説明

神経変性障害における脳の健康を保護するための化合物、組成物および方法

本発明の態様は、神経変性障害を治療するおよび/または脳の健康を改善するための化合物、その抽出物および組成物、および、それを使用する方法に関する。特定の実施形態において、前記化合物はザクロフラボノイドである。

【発明の詳細な説明】
【関連出願】
【0001】
本出願は、2009年7月24日に出願された米国特許仮出願第61/228,374号の優先権の利益を主張し、その内容は参照によって本明細書に取り込まれる。
【技術分野】
【0002】
本発明は、神経変性障害における脳の健康を保護するための化合物、組成物および方法に関する。
【背景技術】
【0003】
神経変性障害および脳の健康は、我々の高齢化社会が直面する主要な新しい公衆衛生の難問の1つである。アルツハイマー病(AD)は神経変性障害のうちで非常に一般的なものである。パーキンソン病、ハンチントン病およびALSなどの、いくつかの老化症状は、異常なタンパク質の折り畳みおよび酸化ストレスを含む、一部の病態生理をアルツハイマー病と共有していることが知られている。Sayre,L.M.,G.Perryら(2008年)「酸化的ストレスおよび神経毒性」”Oxidative stress and neurotoxicity.”Chem Res Toxicol 21(1):172−88.
選択的な神経変性だけでなく、ADは、脳における2つの顕著な病変、細胞外の老人斑(SP)、および神経細胞内の神経原繊維錯綜(NFT)の有無によって病理学的に特徴づけられる。SPはアミロイド−β(Aβ)ペプチド(主としてAβ(1−42))を含むが、NFTは、主として二重ラセン状フィラメントの形態の微小管付属タンパク質タウから構成されている。ADの病態生理もまた、アミロイドベータ−−ペプチドAβ(1−40)およびAβ(1−42)−−の可溶性ペプチドの産生の増加を特徴とする。最近のいくつかの調査結果は、神経毒性および損なわれたシナプス伝達が、Aβの可溶性オリゴマーの産生の増加による可能性があることを示唆している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
神経変性障害を治療するおよび/または脳の健康を改善する化合物および組成物のニーズが存在する。そのような化合物は、溶解性、生物学的利用能、および/またはわずかな副作用などの、よい薬学的特性を有することが理想的である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の特定の態様は、化合物、その抽出物および組成物、ならびに神経変性障害を治療および/または脳の健康を改善するためにそれらを用いる方法に関する。特定の実施形態において、前記化合物はザクロフラボノイドである。特定の実施形態において、前記化合物、抽出物および/または組成物は、小繊維形成によって誘発された損傷、または小繊維形成の増加する危険性に関連した疾患または症状の治療、管理または予防のために用いることができる。
【0006】
一態様において、本発明は、本発明の1種または複数の抗凝集化合物を含む、医薬組成物、栄養補助食品製剤、病人用特別食(特殊医療目的の規定食品としても知られる)、機能性食品、食品添加物、または栄養補助食品(植物由来薬物製品としても知られる)などの本発明の化合物または抽出物を含む組成物に関する。組成物はまた、追加の治療剤を含んでいてもよく、または、別の治療化合物と組み合わせて投与されてもよい。本発明の他の態様は、危険のある患者の凝集の阻止に、代表的な老化疾患に関連する脳への損傷に関連する疾患または症状の治療のために、および/または、関連細胞死(dealth)を阻止するおよび/または制御するために使用される、上述の組成物およびラベルおよび/または説明書を含有する包装製品に関する。
【0007】
本発明の追加の態様、実施形態および利点は以下に詳細に説明される。さらに、先の情報および以下の詳細な記載は、本発明の様々な態様および実施形態の単なる例であり、また、特許請求範囲の態様ならびに実施形態の性質および特徴を理解するための概観または枠組みを提供するように意図される。添付の図面は、様々な態様および実施形態についてさらに理解するために含まれており、本明細書に取り込まれ、本明細書の一部を構成する。図面は、明細書の他の部分と一緒に、記載された特許請求範囲の態様および実施形態の原理および作用について説明する役目をする。少なくとも1つの実施形態の様々な態様は、付随の図を参照して以下に説明される。図は具体例および説明のために提供され、本発明の範囲の定義として意図されない。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の選択された化合物を表す図である。
【図2】プニカラギン(Punicalagin)のH NMRスペクトルを表す図である。
【図3】プニカラギンの質量スペクトルを表す図である。
【図4】プニカリン(Punicalin)のH NMRスペクトルを表す図である。
【図5】プニカリンの質量スペクトルを表す図である。
【図6】テリマグランジン(Tellimagrandin)のH NMRスペクトルを表す図である。
【図7】テリマグランジンの質量スペクトルを表す図である。
【図8】コンパウンドAのH NMRスペクトルを表す図である。
【図9】コンパウンドAの質量スペクトルを表す図である。
【図10】ペズンクラギン(Pedunculagin)の質量スペクトルを表す図である。
【図11】相異なる抽出用溶剤を使用して単離された様々な分画を用い、Aβ25−35およびThT蛍光を使用する、凝集の阻止のためのスクリーニング検査の結果を表す図である。
【図12】Aβ25−35の凝集の阻止に対して生理活性が確認された、抽出物中の分子、ならびにそれらのIC50値を表す図である。
【図13】Aβ25−35についてのビトロアッセイの用量反応蛍光においてプニカリンを使用した結果を表す図である。
【図14】Aβ25−35についてのビトロアッセイの用量反応蛍光においてペズンクラギンを使用した結果を表す図である。
【図15】Aβ25−35についてのビトロアッセイの用量反応蛍光においてプニカラギンを使用した結果を表す図である。
【図16】Aβ25−35についてのビトロアッセイの用量反応蛍光においてコンパウンドA(3I)を使用した結果を表す図である。
【図17】Aβ25−35についてのビトロアッセイの用量反応蛍光においてテリマグランジンを使用した結果を表す図である。
【図18】Aβ25−35についてのビトロアッセイの用量反応蛍光においてコリラギンを使用した結果を表す図である。
【図19】プニカラギン(500μg/mLで投薬)を含むことを示すザクロ殻からの分画を使用して、Aβによって誘発された神経毒性の阻止を示すPC12細胞アッセイの結果を表す図である。
【図20】本発明のいくつかのザクロ抽出物のHPLC(254nm)プロファイルを表す図である。
【図21】PC12細胞のβアミロイドに誘発された細胞死アッセイを表す図である。
【図22】抽出物1767のいくつかの下位分画のHPLCプロファイルを表す図である。これらのプロファイルは、ダイオードアレー検出器(DAD)を装備したVarian分析HPLCから250mmx4.6mmφ−0.5μm Varian ”XRS C18”カラムを使用して得られた。使用した溶媒および勾配は、図23に示される。
【図23】HLPC出力を得るために使用された溶媒および勾配を表す(decipts)図;ならびにAβ毒性に抗するPC12細胞生存についての1767の下位分画の生物活性を示すグラフである。下位分画はすべて30μg/mLでアッセイした。下位分画1767−2および1767−3は、最も高い活動を示し、また、HPLCプロファイルの高い類似性を見せるので、さらなる分画および分析のためにそれらをプールした。
【図24】マウスADモデル(4か月で投与開始)のザクロ抽出物31008を用いる、3か月の治療期間の終了時の、モリス水迷路プローブ試験の結果を表す図である。
【図25】マウスADモデル(4か月で投与開始)のザクロ抽出物31008を用いる、3か月の治療期間の終了時の、拡散したアミロイド斑を染色したマウス脳部の結果を表す図である。
【図26】マウスADモデル(2か月で投与開始)の、プニカラギンまたはザクロ抽出物31008(2つの異なる、低用量および高用量)、抽出物61109、および抽出物71109を用いる、3か月の治療期間の終了時の、モリス水迷路プローブ試験の結果を表す図である。
【図27】高齢ラット(抽出物は31008である)を用いる社会認識調査の結果を表す図である。
【図28】高齢ラットを用いたモリス水迷路反転検査(Morris Water Maze reversal test)の結果を表す(抽出物は31008であり、投薬は30μg.mLである)図である。
【図29】コンパウンドAを表す図である。
【図30】極性を高めた様々な溶媒による超音波支援の連続的ザクロ殻抽出を示すフローチャート;および結果として得られた抽出物のHPLCプロファイルを表す図である。これらのプロファイルは、ダイオードアレー検出器(DAD)を装備したVarian分析HPLCから250mmx4.6mmφ−0.5μm Varian”XRS pursuit”ジフェニルカラムを使用して得られた。使用した溶媒および勾配は、図31に示される。
【図31】HLPC出力を得るために使用した溶媒および勾配を表す(decipts)図;ならびにAβ毒性に抗するPC12細胞生存についての殻下位分画の生物活性を示すグラフである。下位分画はすべて500μg/mLでアッセイした。分画1776は、最も高い活性、および非常に興味あるHPLCプロファイル(その主要なピークがプニカラギン類似と見える1777および1778とは別の)を示す。この結果は、プニカラギンと異なる別の化合物が、Aβ誘発された毒性からPC12細胞を保護することができることを示唆し得る。したがって、1776はさらなる分画のために選択した。テリマグランジンは抽出物分画1776中に同定された。
【発明を実施するための形態】
【0009】
発明の特定の態様は、化合物(ならびにそれを含有する抽出物および組成物)および前記化合物、抽出物または組成物の、それを必要とする対象への効果的な投与のための方法に関する。
【0010】
アミロイドーシス
特定の実施形態において、化合物は、Aβペプチド凝集(すなわちアミロイド斑形成)を引き起こすタンパク質折り畳みを阻止する。
【0011】
いくつかの不治の老化関連病または成人病は、「アミロイドーシス」と呼ばれるタンパク質またはペプチドの誤った折り畳み、および凝集の一般的および基本的な病原性のプロセスに関連づけられている。これらはアルツハイマー病、パーキンソン病、およびハンチントン病およびII型糖尿病を含む。これらの疾患中に存在するアミロイドの沈着はこれらの疾患のそれぞれに対して特徴的な特定のペプチドからなるが、しかし、これらの配列に関係なく、アミロイド小繊維は、特徴的なβシート構造を有し共通の凝集経路を共有する。各疾患において、特異タンパク質またはペプチドの誤った折り畳みは、βシート構造を取りオリゴマー化して小繊維形成の途中の可溶性凝集中間体を形成し、究極的に不溶性アミロイド繊維、斑または封入体を形成する。凝集タンパク質またはペプチドのこれらの不溶性形態は、β鎖の分子間会合によってβシートを形成する。最近の証拠は、可溶性アミロイドオリゴマーが神経毒性の主要な原因であり得ることを示唆している。
【0012】
アミロイドーシスは、通常は可溶性のタンパク質が、βシート構造に富み、特徴的な色素結合特性がある小繊維の不溶性沈着として様々な組織に蓄積する疾患として定義される。沈着を含む特定のポリペプチドは各アミロイドーシスに対して異なるが、障害には共通していくつかの主要な特徴がある。これらの中で最も顕著なものは、生体液中では非常に溶けやすいタンパク質が、βプリーツシートコンフォメーションに富む不溶性のフィラメント状ポリマーに徐々に変換されることである。
【0013】
さらに、タンパク質は、同様の分子メカニズムによって形成する(β鎖の分子間会合によって伸びたβシートを形成する)傾向があり、そのため、それらは、同様の分子構造およびコンゴーレッドおよびチオフラビンTなどの特定の色素と結合する共通の能力を共有する傾向がある。
【0014】
これらの疾患および障害(これらは総体として本明細書において「アミロイド関連疾患」と呼ばれる)は、2つの主要範疇、(a)脳および中枢神経系の他の部分に影響するもの;および(b)身体の他の臓器または組織に影響するものに分類される。
【0015】
これらの2つの範疇に入るアミロイド関連疾患の例は以下の2つの部分においてリストされる。しかしながら、ここに包含されていない、稀な遺伝的アミロイド関連の疾患の他の多くの例が既知であり、それは追加のアミロイド関連疾患の形態で、将来発見されるであろう。
【0016】
アミロイドーシスに関連した神経変性疾患
多くの様々な神経変性疾患が、具体的な疾患に応じて、脳の特定部分、または、中枢神経系のどこかよそで、特異タンパク質またはペプチドの誤った折り畳みおよび凝集に関連する。そのような疾患の例は以下の通りである。
【0017】
アルツハイマー病(AD)の様々な形態ならびにダウン症候群、アミロイドーシス(HCHWA、オランダ型)を伴う遺伝的な脳内出血、脳アミロイド血管症、および、ことによるとまた、軽度認知障害および認知症の他の形態は、特異的疾患に応じて、大脳皮質、海馬または脳内のどこかよそで不溶性アミロイド繊維および斑を形成する、βアミロイド、Aβ(l−40)またはAβ(l−42)と呼ばれる40/42残基ペプチドの凝集と関連する。アルツハイマー病も、タウ(また、それはまた前頭側頭型痴呆(ピック病)において生じる)と呼ばれる、過剰リン酸化されたタンパク質の凝集による、神経原繊維錯綜の形成に関連する。
【0018】
パーキンソン病(PD)、レビー小体型認知症(DLB)および多系統萎縮症(MSA)は、レビー小体と呼ばれる不溶性封入体の形成をもたらすαシヌクレインと呼ばれるタンパク質の凝集と関連する。ハンチントン病(HD)、脊柱および球状筋萎縮症(SBMA、またケネディ病としても知られる)、歯状核赤核・淡蒼球ルイ体萎縮症(DRPLA)、脊髄小脳失調(SCA、1、2、3、6および7型)の相異なる形態、およびことによると他のいくつかの遺伝可能な神経変性疾患は、異常に膨張したグルタミン反復(ポリグルタミンの伸びた管)を含む、様々なタンパク質およびペプチドの凝集と関連する。クロイツフェルトヤーコプ病(CJD)、雌ウシの牛海綿状脳症(BSE)、ヒツジのスクレーピー、クールー、ゲルストマン・シュトロイスラー・シャインカー病(GSS)、致死性家族性不眠症、およびことによるとすべての他の伝染性脳疾患の形態は、プリオンタンパク質の自己増殖性の誤った折り畳みおよび凝集と関連する。
【0019】
筋萎縮性側索硬化症(ALS)およびことによるとまた運動ニューロン疾患(MND)のいくらかの他の形態は、超酸化物不均化酵素と呼ばれるタンパク質の凝集と関連する。
【0020】
家族性英国型認知症(FBD)および家族性デンマーク型認知症(FDD)は、それぞれ、BRIタンパク質に由来するABriおよびADanのペプチド配列の凝集と関連する。
【0021】
アミロイドーシス(HCHWA、アイスランド型)を伴う遺伝性脳内出血は、シスタチンCと呼ばれるタンパク質の凝集と関連する。
【0022】
アミロイドーシス関連全身性疾患
上にリストされた神経変性疾患に加えて、多種多様な全身的老化関連病または成人病は、身体(すなわち脳の外側の)の様々な他の組織において特定のタンパク質またはペプチドの誤った折り畳みおよび凝集と関連する。そのような疾患の例は以下の通りである。
【0023】
II型糖尿病(成人発症糖尿病またはインスリン非依存性糖尿病としても知られる)は、小島アミロイドポリペプチド(IAPP、または「アミリン」)と呼ばれる37残基ペプチドの凝集と関連し、これは、膵臓内のランゲルハンス島においてインスリン産生するβ細胞の進行性破壊と関連する不溶性沈着を形成する。
【0024】
透析関連アミロイドーシス(DRA)および前立腺アミロイドは、長期間の血液透析中に発症するDRAの骨格、関節および腱内、または前立腺アミロイドの場合の前立腺内のいずれかの、βミクログロブリンと呼ばれるタンパク質の凝集と関連する。
【0025】
原発性全身性アミロイドーシス、全身性ALアミロイドーシスおよび多発性骨髄腫アミロイドーシスは、肝臓、腎臓、心臓および胃腸(GI)管などの様々な主要臓器に徐々に蓄積する不溶性アミロイド沈着への、免疫グロブリン軽鎖(またはいくつかの場合、免疫グロブリン重鎖)の凝集と関連する。
【0026】
反応性全身性AAアミロイドーシス、続発性全身性アミロイド症、家族性地中海熱および慢性炎症性疾患は、肝臓、腎臓および脾臓などの主要臓器に蓄積する不溶性アミロイド沈着を形成する血清アミロイドAの凝集と関連する。老人性全身性アミロイドーシス(SSA)、家族性アミロイド多発神経障害性(FAP)および家族性アミロイド心筋症(FAC)は、心臓(特にFACの)、末梢神経(特にFAPの)および胃腸(GI)管などの様々な臓器および組織中に不溶性封入体を形成するトランスサイレチンタンパク質(TTR)の相異なる変異体の誤った折り畳みおよび凝集に関連する。家族性アミロイド多発神経障害性(FAPII型)の別の形態は、末梢神経中のアポリポ蛋白質AIの凝集と関連する。家族性内臓アミロイドーシスおよび遺伝性非神経障害性全身性アミロイドーシスは、肝臓、腎臓および脾臓などの主要臓器中に不溶性沈着を形成するリゾチームの様々な変異体の誤った折り畳みおよび凝集と関連する。
【0027】
フィンランド遺伝性全身性アミロイドーシスは、眼(特に角膜の)のゲルゾリンと呼ばれるタンパク質の凝集と関連する。
【0028】
フィブリノーゲンα鎖アミロイドーシスは、肝臓および腎臓などの様々な臓器中に不溶性アミロイド沈着を形成するフィブリノーゲンAα鎖の凝集と関連する。
【0029】
インスリン関連アミロイドーシスは、糖尿病患者の注射部位でインスリンの凝集によって生じる。
【0030】
甲状腺の髄様癌は、取り囲む組織中のカルシトニンの凝集と関連する。
【0031】
孤立性心房アミロイドーシスは、心臓の心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)の凝集と関連する。
【0032】
白内障の様々な形態は、眼のレンズ中のγクリスタリンタンパク質の凝集と関連する。
【0033】
アミロイド関連疾患の発症のメカニズム
アミロイド関連の疾患はすべてアミロイドーシスの共通の発症プロセスを共有しているが、タンパク質/ペプチドの誤った折り畳みおよび凝集のこの一般的なプロセスが影響を受ける組織の進行性変性と関連づける、正確な分子メカニズムは不明である。全身性アミロイド関連疾患の多くを包含するいくつかの場合において、莫大な量の不溶性タンパク質またはペプチドは、影響を受ける組織を単純に圧倒して、急性臓器不全を究極的にもたらすと考えられる。上にリストされたほとんどの神経変性疾患を包含する他の場合においては、疾患の症候は非常に小さい凝集体のみの外観を伴って進展する。したがって、不溶性沈着は本質的に有毒で、例えば、炎症および酸化ストレスを引き起こすことにより、または細胞膜もしくは他の細胞成分もしくはプロセスに直接干渉することにより、細胞の進行性の破壊を引き起こすことがあることが示唆されている。
【0034】
最近、これらのアミロイド関連疾患の少なくともいくつかに含まれる特異タンパク質およびペプチドが、これらの凝集の間に、様々な可溶性オリゴマー種を形成し、二量体および三量体から何十もしくは何百もしくは何千ものタンパク質またはペプチドモノマーを含む、はるかに大きい化学種のサイズに及ぶことが確証された。さらに、オリゴマーは、不溶性凝集体のない状態でインビトロの細胞に本質的に有毒であり、これらが非常に異なるアミノ酸配列を持つタンパク質またはペプチドによって形成されてもよいという事実にもかかわらず、同一の抗体によってそれらをすべて認識することができる共通の構造的特徴を共有するように見える。
【0035】
これらの有毒の可溶性オリゴマーの分子構造は既知ではなく、また、これらが細胞を殺す正確なメカニズムは不明瞭であるが、いくつかの理論が提案されている。「チャンネル仮説」と呼ばれる1つの理論によれば、オリゴマーは不均一細孔または漏れのあるイオンチャネルを形成し、イオンが細胞膜を通して自由に流れることを許し、そのために一体性を破壊して究極的に細胞死を引き起こす。代替としてまたはさらに、オリゴマーは、同様のまたは異なるメカニズムによって細胞を殺す原線維を形成することがある。
【0036】
しかしながら、正確な発症のメカニズムに関係なく、今や、タンパク質/ペプチド凝集の一般的なプロセスは、これらおよびことによると他のアミロイド関連疾患の第1の原因であることを示唆する圧倒的な量の証拠が、蓄積されている。
【0037】
本発明は、アミロイド関連毒性の阻害薬であり、それゆえ、アミロイド関連の疾患および障害の治療に有用である、化合物、抽出物および組成物に関する。
【0038】
アミロイド関連疾患および障害の早期発見
疾患をその進行の初期に検出することは常に望ましい。早期発見は、様々な疾患を治療する際により高い成功率を与えると一般に立証された早期治療を可能にする。最近、人々の眼、詳細には眼のレンズの分析は、様々な型の疾患の徴候を得ることができることが発見された。例えば、得られた眼内の光散乱の測定は、アルツハイマー病などの疾患の進行を検出しモニターする有用な診断情報を提供することが示された。米国特許出願公開第2008/0088795号および米国特許第7,107,092号;これらの両方は、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる。さらに、MRIおよびPETスキャン、ELISAアッセイおよび回折強調画像(DEI)で測定された脳中の変化は、単独でまたは記憶検査および体液中の危険タンパク質の検出と組み合わせて、アルツハイマー病の早期およびさらなる正確な診断を可能にし得る。
【0039】
本発明の化合物
本発明の一態様は、投与された場合、神経変性障害の治療または予防および/または脳の健康の改善をもたらす化合物に関する。より詳細に以下に論じられるように、特定の実施形態において、本化合物の投与(administraiton)は、本発明の1種または複数の化合物を含む組成物を与えられた動物の脳中のアミロイド小繊維の沈着を減らし、本発明の1種または複数の化合物を含む組成物を与えられた動物の記憶の増加または復旧をもたらす。
【0040】
例えば、本発明の化合物は、プニカリン、プニカラギン、ペズンクラギン、テリマグランジン、コリラギン、グラナチンA、グラナチンB、テルミナリン、ガラギルジラクトンおよびコンパウンドA、ならびにその薬学的に許容される塩、生物学的活性代謝物、溶媒和物、水和物、プロドラッグ、エナンチオマーまたは立体異性体を含む。
【0041】
本発明はまた、式I:
【化1】

【0042】

[式中、各出現時に、独立して、Xは、
【化2】

【0043】
または
【化3】

【0044】
であり;また、
、RおよびRはそれぞれ独立して水素、アルキル、アラルキル、アルキルカルボキシ、または糖であり;または、
は、水素、アルキル、アラルキル、アルキルカルボキシ、
【化4】

【0045】
、もしくは糖であり、Rは、水素または
【化5】

【0046】
であり、また、R
【化6】

【0047】
であり; または、
は、水素、アルキル、アラルキル、アルキルカルボキシまたは糖であり、また、一緒になったRおよびRは、
【化7】

【0048】
である。]によって表される純粋で単離された化合物、またはその薬学的に許容される塩、生物学的に活性な代謝物、溶媒和物、水和物、プロドラッグ、エナンチオマーもしくは立体異性体に関する。
【0049】
特定の実施形態において、本発明は、Xが
【化8】

【0050】
である、前述の化合物のいずれか1つに関する。
【0051】
特定の実施形態において、本発明は、Xが、
【化9】

【0052】
である、前述の化合物のいずれか1つに関する。
【0053】
特定の実施形態において、本発明は、Rが水素である前述の化合物のいずれか1つに関する。
【0054】
特定の実施形態において、本発明は、Rが、アロース(”All”)、アルトロース(”Alt”)、アラビノース(”Ara”)、エリトロース、エリトルロース、フルクトース(”Fru”)、フコサミン(”FucN”)、フコース(”Fuc”)、ガラクトサミン(”GalN”)、ガラクトース(”Gal”)、ガロイル−β−グルコース、グルコサミン(”GlcN”)、グルコサミニトール(”GlcN−ol”)、グルコース(”Glc”)、グリセルアルデヒド、2,3−ジヒドロキシプロパナール、グリセリン(”Gro”)、プロパン−1,2,3−トリオール、グリセロン(”1,3−ジヒドロキシアセトン”)、1,3−ジヒドロキシプロパノン、グロース(”Gul”)、イドース(”Ido”)、リキソース(”Lyx”)、マンノサミン(”ManN”)、マンノース(”Man”)、プシコース(”Psi”)、キノボース(”Qui”)、キノボサミン、ラムニトール(”Rha−ol”)、ラムノサミン(”RhaN”)、ラムノース(”Rha”)、リボース(”Rib”)、リブロース(”Rul”)、ルチノース、シアル酸(”Sia”または”Neu”)、ソルボース(”Sor”)、タガトース(”Tag”)、タロース(”Tal”)、酒石酸、エリトラル酸/トレアル酸、トレオース、キシロース(”Xyl”)、またはキシルロース(”Xul”)から選択される糖である、前述の化合物のいずれか1つに関する。
【0055】
特定の実施形態において、本発明は、Rが水素である前述の化合物のいずれか1つに関する。
【0056】
特定の実施形態において、本発明は、Rが、アロース(”All”)、アルトロース(”Alt”)、アラビノース(”Ara”),エリトロース、エリトルロース、フルクトース(”Fru”)、フコサミン(”FucN”)、フコース(”Fuc”)、ガラクトサミン(”GalN”)、ガラクトース(”Gal”)、ガロイル−β−グルコース、グルコサミン(”GlcN”)、グルコサミニトール(”GlcN−ol”)、グルコース(”Glc”)、グリセルアルデヒド、2,3−ジヒドロキシプロパナール、グリセリン(”Gro”)、プロパン−1,2,3−トリオール、グリセロン(”1,3−ジヒドロキシアセトン”)、1,3−ジヒドロキシプロパノン、グロース(”Gul”)、イドース(”Ido”)、リキソース(”Lyx”)、マンノサミン(”ManN”)、マンノース(”Man”)、プシコース(”Psi”)、キノボース(”Qui”)、キノボサミン、ラムニトール(”Rha−ol”)、ラムノサミン(”RhaN”)、ラムノース(”Rha”)、リボース(”Rib”)、リブロース(”Rul”)、ルチノース、シアル酸(”Sia”または”Neu”)、ソルボース(”Sor”)、タガトース(”Tag”)、タロース(”Tal”)、酒石酸、エリトラル酸/トレアル酸、トレオース、キシロース(”Xyl”)、またはキシルロース(”Xul”)から選択される糖である、前述の化合物のいずれか1つに関する。
【0057】
特定の実施形態において、本発明は、Rが水素である、前述の化合物のいずれか1つに関する。
【0058】
特定の実施形態において、本発明は、Rが、アロース(”All”)、アルトロース(”Alt”)、アラビノース(”Ara”),エリトロース、エリトルロース、フルクトース(”Fru”)、フコサミン(”FucN”)、フコース(”Fuc”)、ガラクトサミン(”GalN”)、ガラクトース(”Gal”)、ガロイル−β−グルコースおよびグルコサミン(”GlcN”)、グルコサミニトール(”GlcN−ol”)、グルコース(”Glc”)、グリセルアルデヒド、2,3−ジヒドロキシプロパナール、グリセリン(”Gro”)、プロパン−1,2,3−トリオール、グリセロン(”1,3−ジヒドロキシアセトン”)、1,3−ジヒドロキシプロパノン、グロース(”Gul”)、イドース(”Ido”)、リキソース(”Lyx”)、マンノサミン(”ManN”)、マンノース(”Man”)、プシコース(”Psi”)、キノボース(”Qui”)、キノボサミン、ラムニトール(”Rha−ol”)、ラムノサミン(”RhaN”)、ラムノース(”Rha”)、リボース(”Rib”)、リブロース(”Rul”)、ルチノース、シアル酸(”Sia”または”Neu”)、ソルボース(”Sor”)、タガトース(”Tag”)、タロース(”Tal”)、酒石酸、エリトラル酸/トレアル酸、トレオース、キシロース(”Xyl”)、またはキシルロース(”Xul”)からなる群から選択される糖である、前述の化合物のいずれか1つに関する。
【0059】
特定の実施形態において、本発明は、R、RおよびRが、それぞれ独立して、水素、アルキル、アラルキル、アルキルカルボキシ、または糖である、前述の化合物のいずれか1つに関する。
【0060】
特定の実施形態において、本発明は、R、RおよびRが水素である、前述の化合物のいずれか1つに関する。
【0061】
特定の実施形態において、本発明は、Rが水素、アルキル、アラルキル、アルキルカルボキシ、
【化10】

