説明

移動局

【課題】RA#3内で待ち受けを行っている状態からTA#2内で待ち受けを行っている状態に遷移した場合に、確実にTA#2内で使用可能な鍵を生成する。
【解決手段】本発明に係る移動局UEは、位置登録情報管理部13によって第1位置登録エリアTA#2が管理されており、かつ、位置登録要否情報によってISRが適用されていると示されている状態で、第2状態(C)から第1状態(D)に移動局UEが遷移した後、発信処理を行うトリガが検出された際に、鍵生成部12によって第1鍵KASMEが生成されていない場合には、位置登録処理部15は、第1鍵KASMEを生成するために必要な情報及び発信処理の開始を要求する情報を含む位置登録要求信号を送信するように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動局に関する。
【背景技術】
【0002】
3GPPで規定されている「LTE(Long Term Evolution)」或いは「E-UTRAN(Evolved-Universal Terrestrial Radio Access Network)/EPC(Evolved Packet Core)」方式の移動通信システムでは、無駄な位置登録信号の送信を低減するために、「ISR(Idle mode Signaling Reduction)」と呼ばれる技術が適用可能である。
【0003】
例えば、図1に示すように、ISRが適用されている移動局UEは、LTE方式の移動通信システム配下の位置登録エリアTA(Tracking Area)#2内で待ち受けを行う状態(A)から、UMTS(Universal Mobile Telecommunication System)方式の移動通信システム配下の位置登録エリアRA(Routing Area)#3内で待ち受けを行う状態(B)及び(C)に遷移した後、TA#2で待ち受けを行う状態(D)に戻った場合に、位置登録処理を行わないように構成されている。
【非特許文献1】3GPP TS23.401 V8.3.0
【非特許文献2】3GPP TS24.301 V1.1.0
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般的には、LTE方式の移動通信システム配下の位置登録エリアTA内の通信で用いられる鍵(セキュリティ鍵)KASMEと、UMTS方式の移動通信システム配下の位置登録エリアRA内の通信で用いられる鍵(セキュリティ鍵)CK、IKとが異なるため、移動局UEが、上述のように、位置登録エリアRA#3内で待ち受けを行う状態(B)及び(C)から、位置登録エリアTA#2内で待ち受けを行う状態(D)に戻った場合には、再度、位置登録エリアTA#2内で使用可能な鍵KASMEを生成する必要がある。
【0005】
かかる場合、ISRが適用されていない移動局UEは、位置登録エリアTA#2に対する位置登録処理において、かかる鍵KASMEを生成するように構成されている。
【0006】
しかしながら、ISRが適用されている移動局UEは、上述のように、位置登録エリアRA#3内で待ち受けを行う状態(B)及び(C)から、位置登録エリアTA#2内で待ち受けを行う状態(D)に戻った場合であっても、位置登録エリアTA#2に対する位置登録処理を行わないように構成されているため、かかる鍵KASMEを生成することができないという問題点があった。
【0007】
そこで、本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、第2通信方式の移動通信システム配下の第2位置登録エリア内で待ち受けを行っている状態から、第1通信方式の移動通信システム配下の第1位置登録エリア内で待ち受けを行っている状態に遷移した場合に、確実に、第1位置登録エリア内で使用可能な鍵を生成することができる移動局を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の特徴は、移動局であって、第1通信方式の位置登録エリアの1つである第1位置登録エリア内で第1鍵を用いて通信を行い、第2通信方式の位置登録エリアの1つである第2位置登録エリア内で第2鍵を用いて通信を行うように構成されている移動局であって、前記第1通信方式の位置登録エリア及び前記第2通信方式の位置登録エリアに対する位置登録処理を行うように構成されている位置登録処理部と、位置登録処理が完了している前記第1通信方式の位置登録エリア及び前記第2通信方式の位置登録エリアを管理するように構成されている位置登録情報管理部と、前記位置登録情報管理部によって前記第1位置登録エリアが管理されている状態で、前記第2位置登録エリア内で待ち受けを行う第2状態から該第1位置登録エリア内で待ち受けを行う第1状態に前記