説明

移動体の位置情報を利用したネットワーク機器の制御および移動端末の利用

【課題】移動体の位置情報を利用したネットワーク機器の制御システムの利便性を向上させる。
【解決手段】ネットワーク機器制御システム1000は、携帯電話CPや、ナビゲーション装置NAVや、携帯情報端末PDAなどの移動端末と、住宅内に設置されたホームサーバ200とを備えている。各移動端末は、中継局RSおよびインターネットINTを介して、ホームサーバ200と接続されている。このホームサーバ200には、エアコンなどのネットワーク家電が接続されている。ホームサーバ200は、移動端末から位置情報を取得し、住宅までの到着時刻を予測してネットワーク家電の動作を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動体の位置情報を利用したネットワーク機器の制御および移動端末の利用に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、携帯電話や、PDAなどの移動端末を用いて、インターネットなどのネットワークを介して、ネットワークに接続された家電機器を制御する技術が提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
【0003】
例えば、特許文献1に記載の技術では、移動端末は、現在位置や、速度や、方向などの移動パラメータの検出を行い、この移動パラメータが所定の制御条件を満たしたときに、制御対象機器を制御するためのメッセージを受信システムに送信する。制御条件には、距離や時間に関する条件が含まれており、移動端末は、現在位置から目的地への経路探索を行うことによって、距離および所要時間を算出し、到着時刻を予測する。受信システムは、移動端末から受信したメッセージに基づいて、制御対象機器の動作を制御する。
【0004】
【特許文献1】特開2002−186053号公報
【特許文献2】特開2002−64881号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、経路探索を行うには、多量の電子地図データが必要であり、メモリ容量が小さく、情報処理能力が比較的低い携帯電話などの移動端末に上記技術を適用することが困難な場合があった。さらに、複数の異なる移動端末でそれぞれ経路探索を行う場合には、移動端末ごとに利用する電子地図データが異なったり、経路探索にバラツキが生じたりする場合があり、到着時刻の予測精度に関して、改善の余地があった。また、移動端末の利用に関し、さらに利便性を向上させる余地があった。
【0006】
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、移動体の位置情報を利用したネットワーク機器の制御システム、および、移動端末を備える情報システムの利便性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の課題の少なくとも一部を解決するため、本発明では、以下の構成を採用した。
本発明の第1の制御装置は、
所定のネットワークを介して、該ネットワークに接続された所定のネットワーク機器の動作を制御する制御装置であって、
所定の移動体が予め設定された所定の目的地に到着する到着時刻を基準として設定された制御条件と、制御対象となる前記ネットワーク機器の動作を制御するための制御情報との関係を規定した所定の制御規則を記憶する制御規則記憶部と、
前記移動体の現在位置を示す位置情報を取得する位置情報取得部と、
該位置情報に基づいて、所定の演算によって前記到着時刻を予測する到着時刻予測部と、
前記制御規則を参照し、前記予測された到着時刻が前記制御条件を満たしたときに、前記ネットワーク機器に前記制御情報を送信する送信部と、
を備えることを要旨とする。
【0008】
制御規則には、例えば、「到着時刻30分前に」という制御条件と、「エアコンを26度に設定してON」という制御情報とが対応付けて規定される。この制御規則は、ユーザによって任意に設定可能である。
【0009】
位置情報取得部は、例えば、人や、車両や、船舶や、航空機などの移動体がGPS(Global Positioning System)衛星からの信号などによって現在位置を検出する位置情報検出装置を備えるようにし、この位置情報検出装置によって検出された位置情報を取得することができる。また、CDMA(Code Division Multiple Access)の技術を利用して、CDMA基地局から移動体の位置情報を取得するようにしてもよい。また、移動体が発信機を備えるようにし、この発信機からの電波によって位置情報を検出し、取得するようにしてもよい。
【0010】
到着時刻予測部は、例えば、現在位置から目的地への直線距離と、移動体の予想平均速度とから所要時間を算出する。到着時刻予測部は、他の方法によって、到着時刻を予測するようにしてもよい。
【0011】
本発明では、制御装置で移動体の到着時刻を予測し、制御規則に従って、ネットワーク機器の動作を制御することができる。つまり、移動体側では、到着時刻の予測をする必要はない。この結果、移動体の位置情報を利用したネットワーク機器の制御システムの利便性を向上させることができる。
【0012】
上記制御装置において、さらに、
経路探索に利用される所定の経路探索データを記憶する経路探索データ記憶部を備え、
前記到着時刻予測部は、前記経路探索データを参照して、前記移動体から前記目的地までの経路探索を行うことによって、前記到着時刻を予測するようにしてもよい。
【0013】
経路探索データとは、移動体が通行可能な交通網を、ノードや、リンクや、リンクコストなどで表したいわゆるネットワークデータである。
【0014】
本発明によって、到着時刻予測部は、精度よく到着時刻を予測することができる。さらに、本発明によれば、移動体側では、大量の電子地図データ(経路探索データ)を保持したり、経路探索などの複雑な処理を行ったりする必要がないという利点もある。
【0015】
上記制御装置において、さらに、
通行所要時間に関連する所定の交通情報を取得する交通情報取得部を備え、
前記到着時刻予測部は、前記交通情報を参照して、前記到着時刻を予測するようにしてもよい。
【0016】
所定の交通情報としては、例えば、電車などのダイヤの乱れに関する情報や、VICS(Vehicle Information and Communication System)の情報などが挙げられる。
【0017】
本発明によって、到着時刻予測部は、通行所要時間(主として遅れ時間)を考慮した経路探索を行い、さらに精度よく到着時刻を予測することができる。
【0018】
また、上記経路探索を行う制御装置において、さらに、
