説明

移動機、サーバ、測位方式決定システム、及び測位方式決定方法

【課題】測位の際の無駄な電力消費をより確実に抑えることが可能な、移動機、サーバ、測位方式決定システム、及び測位方式決定方法を提供する。
【解決手段】現在地の測位が可能な移動機1であって、現在地を測位して測位情報を取得することが可能な測位実施部11と、測位実施部11のうち一の測位手段による測位情報の取得失敗の場合に、当該測位情報の取得失敗の直前に取得した測位情報を、各通信エリアで用いることが可能な各測位手段を記憶するサーバ2に送信する測位方式問合せ判断部12と、測位情報を受信したサーバ2によって決定された移動機1が用いる測位手段を示す手段指示情報をサーバ2から受信する測位方式受信部13と、測位方式受信部13によって受信された手段指示情報が示す測位手段を用いて現在地を測位するよう制御する方式切替部14と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、現在地の測位が可能な移動機、当該移動機と通信を行うサーバ、当該移動機と当該サーバとを備える測位方式決定システム、及び、当該測位方式決定システムにおいて行われる測位方式決定方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
複数の測位方式で測位可能な移動機において、実際の環境に基づいて好ましい測位方式を選択させることが行われている。例えば、下記の特許文献1に開示された測位システムでは、最初に、一つの応用区域を複数のサブ区域に区分し、各サブ区域のそれぞれに対して識別標示及びそれに対応する測位モードを規定しておく。そして、移動端末設備がいずれかのサブ区域に入る場合、まずサブ区域の識別標示を読み取って、次に、所定のデータに基づいて対応する測位モードをサーチし、サーチした測位モードの実行によって対応する測位サービス情報を取得する。
【特許文献1】特開2007−170956号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記従来の技術では、一つの応用区域を構成する各サブ区域のそれぞれに対して識別標示及びそれに対応する測位モードを規定する必要があるため、一つの応用区域が無数にあるような広い通信エリアを考慮する場合、実運用上、上記の識別標示及び測位モードの規定は困難である。
【0004】
なお、上記の識別標示及び測位モードの規定がなされていない通信エリアでは、一つの測位方式による測位失敗の場合に、他の測位方式による測位試行を行う必要があり、ここで測位失敗すると更に他の測位方式による測位試行を行う必要があるため、無駄な電力を消費してしまうおそれがある。
【0005】
より具体的には、図1に示すように、携帯電話機等の移動端末Tが時間の経過とともに第一のエリア(ここでは屋外とする。以下、屋外という。)、第二のエリア(ここでは屋内とする。以下、屋内Bという。)、屋外、及び第三のエリア(ここでは屋内Bと異なる屋内とする。以下、屋内Cという。)の順に移動したとする。ここで、屋外、屋内B、及び屋内Cのそれぞれにおいて用いることが可能な測位手段は、GPS(Global Positioning System)、方式B、及び方式Cであるとする。なお、この移動端末Tは、最初にGPS測位を試みた後で、測位失敗する度に、方式Aを用いた測位、方式Bを用いた測位、方式Cを用いた測位を順に試みるとする。
【0006】
最初に屋外に移動した移動端末TがGPS測位を試みて成功した後で、屋内Bに移動してGPS測位を試みても失敗する。このため、次に方式Aを用いた測位を試みても失敗する。次に方式Bを用いた測位を試みると成功する。この結果、GPS測位及び方式A測位を行った際に無駄な電力を消費してしまっている。
【0007】
次に屋外に移動した移動端末TがGPS測位を試みて成功した後で、屋内Cに移動してGPS測位を試みても失敗する。このため、次に方式Aを用いた測位を試みても失敗する。次に方式Bを用いた測位を試みても失敗する。次に方式Cを用いた測位を試みると成功する。この結果、GPS測位と、方式A測位と、方式B測位とを行った際に無駄な電力を消費してしまっている。
【0008】
そこで本発明では、測位の際の無駄な電力消費をより確実に抑えることが可能な、移動機、サーバ、測位方式決定システム、及び測位方式決定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の移動機は、現在地の測位が可能な移動機であって、現在地を測位して測位情報を取得することが可能な複数の測位手段と、複数の測位手段のうち一の測位手段による測位情報の取得失敗の場合に、当該測位情報の取得失敗の直前に取得した測位情報を、各通信エリアで用いることが可能な各測位手段を記憶する記憶装置に送信する移動機送信手段と、測位情報を受信した記憶装置によって決定された移動機が用いる測位手段を示す手段指示情報を当該記憶装置から受信する移動機受信手段と、移動機受信手段によって受信された手段指示情報が示す測位手段を用いて現在地を測位するよう制御する制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0010】
