説明

移動する構成要素の位置を磁気的に感知するシステムおよび方法

【課題】ロッドの強度に悪影響をもたらさず、磁気的に符号化された信号が消去されることのないピストンロッド感知システムを提供する。
【解決手段】ピストンロッド上の磁気的硬質層の領域の複数のトラック上に情報が磁気的に記録されている。磁場センサーが、磁気的に記録された領域の複数トラックに配置されている。複数トラックに配置された各磁場センサーは、ピストンロッドがシリンダに対して動く間、同一の磁化領域を感知する。別の磁場センサーは、同相除去を実施する際に使用する周囲場を感知することができる。書込みヘッドが、磁場センサーによって検出された損傷または消去された領域を動的に修復することができる。磁気的に記録された情報は相対符号化されている。バッテリーバックアップ電源によって活性化されて、磁場センサーと関係する回路は、機械装置がオフの間に引き続いてピストンロッドの動きを追跡することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明は、第1の構成要素の第2の構成要素に対する位置を磁気的に感知するトランスデューサに概ね関する。より詳細には、発明は、移動するピストンロッドのシリンダに対する位置をピストンロッド上の磁気フィルムに記録された情報に基づいて感知するシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
さまざまな産業用および移動用アプリケーションは、機械装置の動きと位置を制御するために静水圧(油圧)シリンダを使用する。一般に、このようなシリンダは、軸に沿って往復運動するピストンが配置されているシリンダバレルを含む。ピストンロッドはピストンの一端に固定されている。ピストンロッドは、シリンダバレルの一端から動きの軸に沿って延びる。シリンダバレルの外部にあるピストンロッドの端部は、機械構成要素に直接的または間接的に結合される。ピストンは、シリンダバレルを別々のチャンバに分割する。このチャンバの1つに入る流体は、ピストンをハウジングに対して動かし、これにより、ピストンロッドをハウジングに対して動かす。このピストンロッドの動きが、機械構成要素の動きを駆動する。
【0003】
ピストンの位置の正確な制御は、機械装置の運転制御にとって一般に基本的なことである。ピストンのシリンダに対する位置や速度を測定することが、通常のフィードバック制御法を使用してこのような制御を達成するためにしばしば必要となる。従って、産業は、移動するピストンやピストンロッドの瞬間的位置を検出するために、さまざまな機械的、磁気的、音響的、および光学的技術を生み出してきた。
【0004】
多くの位置検出システムは、シリンダに搭載することが高価であり、厄介であり、困難である。さらに、静水圧シリンダの位置検出システムは、ピストンの動きを駆動する加圧流体等の内部条件、および粉塵および破片等の外部条件で生じる過酷な環境でしばしば動作する。ピストン検出システムのタイプによっては、差動トランス(LVDT)と線形スケール等、信頼性が低く過酷な環境で簡単に損傷することがあるものもある。
【0005】
ピストンロッド位置をピストンロッド自体の上で符号化し、符号化した位置をピストンロッドが参照ポイントを通過するとき、光学的、磁気的、機械的等、特定のタイプの符号化に適合した読み取り技術を用いて読み取ることを伴う技術もある。公知技術においては、溝を切り、窪みをエッチングし、ロッドにマーキングする。しかしこのような改変は、ロッドの強度に悪影響をもたらすことがある。英国特許出願GB2096421号に記載されている別の公知技術は、ピストンロッドのロッド材料にピストン情報を磁気的に符号化するものである。この英国特許出願において、ピストンロッドは、鋼で構成され、磁化され得る。しかしこのロッド材料は、磁気的に「軟質」である。磁気的軟質(magnetically soft)材料は、低保磁力を有する。保磁力は、その材料に情報を磁気的に符号化および消去する困難さの尺度である。従って、低保磁力を有するロッド材料に符号化された位置情報は、思いがけない消去や変更を被る。
【特許文献1】英国特許出願GB2096421号公報
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0006】
要旨
1つの局面において、発明は、第1の構成要素と、それに対する動きのために、第1の構成要素に可動的に結合された第2の構成要素と、を備える位置感知システムを特徴とする。記録媒体を提供するために、第2の構成要素上に磁気的硬質層が形成されている。磁気的硬質層の複数の領域が磁化される。磁化領域は、第1の構成要素に対する第2の構成要素の位置を決定するために、相対符号化方式(relative encoding scheme)を提供する。第2の構成要素が第1の構成要素に対して動いている間に、磁気的硬質層の磁化領域を感知するため、複数の磁場センサーが、磁気的硬質層に近接して第1の構成要素に結合される。同一のセットの磁化領域を続けて感知し、かつ、第2の構成要素の位置を決定するために使用され得る、感知された磁化領域に対応する信号を生成するため、少なくとも2つの磁場センサーが軸方向に配置される。
【0007】
別の局面において、発明は、第2の構成要素に対して動く第1の構成要素の位置を感知するための方法を特徴とする。方法は、情報を格納するための記録媒体を提供するため、第1の構成要素上に磁気的硬質層を形成する工程を含む。第1の構成要素の動きの方向に沿って、磁気的硬質層の複数の領域において情報が磁気的に記録される。第1構成要素が、第2の構成要素に対して動いている間に、磁気的硬質層の同一の磁気的に記録された領域を複数の磁場センサーが読み取る。第2の構成要素に対する第1の構成要素の位置が決定され得る出力信号を、複数の磁場センサーは生成する。
【0008】
さらに別の局面において、発明は、シリンダと、それに対する直線的な動きのためにシリンダに可動的に結合されたピストンロッドと、記録媒体を提供するためピストンロッドの周囲に形成された磁気的硬質層と、備える装置を特徴とする。シリンダに対するピストンロッドの位置を決定するための相対符号化方式を提供するため、情報は、磁気的硬質層の複数の領域に磁気的に記録されている。第1の複数の磁場センサーが、磁気的に記録された領域の冗長トラックを覆って配置されている。ピストンロッドがシリンダに対して動く間に、同一の磁気的に記録された領域を感知するため、少なくとも2つの磁場センサーが、各トラックを覆って配置されている。同相除去を実行する際に使用するため、第2の複数の磁場センサーが、第1の複数の磁場センサーの近傍の周囲場を感知する。第1の複数の磁場センサーによって検出された、損傷されたかまたは消去された磁気的に記録された領域を、書き込みヘッドが動的に修復する。装置がオフであるとき、シリンダに対するピストンロッドの動きを、装置がオフである間に磁場センサーが追跡し続けることができるように、電源は磁場センサーへ電力を供給する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本発明の上述および別の利点は、添付の図面と共に先述の説明を参照することにより、さらに理解されることが可能であり、類似の数値は、各種図面中、類似の構成要素と特徴を示す。図面は寸法どおりでは必ずしもなく、代わりに発明の原理を説明するため、強調がなされている。
【図1】ピストン、ピストンロッド、ピストンロッド上の磁気的硬質層、および、磁気的硬質層に隣接する磁束感知装置を含むシリンダの実施形態の断面図。