移動局が遷移する場合に、該第1位置登録エリアに対する位置登録処理を行う必要があるか否かについて示す位置登録要否情報を管理するように構成されている位置登録要否情報管理部と、前記第1位置登録エリアに対する位置登録処理において、前記第2鍵を用いて、前記第1鍵を生成するように構成されている鍵生成部と、前記位置登録情報管理部によって前記第1位置登録エリアが管理されており、かつ、前記位置登録要否情報によって前記位置登録処理を行う必要が無いと示されている状態で、前記第2状態から前記第1状態に前記移動局が遷移した後、発信処理を行うトリガが検出された際に、前記鍵生成部によって前記第1鍵が生成されていない場合には、該第1鍵を生成するために必要な情報を含む発信要求信号を送信するように構成されている発信要求処理部とを具備することを要旨とする。
【0009】
本発明の第1の特徴において、前記発信要求信号は、発信処理の開始を要求する情報を含む位置登録要求信号であってもよい。
【0010】
本発明の第1の特徴において、前記発信処理部は、前記発信処理を行うトリガが検出された際に、前記鍵生成部によって前記第1鍵が生成済みである場合には、該第1鍵を生成するために必要な情報を含まない前記発信要求信号を送信するように構成されていてもよい。
【0011】
本発明の第1の特徴において、前記第1鍵を生成するために必要な情報は、前記第2位置登録エリア内で割り当てられていた前記移動局の一時的識別子及び前記第2鍵のシーケンス番号を含んでいてもよい。
【発明の効果】
【0012】
以上説明したように、本発明によれば、第2通信方式の移動通信システム配下の第2位置登録エリア内で待ち受けを行っている状態から、第1通信方式の移動通信システム配下の第1位置登録エリア内で待ち受けを行っている状態に遷移した場合に、確実に、第1位置登録エリア内で使用可能な鍵を生成することができる移動局を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
(本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムの構成)
図1乃至図4を参照して、本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムの構成について説明する。
【0014】
図1に示すように、本実施形態に係る移動通信システムは、LTE方式(第1通信方式)の移動通信システムと、UMTS方式(第2通信方式)の移動通信システムとによって構成されている。
【0015】
本実施形態では、図1に示すように、LTE方式の移動通信システム配下の位置登録エリアTA#1及びTA#2、及び、UMTS方式の移動通信システム配下の位置登録エリアRA#1乃至RA#4が設けられている例について説明する。
【0016】
例えば、本実施形態に係る移動局UEは、LTE方式の位置登録エリアTAの1つであるTA#2(第1位置登録エリア)内で第1鍵KASMEを用いて通信を行い、UMTS方式の位置登録エリアRAの1つであるRA#3(第2位置登録エリア)内で第2鍵CK、IKを用いて通信を行うように構成されている。
【0017】
図2に示すように、本実施形態に係る移動局UEは、トリガ検出部11と、鍵生成部12と、位置登録情報管理部13と、ISR情報管理部14と、位置登録処理部15と、発信処理部16とを具備している。
【0018】
トリガ検出部11は、発信処理を行うトリガを検出するように構成されている。例えば、トリガ検出部11は、かかる発信処理を行うトリガとして、ユーザからの発信要求や移動局UE宛ての着信信号等を検出するように構成されている。
【0019】
鍵生成部12は、位置登録エリアTA内の通信で用いられる第1鍵KASMEを生成し、位置登録エリアRA内の通信で用いられる第2鍵CK、IKを生成するように構成されている。
【0020】
例えば、図1に示すように、移動局UEが、位置登録エリアRA#4内で待ち受けを行う状態(E)から、位置登録エリアTA#2内で待ち受けを行う状態(F)に遷移する場合に、鍵生成部12は、位置登録エリアTA#2に対する位置登録処理において、位置登録エリアRA#4内の通信で用いられていた第2鍵CK、IKを用いて、位置登録エリアTA#2内の通信で用いるべき第1鍵KASMEを生成するように構成されている。
【0021】
具体的には、鍵生成部12は、(式1)に従って、位置登録エリアTA#2内の通信で用いるべき第1鍵KASMEを生成するように構成されていてもよい。
【0022】
ASME=KDF(CK||IK,NONCEUE,NONCEMME) … (式1)
【0023】
ここで、NONCEUEは、移動局UEによってランダムに生成する値であり、NONCEMMEは、LTE方式の交換局MMEによってランダムに生成する値である。
