説明

移動体端末装置

【課題】操作者における操作性を向上することができる移動体端末装置を提供すること。
【解決手段】操作状態に応じた内容を表示する液晶表示パネル22と、液晶表示パネル22における表示内容を制御する表示制御部52と、装置本体の一部を突出させるアクチュエータ30と、液晶表示パネル22における表示内容に応じてアクチュエータ30の駆動を制御する駆動制御部53と、を具備することを特徴とする。アクチュエータ30は、操作者の接触位置を検出する検出パネル21の一部を突出させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動体端末装置に関し、特に、装置本体の一部を突出させるアクチュエータを備える移動体端末装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、携帯電話機などの移動体端末装置においては、実装する各種機能における操作者の操作性を向上する試みが為されている。例えば、特許文献1に記載の携帯電話機においては、通話又は電子メールの着信を検知すると、携帯電話機の本体背面に穿設された円孔内に配置された着信通知アクチュエータの突出部材を出し入れ移動させることで携帯電話機の所持者への着信を通知する。これにより、音による着信通知のように周囲の迷惑とならず、振動による着信通知のように歩行中の操作者に気付かれない事態を回避しつつ、操作者に着信を通知するものとなっている。
【特許文献1】特開2004−200743号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
近年、移動体端末装置に実装される機能は多様化しており、これに伴ってその表示部に表示される内容も多様化している。このような移動体端末装置においては、その表示内容と関連して操作者における操作性を向上することが要請されている。特に、移動体端末装置においては、その処理能力の高速化に伴って複雑なアプリケーションを実行可能となっており、このようなアプリケーションの実行時に操作者が直感的に操作可能な操作部の提供が課題となっている。
【0004】
本発明は、このような実情に鑑みて為されたものであり、操作者における操作性を向上することができる移動体端末装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の移動体端末装置は、操作状態に応じた内容を表示する表示部と、前記表示部における表示内容を制御する表示制御部と、装置本体の一部を突出させるアクチュエータと、前記表示部における表示内容に応じて前記アクチュエータの駆動を制御する駆動制御部と、を具備することを特徴とする。
【0006】
この構成によれば、表示部における表示内容に応じて装置本体の一部をアクチュエータにより突出させることから、表示内容を操作者の視覚だけでなく触覚を介して伝えることができるので、操作者に表示内容を直感的に報知することができ、操作者における操作性を向上することが可能となる。
【0007】
また、上記移動体端末装置において、操作者の接触位置を検出する接触検出部を更に具備し、前記アクチュエータは、前記接触検出部に対応する位置に配置され、当該接触検出部の一部を突出させることが好ましい。この場合には、表示部の表示内容に応じて操作者の接触位置を検出する接触検出部の一部を突出させることができるので、例えば、操作者による接触が予測される部分を突出させることで、操作者による接触操作の操作性を向上することが可能となる。
【0008】
特に、上記移動体端末装置において、前記表示部は、前記接触検出部よりも装置本体の内側部分に配置され、前記アクチュエータは、前記表示部における表示内容に応じて前記接触検出部の一部を突出させることが好ましい。この場合には、表示部が接触検出部の内側部分に配置され、その表示内容に応じて接触検出部の一部を突出させることができるので、表示内容における所望の位置と確実に対応付けて接触検出部の一部を突出させることが可能となる。
【0009】
例えば、上記移動体端末装置において、前記アクチュエータは、前記表示部に表示される指示入力画面上の指示入力位置に対応する前記接触検出部の一部を突出させることが考えられる。この場合には、指示入力画面上の指示入力位置に対応する接触検出部の一部を突出させることができるので、操作者による指示入力画面における指示入力操作の操作性を向上することが可能となる。
【0010】
また、上記移動体端末装置において、前記表示部は、前記接触検出部が設けられる装置本体の背面部分に配置され、前記アクチュエータは、前記表示部における表示内容に応じて前記接触検出部の一部を突出させるようにしても良い。この場合には、表示部が接触検出部の背面部分に配置され、その表示内容に応じて接触検出部の一部を突出させることができるので、表示内容における所望の位置と確実に対応付けて接触検出部の一部を突出させることが可能となる。