【図2】磁気的硬質層に磁気的に記録された情報を読み取るための、複数の空間的に離れた読み取りセンサーを有する磁束感知装置を例示するシリンダの断面図。
【図3】空間的に離れた読み取りセンサーの冗長トラックを有する磁束感知装置の別の実施形態を例示するシリンダの断面図。
【図4】複数の直列に配置された読み取りセンサーと、ピストンロッドの回転的動きを感知するための半径方向に配置された読み取りセンサーとを有する磁束感知装置の実施形態の概略上面図。
【図5】周囲場を感知するための読み取りセンサーであって、磁気的硬質層に磁気的に記録された情報を読み取るため空間的に離された読み取りセンサーよりも、磁気的硬質層から大きい距離で配置されている読み取りセンサーを含む磁束感知装置のさらに別の実施形態の概略側面図。
【図6】磁気的硬質層に磁気的に記録された情報を読み取るための読み取りセンサーと、磁束を集めて読み取りセンサーに方向づける集束器とを有する磁束感知装置の実施形態の概略上面図。
【図7】図7Aは、ピストンロッド上の磁気的硬質層に情報を磁気的に記録するための2つの技術を、簡単に図式化した図。図7Bは、ピストンロッド上の磁気的硬質層に情報を磁気的に記録するための2つの技術を、簡単に図式化した図。
【図8】図8Aは、異なる実施形態のピストンロッド構造の層形状であって、各実施形態が磁気的に情報を記録するための記録媒体を提供する磁気フィルムを有する層形状の断面図。図8Bは、異なる実施形態のピストンロッド構造の層形状であって、各実施形態が磁気的に情報を記録するための記録媒体を提供する磁気フィルムを有する層形状の断面図。図8Cは、異なる実施形態のピストンロッド構造の層形状であって、各実施形態が磁気的に情報を記録するための記録媒体を提供する磁気フィルムを有する層形状の断面図。図8Dは、異なる実施形態のピストンロッド構造の層形状であって、各実施形態が磁気的に情報を記録するための記録媒体を提供する磁気フィルムを有する層形状の断面図。
【図9】磁気的硬質層に情報を磁気的に記録するための書き込みヘッドの実施形態の図。
【図10A】ロッドの位置を決定する際に使用する相対符号化方式を提供する複数の磁化領域を有する磁気的硬質層でコーティングされたロッドの図。
【図10B】ロッドの位置を決定する際に使用する相対符号化方式を提供する、ロッドの周囲の複数の磁化リングを有する磁気的硬質層を有するロッドの図。
【図10C】相対符号化方式と組み合わせて絶対符号化方式を提供するための符号化された領域を有する磁気的硬質層を有するロッドの図。
【図10D】ロッドに沿って軸方向転移と半径方向転移を提供するため、チェッカー盤パターンで符号化された領域を有する磁気的硬質層を有するロッドの図。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
詳細な説明
本発明は、第1構成要素の第2構成要素に対する、位置、移動した距離、速度、加速度、および動きの方向を磁気的に感知する位置感知システムを概ね特徴とする。構成要素は、概ね、システムまたはアセンブリの部品または要素であり、そのような例には、限定されないが、機械類、設備(切削機等)、車両(トラクター等)、工具、および輸送装置が挙げられる。発明を具体化するシステムには、限定されないが、静水圧システム、空気圧システム、振動および衝撃減衰システム、および精密機械のための測定システムが含まれる。さまざまな媒介バスまたはマシンデータバスは、本発明を採用して、開ループ感知、閉ループフィードバック系制御、またはこれらの組み合わせを提供することができる。GPS(全地球測位システム)のような他のタイプの位置決めシステムは、機械の場所および距離を検出する機能を、機械の動きの検出および制御をする位置感知システムの機能と統合することができる。
【0011】
特定の実施形態において、位置感知システムには、作動シリンダに対して動くピストンロッド(またはシリンダロッド)が含まれる。発明の原理に従って、物理的または磁気的硬質材が、ピストンロッドの一部をコーティングする。標準的な磁気記録技術を使用して、磁気的なビット、ドット、またはマーク(磁気エンコーディング(符号化)とも一般に呼ばれる。)の形態で、磁気的硬質材のこのコーティング層(またはフィルム)に情報が記録される。この位置感知システムは、このように記録された情報を使用してピストンロッドの位置を決定する。本明細書中で使用する、磁気的「硬質」材(magnetically hard material)は、高保磁力を有する材料である。高保磁力を有する磁性材は、磁化するため、すなわち情報を記録するためと、記録された情報を消磁するためにもかなりのエネルギーを必要とする。磁気的硬質層内でのエンコーディングのこのような磁化は、長手方向または垂直方向に生じ得る。1つの実施形態において、長手方向に磁化されたエンコーディングは、磁気的硬質層とピストンロッドとの間に、非磁性層が存在することなく採用される。
【0012】
シリンダのエンドキャップの中、上、または近傍に搭載された、1以上の磁束感応型磁気読み取りヘッドまたはセンサーは、ピストンロッドが通過するとき磁化されたエンコーディングを感知する。読み取りセンサーとやり取りする回路は、磁気的エンコーディングから得られた情報を処理して格納し、瞬間的に増加したピストンロッドの位置、その速度、加速度、およびシリンダに対する動き(すなわち、直線的、回転的、または両方)の方向を決定することができる。さらに回路は、そのような位置に関する何らかの情報を表す信号を生成して、表示したり、または機械や構成要素自体の位置や動きを制御する際に使用する。
【0013】
さまざまなエンコーディング技術は、ピストンロッド上の磁気的硬質層における位置情報を記録するため相対エンコーディングを使用する。このような1つの技術には、トラックに磁気的に記録された等間隔のマーク、またはピストンロッドの軸状にすなわち長手に沿って延びるカラムが含まれる。読み取りセンサーは、隣接する磁気マーク間の磁気転移を検出する。ゼロ位置に関して、回路は累積的に読み取りセンサーによって検出された磁気転移をカウントし、カウントに基づいて、ピストンロッドの直線的な(および/または回転的な)位置を記憶する。補助機能のため、例えばピストンロッド上のキー位置を示すため、または特定のイベントを識別するため、等間隔マーク以外の磁化パターンも、等間隔マークと組み合わせて磁気的硬質層に存在することができる。
【0014】
1つの実施形態において、2以上の空間的に離れた直列の読み取りセンサーが、1つのトラックの磁気マークを読み取る。読み取りセンサー付近の集束器(flux concentrator)は、磁気ビットの磁束の感知を改善することができる。読み取りセンサーによって生成された信号出力の位相差から、ピストンロッドの、直線的または回転的位置、移動した距離、速度、加速度、および動きの方向を、回路は識別することができる。別の読み取りセンサーは、周囲の磁束を感知するために使用されて同相除去計算において使用することができる。発明を採用する機械への電源がオフのときは、読み取りセンサーおよび読み取り電子回路は、補助電源(バッテリー等)から電力を受け続けることができる。その結果、読み取りセンサーは、ピストンロッドがドリフトしても動きの検出を続けることができ、機械がオフの間、回路はピストンロッド位置を算出し続けることができる。その後、機械が再び動作し始めると、回路は、なんら較正の必要がなくピストンロッドの現在位置を知る。
【0015】