【0062】

または糖であり、Rが、水素または
【化11】

【0063】
であり、かつ、

【化12】

【0064】
である、前述の化合物のいずれか1つに関する。
【0065】
特定の実施形態において、Rが水素であり、R
【化13】

【0066】
であり、かつ、R
【化14】

【0067】
である、本発明は前述の化合物のいずれか1つに関する。
【0068】
特定の実施形態において、本発明は、Rが、
【化15】

【0069】
である、前述の化合物のいずれか1つに関する。
【0070】
特定の実施形態において、本発明は、R
【化16】

【0071】
であり、
が水素であり、かつ、R
【化17】

【0072】
である、前述の化合物のいずれか1つに関する。
【0073】
特定の実施形態において、本発明は、Rは、水素、アルキル、アラルキル、アルキルカルボキシまたは糖であり、かつ、一緒になったRおよびR
【化18】

【0074】
である、前述の化合物のいずれか1つに関する。
【0075】
特定の実施形態において、Rが水素であり、かつ、一緒になったRおよびRが、
【化19】

【0076】
である、本発明は前述の化合物のいずれか1つに関する。
【0077】
本発明はまた、Reed,J.D.,C.G.Kruegerら(2005)に記載されているような、式の2個のモノマーが結合される二量体などの式Iのマルチマーを包含する。「オリゴマーの食物ポリフェノールのMALDI−TOF質量スペクトロメトリー。」”MALDI−TOF mass spectrometry of oligomeric food polyphenols.”Phytochemistry 66(18):2248−63.この二量体は、天然に存在する(occuring)エラジタンニンの二量体であり、その詳細な構造は完全には解明されていないが、この発明において同定された基本的構造の骨格を含んでいる。三量体、四量体およびより大きいオリゴマー(oligimers)も本発明に包含される。言いかえれば、例えば2、3、4、5、6、7、8、9、10またはさらなる繰り返しを含む多量体は、本発明に包含(encompased)される。
【0078】
酸性置換基を有する本発明の特定の化合物は、薬学的に許容される酸または塩基を含む塩として存在してもよい。本発明の化合物の多くは、薬学的に適合する対イオン(すなわち薬学的に許容される塩)を含む塩として提供されてもよい。「薬学的に許容される塩」は、レシピエントへの投与で、本発明の化合物または化合物のプロドラッグを直接または間接的に提供することができる任意の無毒な塩を意味する。「薬学的に許容される対イオン」は、レシピエントへの投与で、塩から放出された場合、有毒でない塩のイオン部分である。塩酸、硫酸、酢酸、乳酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸、などを含むが、これらに限定されない多くの酸との薬学的に適合する塩を形成することができる。塩は、対応する遊離塩基形態であるより、水性またはプロトン性溶媒に溶けやすい傾向がある。
【0079】
薬学的に許容される塩を形成するために普通に使用される酸は、水素二硫化物、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸およびリン酸などの無機酸、ならびにパラトルエンスルホン酸、サリチル酸、酒石酸、二酒石酸、アスコルビン酸、マレイン酸、ベシル酸、フマル酸、グルコン酸、グルクロン酸、ギ酸、グルタミン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、乳酸、シュウ酸、パラ−ブロモフェニルスルホン酸、炭酸、コハク酸、クエン酸、安息香酸および酢酸などの有機酸および関連する無機および有機酸を含む。したがって、そのような薬学的に許容される塩は、硫酸塩、ピロ硫酸塩、重硫酸塩、亜硫酸塩、重亜硫酸塩、リン酸塩、モノ水素リン酸塩、二水素リン酸塩、メタ燐酸塩、ピロ燐酸塩、クロリド、ブロミド、ヨージド、酢酸塩、プロピオン酸塩、デカン酸塩、カプリル酸塩、アクリル酸塩、ギ酸塩、イソ酪酸塩、カプリン酸塩、へプタン酸塩、プロピオール酸塩、シュウ酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、スベリン酸塩、セバシン酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、ブチン−1,4−ジオアート、ヘキシン−1,6−ジオアート、安息香酸塩、クロロ安息香酸塩、メチル安息香酸塩、ジニトロ安息香酸塩、ヒドロキシ安息香酸塩、メトキシ安息香酸塩、フタル酸塩、テレフタル酸塩(terephathalate)、スルホン酸塩、キシレンスルホン酸塩、フェニル酢酸塩、フェニルプロピオン酸塩、フェニル酪酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、ベータヒドロキシ酪酸塩、グリコール酸塩、マレイン酸塩、酒石酸塩、メタンスルホン酸塩、プロパンスルホン酸塩、ナフタレン−1−スルホン酸塩、ナフタレン−2−スルホン酸塩、マンデル酸塩および類似の塩を含む。例示の薬学的に許容される酸付加塩は、塩酸、臭化水素酸などの鉱物酸で形成されたもの、および特にマレイン酸としてのなどの有機酸で形成されたものを含む。
【0080】
酸性官能基との薬学的に許容される塩を形成するための好適な塩基は、ナトリウム、カリウムおよびリチウムなどのアルカリ金属の水酸化物;カルシウムおよびマグネシウムなどのアルカリ土類金属の水酸化物;アルミニウムおよび亜鉛などの他の金属の水酸化物;アンモニア、および無置換またはヒドロキシ置換モノ、ジ、またはトリアルキルアミンなどの有機アミン;ジシクロヘキシルアミン;トリブチルアミン;ピリジン;N−メチル、N−エチルアミン;ジエチルアミン;トリエチルアミン;モノ−、ビス−またはトリス−(2−ヒドロキシエチル)アミン、2−ヒドロキシ−tert−ブチルアミン、またはトリス−(ヒドロキシメチル)メチルアミンなどの、モノ−、ビス−、またはトリス−(2−ヒドロキシ−低級アルキルアミン、N,N−ジメチル−N−(2−ヒドロキシエチル)アミンなどのN,N−ジアルキル−N−(ヒドロキシアルキル)−アミン、またはトリ−(2−ヒドロキシエチル)アミン;N−メチル−D−グルカミン;およびアルギニン、リシンなどのアミノ酸などを含むが、これらに限定されない。
【0081】
本発明の特定の化合物およびそれらの塩は、複数の結晶形で存在してもよく、本発明は個々の結晶形およびその混合物を含む。
【0082】
本発明の特定の化合物およびそれらの塩はまた、溶媒和物、例えば水和物の形態で存在してもよく、本発明は各溶媒和物およびその混合物を含む。
【0083】
本発明の特定の化合物は、1種または複数のキラル中心を含んでよく、相異なる光学活性形態で存在してもよい。本発明の化合物が1つのキラル中心を含む場合、化合物は2つのエナンチオマー形態で存在し、本発明はエナンチオマー、およびラセミ混合物などのエナンチオマーの混合物の両方を含む。エナンチオマーは、当業者に公知の方法によって、例えば、結晶化;例えば、結晶化、気液または液体クロマトグラフィーによって分離することができる、ジアステレオマー誘導体または錯体の形成;エナンチオマー特異試薬との一方のエナンチオマーの選択的反応、例えば酵素エステル化;またはキラル環境中の、例えば、キラル担体、例えば結合された不斉リガンドを含むシリカ上での、またはキラル溶媒の存在下での気液または液体クロマトグラフィーなどによって分離することができるジアステレオマー塩の形成によって分割することができる。所望のエナンチオマーが上記の分離法の1つによって別の化学物質に変換される場合、所望のエナンチオマー形態を遊離するためにさらなるステップが使用されてもよいことが認識されよう。代替として、特定のエナンチオマーは、光学活性な試薬、基質、触媒または溶媒を使用して不斉合成によって、または、不斉転換によって一方のエナンチオマーを他方に変換することによって合成することができる。
【0084】
本発明の化合物が複数のキラル中心を含む場合、それはジアステレオマー形態で存在することができる。ジアステレオマー化合物は、当業者に公知の方法、例えば、クロマトグラフィーまたは結晶化によって分離することができ、上記のように、個々のエナンチオマーを分離することができる。本発明は、本発明の化合物の各ジアステレオマーおよびその混合物を含む。
【0085】
本発明の特定の化合物は、相異なる互変異性体で、または相異なる幾何異性体として存在してもよく、本発明は、各互変異性体および/または本発明の化合物の幾何異性体およびその混合物を含む。
【0086】
本発明の特定の化合物は、分離可能であり得る相異なる安定した配座の形態で存在してもよい。不斉単結合の周りの束縛回転によるねじれ不斉は、例えば立体障害または環ひずみのために、相異なる配座異性体の分離を可能にし得る。本発明は、本発明の化合物の各配座異性体およびその混合物を含む。
【0087】
本発明の特定の化合物は、双性イオンの形態で存在してもよく、本発明は、本発明の化合物の各双性イオンの形態およびその混合物を含む。
【0088】
本明細書では、用語「プロドラッグ」は、ある生理学的な化学プロセスによってインビボ親薬物へ変換する薬剤を指す。(例えば、生理学的なpHにされたプロドラッグは所望の薬物形態に変換される。)。いくつかの状態において、プロドラッグは、親薬物より投与するのがより容易であり得るので、大抵の場合有用である。それらは、例えば、経口投与によって生物学的に利用できるが、親薬物は可能ではない。プロドラッグはまた、親薬物より薬学的組成物中の溶解性が改善されていることがある。プロドラッグの例は、本発明の化合物でありこれらに限定されないが、水溶解が有利でない細胞膜を横切る伝達を容易にするために、エステル(「プロドラッグ」)として投与されるが、次に、水溶解が有利である細胞の内部ではカルボン酸に代謝的に一度加水分解される。プロドラッグには多くの有用な特性がある。例えば、プロドラッグは最終の薬物より水溶性であってよく、それによって、薬物の静脈内投与を容易にする。プロドラッグはまた、最終の薬物より高いレベルの経口生物学的利用能を有することができる。投与の後、プロドラッグは、酵素でまたは化学的に切断され、血液または組織中で最終の薬物を届ける。
【0089】
例示のプロドラッグは、開裂して、対応する遊離の酸を放出し、本発明の化合物のそのような加水分解可能なエステルを形成する残基は、カルボン酸置換基(例えば、−C(O)Hまたはカルボン酸を含む部分)を含むが、これらに限定されない。ただし、遊離水素は(C−C)アルキル、(C−C12)アルカノイルオキシメチル、(C−C)1−(アルカノイルオキシ)エチル、5から10の炭素原子を有する1−メチル−1−(アルカノイルオキシ)−エチル、3から6の炭素原子を有するアルコキシカルボニルオキシメチル、4から7の炭素原子を有する1−(アルコキシカルボニルオキシ)エチル、5から8の炭素原子を有する1−メチル−1−(アルコキシカルボニルオキシ)エチル、3から9の炭素原子を有するN−(アルコキシカルボニル)アミノメチル、4から10の炭素原子を有する1−(N−(アルコキシカルボニル)アミノ)エチル、3−フタリジル、4−クロトノラクトニル、ガンマ−ブチロラクトン−4−イル、ジ−N,N−(C−C)アルキルアミノ(C−C)アルキル(β−ジメチルアミノエチルなどの)、カルバモイル−(C−C)アルキル、N,N−ジ(C−C)−アルキルカルバモイル−(C−C)アルキルおよびピペリジノ−、ピロリジノ−またはモルホリノ(C−C)アルキルと置き換えられている。
【0090】
例示のプロドラッグは、本発明の化合物のヒドロキシルを放出する。ただし、ヒドロキシルの遊離水素は、(C−C)アルカノイルオキシメチル、1−((C−C)アルカノイルオキシ)エチル、1−メチル−1−((C−C)アルカノイルオキシ)エチル、(C−C)アルコキシカルボニル−オキシメチル、N−(C−C)アルコキシカルボニルアミノ−メチル、スクシノイル、(C−C)アルカノイル、α−アミノ(C−C)アルカノイル、アリールアクチルおよびα−アミノアシル、またはα−アミノアシル−α−アミノアシル(ここで、前記α−アミノアシル部分は、独立してタンパク質において見られる、天然に存在するL−アミノ酸のいずれかである。)、−P(O)(OH)、−P(O)(O(C−C)アルキル)またはグリコシル(炭水化物のヘミアセタールのヒドロキシルの離脱から結果として得られる基)と置き換えられる。
【0091】
化合物を汚染するレベルまたは不純物が、本発明の化合物の有効性を決して損なわずまたは不利に作用しないように、化合物は、分離され抽出されてもよく(すなわち、それが天然に存在する化合物から分離されて)、または、合成的に調製されてもよい(すなわち、プロセス合成を使用して製造されて)。
【0092】
本発明の特定の化合物は、プニカ・グラナトゥム(Punica granatum)ジュース、葉、樹皮、果皮、または皮などの天然源から抽出されてもよい。Lansky,E.P.andR.A.Newman(2007)。「プニカ・グラナトゥム(ザクロ)、および炎症および癌の予防および治療のその潜在能力。」”Punica granatum(pomegranate) and its potential for prevention and treatment of inflammation and cancer.”J Ethnopharmacol 109(2):177−206.化合物のいくらかは、クルミ、ゴンズイ、ダイコンソウ(中国型)、ブラックベリー(キイチゴ属種)、カシグルミ、オールスパイス、コナラ属、カエデ属、サンシュ、エンブリカ・オッフィキナリス(アムラ)、ミロバラン、およびモモタマナ、ならびに他の同様の種から分離されてもよい。
【0093】
例えば、プニカリン、プニカラギン、ペズンクラギンおよびテリマグランジンは以前に単離され特性評価された。Tanaka,K.,G.Nonakaら(1986)。「タンニンおよび関連化合物。XLI。1)プニカ・グラナトゥムLの樹皮からの新規のエラジタンニン、プニカコルテインA、B、Cおよびプニグルコニンの単離および特性評価(Charactherization)」”Tannins and Related Compounds. XLI. 1) Isolation and Charactherization of Novel Ellagitannins, Punicacorteins A, B, C, and Punigluconin from the bark of Punica granatum L.”Chem. Pharm. Bull 34(2):656−663;Tanaka,K.,G.Nonakaら(1986).「タンニンおよび関連化合物。XLI。1)プニカリンおよびプニカラギンの構造の修正、およびプニカ・グラナトゥムLの樹皮からの2−Oガロイルプニカリンの単離および特性評価(Charactherization)」”Tannins and Related Compounds. XLI. 1).Revision of the Structures of Punicalin and Punicalagin, and Isolation and Charactherization of 2−O−Galloylpunicalin from the Bark of Punica granatum L.”Chem. Pharm. Bull 34(2):650−655;およびSatomi,H.,K.Umemuraら(1993).「プニカ・グラナトゥムLの果皮からの炭酸脱水酵素阻害薬」”Carbonic anhydrase inhibitors from the pericarps of Punica granatum L.”Biol Pharm Bull 16(8):787−90.
特定の実施形態において、本発明の化合物は少なくとも約1%純度から最大約99%純度である。特定の実施形態において、本発明の化合物は少なくとも約10%の純度である。特定の実施形態において、本化合物は少なくとも約10%の純度である。特定の実施形態において、本化合物は少なくとも約10%の純度である。特定の実施形態において、本化合物は少なくとも約10%の純度である。特定の実施形態において、本化合物は少なくとも約10%の純度である。特定の実施形態において、本化合物は少なくとも約10%の純度である。特定の実施形態において、本化合物は少なくとも約10%の純度である。特定の実施形態において、本化合物は少なくとも約10%の純度である。特定の実施形態において、本化合物は少なくとも約10%の純度である。特定の実施形態において、本化合物は少なくとも約10%の純度である。特定の実施形態において、本化合物は少なくとも約10%の純度である。特定の実施形態において、前述のいずれかの純度の本発明の1種または複数の化合物を含む抽出物はまた、機能性食品および栄養補助食品としての使用またはそのような食品において適切であり得る。そのような抽出物はより完全に以下に論じられる。
【0094】
本発明の一態様は、図2および3のスペクトルを与える化合物、またはその薬学的に許容される塩、生物学的に活性な代謝物、溶媒和物、水和物、プロドラッグ、エナンチオマーもしくは立体異性体に関する。
【0095】
本発明の一態様は、図4および5のスペクトルを与える化合物、またはその薬学的に許容される塩、生物学的に活性な代謝物、溶媒和物、水和物、プロドラッグ、エナンチオマーもしくは立体異性体に関する。
【0096】
本発明の一態様は、図6および7のスペクトルを与える化合物、またはその薬学的に許容される塩、生物学的に活性な代謝物、溶媒和物、水和物、プロドラッグ、エナンチオマーもしくは立体異性体に関する。
【0097】
本発明の一態様は、図8および9のスペクトルを与える化合物、またはその薬学的に許容される塩、生物学的に活性な代謝物、溶媒和物、水和物、プロドラッグ、エナンチオマーもしくは立体異性体に関する。
【0098】
本発明の一態様は、図10のスペクトルを与える化合物、またはその薬学的に許容される塩、生物学的に活性な代謝物、溶媒和物、水和物、プロドラッグ、エナンチオマーもしくは立体異性体に関する。
【0099】
特定の実施形態において、本発明は、前述の化合物のいずれかに関し、前記化合物、またはその薬学的に許容される塩、生物学的に活性な代謝物、溶媒和物、水和物、プロドラッグ、エナンチオマーもしくは立体異性体が、本明細書に記載されるように、植物材料からの抽出によって調製された。例えば、本発明の一態様は、前記化合物と結合する吸着剤を使用するステップ;および吸着剤から結合した化合物を溶出するステップを含むプロセスによって調製される化合物に関する。
【0100】
単離/調製
上記のように、本発明の1種または複数の化合物に富む抽出物は、果物、殻、ジュース、葉、木茎およびなどを含んでもよい植物材料から回収することができる。抽出に適切な植物はプニカ・グラナトゥムを含む。精製の方法は、Seeramらの米国特許出願公開第2008/0318877号に記載されており、これは参照によってその全体が本明細書に組み込まれる。
【0101】
植物材料からの材料の懸濁液は、当業界で知られている様々な方法、例えば、混合および水抽出によって調製することができる。植物材料は、エキストラクターゼ(extractase)、ペクチナーゼなどを含むが、これらに限定されない酵素での処理を行うことができる。本発明の化合物を含む水溶液は、ポリマー吸着性カラムにかけ、次いで、未結合材料を取り除くために水性緩衝剤で洗浄される。関心のある化合物は樹脂と結合し、極性溶媒、例えば、水、エタノール、メタノールおよびアセトンで溶出することができる。
【0102】
樹脂は化合物が吸着される面を有する。吸着性樹脂の種類は、例えば樹脂のAMBERLITEシリーズ、例えば、Rohm & Haas Co., Philadelphia, PAから市販のAMBERLITE XAD−16などの、スチレンおよびジビニルベンゼンで構成されるポリマーの架橋した樹脂である。本発明による使用に適切な、他のポリマーの架橋したスチレンおよびジビニルベンゼン吸着性樹脂は、XFS−4257、XFS−4022、XUS−40323およびXUS−40322であり、これらはすべてThe Dow Chemical Company、Midland, Michiganによって製造されている。
【0103】
FDA認可された、市販のスチレン−ジビニルベンゼン(SDVB)架橋コポリマー樹脂を使用することができる。(例えば、参照によって本明細書に組み込まれる米国特許第4,297,220号に記載されているAMBERLITE XAD−16)。この樹脂は、非イオン性で疎水性の架橋ポリスチレンジビニルベンゼン吸着性樹脂である。AMBERLITE XAD−16は、連続的なポリマー相および連続的な細孔相の両方を有する巨大網状構造を有する。特定の実施形態において、本発明において使用される樹脂は、100−200ミクロンの範囲の粒子サイズを有する。
【0104】
100−200ミクロンの範囲の粒子サイズを有する、疎水性の巨大網状樹脂ビーズを含むAMBERLITE XAD吸着剤シリーズのものなどの他の吸着剤はまた、本発明の方法で効果的であり得る。さらに、100−200ミクロンの範囲の粒子サイズを有する、吸着剤のAMERCHROM CGシリーズなどの使用されるAMBERLITEの相異なる変形物はまた、本発明において使用するのに適切であり得る。
【0105】
樹脂は、例えば、水または水性緩衝剤で洗浄し、抽出物から未結合物質を取り除く。酢酸エチルまたはブタノールなどの溶媒は、吸着した化合物を取り出すために使用することができる。
【0106】
溶出した化合物は、出発物質に比べて実質的に精製され、例えば、クロマトグラフィーなどによって、さらに精製することができ、または関心のある製剤に直接使用されてもよい。最終組成物は、当業界で公知の方法を使用して、濃縮、濾過、透析などされてもよい。
【0107】
特定の実施形態において、本発明は、本発明の化合物、またはその薬学的に許容される塩、生物学的に活性な代謝物、溶媒和物、水和物、プロドラッグ、エナンチオマーもしくは立体異性体を提供するが、それが抽出される植物材料において見られる他の化合物を実質的に含まない。本明細書において使用される場合、「実質的に含まない」という用語は、その化合物が、それが抽出される植物材料において見られる化合物またはその抽出物と比較して、本発明の化合物またはその薬学的に許容される塩、生物学的に活性な代謝物、溶媒和物、水和物、プロドラッグ、エナンチオマーもしくは立体異性体の主要部分の化合物で構成されることを意味する。
【0108】
いくつかの実施形態において、本発明は、本発明の化合物またはその薬学的に許容される塩、生物学的に活性な代謝物、溶媒和物、水和物、プロドラッグ、エナンチオマーもしくは立体異性体を約1重量パーセントから約99重量パーセントの量で提供する。
【0109】
特定の実施形態において、本発明の化合物は約2%化学純度を超えて提供される。特定の実施形態において、本発明の化合物は約10%化学純度を超えて提供される。特定の実施形態において、本発明の化合物は約20%化学純度を超えて提供される。特定の実施形態において、本発明の化合物は約30%化学純度を超えて提供される。特定の実施形態において、本発明の化合物は約40%化学純度を超えて提供される。特定の実施形態において、本発明の化合物は約50%化学純度を超えて提供される。特定の実施形態において、本発明の化合物は約75%化学純度を超えて提供される。特定の実施形態において、本発明の化合物は約80%化学純度を超えて提供される。特定の実施形態において、本発明の化合物は約85%化学純度を超えて提供される。特定の実施形態において、本発明の化合物は約90%化学純度を超えて提供される。
【0110】
特定の実施形態において、本発明の化合物は約2%化学純度から10%の化学純度の間で提供される。特定の実施形態において、本発明の化合物は約10%化学純度から30%の化学純度の間で提供される。特定の実施形態において、本発明の化合物は約20%化学純度から約40%化学純度の間で提供される。特定の実施形態において、本発明の化合物は約30%化学純度から約50%化学純度の間で提供される。特定の実施形態において、本発明の化合物は約40%化学純度から約60%化学純度の間で提供される。特定の実施形態において、本発明の化合物は約50%化学純度から約70%化学純度の間で提供される。特定の実施形態において、本発明の化合物は約75%化学純度から95%の化学純度の間で提供される。
【0111】
他の実施形態において、本発明の化合物、またはその薬学的に許容される塩、生物学的に活性な代謝物、溶媒和物、水和物、プロドラッグ、エナンチオマーもしくは立体異性体は、HPLCクロマトグラムの合計面積に比べて、それが抽出される植物材料の他の成分の約50面積パーセント未満のHPLCを含んでいる。他の実施形態において、本発明の化合物、またはその薬学的に許容される塩、生物学的に活性な代謝物、溶媒和物、水和物、プロドラッグ、エナンチオマーもしくは立体異性体は、HPLCクロマトグラムの合計面積に比べて、それが抽出される植物材料の他の成分の約25面積パーセント未満のHPLCを含んでいる。他の実施形態において、本発明の化合物、またはその薬学的に許容される塩、生物学的に活性な代謝物、溶媒和物、水和物、プロドラッグ、エナンチオマーもしくは立体異性体は、HPLCクロマトグラムの合計面積に比べて、それが抽出される植物材料の他の成分の約20面積パーセント未満のHPLCを含んでいる。他の実施形態において、本発明の化合物、またはその薬学的に許容される塩、生物学的に活性な代謝物、溶媒和物、水和物、プロドラッグ、エナンチオマーもしくは立体異性体は、HPLCクロマトグラムの合計面積に比べて、それが抽出される植物材料の他の成分の約15面積パーセント未満のHPLCを含んでいる。他の実施形態において、本発明の化合物、またはその薬学的に許容される塩、生物学的に活性な代謝物、溶媒和物、水和物、プロドラッグ、エナンチオマーもしくは立体異性体は、HPLCクロマトグラムの合計面積に比べて、それが抽出される植物材料の他の成分の約10面積パーセント未満のHPLCを含んでいる。他の実施形態において、本発明の化合物、またはその薬学的に許容される塩、生物学的に活性な代謝物、溶媒和物、水和物、プロドラッグ、エナンチオマーもしくは立体異性体は、HPLCクロマトグラムの合計面積に比べて、それが抽出される植物材料の他の成分の約9面積パーセント未満のHPLCを含んでいる。他の実施形態において、本発明の化合物、またはその薬学的に許容される塩、生物学的に活性な代謝物、溶媒和物、水和物、プロドラッグ、エナンチオマーもしくは立体異性体は、HPLCクロマトグラムの合計面積に比べて、それが抽出される植物材料の他の成分の約8面積パーセント未満のHPLCを含んでいる。他の実施形態において、本発明の化合物、またはその薬学的に許容される塩、生物学的に活性な代謝物、溶媒和物、水和物、プロドラッグ、エナンチオマーもしくは立体異性体は、HPLCクロマトグラムの合計面積に比べて、それが抽出される植物材料の他の成分の約7面積パーセント未満のHPLCを含んでいる。他の実施形態において、本発明の化合物、またはその薬学的に許容される塩、生物学的に活性な代謝物、溶媒和物、水和物、プロドラッグ、エナンチオマーもしくは立体異性体は、HPLCクロマトグラムの合計面積に比べて、それが抽出される植物材料の他の成分の約6面積パーセント未満のHPLCを含んでいる。他の実施形態において、本発明の化合物、またはその薬学的に許容される塩、生物学的に活性な代謝物、溶媒和物、水和物、プロドラッグ、エナンチオマーもしくは立体異性体は、HPLCクロマトグラムの合計面積に比べて、それが抽出される植物材料の他の成分の約5面積パーセント未満のHPLCを含んでいる。特定の実施形態において、前記植物源はプニカ・グラナトゥムである。
【0112】
さらに、本発明の化合物は、抽出物中に見られる他の化合物から始める半合成法によって調製されてもよい。これは、単離された化合物または化合物の抽出分画、または混合物の、化学的または生物学的な転換のいずれかによって遂行されてもよい。化学的な転換は、温度、pHの操作、および/または様々な溶媒での処理によって遂行されてもよいが、これらに限定されない。生物学的な転換は、単離された化合物または化合物の抽出分画、または混合物を任意の生命体からの植物組織、植物組織抽出液、他の微生物学的生命体または単離した酵素を用いて処理することによって遂行されてもよいが、これらに限定されない。
【0113】
抽出物
本発明の一態様は、前述の化合物を含む抽出物または化合物、またはその薬学的に許容される塩、生物学的に活性な代謝物、溶媒和物、水和物、プロドラッグ、エナンチオマーもしくは立体異性体に関する。
【0114】
本発明の別の態様は、約1%から約10%の間の前述の化合物または化合物、またはその薬学的に許容される塩、生物学的に活性な代謝物、溶媒和物、水和物、プロドラッグ、エナンチオマーもしくは立体異性体を含む抽出物に関する。
【0115】
本発明の別の態様は、約10%から約20%の間の前述の化合物または化合物、またはその薬学的に許容される塩、生物学的に活性な代謝物、溶媒和物、水和物、プロドラッグ、エナンチオマーもしくは立体異性体を含む抽出物に関する。
【0116】
本発明の別の態様は、約20%から約30%の間の前述の化合物または化合物、またはその薬学的に許容される塩、生物学的に活性な代謝物、溶媒和物、水和物、プロドラッグ、エナンチオマーもしくは立体異性体を含む抽出物に関する。
【0117】
本発明の別の態様は、約30%から約40%の間の前述の化合物または化合物、またはその薬学的に許容される塩、生物学的に活性な代謝物、溶媒和物、水和物、プロドラッグ、エナンチオマーもしくは立体異性体を含む抽出物に関する。
【0118】
本発明の別の態様は、約40%から約50%の間の前述の化合物または化合物、またはその薬学的に許容される塩、生物学的に活性な代謝物、溶媒和物、水和物、プロドラッグ、エナンチオマーもしくは立体異性体を含む抽出物に関する。
【0119】
本発明の別の態様は、約50%から約60%の間の前述の化合物または化合物、またはその薬学的に許容される塩、生物学的に活性な代謝物、溶媒和物、水和物、プロドラッグ、エナンチオマーもしくは立体異性体を含む抽出物に関する。
