説明

移動体通信装置、移動体通信装置の制御方法、および移動体監視システム

【課題】位置情報を取得できない場所にいる移動体の位置の推定精度を向上させることができる移動体通信装置、移動体通信装置の制御方法、および移動体監視システムを提供する。
【解決手段】地上の物体の位置を測位する測位手段から送信されてくる移動体の位置情報を所定時間ごとに取得を試み、移動体の位置情報を測位手段から所定時間以上取得できない場合、すでに取得した移動体の位置情報のうち最新の位置情報を管理装置へ送信する制御を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物体の位置を測位する測位手段から送信されてくる移動体の位置情報を取得し、この取得した位置情報を、移動体の状況を管理する管理装置へ送信する移動体通信装置、移動体通信装置の制御方法、および移動体通信装置を用いた移動体監視システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、遠隔地に分散して配置された建設機械などの移動体の状況を適確に把握するために、移動体に通信装置を搭載し、この通信装置がGPS衛星を含む測位手段から定期的に取得する移動体の位置情報等を管理者側の管理装置へ送信する移動体監視システムが実現されている(例えば、特許文献1を参照)。この従来技術では、通信装置が移動体の位置情報を一定の時間間隔で管理装置へ送信するのに加えて、移動体が所定の距離だけ移動するごとに移動体の位置情報を管理装置へ送信している。
【0003】
【特許文献1】国際公開第00/55827号パンフレット
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、移動体が工場などの屋内や高層ビルに囲まれた市街地で作業を行うとき、移動体に搭載されたGPSセンサがGPS衛星を捕捉することができず、GPS衛星から位置情報を取得することができない場合がある。この場合、管理装置は、通信装置から最後に受信した位置情報を用いて移動体の位置を推定する。しかしながら、通信装置が位置情報を発信する際の基準となる移動体の移動間隔は、移動体が長距離移動する場合であっても通信コストを抑制することができるように比較的長距離(例えば10km程度)に設定されるのが一般的である。このため、通信装置によって最後に発信された位置情報から移動体の現在位置を推定する際に必要な領域が広範囲(例えば半径10km以内)となり、管理装置側で移動体の位置を精度よく推定することは困難であった。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、位置情報を取得できない場所にいる移動体の位置の推定精度を向上させることができる移動体通信装置、移動体通信装置の制御方法、および移動体監視システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る移動体通信装置は、移動体に搭載され、物体の位置を測位する測位手段から送信されてくる前記移動体の位置情報を取得し、この取得した位置情報を、前記移動体の状況を管理する管理装置へ送信する移動体通信装置であって、前記移動体の位置情報を前記測位手段から所定時間以上取得できない場合、すでに取得した前記移動体の位置情報のうち最新の位置情報を前記管理装置へ送信する制御を行う制御手段を備えたことを特徴とする。
【0007】
また、本発明に係る移動体通信装置は、上記発明において、前記制御手段は、前記移動体の位置情報を前記測位手段から所定時間以上取得できない場合、前記移動体の位置情報の取得を試みる時間が1回だけ含まれる時間幅内で前記最新の位置情報を送信する制御を行うことを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る移動体通信装置は、上記発明において、前記制御手段は、前記移動体の位置情報を前記測位手段から所定時間以上取得できない場合、前記最新の位置情報を1回だけ送信する制御を行うことを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る移動体通信装置は、上記発明において、前記制御手段は、前記移動体の位置情報を前記測位手段から所定時間以上取得できない場合、前記最新の位置情報を所定の時間間隔で複数回送信する制御を行うことを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る移動体通信装置は、上記発明において、前記最新の位置情報を送信する時間間隔が徐々に大きくなることを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る移動体通信装置は、上記発明において、前記制御手段は、前記移動体の位置情報を前記測位手段から所定時間以上取得できず、前記最新の位置情報を前記管理装置へ送信した後、前記測位手段から新たに位置情報を取得した場合、前記移動体の移動距離によらず前記測位手段から新たに取得した位置情報を前記管理装置へ送信する制御を行うことを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係る移動体通信装置は、上記発明において、前記制御手段は、前記移動体の位置情報を前記管理装置へ送信するとともに、この送信する前記位置情報に対し、少なくとも前記移動体の位置情報を最後に取得してからの経過時間を用いて定められる特性を識別する識別情報を送信する制御を行うことを特徴とする。