磁気的硬質層に記録された情報を偶発的または意図的な消去に対して保護するため、発明の位置感知システムは、ピストンロッドをそれぞれ取り囲む均等サイズの磁化リングの形態で、または二重の長手方向のトラックもしくはピストンロッドの軸上に延びるカラムの形態で、冗長性を採用することができる。ピストンロッドの周囲に配置された冗長読み取りセンサーは、異なるトラックのリングまたはマークをそれぞれ感知することができる。採択機構が、いずれの読み取りセンサー(単数または複数)が有効な情報を検出しているか、およびいずれの情報を使用すべきかを決定することができる。1つの実施形態において、位置感知システムは、書き込みヘッドを読み取りセンサーと一体化し、これにより、読み取りセンサーが、消去されたかもしくは間違った磁化リングまたはマークを検出しても、書き込みヘッドが、エンコーディングを動的に修復することができる。
【0016】
本明細書には主にシリンダとピストンロッドに関して記載したが、発明の実施は、さまざまなタイプの構成要素を含むことができる。一方の面の磁場センサーが他方の面の磁気的硬質層の磁気的記録を検出することができるように、互いに充分に近くで動くいずれかの2つの面によって発明は概ね具体化され得る。例えば、構成要素は、2つの平面を含むことができ、この場合、磁気的硬質層が第1の平面上に生じ、読み取りセンサーが、第2の平面上に生じる。別の例において、発明の位置感知システムを具体化する構成要素は、ピストンロッドによって動かされた機械構成要素を含むことができる。動かされた機械構成要素の、位置、動きの方向、動いた距離、速度、または加速度は、アクチュエーター(すなわちピストンロッド)の位置、動きの方向、動いた距離、速度、または加速度と相関があり得る。
【0017】
図1は、シリンダ2を有する位置感知システムの実施形態の断面側面図を示す。シリンダ2には、シリンダバレル3、シリンダエンドキャップ4(「パッキン押さえ」とも呼ばれる。)、およびハウジング6が含まれる。ピストン8は、軸9に沿った往復運動のためシリンダバレル3の内部に配置される。ピストン8は、シリンダバレル3を2つのチャンバ10aおよび10bに仕切る。ピストンロッド12の一端は、ピストン8に固定されている。ピストンロッド12は、動きの軸9に沿って延びる。ピストンロッド12の他端は、エンドキャップ4を通ってハウジング6から延び、機械構成要素に直接または間接に結合されてもよい。通常は、ピストン8とピストンロッド12は、強磁性材(鋼等)から構成されるが、発明を実施するために非磁性ピストンロッドが使用されてもよい。実施形態にはピストンロッド12が円筒形であると示しているが、他のピストンロッド形状が発明の原理から逸脱することなく採用されてもよい。
【0018】
磁気的硬質フィルムまたは層14は、ピストンロッド12をコーティングして記録媒体を提供する。このコーティングは、ピストンロッド12上で連続的または不連続的であり、ピストンロッド12の一部または全部を覆うことができる。例えば、典型的には、磁気的硬質層14は、ピストンロッド12の端部に形成されない。ピストンロッド12の長手に沿った磁気的硬質層14の領域が、磁化される。それぞれ磁化された領域は、整列された磁気双極子の領域である。このような磁化領域は、本明細書において個別的にまたはまとめて、磁気ビット、磁気ドット、磁気マーク、磁気パターン、または磁気エンコーディングと呼ぶことがある。磁化領域は、シリンダ2に対するピストンロッド12の位置を決定するために使用される。以下にさらに詳細を記載する。
【0019】
エンドキャップ4は、流体(油、水、蒸気、ガス等)をチャンバ10bへ通過させ、およびチャンバ10bから通過させてピストン8を動かすためのチャンネル16を有する。他方のチャンバ10aへの流体通路は図示しない。キャップ4内部のシール18は、ピストンロッド12の面と同一平面に存在するように配列され、これにより流体がチャンバ10bから出ることを防ぐ。
【0020】
ハウジング6には磁束感知装置20が組み込まれており、磁束感知装置20は、1以上の読み取りヘッドまたはセンサー、および読み取りヘッド電子回路22を備える。磁束感知装置20の読み取りセンサーは磁場センサーとも呼ばれ、ピストンロッドの面の軸方向に沿った磁場勾配、およびピストンロッドの半径方向に沿った磁場勾配を感知するように配列され得る。磁場感知装置20の各読み取りセンサーは、例えばホール効果デバイス、コイル、磁気抵抗(MR)センサー、または巨大磁気抵抗(GMR)センサーであり得、Minnesota州、Eden PrairieのNVE Corporationによって製造されたNVE AB−002−00読み取りセンサー等がある。GMRセンサーは、例えば、およそ3mm×3mm×1mmサイズのデュアルインラインパッケージ(DIP)で入手可能である。このような読み取りセンサーは、磁気的硬質層の磁化領域を、クロムなどの金属であろうとプラスチックなどの非金属であろうと、非磁性層を介して離れて感知することができる。
【0021】
ハウジング6内の磁束感知装置20の場所は、環境からの保護を提供し、すぐにアクセスして容易な交換(すなわち、シリンダ2からエンドキャップ4を取り外すことなく、ハウジング6は取り外されることが可能である。)を可能とする。磁束感知装置20は、ピストンロッドの面に近接する範囲でハウジング6に搭載されて、磁気的硬質層14に記録されたエンコーディングを感知するとができる。読み取りセンサーのDIPハウジングの一部を機械加工して除去することにより、または読み取りセンサーをDIP以外のタイプのパッケージにパッケージングすることで、読み取りセンサーをさらに磁気的硬質層14の近くに配置して、磁気的エンコーディングからさらに多量の磁束を検出することができる。図1には、ピストンロッド12の一方側のみにあると示しているが、磁束感知装置20はピストンロッド12をハウジング6内で取り囲むことができる。ハウジング6は、ピストンロッド12に付着するかもしれない磁性小粒子を拭い去るため、ロッドワイパー24も含む。別の実施形態においては、エンドキャップ4は、磁束感知装置20と読み取りヘッド電子回路22を収容する。そのような実施形態において、エンドキャップ4が読み取りヘッド20を過酷な動作環境から保護することができるので、ハウジング6は任意の選択である。
【0022】
簡単に総括すると、チャンバ10a、10b内部の経時変化する流体の差圧が、ピストン8とそれによるピストンロッド12とを、磁束感知装置20に対して内側と外側に動かす。磁束感知装置20は、記録されたピストンロッド12上の磁気的エンコーディングを読み取り、対応するアナログまたはデジタル信号を生成する。このような信号から、読み取りヘッド電子回路22は、位置、移動した距離、速度、加速度、およびピストンロッドの動きの方向、またはこれらのいずれかの組み合わせを決定して記憶することができる。さらに、読み取りヘッド電子回路22は、そのような位置的情報のいずれかを表す信号を生成して、機械またはその構成要素の位置または動きを制御する際に表示または使用に供することができる。
【0023】