【0120】
本発明の別の態様は、約60%から約70%の間の前述の化合物または化合物、またはその薬学的に許容される塩、生物学的に活性な代謝物、溶媒和物、水和物、プロドラッグ、エナンチオマーもしくは立体異性体を含む抽出物に関する。
【0121】
本発明の別の態様は、約70%から約80%の間の前述の化合物または化合物、またはその薬学的に許容される塩、生物学的に活性な代謝物、溶媒和物、水和物、プロドラッグ、エナンチオマーもしくは立体異性体を含む抽出物に関する。
【0122】
本発明の別の態様は、約80%から約90%の間の前述の化合物または化合物、またはその薬学的に許容される塩、生物学的に活性な代謝物、溶媒和物、水和物、プロドラッグ、エナンチオマーもしくは立体異性体を含む抽出物に関する。
【0123】
本発明の別の態様は、約90%から約95%の間の前述の化合物または化合物、またはその薬学的に許容される塩、生物学的に活性な代謝物、溶媒和物、水和物、プロドラッグ、エナンチオマーもしくは立体異性体を含む抽出物に関する。
【0124】
本発明の別の態様は、約95%から約99%の間の前述の化合物または化合物、またはその薬学的に許容される塩、生物学的に活性な代謝物、溶媒和物、水和物、プロドラッグ、エナンチオマーもしくは立体異性体を含む抽出物に関する。
【0125】
特定の実施形態において、前記抽出物はプニカ・グラナトゥム抽出物である。
【0126】
組成物
本発明の化合物および抽出物は、医薬品、栄養補助食品、植物性薬品、薬草剤、食品添加物、機能性食品、病人用特別食、栄養剤、化粧品、飲料などを製剤化するために使用することができる。
【0127】
本発明の化合物および/または抽出物は薬学的に許容される担体を含む組成物として提供されてもよい。そのような剤形は、本質的に無毒なおよび非治療の生理学的に許容される担体を包含する。そのような担体の例は、植物性タンパク質、大豆タンパク質、イオン交換体、軟質ゲル、油脂、アルミナ、ステアリン酸アルミニウム、レシチン、人血清アルブミンなどの血清タンパク質、リン酸塩などの緩衝物質グリシン、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、飽和植物脂肪酸の部分グリセリド混合物、水、塩、または硫酸プロタミン、燐酸水素二ナトリウム、燐酸カリウム、塩化ナトリウム、亜鉛塩などの電解質、コロイダルシリカ、三ケイ酸マグネシウム、ポリビニルピロリドン、セルロース系物質およびPEGを含む。局所用のまたはゲル剤系の形態用の担体は、ナトリウムカルボキシメチルセルロースまたはメチルセルロースなどの多糖類、ポリビニルピロリドン、ポリアクリレート、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン−ブロックポリマー、PEGおよびウッドワックスアルコールを含む。すべての投与に対して、慣用のデポー製剤の形形態が適切に使用される。そのような形態は、例えばマイクロカプセル、ナノカプセル、リポソーム、硬膏剤、吸入型、鼻スプレー、舌下錠、および徐放性製剤を含む。
【0128】
特定の実施形態において、化合物および/または抽出物は、約0.01μg/mLから約200mg/mLの濃度でそのようなビヒクル中に製剤化されてもよい。特定の実施形態において、化合物および/または抽出物は、約1μg/mLから約250μg/mLの濃度でそのようなビヒクル中に製剤化されてもよい。特定の実施形態において、化合物および/または抽出物は、約250μg/mLから約500μg/mLの濃度でそのようなビヒクル中に製剤化されてもよい。特定の実施形態において、化合物および/または抽出物は、約500μg/mLから約750μg/mLの濃度でそのようなビヒクル中に製剤化されてもよい。特定の実施形態において、化合物および/または抽出物は、約750μg/mLから約1mg/mLの濃度でそのようなビヒクル中に製剤化されてもよい。特定の実施形態において、化合物および/または抽出物は、約1mg/mLから約25mg/mLの濃度でそのようなビヒクル中に製剤化されてもよい。特定の実施形態において、化合物および/または抽出物は、約25mg/mLから約50mg/mLの濃度でそのようなビヒクル中に製剤化されてもよい。特定の実施形態において、化合物および/または抽出物は、約50mg/mLから約100mg/mLの濃度でそのようなビヒクル中に製剤化されてもよい。特定の実施形態において、化合物および/または抽出物は、約100mg/mLから約125mg/mLの濃度でそのようなビヒクル中に製剤化されてもよい。特定の実施形態において、化合物および/または抽出物は、約125mg/mLから約150mg/mLの濃度でそのようなビヒクル中に製剤化されてもよい。特定の実施形態において、化合物および/または抽出物は、約150mg/mLから約175mg/mLの濃度でそのようなビヒクル中に製剤化されてもよい。特定の実施形態において、化合物および/または抽出物は、約175mg/mLから約200mg/mLの濃度でそのようなビヒクル中に製剤化されてもよい。
【0129】
特定の実施形態において、本発明の化合物、組成物および/または、抽出物は薬草剤と組み合わせてもよい。関心のある薬草剤は、ネットル(イラクサ)−ウコン(クルクマ・ロンガ)、茶などの特定の薬草の調製からの有効分画;海洋または陸生動物の産物、例えば、モエギイガイまたはエミューからの生理活性脂質を含むが、これらに限定されない。
【0130】
特定の実施形態において、本発明の化合物、組成物および/または抽出物は植物性薬品として製剤化されてもよい。本明細書において使用される場合、「植物性薬品」は、植物材料からなる産物であり、植物材料、藻、肉眼で見える菌類またはこれらの組み合わせを含んでよく、ヒトの疾患の診断、治癒、緩和、治療または予防における使用を意図する。特定の実施形態において、植物性薬品産物は溶液(例えば、茶)、散剤、錠剤、カプセル、エリキシル、局所用、または注射用として(しかし、これらに限定されない。)利用し得る。
【0131】
特定の実施形態において、本発明の化合物、組成物および/または抽出物は、栄養補助食品として製剤化されてもよい。関心のある栄養補助食品製剤は、健康食品バー、飲料および飲料サプリメントなどを包含する、畜産のまたはヒト使用の食品を含む。これらの食品は、本発明の生物学的に活性な化合物、組成物および/または抽出物の取りこみによって増強される。例えば、アルツハイマー病などの神経変性疾患の治療において、患者の普通食は規則的に得られた栄養補助食品製剤で補われてもよい。そのような栄養補助食品はカロリーを含んでいてもよいし、含んでいなくてもよい。
【0132】
本明細書において使用される栄養補助食品組成物という用語は、食品製品、食料品、栄養補助食品、栄養補給剤または食品製品または食料品用のサプリメント組成物を含む。このようにして、別の実施形態において、本発明は、栄養補助食品が、食品製品、食料品、栄養補助食品、栄養補給剤または食品製品または食料品用のサプリメント組成物である栄養補助食品に関する。
【0133】
本明細書において使用される場合、食品製品という用語は、ヒトまたは動物による消費に適切な任意の食物または飼料を指す。食品製品は、調理済みで包装された食品(例えば、マヨネーズ、サラダドレッシング、パン、またはチーズ)または動物飼料(例えば、押出し加工されペレットにした動物飼料、粗い混合飼料またはペットフード組成物)であってもよい。本明細書において使用される場合、食料品という用語は、ヒトまたは動物の消費に適合した任意の物質を指す。食品製品または食料品は、例えば非アルコール性およびアルコール飲料などの飲料、ならびに飲料水および流動食に添加される液状製剤である。非アルコール性の飲料は、例えばソフトドリンク、スポーツ飲料、例えばオレンジジュース、リンゴジュースおよびグレープフルーツジュースなどのフルーツジュース;レモネード、茶、ニアウォーター飲料、ミルク、ミルク代替品、および例えばヨーグルト飲料などの他の酪農飲料およびダイエット飲料である。別の実施形態において、食品製品または食料品は、本発明による組成物を含む固体または半固体食品を指す。これらの形態は、バー、ケーキ、クッキー、プディングなどの焼いた品物、乳製品、菓子、スナック食品、または凍結した菓子、または新奇な物(例えば、アイスクリーム、ミルクセーキ)、調理済みの冷凍食品、キャンディー、スナック製品(例えば、チップ)、スープなどの流動食、ジャム、ソース、サラダドレッシング、調理済みの肉食品、チーズ、ヨーグルトおよび他の脂肪または油脂含有食品、および食品成分(例えば、小麦粉)を含むが、これらに限定されない。食品製品または食料品という用語はまた、機能性食品、および調理済み食品製品を含み、後者はヒト消費のために認可された任意の包装食品を指す。
【0134】
特定の実施形態において、栄養補助食品製剤は、クルクミンまたはEGCG、L−テアニンなどの茶カテキン、およびレスベラトロルをさらに含み得る。特定の実施形態において、栄養補助食品製剤は、アサイーベリー、ブルーベリー、クランベリー、ブラックベリー、ラズベリー、ニワトコの実、セントジョンズ麦芽液、イチョウ、カワ、ココア、ブドウ酒用ブドウの抽出物、ブドウ種子の抽出物、大豆抽出物、大豆植物性エストロゲン、またはこれらの組み合わせを含み得る。
【0135】
特定の実施形態において、本発明の化合物、組成物および/または抽出物は、栄養補助食品として製剤化することができる。本発明の栄養補助食品は任意の適切なフォーマットで送達することができる。特定の実施形態において、栄養補助食品は経口送達のために製剤化される。本発明の栄養補助食品の成分は、経口消費用の許容される賦形剤および/または担体が含まれている。担体の実際の形態、したがって、栄養補助食品それ自体の形態は、重要ではない。担体は、液体、ゲル、ゲルキャップ(gelcap)、カプセル、粉体、固体錠剤(被覆または無被覆)、茶など、であってもよい。栄養補助食品は、好ましくは錠剤またはカプセルの形態、最も好ましくは固い(シェル)ゼラチンカプセルの形態をしている。好適な賦形剤および/または担体は、バクガデキストリン、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、リン酸三カルシウム、微結晶性セルロース、デキストロース、米粉、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、クロスカルメロースナトリウム、デンプングリコール酸ナトリウム、クロスポビドン、スクロース、植物ガム、ラクトース、メチルセルロース、ポビドン、カルボキシメチルセルロース、トウモロコシのでんぷんなど(これらの混合物を含む)を含む。例示の担体は、炭酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、バクガデキストリンおよびこれらの混合物を含む。様々な成分および賦形剤および/または担体は従来の技法を使用して、混合され所望の形態に形成される。本発明の錠剤またはカプセルは、約6.0から7.0のpHで溶ける腸溶コーティングで被覆することができる。胃においてではなく小腸において溶ける適切な腸溶コーティングは、酢酸フタル酸セルロースである。製剤および投与の技法についてのさらなる詳細は、Remington’s Pharmaceutical Sciences(Maack Publishing Co.,Easton, Pa.)の最新版において見ることができる。
【0136】
他の実施形態において、栄養補助食品は、食品または飲料に消費者によって添加するのに適切な粉体または液体として提供される。例えば、いくつかの実施形態において、栄養補助食品は、使用するために粉末の形態で、例えば、飲料に混合することによって、または例えばプディング、トッピング、ソース、ピューレ、調理済みシリアルまたはサラダドレッシングなどの半固体食品に撹拌することによって、または、消費直前に放出する食物または飲料容器のキャップに封じた食品に別の方法で添加することによって個人に投与することができる。特に栄養補助食品によって食事に添加されるカロリー数を制限することが望ましい場合、栄養補助食品は1種または複数の不活性成分を含んでもよい。例えば、本発明の栄養補助食品または、例えば、薬草、ビタミン、ミネラル、強化剤、着色剤、甘味料、フラボラント、不活性成分などを包含する随意の成分を含んでいてもよい。
【0137】
いくつかの実施形態において、栄養補助食品は、リン酸カルシウムまたは酢酸カルシウム、三塩基性;リン酸カリウム、二塩基性;硫酸マグネシウムまたは酸化マグネシウム;塩(塩化ナトリウム);塩化カリウムまたは酢酸塩;アスコルビン酸;正リン酸第二鉄;ナイアシン、ナイアシンアミド;硫酸亜鉛または酸化亜鉛;パントテン酸カルシウム;グルコン酸銅;リボフラビン;ベータカロチン;塩酸ピリドキシン;硝酸チアミン;葉酸;ビオチン;塩化クロムまたはpicolonate;ヨウ化カリウム;セレン酸ナトリウム;モリブデン酸ナトリウム;フィロキノン;ビタミンD3;シアノコバラミン;亜セレン酸ナトリウム;硫酸銅;ビタミンA;ビタミンC;イノシトール;ヨウ化カリウム;L−トリプトファン;ニコチン酸;ニコチンアミド;ニコチンアミドリボシド;オメガ−3脂肪酸(DHA、EPAおよびALAなどの);アントシアニン(anthocyanines);イソフラボン;コリン;UMP;大豆リン脂質;ホスファチジルセリン;S−アデノシルメチオニン(SAM);アセチル(acethyl)−L−カルニチン(ALCAR);マグネシウム塩;酢酸マグネシウム;塩化マグネシウム;クエン酸マグネシウム;乳酸マグネシウム;グルコン酸(gluconante)マグネシウム;およびピドロ酸マグネシウムを含むが、これらに限定されないビタミンおよびミネラルをさらに含む。
【0138】
他の実施形態において、本発明は、本発明による化合物、組成物および/または抽出物を含む栄養補給剤(例えば、エネルギーバーまたは食品代替品バーまたは飲料)を提供する。栄養補給剤は食品またはスナック代替品として役立ち、一般に、栄養素カロリーを提供することができる。しかしながら、上記のように、カロリーを含まないサプリメントも使用されてもよい。特定の実施形態において、栄養補給剤は、均衡のとれた量の、炭水化物、タンパク質および脂肪を提供する。栄養補給剤は、炭水化物、単糖、中程度の鎖長の、または多糖、またはこれらの組み合わせをさらに含むことができる。単糖は望ましい官能的性質のために選択することができる。未調理のコーンスターチは複合糖質の一例である。加熱すると、複合糖質を、単糖類または二糖類である単純炭水化物に分解するので、その高い分子量構造を維持することが所望の場合、それは調理または熱処理されていない食物製剤またはその部分にのみ包含されるはずである。栄養補給剤は、一実施形態において、3レベルの鎖長(単純、中位および複合体;例えば、スクロース、バクガデキストリンおよび生のコーンスターチ)の炭水化物の源の組み合わせを含んでいる。
【0139】
本発明の栄養補給剤に組み込まれるタンパク質の源は、栄養製剤において使用される任意の適切なタンパク質になり得て、乳漿タンパク質および乳漿タンパク質濃縮物、乳漿粉末、卵、大豆粉、豆乳大豆タンパク質、分離大豆たんぱく、カゼイネート(例えば、カゼインナトリウム、カゼインカルシウムナトリウム、カゼインカルシウム、カゼインカリウム)、動物および植物性タンパク質および水解物またはこれらの混合物を含むことができる。大豆タンパク質はほぼ完全なPDCAA、タンパク質消化率修正アミノ酸価(PDCAAS)を有している、この基準によって大豆タンパク質は、ヒトの成長および健康のための肉および卵の栄養等価物である。これらのタンパク質には高い生物的価値がある;すなわち、これらは高い割合の必須アミノ酸を有する。Modern Nutrition in Health and Disease、eighth edition, Lea & Febiger, publishers,1986,特にVolume 1,pages 30−32を参照。栄養補給剤はまた、1つまたは他のビタミン、ミネラル、抗酸化剤、繊維および他の栄養補助食品(例えば、本明細書で論じたタンパク質、アミノ酸、コリン、レシチン、オメガ−3脂肪酸など)の組み合わせなどの他の成分を含むことができる。1つまたはいくつかのこれらの成分の選択は、製剤、デザイン、消費者選好理論およびエンドユーザの事項である。本発明の栄養補助食品に添加される成分の量は、当業者にとって容易にわかることである。添加することができるさらなるビタミンおよびミネラルは、リン酸カルシウムまたは酢酸カルシウム、三塩基性;リン酸カリウム、二塩基性;硫酸マグネシウムまたは酸化マグネシウム;塩(塩化ナトリウム);塩化カリウムまたは酢酸カリウム;アスコルビン酸;正リン酸第二鉄;アントシアニン;ニコチンアミドリボシド;マグネシウム塩;ニコチンアミド;硫酸亜鉛または酸化亜鉛;パントテン酸カルシウム;グルコン酸銅;リボフラビン;ベータカロチン;塩酸ピリドキシン;硝酸チアミン;葉酸;ビオチン;塩化クロムまたはpicolonate;ヨウ化カリウム;セレン酸ナトリウム;モリブデン酸ナトリウム;フィロキノン;ビタミンD3;シアノコバラミン;亜セレン酸ナトリウム;硫酸銅;ビタミンA;ビタミンC;イノシトール;ヨウ化カリウムを含むが、これらに限定されない。
【0140】
栄養補給剤は様々な形態において、および様々な生産方法によって提供することができる。一実施形態において、食物バーを製造するために、液体成分は調理され;乾燥成分は液体成分と共にミキサーに添加され、生地状態に到達するまで混合され;生地は押出機に入れて押出し加工され;押出し加工された生地は、適切な長さに切断され;生成物は冷却される。バーは、味覚を増強するために、具体的には本明細書にリストされた成分に加えて、他の栄養素および充填剤を含んでいてもよい。
【0141】
栄養補給剤の加工または製造のために、本明細書に記載されたものに、他の成分、例えば、充填剤、乳化剤、防腐剤を添加することができることは当業者に理解される。
【0142】
さらに、香料、着色剤、香辛料、ナッツなどが、本明細書に記載された製剤に組み入れられてもよい。調味料は、風味をつけた抽出物、揮発油、チョコレート調味料、ピーナッツバター調味料、クッキー片、せんべい、バニラまたは任意の市販の調味料の形態をとることができる。有用な調味料の例は、高純度アニス抽出物、模倣バナナ抽出物、模倣チェリー抽出物、チョコレート抽出物、高純度レモン抽出物、高純度オレンジ抽出物、高純度ペパーミント抽出物、模倣パイナップル抽出物、模倣ラム抽出物、模倣イチゴ抽出物、または高純度バニラ抽出物;または、鎮痛剤油、ベイ油、ベルガモット油、シダーウッド油、胡桃油、チェリー油、ケイ皮油、クローブ油またはハッカ油などの揮発油を含むが、これらに限定されない。
【0143】
乳化剤は製剤の安定のために添加されてもよい。適切な乳化剤の例は、レシチン(例えば、卵または大豆からの)、および/またはモノ−およびジグリセリドを含むが、これらに限定されない。他の乳化剤は、当業者に容易にわかり、適切な乳化剤の選択は、部分的に、製剤および最終製品に依存する。防腐剤も、製品貯蔵寿命を延ばすために製剤に添加されてもよい。例えば、ソルビン酸カリウム、ソルビン酸ナトリウム、安息香酸カリウム、安息香酸ナトリウムまたはカルシウム二ナトリウムEDTAなどの防腐剤が使用される。
【0144】
上記の炭水化物に加えて、製剤は、天然または人工(好ましくは低カロリー)の甘味料、例えば、サッカライド、シクラメート、アスパルトアミン、アスパルテーム、アセスルファムK、および/またはソルビトールを含むことができる。栄養補給剤が太り過ぎのまたは肥満の個人、または高血糖の傾向のあるII型糖尿病を含む個人によって消費されるように意図される場合、そのような人工甘味料は望ましくなり得る。
【0145】
さらに、いくつかの食事で見当たらない必須栄養素の適当量を得るために、マルチビタミンおよびミネラルサプリメントが本発明の製剤に添加されてもよい。マルチビタミンおよびミネラルサプリメントはまた、生活様式パターンによる疾患予防、ならびに栄養の損失および欠乏に対する保護にとって有用であり得る。
【0146】
そのような製剤経由で投与される本発明の化合物(複数可)の用量および比率は当然、特定の組成物の生理学的な特性ならびに投与の様式および経路などの公知の因子;レシピエントの年齢、健康および体重;症候の特徴および程度;併用療法の種類;治療の頻度;および通常の治験を用いてまたは栄養補助食品組成物の製剤に関して通常の考慮をしてその分野の専門家によって決定することができる所望の効果に依存して変動する。
【0147】
特定の実施形態において、製剤は、1回の摂取当たり、活性成分(複数可)、例えば、1mgから10,000mgの量の本発明の化合物(複数可)を含む。特定の実施形態において、製剤は、1回の摂取当たり、1mgから2,500mgの量の活性成分(複数可)を含む。特定の実施形態において、製剤は、1回の摂取当たり、2500mgから5000mgの量の活性成分(複数可)を含む。特定の実施形態において、製剤は、1回の摂取当たり、5000mgから7500mgの量の活性成分(複数可)を含む。特定の実施形態において、製剤は、1回の摂取当たり、7500mgから10000mgの量の活性成分(複数可)を含む。
【0148】
化粧製剤に対し、本発明の化合物、組成物および/または抽出物は場合によって、皮膚に有益な材料を含んでいてもよい。これらはエストラジオール;プロゲステロン;pregnanalone;コエンチームQ10;メチルソラノメタン(methylsolanomethane)(MSM);銅ペプチド(銅抽出物);プランクトン抽出物(ファイトソム);;エストロン;;及びロスタンジオール(rostanediols)グリコール酸;コウジ酸;アスコルビン酸パルミテート;全トランスレチノール;azaleic酸;サリチル酸;ブロパロエストロール(broparoestrol);エストロン;アドロステンジオン(adrostenedione);アンドロスタンジオール;などを含む。ステロイドは、組成物の合計重量の約2%未満の濃度で一般に存在するが、他の皮膚に有益な材料は、例えば約10から15%ものより高いレベルで存在してもよい。
【0149】
本発明の化合物および組成物および/または抽出物は、組成物が皮膚に塗られる場合、その分散を容易にするように、希釈剤(dilutant)、分散剤または担体として働くための化粧品として許容されるビヒクルを含んでもよい。水以外または水に追加するビヒクルは、液体または固体皮膚軟化薬、溶媒、湿潤剤、増粘剤および粉末を含むことができる。
【0150】
化粧品として許容されるビヒクルは、通常組成物の0.1重量%から、または5重量%から99.9重量%、好ましくは25重量%から80重量%を構成し、また、他の化粧補助薬が存在しない場合には、組成物の残部を構成することができる。
【0151】
本発明によると、本発明の化合物、組成物および/または抽出物は、医薬組成物(神経変性疾患の治療に特に有用であり得るものなどの)として調製することができる。そのような組成物は、本発明の化合物、またはその薬学的に許容される塩、生物学的に活性な代謝物、溶媒和物、水和物、プロドラッグ、エナンチオマーもしくは立体異性体、および薬学的に許容される担体および/または賦形剤を含む。
【0152】
本発明の組成物は、当業界で周知のように、それらの意図する使用に依存して、様々な方法によって投与することができる。例えば、本発明の組成物が経口で投与される場合、それらは、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、粉末またはシロップ剤として製剤化されてもよい。代替として、本発明の製剤は、注射(静脈内、筋肉内、または皮下の)、滴下輸液製剤または坐剤として非経口的に投与されてもよい。眼科の粘膜経路による用途のために、本発明の組成物は、目薬または眼軟膏剤として製剤化されてもよい。これらの製剤は従来の方法によって調製されてもよく、また、所望の場合、組成物は、賦形剤、結合剤、崩壊剤、潤滑剤、矯味剤、可溶化剤、懸濁助剤、乳化剤または被覆剤などの任意の従来の添加剤と混合されてもよい。
【0153】
主題発明の製剤において、湿潤剤、乳化剤および、ラウリル硫酸ナトリウムおよびステアリン酸マグネシウムなどの潤滑剤、ならびに、着色剤、離型剤、被覆剤、甘味料、調味料および芳香剤、防腐剤および抗酸化剤は、製剤化された薬剤中に存在してもよい。
【0154】
主題の製剤は、経口、鼻、局所用(口腔内および舌下腺を包含する)、直腸、膣、エアゾールおよび/または非経口投与に適切であり得る。本製剤は、好都合には単位剤形で提供され、薬学分野で周知の任意の方法によって調製することができる。単回投与を得るための担体材料と組み合わせることができる組成物の量は、治療されている対象および投与の特定の様式に依存して変動する。
【0155】
これらの製剤を調製する方法は、担体および場合によって、1種または複数の副成分との本発明の会合組成物を得るステップを含む。一般に、製剤は、液体担体または微粉固体担体、またはその両方を一様に密接に処理して会合薬剤にし、次いで、必要ならば、生成物を成形することにより調製される。
【0156】
経口投与に適切な製剤は、カプセル剤、カシェ剤、丸薬、錠剤、ロゼンジ(風味をつけた基剤を使用して、通常スクロースおよびアラビアゴムまたは、トラガント)、粉末、顆粒剤の形態で、または水性または非水性液体中の溶液または懸濁液として、または水中油型または油中水乳濁液として、またはエリキシルまたはシロップとして、パステル剤(ゼラチンおよびグリセリンまたはスクロースおよびアラビアゴム、などの不活性基剤を使用して)としてであってよく、それぞれは活性成分としてその主題組成物の所定量を含有する。本発明の組成物はまた、ボーラス、舐剤またはペーストとして投与されてもよい。
【0157】
経口投与(カプセル剤、錠剤、丸薬、糖衣錠、粉末、顆粒剤など)の固体剤形において、主題組成物は、クエン酸ナトリウムまたはリン酸二カルシウムなどの1種または複数の薬学的に許容される担体と、および/または下記のいずれかと混合される:(1)デンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトールおよび/またはケイ酸などの充填剤または増量剤;(2)例えばカルボキシメチルセルロース、アルギナート、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、スクロースおよび/またはアラビアゴムなどの結合剤;(3)グリセリンなどの湿潤剤;(4)寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモまたは、タピオカデンプン、アルギン酸、特定のケイ酸塩および炭酸ナトリウムなどの崩壊剤;(5)パラフィンなどの溶解遅延剤;(6)第四級アンモニウム化合物などの吸収促進剤;(7)例えばアセチルアルコールおよびモノステアリン酸グリセロールなどの湿潤薬剤;(8)カオリンおよびベントナイトなどの粘土吸収剤;(9)タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウムなどの潤滑剤およびこれらの混合物、;および(10)着色剤。カプセル剤、錠剤および丸薬の場合には、組成物はまた、緩衝剤を含んでもよい。同様のタイプの固体組成物も、ラクトースまたは乳糖、ならびに高分子量ポリエチレングリコールなどの賦形剤を使用して、軟質および硬質の充填ゼラチンカプセル剤において充填剤として使用することができる。
【0158】
錠剤は圧縮または成型によって、場合によって、1種または複数の副成分を用いて製造することができる。圧縮錠剤は結合剤(例えばゼラチン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース)、潤滑剤、不活性希釈剤、防腐剤、崩壊剤(例えばデンプングリコール酸ナトリウムまたは架橋カルボキシルメチルセルロースナトリウム)、界面活性剤または分散剤を使用して調製されていてもよい。成型錠剤は、適切な機械において不活性液体希釈剤で湿らせた主題組成物の混合物を作ることにより製造することができる。錠剤、および糖衣錠、カプセル剤、丸薬および顆粒剤などの他の固体剤形、は、場合によって、腸溶コーティングおよび医薬品製剤化技術で周知の他の被覆などの被覆およびシェルを用いて順位付けまたは調製されてもよい。
【0159】
経口投与用の液体剤形は、薬学的に許容される乳剤、マイクロエマルジョン、溶液、懸濁液、シロップ剤およびエリキシル剤を含む。主題組成物に加えて、液体剤形は、当分野で一般に使用される不活性希釈剤(例えば、水または他の溶媒)、可溶化剤、および乳化剤(例えば、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、油(特に、綿実油、落花生油、コーン油、胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油およびごま油)、グリセリン、テトラヒドロフラニルアルコール、ポリエチレングリコールおよびソルビタンの脂肪酸エステルおよびこれらの混合物を含み得る。
【0160】
懸濁液は、主題組成物に加えて、例えばエトキシ化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトールおよびソルビタンエステル、微結晶性セルロース、アルミニウムメタ水酸化物、ベントナイト、寒天およびトラガントなどの沈殿防止剤、およびこれらの混合物を含んでいてもよい。
【0161】
直腸または膣の投与のための製剤は、坐薬として提供されてもよく、これは主題組成物を1種または複数の適切な刺激性のない賦形剤または担体(例えば、カカオ脂、ポリエチレングリコール、坐薬ワックスまたはサリチラートを含む)と混合することにより調製することができ、これは、および室温で固体であるが、体温で液体であり、したがって、体腔内で溶融し活性な薬剤を放出する。膣投与に適切な製剤はまた、当業界で適切であると公知であるような担体を含有するペッサリー、タンポン、クリーム剤、ゲル剤、パスタ剤、フォームまたは噴霧製剤を含む。
【0162】
