説明

磁気衝突検知方法

磁気回路(42.1、42.2)の磁界(38.1、38.2)に応答して生成される信号(60、80)は、第1フィルタ信号(Y)および第2(Y)フィルタ信号に分解され、ここで、少なくとも1つの第1周波数において、第1フィルタ信号(Y)の成分の大きさは第2フィルタ信号(Y)の成分の大きさより大きく、そして前記少なくとも1つの第1周波数より高い少なくとも1つの第2周波数において、第2フィルタ信号(Y)の成分の大きさは第1フィルタ信号(Y)の成分の大きさより大きい。磁気回路(42.1、42.2)の状態は第1フィルタ信号(Y)および第2(Y)フィルタ信号に応答して検知される。1つの態様において、車両(12)の安全拘束アクチュエータ(82)の作動は、衝突の可能性のある車両(12)の一部を含む磁気回路(42.1、42.2)の、検知された状態に応答して制御される。展開閾値は、ドアの開閉状態に応答して調節される(242)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
実施態様の記載
図1を参照すると、車両12に組み込まれた第1磁気衝突センサ10.1は、少なくとも1つの第1コイル14を車両12の対応する少なくとも1つの第1位置16において、および関連する少なくとも1つの第1磁気センサ18を車両12の対応する少なくとも1つの第2位置20において含む。例えば、図1に示す態様において、第1コイル14は車両12の前部ドア24の上部ヒンジ22.1の周りに配置され、少なくとも1つの第1磁気センサ18は、前部ドア24のドアラッチアセンブリ30.1のストライカ28.1の周りの第2コイル26を含み、ここでストライカ28.1は、車両12のBピラー32に動作可能に結合されており、第2コイル26はその近傍にある。少なくとも1つの第1コイル14は、第1コイルドライバ34.1に動作可能に結合され、次にこれは第1オシレータ36.1に動作可能に結合され、ここで第1オシレータ36.1からの振動信号は、第1コイルドライバ34.1によって適用されて、少なくとも1つの第1コイル14における関連電流を引き起こし、これに応答して、少なくとも1つの第1コイル14は、磁束40を含む第1磁界38.1を、車両12のAピラー44、前部ドア24、Bピラー32、およびボディ46、フレーム48またはパワートレイン50を含む関連する第1磁気回路42.1内に生成する。第1オシレータ36.1は振動信号を生成し、これは例えば、正弦波、方形波、三角波または他の波形を有し、これは単一周波数または複数周波数であって例えば階段状、連続掃引、もしくは同時のものを有する信号である。
【0002】
周波数は、得られる第1磁界38.1が第1磁気回路42.1を通って十分な強さで伝導され、そこで協働する第1磁気センサ18から有用な信号レベルが提供されるように調節する。例えば、1つの態様において、発振周波数は、スチール構造に対しては典型的には約100KHz未満、例えば20〜30KHzである。可聴範囲の発振周波数、例えば10〜20KHzもまた衝突検知に用いることができるが、しかしかかる周波数は、関連する磁気回路によって耳に聞こえるブンブンという音が発生される原因となりえる。第1磁界38.1は関連する第1磁気回路42.1のリラクタンスRに応答し、第1磁気回路はその素子および/またはその中のギャップ52が関与する衝突の影響を受ける。第1磁界38.1は、少なくとも1つの第1磁気センサ18によって検知され、そこからの信号は、関連する第1信号調節装置54.1によって調節され、第1復調器56.1によって復調され、第1アナログ−デジタル変換器58.1によってアナログからデジタル形式に変換され、第1磁気センサ信号60としてプロセッサ62に入力され、該プロセッサはこの信号を、以下により詳細に記載されるように処理する。第1信号調節装置54.1は、バッファリング、増幅、ハイパス、ローパス、または帯域通過フィルタリングを組み込むことができる。
【0003】
第1復調器56.1は、例えば、振幅復調、第1オシレータ36.1の位相に対する一定サンプリング、または第1磁気センサ18により検知される信号の位相に対する一定サンプリングなどを供給することができる。例えば、任意のエンベロープ(包絡線)検波または位相もしくは周波数復調技術を、復調信号を得るために用いることができる。種々の復調技術を、第1磁気センサ18からの信号から衝突情報を抽出するために用いることができるため、具体的な復調方法は、例えば、この機能を実行するために用いられる構成要素の特定の実装およびコストに依存する。他の態様において、アナログ−デジタル変換機能および復調機能は、1つのプロセスに組み合わされる。第1復調器56.1は増幅を提供してもよく、第1アナログ−デジタル変換器58.1は関連するサンプラーを組み込んでもよいことが、理解されるべきである。第1磁気回路42.1における特定の位置での第1磁界38.1の変化は、関連する第1磁気回路42.1内に光の速度で伝播し、第1磁気回路42.1全体で観察される。従って、少なくとも1つの第1磁気センサ18によって検知される第1磁界38.1は、磁気回路の残りの部分の性質についての情報を含み、これには前部ドア24および隣接するAピラー44およびBピラー32が含まれ、これらの任意のものは、側面衝突に関与し、またその影響を受ける可能性がある。
【0004】
図1に図示された態様において、車両12はさらに第2磁気衝突センサ10.2を組み込み、該第2磁気衝突センサは、少なくとも1つの第3コイル64を車両12の対応する少なくとも1つの第3位置66において、および関連する少なくとも1つの第2磁気センサ68を車両12の対応する少なくとも1つの第4位置70において含む。例えば、図1に図示された態様において、第3コイル64は車両12の後部ドア74の上部ヒンジ72.1の周りに配置され、少なくとも1つの第2磁気センサ68は、後部ドア74のドアラッチアセンブリ30.2のストライカ28.2の周りの第4コイル76を含み、ここでストライカ28.2は、車両12のCピラー78に動作可能に結合されており、第4コイル76はその近傍にある。少なくとも1つの第3コイル64は、第2コイルドライバ34.2に動作可能に結合され、次にこれは第2オシレータ36.2に動作可能に結合され、ここで第2オシレータ36.2からの振動信号は、第2コイルドライバ34.2によって適用されて、少なくとも1つの第3コイル64において関連する電流を引き起こし、これに応答して、少なくとも1つの第3コイル64は、磁束40を含む第2磁界38.2を、車両12のBピラー32、後部ドア74、Cピラー78、およびボディ46、フレーム48またはパワートレイン50を含む関連する第2磁気回路42.2内に生成する。
【0005】
第2オシレータ36.2は振動信号を生成し、これは例えば、正弦波、方形波、三角波または他の波形を有し、単一周波数または、複数周波数であって例えば階段状、連続掃引、もしくは同時のものを有する信号である。周波数は、得られる第2磁界38.2が第2磁気回路42.2を通って十分な強さで伝導され、そこで協働する第2磁気センサ68から有用な信号レベルが提供されるように調節する。第2磁界38.2は関連する第2磁気回路42.2のリラクタンスRに応答し、第2磁気回路はその素子および/またはその中のギャップ52が関与する衝突の影響を受ける。第2磁界38.2は、少なくとも1つの第2磁気センサ68によって検知され、そこからの信号は、関連する第2信号調節装置54.2によって調節され、第2復調器56.2によって復調され、第2アナログ−デジタル変換器58.2によってアナログからデジタル形式に変換され、第2磁気センサ信号80としてプロセッサ62に入力され、該プロセッサはこの信号を、以下により詳細に記載されるように処理する。第2信号調節装置54.2は、バッファリング、増幅、ハイパス、ローパス、または帯域通過フィルタリングを組み込むことができる。