移動手段に関連した複数の地物の位置情報および属性情報を含む所定の地物データを記憶する地物データ記憶部と、
前記移動体の位置情報と前記地物データとに基づいて、前記移動体の移動手段を予測する移動手段予測部と、を備え、
前記到着時刻予測部は、前記予測された移動手段に基づいて、前記経路探索を行うことによって、前記到着時刻を予測するようにしてもよい。
【0019】
地物データ記憶部には、例えば、緯度および経度が(LAT1,LON1)の位置には、地物「××駅」が存在し、「××駅」は、移動手段「電車」に関連しているということを表すデータが記憶される。この場合、移動手段予測部は、移動体の位置情報が(LAT1,LON1)であるときに、移動体の移動手段が「電車」であることを予測することができる。移動体の位置情報が(LAT1,LON1)の近傍であるときや、移動体の現在位置と目的地との間の領域に移動手段に関連する地物が存在するときに、移動手段が「電車」であると予測するようにしてもよい。
【0020】
本発明によって、到着時刻予測部は、移動手段を考慮した経路探索を行い、精度よく到着時刻を予測することができる。
【0021】
上記制御装置において、さらに、
現在時刻を取得する時刻取得部と、
前記予測された移動手段に対応する交通機関の前記各地物における発着時刻を記録した時刻表を取得する時刻表取得部と、を備え、
前記到着時刻予測部は、さらに、前記時刻表を参照し、前記現在時刻と前記移動体の位置情報とに基づいて、前記交通機関の利用時刻を推定することによって、前記目的地への到着時刻を予測するようにしてもよい。
【0022】
こうすることによって、到着時刻予測部は、例えば、電車の乗り継ぎ時間などを考慮して、さらに精度よく到着時刻を予測することができる。
【0023】
本発明の第1の制御装置において、さらに、
現在時刻を取得する時刻取得部を備え、
前記到着時刻予測部は、前記現在時刻を参照して、前記移動体が前記目的地に到着する時分を予測するようにすることができる。
【0024】
こうすることによって、時分に基づいて、ネットワーク機器の制御を行うことができる。
【0025】
また、本発明の第1の制御装置において、
前記制御規則は、複数の移動体について、該移動体ごとに規定されており、
さらに、前記移動体の識別情報を取得する識別情報取得部を備え、
前記送信部は、前記識別情報に基づいて、前記制御情報を送信するようにすることができる。
【0026】
こうすることによって、各移動体の到着時刻ごとに、ネットワーク機器の制御を柔軟に行うことができる。また、複数の移動体の到着時刻を、制御装置で一元的に管理することができる。
【0027】
本発明の第2の制御装置は、
所定のネットワークを介して、該ネットワークに接続された所定のネットワーク機器の動作を制御する制御装置であって、
所定の移動体の現在位置を示す位置情報を取得する位置情報取得部と、
該位置情報に基づいて、前記ネットワーク機器の動作を制御するか否かを判断する判断部と、
前記ネットワーク機器の動作を制御すべきと判断されたときに、前記ネットワーク機器の動作を制御するための制御情報を、前記ネットワーク機器に送信する送信部と、
を備えることを要旨とする。
【0028】
こうすることによって、移動体の位置情報に基づいて、すなわち、移動体が所定の位置あるいは領域内あるいは領域外に存在するか否かに応じて、ネットワーク機器の制御を行うことができる。
【0029】
本発明の第3の制御装置は、
所定のネットワークを介して、該ネットワークに接続された所定のネットワーク機器の動作を制御する制御装置であって、
所定の移動体の現在位置を示す位置情報を時系列的に取得する位置情報取得部と、
該時系列的に取得された位置情報と、予め設定された所定位置とに基づいて、該所定位置に対する前記移動体の移動状況を判断する判断部と、
前記移動体が前記所定位置から離れつつあると判断されたときに、前記ネットワーク機器の動作を制御するための制御情報を前記ネットワーク機器に送信する送信部と、
を備えることを要旨とする。
【0030】
こうすることによって、移動体が所定位置から離れつつあるときに、ネットワーク機器の制御を行うことができる。例えば、自宅のエアコンのスイッチをONにしたまま、OFFにし忘れて外出した場合に、自動的にスイッチをOFFにするように制御することができる。
【0031】
上記制御装置において、
前記判断部は、さらに、前記移動体が前記所定位置を基準として設定された所定の領域外に出たか否かを判断し、
前記送信部は、さらに、前記移動体が前記領域外に出たと判断されたときに、前記制御情報を送信するようにしてもよい。
【0032】
移動体が所定位置から離れつつある場合であっても、すぐに所定位置に戻る場合がある。本発明では、移動体が所定位置から離れ、所定領域から外れたときに、ネットワーク機器の動作を制御することができるので、例えば、わずかな距離の外出時には、ネットワーク機器の動作状態を現状のまま維持することができる。
【0033】
なお、所定の領域は、ユーザによって任意に設定可能である。また、所定の領域は、段階的に複数設定するようにしてもよい。こうすることによって、ネットワーク機器の動作を段階的に制御することができる。
【0034】
また、本発明の第3の制御装置において、
前記位置情報取得部は、複数の移動体の位置情報を取得し、
前記判断部は、前記複数の移動体の移動状況を判断し、
前記送信部は、該複数の移動体の移動状況に基づいて、該移動状況に対応した前記制御情報を送信するようにしてもよい。
【0035】
こうすることによって、複数の移動体の移動状況に応じて、ネットワーク機器の制御を柔軟に行うことができる。例えば、一の移動体が外出したときには、ネットワーク機器の制御を行わず、複数の移動体が外出したときにのみ、ネットワーク機器の制御を行うようにすることができる。
【0036】
本発明は、メッセージ送信装置の発明として構成することもできる。すなわち、
本発明のメッセージ送信装置は、
所定の移動端末に所定のメッセージを送信するメッセージ送信装置であって、
前記移動端末のユーザに依頼すべき事柄に関する情報と、該事柄を行う所定位置に関する情報とを含む依頼情報を取得する依頼情報取得部と、
前記移動端末の現在位置を示す位置情報を取得する位置情報取得部と、
前記現在位置と予め設定された所定の目的地とに基づいて定められた所定の領域内に、前記所定位置が存在するか否かを判断する判断部と、
前記領域内に前記所定位置が存在すると判断されたときに、前記所定位置で前記事柄を行うことを依頼するためのメッセージを、前記移動端末に送信する送信部と、
を備えることを要旨とする。
【0037】