【0013】
本発明に係る移動体通信装置の制御方法は、移動体に搭載され、物体の位置を測位する測位手段から送信されてくる前記移動体の位置情報を取得し、この取得した位置情報を、前記移動体の状況を管理する管理装置へ送信する移動体通信装置の制御方法であって、前記移動体の位置情報を前記測位手段から所定時間以上取得できない場合、すでに取得した前記移動体の位置情報のうち最新の位置情報を前記管理装置へ送信する制御を行うことを特徴とする。
【0014】
また、本発明に係る移動体通信装置の制御方法は、上記発明において、前記移動体の位置情報を前記測位手段から所定時間以上取得できない場合、前記移動体の位置情報の取得を試みる時間間隔が1回だけ含まれる時間幅内で前記最新の位置情報を前記管理装置へ送信する制御を行うことを特徴とする。
【0015】
本発明に係る移動体監視システムは、監視対象の移動体に搭載され、物体の位置を測位する測位手段から送信されてくる前記移動体の位置情報を取得し、この取得した位置情報を送信する移動体通信装置と、前記移動体通信装置から送信されてくる位置情報を受信し、この受信した位置情報を用いて前記移動体の状況を管理する管理装置と、を有する移動体監視システムであって、前記移動体通信装置は、前記移動体の位置情報を前記測位手段から所定時間以上取得できない場合、すでに取得した前記移動体の位置情報のうち最新の位置情報を前記管理装置へ送信するとともに、この送信する前記位置情報の特性を識別可能な識別情報を送信する制御を行う制御手段を備え、前記管理装置は、前記移動体通信装置から前記移動体の位置情報とともに送信されてくる前記識別情報に応じた態様で前記移動体の位置情報を表示する表示手段を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、移動体の位置情報を測位手段から所定時間以上取得できない場合、すでに取得した移動体の位置情報のうち最新の位置情報を管理装置へ送信する制御を行うことにより、その最新の位置情報を過去に送信していない場合には、移動体の現在位置に対してより近くの位置情報を管理装置へ送信することができ、位置情報を取得できない場所にいる移動体の位置の推定精度を向上させることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、添付図面を参照して本発明を実施するための最良の形態(以後、「実施の形態」と称する)を説明する。
【0018】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る移動体監視システムの概略構成を示す図である。この移動体監視システム100は、監視対象である複数の移動体1と、移動体1に通信接続され、移動体1から送信されてくる位置情報を用いて移動体1の状況を管理する管理装置2とを有する。移動体1は、地上の物体の位置を測位する測位手段であるGPS(Global Positioning System)を構成する複数のGPS衛星3から送信される移動体1の位置情報を受信可能であり、電波(地上波)による無線通信を行う基地局サーバ4と通信可能である。また、管理装置2は、ネットワークNWを介して基地局サーバ4と通信接続されている。
【0019】
移動体1は、GPS衛星3から送信されてくる移動体1の位置情報を受信するGPSセンサ10(測位手段の一部)と、GPSセンサ10が受信した移動体1の位置情報を取得し、この位置情報のうち所定の条件を満たすものを管理装置2へ送信する移動体通信装置11と、基地局サーバ4と通信接続され、移動体通信装置11から出力される移動体1の位置情報を送信する送受信器12と、を備える。GPSセンサ10は、アンテナ10aを介して複数のGPS衛星3から送られてくる情報をもとに移動体1の位置情報を検知する。送受信器12は、アンテナ12a、4aを介して基地局サーバ4との間で情報の送受信を行う。
【0020】
移動体1は建設機械であり、バケットやアームなどの作業機13と、駆動源であるエンジン14とを備える。作業機13は作業制御部15によって駆動制御され、エンジン14はエンジン制御部16によって駆動制御される。作業制御部15およびエンジン制御部16には、操作入力部17を通じて駆動制御指令が入力される。エンジン14は発電機(オルタネータ)18に接続されており、この発電機18が駆動することによって移動体1の電源であるバッテリー19を充電する。キースイッチ20は、エンジン始動信号を発生し、電装品の電源をオンにする。
【0021】
本実施の形態1に係る移動体通信装置11は、制御部21および記憶部31を備える。制御部21は、GPSセンサ10から移動体1の位置情報を取得する位置情報取得部22と、位置情報取得部22で取得した移動体1の位置情報が管理装置2へ送信すべき位置情報であるか否かを判定する判定部23と、判定部23の判定結果に応じて位置情報を出力する位置情報出力部24と、タイマー機能を有する時計25とを有する。制御部21は、作業制御部15から作業機13の稼動状況を取得し、エンジン制御部16からエンジン14の稼動状況、発電機18の動作情報、バッテリー19の電圧情報を取得する機能も有しており、移動体1に関して取得した各種情報を移動体情報32として記憶部31へ格納する。なお、移動体情報32には、管理装置2から送信された指示内容も含まれる。