【0024】
一方、図1に示すように、移動局UEが、位置登録エリアTA#2内で待ち受けを行う状態(A)から、位置登録エリアRA#3内で待ち受けを行う状態(B)に遷移する場合に、鍵生成部12は、位置登録エリアRA#3に対する位置登録処理において、位置登録エリアTA#2内の通信で用いられていた第1鍵KASMEを用いて、位置登録エリアRA#3内の通信で用いるべき第2鍵CK、IKを生成するように構成されている。
【0025】
位置登録情報管理部13は、位置登録処理が完了しているLTE方式の位置登録エリアTA及びUMTS方式の位置登録エリアRAを管理するように構成されている。
【0026】
ISR情報管理部14は、移動局UEに対してISRが適用されているか否かについて示す位置登録要否情報を管理するように構成されている。
【0027】
ここで、位置登録要否情報は、位置登録情報管理部13によって第1位置登録エリア(例えば、TA#2)が管理されている状態で、第2位置登録エリア(例えば、RA#3)内で待ち受けを行う第2状態から第1位置登録エリア(例えば、TA#2)内で待ち受けを行う第1状態に移動局UEが遷移する場合に、移動局UEが第1位置登録エリア(例えば、TA#2)に対する位置登録処理を行う必要があるか否かについて示すものである。
【0028】
位置登録処理部15は、位置登録要求信号TAU(Tracking Area Update)を送信することによって、LTE方式の位置登録エリアTAに対する位置登録処理を行い、位置登録要求信号RAU(Routing Area Update)を送信することによって、UMTS方式の位置登録エリアRAに対する位置登録処理を行うように構成されている。
【0029】
ここで、図3に、「3GPP TS24.301 V1.1.0」に規定されている位置登録要求信号TAU(Tracking Area Update)に含まれる情報要素について示す。
【0030】
図3において、「Old GUTI」は、第2位置登録エリア(例えば、RA#3)内で割り当てられていた移動局UEの一時的な識別子であり、「P-TMSI(Packet Temporary Mobile Subscrber Identity)」が含まれてもよい。
【0031】
また、図3における「KSIASME(NAS key set identifierASME)」は、以前に第1位置登録エリア(例えば、TA#2)内で用いられていた第1鍵KASMEのシーケンス番号であり、「eKSI」と呼ばれてもよい。
【0032】
また、図3における「KSISGSN(NAS key set identifierSGSN)」は、以前に第2位置登録エリア(例えば、RA#3)内で用いられていた第2鍵CK、IKのシーケンス番号であり、「KSI」と呼ばれてもよい。
【0033】
なお、位置登録情報管理部13によって第1位置登録エリア(例えば、TA#2)が管理されており、かつ、位置登録要否情報によって前記位置登録処理を行う必要が無い(すなわち、ISRが適用されている)と示されている状態で、当該第2状態から当該第1状態に移動局UEが遷移した後、トリガ検出部11によって発信処理を行うトリガが検出された際に、鍵生成部12によって位置登録エリアTA#2内の通信で用いるべき第1鍵KASMEが生成されていない場合には、発信処理部16は、かかる第1鍵KASMEを生成するために必要な情報を含む発信要求信号(具体的には、位置登録要求信号「TAU with Active Flag」)を送信するように構成されている。
【0034】
かかる第1鍵KASMEを生成するために必要な情報には、上述の「P-TMSI」や「KSI」が含まれている。なお、かかる第1鍵KASMEを生成するために必要な情報として、上述した「NONCEUE」や、移動局UEのセキュリティ能力を示す「UE security capabilities」が含まれていてもよい。
【0035】
例えば、かかる位置登録要求信号「TAU with Active Flag」は、「3GPP TS24.301 V1.1.0」に規定されている位置登録要求信号TAUに対して、かかる発信処理の開始を要求する情報や、「3GPP TS24.301 V1.1.0」に規定されている位置登録要求信号TAUに含まれていない第1鍵KASMEを生成するために必要な情報を追加することによって構成されている。
【0036】
また、発信処理の開始を要求する情報は、所定フラグ「Active Flag」によって構成されていてもよい。
【0037】
発信処理部16は、発信処理の開始を要求する発信要求信号「Service Request」を送信するように構成されている。ここで、発信要求信号「Service Request」には、上述の発信処理の開始を要求する情報が含まれていないものとする。
