説明

磁場センサーを用いて偏揺れを感知するためのシステム、および、前記システムを用いた携帯用の電子装置

電子装置、例えば携帯電話、ゲーム装置、およびこれらに類似した装置用の姿勢感知システムおよび動作感知システムを開示する。前記携帯用の装置に組み込むことができる前記システムは、2軸または3軸加速度計および3軸磁気コンパスを備える。前記加速度計および磁気コンパスからの電子装置の姿勢に関するデータは、最初に、姿勢角度(縦揺れ、横揺れ、および偏揺れ)および回転性の角振動数を算出する信号処理装置により処理される。これらのデータは、前記電子装置に関連する特定の応用プログラムのための入力信号に変換される。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
〔関連する出願の相互参照〕
暫定特許出願番号60/819,735、表題「Yaw Rate Sensing by Using Magnetic Field Sensor (Compass) Replacing Gyro Function with a Compass」(2006年、7月10日)、および暫定特許出願番号60/906,100、表題「Motion and Attitude Sensing for Portable Electronic Devices」(2007年、3月9日)の優先権が主張されている。
【0002】
〔発明の分野〕
本発明は、電子装置用の入力技術に関連し、特に、電子装置自体で実行される応用プログラムに対する前記電子装置の姿勢、あるいは、その姿勢の変化に相当する入力信号を発生させるために適合された電子装置または装置に関連する。
【0003】
〔発明の背景〕
携帯用の装置、限定されるものではないが、とりわけ携帯用の無線装置、例えば、移動式電話、携帯電話、コードレス電話、テキスト通信処理装置、ポケベル、ラジオ放送装置、携帯用のナビゲーションシステム、携帯用の音楽プレーヤー、携帯用のビデオプレーヤー、携帯用のマルチメディア装置、携帯情報端末(PDA)、携帯用のゲーム、ならびに、これらに類似したものは、日常生活でますます使用頻度が増えている。技術が進歩したため、サイズおよび重さが小さくなる一方、携帯用の電子装置には応用プログラムがますます組み込まれていく。通常、ユーザインターフェースおよび電源は、前記携帯用の装置のほとんどの体積および重さを占めている。
【0004】
携帯用の装置のユーザインターフェース、特に、ユーザインターフェースの信号入力部は、携帯用の装置の操作および運用性に非常に重要である。慣習的に、携帯用の装置へのユーザによるコマンド入力またはデータ入力は、例えばキーボードまたはキーパッド、マウス、ジョイスティック、スタイラスペンまたはデジタルペン、あるいは装置自体を用いたジェスチャーなどの入力装置を用いることで行われる。また、スクローリングおよびメニューナビゲーションのために、矢印ボタン、サムホイール、ゲームハンドル(game-handles)、ならびに他の装置を、携帯用の装置に設けることができる。
【0005】
しかしながら、携帯用の装置がより洗練されて小さくなっていけばいくほど、構成要素の部分が非常に小さくなってしまうため、従来のキーボード、矢印ボタン、サムホイール、または、デジタルペン/スタイラスペンの導入が、不便で、実用的ではなく、また、楽しめなくなる。より複雑なメニュー、三次元地図、および、より洗練したナビゲーションを必要とする新型ゲームがその問題を悪化させる。
【0006】
入力信号データを発生させるため、動作感知装置、例えば動作感知加速度計、引力加速度計、ジャイロスコープ、および、これらに類似した装置、ならびに、これらを一体化した携帯用の装置自体を発展させたものが、他者により提案されている。例えば、Robinらの米国特許第7,138,979号明細書には、携帯用の装置の方位に基づいた入力信号を発生させるための方法およびシステムが開示されている。Robinは、前記装置の空間的方位の変化を検出するために、および、さらにその変化を示す位置信号を発生させるために、カメラ、ジャイロスコープおよび/または加速度計を用いることを開示している。Robinによれば、入力信号を用いて、カーソルを動かし、ゲーム要素などを操作することができる。
【0007】