【0022】
管理装置2は、移動体通信装置11から送信されてくる移動体1の位置情報を記憶する位置情報データベース(DB)2aと、地図情報を記憶する地図情報データベース2bと、位置情報および地図情報をもとに画像を生成して表示する表示部2cとを有する。管理装置2は、1または複数のコンピュータを用いて実現される。
【0023】
なお、地上波通信としては、例えば一般の地上無線機を介した無線通信や携帯電話などを用いた無線通信などがある。また、ネットワークNWは、インターネット、イントラネット、専用線等のいずれかまたは適当な組み合わせによって構成され、所定のプロトコルにしたがって情報の送受信が可能なものであればよい。
【0024】
図2は、本実施の形態1に係る移動体通信装置の制御方法の概要を示すフローチャートである。図2において、まず制御部21は、記憶部31内のメモリからロードするプログラムに含まれる2ビットのフラグ(以後、単に「フラグ」と称する)の初期値を「01」とする(ステップS101)。このフラグは、位置情報の種類を識別するためにGPSセンサ10から取得した位置情報に付与される識別情報である。
【0025】
この後、位置情報取得部22は、時計25の時刻を参照し、GPSセンサ10が受信する移動体1の座標すなわち位置情報Pの取得を時間Δtごとに試みる(ステップS102)。
【0026】
位置情報取得部22が位置情報Pを取得できなかった場合(ステップS103,No)、判定部23は、記憶部31が記憶する最新の位置情報Pnを取得した時刻TnからステップS102で取得を試みた時刻Tまでの経過時間T−Tnを求め、この経過時間が所定の時間幅(Tmin,Tmax)に含まれているか否かを判定する(ステップS104)。時間幅の時間的な長さTmax−Tminは、位置情報取得部22が位置情報の取得を試みる時間間隔Δtと同程度となるように定められ、時間幅(Tmin,Tmax)の間に位置情報の取得が1回だけ試みられる間隔として設定される。なお、この時間幅の最小値Tminおよび最大値Tmaxは、最新の位置情報Pnの取得時刻Tnを起点とし、時計25が具備するタイマーによって計時されている。判定部23による判定の結果、経過時間T−Tnが時間幅(Tmin,Tmax)に含まれている場合、すなわち経過時間T−TnがTmax>T−Tn>Tminを満たす場合(ステップS104,Yes)、制御部21はフラグを「10」とする(ステップS105)。
【0027】
続いて、位置情報出力部24は、記憶部31が記憶する最新の位置情報Pnおよび位置情報Pnの取得時刻Tnを出力し、送受信器12を介して管理装置2へ送信する(ステップS112)。この際、位置情報出力部24は、ステップS105で変更されたフラグ「10」に対応するフラグ情報Fgもあわせて出力し、送受信器12を介して管理装置2へ送信する。経過時間T−T1は時間幅(Tmin,Tmax)に1回だけ含まれるので、ステップS104からステップS112に至る処理は、位置情報Pを取得できなくなってから1回だけ行われる。換言すれば、移動体通信装置11は、位置情報を取得できなくなってから所定時間経過した後、記憶部31で記憶する最新の位置情報を1回だけ送信する。
【0028】
なお、判定部23が判定した結果、経過時間T−Tnが時間幅(Tmin,Tmax)に含まれていない場合(ステップS104,No)、ステップS102に戻る。
【0029】
次に、位置情報取得部22が位置情報Pを取得できた場合(ステップS103,Yes)について説明する。この場合、制御部21は、取得した位置情報Pを最新の位置情報Pnとし、この最新の位置情報Pnの取得時刻TをTnとし、新たに設定したPnおよびTnを記憶部31に格納する(ステップS106)。この際、制御部21は、時計25のタイマーをリセットして計時を開始する。
【0030】
続いて、制御部21は、最新の位置情報Pnと移動体1が最後に送信した位置情報Pfとの距離Pn−Pfを求め、判定部23が距離Pn−Pfと所定値Ltとの大小関係を判定する。まず、Pn−Pf>Ltの場合(ステップS107,Yes)、制御部21はフラグを参照する。参照したフラグが「01」であれば(ステップS108,Yes)、通常の状態が保持されているため、最新の位置情報Pnを、最後に送信した位置情報Pfとし、この位置情報Pnの取得時刻Tnを、最後に送信した時刻Tfとする(ステップS111)。
【0031】
その後、位置情報出力部24は、位置情報Pf、取得時刻Tf、およびフラグ「01」に対応するフラグ情報Fgを出力し、送受信器12を介して管理装置2へ送信する(ステップS112)。
【0032】
他方、Pn−Pf>Ltであり(ステップS107,Yes)、かつ制御部21が参照したフラグが「01」でない(ステップS108,No)場合、フラグは「10」である。すなわち、この場合に取得した位置情報Pnは、上述したステップS104からステップS112に至る処理を行った後で取得した位置情報である。そこで、制御部21は、この状況を反映するためにフラグを「11」とし(ステップS110)、ステップS111に進む。