【0006】
第2復調器56.2は、例えば、振幅復調、第2オシレータ36.2の位相に対する一定サンプリング、または第2磁気センサ68により検知される信号の位相に対する一定サンプリングなどを供給することができる。例えば、任意のエンベロープ検波または位相もしくは周波数復調技術を、復調信号を得るために用いることができる。種々の復調技術を、第2磁気センサ68からの信号から衝突情報を抽出するために用いることができるため、具体的な復調方法は、例えば、この機能を実行するために用いられる構成要素の特定の実装およびコストに依存する。他の態様において、アナログ−デジタル変換機能および復調機能は、1つのプロセスに組み合わされる。第2復調器56.2は増幅を提供してもよく、第2アナログ−デジタル変換器58.2は関連するサンプラーを組み込んでもよいことが、理解されるべきである。第2磁気回路42.2における特定の位置での第2磁界38.2の変化は、関連する第2磁気回路42.2内に光の速度で伝播し、第2磁気回路42.2全体で観察される。従って、少なくとも1つの第2磁気センサ68によって検知される第2磁界38.2は、磁気回路の残りの部分の性質についての情報を含み、これには後部ドア74および隣接するBピラー32およびCピラー78が含まれ、これらはいずれも側面衝突に関与しその影響を受ける可能性がある。
【0007】
代替的に、図1によって示唆されるように、第1コイル14は前部ドア24の下部ヒンジ22.2の周りに配置することができ;少なくとも1つの第1コイル14は、上部ヒンジ22.1および下部ヒンジ22.2の周りにそれぞれ第1コイル14.1、14.2を含むことができ;第3コイル64は後部ドア74の下部ヒンジ22.2の周りに配置することができ;または、少なくとも1つの第3コイル64は、上部ヒンジ72.1および下部ヒンジ72.2の周りにそれぞれ第3コイル64.1、64.2を含むことができる。さらに、第1オシレータ36.1および第2オシレータ36.2は、1つの同一のものであることができ、または別々のものであることができ、同一または異なる波形で、同一または異なる周波数において作動することができる。磁気センサ10の他の配置を、第1磁気センサ信号60または第2磁気センサ信号80を供給するのに用いることができ、例えば、米国特許第6,407,660号、第6,433,688号、第6,587,048号、第6,777,927号に記載のようにして用いることができ、これらは本明細書に参照として組み込まれる。
【0008】
例えば、他の態様において、磁気センサ18、68は、ドア24、74の上に、ドア24、74の内部に、またはドア24、74とフレーム48の間のギャップ52の近くのフレーム48上に、配置可能である。1つのコイルを囲む金属の位置の変化は、測定値をモニタリングすることにより検知可能であり、例えば、時間変化する電圧により例えば一定増幅で励起された場合において、該コイルの自己インダクタンスの測定値、またはこれに応答する1つまたは2つ以上の測定値をモニタリングすることにより検知可能である。別の言い方をすると、1つのコイルは、関連する磁界を生成および検知することの両方に作用することができ、これは、該コイルを流れる電流がそのインダクタンスの変化に応答し、それによってインダクタンスは、コイル自体の特性および、関連する磁界に影響を及ぼすコイルの近傍の導電材料および/または強磁性材料(例えば、スチールまたはアルミニウムなどの金属)の形と位置の両方に、応答するためである。
【0009】
他の例として、さらに他の態様において、第1オシレータ36.1および/または第2オシレータ32.2は、パルス源で置き換えることもでき、それによってパルス増幅は、十分な信号対雑音比を提供するように適合することができ、またパルス幅は、電力消費を低減するように適合することができる。
他の例として、さらに他の態様において、第1磁気衝突センサ10.1および/または第2磁気衝突センサ10.2は、必ずしも、関連する第1オシレータ36.2または第2オシレータ36.2を、または第1復調器56.1または第2復調器56.2を組み込む必要はなく、代わりに、関連する第1磁気センサ信号60および第2磁気センサ信号80は、磁気ひずみ信号、磁気コイルペア信号、強磁性衝撃信号、またはその他の、解析前にそれから情報を抽出しなければならないキャリアを有していない、時間変化する磁気信号に応答することもできる。
【0010】
車両12の特定の側に1つの磁気衝突センサ10を有する車両12においては、第1磁気衝突センサ10.1からの第1磁気センサ信号60が、また、車両12の特定の側に2つの磁気衝突センサ10を有する車両12においては、第1磁気衝突センサ10.1および第2磁気衝突センサ10.2からの第1磁気センサ信号60および第2磁気センサ信号80が、例えば図2のフローチャートに示される磁気衝突検知アルゴリズム200に従って処理され、これは、車両12のそれぞれの側に対して別々に実施される。
【0011】
図2を参照すると、ステップ(202)から始まり、関連するプロセッサ62は第1磁気センサ18または第2磁気センサ68の位置における関連する磁束40に応答して、第1磁気センサ信号60または第2磁気センサ信号80のi番目のサンプルを抽出する。例えば、1つの態様における6KHzのサンプリングレートにより、生のサンプル信号における中〜高周波数成分を提供する。説明のためにこの信号はY(i)として示され、これは、どちらが処理されるかによって第1磁気センサ信号60または第2磁気センサ信号80のいずれかのサンプリングに対応する。
【0012】
次に、ステップ(204)において、サンプル信号Y(i)は、比較的低い周波数のフィルタ、例えば十分広い関連時間窓を有する移動平均フィルタ(running average filter)を用いて、第1フィルタによりフィルタリングして、生の磁気信号からノイズを除去する。このフィルタは、ノイズの減少と比較的速い第1ステップ応答の提供と、比較的速い計算の提供との間のバランスを取るように適合される。例えば、1つの態様において、第1フィルタは約6ミリ秒の窓を有し、これは、約100Hzのローパスカットオフ周波数に対応する。このフィルタの第2の態様は、例えば50〜250Hzの、比較的低い周波数成分を有する信号を生成する帯域通過フィルタセットであることができる。第1フィルタの出力は、第1フィルタ信号Y(i)である。
【0013】