事柄に関する情報には、ユーザの行為に関する情報が含まれ、所定位置に関する情報には、地物の名称や位置情報など、ユーザが事柄を行うべき場所を特定するための情報が含まれる。つまり、依頼情報には、「何処へ行って」、「何をする」、例えば、「Aスーパーに行って」、「牛乳を買う」といった情報が含まれる。
【0038】
「所定の領域」は、種々の態様で定めることができる。例えば、所定の領域は、現在位置と目的地(例えば、ユーザの自宅)とを結ぶ線分を直径とする円領域とすることができる。また、現在位置と目的地とを焦点とする楕円領域としてもよい。また、現在位置と目的地とを結ぶ線分から所定幅以内の領域としてもよい。また、現在位置から目的地まで経路探索を行い、その経路から所定幅以内の領域としてもよい。
【0039】
本発明のメッセージ送信装置は、移動端末とともに情報システムを構成する。本発明では、所定位置に移動しやすい移動端末にメッセージを送信することによって、そのユーザに、依頼情報の内容を依頼することができる。したがって、情報システムの利便性を向上させることができる。
【0040】
上記メッセージ送信装置において、
前記送信部は、さらに、前記事柄の準備を行うための所定の準備情報を、該準備情報を処理すべき所定の情報処理装置に送信するようにしてもよい。
【0041】
ここで、「所定の情報処理装置」としては、例えば、所定位置に存在する店舗などの地物に設置されたパーソナルコンピュータや、サーバが挙げられる。また、例えば、所定位置に存在する地物がチェーンストアの場合などには、その営業などを管理する本部のサーバであってもよい。
【0042】
本発明によって、所定位置に存在する地物の従業員などが、準備情報に基づき、移動端末のユーザが到着するのに備えて、ユーザが行う事柄の準備を行うことができる。例えば、ユーザがスーパーに買い物に行く場合に、買い物の内容を示す準備情報をスーパーに送信しておくことによって、スーパーの従業員は、商品を準備しておくことができる。
【0043】
上記メッセージ送信装置において、さらに、
前記移動端末から、前記メッセージに対する返信を受信する受信部を備え、
前記送信部は、前記返信が前記メッセージを承認する旨の内容であるときに、前記準備情報を前記情報処理装置に送信するようにしてもよい。
【0044】
こうすることによって、ユーザの了承が得られてから、準備情報を送信することができるので、準備情報の受信者は、効率よく準備を行うことができる。なお、ユーザからの了承が得られなかった場合には、例えば、所定の商品を配達してもらうための情報を送信するなど、他の処理を行うようにしてもよい。
【0045】
また、準備情報を送信する上記メッセージ送信装置において、さらに、
前記現在位置から前記所定位置までの到着時刻を予測する到着時刻予測部を備え、
前記送信部は、さらに、前記到着時刻を前記情報処理装置に送信するようにしてもよい。
【0046】
こうすることによって、ユーザが所定位置に到着したときには、すでに準備が整っているようにすることができる。
【0047】
本発明は、上述した制御装置およびメッセージ送信装置の他、移動端末の発明として構成することもできる。この移動端末は、本発明の制御装置およびメッセージ送信装置とサブコンビネーションの関係に相当する。すなわち、
本発明の移動端末は、
該移動端末の現在位置を示す位置情報の送信を許可するための送信条件を記憶する記憶部と、
前記位置情報を検出する検出部と、
前記送信条件が満たされたか否かを判断する判断部と、
前記送信条件が満たされたときに、前記位置情報を所定の情報処理装置に送信する送信部と、
を備えることを要旨とする。
【0048】
送信条件は、ユーザによって任意に設定することが可能である。また、「所定の情報処理装置」としては、例えば、本発明の制御装置や、メッセージ送信装置が挙げられる。
【0049】
本発明によって、送信条件が満たされない場合には、位置情報を送信しないので、移動端末のユーザのプライバシを確保することができる。
【0050】
上記移動端末において、送信条件は種々の態様で設定することが可能であるが、
前記送信条件は、例えば、前記現在位置が予め設定された所定の領域内に存在することを含むものとすることができる。
【0051】
「所定の領域」は、ユーザによって任意に設定することが可能である。本発明によって、移動端末が所定領域外に存在する場合には、位置情報を送信しないので、移動端末のユーザのプライバシを確保することができる。
【0052】
また、本発明の移動端末において、さらに、
現在時刻を取得する時刻取得部を備え、
前記送信条件は、前記現在時刻が予め設定された所定の時間帯であることを含むものとしてもよい。
【0053】
「所定の時間帯」は、ユーザによって任意に設定することが可能である。本発明によって、現在時刻が所定の時間帯でない場合には、位置情報を送信しないので、移動端末のユーザのプライバシを確保することができる。
【0054】
本発明の移動端末において、
前記送信部は、該移動端末のユーザの意思に関わらず、所定のタイミングで前記位置情報を送信するようにすることができる。
【0055】
「所定のタイミング」としては、例えば、所定時間間隔ごとや、交差点ごとや、信号待ちで停止するごとや、前記情報処理装置からの送信要求があるごとなど、種々のタイミングが挙げられる。
【0056】
本発明によって、情報処理装置に位置情報を自動的に送信することができる。
【0057】
本発明は、上述の制御装置、メッセージ送信装置、移動端末としての構成の他、これらを制御する制御方法の発明として構成することもできる。また、これらを実現するコンピュータプログラム、およびそのプログラムを記録した記録媒体、そのプログラムを含み搬送波内に具現化されたデータ信号など種々の態様で実現することが可能である。なお、それぞれの態様において、先に示した種々の付加的要素を適用することが可能である。
【0058】
本発明をコンピュータプログラムまたはそのプログラムを記録した記録媒体等として構成する場合には、制御装置、メッセージ送信装置、移動体端末の動作を制御するプログラム全体として構成するものとしてもよいし、本発明の機能を果たす部分のみを構成するものとしてもよい。また、記録媒体としては、フレキシブルディスクやCD−ROM、DVD−ROM、光磁気ディスク、ICカード、ROMカートリッジ、パンチカード、バーコードなどの符号が印刷された印刷物、コンピュータの内部記憶装置(RAMやROMなどのメモリ)および外部記憶装置などコンピュータが読み取り可能な種々の媒体を利用できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0059】
以下、本発明の実施の形態について、実施例に基づき以下の順序で説明する。
A.システム構成:
B.移動端末:
C.ホームサーバ:
D.位置情報送信処理:
E.ネットワーク機器制御処理:
F:メッセージ送信処理:
G:変形例:
【0060】
A.システム構成:
図1は、本発明の一実施例としてのネットワーク機器制御システム1000の概略構成を示す説明図である。本実施例のネットワーク機器制御システム1000は、携帯電話CPや、ナビゲーション装置NAVや、携帯情報端末PDAなどの移動端末と、住宅Home内に設置されたホームサーバ200とを備えている。各移動端末は、中継局RSおよびインターネットINTを介して、ホームサーバ200と接続されており、各種データのやり取りを行う。ホームサーバ200には、ホームサーバ200からの制御情報によって動作制御可能な電灯、エアコン、風呂、ビデオ、炊飯器などのネットワーク家電や、その他のネットワーク機器や、パーソナルコンピュータPCが接続されている。ユーザはパーソナルコンピュータPCを用いて、ホームサーバ200の各種設定を行うことができる。また、ホームサーバ200には、地図サーバMSからダウンロードした最新の電子地図データや、コンテンツサーバCSからダウンロードした最新の時刻表など種々のコンテンツが格納される。
【0061】
各移動端末には、位置情報送信装置100が備えられている。位置情報送信装置100は、3機のGPS衛星SAT1、SAT2、SAT3から受信した電波信号に基づいて現在位置を検出し、この現在位置を示す位置情報を、ホームサーバ200に送信する。ホームサーバ200は、後述するように、移動端末から受信した位置情報に基づいて、ネットワーク家電の制御を行う。
【0062】
B.移動端末:
図2は、移動端末に備えられた位置情報送信装置100の構成を示す説明図である。位置情報送信装置100は、CPU、RAM、ROM等を備えるマイクロコンピュータとして構成されており、図示した各機能ブロックを備えている。
【0063】
制御部110は、位置情報送信装置100内の各部の制御を行う。また、制御部110は、後述する位置情報送信処理を実行する。
【0064】
現在位置検出部120は、図示しないGPSアンテナが受信したGPS衛星SAT1、SAT2、SAT3からの電波信号に基づいて、移動端末の現在位置(緯度および経度)を検出する。現在位置の検出は、DGPS(ディファレンシャルGPS)を利用した方法や、携帯電話、PHS等の無線基地局の電波を利用した方法や、ジャイロセンサを利用もしくは併用した方法などによって現在位置を検出するものとしてもよい。
【0065】
入力部130は、移動端末が備える操作パネルなどの操作や、音声入力装置による音声入力によって、ユーザの指示を入力する。
【0066】
住宅位置記憶部140は、ホームサーバ200が設置された住宅Homeの位置情報を記憶する。本実施例では、位置情報として緯度および経度を記憶するものとした。なお、住宅Homeは、本発明における目的地に相当する。
【0067】
送信条件記憶部150は、現在位置検出部120が検出した位置情報のホームサーバ200への送信を許可するための送信条件を記憶する。この送信条件については、後述する。
【0068】
送信部160は、送信条件が満たされているときに、現在位置検出部120が検出した位置情報を、移動端末を識別するためのIDとともにホームサーバ200に送信する。
【0069】
出力部170は、移動端末が備える表示装置に、設定を行うための設定画面や、設定の確認画面などを出力する。
【0070】
現在時刻取得部180は、時計や、インターネットINT上の時刻サーバなどから現在時刻を取得する。
【0071】
図3は、送信条件記憶部150に記憶された送信条件の一例を示す説明図である。図示するように、本実施例では、送信許可エリアと、送信許可時刻とについて、送信条件を設定可能とした。また、位置情報の送信タイミングについても設定可能とした。
【0072】
図3(a)に示した例では、現在位置が住宅Homeの位置から半径10km以内の領域に存在するときであって、18時以降の時間帯に、5分間隔で、位置情報を送信することを示している。また、図3(b)の例は、エリアや時間帯には無関係に5分間隔で位置情報を送信することを示している。これらは、ユーザによって任意に設定可能である。図3(a)に示した送信条件は、例えば、会社に勤務中の住宅Homeの世帯主の携帯電話CPに適用される。また、図3(b)に示した送信条件は、住宅Homeに居住する子供の携帯電話CPに適用される。
【0073】
なお、図3では、位置情報の送信タイミングが5分間隔である場合について示したが、他のタイミング設定も可能である。例えば、交差点ごとや、信号待ちで停止するごとや、ホームサーバ200からの送信要求があるごとなど、種々のタイミングを設定可能である。
【0074】
上述したように、送信許可エリアおよび送信許可時刻について送信条件を設定可能とすることによって、これを満たさない場合には、位置情報は送信されないので、ユーザのプライバシを確保することができる。
【0075】
C.ホームサーバ:
本実施例のホームサーバ200は、先に説明した移動端末の位置情報に基づいて、ネットワーク家電の動作制御を行う機能を有する他、移動体や、所定のサーバなどに後述するメッセージを送信する機能も有している。
【0076】
図4は、ホームサーバ200の概略構成を示す説明図である。ホームサーバ200は、CPU、RAM、ROM等を備えるコンピュータであり、図示する各機能ブロックを備えている。これらの各機能ブロックは、ソフトウェア的に構成されている。
【0077】
制御部210は、ホームサーバ200内の各部の制御を行う。通信部220は、インターネットINTを介して、移動端末やインターネットINT上のサーバとデータのやり取りを行う。通信部220は、例えば、移動端末から位置情報や移動端末に付されたIDを取得する。通信部220は、本発明の位置情報取得部や、識別情報取得部に相当する。
【0078】
データベース参照部230は、電子地図データベース232や、移動手段データベース234や、時刻表データベース236や、制御規則データベース238や、依頼情報データベース239を参照する。電子地図データベース232は、CD−ROMなどの記録媒体からインストールしたり、地図サーバMSからダウンロードしたりした経路探索データなどの電子地図データを記憶している。他のデータベースについては、後述する。
【0079】
移動状況判断部240は、移動端末の位置情報および住宅Homeの位置情報に基づいて、移動端末の移動状況、すなわち、移動端末が住宅Homeに近づきつつあるか、離れつつあるか、移動しているか否かを判断する。
【0080】