【0033】
次に、判定部23による判定の結果、Pn−Pf>Ltでない場合(ステップS107,No)について説明する。この場合、制御部21で参照したフラグが「01」であれば(ステップS109,Yes)には、通常時の処理で所定距離Ltに達していない状況であるため、ステップS102に戻って処理を繰り返す。
【0034】
これに対して、Pn−Pf>Ltでなく(ステップS107,No)、かつフラグが「01」でない(ステップS109,No)場合、フラグは「10」である。したがって、取得した位置情報Pnは、移動体1の位置情報Pを取得できない状態が所定時間以上続いた後に初めて取得できた位置情報である。この場合、移動体1は所定距離Ltより少ない距離しか移動していないが、位置情報の取得が復旧したことをなるべく早く管理装置2へ送信した方が好ましい。そこで、制御部21はフラグを「11」と変更(ステップS110)した後、取得した位置情報PnをPfとし、取得時刻TnをTfとする(ステップS111)。続いて、位置情報出力部24が、位置情報Pf、取得時刻Tf、およびフラグ「11」に対応するフラグ情報Fgを出力し、送受信器12を介して管理装置2へ送信する(ステップS112)。
【0035】
このようにして、移動体通信装置11がGPS衛星3から送信されてくる位置情報を取得可能な状態に復旧した場合には、移動体1の移動距離に関わらずに最新の位置情報Pfを管理装置2へ送信することにより、復旧後の最新位置をなるべく早く管理装置2へ送信することが可能となる。この意味で、本実施の形態1では、復旧後に取得した位置情報に対応するフラグを、移動体1が所定距離Ltだけ移動したものであるか否かによらず一律にフラグ「11」としている。
【0036】
以下、ステップS112の後の処理について説明する。ステップS112の後、制御部21はフラグを参照し、参照したフラグが「11」である場合(ステップS113,Yes)には、ステップS101に戻ってフラグを初期値「01」に戻し、ステップS102以降の処理を繰り返す。他方、参照したフラグが「11」でない場合(ステップS113,No)、フラグは「01」または「10」である。この場合、制御部21はフラグを変更することなく、ステップS102に戻って処理を繰り返す。
【0037】
ところで、制御部21は、図2に示した制御とは別に、一定の送信間隔(例えば24時間ごと)で移動体1の位置情報を送信する制御も行っている。この定時送信制御を行うプログラムには、フラグ「00」が割り当てられている。したがって、位置情報出力部24は、この定時送信を行う場合、位置情報Pおよび取得時刻Tとともに、フラグ「00」に対応するフラグ情報Fgを出力する。この定時送信処理を、図2に示した処理に加えて行うことも可能である。
【0038】
図3は、以上説明した移動体通信装置の制御方法の具体的な例を模式的に示す図である。まず、移動体1が位置Aにおいて、位置情報取得部22がGPSセンサ10を介して位置情報PAを取得できたとし、判定部23による判定の結果、位置情報出力部24が位置情報PAを取得時刻TAおよびフラグ「01」に対応するフラグ情報Fg(01)とともに出力し、送受信器12から基地局サーバ4、ネットワークNWを経由して管理装置2へ送信したとする。
【0039】
その後、時間がΔt経過したときに移動体1が位置Bまで移動し、位置情報取得部22は位置情報PBを取得できたとする(TB=TA+Δt)。図3に示すように、移動距離PB−PAは所定の距離Ltよりも小さいため(PB−PA<Lt)、位置情報出力部24は、この時点で位置情報PB等の出力を行わない。
【0040】
続いて、時間がΔt経過したときに移動体1が位置Cまで移動し、位置情報取得部22が位置情報PCを取得できたとする(TC=TB+Δt)。図3に示すように、移動距離PC−PAは所定の距離Ltよりも大きい(PC−PA>Lt)。したがって、位置情報出力部24は、位置情報PC、取得時刻TCおよびフラグ「01」に対応するフラグ情報Fg(01)を出力する。
【0041】
次に、時間Δtが経過したときに移動体1が位置Dまで移動し、位置情報取得部22は位置情報PDを取得できたとする(TD=TC+Δt)。図3では、移動距離PD−PCが所定の距離Ltよりも小さい(PD−PC<Lt)。したがって、位置情報出力部24は、この時点で位置情報PD等の出力を行わない。
【0042】
さらに時間Δtが経過し、移動体1が位置Eまで移動したとする(TE=TD+Δt)。この位置Eは、例えば高層ビル群に囲まれた場所にあり、位置情報取得部22が位置情報を取得できなかったとする。また、移動体1は位置Eの周辺で作業を開始し、位置情報取得部22が時間Δtごとに位置情報の取得を試みても、位置情報を取得できない状態が続いたとする。この場合、判定部23は、最後に位置情報を送信した時刻TCからのΔtごとの経過時間T−TCと所定の時間幅の最小値Tminおよび最大値Tmaxとを比較し、Tmax>T−TC>Tminであるか否かを判定する。この判定の結果、Tmax>T−TC>Tminとなった時刻Tにおいて、制御部21はフラグを「10」とする。その後、位置情報出力部24は、記憶部31で記憶している中で最新の位置情報PDと取得時刻TDを読み出し、フラグ「10」に対応するフラグ情報Fg(10)とともに出力する。