主題組成物の経皮的な投与の剤形は粉末、噴霧、軟膏剤、パスタ剤、クリーム剤、ローション剤、ゲル剤、溶液、パッチおよび吸入薬を含む。主薬は、薬学的に許容される担体、および任意の防腐剤、緩衝剤、または必要な場合の噴霧剤と滅菌状態で混合されてもよい。
【0163】
軟膏剤、パスタ剤、クリーム剤およびゲル剤は、主題組成物に加えて、動物および植物性油脂などの賦形剤、油、ワックス、パラフィン、デンプン、トラガント、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール、シリコーン、ベントナイト、ケイ酸、タルクおよび酸化亜鉛またはこれらの混合物を含んでいてもよい。
【0164】
粉末およびスプレー剤は、主題組成物に加えて、ラクトース、タルク、ケイ酸、水酸化アルミニウム、ケイ酸カルシウムおよびポリアミド粉などの賦形剤、またはこれらの物質の混合物を含んでいてもよい。スプレー剤は、クロロフルオロ炭化水素およびブタンおよびプロパンなどの揮発性の無置換炭化水素などの通常の噴霧剤をさらに含んでいてもよい。
【0165】
本発明の組成物は、エアゾールによって代替として投与されてもよい。これは水性エアゾール、リポソーム調製または固体粒子含有化合物の調製により遂行される。非水性の(例えば、フルオロカーボン噴霧剤)懸濁液を使用することができよう。主題組成物に含まれている化合物の分解を結果的にもたらし得る剪断への薬剤の曝露を最小化するので、音波ネブライザーが使用されてもよい。
【0166】
通常、水性エアゾールは、従来の薬学的に許容される担体および安定剤と一緒に、主題組成物の水溶液または懸濁液を製剤化することにより製造される。担体および安定剤は、特定の主題組成物の要件と共に変動するが、通常非イオン性界面活性剤(Tween(Pluronics(登録商標))(またはポリエチレングリコール))、血清アルブミン類似の無害のタンパク質、ソルビタンエステル、オレイン酸、レシチン、アミノ酸グリシン、緩衝剤、塩、糖または糖アルコールなどを含む。エアゾール剤は、一般に等張液から調製される。
【0167】
非経口投与に適切な本発明の組成物は、主題組成物を1種または複数の薬学的に許容される無菌の等張の水性または非水性の溶液、分散液、懸濁液または乳剤、または無菌の粉末と組み合わせて含み、抗酸化剤緩衝剤、静菌薬、溶質(意図するレシピエントまたは懸濁剤または増粘剤の製剤を、血液と等張にする)を含んでもよい無菌注射剤溶液または分散液に、使用直以前に再構成されてもよい。
【0168】
本発明の組成物において使用されてもよい適切な水性および非水性の担体の例は、水、エタノール、ポリオール(グリセリン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールなど)およびこれらの適切な混合物、オリーブオイルなどの植物油、およびオレイン酸エチルなどの注射可能な有機酸エステルを含む。適当な流動性は、例えば、レシチンなどの被覆材料の使用によって、分散液の場合の必要とされる粒子サイズの維持によって、および界面活性剤の使用によって維持することができる。
【0169】
特定の実施形態において、組成物は、錠剤、丸薬カプセルまたは他の適切な摂取できる製剤として製剤化され、治療薬量の10種以下の摂取できる製剤を提供する。別の実施例において、治療薬量は、20、15の、10、5または3の摂取できる製剤において提供される。
【0170】
本発明の組成物は、肺送達のための分散性乾燥粉末の形態をしていてもよい。乾燥粉末組成物は、凍結乾燥およびジェット粉砕などの、当業界で公知の方法によって調製することができ、これは、国際特許公開第91/16038号に開示され、また米国特許第6,921,527号に開示されており、これらの両方は参照によって組み込まれる。本発明の組成物は、単位用量治療を対象に提供するのに十分な量で、適切な投薬容器内に置かれてもよい。投薬容器は、ガス流中への分散によって乾燥粉末組成物をエアゾール化してエアゾールを形成し、次いで、そのように得られたエアゾールを、治療を必要とする対象による続く吸入のために付けられた吸い口を有するチャンバ内で捕捉する適切な吸入デバイス内に適合する容器であってもよい。そのような投薬容器は、ガス(例えば、空気)を流す取り外し可能な部分を有するゼラチンまたはプラスチックのカプセル剤などの、当業界で公知の組成物を内封する任意のコンテナーを含み、乾燥粉末組成物を分散させるコンテナーへ向けられる。そのようなコンテナーは、米国特許第4,227,522号;米国特許第4,192,309号;および米国特許第4,105,027号に示されるものによって例示される。好適なコンテナーまたは、Glaxo’s Ventolin(登録商標)Rotohalerブランド粉末吸入器またはFison Spinhaler(登録商標)ブランド粉末吸入器と組み合わせて使用されるものを含む。優れた水分バリアを提供する別の適切な単位用量コンテナーは、アルミ箔プラスチックラミネートから形成される。医薬品ベースの粉末は、形成可能な箔の凹みの中へ重量または体積で充填され、被覆する箔プラスチックラミネートで密封される。粉末吸入デバイスを有する使用のためのそのようなコンテナーは米国特許第4,778,054号に記載されており、Glaxo Diskhaler(登録商標)(米国特許第4,627,432号;第4,811,731号;および第5,035,237号)と共に使用され;この文に引用された米国特許の4つはすべて参照によって本明細書に組み込まれる。
【0171】
用語「経皮的な送達システム」、「経皮貼布」、または、「パッチ」は、体循環による分散に利用できる、剤形から皮膚への通過によって薬物(複数可)の徐放用量を送達する、皮膚に置かれた接着剤システムを指す。経皮的なパッチは、乗物酔いのためのスコポラミン、狭心症の治療用のニトログリセリン、高血圧症用のクロニジン、閉経後の徴候用のエストラジオールおよび禁煙用のニコチンを含むが、これらに限定されない、種々様々の医薬品を送達するために使用される十分容認された技術である。本発明において使用するのに適切なパッチは、(1)マトリックスパッチ;(2)貯蔵パッチ;(3)多重ラミネート式薬物入り接着剤パッチ;および(4)単一体式薬物入り接着剤パッチを含むが、これらに限定されない。経皮的および局所用の薬物送達システムTRANSDERMAL AND TOPICAL DRUG DELIVERY SYSTEMS,pp.249−297(Tapash K. Ghoshら eds.,1997)、これは参照によって本明細書に組み込まれる。これらのパッチは当業界で周知であり、一般に市販されている。
【0172】
特定の実施形態において、医薬組成物は、標準化作業検査によって評価された場合に統計的に有意な量によって、患者における軽度認知障害、アルツハイマー病を治療し、長期記憶、短期記憶、陳述記憶、手続記憶または認知過程注意力、執行的職能、反応時間または学習などを増強するのに十分な量で提供された任意の主題化合物および/または抽出物を特色とする。
【0173】
特定の実施形態において、医薬組成物は、以下の1つまたは複数によって評価された場合に統計的に有意な量によって、患者における長期記憶を増強するのに十分な量で提供された1種または複数の主題化合物および/または抽出物を特色とする。レイ聴覚言語性学習検査(Rey Auditory and Verbal Learning Test)(RAVLT)、ケンブリッジ神経心理検査自動化集団(Cambridge Neuropsychological Test Automated Battery)(CANTAB)、子どもの記憶検査(Children’s Memory Scale)(CMS);文脈記憶検査(Contextual Memory Test);連続認識記憶検査(Continuous Recognition Memory Test)(CMRT);デンマン神経心理学記憶検査(Denman Neuropsychology Memory Scale);フルド対象記憶評価(Fuld Object Memory Evaluation)(FOME);グラハムケンドル図案用記憶検査(Graham−Kendall Memory for Designs Test);ギルド記憶検査(Guild Memory Test);学習記憶検査(Learning and Memory Battery)(LAMB);記憶評価臨床自己評価検査(Memory Assessment Clinic Self−Rating Scale)(MAC−S);記憶評価検査(Memory Assessment Scales)(MAS);ラント記憶検査(Randt Memory Test);認識記憶検査(Recognition Memory Test)(RMT);リバーミード行動記憶検査(Rivermead Behavioral Memory Test);ウェクスラー記憶検査のラッセル版(Russell’s Version of the Wechsler Memory Scale)(RWMS);記憶学習検査(Test of Memory and Learning)(TOMAL);バーモント記憶検査(Vermont Memory Scale)(VMS);ウェクスラー記憶検査(Wechsler Memory Scale);および記憶および学習の広範囲評価(Wide Range Assessment of Memory and Learning)(WRAML);姓名合わせ(First−Last Name Association)(Youngjohn J. R.,ら,Archives of Clinical Neuropsychology 6:287−300(1991));名前顔合わせ(Name−Face Association);ウェクスラー記憶検査改訂版(Wechsler Memory Scale−Revised);(Wechsler,D.,Wechsler Memory Scale−Revised Manual,NY,N.Y.,The Psychological Corp.(1987));カリフォルニア言語学習検査(California Verbal Learning Test)第2版(Delis,D.C.,ら,The Californian Verbal Learning Test,Second Edition,Adult Version, Manual,San Antonio, Tex.:The Psychological Corporation(2000));顔認識(遅延し見本に合致しない)(Facial Recognition(delayed non−matching to sample));認知薬物研究(CDR)コンピューター化評価集団−ウエスンズ(Cognitive Drug Research(CDR)Computerized Assessment Battery−Wesnes);ブスケ選択的注意喚起検査(Buschke’s Selective Reminder Test)(Buschke,H.,ら,Neurology 24:1019−1025(1974));電話ダイヤル検査(Telephone Dialing Test);および、短縮空間視覚記憶検査(Brief Visuospatial Memory Test)改訂版。
【0174】
キット
本発明はまた、都合よく効果的に本発明の方法を実現するためのキットを提供する。そのようなキットは、本発明の任意の主題化合物、組成物および/または抽出物、ならびに方法への適合を容易にするための方法を含む。そのようなキットは、治療される対象が正確な用量で適切な有効成分を正確な方式で確実にとるための好都合で効果的な手段を提供する。そのようなキットの適合手段は、本発明の方法による有効成分を投与することを容易にする任意の手段を含む。そのような適合手段は、説明書、包装および分注手段およびこれらの組み合わせを含む。キットの要素は、先の方法のマニュアルまたは部分もしくは完全自動実施のいずれかに対し包装されてもよい。キットを伴う他の実施形態において、本発明は、本発明の組成物、および場合によって、それらの使用のための説明書を包含するキットを企図する。
【0175】
例えば、本発明はまた、主題化合物の少なくとも1回の用量、組成物および/または抽出物、および多くの場合、多くの用量、および治療レジメンのための他の材料を含有するキットを提供する。例えば、一実施形態において、本発明のキットは、5から30日の間の十分な主題組成物、および場合によって、治療レジメン(regiment)に関連する1つまたは複数の指数を測定するのに必要な装置および補給品を含んでいる。別の実施形態において、本発明のキットは、本発明の任意の方法を行うための、主題組成物を包含する材料および補給品をすべて含んでいる。なお別の実施形態において、本発明のキットは、上記のように、主題組成物の使用および投与のための説明書をさらに含む。
【0176】
一実施形態において、本発明は、患者の長期記憶を増強するのに十分な量の1種または複数の主題化合物、組成物および/または抽出物、薬学的に許容される担体、および記憶の増強のための主題化合物、組成物および/または抽出物の使用を記載する説明書(書面および/または絵入りの)を含む医薬キットである。
【0177】
用量
本発明の任意の化合物、組成物および/または抽出物の用量は、患者の症候、年齢および体重、治療される障害の性質および重症度、投与経路、および主題組成物の形態に応じて変動する。任意の主題製剤が、単回投与でまたは分割用量で投与されてもよい。当業界で公知の技術によってまたは本明細書において教示されるように、本発明の組成物の有効量は、容易に決定することができる。完全な軽減でなくとも少なくとも部分的な軽減を提供するように、対象の障害を緩和するために、用量を選択することができる。当業者は、この量を、本明細書に提供されるように、ならびに当業界で公知の他の方法を使用することによって確認することができる。
【0178】
本発明の化合物の治療有効量(すなわち用量)は、当業界で公知の方法によって決定することができる。治療上効果的な量は、患者の年齢、一般的な生理学的条件、投与経路および使用される医薬製剤に依存する。特定の実施形態において、治療薬量は、約10mg/日から10,000mg/日の間に、約100mg/日から2,500mg/日の間に、または250mgから約1,000mg/日の間であってよい。他の実施形態において、例えば、50−250mg/日、250−500mg/日および500−750mg/日を含む他の範囲が使用されてもよい。予防的有効量と呼ばれる予防療法に必要な化合物の量は、一般に治療処置に対し記載されるのと同じである。
【0179】
特定の実施形態において、本発明の化合物または組成物の治療低用量は投与される。特定の実施形態において、治療有効量は約50mg/日から約150mg/日の間にある。特定の実施形態において、治療薬量は約10mg/日から約20mg/日の間にある。特定の実施形態において、治療薬量は約20mg/日から約30mg/日の間にある。特定の実施形態において、治療薬量は約30mg/日から約40mg/日の間にある。特定の実施形態において、治療薬量は約40mg/日から約50mg/日の間にある。特定の実施形態において、治療薬量は約50mg/日から約60mg/日の間にある。特定の実施形態において、治療薬量は約60mg/日から約70mg/日の間にある。特定の実施形態において、治療薬量は約70mg/日から約80mg/日の間にある。特定の実施形態において、治療薬量は約80mg/日から約90mg/日の間にある。特定の実施形態において、治療薬量は約90mg/日から約100mg/日の間にある。特定の実施形態において、治療薬量は約100mg/日から約110mg/日の間にある。特定の実施形態において、治療薬量は約110mg/日から約120mg/日の間にある。特定の実施形態において、治療薬量は約120mg/日から約130mg/日の間にある。特定の実施形態において、治療薬量は約130mg/日から約140mg/日の間にある。特定の実施形態において、治療薬量は約140mg/日から約150mg/日の間にある。投与は、1日1回、1日2回またはより多くでもよく、また、疾患または障害の治療の維持相の間は、例えば、毎日または1日2回の代わりに、2日または3日に1回に減少してもよい。用量および投与頻度は、当業者に公知の急性期の少なくとも1つまたは複数の臨床的症状の減少または欠如と共に、寛解相の維持を裏付ける臨床的症状に依存する。
【0180】
製剤の有効な用量または量、および投与のタイミングへの可能な何らかの影響は、本発明の任意の特定の組成物にとって同定される必要があり得る。これは、1つまたは複数の動物集団を使用して、または適切な場合、臨床試験において、本明細書に記載されるルーチン実験によって遂行することができる。任意の主題組成物および治療方法の有効性は、組成物を投与し、1種または複数の該当する指数を測定し、これらの指数の治療後の値を、治療前の同一の指数の値と比較することによって投与の効果を評価することにより評価することができる。
【0181】
所与の患者において最も効果的な治療を与える投与の正確な時間、および任意の特定の主題組成物の量は、活性、薬物動態、主題組成物の生物学的利用能、患者の生理学的な条件(年齢、性別、疾患タイプおよび段階、全身健康状態、所与の用量への反応および投薬のタイプを含む)、投与経路などに依存する。
【0182】
対象が治療されている間、患者の健康は、治療期間の間の所定時間に、1つまたは複数の関連する指数を測定することによりモニターされてもよい。組成物、量、投与の回数および製剤を包含する治療は、そのようなモニタリングの結果に従って最適化することができる。患者は、同一のパラメーターの測定により改善の程度を判断するために周期的に再評価されてもよい。
【0183】
投与された主題組成物の量(複数可)、およびことによると投与の時間についての調節は、これらの再評価に基づいてなされてもよい。治療は、化合物の適量未満である、より低用量から開始されてもよい。
【0184】
その後、最適の治療効果が獲得されるまで、用量は少しずつ増加されてもよい。主題組成物の使用は、相異なる薬剤の効果の開始および持続時間が相補的であり得るので、組成物に含まれる任意の個々の薬剤の必要とする用量を減少させてもよい。
【0185】
主題組成物の毒性および治療有効性は、例えば、LD50およびED50を判断するための細胞培養または実験動物の標準医薬品手順によって判断されてもよい。
【0186】
細胞培養アッセイおよび、動物調査から得られるデータは、ヒトで使用される範囲の用量を製剤化するのに使用されてもよい。任意の主題組成物の用量は、通常、ほとんどまたはまったく毒性がないED50を含む範囲の血中濃度である。用量は、使用される剤形および使用される投与経路に依存してこの範囲内で変動し得る。
【0187】
使用の方法
本発明の特定の態様は、記憶および/または認知の悪化を有する対象の治療に関する。対象は、記憶固定(新規情報を長期記憶に格納するプロセス)の悪化、短期記憶プロセスの悪化、長期記憶の悪化、陳述記憶の悪化または手続記憶の悪化を有し得る。対象は、長期記憶機能および成績を増強し、予防しおよび/または回復して、例えば、ヒト(記憶固定)の新規情報を長期記憶に格納するプロセスを改善するために、または短期記憶を改善するために、本明細書に記載された化合物を用いて治療される。
【0188】
本発明の一態様は、対象にある量のザクロ抽出物を投与するステップを含む方法に関し、
その抽出物は、少なくとも1種のポリフェノールを含む有効分画を含み;
その抽出物は、ジュースを搾り製造する工程、場合によって、後続の遠心分離および/または限外濾過による分画、その後の乾燥;
ジュースを搾り製造する工程、場合によって、後続の遠心分離および/または限外濾過による分画、その後のポリマーのクロマトグラフィー樹脂への吸着、水洗浄および溶媒での溶出;または
ジュースを搾り製造する工程、場合によって、後続の遠心分離および/または限外濾過による分画、その後のポリマーのクロマトグラフィー樹脂への吸着、水洗浄および溶媒での溶出、続く乾燥によって調製される。
【0189】
特定の実施形態において、本発明は、抽出物が、ジュースを搾り製造する工程、場合によって、後続の遠心分離および/または限外濾過による分画、その後の乾燥によって調製される前述の方法のいずれか1つに関する。
【0190】
特定の実施形態において、本発明は、抽出物が、ジュースを搾り製造する工程、場合によって、後続の遠心分離および/または限外濾過による分画、その後のポリマーのクロマトグラフィー樹脂への吸着、水洗浄および溶媒での溶出によって調製される、前述の方法のいずれか1つに関する。
【0191】
特定の実施形態において、本発明は、抽出物が、ジュースを搾り製造する工程、場合によって、後続の遠心分離および/または限外濾過による分画、その後のポリマーのクロマトグラフィー樹脂への吸着、水洗浄および、続く乾燥よって調製される前述の方法のいずれか1つに関する。
【0192】
特定の実施形態において、本発明は、抽出物が噴霧乾燥によって乾燥される、前述の方法のいずれか1つに関する。
【0193】
特定の実施形態において、本発明は、抽出物が真空(例えば、40℃50 mbarで)下で乾燥される、前述の方法のいずれか1つに関する。
【0194】
特定の実施形態において、本発明は、抽出物が遠心分離(cetrifugation)によって分画される、前述の方法のいずれか1つに関する。
【0195】
特定の実施形態において、本発明は、抽出物が限外濾過によって分画される、前述の方法のいずれか1つに関する。
【0196】
特定の実施形態において、本発明は、溶媒がアルコール(例えば、エタノール)である、前述の方法のいずれか1つに関する。
【0197】
特定の実施形態において、本発明は、樹脂がポリビニル(polyvynil)スチレンジビニルベンゼン樹脂である、前述の方法のいずれか1つに関する。特定の実施形態において、そのような樹脂上での濃縮は、常圧でまたは真空下に水中での吸着(adsoption)によって、続いて入念な水洗浄をして、糖のような高極性の成分(constituants)、繊維およびミネラルを除去することによって達成することができる洗浄ステップの間の糖溶出は、標準的屈折計で追跡され、ブリックスcontantとして測定される。次いで、溶出は、エタノール、メタノールまたはエタノールの水中混合物のようにより極性の溶媒(solvant)に緩衝剤を変化させることにより開始される。さらに、いくつかの実施形態において、全体の分子溶出は、例えば205nmでの紫外検出によって追跡され得る。例えば、米国特許第7,638,640号「エラジタンニンの精製」のセクション(seciton)、(前記セクション、およびその全体が参照によって本明細書に組み込まれる。)参照。
【0198】
特定の実施形態において、本発明は、樹脂がAmberlite XAD−16(Rohm & Haas)である、前述の方法のいずれか1つに関する。
【0199】
本発明の別の態様は、対象に本発明の化合物を投与するステップを含む方法に関する。
【0200】
特定の実施形態において、本発明は、化合物が高純度で単離される、前述の方法のいずれか1つに関する。
【0201】
特定の実施形態において、本発明は、化合物が抽出物の一部として投与される、前述の方法のいずれか1つに関する。
【0202】
特定の実施形態において、本発明は、化合物が抽出物の一部として投与され(adminstered)、かつ、抽出物が化合物以外のポリフェノールを実質的に含まない、前述の方法のいずれか1つに関する。
【0203】
特定の実施形態において、本発明は、化合物が抽出物の一部として投与され(adminstered)、かつ、化合物のモルと抽出物中のポリフェノールの合計モルとのモル比が約0.99より大きい、前述の方法のいずれか1つに関する。特定の実施形態において、本発明は、化合物が抽出物の一部として投与され(adminstered)、かつ、化合物のモルと抽出物中のポリフェノールの合計モルとのモル比が約0.99より大きい、前述の方法のいずれか1つに関する。特定の実施形態において、本発明は、化合物が抽出物の一部として投与され(adminstered)、かつ、化合物のモルと抽出物中のポリフェノールの合計モルとのモル比が約0.9より大きい、前述の方法のいずれか1つに関する。特定の実施形態において、本発明は、化合物が抽出物の一部として投与され(adminstered)、かつ、化合物のモルと抽出物中のポリフェノールの合計モルとのモル比が約0.85より大きい、前述の方法のいずれか1つに関する。特定の実施形態において、本発明は、化合物が抽出物の一部として投与され(adminstered)、かつ、化合物のモルと抽出物中のポリフェノールの合計モルとのモル比が約0.75より大きい、前述の方法のいずれか1つに関する。
【0204】
特定の実施形態において、本発明は、抽出物が果物全体抽出物1766である、前述の方法のいずれか1つに関する。
【0205】
特定の実施形態において、本発明は、抽出物が殻抽出物1767である、前述の方法のいずれか1つに関する。
【0206】
特定の実施形態において、本発明は、抽出物が抽出物31008である、前述の方法のいずれか1つに関する。
【0207】
特定の実施形態において、本発明は、抽出物が抽出物31008Lまたは31008−Hである、前述の方法のいずれか1つに関する。
【0208】
特定の実施形態において、本発明は、抽出物が抽出物61109である、前述の方法のいずれか1つに関する。
【0209】
特定の実施形態において、本発明は、抽出物が抽出物71109である、前述の方法のいずれか1つに関する。
【0210】
特定の実施形態において、本発明は、抽出物が抽出物1767−1である、前述の方法のいずれか1つに関する。
【0211】
特定の実施形態において、本発明は、抽出物が抽出物1767−2である、前述の方法のいずれか1つに関する。
【0212】
特定の実施形態において、本発明は、抽出物が抽出物1767−3である、前述の方法のいずれか1つに関する。
【0213】
特定の実施形態において、本発明は、抽出物が抽出物1767−4である、前述の方法のいずれか1つに関する。
【0214】
特定の実施形態において、本発明は、抽出物が抽出物1767−5である、前述の方法のいずれか1つに関する。
【0215】
特定の実施形態において、本発明は、抽出物が抽出物1767−6である、前述の方法のいずれか1つに関する。
【0216】
特定の実施形態において、本発明は、化合物が栄養補助食品組成物の一部として投与される、前述の方法のいずれか1つに関する。
【0217】
特定の実施形態において、本発明は、化合物が機能性食品または機能性栄養剤の一部として投与される、前述の方法のいずれか1つに関する。
【0218】
特定の実施形態において、本発明は、化合物が病人用特別食または医療用栄養剤の一部として投与される、前述の方法のいずれか1つに関する。
【0219】
特定の実施形態において、本発明は、化合物が栄養補助食品の一部として投与される、前述の方法のいずれか1つに関する。
【0220】
特定の実施形態において、本発明は、化合物が医薬組成物の一部として投与される、前述の方法のいずれか1つに関する。
【0221】
特定の実施形態において、本発明は、対象がヒトである、前述の方法のいずれか1つに関する。
【0222】
特定の実施形態において、本発明は、前記ヒトが高齢である、前述の方法のいずれか1つに関する。
【0223】
特定の実施形態において、本発明は、前記ヒトが高齢ではない、前述の方法のいずれか1つに関する。
【0224】
特定の実施形態において、本発明は、前記ヒトが20歳未満である、前述の方法のいずれか1つに関する。
【0225】
特定の実施形態において、本発明は、前記ヒトが20から40年の間の年齢である、前述の方法のいずれか1つに関する。
【0226】
特定の実施形態において、本発明は、前記ヒトが40から60年の間の年齢である、前述の方法のいずれか1つに関する。
【0227】
特定の実施形態において、本発明は、前記ヒトが60から80年の間の年齢である、前述の方法のいずれか1つに関する。
【0228】
特定の実施形態において、本発明は、前記ヒトが80から100年の間の年齢である、前述の方法のいずれか1つに関する。
【0229】
特定の実施形態において、本発明は、前記ヒトが100から120年の間の年齢である、前述の方法のいずれか1つに関する。
【0230】
特定の実施形態において、本発明は、前記ヒトが健常である、前述の方法のいずれか1つに関する。
【0231】
特定の実施形態において、本発明は、前記ヒトが健常ではない、前述の方法のいずれか1つに関する。
【0232】
特定の実施形態において、本発明は、対象が哺乳動物である、前述の方法のいずれか1つに関する。
【0233】
特定の実施形態において、本発明は、哺乳動物が畜産動物である、前述の方法のいずれか1つに関する。
【0234】
特定の実施形態において、本発明は、対象の全体的な認知が改善される、前述の方法のいずれか1つに関する。
【0235】
特定の実施形態において、本発明は、対象の記憶が改善される、前述の方法のいずれか1つに関する。
【0236】
特定の実施形態において、本発明は、対象の全体的な認知が維持される、前述の方法のいずれか1つに関する。
【0237】
特定の実施形態において、本発明は、対象の記憶が維持される、前述の方法のいずれか1つに関する。
【0238】
特定の実施形態において、本発明は、前記対象のニューロンが保護される、前述の方法のいずれか1つに関する。
【0239】
特定の実施形態において、本発明は、対象のニューロンが部分的にまたは実質的に保護される、前述の方法のいずれか1つに関する。
【0240】
特定の実施形態において、本発明は、方法が神経変性障害を治療するまたは阻止する、前述の方法のいずれか1つに関する。
【0241】
特定の実施形態において、本発明は、前記神経変性障害の進行の速度が減少する、前述の方法のいずれか1つに関する。
【0242】
特定の実施形態において、本発明は、前記神経変性障害の開始が遅れる、前述の方法のいずれか1つに関する。
【0243】
特定の実施形態において、本発明は、メタボリックシンドローム、II型糖尿病、異脂肪血症または肥満症を治療するまたは阻止する、前述の方法のいずれか1つに関する。
【0244】
特定の実施形態において、本発明は、前記対象中のアミロイドーシス関連の症状を治療または阻止する、前述の方法のいずれか1つに関する。