Abeらの米国特許出願番号2006/0046848には、振動ジャイロスコープセンサー(vibration gyroscope sensor)を設ける携帯用の装置で遊ぶことに適するゲームが開示されている。前記振動ジャイロスコープセンサーは、方位の変化に作用するコリオリの力に起因する振動の変化から角振動数を検出する。Abeの教示によれば、前記ジャイロスコープセンサーは、ゲームの表示スクリーンに垂直に、軸に関する回転の角振動数を検出する。角振動数データから、二次元の回転角のデータを算出する。
【0008】
しかしながら、RobinおよびAbeにより開示されたジャイロスコープは、高価で、且つサイズおよび重量が比較的大きい。また、RobinおよびAbeは、前記携帯用の装置の三次元「姿勢」よりも携帯用の装置の二次元「方位」に焦点をあてている。これにより、携帯用の三次元姿勢に関する入力信号データを発生させるための方法、装置およびシステムを提供することが望まれている。ジャイロスコープセンサーを備えた従来の装置よりも経済的で、比較的小型であり、比較的軽量である入力信号データを発生させるための装置およびシステムを提供することもまた望まれている。
【0009】
従来の姿勢感知は、フルモーション状態、すなわち、縦揺れ、横揺れおよび偏揺れを提供するために、2軸または3軸加速度計および3軸ジャイロスコープを備えている。加速度計はじょじょに安くなってきているが、ジャイロスコープは、その技術および製造が複雑なために加速度計よりも数倍の高値を維持している。
【0010】
その上、望ましい自由空間、つまり無重力および無磁場を有する状態下において、6自由度(six-degree of freedom)の運動情報を、2軸または3軸加速度計、および、3軸ジャイロスコープを用いて収集することができる。しかしながら、地球上では、引力および磁場力が存在するので、理想的な自由空間が妨げられる。結果として、より低価格化するために、ジャイロスコープと置き換えるための磁場感知装置が望まれる。
【0011】
民生用の応用において、価格が非常に重要な要素となるとき、機能性を満足させるための低価法の解決策は、商品化の成功が鍵となるであろう。これにより、空間における物体の姿勢およびその姿勢の変化を判断するために、3直交軸に関する磁場強度および加速度、または、3直交軸の磁場強度および加速度を提供することが望まれる。
【0012】
〔本発明の簡単な概要〕
携帯用の電子装置、例えば携帯電話、ゲーム装置、および、これらに類似した装置に関する姿勢感知および動作感知システムが開示されている。前記携帯用の電子装置に組み込むことができる前記システムは、2軸または3軸加速度計および3軸磁場センサー、例えば磁気コンパスなどを備える。前記加速度計および磁場センサーからの携帯用の電子装置の姿勢に関するデータは、姿勢角度および回転角を算出する信号処理装置により、最初に処理される。これらのデータは、携帯用の電子装置に関係する特定の応用プログラムのための入力信号に変換される。
【0013】
〔図面の簡単な説明〕
本発明の前述、他の物体、特徴、および、利点は、添付図面に説明された類似の特徴が異なる図を通して同じ部分に関連するように、特に、次の本発明の好ましい実施の形態の説明から明らかになるであろう。
【0014】
図1は、従来の技術に応じて空間における固定した物体の姿勢角度を説明する図である。
【0015】
図2は、従来の技術に応じて入力信号発生の手順を説明する図である。
【0016】
図3は、三次元図応用に関連する本発明の技術を用いた装置を示す図である。
【0017】
図4は、フライトシュミレーターゲーム応用に関連する本発明の技術を用いた装置を示す図である。
【0018】
図5は、本発明に応じて応用プログラムに対する姿勢および姿勢信号の変化を提供する方法のフローチャートである。
【0019】
〔本発明の詳細な説明〕
本発明は、物体の姿勢を感知するための姿勢感知装置、および、物体の姿勢の変化を感知するための動作感知装置に関連する。前記姿勢感知および動作感知装置は、3軸磁場センサー、および、2軸または3軸加速度計を備えている。特に、前記姿勢感知および動作感知装置は、物体の姿勢、例えば、前記姿勢感知および動作感知装置自体の姿勢を判定するための入力信号を発生させるため、3軸磁気コンパス、および、2軸または3軸加速度計を用いる。
【0020】
<磁場感知装置>