図2は、位置感知システムの1つの実施形態のハウジング端部を示す。ここで磁束感知装置20には、磁気的硬質層14に磁気的に記録された領域の同じ部分(すなわちトラック)を読むように直列的に配置されている複数の読み取りセンサー21−1、21−2(総じて21)が含まれ、一方でピストンロッド12は、シリンダ2の内外に直線的に動く。読み取りセンサー21(複数)は、軸方向に配置され、既知の距離(例えば0.5mm)だけ離れている。読み取りセンサー21によって生成された信号から、読み取りヘッド電子回路22は、ピストンロッド12の軸上の距離を信号の絶対値から独立して算出することができる。このような計算は、各読み取りセンサー21によって生成された信号間の比率に基づく。例えば、ピストンロッド上の磁気転移間の間隔が1mmであると、各読み取りセンサー21は、1mm毎のピーク振幅を有する正弦波出力信号を生成する。隣接する読み取りセンサー間の間隔のため、このような読み取りセンサーによって生成された正弦波出力信号は、そのような空間的離隔に対応した位相における離隔を有する。このような出力信号の比率から、読み取りヘッド電子回路22は、1mmを超える繊細な分解能でピストンロッドの直線的位置を確立することができる。さらに、正弦波出力信号における位相差から、読み取りヘッド電子回路22は、ピストンロッド12の回転的位置を決定することもできる。図2は、2個の読み取りセンサー21−1、21−2のみを示すが、2個を超える直列に配置された読み取りセンサーが発明の実施において使用され得ることが理解されるべきである。
【0024】
図3は、図1の位置感知システムにおいて使用されることが可能である磁束知装置20’の別の実施形態を示す。磁束感知装置20’は、軸方向に間隔が空けられ直列に配置された読み取りセンサー21−1、21−2(総じて21)のセット23−1、23−2(総じて23)を含む。ここで、セット23は、ピストンロッド12の対向する側にある(すなわち180°分離している。)。別の実施形態においては、読み取りセンサーは2を超えるセット23であり得る。さらに、読み取りセンサー21の間の離隔は180°以外であってもよい。
【0025】
磁気的硬質層に符号化されたパターンによっては、読み取りセンサー21の隔離したセット23は、(異なる観測点から)同一の磁化領域を、または同一の情報(すなわち冗長な情報)を有して磁気的に記録された異なる磁化領域を感知することができる。読み取りヘッド電子回路22は、対応する(2またはそれ以上の)読み取りセンサー21間で採択機構または選択機構を採用することができる。すなわちそのような読み取りセンサーは、同一の磁化領域または冗長磁化領域を同時に感知する。採択機構または選択機構は、ピストンロッド12の現在位置を決定するために、読み取りセンサー21からのいずれの出力信号を使用すべきであるかを決定する。例として、この機構は、有効値から明らかに逸脱する何らかの読み取りを破棄しつつ、読み取りセンサーの出力信号を平均化することができる。従って、読み取りヘッド電子回路22は、いずれの磁化領域が消去または損傷されたかを決定することもでき、書き込みヘッドと一体化している場合は、以下に記載のようにそのような領域を再磁化させる。別のトラックの読み取りセンサーが、冗長性、信頼性、および損傷への耐久性を提供する。
【0026】
図4は、別の実施形態の磁束感知装置20”の上面図を示し、これは複数の直列に配置された読み取りセンサー21−1、21−2(図2)および別の半径方向に配置された読み取りセンサー21−3を含む。この代表的実施形態において、読み取りセンサー21−3は読み取りセンサー21−1に隣接して、読み取りセンサー21−1から既知の距離(0.5mm等)だけ離れて配置される。図示のように、直列に配置された読み取りセンサー21−1、21−2は、磁化領域30のトラック28を覆って配置される。読み取りセンサー21−3は、磁気的硬質層14から他の読み取りセンサー21−1、21−2と同じ距離にあるが、トラック28に並んで配置される。別の実施形態では、読み取りセンサー21−3を、例えば、他方の読み取りセンサー21−2に隣接して、または読み取りセンサー21−1、21−2と等距離に配置することができる。さらに別の実施形態では、別に半径方向に配置された読み取りセンサーを有することができ、読み取りセンサー21−2に隣接して、かつ、第1の半径方向に配置された読み取りセンサー21−3と直列に整列して配置される。
【0027】
図4に示した実施形態は、ピストンロッド12が磁束感知装置20”に対して矢印32で示された方向へ動いている間に、ピストンロッド12の回転性の動きを感知するために特に適している。読み取りヘッド電子回路22(図1)は、ピストンロッド12の直線位置および回転位置を、各読み取りセンサー21−1、21−2、および21−3の出力信号に基づいて算出する。ピストンロッド12が回転すると、読み取りセンサー21−3は、回転の方向に依存して、いっそう強く、またはいっそう弱く磁化領域30を感知する。読み取りヘッド電子回路22は、読み取りセンサー21−1からの読み取りセンサー21−3の既知の距離に基づいて、およびそれらの出力信号の比率に基づいて回転の程度を決定することができる。
【0028】
同相除去
磁気的硬質層14の下のピストンロッド12の強磁性基材は、磁化されて磁場を生成することがあり、この磁場が、磁気的硬質層14に磁気的に記録された領域の磁場に干渉する。位置感知システムの1つの実施形態では、同相除去(CMR)を使用して、磁化領域を読み取る読み取りセンサー21の周囲磁場(fields)の影響を打ち消す。図5は、磁束感知装置20”’の例を図示し、ここでCMR読み取りセンサー21’は、磁気的硬質層14から、読み取りセンサー21−1、21−2よりも、大きい距離で配置される。CMR読み取りセンサー21’は、1つの実施形態において、ピストンロッドから主要読み取りセンサー21−1、21−2の概ね10倍の距離であり、一方、読み取りセンサー21−1、21−2は、磁気的硬質層14に充分近くの距離29にあって、両矢印32で示す方向にピストンロッド12が動いているとき、磁化領域30の磁場を感知することができる。
【0029】
磁化領域30の磁場を強く感知することができないほど磁気的硬質層14から充分に遠いので、CMR読み取りセンサー21’は、主に周囲磁場(fields)を感知する。読み取りヘッド電子回路22は、CMR読み取りセンサー21’によって生成された信号を使用して、読み取りセンサー21−1、21−2によって感知された磁場における、周囲磁場からの干渉を相殺する。従って、強磁性基材の磁化によって生成された磁場の同相除去によって、干渉する周囲磁場への高い耐性が可能となる。単独のCMRセンサー21’のみを示したが、発明は、複数のこのようなCMRセンサーを用いて実施することができる。例えば、1つの実施形態では、磁気的に記録された領域を感知するために使用される各読み取りセンサー21に対して、CMR読み取りセンサー21’(周囲磁場を感知するために使用される。)を有する。
【0030】
集束器(flux concentrator)
図6は、磁束感知装置20””実施形態の上面図を示し、ここで集束器34は、各読み取りセンサー21−1、21−2の各側または周囲に組み込まれていて、磁化領域30の感知を高めることができる。磁気的軟質(すなわち低保磁力)材から作製されているので、各集束器34は、ピストンロッド12の周囲から磁化領域30の磁束を集め、集められた磁束を集束器34に対応する読み取りセンサー21に方向づける。ピストンロッド12の周囲から磁束を集めることで、磁化領域30に対する読み取りセンサー21の角度位置に対して各センサー21を鈍感にさせ、信号を大きくする。集束器を使用することで生じる利点は、磁気的硬質層14の構成が、集束器を使用しなかった場合よりも薄くできることである。また、磁気的硬質層14から読み取りセンサーが得ることができる磁気信号が強くなればなるほど、読み取りセンサーは、磁気的硬質層からさらに離れて読み取ることができる。
【0031】
図7Aおよび図7Bは、図1の磁気的硬質層14に情報を磁気的に記録するための2つの標準的な磁気記録技術の概略図である。書き込みトランスデューサ(すなわちポール書き込みヘッド)は、2つの標準的方向、すなわち1)長手方向、および2)垂直方向、のうちの1つの特定可能な磁化パターンを用いて磁気的硬質層14を磁化することができる。電流が書き込みトランスデューサに与えられると、外部場が生成されることにより、磁気的硬質層14内の磁化領域が整列される。書き込みトランスデューサは、現状では、平方インチ当たり数10メガビット程度記録することができる。
