帰時期に記憶された復帰タイミングを経過した全ての通信方式の設定情報の更新を行う。そして、メインコントローラ20は、通信I/F部44、操作入力部42、又はFAX通信部50から情報の入力が無い場合、再度省電力状態移行処理を行って復帰タイミングを記憶させた後に、動作状態切替部40に対して省電力状態への移行を指示する移行指示信号を出力する。
【0081】
すなわち、本実施の形態によれば、メインコントローラ20が省電力状態へ移行しても、不揮発性メモリ28に設定情報が記憶された復帰タイミングとなる毎に、メインコントローラ20が通常状態に一時的に復帰して各通信方式の設定情報の更新が行われる。
【0082】
[第3の実施の形態]
図13には、第3の実施の形態に係る画像形成装置10が示されている。なお、上記第1の実施の形態と同一の部分については同一の符号を付して説明を省略する。
【0083】
第3の実施の形態では、ネットワークNETにNetWareサーバとしての機能を有するコンピュータ12Cが接続されている。
【0084】
コンピュータ12Cは、プリンタサーバとしての機能しており、他のコンピュータからプリントジョブを受信して保持する。
【0085】
画像形成装置10は、コンピュータ12Cに周期的にポーリングを行ってプリントジョブの有無を確認し、コンピュータ12Bにプリントジョブが保持されていれば当該プリントジョブを取得する。本実施の形態では、30秒周期でコンピュータ12Cに対してプリントジョブのポーリングが行われるものとする。
【0086】
図14には、第3の実施の形態に係る管理情報のデータ構造の一例が示されている。
【0087】
NetWareの要求開始時期が30秒、再取得時期が60秒に設定されている。
【0088】
また、画像形成装置10は、不揮発性メモリ28に省電力状態への切り替えが節電に非効率となる期間(本実施の形態では30秒)を復帰期間下限閾値として記憶しており、復帰タイミングの期間が復帰期間下限閾値以下の場合、省電力状態へ移行しないものとされている。
【0089】
図15には、第3の実施の形態に係る省電力状態移行処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートが示されている。なお、第3の実施の形態に係る省電力状態移行処理プログラムでの新たな処理については符号の後に「B」と付して説明し、上記第1の実施の形態の省電力状態移行処理(図6)と同一の処理には同一の符号を付して説明を省略する。
【0090】
ステップ107Bでは、復帰タイミング候補とされた期間が復帰期間下限閾値以下であるか否かを判定し、肯定判定となった場合は処理終了となり、否定判定となった場合はステップ108へ移行する。
【0091】
すなわち、本実施の形態によれば、復帰タイミング候補とされた期間が復帰期間下限閾値以下の場合、省電力状態へ移行しない。
【0092】
これにより、例えば、管理情報が図14に示すような場合、NetWareの再取得時期がDHCP及びIPsecの要求開始時期よりも早い時刻のため、復帰タイミングはNetWareの要求開始時期(30秒)となるが、NetWareの要求開始時期が復帰期間下限閾値以下であるため、省電力状態へ移行しなくなる。
【0093】
なお、上記各実施の形態では、画像形成装置10に本発明を適用した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、通常状態及び省電力状態を含む複数の状態に動作状態を切り替える制御を行う装置であれば何れのであってもよい。
【0094】
また、上記各実施の形態では、省電力状態へ移行する際の省電力状態移行処理プログラムにおいて、各通信方式の設定情報の更新を行う(ステップ100)場合について説明したが、このステップ100の処理は必須ではない。ステップ100の処理を行わない場合は、各通信方式の前回の設定情報の更新した時点から要求開始時期の終わりとなる期間を求め、最も期間が遅く終るものを復帰タイミング候補とすればよい。
【0095】
また、上記各実施の形態では、電力供給を再開してメインコントローラ20が通常状態に復帰した際に、管理情報の各通信方式の復帰時期に記憶された復帰タイミングを経過した各通信方式の設定情報の更新を行う場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、管理情報の各通信方式の復帰時期を記憶させずに、メインコントローラ20が通常状態に復帰した際に、全ての通信方式の設定情報の更新を行うようにしてもよい。
【0096】
また、復帰タイミングだけではなく、操作入力部42に対して操作が行われてメインコントローラ20が通常状態に復帰した場合や、通信I/F部44を介してネットワーク12からデータを受信してメインコントローラ20が通常状態に復帰した場合にも、全ての通信方式の設定情報の更新を行うようにしてもよい。
【0097】
また、特定の通信方式において、設定情報の更新期間が復帰タイミング複数回分以上の期間がある場合、特定の通信方式においては当該複数回毎の復帰タイミングで設定情報の更新を行うようにしてもよい。
【0098】
また、上記各実施の形態では、管理情報に各通信方式毎に要求開始時期及び再取得時期と2つの更新期間を設けた場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、要求開始時期のみとしてもよく、この場合、復帰タイミング候補とされた期間が当該復帰タイミング候補とされた通信方式以外の各通信方式の要求開始時期内であるか否かを判定すればよい。