【0011】
さらに、上記移動体端末装置において、前記表示制御部は、前記接触検出部における突出部分に対する操作に応じて前記表示部における表示内容を変更し、前記駆動制御部は、前記表示制御部による変更後の表示内容に応じて前記接触検出部における突出部分の位置を変更することが好ましい。この場合には、接触検出部における突出部分に対する操作に応じて表示部における表示内容を変更することができるので、表示部における視認性を阻害することなく、表示部における表示内容を変更することが可能となる。
【0012】
例えば、上記移動体端末装置において、前記表示制御部は、前記接触検出部における突出部分に対するスライド操作に応じて前記表示部における表示内容をスクロールすることが考えられる。この場合には、接触検出部における突出部分に対するスライド操作に応じて表示内容をスクロールできるので、例えば、表示部に全体が表示できない大きな画像データ等の全体を簡単に確認することが可能となる。
【0013】
また、上記移動体端末装置において、前記表示制御部は、前記接触検出部における突出部分に対する連続した接触操作に応じて前記表示部における表示内容を拡大又は縮小することが考えられる。この場合には、接触検出部における突出部分に対する連続した接触操作に応じて表示部における表示内容を拡大又は縮小できるので、例えば、表示部に複数の画像データ等が表示される場合に、全ての画像データと、個別の画像データとを切り替えて簡単に確認することが可能となる。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る移動体端末装置によれば、表示部における表示内容に応じて装置本体の一部をアクチュエータにより突出させることから、表示内容を操作者の視覚だけでなく触覚を介して伝えることができるので、操作者に表示内容を直感的に報知することができ、操作者における操作性を向上することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して詳細に説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る移動体端末装置としての携帯電話装置(以下、単に「携帯電話」という)の斜視図である。図1に示すように、本実施の形態に係る携帯電話10は、ヒンジ部11を介して折り畳み可能に構成される上側本体12及び下側本体13を備えている。上側本体12及び下側本体13には、それぞれ携帯電話10を折り畳んだ際にその内側に配置される面にディスプレイ部14及びタッチパネル部15が配設されている。また、上側本体12におけるディスプレイ部14の上方側には、操作者の画像を撮影する撮像装置16が組み込まれている。さらに、下側本体13におけるタッチパネル部15の下方側には、操作者の指示入力を受け付ける3つの操作ボタン17が配設されている。
【0016】
なお、図1に示すように、本実施の形態に係る携帯電話10においては、下側本体13にのみタッチパネル部15を配設する場合について示しているが、これに限定されず、上側本体12にも、ディスプレイ部14の代わりにタッチパネル部を配設するようにしても良い。
【0017】
図2は、本実施の形態に係る携帯電話10が備えるタッチパネル部15の構造を説明するための模式図である。図2に示すように、タッチパネル部15は、接触検出部としての検出パネル21と、表示部としての液晶表示パネル22とを備えて構成されている。なお、図2においては、検出パネル21及び液晶表示パネル22を下側本体13から取り外した状態について示しているが、実際には、下側本体13の所定位置(図2に示す破線位置)に重ね合わせた状態で使用される。
【0018】
検出パネル21は、操作者による接触位置を検出するものであり、操作面への接触の検出信号(以下、「接触検出信号」という)として、また、操作面への接触の検出座標値を座標信号(以下、「接触座標信号」という)として、平面座標値(X軸、Y軸)を出力するように構成されている。検出パネル21は、後述するように、アクチュエータ30の駆動に応じて変形可能に構成されている。例えば、透明導電膜(ITO)付きフィルムを貼り合わせて構成される。
【0019】
なお、本実施の形態に係る検出パネル21の検出機構は、アクチュエータ30の駆動に応じて変形可能である点を除き、抵抗膜式、超音波式、光電式、静電容量式などの一般的なタッチパネルの既存技術によるものであるため、その詳細な説明は省略する。ここでは、検出パネル21は、下部に配置される液晶表示パネル22に重ねて配置されるため、透明(又は半透明)の材料で構成されている。