【0032】
長手方向媒体において、磁気的硬質層14の面内に磁化が存在し、これを図7Aの左矢印と右矢印で示す。長手方向の記録媒体磁化パターンは、「転移」、すなわち面内の磁化の1つの極から別の極への反転、からなる。このような反転は、磁極の存在を特徴とし、その標遊磁束が媒体上部に配置された読み取りヘッドによって感知される。垂直方向媒体においては、図7Bの上矢印と下矢印で示すように、磁化は面に垂直である。この場合、磁気標識は、「上方」と「下方」に磁化された領域間の転移の生成によって生じる。
【0033】
長手方向および垂直方向の記録媒体は、両方とも電気化学的方法(例えば、化学メッキ、電気メッキ、化学蒸着、電気化学蒸着(スパッタリング))、または接着層もしくは磁気テープ片によって製造される。長手方向と垂直方向の記録媒体に対して、使用された材料は多くの場合コバルトベースの合金である。純粋なコバルト(Co)は、高保磁力の磁気フィルムを製造するために使用されることがあるが、合金化元素は、記録媒体の磁気特性を調整し、その保磁力を高めるために通常使用される。合金化元素の例には、VA族(P、As、Sb、Bi)、VIB族(Cr、Mo、W)元素、ならびに貴元素PtおよびPdが挙げられる。長手方向媒体については、例示の合金としては、Co−P、Co−Ni−P、Co−W、およびCo−Moが挙げられる。垂直方向媒体については、例示の合金としては、Co−P、Co−W、およびCo−Crが挙げられる。このようなコバルトベース合金の使用から得られた概算高保磁力値は、1〜2kOeの範囲である。磁気的硬質層14の実施形態では、このような材料を使用して合成し、高保磁力を有する磁気層を作製することができる。好適な実施形態において、磁気的硬質層14は、CoNiP合金で作製される。CoNiP合金を用いると、磁気的硬質層14は、垂直方向記録または長手方向記録のいずれかのために合成することができる。
【0034】
長手方向媒体について、例えば強磁性基材は情報保持について問題が生じる。磁気的に透過性があるので、強磁性基材は磁束に対して低いリラクタンスパスを提供する。その結果、長手方向記録は、感知されるべき低減したレベルの磁束を示すことができ、利用可能な磁束の損失を防ぐためには、磁気的硬質層14と強磁性ピストンロッド12との間に、非磁性材の使用が概ね要求された。例えばニッケル・リン(Nip)等の非磁性合金は、ピストンロッド12と磁気的硬質層14の間に配置されるが、感知するために利用できる磁束の量を改善することができる。しかし、本発明の、磁気的硬質層14へのCoNiPの使用は、このように介在する非磁性層を必要とすることなく長手方向の記録を可能とするが、しかしながら非磁性層の使用はさらに有利である。
【0035】
磁気的硬質層14のような、高保磁力の磁気層または磁気フィルムは、外部の漂遊磁場下、および付加された磁気転移に由来する反磁場下で記録された情報を維持することができる。この磁気的硬質層14は、良好な機械的耐久性と腐食耐性も提供することができる。しかし、シリンダ2の過酷な動作環境を考慮すれば、磁気的硬質層14は、機械的摩耗と腐食に対して充分な抗力を確実とするためコーティングされてもよい。このような保護層の一例は、硬質クロム、すなわちCr層であり得、特に、クロム保護層は、CoNiP磁気的硬質層14への強力な付着性(クロムの鋼への付着の強度に類似する。)を示す。
【0036】
図8A〜8Dは、層化構成のさまざまな実施形態の断面図を示し、基材50(例えばピストンロッド)、所望により中間層52、磁気的硬質層14、所望により保護層54が含まれる。層14、52、および54は、ピストンロッド12の全部または一部を覆うことができる。例えば磁気的硬質層14(および所望による層52、54)は、通常は、ピストンロッド12の端部には適用されず、特に、感知のため読み取りヘッドに充分に近傍を通過しないピストンロッド12の1以上の部分には適用されない。
【0037】
概ね、基材50は磁性または非磁性であり得、例えば、典型的に強磁性(鋼ロッドなど)であっても、ピストンロッド12は、発明の原理から逸脱することなく非磁性材(プラスチック、アルミニウム、セラミック、またはガラスなど)で構成することができる。各実施形態において、記録媒体(すなわち磁気的硬質層14)には、CoNiPのような高保磁力磁性材が備わり、所望による保護層54は、クロムで作製される。所望による中間層52の組成は、記録媒体と基材材料のタイプに依存する。
【0038】
図8Aは、磁気的硬質層14が、長手方向媒体として作製されて、基材材料が強磁性である実施形態を示す。この場合、中間層52は、基材50を通る低リラクタンスパスを障害するため、Ni−Pのような非磁性アモルファス層であってよく、こうすることで、感知される磁束の大きさと(永久磁石から等の)強磁場に晒された後の信号の保持とを改善する。上述のように、磁気的硬質層14が、上述のCoNiPのような組成を有する場合、非磁性中間層52を使用することは任意の選択であり、基材50により磁束がどのように抑制されても充分な磁場が感知されることを可能とする。
【0039】
図8Bは、基材材料が非磁性であり、磁気的硬質層14が長手方向媒体として作用する実施形態を示す。非磁性基材は、強磁性基材の透磁率を欠いているので、結果的に非磁性中間層52は強磁性基材ほど必要性を有しない。それにも拘わらず、上述の利点を有する非磁性中間層52が使用されてもよい。
【0040】
図8Cは、磁気的硬質層14が垂直方向媒体を提供し、基材が強磁性材で作製されている実施形態を示す。垂直方向媒体に対して、強磁性基材の透磁率は利点として作用する。近接して反対に磁化された領域間の強磁性基材の戻り経路は、磁気的硬質層14の上の領域内の漂遊磁束に影響せず、書き込みプロセスと書き込まれた情報の保持とを助ける。ここでも、中間層52の使用は、任意の選択によるものであるが、信頼性が無いかまたは不均一な透磁率の強磁性基材50を磁気的軟質中間層52が覆うことができ、従ってその存在は有益であり得る。
【0041】
図8Dは、磁気的硬質層14が、垂直方向媒体を提供し、基材50が非磁性材で作製されている実施形態を示す。非磁性基材は、情報保持のための透磁率の有益な特性を欠く。非磁性基材上の垂直方向媒体の情報保持を改善するために、中間層52は、磁気的軟質層(パーマロイまたはNiFe等)として構成されることができる。
【0042】
各図8A〜8Dは、ピストンロッド12の基材50上の層14、52、および54の相対的な厚みも示す。それぞれ図示した実施形態において、磁気的硬質層14は、ほぼ5μm厚であり、所望による中間層52(存在する場合)は、ほぼ1〜10μm厚であり、所望による保護層54(存在する場合)は、ほぼ40μm厚である。保護層54の厚みは、読み取りヘッドの磁気的硬質層14への近接度を制限することにより、ピストンロッド位置感知システムの分解能に影響する。例えば、40μm厚の保護層54を有すると、磁気的に記録された標識は、読み取りヘッドがこの標識間で区別できるために、少なくとも(およそ)40μmだけ間隔を空けられている必要があり得る。保護層54が無い実施形態においては、読み取りヘッドが、符号化された磁気的硬質層14により近づくことができるため、標識(複数)は、より近接して一緒に配置されてもよい。図8A〜8Dに示す特定の厚みは、例示を提供するものであり、層14、52、および54についての別の厚みを発明の実施のために使用することができる。