空間における固定した物体10の姿勢を、3つの角度(偏揺れ、縦揺れ、および、横揺れ)を用いて、説明することができる(図1を参照)。通常、これらの角度は、局地的な水平面、例えば、地球の引力ベクトルまたは地球の黄道面に垂直な平面に参照される。偏揺れ(α)は、物体10の順方向に対する、真北方向、すなわち地球の磁気極軸から水平線な場所に、右回りに測定された角度として定められる。縦揺れ(φ)は、物体の縦軸と、水平線な場所との間の角度として定められる。慣例により、航空宇宙応用におけるプラスの縦揺れは、「(飛行機の)上昇」に関連し、反対の縦揺れは、「(飛行機の)下降」に関連する。横揺れ(θ)は、水平面と、物体の実際の場所との間の縦軸に関する回転角として定められる。慣例により、航空宇宙応用におけるプラスの横揺れは、「右翼下降(right wing down)」に関連し、反対の横揺れは、「右翼上昇(right wing up)」に関連する。
【0021】
従来の技術によれば、3軸磁場センサー(例えばジャイロスコープなど)を、X‐軸、Y‐軸およびZ‐軸、つまり、それぞれM、M、Mに関する磁場強度を測定するために適合することができるが、3軸加速度計を、X‐軸、Y‐軸およびZ‐軸、つまり、それぞれA、A、Aにおける加速度を測定するために適合することができる。このように、空間における物体10の縦揺れを、下記の計算式を用いて、算出し、
【0022】
【数1】

空間における物体10の横揺れを、下記の計算式を用いて、算出し、
【0023】
【数2】

式中のgは、重力加速度に関連する。従って、上記計算式の内の1つは、AおよびA測定を提供するために2軸または3軸加速度計を用いて、磁場センサーを用いることなく両方の縦揺れおよび横揺れを判定することができる。
【0024】
偏揺れの算出は若干より複雑であり、両方の加速度計および磁場センサーからの測定データを必要とする。特に、偏揺れを、下記の方程式を用いて、算出することができ、
【0025】
【数3】

式中のMxhは、磁気面の場所におけるX‐軸に関する磁場強度に関連し、式中のMyhは、磁気面の場所におけるY‐軸に関する磁場強度に関連する。縦揺れ、横揺れ、および偏揺れに関連する角振動数を、それぞれ、下記の方程式を用いた角度変化の時間微分を算出することにより、得ることができる。
【0026】
【数4】

式中のω、ω、およびωは、それぞれX‐軸、Y‐軸、およびZ‐軸に関する物体の回転の角振動数に一致する。
【0027】
もともと、ジャイロスコープは、偏揺れを提供する、慣性姿勢感知システムの重要な部分を有している。しかしながら、本発明者は、偏揺れ回転の偏揺れおよび角振動数を、磁気コンパスを用いて検出することができる、ということを発見した。
【0028】
ジャイロスコープと比較して、磁気コンパスは、偏揺れ、縦揺れおよび横揺れの角比率、ならびに、慣性姿勢位置を、有利に感知することができる。実際に、ジャイロスコープは、絶対的な角度位置情報を提供できず、正確に言えば、角度位置情報の相対的な変化のみを提供する。
【0029】
また、ジャイロスコープは、磁気コンパスと比較して、比較的に大きくなる傾向がある。例えば、3軸磁気コンパスは、約0.2inch×0.2inch×0.04inch(約5mm×5mm×1.2mm)以下になるよう小さく製造することができる。同様の能力を備えている3軸ジャイロスコープは、著しく大きくなるであろう。
【0030】
図2は、典型的な入力信号発生システム20の構成図を示す。感知装置22、24の姿勢が変わったときに、つまり、前記感知装置22、24がそのX‐軸、Y‐軸、およびZ‐軸の少なくとも1つに関して回転するときに、前記感知装置22、24は、測定した磁場強度M、M、およびMに、ならびに、加速度A、A、Aに比例する出力信号を発生させる。通常、磁場センサー22は、M、M、およびMを感知し、加速度計24は、A、A、およびAを感知する。
【0031】
前記6つの磁場強度および加速係数を、処理装置25に送信する。ここで、処理装置25は、1以上の感知装置22、24に組み込まれていてもよいし、もしくは、別々の、部分的な、または遠隔性の電子装置であってもよい。前記処理装置25は、測定された係数データを処理するための信号処理装置およびデータ処理装置を備える。例えば、前記処理装置25には、アナログからデジタルへ(analog-to-digital)(A/D)の変換のためのA/D変換器26、データを処理するためのデータ処理装置28、および、これらに類似した装置を備えることができる。
【0032】