【0099】
また、上記第3の実施の形態では、復帰タイミング候補とされた期間が復帰期間下限閾値よりも短い場合に、省電力状態へ移行しない場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、管理情報に記憶された各通信方式の要求開始時期に復帰期間下限閾値以下のものが含まれる場合、省電力状態移行処理自体を行わないようにしてもよい。
【0100】
また、上記各実施の形態では、通信を行うための設定情報を定期的に更新する通信方式としてDHCP、IPsecを用いて説明したが、通信方式はこれに限定されるものではなく、また、通信を行う際に使用される他の通信方式もこれに限定されるものではない。
【0101】
また、上記各実施の形態に係る省電力状態移行処理プログラム及び省電力制御処理プログラムは、ROM24及び不揮発性メモリ47に予め記憶しておく形態の他のメモリやHDD等の記憶装置に記憶させる形態、CD−ROMやDVD−ROM等のコンピュータで読み取れる記憶媒体に格納された状態で提供される形態、有線又は無線による通信手段を介して配信される形態等に適用してもよい。
【符号の説明】
【0102】
10 画像形成装置
20 メインコントローラ
28 不揮発性メモリ
40 動作状態切替部
44 通信I/F部
46 不揮発性メモリ
48 制御部
【技術分野】
【0001】
この発明は、省電力制御装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ネットワークを介して特定のプロトコルに従うデータパケットを受信して処理を行うネットワークデバイスであって、受信されるデータパケットが従うプロトコルに対応する、省電力状態からデバイスを復帰させるための復帰条件を設定する設定手段と、特定のプロトコルに従うデータパケットを受信した場合に、特定のプロトコルに対応する、設定手段が設定した復帰条件において、ネットワークデバイスを省電力状態から復帰させる復帰手段と、を備えるネットワークデバイスが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−309731号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、節電効率の低下を抑えつつ、更新期間内に各通信方式の設定情報を更新することにより通信不具合の発生を抑制した省電力制御装置及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明の省電力制御装置は、予め定めた更新期間毎に通信を行うための設定情報を更新する1又は複数の通信方式を用いて外部装置と通信を行う通信手段と、前記通信手段により通信が行える通常状態、及び前記通常状態よりも電力消費を抑えて前記通信手段により通信が行えない省電力状態を含む複数の状態に動作状態を切り替える切替手段と、前記通信手段で通信される各通信方式の設定情報をまとめて更新可能な復帰時期を決定し、前記切替手段により動作状態が前記省電力状態に切り替えられた場合、決定した復帰時期に前記通常状態に一時的に復帰させるように前記切替手段を制御すると共に、各通信方式の設定情報を更新するように前記通信手段を制御する制御手段と、を備えている。
【0006】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記制御手段は、各通信方式の設定情報の更新期間のうち、各通信方式の設定情報の更新が行え且つ最も遅い更新期間を前記復帰時期と決定するものである。
【0007】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2記載の発明において、前記切替手段は、何れの通信方式の更新時期が、前記省電力状態への切り替えが節電に非効率として予め定めた期間以下の場合、省電力状態への動作状態の切り替えを行わないものである。
【0008】
また、請求項4に記載の発明は、請求項3記載の発明において、前記制御手段は、前記切替手段により動作状態が前記省電力状態に切り替えられる際に、各通信方式の設定情報を更新するように前記通信手段を制御するものである。
【0009】
一方、請求項5に記載の発明のプログラムは、コンピュータを、予め定めた更新期間毎に通信を行うための設定情報を更新する1又は複数の通信方式を用いて外部装置と通信を行う通信手段により通信が行える通常状態、及び前記通常状態よりも電力消費を抑えて前記通信手段により通信が行えない省電力状態を含む複数の状態に動作状態を切り替える切替手段と、前記通信手段で通信される各通信方式の設定情報をまとめて更新可能な復帰時期を決定し、前記切替手段により動作状態が前記省電力状態に切り替えられた場合、決定した復帰時期に前記通常状態に一時的に復帰させるように前記切替手段を制御すると共に、各通信方式の設定情報を更新するように前記通信手段を制御する制御手段と、として機能させるものである。
【発明の効果】
【0010】
請求項1、及び請求項5に記載の発明によれば、特定のプロトコルに従うデータパケットを受信した場合に、特定のプロトコルに対応する復帰条件のネットワークデバイスを省電力状態から復帰させる場合と比較して、節電効率の低下を抑えつつ、更新期間内に各通信方式の設定情報を更新することにより通信不具合の発生が抑制される。