次に、ステップ(206)において、ステップ(212)の後に衝突検出アルゴリズム中心部(214〜250)に既に入っており、その後ステップ(252)でそこから出ていない場合は、プロセスはステップ(216)に継続される。そうでなければ、ステップ(208)において、第1フィルタ信号Y(i)、または、サンプル信号Y(i)(例えば、約1Hzのローパス信号)から得られた他の同様に比較的長い時定数/低い周波数信号から、ドアの開閉状態を検出する。ドア24、74(または、2ドア式車両12におけるドア24のうちの1つ)の比較的ゆっくりした動きは、関連する第1フィルタ信号Y(i)の大きさから追跡することができる。ドア24、74が開かれる場合、磁束40は磁気センサ18、78と反応し、それに関連して変化が、通常は減少が、予測可能な様式で生じる。2ドア式車両12の場合、ドア24の開きの量(すなわち、開きの回転の角度)は、ドア角度の関数として知られている、予め決定された信号の大きさを含む較正データとの比較によって決めることができる。4ドア式車両12の場合、車両12の所定の側のドア24、74の開きの量は、車両12の特定の側からの第1磁気センサ信号60または第2磁気センサ信号80を関連する較正データと比較して推定し、関連するドア24、74の関連するドア状態を決定し、これによってドア状態を、完全に閉じた状態、部分的に閉じた状態、または開いた状態として分類して提供する。第1磁気衝突センサ10.1および第2磁気衝突センサ10.2が、車両12のドア24、74の内部に位置するコイル14、64を含み、関連する第1磁気センサ信号60または第2磁気センサ信号80は、コイル14、64の自己インダクタンスに応答し、このコイル14、64が、関連するドア24、74の、車両12のフレーム48に対する相対的な位置に実質的に応答しない場合は、磁気衝突検知アルゴリズム200のステップ(208)および(210)は、第1磁気センサ信号60または第2磁気センサ信号80を処理するときに省略されることに留意されたい。
【0014】
一般に、これらの可能なドア状態の組合せの各々に対して、第1磁気センサ信号60および第2磁気センサ信号80の解釈は、車両製造業者の仕様に従って、不意の展開を避けるよう、展開閾値を変更するよう、または安全拘束アクチュエータ82を一時的に無効にするように調節することができる。ドア24、74のドア状態の認識は、ドア24、74が完全に閉じられていないときに、ドアをバタンと閉めることや他の「誤用事象」に応答して、安全拘束アクチュエータ82(単数または複数)が不意に作動されることを防ぐ。可能なドア状態のうちの1つに帰することのできない磁束40のレベルは、システム障害または、ドア24、74の特性または形状が許容レベルを超えて変化したことを示唆する可能性がある。磁束40の異常レベルの測定に応答して、プロセッサ62はインジケータ84を用いるか、またはアラームを用いて、車両の乗員にシステム障害の可能性を警告する。かかる認識は、かかる障害が起きた後比較的短時間に、例えば数秒内に可能であり、かかる障害のモニタリングは、システムがアクティブの間連続的に行うことができる。
【0015】
一般に、ドア24、74が開いている場合、関連する安全拘束アクチュエータ82は関連する乗員の保護のために正しく動作できないため、通常は該アクチュエータはドア24、74が閉められるまで無効にされねばならない。さらに、バタンと閉められたドア24、74は、誤って衝突と解釈される可能性のある関連する大きな信号の原因となり得る(自己インダクタンスモードで動作する関連コイル14、64が、ドア24、74の内部に配置されていない場合)。例えば、図3は、それほど悪くないケース状態(less than worse case condition)に従って液圧ロボットによりバタンと閉められた前部ドア24に応答して生成された第1磁気センサ信号60を示し、ここで、得られた第1磁気センサ信号60の大きさは、関連する衝突検出閾値に近づく。従って、1つの態様において、ドア24、74のどちらかが、開状態であるかまたは車両12の特定の側でバタンと閉められたことが検出されると、衝突検出アルゴリズムは、安全拘束アクチュエータ82、例えば車両12の関連する側のサイドエアバッグインフレータの作動を防ぎ、これによってその不意の展開を防ぐ。ドア24、74の位置に対する第1磁気センサ信号60または第2磁気センサ信号80の応答性は、ドア24、74が開いているか、または完全に閉められていないことを運転者に示唆するために用いることができ、また、車両内部照明の作動を制御し、従来の半ドアスイッチを置き換えることができる。かかる半ドア検出機能はまた、電力節約のために低いデューティサイクルで磁界が適用されている場合に車両12が作動されないときにも、発揮されることができる。
【0016】
ドア24、74が部分的に閉じられている場合、衝突に応答する、対応する第1磁気センサ信号60または第2磁気センサ信号80の大きさは、完全に閉じられたドア24、74に対するそれより実質的に大きくなり得る。しかし、部分的に閉じた状態が検出された場合は、この条件は、以下により詳細に記載されるように、関連する差別化閾値を調節することにより、補償することができ、重大な非衝突事象(「誤用事象」ともいう)に応答した安全拘束アクチュエータ82の不意の展開を避けることができる。自己インダクタンスモードで作動され、ドア24、74の内部に配置されたコイル14、64の衝撃応答の大きさは、ドア24、74の閉状態(すなわち完全に閉じられているか、部分的に閉じられているか)には実質的に影響されない。
【0017】
図4を参照すると、Bピラー32近傍の第1磁気センサ18からの第1磁気センサ信号60は、前部ドア24の角度に応答し、後部ドア74の角度からはほぼ独立している。従って、第1磁気センサ信号60の大きさから、特に関連する第1フィルタ信号Y(i)から、例えば図4に示される較正データを用いて、前部ドア24の角度を推定することができる。第1磁気センサ信号60の感度は、大きいドア角度より小さいドア角度に対してより高く、約15度未満の角度に対しては、ドア角度は比較的正確に推定できる。前部ドア24の関連するドア状態を十分正確に推定するためには、ドア角度以外の影響、例えば温度または前部ドア24への近時の機械的変化などによる影響で引き起こされる、比較的短期間の信号オフセットを、約±1度と同等以内に維持することが好ましい。下垂したドアや蓄積された損傷などの影響によって生じる長期間の信号オフセットは、オフセットの時系列モニタリングによって特徴付けることができ、信号からオフセットを差し引くことにより補償できる。ドア整列の経時変化を調節する他の方法は、少なくとも1つの第1コイル14に印加される電圧を、その中を通る、対応して得られる電流と比較することである。ファラデーの法則を用いて、隣接する金属(すなわち、ドア24と少なくとも1つの第1コイル14の第1位置16との間の局所的ギャップ)の接近に影響される少なくとも1つの第1コイル14のインダクタンスLと、少なくとも1つの第1コイル14を通る電圧(V)および電流(I)との間の関係を導くことができる(すなわち、V=L*dI/dt)。少なくとも1つの第1コイル14内の既知の電流(I)および電圧(V)から導かれるコイルインダクタンスの測定値は、第1磁気衝突センサ10.1の予測される応答を、ドア角度の関数として適合させることを提供できる。
【0018】
図5を参照すると、Cピラー78近傍の第2磁気センサ68からの第2磁気センサ信号80は、後部ドア74の角度の強い関数であり、また前部ドア24の角度の関数である。従って、第2磁気センサ信号80は、前部ドア24の角度に大きく応答するため、前部ドア24の角度および関連するドア状態が初めに決定され、次に後部ドア74の角度決定に用いられる。前部ドア24のドア状態が開である場合、例えば、約3度より大の角度を有する場合、後部ドア74のドア状態は決定する必要はなく、なぜならば、この場合、車両12のこの側の安全拘束アクチュエータ82はどちらにしても無効にされているからである。前部ドア24のドア状態が完全に閉または部分的に閉のどちらかである場合、後部ドア74の角度は、第2磁気センサ信号80のオフセットから、例えば図5に示されるような較正データを用いて決定することができる。前部ドア24の場合と同様、後部ドア74の関連するドア状態を十分正確に推定するためには、ドア角度以外の影響、例えば温度または後部ドア74への近時の機械的変化などによる影響で引き起こされる、比較的短期間の信号オフセットを、約±1度と同等以内に維持することが好ましい。下垂したドアや蓄積された損傷などの影響によって生じる長期間の信号オフセットは、オフセットの経時モニタリングによって特徴付けることができ、信号からオフセットを差し引くことにより補償できる。