特に、前記処理装置28を、姿勢角度(α、φ、θ)および角振動数(ω、ω、ω)を算出するために、上述の方程式(1)、(2)、(3)および(4)を用いるように適合することができる。これらのデータを、前記データを入力信号27に変換するように適合された変換装置29に入力することができる。変換された前記入力信号27は、変換された前記姿勢角度および角振動数のデータを動作状態へ処置するための応用プログラムまたはドライバープログラムが備えられた電子処理装置21へ送信される。
【0033】
無重力ではない条件でさえも、横揺れおよび縦揺れ、ならびに、横揺れ回転角および縦揺れ回転角を、X‐方向およびY‐方向における加速度計の傾斜を用いて、ならびに、上述の方程式(1)および(2)を用いて算出することができる。
【0034】
〔発明の技術の模範的な使用〕
携帯電話30の磁気コンパスの応用を、図3に示す。この開示の目的のために、さらに前記携帯電話30を、三次元(3D)地図プログラムを実行するように、且つ使用者が全ての3軸に関する携帯電話を回転できるように適合させる(このために仮想地図ができる)。ジャイロスコープまたは磁場感知の有無に関わらず従来の携帯電話は、入力信号発生に達するために少なくとも6つの入力装置(例えば、ボタン)、つまりX‐軸回転用の2つのボタン、Y‐軸回転用の2つのボタン、および、Z‐軸回転用の2つのボタンを必要とする。
【0035】
しかしながら、磁場感知装置のような磁気コンパスを備えるため、方向‐矢印ボタン(direction-arrow buttons)は不要である。特に、磁気コンパスを備えるため、携帯電話30を回転させるときに、縦揺れ、横揺れ、および偏揺れ(α、φ、およびθ)が得られる。これらのセンサー信号は、姿勢角度(α、φ、およびθ)および角振動数(ω、ω、ω)を提供するために処理されてもよい。前記姿勢角度および角振動数は、変換装置29に入力されてもよい。当該変換装置29は、姿勢角度および角振動数を、応用プログラム21に対して適切な入力信号27に変換するものである。
【0036】
要約すると、入力信号27の発生は、方向‐矢印ボタンを必要としないが、むしろ、センサー信号、例えば、M、M、M、A、A、およびAを発生させるために携帯電話30の姿勢を単純に変えればよい。応用プログラムが3次元地図への応用である場合、3つの軸に関する地図回転が可能である。従来のナビゲーションボタンを必要とするパネル表面積は不要である点が有利である。その結果、他の点で、ナビゲーションボタンのために用いる前記表面積を、他の目的のために用いることができるし、および/あるいは、前記携帯電話30を小さく製造することができる。
【0037】
携帯用のゲーム機40で実行できるフライトシュミレーションゲームへの応用を、図4に示す。この実施の形態の目的にもかかわらず、前記ゲーム機40は、フライトシュミレーターとなるであろう。通常の知識を有する当業者は、三次元および姿勢調節を複雑にするたくさんのゲーム機40およびゲームプログラムに対して、本発明の教示に示された適用性を理解することができる。
【0038】
飛行機の姿勢を調節するための従来のゲーム機は、前記ゲーム装置の表面上にある多くの入力装置、例えばボタン、または、その代わりになるべきものとして、動作が可能となるようにゲーム装置とつながるジョイスティックを必要とする。対称的に、本発明によれば、磁気コンパスおよび加速度計の組み合わせを備えている、1以上のそのX‐軸、Y‐軸、および/またはZ‐軸に沿って、前記ゲーム機自体を回転させることにより、飛行機の姿勢を調節するための飛行機姿勢の入力信号が発生する。
【0039】
次に、上述した動作感知および姿勢感知のためのシステムおよび当該システムを備える携帯電子装置を有し、応用プログラムに対して姿勢および姿勢の変化の入力信号を提供するため、物体の慣性姿勢および慣性姿勢の変化を判定するため、前記物体により実行された応用プログラム上で行われた操作を変化させるため、および携帯用の電子装置上で実行可能な応用プログラムに対して入力信号を発生させるための、方法について以下に説明する。図5および図2のフローチャートを参照して、前記方法は、携帯用の電子装置に、2軸または3軸加速度計および3軸磁場センサーを組み込む工程(1段階(S1))と、さらに第1の一組の信号を発生させるために2軸または3軸加速度計を適合させる工程(2A段階(S2A))と、第2の一組の信号を発生させるために3軸磁場センサー、例えば磁気コンパスを適合させる工程(2B段階(S2B))とを含む。
【0040】