本発明の移動機によれば、複数の測位手段のうち一の測位手段による測位情報の取得失敗の場合に、当該測位情報の取得失敗の直前に取得した測位情報が、上記の記憶装置に送信される。そして、この測位情報を受信した記憶装置によって決定された測位手段を示す手段指示情報を、移動機が記憶装置から受信すると、移動機は、この手段指示情報が示す測位手段を用いて現在地を測位するよう制御する。このように、測位情報の取得失敗の場合、移動機は、各通信エリアで用いることが可能な各測位手段を記憶する上記の記憶装置によって決定された測位手段を用いて現在地を測位することができる。このため、上記したように各サブ区域のそれぞれに対して識別標示及び測位モードの規定をすることなく、測位失敗を重ねることによる測位の際の無駄な電力消費をより確実に抑えて測位することができる。
【0011】
また、移動機は、複数の測位手段のそれぞれの測位精度の許容誤差を記憶する許容誤差記憶手段を更に備え、移動機送信手段は、複数の測位手段のうち一の測位手段による測位情報の取得の際の測位精度が、許容誤差記憶手段によって記憶された許容誤差を超えた場合に、当該測位情報の取得失敗と判定するのも好ましい。これにより、許容誤差記憶手段によって記憶された許容誤差を変更することにより、測位情報の取得失敗と判定する基準を変更することができる。
【0012】
また、複数の測位手段のうち一の測位手段による測位情報の取得失敗と判定された場合に移動機送信手段が記憶装置に送信する測位情報には、当該測位情報の取得失敗の直前に測位情報を取得した際に用いた測位手段と、当該測位手段を用いた際の測位誤差とに関する情報が含まれているのも好ましい。これにより、記憶装置は、当該測位情報の取得失敗の直前に測位情報を取得した際に用いた測位手段と、当該測位手段を用いた際の測位誤差とに関する情報に基づいて、移動機が用いる測位手段を決定することができる。
【0013】
また、制御手段は、移動機受信手段が手段指示情報を受信できなかった場合に、複数の測位手段のうち一の測位手段を選択して用いて現在地を測位するよう制御するのも好ましい。これにより、移動機は、移動機受信手段が手段指示情報を受信できなかった場合でも現在地を測位することができる。
【0014】
また、移動機は、記憶装置を当該移動機の内部に含むのも好ましい。これにより、移動機が外部と通信する必要がなくなるため、測位情報及び手段指示情報の送受信がより確実に行われる。
【0015】
本発明のサーバは、現在地を測位して測位情報を取得することが可能な複数の測位手段を有する移動機と通信を行うサーバであって、複数の測位手段のうち一の測位手段による測位情報の取得失敗の場合に、当該測位情報の取得失敗の直前に移動機が取得した測位情報を、当該移動機から受信するサーバ受信手段と、各通信エリアで用いることが可能な各測位手段を通信エリア情報として記憶する記憶手段と、サーバ受信手段によって受信された測位情報と、記憶手段によって記憶された通信エリア情報とに基づいて、移動機が用いる測位手段を決定する決定手段と、決定手段によって決定された測位手段を示す手段指示情報を、移動機に送信するサーバ送信手段と、を備えることを特徴とする。
【0016】
本発明のサーバによれば、複数の測位手段のうち一の測位手段による測位情報の取得失敗の場合に、当該測位情報の取得失敗の直前に取得した測位情報が、上記の移動機から受信される。そして、この測位情報を受信したサーバは、この測位情報と通信エリア情報とに基づいて、移動機が用いる測位手段を決定する。次に、決定された測位手段を示す手段指示情報を、サーバが移動機に送信すると、移動機は、この手段指示情報が示す測位手段を用いて現在地を測位するよう制御する。このように、測位情報の取得失敗の場合、移動機は、各通信エリアで用いることが可能な各測位手段を記憶するサーバによって決定された測位手段を用いて現在地を測位することができる。このため、上記したように各サブ区域のそれぞれに対して識別標示及び測位モードの規定をすることなく、測位失敗を重ねることによる測位の際の無駄な電力消費をより確実に抑えて測位することができる。
【0017】
また、サーバ受信手段は、測位情報を、移動機と異なる複数の他の移動機から受信し、決定手段は、サーバ受信手段によって受信された複数の他の移動機のそれぞれからの測位情報と、記憶手段によって記憶された通信エリア情報とに基づいて、移動機が用いる測位手段を決定するのも好ましい。これにより、複数の他の移動機のそれぞれからの測位情報と、通信エリア情報とに基づいて、移動機が用いる測位手段が決定されるため、移動機が用いる測位手段をより適切に決定することができる。
【0018】
また、決定手段は、複数の他の移動機のそれぞれが在圏する通信エリアが他の通信エリアのそれぞれへ遷移する確率を示す遷移率に基づいて、移動機が用いる測位手段を決定するのも好ましい。これにより、複数の他の移動機のそれぞれが在圏する通信エリアが他の通信エリアのそれぞれへ遷移する確率を示す遷移率に基づいて、移動機が用いる測位手段が決定されるため、移動機が用いる測位手段をより適切に決定することができる。