【0011】
また、請求項2に記載の発明によれば、各通信方式の設定情報を更新可能でかつ最も遅い更新時期以外の更新時期を復帰時期とした場合と比較して、通信不具合の発生を抑制しつつ節電効率が高くなる。
【0012】
また、請求項3に記載の発明によれば、何れの通信方式の更新時期が予め定めた期間以下の場合でも省電力状態への動作状態の切り替えを行なう場合と比較して、節電効率が高くなる。
【0013】
また、請求項4に記載の発明によれば、動作状態が省電力状態に切り替えられる際に、各通信方式の設定情報を更新しない場合と比較して、最初の復帰時期が長くなるため、節電効率が高くなる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】第1の実施の形態に係る画像形成装置が接続されたネットワークの全体的な概略構成を示す概略構成図である。
【図2】第1の実施の形態に係る画像形成装置の概略構成を示す概略構成図である。
【図3】DHCPパケットのデータ構造を示す図である。
【図4】DHCPパケットにオプションとして追加されるフィールドの主なタグ値とフィールドの内容を示す図である。
【図5】第1の実施の形態に係る管理情報のデータ構造の一例を示す図である。
【図6】第1の実施の形態に係る省電力状態移行処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。
【図7】第1の実施の形態に係る省電力制御処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。
【図8】第2の実施の形態に係る画像形成装置が接続されたネットワークの全体的な概略構成を示す概略構成図である。
【図9】第2の実施の形態に係る画像形成装置の概略構成を示す概略構成図である。
【図10】第2の実施の形態に係る管理情報のデータ構造の一例を示す図である。
【図11】第2の実施の形態に係る省電力状態移行処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。
【0015】
【図12】第2の実施の形態に係る省電力制御処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。
【図13】第3の実施の形態に係る画像形成装置が接続されたネットワークの全体的な概略構成を示す概略構成図である。
【図14】第3の実施の形態に係る管理情報のデータ構造の一例を示す図である。
【図15】第3の実施の形態に係る省電力制御処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。なお、以下では、本発明を、画像形成装置に適用した場合について説明する。
【0017】
[第1の実施の形態]
図1に示すように、本実施の形態に係る画像形成装置10は、ネットワークNETに接続されている。ネットワークNETには、複数のコンピュータ12(本実施の形態では2台)が接続されている。コンピュータ12Aは、DHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)サーバとしての機能を有しており、ネットワークNETに接続された各機器へのIPアドレス、サブネットマスク、デフォルトゲートウェイ、DNS(Domain Name System)サーバのIPアドレス等のネットワーク情報の設定を行う。画像形成装置10及びコンピュータ12B、12Cは、コンピュータ12Aによりネットワーク情報が設定される。
【0018】
また、画像形成装置10は、コンピュータ12Bとパケットを暗号化して通信を行っており、通信方式としてIPsec(Security Architecture for Internet Protocol)を用いている。IPsecでは、IP(Internet Protocol)層(ネットワーク層)のパケットを暗号化しており、通信相手とSA(Security Association)と呼ばれる論理的なコネクションを確立して通信を行う。IPsecでは、SAを確立するため、IKE(Internet Key Exchange)と呼ばれる鍵交換プロトコルを用いて暗号化のための鍵データを通信相手と交換しており、安全性確保のために鍵データ、ライフタイムを含んだSAに関する情報(以下「SA情報」ともいう。)を定期的に更新する。本実施の形態では、ネットワーク情報及びSA情報が設定情報の一例に相当する。
【0019】
図2には、本実施の形態に係る画像形成装置10の概略的な構成を示すブロック図が示されている。
【0020】
画像形成装置10は、装置全体を制御するメインコントローラ20を備えている。
【0021】
メインコントローラ20は、装置全体の動作を司るCPU(中央処理装置)22と、後述する省電力状態移行処理プログラム及び省電力制御処理プログラムを含む各種プログラム等が予め記憶されたROM(Read Only Memory)24と、各種データ等を一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)26と、後述する設定情報を含む各種情報を記憶する不揮発性メモリ28と、を備えている。
【0022】
CPU22、ROM24、RAM26、不揮発性メモリ28は、不図示のシステムバスを介して相互に接続されている。従って、CPU22は、ROM24、RAM26、及び不揮発性メモリ28へのアクセスが行える。