【0019】
図2に戻ると、ステップ(208)における前部ドア24および後部ドア74のドア状態の推定に続き、ステップ(210)において、前部ドア24または後部ドア74が開いているかまたはバタンと閉められたことが検出された場合、衝突検出アルゴリズム中心部(214〜250)には入らず、代わりに、ステップ(202)を繰り返す。例えば、1つの態様において、ドアをバタンと閉めた状態の潜在的悪影響を、これを始めに検出した後の短時間、部分的に閉または閉のドア状態の確認を遅延させることにより、避けることができる。
【0020】
そうでなければ、前部ドア24および後部ドア74が部分的に閉または完全に閉のどちらかの場合、ステップ(212)において、衝突検出アルゴリズム中心部(214〜250)開始の基準、すなわち、入口基準が満たされていれば、次に、ステップ(214)から開始して、衝突検出アルゴリズム中心部(214〜250)に入る。例えば、第1フィルタ信号Y(i)を、各ドア24、74についてその1つまたは2つ以上の前の値と比較して、もしどちらかのドア24、74について第1フィルタ信号Y(i)の最小割合閾値を超える急激な変化がある場合、そして、第1フィルタ信号Y(i)の大きさが閾値を超える場合、入口基準が満たされている。アルゴリズムの入口要件である、磁気センサ18、68に到達する磁束40の大きさの重大かつ急速な変化は、AC電気的または機械的ノイズの種々の形態を排斥する比較的簡単な方法を提供する。他の例として、1つの態様において、後部ドア74に対する第1フィルタ信号Y(i)の大きさの絶対値が約0.6ボルトの閾値を超えた場合、入口基準が満たされる。図2の磁気衝突検知アルゴリズム200には、入口基準を試験する1つのステップ(212)のみが示されているが、磁気衝突検知アルゴリズム200全体の関連する異なる部分に対して複数の異なる入口基準が存在してもよく、これによって2つ以上の関連のステップが存在することができ、これらのステップにおいて、関連する入口基準が、磁気衝突検知アルゴリズム200の特定の部分を開始するのに必要な対応する基準を満たしているかどうかが決定される。入口に入ると、衝突検出アルゴリズム中心部(214〜250)および関連ステップ(202)および(204)が順番に連続して実施され、これは、ステップ(248)において安全拘束アクチュエータ82が作動されるか、または、衝突検出アルゴリズム中心部(214〜250)がステップ(252)において、関連する識別計量値の減衰値のため、または時間切れ条件のために、出口に至るまで続く。
【0021】
衝突検出アルゴリズム中心部(214〜250)に入ると、ステップ(214)において、磁気衝突検知アルゴリズム200の関連する変数が初期化される。次にステップ(216)において、サンプル信号Y(i)を、例えば第2のローパスフィルタで比較的高いカットオフ周波数でフィルタリングし、生の磁気信号から、例えば移動平均フィルタと比較的狭い関連時間窓を用いて、比較的高い周波数情報を抽出する。例えば、1つの態様において、第1フィルタは、DCから250Hzの範囲の情報を提供する約1.1ミリ秒の窓を組みこんでいる。第2フィルタの出力は、第2フィルタ信号Y(i)である。
【0022】
次にステップ(218)においてAC測定値YACを計算して、車両12の衝撃側の磁気信号から中〜高周波数情報の測定値を提供するが、これは例えば、サンプル信号Y(i)と第2フィルタ信号Y(i)の差の移動平均を、以下に従って計算することにより行う:
【数1】

【0023】
例えば、1つの態様において、Kを、移動平均窓の幅が約5ミリ秒となるように設定する。測定によれば、磁気信号のAC成分の合計は、一般に衝撃エネルギーまたは衝突の程度に関連し、例えば比例する。AC測定値YACは、生データと、磁気信号の変動成分(AC)の測度を提供する中間周波数ローパスフィルタデータとの差の移動平均であり、ドアギャップ速度、振動および衝突によりドア24、74に転送される衝突エネルギーに関連する。他の態様において、第3フィルタ信号Y(i)が、サンプル信号Y(i)の帯域通過フィルタリングまたはハイパスフィルタリングにより生成され、AC測定値YACは、該第3のフィルタ信号Y(i)の移動平均、またはローパスフィルタリングから計算される。さらに他の態様において、AC測定値YACは、第3フィルタ信号Y(i)の時間導関数の測定値Y(i)から、例えばY(i)=Y(i)−Y(i−1)から生成される。従って、AC測定値YACは、元のサンプル信号Y(i)の中〜高周波数成分の近時期間(約5ミリ秒)の測度を提供し、ここで、第2フィルタ信号Y(i)とAC測定値YACの周波数スペクトルは、対応する第1フィルタ信号Y(i)のそれよりもより強く高い周波数成分を示す。
【0024】
言い換えると、少なくとも1つの第2周波数より低い少なくとも1つの第1周波数に対して、比較的低い周波数の第1フィルタ信号Y(i)の成分の少なくとも1つの第1周波数における大きさは、比較的高い周波数の第2フィルタ信号Y(i)またはAC測定値YACの成分の、同一の少なくとも1つの第1周波数における対応する大きさより大であり;そして、比較的低い周波数の第1フィルタ信号Y(i)の成分の少なくとも1つの第2周波数における大きさは、比較的高い周波数の第2フィルタ信号Y(i)またはAC測定値YACの成分の、同一の少なくとも1つの第2周波数における対応する大きさより小さい。特定の用途に依存して、比較的低い周波数の第1フィルタ信号Y(i)、比較的高い周波数の第2フィルタ信号Y(i)またはAC測定値YACに関連するフィルタの周波数範囲は、特定の車両の性質に依存して、必要に応じて種々の衝突および非衝突事象を互いに適切に識別するために、そして必要に応じて適切な検出速度を提供するために、互いに分離することができ、または部分的に重ね合わせることができる。例えばデータは、種々の程度の、種々の衝撃、例えばポール、ソフトバンパー、ECEカート、FMVSS214バリアーなどに対して、および非衝撃事象に対して収集することができ、関連するフィルタの種類およびカットオフ周波数は、磁気衝突検知アルゴリズム200の他のパラメータと共に調節することができ、必要な場合にはタイムリーな安全拘束作動信号を生成し、必要でない場合には安全拘束作動信号を生成しないようにすることができる。
【0025】
次にステップ(220)から、第1フィルタ信号Y(i)の大きさが閾値を超える場合には、ステップ(222)〜(226)において、比較的高い周波数のAC測定値YACを、比較的低い第1フィルタ信号Y(i)と例えば線形に組み合わせて、前部ドア24または後部ドア74に対応してそれぞれ第1衝突計量値(メトリック)MまたはMを形成する。その他の場合はステップ(228)において、第1衝突計量値MまたはMに対し、対応する第1フィルタ信号Y(i)の値を設定する。ステップ(220)の要求事項は、非衝突条件の際に、高い周波数ノイズ(これは著しいDC成分を有することが期待されていない)が第1衝突計量値MまたはMを誤って強調する可能性を低減する。
【0026】
より具体的には、ステップ(222)において、係数aおよびbの値を決定する。これらの係数は、ステップ(226)において用いられて、以下のように第1衝突計量値MまたはMを算出する:
B,C=a・Y+β・b・YAC (2)