【0043】
この後、位置E周辺での作業を終えた移動体1が位置Fに到達したときに再び位置情報PFを取得できたとする。図3に示す場合、最後に送信した位置Dと位置Fとの位置情報の差PF−PDは所定の距離Ltよりも小さいが、位置情報PFは復旧後初めて取得した位置情報である。したがって、制御部21がフラグを「11」とし、位置情報出力部24が位置情報PF、取得時刻TFおよびフラグ「11」に対応するフラグ情報Fg(11)を出力する。
【0044】
移動体1が図3と同様の挙動を示す場合に従来技術を適用すると、位置Cで位置情報PC等を送信した後、少なくとも位置Fで位置情報が取得されるまでは新たな位置情報が送信されることはない。これに対して、本実施の形態1によれば、位置Eで位置情報を取得できなくなってから所定時間経過した後、位置Eまでの距離が位置Cよりも小さい位置Dの位置情報PDを管理装置2へ送信することができるので、管理装置2における移動体1の位置の推定精度を向上させることができる。また、位置Fで位置情報を取得可能な状態に復旧した時点で移動体1の移動距離に関わらずに位置情報を送信するため、復旧した後の最新の位置情報を迅速に送信することができる。
【0045】
図4は、管理装置2の表示部2cにおける移動体1の位置情報の表示例を示す図である。同図に示す表示画面200には、4つのアイコンa1〜a4が表示されており、図3で模式的に示した状況を表示部2cで地図上で表示したものに相当している。すなわち、この表示画面200は、時刻TA以降の移動体1の位置の変化を示すものであり、アイコンa1が位置Aを示し、アイコンa2が位置Cを示し、アイコンa3が位置Dを示し、アイコンa4が位置Fを示している。
【0046】
表示画面200において、アイコンa1およびa2は同じ表示態様を有しているが、アイコンa3やアイコンa4は、アイコンa1およびa2とは異なる表示態様を有している。具体的には、アイコンa3は斜線によって網掛け表示されている一方、アイコンa4は点線によって網掛け表示されている。このようなアイコンの表示態様の違いは、各位置情報に付与されたフラグ情報の違いによるものである。すなわち、図4に示す場合には、アイコンa1、a2がフラグ情報Fg(01)に対応し、アイコンa3がフラグ情報Fg(10)に対応し、アイコンa4がフラグ情報Fg(11)に対応している。このように、表示部2cにおける表示態様をフラグ情報に応じて変えることにより、表示画面200を見た管理者は、移動体1の位置情報の種類を容易に識別することができ、移動体1の状況を効率よく管理することができる。
【0047】
図4では、表示部2cが一つの移動体1の移動状況を時系列的に順次表示する場合を示したが、表示部2cは移動体1の位置情報を他の条件に基いて表示することもできる。例えば、表示部2cは、複数の移動体1を機種別に分けて表示することもできるし、フラグ情報別に分けて表示することもできる。また、表示部2cで表示する地図の縮尺を変更することもできる。このような表示部2cの表示条件の入力または変更は、管理装置2に設けられる入力部(図示せず)から所望の条件を入力することによって実現される。
【0048】
なお、表示画面200におけるアイコンの表示態様は上述したものに限られるわけではなく、アイコンの色、大きさ、またはそれらの適当な組み合わせによって実現してもよい。また、アイコンに文字や数字を加えて表示するようにしても構わない。
【0049】
以上説明した本発明の実施の形態1によれば、移動体の位置情報を測位手段から所定時間以上取得できない場合、すでに取得した移動体の位置情報のうち最新の位置情報を管理装置へ送信する制御を行うことにより、その最新の位置情報を過去に送信していない場合には、移動体の現在位置に対してより近くの位置情報を管理装置へ送信することができ、位置情報を取得できない場所にいる移動体の位置の推定精度を向上させることが可能となる。
【0050】
また、本実施の形態1によれば、移動体の位置情報を測位手段から所定時間以上取得できない場合、移動体の位置情報の取得を試みる時間が1回だけ含まれる時間幅内で最新の位置情報を管理装置へ送信する制御を行うことにより、近接した時間の中で同じ情報を2回以上送信してしまうのを防止することができ、通信コストを削減することができる。
【0051】
さらに、本実施の形態1によれば、位置情報を取得できない状態になってから取得可能な状態に復旧するまでは最新の位置情報を1回だけ送信するので、通信コストを削減することができ、管理装置の位置情報データベース容量の節約を実現することもできる。
【0052】
また、本実施の形態1によれば、位置情報を取得できなくなってから所定時間経過し、最新の位置情報を管理装置へ送信した後、新たな位置情報を取得した場合には、移動体の移動距離によらず新たに取得した位置情報を送信する制御を行うことにより、位置情報を取得可能な状態に復旧した後は取得した最新の位置情報を迅速に送信することができる。
【0053】