【0023】
また、画像形成装置10は、画像形成装置10の動作状態を切り替える動作状態切替部40と、ユーザからの入力操作を受ける操作パネル等の操作入力部42と、ネットワークNETに接続され、ネットワークNETを介して外部の端末装置(例えば、コンピュータ12)と情報の送受信を行なう通信I/F部44と、各種情報を記憶して保持するHDD(ハード・ディスク・ドライブ)46と、を備えている。
【0024】
動作状態切替部40、通信I/F部44、操作入力部42及びHDD46は、メインコントローラ20に接続されている。また、操作入力部42及び通信I/F部44は、動作状態切替部40に接続されている。
【0025】
メインコントローラ20は、HDD46へのアクセスを行うと共に、通信I/F部44を介した外部の端末装置との情報の送受信の制御、操作入力部42により検出された操作情報に基づいて操作入力部42に対する操作内容の把握を行う。
【0026】
動作状態切替部40は、不揮発性メモリ47と、マイクロコンピュータ等により構成され、電力制御を行う制御部48を備えており、操作入力部42及び通信I/F部44を除くメインコントローラ20及びHDD46などの各デバイスへの電力供給を管理している。
【0027】
動作状態切替部40は、メインコントローラ20から不揮発性メモリ47に休止期間が設定されて省電力状態への移行を指示する移行指示信号が入力されると、各デバイスへの電力供給を停止して動作状態を省電力状態に切り替える。また、動作状態切替部40は、電力供給を停止してから不揮発性メモリ47に設定された休止期間が経過した場合、通信I/F部44から後述するデータ受信信号が入力した場合、及び操作入力部42から後述する操作入力信号が入力した場合、各デバイスへの電力供給を再開してメインコントローラ20を通常状態の動作状態へ復帰させる。
【0028】
通信I/F部44は、ネットワークNETより自装置宛のデータを受信した場合、データを受信したことを示すデータ受信信号を動作状態切替部40へ送信し、メインコントローラ20の通常状態への復帰後、受信したデータをメインコントローラ20へ出力する。
【0029】
操作入力部42は、ユーザから操作入力が行われた場合、操作入力が行われたことを示す操作入力信号を動作状態切替部40へ送信し、メインコントローラ20の通常状態への復帰後、操作内容を示す情報をメインコントローラ20へ出力する。
【0030】
次に、本実施の形態に係る画像形成装置10の作用について説明する。
【0031】
データ通信を行う各通信方式には、設定情報を定期的に更新する必要があるものがある。例えば、DHCPでは、更新期間内にDHCPサーバと通信を行ってIPアドレスのリース期限の延長要求を行う必要があり、IPsecでは、更新期間内に通信相手と通信を行ってSA情報を更新する必要がある。
【0032】
図3には、DHCPで用いられるパケットのデータ構造の一例が示されている。
【0033】
DHCPの場合、図3に示すフォーマットのパケットによりIPアドレス、サブネットマスク、デフォルトゲートウェイ、DNSサーバのIPアドレス等のネットワーク情報の設定が行われ、さらに、オプション(Option)として、フィールドが追加される。このオプションには、タグ値を変えることにより、様々なフィールドの追加を行える。
【0034】
図4には、オプションとして追加されるフィールドの主なタグ値とフィールドの内容を示す図である。
【0035】
タグ値が58の場合、Renewal Timeが設定されるフィールドとなり、タグ値が59の場合、Rebinding Timeが設定されるフィールドとなる。Renewal Timeのフィールドには、クライアントがアドレスを取得してからRenewal(リース期限の延長要求)を開始するまでの期間が設定され、Rebinding Timeのフィールドには、クライアントがアドレスを取得してからアドレスの再取得が必要となる期間が設定される。
【0036】
メインコントローラ20は、DHCP及びIPsecのように設定情報を定期的に更新する各通信方式毎に、設定情報の更新間隔、要求開始時期、再取得時期及び復帰時期を管理情報として不揮発性メモリ28に記憶している。
【0037】
図5には、第1の実施の形態に係る管理情報のデータ構造の一例が示されている。
【0038】
DHCPの場合、Renewal Timeのフィールドに設定された値が要求開始時期に格納され、Rebinding Timeのフィールドに設定された値が再取得時期に格納される。
【0039】
このように、第1の実施の形態に係る管理情報では、通信方式毎に、設定情報の延長・更新を開始する時期(要求開始時期)と、設定情報の再取得が必要となる時期(再取得時期)を記憶している。なお、例えば、通信方式において設定情報の延長・更新に関する期間を1つしか有しない場合は、例えば、当該期間を再取得時期に格納し、当該期間の予め定めた割合(例えば1/2)の期間を要求開始時期に格納するようにしてもよい。
【0040】
ところで、本実施の形態に係るメインコントローラ20は、予め定めた期間(本実施の形態では、10分間)操作入力部42に対して操作が行われず、通信I/F部44を介してネットワーク12からデータも受信しなかった場合に、省電力状態移行処理を行う。
【0041】