【0020】
液晶表示パネル22は、既存技術のバックライト付きのLCD装置(液晶ディスプレイ装置)で構成されている。タッチパネル部15のディスプレイ手段としては、他に、EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイや、CRT(カソードレイチューブ)ディスプレイ等の既存技術を適用することも可能である。
【0021】
検出パネル21と液晶表示パネル22との間には、複数のアクチュエータが配列されたアクチュエータパネル23が配設されている。このアクチュエータパネル23は、検出パネル21及び液晶表示パネル22と略同一の形状を有しており、検出パネル21と液晶表示パネル22との間に挟まれた状態で下側本体13の所定位置に固定される。なお、アクチュエータパネル23は、検出パネル21と同様に、アクチュエータパネル23は、下部に配置される液晶表示パネル22に重ねて配置されるため、透明(又は半透明)の材料で構成されている。
【0022】
図3は、本実施の形態に係る携帯電話10が備えるアクチュエータパネル23の構成を説明するための模式図である。図3に示すように、アクチュエータパネル23においては、X軸及びY軸方向に沿って所定間隔に複数のアクチュエータ30が配列されている。なお、図3においては、アクチュエータパネル23の一部を示すと共に、アクチュエータパネル23に配列されるアクチュエータ30の一部のみを示している。
【0023】
図4は、本実施の形態に係る携帯電話10が備えるアクチュエータパネル23に配列されるアクチュエータ30の構成を説明するための模式図である。図4(a)においては、駆動される前の状態(初期状態)のアクチュエータ30の側断面図を示し、同図(b)においては、駆動された後の状態(駆動状態)のアクチュエータ30の側断面図を示している。なお、図3においては、説明の便宜上、アクチュエータパネル23の上面に重ねられる検出パネル21も示している。
【0024】
図4(a)に示すように、アクチュエータ30は、同図に示す上下方向に移動する駆動部31と、この駆動部31の上下移動をガイドする側壁部32と、駆動部31に駆動力となる電力を供給する電極部33と、駆動部31と検出パネル21との間に収納される媒体部34と、駆動部31の上下移動に伴う媒体部34の移動領域を規定するガイド部35とから構成されている。媒体部34は、例えば、液体や気体で構成され、検出パネル21を傷つけることなく検出パネル21の一部を上方側に突出させる役割を果たす。ガイド部35には、円形の開口部が形成されており(図3参照)、媒体部34は、この開口部を介して検出パネル21の下面を上方側に押圧するものとなっている。
【0025】
図4(a)に示すように、初期状態においては、駆動部31は、同図に示す下方側に退避した状態となっている。この場合、媒体部34は、駆動部31とガイド部35との間に形成される空間に収納されており、検出パネル21の下面を押圧していない状態となっている。そして、電極部33から電力が供給されると、図4(b)に示すように、駆動部31は、ガイド部35の下面に到達する位置まで上方側に移動する。この場合、媒体部34は、ガイド部35の開口部から上方側に押し出され、検出パネル21の下面を上方側に押圧する。この押圧力により、検出パネル21は、開口部に対応する部分が図4(b)に示すように、上方側に突出した状態となる。
【0026】
図5は、本実施の形態に係る携帯電話10の機能ブロック図である。なお、図5に示す機能ブロックについては、本発明を説明するために簡略化したものであり、携帯電話10は、通常の携帯電話に必要な処理機能を備えるものとする。図5に示すように、携帯電話10は、装置全体の制御を行う主制御部51と、ディスプレイ部14及びタッチパネル部15が有する液晶表示パネル22における表示を制御する表示制御部52と、アクチュエータパネル23に配列されたアクチュエータ30の駆動を制御する駆動制御部53とを備えて構成されている。なお、主制御部51には検出パネル21が接続され、接触検出信号及び接触座標信号が入力される。また、主制御部51には操作ボタン17が接続され、操作者からの操作入力信号が入力される。
【0027】
表示制御部52は、主制御部51の指示の下、現在の操作状態に応じて内容をディスプレイ部14及び液晶表示パネル22に表示させる。例えば、電子メールの作成時においては、ディスプレイ部14にメール本文の確認画面を表示させると共に、液晶表示パネル22に平仮名、片仮名、英字、数字等の文字入力画面を表示させる。文字入力画面が表示された液晶表示パネル22における所望の位置に対して操作者が接触すると、その接触位置が検出パネル21により検出され、接触検出信号及び接触座標信号が主制御部51に入力される。主制御部51においては、液晶表示パネル22における表示内容と、操作者による接触位置とから指示内容を判定し、入力文字や後続する処理を特定する。なお、ここでは、電子メール機能を例として説明しているが、その他の機能についても同様の要領で行われる。