前記2軸または3軸加速度計(S2A)により発生した前記第1の一組の信号は、X‐方向、Y‐方向、およびZ‐方向における加速度、および/または、加速度の変化に相当する。ここで、A、A、Aは、携帯用の電子装置の慣性姿勢における変化に比例する。同様に、3軸磁場センサー(S2B)により発生した第2の一組の信号は、X‐軸、Y‐軸、およびZ‐軸に関する磁場強度、および/または、磁場強度の変化に相当する。また、ここで、M、M、Mは、携帯用の電子装置の慣性姿勢における変化に比例する。
【0041】
前記第1および第2の一組の信号が処理され(3段階(S3))、その工程は、制限されないが、A/D変換器を用いてアナログ信号をデジタル信号へ変換させる工程を含むことができる。前記デジタル信号は、例えば処理装置を経て、1以上の縦揺れ、偏揺れ、横揺れ、つまり、前記装置の慣性姿勢および/またはこれらに加えた変化、ならびに、X‐軸、Y‐軸、および/またはZ‐軸に関する回転角およびこれらに加えた変化を算出するために処理されていてもよい(4段階(S4))。
【0042】
算出された前記縦揺れ、偏揺れ、横揺れ、および/または回転角は、携帯用の電子装置により実行される、または実行可能な応用プログラムと互換性がある入力信号に変換される(5段階(S5))。特に、算出された前記縦揺れ、偏揺れ、横揺れ、および/または回転角は、応用プログラム上で操作を変化する入力信号に変換される。
【0043】
例えば、三次元映像操作と連動して使用する場合、前記加速度および磁場強度を、最初に算出し、それからX‐軸、Y‐軸および/またはZ‐軸に沿って三次元映像の動きおよび変位、および/または、X‐軸、Y‐軸および/またはZ‐軸に関する回転を記述するように適合させる。このように、前記携帯用の電子装置を1以上のその慣性軸に関して回転させるとき、複数またはすべての加速度および磁場強度が変化し、これにより縦揺れ、偏揺れ、横揺れ、および/または回転角の変化へと変換される。これらの変化は変換され、携帯用の電子装置で実行可能な応用プログラムに入力される場合、前記三次元映像は、回転された携帯用の電子装置からの入力信号に比例して動く。
【0044】
しかしながら、本発明の応用は、携帯用の装置に制限されない。本発明は、携帯用かそうではない、おもいやりのある機器(human-machine)、すなわちユーザインターフェースを備える任意の電子装置に適用できる。例えば、通常の知識を有する当業者は、パソコンに対して入力信号を発生させるマウス、ホスト装置、例えば制限されないが、テレビ、ラジオ、DVDプレーヤー、ステレオシステム、または、他のマルチメディアおよび電子楽器(例えば電子ピアノ、電子オルガンなど)などに対して信号を発生させるための遠隔制御装置を用いて、ユーザのために、本発明の縦揺れ、偏揺れ、および横揺れ機能を適合させることができる。
【0045】
上述は、網羅的であること、または、本発明を記載された形態に正確に制限することを意図していない。前記実施の形態は、本発明およびその応用原理を述べるために選ばれ、説明されている。改良物および変形物は本発明の範囲内である。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】従来の技術に応じて空間における固定した物体の姿勢角度を説明する図である。
【図2】従来の技術に応じて入力信号発生の手順を説明する図である。
【図3】三次元図応用に関連する本発明の技術を用いた装置を示す図である。
【図4】フライトシュミレーターゲーム応用に関連する本発明の技術を用いた装置を示す図である。
【図5】本発明に応じて応用プログラムに対する姿勢および姿勢信号の変化を提供する方法のフローチャートである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子装置に組み込まれた動作感知および姿勢感知システムであって、前記電子装置は、当該電子装置上で実行できる応用プログラムを備えるものであり、
前記システムは、
前記電子装置の姿勢の変化に関連する第1の一組の信号を提供するために適合された3軸加速度計と、
前記電子装置の姿勢の変化に関連する第2の一組の信号を提供するために適合された3軸磁場センサーとを備えており、
前記3軸磁場センサーは磁気コンパスである、動作感知および姿勢感知システム。
【請求項2】
姿勢角度および回転性の角振動数の信号データを提供するために、前記第1および第2の一組の信号を処理するための信号処理装置をさらに備えており、
前記信号処理装置は、