図6には、CPU22により実行される省電力状態移行処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートが示されている。なお、当該プログラムは記録媒体としてのROM24に予め記憶されている。
【0042】
ステップ100では、各通信方式の設定情報の更新を行う。
【0043】
ステップ102では、不揮発性メモリ28に記憶された管理情報の各通信方式の要求開始時期のうち、最も期間が長いものを復帰タイミング候補とする。例えば、管理情報が図5に示すような場合、IPsecの要求開始時期(5時間)を復帰タイミング候補とする。
【0044】
次のステップ104では、復帰タイミング候補とされた期間が当該復帰タイミング候補とされた通信方式以外の各通信方式の再取得時期内であるか否かを判定し、肯定判定となった場合はステップ108へ移行し、否定判定となった場合はステップ106へ移行する。
【0045】
ステップ106では、不揮発性メモリ28に記憶された管理情報の各通信方式の要求開始時期のうち、復帰タイミング候補とされた期間の次に期間が長いものを復帰タイミング候補として、上記ステップ104へ移行する。例えば、管理情報が図5に示すような場合において復帰タイミング候補がIPsecの要求開始時期(5時間)であった場合、DHCPの要求開始時期(4時間)が次の復帰タイミング候補となる。
【0046】
一方、ステップ108では、復帰タイミング候補とされた時期を復帰タイミングとして管理情報の各通信方式の復帰時期に記憶させると共に、動作状態切替部40の不揮発性メモリ47に記憶させる。
【0047】
次のステップ110では、動作状態切替部40に対して省電力状態への移行を指示する移行指示信号を出力し、処理を終了する。
【0048】
動作状態切替部40は、メインコントローラ20から移行指示信号を入力されると、電力制御処理を実行する。
【0049】
図7には、動作状態切替部40の制御部48により実行される省電力制御処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートが示されている。なお、当該プログラムは不揮発性メモリ47又は制御部48に内蔵されたROM等のメモリに予め記憶されている。
【0050】
ステップ200では、各デバイスへの電力供給を停止する。
【0051】
次のステップ202では、通信I/F部44からデータ受信信号が入力したか否かを判定し、肯定判定となった場合はステップ210へ移行し、否定判定となった場合はステップ204へ移行する。
【0052】
ステップ204では、操作入力部42から操作入力信号が入力したか否かを判定し肯定判定となった場合はステップ210へ移行し、否定判定となった場合はステップ206へ移行する。
【0053】
ステップ206では、省電力制御処理プログラムの処理を開始してから不揮発性メモリ47に記憶された復帰タイミングが経過したか否かを判定し、肯定判定となった場合はステップ210へ移行し、否定判定となった場合は上記ステップ202へ移行する。
【0054】
ステップ210では、各デバイスへの電力供給を再開する。
【0055】
メインコントローラ20は、電力供給が再開されて通常状態に復帰すると、管理情報の各通信方式の復帰時期を読み出し、復帰時期に記憶された復帰タイミングを経過した各通信方式の設定情報の更新を行う。そして、メインコントローラ20は、通信I/F部44又は操作入力部42から情報の入力が無い場合、不揮発性メモリ47に同じ復帰タイミングを再度記憶させた後に、動作状態切替部40に対して省電力状態への移行を指示する移行指示信号を出力する。
【0056】
これにより、メインコントローラ20は、再度省電力状態に移行する。
【0057】
すなわち、本実施の形態によれば、メインコントローラ20が省電力状態へ移行しても、不揮発性メモリ28に設定情報が記憶された復帰タイミングとなる毎に、メインコントローラ20が通常状態に一時的に復帰して各通信方式の設定情報の更新が行われる。
【0058】
[第2の実施の形態]
図8には、第2の実施の形態に係る画像形成装置10が示されている。なお、上記第1の実施の形態と同一の部分については同一の符号を付して説明を省略する。
【0059】
第2の実施の形態に係る画像形成装置10は、電話等の一般通信回線TELにさらに接続されており、一般通信回線TELを介してFAX(ファクシミリ)通信が行えるものとされている。
【0060】
図9には、第2の実施の形態に係る画像形成装置10の概略的な構成を示すブロック図が示されている。なお、上記第1の実施の形態と同一の部分については同一の符号を付して説明を省略する。
【0061】
画像形成装置10は、一般通信回線TELに接続され、一般通信回線TELを介して他のFAX端末装置とFAX通信を行うFAX通信部50を備えている。
【0062】
FAX通信部50は、メインコントローラ20に接続されており、メインコントローラ20は、FAX通信部50を介した他のFAX端末装置とのFAX通信の制御を行う。
【0063】
FAX通信部50は、一般通信回線TELよりFAXデータを受信した場合、FAXデータを受信したことを示すFAX受信信号を動作状態切替部40へ送信し、メインコントローラ20の通常状態への復帰後、受信したFAXデータをメインコントローラ20へ出力する。
【0064】
本実施の形態に係る画像形成装置10は、予め送信データを読み込んでおき指定時刻にFAX送信を行う時刻指定送信機能を備えている。ユーザは、時刻指定送信機能を用いる場合、操作入力部42から時刻指定送信機能の指定して送信時刻を入力する。