ここでβは遷移平滑化(transition-smoothing)係数であり、遷移平滑化アルゴリズムに従ってステップ(224)で決定される。一次結合に関連する係数aおよびbは、車両の特定の種類に特異的であり、「誤用事象」に関連する衝突および非衝突データから決定される。係数aおよびbは、第1衝突計量値MまたはMにおける、比較的低い周波数の第1フィルタ信号Y(i)と比較的高い周波数のAC測定値YACの、相対的重み付けまたは寄与を決定する。例えば、特定の車両用途について、サンプル信号Y(i)の高い周波数成分が、衝突の程度についてより信頼性が高く再現可能な示唆を与える場合は、bの値をaより大きく設定して、第1衝突計量値MまたはMにおける高い周波数情報を比較的強調することもできる。ある態様において、係数aおよびbは定数であってよい。他の態様に置いて、係数aおよびbの符号および大きさは、第2フィルタ信号Y(i)の符号または値の、時間動態関数であることができる。
【0027】
例えば、ステップ(220)〜(228)の1つの態様において、後部ドア74に関連する第1フィルタ信号Y(i)の大きさが閾値以下である場合、ステップ(226)において、第1衝突計量値MまたはMは対応する第1フィルタ信号Y(i)に等しく設定される。そうでない場合は、ステップ(222)において、前部ドア24に対してa=1およびb=1、および後部ドア74に対してa=1およびb=−1であり、ここで閾値レベルはステップ(212)の入口基準と同一である。言い換えれば、
もし|Y|≦DC_Thresholdならば、 (3.0)
=YおよびM=Yであり、 (3.1)
そうでなければ、 (4.0)
=Y+YACおよびM=Y−YACである。 (4.1)
【0028】
他の態様によれば、さらなる条件が以下のように設定される:
もしY<ThresholdまたはY<Thresholdならば、 (5.0)
式(3.0−3.1)および(4.0−4.1)が成り立ち、 (5.1)
そうでなければ、もしY>Thresholdであれば、 (6.0)
≦DC_Thresholdならば、式(4.1)であり、 (6.1)
そうでなければ、もしY≦−DC_Thresholdならば、
=Y−YACおよびM=Y+YACであり、(6.2)
そうでなければ、式(3.1)による。 (6.3)
ここで、1つの態様において、Thresholdは約−2.3Vであり、Thresholdは−1〜+1Vの間である。
【0029】
ステップ(224)において、遷移平滑化アルゴリズムは、ステップ(226)において第1衝突計量値MまたはMにAC測定値YACを含むことと、ステップ(228)において第1衝突計量値MまたはMからAC測定値YACを除外することとの間において、遷移効果の平滑化を提供する。より具体的には、遷移平滑化アルゴリズムは、式(2)における遷移平滑化係数βの値を、以下のうちから決定する:a)0.0〜1.0の間の値に拘束する、b)0.0に初期化する、c)ステップ(220)の結果が肯定的である場合の各繰り返しに対して、例えば0.04〜1.0の間(すなわち、平滑化なし)、例えば0.09(すなわち9%)の係数により増加させる、d)ステップ(220)の結果が否定的である場合の各繰り返しに対して、同じ係数により減少させる。
【0030】
次にステップ(230)において安全基準を評価して、関連する安全拘束アクチュエータ82の作動を可能とするかどうかを決定するための独立した基準を提供する。特定の安全対策は車両製造業者の要件に依存するが、1つの態様によれば、安全対策は、単一の失敗が、関連する安全拘束アクチュエータ82の不意の作動を引き起こす原因となることを防ぐように適合される。安全基準の評価は独立のプロセッサによって実施され、プロセッサ62が失敗して不意の展開を引き起こす可能性を取り除く。1つの態様によれば、安全対策は、第1磁気センサ信号60および第2磁気センサ信号80が互いに救済するように用いられるように適合される。
【0031】
さらに、第1コイルドライバ34.1および第2コイルドライバ34.2からの信号、例えば、関連する電流および電圧をモニタリングして、関連する第1コイル14および第3コイル64の動作を確認する、例えば、コイルおよび関連する信号の忠実度(fidelity)および操作性の確認、および関連するノイズレベルをモニタリングする。例えば、図1を参照すると、第1コイルドライバ34.1からの1つまたは2つ以上の信号、例えば、少なくとも1つの第1コイル14を通る電流および/またはそれを横切る関連する電圧の測定値を、少なくとも1つの関連する第3復調器86.1に動作可能に結合し、その出力を、関連する少なくとも1つの第3アナログ−デジタル変換器88.1に動作可能に結合し、その出力を、プロセッサ62に動作可能に結合して、少なくとも1つの第1コイル14の動作を確認するのに必要な信号を提供する。同様に、第2コイルドライバ34.2からの1つまたは2つ以上の信号、例えば、少なくとも1つの第3コイル64を通る電流および/またはそこに渡る関連する電圧の測定値を、少なくとも1つの関連する第4復調器86.2に動作可能に結合し、その出力を、関連する少なくとも1つの第4アナログ−デジタル変換器88.2に動作可能に結合し、その出力を、プロセッサ62に動作可能に結合して、少なくとも1つの第3コイル64の動作を確認するのに必要な信号を提供する。
【0032】
1つの態様によれば、関連するコイルドライバ34.1、34.2が実質的にノイズを含まない信号を適切な振幅および周波数で生成しており、第1磁気センサ信号60および第2磁気センサ信号80の両方が実質的に正常な信号レベルおよび経時変化を示していれば、特定の磁気衝突センサ10.1、10.2についての安全基準は満たされている。
【0033】
他の態様によれば、第1コイル14または第3コイル64を通る電流は、2つの測定値、TXRAおよびTXRA_ABSを計算するために処理され、これらはそれぞれ、この電流の移動平均大きさと、この電流の大きさの絶対値であって、ここで移動平均は、例えば1〜7ミリ秒、例えば5ミリ秒の期間で計算される。ThresholdRA1<TXRA<ThresholdRA2でかつTXRA_ABS<ThresholdRA3である場合、対応する第1コイル14または第3コイル64からの電流信号は有効であると考えられ、対応する第1コイル14または第3コイル64は動作可能であると考えられる。また、実質的に同時に、第1磁気センサ信号60および第2磁気センサ信号80の両方について|Y|>Threshold_YB,Cおよび|YAC|>Threshold_YACB,Cである場合、安全基準は満たされていると考えられ、この状態はある期間、例えば予め定められた期間である30ミリ秒間ラッチされる。TXRAまたはTXRA_ABSについての条件が両方とも後に満たされなくなった場合、安全条件はその後実質的に直ちに解除される。そうでなければ、他の4つの条件の任意のものが満たされなくなった場合、安全条件は、ある時間経過の後に、その期間に6つの全安全条件が再度満たされない限り、ラッチが解除される。
【0034】
次に、ステップ(232)において、車両12が2つ(または3つ以上)のドアを有する場合、例えばその片側に1つの前部ドア24および1つの後部ドア74を有する場合、ステップ(234)において、対応する第1磁気センサ18および第2磁気センサ68からの関連する第1磁気センサ信号60および第2磁気センサ信号80を用いて、ステップ(202)〜(230)を各ドア24、74について実行し、各ドア24、74に対する第1衝突計量値MまたはMを決定する。
【0035】