【0019】
本発明の測位方式決定システムは、現在地の測位が可能な移動機と、当該移動機と通信を行うサーバとを備える測位方式決定システムであって、
移動機は、現在地を測位して測位情報を取得することが可能な複数の測位手段と、複数の測位手段のうち一の測位手段による測位情報の取得失敗の場合に、当該測位情報の取得失敗の直前に取得した測位情報を、サーバに送信する移動機送信手段と、サーバによって決定された移動機が用いる測位手段を示す手段指示情報を当該サーバから受信する移動機受信手段と、移動機受信手段によって受信された手段指示情報が示す測位手段を用いて現在地を測位するよう制御する制御手段と、を有し、サーバは、測位情報を移動機から受信するサーバ受信手段と、各通信エリアで用いることが可能な各測位手段を通信エリア情報として記憶する記憶手段と、サーバ受信手段によって受信された測位情報と、記憶手段によって記憶された通信エリア情報とに基づいて、移動機が用いる測位手段を決定する決定手段と、決定手段によって決定された測位手段を示す手段指示情報を、移動機に送信するサーバ送信手段と、を有することを特徴とする。
【0020】
本発明の測位方式決定システムによれば、複数の測位手段のうち一の測位手段による測位情報の取得失敗の場合に、当該測位情報の取得失敗の直前に取得した測位情報が、上記のサーバに送信される。そして、この測位情報を受信したサーバによって決定された測位手段を示す手段指示情報を、移動機がサーバから受信すると、移動機は、この手段指示情報が示す測位手段を用いて現在地を測位するよう制御する。このように、測位情報の取得失敗の場合、移動機は、各通信エリアで用いることが可能な各測位手段を記憶する上記のサーバによって決定された測位手段を用いて現在地を測位することができる。このため、上記したように各サブ区域のそれぞれに対して識別標示及び測位モードの規定をすることなく、測位失敗を重ねることによる測位の際の無駄な電力消費をより確実に抑えて測位することができる。
【0021】
本発明の測位方式決定方法は、現在地を測位して測位情報を取得することが可能な複数の測位手段を有する移動機と、各通信エリアで用いることが可能な各測位手段を通信エリア情報として記憶する記憶手段を有するサーバとを備える測位方式決定システムにおいて行われる測位方式決定方法であって、複数の測位手段のうち一の測位手段による測位情報の取得失敗の場合に、移動機が、当該測位情報の取得失敗の直前に取得した測位情報を、サーバに送信する移動機送信ステップと、サーバが、測位情報を移動機から受信するサーバ受信ステップと、サーバが、サーバ受信ステップによって受信された測位情報と、記憶手段によって記憶された通信エリア情報とに基づいて、移動機が用いる測位手段を決定する決定ステップと、サーバが、決定ステップによって決定された測位手段を示す手段指示情報を、移動機に送信するサーバ送信ステップと、移動機が、手段指示情報をサーバから受信する移動機受信ステップと、移動機が、移動機受信ステップによって受信された手段指示情報が示す測位手段を用いて現在地を測位するよう制御する制御ステップと、を有することを特徴とする。
【0022】
本発明の測位方式決定方法によれば、複数の測位手段のうち一の測位手段による測位情報の取得失敗の場合に、当該測位情報の取得失敗の直前に取得した測位情報が、上記のサーバに送信される。そして、この測位情報を受信したサーバによって決定された測位手段を示す手段指示情報を、移動機がサーバから受信すると、移動機は、この手段指示情報が示す測位手段を用いて現在地を測位するよう制御する。このように、測位情報の取得失敗の場合、移動機は、各通信エリアで用いることが可能な各測位手段を記憶する上記のサーバによって決定された測位手段を用いて現在地を測位することができる。このため、上記したように各サブ区域のそれぞれに対して識別標示及び測位モードの規定をすることなく、測位失敗を重ねることによる測位の際の無駄な電力消費をより確実に抑えて測位することができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、測位の際の無駄な電力消費をより確実に抑えることが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態を説明する。なお、図面の説明において同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0025】
まず、本実施形態に係る測位方式決定システムによる動作について、図2を用いて説明する。図2は、測位方式決定システム100による動作を説明する説明図である。測位方式決定システム100は、現在地の測位が可能な携帯電話機等の移動機1と、この移動機1と通信を行うサーバ2(記憶装置)とを備える。移動機1は、現在地を測位して測位情報を取得することが可能な複数の測位手段を有しており、サーバ2は、移動機1が測位に用いる測位手段を決定する。