【0065】
本実施の形態に係るメインコントローラ20は、設定情報を定期的に更新する各通信方式毎に、要求開始時期、再取得時期及び復帰時期を時刻として不揮発性メモリ28の管理情報に記憶している。
【0066】
図10には、第2の実施の形態に係る管理情報のデータ構造の一例が示されている。
【0067】
また、コントローラ20では、操作入力部42から時刻指定送信機能の指定されて送信時刻が入力されると、当該送信時刻を不揮発性メモリ28の管理情報に記憶する。
【0068】
時刻指定送信機能の場合、要求開始時期、及び再取得時期に対して指定された送信時刻が格納される。
【0069】
本実施の形態に係るメインコントローラ20は、予め定めた期間、操作入力部42に対して操作が行われず、通信I/F部44を介してネットワーク12からデータも受信されず、かつFAX通信部50を介して一般通信回線TELからFAXデータも受信しなかった場合に、省電力状態移行処理を行う。
【0070】
図11には、第2の実施の形態に係る省電力状態移行処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートが示されている。なお、第2の実施の形態に係る省電力状態移行処理プログラムでの新たな処理については符号の後に「A」と付して説明し、上記第1の実施の形態の省電力状態移行処理(図6)と同一の処理には同一の符号を付して説明を省略する。
【0071】
ステップ102Aでは、不揮発性メモリ28に記憶された管理情報の各通信方式の要求開始時期のうち、最も時刻が遅いものを復帰タイミング候補とする。例えば、管理情報が図10に示すような場合、IPsecの要求開始時期(20:10)を復帰タイミング候補とする。
【0072】
次のステップ104Aでは、復帰タイミング候補とされた時刻が当該復帰タイミング候補とされた通信方式以外の各通信方式の再取得時期内であるか否かを判定し、肯定判定となった場合はステップ108Aへ移行し、否定判定となった場合はステップ106Aへ移行する。
【0073】
ステップ106Aでは、各通信方式の要求開始時期のうち、復帰タイミング候補とされた時刻の次に遅い時刻を復帰タイミング候補として、上記ステップ104Aへ移行する。
【0074】
一方、ステップ108Aでは、復帰タイミング候補とされた時刻を復帰タイミングとして管理情報の各通信方式の復帰時期に記憶させると共に、動作状態切替部40の不揮発性メモリ47に記憶させる。
【0075】
これにより、例えば、管理情報が図5に示すような場合、FAXの再取得時期がDHCP及びIPsecの要求開始時期よりも早い時刻のため、復帰タイミングはFAXの要求開始時期(18:00)となる。
【0076】
第1の実施の形態と同様に、動作状態切替部40は、メインコントローラ20から移行指示信号を入力されると、電力制御処理を実行する。
【0077】
図12には、第2の実施の形態に係る電力制御処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートが示されている。なお、第2の実施の形態に係る電力制御処理プログラムでの新たな処理については符号の後に「A」と付して説明し、上記第1の実施の形態の電力制御処理(図7)と同一の処理には同一の符号を付して説明を省略する。
【0078】
ステップ203Aでは、FAX通信部50からFAX受信信号が入力したか否かを判定し、肯定判定となった場合はステップ210へ移行し、否定判定となった場合はステップ204へ移行する。
【0079】
ステップ206Aでは、不揮発性メモリ47に記憶された時刻となったか否かを判定し、肯定判定となった場合はステップ210へ移行し、否定判定となった場合は上記ステップ202へ移行する。
【0080】
メインコントローラ20は、電力供給が再開されて通常状態に復帰すると、管理情報の各通信方式の復帰時期を読み出し、復帰時期に記憶された復帰タイミングを経過した全ての通信方式の設定情報の更新を行う。そして、メインコントローラ20は、通信I/F部44、操作入力部42、又はFAX通信部50から情報の入力が無い場合、再度省電力状態移行処理を行って復帰タイミングを記憶させた後に、動作状態切替部40に対して省電力状態への移行を指示する移行指示信号を出力する。
【0081】
すなわち、本実施の形態によれば、メインコントローラ20が省電力状態へ移行しても、不揮発性メモリ28に設定情報が記憶された復帰タイミングとなる毎に、メインコントローラ20が通常状態に一時的に復帰して各通信方式の設定情報の更新が行われる。
【0082】
[第3の実施の形態]
図13には、第3の実施の形態に係る画像形成装置10が示されている。なお、上記第1の実施の形態と同一の部分については同一の符号を付して説明を省略する。
【0083】
第3の実施の形態では、ネットワークNETにNetWareサーバとしての機能を有するコンピュータ12Cが接続されている。
【0084】
コンピュータ12Cは、プリンタサーバとしての機能しており、他のコンピュータからプリントジョブを受信して保持する。
【0085】
画像形成装置10は、コンピュータ12Cに周期的にポーリングを行ってプリントジョブの有無を確認し、コンピュータ12Bにプリントジョブが保持されていれば当該プリントジョブを取得する。本実施の形態では、30秒周期でコンピュータ12Cに対してプリントジョブのポーリングが行われるものとする。