【0043】
図9は、書き込みヘッド80が、領域88のシリーズ84を、基材50の長手に沿って磁気的硬質層14に書き込むプロセスを図解で示す。以下にさらに記載するように、シリンダ2を特定の機械装置に導入する前に、または、シリンダ2の動作中に、磁気的硬質層14内のエンコーディングの磁気的記録が生じることがある。1つの実施形態において、書き込みヘッド80は、長手方向記録媒体である磁気テープ記録のために通常使用される種類のものである。Michigan州 Traverse City の World Magnetics,Inc.は、発明を実施するために使用され得る書き込みヘッドを生産する。コイル92を流れる電流は、書き込みヘッド80において磁場を生成する。磁場は、磁気的硬質層14の上のギャップにおいて最も強く、磁気的硬質層14において磁化領域を誘発し、書き込みヘッドが基材50に対して移動するとき、これらを整列させる。矢印96は、書き込みヘッド80の基材50に対する動きの方向を表す。各領域88は、多くの磁化領域で作製され、書き込みヘッド80からの磁場によってグループとして配向されている。1つの実施形態において、書き込みヘッド80は、0.75アンペアの電流で活性化されて磁化領域88を生成することができる。
【0044】
位置情報は、ピストンロッド12の磁気的硬質層14に多くの方法で記録されることが可能である。そのような技術の中には、ピストンロッド12上の絶対位置の同定(バイナリコードを使用する等)を明確に記録するものもあれば、他の技術では、ピストンロッド位置が算出され得る、磁気的硬質層14の形状または領域を磁化するものもあり、さらに別の技術では、相対位置手法を使用して、ピストンロッドの現在位置を決定するのもある。絶対ロッド位置を記録し、形状を磁化するための技術の例は、”System and Methods of Recording Piston Rod Position Information in a Magnetic Layer on a Piston Rod”という表題の、2004年5月6日出願の米国特許出願第10/840,781号に記載されており、その全体が参照によって本明細書中に一体化されている。
【特許文献2】米国特許出願第10/840,781号公報
【0045】
図10A〜図10Dは、相対符号化方式を実施する磁化領域120のパターンの異なる例を示す。このような実施例のそれぞれにおいて、磁化領域120は、長手方向に、すなわち磁気的硬質層14の面内に記録されているとして表されている。しかし、発明を実施するために、垂直方向の記録が使用されてよいことが理解されるべきである。図10Aは、ピストンロッド12の長手に軸方向に延びる、同一のサイズの磁化領域120の複数の冗長トラック124を示す。1つの実施形態において、各磁化領域120は、およそ1mm長で1mm幅である。所与のトラック124内で、磁化領域120の磁化は、交代パターンで生じており、すなわち、1つおきの磁化領域120が同一の磁気配列を有する。1mm長の磁化領域120について、この交代パターンは、1mm毎の近接する領域120間で転移(すなわち極反転)を生じる。トラックは、1つの所与のトラックから得られ得る情報が、いずれかの別のトラックから得られ得る情報と同一である、という点で冗長である。すなわちトラック124は、互いに同じ長さであり、ピストンロッド12の一端から同距離において開始し、ピストンロッド12に沿って等距離において磁気転移を有しており、これによってピストンロッドの周囲に配列された読み取りセンサーが転移を同時に検出することができる。さらに、このようなトラック124は、ピストンロッド12の周囲に、均等に間隔を空けられるとよい。例えば、磁化領域120の四つのトラック124が、ピストンロッドの周囲に等間隔で90度離れている。
【0046】
図3も参照すると、読み取りセンサー21−1、21−2の1セット23は、各トラック124を覆って配列されており、ピストンロッド12が動くと、各読み取りセンサー21がトラック124の1つの磁化領域120を感知し、対応する正弦波出力信号を生成する。各正弦波出力信号のピークは、隣接する磁化領域120間の磁気転移の上で生じ、谷は各磁化領域の概ね中央上で生じる。従って、読み取りセンサーの各セット23は、上記のように位相が分かれた複数の正弦波出力信号を生成する。トラック124の冗長情報は、読み取りセンサーの別の各セット23で生成された出力信号に位相と振幅が類似する、読み取りセンサーの1セット23の出力信号となるはずである(いずれかのトラック124に磁気的に記録された情報が、損傷も消去もされていないと仮定して)。
【0047】
出力信号から、読み取りヘッド電子回路22は、感知された磁化領域120(すなわち転移)のカウントを維持する。上述のように、読み取りヘッド電子回路22は、読み取りセンサーのセット23によって生成された出力信号から、採択機構を使用して転移が感知されたかを決定する。カウントは、ピストンロッド12の振動運動の現在方向に基づいて増加および減少し得る。ピストンロッド12の指定されたゼロ点を参照して、読み取りヘッド電子回路22は、現在カウントからピストンロッドの絶対位置を決定する。磁化領域の保持されたカウントから、読み取りヘッド電子回路22は、ピストンロッドの、移動した距離、速度、方向、および、加速度も決定することができる。このようなパラメータ値の計算は、単一のトラック124から得ることができるが、冗長トラック124を使用することで、磁気的硬質層14に格納された情報の量を増加させ、位置感知システムの測定の信頼性と確実性を改善する。さらに、読み取りヘッド電子回路22は、複数のカウントを維持することができ、例えば、あるカウントは各読み取りセンサーについてであり、別のカウントは増加のみであって、ピストンロッドによって移動した距離の蓄積カウントを維持する等である。
【0048】
ピストンロッド12の回転的な動きは、位置感知システムが検出しモニターすることができる別のパラメータである。1つの実施形態において、読み取りヘッド電子回路22は、出力信号から、指定されたゼロ点位置に対する回転の程度を決定する。この実施形態において、読み取りヘッド電子回路で保持されたカウントは、シリンダ2内でこのゼロ点位置に対してピストンロッド12が回転した程度に対応する。読み取りセンサーのセット23の番号は、ピストンロッド12の回転位置を測定する分解度を決定する。すなわち、読み取りセンサーセットの番号が大きくなるほど、分解能が向上する。磁化領域120のトラック124よりも、さらに多くの読み取りセンサーのセット23が存在してよい。
【0049】
図10Bは、同様に磁化されたリング120’がピストンロッド12の周囲を取り囲む別の実施形態を示す。各リングの厚み(すなわち、軸方向の長さ)は、感知するのに必要な分解能を満足する。図10Aのトラック124に類似して、リングの磁化は交代パターンで生じる。すなわち1つおきに磁化された領域120が、同一の磁気配列を有する。図3に関連して上述したように、ハウジング内のピストンロッド12の周りに配置された複数の読み取りセンサーのセット23は、それぞれ磁化されたリング120’を同時に感知することができる。磁化されたリングの利点は、ピストンロッドの直線的位置を感知することができる読み取りセンサー21の能力に影響することなく、ピストンロッド12が回転できるという点である。すなわち、読み取りセンサー21と磁化領域のトラックとの間において、正確な位置合わせに依存することが無いということである。実際には、この実施形態は、図10Aの意味におけるトラックを有しない。この実施形態においては、磁化領域120’ではなく、読み取りセンサー21の冗長なセット23が明確なトラックを規定する。