【0038】
具体的には、位置登録情報管理部13によって第1位置登録エリア(例えば、TA#2)が管理されており、かつ、位置登録要否情報によって前記位置登録処理を行う必要が無い(すなわち、ISRが適用されている)と示されている状態で、当該第2状態(例えば、状態(C)又は(E))から当該第1状態(例えば、状態(D)又は(F))に移動局UEが遷移した後、トリガ検出部11によって発信処理を行うトリガが検出された際に、鍵生成部12によって第1鍵KASMEが生成されている場合には、発信処理部16は、「Service Request」を送信するように構成されている。
【0039】
ここで、図4に、「3GPP TS24.301 V1.1.0」に規定されている発信要求信号「Service Request」に含まれる情報要素について示す。
【0040】
(本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムの動作)
図5及び図6を参照して、本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムの動作について説明する。
【0041】
第1に、図5を参照して、ISRが適用されており、図1に示す状態(A)→状態(B)→状態(C)→状態(D)と遷移した後の移動局UEの動作について説明する。
【0042】
図5に示すように、移動局UEが、ステップS101において、発信処理を行うトリガを検出すると、ステップS102において、位置登録エリアTA#2を管理する交換局MMEと協働することによって、位置登録エリアTA#2内の通信で用いるべき第1鍵KASMEが生成されているかについて判定する。
【0043】
第1鍵KASMEが生成されていると判定される場合、本動作は、ステップS104に進み、第1鍵KASMEが生成されていないと判定される場合、本動作は、ステップS103に進む。
【0044】
なお、例えば、移動局UEが、周期的に位置登録処理を行うように構成されている場合、ISRが適用されている場合であっても、第1鍵KASMEが生成される場合がある。
【0045】
ステップS103において、移動局UEは、位置登録エリアTA#2において、上述の位置登録要求信号「TAU with Active Flag」を送信する。
【0046】
ステップS104において、移動局UEは、位置登録エリアTA#2において、上述の発信要求信号「Service Request」を送信する。
【0047】
第2に、図6を参照して、移動局UEによって上述の位置登録要求信号「TAU with Active Flag」が送信された場合の本実施形態に係る移動通信システムの動作について説明する。
【0048】
図6に示すように、ステップS1001において、移動局UEが、RA#3内の通信で用いられていた「P-TMSI」及び「KSI」と、「NONCEUE」と、「UE security capabilities」とを含む位置登録要求信号「TAU with Active Flag」を送信する。
【0049】
ステップS1002において、LTE方式の交換局MMEが、受信した位置登録要求信号「TAU with Active Flag」に含まれる「P-TMSI」及び「KSI」を抽出し、かかる「P-TMSI」及び「KSI」を含む「Context Request」を、UMTS方式の交換局SGSNに対して送信する。
【0050】
ステップS1003において、UMTS方式の交換局SGSNが、受信した「Context Request」に含まれている「P-TMSI」及び「KSI」に応じて、RA#3内の通信で用いられていた第2鍵CK、IK及び当該第2鍵CK、IKのシーケンス番号を示す「KSI」を含む「Context Response」を、LTE方式の交換局MMEに対して送信する。
【0051】
ステップS1004において、LTE方式の交換局MMEが、TA#2内の通信で用いられるべき第1鍵KASMEと、当該第1鍵KASMEのシーケンス番号を示す「eKSI」と、「NONCEMME」とを生成する。
【0052】
例えば、LTE方式の交換局MMEは、(式2)に従って、位置登録エリアTA#2内の通信で用いるべき第1鍵KASME及び「eKSI」を生成する。
【0053】
ASME=KDF(CK||IK,NONCEUE,NONCEMME
eKSI=KSI … (式2)
【0054】
ステップS1005において、LTE方式の交換局MMEは、NAS(Non Access Stratum)プロトコルにおけるセキュリティ処理用アルゴリズムを選択する。
【0055】