次に、ステップ(236)において、車両12が2つ(または3つ以上)のドアを有する場合、第2衝突計量値Mを、組合せから、例えば車両12の同じ側の異なるドア24、74に対応する第1衝突計量値MおよびMの一次結合から計算する。例えば、1つの態様において、第2衝突計量値Mは、
=c・M+d・M (7)
によって与えられ、式中、cおよびdは、車両の種類に特定の係数である。例えば、1つの態様において、c=−1およびd=1である。車両が1つのドア24のみを有する場合、ステップ(232)から、ステップ(238)において、第2衝突計量値Mは第1衝突計量値Mに等しい(1つの側に任意数のドアを有する車両との関連で一般的磁気衝突検知アルゴリズム200を記載する目的のために、1つの側に1つのドア24のみを有する2ドア車両12において、異なる第1衝突計量値Mおよび第2衝突計量値Mを有する必要はない)。
【0036】
次に、ステップ(236)または(238)のどちらかから、ステップ(240)において、第1衝突計量値MB,Cおよび第2衝突計量値Mの値を減衰させて(damped)、得られた第1減衰衝突計量値(メトリック):
【数2】

および第2減衰衝突計量値:
【数3】

を、それぞれ時間と共に、事象が弱まった後に重大でないレベルまで減衰させるが(attenuated)、ただし、この衝突の結果関連する金属の曲げが起こるような事象であったとしても、安全拘束アクチュエータ82の作動を正当化するのに十分な強さの側面衝突は起きなかった場合である。減衰は、安全拘束アクチュエータ82の作動を正当化するのに十分な強さではない衝突事象の後に、ステップ(250)においてアルゴリズムから出ることを容易にする。
【0037】
例えば、1つの態様において、減衰係数αは、アルゴリズムに入る時の第1フィルタ信号Y(i)の絶対値の和によって与えられ、対応する衝突計量値Mは、この減衰係数αと第1フィルタ信号Y(i)の積によって、次のように与えられる。
【数4】

ここで、CおよびCは定数である。
【0038】
他の例として、他の態様において、減衰係数αは、アルゴリズムの入口から開始するAC測定値YACの積分、または、アルゴリズムの入口からのサンプル数の定数倍から、比較的長い時間窓、例えば10ミリ秒より大を用いて計算したAC測定値YACの移動平均を引いたもの、を含むことができる。
【0039】
さらに他の例として、アルゴリズムの入口の後、後部ドア74に関連する第2磁気センサ信号80からの第1フィルタ信号Y(i)の絶対値が、閾値、例えば0.75を超えた場合、減衰プロセスが開始され、この時点で、和の値σ(0)が初期値σに、例えば、σ=300に初期化される。次に、続く各々の繰り返しに対して、第2減衰衝突計量値:
【数5】

が、次のように計算される:
【数6】

ここで、γは減衰修飾係数であり、例えば特定の態様に対して0.7の値を有し、そしてY(i)は、第1磁気センサ信号60に基づく、第1フィルタ信号Y(i)の値である。
【0040】
次に、ステップ(242)において、磁気衝突検知アルゴリズム200は、展開閾値を、ステップ(208)で検出されたドア状態の関数として適合させる。例えばドア24、74のうちの1つが、完全に閉じられるのでなく部分的に閉じられている場合、第2減衰衝突計量値:
【数7】

の大きさは、両方のドアが完全に閉じられている場合より大きく、両方のドアが部分的に閉じられている場合よりも小さいであろう。従って展開閾値は、車両12の特定の側のドア状態の組合せに適合するように調節することができ、ここで1つの態様において、閾値は、両方のドア24、74が完全に閉じられている場合に最も低く、両方のドア24、74が部分的に閉じられている場合に最も高く、そして1つのドアが完全に閉じられ、他のドアが部分的に閉じられている場合にその中間である。自己インダクタンスモードで作動し、ドア24、74の内側に配置されたコイル14、64に関連する、第1磁気センサ信号60および第2磁気センサ信号80に対しては、事前設定された閾値スキームがステップ(242)の代わりに用いられる。
【0041】
次に、ステップ(244)において、第1減衰衝突計量値:
【数8】

および第2減衰衝突計量値:
【数9】

およびAC測定値YACを、関連する閾値レベル(正および負)と比較して、1つの態様においては、各計量値または測定値が、連続繰り返しの少なくとも特定の最小値を超える場合において、それぞれの閾値を超える場合、次に、ステップ(246)において、ステップ(230)からの安全基準がまた同時に満たされる場合、次に、ステップ(248)において、適切な1つまたは2つ以上の安全拘束アクチュエータ82が展開される。1つの態様において、安全拘束アクチュエータ82が作動されるためには、ステップ(244)における展開閾値の充足も、またステップ(246)において安全基準の充足もTRUEをラッチせず、しかし代わりに、両方の基準は同時にTRUEでなければならない。他の態様において、種々の衝突計量値と他の測定値のその他の論理的組合せが、作動の決定に用いられる。例えば、他の態様において、作動の決定は1つまたは2つ以上の種々の衝突計量値と測定値により制御するでき、または、安全基準の満足がTRUEをラッチできるため、ステップ(244)において展開閾値が満たされた場合に安全拘束アクチュエータ82の作動が生じるが、これは、安全基準がアルゴリズムの入口の後、初期に満たされていた場合である。
【0042】
そうでなければ、ステップ(244)またはステップ(246)のどちらかから、ステップ(250)において出口基準が満たされた場合、衝突検出アルゴリズム中心部(214〜250)はステップ(252)において出口を出て、磁気衝突検知アルゴリズム(200)はステップ(202)に続き、ここで、ステップ(206)の次のエントリーの際、アルゴリズムは、第1フィルタ信号Y(i)の条件に応答して入口基準が再度満たされるまで不実行(すなわち、入らない)と指示され、この第1フィルタ信号Y(i)は、ステップ(202)において第1磁気センサ18または第2磁気センサ68が取得されると、続くステップ(204)において連続して計算される。例えば、1つの態様に従って、第1フィルタ信号YおよびY、関連するAC測定値YACおよびYAC、および減衰衝突計量値Mが、衝突検出アルゴリズム中心部(214〜250)の特定の繰り返し数に対して関連する閾値よりも小さい場合に、または、ステップ(212)のアルゴリズム入口からの時間がタイムアウト閾値を超えた場合に、出口基準は満たされる。
【0043】
上記の磁気衝突検知アルゴリズム200は、種々の方法により実現可能であり、本発明の範囲内で改変することができる。
例えば、第1フィルタ信号Y(i)およびAC測定値YACは、それぞれが異なる衝突計量値であるかのように、別々に処理することができる。これら個別の計量値は次に、別々に減衰され(ステップ(240))、個別の展開閾値と別々に比較される(ステップ(244))。これらの計量値は、代替的に、第2磁気センサからの同様の計量値と組み合わせることもでき、2つのM計量値:低周波数および高周波数のM計量値を生成する(ステップ(236)の例に続いて)。この代替的な個別の信号処理により、より個別の計量値を生成でき、アルゴリズムは少し複雑化されるが、しかし展開条件の設定においてさらに柔軟性を提供する。
【0044】