【0028】
駆動制御部53は、主制御部51の指示の下、液晶表示パネル22における表示内容に応じて所定のアクチュエータ30を駆動する。例えば、液晶表示パネル22に文字入力画面が表示される場合には、この文字入力画面上の指示入力キー(指示入力位置)に対応するアクチュエータ30を駆動する。この場合、検出パネル21においては、文字入力画面上の指示入力キーに対応する部分のみが上方側に突出した状態とされる。操作者は、このように文字入力画面上で突出した部分に接触することにより、所望の文字入力を行うことが可能となる。なお、アクチュエータパネル23において駆動されるアクチュエータ30は、液晶表示パネル22における表示内容に予め特定されているものとする。例えば、上述した文字入力画面においては、指示入力キーの位置に対応するアクチュエータ30が駆動されるように特定されている。
【0029】
なお、本実施の形態に係る携帯電話10においては、アクチュエータ30の駆動を、操作ボタン17や液晶表示パネル22に表示された指示入力キーから切り替えられるように構成されている。すなわち、操作ボタン17又は液晶表示パネル22に表示された指示入力キーを選択することにより、検出パネル21における突出の有無を切り替えることができるものとなっている。以下においては、操作ボタン17によってアクチュエータ30の駆動が切り替えられるものとする。例えば、液晶表示パネル22に文字入力画面が表示されている場合においては、操作ボタン17を選択することにより、指示入力キー部分を突出させることができる一方、操作ボタン17を再選択することにより指示入力キー部分の突出を解除することができる。
【0030】
図6及び図7は、本実施の形態に係る携帯電話10において、検出パネル21の一部が突出した状態について示す斜視図及び上面図である。なお、図6及び図7においては、液晶表示パネル22に文字入力画面(平仮名)が表示された場合について示している。図7に示すように文字入力画面がタッチパネル部15(液晶表示画面22)に表示された状態において、操作ボタン17が選択されると、図6に示すように、文字入力画面における指示入力キー61に対応する部分が突出する。
【0031】
このように本実施の形態に係る携帯電話10によれば、表示部としての液晶表示パネル22における表示内容に応じて検出パネル21の一部を突出させることから、表示内容を操作者の視覚だけでなく触覚を介して伝えることができるので、操作者に表示内容を直感的に報知することができ、操作者における操作性を向上することが可能となる。
【0032】
また、本実施の形態に係る携帯電話10においては、操作者の接触位置を検出する検出パネル21の一部を突出させていることから、例えば、操作者による接触が予測される部分を突出させることで、操作者による接触操作の操作性を向上することが可能となる。
【0033】
特に、本実施の形態に係る携帯電話10においては、液晶表示パネル22に表示される指示入力画面上の指示入力キーに対応する検出パネル21の一部を突出させていることから、操作者においては、この検出パネル21における突出部分に接触することで所望の指示入力を行うことができるので、操作者による指示入力画面における指示入力操作の操作性を向上することが可能となる。このため、タッチパネル部15を用いて指示入力を行う場合においても、物理的な操作入力キーを備える携帯電話と同様の感覚で指示入力を行うことができるので、操作者における操作性を向上することが可能となる。
【0034】
(実施の形態2)
実施の形態2に係る携帯電話80は、上側本体12におけるディスプレイ部14の背面側に検出パネル21及びアクチュエータパネル23が設けられている点において、実施の形態1に係る携帯電話10と相違する。以下、実施の形態1に係る携帯電話10との相違点を中心に実施の形態2に係る携帯電話80の構成について説明する。
【0035】
図8は、本発明の実施の形態2に係る携帯電話80の斜視図である。なお、図8において、図1と同様の構成については、同一の符号を付し、その説明を省略する。図8に示すように、実施の形態2に係る携帯電話80において、検出パネル21及びアクチュエータパネル23は、上側本体12におけるディスプレイ部14の背面側に重ねて配置される。実施の形態2に係る携帯電話80においても、アクチュエータパネル23は、図3に示した構成を採り、これに重ねて配置される検出パネル21の一部をアクチュエータ30により上側本体12の背面側に突出させるものとなっている。この場合において、アクチュエータ30は、実施の形態1に係る携帯電話10と同様に、操作ボタン17の選択により駆動されるものとする。なお、実施の形態2に係る携帯電話80においては、液晶表示パネル22は、アクチュエータパネル23に重なる位置に配置されていない。