【0050】
図10Cは、特定のタイプの磁化領域132が磁化領域120に散在している別の実施形態を示す。特別の磁化領域132は、ピストンロッド上の特定の位置を識別する(すなわち、絶対位置を確認する)か、またはイベントマーカーを提供するように作用することができる。1つの実施形態において、このような特別の磁化領域132は、他の磁化領域120の軸方向長さの2倍を有する(すなわち、同一の磁気配列で磁化された2つの隣接する領域120からなる。)。読み取りセンサー21が、このような磁化領域132を検出すると、読み取りヘッド電子回路22は、ピストンロッドがシリンダ2内の特定の位置に到達したことを決定する。例えば、このような磁化領域132(すなわち倍の長さ領域)は、10個毎の磁化領域120の後に現れることが可能である。特別領域132を他の磁化領域120から識別する手段は、発明の原理から逸脱することなく変更(磁化領域120の長さの3倍、または磁化領域120の幅の2倍、あるいは異なる長さと幅の組み合わせ、等)することができる。
【0051】
図10Dは、磁化領域120がチェッカー盤パターンで磁気的硬質層12中に記録されている別の実施形態を示す。各トラック124は、正極と負極の交代パターンを有し、1つおきのトラック124が同一の交代パターンを有する。従って、各磁化領域120は、パターンの上縁および下縁におけるもの以外は、反対極で記録された磁化領域120によって4辺が取り囲まれている。従って読み取りセンサー21は、ピストンロッド120が直線的におよび回転的に移動するとき、磁気転移を感知することができる。
【0052】
上記したように、相対符号化方式は、感知された磁化領域のカウントを維持することでピストンロッド位置を決定することができる。カウントは、機械が停止された後でさえも覚えられている必要がある。機械のタイプによっては、機械が停止された後(静水圧が抜かれた後など)にピストンロッド12がドリフトし得るものもある。従って、バッテリーは、機械への電源がオフされているとき、引き続いて読み取りセンサー21と読み取りヘッド電子回路22とを活性化する。電源の供給を維持することによって、読み取りセンサー21は、ピストンロッドの何らかのドリフトする動きを検出することができ、読み取りヘッド電子回路22は、機械が動作していなくても、ピストンロッド位置を算出して記録することができる。機械が再度作動するとき、シリンダ内におけるピストンロッドの現在位置は既知である。
【0053】
メンテナンス
1つの実施形態において、例えば、図1の磁束感知装置20の中で、書き込みヘッドは読み取りセンサーと一体化され得て、損傷または消去された磁気ビットを動的に修復することができる。書き込みヘッドは、読み取りセンサーと軸方向に整列され、読み取りセンサーから既知の距離だけ、書き込まれるべき磁化領域の軸方向の長さの何倍か等だけ、空間的に離される。読み取りセンサーが、損傷または消去された磁化領域を検出すると、書き込みヘッドは、活性化されて転移ゾーンを適切な程度の磁化にまで回復することができる。一体型書き込みヘッドを使用することで、追加の較正装置を必要とすることなく、機械装置または設備の現場作業またはメンテナンス中にピストンロッドの磁化が可能となる。位置感知システムは、各トラックについて書き込みヘッドを採用することができる(すなわち、磁化領域に対応(図10A)または、読み取りセンサーのセット23に対応(図3))。
【0054】
信頼性
さまざまな組み合わせの上述の特徴が、磁気的硬質層に記録された情報の偶発的または意図的消去に対して保護するように作用することができる。そのような1つの特徴が、冗長性である。すなわち、ピストンロッドの周囲に設置された読み取りセンサーが、冗長的な、軸方向トラックの磁化領域またはピストンロッドを取り囲むリングを読み取る。従って、位置感知システムの故障を生じさせるためには、全周囲が乱れている必要があろう。別の特徴は、磁気的硬質層についてのCoNiPのような高保持材の選択であり、これにより、記録された情報をさらに消去されにくくすることができる。磁気的硬質層の垂直方向の磁化は、磁気的硬質層の消磁に伴う困難をさらに増加する。さらに、改善されたGMR読み取りセンサーは、少ない磁束量を読み取ることができ、従ってさらに、不完全に消去された磁気ビットを読み取ることができる。
【0055】
発明は、特定の好適な実施形態を参照して示され記載されてきたが、当業者であれば、添付の特許請求の範囲に記載された発明の精神と範囲から逸脱することなく、形態や詳細におけるさまざまな改変がなされ得ることが理解されるべきである。例えば、上述の実施形態は、主には直線的動きのピストンロッド位置の感知に関するが、発明の原理は、シリンダに対するピストンロッドの回転運動を感知するため、移動した距離、位置、速度、加速度、および、動きの方向を決定するように使用され得る。さらに、発明の別の実施形態は、磁気的硬質層および読み取りセンサーを含む位置感知システムを、ピストンロッド自体上で実施する代わりに、またはピストンロッド自体上で実施することに加えて、ピストンロッドによって作動する構成要素上で実施することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の構成要素と、
それに対する動きのために、前記第1の構成要素に可動的に結合された第2の構成要素と、
記録媒体を提供するために前記第2の構成要素上に形成された磁気的硬質層であって、前記磁気的硬質層の複数の領域が磁化されており、前記複数の磁化領域が、前記第2の構成要素の動きの方向に延びる複数のトラックに沿って記憶されている磁気的硬質層と、
前記第2の構成要素が前記第1の構成要素に対して動いている間に、前記磁化領域を感知するため、前記磁気的硬質層に近接して前記第1の構成要素に結合された複数の磁場センサーであって、各トラックの磁化領域を連続的に感知するため、かつ、前記感知された各トラックの磁化領域に対応した信号を生成するため、前記磁場センサーの少なくとも2つが軸方向に配置されている磁場センサーと、前記複数の磁場センサーによって生成された信号に基づき、前記第2の構成要素の位置情報を算出するための手段と、を備える位置感知システム。
【請求項2】
前記複数の磁場センサーの少なくとも1つが、前記複数のトラックの磁化された領域を感知するために配置された磁場センサーよりも、磁気的硬質層から大きい距離で配置されており、前記より大きい距離で配置された少なくとも1つの磁場センサーが、同相除去を実施するために使用される周囲磁場を感知する、請求項1に記載の位置感知システム。
【請求項3】
前記位置感知システムを使用する設備がオフであるとき、前記第1の構成要素に対する前記第2の構成要素の動きを、前記設備がオフである間に前記磁場センサーが感知し続けることができるように、複数の磁場センサーおよび関連する読み取りヘッド電子回路に電力を供給する電源をさらに備える、請求項1に記載の位置感知システム。
【請求項4】
前記第2の構成要素が、強磁性材で作製され、前記磁気的硬質層が、非磁性層を介することなく前記強磁性材の外面に隣接して配置されており、前記磁気的硬質層の複数の磁化領域が長手方向に記録されている、請求項1に記載の位置感知システム。
【請求項5】
前記複数の磁化領域が前記磁気的硬質層内に垂直方向に記録されている、請求項1に記載の位置感知システム。
【請求項6】
前記複数の磁場センサーの各磁場センサーの近傍に集束器をさらに備え、各集束器が前記複数の磁場センサーによる磁化領域の感知を促進するように動作する、請求項1に記載の位置感知システム。