他の例として、付加的なフィルタ信号を、生データから異なる窓移動平均を用いて得ることにより、ハイパス周波数フィルタリングの時間ドメイン等価物(time domain equivalent)を生成することができ、または他の種類のフィルタ、例えば1つまたは複数の極性ローパスまたは帯域フィルタ、他のデジタルフィルタ、例えばFIRまたはIIR、またはフーリエ変換フィルタなどを用いることができる。幾つかのかかるフィルタ信号は、互いに組み合わせて、または生データ信号と組み合わせて、所望の周波数帯域に関連する測定値を与える。かかる付加的な周波数解析および得られる測定値は、特定の車両プラットフォームまたは磁気システムの実装の位置および方法に必要とされる場合があり、これらは関連する衝突データおよび非衝突「誤用事象」からのデータに基づく。
【0045】
磁気衝突検知アルゴリズム200は、磁気衝突センサからの磁気衝突信号を処理する方法を提供し、特定の衝突事象についての、衝突の程度および関連する衝突の種類(例えば、ポール衝突(pole crash)対バリアー衝突(barrier crash))の両方について、迅速かつリアルタイムな決定を提供する。磁気衝突検知アルゴリズム200は、1つまたは2つ以上の安全拘束アクチュエータ(82)の作動を、乗員に対し衝突からの保護を提供するために比較的初期の必要な時に提供し、一方、弱い程度の衝突事象(乗員の負傷可能性によって決定される)を識別して、1つまたは2つ以上の安全拘束アクチュエータ(82)の不意または不要な作動を避け、特に、リセット不能な1つまたは2つ以上の安全拘束アクチュエータ(82)の作動を避け、すなわち、複数の衝突事象に対して再使用可能とする。磁気衝突検知アルゴリズム200はまた、電磁誘導、または比較的小さい質量だが高速の物体による局所的衝撃を含む、外部の電気的および機械的「誤用事象」に対する免疫を提供する。関連する磁気衝突センサ10.1、10.2は、分散型の衝突検知を提供し、これは、より局所的な衝突センサを用いる衝突検知システムに有害な影響を与える、局所的な機械的または電気的妨害に対して、感度を有利に低くすることができる。
【0046】
関連する磁気衝突センサ信号60、80の極性は、種々の種類の衝突を識別するために用いることができる情報を提供する。例えば、1つの態様において、測定データは、車両に対する重大な侵入の原因となる局所的な衝撃が正の衝突計量極性を与え、一方、より広い表面衝撃は、負の極性の衝突計量値を与えることを示唆する。ポール状の衝撃は正の極性として識別され、カート状の衝撃(cart-like impact)は負の極性として識別される。ドアの動きおよび圧壊は衝突の種類によって異なり、通常受信されるよりさらに受信側センサに到達する、多少とも磁性の信号(磁束40)に対応する、逆の符号の信号を潜在的に生成する。
【0047】
具体的な態様が詳細に記載されているが、当業者は、これらの詳細に対する種々の改変および代替が、本開示の全体的な教示に照らして開発可能であることを理解するであろう。例えば、磁気衝突検知アルゴリズム200は、本明細書において側面衝突検出の文脈で記載されているが、同様のアルゴリズムを用いて、車両の任意の位置の衝撃を、適切な関連する磁気衝突センサハードウェアを用いて検出することができる。従って、開示された特定の配置は、例示のみを意味し、本発明の範囲について限定するものではなく、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲および、その任意の全ての等価物の全範囲について与えられるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】車両の磁気衝突センサの概略ブロック図である。
【図2】磁気衝突検知アルゴリズムのフローチャートを示す図である。
【図3】車両の前部ドアに関連する磁気衝突センサの、比較的高速で前部ドアをバタンと閉めたことに応答する、磁気センサからの信号のプロットを示す図である。
【図4】関連する後部ドアの種々の開き角度の場合に、比較的高速で前部ドアをバタンと閉めたことに応答する、車両の前部ドアに関連する磁気衝突センサの、磁気センサからの信号のプロットを示す図である。
【図5】関連する前部ドアの種々の開き角度の場合に、比較的高速で後部ドアをバタンと閉めたことに応答する、車両の後部ドアに関連する磁気衝突センサの、磁気センサからの信号のプロットを示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁気回路の状態を検知する方法であって、
a.少なくとも1つの磁気回路内の少なくとも1つの磁界に応答して少なくとも1つの信号を生成すること;
b.前記少なくとも1つの信号を少なくとも1つの第1フィルタでフィルタリングして、対応する少なくとも1つの第1フィルタ信号を生成すること;
c.前記少なくとも1つの信号を少なくとも1つの第2フィルタでフィルタリングして、対応する少なくとも1つの第2フィルタ信号を生成することであって、ここで前記少なくとも1つの第1フィルタおよび少なくとも1つの第2フィルタは、少なくとも1つの第1周波数における前記少なくとも1つの第1フィルタ信号の成分の大きさが、前記少なくとも1つの第1周波数における前記少なくとも1つの第2フィルタ信号の成分の大きさより大きく、また、少なくとも1つの第2周波数における前記少なくとも1つの第2フィルタ信号の成分の大きさが、前記少なくとも1つの第2周波数における前記少なくとも1つの第1フィルタ信号の成分の大きさより大きくなるように適合されており、前記少なくとも1つの第2周波数は、前記少なくとも1つの第1周波数より高いものである、前記対応する少なくとも1つの第2フィルタ信号を生成すること;および
d.前記少なくとも1つの第1フィルタ信号に応答し、および前記少なくとも1つの第2フィルタ信号に応答して、前記少なくとも1つの磁気回路の状態を検知すること、
を含む、前記方法。
【請求項2】
少なくとも1つの信号が、少なくとも1つの磁気回路の少なくとも1つの第1位置に動作可能に関連する少なくとも1つの磁気センサにより生成され、前記少なくとも1つの磁界の少なくとも一部は、前記少なくとも1つの磁気回路の第2位置に動作可能に関連する少なくとも1つの第1コイルにより生成される、請求項1に記載の磁気回路の状態を検知する方法。
【請求項3】
少なくとも1つの信号が、少なくとも1つの磁気回路に動作可能に関連する少なくとも1つの第1コイルの自己インダクタンスに応答する、請求項1に記載の磁気回路の状態を検知する方法。
【請求項4】
少なくとも1つの信号が、少なくとも1つの時間変化する磁界に応答し、前記少なくとも1つの時間変化する磁界の少なくとも一部は、少なくとも1つの磁気回路において、前記少なくとも1つの磁気回路に動作可能に関連する少なくとも1つの第1コイルによって、前記少なくとも1つの第1コイルに動作可能に関連する少なくとも1つの時間変化する信号に応答して生成される、請求項1に記載の磁気回路の状態を検知する方法。
【請求項5】
少なくとも1つの信号を生成する動作が、少なくとも1つの磁界に応答して少なくとも1つの信号を復調することを含む、請求項4に記載の磁気回路の状態を検知する方法。
【請求項6】
少なくとも1つの磁気回路が車両のボディを含む、請求項1に記載の磁気回路の状態を検知する方法。
【請求項7】
少なくとも1つの磁気回路が車両の少なくとも1つのドアを含む、請求項6に記載の磁気回路の状態を検知する方法。
【請求項8】
少なくとも1つの磁気回路の状態を検知する動作が、入口基準および出口基準を有する検知アルゴリズムを含み、前記入口基準を満たした時以降に前記検知アルゴリズムに入り、前記出口基準を満たした時以降に前記アルゴリズムから出る、請求項1に記載の磁気回路の状態を検知する方法。
【請求項9】