ステップS1006において、LTE方式の交換局MMEは、選択したNASプロトコルにおけるセキュリティ処理用アルゴリズムと「KSI」と「NONCEMME」と「NONCEUE」と「UE security capabilities」とを含む「NAS SMC(Security Mode Command)」を、移動局UEに対して送信する。
【0056】
ステップS1007において、移動局UEは、(式3)に従って、位置登録エリアTA#2内の通信で用いるべき第1鍵KASME及び「eKSI」を生成する。
【0057】
ASME=KDF(CK||IK,NONCEUE,NONCEMME
eKSI=KSI … (式2)
【0058】
ステップS1008において、移動局UEは、LTE方式の交換局MMEに対して、「NAS SMC」に対する応答として、かかる第1鍵KASMEによってセキュリティ処理が施された状態で「NAS SMC Complete」を送信する。
【0059】
ステップS1009において、LTE方式の交換局MMEが、移動局UEに対して「TAU Accept」を送信し、ステップS1010において、移動局UEが、LTE方式の交換局MMEに対して「TAU Complete」を送信する。その後、移動局UEの発信処理が行われる。
【0060】
(本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムの作用・効果)
本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムによれば、移動局UEに対して、ISRが適用されており、移動局UEが、図1に示す状態(A)→状態(B)→状態(C)→状態(D)と遷移した場合であっても、発信処理を行うトリガが検出された際に、第1位置登録エリアTA#2内の通信で用いるべき第1鍵KASMEが生成されていない場合には、第1位置登録エリアTA#2に対する位置登録処理を行うことによって、かかる第1鍵KASMEを生成することができる。
【0061】
(変更例1)
なお、本発明の変更例1では、図1に示す状態(C)又は(E)から状態(D)又は(F)に移動局UEが遷移した後、トリガ検出部11によって発信処理を行うトリガが検出された場合に、発信処理部16は、上述の第1鍵を生成するために必要な情報を含む発信要求信号「Service Request」を送信するように構成されている。
【0062】
ここで、かかる場合、発信処理部16は、移動局UEに対してISRが適用されているか否かに関らず、上述の第1鍵を生成するために必要な情報を含む発信要求信号「Service Request」を送信するように構成されていてもよい。
【0063】
また、かかる場合、発信処理部16は、移動局UEに対してISRが適用されており、位置登録情報処理部13によって位置登録エリアTA#2が管理されている状態で、図1に示す状態(C)又は(E)から状態(D)又は(F)に移動局UEが遷移した後、発信処理を行うトリガが検出された場合で、かつ、位置登録エリアTA#2内の通信で用いるべき第1鍵KASMEが生成されていない場合に限り、上述の第1鍵を生成するために必要な情報を含む発信要求信号「Service Request」を送信するように構成されていてもよい。
【0064】
例えば、かかる発信要求信号「Service Request」は、「3GPP TS24.301 V1.1.0」に規定されている発信要求信号「Service Request」に対して、上述の第1鍵KASMEを生成するために必要な情報を追加することによって構成されている。
【0065】
なお、上述の移動局UEの動作は、ハードウェアによって実施されてもよいし、プロセッサによって実行されるソフトウェアモジュールによって実施されてもよいし、両者の組み合わせによって実施されてもよい。
【0066】
ソフトウェアモジュールは、RAM(Random Access Memory)や、フラッシュメモリや、ROM(Read Only Memory)や、EPROM(Erasable Programmable ROM)や、EEPROM(Electronically Erasable and Programmable ROM)や、レジスタや、ハードディスクや、リムーバブルディスクや、CD-ROMといった任意形式の記憶媒体内に設けられていてもよい。
【0067】
かかる記憶媒体は、プロセッサが当該記憶媒体に情報を読み書きできるように、当該プロセッサに接続されている。また、かかる記憶媒体は、プロセッサに集積されていてもよい。また、かかる記憶媒体及びプロセッサは、ASIC内に設けられていてもよい。かかるASICは、移動局UE内に設けられていてもよい。また、かかる記憶媒体及びプロセッサは、ディスクリートコンポーネントとして移動局UE内に設けられていてもよい。
【0068】