【0086】
図14には、第3の実施の形態に係る管理情報のデータ構造の一例が示されている。
【0087】
NetWareの要求開始時期が30秒、再取得時期が60秒に設定されている。
【0088】
また、画像形成装置10は、不揮発性メモリ28に省電力状態への切り替えが節電に非効率となる期間(本実施の形態では30秒)を復帰期間下限閾値として記憶しており、復帰タイミングの期間が復帰期間下限閾値以下の場合、省電力状態へ移行しないものとされている。
【0089】
図15には、第3の実施の形態に係る省電力状態移行処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートが示されている。なお、第3の実施の形態に係る省電力状態移行処理プログラムでの新たな処理については符号の後に「B」と付して説明し、上記第1の実施の形態の省電力状態移行処理(図6)と同一の処理には同一の符号を付して説明を省略する。
【0090】
ステップ107Bでは、復帰タイミング候補とされた期間が復帰期間下限閾値以下であるか否かを判定し、肯定判定となった場合は処理終了となり、否定判定となった場合はステップ108へ移行する。
【0091】
すなわち、本実施の形態によれば、復帰タイミング候補とされた期間が復帰期間下限閾値以下の場合、省電力状態へ移行しない。
【0092】
これにより、例えば、管理情報が図14に示すような場合、NetWareの再取得時期がDHCP及びIPsecの要求開始時期よりも早い時刻のため、復帰タイミングはNetWareの要求開始時期(30秒)となるが、NetWareの要求開始時期が復帰期間下限閾値以下であるため、省電力状態へ移行しなくなる。
【0093】
なお、上記各実施の形態では、画像形成装置10に本発明を適用した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、通常状態及び省電力状態を含む複数の状態に動作状態を切り替える制御を行う装置であれば何れのであってもよい。
【0094】
また、上記各実施の形態では、省電力状態へ移行する際の省電力状態移行処理プログラムにおいて、各通信方式の設定情報の更新を行う(ステップ100)場合について説明したが、このステップ100の処理は必須ではない。ステップ100の処理を行わない場合は、各通信方式の前回の設定情報の更新した時点から要求開始時期の終わりとなる期間を求め、最も期間が遅く終るものを復帰タイミング候補とすればよい。
【0095】
また、上記各実施の形態では、電力供給を再開してメインコントローラ20が通常状態に復帰した際に、管理情報の各通信方式の復帰時期に記憶された復帰タイミングを経過した各通信方式の設定情報の更新を行う場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、管理情報の各通信方式の復帰時期を記憶させずに、メインコントローラ20が通常状態に復帰した際に、全ての通信方式の設定情報の更新を行うようにしてもよい。
【0096】
また、復帰タイミングだけではなく、操作入力部42に対して操作が行われてメインコントローラ20が通常状態に復帰した場合や、通信I/F部44を介してネットワーク12からデータを受信してメインコントローラ20が通常状態に復帰した場合にも、全ての通信方式の設定情報の更新を行うようにしてもよい。
【0097】
また、特定の通信方式において、設定情報の更新期間が復帰タイミング複数回分以上の期間がある場合、特定の通信方式においては当該複数回毎の復帰タイミングで設定情報の更新を行うようにしてもよい。
【0098】
また、上記各実施の形態では、管理情報に各通信方式毎に要求開始時期及び再取得時期と2つの更新期間を設けた場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、要求開始時期のみとしてもよく、この場合、復帰タイミング候補とされた期間が当該復帰タイミング候補とされた通信方式以外の各通信方式の要求開始時期内であるか否かを判定すればよい。
【0099】
また、上記第3の実施の形態では、復帰タイミング候補とされた期間が復帰期間下限閾値よりも短い場合に、省電力状態へ移行しない場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、管理情報に記憶された各通信方式の要求開始時期に復帰期間下限閾値以下のものが含まれる場合、省電力状態移行処理自体を行わないようにしてもよい。
【0100】
また、上記各実施の形態では、通信を行うための設定情報を定期的に更新する通信方式としてDHCP、IPsecを用いて説明したが、通信方式はこれに限定されるものではなく、また、通信を行う際に使用される他の通信方式もこれに限定されるものではない。
【0101】
また、上記各実施の形態に係る省電力状態移行処理プログラム及び省電力制御処理プログラムは、ROM24及び不揮発性メモリ47に予め記憶しておく形態の他のメモリやHDD等の記憶装置に記憶させる形態、CD−ROMやDVD−ROM等のコンピュータで読み取れる記憶媒体に格納された状態で提供される形態、有線又は無線による通信手段を介して配信される形態等に適用してもよい。
【符号の説明】
【0102】
10 画像形成装置
20 メインコントローラ
28 不揮発性メモリ
40 動作状態切替部