入口基準を満たすことが、少なくとも1つの第1フィルタ信号に応答するものである、請求項8に記載の磁気回路の状態を検知する方法。
【請求項10】
入口基準を満たした時以降に、検知アルゴリズムに関連する少なくとも1つのデータ要素が初期化される、請求項8に記載の磁気回路の状態を検知する方法。
【請求項11】
少なくとも1つの第2フィルタにより、少なくとも1つの信号をフィルタリングする動作が、入口基準が満たされた後に開始される、請求項8に記載の磁気回路の状態を検知する方法。
【請求項12】
少なくとも1つの第1フィルタ信号から、車両の少なくとも1つのドアの開閉状態を検出することをさらに含み、前記少なくとも1つのドアの前記開閉状態が、前記少なくとも1つのドアが開であるか、または前記少なくとも1つのドアが近時に強制的に閉じられたかのどちらかを含む場合には、前記検知アルゴリズムに入らない、請求項8に記載の磁気回路の状態を検知する方法。
【請求項13】
請求項1に記載の磁気回路の状態を検知する方法であって、少なくとも1つの信号および少なくとも1つの第2フィルタ信号に応答して少なくとも1つのAC測定値を生成することをさらに含み、ここで前記少なくとも1つの磁気回路の前記状態を検知する動作は、前記少なくとも1つのAC測定値に応答する、前記方法。
【請求項14】
少なくとも1つのAC測定値が、少なくとも1つの信号と少なくとも1つの第2フィルタ信号の間の差の絶対値の和を含み、前記の和は近時の期間にわたる、請求項13に記載の磁気回路の状態を検知する方法。
【請求項15】
請求項13に記載の磁気回路の状態を検知する方法であって、少なくとも1つの第1計量値を、少なくとも1つの第1フィルタ信号と少なくとも1つのAC測定値との少なくとも1つの組合せに対応するものとして生成することをさらに含み、ここで前記少なくとも1つの磁気回路の前記状態を検知する動作は、前記少なくとも1つの第1計量値に応答する、前記方法。
【請求項16】
少なくとも1つの組合せにおける少なくとも1つの第1フィルタ信号と少なくとも1つのAC測定値の相対的重み付けが、前記少なくとも1つの第1フィルタ信号に応答する、請求項15に記載の磁気回路の状態を検知する方法。
【請求項17】
少なくとも1つの第1フィルタ信号が閾値を超えない場合には、少なくとも1つの第1計量値を、前記少なくとも1つの第1フィルタ信号に等しく設定する、請求項16に記載の磁気回路の状態を検知する方法。
【請求項18】
少なくとも1つの組合せにおける少なくとも1つの第1フィルタ信号と少なくとも1つのAC測定値の相対的重み付けが遷移平滑化係数に応答し、ここで前記遷移平滑化係数は、前記少なくとも1つの第1フィルタ信号が閾値を超えるかどうかに応答して増加されるか減少される、請求項15に記載の磁気回路の状態を検知する方法。
【請求項19】
遷移平滑化係数が拘束されている、請求項18に記載の磁気回路の状態を検知する方法。
【請求項20】
少なくとも1つの第1計量値を時間と共に減衰させることをさらに含む、請求項15に記載の磁気回路の状態を検知する方法。
【請求項21】
第2計量値を生成することをさらに含み、前記第2計量値は、第1の第1計量値および第2の第1計量値の組合せであり、ここで前記第1の第1計量値は、車両の第1のドアの状態に応答し、前記第2の第1計量値は、前記車両の第2のドアの状態に応答し、ここで前記第1のドアおよび第2のドアは、前記車両の同じ側にある、請求項1に記載の磁気回路の状態を検知する方法。
【請求項22】
第2計量値を時間と共に減衰させることをさらに含む、請求項21に記載の磁気回路の状態を検知する方法。
【請求項23】
少なくとも1つの磁気回路が、衝突の可能性のある車両の少なくとも一部を含み、前記少なくとも1つの磁気回路の状態を検知する動作に応答して、安全拘束アクチュエータを作動させるかどうかを決定することをさらに含む、請求項1に記載の磁気回路の状態を検知する方法。
【請求項24】
車両の少なくとも1つのドアの開閉状態を少なくとも1つの第1フィルタ信号から検出すること、および前記少なくとも1つのドアの前記開閉状態が、前記少なくとも1つのドアが開であるか、または前記少なくとも1つのドアが近時に強制的に閉じられたかのどちらかを含む場合には、安全拘束アクチュエータの作動を防ぐことをさらに含む、請求項23に記載の磁気回路の状態を検知する方法。
【請求項25】
安全拘束アクチュエータを作動させるかどうかを決定する動作が、展開閾値に応答し、前記展開閾値は、車両の少なくとも1つのドアの少なくとも1つのドア開閉状態に応答する、請求項23に記載の磁気回路の状態を検知する方法。
【請求項26】
安全基準が満たされているかどうかを決定することをさらに含み、ここで安全拘束アクチュエータを作動させるかどうかを決定する動作が、前記安全基準が満たされているかどうかを決定する動作に応答する、請求項23に記載の磁気回路の状態を検知する方法。
【請求項27】
少なくとも1つの信号が複数の信号からなり、安全基準が満たされているかどうかを決定する動作が、少なくとも1つの磁界に応答する前記複数の信号に応答し、ここで前記複数の信号の少なくとも2つは、異なる磁気回路に関連する、請求項26に記載の磁気回路の状態を検知する方法。
【請求項28】
安全基準が満たされているかどうかを決定する動作が、少なくとも1つの磁気回路における少なくとも1つの磁界の少なくとも一部を生成するのに用いられる少なくとも1つの信号に応答する、請求項26に記載の磁気回路の状態を検知する方法。
【請求項29】
磁気回路の状態を検知することを提供する方法であって、
a.少なくとも1つの磁気回路内の少なくとも1つの磁界に応答して少なくとも1つの信号を生成することを提供すること;
b.前記少なくとも1つの信号を少なくとも1つの第1フィルタでフィルタリングすることを提供して、対応する少なくとも1つの第1フィルタ信号を生成すること;
c.前記少なくとも1つの信号を少なくとも1つの第2フィルタでフィルタリングすることを提供して、対応する少なくとも1つの第2フィルタ信号を生成することであって、ここで前記少なくとも1つの第1フィルタおよび少なくとも1つの第2フィルタは、少なくとも1つの第1周波数における前記少なくとも1つの第1フィルタ信号の成分の大きさが、前記少なくとも1つの第1周波数における前記少なくとも1つの第2フィルタ信号の成分の大きさより大きく、また、少なくとも1つの第2周波数における前記少なくとも1つの第2フィルタ信号の成分の大きさが、前記少なくとも1つの第2周波数における前記少なくとも1つの第1フィルタ信号の成分の大きさより大きくなるように適合されている、前記対応する少なくとも1つの第2フィルタ信号を生成すること;および
d.前記少なくとも1つの第1フィルタ信号に応答し、および前記少なくとも1つの第2フィルタ信号に応答して、前記少なくとも1つの磁気回路の状態を検知することを提供すること、
を含む、前記方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2007−510134(P2007−510134A)
【公表日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−527115(P2006−527115)
【出願日】平成16年9月20日(2004.9.20)
【国際出願番号】PCT/US2004/030776
【国際公開番号】WO2005/028253
【国際公開日】平成17年3月31日(2005.3.31)
【出願人】(399042247)オートモーティブ システムズ ラボラトリー インコーポレーテッド (28)
【Fターム(参考)】