【0026】
より具体的には、移動機1が時間の経過とともに第一の通信エリア(ここでは屋外とする。以下、屋外という。)及び第二の通信エリア(ここでは屋内とする。以下、屋内Bという。)の順に移動したとする。ここで、屋外及び屋内Bのそれぞれにおいて測位に用いることが可能な測位手段は、第一の測位手段(ここでは例としてGlobal Positioning System即ちGPSとする。以下、GPSという。)及び第二の測位手段(以下、方式Bという。)のそれぞれであるとする。なお、サーバ2は、屋内Bにおいて測位に用いることが可能な測位手段が方式Bであることを示す拡張エリア情報(通信エリア情報)を記憶することにより登録しておく(ステップS01)。
【0027】
最初に屋外に移動した移動機1がGPS測位を試みて成功し、測位情報を取得した(ステップS02)後で、屋内Bに移動してGPS測位を試みても失敗する(ステップS03)。このとき、移動機1が測位失敗の直前に取得した(即ちステップS02で取得した)測位情報をサーバ2に送信して、移動機1が測位に用いるべき測位手段を問い合わせる(ステップS04)と、サーバ2は、受信した測位情報に基づいて、移動機1が測位に用いるべき測位手段(ここでは方式B)を示す手段指示情報を移動機1に送信する(ステップS05)。移動機1は、この手段指示情報が示す方式Bを用いて現在地の測位を試みて成功し、測位情報を取得する(ステップS06)。これにより、GPS測位の後に例えば方式Cの測位を試みて失敗することによる無駄な電力の消費を抑えることが可能になる。
【0028】
引き続き、移動機1及びサーバ2のそれぞれの構成について、図3〜図5を用いて説明する。図3は移動機1及びサーバ2のそれぞれの機能構成を説明する図であり、図4は移動機1の物理構成を説明する図であり、図5はサーバ2の物理構成を説明する図である。
【0029】
まず、移動機1について説明する。図4に示すように、移動機1は、物理的な構成要素として、CPU101、RAM102、ROM103、操作部104、無線通信部105、ディスプレイ106、アンテナ107等のハードウェアにより構成されている。これらの構成要素が動作することにより、以下に説明する各機能が発揮される。図3に示すように、移動機1は、機能的な構成要素として、測位実施部11(測位手段)、測位方式問合せ判断部12(移動機送信手段)、測位方式受信部13(移動機受信手段)、方式切替部14(制御手段)、測位結果履歴格納部15(測位結果記憶手段)、許容誤差DB16(許容誤差記憶手段)、及びランダム測位実施部17(制御手段)を備えている。
【0030】
測位実施部11は、現在地を測位して測位情報を取得することが可能な複数の測位手段であり、例えば上記のGPS、方式B、及び方式Cの三つの測位手段である。
【0031】
測位方式問合せ判断部12は、測位実施部11(即ち、GPS、方式B、及び方式C)のうち一の測位手段による測位情報の取得失敗の場合に、この測位情報の取得失敗の直前に取得した測位情報をサーバ2に送信することによって、次に用いる測位手段を問い合わせる部分である。測位方式問合せ判断部12は、測位実施部11のうち一の測位手段による測位情報の取得の際の測位精度が、許容誤差DB16によって記憶された後述の許容誤差を超えた場合に、当該測位情報の取得失敗と判定する。なお、上記の測位情報には、この測位情報の取得失敗の直前に測位情報を取得した際に用いた測位手段と、この測位手段を用いた際の測位誤差とに関する情報が含まれている。
【0032】
測位方式受信部13は、測位情報を受信したサーバ2によって決定された移動機1が用いる測位手段を示す手段指示情報を、このサーバ2から受信する部分である。
【0033】
方式切替部14は、測位方式受信部13によって受信された手段指示情報が示す測位手段を用いるように切り替えて現在地を測位するよう制御する部分である。
【0034】
測位結果履歴格納部15は、測位実施部11及びランダム測位実施部17による測位の成功又は失敗の結果と、測位成功の場合はその測位情報とを履歴として格納する部分である。
【0035】
許容誤差DB16は、測位実施部11の測位精度の許容誤差を記憶するデータベースである。例えば、GPSを用いた測位における許容誤差は実際の現在地から30mの範囲内であるとし、方式Aを用いた測位における許容誤差は実際の現在地から50mの範囲内であるとし、方式Bを用いた測位における許容誤差は実際の現在地から10mの範囲内であるとして、許容誤差が記憶される。
【0036】
ランダム測位実施部17は、測位方式受信部13が手段指示情報を受信できなかった場合に、または、手段指示情報が示す測位手段を移動機1が有していなかった場合に、方式切替部14の制御によって測位実施部11のうち一の測位手段をランダムに選択して用いて現在地を測位する部分である。ランダム測位実施部17は、測位の成功又は失敗の結果と、測位成功の場合はその測位情報とを拡張エリア生成部24に送信する。
【0037】