【0245】
特定の実施形態において、本発明は、アミロイドーシス関連症状がMCIまたはAAMIである、前述の方法のいずれか1つに関する。
【0246】
特定の実施形態において、本発明は、ALS、ハンチントン病、パーキンソン病またはダウン症候群を治療するまたは阻止する、前述の方法のいずれか1つに関する。
【0247】
特定の実施形態において、本発明は、アルツハイマー病を治療するまたは阻止する、前述の方法のいずれか1つに関する。
【0248】
特定の実施形態において、本発明は、ヒトの記憶障害を治療する、前述の方法のいずれか1つに関する。
【0249】
特定の実施形態において、本発明は、記憶障害が、加齢に伴う記憶障害、極小の認知障害、記憶喪失、認知症、学習不全、有毒な曝露に関連した記憶障害、脳外傷、脳動脈瘤、パーキンソン病、頭部外傷、ハンチントン病、ピック病、クロイツフェルト−ヤーコプ病、卒中、統合失調症、てんかん、精神遅滞、アルツハイマー病、老化、老化関連記憶障害、軽度認知障害、注意力欠如障害、注意力欠如活動過多障害、多発性硬化症、前交通動脈症候群またはエイズ関連認知症の1つまたは複数に由来する、前述の方法のいずれか1つに関する。
【0250】
特定の実施形態において、本発明は、記憶が前記投与に従うヒトにおいて改善される、前述の方法のいずれか1つに関する。
【0251】
特定の実施形態において、本発明は、記憶における改善が、短期記憶、長期記憶、記憶固定、手続記憶および陳述記憶における改善からなる群から選択される少なくとも1つの測定における改善である、前述の方法のいずれか1つに関する。
【0252】
特定の実施形態において、本発明は、注意力が前記投与に従うヒトにおいて改善される、前述の方法のいずれか1つに関する。特定の実施形態において、本発明は、執行的職能が前記投与に従うヒトにおいて改善される、前述の方法のいずれか1つに関する。
【0253】
特定の実施形態において、本発明は、反応時間は前記投与に従うヒトにおいて改善される、前述の方法のいずれか1つに関する。特定の実施形態において、本発明は、学習が前記投与に従うヒトにおいて改善される、前述の方法のいずれか1つに関する。
【0254】
当業者は、本明細書に記載された方法から利益を得ることができる対象の構想を描くことができる。例えば、そのような対象は、アルツハイマー病型、MCI、AAMI、パーキンソン病またはALSの疑わしい記憶障害を有する人々を包含する。認知障害の兆候を示す健常の高齢の対象はまた、本発明の化合物の予防的作用から利益を受けることができる。当業者は、従事者が記憶障害の兆候判定に相異なる基準を適用してもよいことを認識するであろう。そのような基準は含む、しかし限定されない。精神障害の診断と統計の手引きDiagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders、第3版(DSM−III)Alzheimer’s Disease Diagnostic and Treatment Center(ADDTC)、疾患の国際統計分類International Statistical Classification of Diseases 10th改訂版(ICD−IO)、National Institute of Neurological Disorders and Stroke−Association Internationale pour la Recherche et Enseignment en Neurosciences (NINDS−AIREN)および精神障害の診断と統計の手引きDiagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders、、第4版(DSM−IV)Pohjasvaaraら,Stroke 2000,31,2952−2957を参照。軽度認知障害としての患者の臨床評価は十分に従事者の技術内である。そのような症状を解明するための患者のそのような試験は、一連のメンタルテストの実施を伴う。臨床診断の方法は例えば、Petersenら,Arch. Neurol.1999,56,303−308に広く論評され、議論されている。
【0255】
さらに、II型糖尿病が、人々がアルツハイマー病にかかる危険要因であるという証拠が増大している。したがって、II型糖尿病への素質を有する人々は、神経変性障害の進行を遅延する予防的な治療から利益を受けることができる。Ho,L.,W.Qin,ら(2004).「食事誘発されたインスリン抵抗性は、アルツハイマー病のトランスジェニックマウスモデルのアミロイドーシスを促進する。」”Diet−induced insulin resistance promotes amyloidosis in a transgenic mouse model of Alzheimer’s disease.”FASEB J 18(7):902−4;および Kojro, E. and R. Postina (2009).「2型糖尿病およびアルツハイマー病の間を連結する可能のある、RAGEおよびAbetaPPの調節されたタンパク質分解」”Regulated Proteolysis of RAGE and AbetaPP as Possible Link Between Type 2 Diabetes Mellitus and Alzheimer’s Disease.”J Alzheimers Dis 16(4):865−78.
本発明の別の態様は、ペプチドまたはタンパク質を本発明の有効量の化合物と接触させるステップを含む、ペプチドまたはタンパク質の凝集を阻止する方法に関する。
【0256】
特定の実施形態において、本発明は、化合物が、本発明の化合物、またはその薬学的に許容される塩、生物学的に活性な代謝物、溶媒和物、水和物、プロドラッグ、エナンチオマーもしくは立体異性体である、前述の方法のいずれか1つに関する。
【0257】
特定の実施形態において、本発明は、化合物が高純度で単離される、前述の方法のいずれか1つに関する。
【0258】
特定の実施形態において、本発明は、化合物が抽出物中にある、前述の方法のいずれか1つに関する。
【0259】
併用治療
本発明の一態様において、単独でまたは疾患を治療するために別の治療本発明の化合物、またはその薬学的に許容される塩、生物学的に活性な代謝物、溶媒和物、水和物、プロドラッグ、エナンチオマーもしくは立体異性体、または同じ物を含有する抽出物もしくは組成物は、剤と組み合わせて使用することができる。本発明の化合物を、単独で、または、当業者によってその意図する目的のために選択される追加の薬剤、例えば、治療剤と組み合わせて使用することができることが理解されるべきである。例えば、追加の薬剤は、本発明の化合物によって治療されている疾患または症状を治療するのに有用であるとして業界で認知された治療剤であり得る。追加の薬剤はまた、治療組成物、例えば、組成物の粘性に影響する薬剤に有益な特質を与える薬剤であり得る。
【0260】
本発明によって企図される併用治療は、例えば、単一医薬製剤における本発明の化合物、またはその薬学的に許容される塩、および追加の薬剤(複数可)の投与、ならびに別々の医薬製剤における本発明の化合物、そのまたは薬学的に許容される塩)および追加の薬剤(複数可)の投与を含む。言いかえれば、共投与は、両方の薬剤の併用の有益な効果を提供するように、少なくとも2種の薬剤の対象への投与を意味するものとする。例えば、薬剤は、ある期間にわたり同時にまたは連続して投与されてもよい。
【0261】
本発明内に包含される併用は、意図する目的に有用なそれらの併用であることがさらに理解されるべきである。その併用はまた、形成された組成物がその意図する機能を行うことができる限り、1種を超える追加の薬剤、例えば、2または3種の追加の薬剤を含むことができる。いくつかの実施形態において、追加の薬剤は本発明の別の化合物、またはその薬学的に許容される塩、生物学的に活性な代謝物、溶媒和物、水和物、プロドラッグ、エナンチオマーもしくは立体異性体であってもよい。
【0262】
特定の実施形態において、本発明の化合物、組成物および/または抽出物は、処方薬と組み合わせて1日当たり少なくとも1回投与されてもよい。例えば、本発明の組成物は、現在、アルツハイマー病に対し処方される既存の抗コリンエステラーゼ薬と一緒に、様々な抗炎症剤、またはスタチンと共に投与されてもよい。特定の実施形態において、処方薬はコリンエステラーゼ阻害剤である。特定の実施形態において、処方薬は、ナメンダ(登録商標)(メマンチン)、レミニール(登録商標)(ガランタミン)、エクセロン(登録商標)(リバスチグミン)、アリセプト(登録商標)(ドネペジル)、コグネックス(登録商標)(タクリン)、カルベックス(登録商標)(セレギリン)およびエルダプリル(登録商標)(セレギリン)からなる群から選択される。
【0263】
別の態様において、本発明の組成物は、有益な健康効果があると考えられる食事または栄養補給剤と組み合わせて1日当たり少なくとも1回投与される。化合物、組成物および/または抽出物と組み合わせてよい食事または栄養補給剤の例は以下の通りである。コエンチームQ10(CoQ10、Q10、ビタミンQ10、ユビキノンおよびユビデカレノンとしても知られる)、人体によって天然に合成されるベンゾキノン化合物は、酸化的代謝または細胞呼吸において、および内源性の抗酸化剤として身体の細胞によって使用される。「抗酸化剤」は、DNAおよび脂質などの重要な細胞成分を損傷し得る、酸素原子をしばしば含む高反応性化学物質である、遊離基から少なくとも部分的に細胞を保護する物質である。CoQ10の血漿中レベルは、酸化ストレス(正常な抗酸化剤レベルが低下する状態)の基準として調査において使用されている。様々な研究は、癌および心臓血管疾患を含むが、これらに限定されない、疾患の治療としてCoQ10の有用性を探求した。
【0264】
イデベノン(CoQ10の合成類似体)は、認知症を含む高齢の患者において研究された。調査は、虚血によりそれが神経細胞損傷を減らし、記憶および学習を促進し得ることを示唆する。
【0265】
Huperzine A(中国の薬草Huperzia serrataに由来する天然アセチルコリンエステラーゼ阻害薬)は、抗酸化剤および神経保護の特性を有しており、ADの疾患を修正する治療として提案された。
【0266】
ガランタミン(アセチルコリンエステラーゼ阻害薬)はADの症候を治療するために使用される。
【0267】
ビンカミンおよびビンポセチン(ビンカミンの半合成誘導体)は、植物ビンカミノール(Vinca minor L.)に由来するアルカロイドであるが、脳血管および認知障害の治療のための薬剤としてヨーロッパ、日本およびメキシコで使用されている。
【0268】
アセチルL−カルニチン(carinitine)(カルニチンのアセチル化誘導体)は、肝臓中の脂肪酸ベータ酸化を促進し、糖尿病のラットにおいて運動神経伝導速度お減速を阻止することが示された。
【0269】
デヒドロエピアンドロステロン(DHEA)(ステロイド)は癌の予防に検討されている。体内において、それは、副腎によって生産される前駆物質であり、テストステロンまたはエストロゲンに変換される。
【0270】
ホスファチジルコリン、細胞膜の主成分であるリン脂質は、認知改善薬としての推定上の活性を有し、また細胞膜修復において、イチョウ、ある薬草は、神経保護剤、抗酸化剤、遊離基捕捉剤、膜安定化薬、および血小板活性化因子の阻害薬として推定上の特性を有している。Sherpina, V.S.,ら,American Family Physician 68(5)923−926(2003).イチョウ抽出物はまたベータアミロイド沈着を阻止すると示された。(同書)。
【0271】
クルクミン(Circumin)(ウコン中の活性成分)はカレー中にあるが、噂によれば、抗炎症性で、コレステロールを低下する特性がある。
【0272】
ベルベリンは、イソキノリンアルカロイドの群からの第四級アンモニウム塩である。それは、ヘビメギ属、ゴールデンシール(ヒドラスチス(Hydrastis canadensis))およびオウレン(Coptis chinensis)のような植物において、通常、根、根茎、軸および皮に見出される。伝統薬または栄養補助食品として、ベルベリンは、真菌感染、鵞口瘡カンジダ、酵母、寄生動物、および細菌/ウイルス感染に対してある程度活性を示した。
【0273】
チョウセンニンジン(中国の薬草)は、多くの疾病に対する治療法としてアジアにおいて何世紀も使用されてきた。
【0274】
研究は、抗酸化剤として機能する必須ビタミンであるビタミンE(DL−アルファ−トコフェロール)が、心臓血管疾患を阻止し、免疫応答の増加を助けることができることを示した。有毒な遊離基の破壊によってビタミンEならびにその類似体および誘導体が、脳細胞損傷を阻止することができることが仮定された。用語「トコール」は一般に2−メチル−2−(4,8,12−トリメチル(trimetyl)トリデシル)クロマン−6−オールを指す。用語「トコフェロール」は、一般にすべてのモノ、ジおよびトリメチルトコールを指し、アルファ−トコフェロール(5,7,8−トリメチルトコール)、ベータ−トコフェロール(5,8−ジメチルトコール)、ガンマ−トコフェロール(7および8−ジメチルトコール)、デルタ−トコフェロール(8つのメチルトコール)、(7,8−ジメチルトコール)およびデルタ−トコフェロール(8−メチルトコール)を含むが、これらに限定されない。用語「トコトリエノール」は2−メチル−2−(4,8,12−トリメチルトリデカ−3,7,11−トリエニル)クロマン−6−オールを指す。また、用語「ビタミンE」は、一般にアルファ−トコフェロールの生物学的活性を定性的に示すすべてのトコールおよびトコトリエノール誘導体を指す。
【0275】
N−アセチルシステイン(NAC)が細胞のグルタチオン産生を促進し、したがって酸化体介在損傷を減少させ、または予防しさえすることは周知である。NACを用いる治療は、いくつかの呼吸器、心臓血管、内分泌腺、感染症、および他の疾患状態に有益な効果を提供する。
【0276】
葉酸などのビタミンBは、心臓発作、卒中およびアルツハイマー病の増加する危険性に、高レベルで既に連結しているアミノ酸であるホモシステインのレベルを低下させると知られている。
【0277】
レシチン(コリンおよびイノシトールで構成される脂質物質)は細胞膜の主成分である。レシチンの生産者によって実用的使用に使用されるように、用語「レシチン」はホスファチジルコリンを含むリン脂質および他の物質の複合混合物を指す。
【0278】
医薬の研究所の食品栄養学委員会によってレシチンの成分である。the Food and Nutrition Board of the Institute of Medicineによって必須栄養素として分類された、コリン(トリメチルエタノールアミン)(第四級飽和アミン)は、レシチンの成分である。コリンは、神経伝達物質アセチルコリンを製造するために身体にとって必要である。
【0279】
オメガ−3脂肪酸は、n−3位に最終の炭素二重結合、すなわち、脂肪酸のメチル末端から第3の結合を共通に有する不飽和脂肪酸のファミリーである。栄養的に重要なn−3脂肪酸は、α−リノレン酸(ALA)、エイコサペンタエン酸(EPA)およびドコサヘキサエン酸(DHA)を含み、これらのすべては多不飽和である。何人かの専門家は、これらの化合物が身体中のコレステロールを調節するのを助けることができると考える。また、これらは、アルツハイマー病に関連した認知の問題から脳を保護するのを助けることができる。
【0280】
オメガ−6脂肪酸は、n−6位に最終の炭素二重結合、すなわち、カルボキシル基と反対の末端から数えて6番目の結合を共通に有する不飽和脂肪酸のファミリーである。n−6脂肪酸の生物学的作用は、身体のすべての組織において見つかる多様な受容体に結合する、n−6エイコサノイドへのそれらの変換によって主として媒介される。n−6プロスタグランジンおよびn−6ロイコトリエンホルモンへの組織アラキドン酸(20:4n−6)の変換は、アテローム性動脈硬化症、喘息、関節炎、血管疾患、血栓症、免疫炎症過程および腫瘍増殖における過剰n−6の作用を減じるための医薬開発および治療の多くの標的を提供する。n−3脂肪酸との競争的相互作用は、n−3およびn−6エイコサノイド前駆物質の相対的な貯蔵、動員、変換および作用に影響を与える。
【0281】
デプレニール(セレギリン、Eldepryl(登録商標))(モノアミン酸化酵素阻害薬)は、初期のパーキンソン病および老人性認知症の治療に対し処方される。
【0282】
本発明の製剤は、精神衛生を延ばすために、認知の機能または記憶を維持するまたは増強するために、または精神または肉体の福祉および健康を保持するために、単独でまたは他の医薬品または薬草と組み合わせて使用することができる。本製剤はまた、アルツハイマー病;パーキンソン病;心臓病;関節炎;老化関連変性;機能障害;糖尿病;癌;および認知機能に影響を及ぼす他の疾患を含むが、これらに限定されない、いくつかの病気の影響を予防するまたは治療するために使用することができる。
【0283】
本発明の組成物および方法の有効性は、様々なプロトコルによって分析することができる。ヒト対象の認知機能を増加させる効果は、紙と鉛筆、およびコンピューター検査の両方を含むが、これらに限定されない当業者にとってルーチンの方法によって判断することができる。当業者はまた、動物モデルにおいてPP2Aメチル化レベル、タウタンパク質リン酸化レベル、神経原繊維錯綜形成および神経変性を直接測定することができる。
【0284】
本発明によって企図された併用治療は、例えば、単一製剤における本発明の化合物および追加の薬剤(複数可)の投与、ならびに別々の製剤における本発明および追加の薬剤(複数可)の化合物の投与を含む。言いかえれば、共投与は、両方の薬剤の併用の有益な効果を提供するように、対象への少なくとも2種の薬剤の投与を意味するものとする。例えば、薬剤は、ある期間にわたり同時にまたは連続して投与されてもよい。
【0285】
本発明内に包含される併用とは、その意図する目的にとって有用なそれらの併用であることを、さらに理解するべきである。その併用はまた、形成された組成物がその意図する機能を行うことができる限り、1種を超える追加の薬剤、例えば、2または3種の追加の薬剤を含むことができる。
【0286】
認知機能の例示の検査
認知機能、特に学習、および記憶試験のための様々な検査がある(例えば、米国特許出願(Applicaiton)公開第2010/0010097号を参照)。学習および/または記憶検査は、例えば、抑制性回避検査(Inhibitory Avoidance Test) (本明細書においては「受動的回避検査Passive Avoidance Test」とも呼ばれる)、恐怖条件付け文脈学習contextual fear conditioning、視覚的遅延見本合わせ(visual delay non−match to sample)、空間的遅延見本合わせ(spatial delay non−match to sample)、視覚的識別、バーンズ円形迷路(Barnes circular maze)、モリス水迷路検査、ラジアルアーム迷路検査、
レイ(Ray)聴覚言語性学習検査、ウェクスラー論理的記憶検査(Wechsler Logical Memory Test)、および先見認識記憶検査(Providence Recognition Memory Test)を含む。
【0287】
例示の抑制性回避検査は、引き戸によって暗室から分離することができる、明かりのついた部屋からなる設備を使用する。訓練では、動物はある期間の間明かりのついた部屋に置かれ、戸が開かれる。動物は、少し遅れて暗室に移動する、そのステップ(待ち時間)が記録される。暗室へ進入すると、戸は閉じられ、足に衝撃が加えられる。経験の保持は、様々な時間間隔、例えば、24または48時間後に、検査を繰り返して待ち時間を記録することによって求められる。このプロトコルは、受動的回避手順の多くの変形の1つである。(総説に関しては、Rush(1988)Behav.Neural.Biol.50:255を参照)。
【0288】
例示の迷路試験の実施形態は水迷路作業記憶検査である。一般に、この方法は、円形の水タンクからなる設備を使用する。タンク中の水は粉乳の添加によって濁っている。タンクの底に置かれた可動台に支持された透明なプレキシグラスプラットフォームが、ちょうど水面下に沈められている。通常は、泳ぐラットは、プラットフォームの位置を視認することができない。しかし、ラットがいくらかの記憶障害にかかっていない限り、以前の経験および訓練からその位置を思い出すことができる。プラットフォームを見つけるために得られた時間は、潜在として測定され、言及される。実験中に、天井灯などの方向付けの手掛かりはすべて変えない。より長い待ち時間は、一般に、その記憶に対するいくらかの悪化を有するラットに、観察される。
【0289】
別の記憶検査は瞬目条件付け検査を含み、ホワイトノイズまたは安定した音色を聞かせ、その後に対象の瞬目を刺激する空気を穏やかに吹き付ける。訓練と共に、聴覚的手掛かりは瞬目反応を刺激するのに十分である。この反応は記憶欠乏が存在すると劣化する(impared)。
【0290】
使用することができるさらになお別の記憶検査は、恐怖条件付け、例えば、「合図された」および「文脈的」恐怖条件付けである。一実施形態において、凍結モニター(freeze monitor)は一連の刺激(音、衝撃)を与え、次いで、動物の衝撃に誘発された凍結からの回復を測定して一連の待ち時間を記録する。
【0291】
傷害のある動物のための別の記憶検査は、ホールボード(holeboard)検査であり、これは検査用囲いの床に4隅構造に配置された(4つの)開いた穴を有する、回転するホールボード設備を使用する。マウスは、穴にその頭を突っ込み、すべての試行で報酬を含む「餌付き」穴から食物報酬を回収するように訓練される。つい立ての下に置かれることにより近づきにくいすべての露出した穴に食物報酬(例えば、Fruit Loops(登録商標))がある。つい立ては、報酬の匂いが穴から出るのを許すが、強化因子へのアクセスを可能にしない。餌が個々の穴に付けられる場合、報酬は手が届くつい立ての上に置かれる。近くの(例えば、嗅覚的)手掛かりに対するよりどころを除くために、容易に回転できるように、全設備は回転テーブル上にある。始める管は設備の中央に置かれる。対象は管から放たれ、餌が付けられた(「正しい」)穴を探査させる。このアッセイのマウスの成績は記憶障害によって影響を受ける。
【0292】
記憶障害を測定するための別のモデルは、化合物が記憶固定を調節する能力、ならびに副作用および毒性を試験するために頭蓋円蓋傷害のある動物を使用する。一般に、主題方法は、海馬への頭蓋円蓋を介在したシグナルの少なくとも部分的な混乱、動物の記憶固定および学習行動に影響を与える混乱を作り出すために操作された動物を使用する。動物は、頭蓋円蓋障害のない状態における哺乳動物の学習行動にもたらす学習または記憶レジメンで条件付けられる。化合物は、記憶固定に対するそれらの影響を評価するために動物に投与される。学習行動の増加は、検査薬がない場合と比べて、投与された併用が記憶固定を増強することを示す。
【0293】
医薬品調査において使用するために特に開発された別の記憶検査は、先見認識記憶検査である。この検査は、長期的な陳述記憶の1つの絵画的および1つの言語的な評価からなる。2つの様式のそれぞれにおいて、患者は、コンピューター画面上の刺激を見て、その後二者択一強制撰択フォーマットにおけるそれらの刺激を認知するように求められる。絵画的評価様式は、学習相および認識相の2部からなる。学習相において、患者は一連の120の絵を各3秒間見る。患者は、絵を見て、後でそれらを認識できるように記憶するようにいわれる。認識相において、患者は一度に2枚の絵を見て、彼らが学習相で2つの絵のどちらを見たかボタン押しによって示すように求められる。認識記憶試験は学習相の終了後10分、1時間、24時間にある。言語的な評価様式は学習相および認識相の2部からなる。学習相において、患者は一度に一連の60の文を見る。彼らは、声を出して文を読み、後でそれらを認識できるように記憶するように求められる。各文は、患者が声を出してそれを読み終えるまで、コンピューター画面に残される。患者が言葉を不正確に読めば、試験官は正確な言葉(複数可)を与える。認識相において、患者は一度に2つの文を見て、彼らが学習相で2つの文のどちらを見たかボタン押しによって示すように求められる。認識記憶試験は学習相の終了後10分、1時間、24時間にある。
【0294】
本発明の方法において、学習行動の保持は、薬剤が記憶固定を促進するかを判断する、学習相の完了後の、例えば、少なくとも約12−24時間、14−22時間、16−20時間または18−19時間後判断することができる。特定の実施形態において、学習行動の保持は、学習相の完了後の24時間に判断することができる。
【0295】
記憶固定を検討するためのモデルに加えて、自発運動モデルを含むアンフェタミン化合物の行動への副作用を評価するモデルが使用されてきた。例示の自発運動検査は、光電池ビームの格子が光電池活性ケージのまわりに配置してあるケージからなる設備を使用する。薬剤の投与前に、動物は個々の活性ケージに、ある期間、入れられる。自発運動活性は、所与の期間光電子ビームの中断の数によって測定される。
【0296】
本明細書において使用される場合、「対照哺乳動物」は未処置の障害哺乳動物になりえる。(すなわち、薬剤または評価される同一の組み合わせを受けない障害動物)、訓練された対照哺乳動物(すなわち障害のない学習行動を示す訓練を受ける哺乳動物)および/または訓練されていない対照哺乳動物(すなわち、学習行動を示す、訓練を受けない、障害があるまたはない哺乳動物)。
【0297】
定義
本明細書で定義され使用される場合、すべての定義は、辞書の定義、参照によって組み込まれる文献中の定義、および/または定義された用語の通常の意味を超えて優先するものと理解されなければならない。
【0298】
不定冠詞”a”および”an”が本明細書および特許請求の範囲において使用される場合、明白に逆に示されない限り、「少なくとも1つ」を意味するものと理解されるべきである。
【0299】
語句「および/または」が本明細書および特許請求の範囲において使用される場合、そのように結合された要素の「どちらかまたは両方とも」、すなわち、ある場合は結合して存在する要素、および他の場合には分離して存在することを意味するものと理解されるべきである。「および/または」を用いてリストされた複数の要素は、同一の様式において、すなわち、そのように結合された要素の「1つまたは複数の」と解釈されるべきである。具体的に識別された要素と関係があろうとなかろうと、場合によって、他の要素が、「および/または」項によって具体的に識別された要素以外に存在してもよい。したがって、非限定的な例として、「Aおよび/またはB」への言及は、「を含む」などの限定のない用語と組み合わせて用いられるとき、ある実施形態においては、Aのみ(場合によって、B以外の要素を含む)を指すことができ、他の実施例においては、Bのみ(場合によって、A以外の要素を含む)を指すことができ、さらに他の実施例においては、AおよびB(場合によって、他の要素を含む)、などを指すことができる。
【0300】
本明細書および特許請求の範囲において使用される場合、「または」は、上に定義した「および/または」と同じ意味を持つと理解されるべきである。例えば、リストの項目を分けるとき、「または」または「および/または」は、包括的であると解釈されるべきであり、すなわち、少なくとも1つを含むだけでなく、いくつかの要素または要素のリストのうちの複数をも含み、場合によって、リストされていない追加の項目も含むものとして解釈されるべきである。反対に、「1つのみの」、「正確に1つの」または特許請求の範囲で使用されるときは「からなる」のような明らかに指示した用語だけは、いくつかの要素または要素のリストのうちの正確に1つの要素を含むことを指す。一般に、本明細書で用いられる用語「または」は、「いずれか」「1つの」「1つのみ」または「正確に1つの」などの排他性の用語が先行するとき、排他的な択一物(すなわち、「一方または他方であって両方ではない」)を示すものとしてのみ解釈されるものとする。特許請求の範囲において使用される場合、「から本質的になる」は、特許法の分野において用いられる通常の意味を有するものとする。
【0301】
本明細書および特許請求の範囲において使用される場合、1つまたは複数の要素に関して、用語「少なくとも1つ」は、要素のリストの1つまたは複数の要素から選択される少なくとも1つの要素を意味し、要素のリスト内に特にリストされた各要素の少なくとも1つを必ずしも含まず、また、要素のリストのいかなる組み合わせをも排除しないと理解されるべきである。この定義は、特に識別された要素に関係しようとしまいと、用語「少なくとも1つ」が指す要素のリスト内で特に識別された要素以外の要素が場合によって存在してもよいものとする。したがって、非限定的例として、「AおよびBの少なくとも1つ」(「AまたはBの少なくとも1つ」と等価、または「Aおよび/またはBの少なくとも1つ」と等価)は、ある実施形態においては、Bが存在せず(B以外の要素を場合によって含む)、複数を場合によって含む少なくとも1つのAを指し、他の実施形態においては、Aが存在せず(A以外の要素を場合によって含む)、複数を場合によって含む少なくとも1つのBを指し、さらに他の実施形態においては、複数を場合によって含む少なくとも1つのA、および複数を場合によって含む少なくとも1つのB(また、他の要素を場合によって含む)などを指す。
【0302】
逆に明示されない限り、複数のステップまたは行為を含む、本明細書において請求されるいかなる方法においても、方法のステップまたは行為の順序は、方法のステップまたは行為が記述される順序に必ずしも限定されないことが理解されるべきである。
【0303】
上記の明細書においてだけでなく、特許請求の範囲においても、「含む(comprising)」、「含む(including)」、「担持する(carrying)」、「有する(having)」、「含む(containing)」、「含む(involving)」、「保持する(holding)」、「構成する(composed of)」などのすべての移行句は、限定がない、すなわち、含むが限定されないことを意味すると理解されるべきである。