さらに、本実施の形態1によれば、移動体の位置情報を管理装置へ送信する際、この送信する前記位置情報に対し、少なくとも前記移動体の位置情報を最後に取得してからの経過時間を用いて定められる特性を識別する識別情報(フラグ情報)を送信する制御を行うことにより、管理装置は受信した識別情報に応じて移動体の位置情報を表示することができる。したがって、管理者は、移動体の位置情報を視覚的に容易に識別し、その表示内容に応じて適切な対応をとることができる。
【0054】
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2は、位置情報を取得できない状態が所定時間以上続いている場合、所定の時間間隔で位置情報を複数回送信することを特徴とする。本実施の形態2に係る移動体監視システムの構成は、上記実施の形態1に係る移動体監視システム100の構成とほぼ同じである(図1を参照)が、移動体通信装置11の制御部21および管理装置2の制御処理が異なる。
【0055】
図5は、本実施の形態2に係る移動体通信装置の制御方法の概要を示すフローチャートである。図5において、まず制御部21は、位置情報取得部22が移動体1の位置情報を取得できなくなってから所定時間経過した後、記憶部31で記憶する最新の位置情報を送信した回数を与えるカウンタNの初期値を「1」とし(ステップS201)、フラグの初期値を「01」とする(ステップS202)。この後、位置情報取得部22は、時計25の時刻を参照しながら、GPSセンサ10がGPS衛星3から受信する移動体1の位置情報Pの取得を時間Δtごとに試みる(ステップS203)。
【0056】
位置情報取得部22が位置情報Pを取得できなかった場合(ステップS204,No)、判定部23は、記憶部31が記憶する最新の位置情報Pnを取得した時刻Tnから取得を試みた時刻Tまでの経過時間T−Tnを求め、この経過時間が所定の時間幅(Tmin_N,Tmax_N)に含まれているか否かを判定する。ここで、カウンタがNである場合の時間幅(Tmin_N,Tmax_N)の最小値Tmin_Nおよび最大値Tmax_Nは、カウンタNとN=1のときの最小値Tmin_1および最大値Tmax_1とを用いて次式(1),(2)で定義される。
Tmin_N=N×Tmin_1 ・・・(1)
Tmax_N
=Tmin_N+Tmax_1−Tmin_1=(N−1)×Tmin_1+Tmax_1 ・・・(2)
この場合、移動体通信装置11が位置情報Pを取得できない間は、最新の位置情報PfがTmin_1経過するごとに周期的に管理装置2へ送信される。式(1),(2)から明らかなように、時間幅(Tmin_N,Tmax_N)の時間的な長さTmax_N−Tmin_Nは、カウンタNの値によらずにTmax_1−Tmin_1に等しい。この時間的な長さTmax_1−Tmin_1は、位置情報取得部22が位置情報の取得を試みる時間間隔Δtと同程度となるように定められ、時間幅(Tmin_N,Tmax_N)の間に位置情報の取得が1回だけ試みられる間隔として設定される。
【0057】
判定部23による判定の結果、経過時間T−Tnが時間幅(Tmin_N,Tmax_N)に含まれ、Tmax_N>T−Tn>Tmin_Nを満たしており(ステップS205,Yes)、かつカウンタN=1の場合(ステップS206,Yes)、制御部21はフラグを「10」とし(ステップS207)、カウンタNの値を1増やす(ステップS208)。これに対して、カウンタNが1ではない場合(ステップS206,No)、フラグはすでに「10」なので、ステップS207の処理を行わずにカウンタNの値を1増やす(ステップS208)。
【0058】
続いて、位置情報出力部24は、記憶部31が記憶する最新の位置情報Pnおよび位置情報Pnの取得時刻Tnを出力し、送受信器12を介して管理装置2へ送信する(ステップS215)。この際、位置情報出力部24は、ステップS207で変更されたフラグ「10」に対応するフラグ情報Fgもあわせて出力し、送受信器12から基地局サーバ4を経由して管理装置2へ送信する。経過時間T−T1は時間幅(Tmin_N,Tmax_N)に1回だけ含まれるので、ステップS205からステップS215に至る処理は、カウンタNの値ごとに1回ずつ行われる。換言すれば、移動体通信装置11は、位置情報を取得できなくなってから所定時間経過した後、記憶部31で記憶する最新の位置情報を所定の間隔で複数回送信する。
【0059】
なお、判定部23が判定した結果、経過時間T−Tnが時間幅(Tmin_N, Tmax_N)に含まれていない場合(ステップS205,No)、ステップS203に戻る。
【0060】
次に、位置情報取得部22が位置情報Pを取得できた場合(ステップS204,Yes)について説明する。この場合、ステップS204の後に続くステップS209〜ステップS215の処理は、実施の形態1で説明したステップS106〜ステップS112の処理に順次対応している。すなわち、制御部21は、通常の状況下で位置情報を送信する場合にはフラグを「01」のままで送信する一方、位置情報を取得できなくなってから所定時間以上経過し、最新の位置情報を管理装置2へ送信した後、新たな位置情報を取得した場合にはフラグを「11」とし、移動体1の移動距離によらず新たに取得した位置情報を管理装置2へ送信する制御を行う。
【0061】