【0036】
また、アクチュエータパネル23において駆動されるアクチュエータ30は、実施の形態1に係る携帯電話10と異なり、表示部としてのディスプレイ部14における表示内容に応じて特定される。すなわち、実施の形態2に係る携帯電話80においては、駆動制御部53によりディスプレイ部14における表示内容に応じてアクチュエータ30が駆動される。例えば、ディスプレイ部14に地図データを表示する場合には、その地図データにおける建造物の位置に対応するアクチュエータ30を駆動して検出パネル21の一部を突出させることが考えられる。また、ディスプレイ部14に表示される文字内容(例えば、電子メールにおける文字内容)に関連するマーク(例えば、ハートマークやクエスチョンマーク等)に対応するアクチュエータ30を駆動することや、同様の文字内容を翻訳した点字に対応するアクチュエータ30を駆動することも考えられる。すなわち、ディスプレイ部14における表示内容を触覚により把握することができる内容を表現するように該当するアクチュエータ30を駆動することが考えられる。
【0037】
さらに、実施の形態2に係る携帯電話80においては、検出パネル21における突出部分に対する操作に応じてディスプレイ部14における表示内容を制御することができるように構成されている。すなわち、操作者が突出部分に対して何らかの操作を行うと、検出パネル21でその操作に伴う接触座標信号が検出され、主制御部51に入力される。主制御部51においては、その接触座標信号から予測される操作に応じてディスプレイ部14における表示内容を制御するように表示制御部52に指示する。この指示に応じて表示制御部52がディスプレイ部14における表示内容を変更する。例えば、実施の形態2に係る携帯電話80においては、ディスプレイ部14における表示内容のスクロール、並びに、拡大又は縮小を行うことが可能となっている。
【0038】
以下、本実施の形態に係る携帯電話80において、検出パネル21における突出部分に対する操作に応じてディスプレイ部14における表示内容を制御する場合の具体例について説明する。図9〜図13は、本実施の形態に係る携帯電話80において、検出パネル21における突出部分に対する操作に応じてディスプレイ部14における表示内容を制御する場合の具体例を説明するための図である。図9〜図13において各図(a)は、携帯電話80の正面図を示し、各図(b)は、携帯電話80の背面図を示している。また、図9〜図13における各図(b)においては、説明の便宜上、検出パネル21の領域を表示している。
【0039】
上述したように、表示制御部52は、主制御部51の指示の下、現在の操作状態に応じて内容をディスプレイ部14に表示させる。一方、駆動制御部53は、主制御部51の指示の下、液晶表示パネル22における表示内容に応じて所定のアクチュエータ30を駆動する。例えば、図9(a)に示すように、携帯電話80に実装されている地図表示アプリケーション、或いは、携帯電話網を介して提供される地図提供サービスにより地図データがディスプレイ部14に表示された状態において、操作ボタン17が選択されると、駆動制御部53は、表示された地図データの中央座標(X0,)に対応するアクチュエータ30を駆動する。これにより、検出パネル21においては、図9(b)に示すように、中央座標(X0,)に対応する部分が背面側(同図に示す紙面手前側)に突出する。なお、図9(b)においては、説明の便宜上、検出パネル21における突出部分を大きく示しているが、その大きさについては適宜変更が可能である。また、このような突出部分を形成するために複数のアクチュエータ30を駆動するようにしても良い。
【0040】
このように検出パネル21が突出した状態において、操作者がこの突出部分に触った状態から指を図10(b)に示す座標(X,Y)にスライド操作すると、この座標(X,Y)が検出パネル21により検出され、接触座標信号として主制御部51に入力される。この場合、主制御部51は、中央座標(X0,)が座標(X,Y)に移動するように図9(a)に示す地図データをスクロールするように表示制御部52に指示する。表示制御部52は、この指示に応じて図9(a)に表示された地図データを、図10(a)に示す位置までスクロールさせる。このようにディスプレイ部14における地図データがスクロールしたならば、主制御部51は、中央座標(X0,)に対応するアクチュエータ30の駆動を解除する一方、座標(X,Y)に対応するアクチュエータ30を駆動する。