【0304】
「からなる」および「から本質的になる」という移行句のみが、United States Patent Office Manual of Patent Examining Proceduresに記載の、それぞれ閉じたまたは準閉じた移行句であるものとする。
【0305】
本発明の目的に対し、化学元素は元素周期表、CAS版、Handbook of Chemistry and Physics,67th Ed.,1986−87、内表紙によって識別される。
【0306】
本明細書において使用される場合、用語「抗凝集化合物」は、抗凝集特性を示す、すなわち、タンパク質またはペプチドの、インビボおよび/またはインビトロで可溶性または不溶性凝集体の形成を阻止する化合物を指す。この定義の目的に対し、そのような作用は、当業界で公知の通り、例えば、以下のそれぞれが参照によって本明細書に組み込まれる参考文献の例に記載されている通り、インビトロで定量し試験することができる、Ono、K.、Y.Yoshiikeら(2003)「インビトロのポリフェノールの強力な抗アミロイド形成的および小繊維不安定化作用:アルツハイマー病の予防および治療薬の含意」(”Potent anti−amyloidogenic and fibril−destabilizing effects of polyphenols in vitro: implications for the prevention and therapeutics of Alzheimer’s disease.”)J Neurochem 87(1):172−81;Riviere, C., T. Richard, ら(2007)。「インビトロのアルツハイマー病ベータアミロイド小繊維へのスチルベンの阻害活性」(”Inhibitory activity of stilbenes on Alzheimer’s beta−amyloid fibrils in vitro.”)Bioorg Med Chem 15(2):1160−7;およびRiviere、C、T.Richardら(2008)「ベータアミロイド凝集への新規ポリフェノール活性」(”New polyphenols active on beta−amyloid aggregation.”)Bioorg Med Chem Lett 18(2):828−31.
「治療」は、本明細書において、対象の障害または疾患の、任意の治療、または予防、または阻止を指すために使用され、例として(a)疾患または障害に罹患しやすい可能性があるが、罹患したとまだ診断されていない対象において疾患または障害の発症を予防すること;(b)疾患または障害を阻止すること、すなわち、その進行を阻止または遅らせること;(c)疾患または障害を緩和または寛解する、すなわち後退させることを含む。
【0307】
本明細書において使用される用語「ヘテロ原子」は、業界で認知されており、炭素または水素以外の任意の元素の原子を指す。例示のヘテロ原子は、ホウ素、窒素、酸素、リン、硫黄およびセレンを含む。
【0308】
用語「アルキル」は、1から12の炭素原子を含有する脂肪族基または環式炭化水素基を意味する。代表的なアルキルの例は、メチル、エチル、n−プロピル、iso−プロピル、n−ブチル、sec−ブチル、iso−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、iso−ペンチル、ネオペンチル、n−ヘキシル、2−メチルシクロペンチル、および1−シクロヘキシルエチルを含むが、これらに限定されない。
【0309】
用語「アルキレン」は業界で認知されており、本明細書に使用される場合、上に定義されたように、アルキル基の2個の水素原子の取り除いて得られた二座配位の部分に関する。用語「アルケニル」は、本明細書に使用される場合、2から10の炭素を含有し、2個の水素の除去によって形成された炭素二重結合を少なくとも1個含有する直鎖または分枝鎖炭化水素を意味する。アルケニルの代表的な例は、エテニル、2−プロペニル、2−メチル−2−プロペニル、3−ブテニル、4−ペンテニル、5−ヘキセニル、2−ヘプテニル、2−メチル−1−ヘプテニル、および3−デセニルを含むが、これらに限定されない。
【0310】
本明細書に使用される場合、用語「アルキニル」は、2から10の炭素を含有し、炭素三重結合を少なくとも1個含有する直鎖または分枝鎖炭化水素を意味する。アルキニルの代表的な例は、アセチレニル、1−プロピニル、2−プロピニル、3−ブチニル、2−ペンチニルおよび1−ブチニルを含むが、これらに限定されない。
【0311】
本明細書に使用される場合、用語「カルボサイクリル」は,完全に飽和しているまたは1個または複数の不飽和結合を有し、疑問を避けるためにいうと、不飽和の程度が芳香環系(例えば、フェニル)をもたらさない、3から12の炭素原子を含有する、単環式または多環式(例えば、二環式、三環式、など)炭化水素を意味する。カルボサイクリル基の例は、1−シクロプロピル、1−シクロブチル、2−シクロペンチル,1−シクロペンテニル、3−シクロヘキシル、1−シクロヘキセニルおよび2−シクロペンテニルメチルを含む。
【0312】
本明細書に使用される場合、用語「ヘテロサイクリル」は、完全に飽和していてよく、または、1個または複数の不飽和単位を含んでいてもよく、疑問を避けるためにいうと、不飽和の程度が芳香環系をもたらさない、また、窒素、酸素または硫黄などの少なくとも1個のヘテロ原子を包含する3から12の原子を有する、単環式、二環式および三環式の環を含むが、これらに限定されない非芳香族環系を含む。本発明の範囲を限定するものと解釈されるべきではないが、例証の目的に対し、下記は複素環式環の例である。アゼピン、アゼチジニル、モルホリニル、オキソピペリジニル、オキソピロリジニル、ピペラジニル、ピペリジニル、ピロリジニル、キヌクリジニル(quinicludinyl)、チオモルホリニル、テトラヒドロピラニルおよびテトラヒドロフラニル。本発明のヘテロサイクリル基は、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロ、ハロアルキル、フルオロアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アルケニル(alkyenyl)オキシ、アルキニルオキシ、カルボサイクリル(cycyl)オキシ、ヘテロサイクリル(cycyl)オキシ、ハロアルコキシ、フルオロアルキルオキシ、スルフヒドリル、アルキルチオ、ハロアルキルチオ、フルオロアルキルチオ、アルケニル(alkyenyl)チオ、アルキニルチオ、スルホン酸、アルキルスルホニル、ハロアルキルスルホニル、フルオロ(fluror)アルキルスルホニル、アルケニルスルホニル、アルキニルスルホニル、アルコキシスルホニル、ハロアルコキシスルホニル、フルオロ(fluror)アルコキシスルホニル、アルケニルオキシスルホニル、アルキニルオキシスルホニル(sulfony)、アミノスルホニル、スルフィン酸、アルキルスルフィニル、ハロアルキルスルフィニル、フルオロ(fluror)アルキルスルフィニル、アルケニルスルフィニル、アルキニルスルフィニル、アルコキシスルフィニル、ハロアルコキシスルフィニル、フルオロ(fluror)アルコキシスルフィニル、アルケニルオキシスルフィニル、アルキニルオキシスルフィニル(sulfiny)、アミノスルフィニル、ホルミル、アルキルカルボニル、ハロアルキルカルボニル、フルオロアルキルカルボニル、アルケニルカルボニル、アルキニルカルボニル、カルボキシ、アルコキシカルボニル、ハロアルコキシカルボニル、フルオロアルコキシカルボニル、アルケニルオキシカルボニル、アルキニルオキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、ハロアルキルカルボニルオキシ、フルオロアルキルカルボニルオキシ、アルケニルカルボニルオキシ、アルキニルカルボニルオキシ、アルキルスルホニルオキシ、ハロアルキルスルホニルオキシ、フルオロ(fluror)アルキルスルホニルオキシ、アルケニルスルホニルオキシ、アルキニルスルホニルオキシ、ハロアルコキシスルホニルオキシ、フルオロ(fluror)アルコキシスルホニルオキシ、アルケニルオキシスルホニルオキシ、アルキニルオキシスルホニルオキシ、アルキルスルフィニルオキシ、ハロアルキルスルフィニルオキシ、フルオロ(fluror)アルキルスルフィニルオキシ、アルケニルスルフィニルオキシ、アルキニルスルフィニルオキシ、アルコキシスルフィニルオキシ、ハロアルコキシスルフィニルオキシ、フルオロ(fluror)アルコキシスルフィニルオキシ、アルケニルオキシスルフィニルオキシ、アルキニルオキシスルフィニルオキシ、アミノスルフィニルオキシ、アミノ、アミド、アミノスルホニル、アミノスルフィニル、シアノ、ニトロ、アジド、ホスフィニル、ホスホリル、シリル、シリルオキシ、からなる群から独立して選択される0、1、2、3、4または5個の置換基で置換されている。ただし、前記置換基(substiuents)のいずれも、アルキレン部分(例えば、メチレン)を介してヘテロサイクリル基に結合されている。
【0313】
用語「アリール」は、本明細書に使用される場合、フェニル基、ナフチルまたはアントラセニル基を意味する。本発明のアリール基は、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロ、ハロアルキル、フルオロアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アルケニル(alkyenyl)オキシ、アルキニルオキシ、カルボサイクリル(cycyl)オキシ、ヘテロサイクリル(cycyl)オキシ、ハロアルコキシ、フルオロアルキルオキシ、スルフヒドリル、アルキルチオ、ハロアルキルチオ、フルオロアルキルチオ、アルケニル(alkyenyl)チオ、アルキニルチオ、スルホン酸、アルキルスルホニル、ハロアルキルスルホニル、フルオロ(fluror)アルキルスルホニル、アルケニルスルホニル、アルキニルスルホニル、アルコキシスルホニル、ハロアルコキシスルホニル、フルオロ(fluror)アルコキシスルホニル、アルケニルオキシスルホニル、アルキニルオキシスルホニル(sulfony)、アミノスルホニル、スルフィン酸、アルキルスルフィニル、ハロアルキルスルフィニル、フルオロ(fluror)アルキルスルフィニル、アルケニルスルフィニル、アルキニルスルフィニル、アルコキシスルフィニル、ハロアルコキシスルフィニル、フルオロ(fluror)アルコキシスルフィニル、アルケニルオキシスルフィニル、アルキニルオキシスルフィニル(sulfiny)、アミノスルフィニル、ホルミル、アルキルカルボニル、ハロアルキルカルボニル、フルオロアルキルカルボニル、アルケニルカルボニル、アルキニルカルボニル、カルボキシ、アルコキシカルボニル、ハロアルコキシカルボニル、フルオロアルコキシカルボニル、アルケニルオキシカルボニル、アルキニルオキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、ハロアルキルカルボニルオキシ、フルオロアルキルカルボニルオキシ、アルケニルカルボニルオキシ、アルキニルカルボニルオキシ、アルキルスルホニルオキシ、ハロアルキルスルホニルオキシ、フルオロ(fluror)アルキルスルホニルオキシ、アルケニルスルホニルオキシ、アルキニルスルホニルオキシ、ハロアルコキシスルホニルオキシ、フルオロ(fluror)アルコキシスルホニルオキシ、アルケニルオキシスルホニルオキシ、アルキニルオキシスルホニルオキシ、アルキルスルフィニルオキシ、ハロアルキルスルフィニルオキシ、フルオロ(fluror)アルキルスルフィニルオキシ、アルケニルスルフィニルオキシ、アルキニルスルフィニルオキシ、アルコキシスルフィニルオキシ、ハロアルコキシスルフィニルオキシ、フルオロ(fluror)アルコキシスルフィニルオキシ、アルケニルオキシスルフィニルオキシ、アルキニルオキシスルフィニルオキシ、アミノスルフィニルオキシ、アミノ、アミド、アミノスルホニル、アミノスルフィニル、シアノ、ニトロ、アジド、ホスフィニル、ホスホリル、シリル、シリルオキシからなる群から独立して選択される1、2、3、4または5個の置換基で、場合によって置換されていてもよい。ただし、前記置換基(substiuents)のいずれも、メチレン、エチレンまたはプロピレン部分を介してアリール基に結合されている。
【0314】
用語「アリーレン」は業界で認知されており、本明細書に使用される場合、上に定義されたように、アリール環の隣接炭素から2個の水素原子を取り除くことにより得られる二座配位部分に関する。
【0315】
用語「アリールアルキル」または「アラルキル」は、本明細書に使用される場合、本明細書に定義されるアルキル基を介して親分子部分に追加された、本明細書に定義されるアリール基を意味する。アラルキルの代表的な例は、ベンジル、2−フェニルエチル、3−フェニルプロピルおよび2−ナフト−2−イルエチルを含むが、これらに限定されない。
【0316】
用語「ヘテロアリール」は、本明細書に使用される場合、単環式、二環式および三環式の環を含むが、これらに限定されない、窒素、酸素または硫黄などの少なくとも1個のヘテロ原子を包含する3から12の原子を有する、芳香族環系を含む。本発明の範囲の限定として解釈されるべきでない例証の目的に対し、アザインドリル、ベンゾ(b)チエニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾオキサジアゾリル、フラニル、イミダゾリル、イミダゾピリジニル、インドリル、インドリニル、インダゾリル、イソインドリニル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、イソキノリニル、オキサジアゾリル、オキサゾリル、プリニル、ピラニル、ピラジニル、ピラゾリル、ピリジニル、ピリミジニル、ピロリル、ピロロ[2,3−d]ピリミジニル、ピラゾロ[3,4−d]ピリミジニル、キノリニル、キナゾリニル、トリアゾリル、チアゾリル、チオフェニル、テトラヒドロインドリル、テトラゾリル、チアジアゾリル、チエニル、チオモルホリニル、トリアゾリルまたはトロパニル。本発明のヘテロアリール基は、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロ、ハロアルキル、フルオロアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アルケニル(alkyenyl)オキシ、アルキニルオキシ、カルボサイクリル(cycyl)オキシ、ヘテロサイクリル(cycyl)オキシ、ハロアルコキシ、フルオロアルキルオキシ、スルフヒドリル、アルキルチオ、ハロアルキルチオ、フルオロアルキルチオ、アルケニル(alkyenyl)チオ、アルキニルチオ、スルホン酸、アルキルスルホニル、ハロアルキルスルホニル、フルオロ(fluror)アルキルスルホニル、アルケニルスルホニル、アルキニルスルホニル、アルコキシスルホニル、ハロアルコキシスルホニル、フルオロ(fluror)アルコキシスルホニル、アルケニルオキシスルホニル、アルキニルオキシスルホニル(sulfony)、アミノスルホニル、スルフィン酸、アルキルスルフィニル、ハロアルキルスルフィニル、フルオロ(fluror)アルキルスルフィニル、アルケニルスルフィニル、アルキニルスルフィニル、アルコキシスルフィニル、ハロアルコキシスルフィニル、フルオロ(fluror)アルコキシスルフィニル、アルケニルオキシスルフィニル、アルキニルオキシスルフィニル(sulfiny)、アミノスルフィニル、ホルミル、アルキルカルボニル、ハロアルキルカルボニル、フルオロアルキルカルボニル、アルケニルカルボニル、アルキニルカルボニル、カルボキシ、アルコキシカルボニル、ハロアルコキシカルボニル、フルオロアルコキシカルボニル、アルケニルオキシカルボニル、アルキニルオキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、ハロアルキルカルボニルオキシ、フルオロアルキルカルボニルオキシ、アルケニルカルボニルオキシ、アルキニルカルボニルオキシ、アルキルスルホニルオキシ、ハロアルキルスルホニルオキシ、フルオロ(fluror)アルキルスルホニルオキシ、アルケニルスルホニルオキシ、アルキニルスルホニルオキシ、ハロアルコキシスルホニルオキシ、フルオロ(fluror)アルコキシスルホニルオキシ、アルケニルオキシスルホニルオキシ、アルキニルオキシスルホニルオキシ、アルキルスルフィニルオキシ、ハロアルキルスルフィニルオキシ、フルオロ(fluror)アルキルスルフィニルオキシ、アルケニルスルフィニルオキシ、アルキニルスルフィニルオキシ、アルコキシスルフィニルオキシ、ハロアルコキシスルフィニルオキシ、フルオロ(fluror)アルコキシスルフィニルオキシ、アルケニルオキシスルフィニルオキシ、アルキニルオキシスルフィニルオキシ、アミノスルフィニルオキシ、アミノ、アミド、アミノスルホニル、アミノスルフィニル、シアノ、ニトロ、アジド、ホスフィニル、ホスホリル、シリル、シリルオキシからなる群から独立して選択される0、1、2、3、4または5個の置換基で置換されている。ただし、前記置換基(subsituents)のいずれも、アルキレン部分(例えば、メチレン)を介してヘテロアリール基に結合されている。
【0317】
用語「ヘテロアリーレン」は業界で認知されており、本明細書に使用される場合、上に定義されるヘテロアリール環の隣接原子から2個の水素原子を取り除くことにより得られる二座配位の部分に関する。
【0318】
用語「ヘテロアリールアルキル」または「ヘテロアラルキル」は、本明細書に定義されるアルキル基を介して親分子部分に追加された、本明細書に定義されるヘテロアリールを意味する。ヘテロアリールアルキルの代表的な例は、ピリジン−3−イルメチルおよび2−(チエン−2−イル)エチルを含むが、これらに限定されない。
【0319】
用語「ハロ」または「ハロゲン」は、−Cl、−Br、−Iまたは−Fを意味する。
【0320】
用語「ハロアルキル」は、少なくとも1個の水素が本明細書に定義されるハロゲンと置き換えられた本明細書に定義されるアルキル基を意味する。ハロアルキルの代表的な例は、クロロメチル、2−フルオロエチル,トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチルおよび2−クロロ−3−フルオロペンチルを含むが、これらに限定されない。
【0321】
用語「フルオロアルキル」は、水素がすべてフッ素と置き換えられた、本明細書に定義されるアルキル基を意味する。
【0322】
用語「ヒドロキシ」は、本明細書に使用される場合、−OH基を意味する。
【0323】
用語「アルコキシ」は、本明細書に使用される場合、酸素原子を介して親分子部分に追加された、本明細書に定義されるアルキル基を意味する。アルコキシの代表的な例は、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、2−プロポキシ、ブトキシ、tert−ブトキシ、ペンチロキシ、およびヘキシロキシを含むが、これらに限定されない。用語「アルケニル(alkyenyl)オキシ」、「アルキニルオキシ」、「カルボサイクリル(cycyl)オキシ」および「ヘテロサイクリル(cycyl)オキシ」は、同様に定義される。
【0324】
用語「ハロアルコキシ」は、本明細書に使用される場合、少なくとも1個の水素が、本明細書に定義されるハロゲンと置き換えられた、本明細書に定義されるアルコキシ基を意味する。ハロアルコキシの代表的な例は、クロロメトキシ、2−フルオロエトキシ、トリフルオロメトキシおよびペンタフルオロエトキシを含むが、これらに限定されない。用語「フルオロアルキルオキシ」は同様に定義される。
【0325】
用語「アリールオキシ」は、本明細書に使用される場合、酸素を介して親分子部分に追加された、本明細書に定義されるアリール基を意味する。用語「ヘテロアリールオキシ」は、本明細書に使用される場合、酸素を介して親分子部分に追加された、本明細書に定義されるヘテロアリール基を意味する、用語「ヘテロアリールオキシ」は同様に定義される。
【0326】
用語「アリールアルコキシ」または「アリールアルキルオキシ」は、本明細書に使用される場合、酸素を介して親分子部分に追加された、本明細書に定義されるアリールアルキル基を意味する。用語「ヘテロアリールアルコキシ」は同様に定義される。アリールオキシおよびヘテロアリールアルコキシの代表的な例は、2−クロロフェニルメトキシ、3−トリフルオロメチル−フェニルエトキシおよび2,3−ジメチルピリジニルメトキシを含むが、これらに限定されない。
【0327】
用語「スルフヒドリル」または「チオ」は、本明細書に使用される場合、−SH基を意味する。
【0328】
用語「アルキルチオ」は、本明細書に使用される場合、硫黄を介して親分子部分に追加された、本明細書に定義されるアルキル基を意味する。アルキルチオの代表的な例は、メチルチオ、エチルチオ、tert−ブチルチオおよびヘキシルチオを含むが、これらに限定されない。用語「ハロアルキルチオ」、「フルオロアルキルチオ」、「アルケニル(alkyenyl)チオ」、「アルキニルチオ」、「カルボサイクリル(cycyl)チオ」、および「ヘテロサイクリル(cycyl)チオ」は同様に定義される。
【0329】
用語「アリールチオ」は、本明細書に使用される場合、硫黄を介して親分子部分に追加された、本明細書に定義されるアリール基を意味する、用語「ヘテロアリールチオ」は同様に定義される。
【0330】
用語「アリールアルキルチオ」または「アラルキルチオ」は、本明細書に使用される場合、硫黄を介して親分子部分に追加された、本明細書に定義されるアリールアルキル基を意味する。用語「ヘテロアリールアルキルチオ」は同様に定義される。
【0331】
用語「スルホニル基」は、本明細書に使用される場合、−S(=O)−基を指す。
【0332】
用語「スルホン酸」は、本明細書に使用される場合、−S(=O)OHを指す。
【0333】
用語「アルキルスルホニル」は、本明細書に使用される場合、スルホニル基を介して親分子部分に追加された、本明細書に定義されるアルキル基を意味する。アルキルスルホニルの代表的な例は、メチルスルホニルおよびエチルスルホニルを含むが、これらに限定されない。用語「ハロアルキルスルホニル」、「フルオロ(fluror)アルキルスルホニル」、「アルケニルスルホニル」、「アルキニルスルホニル」、「カルボサイクリル(cycyl)スルホニル」、「ヘテロサイクリル(cycyl)スルホニル」、「アリールスルホニル」、「アラルキルスルホニル」、「ヘテロアリールスルホニル」および「ヘテロアラルキルスルホニル」は同様に定義される。
【0334】
用語「アルコキシスルホニル」は、本明細書に使用される場合、スルホニル基を介して親分子部分に追加された、本明細書に定義されるアルコキシ基を意味する。アルコキシスルホニルの代表的な例は、メトキシスルホニル、エトキシスルホニルおよびプロポキシスルホニルを含むが、これらに限定されない。用語「ハロアルコキシスルホニル」、「フルオロ(fluror)アルコキシスルホニル」、「アルケニルオキシスルホニル」、「アルキニルオキシスルホニル」、「カルボサイクリル(cycyl)オキシスルホニル」、「ヘテロサイクリル(cycyl)オキシスルホニル」、「アリールオキシスルホニル」、「アラルキルオキシスルホニル」、「ヘテロアリールオキシスルホニル」および「ヘテロアラルキルオキシスルホニル」は、同様に定義される。
【0335】
トリフリル、トシル、メシルおよびノナフリルという用語は業界で認知されており、それぞれ、トリフルオロメタンスルホニル、p−トルエンスルホニル、メタンスルホニルおよびノナフルオロブタンスルホニル基を指す。トリフラート、トシラート、メシラートおよびノナフラートという用語は業界で認知されており、それぞれ、前記基を含むトリフルオロメタンスルホン酸エステル、p−トルエンスルホン酸エステル、メタンスルホン酸エステル、およびノナフルオロブタンスルホン酸エステル官能基および分子を指す。
【0336】
用語「アミノスルホニル」は、本明細書に使用される場合、スルホニル基を介して親分子部分に追加された、本明細書に定義されるアミノ基を意味する。
【0337】
用語「スルフィニル」は、本明細書に使用される場合、−S(=O)−基を指す。スルフィニル基は、スルホニル基に対し上に定義された通りである。
【0338】
用語「スルフィン酸」は、本明細書に使用される場合、−S(=O)OHを指す。
【0339】
用語「オキシ」は−O−基を指す。
【0340】
用語「カルボニル」は、本明細書に使用される場合、−C(=O)−基を意味する。
【0341】
用語「チオカルボニル」は、本明細書に使用される場合、−C(=S)−基を意味する。
【0342】
用語「ホルミル」は、本明細書に使用される場合、−C(=O)H基を意味する。
【0343】
用語「アルキルカルボニル」は、本明細書に使用される場合、カルボニル基を介して親分子部分に追加された、本明細書に定義されるアルキル基を意味する。アルキルカルボニルの代表的な例は、アセチル、1−オキソプロピル、2,2−ジメチル−1−オキソプロピル、1−オキソブチルおよび1−オキソペンチルを含むが、これらに限定されない。用語「ハロアルキルカルボニル」、「フルオロアルキルカルボニル」、「アルケニルカルボニル」、「アルキニルカルボニル」、「カルボサイクリル(cycyl)カルボニル」、「ヘテロサイクリル(cycyl)カルボニル」、「アリールカルボニル」、「アラルキルカルボニル」、「ヘテロアリールカルボニル」、および「ヘテロアラルキルカルボニル」は同様に定義される。
【0344】
用語「カルボキシ」は、本明細書に使用される場合、−COH基を意味する。
【0345】
用語「アルコキシカルボニル」は、本明細書に使用される場合、カルボニル基を介して親分子部分に追加された、本明細書に定義されるアルコキシ基を意味する。アルコキシカルボニルの代表的な例は、メトキシカルボニル、エトキシカルボニルおよびtert−ブトキシカルボニルを含むが、これらに限定されない。用語「ハロアルコキシカルボニル」、「フルオロアルコキシカルボニル」、「アルケニルオキシカルボニル」、「アルキニルオキシカルボニル」、「カルボサイクリル(cycyl)オキシカルボニル」、「ヘテロサイクリル(cycyl)オキシカルボニル」、「アリールオキシカルボニル」、「アラルキルオキシカルボニル」、「ヘテロアリールオキシカルボニル」および「ヘテロアラルキルオキシカルボニル」は、同様に定義される。
【0346】
用語「アルキルカルボニルオキシ」は、本明細書に使用される場合、酸素原子を介して親分子部分に追加された、本明細書に定義されるアルキルカルボニル基を意味する。アルキルカルボニルオキシの代表的な例は、アセチルオキシ、エチルカルボニルオキシおよびtert−ブチルカルボニルオキシを含むが、これらに限定されない。用語「ハロアルキルカルボニルオキシ」、「フルオロアルキルカルボニルオキシ」、「アルケニルカルボニルオキシ」、「アルキニルカルボニルオキシ」、「カルボサイクリル(cycyl)カルボニルオキシ」、「ヘテロサイクリル(cycyl)カルボニルオキシ」、「アリルカルボニルオキシ」、「アラルキルカルボニルオキシ」、「ヘテロアリールカルボニルオキシ」、「およびヘテロアラルキルカルボニルオキシ」は同様に定義される。
【0347】
用語「アルキルスルホニルオキシ」は、本明細書に使用される場合、酸素原子を介して親分子部分に追加された、本明細書に定義されるアルキルスルホニル基を意味する。用語「フルオロ(fluror)アルキルスルホニルオキシ」、「アルケニルスルホニルオキシ」、「アルキニルスルホニルオキシ」、「カルボサイクリル(cycyl)スルホニルオキシ」、「ヘテロサイクリル(cycyl)スルホニルオキシ」、「アリールスルホニルオキシ」、「アラルキルスルホニルオキシ」、「ヘテロアリールスルホニルオキシ」、「ヘテロアラルキルスルホニルオキシ」、「ハロアルコキシスルホニルオキシ」、「フルオロ(fluror)アルコキシスルホニルオキシ」、「ハロアルキルスルホニルオキシ」、「アルケニルオキシスルホニルオキシ」、「アルキニルオキシスルホニルオキシ」、「カルボサイクリル(cycyl)オキシスルホニルオキシ」、「ヘテロサイクリル(cycyl)オキシスルホニルオキシ」、「アリールオキシスルホニルオキシ」、「アラルキルオキシスルホニルオキシ」、「ヘテロアリールオキシスルフォニルオキシ」および「ヘテロアラルキルオキシスルホニルオキシ」はその例である。
【0348】
用語「アミノ」は、本明細書に使用される場合、−NHおよびその置換誘導体を指す。ただし、一方または両方の水素は、以下からなる群:アルキル、ハロアルキル、フルオロアルキル、アルケニル、アルキニル、カルボサイクリル(cycyl)、ヘテロサイクリル(cycyl)、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、アルキルカルボニル、ハロアルキルカルボニル、フルオロアルキルカルボニル(アルケニルカルボニル、アルキニルカルボニル、カルボサイクリル(cycyl)カルボニル、ヘテロサイクリル(cycyl)カルボニル、アリールカルボニル、アラルキルカルボニル、ヘテロアリールカルボニル(carnbonyl)、ヘテロアラルキルカルボニル、および上に定義されたスルホニル(sufonyl)およびスルフィニル基から選択される置換基と、独立して置き換えられ、または、両方の水素が一緒にアルキレン基と置き換えられ窒素を含む環を形成する。代表的な例は、メチルアミノ、アセチルアミノおよびジメチルアミノを含むが、これらに限定されない。
【0349】
用語「アミド」は、本明細書に使用される場合、カルボニルを介して親分子部分に追加された、本明細書に定義されるアミノ基を意味する。
【0350】
用語「シアノ」は、本明細書に使用される場合、−C≡N基を意味する。
【0351】
用語「ニトロ」は、本明細書に使用される場合、−NO基を意味する。
【0352】