引き続き、サーバ2について説明する。図5に示すように、サーバ2は、物理的な構成要素として、CPU201(Central Processing Unit)、主記憶装置であるRAM202(Random Access Memory)、及びROM203(ReadOnly Memory)、通信を行うための通信モジュール204、並びにハードディスク等の補助記憶装置205等のハードウェアを備えるコンピュータとして構成されている。これらの構成要素が動作することにより、以下に説明する各機能が発揮される。図3に示すように、サーバ2は、機能的な構成要素として、測位方式問合せ受信部21(サーバ受信手段)、拡張エリア情報DB22(記憶手段)、測位方式推測部23(決定手段及び送信手段)、及び拡張エリア生成部24(記憶手段)を備えている。
【0038】
測位方式問合せ受信部21は、移動機1における測位情報の取得失敗の場合に、上記の測位情報を移動機1から受信する部分である。測位方式問合せ受信部21は、上記の測位情報を、移動機1と異なる複数の他の移動機から受信することもできる。
【0039】
拡張エリア情報DB22は、測位方式問合せ受信部21が受信した測位情報と、拡張エリア生成部24が生成した拡張エリア情報とに基づいて、各通信エリアで用いることが可能な各測位手段を、集合知としての拡張エリア情報として記憶するデータベースである。例えば、測位方式問合せ受信部21が受信した測位情報に基づいて、緯度X、経度Y、高度Zの位置を含む所定の広さの通信エリアで用いることが可能な測位手段はGPS(測位誤差は10m)であるとともに、緯度A、経度B、高度Cの位置を含む所定の広さの通信エリアで用いることが可能な測位手段は方式A(測位誤差は5m)であることが記憶されている。また、測位方式問合せ受信部21が次に受信した測位情報に基づいて、緯度X1、経度Y1、高度Z1の位置を含む所定の広さの通信エリアで用いることが可能な測位手段は方式A(測位誤差は5m)であるとともに、緯度A1、経度B1、高度C1の位置を含む所定の広さの通信エリアで用いることが可能な測位手段は方式B(測位誤差は10m)であることが記憶されている。
【0040】
測位方式推測部23は、測位方式問合せ受信部21によって受信された測位情報と、拡張エリア情報DB22によって記憶された拡張エリア情報とに基づいて、移動機1が用いるべき測位手段を推測して決定する部分である。測位方式推測部23は、受信された測位情報が示す位置が、記憶された拡張エリア情報が示す拡張エリア内に包含されているか否かのチェックを行い、包含されていればその拡張エリアに対応する測位手段を、移動機1が用いるべき測位手段として決定する。
【0041】
なお、測位方式推測部23は、測位方式問合せ受信部21によって受信された上記の複数の他の移動機のそれぞれからの測位情報と、拡張エリア情報DB22によって記憶された拡張エリア情報とに基づいて、移動機1が用いる測位手段を決定することもできる。測位方式推測部23は、決定された測位手段を示す手段指示情報を、移動機1に送信する。
【0042】
また、測位方式推測部23は、上記の複数の他の移動機のそれぞれが在圏する通信エリアが他の通信エリアのそれぞれへ遷移する確率を示す遷移率に基づいて、移動機1が用いる測位手段を決定することもできる。遷移率に基づく測位手段の決定については後述する。
【0043】
拡張エリア生成部24は、ランダム測位実施部17が測位して取得した測位情報を受信し、この測位情報に基づいて、拡張エリア情報DB22に記憶される拡張エリア情報を生成する部分である。
【0044】
引き続き、サーバ2が拡張エリア情報を記憶する動作について、図6を用いて説明する。図6は、サーバ2が拡張エリア情報を記憶する動作を説明する説明図である。まず、移動機1が時間の経過とともに屋外及び屋内Bの順に移動したとする。ここで、屋外及び屋内Bのそれぞれにおいて測位に用いることが可能な測位手段は、GPS及び方式Bのそれぞれであるとする。
【0045】
最初に屋外に移動した移動機1がGPS測位を試みて成功し、測位情報を取得した(ステップS11)後で、屋内Bに移動してGPS測位を試みても失敗する(ステップS12)。このとき、移動機1が測位失敗の直前に取得した測位情報をサーバ2に送信すると、サーバ2は、移動機1が測位に用いるべき測位手段(ここでは方式B)を示す手段指示情報を移動機1に送信する。移動機1は、この手段指示情報が示す方式Bを用いて現在地の測位を試みて成功し、測位情報を取得する(ステップS13)。
【0046】
ここで、移動機1の測位方式問合せ判断部12が、ステップS11及びステップS13で取得した測位情報をサーバ2に送信する(ステップS14)。この測位情報には、測位情報を取得した際に用いた測位手段(ここではGPS及び方式B)と、この測位手段のそれぞれを用いた際の測位誤差とに関する情報が含まれている。測位情報を受信したサーバ2は、この測位情報を、屋内Bにおいて測位に用いることが可能な測位手段が方式Bであることを示す拡張エリア情報として記憶することにより登録する(ステップS15)。