【請求項7】
前記第2の構成要素の動きに伴う絶対的計測を提供するため、第2の複数の磁化領域をさらに備える、請求項1に記載の位置感知システム。
【請求項8】
前記第1の構成要素がシリンダを含み、かつ、前記第2の構成要素がピストンロッドを含む、請求項1に記載の位置感知システム。
【請求項9】
損傷または消去された磁化領域を修復するため、前記複数の磁場センサーと一体化した書き込みヘッドをさらに備える、請求項1に記載の位置感知システム。
【請求項10】
前記位置情報に基づいて、機械もしくはその構成要素の動きまたは位置を制御するための手段をさらに備える、請求項1に記載の位置感知システム。
【請求項11】
各トラックが隣接するトラックから空間的に離れている、請求項1に記載の位置感知システム。
【請求項12】
情報を格納する記録媒体を提供するため、第1の構成要素上に磁気的硬質層を形成する工程と、
前記磁気的硬質層の複数の領域内に前記第1の構成要素の動きの方向に延びる複数のトラックに沿って情報を磁気的に記録する工程と、
前記第1の構成要素が第2の構成要素に対して動いている間に、少なくとも2つの軸方向に配置された磁場センサーによって、前記磁気的硬質層の各トラックの磁気的に記録された領域を読み取る工程と、
前記複数のトラックの読み取りに応答して、前記複数の磁場センサーによって出力信号を生成する工程と、前記複数の磁場センサーによって生成された前記出力信号に基づいて、前記第1の構成要素の位置情報を算出する工程と、を備える、前記第2の構成要素に対して動く前記第1の構成要素の位置を感知するための方法。
【請求項13】
同相除去を実行する際に使用する周囲場を感知する工程をさらに備える、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記構成要素と一体化した機械がオフであるとき、前記第1の構成要素に対する前記第2の構成要素の動きを、前記機械がオフである間に前記磁場センサーが感知し続けることができるように、複数の磁場センサーおよび読み取りヘッド電子回路に電力を供給する工程をさらに備える、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記情報を磁気的に記録する工程が、前記磁気的硬質層の複数の領域に長手方向に情報を記録する工程を含み、ここで前記第1の構成要素が強磁性材で作製され、前記磁気的硬質層が、非磁性層を介することなく前記強磁性材の外面に隣接して配置されている、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
前記情報を磁気的に記録する工程が、前記磁気的硬質層の前記複数の領域内に前記情報を垂直方向に記録する工程をさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項17】
前記各トラックの磁気的に記録された領域の読み取りを促進するため、前記各磁場センサーの近傍で集束する工程をさらに備える、請求項12に記載の方法。
【請求項18】
前記第1の構成要素がピストンロッドを含み、前記第2の構成要素がシリンダを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項19】
損傷または消去された磁気的に記録された領域を感知し、この領域を動的に修復する工程をさらに備える、請求項12に記載の方法。
【請求項20】
前記算出された位置情報に応答して、機械またはその構成要素の動きまたは位置を制御する工程をさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項21】
各トラックが隣接するトラックから空間的に離れている、請求項12に記載の方法。
【請求項22】
シリンダと、
それに対する動きのために前記シリンダに可動的に結合されたピストンロッドと、
記録媒体を提供するため、前記ピストンロッドの表面上に形成された磁気的硬質層であって前記磁気的硬質層の複数の領域に情報が磁気的に記録されており、前記複数の磁化領域が、前記ピストンロッドの動きの方向に延びる複数の空間的に離れたトラックに沿って記録されている磁気的硬質層と、
各トラックの磁気的に記録された領域を覆って配置された第1の複数の磁場センサーであって、前記ピストンロッドが前記シリンダに対して動く間に、そのトラックの前記磁気的に記録された領域を感知するための、第1の複数の磁場センサーと、
同相除去を実行する際に使用するための、前記第1の複数の磁場センサーの近傍の周囲場を感知するための第2の複数の磁場センサーと、
各トラックの磁気的に記録された領域を覆って配置されることの可能な書き込みヘッドであって、前記第1の複数の磁場センサーによって検出された、そのトラック内の損傷または消去された磁気的に記録された領域を動的に修復するための書き込みヘッドと、
前記装置がオフであるとき、前記シリンダに対する前記ピストンロッドの動きを、前記装置がオフである間に前記第1及び第2の磁場センサーが感知し続けることができるように、前記第1及び第2の磁場センサーに電力を供給する電源と、備える装置。
【請求項23】
前記ピストンロッドが強磁性材で作製されており、前記磁気的硬質層が非磁性層を介することなく前記強磁性材の外面に隣接して配置されており、ここで前記磁気的硬質層の複数の領域が長手方向に記録されている、請求項22に記載の装置。
【請求項24】
前記複数の磁気的に記録された領域が前記磁気的硬質層内に垂直方向に記録されている、請求項22に記載の装置。
【請求項25】
前記複数の磁場センサーの各磁場センサーの近傍に集束器をさらに備え、各集束器が前記磁気的硬質層の前記複数の磁化領域の感知を促進する、請求項22に記載の装置。
【請求項26】
前記複数の磁場センサーによって生成された出力信号に基づいて、位置的情報を算出するための手段であって、機械またはその構成要素自体の動きまたは位置を制御するために、前記位置的情報が表示または使用され得る手段と、前記位置的情報を格納するための手段とをさらに備える、請求項22に記載の装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10A】
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【図10B】
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【図10C】
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【図10D】
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【公開番号】特開2011−252912(P2011−252912A)
【公開日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−153114(P2011−153114)
【出願日】平成23年7月11日(2011.7.11)
【分割の表示】特願2008−506457(P2008−506457)の分割
【原出願日】平成18年2月28日(2006.2.28)
【出願人】(501228071)エスアールアイ インターナショナル (66)
【氏名又は名称原語表記】SRI International
【住所又は居所原語表記】333 Ravenswood Avenue, Menlo Park, California 94025, U.S.A.
【Fターム(参考)】