用語「アジド」は、本明細書に使用される場合、−N基を意味する。
【0353】
用語「ホスフィニル」は、本明細書に使用される場合、−PHおよびその置換誘導体を含む。ただし、1、2または3個の水素は、アルキル、ハロアルキル、フルオロアルキル、アルケニル、アルキニル、カルボサイクリル(cycyl)、ヘテロサイクリル(cycyl)、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、フルオロアルキルオキシ、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、カルボサイクリル(cycyl)オキシ、ヘテロサイクリル(cycyl)オキシ、アリールオキシ、アラルキルオキシ、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアラルキルオキシ、およびアミノからなる群から選択される置換基と独立して置き換えられている。本明細書に使用される場合、−P(=O)OHおよびその置換誘導体を含む。ただし、一方または両方のヒドロキシルは、アルキル、ハロアルキル、フルオロアルキル、アルケニル、アルキニル、カルボサイクリル(cycyl)、ヘテロサイクリル(cycyl)、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、フルオロアルキルオキシ、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、カルボサイクリル(cycyl)オキシ、ヘテロサイクリル(cycyl)オキシ、アリールオキシ、アラルキルオキシ、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアラルキルオキシ、およびアミノからなる群から選択される置換基と独立して置き換えられている。
【0354】
用語「シリル」は、本明細書に使用される場合、HSi−およびその置換誘導体を含む。ただし、1、2または3個の水素は、アルキル、ハロアルキル、フルオロアルキル、アルケニル、アルキニル、カルボサイクリル(cycyl)、ヘテロサイクリル(cycyl)、アリール、アラルキル、ヘテロアリールおよびヘテロアラルキルから選択される置換基(subsitutuents)と独立して置き換えられている。代表的な例は、トリメチルシリル(TMS)、tert−ブチルジフェニルシリル(TBDPS)、tert−ブチルジメチルシリル(TBS/TBDMS)、トリイソプロピルシリル(TIPS)および[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル(SEM)を含む。
【0355】
用語「シリルオキシ」は、本明細書に使用される場合、酸素原子を介して親分子に追加された、本明細書に定義されるシリル基を意味する。
【0356】
略語Me、Et、Ph、Tf、Nf、TsおよびMsは、メチル、エチル、フェニル、トリフルオロメタンスルホニル、ノナフルオロブタンスルホニル、p−トルエンスルホニルおよびメタンスルホニルをそれぞれ表す。当業界の通常の技術の有機化学者によって使用される略語のさらなる総覧が、the Journal of Organic Chemistryの各巻の第1号に見える。このリストは、Standard List of Abbreviationsと題する表で、通常、提供される。
【0357】
本明細書において使用される場合、「炭水化物」(または「糖」に等しい)は、サッカライド(単糖類、オリゴ糖および多糖を含む)、および/または、例えば、カルボニル基の還元によって、1個または複数の末端基のカルボン酸への酸化によって、水素原子、アミノ基、チオール基または同様のヘテロ原子団などによる1個または複数のヒドロキシ基(複数可)の置き換えによって、1個または複数の単糖から誘導される分子(オリゴマーまたはポリマーを含む)である。用語「炭水化物」はまた、これらの化合物の誘導体を含む。いくつかの場合には、炭水化物は、五炭糖(すなわち5個の炭素を有する)または六炭糖(すなわち6個の炭素を有する)であってもよい。また、特定の事例において、炭水化物は、例えば、上に記載されたものを包含する五炭糖および/または六炭糖単位を含むオリゴ糖であってもよい。
【0358】
「炭水化物」および「糖」はまた、本明細書に使用される場合、模造糖および糖状部分を含む。模造糖は当業者に周知であり、「糖生物学の要点」”Essentials of Glycobiology”Edited by Varki,A.,ら、Cold Spring Harbor Laboratory Press.Cold Spring Harbor,N.Y.2002.に詳細に記載されているものを含む。例えば、本発明によって企図された模造糖の基は、IUPAC会議によって規定されたように、3以上の各環原子上の1個のヒドロキシル基を含有する、シクロアルカンなどのシクリトールを含む。他の実施形態において、そのようなシクリトール部分は、scyllo−イノシトールなどのイノシトールを含む。好適な糖状部分は非環式の糖基を含む。そのような基は、ほんの2、3例をあげると、直鎖状のアルキトール(alkytols)およびエリトリトールを含む。糖基が環状または非環式のいずれかの形態において存在し得ることが認識されよう。その結果、糖基の非環式の形態は、本発明によって適切な糖状の部分として企図される。
【0359】
用語「没食子酸当量」は、Folin−Ciocalteauアッセイによる様々な分析種のフェノール含有率の定量化に対し、没食子酸の使用を標準として参照する(refering)周知の技術の用語である。
【0360】
用語「抽出物」または「植物の抽出物」は、本明細書に使用される場合、化学的または物理的なプロセスによって、不活性物または不活性成分から植物の医薬活性な部分を分離することによって調製された生成物を指す。
【0361】
本明細書に使用される場合、用語「認知機能」は、例えば、思考、学習、判断、記憶、計算、運動機能制御などの精神的な課題を行う能力を指す。表現「認知機能の弾性」は、経時的な劣化に耐える認知機能の機能要素の能力を指す。
【0362】
本明細書に使用される場合、用語「治療有効量」、「記憶を増強する量」および「認知を増強する量」は、交換可能に使用され、対象への投与の後の、健康または全体的な福祉の対象の認識を含む、治療のまたは有益な効果をもたらす本発明の組成物の量を指す。
【0363】
詳細には、「認知機能を増強する量」とは、精神的な課題を行う能力に顕著に影響を与え、記憶、計算、注意力または他の精神的なまたは認知の特質に対する検査によって測定され、または、これらの領域での対象の能力の個人の認識によって示唆される、本発明の組成物の量を指す。
【0364】
用語「栄養補助食品」および「栄養補給剤」は、本明細書において交換可能に用いられ、以下を意味する。(1)1種または複数の以下の食事成分を有するまたは含む、食事を補うことを意図する製品:(A)ビタミン、(B)ミネラル、(C)薬草または他の植物、(D)アミノ酸、(E)食事摂取の合計を増加することにより食事を補う、人による使用のための食事の物質および/もしくは(F)濃縮物、代謝物質、成分、抽出物、または項(A)、(B)、(C)、(D)、または(E)に記載される任意の成分の組み合わせ、ならびに(2)(A)(i)摂取が意図される製品;(B)従来の食品としてまたは食品もしくは食事の単独の品目として使用するためとは表現されない製品、および、(C)栄養補助食品として標識付けされる製品。
【0365】
用語「食品」は、本明細書に使用される場合、(1)人または他の動物のために使用される食物または飲料用の物品、(2)チューインガム、および(3)任意のそのような物品の成分に使用される物品を指す。用語「機能性食品」または「機能性栄養剤」は、規制なしで(例えば、スーパーマーケットまたはオンラインで)販売される食品または栄養剤を指す。用語「病人用特別食」または「医療用栄養剤」は、医師によって処方される食品または栄養剤を指す。食品または栄養剤は、固体、液体、ゲル、粉末または気体であってもよい。固体の例は、果物系飲料、コーヒー系飲料、茶系飲料、スポーツ飲料、栄養バー、スナック食品、ガム、シリアル、キャンディー、乳児用調合乳、エネルギー飲料、成人栄養飲料および他の食品製品である。用語「スポーツ飲料」は、スポーツ選手に水分を補給する、ならびに電解質、糖および他の栄養素を回復する飲料(例えばGatorade、POWERade、AU Sport)を指す。本明細書に使用される場合、用語「栄養飲料」は、Jolt Cola、Red Bullおよび類似品を含むが、これらに限定されない飲料を指し、合法の興奮剤、ビタミンおよびミネラルを含み、これらの製品は使用者にエネルギーの爆発を与えるように製剤化されている。用語「成人栄養飲料」は、本明細書に使用される場合、Ensure、Longetics(登録商標)などの製品または同様の製品を指す。用語「健康飲料」は、炎症の縮小、免疫系の支援、病原菌の中和、動脈の滞流の予防、認知機能の保持および癌成長の阻止を含むが、これらに限定されない、有益な健康効果があることを意味する任意の飲料を指す。
【0366】
例証
本発明は、以下の実施例を参照してより容易に理解されるが、これらは単に、本発明の特定の態様および実施形態の例証の目的のために包含され、本発明を限定するようには意図されない。
【0367】
実施例1:Aβ(25−35)の凝集を阻止するザクロ化合物のスクリーニング検査
Bachem Pharmaから購入したモノマーのAβ(25−35)を、4℃で蒸留滅菌水に溶解し、次いで、約1分間超音波処理した(sonitcated)。次いで、ペプチド原料溶液を小分けし、−20℃で保存した。ステップはすべて4℃で行いAβ(25−35)の重合を防いだ。
【0368】
評価し、−20℃で保存する前に、ポリフェノールの分画はすべて10mg/mLに標準化した。阻止の測定は、当業界で公知の適合手順で、70μLリン酸緩衝液、10μLチオフラビンT(100μM原料溶液)、10μLMeOH(最終濃度10mM)pH7.2、およびAβ(25−35)(最終濃度100μM)10μLを含有する反応混合物において、Aβ(25−35)重合の反応速度論に従うことにより行った。LeVine,H.,3rd(1993).「合成アルツハイマー病ベータアミロイドペプチドとのチオフラビンT相互作用:溶液中のアミロイド凝集の検出」”Thioflavine T interaction with synthetic Alzheimer’s disease beta−amyloid peptides: detection of amyloid aggregation in solution.”Protein Sci. 2(3):404−10.。Aβ(25−35)を緩衝液に添加して、溶液をさらに1分間超音波処理した。
【0369】
分画の阻止活性を検討するために、その抽出物をMeOHで最終濃度に希釈し、10μLを4℃で混合物に添加した。蛍光分光法は、励起450nmおよび発光490nmで記録した。重合反応速度を25℃で0〜120分の間モニターした。IC50を、実験データをシグモイド曲線と一致させるために最小二乗法を使用することにより算定した。IC50は、Aβ小繊維の形成を対照値の50%に阻止する化合物の有効濃度用量である。
【0370】
ザクロ(プニカ・グラナトゥム(ワンダフル種))を、3種の相異なる緩衝剤を使用して抽出し、極性を上げた分子を用いて富化した分画を得た。ザクロを、水、ブタノールおよび酢酸エチル緩衝剤とブレンドし抽出した。3つの分画を、各10mg/mLで実施例1に記載されたアッセイで試験した。結果は、凝集の65%を超える阻止をすることができ(図11)、酢酸エチル分画が最も高い活性を含むことを示した。
【0371】
酢酸エチル、ブタノールおよび水分画を、遠心分配クロマトグラフィーによってさらに下位分画し、標準HPLC法を使用して純粋な化合物を単離した。分子はHPLC/MSおよびNMR調査を使用して同定した。実施例1に記載された凝集のアッセイにおいて、90%を超える純度の各分子を使用した。結果は図12−18に表され、以下に要約される。
【0372】
分画A3Jは、10μMのIC50で凝集を阻止し、NMRはこの分子をプニカリンと同定した。分画A1Dは、11μMのIC50で凝集を阻止した。MSデータはこの分子をペズンクラギンと同定した。分画W12は、6μMのIC50で凝集を阻止し、プニカラギンであることが裏付けられた。また分画A3Iは、9.3μMのIC50で凝集を阻止した。最後に、分画A3Gは、6.8μMのIC50で凝集を阻止し、NMRおよびMSデータはこの分子をテリマグランジンと同定した。コリラギンは、65μMのIC50で凝集を阻止した。
【0373】
実施例2:Aβ−オリゴマーに誘発された神経細胞死の阻止の測定
オリゴマー形成を阻止することができる分画をまた、神経細胞培養の周知で受け入れられたモデルであるP12細胞を使用して、Aβオリゴマーに誘発された神経細胞死を阻止するそれらの能力に関して試験した。
【0374】
ベータアミロイドペプチド(Aβ)25−35トリフルオロ酢酸塩(商品番号H−1192、ロット2000718)をBachem(Bubebdorf、Switzerland)から購入した。チアゾリルブルーテトラゾリウムブロミド(MTT、商品番号M2128)をSigma−Aldrich(Saint−Quentin Fallvier,France)から購入した。アルブミンの牛分画V(BSA、商品番号160069)をMPBio(Irvine,USA)から購入した。
【0375】
細胞:ラットクロム親和性細胞腫細胞(PC12)を、10%ウマ血清(HS)、5%ウシ胎児血清(FCS)および100U/mLペニシリンおよび100μg/mLストレプトマイシンで補ったDMEM(4.5g/Lグルコース)中に、37℃で5%のCO下で維持した。
【0376】
Aβ(25−35)の調製:Aβオリゴマーがモノマーより神経細胞に有毒であることが報告されている。したがって、この調査に使用するAβ(25−35)は、使用前に前もって凝集させた。Aβは水中1mMに溶解し−20℃で保存した。使用直前に凝集を誘発するために、Aβ(25−35)を37℃で3日間インキュベートした。
【0377】
Aβ損傷からPC12細胞を保護する水アルコールザクロ抽出物の能力の判定:ザクロ抽出物がAβ(25−35)オリゴマーに誘発された毒性からPC12細胞を保護する能力を、細胞生存率を反映するMTTのMTTフォルマザンへの還元の測定により求めた。PC12細胞を96ウェル培養皿で平板培養し、一度集密にし、DMEM0.1%BSA中で1時間、相異なる濃度のザクロ抽出物(0.1%DMSO)で前処理した。次いで、細胞を、追加の24時間10μMの前もって凝集したAβ(25−35)と共にまたは無しで培養した。24時間後、細胞培地(PBS中原料溶液3mg/mL)のMTT溶液300μg/mLを、37℃で2時間添加した。次いで、培地は除去し、フォルマザン結晶をDMSO100μL中に溶解した。MTT還元およびしたがって細胞生存率のレベルは、マイクロプレートリーダ(BioTek EL808)を使用して、595nmで光学濃度を測定する比色測定法によって判断した。
【0378】
図24に示されるように、抽出物1766および1767は、Aβ(25−35)オリゴマー毒性からPC12神経細胞を保護することができた。抽出物1766はザクロ果物全体の水アルコール抽出物である。抽出物1767はザクロ殻の水アルコール抽出物である。抽出のために、果物全体および殻を分離し、切断し、粉砕してブレンダーに入れた。結果として得られた断片は、水アルコール溶液(EtOH/水80/20)中でインキュベートし、室温で4時間揺動した。光保護環境中でさらなる浸軟後、溶液を濾過真空(50mbarで40℃)下に乾燥し、次いで、さらなる分画の使用まで−20℃で保存した。抽出物1767の下位分画を作製しPC12細胞のAβ誘発された細胞毒性(Aβ−inducted cytotoxictiy)から保護するそれらの能力を試験した。分画1767−2および1767−3は、最も活性であることが示された。さらなる分析、すなわちこれらの2つの分画濃度および試験によって、観察された活性の原因である天然化合物としてプニカラギンと同定した(indentification)。DMSOは担体として使用したが、アッセイ上干渉を示さなかった。
【0379】
実施例4:抽出手順
特定の分子を含むザクロ抽出物31008は、記載されるような標準ポリマー吸着系カラム中でのポリフェノールの吸着に基づいた抽出手順を使用して調製した。ザクロ(例えば、(Mollar種)は標準の搾汁および製造工程を使用して汁を搾り、遠心分離によって透明にし、純粋なジュースとしてポリマークロマトグラフィー樹脂へ吸着させた。樹脂Amberlite XAD−16(Rohm & Haas)を準分取カラムに充填し、抽出したジュースを装填した。糖を除去するために、完了(ブリックスレベルは0.1%未満であった)するまでカラムを水で洗浄した。ポリフェノールは100%エタノールで溶出した。残りのエタノールは、真空下に蒸発させ、合計ポリフェノール含有率を、Folinアッセイを使用して測定して、1リットル当たり合計4.5gのポリフェノールを含む濃縮抽出物を得た。
【0380】
抽出物31008は、上記の化合物の同定をHPLC−MSを使用して、分子プニカラギン、プニカリン、テリマグランジンおよびペズンクラギンを含むことを示した。この技法は、ポリフェノール形態の様々な植物およびベリーの精製についていくつかの発表された方法によって記載されるように、当業界で公知の方法の変形である。Tuck,K.L. and P.J.Hayball(2002)。「オリーブ油中の主要なフェノール類:代謝および健康の効果」”Major phenolic compounds in olive oil: metabolism and health effects.”J Nutr Biochem 13(11):636−644;およびSchieber, A., P. Hilt, ら(2003)。「りんご絞り滓からのペクチンおよびフェノール化合物の組み合わせた回収の新規プロセス。」”A new process for the combined recovery of pectin and phenolic compounds from apple pomace.”InnoVations Food Sci.Emerging Technol.4:99−107.
実施例4 動物試験 −− モリス水迷路
抽出物31008は、アミロイド変異体、ロンドン変異およびプレセニリン−1ヒト変異のいずれをも発現しているアルツハイマー病の動物モデルで試験した。このモデルの動物は4か月の年齢までに斑を、および6か月までに記憶欠損を発症している。濃密斑負荷は7か月後に目に見える。
【0381】
実験の1つの組において、年齢4か月のAPP−PS1遺伝子組み換えのマウスに、およそ合計97mgの抽出物のポリフェノール/kg/日の一定用量を飲料水経由で与えた。3か月供給後、マウス(そのとき年齢7か月)をモリス水迷路空間検査で試験した。モリス水迷路は84−87日間の処置の間行った。
【0382】
プール(直径1mの白色円形の器)は、脱出プラットフォーム(水面下1cm)を隠すために、無毒無臭の添加剤としての二酸化チタンと共に20℃の水を含む。各マウスの泳ぎは、録画し分析した(Ethovision, Noldus information Technology, Wageningen, the Netherlands)。訓練の前に、各マウスを15秒間プラットフォームの上に載せた。場所ナビゲーション検査のために、マウスは、3日連続で3回の試行の5つのブロックに隠したプラットフォームに乗るように訓練された。各試行は、最高120秒の強制的な泳ぎ検査、続いて60秒の休息からなる。各マウスの学習曲線を判断するために、連続5ブロックの訓練の間にプラットフォームに乗るのに必要とする時間を各マウスで測定した。
【0383】
最終訓練の24時間後に、各プラットフォームを取り除き、動物にプローブ試行をさせた。マウスになくなったプラットフォームを60秒間探索させ、プールの各四分円において費やされた探索時間、ならびに、もとのプラットフォーム位置の横断回数を測定した。図24に示されたように、抽出物31008を与えたマウスは、以前にプラットフォームが位置していた領域の横断頻度の増加によって示されるように、プローブ検査において成績の向上を示した。
【0384】
実施例5:動物試験 − アミロイド斑負荷
アミロイド斑の負荷レベルがアミロイド系疾患の進行と相関すると示されたので、抽出物31008を用いる治療効果を検討した。マウスを犠牲にし、その脳を集めて、標準方法を使用して免疫組織化学のための準備をした。矢状ビブラトーム切片(Sagital vibratome sections)(40μm)を切り出し自由浮遊培養し、アジ化ナトリウム0.1%でPBS中で染色するまで4℃で保存した。海馬台の部位の1つの脳当たり連続30切片を、染色に選択した(2.18〜1.08mmの間の外側)。切片1、7、13、19、25を、Aβ(抗アミロイド)用のIHCで染色した。使用したすべての動物の切片は染色および盲目定量化のために無作為化した。
【0385】
自由浮遊切片をNettウェルでインキュベートし、1回のアッセイですべての切片を染色し強度偏差を最小限に抑えた。切片は、PBS中で2度洗浄し、内源性のペルオキシダーゼ活性を除去するためにPBSおよびメタノール(1:1)中の過酸化水素1.5%中で15分間インキュベートした。0.1%トリトンX100(PBST)含有PBS中で切片を3回洗浄した後、切片をPBST中ウシ胎児血清(FCS)10%中で30分間ブロックし、続いてFCS10%を含むPBST中でビオチン化一次抗体を用いて終夜培養した。(1:2800の稀釈を用いて、ビオチンで標識付けしたAβの、N末端基に対する抗アミロイド)。リンスの後、切片を37℃で15分間、PBS中トリプシン0.01%中でインキュベートし、続いて、アビジンビオチンペルオキシダーゼ複合体を用いてインキュベートした。(Vectastain Elite ABC,Vector,Burlingame,CA)。シグナルは3,3’−ジアミノベンジジンテトラヒドロクロリド錠剤で現像した。(DAB、ICN、10mL当たり3μLHを含む1錠/10mLTris−HCl)。切片はメーヤーヘマトキシリンで対比染色し、エタノールおよびキシレン(Merck Eurolab)中に5ステップ(50、70、95および2×100%)で脱水し、Depexに封入した。(Depex封入剤、BDH Laboratory)。
【0386】
図25に示されたように、抽出物を与えられたマウスは、確認された分子の凝集への作用と一致する脳アミロイド斑負荷の著しい減少を有している。
【0387】
実験の第2の組において、年齢2か月のAPP−PS1遺伝子組み換えマウスに、飲料水経由で一定用量の、およそ90mg(抽出物31008−L−)および800mg(抽出物31008−H−)の合計ポリフェノール/kg/日の高度に富化したプニカラギン抽出物、抽出物31008を与えた。別の群にも、高度に富化したプニカラギン抽出物、抽出物61109を用量468mg/kg/日で与えた。最後の群には用量120mg/kg/日でザクロ殻に由来する抽出物71109を与えた。4か月の供給後、マウス(そのとき年齢約6.5か月)をモリス水迷路空間記憶検査で試験した。図26に示されるように、抽出物31008を用量97mg/日で与えたマウスは、プラットフォームゾーンにおいて費やされた時間の増加で示されるように、プローブ検査の間の成績の増加を示した。他方、用量828mg/日で抽出物31008を与えたマウスは、等カロリーのビヒクルを投与した対照遺伝子組み換えと比較して、成績の変化を示さなかった。この結果は、使用したザクロ抽出物を用いた、記憶の改善に対する投薬効果を説明する。抽出物61109および71109を受け取ったマウスは、プローブ検査において成績(perfomance)の著しい改善を示した(ビヒクルhAPP−Tgに対してテューキー多重比較検査でP<0.05)。
【0388】
実施例6:動物試験 −− 高齢ラット
ザクロ抽出物からのポリフェノールの経口投与の、高齢ラットの認知機能に対する効果を検討した。このモデル系は、正常な若い成体において検出できない潜在的利益を強調するために、老化プロセスの結果として損なわれた脳機能を見せる動物の処置の効果を評価するために選択した。治療は、認知障害の発症にほぼ対応する19か月のオスのスプレーグ・ドーリーネズミで開始した。(参照、Martinez−Serrano A、Bjorklund A「前駆症状の中年ラットの前脳基底核への生体外の神経成長因子遺伝子移入は、老化の間にコリン作動性神経細胞衰退および認知障害の進行を予防する」”Ex vivo nerve growth factor gene transfer to the basal forebrain in presymptomatic middle−aged rats prevents the development of cholinergic neuron atrophy and cognitive impairment during aging”Proc Natl Acad Sci USA.1998 Feb 17;95(4):1858−63;およびBisson JF,Nejdi A,Rozan P,Hidalgo S,Lalonde R,Messaoudi M.「高齢ラットの認知機能に対するココアポリフェノール抽出物(Acticoa粉末)の長期的な投与の効果」”Effects of long−term administration of a cocoa polyphenolic extract(Acticoa powder) on cognitive performances in aged rats”Br J Nutr.2008 Jul;100(1):94−101,Epub 2008 Jan 8).動物の成績は、泳ぎ課題学習および社会認識記憶の行動試験を用いて、主としてモニターした。
【0389】
ポリフェノールは、究極的な目標とする送達様式を再現するために飲料水中の希釈物によって、経口で投与した。実験はザクロからのポリフェノール富化した抽出物の2種の投薬を比較した。
【0390】
a) 社会認識
社会認識識別課題において、各高齢ラットを、若いオスのスプレーグ・ドーリーネズミ(年齢<5週)と一緒にそのホームケージに5分間入れた。30分後に、正確に同一の手順を同一の幼若体で繰り返し、2匹の動物間の相互作用の程度を2度目に判断した。適当な記憶機能を有する動物においては、2匹の動物が前に相互作用をしているので、より少ない接触が予想される。第2の曝露の30分後に、高齢ラットが2匹の相異なる若い個体を区別することができるか調べるために、新規の若いラットを高齢ラットと一緒に5分間入れた。2匹の動物間の相互作用の各時間の間、接触の合計時間を社会認識を評価するために測定した。この検査は2.5から3か月の治療後行った。
【0391】
図27に示されたように、低用量の抽出物31008(15mgの没食子酸当量/kg/日)を与えた高齢ラットにおいて、第2の曝露の間に若い#1と共に費やした時間の観察された減少は、治療の結果として認識記憶の成績の改善を示すものである。続いて新規の若いラット#2に曝露した場合、15mg没食子酸当量/kg/日の抽出物で治療した高齢ラットにおいて、相互作用時間は増加し、治療した高齢ラットが2匹の相異なる若いラットを識別することができ、記憶機能を有し得ることを示す。これに反して、対照の等カロリー処置した高齢ラットは、若いラット#1への1回目および2回目の曝露の相互作用時間は同等の長さであり、その認識記憶の障害を示す。若い#2に曝露した対照高齢ラットは、若い#1への先の曝露すべてと同等の相互作用時間を示し、対照動物がこれらの相互作用を識別することができないこと、すなわち、認知の低下および記憶の後退の証明を示す。(等カロリーの対照N=12、抽出物治療した群N=14)。75mg没食子酸当量/kg/日の用量の抽出物で治療した高齢ラット(N=10)は、15mgで治療したラットと違い、若いラット#1または新規の若いラット#2に2回目に曝露された場合、等カロリーの対照群に同様の成績を示す。したがって、これはこの効果において用量の重要性を示している。
【0392】
b)モリス水迷路:反転検査
高齢ラットを、年齢19か月から始めて3か月の期間、抽出物31008(15mg没食子酸当量/kg/日)または等カロリーの対照で継続的に治療した。高齢ラットを、訓練およびプローブ検査に続いて、反転課題の成績に関して試験し、プラットフォームは反対の四分円(西→東)に置き、動物を3つの訓練セッションにかけた。この検査において、同様の課題において新規のプラットフォーム位置に再適合する迅速さは、動物の学習能力をさらに評価する。
【0393】
図28に示されるように、15mg没食子酸当量/kg/日の抽出物で治療した高齢ラットは、反転検査において、等カロリーの対照高齢ラットと比較して、プラットフォームの位置認識に著しくより効率的であった(一元配置分散分析、P<0.02;等カロリー対照:N=11;抽出物:N=14)。これは、低用量の抽出物(15mg没食子酸当量/kg/日)の記憶改善への有益な効果および対照、非治療の高齢ラットにおいて観察された自然の記憶衰退に対する保護を例証する。15mg没食子酸当量/kg/日用量の観察された効果は、社会認識記憶評価および記憶改善を達成する適当な用量の重要性における観察と一致している。
【0394】
参照による組み込み
本明細書に引用された米国特許および米国特許出願公開はすべて、参照によって本明細書に組み込まれる。
【0395】
等価物
当業者は、ごく普通の実験作業によって、本明細書に記載された本発明の特定の実施形態との多くの等価物を認識し、または確認することができるであろう。
【0396】
そのような等価物は、本開示によって包含されるように意図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ある量のプニカリン、プニカラギン、ペズンクラギン、テリマグランジン、コリラギン、グラナチンA、グラナチンB、テルミナリン、ガラギルジラクトン、コンパウンドAまたは式I:
【化1】