【0047】
引き続き、拡張エリア情報の生成方法について、図7を用いて説明する。図7は、拡張エリア情報の生成方法の一例を説明する説明図である。斜線で示された通信エリアA1,B1,C1,D1,E1,F1は、移動機1における測位情報の取得失敗の場合に、この測位情報の取得失敗の直前に取得された測位情報(第一測位情報)が示す通信エリアである。このとき、方式Aが測位に用いられている。また、多数の点で示された通信エリアA2,B2,C2,D2,E2,F2は、上記した測位情報の取得失敗の直前に取得された測位情報の次に取得された測位情報(第二測位情報)が示す通信エリアである。このとき、方式Bが測位に用いられている。
【0048】
図7に示すように、通信エリアA1,B1,C1,D1,E1,F1のそれぞれに位置していた移動機は、次に通信エリアA2,B2,C2,D2,E2,F2のいずれかに移動することが多いと推測される。このため、サーバ2の測位方式推測部23は、通信エリアA1,B1,C1,D1,E1,F1と、通信エリアA2,B2,C2,D2,E2,F2とを、ほぼ含むような拡張エリアDを示す拡張エリア情報を演算により生成する。そして、サーバ2の測位方式問合せ受信部21が、この拡張エリアD内に移動機1が存在することを示す測位情報を受信した場合、測位方式推測部23が、上記の第二測位情報の取得の際に用いられた測位手段(即ち方式B)を、移動機1が次に測位に用いる測位手段として決定する。
【0049】
引き続き、拡張エリアが重複した場合の処理方法について、図8を用いて説明する。図8は、拡張エリアが重複した場合の処理方法を説明する説明図である。移動機1における測位情報の取得失敗の場合に、この測位情報の取得失敗の直前に取得された測位情報が示す位置が、位置Pであるとする。この位置Pは、拡張エリアD1と拡張エリアD2が重複した重複エリアQに含まれている。このように、拡張エリアが重複した場合、測位方式推測部23は、重複した重複エリアQを有する全ての拡張エリア(ここでは拡張エリアD1,拡張エリアD2)のそれぞれで用いることが決定された測位手段(ここでは方式B,方式C)の全てを、移動機1が次に測位に用いる測位手段として決定する。
【0050】
なお、拡張エリアが重複した場合、測位方式推測部23は、複数の他の移動機のそれぞれが在圏する通信エリアが他の通信エリアのそれぞれへ遷移する確率を示す遷移率に基づいて、移動機1が用いる測位手段を決定してもよい。例えば、拡張エリアD3(図示せず)に在圏していた移動機(移動機1としてもよく、移動機1と異なる複数の他の移動機としてもよい。)が、在圏する通信エリアの遷移によって次に拡張エリアD1に在圏しなおす遷移率が80%であって、且つ、拡張エリアD1でなく拡張エリアD2に在圏しなおす遷移率が20%であるとする。このとき、拡張エリアD3(図示せず)に在圏していた移動機1が測位情報の取得失敗の直前に取得した測位情報によって示される位置が、位置Pであった場合、サーバ2の測位方式推測部23は、より高い遷移率である拡張エリアD1で用いることが決定された方式Bを、移動機1が次に測位に用いる測位手段として決定する。
【0051】
引き続き、測位方式決定システム100において行われる処理手順について、図9を用いて説明する。図9は、測位方式決定システム100において行われる処理手順を説明するシーケンス図である。
【0052】
まず、移動機1において、測位実施部11のうち一の測位手段による測位情報の取得に失敗したとする(ステップS21)。このとき、移動機1の測位方式問合せ判断部12が、この取得失敗の直前に取得した測位情報を、サーバ2に送信する(ステップS22、移動機送信ステップ)と、サーバ2の測位方式問合せ受信部21が、この測位情報を受信する(ステップS23、サーバ受信ステップ)。
【0053】
次に、サーバ2の測位方式推測部23が、受信した測位情報と、拡張エリア情報DB22に記憶された拡張エリア情報とに基づいて、移動機1が用いる測位手段を決定する(ステップS24、決定ステップ)。そして、サーバ2の測位方式推測部23が、決定された測位手段を示す手段指示情報を、移動機1に送信する(ステップS25、サーバ送信ステップ)と、移動機1の測位方式受信部13が、この手段指示情報を受信する(ステップS26、移動機受信ステップ)。そして、移動機1の方式切替部14が、受信された手段指示情報が示す測位手段を用いて現在地を測位するよう制御する(ステップS27、制御ステップ)。
【0054】
引き続き、本実施形態の作用効果について説明する。本実施形態に係る移動機1、サーバ2、測位方式決定システム100、測位方式決定方法によれば、測位実施部11のうち一の測位手段による測位情報の取得失敗の場合に、この測位情報の取得失敗の直前に取得した測位情報が、サーバ2に送信される。そして、この測位情報を受信したサーバ2によって決定された測位手段を示す手段指示情報を、移動機1がサーバ2から受信すると、移動機1は、この手段指示情報が示す測位手段を用いて現在地を測位するよう制御する。
【0055】