以上、上述の実施形態を用いて本発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本発明は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。従って、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムの全体構成図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る移動局の機能ブロック図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る移動局によって送信されるTAUに含まれる情報要素の一例を示す図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る移動局によって送信されるService Requestに含まれる情報要素の一例を示す図である。
【図5】本発明の第1の実施形態に係る移動局の動作を示すフローチャートである。
【図6】本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムにおける移動局が位置登録処理を行う際の動作を示すシーケンス図である。
【符号の説明】
【0070】
UE…移動局
11…トリガ検出部
12…鍵生成部
13…位置登録情報管理部
14…ISR情報管理部
15…位置登録処理部
16…発信処理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1通信方式の位置登録エリアの1つである第1位置登録エリア内で第1鍵を用いて通信を行い、第2通信方式の位置登録エリアの1つである第2位置登録エリア内で第2鍵を用いて通信を行うように構成されている移動局であって、
前記第1通信方式の位置登録エリア及び前記第2通信方式の位置登録エリアに対する位置登録処理を行うように構成されている位置登録処理部と、
位置登録処理が完了している前記第1通信方式の位置登録エリア及び前記第2通信方式の位置登録エリアを管理するように構成されている位置登録情報管理部と、
前記位置登録情報管理部によって前記第1位置登録エリアが管理されている状態で、前記第2位置登録エリア内で待ち受けを行う第2状態から該第1位置登録エリア内で待ち受けを行う第1状態に前記移動局が遷移する場合に、該第1位置登録エリアに対する位置登録処理を行う必要があるか否かについて示す位置登録要否情報を管理するように構成されている位置登録要否情報管理部と、
前記第1位置登録エリアに対する位置登録処理において、前記第2鍵を用いて、前記第1鍵を生成するように構成されている鍵生成部と、
前記位置登録情報管理部によって前記第1位置登録エリアが管理されており、かつ、前記位置登録要否情報によって前記位置登録処理を行う必要が無いと示されている状態で、前記第2状態から前記第1状態に前記移動局が遷移した後、発信処理を行うトリガが検出された際に、前記鍵生成部によって前記第1鍵が生成されていない場合には、該第1鍵を生成するために必要な情報を含む発信要求信号を送信するように構成されている発信要求処理部とを具備することを特徴とする移動局。
【請求項2】
前記発信要求信号は、発信処理の開始を要求する情報を含む位置登録要求信号であることを特徴とする請求項1に記載の移動局。
【請求項3】
前記発信処理部は、前記発信処理を行うトリガが検出された際に、前記鍵生成部によって前記第1鍵が生成されている場合には、該第1鍵を生成するために必要な情報を含まない前記発信要求信号を送信するように構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の移動局。
【請求項4】
前記第1鍵を生成するために必要な情報は、前記第2位置登録エリア内で割り当てられていた前記移動局の一時的識別子及び前記第2鍵のシーケンス番号を含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の移動局。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2010−109954(P2010−109954A)
【公開日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−282603(P2008−282603)
【出願日】平成20年10月31日(2008.10.31)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.EEPROM
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】