移動手段推定部242は、移動手段データベース234と、移動端末の位置情報および住宅Homeの位置情報とに基づいて、移動端末のユーザが住宅Homeに帰宅する際の移動手段を推定する。
【0081】
経路探索部250は、電子地図データベース232内の経路探索データ等を用いて、移動端末の現在位置から住宅Homeまでの経路探索を行う。
【0082】
到着時刻予測部260は、経路探索部250による経路探索結果に基づいて、移動端末のユーザの住宅Homeへの到着時刻を予測する。なお、本実施例では、経路探索部250で経路探索を行うことによって、到着時刻の予測精度を向上させているが、例えば、移動端末の現在位置から住宅Homeへの直線距離と、予想平均時速とにから予測するようにしてもよい。
【0083】
また、ホームサーバ200は、複数の移動端末から位置情報とともにIDを取得するので、複数の移動端末の到着時刻を一元的に管理することができる。
【0084】
制御情報送信部270は、制御規則データベース238の制御規則に従い、制御条件が満たされたときに、ネットワーク家電に制御情報を送信する。
【0085】
制御状態入力部272は、ネットワーク家電の制御状態を入力する。ネットワーク家電の制御状態は、携帯端末からの要求に応じて、携帯端末に送信され、携帯端末のユーザは、外出先から、ネットワーク家電の制御状態、動作状況を確認することができる。
【0086】
メッセージ生成部280は、依頼情報データベース239の内容に基づいて、移動端末や、所定のサーバに送信すべきメッセージを生成する。このメッセージについては、後述する。
【0087】
入力部290は、図示しないキーボードやマウスからのユーザの指示や、パーソナルコンピュータPCなどからの各種設定情報を入力する。入力部290は、また、VICSの渋滞情報や、電車などの交通機関のダイヤの乱れに関する情報も入力する。
【0088】
現在時刻取得部292は、時計や、インターネットINT上の時刻サーバなどから現在時刻を取得する。ホームサーバ200は、現在時刻を取得することによって、時分に基づいて、ネットワーク家電の制御を行うことができる。
【0089】
図5は、移動手段データベース234の内容の一例を模式的に示す説明図である。図示するように、移動手段データベース234には、複数の移動手段と、各移動手段に関する地物の名称およびその位置情報が対応付けて記憶されている。
【0090】
移動手段推定部242は、移動手段データベース234を参照し、移動端末の現在位置に基づいて、移動手段を推定する。例えば、移動端末の現在位置が(LAT1,LON1)であれば、移動端末のユーザが「××駅」にいることが分かるので、「電車」で移動すると推定することができる。経路探索部250は、移動端末のユーザが移動手段推定部242によって推定された移動手段を利用して移動するものとして経路探索を行う。なお、移動手段データベース234を参照して推定される移動手段に関連する地物、例えば、電車の駅が住宅Home付近に存在しない場合には、移動端末のユーザはその移動手段を利用する可能性が低いので、移動手段推定部242は、他の移動手段の推定を行う。
【0091】
移動手段推定部242が推定する移動手段は、携帯端末のIDごとに制限可能とすることが好ましい。例えば、移動端末が自動車に設置されたナビゲーション装置NAVである場合には、移動端末の位置情報が、バス停などであっても、バスで移動する可能性が低いからである。こうすることによって、処理時間を短縮することができる。
【0092】
移動手段データベース234には、また、移動手段に関連する関連情報として、到着時刻予測部260が参照すべき情報が記憶されている。到着時刻予測部260は、関連情報に従い、時刻表データベース236に記憶された時刻表や、VICSの渋滞情報や、交通機関の遅れ情報などを参照し、乗り継ぎ時間や、遅れを考慮して、到着時刻を予測する。こうすることによって、到着時刻予測部260は、精度よく到着時刻を予測することができる。
【0093】
図6は、時刻表データベース236の内容の一例を模式的に示す説明図である。本実施例では、図示するように、電車、バス、地下鉄、モノレールの各駅における時刻表を記憶している。
【0094】
図7は、制御規則データベース238の内容の一例を模式的に示す説明図である。制御条件と、制御情報とが対応付けて記録されている。制御条件の「送信者」は、移動端末のIDと対応している。このIDは、ホームサーバ200内に予め登録されている。制御情報には、制御対象となるネットワーク家電(制御対象機器)と、その制御内容とが記されている。
【0095】
例えば、図7の欄C1の制御規則は、時刻が「18時以降」であって、到着時刻予測部260によって、携帯端末の位置情報およびIDに基づいて、「父」の到着時刻が「帰宅20分前」と予測されたときに、「風呂の給湯器」を「設定温度40度でON」にすることを示している。
【0096】
また、欄C2の制御規則は、住宅Homeの居住者「全員」の移動端末を対象とし、「いずれかが帰宅10分前」と予測されたときに、「リビングのエアコン」を「設定温度28度でON」にすることを示している。
【0097】
また、欄C3の制御規則は、「全員」が「外出」したと判断されたときに、「リビングのエアコン」を「OFF」にすることを示している。こうすることによって、全員が外出したにも関わらず、エアコンのスイッチをOFFにし忘れている場合に、自動的にスイッチをOFFにするように制御することができる。なお、外出か否かは、移動端末の移動状況および移動端末が住宅Homeを基準として設定された所定の領域外に出たか否かによって判断される。
【0098】
図8は、依頼情報データベース239の内容の一例を模式的に示す説明図である。依頼情報データベース239には、買い物や、住民票の取得など、移動端末のユーザに依頼すべき事項、すなわち、「何処へ行って、何をする」という情報が予め登録されている。
【0099】
ここでは、一例として、買い物について説明する。図示するように、依頼情報データベース239には、買い物について、買い物をすべき日時や、品物や、数量や、店舗名を記した買い物リストと、店舗に備えられたサーバのIPアドレスを記した店舗リストとが記憶されている。メッセージ生成部280は、買い物リストから必要な情報を抽出し、買い物をすべき店舗に立ち寄るのに適したユーザの移動端末に、買い物を依頼するためのメッセージを生成する。メッセージを送信する移動端末は、移動端末の現在位置から住宅Homeまでの経路から所定幅以内の領域に店舗が存在するか否かに基づいて選定される。また、メッセージ生成部280は、買い物の準備をするための準備情報を生成し、通信部220により店舗のサーバに送信する。店舗がチェーンストアの場合などには、その店舗を管理する本部のサーバに準備情報を送信するようにしてもよい。こうすることによって、移動端末のユーザが店舗に行ったときには、店舗では、すでに準備が完了しているようにすることができる。