44 通信I/F部
46 不揮発性メモリ
48 制御部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
予め定めた更新期間毎に通信を行うための設定情報を更新する1又は複数の通信方式を用いて外部装置と通信を行う通信手段と、
前記通信手段により通信が行える通常状態、及び前記通常状態よりも電力消費を抑えて前記通信手段により通信が行えない省電力状態を含む複数の状態に動作状態を切り替える切替手段と、
前記通信手段で通信される各通信方式の設定情報をまとめて更新可能な復帰時期を決定し、前記切替手段により動作状態が前記省電力状態に切り替えられた場合、決定した復帰時期に前記通常状態に一時的に復帰させるように前記切替手段を制御すると共に、各通信方式の設定情報を更新するように前記通信手段を制御する制御手段と、
を備えた省電力制御装置。
【請求項2】
前記制御手段は、各通信方式の設定情報の更新期間のうち、各通信方式の設定情報の更新が行え且つ最も遅い更新期間を前記復帰時期と決定する
請求項1記載の省電力制御装置。
【請求項3】
前記切替手段は、何れの通信方式の更新時期が、前記省電力状態への切り替えが節電に非効率として予め定めた期間以下の場合、省電力状態への動作状態の切り替えを行わない
請求項1又は請求項2記載の省電力制御装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記切替手段により動作状態が前記省電力状態に切り替えられる際に、各通信方式の設定情報を更新するように前記通信手段を制御する
請求項1〜請求項3の何れか1項記載の省電力制御装置。
【請求項5】
コンピュータを、
予め定めた更新期間毎に通信を行うための設定情報を更新する1又は複数の通信方式を用いて外部装置と通信を行う通信手段により通信が行える通常状態、及び前記通常状態よりも電力消費を抑えて前記通信手段により通信が行えない省電力状態を含む複数の状態に動作状態を切り替える切替手段と、
前記通信手段で通信される各通信方式の設定情報をまとめて更新可能な復帰時期を決定し、前記切替手段により動作状態が前記省電力状態に切り替えられた場合、決定した復帰時期に前記通常状態に一時的に復帰させるように前記切替手段を制御すると共に、各通信方式の設定情報を更新するように前記通信手段を制御する制御手段と、
として機能させるためのプログラム。
【請求項1】
予め定めた更新期間毎に通信を行うための設定情報を更新する1又は複数の通信方式を用いて外部装置と通信を行う通信手段と、
前記通信手段により通信が行える通常状態、及び前記通常状態よりも電力消費を抑えて前記通信手段により通信が行えない省電力状態を含む複数の状態に動作状態を切り替える切替手段と、
前記通信手段で通信される各通信方式の設定情報をまとめて更新可能な復帰時期を決定し、前記切替手段により動作状態が前記省電力状態に切り替えられた場合、決定した復帰時期に前記通常状態に一時的に復帰させるように前記切替手段を制御すると共に、各通信方式の設定情報を更新するように前記通信手段を制御する制御手段と、
を備えた省電力制御装置。
【請求項2】
前記制御手段は、各通信方式の設定情報の更新期間のうち、各通信方式の設定情報の更新が行え且つ最も遅い更新期間を前記復帰時期と決定する
請求項1記載の省電力制御装置。
【請求項3】
前記切替手段は、何れの通信方式の更新時期が、前記省電力状態への切り替えが節電に非効率として予め定めた期間以下の場合、省電力状態への動作状態の切り替えを行わない
請求項1又は請求項2記載の省電力制御装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記切替手段により動作状態が前記省電力状態に切り替えられる際に、各通信方式の設定情報を更新するように前記通信手段を制御する
請求項1〜請求項3の何れか1項記載の省電力制御装置。
【請求項5】
コンピュータを、
予め定めた更新期間毎に通信を行うための設定情報を更新する1又は複数の通信方式を用いて外部装置と通信を行う通信手段により通信が行える通常状態、及び前記通常状態よりも電力消費を抑えて前記通信手段により通信が行えない省電力状態を含む複数の状態に動作状態を切り替える切替手段と、
前記通信手段で通信される各通信方式の設定情報をまとめて更新可能な復帰時期を決定し、前記切替手段により動作状態が前記省電力状態に切り替えられた場合、決定した復帰時期に前記通常状態に一時的に復帰させるように前記切替手段を制御すると共に、各通信方式の設定情報を更新するように前記通信手段を制御する制御手段と、
として機能させるためのプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2011−37174(P2011−37174A)
【公開日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−187670(P2009−187670)
【出願日】平成21年8月13日(2009.8.13)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年8月13日(2009.8.13)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
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