このように、測位情報の取得失敗の場合、移動機1は、各通信エリアで用いることが可能な各測位手段を記憶する上記のサーバ2によって決定された測位手段を用いて現在地を測位することができる。このため、各通信エリアのそれぞれに対して識別標示及び測位手段の規定をすることなく、測位方式の無駄なサーチと測位の失敗とを重ねることによる測位の際の無駄な電力消費をより確実に抑えて測位することができる。
【0056】
また、許容誤差DB16によって記憶された許容誤差を変更することにより、測位情報の取得失敗と判定する基準を変更することができる。
【0057】
また、サーバ2は、測位情報の取得失敗の直前に測位情報を取得した際に用いた測位手段と、この測位手段を用いた際の測位誤差とに関する情報に基づいて、移動機1が用いる測位手段を決定することができる。これにより、サーバ2は、移動機1が用いるべき測位手段を、より適切に決定することが可能になる。
【0058】
また、移動機1は、測位方式受信部13が手段指示情報を受信できなかった場合でも現在地を測位することができる。
【0059】
また、複数の他の移動機のそれぞれからの測位情報と、拡張エリア情報とに基づいて、移動機1が用いる測位手段が決定されるため、移動機1が用いるべき測位手段を、より適切に決定することができる。
【0060】
また、複数の他の移動機のそれぞれが在圏する通信エリアが他の通信エリアのそれぞれへ遷移する確率を示す遷移率に基づいて、移動機1が用いるべき測位手段が決定されるため、移動機1が用いる測位手段を、より適切に決定することができる。
【0061】
以上、本発明を実施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。なお、上記の実施形態及び下記の変形例は、本発明の範囲を制限するものではなく、当業者がこれらの実施形態及び変形例を本発明の特許請求の範囲の主題に反することなく発展させることができるものである。
【0062】
例えば、上記の実施形態では、移動機1とサーバ2とを別個に構成しているが、サーバ2自体又はサーバ2の機能を、移動機1が内部に含む構成としてもよい。これにより、移動機1が外部と通信する必要がなくなるため、測位情報及び手段指示情報の送受信がより確実に行われる。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】移動端末において無駄な電力が消費されてしまう理由を説明する説明図である。
【図2】本発明の実施形態に係る測位方式決定システムによる動作を説明する説明図である。
【図3】本発明の実施形態に係る移動機及びサーバのそれぞれの機能構成を説明する図である。
【図4】移動機の物理構成を説明する図である。
【図5】サーバの物理構成を説明する図である。
【図6】サーバが拡張エリア情報を記憶する動作を説明する説明図である。
【図7】拡張エリア情報の生成方法の一例を説明する説明図である。
【図8】拡張エリアが重複した場合の処理方法を説明する説明図である。
【図9】測位方式決定システムにおいて行われる処理手順を説明するシーケンス図である。
【符号の説明】
【0064】
1…移動機、2…サーバ、11…測位実施部、12…測位方式問合せ判断部、13…測位方式受信部、14…方式切替部、15…測位結果履歴格納部、16…許容誤差DB、17…ランダム測位実施部、21…測位方式問合せ受信部、22…拡張エリア情報DB、23…測位方式推測部、24…拡張エリア生成部、100…測位方式決定システム、101…CPU、102…RAM、103…ROM、104…操作部、105…無線通信部、106…ディスプレイ、107…アンテナ、201…CPU、202…RAM、203…ROM、204…通信モジュール、205…補助記憶装置、A1,B1,C1,D1,E1,F1,A2,B2,C2,D2,E2,F2…通信エリア、D…拡張エリア、P…位置、Q…重複エリア、T…移動端末。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
現在地の測位が可能な移動機であって、
現在地を測位して測位情報を取得することが可能な複数の測位手段と、
前記複数の測位手段のうち一の測位手段による測位情報の取得失敗の場合に、当該測位情報の取得失敗の直前に取得した測位情報を、各通信エリアで用いることが可能な各測位手段を記憶する記憶装置に送信する移動機送信手段と、
前記測位情報を受信した前記記憶装置によって決定された前記移動機が用いる測位手段を示す手段指示情報を当該記憶装置から受信する移動機受信手段と、
前記移動機受信手段によって受信された前記手段指示情報が示す測位手段を用いて現在地を測位するよう制御する制御手段と、
を備える移動機。
【請求項2】
前記複数の測位手段のそれぞれの測位精度の許容誤差を記憶する許容誤差記憶手段を更に備え、
前記移動機送信手段は、前記複数の測位手段のうち一の測位手段による測位情報の取得の際の測位精度が、前記許容誤差記憶手段によって記憶された前記許容誤差を超えた場合に、当該測位情報の取得失敗と判定する、
請求項1に記載の移動機。