【0100】
D.位置情報送信処理:
図9は、位置情報送信処理の流れを示すフローチャートである。移動端末に備えられた位置情報送信装置100のCPUが行う処理である。CPUは、まず、現在位置検出部120によって、移動端末の現在位置を検出する(ステップS100)。次に、住宅位置記憶部140から住宅位置を取得する(ステップS110)。また、現在時刻取得部180によって、現在時刻を取得する。そして、送信条件記憶部150を参照し、送信条件を満たしているか否かを判断する(ステップS120)。送信条件が満たされた場合は、位置情報をホームサーバ200に送信する(ステップS130)。送信条件が満たされていない場合は、位置情報の送信は行わない。CPUは、送信条件記憶部150に設定された送信時間間隔で、これらの処理を行う。
【0101】
E.ネットワーク機器制御処理:
図10は、ネットワーク機器制御処理の流れを示すフローチャートである。ホームサーバ200のCPUが行う処理である。CPUは、まず、通信部220によって、移動端末のIDおよび位置情報を取得する(ステップS200)。このとき、取得した移動端末の位置情報は、順次一時的に記憶される。次に、移動状況判断部240によって、移動端末の位置情報の変化、および、住宅Homeの位置情報に基づいて、移動端末(移動体)の移動状況、すなわち、移動端末が住宅Homeから離れつつあるか否かを判断する(ステップS210)。移動端末が住宅Homeに近づきつつある場合、および、移動していない場合には、到着時刻予測処理を行う(ステップS230)。到着時刻予測処理については、後述する。そして、制御規則データベース238を参照して(ステップS240)、制御条件が満たされたか否かを判断する(ステップS250)。制御条件が満たされた場合は、制御規則に従って、制御情報をネットワーク家電に送信する(ステップS260)。制御条件が満たされていない場合には、制御情報の送信は行わない。
【0102】
ステップS220において、移動端末が住宅Homeから離れつつあると判断された場合には、さらに、移動端末が住宅Homeを基準として設定された所定の領域内から出たか否かを判断する(ステップS222)。領域外に出た場合には、移動体が住宅Homeから外出したと判断し、ステップS240に進む。領域内に存在する場合には、移動端末を所持したユーザが、すぐに住宅Homeに戻ってくる可能性があるので、そのまま待機する。CPUは、移動端末から位置情報を取得するごとに、これらの処理を行う。
【0103】
図11は、図10のステップS230における到着時刻予測処理の流れを示すフローチャートである。CPUは、まず、電子地図データベース232と、移動手段データベース234とを参照して(ステップS232)、移動体の移動手段を推定する(ステップS234)。そして、移動端末のユーザが推定された移動手段を利用して移動するものとして経路探索を行う(ステップS236)。そして、時刻表データベース236や、VICS情報や、交通機関の遅れ情報を参照し(ステップS237)、乗り継ぎ時間や、遅れを考慮して到着時刻を予測する(ステップS238)。
【0104】
図12は、到着時刻の予測の一例を概念的に示す説明図である。図示するように、会社から徒歩10分の位置にA駅が存在し、C駅から徒歩10分の位置に自宅が存在するものとする。A駅からC駅までの電車での所要時間は、24分である。現在時刻18時55分に移動端末が会社に存在するものとする。図6に示した時刻表では、19時にA駅発の電車があるが、会社からA駅までは、徒歩10分掛かるので、この電車には間に合わない。したがって、移動端末が19時16分発の電車で移動するものと推定する。この電車は、19時40分にC駅に到着することが分かるから、自宅には19時45分に到着すると予測することができる。また、携帯端末が19時30分に地点Pに存在する場合には、A駅を19時発の電車で移動しているものと推定することができる。このように、時刻表を参照して到着時刻を予測することによって、A駅での待ち時間を考慮することができるので、到着時刻の予測精度を向上させることができる。
【0105】
F.メッセージ送信処理:
本実施例のホームサーバ200は、先に説明したように、移動端末に、そのユーザに用事を依頼するためのメッセージを送信する機能を有している。
【0106】
図13は、メッセージ送信処理の流れを示すフローチャートである。ホームサーバ200のCPUが行う処理である。CPUは、まず、依頼情報データベース239を参照する(ステップS300)。そして、買い物リストを読み込み(ステップS310)、本日分の買い物の内容を抽出し、送信すべきメッセージを生成する(ステップS320)。
【0107】
次に、CPUは、複数の移動端末から位置情報を取得する(ステップS330)。そして、各移動端末の現在位置から住宅Homeまでの経路探索を行い、買い物をすべき店舗に立ち寄るのに適した移動端末を選定する(ステップS340)。そして、選定された移動端末に、依頼内容を含むメッセージを送信し、その移動端末から、送信したメッセージに対する返信を受信する(ステップS350)。そして、移動端末からの返信内容が依頼を承認する旨の内容であるか否かを判断する(ステップS360)。返信内容が依頼を承認する旨の内容である場合には、移動端末から店舗までの到着時刻予測処理を行い(ステップS370)、商品を発注および到着時刻を店舗のサーバに送信する(ステップS380)。なお、ステップS370およびS380の処理は省略してもよい。
【0108】
ステップS360において、返信内容が依頼を拒否する旨の内容である場合には、ステップS330およびS340の処理と同様にして、次の候補の移動端末を検索する(ステップS362)。次候補の移動端末があれば、メッセージを送信すべき移動端末の変更を行い(ステップS366)、ステップS350に進む。次候補の移動端末がない場合には、商品を住宅Homeに配送してもらうための配送依頼を、店舗のサーバに送信する(ステップS368)。なお、ステップS368の処理は省略してもよい。
【0109】
以上説明した本実施例のネットワーク機器電制御システム1000によれば、ホームサーバ200で移動体の到着時刻を予測し、制御規則に従って、ネットワーク家電の動作を制御することができる。つまり、移動端末側では、先に説明した従来技術のように、到着時刻の予測をする必要はない。この結果、ネットワーク機器制御システム1000の利便性を向上させることができる。
【0110】