前記第1および第2の一組の信号から、縦揺れ角度、横揺れ角度、偏揺れ角度、X‐軸に関する回転角、Y‐軸に関する回転角、Z‐軸に関する回転角を算出するために適合されたデータ処理装置を備える、請求項1に記載の動作感知および姿勢感知システム。
【請求項3】
前記信号処理装置は、アナログからデジタルへの変換器をさらに備える、請求項2に記載の動作感知および姿勢感知システム。
【請求項4】
前記応用プログラムにより実行可能な形式へ、前記縦揺れ角度、横揺れ角度、偏揺れ角度、X‐軸に関する回転角、Y‐軸に関する回転角、Z‐軸に関する回転角を、入力信号データに変換するために適合された変換装置をさらに備える請求項2に記載の動作感知および姿勢感知システム。
【請求項5】
前記応用プログラムは、三次元地図ナビゲーションプログラム、三次元ゲームプログラム、メニューナビゲーションプログラム、およびユーザインターフェースプログラムからなる群より選ばれるものであり、
前記電子装置は、携帯用の無線装置、移動式電話、携帯電話、コードレス電話、テキスト通信処理装置、ポケベル、ラジオ放送装置、携帯用のナビゲーションシステム、携帯用の音楽プレーヤー、携帯用のビデオプレーヤー、携帯用のマルチメディア装置、携帯情報端末(PDA)、および携帯用のゲーム機からなる群より選ばれる、請求項1に記載の動作感知および姿勢感知システム。
【請求項6】
電子装置であって、当該電子装置上で実行可能な応用プログラムが設けられており、
前記電子装置は、動作感知および姿勢感知システムを備え、
前記動作感知および姿勢感知システムは、
前記電子装置の姿勢の変化に関連する第1の一組の信号を提供するために適合された3軸加速度計と、
前記電子装置の姿勢の変化に関連する第2の一組の信号を提供するために適合された3軸磁場センサーとを備える、電子装置。
【請求項7】
前記応用プログラムは、三次元地図ナビゲーションシステム、三次元ゲームプログラム、メニューナビゲーションプログラム、およびユーザインターフェースプログラムからなる群より選ばれるものであり、
前記装置は、携帯用の無線装置、移動式電話、携帯電話、コードレス電話、テキスト通信処理装置、ポケベル、ラジオ放送装置、携帯用のナビゲーションシステム、携帯用の音楽プレーヤー、携帯用のビデオプレーヤー、携帯用のマルチメディア装置、携帯情報端末(PDA)、および携帯用のゲーム機からなる群より選ばれる、請求項6に記載の携帯用の電子装置。
【請求項8】
装置により実行される応用プログラムに対して、入力信号を発生させるためのシステムであって、
前記システムは、
前記応用プログラム、入力信号算出プログラム、および算出プログラムを記録するためのメモリーと、
前記装置に組み込まれており、前記装置の縦揺れ角度および横揺れ角度に関連する連続した信号を発生させるために適合された加速度計と、
前記装置に組み込まれており、前記装置の偏揺れ角度に関連する連続した信号を発生するために適合された磁場センサーと、
前記メモリー、加速度計、および磁場センサーと動作可能に連結された処理装置とを備えており、
前記処理装置は、前記加速度計および磁場センサーから信号を用いて前記応用プログラム、入力信号算出プログラム、算出プログラムを実行するために適合されており、
前記磁場センサーは磁気コンパスである、システム。
【請求項9】
前記応用プログラムは、携帯用の電子装置のための三次元地図ナビゲーションプログラム、三次元ゲームプログラム、およびユーザインターフェースプログラムに関連するメニューナビゲーションプログラムからなる群より選ばれる、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記装置は、無線通信機能、マルチメディア機能、および衛星利用測位システム(GPS)機能の少なくとも1つを設けるために、構造化され、且つ調整されている、請求項8に記載の装置。
【請求項11】
電子装置上で実行するための応用プログラムに対して、慣性姿勢および/または慣性姿勢の変化に相当する入力信号を提供するための方法であって、
前記方法は、
前記応用プログラムを実行する前記電子装置に、2軸または3軸加速度計および3軸磁場センサーを組み込む工程と、
前記2軸または3軸加速度計および3軸磁場センサーを用いて前記電子装置の加速度および磁場強度の少なくとも1つを感知する工程と、
前記加速度および磁場強度に比例する前記入力信号を発生させる工程と、
前記入力信号を、前記応用プログラムに提供して、前記応用プログラムにより行われる操作を変化させる工程とを含み、
前記電子装置に組み込まれた前記3軸磁場センサーは、磁気コンパスである、方法。