【0041】
同様に、例えば、図11(a)に示すように、携帯電話80に実装されているビューワアプリケーションにより複数の画像データA〜Cがディスプレイ部14に表示された状態において、操作ボタン17が選択されると、駆動制御部53は、表示された画像データA〜Cのそれぞれの中央座標(Xa,)、(Xb,)、(Xc,)に対応するアクチュエータ30を駆動する。これにより、検出パネル21においては、図11(b)に示すように、それぞれの中央座標(Xa,)、(Xb,)、(Xc,)に対応する部分が背面側(同図に示す紙面手前側)に突出する。
【0042】
このように検出パネル21が突出した状態において、操作者がこの突出部分(ここでは(Xb,)に対応する突出部分)に触った状態から指を図12(b)に示す座標(X,Y)にスライド操作すると、この座標(X,Y)が検出パネル21により検出され、接触座標信号として主制御部51に入力される。この場合、主制御部51は、元の中央座標(Xb,)が座標(X,Y)に移動するように図11(a)に示す画像データBをスクロールするように表示制御部52に指示する。表示制御部52は、この指示に応じて図11(a)に表示された画像データBを、図12(a)に示す位置までスクロールさせる。このようにディスプレイ部14における画像データBがスクロールしたならば、主制御部51は、元の中央座標(Xb,)に対応するアクチュエータ30の駆動を解除する一方、座標(X,Y)に対応するアクチュエータ30を駆動する。
【0043】
なお、ここでは、ディスプレイ部14における表示内容(地図データや画像データB)のスクロールをした後に、主制御部51が移動元の座標に対応するアクチュエータ30の駆動を解除する一方、移動先の座標に対応するアクチュエータ30を駆動する場合について説明している。しかしながら、このようなスライド操作に伴うアクチュエータ30の駆動及びその解除については、これに限定されるものではなく適宜変更が可能である。例えば、そのスライド操作を行う指に追随させ、指が接触する位置に対応するアクチュエータ30を駆動すると共に、指が離間したアクチュエータ30の駆動を解除するようにしても良い。この場合には、より直感的な操作感触を操作者に提供することが可能となる。
【0044】
また、図11及び図12においては、操作者が(Xb,)に対応する突出部分に触った状態から指を座標(X,Y)にスライド操作する場合について説明している。このように指でスライド操作するのではなく、操作者が(Xb,)に対応する突出部分を連続して接触する操作(所謂、タップ操作)を行った場合には、この座標(X,Y)が検出パネル21により連続して検出され、接触座標信号として主制御部51に入力される。この場合、主制御部51は、画像データBがディスプレイ部14の全面に表示されるように表示制御部52に指示する。表示制御部52は、この指示に応じて図13(a)に示すように、画像データBをディスプレイ部14の全面に拡大表示させる。このようにディスプレイ部14に画像データBを拡大表示したならば、主制御部51は、元の中央座標(Xb,)に対応するアクチュエータ30の駆動を解除する一方、ディスプレイ部14の中央座標(X,Y)に対応するアクチュエータ30を駆動する。
【0045】
ここで、本実施の形態に係る携帯電話80において、検出パネル21における突出部分に対する操作に応じてディスプレイ部14における表示内容を制御する際の動作について説明する。図14は、本実施の形態に係る携帯電話80において、検出パネル21における突出部分に対する操作に応じてディスプレイ部14における表示内容を制御する際の動作について説明するためのフロー図である。
【0046】
アクチュエータパネル23におけるアクチュエータ30が駆動されていない状態においては、操作ボタン17等によりアクチュエータ30の駆動指示を受け付けるか監視している(ステップ(以下、「ST」という)1401)。そして、アクチュエータ30の駆動指示を受け付けると、携帯電話80においては、ディスプレイ部14における表示内容に応じて、所定位置のアクチュエータ30を駆動し、検出パネル21の該当部分を突出させる(ST1402)。
【0047】
このようにディスプレイ部14における表示内容に応じて検出パネル21の所定位置を突出させた後、携帯電話80においては、当該突出部分に対する操作者の接触が判定される(ST1403)。なお、突出部分への接触がない場合には、この判定処理が継続される。一方、突出部分への接触が検出されると、その突出部分に応じた表示内容(例えば、図11に示す画像データB)をディスプレイ部14における最上順位の位置へ表示する(ST1404)。これは、例えば、ディスプレイ部14に複数の画像データが表示されている場合において、接触された突出部分に対応する画像データが他の画像データよりも下方側に表示されているような場合に最上順位の位置へ表示するものである。