【請求項3】
前記複数の測位手段のうち一の測位手段による測位情報の取得失敗と判定された場合に前記移動機送信手段が前記記憶装置に送信する前記測位情報には、当該測位情報の取得失敗の直前に測位情報を取得した際に用いた測位手段と、当該測位手段を用いた際の測位誤差とに関する情報が含まれている、
請求項2に記載の移動機。
【請求項4】
前記制御手段は、前記移動機受信手段が前記手段指示情報を受信できなかった場合に、前記複数の測位手段のうち一の測位手段を選択して用いて現在地を測位するよう制御する、
請求項1〜3のいずれかに記載の移動機。
【請求項5】
前記記憶装置を当該移動機の内部に含む、
請求項1〜4のいずれかに記載の移動機。
【請求項6】
現在地を測位して測位情報を取得することが可能な複数の測位手段を有する移動機と通信を行うサーバであって、
前記複数の測位手段のうち一の測位手段による測位情報の取得失敗の場合に、当該測位情報の取得失敗の直前に前記移動機が取得した測位情報を、当該移動機から受信するサーバ受信手段と、
各通信エリアで用いることが可能な各測位手段を通信エリア情報として記憶する記憶手段と、
前記サーバ受信手段によって受信された前記測位情報と、前記記憶手段によって記憶された前記通信エリア情報とに基づいて、前記移動機が用いる測位手段を決定する決定手段と、
前記決定手段によって決定された測位手段を示す手段指示情報を、前記移動機に送信するサーバ送信手段と、
を備えるサーバ。
【請求項7】
前記サーバ受信手段は、前記測位情報を、前記移動機と異なる複数の他の移動機から受信し、
前記決定手段は、前記サーバ受信手段によって受信された前記複数の他の移動機のそれぞれからの前記測位情報と、前記記憶手段によって記憶された前記通信エリア情報とに基づいて、前記移動機が用いる測位手段を決定する、
請求項6に記載のサーバ。
【請求項8】
前記決定手段は、前記複数の他の移動機のそれぞれが在圏する通信エリアが他の通信エリアのそれぞれへ遷移する確率を示す遷移率に基づいて、前記移動機が用いる測位手段を決定する、
請求項7に記載のサーバ。
【請求項9】
現在地の測位が可能な移動機と、当該移動機と通信を行うサーバとを備える測位方式決定システムであって、
前記移動機は、
現在地を測位して測位情報を取得することが可能な複数の測位手段と、
前記複数の測位手段のうち一の測位手段による測位情報の取得失敗の場合に、当該測位情報の取得失敗の直前に取得した測位情報を、前記サーバに送信する移動機送信手段と、
前記サーバによって決定された前記移動機が用いる測位手段を示す手段指示情報を当該サーバから受信する移動機受信手段と、
前記移動機受信手段によって受信された前記手段指示情報が示す測位手段を用いて現在地を測位するよう制御する制御手段と、を有し、
前記サーバは、
前記測位情報を前記移動機から受信するサーバ受信手段と、
各通信エリアで用いることが可能な各測位手段を通信エリア情報として記憶する記憶手段と、
前記サーバ受信手段によって受信された前記測位情報と、前記記憶手段によって記憶された前記通信エリア情報とに基づいて、前記移動機が用いる測位手段を決定する決定手段と、
前記決定手段によって決定された測位手段を示す手段指示情報を、前記移動機に送信するサーバ送信手段と、を有する、
測位方式決定システム。
【請求項10】
現在地を測位して測位情報を取得することが可能な複数の測位手段を有する移動機と、各通信エリアで用いることが可能な各測位手段を通信エリア情報として記憶する記憶手段を有するサーバとを備える測位方式決定システムにおいて行われる測位方式決定方法であって、
前記複数の測位手段のうち一の測位手段による測位情報の取得失敗の場合に、前記移動機が、当該測位情報の取得失敗の直前に取得した測位情報を、前記サーバに送信する移動機送信ステップと、
前記サーバが、前記測位情報を前記移動機から受信するサーバ受信ステップと、
前記サーバが、前記サーバ受信ステップによって受信された前記測位情報と、前記記憶手段によって記憶された前記通信エリア情報とに基づいて、前記移動機が用いる測位手段を決定する決定ステップと、
前記サーバが、前記決定ステップによって決定された測位手段を示す手段指示情報を、前記移動機に送信するサーバ送信ステップと、
前記移動機が、前記手段指示情報を前記サーバから受信する移動機受信ステップと、
前記移動機が、前記移動機受信ステップによって受信された前記手段指示情報が示す測位手段を用いて現在地を測位するよう制御する制御ステップと、
を有する測位方式決定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−145356(P2010−145356A)
【公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−325851(P2008−325851)
【出願日】平成20年12月22日(2008.12.22)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】