[式中、各出現時に、独立して、Xは、
【化2】

もしくは
【化3】

であり;また、
、RおよびRはそれぞれ独立して水素、アルキル、アラルキル、アルキルカルボキシ、もしくは糖であり;または、
は、水素、アルキル、アラルキル、アルキルカルボキシ、
【化4】

、もしくは糖であり、Rは、水素もしくは
【化5】

であり、また、R
【化6】

であり; または、
は、水素、アルキル、アラルキル、アルキルカルボキシもしくは糖であり、また、一緒になったRおよびRは、
【化7】

である。]の化合物、またはその薬学的に許容される塩、生物学上活性代謝物、溶媒和物、水和物、プロドラッグ、エナンチオマーもしくは立体異性体を対象に投与するステップを含む方法。
【請求項2】
Xが、
【化8】

である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
Xが、
【化9】

である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
が水素である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
が、アロース(”All”)、アルトロース(”Alt”)、アラビノース(”Ara”),エリトロース、エリトルロース、フルクトース(”Fru”)、フコサミン(”FucN”)、フコース(”Fuc”)、ガラクトサミン(”GalN”)、ガラクトース(”Gal”)、ガロイル−β−グルコース、グルコサミン(”GlcN”)、グルコサミニトール(”GlcN−ol”)、グルコース(”Glc”)、グリセルアルデヒド、2,3−ジヒドロキシプロパナール、グリセリン(”Gro”)、プロパン−1,2,3−トリオール、グリセロン(”1,3−ジヒドロキシアセトン”)、1,3−ジヒドロキシプロパノン、グロース(”Gul”)、イドース(”Ido”)、リキソース(”Lyx”)、マンノサミン(”ManN”)、マンノース(”Man”)、プシコース(”Psi”)、キノボース(”Qui”)、キノボサミン、ラムニトール(”Rha−ol”)、ラムノサミン(”RhaN”)、ラムノース(”Rha”)、リボース(”Rib”)、リブロース(”Rul”)、ルチノース、シアル酸(”Sia”または”Neu”)、ソルボース(”Sor”)、タガトース(”Tag”)、タロース(”Tal”)、酒石酸、エリトラル酸/トレアル酸、トレオース、キシロース(”Xyl”)、またはキシルロース(”Xul”)からなる群から選択される糖である、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
が水素である、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
が、アロース(”All”)、アルトロース(”Alt”)、アラビノース(”Ara”),エリトロース、エリトルロース、フルクトース(”Fru”)、フコサミン(”FucN”)、フコース(”Fuc”)、ガラクトサミン(”GalN”)、ガラクトース(”Gal”)、ガロイル−β−グルコース、グルコサミン(”GlcN”)、グルコサミニトール(”GlcN−ol”)、グルコース(”Glc”)、グリセルアルデヒド、2,3−ジヒドロキシプロパナール、グリセリン(”Gro”)、プロパン−1,2,3−トリオール、グリセロン(”1,3−ジヒドロキシアセトン”)、1,3−ジヒドロキシプロパノン、グロース(”Gul”)、イドース(”Ido”)、リキソース(”Lyx”)、マンノサミン(”ManN”)、マンノース(”Man”)、プシコース(”Psi”)、キノボース(”Qui”)、キノボサミン、ラムニトール(”Rha−ol”)、ラムノサミン(”RhaN”)、ラムノース(”Rha”)、リボース(”Rib”)、リブロース(”Rul”)、ルチノース、シアル酸(”Sia”または”Neu”)、ソルボース(”Sor”)、タガトース(”Tag”)、タロース(”Tal”)、酒石酸、エリトラル酸/トレアル酸、トレオース、キシロース(”Xyl”)、またはキシルロース(”Xul”)からなる群から選択される糖である、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
が水素である、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
が、アロース(”All”)、アルトロース(”Alt”)、アラビノース(”Ara”),エリトロース、エリトルロース、フルクトース(”Fru”)、フコサミン(”FucN”)、フコース(”Fuc”)、ガラクトサミン(”GalN”)、ガラクトース(”Gal”)、ガロイル−β−グルコース、グルコサミン(”GlcN”)、グルコサミニトール(”GlcN−ol”)、グルコース(”Glc”)、グリセルアルデヒド、2,3−ジヒドロキシプロパナール、グリセリン(”Gro”)、プロパン−1,2,3−トリオール、グリセロン(”1,3−ジヒドロキシアセトン”)、1,3−ジヒドロキシプロパノン、グロース(”Gul”)、イドース(”Ido”)、リキソース(”Lyx”)、マンノサミン(”ManN”)、マンノース(”Man”)、プシコース(”Psi”)、キノボース(”Qui”)、キノボサミン、ラムニトール(”Rha−ol”)、ラムノサミン(”RhaN”)、ラムノース(”Rha”)、リボース(”Rib”)、リブロース(”Rul”)、ルチノース、シアル酸(”Sia”または”Neu”)、ソルボース(”Sor”)、タガトース(”Tag”)、タロース(”Tal”)、酒石酸、エリトラル酸/トレアル酸、トレオース、キシロース(”Xyl”)、またはキシルロース(”Xul”)からなる群から選択される糖である、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
、RおよびRが、それぞれ独立して、水素、アルキル、アラルキル、アルキルカルボキシ、または糖である、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
、RおよびRが水素である、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
が水素、アルキル、アラルキル、アルキルカルボキシ、または糖であり、R
【化10】

であり、かつ、Rが、
【化11】

である、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
が水素であり、R
【化12】

であり、かつ、R
【化13】

である、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
が水素、アルキル、アラルキル、アルキルカルボキシ、または、糖であり、かつ一緒になったRおよびRが、
【化14】

である、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
が水素であり、かつ、一緒になったRおよびRが、
【化15】

である、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
本発明の前記化合物が純粋で単離されている、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記化合物が栄養補助食品組成物の一部として投与される、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記化合物が医薬組成物の一部として投与される、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
前記化合物が機能性食品または機能性栄養剤の一部として投与される、請求項1に記載の方法。
【請求項20】
前記化合物が病人用特別食または医療用栄養剤の一部として投与される、請求項1に記載の方法。
【請求項21】
前記化合物が栄養補助食品の一部として投与される、請求項1に記載の方法。
【請求項22】
前記化合物が植物性薬品の一部として投与される、請求項1に記載の方法。
【請求項23】
前記対象が哺乳動物である、請求項1に記載の方法。
【請求項24】
前記対象がヒトである、請求項1に記載の方法。
【請求項25】
前記対象が畜産動物である、請求項1に記載の方法。
【請求項26】
前記対象の全体的な認知が改善される、請求項1に記載の方法。
【請求項27】
前記対象の記憶が改善される、請求項1に記載の方法。
【請求項28】
前記対象の全体的な認知が維持される、請求項1に記載の方法。
【請求項29】
前記対象の記憶が維持される、請求項1に記載の方法。
【請求項30】
前記対象の神経細胞(複数可)が保護される、請求項1に記載の方法。
【請求項31】
認知障害を治療または予防する、請求項1に記載の方法。
【請求項32】
神経変性障害を治療または予防する、請求項1に記載の方法。
【請求項33】
メタボリック症候群、II型糖尿病、異脂肪血症(dislipidemia)または肥満症を治療または予防する、請求項1に記載の方法。
【請求項34】
前記対象のアミロイドーシス関連の症状を治療または予防する、請求項1に記載の方法。
【請求項35】
アミロイドーシス関連の症状がMCIまたはAAMIである、請求項35に記載の方法。
【請求項36】
ALS、ハンチントン病、パーキンソン病またはダウン症候群を治療または予防する、請求項1に記載の方法。
【請求項37】
アルツハイマー病を治療または予防する、請求項1に記載の方法。
【請求項38】
ヒトの認知障害を治療または予防する、請求項1に記載の方法。
【請求項39】
前記投与の後ヒトの記憶が改善される、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
記憶における改善が、短期記憶、長期記憶、記憶固定、手続記憶および陳述記憶における改善からなる群から選択される尺度の少なくとも1つにおける改善である、請求項38に記載の方法。
【請求項41】
ヒトの注意力が、前記投与の後改善される、請求項38に記載の方法。
【請求項42】
ヒトの反応時間が、前記投与の後改善される、請求項38に記載の方法。
【請求項43】
ヒトの学習が、前記投与の後改善される、請求項38に記載の方法。
【請求項44】
対象にある量のザクロ抽出物を投与するステップを含む方法であって、
前記抽出物が、少なくとも1種のポリフェノールを含む有効分画を含み;
前記抽出物が:
ジュースを搾り製造する工程、場合によって、後続の遠心分離および/または限外濾過による分画、その後の乾燥;
ジュースを搾り製造する工程、場合によって、後続の遠心分離および/または限外濾過による分画、その後のポリマーのクロマトグラフィー樹脂への吸着、水洗浄および溶媒での溶出;または
ジュースを搾り製造する工程、場合によって、後続の遠心分離および/または限外濾過による分画、その後のポリマーのクロマトグラフィー樹脂への吸着、水洗浄および溶媒での溶出、続く乾燥;
によって調製される方法。
【請求項45】
抽出物が、ジュースを搾り製造する工程、場合によって、後続の遠心分離および/または限外濾過による分画、その後の乾燥によって調製された、請求項44に記載の方法。
【請求項46】
抽出物が、ジュースを搾り製造する工程、場合によって、後続の遠心分離および/または限外濾過による分画、その後のポリマーのクロマトグラフィー樹脂への吸着、水洗浄および溶媒での溶出によって調製された、請求項44に記載の方法。
【請求項47】
抽出物が、ジュースを搾り製造する工程、場合によって、後続の遠心分離および/または限外濾過による分画、その後のポリマーのクロマトグラフィー樹脂への吸着、水洗浄、溶媒での溶出、および続く乾燥によって調製された、請求項44に記載の方法。
【請求項48】
抽出物が遠心分離によって分画される、請求項44に記載の方法。
【請求項49】
抽出物が限外濾過によって分画される、請求項44に記載の方法。
【請求項50】
溶媒がアルコールである、請求項44に記載の方法。
【請求項51】
樹脂がAmberlite XAD−16(Rohm & Haas)である、請求項44に記載の方法。
【請求項52】
前記抽出物が栄養補助食品組成物の一部として投与される、請求項44に記載の方法。
【請求項53】
前記抽出物が医薬組成物の一部として投与される、請求項44に記載の方法。
【請求項54】
前記抽出物が機能性食品または機能性栄養剤の一部として投与される、請求項44に記載の方法。
【請求項55】
前記抽出物が病人用特別食または医療用栄養剤の一部として投与される、請求項44に記載の方法。
【請求項56】
前記抽出物が栄養補助食品の一部として投与される、請求項44に記載の方法。
【請求項57】
前記抽出物が植物性薬品の一部として投与される、請求項44に記載の方法。
【請求項58】
前記対象が哺乳動物である、請求項44に記載の方法。
【請求項59】
前記対象がヒトである、請求項44に記載の方法。
【請求項60】
前記対象が畜産動物である、請求項44に記載の方法。
【請求項61】
前記対象の全体的な認知が改善される、請求項44に記載の方法。
【請求項62】
前記対象の記憶が改善される、請求項44に記載の方法。
【請求項63】
前記対象の全体的な認知が維持される、請求項44に記載の方法。
【請求項64】
前記対象の記憶が維持される、請求項44に記載の方法。
【請求項65】
前記対象の神経細胞(複数可)が保護される、請求項44に記載の方法。
【請求項66】
前記対象の認知障害を治療または予防する、請求項44に記載の方法。
【請求項67】
神経変性障害を治療または予防する、請求項44に記載の方法。
【請求項68】
メタボリック症候群、II型糖尿病、異脂肪血症(dislipidemia)または肥満症を治療または予防する、請求項44に記載の方法。
【請求項69】
前記対象のアミロイドーシス関連の症状を治療または予防する、請求項44に記載の方法。
【請求項70】
アミロイドーシス関連の症状がMCIまたはAAMIである、請求項70に記載の方法。
【請求項71】
ALS、ハンチントン病、パーキンソン病またはダウン症候群を治療または予防する、請求項44に記載の方法。
【請求項72】
アルツハイマー病を治療または予防する、請求項44に記載の方法。
【請求項73】
ヒトの記憶障害を治療する、請求項44に記載の方法。
【請求項74】
ヒトの記憶が前記投与の後改善される、請求項73に記載の方法。
【請求項75】
記憶における改善が、短期記憶、長期記憶、記憶固定、手続記憶および陳述記憶における改善からなる群から選択される尺度の少なくとも1つにおける改善である、請求項73に記載の方法。
【請求項76】
ヒトの注意力が前記投与の後改善される、請求項73に記載の方法。
【請求項77】
ヒトの反応時間が前記投与の後改善される、請求項73に記載の方法。
【請求項78】
ヒトの学習が前記投与の後改善される、請求項73に記載の方法。
【請求項79】
有効量のプニカリン、プニカラギン、ペズンクラギン、テリマグランジン、コリラギン、グラナチンA、グラナチンB、テルミナリン、ガラギルジラクトン、コンパウンドAまたは式I:
【化16】

[式中、各出現時に、独立して、Xは、
【化17】

もしくは
【化18】

であり;また、
、RおよびRはそれぞれ独立して水素、アルキル、アラルキル、アルキルカルボキシ、もしくは糖であり;または、
は、水素、アルキル、アラルキル、アルキルカルボキシ、もしくは糖であり、Rは、
【化19】

であり、また、R
【化20】

であり;または、
は、水素、アルキル、アラルキル、アルキルカルボキシもしくは糖であり、また、一緒になったRおよびRは、
【化21】

である。]の化合物、
またはその薬学的に許容される塩、生物学上活性代謝物、溶媒和物、水和物、プロドラッグ、エナンチオマーもしくは立体異性体と、ペプチドまたはタンパク質を接触させるステップを含むペプチドまたはタンパク質の凝集を阻止する方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【公表番号】特表2013−500266(P2013−500266A)
【公表日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−521844(P2012−521844)
【出願日】平成22年7月23日(2010.7.23)
【国際出願番号】PCT/US2010/043107
【国際公開番号】WO2011/011721
【国際公開日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【出願人】(512018265)
【氏名又は名称原語表記】AMAZENTIS SA
【Fターム(参考)】