【0048】
次に、携帯電話80においては、突出部分へのスライド操作を受け付けるか、連続した接触操作(連続タップ操作)を受け付けるか判定する(ST1405、ST1406)。ST1405において、スライド操作を受け付けた場合には、そのスライド操作に伴う接触座標信号に基づいてディスプレイ部14における表示内容をスクロールする(ST1407)。これにより、突出部分へのスライド操作に伴って、ディスプレイ部14における表示内容をスクロールすることが可能となる。
【0049】
一方、ST1406において、連続した接触操作を受け付けた場合には、当該突出部分に対応する表示内容がディスプレイ部14の全面に表示されている状態(全面表示状態)であるか判定する(ST1408)。この場合において、当該突出部分に対応する表示内容が全面表示状態である場合には、複数の表示内容が配列される状態(複数表示状態:例えば、図11(a)参照)に切り替わるように表示内容を縮小する(ST1409)。一方、当該突出部分に対応する表示内容が全面表示状態でない場合には、全面表示状態に切り替わるように表示内容を拡大する(ST1410)。これにより、突出部分への連続した接触操作に伴って、ディスプレイ部14における表示内容を拡大又は縮小することが可能となる。
【0050】
表示内容をスクロールし、或いは、拡大又は縮小した後、携帯電話80においては、ディスプレイ部14における表示内容に応じて検出パネル21における突出部分の位置を変更する(ST1411)。具体的には、スクロール制御、或いは、拡大又は縮小制御した後の表示内容に応じたアクチュエータ30を駆動して検出パネル21を突出させる一方、スクロール制御、或いは、拡大又は縮小制御する前に駆動していたアクチュエータ30の駆動を解除して検出パネル21における突出を解除する。このようにディスプレイ部14における表示内容に応じて検出パネル21における突出部分の位置を変更した後、処理を終了する。
【0051】
このように本実施の形態に係る携帯電話80によれば、操作者による検出パネル21における突出部分に対する操作に応じてディスプレイ部14における表示内容を変更する一方、ディスプレイ部14における変更後の表示内容に応じて検出パネル21における突出部分の位置を変更することから、検出パネル21における突出部分に対する操作に応じてディスプレイ部14における表示内容を変更することができるので、ディスプレイ部14における視認性を阻害することなく、ディスプレイ部14における表示内容を変更することが可能となる。
【0052】
特に、本実施の形態に係る携帯電話80においては、検出パネル21における突出部分に対するスライド操作に応じてディスプレイ部14における表示内容をスクロールさせるようにしたことから、例えば、ディスプレイ部14に全体が表示できない大きな画像データ等の全体を簡単に確認することが可能となる。
【0053】
また、本実施の形態に係る携帯電話80においては、検出パネル21における突出部分に対する連続した接触操作に応じてディスプレイ部14における表示内容を拡大又は縮小するようにしたことから、例えば、ディスプレイ部14に複数の画像データ等が表示される場合に、全ての画像データと、個別の画像データとを切り替えて簡単に確認することが可能となる。
【0054】
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されず、本発明の効果を発揮する範囲内において種々変更して実施することが可能である。また、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施することが可能である。
【0055】
例えば、上記実施の形態においては、実施の形態1に係る携帯電話10において、実施の形態2に係る携帯電話80のような検出パネル21における突出部分に対する操作について言及していないが、携帯電話10においても同様に検出パネル21における突出部分に対する操作に応じて液晶表示パネル22における表示内容を変更するようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明の実施の形態1に係る移動体端末装置としての携帯電話の斜視図である。
【図2】実施の形態1に係る携帯電話が備えるタッチパネル部の構造を説明するための模式図である。
【図3】実施の形態1に係る携帯電話が備えるアクチュエータパネルの構成を説明するための模式図である。