【請求項12】
前記応用プログラムは、地図ナビゲーションプログラム、ゲームプログラム、およびユーザインターフェースプログラムからなる群より選ばれるものであり、
前記装置は、携帯用の無線装置、移動式電話、携帯電話、コードレス電話、テキスト通信処理装置、ポケベル、ラジオ放送装置、携帯用のナビゲーションシステム、携帯用の音楽プレーヤー、携帯用のビデオプレーヤー、携帯用のマルチメディア装置、携帯情報端末(PDA)、および携帯用のゲーム機からなる群より選ばれる、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
空間における物体の慣性姿勢および慣性姿勢の変化を判定し、且つ空間における物体上で実行された応用プログラムにより行われた操作を変化させるための方法であって、
前記方法は、
前記物体に、2軸または3軸加速度計および3軸磁場センサーを組み込む工程と、
前記2軸または3軸加速度計および3軸磁場センサーを用いて、前記物体の慣性姿勢および/または角振動数を検出する工程と、
前記慣性姿勢および/または角振動数に比例する入力信号を発生させる工程と、
前記応用プログラムに、前記入力信号を入力する工程とを含み、
前記電子装置に組み込まれた前記3軸磁場センサーは、磁気コンパスである、方法。
【請求項14】
前記応用プログラムは、地図ナビゲーションプログラム、ゲームプログラム、およびユーザインターフェースプログラムからなる群より選ばれるものであり、
前記電子装置は、携帯用の無線装置、移動式電話、携帯電話、コードレス電話、テキスト通信処理装置、ポケベル、ラジオ方法、携帯用のナビゲーションシステム、携帯用の音楽プレーヤー、携帯用のビデオプレーヤー、携帯用のマルチメディア装置、携帯情報端末(PDA)、および携帯用のゲーム機からなる群より選ばれる、請求項5に記載の方法。
【請求項15】
装置上で実行するための応用プログラムに対して、慣性姿勢および/または慣性姿勢の変化に比例する入力信号を提供するための方法であって、
前記方法は、
前記装置に、2軸または3軸加速度計および3軸磁場センサーを組み込む工程と、
前記装置の慣性姿勢を感知する工程と、
前記装置が回転するときに、角振動数信号を発生させる工程と、
前記角振動数信号に比例する入力信号を発生させる工程と、
前記入力信号を、前記応用プログラムに提供して、前記応用プログラムにより行われた操作を変化させる工程とを含み、
前記装置に組み込まれた前記3軸磁場センサーは、磁気コンパスである、方法。
【請求項16】
電子装置上で実行可能な応用プログラムに対する入力信号を発生させる方法であって、
前記方法は、
前記電子装置に、2軸または3軸加速度計および3軸磁場センサーを組み込む工程と、
前記電子装置の姿勢の変化に比例する第1の一組の信号を発生させるように、2軸または3軸加速度計を適合させる工程と、
前記電子装置の姿勢の変化に比例する第2の一組の信号を発生させるように、3軸磁場センサーを適合させる工程と、
前記第1および第2の一組の信号を処理する工程と、
前記第1および第2の一組の信号を用いて、縦揺れ、横揺れ、および偏揺れ、ならびに、X‐軸、Y‐軸、およびZ‐軸に関する回転角を算出する工程と、
前記縦揺れ、横揺れ、および偏揺れ、ならびに、前記X‐軸、Y‐軸、Z‐軸に関する回転角を、前記応用プログラムのための入力信号に変換する工程とを含み、
前記装置に組み込まれた前記3軸磁場センサーは、磁気コンパスである、方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2009−534690(P2009−534690A)
【公表日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−507859(P2009−507859)
【出願日】平成19年7月10日(2007.7.10)
【国際出願番号】PCT/US2007/015294
【国際公開番号】WO2008/008230
【国際公開日】平成20年1月17日(2008.1.17)
【出願人】(508145012)メムシック,インコーポレイテッド (6)
【氏名又は名称原語表記】Memsic,Inc.
【住所又は居所原語表記】One Technology Drive,Suite 325,Andover,Massachusetts 01810,United States of America
【Fターム(参考)】