また、ホームサーバ200は、外出中のユーザが所持する移動端末に、買い物などの用事を依頼するメッセージを送信することができる。この結果、ネットワーク機器制御システム1000の利便性をさらに向上させることができる。
【0111】
G.変形例:
以上、本発明のいくつかの実施の形態について説明したが、本発明はこのような実施の形態になんら限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内において種々なる態様での実施が可能である。例えば、以下のような変形例が可能である。
【0112】
G1.変形例1:
上記実施例のホームサーバ200は、本発明の制御装置とメッセージ送信装置との双方を備えているが、いずれかを備えていればよい。
【0113】
G2.変形例2:
上記実施例では、本発明の制御装置およびメッセージ送信装置を、住宅Homeに設置されたホームサーバ200に適用した例について説明したが、これに限られない。インターネットINT上のサーバに適用してもよい。この場合、サーバが制御装置およびメッセージ送信装置のすべての機能を備えるようにしてもよいし、一部の機能を備えるようにしてもよい。例えば、図10に示したネットワーク機器制御処理において、サーバ上で、ステップS200〜S230までの処理を行い、ホームサーバでは、ステップS240〜S260の処理を行うようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0114】
【図1】本発明の一実施例としてのネットワーク機器制御システム1000の概略構成を示す説明図である。
【図2】移動端末に備えられた位置情報送信装置100の構成を示す説明図である。
【図3】送信条件記憶部150に記憶された送信条件の一例を示す説明図である。
【図4】ホームサーバ200の概略構成を示す説明図である。
【図5】移動手段データベース234の内容の一例を模式的に示す説明図である。
【図6】時刻表データベース236の内容の一例を模式的に示す説明図である。
【図7】制御規則データベース238の内容の一例を模式的に示す説明図である。
【図8】依頼情報データベース239の内容の一例を模式的に示す説明図である。
【図9】位置情報送信処理の流れを示すフローチャートである。
【図10】ネットワーク機器制御処理の流れを示すフローチャートである。
【図11】到着時刻予測処理の流れを示すフローチャートである。
【図12】到着時刻の予測の一例を概念的に示す説明図である。
【図13】メッセージ送信処理の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0115】
1000...ネットワーク機器制御システム
100...位置情報送信装置
110...制御部
120...現在位置検出部
130...入力部
140...住宅位置記憶部
150...送信条件記憶部
160...送信部
170...出力部
180...現在時刻取得部
200...ホームサーバ
210...制御部
220...通信部
230...データベース参照部
232...電子地図データベース
234...移動手段データベース
236...時刻表データベース
238...制御規則データベース
239...依頼情報データベース
240...移動状況判断部
242...移動手段推定部
250...経路探索部
260...到着時刻予測部
270...制御情報送信部
272...制御状態入力部
280...メッセージ生成部
290...入力部
292...現在時刻取得部
CP...携帯電話
NAV...ナビゲーション装置
PDA...携帯情報端末
CS...コンテンツサーバ
INT...インターネット
RS...中継局
MS...地図サーバ
PC...パーソナルコンピュータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定のネットワークを介して、該ネットワークに接続された所定のネットワーク機器の動作を制御する制御装置であって、
所定の移動体の現在位置を示す位置情報を取得する位置情報取得部と、
該位置情報に基づいて、前記ネットワーク機器の動作を制御するか否かを判断する判断部と、
前記ネットワーク機器の動作を制御すべきと判断されたときに、前記ネットワーク機器の動作を制御するための制御情報を、前記ネットワーク機器に送信する送信部と、
を備える制御装置。
【請求項2】
所定のネットワークを介して、該ネットワークに接続された所定のネットワーク機器の動作を制御する制御装置であって、
所定の移動体の現在位置を示す位置情報を時系列的に取得する位置情報取得部と、
該時系列的に取得された位置情報と、予め設定された所定位置とに基づいて、該所定位置に対する前記移動体の移動状況を判断する判断部と、
前記移動体が前記所定位置から離れつつあると判断されたときに、前記ネットワーク機器の動作を制御するための制御情報を前記ネットワーク機器に送信する送信部と、
を備える制御装置。
【請求項3】
請求項2記載の制御装置であって、
前記判断部は、さらに、前記移動体が前記所定位置を基準として設定された所定の領域外に出たか否かを判断し、
前記送信部は、さらに、前記移動体が前記領域外に出たと判断されたときに、前記制御情報を送信する、
制御装置。
【請求項4】
請求項2記載の制御装置であって、
前記位置情報取得部は、複数の移動体の位置情報を取得し、
前記判断部は、前記複数の移動体の移動状況を判断し、
前記送信部は、該複数の移動体の移動状況に基づいて、該移動状況に対応した前記制御情報を送信する、
制御装置。
【請求項5】
所定の移動端末に所定のメッセージを送信するメッセージ送信装置であって、
前記移動端末のユーザに依頼すべき事柄に関する情報と、該事柄を行う所定位置に関する情報とを含む依頼情報を取得する依頼情報取得部と、
前記移動端末の現在位置を示す位置情報を取得する位置情報取得部と、
前記現在位置と予め設定された所定の目的地とに基づいて定められた所定の領域内に、前記所定位置が存在するか否かを判断する判断部と、
前記領域内に前記所定位置が存在すると判断されたときに、前記所定位置で前記事柄を行うことを依頼するためのメッセージを、前記移動端末に送信する送信部と、
を備えるメッセージ送信装置。
【請求項6】
請求項5記載のメッセージ送信装置であって、
前記送信部は、さらに、前記事柄の準備を行うための所定の準備情報を、該準備情報を処理すべき所定の情報処理装置に送信する、
メッセージ送信装置。
【請求項7】
請求項6記載のメッセージ送信装置であって、さらに、
前記移動端末から、前記メッセージに対する返信を受信する受信部を備え、
前記送信部は、前記返信が前記メッセージを承認する旨の内容であるときに、前記準備情報を前記情報処理装置に送信する、
メッセージ送信装置。