【図4】実施の形態1に係る携帯電話が備えるアクチュエータパネルに配列されるアクチュエータの構成を説明するための模式図である。
【図5】実施の形態1に係る携帯電話の機能ブロック図である。
【図6】実施の形態1に係る携帯電話において、検出パネルの一部が突出した状態について示す斜視図である。
【図7】実施の形態1に係る携帯電話において、検出パネルの一部が突出した状態について示す上面図である。
【図8】本発明の実施の形態2に係る携帯電話の斜視図である。
【図9】実施の形態2に係る携帯電話において、検出パネルの突出部分に対する操作に応じてディスプレイ部の表示内容を制御する場合の具体例を説明するための図である。
【図10】実施の形態2に係る携帯電話において、検出パネルの突出部分に対する操作に応じてディスプレイ部の表示内容を制御する場合の具体例を説明するための図である。
【図11】実施の形態2に係る携帯電話において、検出パネルの突出部分に対する操作に応じてディスプレイ部の表示内容を制御する場合の具体例を説明するための図である。
【図12】実施の形態2に係る携帯電話において、検出パネルの突出部分に対する操作に応じてディスプレイ部の表示内容を制御する場合の具体例を説明するための図である。
【図13】実施の形態2に係る携帯電話において、検出パネルの突出部分に対する操作に応じてディスプレイ部の表示内容を制御する場合の具体例を説明するための図である。
【図14】実施の形態2に係る携帯電話において、検出パネルの突出部分に対する操作に応じてディスプレイ部の表示内容を制御する際の動作について説明するためのフロー図である。
【符号の説明】
【0057】
10、80 移動体端末装置(携帯電話)
11 ヒンジ部
12 上側本体
13 下側本体
14 ディスプレイ部
15 タッチパネル部
16 撮像装置
17 操作ボタン
21 検出パネル
22 液晶表示パネル
23 アクチュエータパネル
30 アクチュエータ
31 駆動部
32 側壁部
33 電極部
34 媒体部
35 ガイド部
51 主制御部
52 表示制御部
53 駆動制御部
61 指示入力キー(突出部分)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作状態に応じた内容を表示する表示部と、前記表示部における表示内容を制御する表示制御部と、装置本体の一部を突出させるアクチュエータと、前記表示部における表示内容に応じて前記アクチュエータの駆動を制御する駆動制御部と、を具備することを特徴とする移動体端末装置。
【請求項2】
操作者の接触位置を検出する接触検出部を更に具備し、前記アクチュエータは、前記接触検出部に対応する位置に配置され、当該接触検出部の一部を突出させることを特徴とする請求項1記載の移動体端末装置。
【請求項3】
前記表示部は、前記接触検出部よりも装置本体の内側部分に配置され、前記アクチュエータは、前記表示部における表示内容に応じて前記接触検出部の一部を突出させることを特徴とする請求項2記載の移動体端末装置。
【請求項4】
前記アクチュエータは、前記表示部に表示される指示入力画面上の指示入力位置に対応する前記接触検出部の一部を突出させることを特徴とする請求項3記載の移動体端末装置。
【請求項5】
前記表示部は、前記接触検出部が設けられる装置本体の背面部分に配置され、前記アクチュエータは、前記表示部における表示内容に応じて前記接触検出部の一部を突出させることを特徴とする請求項2記載の移動体端末装置。
【請求項6】
前記表示制御部は、前記接触検出部における突出部分に対する操作に応じて前記表示部における表示内容を変更し、前記駆動制御部は、前記表示制御部による変更後の表示内容に応じて前記接触検出部における突出部分の位置を変更することを特徴とする請求項2から請求項5のいずれかに記載の移動体端末装置。
【請求項7】
前記表示制御部は、前記接触検出部における突出部分に対するスライド操作に応じて前記表示部における表示内容をスクロールすることを特徴とする請求項6記載の移動体端末装置。
【請求項8】
前記表示制御部は、前記接触検出部における突出部分に対する連続した接触操作に応じて前記表示部における表示内容を拡大又は縮小することを特徴とする請求項6又は請求項7記載の移動体端末装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2010−34833(P2010−34833A)
【公開日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−194734(P2008−194734)
【出願日】平成20年7月29日(2008.7.29)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】