以下、ステップS215の後の処理について説明する。ステップS215の後、制御部21は再度フラグを参照し、参照したフラグが「11」である場合(ステップS216,Yes)には、ステップS201に戻ってカウンタNを初期値「1」に戻し、ステップS202以降の処理を行う。これに対して、参照したフラグが「11」でない場合(ステップS216,No)、フラグは「01」または「10」である。この場合、制御部21は、フラグを変更することなく、ステップS203に戻って処理を繰り返す。
【0062】
以上説明した本発明の実施の形態2によれば、移動体の位置情報を測位手段から所定時間以上取得できない場合、すでに取得した移動体の位置情報のうち最新の位置情報を管理装置へ送信する制御を行うことにより、その最新の位置情報を過去に送信していない場合には、移動体の現在位置に対してより近くの位置情報を管理装置へ送信することができ、位置情報を取得できない場所にいる移動体の位置の推定精度を向上させることが可能となる。
【0063】
また、本実施の形態2によれば、位置情報を取得できなくなってから取得可能な状態に復旧するまでは最新の位置情報を所定の間隔で複数回送信するので、移動体が長時間にわたって位置情報を取得不可能な位置から移動しない場合には、その状況を適確に把握することができる。また、各回の送信を所定の時間幅内で行うため、無駄な送信を行うことがなく、通信コストを削減することができる。特に、本実施の形態2では、最新の位置情報を送信する際、移動体の位置情報の取得を試みる時間が1回だけ含まれる時間幅内で最新の位置情報を送信する制御を行うため、近接した時間の中で同じ情報を2回以上送信してしまうのを防止することができ、通信コストを削減することができる。
【0064】
また、本実施の形態2によれば、位置情報を取得できなくなってから所定時間経過し、最新の位置情報を管理装置へ送信した後、新たな位置情報を取得した場合には、移動体の移動距離によらず新たに取得した位置情報を送信する制御を行うことにより、位置情報を取得可能な状態に復旧した後は最新の位置情報を迅速に送信することができる。
【0065】
さらに、本実施の形態2によれば、移動体の位置情報を管理装置へ送信する際、この送信する前記位置情報に対し、少なくとも前記移動体の位置情報を最後に取得してからの経過時間を用いて定められる特性を識別する識別情報(フラグ情報)を送信する制御を行うことにより、管理装置は受信した識別情報に応じて移動体の位置情報を表示することができる。したがって、管理者は、移動体の位置情報を視覚的に容易に識別し、その表示内容に応じて適切な対応をとることができる。
【0066】
なお、上述した時間幅(Tmin_N,Tmax_N)の定義はあくまでも一例に過ぎない。例えば、時間幅の最小値Tmin_Nを次式(3)によって定義することも可能である。
Tmin_N=N2×Tmin_1 ・・・(3)
この場合、Tmin_2=4×Tmin_1, Tmin_3=9×Tmin_1, ・・・となるため、フラグ「10」の位置情報を送信する間隔が徐々に広がっていく。このように、時間間隔を徐々に広げていけば、時間が経過するにつれて送信する回数も減少していくので、通信コストをさらに削減し、管理装置のデータベース容量を一段と節約することができる。
【0067】
ここまで、本発明を実施するための最良の形態として、実施の形態1および2を詳述してきたが、本発明はそれら2つの実施の形態によってのみ限定されるべきものではない。例えば、位置情報とともに送信する識別情報を、2ビットのフラグ以外を用いて構成してもよい。
【0068】
また、位置情報を送信する距離間隔(図2および図5に示すLt)を、移動体の移動距離に応じて徐々に大きくする制御を行ってもよい。これにより、移動体通信装置の送信回数を減らすことができ、通信コストの削減と管理装置のデータベース容量の節約とを実現するこができる。
【0069】
さらに、地上波以外の通信手段として、例えば衛星通信を用いることも可能である。この場合には、移動体通信装置に衛星通信用の送受信器を設ければよい。
【0070】
また、本発明に適用する測位手段はGPSに限られるわけではなく、他の測位手段を用いて移動体の位置を測位してもよい。
【0071】
さらに、本発明に係る移動体通信装置は、移動体の位置情報に加えて、移動体の稼動状況に関する情報等を含む移動体情報の一部または全部を管理装置へ送信することも可能である。
【0072】
また、本発明は、建設機械以外の移動体、例えば四輪自動車に対しても適用することが可能である。
【0073】
このように、本発明は、ここでは記載していない様々な実施の形態等を含みうるものであり、特許請求の範囲により特定される技術的思想を逸脱しない範囲内において種々の設計変更等を施すことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】本発明の実施の形態1に係る移動体監視システムの構成を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係る移動体通信装置の制御方法の概要を示すフローチャートである。
【図3】本発明の実施の形態1に係る移動体通信装置の制御方法のより具体的な例を模式的に示す図である。
【図4】管理装置の表示部における移動体の位置情報の表示例を示す図である。