【請求項8】
請求項6記載のメッセージ送信装置であって、さらに、
前記現在位置から前記所定位置までの到着時刻を予測する到着時刻予測部を備え、
前記送信部は、さらに、前記到着時刻を前記情報処理装置に送信する、
メッセージ送信装置。
【請求項9】
移動端末であって、
該移動端末の現在位置を示す位置情報の送信を許可するための送信条件を記憶する送信条件記憶部と、
前記位置情報を検出する検出部と、
前記送信条件が満たされたか否かを判断する判断部と、
前記送信条件が満たされたときに、前記位置情報を所定の情報処理装置に送信する送信部と、
を備える移動体端末。
【請求項10】
請求項9記載の移動端末であって、
前記送信条件は、前記現在位置が予め設定された所定の領域内に存在することを含む、
移動端末。
【請求項11】
請求項9記載の移動端末であって、さらに、
現在時刻を取得する時刻取得部を備え、
前記送信条件は、前記現在時刻が予め設定された所定の時間帯であることを含む、
移動端末。
【請求項12】
請求項9記載の移動端末であって、
前記送信部は、該移動端末のユーザの意思に関わらず、所定のタイミングで前記位置情報を送信する、
移動端末。
【請求項13】
所定のネットワークを介して、該ネットワークに接続された所定のネットワーク機器の動作を制御する制御方法であって、
(a)所定の移動体の現在位置を示す位置情報を取得する工程と、
(b)該位置情報に基づいて、前記ネットワーク機器の動作を制御するか否かを判断する工程と、
(c)前記ネットワーク機器の動作を制御すべきと判断されたときに、前記ネットワーク機器の動作を制御するための制御情報を、前記ネットワーク機器に送信する工程と、
を備える制御方法。
【請求項14】
所定のネットワークを介して、該ネットワークに接続された所定のネットワーク機器の動作を制御する制御方法であって、
(a)所定の移動体の現在位置を示す位置情報を時系列的に取得する工程と、
(b)該時系列的に取得された位置情報と、予め設定された所定位置とに基づいて、該所定位置に対する前記移動体の移動状況を判断する工程と、
(c)前記移動体が前記所定位置から離れつつあると判断されたときに、前記ネットワーク機器の動作を制御するための制御情報を前記ネットワーク機器に送信する工程と、
を備える制御方法。
【請求項15】
所定の移動端末に所定のメッセージを送信するメッセージ送信装置を制御する制御方法であって、
(a)前記移動端末のユーザに依頼すべき事柄に関する情報と、該事柄を行う所定位置に関する情報とを含む依頼情報を取得する工程と、
(b)前記移動端末の現在位置を示す位置情報を取得する工程と、
(c)前記現在位置と予め設定された所定の目的地とに基づいて定められた所定の領域内に、前記所定位置が存在するか否かを判断する工程と、
(d)前記領域内に前記所定位置が存在すると判断されたときに、前記所定位置で前記事柄を行うことを依頼するためのメッセージを、前記移動端末に送信する工程と、
を備える制御方法。
【請求項16】
移動端末の動作を制御する制御方法であって、
(a)該移動端末の現在位置を示す位置情報の送信を許可するための送信条件を準備する工程と、
(b)前記位置情報を検出する工程と、
(c)前記送信条件が満たされたか否かを判断する工程と、
(c)前記送信条件が満たされたときに、前記位置情報を所定の情報処理装置に送信する工程と、
を備える制御方法。
【請求項17】
所定のネットワークを介して、該ネットワークに接続された所定のネットワーク機器の動作を制御するためのコンピュータプログラムであって、
所定の移動体の現在位置を示す位置情報を取得する機能と、
該位置情報に基づいて、前記ネットワーク機器の動作を制御するか否かを判断する機能と、
前記ネットワーク機器の動作を制御すべきと判断されたときに、前記ネットワーク機器の動作を制御するための制御情報を、前記ネットワーク機器に送信する機能と、
をコンピュータに実現させるためのコンピュータプログラム。
【請求項18】
所定のネットワークを介して、該ネットワークに接続された所定のネットワーク機器の動作を制御するためのコンピュータプログラムであって、
所定の移動体の現在位置を示す位置情報を時系列的に取得する工程と、
該時系列的に取得された位置情報と、予め設定された所定位置とに基づいて、該所定位置に対する前記移動体の移動状況を判断する機能と、
前記移動体が前記所定位置から離れつつあると判断されたときに、前記ネットワーク機器の動作を制御するための制御情報を前記ネットワーク機器に送信する機能と、
をコンピュータに実現させるためのコンピュータプログラム。
【請求項19】
所定の移動端末に所定のメッセージを送信するメッセージ送信装置を制御するためのコンピュータプログラムであって、
前記移動端末のユーザに依頼すべき事柄に関する情報と、該事柄を行う所定位置に関する情報とを含む依頼情報を取得する機能と、
前記移動端末の現在位置を示す位置情報を取得する機能と、
前記現在位置と予め設定された所定の目的地とに基づいて定められた所定の領域内に、前記所定位置が存在するか否かを判断する機能と、
前記領域内に前記所定位置が存在すると判断されたときに、前記所定位置で前記事柄を行うことを依頼するためのメッセージを、前記移動端末に送信する機能と、
をコンピュータに実現させるためのコンピュータプログラム。
【請求項20】
移動端末の動作を制御するためのコンピュータプログラムであって、
該移動端末の現在位置を示す位置情報の送信を許可するための送信条件を記憶する機能と、
前記位置情報を検出する機能と、
前記送信条件が満たされたか否かを判断する機能と、
前記送信条件が満たされたときに、前記位置情報を所定の情報処理装置に送信する機能と、
をコンピュータに実現させるためのコンピュータプログラム。
【請求項21】
請求項17ないし20に記載のコンピュータプログラムをコンピュータ読み取り可能に記録した記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2009−17564(P2009−17564A)
【公開日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−179763(P2008−179763)
【出願日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【分割の表示】特願2003−82637(P2003−82637)の分割
【原出願日】平成15年3月25日(2003.3.25)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(597151563)株式会社ゼンリン (155)
【Fターム(参考)】