【図5】本発明の実施の形態2に係る移動体通信装置の制御方法の概要を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0075】
1 移動体
2 管理装置
2a 位置情報データベース
2b 地図情報データベース
2c 表示部
3 GPS衛星
4 基地局サーバ
4a、10a、12a アンテナ
10 GPSセンサ
11 移動体通信装置
12 送受信器
21 制御部
22 位置情報取得部
23 判定部
24 位置情報出力部
25 時計
31 記憶部
32 移動体情報
100 移動体監視システム
200 表示画面
a1、a2、a3、a4 アイコン
NW ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体に搭載され、物体の位置を測位する測位手段から送信されてくる前記移動体の位置情報を取得し、この取得した位置情報を、前記移動体の状況を管理する管理装置へ送信する移動体通信装置であって、
前記移動体の位置情報を前記測位手段から所定時間以上取得できない場合、すでに取得した前記移動体の位置情報のうち最新の位置情報を前記管理装置へ送信する制御を行う制御手段を備えたことを特徴とする移動体通信装置。
【請求項2】
前記制御手段は、
前記移動体の位置情報を前記測位手段から所定時間以上取得できない場合、前記移動体の位置情報の取得を試みる時間が1回だけ含まれる時間幅内で前記最新の位置情報を送信する制御を行うことを特徴とする請求項1記載の移動体通信装置。
【請求項3】
前記制御手段は、
前記移動体の位置情報を前記測位手段から所定時間以上取得できない場合、前記最新の位置情報を1回だけ送信する制御を行うことを特徴とする請求項1または2記載の移動体通信装置。
【請求項4】
前記制御手段は、
前記移動体の位置情報を前記測位手段から所定時間以上取得できない場合、前記最新の位置情報を所定の時間間隔で複数回送信する制御を行うことを特徴とする請求項1または2記載の移動体通信装置。
【請求項5】
前記最新の位置情報を送信する時間間隔が徐々に大きくなることを特徴とする請求項4記載の移動体通信装置。
【請求項6】
前記制御手段は、
前記移動体の位置情報を前記測位手段から所定時間以上取得できず、前記最新の位置情報を前記管理装置へ送信した後、前記測位手段から新たに位置情報を取得した場合、前記移動体の移動距離によらず前記測位手段から新たに取得した位置情報を前記管理装置へ送信する制御を行うことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項記載の移動体通信装置。
【請求項7】
前記制御手段は、
前記移動体の位置情報を前記管理装置へ送信するとともに、この送信する前記位置情報に対し、少なくとも前記移動体の位置情報を最後に取得してからの経過時間を用いて定められる特性を識別する識別情報を送信する制御を行うことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項記載の移動体通信装置。
【請求項8】
移動体に搭載され、物体の位置を測位する測位手段から送信されてくる前記移動体の位置情報を取得し、この取得した位置情報を、前記移動体の状況を管理する管理装置へ送信する移動体通信装置の制御方法であって、
前記移動体の位置情報を前記測位手段から所定時間以上取得できない場合、すでに取得した前記移動体の位置情報のうち最新の位置情報を前記管理装置へ送信する制御を行うことを特徴とする移動体通信装置の制御方法。
【請求項9】
前記移動体の位置情報を前記測位手段から所定時間以上取得できない場合、前記移動体の位置情報の取得を試みる時間が1回だけ含まれる時間幅内で前記最新の位置情報を前記管理装置へ送信する制御を行うことを特徴とする請求項8記載の移動体通信装置の制御方法。
【請求項10】
監視対象の移動体に搭載され、物体の位置を測位する測位手段から送信されてくる前記移動体の位置情報を取得し、この取得した位置情報を送信する移動体通信装置と、前記移動体通信装置から送信されてくる位置情報を受信し、この受信した位置情報を用いて前記移動体の状況を管理する管理装置と、を有する移動体監視システムであって、
前記移動体通信装置は、
前記移動体の位置情報を前記測位手段から所定時間以上取得できない場合、すでに取得した前記移動体の位置情報のうち最新の位置情報を前記管理装置へ送信するとともに、この送信する前記位置情報の特性を識別可能な識別情報を送信する制御を行う制御手段を備え、
前記管理装置は、
前記移動体通信装置から前記移動体の位置情報とともに送信されてくる前記識別情報に応じた態様で前記移動体の位置情報を表示する表示手段を備えたことを特徴とする移動体監視システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−123272(P2008−123272A)
【公開日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−306839(P2006−306839)
【出願日】平成18年11月13日(2006.11.13)
【出願人】(000001236)株式会社小松製作所 (1,686)
【Fターム(参考)】